特許第6804378号(P6804378)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社ブリヂストンの特許一覧
<>
  • 特許6804378-搬送装置 図000002
  • 特許6804378-搬送装置 図000003
  • 特許6804378-搬送装置 図000004
  • 特許6804378-搬送装置 図000005
  • 特許6804378-搬送装置 図000006
  • 特許6804378-搬送装置 図000007
  • 特許6804378-搬送装置 図000008
  • 特許6804378-搬送装置 図000009
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6804378
(24)【登録日】2020年12月4日
(45)【発行日】2020年12月23日
(54)【発明の名称】搬送装置
(51)【国際特許分類】
   B65G 15/08 20060101AFI20201214BHJP
【FI】
   B65G15/08 Z
【請求項の数】3
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2017-84852(P2017-84852)
(22)【出願日】2017年4月21日
(65)【公開番号】特開2018-177519(P2018-177519A)
(43)【公開日】2018年11月15日
【審査請求日】2019年12月19日
(73)【特許権者】
【識別番号】000005278
【氏名又は名称】株式会社ブリヂストン
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【弁護士】
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100186015
【弁理士】
【氏名又は名称】小松 靖之
(74)【代理人】
【識別番号】100202636
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 麻菜美
(72)【発明者】
【氏名】浦中 昌己
【審査官】 土田 嘉一
(56)【参考文献】
【文献】 特開昭60−258011(JP,A)
【文献】 特開2014−031242(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65G 15/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに間隔を開けて配設された一対のプーリと、
前記一対のプーリ間に巻回された、無端状のコンベヤベルトと、
前記コンベヤベルトのベルト幅方向一方側の端部を内周側に押圧する押さえローラと、
前記コンベヤベルトのベルト長手方向の一部分を、ベルト幅方向一方側の端部と他方側の端部とがオーバーラップするように、パイプ状に丸めた状態に保持するための複数の円形保持ローラと、
を備える搬送装置であって、
前記押さえローラは、
ベルト長手方向において、前記一対のプーリの少なくとも一方と、前記複数の円形保持ローラのうち、前記少なくとも一方のプーリの最も近くに位置する円形保持ローラとの間に配置され、
前記コンベヤベルトのベルト幅方向端部のうち、内周側にオーバーラップされる側に付着される粉体を収容する、粉体収容部を、前記押さえローラの内部に備え、
前記粉体収容部と前記押さえローラの外部とを連通する、複数の貫通孔を、前記押さえローラの外表面に備えることを特徴とする、
搬送装置。
【請求項2】
前記複数の貫通孔は、前記押さえローラの半周側にのみ配置されている、
請求項1に記載の搬送装置。
【請求項3】
前記貫通孔は、着脱可能な孔付きプラグが装着されている、
請求項1又は請求項2に記載の搬送装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、搬送装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、搬送装置として、無端状のコンベヤベルトの長手方向の一部分を、コンベヤベルトのベルト幅方向の両端部がオーバーラップするようにパイプ状に丸めた状態で、コンベヤベルトの内周面に被搬送物を包み込み搬送するものが知られている。このような搬送装置においては、ベルトをパイプ状に丸めるために、オーバーラップさせようとするベルト幅方向の一方側の端部と他方側の端部との間の摩擦抵抗が大きいと、電力消費量の増大や、ベルト幅方向の両端部の重なり合いが浅くなることによる、オーバーラップ部分の開放等の虞があった。
