特許第6804294号(P6804294)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6804294
(24)【登録日】2020年12月4日
(45)【発行日】2020年12月23日
(54)【発明の名称】空気静圧軸受装置
(51)【国際特許分類】
   F16C 32/06 20060101AFI20201214BHJP
【FI】
   F16C32/06 Z
【請求項の数】11
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2016-256821(P2016-256821)
(22)【出願日】2016年12月28日
(65)【公開番号】特開2018-109429(P2018-109429A)
(43)【公開日】2018年7月12日
【審査請求日】2019年11月12日
(73)【特許権者】
【識別番号】000003458
【氏名又は名称】芝浦機械株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100104433
【弁理士】
【氏名又は名称】宮園 博一
(72)【発明者】
【氏名】秋山 貴信
【審査官】 中島 亮
(56)【参考文献】
【文献】 実開平04−047937(JP,U)
【文献】 特開平01−228743(JP,A)
【文献】 特開2004−156666(JP,A)
【文献】 特開2012−125865(JP,A)
【文献】 特開2001−254737(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16C 32/00−32/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
主軸を含む回転体と、
前記主軸を囲むように、前記主軸の半径方向外側に配置される軸受本体部とを備え、
前記軸受本体部は、前記主軸の軸方向から前記軸受本体部と前記回転体との間に空気を供給するためのアキシャル絞り孔と、前記主軸の半径方向から前記軸受本体部と前記回転体との間に空気を供給するためのラジアル絞り孔とを有する複数の第1空気通路と、前記ラジアル絞り孔を有さずに、前記アキシャル絞り孔を有する複数の第2空気通路とを含み、
前記アキシャル絞り孔は、前記主軸の周方向において、第1間隔で設けられており、
前記ラジアル絞り孔は、前記主軸の周方向において、前記第1間隔とは異なる第2間隔で設けられている、空気静圧軸受装置。
【請求項2】
前記アキシャル絞り孔は、前記主軸の全周に前記第1間隔で均等に設けられており、
前記ラジアル絞り孔は、前記主軸の全周に前記第1間隔よりも大きい前記第2間隔で均等に設けられている、請求項1に記載の空気静圧軸受装置。
【請求項3】
前記第1空気通路および前記第2空気通路は、前記主軸の周方向に1つずつ交互に配置されている、請求項1または2に記載の空気静圧軸受装置。
【請求項4】
互いに隣接する前記第1空気通路および前記第2空気通路は、全体として等間隔で配置されている、請求項3に記載の空気静圧軸受装置。
【請求項5】
前記第1空気通路は、前記主軸の軸方向の一方側に空気を供給するための前記アキシャル絞り孔および前記ラジアル絞り孔を有する一方側第1空気通路と、前記主軸の軸方向の他方側に空気を供給するための前記アキシャル絞り孔および前記ラジアル絞り孔を有する他方側第1空気通路とを有し、
前記一方側第1空気通路および前記他方側第1空気通路に別個に空気を供給可能な空気供給部をさらに備える、請求項1〜4のいずれか1項に記載の空気静圧軸受装置。
【請求項6】
前記回転体は、前記主軸の軸方向の一方端部に設けられ、前記一方側第1空気通路から、前記軸受本体部との間に空気が供給される第1回転面と、前記主軸の軸方向の他方端部に設けられ、前記他方側第1空気通路から、前記軸受本体部との間に空気が供給される第2回転面とを含み、
前記空気供給部による前記一方側第1空気通路への空気の供給が停止されるとともに、前記空気供給部による前記他方側第1空気通路への空気の供給が継続されることにより、前記第1回転面が、前記軸受本体部に密着して、クランプされるように構成されている、請求項5に記載の空気静圧軸受装置。
【請求項7】
前記主軸は、円筒形状を有し、
前記回転体は、前記第1回転面側において前記軸受本体部の軸受面側から前記主軸の円筒内面側に空気を通すための第1通気空間を含む、請求項6に記載の空気静圧軸受装置。
【請求項8】
前記軸受本体部が固定的に取り付けられ、前記回転体が回転可能に取り付けられる筺体部をさらに備え、
前記筺体部は、前記第2回転面よりも前記軸方向の他方側の位置に、前記第1通気空間からの空気を排気する排気孔を含む、請求項7に記載の空気静圧軸受装置。
【請求項9】
前記第1通気空間は、前記主軸の前記第1回転面側の一方端部近傍に形成されている、請求項7または8に記載の空気静圧軸受装置。
【請求項10】
前記回転体は、前記軸受本体部の前記第2回転面側から前記主軸の円筒内面側に空気を通すための第2通気空間を含み、
前記第2通気空間は、前記主軸の前記第1通気空間とは反対側の他方端部近傍に形成されている、請求項7〜9のいずれか1項に記載の空気静圧軸受装置。
【請求項11】
前記回転体は、前記第1回転面を有する平板形状の第1回転テーブルと、前記第2回転面を有する平板形状の第2回転テーブルとを含む、請求項6〜10のいずれか1項に記載の空気静圧軸受装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、空気静圧軸受装置に関し、特に、アキシャル絞り孔およびラジアル絞り孔を有する軸受本体部を備える空気静圧軸受装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、アキシャル絞り孔およびラジアル絞り孔を有する軸受本体部を備える空気静圧軸受装置が知られている(たとえば、特許文献1参照)。
