【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明のレンジフードは、排気用吸込口と排気用吹出口とを連通する排気通路、及び、当該排気通路に通風作用する排気用ファンと、
循環用吸込口と当該循環用吸込口から吸込まれた空気を室内に吹出す循環用吹出口とを連通する循環通路、及び、当該循環通路に通風作用する循環用ファンと、
当該循環通路を流動する空気に対して除塵作用する除塵フィルタ、及び、当該除塵フィルタを通過した後の空気に対して脱臭作用する脱臭フィルタと、が設けられたレンジフード本体を備え、
前記除塵フィルタが、前記レンジフード本体の下方側から着脱自在に構成され
、
前記レンジフード本体は、前記排気用吸込口が下方側に形成されたフード部と、当該フード部の上部に設けられ、かつ、前記排気用ファン及び前記循環用ファンを収容するファンケースと、を備え、
前記ファンケースは、ケース前壁部に前記循環用吸込口が形成され、
前記除塵フィルタは、前記ケース前壁部に沿う板状に形成された形態で、前記ケース前壁部の裏側箇所に配置され、
前記フード部の内面部には、前記除塵フィルタを着脱するためのスリット状のフィルタ挿脱孔が形成されている点にある。
【0011】
すなわち、室内の空気を脱臭フィルタにて脱臭して室内に戻す循環状態においては、循環用ファンによって循環用吸込口から吸込んだ空気を、循環通路を通して流動させて循環用吹出口から室内に吹出すことになる。
そして、循環通路を流動する空気は、除塵フィルタにて塵埃が除去された後、脱臭フィルタにて臭い成分が除去され、その後、循環用吸込口から室内に吹出されることになる。
【0012】
したがって、室内の空気を脱臭フィルタにて脱臭して室内に戻す循環状態においては、排気通路とは別の通路として形成された循環通路を通して循環用空気を流動させるものであるから、脱臭フィルタにて脱臭される空気には、排気用ファンや排気通路に付着している臭い成分を含むことが無くなるため、脱臭フィルタの脱臭機能が早期に低下することを抑制しながらも、空気の脱臭を良好に行うことができる。
【0013】
また、除塵フィルタにて除塵した空気を脱臭フィルタに流動させるものであるから、脱臭フィルタの脱臭機能が塵埃の付着により低下することを抑制できため、この点からも、脱臭フィルタの脱臭機能が早期に低下することを抑制できる。
【0014】
そして、使用に伴って除塵フィルタには塵埃が堆積することになるので、除塵フィルタに対する清掃作業は適時行う必要があるが、除塵フィルタが、レンジフード本体の下方側から着脱自在に構成されているから、除塵フィルタの着脱を、レンジフード本体の下方側から容易に行うことができるため、除塵フィルタの清掃を容易に行うことができる。
【0015】
つまり、除塵フィルタを適切な状態に維持するためのメンテナンス作業としての、除塵フィルタの清掃作業を、除塵フィルタをレンジフード本体の下方側から着脱しながら、良好に行うことができる。
【0016】
要するに、本発明のレンジフードの特徴構成によれば、室内の空気を脱臭フィルタにて脱臭して室内に戻す循環状態において、脱臭フィルタの脱臭機能が早期に低下することを抑制しながらも、空気の脱臭を良好に行うことができ、しかも、脱臭フィルタを適切な状態に維持するためのメンテナンス作業を良好に行える。
【0018】
また、排気用吸込口が下方側に形成されたフード部の上部に設けるファンケースのケース前壁部に、循環用吸込口を形成するものであるから、循環用吸込口より吸込まれる空気は、調理排気が流動するフード部の内面部を流動しないため、臭い成分が少ない空気となるため、循環用吹出口から吹出す空気を、臭いのない清浄な空気にし易い。
【0019】
また、除塵フィルタを、フード部の内面部に形成したスリット状のフィルタ挿脱孔を通して挿脱しながら、着脱するものであるから、除塵フィルタの着脱をフード部の内面部を開閉する等の手間なく行えるものとなるため、除塵フィルタを良好に着脱できる。
【0020】
要するに本発明のレンジフード
の特徴構成によれば、循環用吹出口から吹出す空気を臭いのない清浄な空気に維持し易く、しかも、除塵フィルタを良好に着脱できる。
【0021】
本発明のレンジフードの更なる特徴構成は、前記フィルタ挿脱孔を覆う長尺状のカバー体が、前記フード部の内面部に着脱自在に設けられている点にある。
【0022】
すなわち、フィルタ挿脱孔を覆う長尺状のカバー体を設けることによって、フード部の内面部に沿って流動する調理排気が、フィルタ挿脱孔を通して循環通路に流動することを抑制して、循環通路が調理排気にて汚損されることを抑制できる。
【0023】
そして、カバー体が、フード部の内面部に対して着脱できるものであるから、カバー体を外すことにより、除塵フィルタの着脱を良好に行えることになる。
【0024】