【0003】
そこで、コンベヤベルトの摩擦抵抗を低減する手法として、例えば、特許文献1では、コンベヤベルトの最外層のカバーゴム層を、他のゴム層よりも動摩擦抵抗が小さい低摩擦抵抗ゴムにより形成することが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004−142926号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、コンベヤベルトの最外層のカバーゴム層を低摩擦抵抗ゴムとすることは、コンベヤベルト、ひいてはそれを用いた搬送装置の材料費の増大や、コンベヤベルトの製造工程の増加につながる。
【0006】
また、水をオーバーラップ部分に供給して摩擦抵抗の低減を図る手法等も考えられるが、散水設備や排水処理設備等の設置が必要になる。
【0007】
この発明は、上述した課題を解決するためのものであり、簡便かつ効率良くコンベヤベルトのオーバーラップ部分の摩擦抵抗を低減することができる、搬送装置を提供することを目的とする。
【0008】
本発明の搬送装置は、互いに間隔を開けて配設された一対のプーリと、前記一対のプーリ間に巻回された、無端状のコンベヤベルトと、前記コンベヤベルトのベルト幅方向一方側の端部を内周側に押圧する押さえローラと、前記コンベヤベルトのベルト長手方向の一部分を、ベルト幅方向一方側の端部と他方側の端部とがオーバーラップするように、パイプ状に丸めた状態に保持するための複数の円形保持ローラと、を備える搬送装置であって、前記押さえローラは、ベルト長手方向において、前記一対のプーリの少なくとも一方と、前記複数の円形保持ローラのうち、前記少なくとも一方のプーリに最も近くに位置する円形保持ローラとの間に配置され、前記コンベヤベルトのベルト幅方向端部のうち、内周側にオーバーラップされる側に付着される粉体を収容する、粉体収容部を、前記押さえローラの内部に備え、前記粉体収容部と前記押さえローラの外部とを連通する、複数の貫通孔を、前記押さえローラの外表面に備えることを特徴とする。
本発明の搬送装置によれば、簡便かつ効率良く、コンベヤベルトのオーバーラップ部分の摩擦抵抗を低減することができる。
【0009】
本発明の搬送装置においては、前記複数の貫通孔は、前記押さえローラの半周側にのみ配置されていることが好ましい。
この構成によれば、搬送装置の停止時等における、押さえローラ内部の粉体収容部からの粉体の流出を防ぐことができる。
【0010】
本発明の搬送装置では、前記貫通孔は、着脱可能な孔付きプラグが装着されていることが好ましい。
この構成によれば、押さえローラ全体を交換することなく、状況に応じて貫通孔の孔径を簡便に変更することができ、さらに、粉体の補充も効率的に行うことができる。
【0011】
この発明によれば、簡便かつ効率良くコンベヤベルトのオーバーラップ部分の摩擦抵抗を低減することができる、搬送装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明の搬送装置の一実施形態を示す側面図である。
図2図1の搬送装置のI−I線に沿う水平断面図である。
図3図1の搬送装置のII−II線に沿う縦断面図である。
図4図1の搬送装置のIII−III線に沿う縦断面図である。
図5図1の搬送装置における押さえローラの一例を示す、押さえローラの軸方向に沿う断面図である。
図6】(a)は、図5の押さえローラのIV−IV線に沿う断面図である。(b)は、図5の押さえローラの側面の模式図である。
図7】本発明の搬送装置の他の実施形態における押さえローラの一例を示す、押さえローラの軸方向に沿う断面図である。
図8】(a)は、図7の押さえローラのV−V線に沿う断面図である。(b)は、図7の押さえローラの側面の模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下に、図面を参照しつつ、本発明に係る搬送装置の実施形態を例示説明する。
【0014】
