(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記制御部は、転写媒体の搬送長さとして、前記ジョブに紐付けられた位置合わせ画像を検知するまでの搬送長さまたは/および印刷がされていない搬送長さを含むことを特徴とする請求項5記載の画像形成装置。
前記制御部は、前記位置合わせ画像の検知に従って追い刷り印刷をした印刷物に基づいて調整情報の取得を可能にすることを特徴とする請求項1〜10のいずれか1項に記載の画像形成装置。
前記制御部は、追い刷りに際し、位置合わせ画像の検知結果と、位置合わせ画像の識別結果に基づいて前記記憶部から読み出された調整情報によって、追い刷り画像の画像形成位置を決定して前記転写媒体に前記追い刷り画像を印刷することを特徴とする請求項1〜13のいずれか1項に記載の画像形成装置。
前記位置合わせ画像の情報には、位置合わせ画像に応じた追い刷り画像の形成位置のデフォルト値を含むことを特徴とする請求項1〜15のいずれか1項に記載の画像形成装置。
前記制御部は、前記複数の位置合わせ画像を、色、大きさおよび形の1または2以上によって区別することを特徴とする請求項1〜17のいずれか1項に記載の画像形成装置。
前記制御部は、追い刷り画像の印刷を行うジョブと位置合わせ画像とを紐付けた管理を可能にすることを特徴とする請求項1〜18のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、複数のジョブを連続転写媒体などに印刷するために、転写媒体上に複数の位置合わせ画像を印刷しておく場合がある。追い刷りに際しては、それぞれの位置合わせ画像の位置が検知され、検知されたそれぞれの位置合わせ画像に基づいて追い刷り画像を印刷する。しかし、複数の位置合わせ画像とこれに応じた追い刷り画像の形成位置とが常に同じ関係にあるわけではなく、異なる版を用いて使用される場合もあるため、両者の位置関係が位置合わせ画像によって異なる場合がある。しかも、検知の際に各位置合わせ画像を区別して読み取ることができないため、複数の位置合わせ画像に応じて追い刷り画像を適正な位置に印刷することが難しいという問題がある。
【0006】
本発明は上記事情を背景としてなされたものであり、複数の位置合わせ画像に応じて追い刷り画像を適正位置に印刷することが可能になる画像形成装置、画像形成システムおよび制御プログラムを提供することを目的の一つとする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の画像形成装置のうち、第1の形態は、
追い刷り印刷を行う画像形成装置であって、
転写媒体に追い刷り画像を印刷する画像形成部と、
転写媒体に印刷される位置合わせ画像の情報を格納する記憶部と、
転写媒体に印刷されている位置合わせ画像を、前記画像形成部の転写媒体搬送方向の上流側で読み取る読取部と、
前記読取部の読取り結果を受けて複数の位置合わせ画像の識別を行う制御部と、を有し、
前記制御部は、複数の位置合わせ画像に応じて追い刷り画像の形成位置を調整する調整情報を前記記憶部に格納する制御を行
い、
前記制御部は、位置合わせ画像が紐付けられたジョブを追い刷り印刷する場合、ジョブで設定された位置合わせ画像と、前記読取部で読み取られた位置合わせ画像とが一致しないときに警告を行うことを特徴とする。
他の形態の画像形成装置は、他の形態の発明において、
前記制御部は、前記警告を、表示部への表示、音声および外部への送信の1または2以上により行うことを特徴とする。
他の形態の画像形成装置は、他の形態の発明において、
前記制御部は、前記警告に際し、位置合わせ画像が違う旨を示すことを特徴とする。
他の形態の画像形成装置は、他の形態の発明において、
前記制御部は、前記警告に際し、ジョブの実行を中止するかの問い合わせを行うことを特徴とする。
他の形態の画像形成装置の発明は、
追い刷り印刷を行う画像形成装置であって、
転写媒体に追い刷り画像を印刷する画像形成部と、
転写媒体に印刷される位置合わせ画像の情報を格納する記憶部と、
転写媒体に印刷されている位置合わせ画像を、前記画像形成部の転写媒体搬送方向の上流側で読み取る読取部と、
前記読取部の読取り結果を受けて複数の位置合わせ画像の識別を行う制御部と、を有し、
前記制御部は、複数の位置合わせ画像に応じて追い刷り画像の形成位置を調整する調整情報を前記記憶部に格納する制御を行い、
前記制御部は、追い刷り印刷のジョブの実施に際し、前記ジョブに紐付けられた位置合わせ画像を前記読取部で検知するまで転写媒体の搬送を続け、転写媒体の搬送長さを通知することを特徴とする。
他の形態の画像形成装置は、他の形態の発明において、
前記制御部は、転写媒体の搬送長さとして、前記ジョブに紐付けられた位置合わせ画像を検知するまでの搬送長さまたは/および印刷がされていない搬送長さを含むことを特徴とする。
他の形態の画像形成装置は、他の形態の発明において、
前記制御部は、前記通知を、表示部への表示、音声および外部への送信の1または2以上により行うことを特徴とする。
他の形態の画像形成装置の発明は、
追い刷り印刷を行う画像形成装置であって、
転写媒体に追い刷り画像を印刷する画像形成部と、
転写媒体に印刷される位置合わせ画像の情報を格納する記憶部と、
転写媒体に印刷されている位置合わせ画像を、前記画像形成部の転写媒体搬送方向の上流側で読み取る読取部と、
前記読取部の読取り結果を受けて複数の位置合わせ画像の識別を行う制御部と、を有し、
前記制御部は、複数の位置合わせ画像に応じて追い刷り画像の形成位置を調整する調整情報を前記記憶部に格納する制御を行い、
前記制御部は、複数のジョブについて、各ジョブの位置合わせ画像を読み取って各ジョブにおける前記調整情報を前記記憶部に格納する手順を連続して行い、複数のジョブの印刷に際し各ジョブにおける調整情報を前記記憶部から読み出して連続して複数のジョブを印刷することを特徴とする。
【0008】
他の形態の画像形成装置は、前記形態において、前記制御部は、それぞれの位置合わせ画像に関連付けて調整情報を記憶部に格納することを特徴とする。
【0009】
他の形態の画像形成装置は、前記形態において、前記制御部は、前記読取部の読取り結果を受けて位置合わせ画像の検出を行うことを特徴とする。
【0010】
他の形態の画像形成装置は、前記形態において、前記制御部は、前記位置合わせ画像の検知に従って追い刷り印刷をした印刷物に基づいて調整情報の取得を可能にすることを特徴とする。
【0011】
他の形態の画像形成装置は、前記形態において、前記制御部は、調整情報の取得を、所定の部数で追い刷り印刷をした印刷物において行うことを特徴とする。
【0012】
他の形態の画像形成装置は、前記形態において、前記制御部は、操作部を通した調整情報の入力を可能にすることを特徴とする。
【0013】
他の形態の画像形成装置は、前記形態において、前記制御部は、追い刷りに際し、位置合わせ画像の検知結果と、位置合わせ画像の識別結果に基づいて前記記憶部から読み出された調整情報によって、追い刷り画像の画像形成位置を決定して前記転写媒体に前記追い刷り画像を印刷することを特徴とする。
【0014】
他の形態の画像形成装置は、前記形態において、前記制御部は、追い刷り画像の形成位置を画像形成タイミングによって決定することを特徴とする。
