(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記気液混合部に一定量の液体を供給する液体供給機構と、前記気液混合部に一定量の気体を供給する気体供給機構とを備え、前記泡吐出口から一定量の泡を吐出させる電動式の定量吐出装置であり、前記空洞の容積が、一回の泡の吐出量の0.05〜2倍である、請求項1又は2に記載の泡吐出装置。
前記空洞の中心を通る前記ノズル部の縦断面において、該空洞の内壁面が、前記気液混合部の出口の外縁と、第2多孔体の外縁とを結んだ仮想直線よりも空洞の内側に入り込んだ部分を有する、請求項4に記載の泡吐出装置。
前記泡吐出口の外部側の開口部の開口周縁部は、前記泡吐出口の周方向に直交する方向の幅が、3mm以下の先端を有している、請求項1〜7の何れか1項に記載の泡吐出装置。
前記泡吐出口の前記正面視形状が、長軸と短軸との比(長軸/短軸)が1.2倍以上の楕円若しくは長円、真円又は長軸と短軸との比(長軸/短軸)が1.2倍未満の楕円若しくは長円の複数の組み合わせ、輪郭が複数の直線部のみからなる形状、輪郭が曲線部と直線部との組み合わせからなる形状、輪郭が曲率の異なる複数の曲線部を含む形状、輪郭にV字状の屈曲部を有する形状、又はこれらの2以上の組み合わせである、請求項1〜11の何れか1項に記載の泡吐出装置。
前記第1多孔体から前記泡吐出口の前記空洞側の前記開口部までの距離は、該空洞の断面積の最大値から算出した該空洞の円相当径の、10%以上であり、また100%以下である、請求項1〜14の何れか1項に記載の泡吐出装置。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明をその好ましい実施形態に基づいて説明する。
図1に示すように、本発明の一実施形態である泡吐出装置1は、液体20を気体と混合して泡状に吐出させるノズル部3を備えた泡吐出装置であり、液体20が液体石鹸であり、気体が空気である。本実施形態の泡吐出装置1によれば、ノズル部3の下に、ヒトの手やスポンジ等の泡受け体8を配置することにより泡が一定量吐出され、該泡受け体8上に、泡の造形物Bを所望の所定形状に安定して形成することができる。
図1には、ヒトの手である泡受け体8の手の平上に泡を吐出させ、該手の平上にハート状の輪郭を有する泡の造形物Bを形成する例が示されているが、ヒトの手が泡受け体8である場合、その手の甲上に泡を吐出させても良い。
泡受け体8は、ノズル部3から吐出される泡を受け止める身体の一部や物であり、前述したヒトの手やスポンジの他、雑巾や清掃シート、机の上等であっても良い。
【0010】
より具体的に説明すると、本実施形態の泡吐出装置1は、電動式の泡吐出装置であり、液体20の貯留部2と、ノズル部3と、貯留部2内の液体20をノズル部3に供給する液体供給機構4と、周囲の空気(気体)を取り込んでノズル部3に供給する気体供給機構5と、所定の信号が入力されたときに、液体供給機構4及び気体供給機構5を自動的に一定時間駆動させる制御部6を備えている。本実施形態の泡吐出装置1は、ノズル部3の下にヒトの手やスポンジ等の泡受け体8が配されたことを検知する非接触式のセンサー7を備えており、センサー7が泡受け体8を検知したときの検知信号が入力されたときに、制御部6は、自動的に液体供給機構4及び気体供給機構5を一定時間駆動させる。
【0011】
貯留部2は、容器本体21と容器本体21の上端開口部を気密に閉鎖可能なキャップ22とを有する容器からなる。液体供給機構4は、電動モータを備えた液体ポンプ41、第1の接続管42及び第2の接続管43を有し、制御部6による制御下に液体ポンプ41が作動している間、貯留部2内からの液体20の吸い上げ及び吸い上げた液体20のノズル部3への供給が行われる。液体ポンプ41としては、例えば、例えば渦巻ポンプ等の遠心式ポンプや、シリンジポンプ、ギヤポンプ、ダイヤフラムポンプ、ピエゾポンプ等の容積式ポンプ等が好ましく用いられる。気体供給機構5は、電動モータを備えた空気ポンプ51及び給気管52を有し、制御部6による制御下に空気ポンプ51が作動している間、吸入孔(図示せず)からの外気の吸入及び吸入した空気のノズル部3への供給が行われる。空気ポンプ51としては、例えば、例えば渦巻ポンプ等の遠心式ポンプや、シリンジポンプ、ギヤポンプ、ダイヤフラムポンプ、ピエゾポンプ等の容積式ポンプ等が好ましく用いられる。
第1の接続管42,第2の接続管43及び給気管52としては、例えば、ゴムや合成樹脂製のチューブ、金属製の配管等が用いられる。第1の接続管42,第2の接続管43及び給気管52は、可撓性を有することが好ましい。
【0012】
制御部6は、演算処理部、記憶部及び電源部を有しており、液体ポンプ41の電動モータ、空気ポンプ51の電動モータ及びセンサー7と電気的に接続されている。演算処理部はCPU,MPU等のマイクロプロセッサを備えており、記憶部はROMやRAMを備え、演算処理部に所定の処理を行わせるためのプログラムや各種データが格納されている。制御部6は、ノズル部3の下にヒトの手やスポンジ等の泡受け体8を配した際にセンサー7が検知した信号を受けて、液体ポンプ41及び空気ポンプ51の各電動モータの駆動が開始されるように制御する。電源部は、液体ポンプ41及び空気ポンプ51の電動モータや制御部等に電力を供給する。電源部は、乾電池の収納ボックス、2次電池、又は内蔵若しくは外付けのAC−DC変換機等からなる。センサー7としては、焦電センサーや、赤外発光ダイオードと赤外受光ダイオードとからなるセンサー等、例えば人感センサーとして知られる公知の各種のセンサーを使用することができる。