[実施形態1]
まず、本発明の一実施形態(実施形態1)に係る搬送装置の全体構造について、図1図4を参照しながら説明する。図1は、本実施形態の搬送装置を示す側面図である。図2は、図1の搬送装置のI−I線に沿う水平断面図であり、図3図1の搬送装置のII−II線に沿う縦断面図であり、図4は、図1の搬送装置のIII−III線に沿う縦断面図である。
【0015】
搬送装置1は、無端状(すなわち環状)のコンベヤベルト2を備えており、コンベヤベルト2の長手方向の一部分をパイプ状に丸めた状態で、コンベヤベルト2の内周側に被搬送物Wを包み込んで搬送するものである。即ち、本実施形態におけるコンベヤベルト2は、いわゆるパイプコンベヤベルトである。
【0016】
なお、本明細書では、コンベヤベルト2の長手方向を「ベルト長手方向」ともいう。ベルト長手方向はコンベヤベルト2の走行方向に平行である。
また、本明細書では、コンベヤベルト2の幅方向を、「ベルト幅方向」ともいう。ベルト幅方向は、コンベヤベルト2の平面視にて、ベルト延在方向に直交する方向である。なお、ベルト幅方向は、コンベヤベルト2が平らに展開された状態ではまっすぐな方向であるが、コンベヤベルト2がパイプ状に丸められた状態では、そのパイプ形状の周方向にほぼ沿う方向となる。
【0017】
コンベヤベルト2の内部構造は、特に限定されないが、例えば、帯状の上面カバーゴムと帯状の下面カバーゴムとの間に芯材が埋設された構造を有する。芯材としては、例えば、帯状の帆布、ベルト幅方向に沿って配列され、かつ、それぞれベルト長手方向に延在する、複数のスチールコード、あるいは、アラミド繊維等の繊維などが用いられる。
【0018】
本実施形態の搬送装置1は、互いに間隔を開けて配設された一対のプーリ(前部プーリ3及び後部プーリ4)の間に巻回された、無端状のコンベヤベルト2と、コンベヤベルト2のベルト幅方向一方側の端部20を内周側(図4では紙面下側)に押圧する押さえローラ11と、コンベヤベルト2のベルト長手方向の一部分を、ベルト幅方向一方側の端部20と他方側の端部30とがオーバーラップするように、パイプ状に丸めた状態に保持するための複数の円形保持ローラ12と、を備え、さらに、ガイド枠5と、押さえ枠6と、保形枠7と、支持枠8と、ガイドローラ9、10と、ホッパ13と、荷受箱14とを、備えている。
【0019】
より具体的な本発明の搬送装置1の構成を以下に示す。
図1に示すように、コンベヤベルト2は、互いに間隔を開けて配設された一対の回転ローラ、即ちコンベヤベルト2の長手方向の両端に設置された前部プーリ3と後部プーリ4に掛け回されている。例えば、前部プーリ3をモータ等の駆動機構により回転させ、後部プーリ4を従動回転させることによって、コンベヤベルト2は、図1の矢印の方向に循環走行される。後部プーリ4の上方には、被搬送物Wをコンベヤベルト2上に投下するホッパ13が設けられている。前部プーリ3の前方下側には、コンベヤベルト2の被搬送物Wが投入される荷受箱14が設置されている。コンベヤベルト2のうち、後部プーリ4から前部プーリ3に向かって走行する部分はキャリア側ベルト2Cであり、前部プーリ3から後部プーリ4に向かって走行する部分はリターン側ベルト2Rである。
【0020】
前部プーリ3と後部プーリ4との間には、方形枠状をなす複数の保形枠7が、ベルト長手方向にほぼ一定間隔をもって配設されている。これら複数の保形枠7は、コンベヤベルト2の長手方向に沿って延在する支持枠8によって、互いに連結されている。
図3に示すように、各保形枠7は、上室7aと下室7bとを区画している。上室7aの中央に形成された窓穴7cには、コンベヤベルト2のキャリア側ベルト2Cが、窓穴7cの周縁にほぼ環状に配設された複数(図の例では6つ)の円形保持ローラ12によって案内支持されながら通過する。下室7bの中央に形成された窓穴7cには、コンベヤベルト2のリターン側ベルト2Rが、窓穴7cの周縁にほぼ環状に配設された複数(図の例では6つ)の円形保持ローラ12によって案内支持されながら通過する。
また、キャリア側ベルト2C側においては、ベルト長手方向で、後部プーリ4と保形枠7との間に、桶状に配置された複数のガイドローラ9を備える少なくとも1つのガイド枠5が配設されている(図示例では1つ)。リターン側ベルト2R側では、ベルト長手方向で、前部プーリ3と保形枠7との間に、キャリア側ベルト2C側とは上下反転する向きに桶状に配置された、複数のガイドローラ9を備える少なくとも1つのガイド枠5が配設されている(図示例では1つ)。