【0003】
上記特許文献1には、シャフト(主軸)を含むロータ(回転体)と、空気軸受(軸受本体部)とを備える装置が開示されている。空気軸受は、シャフトを囲むように、シャフトの半径方向外側に配置されている。また、空気軸受は、シャフトの軸方向(アキシャル方向)から、空気軸受と回転体との間に空気を供給するための通路と、シャフトの半径方向(ラジアル方向)から、空気軸受と回転体との間に空気を供給するための通路とを、別々に同数ずつ有している。
【0004】
ここで、空気軸受は、軸受剛性が機械的性能に大きく影響する。軸受剛性は、少なくとも、シャフト(主軸)の軸方向の空気圧、および、シャフトの半径方向の空気圧の大きさ、絞り径および軸受隙間に影響される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】実開平5−10824号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記特許文献1では、シャフトの軸方向(アキシャル方向)から空気を供給するための通路と、シャフトの半径方向(ラジアル方向)から空気を供給するための通路とが同数であるため、アキシャル方向の空気圧をラジアル方向の空気圧よりも大きくして、大きな軸受剛性が得られる空気圧にすることは困難であるという問題点がある。また、空気軸受が、シャフトの軸方向から空気を供給する通路と、シャフトの半径方向から空気を供給する通路とを別々に有しているため、装置構成(通路構造)が複雑化しているという問題点がある。
【0007】
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、この発明の1つの目的は、容易に大きな軸受剛性が得られるとともに、装置構成(通路構造)を簡素化すること可能な空気静圧軸受装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この発明の一の局面による空気静圧軸受装置は、主軸を含む回転体と、主軸を囲むように、主軸の半径方向外側に配置される軸受本体部とを備え、軸受本体部は、主軸の軸方向から、軸受本体部と回転体との間に空気を供給するためのアキシャル絞り孔と、主軸の半径方向から、軸受本体部と回転体との間に空気を供給するためのラジアル絞り孔とを有する複数の第1空気通路と、ラジアル絞り孔を有さずに、アキシャル絞り孔を有する複数の第2空気通路とを含み、アキシャル絞り孔は、主軸の周方向において、第1間隔で設けられており、ラジアル絞り孔は、主軸の周方向において、第1間隔とは異なる第2間隔で設けられている
【0009】
この発明の一の局面による空気静圧軸受装置では、上記のように、軸受本体部に、主軸の軸方向から、軸受本体部と回転体との間に空気を供給するためのアキシャル絞り孔と、主軸の半径方向から、軸受本体部と回転体との間に空気を供給するためのラジアル絞り孔とを有する複数の第1空気通路と、ラジアル絞り孔を有さずに、アキシャル絞り孔を有する複数の第2空気通路とを設ける。これにより、第1空気通路に、アキシャル絞り孔とラジアル絞り孔とを一体的に設けることができるので、少なくとも一部の空気通路を共通化することができる。このため、装置構成(通路構造)を簡素化することができる。また、軸受本体部に、ラジアル絞り孔よりもアキシャル絞り孔が多く設けられるので、容易に大きな軸受剛性が得られる。したがって、空気静圧軸受装置は、容易に大きな軸受剛性が得られるとともに、装置構成(通路構造)を簡素化することができる。
【0010】
上記一の局面による表示装置において、好ましくは、アキシャル絞り孔は、主軸の全周に第1間隔で均等に設けられており、ラジアル絞り孔は、主軸の全周に第1間隔よりも大きい第2間隔で均等に設けられている。このように構成すれば、アキシャル絞り孔およびラジアル絞り孔が主軸の周方向にバランスよく配置されるので、主軸と軸受本体部との間に空気をバランスよく供給することができる。その結果、主軸の回転をより安定させることができる。
【0011】
上記一の局面による表示装置において、好ましくは、第1空気通路および第2空気通路は、主軸の周方向に1つずつ交互に配置されている。このように構成すれば、アキシャル絞り孔およびラジアル絞り孔を主軸の周方向に、よりバランスよく配置することができるので、主軸の回転を一層安定させることができる。
【0012】
この場合、好ましくは、互いに隣接する第1空気通路および第2空気通路は、全体として等間隔で配置されている。このように構成すれば、主軸の周方向における空気の流れを、主軸の中心軸線に対して回転対称にすることができるので、主軸の回転をより一層安定させることができる。
【0013】
上記一の局面による表示装置において、好ましくは、第1空気通路は、主軸の軸方向の一方側に空気を供給するためのアキシャル絞り孔およびラジアル絞り孔を有する一方側第1空気通路と、主軸の軸方向の他方側に空気を供給するためのアキシャル絞り孔およびラジアル絞り孔を有する他方側第1空気通路とを有し、一方側第1空気通路および他方側第1空気通路に別個に空気を供給可能な空気供給部をさらに備える。このように構成すれば、一方側第1空気通路と、他方側第1空気通路とにより軸方向の両側にバランスよく空気を供給することができる。その結果、主軸の回転をより安定させることができる。
【0014】
