特許第6804020号(P6804020)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6804020マルチモードJosephsonパラメトリック・コンバータを動作させる方法および多重キュービットの遠隔エンタングルメントの方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6804020
(24)【登録日】2020年12月4日
(45)【発行日】2020年12月23日
(54)【発明の名称】マルチモードJosephsonパラメトリック・コンバータを動作させる方法および多重キュービットの遠隔エンタングルメントの方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 39/22 20060101AFI20201214BHJP
   G06N 10/00 20190101ALI20201214BHJP
   H01P 7/08 20060101ALI20201214BHJP
【FI】
   H01L39/22 K
   G06N10/00
   H01P7/08ZAA
【請求項の数】21
【全頁数】43
(21)【出願番号】特願2018-513354(P2018-513354)
(86)(22)【出願日】2016年9月26日
(65)【公表番号】特表2018-538680(P2018-538680A)
(43)【公表日】2018年12月27日
(86)【国際出願番号】IB2016055741
(87)【国際公開番号】WO2017055988
(87)【国際公開日】20170406
【審査請求日】2019年2月25日
(31)【優先権主張番号】14/871,562
(32)【優先日】2015年9月30日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】390009531
【氏名又は名称】インターナショナル・ビジネス・マシーンズ・コーポレーション
【氏名又は名称原語表記】INTERNATIONAL BUSINESS MACHINES CORPORATION
(74)【代理人】
【識別番号】100108501
【弁理士】
【氏名又は名称】上野 剛史
(74)【代理人】
【識別番号】100112690
【弁理士】
【氏名又は名称】太佐 種一
(72)【発明者】
【氏名】アブド、バレーフ
【審査官】 棚田 一也
(56)【参考文献】
【文献】 特表2004−531974(JP,A)
【文献】 特開平09−237923(JP,A)
【文献】 特開平06−260688(JP,A)
【文献】 N.Bergeal,et.al,“Analog infomation processing at the quantum limit with a Josephson ring modulator”,Nature Physics,英国,Nature Publishing Group,2010年 2月14日,1-7
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 39/22
G06N 10/00
H01P 7/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
マルチモードJosephsonパラメトリック・コンバータをマルチモード量子限界増幅器として動作させる方法であって、
前記マルチモードJosephsonパラメトリック・コンバータにより、異なる共振周波数での、多重量子信号を同時に受信するステップであって、前記多重量子信号の第1の群が第1のマルチモード共振器により受信され、前記多重量子信号の第2の群が第2のマルチモード共振器により受信されるようにする、ステップと、
前記マルチモードJosephsonパラメトリック・コンバータにより、ポンプ信号を受信するステップと、
前記マルチモードJosephsonパラメトリック・コンバータにより、前記多重量子信号同時に増幅させるステップと、
前記異なる共振周波数で増幅させた前記多重量子信号反射させるステップと
を含む、方法。
【請求項2】
前記第1の群は、異なる共振周波数を有する、前記第1のマルチモード共振器の共振モードのものであり、
前記第1のマルチモード共振器は、第1の左手系伝送線路であり、
前記第2の群は、異なる共振周波数を有する、前記第2のマルチモード共振器の共振モードのものであり、
前記第2のマルチモード共振器は、第2の左手系伝送線路である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記ポンプ信号の各々は、前記第1の群内の前記異なる共振周波数の1つと、前記第2の群内の前記異なる共振周波数の1つとの周波数和であり、したがって、前記第1の群の前記1つ、および、前記第2の群の前記1つでの、前記多重量子信号を増幅させる、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記ポンプ信号は、前記第1の群内の第1の共振周波数に、前記第2の群内の第1の共振周波数をプラスした、第1の周波数和である第1のポンプ信号、前記第1の群内の第2の共振周波数に、前記第2の群内の第2の共振周波数をプラスした、第2の周波数和である第2のポンプ信号から、前記第1の群内の最後の共振周波数に、前記第2の群内の最後の共振周波数をプラスした、最後の周波数和であ最後のポンプ信号までを含む、請求項2に記載の方法。
【請求項5】
前記第1の群内の前記第1の共振周波数から前記最後の共振周波数までの少なくとも1つと、前記第2の群内の前記第1の共振周波数から前記最後の共振周波数までの少なくとも1つが同じである、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記第1の群内の前記第1の共振周波数から前記最後の共振周波数までの少なくとも1つと、前記第2の群内の前記第1の共振周波数から前記最後の共振周波数までとは異なる、請求項4に記載の方法。
【請求項7】
前記異なる共振周波数での、前記多重量子信号は、約5〜15GHzの範囲に及ぶ、請求項1〜6のいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
前記マルチモードJosephsonパラメトリック・コンバータは、前記異なる共振周波数での、前記多重量子信号を、前記第1のマルチモード共振器および前記第2のマルチモード共振器によって、同時に増幅させるように構成され、前記第1のマルチモード共振器および前記第2のマルチモード共振器は、分散非線形媒体に接続される、請求項1〜7のいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
マルチモードJosephsonパラメトリック・コンバータを動作させて、エンタングルされる光子の多重対を発生させる方法であって、
前記マルチモードJosephsonパラメトリック・コンバータ内の第1のマルチモード共振器により、前記第1のマルチモード共振器の共振モードの、異なる共振周波数での、信号の第1の群を受信するステップであって、前記第1のマルチモード共振器は、第1の左手系伝送線路である、前記受信するステップと、
前記マルチモードJosephsonパラメトリック・コンバータ内の第2のマルチモード共振器により、前記第2のマルチモード共振器の共振モードの、異なる共振周波数での、信号の第2の群を受信するステップであって、前記第2のマルチモード共振器は、第2の左手系伝送線路である、前記受信するステップと、
ポンプ信号の群を、前記第2のマルチモード共振器により受信するステップ
前記ポンプ信号の群と分散非線形媒体との相互作用に基づいて、エンタングルされる光子の対の群を同時に発生させるステップを含む、方法。
【請求項10】
前記受信するステップにおいて、前記ポンプ信号の群は、周波数和が、前記第1のマルチモード共振器の1つの共振周波数と、前記第2のマルチモード共振器の1つの共振周波数との和であるとして、第1の周波数和から最後の周波数和までを含み、前記発生させるステップにおいて、エンタングルされる光子の前記対の群は、第1の対から最後の対までを含む、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記第1の周波数和は、前記第1の群の1つの共振周波数に、前記第2の群の1つの共振周波数をプラスした総和であり、前記ポンプ信号の群における第2の周波数和は、前記第1の群の別の共振周波数に、前記第2の群の別の共振周波数をプラスした総和であり、前記最後の周波数和は、前記第1の群のさらに別の共振周波数に、前記第2の群のさらに別の共振周波数をプラスした総和である、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記エンタングルされる光子の前記第1の対は、前記分散非線形媒体との相互作用によってダウン・コンバートされる、前記ポンプ信号の群の前記第1の周波数和のエネルギーに応じて、前記第1の群の前記1つの共振周波数での第1の光子、および、前記第2の群の前記1つの共振周波数での第1の光子に対応し、
前記エンタングルされる光子の第2の対は、前記分散非線形媒体との相互作用によってダウン・コンバートされる、前記ポンプ信号の群の前記第2の周波数和のエネルギーに応じて、前記第1の群の前記別の共振周波数での第2の光子、および、前記第2の群の前記別の共振周波数での第2の光子に対応し、
前記エンタングルされる光子の前記最後の対は、前記分散非線形媒体との相互作用によってダウン・コンバートされる、前記ポンプ信号の群の第3の周波数和のエネルギーに応じて、前記第1の群の前記さらに別の共振周波数での最後の光子、および、前記第2の群の前記さらに別の共振周波数での最後の光子に対応する、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記異なる共振周波数での、信号の前記第1の群、および、信号の前記第2の群は、約5〜15GHzの範囲に及ぶ、請求項9〜12のいずれか1項に記載の方法。
【請求項14】
測定による多重キュービットの遠隔エンタングルメントの方法であって、
マルチモードJosephsonパラメトリック・コンバータ内の第1のマルチモード共振器により、前記第1のマルチモード共振器の共振モードと共振的な、第1のキュービット群からの読み出し信号の第1の群を受信するステップであって、前記第1のマルチモード共振器は、第1の左手系伝送線路である、前記受信するステップと、
前記マルチモードJosephsonパラメトリック・コンバータ内の第2のマルチモード共振器により、前記第2のマルチモード共振器の共振モードと共振的な、第2のキュービット群からの読み出し信号の第2の群を受信するステップであって、前記第2のマルチモード共振器は、第2の左手系伝送線路である、前記受信するステップと、
ポンプ信号を、前記第2のマルチモード共振器により受信するステップであって、前記ポンプ信号は、第1のポンプ信号から最後のポンプ信号までを含む、前記受信するステップと、
前記読み出し信号の第1の群の受信および前記読み出し信号の第2の群の受信に応答して、前記マルチモードJosephsonパラメトリック・コンバータにより、前記第1のポンプ信号に基づく第1のキュービット対から、前記最後のポンプ信号に基づく最後のキュービット対までを発生させるステップと
を含む、方法。
【請求項15】
前記第1のマルチモード共振器および前記第2のマルチモード共振器は、前記マルチモードJosephsonパラメトリック・コンバータ内で結合される、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記第1のポンプ信号は、前記第1の群の1つの共振周波数に、前記第2の群の1つの共振周波数をプラスした総和である第1の周波数和であり、
前記ポンプ信号に含まれる第2のポンプ信号は、前記第1の群の別の共振周波数に、前記第2の群の別の共振周波数をプラスした総和である第2の周波数和であり
前記最後のポンプ信号は、前記第1の群のさらに別の共振周波数に、前記第2の群のさらに別の共振周波数をプラスした総和である最後の周波数和である、請求項14または15に記載の方法。
【請求項17】
前記読み出し信号の前記第1の群は、第1の読み出し共振器から受信され、前記第1の読み出し共振器は、前記第1のキュービットに結合され、
前記読み出し信号の前記第2の群は、第2の読み出し共振器から受信され、前記第2の読み出し共振器は、前記第2のキュービットに結合される、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記第1のキュービット内の1つのキュービットが、前記第1の群の前記1つの共振周波数で読み出され、前記第2のキュービット内の1つのキュービットが、前記第2の群の前記1つの共振周波数で読み出されるということが、前記第1のキュービット対が、前記ポンプ信号の前記第1のポンプ信号に応じて、前記第1のキュービット内の前記1つのキュービット、および、前記第2のキュービット内の前記1つのキュービットであるように行われており、
前記第1のキュービット内の別のキュービットが、前記第1の群の前記別の共振周波数で読み出され、前記第2のキュービット内の別のキュービットが、前記第2の群の前記別の共振周波数で読み出されるということが、第2のキュービット対が、前記ポンプ信号の前記第2のポンプ信号に応じて、前記第1のキュービット内の前記別のキュービット、および、前記第2のキュービット内の前記別のキュービットであるように行われており、
前記第1のキュービット内のさらに別のキュービットが、前記第1の群の前記さらに別の共振周波数で読み出され、前記第2のキュービット内のさらに別のキュービットが、前記第2の群の前記さらに別の共振周波数で読み出されるということが、前記最後のキュービット対が、前記ポンプ信号の前記最後のポンプ信号に応じて、前記第1のキュービット内の前記さらに別のキュービット、および、前記第2のキュービット内の前記さらに別のキュービットであるように行われている、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記第1の読み出し共振器は、前記第1のマルチモード共振器の前記共振モードと一致する読み出し共振器周波数を有し、
前記第2の読み出し共振器は、前記第2のマルチモード共振器の前記共振モードと一致する読み出し共振器周波数を有する、請求項17または18に記載の方法。
【請求項20】
前記第1のマルチモード共振器の前記共振周波数、および、前記第1の読み出し共振器の前記読み出し共振器周波数の両方は、約5〜15GHzの範囲に及び、
