(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
請求項1〜4の何れかに記載のビスマス系ガラスからなるガラス粉末とアルミナ粉末とを含有する複合粉末材料であって、ガラス粉末の含有量が60〜90体積%、アルミナ粉末の含有量が10〜30体積%であることを特徴とする複合粉末材料。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
被覆層は、一般的に、粉末材料(ガラス粉末)の焼成により形成される。そして、その焼成温度は、電極等の特性が劣化する事態を防止するために、900℃以下に制限される。よって、上記粉末材料は、900℃以下の温度で焼成可能であることが要求される。
【0007】
また、上記粉末材料には、焼成後に電極が断線しないように、Auリード電極やAg外部電極との反応性が低いことも要求される。
【0008】
更に、サーマルプリントヘッドの被覆層は、感熱紙と繰り返し接触する。よって、上記粉末材料は、耐摩耗性や表面平滑性が高い被覆層を作製し易いことも要求される。
【0009】
これらの要求特性を満たす粉末材料として、従来まで、PbO−SiO
2系ガラスが使用されてきた(特許文献1参照)。
【0010】
近年、環境保護の観点から、環境負荷物質の削減、例えばPbOの削減が推進されており、PbO−B
2O
3−SiO
2系ガラスに代わって、各種無鉛ガラスが提案されるに到っている。例えば、特許文献2には、ビスマス系ガラスが記載されている。
【0011】
しかしながら、特許文献2に記載のビスマス系ガラスは、Auリード電極やAg外部電極との反応性が高く、焼成後に電極が断線し易いという問題を有している。
【0012】
そこで、本発明は上記事情に鑑みなされたものであり、その技術的課題は、PbOを含まなくても、900℃以下の温度で焼成可能であると共に、Auリード電極等の電極との反応性が低く、しかも被覆層の耐摩耗性や表面平滑性の向上に寄与し得るビスマス系ガラスを創案することである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明者は、種々の実験を行った結果、ビスマス系ガラス系としてSiO
2−B
2O
3−CaO−Bi
2O
3系ガラスを採択すると共に、ガラス組成中のSiO
2、B
2O
3、CaO、Bi
2O
3の含有割合を厳密に規制することにより、上記技術的課題を解決し得ることを見出し、本発明として提案するものである。すなわち、本発明のビスマス系ガラスは、ガラス組成として、モル%で、SiO
2 55〜75%、B
2O
3 1〜8%、CaO 5〜17%、Bi
2O
3 10〜23%、ZrO
2 0〜6%、Al
2O
3 0〜8%を含有し、モル比(SiO
2+CaO)/(B
2O
3+Bi
2O
3)が3.3より大きく、且つ4.3未満であることを特徴とする。ここで、「(SiO
2+CaO)/(B
2O
3+Bi
2O
3)」は、SiO
2とCaOとの合量をB
2O
3とBi
2O
3との合量で割った値である。
【0014】
ビスマス系ガラスは、一般的に、Auリード電極との反応性が高い。一方、本発明のビスマス系ガラスは、SiO
2の含有量が55モル%以上、B
2O
3の含有量が8モル%以下、CaOの含有量が5モル%以上、Bi
2O
3の含有量が23モル%以下、モル比(SiO
2+CaO)/(B
2O
3+Bi
2O
3)が3.3超に規制されているため、Auリード電極との反応性が抑制されている。
【0015】
また、ビスマス系ガラスにおいて、SiO
2の含有量が多い場合に、CaOの含有量が多くなると、焼成時にアノーサイト(CaAl
2Si
2O
8)結晶が析出して、所望の表面平滑性を確保し難くなる場合がある。そこで、本発明のビスマス系ガラスは、モル比(SiO
