(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6804295
(24)【登録日】2020年12月4日
(45)【発行日】2020年12月23日
(54)【発明の名称】ココナッツ果肉を原料とする組成物及びフィルムの調製における改善された方法
(51)【国際特許分類】
A23L 5/00 20160101AFI20201214BHJP
A23L 19/00 20160101ALI20201214BHJP
【FI】
A23L5/00 B
A23L19/00
【請求項の数】13
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2016-523691(P2016-523691)
(86)(22)【出願日】2014年6月30日
(65)【公表番号】特表2016-523545(P2016-523545A)
(43)【公表日】2016年8月12日
(86)【国際出願番号】PH2014000014
(87)【国際公開番号】WO2015002553
(87)【国際公開日】20150108
【審査請求日】2017年6月9日
【審判番号】不服2019-10837(P2019-10837/J1)
【審判請求日】2019年8月15日
(31)【優先権主張番号】1-2013-00204
(32)【優先日】2013年7月1日
(33)【優先権主張国】PH
(31)【優先権主張番号】1-2014-00076
(32)【優先日】2014年2月27日
(33)【優先権主張国】PH
(73)【特許権者】
【識別番号】516003285
【氏名又は名称】プリシラ・エフ・キメス
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】プリシラ・エフ・キメス
【合議体】
【審判長】
佐々木 秀次
【審判官】
齊藤 真由美
【審判官】
櫛引 智子
(56)【参考文献】
【文献】
特開昭49−6151(JP,A)
【文献】
特開平9−216836(JP,A)
【文献】
特表2008−512119(JP,A)
【文献】
特開2010−284148(JP,A)
【文献】
”Paleo Wraps”,[online],May 2014,Record ID:2426293,retrived from Mintel−GNPD,インターネットURL:http://www.gndp.com
【文献】
COCONUT MAMA:”Raw Coconut Wraps Recipe”,[online],2011年3月,インターネットURL:https://thecoconutmama.com/coconut−wraps−recipe/
【文献】
STELLA PARKS,”Strawberry Fruit Roll−Ups Recipe”,[online],2012年3月,インターネットURL:https://www.seriouseats.com/recipes/2012/03/strawberry−fruit−roll−up−recipe.html
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A23L 5/00-19/20
BIOSIS/MEDLINE/EMBASE/CAPlus/WPIDS(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも90%の、新鮮な若いココナッツ由来のココナッツ果肉、及び多くとも10%の、新鮮な若いココナッツ由来のココナッツウォーター、並びに0.05%〜0.2%のバージンココナッツオイルを含み、0.05〜0.2%のバージンココナッツオイルが、加えられる、可食組成物。
【請求項2】
前記ココナッツ果肉及び前記ココナッツウォーターが、新鮮な若いココナッツ由来であることを特徴とする、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
添加物としてマンゴーポリフェノール抽出物をさらに含むことを特徴とする、請求項1又は2に記載の組成物。
【請求項4】
果実、野菜、又は一種以上の果実及び一種以上の野菜の組み合わせをさらに含むことを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項5】
フィルムであることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項6】
単層フィルムであることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項7】
香味成分、香味増強剤、着色源及び色増強剤並びにそれらの混合物から成る果実及び/又は野菜の群から選択される少なくとも一種の他の成分をさらに含むことを特徴とする、請求項1〜6のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項8】
添加物として生の卵白若しくは粉末卵白若しくはキサンタンガム又はそれらの組み合わせをさらに含む、請求項1〜7のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項9】
