特許第6804230号(P6804230)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6804230
(24)【登録日】2020年12月4日
(45)【発行日】2020年12月23日
(54)【発明の名称】レンジフード
(51)【国際特許分類】
   F24F 7/06 20060101AFI20201214BHJP
   F24F 13/28 20060101ALI20201214BHJP
   F24F 7/007 20060101ALI20201214BHJP
【FI】
   F24F7/06 101A
   F24F13/28
   F24F7/007 B
【請求項の数】10
【全頁数】21
(21)【出願番号】特願2016-153710(P2016-153710)
(22)【出願日】2016年8月4日
(65)【公開番号】特開2018-21719(P2018-21719A)
(43)【公開日】2018年2月8日
【審査請求日】2019年7月16日
(73)【特許権者】
【識別番号】301071893
【氏名又は名称】株式会社ハーマン
(73)【特許権者】
【識別番号】000004709
【氏名又は名称】株式会社ノーリツ
(74)【代理人】
【識別番号】110001818
【氏名又は名称】特許業務法人R&C
(72)【発明者】
【氏名】内田 譲
(72)【発明者】
【氏名】森本 和幸
(72)【発明者】
【氏名】立川 功
(72)【発明者】
【氏名】栗山 哲典
(72)【発明者】
【氏名】濱田 哲郎
【審査官】 柳本 幸雄
(56)【参考文献】
【文献】 特開2004−028445(JP,A)
【文献】 特開2009−257663(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F24F 7/06
F24F 7/007
F24F 13/28
F24C 15/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
排気用吸込口と排気用吹出口とを連通する排気通路、及び、当該排気通路に通風作用する排気用ファンと、
循環用吸込口と当該循環用吸込口から吸込まれた空気を室内に吹出す循環用吹出口とを連通する循環通路、及び、当該循環通路に通風作用する循環用ファンと、
当該循環通路を流動する空気に対して除塵作用する除塵フィルタ、及び、当該除塵フィルタを通過した後の空気に対して脱臭作用する脱臭フィルタと、が設けられたレンジフード本体を備え、
前記除塵フィルタが、前記レンジフード本体の下方側から着脱自在に構成され
前記レンジフード本体は、前記排気用吸込口が下方側に形成されたフード部と、当該フード部の上部に設けられ、かつ、前記排気用ファン及び前記循環用ファンを収容するファンケースと、を備え、
前記ファンケースは、ケース前壁部に前記循環用吸込口が形成され、
前記除塵フィルタは、前記ケース前壁部に沿う板状に形成された形態で、前記ケース前壁部の裏側箇所に配置され、
前記フード部の内面部には、前記除塵フィルタを着脱するためのスリット状のフィルタ挿脱孔が形成されているレンジフード。
【請求項2】
前記フィルタ挿脱孔を覆う長尺状のカバー体が、前記フード部の内面部に着脱自在に設けられている請求項1記載のレンジフード。
【請求項3】
排気の流れを整流する整流板が、前記フード部の内方側に、前記フィルタ挿脱孔を覆う形態で着脱自在に設けられ、
前記排気用吸込口が、前記整流板の外周縁に沿って環状に形成されている請求項1又は2に記載のレンジフード。
【請求項4】
前記脱臭フィルタが、前記循環用ファンよりも前記循環通路における上流側に位置する形態で前記ファンケースに装着されている請求項1〜3のいずれか1項に記載のレンジフード。
【請求項5】
前記ファンケースの前面側には、当該ファンケースを覆う幕板が設けられ、当該幕板には、当該幕板よりも前面側にある空気を前記循環用吸込口に向けて通過させる吸込用空気通過部が形成されている請求項〜4のいずれか1項に記載のレンジフード。
【請求項6】
前記循環用吹出口を備え、前記ファンケースからの循環用の空気を案内する通気ダクトが、前記ファンケースの上部に接続され、
前記幕板に、前記循環用吹出口からの空気を当該幕板の前面側に通過させる吹出用空気通過部が形成されている請求項に記載のレンジフード。
【請求項7】
前記フード部が、下向き開口の有底筒状のフードケースの内部に、下向き開口の有底筒状の内装パネルを備え、かつ、前記フードケースの側壁を形成するケース側壁部と前記内装パネルの側壁を形成するパネル側壁部とを間隔を隔てて位置する形態に構成され、
前記内装パネルが、前記パネル側壁部の下端から外方に向けて延出するパネル下壁部を備えるように構成され、
前記ケース側壁部には、前記循環用吹出口が形成され、
前記ファンケースからの循環用の空気を前記循環用吹出口に案内する空気案内体が、前記ケース側壁部と前記パネル側壁部との間に位置する形態で設けられている請求項1〜5のいずれか1項に記載のレンジフード。
【請求項8】
前記循環用吹出口が、前記ケース側壁部のうちの、横側部に対応する横側壁部分に形成されている請求項記載のレンジフード。
【請求項9】
前記空気案内体が、前記フードケースの上壁部と、断面形状がU字状を有し、かつ、前記上壁部に密着する通路形成部材とから構成されている請求項7又は8に記載のレンジフード。
【請求項10】
前記排気用ファン及び前記循環用ファンの運転を制御する制御部をさらに備え、
