(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6804297
(24)【登録日】2020年12月4日
(45)【発行日】2020年12月23日
(54)【発明の名称】5−フルオロ−4−イミノ−3−(アルキル/置換アルキル)−1−(アリールスルホニル)−3,4−ジヒドロピリミジン−2(1H)−オンおよびそれらの調製方法
(51)【国際特許分類】
C07D 239/47 20060101AFI20201214BHJP
A01N 43/54 20060101ALI20201214BHJP
A01P 3/00 20060101ALI20201214BHJP
【FI】
C07D239/47 Z
A01N43/54 F
A01P3/00
【請求項の数】19
【全頁数】19
(21)【出願番号】特願2016-543746(P2016-543746)
(86)(22)【出願日】2014年12月29日
(65)【公表番号】特表2017-502963(P2017-502963A)
(43)【公表日】2017年1月26日
(86)【国際出願番号】US2014072566
(87)【国際公開番号】WO2015103142
(87)【国際公開日】20150709
【審査請求日】2017年12月26日
(31)【優先権主張番号】61/922,582
(32)【優先日】2013年12月31日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】61/922,572
(32)【優先日】2013年12月31日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】593091979
【氏名又は名称】アダマ・マクテシム・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100092783
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120134
【弁理士】
【氏名又は名称】大森 規雄
(74)【代理人】
【識別番号】100126354
【弁理士】
【氏名又は名称】藤田 尚
(74)【代理人】
【識別番号】100104282
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 康仁
(72)【発明者】
【氏名】チョイ,ナキェン
(72)【発明者】
【氏名】ロス,ジュニア.,ロナルド
【審査官】
前田 憲彦
(56)【参考文献】
【文献】
特表2013−525434(JP,A)
【文献】
国際公開第2013/025795(WO,A1)
【文献】
米国特許出願公開第2011/0034493(US,A1)
【文献】
欧州特許出願公開第00877022(EP,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07D 239/00
A01N 43/00
A01P 3/00
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
式IIIの化合物を製造する方法であって、
式II
【化1】
の化合物を、炭酸アルカリおよびアルキル化剤と接触させるステップと、
式III
【化2】
の化合物を形成するステップと
を含み、
R
1は、
【化3】
からなる群から選択され、
R
2は、
【化4】
からなる群から選択され、
式IIの化合物と炭酸アルカリとのモル比が3:1から1:1である、方法。
【請求項2】
a.前記接触させるステップが22℃と60℃の間の温度で実施される;
b.前記接触させるステップが、DMF、DMSO、DMA、NMP、およびCH3CNからなる群から選択される溶媒をさらに含む;
c.前記炭酸アルカリが、Na2CO3、K2CO3、Cs2CO3、およびLi2CO3からなる群から選択される;および/または
d.前記アルキル化剤が、ハロゲン化アルキルおよびハロゲン化ベンジルからなる群から選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
a.前記ハロゲン化アルキルおよびハロゲン化ベンジルが、ヨウ化メチル、ヨウ化エチル、および臭化ベンジルからなる群から選択される;および/または
b.前記炭酸アルカリがCs2CO3であり、前記溶媒がDMFである、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