【0015】
他の形態の画像形成装置は、前記形態において、前記位置合わせ画像の情報には、位置合わせ画像に応じた追い刷り画像の形成位置のデフォルト値を含むことを特徴とする。
【0016】
他の形態の画像形成装置は、前記形態において、前記調整情報が、デフォルト値に対する追い刷り画像のずれ量に関するものであることを特徴とする。
【0017】
他の形態の画像形成装置は、前記形態において、前記制御部は、前記複数の位置合わせ画像を、色、大きさおよび形の1または2以上によって区別することを特徴とする。
【0018】
他の形態の画像形成装置は、前記形態において、前記制御部は、追い刷り画像の印刷を行うジョブと位置合わせ画像とを紐付けた管理を可能にすることを特徴とする。
【0026】
本発明の画像形成システムのうち、第1の形態は、転写媒体に印刷される位置合わせ画像の情報を格納する記憶部と、
転写媒体に印刷されている位置合わせ画像を画像形成部の転写媒体搬送方向の上流側で読み取った結果を受けて複数の位置合わせ画像の検出と識別を行う制御部と、を有し、
前記制御部は、複数の位置合わせ画像に応じた追い刷り画像の形成位置を調整する調整情報を前記記憶部に格納する制御を行い、
前記制御部は、位置合わせ画像が紐付けられたジョブを追い刷り印刷する場合、ジョブで設定された位置合わせ画像と
、読取部で読み取られた位置合わせ画像とが一致しないときに警告を行うことを特徴とする画像形成システム。
他の形態の画像形成システムの発明は、
転写媒体に印刷される位置合わせ画像の情報を格納する記憶部と、
転写媒体に印刷されている位置合わせ画像を画像形成部の転写媒体搬送方向の上流側で読み取った結果を受けて複数の位置合わせ画像の検出と識別を行う制御部と、を有し、
前記制御部は、複数の位置合わせ画像に応じた追い刷り画像の形成位置を調整する調整情報を前記記憶部に格納する制御を行い、
前記制御部は、追い刷り印刷のジョブの実施に際し、前記ジョブに紐付けられた位置合わせ画像
を読取部で検知するまで転写媒体の搬送を続け、転写媒体の搬送長さを通知することを特徴とする。
他の形態の画像形成システムの発明は、
転写媒体に印刷される位置合わせ画像の情報を格納する記憶部と、
転写媒体に印刷されている位置合わせ画像を画像形成部の転写媒体搬送方向の上流側で読み取った結果を受けて複数の位置合わせ画像の検出と識別を行う制御部と、を有し、
前記制御部は、複数の位置合わせ画像に応じた追い刷り画像の形成位置を調整する調整情報を前記記憶部に格納する制御を行い、
前記制御部は、複数のジョブについて、各ジョブの位置合わせ画像を読み取って各ジョブにおける前記調整情報を前記記憶部に格納する手順を連続して行い、複数のジョブの印刷に際し各ジョブにおける調整情報を前記記憶部から読み出して連続して複数のジョブを印刷することを特徴とする。
【0027】
他の形態の画像形成システムは、前記形態において、追い刷り印刷を行う画像形成装置を管理する管理装置を有することを特徴とする。
【0028】
本発明の制御プログラムのうち、第1の形態は、追い刷り印刷を制御するコンピュータで実行される制御プログラムであって、
転写媒体に印刷される位置合わせ画像の情報を記憶部に格納する制御を行うステップと、
転写媒体に印刷されている位置合わせ画像に対し画像形成部の転写媒体搬送方向の上流側で行われる読み取りを制御する読み取りステップと、
前記読み取りの結果を受けて複数の位置合わせ画像の検出と識別を制御する判定ステップと、
複数の位置合わせ画像に応じた追い刷り画像の形成位置を調整する調整情報を記憶部に格納する制御を行うステップと、追い刷り印刷のジョブの実施に際し、前記ジョブに紐付けられた位置合わせ画像
を読取部で検知するまで転写媒体の搬送を続け、転写媒体の搬送長さを通知するステップと、を前記コンピュータに実行させることを特徴とする。
他の形態の制御プログラムの発明は、
追い刷り印刷を制御するコンピュータで実行される制御プログラムであって、
転写媒体に印刷される位置合わせ画像の情報を記憶部に格納する制御を行うステップと、
転写媒体に印刷されている位置合わせ画像を画像形成部の転写媒体搬送方向の上流側で行われる読み取りを制御する読み取りステップと、
前記読み取りの結果を受けて複数の位置合わせ画像の検出と識別を制御する判定ステップと、
複数の位置合わせ画像に応じた追い刷り画像の形成位置を調整する調整情報を記憶部に格納する制御を行うステップと、
追い刷り印刷のジョブの実施に際し、前記ジョブに紐付けられた位置合わせ画像
を読取部で検知するまで転写媒体の搬送を続け、転写媒体の搬送長さを通知するステップと、を前記コンピュータに実行させることを特徴とする。
他の形態の制御プログラムの発明は、
追い刷り印刷を制御するコンピュータで実行される制御プログラムであって、
転写媒体に印刷される位置合わせ画像の情報を記憶部に格納する制御を行うステップと、
転写媒体に印刷されている位置合わせ画像を画像形成部の転写媒体搬送方向の上流側で行われる読み取りを制御する読み取りステップと、
前記読み取りの結果を受けて複数の位置合わせ画像の検出と識別を制御する判定ステップと、
複数の位置合わせ画像に応じた追い刷り画像の形成位置を調整する調整情報を記憶部に格納する制御を行うステップと、
複数のジョブについて、各ジョブの位置合わせ画像を読み取って各ジョブにおける前記調整情報を前記記憶部に格納する手順を連続して行うステップと、
複数のジョブの印刷に際し各ジョブにおける調整情報を前記記憶部から読み出して連続して複数のジョブを印刷するステップと、を前記コンピュータに実行させることを特徴とする。
【0029】
他の形態の制御プログラムは、前記形態において、追い刷り印刷のジョブを実行するジョブ実行ステップを有し、
ジョブ実行ステップでは、前記読み取りステップと前記判定ステップとを有し、前記判定ステップにおける位置合わせ画像の検知結果と、前記判定ステップにおける識別結果に基づいて前記記憶部から調整情報を取得して追い刷り画像の画像形成位置を決定して前記転写媒体に前記追い刷り画像を印刷することを特徴とする。
【発明の効果】
【0030】
すなわち、本発明によれば、複数の位置合わせ画像を識別して、それぞれの位置合わせ画像に応じた追い刷り画像を適正な位置に印刷することが可能になる。
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下に、本発明の一実施形態を添付図面に基づいて説明する。
図1は、一実施形態の画像形成装置を示すものである。
画像形成装置1は、画像形成部11を有する画像形成装置本体1Aを備え、画像形成装置本体1Aの前段側には給紙調整部300が接続され、給紙調整部300の前段側に給紙部200が接続されている。また、画像形成装置本体1Aの用紙排出側(後段側)には排紙調整部400が接続され、排紙調整部400の用紙排出側(後段側)には巻取部500が接続されている。
【0033】
なお、この実施形態では、画像形成装置本体1Aと、画像形成装置本体1Aに接続された装置とによって画像形成装置1が構成されているものとして説明しているが、画像形成装置本体1Aに接続される装置の種別や数が特に限定されるものではなく、また、画像形成装置本体1Aのみによって画像形成装置が構成されているものであってもよい。その場合、画像形成装置本体1Aをその他装置とともに画像形成システムを構成するものであってもよい。