この場合、好ましくは、回転体は、主軸の軸方向の一方端部に設けられ、一方側第1空気通路から、軸受本体部との間に空気が供給される第1回転面と、主軸の軸方向の他方端部に設けられ、他方側第1空気通路から、軸受本体部との間に空気が供給される第2回転面とを含み、空気供給部による一方側第1空気通路への空気の供給が停止されるとともに、空気供給部による他方側第1空気通路への空気の供給が継続されることにより、第1回転面が、軸受本体部に密着して、クランプされるように構成されている。このように構成すれば、空気供給部が、一方側第1空気通路への空気の供給を停止して、第1回転面を軸受本体部にクランプさせた状態で、他方側第1空気通路への空気の供給を行うことができる。これにより、クランプ状態でも、軸受本体部と主軸との間でラジアル方向およびアキシャル方向他方側への空気を供給し続けることができる。その結果、第1回転面を強力にクランプしつつ、軸受本体部と主軸とのかじり(摩擦)を抑制することができる。
【0015】
上記第1回転面が軸受本体部に密着してクランプされる構成において、好ましくは、主軸は、円筒形状を有し、回転体は、第1回転面側において軸受本体部の軸受面側から主軸の円筒内面側に空気を通すための第1通気空間(軸受空間、つまり、主軸の内側と外側との間において空気の通過を可能にする空間)を含む。このように構成すれば、第1通気空間により、他方側第1空気通路側からクランプされている第1回転面側(空気が供給されない状態の一方側第1空気通路側)に空気を流れやすくすることができるので、軸受本体部と主軸とのかじり(摩擦)をより抑制することができる。
【0016】
上記主軸が第1通気空間を含む構成において、好ましくは、軸受本体部が固定的に取り付けられ、回転体が回転可能に取り付けられる筺体部をさらに備え、筺体部は、第2回転面よりも軸方向の他方側の位置に、第1通気空間からの空気を排気する排気孔を含む。ここで、たとえば、一方側第1空気通路と他方側第1空気通路との間に排気孔を設けて、一方側第1空気通路への空気供給を停止(クランプ)させた場合には、他方側第1空気通路からの空気は、第1通気空間をほとんど通ることなく、外に排出されてしまう。このため、主軸と軸受本体部との間の広い範囲に他方側第1空気通路からの空気が供給されず、かじりが生じやすくなってしまう。そこで、上記のように構成することにより、他方側第1空気通路からの空気を第1通気空間に導くことができるとともに、排気孔を介して第1通気空間からの空気を排気することができるので、他方側第1空気通路側からの空気を、クランプされている第1回転面側(空気が供給されない状態の一方側第1空気通路側)に、より流れやすくすることができる。その結果、軸受本体部と主軸とのかじり(摩擦)を一層抑制することができる。
【0017】
上記主軸が第1通気空間を含む構成において、好ましくは、第1通気空間は、主軸の第1回転面側の一方端部近傍に形成されている。このように構成すれば、他方側第1空気通路側からのラジアル方向の圧力を発生させる空気を主軸の第1回転面側の一方端部近傍まで導くことができるので、クランプの際にラジアル方向の位置ずれが発生するのを抑制し、軸受本体部と主軸とのかじり(摩擦)をより一層抑制することができる。
【0018】
上記回転体が第1通気空間を含む構成において、好ましくは、回転体は、軸受本体部の第2回転面側から主軸の円筒内面側に空気を通すための第2通気空間を含み、第2通気空間は、主軸の第1通気空間とは反対側の他方端部近傍に形成されている。このように構成すれば、第1通気空間および第2通気空間の2つにより主軸の軸方向の両端部近傍から、それぞれ、主軸の内側に空気を通気することができるので、主軸の円筒外側面の全体に効果的に空気を広げることができる。その結果、クランプの際にラジアル方向の位置ずれが発生するのをより抑制し、軸受本体部と主軸とのかじり(摩擦)をさらに抑制することができる。
【0019】
上記第1回転面が軸受本体部に密着してクランプされる構成において、好ましくは、回転体は、第1回転面を有する平板形状の第1回転テーブルと、第2回転面を有する平板形状の第2回転テーブルとを含む。このように構成すれば、第1回転テーブル、第2回転テーブルおよび主軸により、回転体が軸受本体部から軸方向の空気および半径方向の空気を効果的に受けることができる。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、上記のように、容易に大きな軸受剛性が得られるとともに、装置構成(通路構造)を簡素化すること可能な空気静圧軸受装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】本発明の第1実施形態による空気静圧軸受装置の全体構成を示した断面図である。
図2】本発明の第1実施形態による空気静圧軸受装置の軸受ブッシュを示した断面図である。
図3】本発明の第1実施形態による空気静圧軸受装置の軸受ブッシュをA1方向側から見た図である。
図4】本発明の第1実施形態による空気静圧軸受装置の軸受ブッシュをA2方向側から見た図である。
図5】本発明の第2実施形態による空気静圧軸受装置の全体構成を示した断面図である。
図6】本発明の第2実施形態による空気静圧軸受装置の空気の流れについて説明するための図である。
図7】本発明の第2実施形態による空気静圧軸受装置のクランプ状態の空気の流れについて説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0023】
(第1実施形態)
図1図4を参照して、本発明の第1実施形態による空気静圧軸受装置100の構成について説明する。
【0024】
(空気静圧軸受装置の構成)