可食フィルムが、1.0 mm〜3.0 mmの範囲の厚み、8%〜10%の範囲の水分含量、及び0.45〜0.55の水分活性を有し、前記水分含量は、脱水後の前記可食フィルムに含有される水の最終的な量を表す、請求項5〜8のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項10】
前記可食フィルムが、1.5 mm〜2.5 mmの範囲の厚みを有する、請求項9に記載の組成物。
【請求項11】
前記可食フィルムが、2.0 mmの厚みを有する、請求項9又は10に記載の組成物。
【請求項12】
9ヶ月間〜12ヶ月間又はそれ以上の保存期間を有することを特徴とする、請求項1〜11のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項13】
食品、食品成分若しくは食品材料を包むか、食品、食品成分若しくは食品材料の間に適用するか、又は食品、食品成分若しくは食品材料に適用することができることを特徴とする、請求項1〜12のいずれか一項に記載の組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ココナッツ果肉を主に含み、そこに他の果物及び野菜を香味料及び増強剤として加える、新鮮なココナッツ果肉を原料とする組成物及びフィルムの調製方法に関し、その改良及び変更を含む。これらのココナッツ果肉を原料とする組成物及びフィルムは、クレープ、ロール(roll)及び/又はラップ(wrap)として用いることができ、これらは通常、生の果物、野菜、サラダ、又は調理した肉及び/若しくは野菜、並びにこれらの任意の組み合わせなどの任意の食品を包むときに利用され、それらをその後巻き、折りたたんで、食事の際に又は軽食として、そのまま食べる。
【背景技術】
【0002】
フィルム状に製造された新鮮なココナッツ果肉を原料とする組成物は、材料を生地のシートに乗せて包む工程を伴う、春巻き、中国の点心の「ルンピア(lumpia)」の皮(wrapper)、又はスペイン料理の「トルティーヤ(tortilla)」に類似するが、ただしこのフィルムにしたココナッツ果肉を原料とする組成物はそのまま食べることができるので、揚げたり炒めたりすること(frying)を必要としない。任意の食品材料及び混合物をフィルムの表面領域の一部に乗せることができ、その後巻くか又は折りたたむと便利に食べられる状態になる。さらに、日本及び他のアジアの国々で特に人気のある包まれた食品のいくつかの例は、日本の手巻き寿司及びおにぎり/おむすびであり、前者は手巻きの巻物及び円錐状のものであり、後者はライスボールのようなものである。この例において、寿司及びおにぎり/おむすびを包むために用いられる主なシート状の製品は、「海苔」という藻類を原料とする食品で、アマノリ(Porphyra)属の海藻から作られ、加工され乾燥されてシート状にされている。このような海藻を原料とする食品用のラップが普及しているものの、多くの人は海藻の味又は質感を魅力的で訴求力があるとは感じておらず、特に子供はそうである。
【0003】
果物や野菜のような健康的な食品を食べることは世界的な運動となってきている。したがって、全ての年齢の人々にとって魅力的で訴求力があり、かつ同時に所望の多様性及び利便性が付与されるような方法で、これらの食品を調製するという課題が常にある。おいしくて栄養のある果物及び/又は野菜自体で主に作られた食品を包むもの(wrapper)を用いて調製した手で持つ食品、スナック食品、及びインスタント食品を含む食品は、これらの課題に対処することができる。
【0004】
食べられる果物及び野菜の食品の調製は、既に世界中で報告されている。果物及び野菜のフィルム及びその使用は、米国特許第8,048,466号において、McHughらによって報告されている。米国特許第6,623,779号において、Huxsollらにより、部分的に脱水した果実又は野菜の小片及びゲル状の基質から作られた中程度の水分を含む成型された食品製品が報告されている。米国特許第6,027,758号において、McHughらにより、二軸押出加工を用いて製造した70〜100%の果物及び野菜のバー(bar)が報告されている。
【0005】
配合中に脂質を用いても良い、果物を原料とする可食ラップ及び野菜を原料とする可食ラップが、Senesi及びMcHugh (2002), "Film e coperture eduli con matrici a base di frutta," Industrie Alimentari XLI dicembre. 