【0013】
泡吐出装置1におけるノズル部3は、
図2に示すように、液体と気体とを混合させる気液混合部32及び気液混合部32の下流に配置された第1多孔体33を備えた泡発生機構31を備えている。気液混合部32は、合流部32a、連絡路32b及び混合室32cを有している。
ノズル部3は、筒状のケース本体35とその上端開口部に気密に装着されたキャップ35dとを備えたフォーマーケース34を備えている。フォーマーケース34は、その底部中央、より具体的にはケース本体35の底部中央に上下に貫通する貫通孔35aを有し、フォーマーケース34の底部における貫通孔35aを囲む周辺部に、上方に向かって突出する筒状支持部35b及び下方に向かって突出する接続用筒状部35cが形成されている。
【0014】
本実施形態の泡吐出装置1における泡発生機構31は、フォーマー部材36と筒状のジョイント部材37とを備えており、気液混合部32は、フォーマー部材36とジョイント部材37とで形成されている。気液混合部32の前記合流部32aは、フォーマー部材36のガイドロッド部36bとその周囲に位置する突出部36cとの間の環状の凹部内に形成されており、前記連絡路32bは、該環状の凹部から混合室32cまでの貫通孔から形成されている。
また、フォーマー部材36は、フォーマーケース34の筒状支持部35bの上端部分に嵌め込まれる円筒形状部分36aを備えており、気液混合部32の前記混合室32cは、このフォーマー部材36の円筒形状部分36aの内部に形成されている。即ち、この円筒形状部分36aの内側が、内容液と空気とを混合させる混合室32cとなっている。なお、フォーマー部材36においては、円筒形状部分36aの上端部の内周面から支持された状態で、位置合わせ用のガイドロッド部36bが上方に向かって突出している。
【0015】
ジョイント部材37は、大径筒状部37aと小径筒状部37cと接続用筒状部37dとを備えている。大径筒状部37aは、フォーマーケース34の筒状支持部35bの外径と同様の内径を有している。小径筒状部37cは、段差部37bを介して大径筒状部37aの上方に連設されている。接続用筒状部37dは、段差部を介して小径筒状部37cの上方に連設されている。ジョイント部材37は、小径筒状部37cにフォーマー部材36のガイドロッド部36bを挿入しつつ、大径筒状部37aを筒状支持部35bの上端部分に嵌め込むことによって、筒状支持部35bに取り付けられる。フォーマー部材36のガイドロッド部36bは、ジョイント部材37の小径筒状部37cの内側に挿入配置されて、フォーマー部材36とジョイント部材37との位置合わせを容易にする。
【0016】
またジョイント部材37は、小径筒状部37cがキャップ35dを上下に貫通した状態にケース本体35に保持されており、小径筒状部37cの上方に連設する接続用筒状部37dには、液体供給機構4の第2の接続管43が接続されている。詳細には、接続用筒状部37dの内周面に、第2の接続管43の外周面が密着されている。また小径筒状部37cの内周面には、縦方向に線状に延設して複数の液体流通溝が形成されている。液体供給機構4によって供給された液体は、小径筒状部37cの内周面の液体流通溝を介して、合流部32aに移送され、該合流部32aにおいて気体と合流する。
またキャップ35dには、上下に貫通する貫通孔35e及びその周囲から上方に延在する接続用筒状部35fが形成されており、接続用筒状部35fには、気体供給機構5の給気管52が接続されている。詳細には、接続用筒状部35fの外周面に、給気管52の内周面が接続されている。また大径筒状部37aの内周面には、縦方向に線状に延設して気体流通溝が形成されている。また、気体供給機構5によって供給された空気は、フォーマーケース34の内周面とジョイント部材37の外周面との間の空間を流れ、ジョイント部材37の下端側から、この気体流通溝内に入り、気体流通溝内を流れて合流部32aに到達する。なお、気体流通溝は、ジョイント部材37の大径筒状部37aの天面部の内面にも水平方向に延びて複数本形成され、段差部37bの内面にも、上下方向に延びて複数本形成されている。
【0017】
フォーマー部材36は、ガイドロッド部36bの下部の周囲に、筒状の突出部36cが形成されている。突出部36cは、ガイドロッド部36bの外周面との間に一定の間隔を隔てて形成されており、ガイドロッド部36bと突出部36cとの間に、環状の凹部が形成されている。この環状の凹部内は、前述した合流部32aとして機能する。また、この凹部の底部には、所定の間隔で上下に貫通する複数の貫通孔が形成されており、これらの貫通孔が前述した連絡路32bとして機能する。前述した気体流通溝は、筒状の突出部36cと対向するジョイント部材37の内周面にも延在しており、ジョイント部材37の下端側から気体流通溝内に入った空気は、気体流通溝を通って筒状の突出部36cの上端位置まで達し、そこから前述した合流部32aに噴射される。
【0018】
合流部32aにおいて気体と合流した液体は、本装置1における気液混合部32である、合流部32a、連絡路32b及び混合室32cを流れる間に気体と混合されて粗い泡を生じ、更に、本装置1における気液混合部32の出口である、フォーマー部材36の円筒形状部分36aの下端開口部に配置された第1多孔体33を通過することによって微小な泡が集合したフォーム状の泡となり、第1多孔体33の下面から泡の吐出路へと送り出される。第1多孔体33としては、合成樹脂製若しくは金属製のメッシュシート、金属粒子の焼結体、3次元的な網目構造を有する合成樹脂のスポンジ状成形体等を用いることができる。第1多孔体33の固定方法としては、ヒートシール、超音波シール、接着剤、大径筒状部37aの下端部への嵌め込み等の各種公知の方法を採用できる。