本発明の第1実施形態による空気静圧軸受装置100は、図1に示すように、筺体部1と、軸受ブッシュ2と、空気供給部3aおよび3b、回転体4と、モータ5と、エンコーダ6とを備えている。回転体4は、主軸40と、第1回転テーブル41と、第2回転テーブル42とを含んでいる。なお、以下の説明において、主軸40の軸方向(アキシャル方向)をA方向(上下方向、A1方向が上方向、A2方向が下方向)とし、主軸40の半径方向(ラジアル方向)をB方向とし、主軸40の周方向をC方向として説明する。なお、軸受ブッシュ2は、特許請求の範囲の「軸受本体部」の一例である。
【0025】
空気静圧軸受装置100は、たとえば、回転体4を高速回転させることが可能であり、旋盤やフライス盤の軸受部に利用される。また、空気静圧軸受装置100は、所定角度ずつ回転体4を回転させることが可能であり、回転体4上に設置された工作物の加工を行う際の工作物を設置する回転台として利用される。
【0026】
(筺体部の構成)
筺体部1は、設置用筺体部(ベース部)10と、空気供給用筺体部11とを含んでいる。また、筺体部1は、概して、主軸40の中心軸線αに対して回転させることにより得られる回転体形状を有している。
【0027】
設置用筺体部10は、空気静圧軸受装置100の各構成を支持する部分であり、設置面に対してボルトなどにより設置される部分(部材)である。また、設置用筺体部10は、内側(B2方向側)の円筒形状の部分110と、円筒形状の部分110の一端(A2方向側端部)から外側(B1方向側)に延びる平坦な部分(設置される部分)111とから構成されている。また、設置用筺体部10には、空気供給用筺体部11と、モータ5と、エンコーダ6とが取り付けられている。
【0028】
空気供給用筺体部11は、円筒形状を有している。また、空気供給用筺体部11は、金属により形成されている。また、空気供給用筺体部11は、ボルトなどにより、設置用筺体部10に対して固定される。また、空気供給用筺体部11は、B方向において、空気静圧軸受装置100の中で外周側面を構成している。
【0029】
空気供給用筺体部11は、外表面から内表面に貫通し、軸受ブッシュ2に空気を供給するための経路である空気通路11a、11bを有している。空気通路11a、11bは、共に、B方向に延びている。また、空気通路11a、11bは、互いにA方向に所定間隔を隔てて2列で設けられている。空気通路11aは、空気通路11bのA1方向側に配置されている。また、空気通路11a、11bは、それぞれ、C方向に等間隔で24個(15度ピッチで全周に)ずつ設けられている。
【0030】
(軸受ブッシュ)
軸受ブッシュ2は、円筒形状を有している。また、軸受ブッシュ2は、金属により形成されている。また、軸受ブッシュ2は、焼嵌めおよび冷し嵌めにより(空気供給用筺体部11を加熱し、軸受ブッシュ2を冷却した状態で)、空気供給用筺体部11の内側に嵌め込まれている。つまり、軸受ブッシュ2は、空気供給用筺体部11に対して固定的に取り付けられている。また、軸受ブッシュ2は、主軸40を囲むように主軸40のB1方向側(半径方向の外側)に配置されている。
【0031】
軸受ブッシュ2は、アキシャル絞り孔と、ラジアル絞り孔とを有する複数の第1空気通路と、ラジアル絞り孔を有さずに、アキシャル絞り孔とを有する複数の第2空気通路23を含んでいる。第1空気通路は、一方側第1空気通路20と、他方側第1空気通路21とを含んでいる。また、図2に示すように、軸受ブッシュ2は、A1方向側に位置する空気供給面120と、A2方向側に位置する空気供給面121と、B2方向側に位置する空気供給面122とを有している。空気供給面120には、後述するアキシャル絞り孔20aおよび22aのA1方向側端部が接続されている。また、空気供給面121には、後述するアキシャル絞り孔21aおよび23aのA2方向側端部が接続されている。また、空気供給面122には、後述するラジアル絞り孔20bおよび21bの内側(B2方向側)端部が接続されている。
【0032】
図1に示すように、一方側第1空気通路20および第2空気通路22は、軸受ブッシュ2のA1方向側に設けられている。他方側第1空気通路21および第2空気通路23は、軸受ブッシュ2のA2方向側に設けられている。
【0033】
図3に示すように、一方側第1空気通路20と他方側第1空気通路21とは、A方向から見て、互いに重なる位置に配置されている。つまり、一方側第1空気通路20と他方側第1空気通路21とは、周方向(C方向)の位置が一致している。また、第2空気通路22および23は、A方向から見て、互いに重なる位置に配置されている。つまり、第2空気通路22および23は、周方向(C方向)の位置が一致している。
【0034】
一方側第1空気通路20および第2空気通路22は、主軸40の周方向(C方向)に1つずつ交互に配置されている。互いに隣接する一方側第1空気通路20および第2空気通路22は、等間隔(15度ピッチ間隔)で配置されている。
【0035】
他方側第1空気通路21および第2空気通路23は、図4に示すように、主軸40の周方向(C方向)に1つずつ交互に配置されている。また、互いに隣接する他方側第1空気通路21および第2空気通路23は、等間隔(15度ピッチ間隔)で配置されている。
【0036】
一方側第1空気通路20は、図1に示すように、主軸40の軸方向から、軸受ブッシュ2と回転体4(第1回転テーブル41)との間で、かつ、主軸40の軸方向の一方側(A1方向側)に、空気を供給するためのアキシャル絞り孔20aおよびラジアル絞り孔20bを有している。アキシャル絞り孔20aは、A1方向に向けて空気を供給(吐出)可能なように、A方向に延びている。ラジアル絞り孔20bは、B2方向に向けて空気を供給(吐出)可能なように、B方向に延びている。アキシャル絞り孔20aは、図2に示すように、空気供給面120から空気を供給(吐出)するように構成されている。ラジアル絞り孔20bは、空気供給面122から空気を供給(吐出)するように構成されている。