さらに、キャリア側ベルト2C側においては、ベルト長手方向で、保形枠7とガイド枠5との間に、押さえ枠6が設置されている。また、リターン側ベルト2R側においても、ベルト長手方向で、保形枠7とガイド枠5との間に、押さえ枠6が設置されている。図4に示すように、キャリア側ベルト2C側における押さえ枠6は、桶状に配置された複数のガイドローラ10と、ベルト幅方向一方側に設置された押さえローラ11とを備えている。リターン側ベルト2R側における押さえ枠6は、キャリア側ベルト2C側とは上下反転する向きに開口する桶状に配置された、複数のガイドローラ10と、ベルト幅方向一方側に設置された押さえローラ11とを備えている。
【0021】
上記のように構成された搬送装置1は、つぎのように動作する。
まず、図2に示すように、平らに展開された状態で後部プーリ4を下側から上側に通過したキャリア側ベルト2Cが、ガイドローラ9によって案内支持されることにより、ベルト幅方向両側の一方側の端部20と他方側の端部30とが持ち上げられるとともに、同程度の高さで互いに近付けられる。その間、ホッパ13から、被搬送物Wが、キャリア側ベルト2C上に投下される。
次いで、キャリア側ベルト2Cは、押さえ枠6内に進入し、桶状に配置された複数のガイドローラ10によって案内支持されるとともに、押さえローラ11によって、ベルト幅方向の両端部のうち、パイプ状に丸められた状態で内周側に位置すべき側の端部20の外周面20oが、内周側に向かって(図4では下側に向かって)押圧され、図4に示すように、近づけられたベルト幅方向の両端部の位置が異なるように(図4では、上下に異なる)湾曲する。
以下、本明細書において、「外周側」「内周側」とは、それぞれ、コンベヤベルト2のなすパイプ形状の外周側、内周側を指し、端部20は外周側及び内周側にそれぞれ外周面20o及び内周面20iを有し、端部30は外周側及び内周側にそれぞれ外周面30o及び内周面30iを有している。
【0022】
その後、キャリア側ベルト2Cは、図3に示すように、最初の保形枠7の上室7aに進入し、図3に示すとおり、円形保持ローラ12によって案内支持されて、完全にパイプ形状に丸められる。このとき、キャリア側ベルト2Cのベルト幅方向一方側の端部20と他方側の端部30とは、一方側の端部20が他方側の端部30の内周側(即ち、図3においては下側)に位置するようにオーバーラップし、キャリア側ベルト2Cの内周側に被搬送物Wが包み込まれる。即ち、パイプ状に丸められたキャリア側ベルト2Cの内周面は、搬送面となる。その後も、被搬送物Wを包み込んだキャリア側ベルト2Cは、各保形枠7を通過するたびに受ける円形保持ローラ12の作用によって、パイプ形状を保ったまま走行する。
最後の保形枠7を通過したキャリア側ベルト2Cは、図1に示すとおり、前部プーリ3に向かうに従い、ベルト展開装置(図示せず)によって徐々に平らになるように展開される。キャリア側ベルト2Cが前部プーリ3に到達すると、被搬送物Wが荷受箱14に投入される。
ここで、「オーバーラップ」とは、コンベヤベルト2のベルト幅方向一方側の端部20及び他方側の端部30が、互いに接触しているか否かを問わず、一方側の端部20及び他方側の端部分30のうちの一方が、他方の外周側に位置していることを指す。また、本明細書における「オーバーラップ量」とは一方側の端部20と他方側の端部30とがオーバーラップしたときの、ベルト幅方向における重なり合いの量を指す。
【0023】
その後、前部プーリ3を上側から下側に通過したリターン側ベルト2Rは、ガイドローラ9によって案内支持されることにより、ベルト幅方向一方側の端部20と他方側の端部30とが、キャリア側ベルト2C側とは上下反転する向きに持ち上げられるとともに、互いに近付けられる。
次いで、リターン側ベルト2Rは、押さえ枠6内に進入し、キャリア側ベルト2C側とは上下反転する向きに、桶状に配置された複数のガイドローラ10によって案内支持されるとともに、押さえローラ11によって、ベルト幅方向の両端部のうち、パイプ状に丸められた状態で、内周側に位置すべき側の端部20の外周面20oが、内周側に向かって押圧され、キャリア側ベルト2C側と同様に、近づけられたベルト幅方向の両端部分の位置が異なるように湾曲する。
