特許第6804324号(P6804324)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6804324トランスと、これを搭載した自動車、電子機器、カラー複写機
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6804324
(24)【登録日】2020年12月4日
(45)【発行日】2020年12月23日
(54)【発明の名称】トランスと、これを搭載した自動車、電子機器、カラー複写機
(51)【国際特許分類】
   H01F 30/10 20060101AFI20201214BHJP
   H01F 27/28 20060101ALI20201214BHJP
   H01F 5/02 20060101ALI20201214BHJP
   H01F 5/00 20060101ALI20201214BHJP
   G03G 15/00 20060101ALI20201214BHJP
   G03G 15/02 20060101ALI20201214BHJP
   G03G 15/01 20060101ALI20201214BHJP
   H02P 7/29 20160101ALI20201214BHJP
【FI】
   H01F30/10 C
   H01F27/28 K
   H01F30/10 E
   H01F5/02 H
   H01F30/10 F
   H01F5/00 K
   G03G15/00 680
   G03G15/02 101
   G03G15/01
   H02P7/29 Z
【請求項の数】7
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2017-21966(P2017-21966)
(22)【出願日】2017年2月9日
(65)【公開番号】特開2018-129421(P2018-129421A)
(43)【公開日】2018年8月16日
【審査請求日】2020年2月4日
(73)【特許権者】
【識別番号】515037818
【氏名又は名称】パワーサプライテクノロジー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000545
【氏名又は名称】特許業務法人大貫小竹国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】岩田 徹
(72)【発明者】
【氏名】山崎 均
(72)【発明者】
【氏名】▲辻▼ 常生
(72)【発明者】
【氏名】木▲崎▼ 富二夫
【審査官】 井上 健一
(56)【参考文献】
【文献】 特開平10−332148(JP,A)
【文献】 特開平04−018716(JP,A)
【文献】 特開昭59−189613(JP,A)
【文献】 特開2002−271161(JP,A)
【文献】 特開2002−198763(JP,A)
【文献】 特開2016−122150(JP,A)
【文献】 特開2005−062608(JP,A)
【文献】 米国特許第05266916(US,A)
【文献】 韓国公開特許第10−2006−0106718(KR,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01F 30/10
H01F 5/00
H01F 5/02
H01F 27/28
G03G 15/00
G03G 15/01
G03G 15/02
H02P 7/29
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
長形状で、その長手方向に、第1、第2、第3の一次側巻線部を順番に配置した一次側ボビンと、この一次側ボビンの前記第1、第2、第3の一次側巻線部に、順番に連続的に巻回した一次巻線と、筒状の長形状で、前記一次側ボビンの外周に配置され、前記第1、第2、第3の一次側巻線部に対向する部分に、第1、第2、第3の二次側巻線部を配置した二次側ボビンと、この二次側ボビンの前記第1、第2、第3の二次側巻線部に、別々に巻回した第1、第2、第3の二次巻線と、を備え、前記第2の一次側巻線部に巻回した一次巻線の巻回数を、第1、第3の一次側巻線部に巻回した一次巻線の巻回数よりも少なくしたことを特徴とするトランス。
【請求項2】
前記第1、第2、第3の二次側巻線部に、別々に巻回した第1、第2、第3の二次巻線に、それぞれ接続端子を接続した請求項1に記載のトランス。