【0037】
アキシャル絞り孔20aおよびラジアル絞り孔20bは、共に、自成絞り孔である。自成絞り孔とは、空気軸受部材に直接形成された小径の絞り孔を意味する。なお、アキシャル絞り孔20aおよびラジアル絞り孔20bは、自成絞り孔以外のオリフィス絞り孔などの他の絞り孔であってもよい。オリフィス絞り孔は、空気軸受部材に形成された絞り孔にオリフィスを装着することにより、形成される小径の絞り孔を意味する。
【0038】
アキシャル絞り孔20aは、図1に示すように、軸受ブッシュ2のA1方向側の面と、第1回転テーブル41(後述する空気被供給面41a)との間に空気を供給するための孔である。また、ラジアル絞り孔20bは、軸受ブッシュ2の内側面(B2方向側の面)と、主軸40との間に空気を供給するための孔である。なお、空気被供給面41aは、特許請求の範囲の「第1回転面」の一例である。
【0039】
他方側第1空気通路21は、主軸40の軸方向から、軸受ブッシュ2と回転体4(第2回転テーブル42)との間で、かつ、主軸40の軸方向の他方側(A2方向側)に、空気を供給するためのアキシャル絞り孔21aおよびラジアル絞り孔21bを有している。アキシャル絞り孔21aは、A2方向に向けて空気を供給(吐出)可能なように、A方向に延びている。ラジアル絞り孔21bは、B2方向に向けて空気を供給(吐出)可能なように、B方向に延びている。アキシャル絞り孔21aは、図2に示すように、空気供給面121から空気を供給(吐出)するように構成されている。ラジアル絞り孔21bは、空気供給面122から空気を供給(吐出)するように構成されている。アキシャル絞り孔21aおよびラジアル絞り孔21bは、共に、自成絞り孔である。
【0040】
アキシャル絞り孔21aは、図1に示すように、軸受ブッシュ2のA2方向側の面と、第2回転テーブル42(後述する空気被供給面42a)との間に空気を供給するための孔である。また、ラジアル絞り孔20bは、軸受ブッシュ2の内側面(B2方向側の面)と、主軸40との間に空気を供給するための孔である。なお、空気被供給面42aは、特許請求の範囲の「第2回転面」の一例である。
【0041】
第2空気通路22は、ラジアル絞り孔を有さずに、軸受ブッシュ2と第1回転テーブル41との間に空気を供給するアキシャル絞り孔22aを有している。アキシャル絞り孔22aは、空気供給面120から空気を供給(吐出)するように構成されている。アキシャル絞り孔22aは、図1に示すように、A1方向に向けて空気を供給(吐出)可能なように、A方向に延びている。アキシャル絞り孔22aは、自成絞り孔である。
【0042】
また、第2空気通路23は、ラジアル絞り孔を有さずに、軸受ブッシュ2と第2回転テーブル42との間に空気を供給するアキシャル絞り孔23aを有している。アキシャル絞り孔23aは、A2方向に向けて空気を供給(吐出)可能なように、A方向に延びている。アキシャル絞り孔23aは、空気供給面121から空気を供給(吐出)するように構成されている。アキシャル絞り孔23aは、自成絞り孔である。
【0043】
A1方向側のアキシャル絞り孔20aおよび22aは、図3に示すように、主軸40のA1方向側の全周に、それぞれ、15度ピッチ間隔で均等に設けられている。詳細には、A1方向側のアキシャル絞り孔20aおよび22aは、主軸40の全周に、15度ピッチ間隔で1つずつ交互に設けられている。
【0044】
A2方向側のアキシャル絞り孔21aおよび23aは、図4に示すように、主軸40のA2方向側の全周に、それぞれ、15度ピッチ間隔で均等に設けられている。詳細には、A2方向側のアキシャル絞り孔21aおよび23aは、主軸40の全周に、15度ピッチ間隔で1つずつ交互に設けられている。
【0045】
A1方向側のラジアル絞り孔20bは、図3に示すように、A1方向側のアキシャル絞り孔20aおよび22aの設けられる間隔(15度ピッチ間隔)よりも大きい30度ピッチ間隔で、主軸40の全周に均等に設けられている。
【0046】
A2方向側のラジアル絞り孔21bは、図4に示すように、A2方向側のアキシャル絞り孔21aおよび23aの設けられる間隔(15度ピッチ間隔)よりも大きい30度ピッチ間隔で、主軸40の全周に均等に設けられている。
【0047】
(空気供給部)
空気供給部3aは、図1に示すように、軸受ブッシュ2のB方向の外側から、空気供給用筺体部11のA1方向側の空気通路11aを介して一方側第1空気通路20および第2空気通路22に空気を供給可能に構成されている。
【0048】
空気供給部3bは、空気供給部3aのA2方向側に配置されている。また、空気供給部3bは、軸受ブッシュ2のB方向の外側から、空気供給用筺体部11のA2方向側の空気通路11bを介して他方側第1空気通路21および第2空気通路23に空気を供給可能に構成されている。
【0049】
また、空気供給部3aおよび空気供給部3bは、別個に、軸受ブッシュ2に空気を供給し、および、空気の供給を停止することが可能に構成されている。
【0050】
軸受ブッシュ2の第1回転テーブル41側(A1方向側)の面は、ラップ仕上げされている。
【0051】
(回転体)
回転体4は、図1に示すように、軸受ブッシュ2の一方側第1空気通路20、他方側第1空気通路21および第2空気通路22、23を通して供給される空気(空気圧)によって、自重が保持されて、空気静圧軸受装置100の他の構成から離間した位置(浮いた状態)で保持されるように構成されている。