式IIの化合物とアルキル化剤とのモル比が1:1から3:1である、請求項1から3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
式IIの化合物と炭酸アルカリとのモル比が2:1であり、式IIの化合物とアルキル化剤とのモル比が1:3である、請求項1から3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
反応の完了した混合物をCH3CNおよび2.5%Na2S2O3水溶液で希釈するステップをさらに含む、請求項1から5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
a.DMFとCH3CNとの比が1:1から3:1であり、DMFと2.5%Na2S2O3水溶液との比が1:2から2:1である;または
b.DMFとCH3CNとの比が2:1であり、DMFと2.5%Na2S2O3水溶液との比が1:1である、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
R
1が、
【化5】
であり、R
2が、
【化6】
である、請求項1から7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
式IIの化合物を調製する方法であって、
式I
【化7】
の化合物をビス−N,O−トリメチルシリルアセトアミドと接触させるステップと、
式II
【化8】
の化合物を形成するステップと
を含み、
R
1は、
【化9】
からなる群から選択され、
式Iの化合物とビス−N,O−トリメチルシリルアセトアミドとのモル比が1:1.1であり、前記接触させるステップを22℃から70℃の温度で実施する、方法。
【請求項10】
a.前記接触させるステップが、式Iの化合物をCH3CNと接触させることをさらに含む;および/または
b.ビス−N,O−トリメチルシリルアセトアミドで処理された反応混合物をアリールスルホニルクロリドと接触させる、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
a.式Iの化合物とアリールスルホニルクロリドとのモル比が1:2から2:1である;または
b.式Iの化合物とアリールスルホニルクロリドとのモル比が1:1.1である、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
式IIIの化合物であって、
【化10】
R
1は、
【化11】
であり、
R
2は、
【化12】
からなる群から選択される、化合物
またはその互変異性体、光学異性体もしくは塩。
【請求項13】
R2が
【化13】
である、請求項12に記載の化合物またはその互変異性体、光学異性体もしくは塩。
【請求項14】
塩が、塩酸塩、臭化水素酸塩またはヨウ化水素酸塩である、請求項12または13に記載の化合物またはその互変異性体、光学異性体もしくは塩。
【請求項15】
請求項12から14のいずれか一項に記載の化合物またはその互変異性体、光学異性体もしくは塩および植物学的に許容可能なキャリア物質を含む、組成物。
【請求項16】
植物に対する真菌の攻撃を制御または防止するための方法であって、
殺菌有効量の少なくとも1つの請求項12から14のいずれか一項に記載の化合物またはその互変異性体、光学異性体もしくは塩を、植物、植物に隣接する領域、植物の成長を支持するよう適応された土壌、植物の根、植物の葉および植物を生産するよう適応された種のうちの少なくとも1つに適用して、該植物に対する真菌の攻撃を制御または防止する工程を含む、方法。
【請求項17】
真菌病原体が、アップル・スケイブ(Venturia inaequalis)、リーフ・ブロッチ・オブ・ウィート(Septoria tritici)、リーフ・スポット・オブ・シュガービーツ(Cercospora beticola)、リーフ・スポット・オブ・ピーナッツ(Cercospora arachidicola)およびブラック・シガトカ(Mycosphaerella fijiensis)から選択される、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
植物に対する真菌の攻撃を制御または防止するための組成物であって、請求項12から14のいずれか一項に記載の化合物またはその互変異性体、光学異性体もしくは塩を含む、組成物。
【請求項19】