1289-1294、McHugh及びSenesi (2000) "Apple Wraps: A Novel Method to Improve the Quality and Extend the Shelf Life of Fresh-Cut Apples," Journal of Food Science 65(3): 480-485、McHugh, "Fruit and Vegetable Edible Wraps," Asian Food Tech. 2(4): 18-23 (2001)、McHugh, "Edible Packaging," Resource Magazine, Nov. 7-8 (2001)、McHughら(2004), "Fruit and Vegetable Wraps: Application to Partially Dehydrated Apple Pieces," In "Quality of Fresh and Processed Foods" F. Shahidi, A. Spanier, C-T. Ho及びT. Braggins編, Kluwer Academics/Plenum Publishing, Chapter 21 , pp. 289-299; McHughら(1998) "Apple-based Edible Wraps Extend the Shelf Life of Fresh Cut Apples," Abstract #20A-33, EFT Annual Meeting Book of Abstractsにより報告されている。
【0006】
果物ピューレ可食フィルム及びコーティング並びにそれらの特性が、McHughら"Fruit Puree-Based Edible Films and Coatings." (1997), In Chemistry of Novel Foods, Spanier, A., Tamura, M.及びMills, O. (編), Allured Publishing Corporation, Carol Stream, III. pp. 167-198; McHugh et al. (1996), "Permeability Properties of Fruit Puree Edible Films," Journal of Food Science 61(1): 88-91により報告されている。果物又は野菜材料を含む人間又はペットフード用のジャーキー、革、又はロープ状の製品が報告されている。米国特許第5,853,836号; 第5,773,070号; 第5,549,921号; 第5,084,296号; 第4,631,837号; 第4,565,702号; 第4,205,093号を参照。
【0007】
ゲル状の食品組成物が、米国特許出願第2002/0168460号及び米国特許第6,663,910号に報告される。スナック食品、可食フィルムスナック、又は巻いた可食フィルムが、米国特許出願第2003/0224090号及び第2004/0043134号、並びに米国特許第6,596,298号; 第5,962,053号; 第5,264,235号に報告されている。
【0008】
果物又は野菜材料を含まない、コーティング又はゲルカプセル適用として用いられる可食フィルムが報告されている。米国特許第6,699,315号; 第6,375,981号 ; 第6,083,582号; 第5,928,692号を参照。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】米国特許第8,048,466号
【特許文献2】米国特許第5,853,836号
【特許文献3】米国特許第6,663,910号
【特許文献4】米国特許第6,596,298号
【特許文献5】米国特許第6,699,315号
【非特許文献】
【0010】
【非特許文献1】Senesi及びMcHugh (2002), "Film e coperture eduli con matrici a base di frutta," Industrie Alimentari XLI dicembre. 1289-1294
【非特許文献2】McHughら"Fruit Puree-Based Edible Films and Coatings." (1997), In Chemistry of Novel Foods, Spanier, A.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明の目的は、果物、野菜、又は果物及び野菜を原料とする組成物及びフィルムであって、これまでに報告されている全ての他の組成物又はフィルムに代わる、栄養がありおいしくて魅力的な代替品又は代用品となるような特性を有するものを提供することである。特に、本発明は、ココナッツ果肉を主に含み、そこに他の果物及び野菜を香味料及び増強剤として加える、新鮮なココナッツ果肉を原料とする組成物及びフィルム並びにそれらの製造におけるその改善された方法に関連する。さらに、本願明細書において説明する本発明は、望ましくはそのまま食べるか、オーブンで焼く、蒸す、又は焼く/揚げることができ、最大12ヶ月間又はそれより長い間、化学保存料を用いることなく新鮮なままであることができる、ココナッツ果肉を原料とする組成物及びフィルムの改善された製造方法に関連する。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の目的は、食品用の及び食品としての既知の春巻き、トルティーヤ又はルンピアの皮、果物のフィルム、野菜のフィルム、果物及び野菜のフィルム、クレープ生地、ロール又はラップの代替品であって、栄養がありおいしくて魅力的な食品代替品となる所望の特性を有するものを提供することである。