【0034】
給紙部200は、連続転写媒体としてのロール紙RPを収納、保持し、後段側に給紙する機能を有する。
給紙調整部300は、給紙部200と画像形成装置本体1Aとの間の微小な速度差および寄りを吸収するためのバッファ機能を有する。排紙調整部400は、画像形成装置本体1Aと巻取部500の間の微小な速度差および寄りを吸収するためのバッファ機能を有する。なお、画像形成装置本体1Aと巻取部500との間などに、ロール紙RPの断裁を行う断裁部を設置するようにしてもよく、オフラインで断裁部による断裁を行うようにしてもよい。巻取部500は、排紙したロール紙を巻き取って保持する機能を有する。
【0035】
なお、この実施形態では、連続転写媒体としてロール紙を使用しているが、連続転写媒体がロール紙に限定されるものではなく、連続した転写媒体であればよい。連続転写媒体には、連続伝票用紙、連続帳票用紙なども含まれる。連続転写媒体はロール状の形態で提供されるものでもよく、また、交互に畳まれた形態のものであってもよい。また、連続転写媒体は、必ずしも紙であることが必須とされるものではなく、例えば布やフィルムなどを用いることもできる。また、本発明では、印刷される媒体が連続転写媒体に限定されるものではなく、シート状の転写媒体であってもよい。
【0036】
画像形成装置本体1Aでは、筺体の入口部で、ロール紙RP上に形成された位置合わせ画像を読み取る読取部20を有している。読取部20は、ロール紙RPの幅全体を画像の読み取りを行えるものでもよく、また、幅方向の一部を読み取り可能とするものであってもよい。この場合、読取部20は、読み取り対象となる領域に合わせて設置される。また、読取部20がロール紙RPの幅方向に移動して適宜位置に固定できるものとしてもよく、また、搬送方向において設置位置の調整が可能となるものであってもよい。読取部20は、CCDやCISなどによって構成することができる。読取部20は、画像形成装置全体を制御する制御部によって制御され、読取り結果が後述する制御部に送信される。
【0037】
画像形成装置1は、ロール紙RPに画像を形成する画像形成部11を画像形成装置本体1A内に有しており、画像形成装置本体1Aの筺体上部には、操作者の操作を受けるとともに、情報を表示する操作部140を有している。したがって、操作部140は表示部を兼ねている。操作部140は、操作を行う操作部と表示を行う表示部とが別体で構成されていてもよく、タッチパネルLCDなどのように操作部と表示部とが一体に構成されているものであってもよい。
【0038】
画像形成装置1は、給紙部200から給紙調整部300、画像形成部11に至り、さらに画像形成部11から排紙調整部400、巻取部500に至る搬送路22を有している。搬送路22では、給紙部200に収容されているロール紙RPが給紙される。
この実施形態では、搬送路22や、搬送ローラー、回転駆動されるローラーを駆動する図示しないモーターなどによって搬送部が構成される。
【0039】
画像形成部11では、各色(シアン、マゼンタ、イエロー、ブラックなど)用にそれぞれ用意された感光体ドラム11AY(イエロー用)、11AM(マゼンタ用)、11AC(シアン用)、11AK(ブラック用)(総称する場合は感光体ドラム11Aという)を有し、各感光体ドラム11Aの周縁部に図示しない帯電器、書き込みユニットおよび現像ユニットが配設されている。帯電器によって帯電した感光体ドラム11A表面は、画像メモリなどに記録された原稿の画像情報に基づいて、LD(レーザダイオード)などを有する書き込みユニットにより像露光が行われ、感光体ドラム表面には潜像が形成される。潜像は現像ユニットによって現像がなされてトナー像となる。トナー像は、中間転写ベルトに転写され、中間転写ベルトの画像は、搬送路22で搬送されるロール紙RPに転写される。感光体ドラム11A、中間転写ベルトは像担持体に相当する。
なお、本発明としては、各色用に感光体ドラムを有し、中間転写ベルトを有するカラー画像形成装置について説明を行ったが、本発明としては、画像形成装置がモノクロ画像形成装置からなるものであってもよい。
【0040】
画像形成部11で画像が転写されて、熱と圧力とを加えることによりロール紙RPに定着された画像は、ロール紙RPの搬送とともに画像形成装置本体1A外に排出される。
なお、画像形成装置本体1Aには、画像形成装置1全体を制御する制御部100を有している。制御部100は、CPUやCPUによって実行されるプログラム、記憶部などによって構成することができる。制御部100におけるハードウェアは本発明のコンピュータに相当し、コンピュータ上で実行されるプログラムには本発明の制御プログラムが含まれている。制御部100では、ロール紙RPにおける追い刷り画像を制御し、読取部の読取り結果を受けて位置合わせ画像を検知し、さらに複数の位置合わせ画像を識別する。また、複数の位置合わせ画像の追い刷り画像位置の調整を行う調整情報を記憶部に格納し、追い刷り画像に際し、位置合わせ画像の検知に伴って前記調整情報を考慮して追い刷り画像の配置位置を決定することができる。なお、位置合わせ画像の検知は読取部で行い、この結果を制御部100で受けるものとしてもよい。
【0041】
次に、画像形成装置1における機能的な説明を
図2のブロック図に基づいて行う。
画像形成装置1は、主要な構成として、制御ブロック110とスキャナー部130と操作部140とプリンター部150とを有するデジタルコピアと、ネットワーク2を通して外部装置3との間で入出力される画像データーを処理する画像処理部(プリント&スキャナーコントローラー)160とを備えている。
【0042】
制御ブロック110はPCIバス112を有しており、PCIバス112は制御ブロック110内でDRAM制御IC111に接続されている。また、PCIバス112には、コントローラーIC118を介してHDD119が接続されている。HDD119では、画像データーの格納などをすることができる。
【0043】
さらに制御ブロック110には、制御CPU113を備えており、該制御CPU113に前記DRAM制御IC111が接続されている。また、制御CPU113には、不揮発メモリ115が接続されている。該不揮発メモリ115には、上記制御CPU113で実行されるプログラムや画像形成装置1の設定データー、プロセス制御パラメーター、読み取り画像を区別するためのデータ(形状、大きさ、色)などが格納されている。また、不揮発メモリ115には、位置合わせ画像の情報、位置合わせ画像に対する追い刷り画像の位置調整を行うための調整情報などを格納することができる。この場合、不揮発メモリ115は、本発明の記憶部に相当する。
【0044】
制御CPU113は、プログラムの実行によって画像形成装置1の全体を制御し、また画像形成装置1全体の状態把握を行うものであり、ロール紙の搬送制御、画像形成制御などを行う。すなわち、制御CPU113と制御CPU113で動作するプログラムとは、本発明の制御部100を構成する。プログラムには、本発明の制御プログラムが含まれる。制御CPU113におけるハードウェアは、本発明のコンピュータに相当する。制御CPU113では、追い刷り印刷に際し、位置合わせ画像の検知に基づいて追い刷り画像の形成位置を決定して追い刷り印刷を行う。追い刷り印刷に際しては、位置合わせ画像の検知時期に対し、所定のタイミングで追い刷り印刷の画像を形成することで位置合わせ画像の位置を決定することができる。なお、位置合わせ画像の位置決定では、調整情報を考慮することができる。