要するに本発明のレンジフードの更なる特徴構成によれば、除塵フィルタの着脱を良好に行えるようにしながらも、循環通路が調理排気にて汚損されることを抑制できる。
【0025】
本発明のレンジフードの更なる特徴構成は、排気の流れを整流する整流板が、前記フード部の内方側に、前記フィルタ挿脱孔を覆う形態で着脱自在に設けられ、
前記排気用吸込口が、前記整流板の外周縁に沿って環状に形成されている点にある。
【0026】
すなわち、排気用吸込口を整流板の外周縁に沿って環状に形成するものであるから、調理排気を整流板に沿って流動させながら良好に吸込むことができる。
そして、整流板にてフィルタ挿脱孔を隠すことができるため、フード部を下方から見たときの外観を、すっきりした状態にできる。
【0027】
また、整流板が着脱自在に設けられているから、整流板を外すことにより、除塵フィルタの着脱を良好に行えることになる。
【0028】
要するに、本発明のレンジフードの更なる特徴構成によれば、除塵フィルタの着脱を良好に行えるようにしながらも、フード部を下方から見たときの外観を、すっきりした状態にできる。
【0029】
本発明のレンジフードの更なる特徴構成によれば、前記脱臭フィルタが、前記循環用ファンよりも前記循環通路における上流側に位置する形態で前記ファンケースに装着されている点にある。
【0030】
すなわち、脱臭フィルタにて脱臭された空気を循環用ファンにて通風させることになるので、循環ファンに臭い分が付着堆積することを防止して、臭い分が少ない清浄な空気を長期に亘って吹出すことができる。
【0031】
つまり、脱臭フィルタを循環用ファンよりも循環通路における下流側に位置させると、脱臭前の臭い成分が多い空気を循環ファンにて通風させることになるので、循環ファンに臭い分が多量に付着堆積することにより、脱臭フィルタにて臭い成分を除去するようにしても、吹出される空気に臭い成分が多く残る虞があるが、脱臭フィルタにて脱臭された空気を循環用ファンにて通風させれば、循環ファンに臭い分が多量に付着堆積することを防止できるため、吹出される空気に臭い成分が多く残ることを回避できる。
【0032】
要するに、本発明のレンジフードの更なる特徴構成によれば、臭い分が少ない清浄な空気を長期に亘って吹出すことができる。
【0033】
本発明のレンジフードの更なる特徴構成は、前記ファンケースの前面側には、当該ファンケースを覆う幕板が設けられ、当該幕板には、当該幕板よりも前面側にある空気を前記循環用吸込口に向けて通過させる吸込用空気通過部が形成されている点にある。
【0034】
すなわち、ファンケースの前面側を幕板にて覆うことによって、フード部の上部のファンケースの前面側を美麗にすることができる。
そして、幕板の前面側の空気を循環用吸込口に向けて通過させる吸込用空気通過部を、幕板に設けるものであるから、循環用吸込口を通して空気を適切に吸込むことができる。
【0035】
要するに、本発明のレンジフードの更なる特徴構成によれば、循環用吸込口を通して空気を適切に吸込むことができるようにしながら、フード部の上部で且つファンケースの前面側を美麗にすることができる。
【0036】
本発明のレンジフードの更なる特徴構成によれば、前記循環用吹出口を備え、前記ファンケースからの循環用の空気を案内する通気ダクトが、前記ファンケースの上部に接続され、
前記幕板に、前記循環用吹出口からの空気を当該幕板の前面側に通過させる吹出用空気通過部が形成されている点にある。
【0037】
すなわち、ファンケースからの循環用の空気を、ファンケースの上部に接続した通気ダクトにて案内して、通気ダクトの循環用吹出口から吹出すものであるから、ファンケースに形成した循環用吸込口と循環用吹出口とを、上下方向に離間させて、清浄な空気を循環用吸込口から離れた循環用吹出口から吹出すことにより、循環用吹出口から吹出された清浄な空気が循環用吸込口に短絡流動することを回避できる。
【0038】
しかも、幕板に、循環用吹出口からの空気を当該幕板の前面側に通過させる吹出用空気通過部を形成するものであるから、循環用吸込口から吹出された清浄な空気を幕板の前面側の空間に適切に流動させることができ、また、通気ダクトの前面側を幕板にて覆うことによって、フード部の上部のファンケースや通気ダクトの前面側を美麗にすることができる。
【0039】
要するに、本発明のレンジフードの更なる特徴構成によれば、循環用吹出口から吹出された清浄な空気が循環用吸込口に短絡流動することを回避しながら、ファンケースや通気ダクトの前面側を美麗にすることができる。
【0040】
本発明のレンジフードの更なる特徴構成は、前記フード部が、下向き開口の有底筒状のフードケースの内部に、下向き開口の有底筒状の内装パネルを備え、かつ、前記フードケースの側壁を形成するケース側壁部と前記内装パネルの側壁を形成するパネル側壁とを間隔を隔てて位置する形態に構成され、
前記内装パネルが、前記パネル側壁部の下端から外方に向けて延出するパネル下壁部を備えるように構成され、