前記制御部は、前記排気用ファンの運転条件が満たされたことを条件として、前記循環用ファンを停止させた状態で前記排気用ファンを運転し、かつ、前記循環用ファンの運転条件が満たされたことを条件として、前記排気用ファンを停止させた状態で前記循環用ファンを運転するように構成されている請求項1〜9のいずれか1項に記載のレンジフード。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、レンジフードに関する。
【背景技術】
【0002】
かかるレンジフードは、ガスコンロやIH調理器等の加熱調理器にて加熱される鍋等から排出される調理排気を外部に排出するために使用されることになり、一般には、キッチンに設置された加熱調理器の上方箇所としてのキッチンの天井の近くに設けられることになる。
つまり、レンジフードは、排気用吸込口と排気用吹出口とを連通する排気通路、及び、当該排気通路に通風作用する排気用ファンを備えたレンジフード本体を設ける形態に構成されて、このレンジフード本体が、キッチンの天井の近くに設けられることになる。
【0003】
ところで、加熱調理器を使用する加熱調理中においては調理排気が外部に排出されることになるものの、加熱調理が終了した後にも、キッチンが設置されている室内の空間には臭気が残ることになる。そのような臭気を無くすために、排気用ファンを作動させ続けると、空調されている室内の空気が排出されてしまう等の不都合が生じることになる。
【0004】
そこで、室内から吸い込んだ空気を、脱臭フィルタを通して脱臭し、脱臭した空気を室内に戻す形態で、室内の空気を循環させる機能を、レンジフードに備えさせることが考えられる。
このようなレンジフードとして、空気を室内に向けて吹出す空気吹出口、排気通路の途中から分岐して、排気通路を流動する空気を空気吹出口に導く戻し用通路、及び、排気通路を通して流動する空気を、そのまま排気用吹出口に向けて流動させる排気状態と排気通路を通して流動する空気を、戻し用通路を通して空気吹出口に向けて流動させる循環状態とに切換える通路切換部(ダンパ)を設け、そして、脱臭フィルタを戻し用通路に設けるようにしたものがある(例えば、特許文献1(段落〔0028〕、図12)参照。)。
【0005】
すなわち、特許文献1のレンジフードにおいては、排気用吸込口から排気用ファンによって吸い込んだ空気を、排気状態においては、排気通路を流動させて排気用吹出口から排出し、かつ、循環状態においては、排気通路及び戻し用通路を流動させて、脱臭フィルタにて脱臭してから、空気吹出口から室内に吹き出すように構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特許第3780050号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
従来のレンジフードでは、循環状態において、脱臭フィルタにて脱臭しても、臭い成分が残り易い不利があり、また、脱臭フィルタの脱臭機能が早期に低下し易い不利があり、改善が望まれる。
【0008】
すなわち、従来のレンジフードでは、循環状態において、排気用吸込口から排気用ファンによって空気を吸込み、吸込んだ空気を排気通路の一部を流動させることになるので、脱臭フィルタにて脱臭される空気が、排気用ファンや排気通路に付着している臭い成分を含むことになるため、脱臭フィルタにて脱臭される空気には、多量の臭い成分が含まれる傾向となる。
その結果、脱臭フィルタにて脱臭しても、臭い成分が残り易い傾向があり、しかも、脱臭フィルタの脱臭機能が早期に低下し易い傾向がある。
【0009】
本発明は、上記実状に鑑みて為されたものであって、その目的は、室内の空気を脱臭フィルタにて脱臭して室内に戻す循環状態において、脱臭フィルタの脱臭機能が早期に低下することを抑制しながらも、空気の脱臭を良好に行うことができ、しかも、脱臭フィルタを適切な状態に維持するためのメンテナンス作業を良好に行えるレンジフードを提供する点にある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明のレンジフードは、排気用吸込口と排気用吹出口とを連通する排気通路、及び、当該排気通路に通風作用する排気用ファンと、
循環用吸込口と当該循環用吸込口から吸込まれた空気を室内に吹出す循環用吹出口とを連通する循環通路、及び、当該循環通路に通風作用する循環用ファンと、
当該循環通路を流動する空気に対して除塵作用する除塵フィルタ、及び、当該除塵フィルタを通過した後の空気に対して脱臭作用する脱臭フィルタと、が設けられたレンジフード本体を備え、
前記除塵フィルタが、前記レンジフード本体の下方側から着脱自在に構成され
前記レンジフード本体は、前記排気用吸込口が下方側に形成されたフード部と、当該フード部の上部に設けられ、かつ、前記排気用ファン及び前記循環用ファンを収容するファンケースと、を備え、
前記ファンケースは、ケース前壁部に前記循環用吸込口が形成され、
前記除塵フィルタは、前記ケース前壁部に沿う板状に形成された形態で、前記ケース前壁部の裏側箇所に配置され、
前記フード部の内面部には、前記除塵フィルタを着脱するためのスリット状のフィルタ挿脱孔が形成されている点にある。
【0011】
すなわち、室内の空気を脱臭フィルタにて脱臭して室内に戻す循環状態においては、循環用ファンによって循環用吸込口から吸込んだ空気を、循環通路を通して流動させて循環用吹出口から室内に吹出すことになる。