【0045】
また、制御CPU113には、RTC(日時データー発生装置)125が接続されており、日時データーを制御CPU113に送信することができる。
さらに、制御CPU113には、IO部129が接続されている。IO部129は、画像形成装置1内の各部と制御CPU113との間で情報の授受を行うインターフェースとして動作する。例えば、画像形成装置1の経路に配してロール紙の位置合わせ画像の読み取りを行う読取部20を、IO部129を通して制御CPU113との間で通信を行うことができる。
【0046】
前記スキャナー部130は、光学読み取りを行うCCD131と、スキャナー部130全体の制御を行うスキャナー制御部132とを備えている。スキャナー制御部132は、前記制御CPU113とシリアル通信可能に接続されており、制御CPU113による制御を受ける。なお、スキャナー制御部132は、CPUやこれを動作させるプログラムなどによって構成することができる。前記CCD131で読み取った画像データーは、読み取り処理部116でデーター処理がなされる。読み取り処理部116はDRAM制御IC111に接続されている。
【0047】
操作部140は、タッチパネル式のLCD141と、操作部制御部142とを備えており、上記LCD141と操作部制御部142とが接続され、該操作部制御部142と前記制御CPU113とがシリアル通信可能に接続されている。該構成によって操作部140の制御が制御CPU113によって行われる。なお、操作部制御部142は、CPUやこれを動作させるプログラムなどによって構成することができる。
操作部140では、画像形成装置本体1A、給紙部200に対する各種の設定を行い、設定に基づいて制御部によって画像形成とロール紙の搬送が制御される。
【0048】
操作部140では、画像形成装置1における設定や動作指令などの動作制御条件の入力が可能となっており、さらに設定内容、機械状態、情報の表示等が可能になっており、制御CPU113により制御される。この操作部140によって、所定の操作などを行うことができる。例えば、制御CPU113で実行される追い刷り印刷モードの設定や追い刷り画像の調整値の設定や位置合わせ画像の設定入力などを行うことができる。また、警告を行う場合、警告表示を行うことができる。この場合、操作部140は、本発明の表示部として機能する。
【0049】
また、DRAM制御IC111は、圧縮メモリ121とページメモリ122とからなる画像メモリ120に接続されている。該画像メモリ120には、前記スキャナー部130で取得した画像データーやネットワーク2を通して取得した画像データーが格納される。上記のように画像メモリ120は、画像データーの記憶領域であり、印刷するジョブの画像データーを格納する。また、上記DRAM制御IC111によって複数のジョブに関する画像データーを画像メモリ120に記憶させることができる。すなわち、画像メモリ120には予約されたジョブ情報の格納も可能である。また、画像データーおよびジョブ情報は、HDD119に格納することもできる。ジョブ情報は、調整情報に紐付けて格納することができる。位置合わせ画像の情報や、追い刷り画像に際し、追い刷り画像の形成位置を調整する調整情報は、画像メモリ120やHDD119に格納することができる。この場合、位置合わせ画像の調整情報が格納された画像メモリ120、HDD119は、本発明の記憶部に相当する。なお、位置合わせ画像の情報と調整情報とを、異なる記憶媒体に格納してもよい。
【0050】
DRAM制御IC111には、画像データーを圧縮し、または圧縮したデーターを伸長する圧縮/伸長IC117が接続されている。DRAM制御IC111には書き込み処理部123が接続されている。書き込み処理部123は、プリンター部150のLD154Aに接続され、該LD154Aの動作に用いられるデーターの処理を行う。LD154Aは、各色用のLDを総称するものである。また、プリンター部150は、画像形成部11や搬送路22を含む搬送部を制御する。
【0051】
プリンター部150には、プリンター部150全体を制御するプリンター制御部151を備えており、該プリンター制御部151は、前記した制御CPU113に接続されて制御を受ける。すなわち、制御CPU113から与えられるパラメーターに従い、プリント動作の開始/停止を行う。プリンター制御部151には、給紙部200や巻取部500を制御する外部装置制御部200A、500Aが制御可能に接続されており、制御CPU113の指令によってプリンター制御部151を介してロール紙の搬送や巻き取りの制御を行うことができる。
【0052】
また、前記DRAM制御IC111に接続された前記PCIバス112には、前記した画像処理部(プリント&スキャナーコントローラー)160のDRAM制御IC161が接続されている。画像処理部(プリント&スキャナーコントローラー)160では、DRAM制御IC161に画像メモリ162が接続されている。また、画像処理部(プリント&スキャナーコントローラー)160では、前記DRAM制御IC161にコントローラー制御部163が接続されており、DRAM制御IC161に、LAN制御部164、LANインターフェース165が接続されている。LANインターフェース165は、ネットワーク2に接続されている。
【0053】
ネットワーク2には、外部装置3が接続されており、画像形成装置1との間で画像データーの送受信を行うことができる。
外部装置3は端末として機能するものや画像形成装置を管理する装置として用いることができる。外部装置3では、外部装置制御部30を有しており、外部装置制御部30の動作によって、外部装置3全体を制御する。また、外部装置3で画像形成装置を制御する場合は、外部装置制御部30は本発明の制御部として機能する。外部装置制御部30は、CPUやこれを動作させるプログラム、記憶部などによって構成することができる。この場合、外部装置制御部30は、画像形成装置を管理する画像形成システムとして機能することができる。さらに外部装置3には、外部装置操作部31を有しており、位置合わせ画像の記憶部への格納や調整情報の入力、警告の表示などを行うことができる。記憶部は、外部装置3に備えるものの他、画像形成装置1やその他の外部装置に備えるものであってもよい。表示を行う場合は、本発明の表示部として機能する。なお、表示は、画像形成装置1の操作部140に対し表示を行うように制御するものであってもよい。ネットワーク2は、LANの他にWANとして使用されるものであってもよい。
管理装置では、直接画像形成装置を制御するようにしてもよく、また、画像形成装置に制御内容の指示を行って、この指示内容によって画像形成装置が動作するようにしてもよい。
【0054】
さらに、制御CPU113には、LAN制御部127およびLANインターフェース128が接続されており、LANインターフェース128には、前記したネットワーク2やその他のネットワークなどを接続することができる。ネットワーク2には、前記した外部装置3などが接続される。