【0024】
その後、リターン側ベルト2Rは、図3に示すように、最初の保形枠の下室7bに進入し、円形保持ローラ12によって案内支持されて、完全にパイプ形状に丸められる。このとき、リターン側ベルト2Rのベルト幅方向一方側の端部20と他方側の端部30とは、一方側の端部20が、他方側の端部30の内周側(即ち、図3においては上側)に位置するようにオーバーラップする。
【0025】
なお、搬送装置の構成については、上述のものに限られず、任意の構成を使用することができる。例えば、上述の例では、キャリア側ベルト2C及びリターン側ベルト2Rの両方を、長手方向の一部分をパイプ形状に丸められた構成にしているが、キャリア側ベルト2Cのみをパイプ形状に丸められた構成としてもよい。この場合、リターン側ベルト2R側には、ガイド枠5と、押さえ枠6と、保形枠7と、ガイドローラ9、10と、押さえローラ11と、円形保持ローラ12とを設けることを要しない。
また、リターン側ベルト2Rのみを、長手方向の一部分をパイプ形状に丸められた構成とすることもできる。この場合、キャリア側ベルト2C側には、ガイド枠5と、押さえ枠6と、保形枠7と、ガイドローラ9、10と、押さえローラ11と、円形保持ローラ12とを設けることを要しない。
【0026】
以下に、図2〜6を参照して、本実施形態の搬送装置に備えられている、押さえローラの構成について詳述する。図5は、図1の搬送装置における押さえローラの一例を示す、押さえローラの軸方向に沿う断面図である。図6(a)は、図5の押さえローラのIV−IV線に沿う断面図であり、図6(b)は、図5の押さえローラの側面の模式図である。
【0027】
本実施形態において、押さえローラ11は、ベルト長手方向において、一対のプーリ(前部プーリ3及び後部プーリ4)の少なくとも一方と、複数の円形保持ローラ12のうち、該少なくとも一方のプーリの最も近くに位置する円形保持ローラとの間に配置され、コンベヤベルト2のベルト幅方向端部のうち、内周側にオーバーラップされる側に付着される粉体Pを収容する、粉体収容部15を、押さえローラ11の内部に備え、粉体収容部15と押さえローラ11の外部とを連通する、複数の貫通孔16を、押さえローラの外表面に備えていることを特徴とする。
ここで、上記の粉体Pは、コンベヤベルト2のベルト幅方向端部のうち、内周側にオーバーラップされる側に付着され、コンベヤゴム2の摩擦抵抗を低減することができる。
【0028】
本実施形態における押さえローラ11は、図2及び図4に示すとおり、ベルト長手方向において、後部プーリ4と、複数の円形保持ローラ12のうち、後部プーリの最も近くに位置する円形保持ローラ12との間であって、ベルト長手方向において、後部プーリ4とガイドローラ9との間に配置され、図2の平面視にて、ベルト走行方向に対して垂直に、コンベヤベルト2の走行経路上に突出している。
なお、図2に示す例では、1つの押さえローラ11が配置されているが、ベルト長手方向に若干間隔をあけて2つ以上の押さえローラ11及び押さえ枠6が配置されていてもよい。
また、本実施形態では、キャリア側ベルト2C側に位置する押さえローラ11の例について説明するが、リターン側ベルト2R側においても、同様の構成の押さえローラ11を配置することができる。
さらに、上述のとおり、リターン側ベルト2R側においては、押さえローラ11を配置しなくてもよい。なお、キャリア側ベルト2C側においては、押さえローラ11を配置せず、リターン側ベルト2C側にのみ配置することもできる。
【0029】
本実施形態における押さえローラ11は、図5に示すとおり、ローラ本体11aが、前軸受11b及び後軸受け11cを介して、ローラ軸11dに対して自由に回転可能に軸支されることによって形成されている。
ローラ本体11aは、ローラ側面視において、軸方向に円柱形状が延在する円柱部分と、軸方向先端に向けて凸となる凸部分とが結合した形状を有している。なお、ローラ本体11aは、円柱部分のみからなる形状とすることもできる。
【0030】
なお、押さえローラ11には、回転駆動機構は特に設けられていない。
【0031】