そして、循環通路を流動する空気は、除塵フィルタにて塵埃が除去された後、脱臭フィルタにて臭い成分が除去され、その後、循環用吸込口から室内に吹出されることになる。
【0012】
したがって、室内の空気を脱臭フィルタにて脱臭して室内に戻す循環状態においては、排気通路とは別の通路として形成された循環通路を通して循環用空気を流動させるものであるから、脱臭フィルタにて脱臭される空気には、排気用ファンや排気通路に付着している臭い成分を含むことが無くなるため、脱臭フィルタの脱臭機能が早期に低下することを抑制しながらも、空気の脱臭を良好に行うことができる。
【0013】
また、除塵フィルタにて除塵した空気を脱臭フィルタに流動させるものであるから、脱臭フィルタの脱臭機能が塵埃の付着により低下することを抑制できため、この点からも、脱臭フィルタの脱臭機能が早期に低下することを抑制できる。
【0014】
そして、使用に伴って除塵フィルタには塵埃が堆積することになるので、除塵フィルタに対する清掃作業は適時行う必要があるが、除塵フィルタが、レンジフード本体の下方側から着脱自在に構成されているから、除塵フィルタの着脱を、レンジフード本体の下方側から容易に行うことができるため、除塵フィルタの清掃を容易に行うことができる。
【0015】
つまり、除塵フィルタを適切な状態に維持するためのメンテナンス作業としての、除塵フィルタの清掃作業を、除塵フィルタをレンジフード本体の下方側から着脱しながら、良好に行うことができる。
【0016】
要するに、本発明のレンジフードの特徴構成によれば、室内の空気を脱臭フィルタにて脱臭して室内に戻す循環状態において、脱臭フィルタの脱臭機能が早期に低下することを抑制しながらも、空気の脱臭を良好に行うことができ、しかも、脱臭フィルタを適切な状態に維持するためのメンテナンス作業を良好に行える。
【0018】
また、排気用吸込口が下方側に形成されたフード部の上部に設けるファンケースのケース前壁部に、循環用吸込口を形成するものであるから、循環用吸込口より吸込まれる空気は、調理排気が流動するフード部の内面部を流動しないため、臭い成分が少ない空気となるため、循環用吹出口から吹出す空気を、臭いのない清浄な空気にし易い。
【0019】
また、除塵フィルタを、フード部の内面部に形成したスリット状のフィルタ挿脱孔を通して挿脱しながら、着脱するものであるから、除塵フィルタの着脱をフード部の内面部を開閉する等の手間なく行えるものとなるため、除塵フィルタを良好に着脱できる。
【0020】
要するに本発明のレンジフードの特徴構成によれば、循環用吹出口から吹出す空気を臭いのない清浄な空気に維持し易く、しかも、除塵フィルタを良好に着脱できる。
【0021】
本発明のレンジフードの更なる特徴構成は、前記フィルタ挿脱孔を覆う長尺状のカバー体が、前記フード部の内面部に着脱自在に設けられている点にある。
【0022】
すなわち、フィルタ挿脱孔を覆う長尺状のカバー体を設けることによって、フード部の内面部に沿って流動する調理排気が、フィルタ挿脱孔を通して循環通路に流動することを抑制して、循環通路が調理排気にて汚損されることを抑制できる。
【0023】
そして、カバー体が、フード部の内面部に対して着脱できるものであるから、カバー体を外すことにより、除塵フィルタの着脱を良好に行えることになる。
【0024】
要するに本発明のレンジフードの更なる特徴構成によれば、除塵フィルタの着脱を良好に行えるようにしながらも、循環通路が調理排気にて汚損されることを抑制できる。
【0025】
本発明のレンジフードの更なる特徴構成は、排気の流れを整流する整流板が、前記フード部の内方側に、前記フィルタ挿脱孔を覆う形態で着脱自在に設けられ、
前記排気用吸込口が、前記整流板の外周縁に沿って環状に形成されている点にある。
【0026】
すなわち、排気用吸込口を整流板の外周縁に沿って環状に形成するものであるから、調理排気を整流板に沿って流動させながら良好に吸込むことができる。
そして、整流板にてフィルタ挿脱孔を隠すことができるため、フード部を下方から見たときの外観を、すっきりした状態にできる。
【0027】
また、整流板が着脱自在に設けられているから、整流板を外すことにより、除塵フィルタの着脱を良好に行えることになる。
【0028】
要するに、本発明のレンジフードの更なる特徴構成によれば、除塵フィルタの着脱を良好に行えるようにしながらも、フード部を下方から見たときの外観を、すっきりした状態にできる。
【0029】
本発明のレンジフードの更なる特徴構成によれば、前記脱臭フィルタが、前記循環用ファンよりも前記循環通路における上流側に位置する形態で前記ファンケースに装着されている点にある。
【0030】
すなわち、脱臭フィルタにて脱臭された空気を循環用ファンにて通風させることになるので、循環ファンに臭い分が付着堆積することを防止して、臭い分が少ない清浄な空気を長期に亘って吹出すことができる。
【0031】
つまり、脱臭フィルタを循環用ファンよりも循環通路における下流側に位置させると、脱臭前の臭い成分が多い空気を循環ファンにて通風させることになるので、循環ファンに臭い分が多量に付着堆積することにより、脱臭フィルタにて臭い成分を除去するようにしても、吹出される空気に臭い成分が多く残る虞があるが、脱臭フィルタにて脱臭された空気を循環用ファンにて通風させれば、循環ファンに臭い分が多量に付着堆積することを防止できるため、吹出される空気に臭い成分が多く残ることを回避できる。
【0032】
要するに、本発明のレンジフードの更なる特徴構成によれば、臭い分が少ない清浄な空気を長期に亘って吹出すことができる。