【0019】
また、泡吐出装置1におけるノズル部3は、
図2に示すように、第1多孔体33の下方に、空洞3B及び空洞3Bを通った泡を外部に吐出させる泡吐出口39aを備えている。空洞3Bは、泡の吐出方向Tと直交する平面による断面積が、気液混合部32の出口32dの面積より大きい部分である。
本装置1における気液混合部32の出口32dの面積は、フォーマー部材36の円筒形状部分36aの下端開口部の面積である。また、泡の吐出方向Tと直交する平面による断面積とは、当該平面で切断したときの断面の面積である。
【0020】
本装置1における空洞3Bは、
図2に示すように、フォーマーケース34の下方に結合した水平拡散促進部材38の内部に形成された下部空間3Cと、第1多孔体33と下部空間3Cとの間に位置する上部空間3Dとからなる。上部空間3Dは、フォーマーケース34の底部における貫通孔35aを形成する筒状体35gの内部に形成される中空部における、第1多孔体33より下方に位置する部分である。本装置1における筒状体35gは、前述した筒状支持部35b、貫通孔35a及び接続用筒状部35cから形成されている。他方、下部空間3Cは、水平拡散促進部材38の内部に形成された中空部のうち、接続用筒状部35cより下方に位置している部分である。
【0021】
下部空間3C及び上部空間3Dは、何れも、泡の吐出方向Tと直交する平面による断面積が、ノズル部3の高さ方向の全域に亘って、気液混合部32の出口32dの面積よりも大きくなっている。
空洞3B(下部空間3C,上部空間3D)は、第1多孔体33の下面から泡吐出口39aの下端開口部39cに至る泡吐出路3aに設けられており、泡発生機構31により形成されたフォーム状の泡は、泡の吐出方向Tと直交する平面による断面積が、該空洞3B内、特に下部空間3C内において急速に拡大する。なお、フォーム状の泡の断面積が拡大するのは、一回の定量吐出中においても、第1多孔体33から空洞3B内に、フォーム状の泡がつぎつぎに送り込まれるからである。
【0022】
水平拡散促進部材38は、フォーマーケース34の外周面より大径の外周面を有し、水平拡散促進部材38を上下方向に貫通する中空部を有している。水平拡散促進部材38の上端部には、中空部を囲むように突設された接続用筒状部38bを有し、その接続用筒状部38bの内側にフォーマーケース34の接続用筒状部35cが嵌合することによって、フォーマーケース34の下方に連結されている。水平拡散促進部材38の内部に形成された下部空間3Cは、上端より下端の内径が大きい内周面を有し、泡の吐出方向Tと直交する平面による断面積が上方から下方に向かって拡大している。また、水平拡散促進部材38の中空部の下端部に、吐出口形成部材39が嵌め込まれて固定されている。本実施形態における下部空間3Cは、泡の吐出方向Tと直交する平面による断面積が上方から下方に向かって漸次拡大する断面積拡大部38cと、泡の吐出方向Tと直交する平面による断面積が上下方向に亘って一定の断面積非変化部38dとを有している。本実施形態においては、上部空間3Dも、泡の吐出方向Tと直交する平面による断面積が上下方向に亘って一定である。
【0023】
なお、空洞3Bの断面形状、また空洞3Bを形成するためのフォーマーケース34及び水平拡散促進部材38の形状は、本実施形態の形状には制限されず、泡吐出装置1のデザイン、泡の吐出量等を考慮して、任意に設計できる。例えば、上部空間3Dは、泡の吐出方向Tと直交する平面による断面積が上方から下方に向かって漸次拡大してもよく、下部空間3Cは、断面積非変化部38dを具備しなくてもよい。また、水平拡散促進部材38の断面積拡大部38cの外側は、中空部の形状と同様に漸次拡大する形状としてもよい。
【0024】
図2に示すように、空洞3Bの中心を通るノズル部3の縦断面において、該空洞3Bの内壁面は、気液混合部32の出口の外縁と後述の第2多孔体40の外縁とを結んだ仮想直線Lpよりも空洞の内側に入り込んだ部分bを有することが、空洞3Bの容積が減少して、吐出レスポンスや、泡が液に戻った時の液ダレ防止効果が向上する観点から好ましい。
また、図示しないが、空洞3Bの内壁面に、空洞3Bの中央側から外側下方に延びる溝又は凸部を複数本設けることも、空洞3B内に、フォーム状の泡の滞留時間が長くなって泡が液に戻ったときに液ダレ防止効果が得られるため好ましい。また、それらの溝又は凸部は、放射状に設けることが好ましく、高さ方向に多段状に設けることも好ましい。
【0025】
水平拡散促進部材38の下端部には、吐出口形成部材39が嵌め込まれて固定されている。本実施形態における空洞3Bは、気液混合部32の出口に配置された第1多孔体33の下面から吐出口形成部材39の上面までの空間であって、泡の吐出方向Tと直交する平面による断面積が、第1多孔体33の面積より大きい部分である。
泡の吐出方向Tは、空洞3Bの中心軸と平行な方向であり、例えば、空洞3Bが、円柱状、円錐状等の回転体状の形状を有する場合、泡の吐出方向Tは、当該回転体の回転軸と平行な方向である。空洞3Bの中心軸の延在方向が一義的に定まらない場合、泡の吐出方向Tは、泡吐出口39aの空洞3B側の開口面と交差する方向、好ましくは直交する方向である。泡吐出装置1は、ノズル部3の泡の吐出方向Tを、鉛直方向と一致させて使用することが好ましい。本実施形態は、気液混合部32の出口32dからの泡の吐出方向Tは、鉛直方向である。また、本実施形態のノズル部3は、液体20および泡の進行方向である上方から下方に向かう方向は、鉛直方向である。「鉛直方向と一致」という表現には、泡の吐出方向Tが鉛直方向と平行である場合と、泡の吐出方向Tが鉛直方向に対して傾斜しているが、その傾斜角度が5°以内である場合とが含まれる。
