(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記下側のストッパー板は、前記搬送コンベアの搬送面を基準として前記下側のストッパー板の接触面の下端の高さ位置が0mmより大きく10mm以下の範囲とし、前記下側のストッパー板の接触面の上下幅は30mm以上35mm以下とし、前記下側のストッパー板の前記容器側への押し込み量を定義する圧縮量が、前記下側のガイド板の接触面から前記容器の幅寸法分だけ前記下側のストッパー板側にずれた位置を基準として、前記下側のガイド板側に0.1mm以上1.2mm以下に設定できるように構成される、
ことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の容器停止装置。
前記上側のストッパー板は、前記搬送コンベアの搬送面を基準として前記上側のストッパー板の接触面の下端の高さ位置が110mm以上130mm以下の範囲とし、上ストッパー板の接触面の上下幅は45mm以上50mm以下とし、前記上側のストッパー板の前記容器側への押し込み量を定義する圧縮量が、前記上側のガイド板の接触面から前記容器の幅寸法分だけ前記上側のストッパー板側にずれた位置を基準として、前記上側のガイド板側に0.5mm以上1.7mm以下に設定できるように構成される、
ことを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載の容器停止装置。
前記中側のストッパー板は、前記搬送コンベアの搬送面を基準として前記中側のストッパー板の接触面の下端の高さ位置が60mm以上80mm以下の範囲とし、前記中側のストッパー板の接触面の上下幅は45mm以上50mm以下とし、前記中側のストッパー板の前記容器側への押し込み量を定義する圧縮量が、稼働位置に設定された前記中側のガイド板の接触面から前記容器の幅寸法分だけ前記中側のストッパー板側にずれた位置を基準として、前記中側のガイド板側に0.5mm以上1.7mm以下に設定できるように構成される、
ことを特徴とする請求項2乃至請求項5のいずれか一項に記載の容器停止装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1、2に開示されるような容器停止装置は、容器を両側から挟持してその動きを停止させるものであるため、想定以上の大きな応力を加えてしまうと、容器の凹み等といった損傷が生じることになる。このような損傷した容器がそのまま搬送され密封されてしまうと、外観不良や密封不良などの不具合に繋がることになる。従って、容器に凹み等の損傷を生じさせないことが要求されるものである。
【0006】
他方、容器が高速で連続的に搬送される状況では、必要なときに瞬時に容器を停止させなければ、容器が下流に流れて詰りを生じさせてしまうなどの不具合も生じ得る。そこで、強い応力を加えて容器を挟持することが好ましいが、上述したように、応力が強すぎると容器に損傷を与えてしまうことになる。
【0007】
従って、所定の応力で容器を確実に停止できる容器停止装置が求められており、容器の損傷の発生を防止するためにも、常に所定の応力で安定して容器を挟持することができ、必要であれば容易に調整ができる構成を実現することが課題となっている。
【0008】
特に、アルミニウム缶などの金属製容器の場合においては、一度凹んだ箇所はそのままとなって外観不良となったり、缶蓋巻締め等による密封時にはアルミニウム缶の軸荷重強度低下によって密封不良を生じる恐れがあるなど、応力の管理は非常に重要なものである。
【0009】
また、容器の低コスト化を図るなどの観点から、金属製容器の薄肉化が進むトレンドがあり、この薄肉化が進むにつれて上記応力の管理がよりシビアになることが考えられ、この状況を踏まえた容器停止装置を実現することが課題となっている。
【0010】
さらに、上記の課題に加え、従来構成では、型替え作業に手間を要するものであり、この型替え作業をさらに短時間で完了できる構成を実現することが課題となっていた。