【0013】
本発明の例示的な実施態様は、好ましくは新鮮な若いココナッツ由来の、少なくとも90%のココナッツ果肉及び最大で10%のココナッツウォーターを含む組成物に関する。前記の組成物を、栄養、質感及び香味の増強剤の役割をする他の果物及び野菜と組み合わせてもよい。前記組成物により、他の食品を原料とするフィルムの代替品又は代用品となり、食品の組み合わせ及び複数の食品を包むために有用であり、果実、野菜、肉又はこれらの任意の組み合わせなどの包んだ食品、所望の多様性、栄養、訴求力、味及び利便性を提供するために用いることができる、薄さ、強度、柔軟性及びクリスピー感(crispness:サクサク、パリパリとした食感)を有するフィルムを適切に作る。
【0014】
より具体的には、本発明は、質量ベースによるパーセントで計算して最小で90%の新鮮な若いココナッツ果肉を含む、単層フィルムにした組成物に関連し、フィルムは約1.0ミリメートル〜約3.0ミリメートルの範囲の、より好ましくは約1.5 mm〜約2.5 mmの、最も好ましくは約2.0 mmの乾燥フィルム厚を有し、約8%〜約10%の範囲の水分含量を有し、約0.45〜約0.55の範囲の水分活性を有する。あるいは、バージンココナッツオイル及び/又は他の果実ポリフェノール抽出物を、質量ベースによるパーセントで計算して各々約0.05%〜約0.1%の範囲内の量で含む。またあるいは、バージンココナッツオイルを、質量ベースによるパーセントで計算して0.05%〜約0.2%の範囲内かつ最大1.0%〜5.0%で加える。これらの成分は、フィルムにしたココナッツ果肉を原料とする組成物の香味、質感、栄養素含有量を改善し、保存期間をより長くするために加える。
【0015】
あるいは、他の果実、野菜及び香辛料、並びに/又は任意のこれらの組み合わせを、種類に応じて各々約0.1 %〜約0.4%又は1.0%〜2.0%の範囲内の量で、生のココナッツ果肉を原料とする組成物及びフィルムに加え、フィルムにしたココナッツ果肉を原料とする組成物の香味、質感、栄養素含有量を改善し、及びより多くの種類/風味を与えることができる。
【0016】
ココナッツ果肉を原料とするフィルムは、シート状で、ロール状で、又は任意の使いやすい形態で包装することができる。あるいは、フィルムは、所望の乾燥度、柔軟性及びクリスピー感を維持するために、食品グレードの紙のシートの間にシート状にして並べて包装することができる。フィルム又はフィルム製品は、所望のフィルムの水分活性及び水分含量を維持するために、例えば食品グレードの水分を遮断する袋若しくは他の容器中に、又は酸素及び水分を遮断する袋及び食品グレードの容器中に包装する。乾燥剤をフィルム包装及びフィルム製品包装中に包含して、保存中に水分を吸収し所望の食品フィルム特性を維持することができる。あるいは、フィルムを、製品を調製するためにそのまま用いることができ、焼いたり火を通したりすることなくそのまま食べることができる。
【0017】
フィルムは、食品を包むために用いることができ、例えば食事の時及び軽食時に、幅広い種類の、健康的で栄養があり、おいしく、魅力的ですぐ食べられる便利な食品を提供する。また、フィルムは食品と食品の間にも適用することができる。この組成物の製造方法により任意の果物、野菜及び/又は香辛料を組み合わせる手段が提供されるので、フィルムは個々の嗜好に合致したさらなる魅力及び多様性を有している。
【0018】
本願明細書で言及する製品の保存期間は、水分含量、水分活性、クリスピー感及び乾燥度の所望のフィルム特性が変わらないような規定の条件で包装し保存した場合、約12月に達することができる。そのような望ましい保存期間で、製品を即時消費又は将来の消費のために調製してもよい。
【0019】
ココナッツ果肉を原料とする組成物及びフィルムの以下の利点を認めることができ、これは本発明の目的である。フィルムは、本願明細書で説明されるように製造した場合は、薄さ、強度、柔軟性、クリスピー感及び乾燥度の重要かつ独自の性質を与え、他の食品を原料とする組成物及びフィルムの代替品又は代用品の役割をし、同時に、健康的で栄養がありおいしくて魅力的かつ味が良いという現代の食品の他の重要な特性を与える。また、これらの利点にも関わらず、また、果物及び野菜を含むこの製品は、より長い保存期間を有し、幅広い種類及び質感を与え、便利ですぐに食べることができる。果物及び野菜から作られた製品を提供することにより、果物及び野菜の消費量を増加させ、消費者が一日栄養所要量を満たすことを可能にし、よってよりバランスのとれた栄養価の高い食事を実現することに役立つ。本発明のより具体的利点は、人類の増加する肥満という世界的な問題に対する取り組みに貢献することができる、魅力的で栄養のある低炭水化物かつ低カロリーの製品を提供することである。
【0020】