【0033】
本発明のレンジフードの更なる特徴構成は、前記ファンケースの前面側には、当該ファンケースを覆う幕板が設けられ、当該幕板には、当該幕板よりも前面側にある空気を前記循環用吸込口に向けて通過させる吸込用空気通過部が形成されている点にある。
【0034】
すなわち、ファンケースの前面側を幕板にて覆うことによって、フード部の上部のファンケースの前面側を美麗にすることができる。
そして、幕板の前面側の空気を循環用吸込口に向けて通過させる吸込用空気通過部を、幕板に設けるものであるから、循環用吸込口を通して空気を適切に吸込むことができる。
【0035】
要するに、本発明のレンジフードの更なる特徴構成によれば、循環用吸込口を通して空気を適切に吸込むことができるようにしながら、フード部の上部で且つファンケースの前面側を美麗にすることができる。
【0036】
本発明のレンジフードの更なる特徴構成によれば、前記循環用吹出口を備え、前記ファンケースからの循環用の空気を案内する通気ダクトが、前記ファンケースの上部に接続され、
前記幕板に、前記循環用吹出口からの空気を当該幕板の前面側に通過させる吹出用空気通過部が形成されている点にある。
【0037】
すなわち、ファンケースからの循環用の空気を、ファンケースの上部に接続した通気ダクトにて案内して、通気ダクトの循環用吹出口から吹出すものであるから、ファンケースに形成した循環用吸込口と循環用吹出口とを、上下方向に離間させて、清浄な空気を循環用吸込口から離れた循環用吹出口から吹出すことにより、循環用吹出口から吹出された清浄な空気が循環用吸込口に短絡流動することを回避できる。
【0038】
しかも、幕板に、循環用吹出口からの空気を当該幕板の前面側に通過させる吹出用空気通過部を形成するものであるから、循環用吸込口から吹出された清浄な空気を幕板の前面側の空間に適切に流動させることができ、また、通気ダクトの前面側を幕板にて覆うことによって、フード部の上部のファンケースや通気ダクトの前面側を美麗にすることができる。
【0039】
要するに、本発明のレンジフードの更なる特徴構成によれば、循環用吹出口から吹出された清浄な空気が循環用吸込口に短絡流動することを回避しながら、ファンケースや通気ダクトの前面側を美麗にすることができる。
【0040】
本発明のレンジフードの更なる特徴構成は、前記フード部が、下向き開口の有底筒状のフードケースの内部に、下向き開口の有底筒状の内装パネルを備え、かつ、前記フードケースの側壁を形成するケース側壁部と前記内装パネルの側壁を形成するパネル側壁とを間隔を隔てて位置する形態に構成され、
前記内装パネルが、前記パネル側壁部の下端から外方に向けて延出するパネル下壁部を備えるように構成され、
前記ケース側壁部に、前記循環用吹出口が形成され、
前記ファンケースからの循環用の空気を前記循環用吹出口に案内する空気案内体が、前記ケース側壁部と前記パネル側壁部との間に位置する形態で設けられている点にある。
【0041】
すなわち、フード部が、外装側ケーシングとして機能するフードケースの内部に、調理排気の案内体として機能する内装パネルを備え、かつ、フードケースの側壁を形成するケース側壁部と内装パネルの側壁を形成するパネル側壁部とを間隔を隔てて位置する形態であるから、調理排気を案内する内装パネルが熱くなるものの、外装側ケーシングとして機能するフードケースのケース側壁部が熱くなり難く、フードケースのケース側壁部を使用者が触ることがあっても、使用者に違和感を与えることを回避できる。
【0042】
しかも、内装パネルが、パネル側壁部の下端から外方に向けて延出するパネル下壁部を備えるように構成されているから、調理排気を、パネル下壁部にても受止めるようにしながら、内装パネルによって適切に排気ファンに向けて案内流動させることができる。
【0043】
そして、フードケースのケース側壁部と内装パネルのパネル側壁部との間の空間を有効利用して、空気案内体を設けて、ケース側壁部に形成した循環用吹出口から清浄な空気を吹出すようにする。
フード部の外周縁部を構成するケース側壁部は、キッチン内の空間に突出する状態で位置することになるから、ケース側壁部に形成した循環用吹出口から清浄な空気をキッチンの空間に良好に流動させ易い。
【0044】
要するに本発明のレンジフードの更なる特徴構成によれば、フードケースと内装パネルとからなるフード部の構成を有効利用して、空気案内体を外部に露出しない美麗な状態で設けるようにしながら、清浄な空気をキッチンの空間に良好に流動させることができる。
【0045】
本発明のレンジフードの更なる特徴構成は、前記循環用吹出口が、前記ケース側壁部のうちの、横側部に対応する横側壁部分に形成されている点にある。
【0046】
すなわち、ファンケースの前面側に形成した循環用吸込口に対して空気が流動する方向が前方側から後方側に向かう前後方向であるのに対して、ケース側壁部のうちの、横側部に対応する横側壁部分に形成された循環用吹出口から空気を吹出す方向がフードの横幅方向に沿う横方向になる。
【0047】
したがって、循環用吸込口が空気を吸込む前後方向と交差する横方向に向けて、循環用の空気を吹出すことになるので、循環用吸込口から吹出された清浄な空気が循環用吸込口に短絡流動することを回避しながら、清浄な空気をキッチン内の空間に良好に流動させることができる。
【0048】
要するに、本発明のレンジフードの更なる特徴構成によれば、循環用の空気が短絡流動することを回避しながら、清浄な空気をキッチン内の空間に良好に流動させることができる。