なお、
図3に示すように、本実施形態のノズル部3の構成部材は、中心軸が一致している。
【0026】
空洞3Bは、泡の吐出方向Tと直交する平面による断面積の最大値が、気液混合部32の出口の面積の好ましくは2倍以上であり、より好ましくは10倍以上、更に好ましくは50倍以上であり、また好ましくは1000倍以下、より好ましくは200倍以下、更に好ましくは100倍以下であり、また好ましくは2倍以上1000倍以下、より好ましくは10倍以上200倍以下、更に好ましくは50倍以上100倍以下である。
また、空洞3Bは、泡の吐出方向Tと直交する平面による断面積の最大値が、好ましくは0.5cm
2以上であり、より好ましくは2.8cm
2以上であり、また好ましくは300cm
2以下、より好ましくは30cm
2以下である。
【0027】
空洞3Bの断面積の最大値は、泡の吐出方向Tと直交する平面による空洞3Bの断面積が最大となる部位の断面積であり、本実施形態のノズル部3においては、断面積非変化部38dの断面積である。空洞3Bは、断面積が最大値となる部位を、泡吐出口39aに隣接する部位又は第2多孔体40の上方直前に有することが好ましい。
本実施形態における空洞3Bは、泡の吐出方向Tと直交する平面による断面積が、第1多孔体33の下面から吐出口形成部材39の上面までの全域に亘って、気液混合部の出口32dの面積より大きいが、本発明における空洞は、泡の吐出方向Tの一部に、前記断面積が気液混合部の出口の面積より小さい部分を有するものであっても良い。
【0028】
吐出口形成部材39は、ノズル部3に所定形状の泡吐出口39aを形成する部材であり、好ましくは非円形形状の泡吐出口39aを形成する部材である。泡吐出口39aの形状は、泡吐出口39aをその正面から視た形状(ノズル部3の下側から視た形状)であり、
図1〜
図5には、泡吐出口39aの形状を、非円形形状であるトランプのハート形の形状とした場合が示されている。
本実施形態におけるノズル部3は、
図2及び
図4に示すように、泡吐出口39aの空洞3B側の開口面積が、空洞3Bの断面積の最大値より小さい。
泡吐出口39aは、空洞3B側に開口する開口部と、該空洞側とは反対側に開口する外部側の開口部とを有しており、泡吐出口39aの空洞3B側の開口面積は、空洞3B側に開口する開口部の面積であり、
図4においては、ハート形の閉じた曲線の内側の面積である。泡吐出口39aの空洞3B側の開口面積は、泡吐出口39aに隣接する部位(本実施形態では、前述した断面積非変化部38d)における該空洞3Bの断面積より小さいことが好ましい。
【0029】
泡吐出口39aの空洞3B側の開口面積は、空洞3Bの断面積の最大値の好ましくは50%以下であり、より好ましくは30%以下、更に好ましくは20%以下であり、また好ましくは1%以上、より好ましくは5%以上、更に好ましくは10%以上である。また、泡吐出口39aの前記開口面積は、空洞3Bの断面積の最大値の、好ましくは1%以上50%以下であり、より好ましくは5%以上30%以下であり、更に好ましくは5%以上20%以下である。
また、泡吐出口39aの前記開口面積は、好ましくは0.5cm
2以上であり、また好ましくは1cm
2以上であり、また好ましくは10cm
2以下、より好ましくは5cm
2以下である。
【0030】
また、泡吐出口39aの空洞3B側の開口面積は、前述した気液混合部32の出口32dの面積よりも大きいことが好ましく、泡吐出口39aの空洞3B側の開口面積は、気液混合部32の出口32dの面積の、好ましくは1倍以上、より好ましくは2倍以上であり、また好ましくは20倍以下、より好ましくは10倍以下であり、また好ましくは1倍以上20倍以下、より好ましくは2倍以上10倍以下である。
なお、泡吐出口39aの開口形状には、特に制限はなく、
図4のようにハート型に形成された1つの閉じた開口形状でもよく、複数の閉じた開口形状(例えば、離間した円形が複数形成されたもの等)を有していても良い。即ち、一つの空洞3Bに対して複数の泡吐出口39aを有していてもよい。複数の泡吐出口39aを有する場合には、泡吐出口の開口面積は、全ての泡吐出口の開口面積を合計した総合面積となる。
【0031】
本実施形態における吐出口形成部材39は、その上面における、泡吐出口39aの周囲に、該泡吐出口39aを囲む環状の連続平面を形成している。
空洞3Bは、フォーム状の泡を、泡吐出口39aが延在する方向への拡散性を向上させる観点から、泡吐出口39aの空洞3B側の開口部の周囲に、空洞3B側に向けられた平坦面39dを有することが好ましい。その平坦面39dは、泡の吐出方向Tと直交する方向に延在していることが好ましく、また、本実施形態におけるように、泡吐出口39aを囲む環状の連続平面であることが好ましい。
【0032】
本実施形態の泡吐出装置1によれば、ノズル部3の下にヒトの手やスポンジ等の泡受け体8を配すると、センサー7がそれを検知して、制御部6に検知信号を送る。センサー7からの信号を受けた制御部6は、液体供給機構4及び気体供給機構5を一定時間駆動させる。それにより、液体供給機構4によってノズル部3に一定量の液体が供給されるとともに、気体供給機構5によってノズル部3に一定量の空気が供給され、それによって、ノズル部3の泡吐出口から一定量のフォーム状の泡が、ヒトの手やスポンジ等の泡受け体8上に吐出される。