【0055】
次に、上記画像形成装置1の基本的動作について説明する。
先ず、画像形成装置1において画像データーを蓄積する手順について説明する。
スキャナー部130で原稿の画像を読み取り、画像データーを生成する場合、スキャナー部130において原稿からCCD131により原稿の画像を光学的に読み取る。この際には、制御CPU113から指令を受けるスキャナー制御部132によってCCD131の動作制御を行う。CCD131で読み取られた画像は、読み取り処理部116でデーター処理がなされ、データー処理された画像データーは、圧縮/伸長IC117において所定の方法によって圧縮され、DRAM制御IC111を介して圧縮メモリ121やHDD119に格納される。圧縮メモリ121やHDD119に格納された画像データーは、制御CPU113によってジョブとして管理することができる。
【0056】
画像データーを外部から取得する場合、例えば、外部装置3などからネットワーク2を通して送信される画像データーは、LANインターフェース165、LAN制御部164を介して、コントローラー制御部163で制御されるDRAM制御IC161により画像メモリ162に格納される。画像メモリ162のデーターは、DRAM制御IC161、PCIバス112、DRAM制御IC111を介してページメモリ122に一旦格納される。ページメモリ122に格納されたデーターは、DRAM制御IC111を介して圧縮/伸長IC117に順次送られて圧縮処理され、DRAM制御IC111を介して圧縮メモリ121やHDD119に格納され、上記と同様に制御CPU113による管理がなされる。また、画像データーは、USBメモリなどを介して取得するものであってもよい。
【0057】
画像形成装置1で画像出力を行う場合、すなわち複写機やプリンターとして使用する場合、圧縮メモリ121やHDD119に格納された画像データーを、DRAM制御IC111を介して圧縮/伸長IC117に送出して、画像データーを展開し、その展開された画像データーを書き込み処理部123にて繰り返しLD154Aに展開することで、ロール紙RPに画像データーを印字することができる。
複写機として使用する場合、操作部140上で設定された印刷条件(プリントモード)等の情報を通知し、制御CPU113で設定情報を作成する。作成された設定情報は制御CPU113内のRAMに格納することができる。マーク画像の作成、通常印刷の指定、追い刷り印刷の指定もここで行う。
プリンターとして用いる場合、印刷条件は、外部装置3内のプリンタドライバで設定することができる。ここで設定された印刷条件は、画像と同様に(外部装置3→ LAN IF165→ 画像メモリ162→ DRAM制御IC161(コントローラー)→ DRAM制御IC111(本体)→ ページメモリ122に格納される。
【0058】
また、プリンター部150では、制御CPU113の指令を受けたプリンター制御部151によって各部の制御が行われる。
画像形成装置1で画像出力を行う場合、印刷条件をチケット編集によって操作部140を通して設定し、この設定によって制御CPU113では印刷の制御を行うことができる。
追い刷り印刷では、検知された位置合わせ画像に従って追い刷り画像の形成位置をタイミング設定などによって決定する。
画像形成部11では各感光体ドラム11Aに書き込まれたトナー像が中間転写ベルトに転写された後、二次転写ローラーによって給紙部200によって供給されるロール紙RPに転写され、定着部で定着される。画像形成がなされた用紙は、搬送路22によって排紙調整部400へと搬送され、さらに下流側の巻取り部500でロールに巻き取られて保持される。複数の予約ジョブがある場合、上記画像出力が設定順番に従って順次行われる。
【0059】
次に、画像形成装置1で追い刷り印刷を行う際のイメージを
図3に示す。
図3の左図には、ロール紙RPに、ラメなどの先行画像FGが幅方向に並列し、かつ間隔をおいて複数が形成されている。先行画像FGが形成されたページには、位置合わせを行うためのアイマークMGが位置合わせ画像として形成されている。なお、位置合わせ画像は、先行画像とともに転写媒体に印刷するものでもよく、また、先行画像を印刷した転写媒体に、位置合わせ画像を印刷して追い刷りに供するようにしてもよい。また、位置合わせ画像には、記号、符号、文字などの任意のものを用いることができる。
図3の右図には、追い刷り画像CGが印刷された状態を示している。この例の追い刷り印刷では、先行画像FGに追い刷り画像CGが重ねられて追い刷り後の完成画像が得られる。このため、追い刷り画像の位置がずれると、完成画像の品質が著しく低下する。
なお、追い刷り印刷では、アイマークMGを検知して、その後、所定のタイミングを合わせて追い刷り画像CGを印刷している。所定のタイミングは予め設定されている。
【0060】
この追い刷り画像では、予め設定されているタイミングで印刷をしても、位置合わせ画像と先行画像とを版で印刷する場合にも所定の間隔からずれを生じている場合があり、先行画像に対し適正な位置に追い刷り画像が配置されないことがある。このため、ジョブの印刷前に、例えば手動でレジスト調整(重ね合わせの同期)が必要になる。手動による調整では、アイマークを読み取って所定の設定値によるタイミングで追い刷り画像の形成位置を決定して追い刷り画像を印刷する。この印刷物を確認してずれ量を把握して手動で調整情報を設定して記憶部に格納する。調整に際しては、調整後のタイミングで追い刷り画像を印刷して再度確認をすることができ、ずれがある場合には、再度の調整を行う。実際の追い刷り印刷に際しては、この調整情報を記憶部から読み出すとともに、アイマーク画像を読み取り調整情報に基づきタイミング調整を行って追い刷り画像を印刷し、重ね合わせの同期を行う。
【0061】
図4は、操作部140に表示された、追い刷りモードにおける機械設定画面1400を示すものである。この設定画面では、画像書き出し距離切り替え設定項目1410が設けられており、この項目では、通常距離釦1411と校正釦1412とが押下可能に表示されている。通常距離釦1411が選択されている場合は、位置合わせ画像に対し、予め設定されているデフォルト値によって追い刷り画像の印刷を行う。デフォルト値は、操作部140を通した入力や、データーの受信、ジョブ情報などにより取得することができる。校正釦1412が押下された場合、調整情報に基づいて、追い刷り画像印刷のタイミングをデフォルト値から修正したものにする。
【0062】
さらに、機械設定画面1400には、プリント停止切替え設定項目1420が設けられている。プリント停止切替え設定項目1420では、通常停止釦1421と即時停止釦1422とが押下可能に設けられており、択一的に選択することができる。プリント停止切替え設定では、ジョブの印刷停止事由が発生した際のプリント停止動作を設定する。通常停止釦1421が押下されている場合、停止事由が発生すると、所定の設定により停止動作をする。例えば操作部140にポップアップ画面などを表示して、ユーザーによる停止するか継続するかを選択することができる。即時停止釦1422が押下されている場合は、停止事由が発生すると、即時に印刷を停止する。用紙テンション設定項目1430では、用紙に対するテンション設定を行うことができ、自動、弱、強から選択することができる。調整情報は、画面下部に設けられた位置調整釦1440を押下することで設定することができる。