【0049】
本発明のレンジフードの更なる特徴構成は、前記空気案内体が、前記フードケースの上壁部と、断面形状がU字状を有し、かつ、前記上壁部に密着する通路形成部材とから構成されている点にある。
【0050】
すなわち、ファンケースからの循環用の空気を循環用吹出口に案内する空気案内体が、断面形状がU字状の通路形成部材をフードケースの上壁部に密着させる状態で設けることによって構成される。
【0051】
つまり、フードケースの上壁部を利用しながら、フードケースの上壁部に密着させる通路形成部材を設けることによって、空気案内体を形成するものであるから、簡素な構成にて空気案内体を設けることができる。
【0052】
要するに、本発明のレンジフードの更なる特徴構成によれば、簡素な構成で空気案内体を設けることができる。
【0053】
本発明のレンジフードの更なる特徴構成は、前記排気用ファン及び前記循環用ファンの運転を制御する制御部をさらに備え、
前記制御部は、前記排気用ファンの運転条件が満たされたことを条件として、前記循環用ファンを停止させた状態で前記排気用ファンを運転し、かつ、前記循環用ファンの運転条件が満たされたことを条件として、前記排気用ファンを停止させた状態で前記循環用ファンを運転するように構成されている点にある。
【0054】
すなわち、排気用ファンを運転して、調理排気を排出するときには、循環用ファンが停止され、また、循環用ファンを運転して、キッチン内の空気を循環させるときには、排気用ファンが停止される。
【0055】
したがって、調理排気を排出するときに、循環用ファンが作動して、循環通路や脱臭フィルタ等が調理排気にて汚損されることを回避でき、しかも、循環運転をするときに、排気用ファンが作動して、キッチン内の空気が不必要に排出されることを回避できる。
【0056】
要するに、本発明のレンジフードの更なる特徴構成によれば、循環通路や脱臭フィルタ等が調理排気にて汚損されることを回避でき、しかも、キッチン内の空気が不必要に排出されることを回避できる。
【図面の簡単な説明】
【0057】
図1】レンジフードの装着部の正面図
図2】レンジフードの装着部の側面図
図3】レンジフードの正面側の斜視図
図4】レンジフードの背面側の斜視図
図5】レンジフードの下面側の斜視図
図6】レンジフードの整流板を外した状態の斜視図
図7】レンジフードの除塵フィルタを引出した状態の斜視図
図8】レンジフードの幕板を外した状態の斜視図
図9】レンジフードの排気ファン装着側の縦断側面図
図10】レンジフードの循環用吸込口側の縦断側面図
図11】レンジフードの分解斜視図
図12】カバー体の斜視図
図13】カバー体の装着状態の縦断正面図
図14】制御構成を示すブロック図
図15】第2実施形態のレンジフードの下面側の斜視図
図16】第2実施形態のフードカバーの背面側の斜視図
図17】第2実施形態の幕板を外した状態のレンジフードの斜視図
図18】第2実施形態のレンジフードの排気ファン装着側の縦断側面図
図19】第2実施形態のレンジフードの循環用吸込口側の縦断側面図
図20】第2実施形態の空気案内筒部の装着部の縦断正面図
図21】第2実施形態のレンジフードの分解斜視図
図22】第3実施形態のレンジフードの斜視図
【発明を実施するための形態】
【0058】
〔第1実施形態〕
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
(レンジフードの全体構成)
図1及び図2に示すように、加熱調理器としてのガスコンロGCが、キッチンのキッチンカウンタ1に装着され、ガスコンロGCの上方箇所に、油、ゴミ、水蒸気等の汚染物質を含んだ調理排気を捕捉して外部に排出するレンジフード2が装着されている。
尚、レンジフード2の横側には吊戸棚等が配置されることになるが、吊戸棚等の記載は省略する。
【0059】
レンジフード2には、下方側の扁平状のフード部F1、及び、扁平状のフード部F1の上部の後方側に配置される直方体状のファン装着部F2を備えるレンジフード本体Fが設けられ、そして、ファン装着部F2の前面部には、伸縮調整自在な幕板F3が設けられている。尚、幕板F3としては、設置箇所の長さに合わせて切断する等、伸縮しないタイプのものを用いてもよい。
【0060】
図5に示すように、フード部F1の下方側には、環状の排気用吸込口Ea(図9参照)が形成され、また、図4に示すように、ファン装着部F2の上部には、排気用吹出口Ebが形成されている。
【0061】
ファン装着部F2には、図9に示すように、排気用ファンEf及び循環用ファンDfを収容するファンケースKが、フード部F1の上部に接続される状態で設けられている。
図8及び図10に示すように、ファンケースKの前面側のケース前壁部Kmに、循環用吸込口Daが形成され、循環用吹出口Dbを備えた通気ダクト3が、ファンケースKからの循環用の空気を案内する状態で、ファンケースKの上部に接続されている。
尚、図8に示すように、通気ダクト3の前面部には、ダクト長さを調節するための切断位置を示す切断用の凹溝が、ダクト長さ方向に沿って形成されている。
【0062】
図3に示すように、幕板F3に、当該幕板F3の前面側の空気を循環用吸込口Daに向けて通過させる吸込用空気通過部Ma、および、循環用吹出口Dbからの空気を当該幕板F3の前面側に通過させる吹出用空気通過部Mbが形成されている。
図9及び図10に示すように、レンジフード本体Fには、排気用吸込口Eaと排気用吹出口Ebとを連通する排気通路Hが、フード部F1とファン装着部F2とに亘る状態で形成され、排気用ファンEfが、排気通路Hに通風作用するように構成されている。