2+CaO)/(B
2O
3+Bi
2O
3)を4.1以下に規制することにより、アノーサイト結晶の析出を抑制している。
【0016】
第二に、本発明のビスマス系ガラスは、ガラス組成として、モル%で、SiO
2 60〜70%、B
2O
3 1〜7%、CaO 6〜15%、Bi
2O
3 10〜20%、ZrO
2 0.1〜5%、Al
2O
3 0.1〜7%を含有し、モル比(SiO
2+CaO)/(B
2O
3+Bi
2O
3)が3.3より大きく、且つ4.3未満であり、サーマルプリントヘッドの被覆に用いることが好ましい。
【0017】
第三に、本発明のビスマス系ガラスは、ガラス組成として、モル%で、SiO
2 60〜70%、B
2O
3 2〜6%、CaO 6〜15%、Bi
2O
3 10〜20%、ZrO
2 0.5〜4%、Al
2O
3 2〜7%を含有し、モル比(SiO
2+CaO)/(B
2O
3+Bi
2O
3)が3.4〜4.1であり、サーマルプリントヘッドの被覆に用いることが好ましい。
【0018】
第四に、本発明のビスマス系ガラスは、ガラス組成中に、実質的にPbOを含まないことが好ましい。ここで、「実質的にPbOを含まない」とは、不純物レベルでのPbOの混入を許容するものの、積極的な導入を回避する趣旨であり、具体的にはガラス組成中のPbOの含有量が1000ppm未満(0.1モル%未満)の場合を指す。
【0019】
第五に、本発明の複合粉末材料は、上記のビスマス系ガラスからなるガラス粉末とアルミナ粉末とを含有する複合粉末材料であって、ガラス粉末の含有量が60〜90体積%、アルミナ粉末の含有量が10〜30体積%であることが好ましい。
【0020】
第六に、本発明の複合粉末材料は、軟化点が600〜800℃であることが好ましい。ここで、「軟化点」は、マクロ型示差熱分析計(DTA)で測定した第四の変曲点の温度を指す。
【0021】
第七に、本発明の複合粉末材料ペーストは、複合粉末材料とビークルとを含有する粉末材料ペーストにおいて、複合粉末材料が上記の複合粉末材料であることが好ましい。
【発明を実施するための形態】
【0022】
本発明のビスマス系ガラスは、ガラス組成として、モル%で、SiO
2 55〜75%、B
2O
3 1〜8%、CaO 5〜17%、Bi
2O
3 10〜23%、ZrO
2 0〜6%、Al
2O
3 0〜8%を含有し、モル比(SiO
2+CaO)/(B
2O
3+Bi
2O
3)が3.3より大きく、且つ4.3未満である。上記のように各成分の含有範囲を規制した理由を以下に説明する。なお、各成分の含有範囲の説明において、%表示は、モル%を意味する。
【0023】
SiO
2は、ガラス骨格を形成する成分であると共に、Auリード電極との反応性を抑制する成分である。SiO
2の含有量は55〜75%であり、好ましくは60〜70%、より好ましくは62〜68%である。SiO
2の含有量が少なくなると、Auリード電極との反応性が高くなり、電極が断線し易くなる。一方、SiO
2の含有量が多くなると、軟化点が不当に上昇して、900℃以下の温度で焼成し難くなる。
【0024】
B
2O
3は、ガラス骨格を形成して、ガラス化範囲を広げる成分であるが、その含有量が多くなると、Auリード電極との反応性が高くなり、電極が断線する虞がある。よって、B
2O
3の含有量は1〜8%であり、好ましくは1〜7%、より好ましくは1〜6%、更に好ましくは2〜5%である。
【0025】
CaOは、ガラスを安定化させる成分であると共に、Auリード電極との反応性を抑制する成分である。CaOの含有量は5〜17%であり、好ましくは6〜15%、より好ましくは8〜13%である。CaOの含有量が多くなると、アノーサイト結晶が析出し易くなり、被覆層の表面平滑性が低下し易くなる。
【0026】