前記第2のマルチモード共振器の前記共振周波数、および、前記第2の読み出し共振器の前記読み出し共振器周波数の両方は、約5〜15GHzの範囲に及ぶ、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
マルチモードJosephsonパラメトリック・コンバータをマルチモード量子限界増幅器として動作させる方法であって、
前記マルチモードJosephsonパラメトリック・コンバータにより、異なる共振周波数での、多重量子信号を並列に受信するステップと、
前記マルチモードJosephsonパラメトリック・コンバータにより、前記多重量子信号を、前記マルチモードJosephsonパラメトリック・コンバータに適用されるポンプ信号によって、同時に増幅させるステップと、
前記異なる共振周波数で増幅させた前記多重量子信号を、前記ポンプ信号に従って反射させるステップと
を含み、前記異なる共振周波数の第1の群は、第1のマルチモード共振器の共振モードのものであり、
前記第1のマルチモード共振器は、第1の左手系伝送線路であり、
前記異なる共振周波数の第2の群は、第2のマルチモード共振器の共振モードのものであり、
前記第2のマルチモード共振器は、第2の左手系伝送線路であり、
前記ポンプ信号の各々は、前記第1の群内の前記異なる共振周波数の1つと、前記第2の群内の前記異なる共振周波数の1つとの周波数和であり、したがって、前記第1の群の前記1つ、および、前記第2の群の前記1つでの、前記多重量子信号を増幅させる、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、超電導回路を使用するマイクロ波領域での量子情報処理に関し、より具体的には、マルチモードJosephsonパラメトリック・コンバータを動作させることに関する。
【背景技術】
【0002】
固体量子情報処理での最近の進歩は、マイクロ波領域での量子限界(quantum-limited)性能を伴う増幅器および周波数コンバータの探究を刺激してきた。電磁場の単一の空間および時間モードの直交位相に適用される利得に依存して、線形増幅器は、基本的に異なるノイズ特性を伴う2つのカテゴリ(位相感応および位相保存)に分類され得る。位相感応増幅器は、入力ノイズおよび信号を、マイクロ波場の一方の直交位相でスクイーズすることを、他方の直交位相でのノイズおよび信号が増幅することを代償として、それらの増幅器自体のノイズを処理される信号に付加することなく行うが、量子情報がマイクロ波場の1つの直交位相で符号化される事例でのみ有用である。片や位相保存増幅器は、入力ノイズおよび信号の、両方の直交位相を増幅させることを、少なくとも、信号周波数での半分の入力光子と同等のノイズが付加されることを代償として行う。そのような増幅器は、キュービット読み出しを含む、多くの量子用途で有用であることになる。非縮退の、内因的に位相保存の超電導パラメトリック増幅器の、1つの成功裏の実現は、Wheatstoneブリッジ構成での4つのJosephson接合からなるJosephsonリング変調器に基づく。デバイス対称性は、増幅プロセスの純粋さを増強し、すなわち、所定の所望されない非線形プロセスを不要にし、または最小限に抑え、さらには、その増幅プロセスの動作、および、その増幅プロセスの分析の両方を単純化する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は、固体量子情報処理において、マルチモードJosephsonパラメトリック・コンバータを動作させる方法、多重キュービットの遠隔エンタングルメントの方法、およびbell状態を生成する方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0004】
1つの態様によれば、マルチモードJosephsonパラメトリック・コンバータをマルチモード量子限界増幅器として動作させる方法が提供される。方法は、マルチモードJosephsonパラメトリック・コンバータにより、異なる共振周波数での、多重量子信号を並列に受信するステップと、マルチモードJosephsonパラメトリック・コンバータにより、多重量子信号を、マルチモードJosephsonパラメトリック・コンバータに適用されるポンプ信号に従って、同時に増幅させるステップとを含む。さらには、方法は、異なる共振周波数で増幅させた多重量子信号を、ポンプ信号に従って反射させるステップを含む。
【0005】
別の態様による、マルチモードJosephsonパラメトリック・コンバータを動作させて、エンタングルされる光子(entangled photon)の多重対を発生させる方法。方法は、マルチモードJosephsonパラメトリック・コンバータ内の第1のマルチモード共振器により、第1のマルチモード共振器の共振モードの、異なる共振周波数での、信号の第1の群を受信するステップであって、第1のマルチモード共振器は、第1の左手系伝送線路である、受信するステップを含む。方法は、マルチモードJosephsonパラメトリック・コンバータ内の第2のマルチモード共振器により、第2のマルチモード共振器の共振モードの、異なる共振周波数での、信号の第2の群を受信するステップであって、第2のマルチモード共振器は、第2の左手系伝送線路である、受信するステップを含む。さらには、方法は、ポンプ信号を、第2のマルチモード共振器により受信するステップであって、ポンプ信号は、第1の周波数和から最後の周波数和までである、受信するステップと、エンタングルされる光子の対を発生させるステップであって、エンタングルされる光子の対は、第1の対から最後の対までを含む、発生させるステップとを含む。
【0006】
別の態様によれば、測定による多重キュービットの遠隔エンタングルメントの方法が提供される。方法は、マルチモードJosephsonパラメトリック・コンバータ内の第1のマルチモード共振器により、第1のマルチモード共振器の共振モードと共振的な、読み出し信号の第1の群を受信するステップであって、第1のマルチモード共振器は、第1の左手系伝送線路である、受信するステップを含む。方法は、マルチモードJosephsonパラメトリック・コンバータ内の第2のマルチモード共振器により、第2のマルチモード共振器の共振モードと共振的な、読み出し信号の第2の群を受信するステップであって、第2のマルチモード共振器は、第2の左手系伝送線路である、受信するステップを含む。さらには、方法は、ポンプ信号を、第2のマルチモード共振器により受信するステップであって、ポンプ信号は、第1の周波数和から最後の周波数和までである、受信するステップと、Josephsonパラメトリック・コンバータにより、第1の周波数和に基づく第1のキュービット対から、最後の周波数和に基づく最後のキュービット対までを生成するステップとを含む。
【0007】
1つの実施形態による、bell状態を、光子を量子ビットとして使用して生成する方法。方法は、両方が分散非線形媒体に接続される第1のマルチモード共振器および第2のマルチモード共振器を用意するステップであって、第1のマルチモード共振器は、第1の左手系伝送線路であり、第2のマルチモード共振器は、第2の左手系伝送線路であり、共振モードは、第1のマルチモード共振器および第2のマルチモード共振器で同一である、用意するステップを含む。方法は、第2のマルチモード共振器により、周波数和でのポンプ信号を受信するステップであって、周波数和は、共振モードの共振周波数に、共振モードの別の共振周波数をプラスした総和である、受信するステップを含む。さらには、方法は、第1の光子および第2の光子を、空間状態の、等しい重ね合わせの様態で発生させるステップであって、第1の光子および第2の光子に対する空間状態の、等しい重ね合わせは、第1のマルチモード共振器および第2のマルチモード共振器内にあることに関係付けられる、発生させるステップを含む。
【0008】
本発明の実施形態が今から、単に例として、付随する図面を参照して説明される。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】実施形態による、量子マイクロ波デバイスの高レベル概略図である。
図2】実施形態による、マルチモードJosephsonパラメトリック・コンバータのマルチモード・マイクロ波共振器で利用される、半無限無損失左手系伝送線路の回路表現の図である。
図3】実施形態による、マルチモードJosephsonパラメトリック・コンバータの概略図である。
図4】実施形態による、マルチモードJosephsonパラメトリック・コンバータのコプレーナ導波路実装形態の図である。
図5】実施形態による、マルチモードJosephsonパラメトリック・コンバータの準コプレーナ・ストリップ線路(semi-coplanar stripline)実装形態の図である。
図6】実施形態による、マイクロ波装置を構成する方法のフロー・チャートである。
図7】実施形態による、マルチモードJosephsonパラメトリック・コンバータをマルチモード量子限界増幅器として動作させる方法のフロー・チャートである。
図8】実施形態による、マルチモードJosephsonパラメトリック・コンバータを使用する、測定による多重キュービットの遠隔エンタングルメントのためのマイクロ波量子デバイスの概略図である。
図9】実施形態による、測定による多重キュービットの遠隔エンタングルメントの方法のフロー・チャートである。
図10】実施形態による、マルチモードJosephsonパラメトリック・コンバータを使用する、多重キュービットの状態を読み出すための、エンタングルされる光子を適用することによる多重キュービットの遠隔エンタングルメントのためのマイクロ波量子デバイスの概略図である。
図11】実施形態による、マルチモードJosephsonパラメトリック・コンバータを動作させて、エンタングルされる光子の多重対を発生させる方法のフロー・チャートである。
図12】実施形態による、bell状態を、光子を量子ビットとして使用して生成する方法のフロー・チャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
実施形態は、量子情報処理に適した、Josephsonリング変調器に基づく量子デバイスを開示する。量子デバイスは、メタマテリアル/左手系伝送線路を使用して実装されるマルチモード共振器に結合されるJosephsonリング変調器を含み、そのことにより、マルチモードJosephsonパラメトリック・コンバータを形成する。
【0011】
図1は、実施形態による、量子マイクロ波デバイス100の高レベル概略図である。量子マイクロ波デバイス100は、マルチモードJosephsonリング変調器(JRM)105を含み、そのJRM105は、Josephsonトンネル接合102A、102B、102C、および102Dに基づく非線形分散素子であり、それらのJosephsonトンネル接合102A〜102Dは、量子限界でマイクロ波信号の3波混合を遂行し得るものである。JRM105は、Wheatstoneブリッジ構成で配置構成される、4つの公称的に同一のJosephsonトンネル接合102A〜102Dからなる。量子限界でマイクロ波信号を増幅させる、または混合する、あるいはその両方を行う能力がある、マルチモードJosephsonパラメトリック・コンバータ(JPC)130である、非縮退パラメトリック・デバイスを構築するために、JRM105は、2つのマルチモード・マイクロ波共振器内に、それらの共振器の固有モードの倍数の無線周波数(RF)電流波腹点で組み込まれる。
【0012】
マルチモード・マイクロ波共振器の一方は、第1のマルチモード共振器_a 115Aであり、他方は、第2のマルチモード共振器_b 115Bである。下記でさらに論考されるように、第1のマルチモード共振器_a 115Aは、N個のユニット・セルを伴う左手系伝送線路であり、第2のマルチモード共振器_b 115Bは、M個のユニット・セルを伴う左手系伝送線路である。結合コンデンサ110Aは、第1のマルチモード共振器_a 115Aをポート_a 120Aに接続し、これに対し、結合コンデンサ110Bは、第2のマルチモード共振器_b 115Bをポート_b 120Bに接続する。マルチモードJPC130は、第1のマルチモード共振器_a 115A、および、第2のマルチモード共振器_b 115Bの両方を、JRM105とともに含む。
【0013】
マルチモードJPC130の性能(すなわち、パワー利得G、動的帯域幅γ、および最大入力パワーPmax)は、JRM105のJosephsonトンネル接合102A〜102Dの臨界電流I、電磁環境(すなわち、マイクロ波の第1のマルチモード共振器_a 115A、および、マイクロ波の第2のマルチモード共振器_b 115B)の具体的な実現、JRM105と、第1のマルチモード共振器_a 115A、および、第2のマルチモード共振器_b 115Bとの間の結合、ならびに、マルチモード共振器からフィードラインまでの間の結合に強く依存する。
【0014】
ポート_a 120A、または、ポート_b 120B、あるいはその両方は、マイクロ波同軸線路または導波路であり得る。示されないが、量子マイクロ波デバイス100に接続される他のデバイスは、ハイブリッド、減衰器、サーキュレータ、アイソレータ、ローパス・マイクロ波フィルタ、バンドパス・マイクロ波フィルタ、赤外フィルタ、およびキュービット・キャビティ・システムを含み得る。
【0015】
図2は、実施形態による、マイクロ波の第1のマルチモード共振器_a 115A、および、マイクロ波の第2のマルチモード共振器_b 115Bの構築で利用され得る、半無限無損失左手系伝送線路の回路である。ユニット・セル、例えば、マイクロ波の第1のマルチモード共振器_a 115Aに対する第1のユニット・セル205A、および、マイクロ波の第2のマルチモード共振器_b 115Bに対する第2のユニット・セル205Bは、インダクタLに接続されるコンデンサCを含み、ここで「l」は、左手系伝送線路を表す。インダクタLの他方の端部は、接地に接続される。第1のユニット・セル205A、第2のユニット・セル205Bは、別のユニット・セルに接続されるものであり、その別のユニット・セルは、別のユニット・セルに接続されるものであり、等々である。下記でさらに示されるように、第1のユニット・セル205Aは、N個の総数の回数、第1のマルチモード共振器_a 115Aに対して反復され、第2のユニット・セル205Bは、M個の総数の回数、第2のマルチモード共振器_b 115Bに対して反復される。
【0016】
左手系伝送線路の分散関係は、
【数1】