【請求項3】
請求項2に記載のトランスの、前記第1、第2、第3の二次巻線の接続端子に、それぞれ負荷を接続した自動車。
【請求項4】
トランスを基板の表面に実装し、前記基板におけるトランスの実装部の外周部、および前記基板の裏面に、アースパターンを配置し、前記基板の表裏面のアースパターンは、前記基板を貫通した導電部材で、電気的に導通させた請求項3に記載の自動車。
【請求項5】
請求項2に記載のトランスの、第1、第2、第3の二次巻線の接続端子に、それぞれ負荷を接続した電子機器。
【請求項6】
帯電工程、露光工程、現像工程、転写工程、定着工程によりカラー印刷を行うカラー複写機において、前記現像工程を実行する第1のカラートナー帯電部には、請求項2に記載のトランスの、前記第1の二次巻線を接続し、前記現像工程を実行する第2のカラートナー帯電部には、請求項2に記載のトランスの、前記第2の二次巻線を接続し、前記現像工程を実行するにおける第3のカラートナー帯電部には、請求項2に記載のトランスの、前記第3の二次巻線を接続したカラー複写機。
【請求項7】
請求項6に記載のカラー複写機の現像工程を実行する定電流回路の導電路を、基板の表裏面の一方面に配置し、この一方面の導電路の外周部を囲む第1の導電パターンを設け、この導電パターンに対向する前記基板の他方面に第2の導電パターンを設け、これらの第1、第2の導電パターンは、前記基板を貫通した導電部材で、電気的に導通させたカラー複写機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、トランスと、これを搭載した自動車、電子機器、カラー複写機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
カラー複写機では、例えば、下記特許文献1等でも広く知られているように、5工程(帯電工程、露光工程、現像工程、転写工程、定着工程)により、用紙にカラー印刷を行っている。
つまり、帯電工程では、回転ドラム全面を帯電させ、次の露光工程では、印刷データを、レーザー光により前記回転ドラム表面に描き、その後の現像工程では、マイナスに帯電したトナーを、前記回転ドラムに描かれた印刷データ部分に移動させ、次の転写工程では、前記回転ドラムに移動されたトナーを、プラスに帯電させた用紙に転写させ、その後の定着工程では、前記用紙に転写されたトナーを、熱と圧力で、この用紙に定着させている。
【0003】
カラー印刷では、トナーは、イエロー、マゼンダ、シアン、ブラックの4色が用意され、それぞれが、マイナスに帯電され、印刷データに応じ、前記現像工程において、回転ドラムに移動される。
この場合、イエロー、マゼンダ、シアン、ブラックの4色を、それぞれマイナスに帯電させるためには、トランスで昇圧した高電圧を各色のトナーに印加する必要があり、この様に複数個所において高電圧が必要となるカラー複写機では、トランスも複数個使用している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平11−272098号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記先行技術では、現像工程において、回転ドラムに描かれた印刷データ部分に、イエロー、マゼンダ、シアン、ブラックの4色を、印刷データに応じて移動させるために、それぞれのトナーをマイナスに帯電させるための昇圧用のトランスを設けている。
つまり、4個のトランスを設けた構成となっており、小型化のためには、トランスの個数を少なくすることが求められる。
【0006】
そこで、本発明は、トランスを搭載する、例えば、自動車、電子機器、カラー複写機の小型化を図りやすいトランスを提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
そして、この目的を達成するために本発明のトランスは、長形状で、その長手方向に、第1、第2、第3の一次側巻線部を順番に配置した一次側ボビンと、この一次側ボビンの前記第1、第2、第3の一次側巻線部に、順番に連続的に巻回した一次巻線と、筒状の長形状で、前記一次側ボビンの外周に配置され、前記第1、第2、第3の一次側巻線部に対向する部分に、第1、第2、第3の二次側巻線部を配置した二次側ボビンと、この二次側ボビンの前記第1、第2、第3の二次側巻線部に、別々に巻回した第1、第2、第3の二次巻線と、を備え、前記第2の一次側巻線部に巻回した一次巻線の巻回数を、第1、第3の一次側巻線部に巻回した一次巻線の巻回数よりも少なくしたものである。