また、本発明は、新鮮なココナッツ果肉を原料とする組成物及びフィルムの製造における改善された方法にも関連する。本発明の他の重要な目的及び利点は、続く発明の詳細な説明からも明らかになることがある。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本発明は、主としてココナッツ果肉及びココナッツウォーターを含み、栄養、質感及び香味の増強剤の役割をし保存期間を延長させる他の果実及び野菜と組み合わせた、組成物及びフィルム、それらの調製方法及びそのような方法の改良に関連する。これらの組成物及びフィルムは、薄さ、強度、柔軟性及びクリスピー感を有し、他の食品を原料とするフィルムの別の選択肢又は代替品の役割をし、食品の組み合わせ及び複数の食品を包み込むのに有用であり、果物、野菜、肉、魚又はこれらの任意の組み合わせなどの包まれた食品を提供するため、並びに所望の多様性、栄養、魅力、味及び利便性をもたらすために用いることができる。
【0022】
本発明の目的のより良い理解及び認識を促進するため、以下の一般的な定義が含まれる。
【0023】
フィルムとは、材料の薄い層であり、フィルムが食べられるものである場合、フィルムは食べられる材料の薄い層から作られる。可食フィルムは、固体のシートに予め成形され、それから食品、食品成分若しくは材料の上、周囲、間に適用することができる。本発明の目的として、薄い単層のフィルムを、主としてココナッツ果肉、好ましくは新鮮な若いピューレを含む組成物から作る。
【0024】
新鮮な若いココナッツ果肉ピューレは、通常はココナッツ果肉を他の果物及び/又は野菜材料とすりつぶす又は混ぜ合わせることによって作られるペースト又は液体懸濁液を指し、そこにココナッツ果実から得られる新鮮なココナッツウォーターも混ぜ込む。ココナッツピューレを、全果肉から調製する。ここで、ピューレは様々な最終製品に用いることができる中間製品である。ピューレは、無菌的に、又は無菌的でなく加熱処理することができるが、必ずしも加熱処理する必要は無い。本発明において、ココナッツ果肉の「ピューレ」とは、例えば篩装置又はパルプ化装置において粘稠なスラリーに機械的に変えられた、加熱処理及び非加熱処理の両方の全ココナッツ果肉を指すことを意図する。したがって、この粉砕された材料は、無傷の果物又は野菜の果肉の個々の別々の小片とは区別することができる。ピューレは、乾燥形態の4%から希釈形態の98%まで、水分を変動させることができる。
【0025】
材料パーセントは、[(材料の質量/配合物の総質量)x100]として表す。
【0026】
配合物の質量ベースによるパーセントで表した材料パーセントは、[(材料の質量)/((配合物中の各材料の質量)の合計)x100]として計算する。計算は下記の例において説明する。
【0027】
水分活性は、生物学的反応及び化学反応をサポートするために利用可能な系中の非結合の自由水の量として定義される。水分活性は、特定の食品の絶対的な水分含量とは異なる概念である。食品の中には高レベルの総水分含量を有しながら、同時に低い水分活性を有するものもある。水分活性に関する方程式は:A
W=VP/VP
0、式中VPは温度Tにおける食品の蒸気圧の分圧であり、VP
0は温度Tにおける純水の飽和蒸気圧である。この比率が、食品が室温の大気圧条件下で保存される、周囲環境の蒸気圧との関連で非結合水含量の平衡状態として表現される、食品中に存在する自由水の量を与える。
【0028】
水分含量は、AOAC (Association of Analytical Communities)の公定法22.012を用いることにより測定した。また、当業者に周知の他の方法を用いても測定した。
【0029】
本発明の主要な実施態様の一つにおいて、食品組成物を調製する方法を、
(a) ココナッツ果肉をすりつぶす工程、
(b) 工程(a)ですりつぶしたココナッツ果肉をココナッツウォーターと混合する工程、及び
(c) 乾燥させる工程
を含めて説明する。
【0030】
好ましくは、この食品組成物の前記調製方法は、乾燥工程の前に、工程(b)で混合したココナッツ果肉及びココナッツウォーターを篩にかけてより均一なピューレ又は生地を生成する工程をさらに含む。より好ましくは、乾燥工程を、混合物の水分含量が8%〜10%の範囲になるまで行う。この工程は、2時間〜5時間、35℃〜85℃、好ましくは48℃〜65℃、最も好ましくは50℃〜60℃の間の温度で行う。
【0031】
本発明の別の実施態様において、可食フィルムの調製方法は、以下の工程
(a) ココナッツ果肉をすりつぶす工程
(b) 工程(a)ですりつぶしたココナッツ果肉をココナッツウォーターと混合する工程、
(c) 工程(b)の混合物を篩にかけて均一なピューレ又は生地を得る工程、
(d) 得られた篩過混合物を乾燥シートに広げる工程、及び
(e) 広げた混合物を、水分含量が8%〜10%の範囲になるまで乾燥させる工程
を含む。
【0032】
好ましくは、乾燥工程を、2時間〜5時間、35℃〜85℃、好ましくは48℃〜65℃、最も好ましくは50℃〜60℃の間の温度で行う。上記の方法で用いる原材料は、好ましくは以下の比率:
(a) 88 wt%〜97 wt%のココナッツ果肉、及び
(b) 3 wt%〜12 wt%のココナッツウォーター
を含む。
【0033】
より好ましくは、上記の方法で用いるココナッツ果肉及びココナッツウォーターは、良質のココナッツ果肉及びより多くのココナッツウォーターを含む新鮮な若いココナッツ由来である。
【0034】