請求項12から14のいずれか一項に記載の少なくとも1つの化合物またはその互変異性体、光学異性体もしくは塩の、植物に対する真菌の攻撃を制御または防止するための殺菌組成物の製造における使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願への相互参照
本出願は、各開示が参照により本明細書に特に組み込まれる2013年12月31日出願の米国特許仮出願第61/922,582号および第61/922,572号の各々の利益を主張する。
【0002】
分野
本明細書において、5−フルオロ−4−イミノ−3−(アルキル/置換アルキル)−1−(アリールスルホニル)−3,4−ジヒドロピリミジン−2(1H)−オンおよびそれらの調製方法が提供される。
【背景技術】
【0003】
背景および要旨
米国特許出願第13/090,616号、米国特許公開第2011/0263627号には、とりわけあるN3置換−N1−スルホニル−5−フルオロピリミジノン化合物およびそれらの防カビ剤としての使用が記載されている。この出願の開示は、参照により本明細書に特に組み込まれる。この特許には、N3置換−N1−スルホニル−5−フルオロピリミジノン化合物を生成させる種々の経路が記載されている。N3置換−N1−スルホニル−5−フルオロピリミジノン防カビ剤および関連化合物を調製、単離、および精製するためのより直接的および効率的な方法を、例えば、試薬および/または化学的中間体の使用ならびに改善された時間およびコスト効率を提供する単離および精製技法により提供することは有益であろう。
【発明の概要】
【0004】
本明細書においては、5−フルオロ−4−イミノ−3−(アルキル/置換アルキル)−1−(アリールスルホニル)−3,4−ジヒドロピリミジン−2(1H)−オンおよびそれらの調製方法が提供される。一実施形態では、式III
【0007】
【化3】
から選択される)
の化合物を調製するための方法であって、式IIの化合物を、塩基、例えば、アルカリ炭酸塩、例えば、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウムおよび炭酸リチウム(それぞれ、Na
2CO
3、K
2CO
3、Cs
2CO
3およびLi
2CO
3)またはアルカリアルコキシド、例えば、カリウムtert−ブトキシド(KO
tBu)およびアルキル化剤、例えば、式R
2−X(式中、R
2は前に定義されたものであり、Xはハロゲン、例えば、ヨウ素、臭素、および塩素である)のハロゲン化アルキルと、極性溶媒、例えば、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルスルホキシド(DMSO)、ジメチルアセトアミド(DMA)、N−メチルピロリドン(NMP)、アセトニトリル(CH
3CN)などの中で、約0.1モル/L(molar)(M)から約3Mの濃度で接触させることを含む、方法が本明細書中で提供される。幾つかの実施形態では、式IIの化合物と塩基とのモル比は、約3:1から約1:1であり、式IIの化合物とアルキル化剤とのモル比は、約1:1から約3:1である。他の実施形態では、式IIの化合物と塩基とのモル比および式IIの化合物とアルキル化剤とのモル比は、それぞれ約2:1および1:3が使用される。幾つかの実施形態において、反応は−78℃と90℃の間の温度で実施され、他の実施形態では、反応は22℃と60℃の間で実施される。
【0009】
上記反応パラメータの操作の結果、スキーム1に示したように、式II、III、およびIVの化合物を含む生成物混合物が形成されることが可能であり、形成される式II、IIIおよびIVの化合物の比が約0:2:1から約1:2:0であることは当業者により理解されるであろう。幾つかの実施形態において、式IIの化合物と式IIIの化合物の混合物を含む組成物は、単離および精製が沈殿および再結晶により達成され、式IIの中間体化合物が回収されてリサイクルされ得るので好ましい。対照的に、式IIIの化合物と式IVの化合物の混合物を含む組成物では、クロマトグラフィーの分離が必要であり、ジアルキル化された望ましくない式IVの副生物と共にIIIが生ずる。
【0011】
別の実施形態では、所望の粗組成物、即ち、R
1がメトキシ(OCH
3)であり、R
2がメチル(CH
3)である式IIの化合物と式IIIの化合物の混合物が、45℃において式IIの化合物とLi
2CO
3およびヨウ化メチル(CH
3I)とをDMF(1.0M)中で約1:0.6:3のモル比で接触させることにより得られる。それが完了したら、粗組成物を、CH