【0011】
本発明は、以上の課題に鑑み、容器停止装置について、損傷なく容器を確実に停止できるとともに、応力の管理を容易に行うことができ、さらに、容易に型替えを実施できる新規な構成を提案するものである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。
【0013】
即ち、請求項1に記載のごとく、
搬送コンベアにて搬送される容器を搬送方向と直交する方向の両側から挟んで停止させる容器停止装置であって、
ガイドユニットとストッパーユニットが、前記搬送方向と直交する方向に対向して配置され、
前記ガイドユニットには、少なくとも上下二箇所にガイド板が設けられ、
前記ストッパーユニットには、少なくとも上下二箇所にストッパー板が設けられ、各ストッパー板は、それぞれ前記各ガイド板に対向配置され、前記搬送方向と直交する方向に進退するように制御されて前記容器の側面に当接する構成とし、
下側のストッパー板を前記容器の側面に当接させてガイド板との間で容器を挟持する第一動作、
上側のストッパー板を前記容器の側面に当接させてガイド板との間で容器を挟持する第二動作、
が実施可能に構成され、
前記第一動作の単独実施、
前記第一動作と前記第二動作の同時実施、が選択可能に構成される、こととする。
【0014】
また、請求項2に記載のごとく、
下側のガイド板とストッパー板の組、
上側のガイド板とストッパー板の組、
の上下方向の間の位置に、
さらに一組の互いに対向する中側のガイド板と中側のストッパー板が設けられ、
前記中側のガイド板は、前記搬送コンベアの中央から奥まった位置である退避位置と、前記中央に近い位置である稼働位置の二位置に設定可能であり、
前記中側のストッパー板は、搬送方向と直交する方向に進退するように制御されて前記容器の側面に当接する構成とし、
前記中側のガイド板を稼働位置に設定しつつ、前記中側のストッパー板を前記容器の側面に当接させて前記中側のガイド板との間で容器を挟持する第三動作が実施可能に構成され、
前記第一動作と前記第三動作の同時実施、
が可能に構成され、
前記第一動作と前記第二動作の同時実施の際には、前記中側のガイド板が前記退避位置に設定されて、前記第三動作を不実施可能に構成する、こととするものである。
【0015】
また、請求項3に記載のごとく、
前記ガイドユニットは、前記搬送コンベアの本体フレームの一側に立設される縦フレームに支持され、
前記ストッパーユニットは、前記本体フレームの他側に立設される縦フレームに支持され、
前記ガイドユニットと前記ストッパーユニットは、前記搬送コンベアの上方において上連結フレームにより連結される、
こととするものである。
【0016】
また、請求項4に記載のごとく、
前記下側のストッパー板は、前記搬送コンベアの搬送面を基準として前記下側のストッパー板の接触面の下端の高さ位置が0mmより大きく10mm以下の範囲とし、前記下側のストッパー板の接触面の上下幅は30mm以上35mm以下とし、前記下側のストッパー板の前記容器側への押し込み量を定義する圧縮量が、前記下側のガイド板の接触面から前記容器の幅寸法分だけ前記下側のストッパー板側にずれた位置を基準として、前記下側のガイド板側に0.1mm以上1.2mm以下に設定できるように構成される。
【0017】
また、請求項5に記載のごとく、
前記上側のストッパー板は、前記搬送コンベアの搬送面を基準として前記上側のストッパー板の接触面の下端の高さ位置が110mm以上130mm以下の範囲とし、上ストッパー板の接触面の上下幅は45mm以上50mm以下とし、前記上側のストッパー板の前記容器側への押し込み量を定義する圧縮量が、前記上側のガイド板の接触面から前記容器の幅寸法分だけ前記上側のストッパー板側にずれた位置を基準として、前記上側のガイド板側に0.5mm以上1.7mm以下に設定できるように構成される。
【0018】
また、請求項6に記載のごとく、