と解されるものであり、ここでΔxはユニット・セルのサイズであり、kは波数ベクトルである。
【0017】
左手系伝送線路の位相速度および群速度は、反対の向きを有する。
【0018】
【数2】

であり、ここでkはkである。この関係の1つの帰結は、左手系伝送線路では、低周波数は、短波長に対応するということである。対照的に、分散関係が波数ベクトルとともに増大する右手系伝送線路では、低周波数は、長波長に対応する。
【0019】
左手系伝送線路の特性インピーダンスは、
【数3】

である。
【0020】
左手系伝送線路の低周波数境界は、
【数4】

である。
【0021】
図3は、実施形態による、マルチモードJPC130の概略図である。図3では、180°ハイブリッド結合器305Aが、ポート_a 120Aに接続され得るものであり、180°ハイブリッド結合器305Bが、ポート_b 120Bに接続され得る。
【0022】
180°ハイブリッドは、相互的である、整合されている、および、理想的には無損失である、4ポート・マイクロ波デバイスである。180°ハイブリッドは、入力信号を2つの等しい振幅出力に分ける。その180°ハイブリッドの和ポート(Σ)からフィードされる時、180°ハイブリッドによって、2つの等しい振幅の、同位相の出力信号が提供され、その180°ハイブリッドの差ポート(Δ)からフィードされる時、その180°ハイブリッドによって、2つの等しい振幅の、180°位相を異にする出力信号が提供される。
【0023】
1つのシナリオでは、信号(S)トーンが存し、その信号(S)トーンは、JRMに強結合するマルチモード・マイクロ波共振器_aの共振モードの1つの帯域幅の中にあり、180°ハイブリッド結合器305AのΔポートを通して入力され、50オーム(Ω)終端が、180°ハイブリッド結合器305AのΣポートに接続されるということを想定する。そのシナリオではさらには、アイドラ(I)トーンが存し、そのアイドラ(I)トーンは、JRMに強結合するマルチモード・マイクロ波共振器_bの共振モードの1つの帯域幅の中にあり、180°ハイブリッド結合器305BのΔポートを通して入力され、ポンプ(P)トーンが、180°ハイブリッド結合器305BのΣポート内に入力されるということを想定する。異なる周波数での多重ポンプ・トーンが、デバイスにフィードするために利用され得るということに注目されたい。
【0024】
デバイスの2つの主な動作モードは、適用されるポンプ周波数fが関係f=f+fを満たし、ここでfおよびfが、それぞれ信号(S)トーンおよびアイドラ(I)トーンの周波数である、増幅モード(光子利得を伴う)、ならびに、適用されるポンプ周波数fが関係f=|f−f|を満たす、ユニタリ周波数コンバージョン・モード(光子利得を伴わない)である。
【0025】
マルチモードJPC130を伴う量子デバイスの、異なる実装形態が、本明細書で、実施形態に従って論考される。
【0026】
JRMが、関心のある周波数帯域、例えば5〜15GHzの中の、デバイスの2つの物理共振器の2つの基本共振モードに強結合する、右手系伝送線路、例えばマイクロストリップ共振器で作製される、二重差動モード(標準的な非縮退)現状技術Josephsonパラメトリック・コンバータと対照的に、メタマテリアル/左手系伝送線路を使用して実施形態で実現される、マルチモードJPC130の2つのマルチモード共振器(すなわち、第1のマルチモード共振器_a 115A、および、第2のマルチモード共振器_b 115B)は、JRM105が関心のある周波数帯域の中の多重差動モードに強結合するように、設計およびエンジニアリングされ得る。すなわち、各々の第1のマルチモード共振器_a 115A、および、第2のマルチモード共振器_b 115Bは、現状技術JPCであって、JRMに強結合する、関心のある帯域の中の、そのJPCの共振器に対する2つの基本差動共振モード(のみ)を有する、現状技術JPCと対比されるものとして、関心のある周波数帯域、例えば5〜15GHzの中の、多重共振モードであって、それらのモードの多くがJRM105に強結合する、多重共振モードを有する。
【0027】
マルチモードは、関心のある所定の周波数帯域、例えば5〜15GHzの中で、第1のマルチモード共振器_a 115Aが多重共振モードを有するということ、および、第2のマルチモード共振器_b 115Bが多重共振モードを有するということを意味する。このことは、第1のマルチモード共振器_a 115Aは、数百もの共振周波数を含み得る、関心のある所定の周波数帯域の中の、第1の共振周波数から最後の共振周波数まで、多重共振周波数で共振するように構成されるということを意味する。同様に、第2のマルチモード共振器_b 115Bは、数百個もの共振周波数を含み得る、関心のある所定の周波数帯域、例えば5〜15GHzの中の、第1の共振周波数から最後の共振周波数まで、多重共振周波数で共振するように構成される。
【0028】
左手系伝送線路/共振器(それぞれ、第1のマルチモード共振器_a 115A、および、第2のマルチモード共振器_b 115Bとして実装される)の、1つの注目すべき性質は、それらの左手系伝送線路/共振器は、それらの低周波数境界ωIRの近くで、モードの大きな密度(すなわち、共振モードの密度)を有し、そのことが、それらの左手系伝送線路/共振器を、関心のある周波数帯域でのマルチモード共振器にするということである。超電導デバイスでの量子測定に対して、関心のある帯域は、おおよそ5〜15ギガヘルツ(GHz)のマイクロ波帯域(普通は、キュービット読み出しおよび測定に対して使用される)である。第1のマルチモード共振器_a 115A、および、第2のマルチモード共振器_b 115Bは各々、おおよそ5〜15GHzの間に、共振モード(すなわち、高調波または共振周波数)の高い密度を有し得るものであり、そのことは、量子測定に対して有益である。対照的に、現状技術では、右手系伝送線路(共振器として)は、約10GHzでの1つの高調波(1つの周波数共振モード)のみを有し得るものであり、次の高調波は、約20GHz(関心のある5〜15GHzマイクロ波帯域の外側である)であり得る。関心のある5〜15GHzマイクロ波帯域の外側の周波数共振モードは、量子情報を搬送するためには利用されない(主な理由は、大部分の超電導キュービット周波数が、この範囲の中に属し(すなわち、関心のある帯域の中に属し)、多くのマイクロ波発生器、測定デバイス、およびマイクロ波構成要素は、この範囲内で、市販で入手可能であるからである)ものであり、それゆえに、実施形態での第1のマルチモード共振器_a 115A、および、第2のマルチモード共振器_b 115Bは各々、マルチモードJPC130を使用して量子情報を処理するために利用され得る、5〜15GHzの間の、数十個または数百個の周波数共振モード(すなわち、モードの高い密度)を有し得る。
【0029】
一般的に、所与の角共振周波数ωでの左手系伝送線路共振器のモードの密度は、共振器内のユニット・セルの数に比例し、低周波数境界ωIRに反比例する。
【0030】
関心のある所定の帯域、例えば5〜15GHzの中に属する、マルチモード共振器_aモードおよびマルチモード共振器_bモードの、多重共振モードのすべてが、中心でJRMに強結合する、すなわち、JRMの場所でのRF電流波腹点を有するとは限らないということが注目されることになる。ゆえに、JRMに強結合する共振モードは、関心のある帯域の中の利用可能な共振モードのサブセット(おおよそ半分)である。結果的に、関心のある帯域の中に属する、マルチモード共振器_aおよびマルチモード共振器_bの共振モードのすべてが、このマルチモード・デバイスにより可能にされる様々な量子情報処理動作に対する基礎を形成する3波混合を遂行するために利用され得るとは限らない。換言すれば、本開示で使用される、マルチモード共振器_aおよびマルチモード共振器_bの多重モードという用語は、主に、関心のある帯域の中でJRMに強結合するものを指す。
【0031】
1つの実装形態では、第1のマルチモード共振器_a 115A、および、第2のマルチモード共振器_b 115Bは各々、JRMに強結合する、範囲5〜10GHz内の、5から20個の間の周波数共振モードを有し得る。別の実装形態では、第1のマルチモード共振器_a 115A、および、第2のマルチモード共振器_b 115Bは各々、JRMに強結合する、範囲5〜10GHz内の、20〜50個の間の周波数共振モードを有し得る。さらに別の実装形態では、第1のマルチモード共振器_a 115A、および、第2のマルチモード共振器_b 115Bは各々、JRMに強結合する、範囲5〜10GHz内の、50〜100個の周波数共振モードを有し得る。
【0032】
第1のマルチモード共振器_a 115A、および、第2のマルチモード共振器_b 115Bは各々、範囲5〜10GHz内でJRMに強結合する多重共振モード(例えば、5〜100個の周波数共振モード)を有し得るので、このことは、マルチモードJPC130が、多重キュービットの間の遠隔エンタングルメントの生成、エンタングルされる光子の多重対の発生、量子限界での多重マイクロ波信号の増幅、および、異なる周波数での多重の伝搬するマイクロ波信号の間のユニタリ周波数コンバージョンを遂行することなど、標準的な二重差動モードJPCの能力を超える、量子情報処理の方面での様々な興味深い用途で有用であることを可能とする。
【0033】
図4は、実施形態による、マルチモードJPC130の例示的なコプレーナ導波路実装形態である。
【0034】
マルチモードJPC130は、集中素子インダクタL(インダクタLとして)と、集中素子コンデンサC(コンデンサCとして)とを備える、第1のマルチモード共振器_a 115A(左手系伝送線路)を含む。同様にマルチモードJPC130は、集中素子インダクタL(インダクタLとして)と、集中素子コンデンサC(コンデンサCとして)とを備える、第2のマルチモード共振器_b 115B(左手系伝送線路)を含む。
【0035】
第1のマルチモード共振器_a 115A(左手系伝送線路)は、JRM105の左ノードおよび右ノードに接続される。第1のマルチモード共振器_a 115Aは、ポート_a 120Aに接続する。第1のマルチモード共振器_a 115A内で、第1のユニット・セル205Aは、集中素子コンデンサCに接続される2つの集中素子インダクタLを含む。2つの集中素子インダクタLの一方の端部は、互いに、および集中素子コンデンサCに接続され、これに対し、集中素子インダクタLの他方の端部は、接地面405に接続される。第1のユニット・セル205Aのこの構成は、図4で示されるように、N個の総数の回数、第1のマルチモード共振器_a 115A内で反復する。各々のユニット・セルでの2つのインダクタの使用は、主に、デバイスを接地への接続に関して対称に保つ目的のためのものであるということが注目されるべきである。しかしながら、接地に接続される1つのインダクタの使用が、さらには、1つの実装形態で企図される。
【0036】
第2のマルチモード共振器_b 115B(左手系伝送線路)は、JRM105の上ノードおよび下ノードに接続される。第2のマルチモード共振器_b 115Bは、ポート_b 120Bに接続する。第2のマルチモード共振器_b 115B内で、第2のユニット・セル205Bは、集中素子コンデンサCに接続される2つの集中素子インダクタLを含む。2つの集中素子インダクタLの一方の端部は、互いに、および集中素子コンデンサCに接続され、これに対し、集中素子インダクタLの他方の端部は、接地面405に接続される。第2のマルチモード共振器_b 115B内で、第2のユニット・セル205Bのこの構成は、図4で示されるように、M個の総数の回数、第2のマルチモード共振器_b 115B内で反復する。各々のユニット・セルでの2つのインダクタの使用は、主に、デバイスを接地への接続に関して対称に保つ目的のためのものであるということが注目されるべきである。しかしながら、接地に接続される1つのインダクタの使用が、さらには、実装形態で企図される。
【0037】