あるいは、他の果物、野菜及び香辛料、並びに/又はこれらの任意の組み合わせを、総量で全原料の2 wt%を超えない量で原材料に加えることができる。これらの添加物は、香味、質感、栄養素含有量を改善し、ココナッツ果肉を原料とする組成物、特にフィルム状にしたものにより多様性を与える。
【0035】
本発明の別の実施態様は、上記に開示した任意の方法から得られる食品組成物に関連する。得られた食品組成物及び/又は食品フィルムは:
(a) 少なくとも90 wt%のココナッツ果肉、及び
(b) 多くとも10 wt%のココナッツウォーター
を含む。
【0036】
あるいは、上記に開示した任意の方法から得られる組成物は:
(a) 少なくとも88 wt%のココナッツ果肉、
(b) 多くとも10 wt%のココナッツウォーター、及び
(c) 多くとも2 wt%の添加物
を含む。
【0037】
好ましくは、上記に開示した得られる組成物は、8%〜10%の水分含量を有し、かつより好ましくは0.45〜0.55の水分活性を有する。
【0038】
本発明の別の実施態様において、上記に開示した得られる食品組成物は、可食フィルムの形態である。好ましくは、可食フィルムは単層である。最も好ましくは、可食フィルムの乾燥厚は、1.0ミリメートル〜1.5ミリメートルの範囲である。可食フィルムは、他の食品を原料とするフィルムの代替品又は代用品となるような薄さ、強度、柔軟性及びクリスピー感を有しており、食品の組み合わせ及び複数の食品を包むために有用であり、果実、野菜、肉又はこれらの任意の組み合わせ等の包まれた食品、所望の多様性、栄養価、魅力、味及び利便性などを提供するために用いることができる。
【0039】
本発明のより具体的な実施態様において、ココナッツ果肉を原料とする組成物及びフィルムの調製方法がより詳細に説明されるが、これは本発明のさらなる例示のみを意図しており、特許請求の範囲に規定される本発明の範囲を限定することを意図しない。第一の工程は、ココナッツ果実、好ましくは新鮮な若いもので、適正な成熟度(maturity, ripeness)及び質感のココナッツ果肉を有するものを、注意深く収穫することから成る。また、方法中に用いる他の果物、野菜、香辛料及びハーブも、所望の成熟度、質感及び色を有するように注意深く収穫し選択する。
【0040】
ココナッツ果肉及びそのココナッツウォーターを別個に回収し、清潔な容器に保存する。ココナッツ果肉は、切り刻む、すりおろす、及びすりつぶす等の当業者に周知の方法によって、小片にする。小片にしたココナッツ果肉を、その後適量のココナッツウォーターと混合してココナッツ果肉ピューレを得る。ピューレを、好ましくは適量の追加の材料、果物及び/又は野菜、ハーブ並びに香辛料と混合して、最終製品の混合物を得る。これらの果物及び野菜の組み合わせのより詳細な説明については、下記の実施例をさらに参照頂きたい。さらに、混合物を、その後好ましくは約100メッシュ〜200メッシュの篩を有するステンレス鋼のろ過器(strainer)を用いて篩にかける。得られた均一なピューレ又は生地を、その後直ちに約20 cm x 20 cmの寸法を有する鋳型を用いて高温耐久性の乾燥シート上に広げる。乾燥シート鋳型の寸法を、25 cm x 25 cm、28 cm x 28 cm、又は40 cm x 40 cmにさらに改変して、異なる適用のための多様なサイズを与えることができる。満たした乾燥シートを、その後乾燥機中に設置してフィルムを所望の水分含量に乾燥させる。燃料及びエネルギーを節約するために、機械式及び太陽光式の乾燥機一式を、乾燥プロセスに用いる。乾燥プロセスは、35℃〜85℃、好ましくは48℃〜65℃、最も好ましくは50℃〜60℃の範囲の温度で、8%〜約10%の範囲内の所望の水分含量が得られるまで、約2〜5時間を要する。乾燥フィルムを取り入れる前に、水分含量と共に、乾燥フィルムの所望の強度、柔軟性及びクリスピー感を検査する。乾燥後、フィルムを今度は約18℃〜24℃の範囲の温度で約5分間〜10分間冷却する。冷めたら、乾燥フィルムを回収して計量する。その後、保存期間をさらに向上させるために適切に包装及び密封する。
【0041】
本発明で製造されるフィルムは、以下の特性を含む:質量ベースによるパーセントで計算して最少で90%の新鮮な若いココナッツ果肉を含む単層フィルムであり、乾燥フィルム厚が約1.0ミリメートル〜約3.0ミリメートル、より好ましくは、約1.5 mm〜約2.5 mmの範囲であり、最も好ましくは約2.0 mmであり、水分含量が約8%〜約10%の範囲であり、水分活性が約0.45〜約0.55の範囲である。
【0042】
混合物に加えるココナッツウォーターの量、及びその結果の開始時のピューレの水分率は、使用する新鮮なココナッツ果肉の成熟度によって変動し得る。ベースのピューレは、所望の割合を得るために必要に応じて乾燥させるか又は希釈してもよい。他の材料を、この配合物によって製造される最終フィルム製品の薄さ、強度、柔軟性及びクリスピー感を維持しながら所望の性質を得るために十分な量でウェットフィルムの配合物中に包含させてもよい。限定するものではないが、他の材料の例には香味成分若しくは増強剤、及び着色源(color source)又は質感増強剤を含む。他の成分を、柔軟性、強度、香味、色又は他の有利な特性を与えるための量で加えても良い;しかし、加えた材料がウェットフィルムの配合物から実質的に分離するほど濃度を高くするべきではない。好ましくは、他の果物、野菜並びにハーブ及び香辛料を、質量ベースによるパーセントで各々計算して0.1%〜約0.4%の範囲で加える。全ての他の材料の合計割合は、他の主要な成分と併せて質量ベースによるパーセントとして計算する。したがって、全ての他の材料の合計は、質量ベースによるパーセントで計算して2%より多くすることはできない。