前記中側のストッパー板は、前記搬送コンベアの搬送面を基準として前記中側のストッパー板の接触面の下端の高さ位置が60mm以上80mm以下の範囲とし、前記中側のストッパー板の接触面の上下幅は45mm以上50mm以下とし、前記中側のストッパー板の前記容器側への押し込み量を定義する圧縮量が、稼働位置に設定された前記中側のガイド板の接触面から前記容器の幅寸法分だけ前記中側のストッパー板側にずれた位置を基準として、前記中側のガイド板側に0.5mm以上1.7mm以下に設定できるように構成される。
【発明の効果】
【0019】
本発明の効果として、以下に示すような効果を奏する。
【0020】
即ち、請求項1に記載の発明においては、第一動作と第二動作の単独/同時実施の切替により、高さの異なる容器に対応することができ、型替えを容易に行うことができる。また、第一動作、第二動作を独立して行うことができるため、各動作についてストッパーにて作用させる応力を管理することができ、容器の凹み等の損傷をより確実に防止できる。そして、これにより、容器の薄肉化のトレンドにも対応することが可能となる。
【0021】
また、請求項2に記載の発明においては、例えば、ミニ缶、レギュラー缶、ホーム缶の高さの異なる3種類の容器の型替えが想定される場合において、
図3(b)に示すように、第一動作と第三動作の同時実施することで、レギュラー缶42を上下二箇所で挟持して停止することができる。また、
図3(c)に示すように、第一動作と第二動作の同時実施の際には、第三動作が実施されないこととすることにより、ホーム缶43の上下方向中途部を不用意に挟持しないようにすることで、ホーム缶43の上下方向中途部における損傷の発生を防ぐことができる。
【0022】
また、請求項3に記載の発明においては、容器停止装置の全体としての剛性が確保され、容器に作用させる所定の応力を安定して発揮することが可能となる。
【0023】
また、請求項4に記載の発明においては、容器の下側について、損傷の発生を抑えながらも、確実に挟持することができる。
【0024】
また、請求項5に記載の発明においては、容器の上側について、損傷の発生を抑えながらも、確実に挟持することができる。
【0025】
また、請求項6に記載の発明においては、中ストッパー板を使う構成において、容器の損傷の発生を抑えながらも、確実に挟持することができる。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、添付図面を参照しながら本発明の容器停止装置をその例示的な実施形態を通して説明する。なお、以下の実施例では、上下方向三箇所においてガイド板とストッパー板を対向させる構成としたが、最小構成としては、最下部を含む上下二箇所に設置される実施形態が考えられ、また、以下の実施例のほかにも上下四箇所に設置するなども考えられる。
【0028】
図1、及び、
図2に示すように、本実施形態の容器停止装置1は、搬送コンベア2に載置されて高速で移送される空缶4を停止させる構成とするものである。この空缶4は、肉厚の薄いアルミニウム缶で構成されており、飲料等の液体内容品が充填されていない空の状態であって、上部に缶蓋が巻締めされておらず開放された容器である。
【0029】
容器停止装置1は、搬送コンベア2に付設されるものであり、搬送コンベア2の搬送方向と直交する方向に対向配置されるガイドユニット10とストッパーユニット20を有して構成される。
【0030】
ガイドユニット10は、搬送コンベア2の本体フレーム2aの一側側部に上方に向けて立設される第一縦フレーム11と、連結フレーム12を介して第一縦フレーム11に連結される第二縦フレーム13と、を有する。なお、本体フレーム2aは、搬送コンベア2の構造部材としての強度を担保するものである。
【0031】
第二縦フレーム13は、第一縦フレーム11よりも搬送コンベア2の幅方向Wの中央C側の位置に寄せて配置される。また、第二縦フレーム13は板状の部材であって、その板面が搬送コンベア2の流れ方向と並行になるように直立して設けられる。
【0032】