図3で論考されるように、ポート_a 120A、および、ポート_b 120Bは、180°ハイブリッド結合器305Aおよび305B(図4で示されない)を使用してフィードされ得る。ポート_a 120A、および、ポート_b 120Bは、同軸ケーブルもしくはコプレーナ導波路であり得るものであり、または、マイクロストリップもしくはストリップ線路であり得るものであり、中心導体および外側導体は、誘電材料により分離される。ポート_a 120Aに対しては、中心導体が、第1のマルチモード共振器_a 115Aの左側および右側に、結合コンデンサ110Aを通して接続され、これに対し、外側導体は、接地面405に接続される。ポート_b 120Bに対しては、中心導体が、第2のマルチモード共振器_b 115Bの上側および下側に、結合コンデンサ110Bを通して接続され、これに対し、外側導体は、接地面405に接続される。
【0038】
図5は、実施形態による、マルチモードJPC130の例示的な準コプレーナ・ストリップ線路実装形態である。
【0039】
マルチモードJPC130は、集中素子インダクタL(インダクタLとして)と、集中素子コンデンサC(コンデンサCとして)とを備える、第1のマルチモード共振器_a 115A(左手系伝送線路)を含む。同様にマルチモードJPC130は、集中素子インダクタL(インダクタLとして)と、集中素子コンデンサC(コンデンサCとして)とを備える、第2のマルチモード共振器_b 115B(左手系伝送線路)を含む。
【0040】
第1のマルチモード共振器_a 115Aの集中素子側は、JRM105の左ノードに接続され、これに対し、右ノードは、導電面406に接続される。第1のマルチモード共振器_a 115Aの集中素子側、および、導電面406は、180°ハイブリッド結合器305Aに接続する。第1のマルチモード共振器_a 115A内で、第1のユニット・セル205Aは、集中素子コンデンサCに接続される集中素子インダクタLを含む。集中素子インダクタLの一方の端部は、集中素子コンデンサCに接続され、これに対し、集中素子インダクタLの他方の端部は、導電面406に接続される。第1のユニット・セル205Aのこの構成は、図5で示されるように、N個の総数の回数、第1のマルチモード共振器_a 115A内で反復する。図5は、第1のマルチモード共振器_a 115Aの集中素子側に接続される左ノード、および、導電面406に接続される右ノードを例解するが、この構成は、第1のマルチモード共振器_a 115Aの集中素子側が右ノードに接続され、導電面406が左ノードに接続されるように、置き換えられ得る。
【0041】
第2のマルチモード共振器_b 115Bの集中素子側は、JRM105の上ノードに接続され、これに対し、下ノードは、導電面407に接続される。第2のマルチモード共振器_b 115Bの集中素子側、および、導電面407は、ポート_b 120Bに接続する。第2のマルチモード共振器_b 115B内で、第2のユニット・セル205Bは、集中素子コンデンサCに接続される集中素子インダクタLを含む。集中素子インダクタLの一方の端部は、集中素子コンデンサCに接続され、これに対し、集中素子インダクタLの他方の端部は、導電面407に接続される。第2のユニット・セル205Bのこの構成は、図5で示されるように、M個の総数の回数、第2のマルチモード共振器_b 115B内で反復する。図5は、第2のマルチモード共振器_b 115Bの集中素子側に接続される上ノード、および、導電面407に接続される下ノードを例解するが、この構成は、第2のマルチモード共振器_b 115Bの集中素子側が下ノードに接続され、導電面407が上ノードに接続されるように、置き換えられ得る。
【0042】
図6は、実施形態による、マイクロ波装置(マルチモードJPC130など)を構成する方法である。参照が、図1〜5に対して行われ得る。
【0043】
ブロック605で、第1のマルチモード共振器(すなわち、第1のマルチモード共振器_a 115A)が、JRM105に接続され、第1のマルチモード共振器は、第1の左手系伝送線路で作製される。
【0044】
ブロック610で、第2のマルチモード共振器(すなわち、第2のマルチモード共振器_b 115B)が、JRM105に接続され、第2のマルチモード共振器は、第2の左手系伝送線路で作製される。
【0045】
第1のマルチモード共振器(すなわち、第1のマルチモード共振器_a 115A)は、関心のある所定の周波数帯域の中の、JRMに強結合する、複数の第1の共振モードを含み、第2のマルチモード共振器(すなわち、第2のマルチモード共振器_b 115B)は、関心のある同じ周波数帯域の中の、JRMに強結合する、複数の第2の共振モードを含む。
【0046】
関心のある所定の周波数帯域の中の、JRMに強結合する、第1のマルチモード共振器内の複数の第1の共振モードの数は、関心のある同じ周波数帯域の中の、JRMに強結合する、第2のマルチモード共振器内の複数の第2の共振モードの数に等しい。例えば、関心のある所定の周波数帯域の中の、JRMに強結合する、周波数共振モードの数は、第1のマルチモード共振器_a 115A、および、第2のマルチモード共振器_b 115B内で等しい。
【0047】
関心のある所定の周波数帯域の中の、JRMに強結合する、第1のマルチモード共振器内の複数の第1の共振モードの数は、関心のある同じ周波数帯域の中の、JRMに強結合する、第2のマルチモード共振器内の複数の第2の共振モードの数に等しくない。例えば、第1のマルチモード共振器_a 115A、または、第2のマルチモード共振器_b 115Bは、関心のある所定の周波数帯域の中で、他方より多くの、JRMに強結合する、周波数共振モードを有し得る。
【0048】
第1のマルチモード共振器_a 115Aは、N個の総数の第1のユニット・セル205Aを備え、第2のマルチモード共振器_b 115Bは、M個の総数の第2のユニット・セル205Bを備える。NもMもゼロに等しくない。1つの実装形態では、NはMに等しく、別の実装形態では、NはMに等しくない。
【0049】
図2、4、および5で図示されるように、第1のユニット・セル205Aの各々、および、第2のユニット・セル205Bの各々はそれぞれ、集中素子インダクタ(L、L)の1つの端部に接続される集中素子コンデンサ(C、C)を備え、これに対し、集中素子インダクタ(L、L)の別の端部は、接地面405または導電面406、407に接続される。
【0050】
JRM105は、互いに対向するノードの第1の対(例えば、JRM105の左ノードおよび右ノード)と、互いに対向するノードの第2の対(例えば、JRM105の上ノードおよび下ノード)とを備える。第1のマルチモード共振器_a 115Aは、ノードの第1の対に接続される。図5で図示されるように、ノードの第1の対の1つは、共振器の集中素子側に接続され、導電面406は、ノードの第1の対の別の1つに接続される。第2のマルチモード共振器_b 115Bは、ノードの第2の対に接続される。図5で図示されるように、ノードの第2の対の1つは、共振器の集中素子側に接続され、導電面407は、ノードの第2の対の別の1つに接続される。
【0051】
第1のユニット・セル205Aの各々、および、第2のユニット・セル205Bの各々はそれぞれ、図4で図示されるように、第1の集中素子インダクタ(第1のL、第1のL)と、第2の集中素子インダクタ(第2のL、第2のL)と、集中素子コンデンサ(C、C)とを備える。図4で図示されるように、第1のインダクタ、および、第2のインダクタの、第1の端部は、一体に接続され、これに対し、第1のインダクタ、および、第2のインダクタの、第2の端部は、接地に接続され、コンデンサは、第1の端部に接続される。
【0052】
JRM105は、互いに対向するノードの第1の対と、互いに対向するノードの第2の対とを、Wheatstoneブリッジで備える。第1のマルチモード共振器_a 115Aは、ノードの第1の対に接続され、第2のマルチモード共振器_b 115Bは、ノードの第2の対に接続される。
【0053】
第1のユニット・セルは、互いに直列に接続され、第2のユニット・セルは、互いに直列に接続される。
【0054】
1つの実装形態では、第1のユニット・セル205A(第1のマルチモード共振器_a 115A内)の各々での静電容量およびインダクタンスは、第2のユニット・セル(第2のマルチモード共振器_b 115B内)の各々での静電容量およびインダクタンスと異なる。第1のマルチモード共振器_a 115A内の第1のユニット・セル205Aは、第2のマルチモード共振器_b 115B内の第2のユニット・セル205Bと異なるので、第1のマルチモード共振器_a 115Aは、第2のマルチモード共振器_b 115Bと異なる共振モードおよび共振周波数を有する。
【0055】
別の実装形態では、第1のユニット・セル(第1のマルチモード共振器_a 115A内)の各々での静電容量およびインダクタンスは、第2のユニット・セル(第2のマルチモード共振器_b 115B内)の各々での静電容量およびインダクタンスと整合する。
【0056】
各々のマルチモード共振器で使用される集中素子インダクタンスおよび静電容量は、ユニット・セルごとに変動し得る。マルチモード共振器の周期的構造に対するそのような摂動は、マルチモード共振器の所定の固有モードの間の周波数間隔を変えるために使用され得る。
【0057】
マルチモード共振器の左手系伝送線路の設計で使用される集中素子インダクタンス、例えばLおよびLは、蛇行構成での細い超電導線を使用して実装され得る。超電導線の総インダクタンスは、幾何学的インダクタンスおよびカイネティック・インダクタンスの組み合わせであり得る。マルチモード共振器の左手系伝送線路の設計で使用される集中素子インダクタンスは、さらには、大Josephson接合のアレイとして実装され得る。
【0058】
マルチモード共振器の左手系伝送線路の設計で使用される集中素子静電容量、例えばCおよびCは、誘電層が2つの電極の間に、左手系伝送線路の中心導体に沿って堆積させられる、くし型コンデンサまたは平板コンデンサとして実装され得る。
【0059】
実施形態によれば、マルチモードJPC130は、マイクロ波領域で動作し、量子情報処理および量子コンピューティングで使用され得る、マルチモード量子限界増幅器である。マルチモードJPC130は、多重信号を並列に増幅させ得るデバイスである。マルチモードJPC130はさらには、多重超電導キュービットを遠隔でエンタングルするために利用され得る。加えてマルチモードJPC130は、他の代替案に勝る、スケーラブルな量子コンピューティング・アーキテクチャでの有益性を有する。マルチモードJPC130はさらには、マイクロ波光子をキュービットとして使用する量子計算スキームで主要な役割を果たし得る。
【0060】
5〜15GHzの間の関心のある周波数範囲の中の、多重マイクロ波固有モードをサポートしながら、同様の能力を有する、現状技術デバイスは存しない。現状技術Josephsonパラメトリック・コンバータは、同じ周波数範囲の中の、2つの固有モードのみをサポートし得る。
【0061】
マルチモードJPC130を利用することの様々な有益な用途が、下記で論考される。理解を容易にするために、副題または小見出しが、下記で提供される。副題は、解説目的のためのものであり、限定のためのものではない。
【0062】
マルチモード量子限界増幅器
マルチモードJPC130は、マルチモード量子限界増幅器として動作するように構成される。マルチモードJPC130は、多重量子信号を、異なる周波数で並列に(すなわち、同時に)量子限界で増幅させるように構成される。例えば、多重量子信号は、それぞれ、第1のマルチモード共振器_a 115A内にポート_a 120Aを経て、および、第2のマルチモード共振器_b 115B内にポート_b 120Bを経て入力される、多重信号(S)量子信号(第1のマルチモード共振器_a 115A上の共振周波数に対応する)およびアイドラ(I)量子信号(第2のマルチモード共振器_b 115B上の共振周波数に対応する)であり得る。
【0063】
マルチモードJPC130は、どの入力信号(すなわち、入力量子信号)が反射で増幅するか、および、どれがマルチモードJPC130から利得を伴わずに反射するかを選択するように構成される。
【0064】
例として、それぞれ、JRM105に結合する、共振周波数
【数5】