【0063】
図5は、機械設定画面1400で位置調整釦1440が押下された際に表示される位置調整設定画面1500を示すものである。
位置調整設定画面1500では、位置/倍率タブ1510と追い刷り位置タブ1520とを有しており、いずれかを押下すると、位置/倍率の設定または追い刷り位置の設定を行うことができる。ここでは、追い刷り位置タブ1520が選択された場合について説明する。
追い刷り位置設定では、倍率欄において、タテ倍釦1521とヨコ倍釦1523とが押下可能に表示されている。タテ倍釦1521を押下されていると縦倍率を設定することができる。数値はテンキー1530により入力することができ、設定数値がタテ倍数値欄1522に表示され、タテ倍釦1521の上方に倍率変更前後のイメージが表示される。ヨコ倍釦1523が押下されているとヨコ倍率を設定することができる。数値はテンキー1530により入力することができ、設定数値がヨコ倍数値欄1524に表示され、ヨコ倍釦1523の上方に倍率変更前後のイメージが表示される。
【0064】
さらに追い刷り位置設定では、イメージシフト欄で、上下釦1525と左右釦1527とが押下可能に表示されている。上下釦1525が押下されていると、位置合わせ画像に対する追い刷り画像の位置を設定することができる。数値はテンキー1530により入力することができ、設定数値が上下位置数値欄1526に表示され、上下釦1525の上方に上下シフト前後のイメージが表示される。また、左右釦1527が押下されていると、位置合わせ画像に対する追い刷り画像の位置を設定することができる。数値はテンキー1530により入力することができ、設定数値が左右位置数値欄1528に表示され、左右釦1527の上方に左右シフト前後のイメージが表示される。
【0065】
ところで、追い刷り印刷において、複数のジョブを連続転写媒体に印刷したい場合がある。
上記のような先刷り印刷状態を
図6に示す。ロール紙RP上にはオフセット印刷などがされた版の一つ分が順次設けられ、それぞれの版に応じて、アイマークMG
1〜MG
N、先行画像FG
1〜FG
Nが印刷されている。
このように、複数のジョブの追い刷り印刷を行う場合、アイマーク毎に調整情報を取得する必要がある。アイマーク毎に調整を行わないとすると、読み取りに際し、アイマークの違いを認識しないので、アイマークが異なる場合に、適正でない異なるタイミングで追い刷り印刷をしてしまう可能性がある。
【0066】
例えば、○150部、□100部の先刷りの印刷を行うとする。
仮に、この先刷りの用紙に○の部分に、追い刷りでAという文字を100部(JOB1)、Bという文字を40部(JOB2)、□の部分に、追い刷りでCという文字を90部(JOB3)、追い刷りしたいとする。それぞれジョブに対し、余分な先刷りとして例えば10セットを用意する。これはレジスト調整用に余分に先刷りするが、最終的にはヤレになる。
【0067】
上記した先行印刷がされたロール紙RPに複数ジョブで追い刷り画像を行う手順を
図7のフローチャートに基づいて説明する。なお、以下の手順は、制御部の制御によって実行される。
先ず、レジスト調整のために、JOB1を1部積む(ステップs1)。なお、ジョブを予約ジョブとして登録することを意味している。次いで、JOB1の1部を追い刷り印刷する(ステップs2)。追い刷り印刷では、位置合わせ画像の検知に伴って追い刷り画像の位置を決定して印刷を行う。この印刷物において追い刷り画像の印刷位置が合っているかを判定する(ステップs3)。印刷位置があっていなければ(ステップs3、No)、手動によるレジスト調整を実施し(ステップs4)、ステップs1に戻って再度追い刷り印刷があっているかの手順を行う。
ステップs3の判定で印刷位置があっていれば(ステップs3、Yes)、本印刷のためにJOB1を100部積み(ステップs5)、100部の追い刷り印刷を行う(ステップs6)。
【0068】
JOB1の印刷完了後、レジスト調整のために、JOB2を1部積む(ステップs7)。次いで、JOB2の1部を追い刷り印刷する(ステップs8)。追い刷り印刷では、位置合わせ画像の検知に伴って追い刷り画像の位置を決定して印刷を行う。この印刷物において追い刷り画像の印刷位置が合っているかを判定する(ステップs9)。印刷位置があっていなければ(ステップs9、No)、手動によるレジスト調整を実施し(ステップs10)、ステップs7に戻って再度追い刷り印刷があっているかの手順を行う。
ステップs9の判定で印刷位置があっていれば(ステップs9、Yes)、本印刷のためにJOB2を40部積み(ステップs11)、40部の追い刷り印刷を行う(ステップs12)。
【0069】
JOB2の印刷完了後、レジスト調整のために、JOB3を1部積む(ステップs13)。次いで、JOB3の1部を追い刷り印刷する(ステップs14)。追い刷り印刷では、位置合わせ画像の検知に伴って追い刷り画像の位置を決定して印刷を行う。この印刷物において追い刷り画像の印刷位置が合っているかを判定する(ステップs15)。印刷位置があっていなければ(ステップs15、No)、手動によるレジスト調整を実施し(ステップs16)、ステップs13に戻って再度追い刷り印刷があっているかの手順を行う。
ステップs15の判定で印刷位置があっていれば(ステップs15、Yes)、本印刷のためにJOB3を90部積み(ステップs17)、90部の追い刷り印刷を行い(ステップs18)、処理を終了する。
【0070】
上記のように、毎回JOB1・JOB2・JOB3の本印刷前に必ずレジスト調整をすることが必要になる。毎回レジスト調整が必要なので、連続でジョブを積むことができず、ユーザーはその場から離れられない。
また、レジスト調整用の先刷りは○の部分で10部、□の部分で10部なので、○に追い刷りするJOB1、2の調整には10部しか使えない。また、JOB1、2のレジスト調整に10部以上使った場合、本印刷においてJOB1で100部、JOB2で40部印刷してしまうと、□の部分にまでJOB2が印刷されてしまうという問題がある。
上記のように、複数のジョブを連続転写媒体に追い刷り印刷をする場合、上記の手法では効率が悪い。
また、現状ではミス防止のため、位置合わせ画像について1つの設定を行うことで、連続ジョブもできない仕様にしている。小ロット印刷の際にも作業工数がかかっている。
【0071】
本実施形態では、連続転写媒体に複数のジョブによる追い刷り印刷を行う場合に、複数の位置合わせ画像を識別してジョブ毎に追い刷り位置の調整を行うことを可能にするものである。例えば、青いアイマークだったり赤いアイマークだったり、色や大きさ、形による区別が複数存在し、選択またはスキャナー等で読込みアイマークの情報を認識させることでそれぞれのアイマークを登録でき、かつそれぞれにレジスト調整登録を可能とする。さらに連続紙1巻に複数のジョブが存在しても、ジョブとアイマークを紐付けることで、先にレジスト調整後、一気に複数ジョブの連続印刷が可能になる。
【0072】
例えば、こういう先刷りの用紙があったとする。
・レジスト調整用の用紙:アイマーク1の○5部、アイマーク2の○5部、アイマーク3の□10部