第二縦フレーム13には、下から上の順に、下ガイド14、中ガイド15、上ガイド16が支持される。各ガイド14〜16は、それぞれ、空缶4に接するためのガイド板14a,15a,16aを有する。
【0033】
各ガイド板14a,15a,16aは、長手方向を搬送コンベア2の搬送方向とする長方形の板状部材にて構成され、第二縦フレーム13よりも搬送コンベア2の幅方向Wの中央C側の位置に寄せて配置される。
【0034】
ストッパーユニット20は、搬送コンベア2の本体フレーム2aの他側側部に上方に向けて立設される第一縦フレーム21と、連結フレーム22を介して第一縦フレーム21に連結される第二縦フレーム23と、を有する。
【0035】
第二縦フレーム23は、第一縦フレーム21よりも搬送コンベア2の幅方向Wの中央C側の位置に寄せて配置される。また、第二縦フレーム23は板状の部材であって、その板面が搬送コンベア2の流れ方向と並行になるように直立して設けられる。
【0036】
第二縦フレーム23には、下から上の順に、下ストッパー24、中ストッパー25、上ストッパー26が支持される。各ストッパー24〜26は、それぞれ、空缶4に接するためのストッパー板24a,25a,26aを有する。
【0037】
各ストッパー板24a,25a,26aは、長手方向を搬送コンベア2の搬送方向とする長方形の板状部材にて構成され、第二縦フレーム23よりも搬送コンベア2の幅方向Wの中央C側の位置に寄せて配置される。
【0038】
ガイドユニット10の第二縦フレーム13と、ストッパーユニット20の第二縦フレーム23は、搬送コンベア2の幅方向Wにおいて対向し、両者の上部が上連結フレーム31によって連結される。上連結フレーム31の下方となる位置にアッパーガイド32が配置され、このアッパーガイド32により空缶4の上方への移動が規制されるようになっている。
【0039】
搬送コンベア2の上側空間は、搬送ケース6により囲まれており、この搬送ケース6に囲まれる空間内にガイドユニット10とストッパーユニット20が収められる。搬送ケース6は、側部の透明パネル6aを跳ね上げて開放可能に構成されている。
図2に示すように、搬送コンベア2の本体フレーム2aにおいて、透明パネル6aの下端部よりも下方となる位置には電磁弁機構60が付設されており、この電磁弁機構60を介して図示せぬエア供給源からガイドユニット10、ストッパーユニット20への駆動エアの供給制御が行われる。
【0040】
以上の構成において、
図3(a)〜(c)に示すように、空缶のサイズに対応して容器停止装置が稼働される。
図3(a)は、高さの低いミニ缶41が搬送される場合であり、このミニ缶41は液体内容品充填後の容量が250mlとなる空缶である。このような250mlの空缶の仕様は、例えば、胴部の外径が66mm、高さが92.75mm、上部開口部の外径が59.5mm、胴部の肉厚が113μmであることが想定される。
【0041】
図3(b)は、中間の高さを有するレギュラー缶42が搬送される場合であり、このレギュラー缶42は液体内容品充填後の容量が350mlとなる空缶である。このような350mlの空缶の仕様は、例えば、胴部の外径が66mm、高さが122.20mm、上部開口部の外径が59.5mm、胴部の肉厚が93μmであることが想定される。
【0042】
図3(c)は、高さの高いホーム缶43が搬送される場合であり、このホーム缶43は液体内容品充填後の容量が500mlとなる空缶である。このような500mlの空缶の仕様は、例えば、胴部の外径が66mm、高さが166.65mm、上部開口部の外径が59.5mm、胴部の肉厚が105μmであることが想定される。
【0043】
そして、各空缶のサイズに対応できるように、容器停止装置では、次の構成としている。
図1に示すように、ガイドユニット10において、下から上の順に、下ガイド14、中ガイド15、上ガイド16が設けられており、そのうち中ガイド15については、エアシリンダにて構成されるアクチュエータ15bにより中ガイド板15aの位置、即ち、搬送コンベア2の幅方向Wの位置を、搬送コンベア2の中央Cから奥まった位置である退避位置と、中央Cに近い位置である稼働位置の二位置に設定可能とする構成としている。