および
【数6】

を有する、第1のマルチモード共振器_a 115A、および、第2のマルチモード共振器_b 115Bを伴う、マルチモードJPC130を考える。3つのポンプ・トーンであって、それらの周波数
【数7】

が、関係
【数8】

を満たす、3つのポンプ・トーンによって、マルチモードJPC130(デバイス)を同時にポンピングすることにより、それぞれ、周波数
【数9】

および
【数10】

での、ポート_a 120A、および、ポート_b 120B上の入力量子信号は、(パワー利得Gにより)反射で増幅し、周波数
【数11】

での入力信号は、マルチモードJPC130からパワー利得Gを伴わずに反射する。反射で増幅するということは、周波数
【数12】

および周波数
【数13】

での、それぞれの量子信号が、それらの量子信号のそれぞれの、多重量子信号が初期に入力された、ポート_a 120A、および、ポート_b 120Bを通って再度増幅するということを意味する。
【0065】
実装形態によれば、マルチモードJPC130デバイスが、適正に増幅器として動作する(すなわち、ダイナミック・レンジの減少などのポンプ・デプレッション効果を回避する)ために、ポンプ・トーンは、厳しいポンプ近似を満たすことになり、適用されるポンプ・トーンは、マルチモードJPC130の共振モードとは非共振的である。換言すれば、ポンプ周波数
【数14】

は、第1のマルチモード共振器_a 115A、および、第2のマルチモード共振器_b 115Bの周波数共振モードと一致すべきではない。
【0066】
1つの実装形態によれば、(第1のマルチモード共振器_a 115A、および、第2のマルチモード共振器_b 115Bの)所定の共振周波数を増幅させるために適用されることを必要とする、ポンプ(P)トーンの周波数と、第1のマルチモード共振器_a 115A、および、第2のマルチモード共振器_b 115Bの、高共振周波数との間の周波数衝突を防止するために、所定のモード・エンジニアリング技法が、第1のマルチモード共振器_a 115A、および、第2のマルチモード共振器_b 115Bの設計で適用され得る。そのようなモード・エンジニアリング技法の1つの例は、それぞれ、第1のマルチモード共振器_a 115A、および、第2のマルチモード共振器_b 115B内の、第1のユニット・セル205A、および、第2のユニット・セル205Bの数を低減することを、ポンプ周波数が適用されることを必要とする周波数帯域内のモードの密度を低減するために行うことである。この処置はさらには、オペレータが増幅することに関心をもつ共振周波数をシフトさせ、結果として、ポンプ周波数もまたシフトさせ得るということが注目される。別の例は、第1のマルチモード共振器_a 115A、および、第2のマルチモード共振器_b 115Bの周期的構造を摂動させる(すなわち、変化させる)ことを、所定の第1のユニット・セル205A、第2のユニット・セル205Bの、インダクタンス(例えば、集中素子インダクタL、Lの)、または静電容量(集中素子コンデンサC、Cの)、あるいはその両方を修正することにより行うことである。
【0067】
1つの実装形態によれば、第1のマルチモード共振器_a 115A、および、第2のマルチモード共振器_b 115Bの周波数共振モードのすべてが、増幅のために必要とされる、JRM105位置でのRF電流波腹点を有することを期待されるとは限らないということがさらに注目される。それゆえに、増幅させ得る周波数共振モードは、1つの実装形態では、(単に)マルチモードJPC130(デバイス)のすべての周波数共振モードのうちの部分群であり得る。
【0068】
図7は、実施形態による、マルチモードJPC130をマルチモード量子限界増幅器として動作させる方法のフロー・チャート700である。
【0069】
ブロック705で、第1のマルチモード共振器_a 115A、および、第2のマルチモード共振器_b 115B(マルチモードJPC130内)は、異なる共振モードの帯域幅の中にある、多重量子信号を並列に、ポート_a 120A、および、ポート_b 120Bを経て受信する。
【0070】
ブロック710で、マルチモードJPC130は、多重量子信号を、例えば、マルチモードJPC130の、第1のマルチモード共振器_a 115Aに接続されるポート_a 120Aに適用されるポンプ・ドライブ(トーン)に従って、同時に増幅させる。
【0071】
ブロック715で、マルチモードJPC130は、異なる共振周波数の帯域幅の中にある、増幅させた多重量子信号を、適用されるポンプ・ドライブに従って反射させるように構成される。増幅させた量子信号は、それらの量子信号が入力された、ポート_a 120A、および、ポート_b 120Bに戻るように反射させる。
【0072】
異なる共振周波数の第1の群で共振するように構成される、第1のマルチモード共振器_a 115Aの、異なる共振モードの第1の群(すなわち、異なる共振周波数の第1の群は、第1のマルチモード共振器_a 115Aに対する共振モードに対応する)。第1のマルチモード共振器_a 115Aは、第1の左手系伝送線路である。
【0073】
異なる共振周波数の第2の群で共振するように構成される、第2のマルチモード共振器_b 115Bの、異なる共振モードの第2の群(すなわち、異なる共振周波数の第2の群は、第2のマルチモード共振器_b 115Bに対する共振モードに対応する)。第2のマルチモード共振器_b 115Bは、第2の左手系伝送線路である。
【0074】
ポンプ・ドライブ(マルチモードJPC130内に入力される)の各々は、JRM105に結合する、第1の群内の異なる共振周波数の1つと、第2の群内の異なる共振周波数の1つとの周波数和であり、したがって、第1の群のその1つ、および、第2の群のその1つでの、多重量子信号を増幅させる。
【0075】
第1のポンプ信号は、第1の群内の第1の共振周波数(例えば、
【数15】

)に、第2の群内の第1の共振周波数(例えば、
【数16】

)をプラスした、第1の周波数和(例えば、
【数17】

)である。第2のポンプ信号は、第1の群内の第2の共振周波数に、第2の群内の第2の共振周波数をプラスした、第2の周波数和である。最後のポンプ信号は、第1の群内の最後の共振周波数に、第2の群内の最後の共振周波数をプラスした、最後の周波数和である。周波数和として使用され得る、周波数のはるかに多くの組み合わせが存し、例周波数和(例えば、
【数18】

)は、解説目的のために提供されるということが注目される。例えば、別の周波数和は、
【数19】

であり得るものであり、ここで、第1の群内の第1の共振周波数は、
【数20】

であり得るものであり、第2の群内の第2の共振周波数は、
【数21】

であり得る。
【0076】
第1の群内の第1の共振周波数から最後の共振周波数までの少なくとも1つ、および、第2の群内の第1の共振周波数から最後の共振周波数までの少なくとも1つは同じである。第1の群内の第1の共振周波数から最後の共振周波数までの少なくとも1つ、および、第2の群内の第1の共振周波数から最後の共振周波数までは異なる。
【0077】
異なる周波数での、多重量子信号は、約5〜15GHzの範囲に及ぶ。マルチモードJosephsonパラメトリック・コンバータは、異なる共振モードの帯域幅の中にある、多重量子信号を、第1のマルチモード共振器_a 115A、および、第2のマルチモード共振器_b 115Bによって、同時に(または、ほとんど同時に)増幅させるように構成され、第1のマルチモード共振器_a 115A、および、第2のマルチモード共振器_b 115Bは、JRM105に結合される。
【0078】
測定スキームによる多重キュービットの遠隔エンタングルメント
図8は、実施形態による、マルチモードJPC130を使用する、測定による多重キュービットの遠隔エンタングルメントのためのマイクロ波量子デバイス800の概略図である。簡潔性のために、マルチモードJPC130の詳細は、図8では示されない。マルチモードJPC130の詳細については、参照が、本明細書で論考されている図1〜6に対して行われ得る。
【0079】
図8では、マルチモードJPC130は、サーキュレータ815Aに接続されるポート_a 120Aと、サーキュレータ815Bに接続されるポート_b 120Bとを有する。ポンプ・トーン/ドライブは、下記でさらに論考されるように、マルチモードJPC130内に入力される多重ポンプ周波数である。出力場直交位相I(t)またはQ(t)あるいはその両方は、ミキサ835A、高電子移動度トランジスタ(HEMT)830A、サーキュレータ815A(無損失であることが想定される)、およびマルチモードJPC130によって測定される。同様に、出力場直交位相I(t)またはQ(t)あるいはその両方は、ミキサ835B、高電子移動度トランジスタ(HEMT)830B、サーキュレータ815B(無損失であることが想定される)、およびマルチモードJPC130によって測定される。
【0080】
JRM105(マルチモードJPC130の中)に結合する、ポート_a 120Aの第1のマルチモード共振器_a 115Aの共振周波数
【数22】

は、バス_a 810Aに結合される第1の読み出し共振器802_1〜802_nの読み出し周波数と一致する(すなわち、同じである)ということが想定される。第1の読み出し共振器802_1〜802_nは、バス_a 810Aに容量結合され得る。
【0081】
JRM105に結合する、ポート_b 120Bの第2のマルチモード共振器_b 115Bの共振周波数
【数23】

は、バス_b 810Bに結合される第2の読み出し共振器804_1〜804_nの読み出し周波数と一致するということが想定される。第2の読み出し共振器804_1〜804_nは、バス_b 810Bに容量結合され得る。
【0082】
第1のキュービット820Aは、各々がそれ自体の第1の読み出し共振器802_1、802_2、802_3、…802_nに容量結合される、
【数24】