3CNなどの極性、非プロトン性溶媒で(CH
3CN:DMFの比は約2:1から約1:2である)、続いてpHが約8から約10.5のチオ硫酸ナトリウム(Na
2S
2O
3)の水溶液で希釈(2.5wt.%Na
2S
2O
3水溶液:DMFの比は約1:2から約3:1である)すると、沈殿が生じ、それは濾過により単離することができる。一実施形態では、CH
3CN:DMFの比は約1:2であり、および2.5%Na
2S
2O
3水溶液:DMFの比は約1:1であり、その結果生じた固体は、CH
3CNなどの極性の非プロトン性溶媒の溶液中の該固体の約30℃〜40℃に加温された溶液から、水(H
2O)の添加による(H
2O:CH
3CNの比は約1:2から約3:1である)結晶化/沈殿によりさらに精製されて、精製された式IIIの化合物が生じ、別の実施形態では、純(pure)IIIの沈殿を生成させるH
2O:CH
3CNの比は約2:1である。
【0012】
別の実施形態では、式IIの化合物は、式Iの化合物とビス−N,O−トリメチルシリルアセトアミド(BSA)とを70℃などの上昇された温度で、約1時間(h)接触させ、次に冷却して、その保護されたピリミジノールを含有する溶液を、約20℃〜25℃で、R
1−PhSO
2Cl(式中、R
1は前に定義されたものである)により生じさせた置換されたベンゼンスルホニルクロリドと接触させることにより調製することができる。幾つかの実施形態において、式Iの化合物のBSAおよび該スルホニルクロリドに対するモル比は、それぞれ約1:3:1.1であり、別の実施形態で、該反応物のモル比を約1:1.1:1.1に減少させると収率が改善される。
【0014】
用語「アルキル」は、メチル、エチル、プロピル、ブチル、イソプロピル、イソブチル、第三級ブチル、ペンチル、ヘキシル、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、およびシクロヘキシル等を含むが、これらに限定されない分岐、非分岐、または飽和の環状炭素鎖を指す。
【0015】
用語「アルケニル」は、エテニル、プロペニル、ブテニル、イソプロペニル、イソブテニル、シクロブテニル、シクロペンテニル、およびシクロヘキセニル等を含むが、これらに限定されない1つまたは複数の二重結合を含有する分岐、非分岐または環状の炭素鎖を指す。
【0016】
用語「アリール」は、ヘテロ原子を含有する任意の芳香族、単環式または二環式を指す。
【0017】
用語「複素環」は、1個または複数のヘテロ原子を含有する単環式または二環式の任意の芳香族または非芳香族環を指す。
【0018】
用語「アルコキシ」は、−OR置換基を指す。
【0019】
用語「ハロゲン」または「ハロ」は、F、Cl、Br、およびIと定義された1個または複数のハロゲン原子を指す。
【0020】
用語「ハロアルキル」は、Cl、F、I、またはBrまたは任意のそれらの組合せで置換されているアルキルを指す。
【0021】
本開示を通して、式I、II、III、およびIVの化合物への言及は光学異性体および塩も含むと理解される。典型的塩は、塩酸塩、臭化水素酸塩、およびヨウ化水素酸塩等を含むことができる。それに加えて、式I、II、III、およびIVの化合物は、互変異性形態を含むことができる。
【0022】
本明細書で開示されたある特定の化合物は、1つまたは複数の異性体として存在することができる。1つの異性体が他の異性体よりも活性であり得ることは当業者により認識されるであろう。本開示で開示された構造は、明快にするために唯一の幾何学的形態で描かれているが、該分子の全ての幾何学的および互変異性形態を表すことが意図される。
【0023】
1つの典型的実施形態において、式IIIの化合物を製造する方法が提供される。この方法は、式IIの化合物を炭酸アルカリおよびアルキル化剤と接触させるステップと、式IIIの化合物を形成するステップとを含む。
【0025】
【化8】
からなる群から選択され、
R
2は
【0026】
【化9】
からなる群から選択される)
【0027】
さらに特定の実施形態では、上記の接触させるステップは、22℃と60℃の間で実施される。
【0028】
上の実施形態の何れかのさらに別の特定の実施形態では、接触させるステップは、DMF、DMSO、DMA、NMP、およびCH
3CNからなる群から選択される溶媒をさらに含む。
【0029】
上の実施形態の何れかのさらに別の特定の実施形態では、炭酸アルカリは、Na
