(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
複数の前記入力回路のそれぞれは、内部基準電源を更に備えており、前記切替器は、前記内部基準電源の出力信号、対応する前記フィールド機器の出力信号、前記外部基準電源の出力信号の内の何れか1つを切り替えて出力可能であり、
前記バックアップ入力回路は、前記内部基準電源を備えており、前記バックアップ切替器は、前記内部基準電源の出力信号、複数の前記フィールド機器の出力信号、及び前記外部基準電源の出力信号の内の何れか1つを切り替えて出力可能であり、
前記演算処理装置は、正常な前記入力回路のそれぞれについて、前記切替器を切り替えて、前記内部基準電源の出力信号のA/D変換値と前記フィールド機器の出力信号のA/D変換値と前記外部基準電源の出力信号のA/D変換値とを取得し、前記内部基準電源の出力信号のA/D変換値及び前記外部基準電源の出力信号のA/D変換値に基づいて、前記フィールド機器の出力信号のA/D変換値を補正し、
複数の前記入力回路の何れかの異常を判定した場合は、前記バックアップ切替器を切り替えて、前記内部基準電源の出力信号のA/D変換値と前記異常対応フィールド機器の出力信号のA/D変換値と前記外部基準電源の出力信号のA/D変換値とを取得し、前記内部基準電源の出力信号のA/D変換値及び前記外部基準電源の出力信号のA/D変換値に基づいて、前記異常対応フィールド機器の出力信号のA/D変換値を補正する請求項1に記載のプラント制御装置。
前記演算処理装置は、正常な前記入力回路のそれぞれについて、前記外部基準電源の出力信号のA/D変換値を取得する毎に、取得したA/D変換値を、対応する前記入力回路と関連付けて記憶装置に記憶し、
前記バックアップ入力回路について、前記外部基準電源の出力信号のA/D変換値を取得する毎に、取得したA/D変換値を、前記バックアップ入力回路と関連付けて前記記憶装置に記憶し、
前記外部基準電源の異常の有無を判定し、
前記外部基準電源の異常を判定した場合に、正常な前記入力回路のそれぞれについて、前記切替器を切り替えて、前記内部基準電源の出力信号のA/D変換値と前記フィールド機器の出力信号のA/D変換値とを取得し、前記記憶装置から読み出した、前記入力回路に対応する過去の正常な前記外部基準電源の出力信号のA/D変換値、及び前記内部基準電源の出力信号のA/D変換値に基づいて、前記フィールド機器の出力信号のA/D変換値を補正し、
複数の前記入力回路の何れかの異常を判定し、前記外部基準電源の異常を判定した場合に、前記バックアップ切替器を切り替えて、前記内部基準電源の出力信号のA/D変換値と前記異常対応フィールド機器の出力信号のA/D変換値とを取得し、前記記憶装置から読み出した、前記バックアップ入力回路に対応する過去の正常な前記外部基準電源の出力信号のA/D変換値、及び前記内部基準電源の出力信号のA/D変換値に基づいて、前記異常対応フィールド機器の出力信号のA/D変換値を補正する請求項2に記載のプラント制御装置。
前記演算処理装置は、正常な前記入力回路のそれぞれにおける、各A/D変換値のA/D変換処理、及び前記外部基準電源を用いたA/D変換値の補正処理を、予め定められた演算周期毎にまとめて行い、
異常な前記入力回路を前記バックアップ入力回路に切り替えている場合に、前記バックアップ入力回路における、各A/D変換値のA/D変換処理、及び前記外部基準電源を用いたA/D変換値の補正処理を、予め定められた演算周期毎にまとめて行う請求項2又は3に記載のプラント制御装置。
前記演算処理装置は、異常な前記出力回路を前記バックアップ出力回路に切り替えている場合は、前記バックアップ出力回路を前記異常判定対象に設定し、前記出力切替器を切り替えて、前記異常判定対象に設定された前記バックアップ出力回路の出力信号を、前記異常判定用入力回路に出力させ、前記異常判定用入力回路に入力された出力信号のA/D変換値を取得し、取得したA/D変換値と前記異常判定対象の前記バックアップ出力回路によりD/A変換される前の制御信号とを比較して、前記バックアップ出力回路の異常の有無を判定する請求項6に記載のプラント制御装置。
前記演算処理装置は、正常な前記出力回路のそれぞれにおける、制御信号のD/A変換処理、前記出力回路の出力信号を対応する前記フィールド機器に出力させる前記出力切替器の通常切替え処理、前記出力回路の出力信号を前記異常判定用入力回路に出力させる前記出力切替器の異常判定切替え処理、前記異常判定用入力回路のA/D変換処理、及び前記出力回路の異常判定処理を、予め定められた演算周期毎に、まとめて行い、