前記ケース側壁部に、前記循環用吹出口が形成され、
前記ファンケースからの循環用の空気を前記循環用吹出口に案内する空気案内体が、前記ケース側壁部と前記パネル側壁部との間に位置する形態で設けられている点にある。
【0041】
すなわち、フード部が、外装側ケーシングとして機能するフードケースの内部に、調理排気の案内体として機能する内装パネルを備え、かつ、フードケースの側壁を形成するケース側壁部と内装パネルの側壁を形成するパネル側壁部とを間隔を隔てて位置する形態であるから、調理排気を案内する内装パネルが熱くなるものの、外装側ケーシングとして機能するフードケースのケース側壁部が熱くなり難く、フードケースのケース側壁部を使用者が触ることがあっても、使用者に違和感を与えることを回避できる。
【0042】
しかも、内装パネルが、パネル側壁部の下端から外方に向けて延出するパネル下壁部を備えるように構成されているから、調理排気を、パネル下壁部にても受止めるようにしながら、内装パネルによって適切に排気ファンに向けて案内流動させることができる。
【0043】
そして、フードケースのケース側壁部と内装パネルのパネル側壁部との間の空間を有効利用して、空気案内体を設けて、ケース側壁部に形成した循環用吹出口から清浄な空気を吹出すようにする。
フード部の外周縁部を構成するケース側壁部は、キッチン内の空間に突出する状態で位置することになるから、ケース側壁部に形成した循環用吹出口から清浄な空気をキッチンの空間に良好に流動させ易い。
【0044】
要するに本発明のレンジフードの更なる特徴構成によれば、フードケースと内装パネルとからなるフード部の構成を有効利用して、空気案内体を外部に露出しない美麗な状態で設けるようにしながら、清浄な空気をキッチンの空間に良好に流動させることができる。
【0045】
本発明のレンジフードの更なる特徴構成は、前記循環用吹出口が、前記ケース側壁部のうちの、横側部に対応する横側壁部分に形成されている点にある。
【0046】
すなわち、ファンケースの前面側に形成した循環用吸込口に対して空気が流動する方向が前方側から後方側に向かう前後方向であるのに対して、ケース側壁部のうちの、横側部に対応する横側壁部分に形成された循環用吹出口から空気を吹出す方向がフードの横幅方向に沿う横方向になる。
【0047】
したがって、循環用吸込口が空気を吸込む前後方向と交差する横方向に向けて、循環用の空気を吹出すことになるので、循環用吸込口から吹出された清浄な空気が循環用吸込口に短絡流動することを回避しながら、清浄な空気をキッチン内の空間に良好に流動させることができる。
【0048】
要するに、本発明のレンジフードの更なる特徴構成によれば、循環用の空気が短絡流動することを回避しながら、清浄な空気をキッチン内の空間に良好に流動させることができる。
【0049】
本発明のレンジフードの更なる特徴構成は、前記空気案内体が、前記フードケースの上壁部と、断面形状がU字状を有し、かつ、前記上壁部に密着する通路形成部材とから構成されている点にある。
【0050】
すなわち、ファンケースからの循環用の空気を循環用吹出口に案内する空気案内体が、断面形状がU字状の通路形成部材をフードケースの上壁部に密着させる状態で設けることによって構成される。
【0051】
つまり、フードケースの上壁部を利用しながら、フードケースの上壁部に密着させる通路形成部材を設けることによって、空気案内体を形成するものであるから、簡素な構成にて空気案内体を設けることができる。
【0052】
要するに、本発明のレンジフードの更なる特徴構成によれば、簡素な構成で空気案内体を設けることができる。
【0053】
本発明のレンジフードの更なる特徴構成は、前記排気用ファン及び前記循環用ファンの運転を制御する制御部をさらに備え、
前記制御部は、前記排気用ファンの運転条件が満たされたことを条件として、前記循環用ファンを停止させた状態で前記排気用ファンを運転し、かつ、前記循環用ファンの運転条件が満たされたことを条件として、前記排気用ファンを停止させた状態で前記循環用ファンを運転するように構成されている点にある。
【0054】
すなわち、排気用ファンを運転して、調理排気を排出するときには、循環用ファンが停止され、また、循環用ファンを運転して、キッチン内の空気を循環させるときには、排気用ファンが停止される。
【0055】
したがって、調理排気を排出するときに、循環用ファンが作動して、循環通路や脱臭フィルタ等が調理排気にて汚損されることを回避でき、しかも、循環運転をするときに、排気用ファンが作動して、キッチン内の空気が不必要に排出されることを回避できる。
【0056】
要するに、本発明のレンジフードの更なる特徴構成によれば、循環通路や脱臭フィルタ等が調理排気にて汚損されることを回避でき、しかも、キッチン内の空気が不必要に排出されることを回避できる。