【0043】
より特定の実施態様において、本発明は、バージンココナッツオイル及び/又は果実ポリフェノール抽出物を質量ベースによるパーセントで計算して各々0.05%〜約0.1%の範囲内の量で加えた組成物を有することができる。またあるいは、バージンココナッツオイルのみを質量ベースによるパーセントで計算して0.05%〜約0.2%、及び1.0%〜5.0%の範囲内の量で加える。これらの成分は、香味、質感、栄養素含有量を改善するため、及びフィルムにしたココナッツ果肉を原料とする組成物の保存期間を延長するために加える。
【0044】
一般に、新鮮な若いココナッツ果肉は、乾燥フィルム配合物の少なくとも90%を構成し、ココナッツウォーターは、乾燥フィルム配合物の多くとも10%を構成する。香味、色又は質感の増強剤等の他の材料を、各々0.1%〜約2.0%の範囲内で混合し、生じる乾燥フィルムが少なくとも90%の基本材料を含むようにする。
【0045】
太陽光及び/又は機械式の脱水機等を含む当業者に周知の手段によって、乾燥を所望の乾燥度を得るために必要に応じて行ってもよい。追加の乾燥工程又は異なる乾燥系の組み合わせを、要望に応じて行ってもよい。
【0046】
本発明の別の実施態様において、ココナッツ果肉を原料とする組成物及びフィルムの改善された調製方法をより詳細に説明する。第一の工程は、新鮮な若いココナッツ果実を注意深く収穫することから成り、ココナッツ果実は、適正な成熟度及び質感のココナッツ果肉を有していなければならない。また、方法中に用いる他の果物、野菜、香辛料及びハーブも、所望の成熟度、質感及び色を有するように注意深く収穫し選択する。若いココナッツの収穫及び外皮除去をその場で行うことが重要で、その場所で実際の加工を直ちに行うことができる。
【0047】
新鮮な若いココナッツ果肉及びそのココナッツウォーターを別個に回収し、清潔な容器に保存する。不必要な沈殿物を取り除き、ココナッツウォーターを殺菌するために、ココナッツウォーターを0.1ミクロン〜5ミクロンのフィルターを用いた3段階の精密濾過系でさらに濾過する。
【0048】
本発明の別の実施態様において、ココナッツ果肉の回収及び保存のプロセスを、製品の腐敗の原因となり得る自然発酵の開始を防ぐために、収穫したココナッツ果肉を使用前に噴射冷凍機(接触冷凍機としても知られる)中に設置することによって改善する。あるいは、ココナッツ果肉をその後切り刻んで直ちに適量の濾過したココナッツウォーターと混合し、ココナッツ果肉ピューレを得る。ピューレを適量の追加の材料、果物及び/又は野菜、ハーブ並びに香辛料とさらに混合して最終製品の混合物を得る。混合プロセスを、作業コストを削減するためにおよそ6分間〜8分間のみ行う。
【0049】
さらに、混合物をその後約100メッシュ〜200メッシュの篩を有するステンレス鋼のろ過器を用いて篩にかける。得られた均一なピューレ又は生地を、その後直ちに約20 cm x 20 cmの寸法を有する鋳型を用いて高温耐久性の乾燥シート上に広げる。乾燥シート鋳型の寸法を、25 cm x 25 cm、28 cm x 28 cm、又は40 cm x 40 cmにさらに改変して、異なる適用のための多様なサイズを与えることができる。満たした乾燥シートを、その後乾燥機中に設置してフィルムを所望の水分含量に脱水又は乾燥させる。燃料及びエネルギーを節約するために、機械式及び太陽光式の乾燥機一式を、乾燥プロセスに用いる。乾燥プロセスは、35℃〜85℃、好ましくは48℃〜65℃、最も好ましくは50℃〜60℃の範囲の温度で、8%〜約10%の範囲内の所望の水分含量が得られるまで、約2〜5時間を要する。乾燥フィルムを取り入れる前に、水分含量と共に、乾燥フィルムの所望の強度、柔軟性及びクリスピー感を検査する。乾燥後、フィルムを今度は約18℃〜24℃の範囲の温度で約5分間〜10分間冷却する。冷めたら、乾燥フィルムを適切に回収、計量、包装及び密封する。
【0050】
本発明の実施態様において、乾燥プロセスには慎重な注意が払われ、乾燥プロセス中のエネルギーコストを削減し、最も望ましい特性のココナッツフィルム製品を得るという目的のために改変される。乾燥プロセスでは4種類のエネルギー源、すなわち:液化石油ガス(LPG)、電熱、太陽光エネルギー、バイオマス又は他の代替再生可能エネルギー源を検討する。最も望ましい特性のココナッツフィルム製品を得るために、製品を最初に80℃〜85℃で約30分間〜60分間乾燥し、その後70℃〜80℃まで下げて約30分間〜60分間、そして60℃〜70℃で約30分間〜60分間、エネルギー源としてLPG又は電熱を用いた機械式乾燥機中で乾燥させる。その後、ココナッツフィルム製品を太陽光式の乾燥機に移し、そこで乾燥温度45℃〜55℃の範囲で、約1時間、8%〜約10%の範囲内の所望の水分含量が得られるまで乾燥させる。乾燥フィルムを取り入れる前に、水分含量と共に、乾燥フィルムの所望の強度、柔軟性及びクリスピー感を検査する。乾燥後、フィルムを今度は約18℃〜24℃の範囲の温度で約5分間〜10分間冷却する。冷めたら、乾燥フィルムを適切に回収、計量、包装及び密封する。