【0033】
本実施形態の泡吐出装置1によれば、第1多孔体33の下面から泡吐出口39aの下端開口部39cに至る泡吐出路3aに前述した空洞3Bが設けられ、その下流に泡吐出口39aを有するため、泡吐出路3a中を流れるフォーム状の泡は、空洞3B内において泡の吐出方向Tに直交する方向に拡散し、泡吐出口39aの各部位から平均化された速度で、手の平やスポンジ等の泡受け体8上に吐出される。
そのため、泡吐出口39aの開口形状を工夫することで、所望の輪郭を有し、該輪郭の形状が明瞭な泡の造形物Bを、ヒトの手の平や手の甲、スポンジの表面等に形成させることができ、例えば、石鹸や薬液を手の平や手の甲に付けて行う手や顔の洗浄や、石鹸や薬液をスポンジの表面に付けて行う食器、風呂、台所等の洗浄に、楽しさや新鮮さを付与することができる。
【0034】
このような観点から、ノズル部3の泡吐出口39aは、泡吐出口39aをノズル部の下側から視た形状である正面視形状が非円形形状であることも好ましい。非円形形状には、真円や長軸と短軸との比(長軸/短軸)が1.2倍未満の楕円や長円は含まれないが、長軸と短軸との比(長軸/短軸)が1.2倍以上の楕円や長円は含まれる。また、真円や長軸と短軸との比(長軸/短軸)が1.2倍未満の楕円や長円でも、これらが複数形成された泡吐出口39aである場合には非円形形状に含まれる。非円形形状には、真円や長軸と短軸との比(長軸/短軸)が1.2倍未満の楕円又は長円である場合以外の多様な形状が含まれる。
非円形形状の泡吐出口39aにより形成される造形物Bの所定形状としては、例えば、三角形、四角形、菱形、星形、トランプの、ハート形、クローバー形、スペード形、ウサギや猫、象、クマ等の動物やゲームのキャラクタの全身や顔等の身体の一部の輪郭を模した形状、花や植物、その果実、飛行機、自動車、ヨット等の乗り物の輪郭を模した形状等が挙げられる。泡吐出口39aの好ましい正面視形状としての非円形形状としては、造形物Bの形状として例示した上記の各形状を吐出するため、長軸と短軸との比(長軸/短軸)が1.2倍以上の楕円又は長円、真円や長軸と短軸との比(長軸/短軸)が1.2倍未満の楕円又は長円の複数の組み合わせ、輪郭が複数の直線部のみからなる形状、輪郭が曲線部と直線部との組み合わせからなる形状、輪郭が曲率の異なる複数の曲線部を含む形状、輪郭にV字状の屈曲部を有する形状、又はこれらの2以上の組み合わせ等が挙げられる。長円形は長穴形状である。
【0035】
図6(a)〜
図6(g)は、本発明の泡吐出装置によって製造される泡の造形物Bの平面視形状及びその形状の造形物を得るための泡吐出口39aの形状を併せて示す模式平面図である。
図6(a)には、動物のアヒルの全身の輪郭を模した形状の泡の造形物B及びその造形物を得るための非円形形状の泡吐出口39aが示されており、
図6(b)には、三角形状の泡の造形物B及びその造形物を得るための非円形形状の泡吐出口39aが示されており、
図6(c)には、乗り物の一例である飛行機の輪郭を模した形状の泡の造形物B及びその造形物を得るための非円形形状の泡吐出口39aが示されており、
図6(d)には、花の輪郭を模した形状の泡の造形物B及びその造形物を得るための非円形形状の泡吐出口39aが示されている。
図6(e)〜
図6(g)には、円形や楕円の吐出口が複数形成されている場合の非円形形状の泡吐出口39a及び該泡吐出口39aよりできる造形物Bの形状の例が示されている。
図6(e)には、羽子板の羽状の形状を泡の造形物B及びその造形物を得るための非円形形状の泡吐出口39aが示されており、
図6(f)には、動物又はヒトの顔を模した平面視形状の泡の造形物B及びその造形物を得るための非円形形状の泡吐出口39aが示されており、
図6(g)には、動物の身体の一部であるウサギの顔を模した形状の泡の造形物B及びその造形物を得るための非円形形状の泡吐出口39aが示されている。
【0036】
本実施形態の泡吐出装置1は、
図2に示すように、ノズル部の泡吐出口39aに第2多孔体40を備える。第2多孔体40としては、合成樹脂製若しくは金属製のメッシュシート、金属粒子の焼結体、3次元的な網目構造を有する合成樹脂のスポンジ状成形体等を用いることができる。第2多孔体40の泡吐出口39aへの固定方法としては、例えば、吐出口形成部材39の上端面における、泡吐出口39aを囲む周辺部分に、第2多孔体40を、ヒートシール、超音波シール、接着剤等により接合する方法や、泡吐出口39aの内部に、泡吐出口39aの内周面の形状と同様の外周面の形状を有するように形成した第2多孔体40を嵌め込む方法等の各種の方法を採用できる。
泡吐出口39aに第2多孔体40を配することで、第1多孔体33を介して供給されるフォーム状の泡が、空洞3Bにおいて一層良好に水平方向に拡散し、泡吐出口39aから、泡吐出口39aの全域に亘って平均化された速度で吐出される。
これにより、ヒトの手の平等の泡受け体8の表面に、輪郭の形状が一層明瞭な泡の造形物Bが形成される。また、第2多孔体40の存在によって、一層、キメの細かいフォーム状の泡が得られ、輪郭の形状が明瞭な泡の造形物Bが一層得られやすくなる。第2多孔体40は、第1多孔体33と孔径が同じであっても異なっていても良い。
【0037】