【0044】
また、ストッパーユニット20において、下から上の順に、下ストッパー24、中ストッパー25、上ストッパー26が設けられており、各ストッパーのストッパー板24a,25a,26aは、エアシリンダにて構成されるアクチュエータ24b,25b,26bにより搬送コンベア2の幅方向Wに進退移動するように制御される構成としている。
【0045】
そして、
図3(a)に示すように、ミニ缶41が搬送される際には、下ガイド14と下ストッパー24によりミニ缶41を挟持することで、ミニ缶41の移動を停止させる。具体的には、図示せぬ制御装置による電磁弁機構60(
図2)の制御により、停止が必要となった際に、アクチュエータ24bが駆動され下ストッパー板24aが搬送コンベア2の中央側へと突出し、これにより、下ガイド板14aと下ストッパー板24aにミニ缶41が挟まれて停止する。
【0046】
図3(b)に示すように、レギュラー缶42が搬送される際には、下ガイド14と下ストッパー24に加え、中ガイド15と中ストッパー25によりレギュラー缶42を挟持することで、レギュラー缶42の移動を停止させる。具体的には、まず、図示せぬ制御装置による電磁弁機構60(
図2)の制御により、ガイドユニット10側の中ガイド15のアクチュエータ15bを作動させ、中ガイド板15aを稼働位置、即ち、搬送コンベア2の中央側に移動した位置に設定する。これにより、中ガイド板15aの位置を下ガイド板14aの位置と一致させた状態とする。そして、停止が必要となった際には、アクチュエータ24b,25bが駆動されストッパー板24a,25aが搬送コンベア2の中央側へと突出し、これにより、レギュラー缶42の下部が下ガイド板14aと下ストッパー板24aに挟まれ、中部が中ガイド板15aと中ストッパー板25aに挟まれて停止する。
【0047】
図3(c)に示すように、ホーム缶43が搬送される際には、下ガイド14と下ストッパー24に加え、上ガイド16と上ストッパー26によりホーム缶43を挟持することで、ホーム缶43の移動を停止させる。具体的には、まず、図示せぬ制御装置による電磁弁機構60(
図2)の制御により、ガイドユニット10側の中ガイド15のアクチュエータ15bを作動させ、中ガイド板15aを退避位置、即ち、搬送コンベア2の中央側と反対側に移動した位置に設定する。これにより、中ガイド板15aの位置を下ガイド板14a及び上ガイド板16aの位置よりも奥まった位置(中央側から離れる位置)に設定する。そして、停止が必要となった際には、アクチュエータ24b,26bが駆動されストッパー板24a,26aが搬送コンベア2の中央側へと突出し、これにより、ホーム缶43の下部が下ガイド板14aと下ストッパー板24aに挟まれ、上部が上ガイド板16aと上ストッパー板26aに挟まれて停止する。この際、中ガイド板15aは退避位置にあり、また、中ストッパー板25aも移動しないため、ホーム缶43の上下方向の中途部には応力がかからない。
【0048】
以上のようにして、搬送される空缶のサイズが変更される型替えに際し、各缶のサイズに応じ、停止の際に作用させるガイド板とストッパー板を変更することで対応できる。そして、この対応は、電磁弁機構60(
図2)の制御により容易に行うことが可能であるため、極めて短時間で型替え作業を終えることができる。
【0049】
そして、各サイズの空缶に対し、それぞれ適切なガイド板とストッパー板を作用させることで、容器の凹み等の損傷が発生することを防ぐことができる。
図4は、一つの好適な実施形態を定義するための図であって、ストッパーユニット20の各ストッパー板24a,25a,26aの構成を説明するものである。
【0050】