【発明の効果】
【0008】
以上のように本発明のトランスは、長形状で、その長手方向に、第1、第2、第3の一次側巻線部を順番に配置した一次側ボビンと、この一次側ボビンの前記第1、第2、第3の一次側巻線部に、順番に連続的に巻回した一次巻線と、筒状の長形状で、前記一次側ボビンの外周に配置され、前記第1、第2、第3の一次側巻線部に対向する部分に、第1、第2、第3の二次側巻線部を配置した二次側ボビンと、この二次側ボビンの前記第1、第2、第3の二次側巻線部に、別々に巻回した第1、第2、第3の二次巻線と、を備え、前記第2の一次側巻線部に巻回した一次巻線の巻回数を、第1、第3の一次側巻線部に巻回した一次巻線の巻回数よりも少なくしたので、トランスを搭載する、例えば、自動車、電子機器、カラー複写機などの小型化を図りやすいものとなる。
【0009】
すなわち、本発明のトランスは、長形状の一次側ボビンの第1、第2、第3の一次側巻線部に、順番に連続的に一次巻線を巻回し、また、外周の二次側ボビンの第1、第2、第3の二次側巻線部には、別々に第1、第2、第3の二次巻線を巻回したので、一つのトランスで少なくとも三つの出力を得ることができ、トランスの個数を減らし、自動車、電子機器、カラー複写機などの小型化を図りやすいものとなる。
【0010】
また、前記第2の一次側巻線部に巻回した一次巻線の巻回数を、第1、第3の一次側巻線部に巻回した一次巻線の巻回数よりも少なくしたので、第1、第2、第3の二次巻線の出力を近似したものとすることができ、その結果として、このトランスを搭載した自動車、電子機器、カラー複写機などの特性高品位化が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の一実施形態にかかるトランスを自動車に搭載した例を示す回路ブロック図
図2】同トランスの斜視図
図3】同トランスの分解斜視図
図4】同トランスの特性図
図5】同トランスの実装状態を示す回路基板の表面部分を示す図
図6】同トランスの実装状態を示す回路基板の裏面部分を示す図
図7】回路ブロックを回路基板に実装した一部分を示す断面図
図8】回路ブロックを回路基板に実装した一部分を示す断面図
図9】本発明の一実施形態にかかるトランスをカラー複写機に搭載した例を示す回路ブロック図
【発明を実施するための形態】
【0012】
(実施の形態1)
以下本発明の一実施形態を、添付図面を用いて説明する。
【0013】
図1は、自動車を示し、前輪1はモータ(M1)2、前輪3はモータ(M2)4、後輪5はモータ(M3)6でそれぞれ駆動されるようになっている。
つまり、アクセル7の操作量が制御部8に伝達され、次に、制御部8によってゲートドライブ回路9が制御され、それによりゲート回路10にパルス信号が供給され、その結果としてモータ2,4、6に起動電流が供給され、これによりモータ2、4、6が、前記アクセル7の操作量に応じて起動されるようになっている。
【0014】
前記ゲート回路10に供給されるパルス信号は、数百〜1KVのパルス信号で有り、このような高電圧のパルス信号は、ゲートドライブ回路9に設けた図2図3に示すトランス9Aを用いて作り出される。
【0015】
次に、このトランス9Aについて、図2図4を用いて説明する。
このトランス9Aは、一次側ボビン11と、二次側ボビン12と、コア13を備えている。
【0016】
一次側ボビン11は筒状の長形状で、その長手方向に、第1、第2、第3の一次側巻線部14、15、16を順番に配置しており、前記第1、第2、第3の一次側巻線部14、15、16には、一次巻線17が順番に連続的に巻回されている。
なお、この実施形態では、一次巻線17の一端側は、一次側ボビン11に固定された接続端子18に接続され、一次巻線17の他端側は、一次側ボビン11に固定された接続端子19に接続されている。
【0017】
二次側ボビン12は、筒状の長形状で、前記一次側ボビン11の外周に、同軸状に配置され、前記第1、第2、第3の一次側巻線部14、15、16に対向する部分に、第1、第2、第3の二次側巻線部20、21、22を配置している。
そして、これらの第1、第2、第3の二次側巻線部20、21、22に、別々に、第1、第2、第3の二次巻線23、24、25を巻回している。
【0018】
第1、第2、第3の二次巻線23、24、25の一端は、それぞれ、二次側ボビン12に固定された接続端子26、27、28に固定されている。