第2多孔体40の面積(上面又は下面の面積)は、泡吐出口39aの空洞3B側又は外部側の開口面積以上であることが好ましく、泡吐出口39aの空洞3B側の開口面積より大きいことがより好ましい。また第2多孔体40を、吐出口形成部材39の空洞3B側に配置する場合、第2多孔体40は、吐出口形成部材39の空洞3B側の全面にあることが一層好ましい。本実施形態の泡吐出装置1は、空洞3Bの底面が、吐出口形成部材39の上面から形成されており、第2多孔体40が、吐出口形成部材39の上面上の、泡吐出口39aと重なる部位を含む全域に亘って配されている。
また第2多孔体40の面積(上面又は下面の面積)は、気液混合部32の出口32dの面積より大きいことが好ましい。
【0038】
なお、輪郭の形状が明瞭な泡の造形物Bが形成されやすくなる点から、第1多孔体33から泡吐出口39aの空洞側の開口部までの距離h(
図2参照)は、空洞3Bの断面積の最大値から算出した空洞の円相当径の、好ましくは10%以上、より好ましくは20%以上であり、また好ましくは100%以下、より好ましくは50%以下である。
前記距離h(
図2参照)は、空洞の前記円相当径よりも小さいことが好ましい。
【0039】
本実施形態の泡吐出装置1におけるノズル部3の泡吐出口39aは、
図2及び
図5に示すように、外部側の開口部の開口周縁部39eが泡の吐出方向Tに突出している。「外部側の開口部」とは、空洞3B側の開口部とは反対側に開口する開口部である。泡吐出装置1の通常の使用状態においては、前記開口周縁部39eは、ノズル部3の下方に向かって突出する。また、その突出した開口周縁部39eは、
図2に示すように、突出方向における基端39f側の幅W2より先端の幅W1が狭くなっている。ここでいう幅W2及び幅W1は、
図2に示すように、開口周縁部39eの延在方向(泡吐出口39aの周方向)に直交する方向の幅である。外部側の開口周縁部39eを突出させることにより、泡吐出口39aから吐出されたフォーム状の泡が泡吐出口39aの周囲に付着することによって泡の形状に乱れが生じることを防止でき、所望の形状の泡の造形物Bが得られやすくなる。また、その突出した開口周縁部39eを、基端側の幅W2より先端の幅W1を狭くすることにより、泡吐出口39aの周囲への泡の付着を一層軽減することができ、輪郭の形状が明瞭な泡の造形物Bが一層得られやすくなる。
同様の観点から、突出した開口周縁部39eは、
図2に示すように、先端部の断面形状が先細り形状であることがより好ましく、突出方向の先端部の両側それぞれに、泡の吐出方向Tに対して傾斜したテーパー面を有することも好ましい。
【0040】
突出した開口周縁部39eの先端39gは、開口周縁部39eの延在方向(泡吐出口39aの周方向)に直交する方向の幅W1が、好ましくは3mm以下であり、より好ましくは2mm以下であり、更に好ましく1mm以下であり、また好ましくは0mmより大きく、より好ましくは0.2mm以上、更に好ましくは0.3mm以上である。
図2及び
図5には、突出した開口周縁部39eが、先端39gに細幅の環状平面を有する例を示したが、突出した開口周縁部39eは、先端に平面を有しないものであっても良い。
【0041】
また、本実施形態の泡吐出装置1においては、水平拡散促進部材38と吐出口形成部材39とを、水平拡散促進部材38の内周面に形成された凹溝38hに、吐出口形成部材39の外周面に形成された突リブ39hを嵌め込むことによって、両者の境界部を接着させることなく連結してあり、吐出口形成部材39を手で回転させることによって、泡吐出口39aを、泡の吐出方向Tに延びる回転軸周りに位置変更可能である。
例えば、このような方法により泡吐出口39aの向きを変更可能とすることにより、手の平等の泡受け体8上に、所定形状に成形された泡を、所望の向きに吐出させることができる。泡吐出口39aの向きを変えられない場合には、泡吐出装置1を、洗面台の奥にノズル部を手前に向けておく場合と、泡吐出装置1を洗面台の左側にノズル部を右側に向けておく場合と、泡吐出装置1を洗面台の右側にノズル部を左側に向けておく場合とで、手の平上に形成される泡の造形物Bの向きが異なることになるが、泡吐出口39aの向きを変更可能とし、泡吐出装置1の設置場所に応じて泡吐出口39aの向きを異ならせれば、手の平上に、泡吐出装置1の設置場所によらずに同じ向きの泡の造形物Bを形成することができる。
【0042】
泡吐出口39aを、泡の吐出方向Tに延びる回転軸周りに位置変更可能とする方法としては、水平拡散促進部材38と吐出口形成部材39との回転可能に結合する方法に代えて、フォーマーケース34と水平拡散促進部材38との間を回転可能とする方法、ノズル部3を、ノズル部3の全体が回転可能なように泡吐出装置1に取り付ける方法等を採用することもできる。
また泡吐出口39aを、泡の吐出方向Tに延びる回転軸周りに位置変更可能とする方法として、吐出口形成部材39を水平拡散促進部材38に対して脱着自在とし、吐出口形成部材39を、取り外した状態で、回転させ、泡吐出口39aの向きを異なる向きに変えて再度取り付けられるようにしても良い。吐出口形成部材39を脱着自在とすることは、メンテナンス性の向上や、泡の造形物の形状変更が容易等の利点もある。
【0043】
なお、ノズル部3は、全体が合成樹脂製でも良いし、全体又は一部が金属やセラミック等の合成樹脂以外の材料から形成されていても良い。合成樹脂として、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン、ポリスチレン、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリカーボネート、アクリル、ポリアミド、ポリアセタール、塩化ビニル等を用いることができる。
【0044】