【0063】
また、図9及び図10に示すように、レンジフード本体Fには、循環用吸込口Daと当該循環用吸込口Daからの空気を室内に吹出す循環用吹出口Dbとを連通する循環通路Jが、通気ダクト3が接続されたファンケースKに形成されている。
【0064】
図10に示すように、循環通路Jを流動する空気に対して除塵作用する除塵フィルタNが、ケース前壁部Kmに沿う板状に形成された状態で、ケース前壁部Kmの裏側箇所に配置され、また、図9に示すように、当該除塵フィルタNを通過した後の空気に対して脱臭作用する脱臭フィルタQが、循環用ファンDfよりも循環通路Jにおける上流側に位置させる状態でファンケースKに装着されている。
【0065】
したがって、レンジフード2は、排気用吸込口Eaから吸込んだ調理排気を排気用吹出口Ebから外部に排出する排気状態と、循環用吸込口Daから吸込んだ室内の空気を循環用吹出口Dbから室内に吹出す循環状態とで運転できるように構成されている。
【0066】
(フード部の詳細)
図9に示すように、フード部F1が、下向き開口の有底筒状のフードケース4の内部に、下向き開口の有底筒状の内装パネル5を備える二重壁構造に形成されている。つまり、フード部F1の外面部が、フードケース4にて形成され、フード部F1の内面部が、内装パネル5にて形成されている。
内装パネル5の側壁を形成するパネル側壁部5sが、下端側ほど外方側に位置する傾斜状に形成されている。つまり、フード部F1の内面部が、下拡がり状に形成されている。
尚、内装パネル5は、フードケース4に対して着脱自在に支持されることになるが、本実施形態においては、内装パネル5の支持構成についての詳細は省略する。
【0067】
フードケース4の側壁を形成するケース側壁部4sと内装パネル5の側壁を形成するパネル側壁部5sとが、間隔を隔てて位置させるように構成されている。
また、フードケース4の上壁を形成するケース上壁部4aと内装パネル5の上壁を形成するパネル上壁部5aとの間にも、ケース側壁部4sとパネル側壁部5sとの間隔よりも小さな間隔が設けられている。
【0068】
ケース上壁部4a及びパネル上壁部5aには、内装パネル5にて案内されて流動する調理排気をファン装着部F2に向けて流動させる調理排気流動通路Bが形成されている。
本実施形態においては、パネル上壁部5aに、調理排気をファン装着部F2に向けて案内する調理排気案内用筒体6が設けられている。
【0069】
内装パネル5が、パネル側壁部5sの下端から外方側に向けて延出するパネル下壁部5dを備えて、フード部F1の下面を形成するように構成されている。
本実施形態においては、フードケース4が、ケース側壁部4sの下端から内方側に向けて延出するケース下壁部4dを備えるように形成されている。そして、フード部F1の下面が、パネル下壁部5dを主要部としながらも、ケース下壁部4dをも用いて構成されているが、パネル下壁部5dを外方側に大きく延出させて、ケース下壁部4dを省略する形態で実施してもよい。
【0070】
そして、本実施形態においては、図5及び図9に示すように、内装パネル5の内方側に、筒状となるパネル側壁部5sの開口面積よりも小さな平板状の整流板7が、パネル下壁部5dと同じ高さとなる状態で配置され、パネル側壁部5sと整流板7の外周縁との間に、上述の排気用吸込口Eaが環状となる形態で形成されている。
【0071】
整流板7は、図9に示すように、後方側の左右両側部に設けた被係止金具8aを内装パネル5に設けた係止金具8bに係止した状態で、前方側を上方側に揺動させることにより、前方側の左右両側部に設けた連結金具9aを内装パネル5に設けたロック部9bに連結する形態で装着されている。
尚、ロック部9bは、連結金具9aに形成したロック孔に係合するロックピンを係合側に弾性付勢する状態で備えて、整流板7を上方側に揺動させると自動的にロック状態に切換るものであるが、本実施形態においては、ロック部9bの詳細な説明は省略する。
【0072】
図5に示すように、フード部F1の前縁部の下面には、フード部F1の下方空間を照らす照明部Lが設けられ、また、図1及び図2に示すように、フード部F1の前縁部の前面には、操作部Sが設けられている。
この操作部Sには、照明部Lを点灯状態と消灯状態とに切換える照明スイッチ、排気用ファンEfの風力を切換えかつ運転を指令する排気用運転スイッチ、排気用ファンEfの運転を停止する切りスイッチ、循環用ファンDfの風力を切換えかつ運転を指令する循環用運転スイッチ、循環用ファンDfの運転を停止する切りスイッチ等の各種スイッチや、排気用ファンEf及び循環用ファンDfの運転状態を示す表示ランプ等の各種のランプ類が配置されることになる。
【0073】
(運転制御の詳細)
図14に示すように、レンジフード2の運転を制御する制御部Aが設けられ、この制御部Aが、操作部Sの各種スイッチの指令情報に基づいて、照明部L、排気用ファンEf及び循環用ファンDfの運転や、各種ランプ類の作動を制御することになる。
【0074】
制御部Aが、排気用ファンEfの運転条件が満たされたことを条件として、循環用ファンDfを停止させた状態で排気用ファンEfを運転し、且つ、循環用ファンDfの運転条件が満たされたことを条件として、排気用ファンEfを停止させた状態で循環用ファンDfを運転するように構成されている。
【0075】