【0052】
主軸40は、円筒形状を有している。主軸40の内側には、筺体部1の設置用筺体部(ベース部)10の円筒形状の部分111が配置されている。なお、主軸40は、筺体部1とは、接触することがないように所定間隔離間して配置されている。
【0053】
第1回転テーブル41は、主軸40のA1方向側に設けられている。また、第1回転テーブル41は、円形の平板形状を有している。また、第1回転テーブル41は、主軸側(A2方向側)の空気被供給面41aと、主軸側とは逆側(A1方向側)の設置面41bとを有している。空気被供給面41aは、一方側第1空気通路20および第2空気通路22から、軸受ブッシュ2との間に空気が供給される面である。空気被供給面41aは、軸受ブッシュ2のラップ仕上げされている空気供給面120に対向して配置されている。設置面41bは、たとえば、工作物などが設置される面である。
【0054】
第2回転テーブル42は、主軸40の他方端部(A2方向側の端部)に設けられている。また、第2回転テーブル42は、第1回転テーブル41よりも外径が小さい円環状を有している。また、第2回転テーブル42は、空気被供給面42aを有している。空気被供給面42aは、主軸40の他方端部(A2方向側の端部)に設けられ、他方側第1空気通路21および第2空気通路23から、軸受ブッシュ2との間に空気が供給される面である。また、空気被供給面42aは、軸受ブッシュ2の空気供給面121に対向して配置されている。
【0055】
空気被供給面41aは、ラップ仕上げされている。空気供給部3aによる一方側第1空気通路20および第2空気通路22への空気の供給が停止されるとともに、空気供給部3bによる他方側第1空気通路21および第2空気通路23への空気の供給が継続されることにより、空気被供給面41a(第1回転テーブル41)が、軸受ブッシュ2(のA1方向側の面)に密着して、クランプされる(第1回転テーブル41が軸受ブッシュ2に対して密着して固定される)ように構成されている。
【0056】
(モータおよびエンコーダ)
モータ5は、図1に示すように、筺体部1の設置用筺体部10および主軸40の内側に配置されている。すなわち、モータ5は、主軸系の内側に組み込まれるいわゆるビルトインモータである。また、モータ5は、ステータ50と、ロータ51とを含んでいる。ステータ50は、筺体部1の設置用筺体部10の内面に取り付けられている。また、ロータ51は、第1回転テーブル41に接続されており、回転により第1回転テーブル41に中心軸線α回りのトルクを付与するように構成されている。
【0057】
エンコーダ6は、ロータ51の回転角度を取得可能に構成されている。空気静圧軸受装置100には、モータ5の駆動を制御する駆動制御部(図示せず)が設けられており、駆動制御部は、エンコーダ6の取得値に基づいて、モータ5の駆動(回転体4の回転)を制御するように構成されている。
【0058】
(第1実施形態の効果)
第1実施形態では、以下のような効果を得ることができる。
【0059】
第1実施形態では、上記のように、軸受ブッシュ2に、主軸40の軸方向から、軸受ブッシュ2と回転体4との間に空気を供給するためのアキシャル絞り孔20a、21aと、主軸40の半径方向から、軸受ブッシュ2と回転体4との間に空気を供給するためのラジアル絞り孔20b、21bとを有する複数の第1空気通路(20、21)と、ラジアル絞り孔を有さずに、アキシャル絞り孔22a、23aを有する複数の第2空気通路22、23とを設ける。これにより、第1空気通路(20、21)に、アキシャル絞り孔20a、21aとラジアル絞り孔20b、21bとを一体的に設けることができるので、少なくとも一部の空気通路を共通化することができる。このため、装置構成(通路構造)を簡素化することができる。また、軸受ブッシュ2に、ラジアル絞り孔20b、21bよりもアキシャル絞り孔20a、21a、22a、23aが多く設けられるので、容易に大きな軸受剛性が得られる。したがって、空気静圧軸受装置100は、容易に大きな軸受剛性が得られるとともに、装置構成(通路構造)を簡素化することができる。
【0060】
また、第1実施形態では、上記のように、アキシャル絞り孔20a、21a、22a、23aを、主軸40の全周に第1間隔で均等に設け、ラジアル絞り孔20b、21bを、主軸40の全周に第1間隔(15度ピッチ間隔)よりも大きい第2間隔(30度ピッチ間隔)で均等に設ける。これにより、アキシャル絞り孔20a、21a、22a、23aおよびラジアル絞り孔20b、21bが主軸40の周方向にバランスよく配置されるので、主軸40と軸受ブッシュ2との間に空気をバランスよく供給することができる。その結果、主軸40の回転をより安定させることができる。
【0061】
また、第1実施形態では、上記のように、第1空気通路(20、21)および第2空気通路22、23を、主軸40の周方向に1つずつ交互に配置する。これにより、アキシャル絞り孔20a、21a、22a、23aおよびラジアル絞り孔20b、21bを主軸40の周方向によりバランスよく配置することができるので、主軸40の回転を一層安定させることができる。
【0062】
また、第1実施形態では、上記のように、互いに隣接する第1空気通路(20、21)および第2空気通路22、23を、全体として等間隔で配置する。これにより、主軸40の周方向における空気の流れを、主軸40の中心軸線αに対して回転対称にすることができるので、主軸40の回転をより一層安定させることができる。
【0063】