また、泡受け体8上に形成される泡の造形物Bの形状保持性を高める観点から、ノズル部3から吐出される泡は、空気と液体との気液比(前者:後者)が、好ましくは5:1〜100:1であり、更に好ましくは10:1〜50:1である。斯かる気液比の泡は、ノズル部3に送る気体と液体の速度や速度比の調整、液体の粘度の調整によって得ることができる。
また、所定形状の泡の造形物Bの形成性を高める観点から、一回の泡の吐出量(見掛けの体積)は、好ましくは5cm
3以上、より好ましくは10cm
3以上であり、また好ましくは100cm
3以下、より好ましくは50cm
3以下である。また好ましくは5cm
3以上100cm
3以下、より好ましくは10cm
3以上50cm
3以下である。
泡の吐出量は、常温常湿常圧(20℃,40RH%,1気圧)の環境下において、メスシリンダーや計量カップ等の、体積を計量可能な容器や容積が既知の容器等に、吐出した泡を入れて計測することができる。
【0045】
また、吐出される泡の成形安定性、液だれ防止性の観点から、空洞3Bの容積は、一回の泡の吐出量(見掛けの体積)の0.05〜2倍が好ましく、0.1〜1倍がより好ましく、0.2〜0.8倍が更に好ましい。また、この空洞3Bの容積の、一回の泡の吐出量(見掛けの体積)に対する比率は、泡吐出装置1の使用頻度が低い場合には、1倍未満が好ましい。
なお、空洞3Bの容積は、第1多孔体33の下面から泡吐出口39aの空洞3B側の開口部39bの位置までの空間の容積であり、例えば、
図2に示すように、泡吐出口39aが開口する吐出部形成部材の上面39d上に第2多孔体40が配置されている場合であっても、第2多孔体40が配置されていないものとして空洞3Bの容積を求める。また、第1多孔体33の下面から泡吐出口39aが開口する吐出部形成部材の上面39dまでの間に、泡の吐出方向と直交する平面による断面積が気液混合部の出口の面積より小さい部分を有する場合、その部分の容積も含めて空洞3Bの容積を求める。
【0046】
本発明は上記実施形態に限定されることなく種々の変更が可能である。
例えば、前述した実施形態におけるノズル部は、複数の部材から構成されていたが、2以上の部材を一体成形したり、一体成形されている単一の部材を複数部材を結合したものに置換することもできる。泡吐出口39aが、複数あってもよい。その場合、共通する空洞3Bを通過した泡を複数の泡吐出口39aから吐出させる。
【0047】
また、泡吐出装置は、非接触式のセンサーに代えて、押しボタンや接触式のセンサーからの信号を検知してノズル部への気体及び液体の供給を開始するように構成した電動式の泡吐出装置であっても良い。また、液体供給機構は、電動式の空気ポンプ等によって気体を貯留部内に送り込み、送り込んだ気体によって液面が押圧されることによって、押圧された内容液が、一端が内容液中に配されたプラスチックチューブを介してノズル部に送り込まれるものであっても良い。
本発明の泡吐出装置は、手動式の装置であっても良く、例えば、ポンプヘッドの押圧操作を行うことにより空気及び液体がノズル部の泡発生機構に送り込まれるものであっても良い。また、上述した実施形態の泡吐出装置1は、手の配置部を設けた筐体にすべての構成要素を収容したり、基台上にすべての構成要素を保持させたりして、一体として持ち運び可能な装置としても良いし、ノズル部及びその支持部を除く部分を洗面台の下に固定し、持ち運び不可能な装置としても良い。
【0048】
液体は、液体石鹸等の洗浄剤の他、活性剤を付加することで泡状にすることが可能な手指消毒液や、整髪剤、固定剤、育毛剤等の頭髪用化粧料や、化粧水、乳液、美容液等の肌用化粧料や、シェービングフォーム、食器用洗剤等であっても良い。また、気体は、通常、空気であるが、空気に換えて窒素、ヘリウム等の他の気体を用いても良い。
【0049】
上述した実施形態に関し、本発明は更に以下の付記(泡吐出装置等)を開示する。
<1>
液体を気体と混合して泡状に吐出させるノズル部を備えた泡吐出装置であって、
前記ノズル部は、液体と気体とを混合させる気液混合部及び該気液混合部の出口に配置された第1多孔体を備えた泡発生機構と、第1多孔体の下方に位置し、泡の吐出方向と直交する平面による断面積が、前記気液混合部の出口の面積より大きい空洞と、該空洞を通った泡を外部に吐出させる泡吐出口とを有し、前記泡吐出口の前記空洞側の開口面積が前記空洞の前記断面積の最大値より小さい、泡吐出装置。
【0050】
<2>
前記泡吐出口の前記空洞側の開口面積が、該泡吐出口に隣接する部位における前記空洞の前記断面積より小さい、前記<1>に記載の泡吐出装置。
<3>
前記気液混合部に一定量の液体を供給する液体供給機構と、前記気液混合部に一定量の気体を供給する気体供給機構とを備え、前記泡吐出口から一定量の泡を吐出させる電動式の定量吐出装置である、前記<1>又は<2>に記載の泡吐出装置。
<4>
前記泡吐出口に第2多孔体を備える、前記<1>〜<3>の何れか1に記載の泡吐出装置。
【0051】
<5>
前記泡吐出口は、外部側の開口部の開口周縁部が泡の吐出方向に突出している、前記<1>〜<4>の何れか1に記載の泡吐出装置。
<6>
突出する前記開口周縁部は、前記泡吐出口の周方向に直交する方向の幅が、突出方向における基端側の幅より先端の幅が狭い、前記<5>に記載の泡吐出装置
<7>
前記泡吐出口の外部側の開口部の開口周縁部は、前記泡吐出口の周方向に直交する方向の幅が、3mm以下の先端を有している、前記<1>〜<6>の何れか1に記載の泡吐出装置。
<8>
突出した前記開口周縁部は、突出方向の先端側の両側それぞれに、泡の吐出方向に対して傾斜したテーパ面を有する、前記<5>〜<7>の何れか1に記載の泡吐出装置。