【0051】
本発明の別の実施態様において、実質的な追加の乾燥コストを負担することなく、乾燥能力を向上させ、及び/又は食品組成物の乾燥プロセスを加速するために、上記に開示した乾燥作業の前に工程を加えてもよい。ウォークイン型のウォームチャンバー(warm chamber)を与え、それにより室温を45℃〜50℃、より好ましくは46℃〜49℃、最も好ましくは47℃〜48℃の範囲に設定し、乾燥シート上に広げた食品組成物を並べ、一連の乾燥後作業が始まる前に、理想の水分含量が得られるまで数分間置いておく。
【0052】
本発明の別の実施態様において、食塩を除去するように材料の混合物の配合を改変することによってココナッツフィルム製品の調製を行うが、これにより、上記で説明した乾燥条件と同条件では、より高い水分含量約10%〜13.5%及び水分活性約0.55〜0.625の、非常に健康的なココナッツフィルム製品が生じる。したがって、同様の水分含量約10%以下及び水分活性約0.55を達成するために、食塩を含まないココナッツフィルム製品の合計乾燥時間を、約30分に増やす。
【0053】
本発明の別の実施態様において、生の卵白を、ウェット配合物を基準として4%〜7%の範囲でココナッツピューレ生地の混合物に加えることにより、最終製品のタンパク質含量及び繊維含量を増加させ、炭水化物含量を減少させるようにココナッツフィルム製品の調製を改変する。あるいは、生の卵白の代わりに粉末化した卵白又はキサンタンガムを用いることができる。最終製品を、「高タンパク質」及び「高繊維」ココナッツフィルム又はラップと称する。
【0054】
本発明の別の実施態様において、製品中の中鎖トリグリセリド(MCT)含量を増加させ、それにより製品中の良質な又は有益な脂肪含量を増加させるようにココナッツフィルム製品の調製を改変する。これはココナッツピューレに加える未精製バージンココナッツオイルの用量を二倍にすることにより、及び/又はココナッツピューレ又は生地に加える新鮮な若い(マカプノ(macapuno))ココナッツの用量を二倍にすることにより、実行する。この改変された配合では、これらの材料は、ココナッツフィルムに望ましくない穴の形成をもたらすココナッツピューレの気泡の形成も防止する。MCTは抗真菌剤及び抗菌剤として知られている。また、これを材料としてココナッツフィルム中に含むことにより、9ヶ月から約12ヶ月までの、より長いココナッツフィルム製品の保存期間も、もたらされる。
【0055】
本発明の別の実施態様において、乾燥シート鋳型の厚さを、1.0 mm〜1.5 mmから1.0mm〜3.0 mmの範囲、より具体的には約1.5 mm〜2.5 mmの範囲、より具体的には約2.0 mmに増やし、ココナッツフィルム又はラップそれ自体の改善された安定性を与える。
【実施例】
【0056】
以下の実施例は、本発明をさらに例示することのみを意図しており、特許請求の範囲により規定される本発明の範囲を限定することを意図しない。
【0057】
実施例1.ココナッツ果肉を原料とする組成物
以下の実施例は、本発明の目的として、フィルム状にしたココナッツ果肉を原料とする組成物の配合物を記述する。表1は、ココナッツ果肉を原料とする組成物及びフィルムの製造における重要な材料を示す。本実施例では、基本材料は新鮮な若いココナッツ果肉である。ピューレの調製において、混合物の均一性を促進させ、生じるピューレの所望の質感を得るために、混合中に500g〜約1500gの範囲内でココナッツウォーターを加える。またさらに、バージンココナッツオイル及びマンゴーポリフェノール抽出物(地元の供給業者より得られる)を、香味、質感及び保存期間の増強剤として加える。
【0058】
【表1】
【0059】
乾燥ココナッツ組成物又は乾燥ココナッツフィルムについて、典型的な栄養成分表を以下の表2に示すが、これは一例として示すもので、本発明の実施態様を限定することを示唆しない。
【0060】
実施例3〜16.他の種類で表された、ココナッツ果肉を原料とする組成物
以下の実施例は、本発明の目的として、香味及び質感を改善するため及び食品フィルムにより多くの種類をもたらすための、果物や野菜などの追加の材料を含む、フィルム状にしたココナッツ果肉を原料とする組成物の配合物を記述する。表3〜16は、ココナッツ果肉を原料とする組成物及びフィルムの製造において重要な材料及び追加の材料を示す。
【0061】
【表2】
【0062】
【表3】
【0063】
【表4】
【0064】
【表5】
【0065】
【表6】
【0066】
【表7】
【0067】
【表8】
【0068】
【表9】
【0069】
【表10】
【0070】
【表11】
【0071】
【表12】
【0072】
【表13】
【0073】
【表14】
【0074】
【表15】
【0075】
【表16】