【0019】
また、第1の二次巻線23の他端は、二次側ボビン12の第1の二次側巻線部20に固定された接続端子(図示せず)に固定されている。
さらに、第2の二次巻線24の他端は、二次側ボビン12の第2の二次側巻線部21に固定された接続端子(図示せず)に固定されている。
また、第3の二次巻線25の他端は、二次側ボビン12の第3の二次側巻線部22に固定された接続端子29に固定されている。
【0020】
本実施形態で特徴的なのは、前記第2の一次側巻線部15に巻回した一次巻線17の巻回数を、第1、第3の一次側巻線部14、16に巻回した一次巻線17の巻回数よりも少なくしたことである。
すなわち、本実施形態では、第1、第2、第3の二次巻線23、24、25からの出力として、実質的に同様な波形となることが重要で、その出力状態を示したのが、図4である。
【0021】
図4(a)は、第1の二次巻線23の出力、図4(b)は、第2の二次巻線24の出力、図4(c)は、第3の二次巻線25の出力を示しており、これらの図から明らかなように、第1、第2、第3の二次巻線23、24、25からの出力差(Vp−p値の差)は6%以下に抑えられ、しかも波形としても相似形となり、さらにオーバーシュート状態の少ない出力波形となっている。
【0022】
これに対して、前記第2の一次側巻線部15に巻回した一次巻線17の巻回数を、第1、第3の一次側巻線部14、16に巻回した一次巻線17の巻回数と同じ状態にすると、第2の二次巻線24の出力は、第1、第3の二次巻線23、25の出力に比べて異常に高いものとなり、しかも、オーバーシュート状態の目立つ出力波形となる。
【0023】
本実施形態では、上述のように、第1、第2、第3の二次巻線23、24、25の出力を、ゲート回路10にパルス信号として供給し、モータ2、4、6を、アクセル7の操作量に応じて起動するものであるので、パルス信号としては、出力差が小さく、しかも波形としても相似形で、さらにオーバーシュート状態の少ない出力波形が好ましい。
また、自動車にとってオーバーシュート状態の少ない出力波形は、他の機能へのノイズとならない点でも、評価されるものとなる。
【0024】
本実施形態では、一つのトランス9Aで、三つのゲート回路10に、それぞれパルス信号を供給することができるので、別々に三個のトランスを設けるよりは小型化することができ、これも自動車として評価される効果となるが、上述したノイズが少ないというのは高く評価されるものとなる。
【0025】
本実施形態では、このノイズ対策のために、さらに次のような構成も採用している。
具体的には、トランス9Aを含むゲートドライブ回路9を、図5のように、制御部8、ゲート回路10とともに、基板30の表面に実装し、前記基板30におけるトランス9Aを含むゲートドライブ回路9、制御部8、ゲート回路10の実装部の外周部、および図6のように、前記基板30の裏面に、アースパターン31を配置し、前記基板30の表裏面のアースパターン31は、図7に示すように、前記基板30を貫通した導電部材32で、電気的に導通させている。
【0026】
具体的には、導電部材32は、金属ワイヤーで形成され、基板30の貫通孔33を表面側から裏面側へと貫通させ、その後、裏面側で折り曲げ、この様にして、基板30の表裏面においてアースパターン31に近接させ、その状態で、はんだ34によって基板30表裏面のアースパターン31に電気的に接続している。
このため、基板30においては、その外周部にアースパターン31が形成された状態となり、このことが、基板30部分からのノイズ放射の抑制につながるものである。
【0027】
なお、上記例では、基板30の表裏両面の外周部にアースパターンを設けて表裏面のアースパターンを導電部材32で電気的に接続することで、効果的なノイズの遮蔽効果を得るようにしているが、アースパターンは、片面(例えば、基板30の裏面)にのみ設け、必要に応じて、図8に示すような基板30を貫通した導電部材32を設け、はんだ34によってアースパターン同志を電気的に接続するようにしてもよい。
【0028】
(実施の形態2)
図9は本発明の他の実施形態を示し、この実施形態では、図2図3に示したトランス9Aを、電子機器の一例として用いたカラー複写機に用いたものである。
【0029】