を含む。同様に、第2のキュービット820Bは、各々がそれ自体の第2の読み出し共振器804_1、804_2、804_3、…804_nに容量結合される、
【数25】

を含む。図8では、周波数
【数26】

を入力1(IN)で適用することは、第1の読み出し共振器802_1がそのキュービット
【数27】

を読み出すようにし、第1のマルチモード共振器_a 115Aをその共振周波数
【数28】

で共振させる、二重効果を有する。類似的に、周波数
【数29】

を並列に入力1(IN)で適用することは、第1の読み出し共振器802_1、802_2、802_3、…、802_nがそれらの容量結合されるキュービット
【数30】

をそれぞれ読み出すようにし、第1のマルチモード共振器_a 115Aをその共振周波数
【数31】

で共振させる、二重効果を有する。各々の第1の読み出し共振器802は、それぞれ、第1のマルチモード共振器_a 115A内の共振モードの1つと同じ共振周波数を共有し、したがって、この同じ周波数を伴う信号は、両方を共振させる。
【0083】
同様に、周波数
【数32】

を入力2(IN)で適用することは、第2の読み出し共振器804_1がそのキュービット
【数33】

を読み出すようにし、第2のマルチモード共振器_b 115Bをその共振周波数
【数34】

で共振させる、二重効果を有する。類似的に、周波数
【数35】

を並列に入力2(IN)で適用することは、第2の読み出し共振器804_1、804_2、804_3、…、804_nがそれらの容量結合されるキュービット
【数36】

をそれぞれ読み出すようにし、第2のマルチモード共振器_b 115Bをその共振周波数
【数37】

で共振させる、二重効果を有する。各々の第2の読み出し共振器804は、それぞれ、第2のマルチモード共振器_b 115B内の共振モードの1つと同じ共振周波数を共有し、したがって、この同じ周波数を伴う信号は、両方を共振させる。
【0084】
マルチモードJPC130は、バス_a 810A、および、バス_b 810Bに結合されるキュービットの対(個々は、第1のキュービット820A、および、第2のキュービット820Bから)を測定によって遠隔でエンタングルすることを、多重ポンプ・トーンをマルチモードJPC130に適用することにより行うように構成され、ポンプ・トーン周波数
【数38】

は、エンタングルされることになる、第1のキュービット820A、および、第2のキュービット820B内のキュービットの対の読み出し周波数の周波数和に対応する。周波数
【数39】

および
【数40】

を適用すること、ならびに、ポンプ・トーン周波数
【数41】

を適用することに関して、インデックスmは、インデックスnより大きいということが察知されるべきであるが、これは、個々の共振周波数より多くの、ポンプ・トーン周波数に対する組み合わせが存するからである。解説目的のため、数個の例が、限定のためにではなく、例解のために提供される。
【0085】
例1:この事例では、マイクロ波量子デバイス800は、i∈{1、2、…n}であり、
【数42】

であるキュービット対
【数43】

をエンタングルしている。適宜、適用されるポンプ周波数は、
【数44】

により与えられる。この例では、第1のキュービット820Aの各々は、それぞれ、第2のキュービット820B内の、第1のキュービット820Aのその各々の対応するキュービットとエンタングルされ、したがって、例えば、エンタングルされるキュービット対
【数45】

から、エンタングルされるキュービット対
【数46】

までが存する。
【0086】
例2:この事例では、マイクロ波量子デバイス800は、
【数47】

により与えられる、i、j∈{1、2、…n}であり、
【数48】

であるキュービット対
【数49】

をエンタングルしている。
【0087】
マイクロ波量子デバイス800によるエンタングルメントは、キュービットの対に限定されないということが注目される。例えば、マイクロ波量子デバイス800は、それぞれ周波数
【数50】

を伴う、第1の読み出し共振器802_1、第2の読み出し共振器804_2、第2の読み出し共振器804_3に結合される3つのキュービット
【数51】

をエンタングルすることを、周波数
【数52】

および
【数53】

での2つのポンプ・トーンを逐次的に適用することにより行うように構成される。かくして、エンタングルメントのこの方法を使用して、マイクロ波量子デバイス800は、n個の異なるキュービットを遠隔でエンタングルすることを、それらのキュービットの読み出し周波数の和条件を満たすn−1個のポンプを逐次的に適用することにより行うように構成される。
【0088】
図9は、実施形態による、測定による多重キュービットの遠隔エンタングルメントの方法のフロー・チャート900である。
【0089】
ブロック905で、マルチモードJPC130内の第1のマルチモード共振器_a 115Aは、異なる共振周波数
【数54】

での、すなわち、第1のマルチモード共振器_a 115Aの共振モードの帯域幅の中にある、読み出し信号の第1の群を受信するように構成され、第1のマルチモード共振器は、第1の左手系伝送線路である。
【0090】
ブロック910で、マルチモードJPC130内の第2のマルチモード共振器_b 115Bは、異なる共振周波数
【数55】

での、すなわち、第2のマルチモード共振器の共振モードの帯域幅の中にある、読み出し信号の第2の群を受信するように構成され、第2のマルチモード共振器は、第2の左手系伝送線路である。
【0091】
ブロック915で、第2のマルチモード共振器_b 115Bは、ポンプ信号
【数56】

を受信するように構成され、ポンプ・ドライブは、第1の(ポンプ)周波数和(例えば、
【数57】

)、第2の(ポンプ)周波数和(例えば、
【数58】

)から、最後の(ポンプ)周波数和(例えば、
【数59】

)までである。nは、項目の特定のひと続きの最後の番号を表すということが注目される。当業者により理解されるように、利用され得る多くの他の組み合わせが存し、例周波数和は、単に解説目的のためのものである。例えば、別の周波数和は、
【数60】

等々であり得る。
【0092】
ブロック920で、マルチモードJPC130は、第1の周波数和に基づく第1のキュービット対(例えば、
【数61】

)、第2の周波数和に基づく第2のキュービット対(例えば、
【数62】

)から、最後の周波数和に基づく最後のキュービット対(例えば、
【数63】

)までを生成するように構成される。当業者により理解されるように、これらの例キュービット対は、単に解説目的のために例解されるものであり、キュービット対の多くの他の組み合わせが照応させられ得る。例えば、他のキュービット対は、
【数64】

等々を含み得る。
【0093】
第1の周波数和は、第1の群の1つの共振周波数に、第2の群の1つの共振周波数をプラスした総和であり、第2の周波数和は、第1の群の別の共振周波数に、第2の群の別の共振周波数をプラスした総和であり、最後の周波数和は、第1の群のさらに別の共振周波数に、第2の群のさらに別の共振周波数をプラスした総和である。数多くの組み合わせが存し、実施形態は、限定されるように定められてはいないということが理解される。
【0094】
読み出し信号の第1の群は、第1の読み出し共振器802から受信され、第1の読み出し共振器802は、第1のキュービット820Aに結合される。読み出し信号の第2の群は、第2の読み出し共振器804から受信され、第2の読み出し共振器804は、第2のキュービット820Bに結合される。
【0095】
第1のキュービット820A内の1つのキュービット(例えば、
【数65】

)が、第1の群の1つの共振周波数で読み出され、第2のキュービット820B内の1つのキュービット(例えば、
【数66】

)が、第2の群の1つの共振周波数で読み出されるということが、第1のキュービット対(例えば、
【数67】

)が、ポンプ信号の第1の周波数和に応じて、第1のキュービット内のその1つのキュービット、および、第2のキュービット内のその1つのキュービットであるように行われている。第1のキュービット820A内の別のキュービット(例えば、
【数68】

)が、第1の群の別の共振周波数で読み出され、第2のキュービット820B内の別のキュービット(例えば、
【数69】

)が、第2の群の別の共振周波数で読み出されるということが、第2のキュービット対(例えば、
【数70】

)が、ポンプ信号の第2の周波数和に応じて、第1のキュービット820A内のその別のキュービット、および、第2のキュービット820B内のその別のキュービットであるように行われている。さらには、第1のキュービット820A内のさらに別のキュービット(例えば、
【数71】

)が、第1の群のさらに別の共振周波数で読み出され、第2のキュービット820B内のさらに別のキュービット(例えば、
【数72】

)が、第2の群のさらに別の共振周波数で読み出されるということが、第3のキュービット対(例えば、
【数73】

)が、ポンプ信号の最後の周波数和に応じて、第1のキュービット内のそのさらに別のキュービット、および、第2のキュービット内のそのさらに別のキュービットであるように行われている。本明細書で注目されるように、組み合わせは、理解を容易にするために指し示されるものであるが、実施形態は、例組み合わせに限定されない。はるかに多くの組み合わせが存するということが理解される。その上、第1のマルチモード共振器_a 115A、および、第2のマルチモード共振器_b 115Bからとられる、あらゆる対組み合わせが存し得るものであり、ポンプ周波数(すなわち、周波数和)は、2つのインデックス(バス_a 810A上のキュービットに対する1つ、および、バス_b 810B上のキュービットに対する1つ)を有することを必要とする。
【0096】
第1の読み出し共振器802_1から802_nまでは、第1のマルチモード共振器_a 115Aの共振周波数と一致する読み出し共振器周波数
【数74】

を有する。第2の読み出し共振器804_1から804_nまでは、第2のマルチモード共振器_b 115Bの共振周波数と一致する読み出し共振器周波数
【数75】

を有する。
【0097】
第1のマルチモード共振器の共振モード、および、第1の読み出し共振器の読み出し共振器周波数の両方は、約5〜15GHzの範囲に及ぶ。第2のマルチモード共振器の共振モード、および、第2の読み出し共振器の読み出し共振器周波数の両方は、約5〜15GHzの範囲に及ぶ。
【0098】
測定スキームによる多重キュービットの遠隔エンタングルメントのセクションで、第1のキュービット820A、第2のキュービット820Bが最初に読み出され、次いで、マルチモードJPC130が、マルチモードJPC130の両側(ポート)上に配置される読み出し共振器およびバスに結合される、キュービットの対をエンタングルする。
【0099】
多重キュービットの状態を読み出すための、エンタングルされる光子を適用することによる多重キュービットの遠隔エンタングルメント・スキーム
セクション(エンタングルされる光子の多重対の発生、および、エンタングルされる光子を適用することによる多重キュービットの遠隔エンタングルメントのための)は、エンタングルされる光子を最初に発生させることを、エンタングルされる光子が、キュービットを読み出すためなどでさらに利用され得るように行う。これらのセクション(エンタングルされる光子の多重対の生成、および、エンタングルされる光子を適用することによる多重キュービットの遠隔エンタングルメント)の順序は、測定スキームによる多重キュービットの遠隔エンタングルメントのセクションと比較して逆にされる。
【0100】
図10は、実施形態による、マルチモードJPC130を使用する、多重キュービットの状態を読み出すための、エンタングルされる光子を適用することによる多重キュービットの遠隔エンタングルメントのためのマイクロ波量子デバイス1000の概略図である。簡潔性のために、マルチモードJPC130の詳細は、図10では示されない。マルチモードJPC130の詳細については、参照が、本明細書で論考されている図1〜6に対して行われ得る。さらには、マイクロ波量子デバイス800の所定の構成要素は、マイクロ波量子デバイス1000に含まれる。しかしながら、サーキュレータのポートが、回転の他に異なる。
【0101】
図10では、入力1 INは、サーキュレータ1015Aが最初に、入力1 INの入力信号を直接ポート_a 120Aに送信するように、サーキュレータ1015Aに直接接続する。同様に、入力2 INは、サーキュレータ1015Bが最初に、入力2 INの入力信号を直接ポート_b 120Bに送信するように、サーキュレータ1015Bに直接接続する。
【0102】
ポート_a 120Aの反射させる出力は、サーキュレータ1015Aを経てバス_a 810Aに、次いで測定機器に送信されることが、出力場直交位相I(t)またはQ(t)あるいはその両方を測定するために行われる。同様に、ポート_b 120Bの反射させる出力は、サーキュレータ1015Bを経てバス_b 810Bに、次いで測定機器に送信されることが、出力場直交位相I(t)またはQ(t)あるいはその両方を測定するために行われる。
【0103】
マイクロ波量子デバイス1000では、JRM105に結合する、ポート_a 120Aの(ポート_a 120Aに接続される)第1のマルチモード共振器_a 115Aの共振周波数は、バス_a 810Aに結合される第1の読み出し共振器802の読み出し周波数、すなわち、
【数76】