2CO
3、K
2CO
3、Cs
2CO
3、およびLi
2CO
3からなる群から選択される。
【0030】
上の実施形態の何れかのさらに別の特定の実施形態では、アルキル化剤は、ハロゲン化アルキルおよびハロゲン化ベンジルからなる群から選択される。さらにより特定の実施形態では、ハロゲン化アルキルおよびハロゲン化ベンジルは、ヨウ化メチル(CH
3I)、ヨウ化エチル(C
2H
5I)、および臭化ベンジル(BnBr)から選択される。
【0031】
上の実施形態の何れかのさらに別の特定の実施形態では、炭酸アルカリ塩基はCs
2CO
3であり、溶媒はDMFである。
【0032】
上の実施形態の何れかのさらに別の特定の実施形態では、化合物IIと炭酸アルカリ塩基とのモル比は、約3:1から約1:1であり、化合物IIとアルキル化剤とのモル比は約1:1から約3:1である。さらにより特定の実施形態では、化合物IIと炭酸アルカリ塩基とのモル比は約2:1であり、化合物IIとアルキル化剤とのモル比は1:3である。
【0033】
上の実施形態の何れかのさらに別の特定の実施形態では、この方法は、反応の完了した混合物を、CH
3CNおよび2.5%Na
2S
2O
3水溶液で希釈するステップをさらに含む。さらにより特定の実施形態では、DMFとCH
3CNとの比は、約1:1から約3:1であり、DMFと2.5%Na
2S
2O
3水溶液との比は、約1:2から約2:1である。さらにより特定の実施形態では、DMFとCH
3CNとの比は約2:1であり、DMFと2.5%Na
2S
2O
3水溶液との比は約1:1である。
【0034】
別の実施形態では、式IIの化合物を調製する方法が提供される。この方法は、式I
【0035】
【化10】
の化合物をビス−N,O−トリメチルシリルアセトアミド(BSA)と接触させて、式II
【0036】
【化11】
の化合物を形成することを含み、化合物Iとビス−N,O−トリメチルシリルアセトアミド(BSA)とのモル比は1:1.1であり、接触させるステップは約22℃から約70℃で実施される。
【0037】
さらに特定の実施形態では、接触させるステップは、化合物IをCH
3CNと接触させることをさらに含む。
【0038】
上の実施形態の何れかのさらに別の特定の実施形態では、この方法は、BSAで処理された反応混合物をアリールスルホニルクロリドと接触させることを含む。
【0039】
上の実施形態の何れかのさらに別の特定の実施形態では、化合物Iとアリールスルホニルクロリドとのモル比は、約1:2から約2:1である。さらにより特定の実施形態では、化合物Iとアリールスルホニルクロリドとのモル比は1:1.1である。
【0040】
上で記載した実施形態は、単に典型的であることが意図され、当業者は、多くの等価の特定の化合物、材料、および手順を認識するかまたは日常的にすぎない実験を使用して確かめることができるであろう。全てのそのような等価の事物は、本発明の範囲であるとみなされ、添付の請求項により包含される。
【発明を実施するための形態】
【0041】
詳細な説明
実施例1〜2に示した5−フルオロ−4−イミノ−3−(アルキル/置換アルキル)−1−(アリールスルホニル)−3,4−ジヒドロ−ピリミジン−2(1H)−オン。
【0042】
実施例1:4−アミノ−5−フルオロ−1−(フェニルスルホニル)ピリミジン−2(1H)−オン(1)の調製
【0044】
機械的攪拌機、窒素導入口、添加漏斗、温度計、および還流凝縮器を備えた乾燥した500ミリリットル(mL)丸底フラスコに、5−フルオロシトシン(20.0グラム(g)、155ミリモル(mmol))およびCH
3CN(100mL)を加えた。生じた混合物にBSA(34.7g、170mmol)を一度に加えて、反応液を70℃に加温し、30分(min)間攪拌した。生じた均質な溶液を氷浴で5℃に冷却し、ベンゼンスルホニルクロリドを滴下して処理した。反応液を0℃〜5℃で1時間次に室温で終夜攪拌した。生じた淡黄色の懸濁液を冷H
2O(1.5リットル(L))中に注ぎ、1時間激しく攪拌した。生じた固体を真空濾過により集めて、H
2Oで洗浄し、真空下に終夜40℃で乾燥し、4−アミノ−5−フルオロ−1−(フェニルスルホニル)ピリミジン−2(1H)−オン(29.9g、72%)を粉末状白色固体として得た。
【数1】
【0045】
表1a中の以下の化合物1〜3を、スキーム1に描いた反応および実施例1に記載した手順に従って製造した。化合物1〜3の特性決定データを表1bに示す。
【0049】