また、第1実施形態では、上記のように、第1空気通路(20、21)に、主軸40の軸方向の一方側に空気を供給するためのアキシャル絞り孔20aおよびラジアル絞り孔20bを有する一方側第1空気通路20と、主軸40の軸方向の他方側に空気を供給するためのアキシャル絞り孔21aおよびラジアル絞り孔21bを有する他方側第1空気通路21とを設け、一方側第1空気通路20および他方側第1空気通路21に別個に空気を供給可能な空気供給部3a、3bを設ける。これにより、一方側第1空気通路20と、他方側第1空気通路21とにより軸方向の両側にバランスよく空気を供給することができる。その結果、主軸40の回転をより安定させることができる。
【0064】
また、第1実施形態では、上記のように、回転体4に、主軸40の軸方向の一方端部に設けられ、一方側第1空気通路20から、軸受ブッシュ2との間に空気が供給される空気被供給面41aと、主軸40の軸方向の他方端部に設けられ、他方側第1空気通路21から、軸受ブッシュ2との間に空気が供給される空気被供給面42aとを設け、空気供給部3aによる一方側第1空気通路20への空気の供給が停止されるとともに、空気供給部3bによる他方側第1空気通路21への空気の供給が継続されることにより、空気被供給面41aを、軸受ブッシュ2に密着して、クランプされるように構成する。これにより、空気供給部3aが、一方側第1空気通路20への空気の供給を停止して、空気被供給面41aを軸受ブッシュ2にクランプさせた状態で、空気供給部3bが、他方側第1空気通路21への空気の供給を行うことができる。これにより、クランプ状態でも、軸受ブッシュ2と主軸40との間でラジアル方向およびアキシャル方向他方側への空気を供給し続けることができる。その結果、空気被供給面41aを強力にクランプしつつ、軸受ブッシュ2と主軸40とのかじり(摩擦)を抑制することができる。
【0065】
また、第1実施形態では、上記のように、回転体4に、空気被供給面41aを有する平板形状の第1回転テーブル41と、空気被供給面42aを有する平板形状の第2回転テーブル42とを設ける。これにより、第1回転テーブル41、第2回転テーブル42および主軸40により、回転体4が軸受ブッシュ2から軸方向の空気および半径方向の空気を効果的に受けることができる。
【0066】
(第2実施形態)
次に、図5図7を参照して、第2実施形態の空気静圧軸受装置200について説明する。この第2実施形態では、上記第1実施形態の構成に加えて、回転体4に第1通気空間(軸受空間)43aおよび第2通気空間(軸受空間)43bを設け、筺体部1に排気孔10aを設けた例について説明する。
【0067】
図5に示すように、第2実施形態による空気静圧軸受装置200では、回転体4は、第1通気空間43aおよび第2通気空間43bを含んでいる。また、筺体部1の設置用筺体部10は、排気孔10aを含んでいる。
【0068】
第1通気空間43aは、主軸40の一方(A1方向)側端部近傍に形成されている。第1通気空間43aは、主軸40のA1方向側端部近傍において、回転体4の半径方向外側(B1方向側)と、半径方向内側(B2方向側)とを貫通している。第1通気空間43aは、空気被供給面41a側において軸受ブッシュ2の軸受面側(A1方向側の面)から主軸40の円筒内面40a側に空気を通す機能を有している。第1通気空間43aは、空気被供給面41aに沿って延びている。
【0069】
第2通気空間43bは、主軸40の第1通気空間43aとは反対側(A2方向)の端部近傍に形成されている。第2通気空間43bは、主軸40のA2方向側端部近傍において、回転体4の半径方向外側(B1方向側)と、半径方向内側(B2方向側)とを貫通している。第2通気空間43bは、空気被供給面41aとは反対の空気被供給面42a側において、軸受ブッシュ2の軸受面側(A2方向側の面)から主軸40の円筒内面40a側に空気を通す機能を有している。第2通気空間43baは、空気被供給面42aに沿って延びている。
【0070】
図6に示すように、主軸40の円筒内面40aと、円筒内面40aの内側に位置する筺体部1との間には、主軸40と筺体部1とがB方向に接触することがないように、隙間T1が設けられている。また、第2回転テーブル42のA2方向側の面と、筺体部1との間には、第2回転テーブル42と筺体部1とがA方向に接触することがないように、隙間T2が設けられている。隙間T1のA2方向側端部と、隙間T2のB2方向側の端部とは、空気が通過可能なように繋がっている。
【0071】
排気孔10aは、隙間T2から空気を受け取ることが可能なように、隙間T2に一端が繋がっている。 排気孔10aは、空気被供給面42aよりも軸方向(A方向)の他方側(A2方向側)の位置に設けられている。具体的には、排気孔10aは、第2回転テーブル42のA2方向側から筺体部1(設置用筺体部10)の外周面側に排気可能なように繋がっている。
【0072】
(クランプ状態での空気の排出)
次に、図7を参照して、クランプ状態での空気の排出について説明する。クランプ状態とは、空気供給部3aからの空気の供給を停止するとともに、空気供給部3bのみから空気供給を行い、第1回転テーブル41が軸受ブッシュ2に密着して固定している状態をいう。この状態では、第1回転テーブル41と軸受ブッシュ2との間を空気が通過することはほとんどない。
【0073】
ラジアル絞り孔21bから出た空気は、主に、第1通気空間43a、隙間T1およびT2を通り、排気孔10aから排出される。
【0074】
第2回転テーブル42のB1方向側の面と、筺体部1との間には、第2回転テーブル42と筺体部1とがB方向に接触することがないように、隙間T3が設けられている。隙間T2のB1方向側端部と、隙間T3のA2方向側の端部とは、空気が通過可能なように繋がっている。アキシャル絞り孔21aから出た空気は、主に、第2通気空間43b、隙間T3およびT2を通り、排気孔10aから排出される。