押さえローラ11の内部、即ちローラ本体11aの内側には、前軸受11bと後軸受11cとの間に、粉体収容部15が形成されている。粉体収容部15は、粉体Pを内部に収容し、さらに、各軸受側からの機械油等の混入を防ぐため、オイルシール部17を介して、前軸受11bと後軸受11cとから区画されている。なお、オイルシール部17は、ローラ軸11dの回転を阻害しない態様にて形成されている。
図5に示すとおり、粉体収容部15は、ローラ本体11aとローラ軸11dとの間に位置している。
【0032】
さらに、本実施形態における押さえローラ11は、押さえローラ11の外表面、即ちローラ本体11aの外周面に複数の貫通孔16が形成されている。
本実施形態では、図6(b)に示すとおり、複数の貫通孔16が、押さえローラ軸方向及び周方向に略等間隔に、千鳥状に配置されている。
ここで、「押さえローラ軸方向」とは、押さえローラのローラ軸と平行な方向(図5では、紙面横方向)を指し、「押さえローラ周方向」とは、押さえローラ11の外表面の周に沿う方向を指す。
このように、押さえローラ11の外表面に複数の貫通孔16が形成されることにより、粉体収容部15に収容された粉体Pが、押さえローラ11の回転に伴って外部に吐出され、コンベヤベルト2に粉体Pを付着させることができる。
【0033】
上記のように構成された押さえローラ11を備える搬送装置1において、押さえローラ11は、つぎのように動作する。
【0034】
上述のとおり、この発明に係る搬送装置1において、キャリア側ベルト2Cは、押さえ枠6内に進入し、桶状に配置された複数のガイドローラ10によって案内支持される。このとき、押さえローラ11は、キャリア側ベルト2Cのベルト幅方向の両端部のうち、パイプ状に丸められた状態で内周側に位置すべき側の端部、即ち、ベルト幅方向の一方側の端部20の外周面20oを、内周側に向かって(図示例では下側に向かって)押圧する。
押さえローラ11に一方側の端部20の外周面20oが接触すると、押さえローラ11の回転に伴い、粉体収容部15から、貫通孔16を介して粉体Pが吐出され、一方側の端部20の外周面20oに粉体Pが付着される。
このようにして、押圧され、外周面20oに粉体が付着された一方側の端部20は、保形枠7及び円形保持ローラ12に近づくにつれ、他方側の端部30の内周側に入り込んでいく。その際、粉体Pが付着された一方側の端部20の外周面20oと、他方側の端部30の内周面30iとの間における摩擦抵抗は、粉体Pによって低減されるため、一方側の端部20は、スムーズに他方側の端部30の内周側に入り込み、オーバーラップ量を増加させることができる。これにより、摩擦抵抗に起因する、電力消費量の増大や、ベルトのベルト幅方向の両端部のオーバーラップ部分の開放を防止することができる。
従って、低摩擦抵抗ゴムのカバーゴム層を設けることなく、簡便かつ効率良く、コンベヤベルトのオーバーラップ部分の摩擦抵抗の低減を実現することができる。
なお、一方側の端部20が他方側の端部30の内周側により入り込んでいくと、粉体Pが付着していない領域に達するため、コンベヤベルト本来の摩擦抵抗が働き、オーバーラップ量が過剰に増加することなく、被搬送物Wを内包するパイプ状の部分の径が小さくなってしまうことも防止できる。
【0035】
押さえローラ11の態様について、以下により詳しく述べる。
本実施形態では、押さえローラ11の、粉体収容部15に対応する、ローラ外表面の周方向の一部に、複数の貫通孔16が配置されている。好適には、複数の貫通孔16は、押さえローラ11の、ローラ周方向の全周のうち、半周側にのみ配置されている。図6(a)に示すとおり、本実施形態では、図5のIV−IV線に沿う断面視にて、複数の貫通孔16は、押さえローラ11の全周のうち、半周側(図6(a)では上半周側)にのみ配置されている。
即ち、本実施形態では、押さえローラ11が回転していない状態、即ち搬送装置1が停止している状態で、粉体挿入口18から粉体収容部15に粉体Pを投入する。このとき、ローラ周方向の全周のうち、半周側(図6(a)では下半周側)には貫通孔16を設けないことによって、粉体挿入口18から投入した粉体Pが、そのまま粉体収容部15を通過して、複数の貫通孔16からこぼれ落ちてしまうのを防ぐことができる。なお、図6(a)及び図6(b)では、粉体挿入口18は、塞がれた状態で示されている。
さらに、搬送装置1の走行を一時停止した際にも、押さえローラ11を、複数の貫通孔16が配置されていない側を下側に向けることにより、粉体収容部15から粉体Pがこぼれ出るのを防ぐことができる。