下ストッパー板24aについては、搬送コンベア2の搬送面2g(上表面)を基準として下ストッパー板24aの接触面24sの下端24dの高さ位置24hが0mmより大きく10mm以下の範囲とし、下ストッパー板24aの接触面24sの上下幅24wは30mm以上35mm以下とする。また、アクチュエータ24bは、下ストッパー板24aの容器側への押し込み量を定義する圧縮量24Δが、下ガイド板14aの接触面14sの接触面から容器の幅寸法(外径寸法φ)分だけ下ストッパー板24a側にずれた位置を基準として、下ガイド板14a側に0.1mm以上1.2mm以下に設定できるように構成される。
【0051】
中ストッパー板25aについては、搬送コンベア2の搬送面2g(上表面)を基準として中ストッパー板25aの接触面25sの下端25dの高さ位置25hが60mm以上80mm以下の範囲とし、中ストッパー板25aの接触面25sの上下幅25wは45mm以上50mm以下とする。また、アクチュエータ25bは、中ストッパー板25aの容器側への押し込み量を定義する圧縮量25Δが、稼働位置に設定された中ガイド板15aの接触面15sの接触面から容器の幅寸法(外径寸法φ)分だけ中ストッパー板25a側にずれた位置を基準として、中ガイド板15a側に0.5mm以上1.7mm以下に設定できるように構成される。
【0052】
上ストッパー板26aについては、搬送コンベア2の搬送面2g(上表面)を基準として上ストッパー板26aの接触面26sの下端26dの高さ位置26hが110mm以上130mm以下の範囲とし、上ストッパー板26aの接触面26sの上下幅26wは45mm以上50mm以下とする。また、アクチュエータ26bは、上ストッパー板26aの容器側への押し込み量を定義する圧縮量26Δが、上ガイド板16aの接触面16sの接触面から容器の幅寸法(外径寸法φ)分だけ上ストッパー板26a側にずれた位置を基準として、上ガイド板16a側に0.5mm以上1.7mm以下に設定できるように構成される。
【0053】
なお、
図4に示すように、下ガイド板14aは下ストッパー板24aと、中ガイド板15aは中ストッパー板25aと、上ガイド板16aは上ストッパー板26aと、同様の構成(形状、高さ位置、寸法)とすることができる。
【0054】
図5は、下ストッパー24等の構成の一実施形態について示す図である。
下ストッパー板24aには、空缶の搬送方向において上流側に配置されるテーパー面24mと、空缶4を挟持するための垂直面24nが形成される。テーパー面24mは、下流側がより搬送コンベア2の中央Cに近くなるような連続面を形成して垂直面24nに連続する。下ストッパー板24aは、搬送方向にずれた二箇所において稼働プレート24sに連結される。稼働プレート24sは一対の無給油ブッシュ/シャフト仕組24uにより第二縦フレーム23に対して相対移動可能に支持される。稼働プレート24sは、一対の無給油ブッシュ/シャフト仕組24uの間の位置において、アクチュエータ24bのロッド24xに連結されており、ロッド24xの進退に応じて、搬送コンベア2の幅方向Wに進退する。
【0055】
アクチュエータ24bのハウジングには、図示せぬ調整ダイアルが設けられており、この調整ダイアルを操作することで、ロッド24xのストロークを容易に調整できるようになっている。この調整により、上述した圧縮量24Δ(
図4)の微調整/設定が可能となる。
【0056】
以上に説明した下ストッパー24の構成は、中ストッパー25、上ストッパー26においても同様であるが、アクチュエータについては、好ましくは、下ストッパー24にはシリンダ径が比較的大きなもの(例えば20mm径)が選定され、中ストッパー25、上ストッパー26にはシリンダ径が比較的小さなもの(例えば16mm径)が選定される。
【0057】
このようにアクチュエータを選定することにより、下ストッパー24での応力を比較的大きく発生させる一方で、中ストッパー25、上ストッパー26での応力を比較的小さく発生させることが可能となる。なお、ここでいう「比較的」とは、「下ストッパー24」と、「中ストッパー25及び上ストッパー26」の関係におけるものである。
【0058】