・本印刷用の用紙: アイマーク1の○100部、アイマーク2の○40部、アイマーク3の□90部
もしくは用紙はわけなくてもいい。調整用と本印刷用をわけた方が本印刷にレジスト調整用のヤレ部分が入らないのでわかりやすくなる利点はある。
【0073】
この先刷りの用紙に、
図8に示すように、○の部分に、追い刷りでAという文字を100部(JOB1)、Bという文字を40部(JOB2)、□の部分に、追い刷りでCという文字を90部(JOB3)、本印刷で追い刷りしたいとする。
最初にレジスト調整用の用紙をセットし、JOB1、2、3のアイマークごとにレジスト値を登録する。
JOB1にアイマークI1を紐付け、JOB2はアイマークI2、JOB3はアイマークI3を紐付ける。
今迄は、常に印刷の度に毎回レジスト調整しなくてはいけなかったが、一気に設定できるので連続でジョブを積むことができる。ユーザーは本印刷中その場を離れられる。
また、レジスト調整に使った部分(つまりヤレ)が間に入らないので、そのまま次工程へ持って行ける。
さらに、JOBとアイマークを紐付けることで、登録したレジスト値が毎回呼び出せるので、次回のこのJOBを印刷したい場合、特にレジスト調整は不要となる。
また、アイマークI4がアイマークI3と同じ種別(色、形、大きさなど)のアイマークである場合、このジョブにアイマークI3を紐付けるようにしてもよい。
【0074】
次に、上記追い刷り印刷における位置調整および本印刷の手順を
図9のフローチャートに基づいて説明する。なお、以下の手順は制御部の制御によって実行される。
先ず、レジスト調整のために、JOB1を1部積む(ステップs20)。次いで、JOB1の1部を追い刷り印刷し(ステップs21)、追い刷り画像の印刷位置が合っているかを判定する(ステップs22)。印刷位置があっていなければ(ステップs22、No)、手動によるレジスト調整を実施し(ステップs23)、ステップs20に戻って再度追い刷り印刷があっているかの手順を行う。
ステップs22の判定で印刷位置があっていれば(ステップs22、Yes)、レジスト調整値、すなわち調整情報をジョブ1に紐付けて記憶部に格納する(ステップs24)。
【0075】
次に、レジスト調整のために、JOB2を1部積む(ステップs25)。次いで、ジョブ2について1部を追い刷り印刷し(ステップs26)、追い刷り画像の印刷位置が合っているかを判定する(ステップs27)。印刷位置があっていなければ(ステップs27、No)、手動によるレジスト調整を実施し(ステップs28)、ステップs25に戻って再度追い刷り印刷があっているかの手順を行う。
ステップs27の判定で印刷位置があっていれば(ステップs27、Yes)、レジスト調整値、すなわち調整情報をジョブ2に紐付けて記憶部に格納する(ステップs29)。
【0076】
次に、レジスト調整のために、JOB3を1部積む(ステップs30)。次いで、JOB3について1部を追い刷り印刷し(ステップs31)、追い刷り画像の印刷位置が合っているかを判定する(ステップs32)。印刷位置があっていなければ(ステップs32、No)、手動によるレジスト調整を実施し(ステップs33)、ステップs30に戻って再度追い刷り印刷があっているかの手順を行う。
ステップs32の判定で印刷位置があっていれば(ステップs32、Yes)、レジスト調整値、すなわち調整情報をジョブ3に紐付けて記憶部に格納する(ステップs34)。
【0077】
各ジョブの調整情報は記憶部に格納されており、本印刷に移行する。
先ず、本印刷のために、JOB1を100部積み(ステップs35)、JOB2を40部積み(ステップs36)、JOB3を90部積む(ステップs37)。予約ジョブでは、印刷の順序にジョブを予約する。次いで、記憶部に格納されているJOB1の調整情報を読み出し、この調整情報に基づいてJOB1を100部追い刷り印刷する(ステップs38)。次いで、記憶部に格納されているJOB2の調整情報を読み出し、この調整情報に基づいてJOB2を40部追い刷り印刷する(ステップs39)。次いで、記憶部に格納されているJOB3の調整情報を読み出し、この調整情報に基づいてJOB3を90部追い刷り印刷し(ステップs40)、追い刷り印刷処理を終了する。
【0078】
上記手順により、連続ジョブを一つの連続転写媒体に連続して本印刷することができ、ユーザーは本印刷中その場を離れても問題がない。また、ヤレ紙と本印刷の部分が明確に区分けされている。
【0079】
上記手順では、調整情報を記憶部に登録する工程について説明しており、自動でアイマークに関連付けしてもよいが、ジョブのチケット編集で関連付けを行うようにしてもよい。
図10は、
図5に示した位置調整設定画面と同様の画面であって、調整情報に関連付けるアイマークを登録する設定項目を設けた位置調整設定画面1550を示すものである。この画面では、調整情報に関連付けて登録するアイマークを登録する。登録に関し、登録釦1551または呼出し釦1552を有している。登録釦1551を押し下げると、登録する領域リストが複数ある登録先リストの画面(
図11)に遷移する。閉じる釦1553を押下すると、設定が確定し、設定作業が終了して位置調整設定画面1550が閉じられる。登録アイマークが設定されていれば、調整情報とアイマークとが関連付けられて記憶部に格納される。
【0080】
図11は、登録先アイマーク情報のリストを表示したアイマーク情報リスト画面1600を示すものである。アイマークの情報は予め登録されており、アイマークリスト1610に情報が表示される。登録箇所を選択して、詳細設定釦1611を押下すると、
図12に示すように、アイマーク情報登録画面1700が操作可能に表示される。アイマーク情報リスト画面1600に設けられた閉じる釦1612が押下されると、設定が確定して設定作業が終了し、アイマーク情報リスト画面1600が閉じられて元の位置調整設定画面1550に戻り、選択されたアイマークが登録先アイマークとして表示される。
【0081】
図12に示すアイマーク情報登録画面1700は、他の操作画面等から呼び出されるものであってもよい。
アイマーク情報登録画面1700ではアイマーク情報の詳細を設定することができる。
アイマーク情報登録画面1700では、アイマークの色を選択するアイマーク色選択釦群1710が設けられており、選択する釦を押下することでアイマーク色が決定される。また、追い刷りにおける位置調整のために、倍率釦群1720によってタテ倍、ヨコ倍の数値設定をテンキー1740によってさらに設定することができる。さらに追い刷りにおける位置調整のために、イメージシフト釦群1730によって上下、左右のシフト量をテンキー1740によってさらに設定することができる。これらの設定内容は調整情報として登録される。その他釦1715を押下すると、スキャナーで他の色を読み込んで登録することができる。なお、この実施形態では、色によってアイマークを区別するものとしているが、アイマークの形や大きさなどによってアイマークを区別してもよく、これらを組み合わせてアイマークの区別をするようにしてもよい。
閉じる釦1750を押下すると、設定を確定して設定作業が終了し、表示画面が閉じられる。なお、上記では、アイマークと調整情報とを記憶部に格納するものとして説明したが、アイマーク情報と調整情報とは別々に記憶部に格納し、互いに関連付けるようにしてもよい。