【0075】
第2実施形態のその他の構成は、上記第1実施形態と同様である。
【0076】
(第2実施形態の効果)
第2実施形態では、以下のような効果を得ることができる。
【0077】
第2実施形態では、上記のように、主軸40を、円筒形状に形成し、回転体4に、空気被供給面41a側において軸受ブッシュ2の軸受面側から主軸40の円筒内面側に空気を通すための第1通気空間43aを設ける。これにより、第1通気空間43aにより、他方側第1空気通路21側からクランプされている空気被供給面41a側(空気が供給されない状態の一方側第1空気通路20側)に空気を流れやすくすることができるので、軸受ブッシュ2と主軸40とのかじり(摩擦)をより抑制することができる。
【0078】
また、第2実施形態では、上記のように、軸受ブッシュ2が固定的に取り付けられ、回転体4が回転可能に取り付けられる筺体部1を設け、筺体部1に、空気被供給面42aよりも軸方向の他方側の位置に、第1通気空間43aからの空気を排気する排気孔10aを設ける。ここで、たとえば、一方側第1空気通路20と他方側第1空気通路21との間に排気孔を設けて、一方側第1空気通路20への空気供給を停止(クランプ)させた場合には、他方側第1空気通路21からの空気は、第1通気空間43aをほとんど通ることなく、排気孔から外に排出されてしまう。このため、主軸40と軸受ブッシュ2との間の広い範囲に他方側第1空気通路21からの空気が供給されず、かじりが生じやすくなってしまう。そこで、上記のように構成することにより、他方側第1空気通路21からの空気を第1通気空間43aに効果的に導くことができるとともに、排気孔10aを介して第1通気空間43aからの空気を排気することができるので、他方側第1空気通路21側からの空気を、クランプされている空気被供給面41a側(空気が供給されない状態の一方側第1空気通路20側)に、より流れやすくすることができる。その結果、軸受ブッシュ2と主軸40とのかじり(摩擦)を一層抑制することができる。
【0079】
また、第2実施形態では、上記のように、第1通気空間43aを、主軸40の空気被供給面41a側の一方端部近傍に形成する。これにより、他方側第1空気通路21側からのラジアル方向の圧力を発生させる空気を主軸40の空気被供給面41a側の一方端部近傍まで導くことができるので、クランプの際にラジアル方向の位置ずれが発生するのを抑制し、軸受ブッシュ2と主軸40とのかじり(摩擦)をより一層抑制することができる。
【0080】
また、第2実施形態では、上記のように、回転体4に、軸受ブッシュ2の空気被供給面42a側から主軸40の円筒内面側に空気を通すための第2通気空間43bを設け、第2通気空間43bを、主軸40の第1通気空間43aとは反対側(A2方向側)の他方端部近傍に形成する。これにより、第1通気空間43aおよび第2通気空間43bの2つにより主軸40の軸方向(A方向)の両端部近傍から、それぞれ、主軸40の内側に空気を通気することができるので、主軸40の円筒外側面の全体に効果的に空気を広げることができる。その結果、クランプの際にラジアル方向の位置ずれが発生するのをより抑制し、軸受ブッシュ2と主軸40とのかじり(摩擦)をさらに抑制することができる。
【0081】
(変形例)
なお、今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更(変形例)が含まれる。
【0082】
たとえば、上記第1および第2実施形態では、主軸が上下方向に延びるように、空気静圧軸受装置を配置した例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、主軸が水平方向または斜め方向に延びるように、空気静圧軸受装置を配置してもよい。
【0083】
また、上記第1および第2実施形態では、半径方向に一方側第1空気通路(他方側第1空気通路)と、第2空気通路とを1つずつ交互に配置してもよい例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、たとえば、半径方向に、一方側第1空気通路、一方側第1空気通路、第2空気通路の順に(繰り返しにより)交互に配置してもよい。
【0084】
また、上記第1および第2実施形態では、30度ピッチ間隔でラジアル絞り孔を配置した例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、たとえば、45度ピッチ間隔でラジアル絞り孔を配置してもよい。
【0085】
また、上記第1および第2実施形態では、15度ピッチ間隔でアキシャル絞り孔を配置した例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、たとえば、10度ピッチ間隔でラジアル絞り孔を配置してもよい。
【符号の説明】
【0086】
1 筺体部
2 軸受ブッシュ(軸受本体部)
3a、3b 空気供給部
4 回転体
10a 排気孔
20a、21a、22a、23a アキシャル絞り孔
20b、21b ラジアル絞り孔
20 一方側第1空気通路
21 他方側第1空気通路
22、23 第2空気通路
40 主軸
40a 円筒内面
41 第1回転テーブル
41a 空気被供給面(第1回転面)
42 第2回転テーブル
42a 空気被供給面(第2回転面)
43a 第1通気空間
43b 第2通気空間
100、200 空気静圧軸受装置
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7