すなわち、排気用運転スイッチにて運転が指令されると、排気用ファンEfの運転条件が満たされて、排気用ファンEfの運転を開始することになり、そのときに循環用ファンDfを運転しているときには、循環用ファンDfを停止することになる。
また、循環用運転スイッチにて運転が指令されると、循環用ファンDfの運転条件が満たされて、循環用ファンDfの運転を開始することになり、そのときに排気用ファンEfを運転しているときには、排気用ファンEfを停止することになる
【0076】
(ファン装着部の詳細)
図9図11に示すように、ファンケースKは、循環用吸込口Daが形成されるケース前壁部Kmを備えるケース本体Khの上部に、脱臭フィルタQを横倒れ姿勢で備える中継ケースKtを備え、中継ケースKtにおける脱臭フィルタQの装着部を上方から覆う上部ケースKuを備える形態に構成され、循環用ファンDfが、上部ケースKuの上部に載置される状態で設けられている。
【0077】
図11に示すように、中継ケースKtにおける循環用吸込口Daの存在側に対応する部分には、排気用吹出口Ebを形成する排気用筒部11が接続され、この排気用筒部11の装着側に対応する部分が、脱臭フィルタQの装着側に対応する部分よりも上下高さが高く形成されている。
【0078】
ケース本体Khの上壁には、図11に示すように、循環通路Jを形成するための循環用孔12、及び、排気通路Hを形成するための排気用孔13が形成されている。
図10に示すように、中継ケースKtには、排気用孔13と排気用筒部11とを連通する中継筒部14が形成されている。
【0079】
図9に示すように、ケース本体Khには、排気用ファンEfが、上述の調理排気流動通路Bに対して吸引作用する状態で備えられている。
図11に示すように、排気用ファンEfには、排気用案内体10aが排気ファンケーシング10から延びる状態で設けられ、その排気用案内体10aの先端部が、図10に示すように、ケース本体Khの上壁における排気用孔13に対応する部分に接続されている。
【0080】
したがって、ガスコンロGCを燃焼させて加熱調理することにより発生する調理排気が、排気用ファンEfの吸引作用により、整流板7やパネル下壁部5dにて案内されながら排気用吸込口Eaに流入し、排気用吸込口Eaに流入した調理排気が、内装パネル5にて案内されながら調理排気流動通路Bに流動し、その後、排気用ファンEfにて排気用吹出口Ebから吹出され、排気ダクト11Aを通して外部に排出されることになる。
【0081】
つまり、本実施形態においては、排気通路Hが、内装パネル5と整流板7との間の内方側空間、調理排気流動通路B、排気ファンケーシング10の内部空間、中継筒部14の内部空間、及び、排気用筒部11の内部空間にて形成されることになる。
【0082】
図10及び図11に示すように、ケース本体Khのケース前壁部Kmにおける循環用吸込口Daに対応する箇所に、循環用吸込口Daから吸い込まれた空気を上方側に案内する空気導入体15が、前面及び上面を開口し、かつ、下方側ほど前後幅が狭くなる形態で設けられている。
図10に示すように、空気導入体15の上端部分が、ケース本体Khの上壁の循環用孔12を貫通する状態で設けられている。
【0083】
したがって、循環用吸込口Daから吸込まれて除塵フィルタNを通過した空気が、空気導入体15によって、ケース本体Khの上壁と中継ケースKtとで囲まれた空間内に流動し、流動した空気が、図9に示すように、脱臭フィルタQの下方側空間に流動して、脱臭フィルタQを通過した後に、上部ケースKuの内部に流動する。
そして、上部ケースKuの内部に流動した空気が、循環用ファンDfの循環ファンケーシング16を通して通気ダクト3に流動し、通気ダクト3の循環用吹出口Dbから吹出されることになる。
【0084】
つまり、本実施形態においては、循環通路Jが、空気導入体15の内部空間、ケース本体Khの上壁と中継ケースKtとで囲まれた空間、上部ケースKuの内部空間、循環ファンケーシング16の内部空間、及び、通気ダクト3の内部の空間にて形成されることになる。
【0085】
(除塵フィルタの装着構成)
図7に示すように、ケース前壁部Kmの裏側箇所に配置され除塵フィルタNが、レンジフード本体Fの下方側から着脱自在に構成されている。
すなわち、図7及び図10に示すように、フード部F1の内面部、つまり、内装パネル5のパネル上壁部5aに、除塵フィルタNをケース前壁部Kmに沿って移動させることにより着脱するフィルタ挿脱孔17が、スリット状に形成されている。
【0086】
図6及び図10に示すように、フィルタ挿脱孔17を覆う長尺状のカバー体18が、フード部F1の内面部に着脱自在に設けられている。
すなわち、図12及び図13に示すように、カバー体18は、横断面形状がU字状に形成されている。そして、カバー体18の一端部には、内装パネル5のパネル上壁部5aを係止する係止部18aが形成され、カバー体18の他端部には、内装パネル5のパネル上壁部5aを係止する弾性係止体19及び操作片18bが設けられている。
【0087】
つまり、カバー体18を外すときには、操作片18bを把持した状態で、カバー体18を上方に持ち上げて係止部18aの係止を解除しながら、カバー体18を係止部18aが存在する一端側に向けて移動操作して、弾性係止体19の係止を解除し、その状態で、下方側に引き出すことになる。
また、カバー体18を装着するときには、操作片18bを把持した状態で、カバー体18の一端部の係止部18aを内装パネル5のパネル上壁部5aに係止させ、その状態において、カバー体18の他端側を上方に移動させて、弾性係止体19を弾性変形させながら、内装パネル5のパネル上壁部5aに係止させることになる。