<9>
前記泡吐出口を、前記泡の吐出方向に延びる回転軸周りに位置変更可能である、前記<1>〜<8>の何れか1に記載の泡吐出装置。
<10>
前記空洞の中心を通るノズル部の縦断面において、該空洞の内壁面が、前記気液混合部の出口の外縁と、第2多孔体の外縁とを結んだ仮想直線よりも空洞の内側に入り込んだ部分を有する、前記<1>〜<9>の何れか1に記載の泡吐出装置。
【0052】
<11>
前記空洞の内壁面に、該空洞の中央側から外側下方に延びる溝又は凸部が複数本設けられている、前記<1>〜<10>の何れか1に記載の泡吐出装置。
<12>
前記溝又は凸部が、放射状に設けられている、前記<11>に記載の泡吐出装置。
<13>
前記泡吐出装置の使用時に、前記ノズル部の泡の吐出方向が鉛直方向と一致する、前記<1>〜<12>の何れか1に記載の泡吐出装置。
<14>
前記空洞の前記断面積の最大値が、前記気液混合部の出口の面積の、好ましくは2倍以上、より好ましくは10倍以上、更に好ましくは50倍以上であり、また好ましくは1000倍以下、より好ましくは200倍以下、更に好ましくは100倍以下であり、また好ましくは2倍以上1000倍以下、より好ましくは10倍以上200倍以下、更に好ましくは50倍以上100倍以下である、前記<1>〜<13>の何れか1に記載の泡吐出装置。
<15>
前記泡吐出口の前記空洞側の開口面積が、前記気液混合部の出口の面積の、好ましくは1倍以上、より好ましくは2倍以上であり、また好ましくは20倍以下、より好ましくは10倍以下であり、また好ましくは1倍以上20倍以下、より好ましくは2倍以上10倍以下である、前記<1>〜<14>の何れか1に記載の泡吐出装置。
<16>
前記泡吐出口の前記開口面積が、前記空洞の断面積の最大値の好ましくは50%以下、より好ましくは30%以下、更に好ましくは20%以下であり、また1%以上、好ましくは5%以上、更に好ましくは10%以上であり、具体的には、1%以上50%以下、好ましくは5%以上30%以下、更に好ましくは5%以上20%以下である、前記<1>〜<15>の何れか1に記載の泡吐出装置。
【0053】
<17>
前記空洞は、前記泡吐出口の前記空洞側の開口部の周囲に、該空洞側に向けられた平坦面を有する、前記<1>〜<16>の何れか1に記載の泡吐出装置。
<18>
前記泡吐出口は、前記ノズル部の下側から視た形状である正面視形状が非円形形状である、前記<1>〜<17>の何れか1に記載の泡吐出装置。
<19>
前記泡吐出口の非円形形状は、長軸と短軸との比(長軸/短軸)が1.2倍以上の楕円又は長円、真円若しくは長軸と短軸との比(長軸/短軸)が1.2倍未満の楕円又は長円の複数の組み合わせ、輪郭が複数の直線部のみからなる形状、輪郭が曲線部と直線部との組み合わせからなる形状、輪郭が曲率が異なる複数の曲線部を含む形状、輪郭にV字状の屈曲部を有する形状、又はこれらの2以上の組み合わせから選択される、前記<18>に記載の泡吐出装置。
<20>
前記第1多孔体が、合成樹脂製若しくは金属製のメッシュシート、金属粒子の焼結体、又は3次元的な網目構造を有する合成樹脂のスポンジ状成形体である、前記<1>〜<19>の何れか1に記載の泡吐出装置。
<21>
前記泡吐出口に第2多孔体を備えており、前記第2多孔体が、合成樹脂製若しくは金属製のメッシュシート、金属粒子の焼結体、又は3次元的な網目構造を有する合成樹脂のスポンジ状成形体である、前記<1>〜<20>の何れか1に記載の泡吐出装置。
<22>
前記泡吐出口に第2多孔体を備えており、前記第2多孔体の面積は、前記泡吐出口の空洞側又は外部側の開口面積以上である、前記<21>に記載の泡吐出装置。
【0054】
<23>
前記第2多孔体の面積は、前記泡吐出口の空洞側の開口面積より大きい、前記<22>に記載の泡吐出装置。
<24>
前記空洞の底面が、吐出口形成部材の上面から形成されており、第2多孔体が、該吐出口形成部材の上面の、前記泡吐出口と重なる部位を含む全域に亘って配されている、前記<1>〜<23>の何れか1に記載の泡吐出装置。
<25>
前記空洞の底部が、吐出口形成部材から形成されており、第2多孔体が、該吐出口形成部材の空洞側に配置されており、第2多孔体は、該吐出口形成部材の空洞側の全面にある、前記<1>〜<24>の何れか1に記載の泡吐出装置。
<26>
前記泡吐出口に第2多孔体を備えており、第2多孔体の面積は、前記気液混合部の出口の面積より大きい、前記<1>〜<25>の何れか1に記載の泡吐出装置。
<27>
第1多孔体から前記泡吐出口の前記空洞側の前記開口部までの距離hは、該空洞の断面積の最大値から算出した該空洞の円相当径の、好ましくは10%以上、より好ましくは20%以上であり、また好ましくは100%以下、より好ましくは50%以下である、前記<1>〜<26>の何れか1に記載の泡吐出装置。
<28>
前記空洞の容積が、一回の泡の吐出量(見掛けの体積)の0.05〜2倍であり、好ましくは0.1〜1倍、より好ましくは0.2〜0.8倍である、前記<1>〜<27>の何れか1に記載の泡吐出装置。
<29>
前記泡吐出口は、所定形状の泡の造形物が形成されるように構成されている、前記<1>〜<28>の何れか1に記載の泡吐出装置。
<30>
前記泡吐出口から吐出される所定形状の泡は、三角形、四角形、菱形、星形、クローバー形、スペード形、動物やキャラクタの全身若しくは身体の一部の輪郭を模した形状、花、植物、植物の果実若しくは乗り物の輪郭を模した形状の何れかの形状をしている、前記<1>〜<29>の何れか1に記載の泡吐出装置。