なお、複数の貫通孔16は、押さえローラ11の周方向の全周にわたって設けることもできる。
【0036】
また、本実施形態における押さえローラ11は、図6(a)に示すとおり、複数の貫通孔16を、ローラ軸11dを中心として、30°程度おきに設けることが好ましく、本例では、22.5°おきに配置されている。なお、配置の間隔については、任意に決定することができる。
【0037】
本実施形態において、複数の貫通孔16は、図6(a)に例示されるように、押さえローラ11を径方向から視たとき、円形状を呈しているが、円形状に限られず、矩形状や多角形状であってもよい。複数の貫通孔16の孔径は、粉体Pの平均粒径の100倍以上であることが好ましい。複数の貫通孔16から粉体Pを吐出しやすくするためである。なお、好適には、平均径1mm〜25mmであり、より好適には、平均径3mm〜12mmである。コンベヤベルト2の所定の範囲に、広範囲かつ効率的に粉体Pを付着させるためである。
【0038】
さらに、本実施形態における押さえローラ11では、複数の貫通孔16は、隣り合う貫通孔16との間に、上述の貫通孔の平均径の2倍以上の間隔を開けて配置されることが好ましい。押さえローラ11の強度を確保するためである。
【0039】
また、本実施形態における押さえローラ11において、複数の貫通孔16は、図示はしないが、着脱可能な孔付きプラグが装着されていることが好ましい。ここで、孔付きプラグとは、例えば、ねじ、ボルト等の先端から尾端にかけて貫通する孔である、プラグ貫通孔を有するねじ、ボルト等を指す。
このような、孔付きプラグを貫通孔16に装着すると、プラグ貫通孔は、押さえローラ11の粉体収容部15と、押さえローラ11の外部を連通する。粉体Pは、粉体収容部15から、孔付きプラグに形成されたプラグ貫通孔を通り抜けて、押さえローラ11の外部に吐出される。
孔付きプラグは、複数の貫通孔16に装着可能な径であれば、任意の径を有することができる。また、孔付きプラグに形成される、プラグ貫通孔の形状は、六角形状や円形状等、任意の形状とすることができ、プラグ貫通孔の孔径についても任意に変更することができる。従って、押さえローラ11全体を交換することなく、孔付きプラグを変えるだけで、粉体Pが通り抜ける孔の大きさや形状を効率的に変更することができる。
なお、孔付きプラグは、複数の貫通孔16に装着された状態のとき、押さえローラ11の表面から突出しないように装着されることが好適である。
【0040】
複数の貫通孔16には、孔付きプラグに代替して、プラグ貫通孔を有しない、ヘッド部の表面が平面である皿ボルト等(図示せず)を填め込むこともできる。このような構成によれば、複数の貫通孔16を閉じることができ、粉体Pの吐出が不要となった場合や、搬送装置1を長期停止する場合等に、粉体Pの吐出を停止し、さらに、複数の貫通孔16からの押さえローラ11内部への異物の混入を防ぐことができる。なお、複数の貫通孔16の一部又は全部に、上記孔付きプラグや皿ボルト等を装着せずに用いてもよい。
【0041】
また、本実施形態における押さえローラ11は、図5図6(a)及び図6(b)に記載されるとおり、ローラ本体11aに、1つの粉体挿入口18を備えている。粉体挿入口18は、粉体Pを粉体収容部15に投入するための開口部であり、開閉が可能で、押さえローラ11の外表面よりも突出しない構成であること以外は、任意の構成を使用することができる。例えば、図6(a)では、粉体挿入口18が栓等によって閉じられた状態が示されている。
【0042】
粉体収容部15に収容される粉体Pは、被搬送物Wの性状に応じて任意の成分の粉体、例えば、ベビーパウダー、コーンスターチ等を用いることができる。また、粉体Pが凝集した場合に、当該凝集体を破壊するための、例えば球状の微小なセラミック体等を粉体Pに混入させておいてもよい。
【0043】
なお、本実施形態において、図4に示す通り、押さえローラ11は、押さえ枠6の縦枠6aに設置されているが、押さえローラ11の固定台を別途備える構成とすることもできる。
また、本実施形態の押さえローラ11は、上述のように、図2の平面視でベルト走行方向に対して垂直に配置され、さらに、図4の平面視で、押さえ枠6の底枠6bに対して水平に配置されているが、ベルト走行方向及び押さえ枠6の底枠6bに対する角度は任意である。