Bi
2O
3は、軟化点を低下させる成分であるが、その含有量が多くなると、Auリード電極との反応性が高くなり、電極が断線する虞がある。Bi
2O
3の含有量は10〜23%であり、好ましくは10〜20%、より好ましくは12〜18%である。
【0027】
ZrO
2は、耐摩耗性を高める成分である。ZrO
2の含有量は0〜6%であり、好ましくは0.1〜5%、より好ましくは0.5〜4%、更に好ましくは1〜4%である。ZrO
2の含有量が少なくなると、被覆層の耐摩耗性が低下し易くなる。一方、ZrO
2の含有量が多くなると、軟化点が不当に上昇して、900℃以下の温度で焼成し難くなる。
【0028】
Al
2O
3は、耐摩耗性を高める成分である。Al
2O
3の含有量は0〜8%であり、好ましくは0.1〜7%、より好ましくは2〜7%、更に好ましくは3〜6%である。Al
2O
3の含有量が少なくなると、被覆層の耐摩耗性が低下し易くなる。一方、Al
2O
3の含有量が多くなると、アノーサイト結晶が析出し易くなり、被覆層の表面平滑性が低下し易くなる。
【0029】
モル比(SiO
2+CaO)/(B
2O
3+Bi
2O
3)は3.3より大きく、且つ4.3未満であり、好ましくは3.4〜4.1、より好ましくは3.5〜3.9である。モル比(SiO
2+CaO)/(B
2O
3+Bi
2O
3)が小さくなると、Auリード電極との反応性が高くなり、電極が断線し易くなる。一方、モル比(SiO
2+CaO)/(B
2O
3+Bi
2O
3)が大きくなると、アノーサイト結晶が析出し易くなり、被覆層の表面平滑性が低下し易くなる。
【0030】
上記成分以外にも、例えば、以下の成分を導入してもよい。
【0031】
MgO、SrO、BaO及びZnOは、軟化点を低下させる成分であり、またガラスを安定化させる成分である。MgO、SrO、BaO及びZnO含有量は、合量又は単独で0〜5%、特に0〜1%が好ましい。MgO、SrO、BaO及びZnO含有量が多くなると、焼成時に長石系結晶が析出し易くなり、被覆層の表面平滑性が低下し易くなる。
【0032】
上記成分以外にも、サーマルプリントヘッドの特性を大幅に損なわない限り、種々の成分を導入してもよい。例えば、軟化点を低下させるために、Cs
2O、Rb
2O等を合量又は単独で5%、特に1%まで導入してもよい。またガラスを安定化させるために、Y
2O
3、La
2O
3、Ta
2O
5、SnO
2、TiO
2、Nb
2O
5、P
2O
5、CuO、CeO
2、V
2O
5等を合量又は単独で10%、特に1%まで導入してもよい。
【0033】
PbOは、軟化点を低下させる成分であるが、環境負荷物質であるため、実質的な導入を回避することが好ましい。
【0034】
本発明の複合粉末材料は、上記のビスマス系ガラスからなるガラス粉末とアルミナ粉末とを含有する複合粉末材料であって、ガラス粉末の含有量が60〜90体積%、アルミナ粉末の含有量が10〜30体積%であることが好ましい。
【0035】
ガラス粉末は、焼成時に融解し、被覆層を形成するための材料である。ガラス粉末は、例えば、溶融ガラスをフィルム状に成形した後、得られたガラスフィルムを粉砕、分級することにより作製することができる。
【0036】
ガラス粉末の含有量は、好ましくは60〜90体積%、好ましくは70〜88体積%、より好ましくは76〜85体積%である。ガラス粉末の含有量が少なくなると、緻密な被覆層を形成し難くなり、所望の表面平滑性を確保し難くなる。一方、ガラス粉末の含有量が多くなると、アルミナ粉末の含有量が相対的に少なくなるため、被覆層の耐摩耗性や熱伝導率が低下し易くなる。
【0037】
ガラス粉末の平均粒径D
50は2.0μm以下が好ましく、最大粒径D