そして、中ストッパー25及び上ストッパー26においてシリンダ径が小さく比較的小さい応力を発生させるアクチュエータを採用することで、小さいオーダーでの応力の微調整をより高精度で行うことができる。具体的には、
図3(b)に示すように、レギュラー缶42が搬送される場合において、中ストッパー25を作用させる際には、レギュラー缶42の上部開口部に近い肩部(ショルダ側)に応力が作用するため、開口部に変形が生じ易く、作用させる応力の値に高い精度が要求されるが、この要求に的確に対応することが可能となる。なお、
図3(c)に示すように、ホーム缶43が搬送される場合において、上ストッパー26を作用させる際も同様である。
【0059】
他方、下ストッパー24においては、シリンダ径が大きく比較的大きい応力を発生させるアクチュエータを採用することになるが、空缶の下部(チャイム側)は開口されず底部が存在するため、変形が比較的発生し難い。
【0060】
以上のように、各ストッパーにおいて空缶の変形を考慮して好適なアクチュエータを採用することにより、空缶の損傷をより確実に防止することができる。
【0061】
また、
図5に示すように、下ガイド14の下ガイド板14aは、空缶の搬送方向において上流側に位置するテーパー面14mと、空缶4を挟持するための垂直面14nが形成される。テーパー面14mは、下流側がより搬送コンベア2の中央Cに近くなるような連続面を形成して垂直面14nに連続する。下ガイド板14aは、搬送方向の二箇所において固定プレート14sに連結される。固定プレート14sは一対の連結部材仕組14uにより第二縦フレーム13に対して支持固定される。この下ガイド14の構成は、上ガイド16(
図1)においても同様に適用される。他方、中ガイド15(
図1)については、
図5に示される下ストッパー24と同様の構成にて実現することができる。
【0062】
以上のように本発明を実施することができる。
即ち、
図4に示すように、
搬送コンベア2にて搬送される容器を搬送方向と直交する方向の両側から挟んで停止させる容器停止装置1であって、
ガイドユニット10とストッパーユニット20が、搬送方向と直交する方向に対向して配置され、
ガイドユニット10には、少なくとも上下二箇所にガイド板が設けられ、
ストッパーユニット20には、少なくとも上下二箇所にストッパー板が設けられ、各ストッパー板は、それぞれ前記各ガイド板に対向配置され、搬送方向と直交する方向に進退するように制御されて前記容器の側面に当接する構成とし、
下側のストッパー板を前記容器の側面に当接させてガイド板との間で容器を挟持する第一動作、
上側のストッパー板を前記容器の側面に当接させてガイド板との間で容器を挟持する第二動作、
が実施可能に構成され、
第一動作の単独実施、
第一動作と第二動作の同時実施、
が可能に構成される、こととするものである。
【0063】
これにより、第一動作と第二動作の単独/同時実施の切替だけで、高さの異なる容器に対応することができ、型替えを容易に行うことができる。また、第一動作、第二動作を独立して行うことができるため、各動作についてストッパーにて作用させる応力を管理することができ、容器の損傷をより確実に防止できる。そして、これにより、容器の薄肉化のトレンドにも対応することが可能となる。
【0064】
また、
図4に示すように、
下側の下ガイド板14aと下ストッパー板24aの組、
上側の上ガイド板16aと上ストッパー板26aの組、
の上下方向の間の位置に、
さらに一組の互いに対向する中ガイド板15aと中ストッパー板25aが設けられ、
中ガイド板15aは、搬送コンベア2の中央Cから奥まった位置である退避位置と、中央Cに近い位置である稼働位置の二位置に設定可能であり、
中ストッパー板25aは、搬送方向と直交する方向に進退するように制御されて前記容器の側面に当接する構成とし、
中ガイド板15aを稼働位置に設定しつつ、中ストッパー板25aを前記容器の側面に当接させて中ガイド板15aとの間で容器を挟持する第三動作が実施可能に構成され、
第一動作と第三動作の同時実施、
が可能に構成され、