【0044】
[実施形態2]
次に、本発明の他の実施形態(実施形態2)に係る搬送装置における押さえローラの一例について、図7図8(a)及び図8(b)を参照しながら説明する。実施形態2は、押さえローラの構成が実施形態1と異なる以外は、実施形態と同様である。以下、実施形態2における押さえローラについて、実施形態1と異なる点を中心に説明する。
図7は、本発明の搬送装置の他の実施形態における押さえローラの一例を示す、押さえローラの軸方向に沿う断面図であり、図8(a)は、図7の押さえローラのV−V線に沿う断面図である。さらに、図8(b)は、図7の押さえローラの側面の模式図である。
【0045】
本実施形態においても、押さえローラ110は、ローラ本体110aが、前軸受110b及び後軸受110cを介して、ローラ軸110dに回転可能に軸支されることによって形成され、さらに、ローラ本体110aの内側には、前軸受110bと後軸受110cとの間に、粉体収容部15が形成される。
【0046】
本実施形態において、ローラ軸110dは、図7に示すとおり、ローラ軸内部において、軸方向に空洞が延在する中空部19と、中空部19及び粉体収容部15に連通する開口部200を含み、管状に形成されている。
中空部19は、エアーA及び粉体Pを送り込む装置Dに接続される。なお、装置Dの形態は任意である。
【0047】
本実施形態においては、粉体収容部15への粉体Pの供給は、次のようにして行うことができる。
即ち、エアーA及び粉体Pを送り込む装置Dから、中空部19にエアーA及び粉体Pを送り込み、開口部200から粉体収容部15に粉体PがエアーAと共に投入される。次いで、押さえローラ110にコンベヤベルト2のベルト幅方向一方側の端部20の外周面20oが接触すると、押さえローラ110の回転に伴い、粉体収容部15から、貫通孔16を介して粉体Pが吐出され、一方側の端部20の外周面20oに粉体Pが付着される。
本実施形態の構成によれば、搬送装置1を停止させることなく、粉体Pを粉体収容部15に供給できるため、より効率的に搬送装置1のコンベヤベルト2の摩擦抵抗を低減することができる。
【0048】
なお、中空部19は、ローラ軸の径の1/3以下の径にて形成されていることが好ましい。ローラ軸の剛性を十分に維持するためである。
【0049】
図7に示すとおり、開口部200は、中空部19及び粉体収容部15に連通する開口部であり、ローラ軸110dの外表面に複数設置されている。
【0050】
さらに、本実施形態における押さえローラ110は、押さえローラ110の外表面、即ちローラ本体110aの外周面に複数の貫通孔16が形成されている。
本実施形態では、図8(b)に示すとおり、複数の貫通孔16が、押さえローラ軸方向及び周方向に略等間隔に、千鳥状に配置されている。
本実施形態においては、押さえローラ110が回転している最中に粉体Pを粉体収容部15に供給することができる。供給された粉体Pが、コンベヤベルト2に広範囲かつ効率的に付着されるためには、複数の貫通孔16は、押さえローラ110の全周の一部(例えば半周側)ではなく、全周にわたって複数の貫通孔16が形成されることが好ましい。
図8(a)に示すとおり、本実施形態では、図7のV−V線に沿う断面視にて、複数の貫通孔16は、押さえローラ110の全周に配置されている。
【符号の説明】
【0051】
1:搬送装置、 2:コンベヤベルト、 2C:キャリア側ベルト、 2R:リターン側ベルト、 3:前部プーリ、 4:後部プーリ、 5:ガイド枠、 6:押さえ枠、 7:保形枠、 7a:上室、 7b:下室、 7c:窓穴、 8:支持枠、 9、10:ガイドローラ、 11、110:押さえローラ、 11a、110a:ローラ本体、 11b、110b:前軸受、 11c、110c:後軸受、 11d、110d:ローラ軸、 12:円形保持ローラ、 13:ホッパ、 14:荷受箱、 15:粉体収容部、 16:貫通孔、 17:オイルシール部、 18:粉体挿入口、 19:中空部、 20:一方側の端部、 20i:内周面、 20o:外周面、 30:他方側の端部、 30i:内周面、 30o:外周面、 200:開口部、 W:被搬送物、 P:粉体、 A:エアー、 D:装置
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8