実施例2:5−フルオロ−4−イミノ−3−メチル−1−トシル−3,4−ジヒドロピリミジン−2(1H)−オン(5)の調製
【0051】
4−アミノ−5−フルオロ−1−トシルピリミジン−2(1H)−オン(5.66g、20mmol)およびLi
2CO
3(0.880g、12.0mmol)のDMF(20mL)中の混合物に、CH
3I(8.52g、60.0mmol)を加えて、生じた混合物を40℃に加温して5時間攪拌した。反応混合物を室温に冷却して、CH
3CN(10mL)で希釈し、2.5%Na
2S
2O
3水溶液(20mL)で処理した。生じた混合物を室温で10分間攪拌して固体を濾過により収集した。フィルターケーキをCH
3CN水溶液(H
2O中10%CH
3CN)で洗浄して2時間風乾した。ケークをCH
3CN(15mL)に40℃で溶解して、該溶液をH
2O(30mL)で処理した。生じた懸濁液を室温に冷却し、2.5時間攪拌して濾過した。該フィルターケーキを10%CH
3CN水溶液で再び洗浄し、次に真空下に50℃で乾燥して、表題化合物(2.70g、45%)を白色固体として得た:
【数2】
【0052】
表2a中の以下の化合物4〜6を、スキーム2に描いた反応および実施例2に記載した手順に従って製造した。化合物4〜6の特性決定データを表2bに示す。
【0055】
【表4】
本発明は、以下の態様を包含し得る。
[1]
式IIIの化合物を製造する方法であって、
式II
【化16】
の化合物を、炭酸アルカリおよびアルキル化剤と接触させるステップと、
式III
【化17】
の化合物を形成するステップと
を含み、
R1は、
【化18】
からなる群から選択され、
R2は、
【化19】
からなる群から選択される、方法。
[2]
前記接触させるステップが22℃と60℃の間で実施される、上記[1]に記載の方法。
[3]
前記接触させるステップが、DMF、DMSO、DMA、NMP、およびCH3CNからなる群から選択される溶媒をさらに含む、上記[1]に記載の方法。
[4]
前記炭酸アルカリが、Na2CO3、K2CO3、Cs2CO3、およびLi2CO3からなる群から選択される、上記[1]に記載の方法。
[5]
前記アルキル化剤が、ハロゲン化アルキルおよびハロゲン化ベンジルからなる群から選択される、上記[1]に記載の方法。
[6]
前記ハロゲン化アルキルおよびハロゲン化ベンジルが、ヨウ化メチル、ヨウ化エチル、および臭化ベンジルからなる群から選択される、上記[5]に記載の方法。
[7]
前記炭酸アルカリがCs2CO3であり、前記溶媒がDMFである、上記[3]、[4]、[5]、または[6]に記載の方法。
[8]
式IIの化合物と炭酸アルカリとのモル比が約3:1から約1:1であり、式IIの化合物とアルキル化剤とのモル比が約1:1から約3:1である、上記[2]、[3]、[4]、[5]、[6]、または[7]に記載の方法。
[9]
式IIの化合物と炭酸アルカリとのモル比が約2:1であり、式IIの化合物とアルキル化剤とのモル比が約1:3である、上記[8]に記載の方法。
[10]
反応の完了した混合物をCH3CNおよび2.5%Na2S2O3水溶液で希釈するステップをさらに含む、上記[9]に記載の方法。
[11]
DMFとCH3CNとの比が約1:1から約3:1であり、DMFと2.5%Na2S2O3水溶液との比が約1:2から約2:1である、上記[10]に記載の方法。
[12]
DMFとCH3CNとの比が約2:1であり、DMFと2.5%Na2S2O3水溶液との比が約1:1である、上記[11]に記載の方法。
[13]
式IIの化合物を調製する方法であって、
式I
【化20】
の化合物をビス−N,O−トリメチルシリルアセトアミドと接触させるステップと、
式II
【化21】
の化合物を形成するステップと
を含み、化合物Iとビス−N,O−トリメチルシリルアセトアミドとのモル比が1:1.1であり、前記接触させるステップを約22℃から約70℃で実施する、方法。
[14]
前記接触させるステップが、化合物IをCH3CNと接触させることをさらに含む、上記[13]に記載の方法。
[15]
前記ビス−N,O−トリメチルシリルアセトアミドで処理された反応混合物をアリールスルホニルクロリドと接触させるステップをさらに含む、上記[14]に記載の方法。
[16]
式Iの化合物とアリールスルホニルクロリドとのモル比が約1:2から約2:1である、上記[15]に記載の方法。
[17]
式Iの化合物とアリールスルホニルクロリドとのモル比が約1:1.1である、上記[16]に記載の方法。