maxは10μm以下が好ましい。ガラス粉末の粒度が大き過ぎると、被覆層の表面平滑性が低下し易くなり、また被覆層中に大きな泡が残存し易くなる。ここで、「平均粒径D
50」とは、レーザー回折装置で測定した値を指し、レーザー回折法により測定した際の体積基準の累積粒度分布曲線において、その積算量が粒子の小さい方から累積して50%である粒子径を表す。また「最大粒径D
max」とは、レーザー回折装置で測定した値を指し、レーザー回折法により測定した際の体積基準の累積粒度分布曲線において、その積算量が粒子の小さい方から累積して99%である粒子径を表す。
【0038】
アルミナ粉末は、被覆層の耐摩耗性を高める材料であり、また被覆層の熱伝導率を高める材料である。アルミナ粉末の含有量は、好ましくは10〜30体積%、より好ましくは15〜23体積%である。アルミナ粉末の含有量が多くなると、アノーサイト結晶が析出し易くなり、被覆層の表面平滑性が低下し易くなる。また、アルミナ粉末の含有量が多くなると、ガラス粉末の割合が相対的に少なくなるため、緻密な被覆層を形成し難くなり、所望の表面平滑性を確保し難くなる。
【0039】
アルミナ粉末の平均粒径D
50は2.0μm以下が好ましく、最大粒径D
maxは10μm以下が好ましい。アルミナ粉末の粒度が大き過ぎると、被覆層の表面平滑性が低下し易くなる。
【0040】
アルミナ粉末以外に、他のセラミック粉末を0〜10体積%、特に0〜8体積%導入してもよい。他のセラミック粉末として、種々の材料が使用可能であり、例えば、被覆層の熱膨張係数や耐磨耗性等を調整するために、ジルコニア、ムライト、シリカ、コーディエライト、チタニア、酸化スズ等の内、一種又は二種以上を添加することができる。
【0041】
本発明の複合粉末材料において、軟化点は、好ましくは600〜800℃、より好ましくは620〜780℃、更に好ましくは640〜760℃である。軟化点が高過ぎると、900℃以下の焼成温度で緻密な被覆層を形成し難くなり、所望の表面平滑性を確保し難くなる。一方、軟化点が低過ぎると、Auリード電極との反応性が高くなり、電極が断線し易くなる。
【0042】
本発明の複合粉末材料において、30〜300℃の温度範囲における平均熱膨張係数は、好ましくは53×10
−7〜70×10
−7/℃、より好ましくは55×10
−7〜68×10
−7/℃である。このようにすれば、焼成後にアルミナ基板の反りを防止し易くなる。ここで、「熱膨張係数」は、熱機械分析装置(TMA)により測定した値である。
【0043】
本発明の複合粉末材料ペーストは、複合粉末材料とビークルとを含有する粉末材料ペーストにおいて、複合粉末材料が上記の複合粉末材料であることが好ましい。ここで、ビークルは、複合粉末材料を分散させて、ペースト化するための材料であり、通常、熱可塑性樹脂、可塑剤、溶剤等により構成される。
【0044】
複合粉末材料ペーストは、複合粉末材料とビークルを用意し、これらを所定の割合で混合、混練することにより作製することができる。
【0045】
熱可塑性樹脂は、乾燥後の膜強度を高める成分であり、また柔軟性を付与する成分である。複合粉末材料ペースト中の熱可塑性樹脂の含有量は0.1〜20質量%が好ましい。熱可塑性樹脂として、ポリブチルメタアクリレート、ポリビニルブチラール、ポリメチルメタアクリレート、ポリエチルメタアクリレート、エチルセルロース等が好ましく、これらの内、一種又は二種以上を用いることが好ましい。
【0046】
溶剤は、熱可塑性樹脂を溶解させるための成分である。複合粉末材料ペースト中の溶剤の含有量は10〜30質量%が好ましい。溶剤として、ターピネオール、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタジオールモノイソブチレート等が好ましく、これらの内、一種又は二種以上を用いることが好ましい。
【0047】