と一致する。同様に、JRM105に結合する、ポート_b 120Bの(ポート_b 120Bに接続される)第2のマルチモード共振器_b 115Bの共振周波数は、バス_b 810Bに結合される第2の読み出し共振器804の読み出し周波数、すなわち、
【数77】

と一致する。適宜、マイクロ波量子デバイス1000は、バス_a 810A、および、バス_b 810Bに結合されるキュービットの対を遠隔でエンタングルすることを、マルチモードJPC130により、対応する読み出し周波数で発生させる、光子のエンタングルされる対を適用することにより行うように構成される。このことは、多重ポンプ・トーンであって、それらの周波数
【数78】

が、エンタングルされることになるキュービットの対の読み出し周波数の周波数和に対応する、多重ポンプ・トーンをマルチモードJPC130に適用することにより達成され得る。
【0104】
例1:マイクロ波量子デバイス1000は、i∈{1、2、…n}であり、
【数79】

であるキュービット対
【数80】

をエンタングルするために、適用されるポンプ・ドライブを受信し、それらのポンプ・ドライブの周波数は、
【数81】

により与えられる。
【0105】
例2:マイクロ波量子デバイス1000は、i、j∈{1、2、…n}であり、
【数82】

であるキュービット対
【数83】

をエンタングルするために、適用されるポンプ・ドライブを受信し、それらのポンプ・ドライブの周波数は、
【数84】

により与えられる。
【0106】
マイクロ波量子デバイス1000によるエンタングルメントは、キュービットの対に限定されないということが注目される。例えば、マイクロ波量子デバイス1000は、周波数
【数85】

を伴う、第1の読み出し共振器802_1、第2の読み出し共振器804_2、第2の読み出し共振器804_3に結合される3つのキュービット
【数86】

をエンタングルすることを、周波数
【数87】

および
【数88】

での2つのポンプ・トーンを逐次的に適用することにより行うように構成される。かくして、エンタングルメントのこの方法を使用して、マイクロ波量子デバイス1000は、n個の異なるキュービットを遠隔でエンタングルすることを、それらのキュービットの読み出し周波数の和条件を満たすn−1個のポンプを逐次的に適用することにより行うように構成される。
【0107】
エンタングルされる光子の多重対の発生
エンタングルされる光子の多重対の発生は、多重キュービットの状態を読み出すための、エンタングルされる光子を適用することによる多重キュービットの遠隔エンタングルメントより、一般的なマルチモードJPC130の用途である。
【0108】
図10では、バス_a 810Aが第1の読み出し共振器802および第1のキュービット820Aに接続される代わりに、バス_a 810Aは、エンタングルされる光子を受信するための第1の量子系(図示せず)に接続され得る。さらには図10では、バス_b 810Bが第2の読み出し共振器804および第2のキュービット820Bに接続される代わりに、バス_b 810Bは、エンタングルされる光子を受信するための第2の量子系(図示せず)に接続され得る。
【0109】
別の実装形態では、第1の量子系は、直接サーキュレータ1015Aに、バス_a 810Aを伴わずに接続され、第2の量子系は、直接サーキュレータ1015Bに、バス_b 810Bを伴わずに接続される。
【0110】
マルチモードJPC130で行われる増幅プロセスの別の有益な性質は、マルチモードJPC130が、実施形態に従って、マルチモードJPC130の2つの非縮退モードの間の2モード・スクイーズド状態を創出するということである。換言すれば、エネルギーを増幅プロセスに対して供給する、ポンプ(P)のポンプ光子は、マルチモードJPC130内の分散非線形媒体(すなわち、JRM105)との相互作用によってダウン・コンバートされ、ポンプ(P)ポートへのポンプ・トーンの適用によって、マルチモードJPC130は、エンタングルされる光子の多重対であって、それらの周波数が、マルチモードJPC130の非縮退共振モードの動的帯域幅の中にあり、それらの周波数和が、適用されるポンプ・トーンの周波数に等しい、エンタングルされる光子の多重対を発生させる。
【0111】
この性質をマルチモード非縮退デバイス(すなわち、マルチモードJPC130)で利用することは、多重ポンプ・トーンを同時に、または結果的に適用することによる、マルチモードJPC130の(特に、第1のマルチモード共振器_a 115A、および、第2のマルチモード共振器_b 115Bの)異なる共振周波数に対応する、光子の多重のエンタングルされる対の発生などの、量子情報処理での広い範囲の用途を可能とする。
【0112】
図11は、実施形態による、マルチモードJPC130を動作させて、エンタングルされる光子の多重対を発生させる方法のフロー・チャート1100である。
【0113】
ブロック1105で、マルチモードJPC130内の第1のマルチモード共振器_a 115Aは、異なる共振周波数
【数89】

での、信号の第1の群を受信するように構成され、信号の第1の群は、第1のマルチモード共振器_a 115Aの共振モードに対応し、第1のマルチモード共振器は、第1の左手系伝送線路である。
【0114】
ブロック1110で、マルチモードJPC130内の第2のマルチモード共振器_b 115Bは、異なる共振周波数
【数90】

での、信号の第2の群を受信するように構成され、信号の第2の群は、第2のマルチモード共振器_b 115Bの共振モードに対応し、第2のマルチモード共振器は、第2の左手系伝送線路である。
【0115】
ブロック1115で、ポンプ信号は、第2のマルチモード共振器_b 115Bにより受信され、ポンプ信号は、第1の(ポンプ)周波数和、第2の(ポンプ)周波数和から、最後の(ポンプ)周波数和までである。ポンプは、図3では、第2のマルチモード共振器_b 115Bのフィードラインを通して、および、第1のマルチモード共振器_a 115Aのフィードラインを通さずにフィードされるが、ポンプは、180ハイブリッドのいずれかのシグマ(Σ)ポートを通して注入され得るということが注目される。適宜、50Ω終端は、他方の側に移動させられ得る。さらには、ポンプは、並列に適用されることを必要とせず、そのことは、異なるエンタングルされる対の間で逐次的に、または所定の順序でスイッチすることを可能とするということが注目される。
【0116】
ブロック1120で、マルチモードJPC130は、エンタングルされる光子の対を同時に、または逐次的に発生させるように構成され、エンタングルされる光子の対は、第1の光子対、第2の光子対から、最後の光子対までを含む。
【0117】
例えば、第1のエンタングルされる光子対内の一方の光子は、マルチモードJPC130を抜け出すことを、第1のマルチモード共振器_a 115Aのポート_a 120Aを経て、特定の第1の読み出し共振器802(例えば、第1の読み出し共振器802_1)に対応する読み出し周波数で行い、サーキュレータ1015Aに送信され得る。サーキュレータ1015Aは、その一方の光子を有する信号をバス_a 810Aに送信することを、キュービットの1つ(例えば、キュービット
【数91】

)を第1の読み出し共振器802_1により読み出す読み出し周波数で行い得る。同時に、第1の光子対内の他方のエンタングルされる光子は、マルチモードJPC130を抜け出すことを、第2のマルチモード共振器_b 115Bのポート_b 120Bを経て、特定の第2の読み出し共振器804(例えば、第2の読み出し共振器804_1)に対応する読み出し周波数で行い、サーキュレータ1015Bに送信され得る。サーキュレータ1015Bは、その他方の光子を有する信号をバス_b 810Bに送信することを、キュービットの1つ(例えば、キュービット
【数92】

)を第2の読み出し共振器804_1により読み出す読み出し周波数で行い得る。第1の光子対内の光子の初期エンタングルメントは、キュービット対
【数93】

のエンタングルメントを引き起こすために利用される。別の実装形態では、第1の光子対のエンタングルされる光子を、第1のマルチモード共振器_a 115A、第2のマルチモード共振器_b 115Bから、第1の読み出し共振器802、第2の読み出し共振器804に出力する代わりに、第1の光子対の光子はそれぞれ、第1の量子系および第2の量子系それぞれに出力され得る。この事例では、第1の光子対のエンタングルされる光子はなおも、別個の第1の量子系および第2の量子系の態様をエンタングルする。
【0118】
第1の周波数和は、第1の群の1つの共振周波数に、第2の群の1つの共振周波数をプラスした総和である。第2の周波数和は、第1の群の別の共振周波数に、第2の群の別の共振周波数をプラスした総和である。第3の周波数和は、第1の群のさらに別の共振周波数に、第2の群のさらに別の共振周波数をプラスした総和である。
【0119】
エンタングルされる光子の第1の対は、分散非線形媒体(例えば、JRM105)との相互作用によってダウン・コンバートされる、マルチモードJPC130に適用されるポンプ・ドライブの第1の周波数和のエネルギーに応じて、第1の群のその1つの共振周波数での第1の光子(第1のマルチモード共振器_a 115Aに接続される量子系により受信された)、および、第2の群のその1つの共振周波数での第1の光子(第2のマルチモード共振器_b 115Bに接続される別の量子系により受信された)に対応する。同様に、エンタングルされる光子の第2の対は、分散非線形媒体との相互作用によってダウン・コンバートされる、ポンプ・ドライブの第2の周波数和のエネルギーに応じて、第1の群のその別の共振周波数での第2の光子、および、第2の群のその別の共振周波数での第2の光子に対応する。同じように、エンタングルされる光子の第3の対は、分散非線形媒体との相互作用によってダウン・コンバートされる、ポンプ・ドライブの第3の周波数和のエネルギーに応じて、第1の群のそのさらに別の共振周波数での第3の光子、および、第2の群のそのさらに別の共振周波数での第3の光子に対応する。本明細書で注目されるように、所定の組み合わせは、理解を容易にするために指し示されるものであるが、実施形態は、例組み合わせに限定されない。はるかに多くの組み合わせが存するということが理解される。
【0120】
異なる共振周波数での、信号の第1の群、および、信号の第2の群は、約5〜15GHzの範囲に及ぶ。
【0121】
Bell状態生成器
図1〜6を参照すると、この実施形態は、光子を量子ビットとして使用する量子計算スキームで有用であり、空間的に非縮退である(異なる空間的ポートを有する)が、時間的に縮退である(同じ共振周波数を有する)、2つの共振器(すなわち、第1のマルチモード共振器_a 115A、および、第2のマルチモード共振器_b 115B)からなっているマルチモードJPC130を利用する。特にマルチモードJPC130は、第1のマルチモード共振器_a 115A内の2つの共振モードが、第2のマルチモード共振器_b 115B内の2つの共振モードと一致する共振周波数を有する、すなわち、
【数94】

および
【数95】

であるように構成される。さらには、この技法では、マルチモードJPC130は、増幅器としてではなく、むしろ、単一光子ダウンコンバータとして機能し、ゆえに、デバイスの所定のパラメータは、適宜、変更および再設計されるということが注目される。特に、JRM、および、左手系共振器への結合は、単一ポンプ光子が、信号光子およびアイドラ光子の1つの対にダウンコンバートされるようにエンジニアリングされる。このことは部分的には、小さな臨界電流を伴う微小Josephson接合をJRMで使用し、ポンプを「ソフト」にする(例えば、共振で適用される)ことにより達成され得る。
【0122】
【数96】