【0082】
また、
図10の位置調整設定画面1550における呼出し釦1552を押下すると、
図13に示すように、ジョブとは紐付けないで登録されているアイマーク情報が呼び出されてアイマーク呼出し画面1630が表示される。アイマーク呼出し画面1630ではアイマーク登録リスト1640が表示される。詳細確認釦1644を押下すると、アイマークの詳細情報が表示される。登録箇所を押してOK釦1642を押下するとアイマークの呼出し設定が確定し、キャンセル釦1643は、設定内容がキャンセルされる。
【0083】
また、調整情報とジョブとの紐付けについてチケット編集による方法について説明する。なお、チケット編集は一時保存ジョブ(予約に積んでいない一時的なジョブ)の情報を予約に積む前に修正するものである。
図14は、チケット編集画面1800を示すものである。チケット編集画面1800では、ジョブの詳細の表示および設定が可能になっており、例えば、基本設定欄1810でファイル名、パスワード、設定部数の表示および入力が可能になっている。
また、追い刷り印刷のイメージ表示欄1820が設けられており、用紙設定欄1830にはアイマークの指定内容が表示され、かつ設定が可能になっている。
【0084】
アイマークの指定内容の項目を選択して押下すると、
図15に示すように、アイマーク登録画面1650が、チケット編集画面1800上にポップアップ表示される。アイマーク登録画面1650に表示されたアイマーク登録リスト1660から所望のアイマーク登録情報を選択することができる。アイマーク登録情報には、アイマーク名称、アイマーク色、調整情報としてのタテ倍、ヨコ倍、上下シフト量、左右シフト量が設定されている。詳細確認釦1661を押下すると、詳細内容が表示される画面が表示される。アイマークの登録箇所を選択してOK釦1662を押下すると、アイマークの選択が確定してアイマーク登録画面1650が閉じられ、チケット編集画面におけるアイマーク指定に反映され、ジョブとアイマークとが紐付けされる。キャンセル釦1663を押下するとアイマークの選択がキャンセルされる。
【0085】
チケット編集画面1800では、上書き保存釦1840を押下することで、チケット編集の内容が確定して同じファイル名の内容に上書きされるように記憶部に登録される。新規保存釦1841を押下すると基本設定におけるファイル名で新規保存される。同じファイル名が存在する場合には、同じファイル名が存在することや、ファイル名の変更を促す表示を行うようにしてもよい。キャンセル釦1842が押下されると、編集された内容がキャンセルされる。
【0086】
図16は、調整情報とジョブとの関連性を示すものである。A図は、本実施形態の内容を採用していない場合を示しており、常にジョブは機械状態の唯一のレジスト調整値の値に反映して印刷される。したがって、ジョブ毎にレジスト位置を設定するのが望ましい。
B図は、本実施形態の内容を採用したものであり、複数の登録されたアイマーク・レジスト調整値があり、ジョブ毎に機械状態のレジスト調整値の値を呼出し、反映して印刷することができる。ジョブは前記したようにレジスト調整値をアイマークとともに紐付けることができ、印刷時は紐付けられたレジスト調整値を機械状態のレジスト調整値の値に反映して印刷される。
【0087】
上記設定によって、ジョブ毎に調整情報に基づいて追い刷り印刷が行われるが、ジョブにおいて設定されたアイマークと検知したアイマークとが異なる場合が起こる可能性がある。例えば、ジョブを予約リストに登録する順番を間違えたり、異なるジョブを選択して登録したりすることがあり得る。この際の処理について説明する。
例えば、以下の先刷りの用紙があったとする。
アイマーク1の○100部、アイマーク2の○40部、アイマーク3の□90部
この先刷りの用紙に、
図17に示すように、○の部分に、追い刷りでAという文字を100部(JOB1―アイマークI1と紐付け)、Bという文字を40部(JOB2―アイマークI2と紐付け)、□の部分に、追い刷りでCという文字を90部(JOB3―アイマークI3と紐付け)、を本印刷で追い刷りしたかったが、間違ってJOB2・JOB3のみを予約に積んでしまったとする。
画像形成装置では設定に従ってJOB2を印刷しようとするが、画像読取部でアイマークI1を最初に検知することになる。今までならアイマークI1の上にJOB2を印刷してしまうが、この実施形態ではアイマークが区別されるので、印刷はされないことになる。この際に、アイマークの違う先刷り用紙が入っていることをユーザーに警告表示することができる。
【0088】
図18に示すように、機械設定画面1400の表示欄1450に「登録されたアイマークと違うアイマークが検知されました」と表示することで、画面にアイマークが違う旨を表示することができる。
【0089】
また、設定されているアイマークと違うアイマークが検知された場合、ジョブを中止するかどうかを問い合わせするようにしてもよい。
図19には、ジョブ中止問い合わせ画面1460をポップアップ表示した機械設定画面1400を示している。
ジョブ中止問い合わせ画面1460では、中止釦1461、全て中止釦1462、継続釦1463が押下可能に表示されている。中止釦1461が押下されると、印刷対象のジョブの印刷を中止する。全て中止釦1462が押下されると、全てのジョブの印刷を中止する。継続釦1463が押下されると、後で、登録されたアイマークが存在していればジョブの印刷を継続する。この際に設定されたアイマークが検知されるまで転写媒体の搬送を継続するようにする。また、この際に、搬送された転写媒体の搬送距離や、印刷されないまま搬送されている距離の通知を行うようにしてもよい。
【0090】
図20の機械設定画面1400では、表示欄1450で「登録されているアイマークと違うアイマークを検知しました」と表示するとともに、適切なアイマークが来るまで回し続け、適切なアイマークが来るまで何メートル搬送したかまたは何メートル分印字していない旨の表示をすることができる。例えば継続して印刷をしている際に何メートル分未印刷搬送分があるかわかるようにユーザーに表現すると、それが意図するものかどうかがわかる。
なお、上記では、警告の通知や転写媒体の印刷距離の通知を、操作部140における表示により行うものとして説明したが、通知の方法は特に限定されるものではなく、音声などによって行うようにしてもよく、また、ネットワークを介して外部に送信をするようにしてもよい。外部では、表示や音声などにより警告などを行うことができる。
【0091】
以上説明したように、本実施形態によれば、連続転写媒体に印刷する画像形成装置において、追い刷り時の先刷り検知マーク(アイマーク)を複数設定でき、それぞれにレジスト調整を登録できる。アイマークはジョブと紐付けでき、設定されたアイマークと検知したアイマークが一致しない場合警告表示することができる。
なお、上記実施形態では、画像形成装置に備える制御部で追い刷り印刷の制御を行うものとして説明したが、外部装置における制御部で画像形成装置を制御して追い刷り印刷を行うこともできる。
【0092】
以上、本発明について上記実施形態に基づいて説明を行ったが、本発明の範囲が上記説明の内容に限定されるものではなく、本発明の範囲を逸脱しない限りは上記実施形態に対する適宜の変更を行うことができる。