第一動作と第二動作の同時実施の際には、中ガイド板15aが退避位置に設定されて、第三動作を不実施可能に構成する、
こととするものである。
【0065】
これにより、例えば、ミニ缶41、レギュラー缶42、ホーム缶43の高さの異なる3種類の容器の型替えが想定される場合において、
図3(b)に示すように、第一動作と第三動作の同時実施することで、レギュラー缶42を上下二箇所で挟持して停止することができる。また、
図3(c)に示すように、第一動作と第二動作の同時実施の際には、第三動作が実施されないこととすることにより、ホーム缶43の上下方向中途部を不用意に挟持しないようにすることで、ホーム缶43の上下方向中途部における損傷の発生を防ぐことができる。
【0066】
また、
図1に示すように、
ガイドユニット10は、搬送コンベア2の本体フレーム2aに一側に立設される第一縦フレーム11に支持され、
ストッパーユニット20は、搬送コンベア2の本体フレーム2aの他側に立設される第一縦フレーム21に支持され、
ガイドユニット10とストッパーユニット20は、搬送コンベア2の上方において上連結フレーム31により連結される、
こととするものである。
【0067】
これにより、容器停止装置1の全体としての剛性が確保され、容器に作用させる所定の応力を安定して発揮することが可能となる。
【0068】
また、
図4に示すように、
下側のストッパー板24aは、搬送面2g(上表面)を基準として下ストッパー板24aの接触面24sの下端24dの高さ位置24hが0mmより大きく10mm以下の範囲とし、下ストッパー板24aの接触面24sの上下幅24wは30mm以上35mm以下とし、下ストッパー板24aの容器側への押し込み量を定義する圧縮量24Δが、下ガイド板14aの接触面14sから容器の幅寸法(外径寸法φ)分だけ下ストッパー板24a側にずれた位置を基準として、下ガイド板14a側に0.1mm以上1.2mm以下に設定できるように構成される。
【0069】
これにより、容器の下側について、損傷の発生を抑えながらも、確実に挟持することができる。
【0070】
また、
図4に示すように、
上側のストッパー板26aは、搬送コンベア2の搬送面2g(上表面)を基準として上ストッパー板26aの接触面26sの下端26dの高さ位置26hが110mm以上130mm以下の範囲とし、上ストッパー板26aの接触面26sの上下幅26wは45mm以上50mm以下とし、上ストッパー板26aの容器側への押し込み量を定義する圧縮量26Δが、上ガイド板16aの接触面16sから容器の幅寸法(外径寸法φ)分だけ上ストッパー板26a側にずれた位置を基準として、上ガイド板16a側に0.5mm以上1.7mm以下に設定できるように構成される。
【0071】
これにより、容器の上側について、損傷の発生を抑えながらも、確実に挟持することができる。
【0072】
また、
図4に示すように、
中ストッパー板25aは、搬送コンベア2の搬送面2g(上表面)を基準として中ストッパー板25aの接触面25sの下端25dの高さ位置25hが60mm以上80mm以下の範囲とし、中ストッパー板25aの接触面25sの上下幅25wは45mm以上50mm以下とし、中ストッパー板25aの容器側への押し込み量を定義する圧縮量25Δが、中ガイド板15aの接触面15sから容器の幅寸法(外径寸法φ)分だけ中ストッパー板25a側にずれた位置を基準として、中ガイド板15a側に0.5mm以上1.7mm以下に設定できるように構成される。
【0073】
これにより、中ストッパー板25aを使う構成において、容器の損傷の発生を抑えながらも、確実に挟持することができる。
【0074】
以上の説明においては、容器については、肉厚の薄いアルミニウム缶で構成された空の状態で、上部開口部に缶蓋が巻締めされずに開放された空缶を例として用いたが、このほかにも、他の金属材料製の容器や、角柱型の容器、液体内容品充填後の容器、密封後の容器など、各種容器の移動を停止するための装置として、本願発明の装置構成を適用することができる。