でのポンプ・トーンをマルチモードJPC130に適用することにより、マルチモードJPC130のJRM105との非線形相互作用によるポンプ光子のダウン・コンバージョン・プロセスの結果として発生する光子は、(第1のマルチモード共振器_a 115A、および、第2のマルチモード共振器_b 115B内の)空間状態の、等しい重ね合わせの様態である。
【0123】
以下の例が提供される。実験者が、一般性の損失を伴わずに、f>fであるということを想定し、量子状態|0f1>および|0f1>により、周波数fでの、第1のマルチモード共振器_a 115A、および、第2のマルチモード共振器_b 115B(下付き添字に依存する)内の光子の欠如を、量子状態|0f2>および|0f2>により、周波数fでの、第1のマルチモード共振器_a 115A、および、第2のマルチモード共振器_b 115B(下付き添字に依存する)内の光子の欠如を表し、同様に、量子状態|1f1>および|1f1>により、周波数fでの、第1のマルチモード共振器_a 115A、および、第2のマルチモード共振器_b 115B(下付き添字に依存する)内の光子の存在を、量子状態|1f2>および|1f2>により、周波数f2での、第1のマルチモード共振器_a 115A、および、第2のマルチモード共振器_b 115B(下付き添字に依存する)内の光子の存在を表すとき、マルチモードJPC130の系の量子状態は、
【数97】

と書き表され得る。
【0124】
上記の式では、下付き添字「a」は、第1のマルチモード共振器_a 115Aを表し、下付き添字「b」は、第2のマルチモード共振器_b 115Bを表す。値「0」または「1」を有し得るパラメータ(または、プレース・ホルダ)「a」は、第1のマルチモード共振器_a 115A内の、周波数fでの光子の欠如または存在をそれぞれ表す。値「0」または「1」を有し得るパラメータ(または、プレース・ホルダ)「a」は、第1のマルチモード共振器_a 115A内の、周波数fでの光子の欠如または存在をそれぞれ表す。値「0」または「1」を有し得るパラメータ(または、プレース・ホルダ)「b」は、第2のマルチモード共振器_b 115B内の、周波数fでの光子の欠如または存在をそれぞれ表す。値「0」または「1」を有し得るパラメータ(または、プレース・ホルダ)「b」は、第2のマルチモード共振器_b 115B内の、周波数fでの光子の欠如または存在を表す。
【0125】
さらに、論理キュービット状態を、第1のマルチモード共振器_a 115A、および、第2のマルチモード共振器_b 115Bの、モード1または2のいずれかの様態である光子と関連付ける、すなわち、|0=|0f2f1>、|0=|0f2f1>、|1=|1f2f1>、および、|1=|1f2f1>とすることにより、次いで、マルチモードJPC130に対する系の量子状態は、
【数98】

と書き換えられ得るものであり、その式は、論理キュービット「a」および「b」に対するBell状態を表し、その計算状態「0a,b」は、光子が、マルチモード共振器_aおよびマルチモード共振器_bそれぞれの、モード1で存在し、モード2で欠如している事例に対応し、その計算状態「1a,b」は、光子が、マルチモード共振器_aおよびマルチモード共振器_bそれぞれの、モード1で欠如し、モード2で存在している事例に対応する。
【0126】
図12は、実施形態による、bell状態を、光子を量子ビットとして使用して生成する方法のフロー・チャート1200である。
【0127】
ブロック1205で、第1のマルチモード共振器_a 115A、および、第2のマルチモード共振器_b 115B(マルチモードJPC130内)は、両方が分散非線形媒体(例えば、JRM105)に接続され、第1のマルチモード共振器は、第1の左手系伝送線路であり、第2のマルチモード共振器は、第2の左手系伝送線路であり、共振モードは、第1のマルチモード共振器および第2のマルチモード共振器で同一である(すなわち、
【数99】

は、それぞれ、
【数100】

に等しい)。
【0128】
ブロック1210で、第2のマルチモード共振器_b 115Bは、周波数和でのポンプ信号を受信し、周波数和は、共振モードの(所定の)共振周波数に、共振モードの別の共振周波数をプラスした総和である。
【0129】
ブロック1215で、空間状態の、等しい重ね合わせの様態での、第1の光子および第2の光子を、マルチモードJPC130で発生させ、第1の光子および第2の光子に対する空間状態の、等しい重ね合わせは、第1のマルチモード共振器_a 115A、および、第2のマルチモード共振器_b 115B内にあることに関係付けられる。
【0130】
第1の光子に対する空間状態の、等しい重ね合わせは、第1の光子が、第1のマルチモード共振器_a 115A、または、第2のマルチモード共振器_b 115B内にあること(または、ないこと)の等しい確率を有するように構成される。第2の光子に対する空間状態の、等しい重ね合わせは、第2の光子が、第1のマルチモード共振器_a 115A、または、第2のマルチモード共振器_b 115B内にあること(または、ないこと)の等しい確率を有するように構成される。
【0131】
第1の光子および第2の光子は、第1のマルチモード共振器_a 115A、および、第2のマルチモード共振器_b 115Bの一方に両方があるわけではない。すなわち、第1の光子が、第1のマルチモード共振器_a 115A内にあるとき、第2の光子は、第2のマルチモード共振器_b 115B内にある。翻って、第2の光子が、第1のマルチモード共振器_a 115A内にあるとき、第1の光子は、第2のマルチモード共振器_b 115B内にある。
【0132】
周波数において近い2つの伝搬するマイクロ波信号の間のユニタリ周波数コンバージョン
左手系伝送線路からなっているJPC共振器(第1のマルチモード共振器_a 115A、および、第2のマルチモード共振器_b 115B)のモード(周波数共振モード)の密度が、それらの低周波数境界fIR=ωIR/2πの近くで大きいという特徴は、マルチモードJPC130が、周波数において近い(例えば、数十メガヘルツ)伝搬するマイクロ波モードの対の間のユニタリ周波数コンバージョンを遂行することを、(ポンプPによって)マルチモードJPC130を並列ポンプ・トーンによってポンピングすることにより行うことを可能とするものであり、それらの並列ポンプ・トーンの周波数は、(伝搬するマイクロ波信号(例えば、それぞれの第1のマルチモード共振器_a 115A、および、第2のマルチモード共振器_b 115Bへの、S信号およびI信号)の)共振周波数の間の周波数差に対応するものである。
【0133】
例えば、周波数
【数101】

での量子信号(例えば、S)が、第1のマルチモード共振器_a 115Aに送出され、周波数
【数102】

での量子信号(例えば、I)が、第2のマルチモード共振器_b 115Bに送出されることが、伝搬するマイクロ波モードのこの対の間のユニタリ周波数コンバージョンを遂行するために行われるとき、周波数差
【数103】

でのポンプ・トーンが、マルチモードJPC130に注入される。ユニタリ周波数コンバージョンという用語は、信号が、1つの周波数から別のものに、情報の損失を伴わずにコンバートされる、または換言すれば、信号が、無損失(失われる光子がない)およびコヒーレント(位相が保存される)様式でコンバートされるということを意味する。類似的に、このコンバージョン・プロセスは、伝搬するマイクロ波信号の他の対であって、適切なポンプ・ドライブを適用することにより、ポート_aおよびポート_b上で入力され、それらの他の対の周波数が、JRMに結合する共振器_aおよび共振器_bの共振モードの帯域幅の中にある、伝搬するマイクロ波信号の他の対に一般化され得る。
【0134】
1つの実装形態によれば、モードの間の周波数コンバージョンを遂行するために必要とされるポンプ周波数が、メタマテリアルの第1のマルチモード共振器_a 115A、および、第2のマルチモード共振器_b 115Bのカットオフ周波数より下にあるとき、ポンプ・トーンを直接、第1のマルチモード共振器_a 115A、および、第2のマルチモード共振器_b 115Bに注入することとは異なる、JRM105をポンピングする特定の方法が適用され得る。1つのそのような方法は、直接JRM105に容量結合される3ポート・パワー・デバイダを使用してJRM105をポンピングすることである。
【0135】
様々なマイクロエレクトロニック・デバイス製作方法が、当業者により理解されるように、本明細書で論考される構成要素/素子を製作するために利用され得るということが注目されよう。半導体または超電導デバイス製作では、様々な処理ステップは、4つの一般的なカテゴリ、すなわち、堆積、除去、パターニング、および、電気特性の変更に属する。
【0136】
堆積は、材料をウェハ上に、成長させる、コーティングする、または、他の形では移す任意のプロセスである。利用可能な技術は、中でもとりわけ、物理蒸着(PVD)、化学気相成長(CVD)、電気化学堆積(ECD)、分子線エピタキシ(MBE)、および、より最近では、原子層堆積(ALD)を含む。
【0137】
除去は、材料をウェハから除去する任意のプロセスであり、例は、エッチ・プロセス(ウェットまたはドライのいずれか)、および化学機械平坦化(CMP)、その他を含む。
【0138】
パターニングは、堆積させた材料の形状設定または変造であり、一般的にはリソグラフィと呼称される。例えば、従来のリソグラフィでは、ウェハは、フォトレジストと呼ばれる化学物質でコーティングされ、次いで、ステッパと呼ばれる機械が、マスクの焦点合わせ、位置合わせ、および移動を行って、下方のウェハの選択部分を短波長光で露光し、露光した区域は、現像剤溶液により洗い流される。エッチングまたは他の処理の後、残存するフォトレジストが除去される。パターニングはさらには、電子線リソグラフィを含む。
【0139】
電気特性の変更は、一般的には、拡散による、またはイオン打ち込みによる、あるいはその両方による、トランジスタのソースおよびドレインへのドーピングなどのドーピングを含み得る。これらのドーピング・プロセスは、炉アニーリング、または、急速熱アニーリング(RTA)が後に続く。アニーリングは、打ち込まれたドーパントを活性化させる働きをする。
【0140】
図でのフローチャートおよびブロック図は、本発明の様々な実施形態による、システム、方法、およびコンピュータ・プログラム製品の可能な実装形態の、アーキテクチャ、機能性、および動作を例解する。この点に関して、フローチャートまたはブロック図での各々のブロックは、指定される論理機能を実装するための1つまたは複数の実行可能命令を含む、命令の、モジュール、セグメント、または部分を表し得る。一部の代替的実装形態では、ブロックで記される機能は、図で記される順序から外れて生じることがある。例えば、連続して示される2つのブロックは、実際には、実質的に同時的に実行されることがあり、または、ブロックは時には、必然的に含まれる機能性に依存して、逆の順序で実行されることがある。ブロック図またはフローチャート例解あるいはその両方の各々のブロック、および、ブロック図またはフローチャート例解あるいはその両方でのブロックの組み合わせは、指定される機能もしくは行為を遂行する、または、専用ハードウェアおよびコンピュータ命令の組み合わせ動作を行うもしく履行する、専用ハードウェア・ベースのシステムにより実装され得るということが、さらには注目されよう。
【0141】
本発明の様々な実施形態の説明は、例解の目的のために提示されているが、網羅的であること、または、開示される実施形態に限定されることは意図されない。多くの変更および変形が、当業者には、説明される実施形態の範囲および思想から逸脱することなく明らかとなろう。本明細書で使用される専門用語は、市場で見出される技術に勝る、実施形態の原理、実用的用途、もしくは技術的改善を最良に解説するために、または、当業者の他の者が、本明細書で開示される実施形態を理解することを可能にするために選定されたものである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12