カラー複写機は、良く知られているように、帯電工程、露光工程、現像工程、転写工程、定着工程によりカラー印刷を行うもので、本実施形態においては、このカラー複写機において、前記現像工程を実行する第1のカラートナー帯電部35にトランス9Aの第1の二次巻線23を接続し、前記現像工程を実行する第2のカラートナー帯電部36には、トランス9Aの第2の二次巻線24を接続し、前記現像工程を実行する第3のカラートナー帯電部37にはトランス9Aの第3の二次巻線25を接続した。
【0030】
なお、第1のカラートナー帯電部35はシアン、第2のカラートナー帯電部36はマゼンダ、第3のカラートナー帯電部37はイエローのトナーを帯電させるものである。
【0031】
これらの第1のカラートナー帯電部35、第2のカラートナー帯電部36、第3のカラートナー帯電部37に、それぞれ、図4に示す出力を加えることで、各トナーを正負に繰り返し帯電させ、マイナスに帯電されたトナーを、印刷データに応じ、前記現像工程において、回転ドラム(図示せず)に移動される。
【0032】
なお、カラー複写機には黒の第4のカラートナー帯電部38も設けられているが、この黒色対応は、別のトランス39によって行うようになっている。
図8の他の構成部品は、公知のものであるから、簡単に説明すると、40、41はドライブ素子、42、43は信号発生回路、44、45は帰還回路である。
【0033】
この実施形態でも、一つのトランス9Aで、三つのカラートナー帯電部35、36、37に、それぞれパルス信号を供給することができるので、別々に三個のトランスを設けるよりは小型化することができる。
【0034】
ここで、帰還回路44、45は、現像工程を実行する定電流回路を構成するためのものである。
【0035】
つまり、カラー印刷では、トナーは、イエロー、マゼンダ、シアン、ブラックの4色が用意され、それぞれが、マイナスに帯電され、印刷データに応じ、前記現像工程において、回転ドラムに移動される。
その際、印刷データの量に応じて電流が大きく増減すると、この現像工程における電圧が、それに連動し、トナーの帯電を不安定にしてしまう。
そこで、この帰還回路44、45を用いて、印刷データの量にかかわらず一定の電流が流れるようにしている。
【0036】
しかしながら、流れる電流は極めて微弱な電流であるので、これが、帰還回路44、45なども実装された基板(図示せず)において、例えば湿度の影響により漏れ出すと、適切な定電流制御が出来なくなる。
そこで、本実施形態では、現像工程を実行する定電流回路(帰還回路44、45を含む)の導電路を、基板の表裏面の一方面に配置し、この一方面の導電路の外周部を囲む第1の導電パターン(図示せず)を設け、この導電パターンに対向する前記基板の他方面に第2の導電パターンを設け、これらの第1、第2の導電パターンは、前記基板を貫通した導電部材(図7又は図8で示す導電部材32)で、電気的に導通させた。
【0037】
この実施形態では、第1、第2の導電パターンは帰還回路44、45に導通させており、帰還回路44、45から戻る電流が、例えば湿度の影響により基板に漏れ出した場合に、それを捕捉し、定電流回路へと戻すようにしている。
【産業上の利用可能性】
【0038】
本発明のトランスは、少なくとも三つ以上の出力を出すことができ、しかも、それぞれの出力が相似形の安定したものとなるので、小型化が求められる自動車、電子機器、カラー複写機などへの活用が期待される。
【符号の説明】
【0039】
1 前輪
2 モータ
3 前輪
4 モータ
5 後輪
6 モータ
7 アクセル
8 制御部
9 ゲートドライブ回路
9A トランス
10 ゲート回路
11 一次側ボビン
12 二次側ボビン
13 コア
14 第1の一次側巻線部
15 第2の一次側巻線部
16 第3の一次側巻線部
17 一次巻線
18 接続端子
19 接続端子
20 第1の二次側巻線部
21 第2の二次側巻線部
22 第3の二次側巻線部
23 第1の二次巻線
24 第2の二次巻線
25 第3の二次巻線
26 接続端子
27 接続端子
28 接続端子
29 接続端子
30 基板
31 アースパターン
32 導電部材
33 貫通孔
34 はんだ
35 第1のカラートナー帯電部
36 第2のカラートナー帯電部
37 第3のカラートナー帯電部
38 第4のカラートナー帯電部
39 トランス
40 ドライブ素子
41 ドライブ素子
42 信号発生回路
43 信号発生回路
45 帰還回路
46 帰還回路



図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9