サーマルプリントヘッドの被覆層は、まずAuリード電極、Ag外部電極、RuO
2抵抗体等が形成されたアルミナ基板上に、複合粉末材料ペーストを塗布し、所定の膜厚の塗布層を形成した後、乾燥させて、乾燥膜を得る。その後、乾燥膜を800〜900℃の温度で5〜20分間焼成することにより、被覆層(焼成膜)を形成する。なお、焼成温度が低過ぎたり、焼成時間(保持時間)が短過ぎると、乾燥膜が十分に焼結せず、被覆層の緻密性や表面平滑性が低下し易くなる。一方、焼成温度が高過ぎたり、焼成時間(保持時間)が長過ぎると、ガラス粉末とRuO
2抵抗体等が反応して、抵抗体の特性が劣化し易くなったり、Auリード電極等の線幅が小さくなり、電極が断線し易くなる。
【実施例】
【0048】
以下、実施例に基づいて、本発明を詳細に説明する。なお、本発明は以下の実施例に何ら限定されない。以下の実施例は単なる例示である。
【0049】
表1は、本発明の実施例(試料No.1〜4)及び比較例(試料No.5、6)を示している。
【0050】
【表1】
【0051】
次のようにして、各試料を調製した。まず表中に示すガラス組成になるように、原料を調合して、均一に混合した。次いで、白金ルツボに入れて1400〜1500℃で2時間溶融した後、フィルム状に成形した。
【0052】
続いて、上記のガラスフィルムをボールミルにて粉砕した後、気流分級して平均粒径D
50が2.0μm以下、最大粒径D
maxが10μm以下となるガラス粉末を得た。得られたガラス粉末が80体積%、アルミナ粉末が20体積%になるように、両者を秤量した後、十分に混合し、複合粉末材料を得た。得られた複合粉末材料について、軟化点と熱膨張係数を評価した。なお、アルミナ粉末の平均粒径D
50は2.0μm以下、最大粒径D
maxは10μm以下であった。
【0053】
軟化点は、マクロ型示差熱分析計(DTA)で測定した第四の変曲点の温度である。
【0054】
熱膨張係数は、各複合粉末材料を加圧形成し、(軟化点+10)℃で焼成した後、直径5mm、長さ20mmに加工して、測定試料を得た上で、熱機械分析装置(TMA)により30〜300℃の温度範囲で測定した平均値である。
【0055】
次に、上記複合粉末とビークル(エチルセルロースを5質量%、且つアセチルクエン酸トリブチルを3質量%含むターピネオール)を混合し、3本ロールミルにて混練して、複合粉末材料ペーストを得た。更に、電極層(Auリード電極層)と抵抗体層を有する蓄熱層付きアルミナ基板上に、複合粉末材料ペーストをスクリーン印刷法で塗布した後、得られた塗布膜を乾燥し、電気炉で800℃の温度で20分間焼成し、約10μm厚の焼成膜(被覆層)を得た。得られた積層膜付きアルミナ基板について、表面平滑性とAuリード電極との反応性を評価した。
【0056】
表面平滑性は、焼成膜の表面を顕微鏡で観察して、結晶析出がある場合を「×」、結晶析出がない場合を「○」として、評価したものである。
【0057】
Auリード電極との反応性は、焼成前後でのAuリード電極の線幅を計測した時に、線幅の減少割合が40%以上の場合を「×」、線幅の減少割合が40%未満の場合を「○」として、評価したものである。なお、焼成前後で線幅の減少割合が小さい程、Auリード電極との反応性が低いことを意味する。
【0058】
表1から明らかなように、試料No.1〜4は、ガラス粉末のガラス組成が所定範囲に規制されているため、軟化点が低く、表面平滑性やAuリード電極との反応性の評価が良好であった。一方、試料No.5は、軟化点が低かったが、モル比(SiO
2+CaO)/(B
2O
3+Bi
2O
3)が大き過ぎるため、表面平滑性の評価が不良であった。また、試料No.6は、軟化点が低かったが、モル比(SiO
2+CaO)/(B
2O
3+Bi
2O
3)が小さ過ぎるため、Auリード電極との反応性の評価が不良であった。