【0088】
したがって、除塵フィルタNを清掃のために取り外すときには、先ず、図6に示すように、整流板7を取り外し、次に、カバー体18を外した後、図7に示すように、除塵フィルタNをフード部F1の下方に引き出すことになる。
【0089】
また、清掃後の除塵フィルタNを装着するときには、図7に示すように、除塵フィルタNを、フィルタ挿脱孔17を通して上方に挿入し、次に、カバー体18を装着し、その後、整流板7を装着することになる。
【0090】
〔第2実施形態〕
次に、第2実施形態を説明するが、この第2実施形態は、循環用吹出口Dbの形成位置が第1実施形態と異なり、それに伴って、循環通路Jの構成が異なるものであるが、その他の構成は、第1実施形態と同様であるので、以下の説明においては、第1実施形態と異なる構成についてのみ説明する。
【0091】
この第2実施形態においては、図15に示すように、循環用吹出口Dbが、フード部F1のフードケース4のケース側壁部4sに形成されている。
具体的には、左右の循環用吹出口Dbが、ケース側壁部4sのうちの、前側部に対応する前側壁部分に形成されている。
【0092】
図20及び図21に示すように、空気導入体15の横一側部に、循環させる空気を上方側から下方側に案内する筒状の空気案内筒部15Aが形成されている。
そして、第1実施形態の通気ダクト3に代えて、循環用ファンDfからの空気を横方向に案内した後に下方に向けて流動される中継ダクト20が設けられている。
【0093】
図20に示すように、中継ケースKtには、中継ダクト20からの空気を空気案内筒部15Aに流動させる中継用筒部21が形成され、ファンケースKからの循環用の空気が、フード部F1におけるフードケース4と内装パネル5の間の空間に導かれるように構成されている。
【0094】
そして、図19及び図20に示すように、ファンケースKからの循環用の空気を循環用吹出口Dbに案内する空気案内体Rが、ケース側壁部4sとパネル側壁部5sとの間に位置させる状態で設けられている。
本実施形態においては、空気案内体Rが、フードケース4のケース上壁部4aと、断面形状がU字状で且つケース上壁部4aに密着させる通路形成部材22とから構成されている。
【0095】
〔第3実施形態〕
次に、第3実施形態を説明するが、この第3実施形態は、循環用吹出口Dbの形成位置が第2実施形態と異なり、その他の構成は、第2実施形態と同様であるので、以下の説明においては、第2実施形態と異なる構成についてのみ説明する。
【0096】
図22に示すように、循環用吹出口Dbが、ケース側壁部4sのうちの、横側部に対応する横側壁部分に形成されている。
尚、図示は省略するが、この第3実施形態においても、上記第2実施形態と同様に、フードケース4のケース上壁部4aと通路形成部材22とによって、ファンケースKからの循環用の空気を循環用吹出口Dbに案内する空気案内体Rを構成することになる。
【0097】
〔別実施形態〕
次に、別実施形態を列記する。
(1)上記第1〜第3実施形態では、レンジフード本体Fが、扁平状のフード部F1の上部にファン装着部F2を備える形態に構成される場合を例示したが、レンジフード本体Fの全体を、下拡がりのフード状に形成する等、レンジフード本体Fの具体構成は各種変更できる。
【0098】
(2)上記第1〜第3実施形態では、レンジフード本体Fのフード部F1に、整流板7を設けて、内装パネル5の内面と整流板7の外周縁との間を環状の排気用吸込口Eaに形成する場合を例示したが、整流板7を省略して、内装パネル5にて形成される下向きの開口を、排気用吸込口Eaとする形態で実施してもよい。
【0100】
)上記第1〜第3実施形態では、循環用ファンDfや排気用ファンEfを操作部Sの指令に基づいて運転する場合を例示したが、例えば、ガスコンロGC等の加熱調理器を作動させると、排気用ファンEfの運転条件が満たされたとして、循環用ファンDfを停止して排気用ファンEfを運転して、その後、設定時間が経過するあるいは臭いセンサにて調理排気の臭いが少なると、循環用ファンDfの運転条件が満たされたとして、排気用ファンEfを停止して循環用ファンDfを運転するように構成してもよい。
【0101】
)上記第1〜第3実施形態では、キッチンに設置する加熱調理器として、ガスコンロGCを例示したが、加熱調理器としてはIH式加熱調理器でもよい。
【0102】
なお、上記実施形態(別実施形態を含む、以下同じ)で開示される構成は、矛盾が生じない限り、他の実施形態で開示される構成と組み合わせて適用することが可能であり、また、本明細書において開示された実施形態は例示であって、本発明の実施形態はこれに限定されず、本発明の目的を逸脱しない範囲内で適宜改変することが可能である。
【符号の説明】
【0103】
3 通気ダクト
4 フードケース
4s ケース側壁部
5 内装パネル
5s パネル側壁部
5d パネル下壁部
7 整流板
17 フィルタ挿脱孔
18 カバー体
22 通路形成部材
A 制御部
Da 循環用吸込口
Db 循環用吹出口
Df 循環用ファン
Ea 排気用吸込口
Eb 排気用吹出口
Ef 排気用ファン
F レンジフード本体
F1 フード部
F2 排気ファン部
F3 幕板
H 排気通路
J 循環通路
Ma 吸込用空気通過部
Mb 吹出用空気通過部
N 除塵フィルタ
K ファンケース
Q 脱臭フィルタ
R 空気案内体
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22