異常な前記出力回路を前記バックアップ出力回路に切り替えている場合に、前記バックアップ出力回路における、制御信号のD/A変換処理、前記バックアップ出力回路の出力信号を対応する前記フィールド機器に出力させる前記出力切替器の通常切替え処理、前記バックアップ出力回路の出力信号を前記異常判定用入力回路に出力させる前記出力切替器の異常判定切替え処理、前記異常判定用入力回路のA/D変換処理、及び前記バックアップ出力回路の異常判定処理を、予め定められた演算周期毎に、まとめて行う請求項7に記載のプラント制御装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
原子力発電所等のプラントは、高い安全性及び信頼性が求められるため、複数のフィールド機器との間の情報伝達に高い信頼性及び精度が求められる。そのため、各フィールド機器との情報伝達を行う入力回路又は出力回路に異常が発生した場合に対応できるように、各入力回路又は出力回路に1つずつバックアップの入力回路又は出力回路が設けられる場合があった。そのため、バックアップ系を構成するために、プラント制御装置が大型化、高コスト化する問題があった。
【0005】
また、入力回路のA/D変換値の精度を保つために、各入力回路及び各バックアップ入力回路のそれぞれに基準電源が設けられる場合があり、各基準電源を定期的に校正する必要があり、メンテナンス工数が増加する問題があった。或いは、出力回路のD/A変換値の精度を保つために、各出力回路のD/A変換器を定期的に検査する必要があり、メンテナンス工数が増加する問題があった。
【0006】
そこで、入力回路又は出力回路のバックアップ系の構成を簡素化し、プラント制御装置の小型化、低コスト化することができる共に、入力回路又は出力回路のメンテナンス工数を低減しつつ、入力回路又は出力回路の信頼性を高めることができるプラント制御装置が望まれる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係るプラント制御装置は、プラントの各部に設けられた複数のフィールド機器を用いて、前記プラントの各部の監視制御を行うプラント制御装置であって、
プラントの各部の監視制御を行うための演算処理を行う演算処理装置と、
監視用の複数の前記フィールド機器の出力信号のそれぞれに対応して1つずつ設けられ、対応する前記フィールド機器の出力信号をA/D変換して前記演算処理装置に入力する複数の入力回路と、
異常が発生した前記入力回路に対応する前記フィールド機器である異常対応フィールド機器の出力信号を、A/D変換して前記演算処理装置に入力するバックアップ入力回路と、
複数の前記入力回路及び前記バックアップ入力回路の外部に設けられた共通の外部基準電源と、を備え、
複数の前記入力回路のそれぞれは、対応する前記フィールド機器の出力信号及び前記外部基準電源の出力信号の内の何れか1つを、切り替えて出力可能な切替器と、前記切替器の出力信号をA/D変換するA/D変換器と、を備え、
前記バックアップ入力回路は、複数の前記フィールド機器の出力信号及び前記外部基準電源の出力信号の内の何れか1つを、切り替えて出力可能なバックアップ切替器と、前記バックアップ切替器の出力信号をA/D変換するバックアップA/D変換器と、を備え、
前記演算処理装置は、複数の前記入力回路のそれぞれの異常の有無を判定し、
正常な前記入力回路のそれぞれについて、前記切替器を切り替えて、前記フィールド機器の出力信号のA/D変換値と前記外部基準電源の出力信号のA/D変換値とを取得し、前記外部基準電源の出力信号のA/D変換値に基づいて、前記フィールド機器の出力信号のA/D変換値を補正し、
複数の前記入力回路の何れかの異常を判定した場合は、前記バックアップ切替器を切り替えて、前記異常対応フィールド機器の出力信号のA/D変換値と前記外部基準電源の出力信号のA/D変換値とを取得し、前記外部基準電源の出力信号のA/D変換値に基づいて、前記異常対応フィールド機器の出力信号のA/D変換値を補正するものである。
【0008】
本発明に係るプラント制御装置は、プラントの各部に設けられた複数のフィールド機器を用いて、前記プラントの各部の監視制御を行うプラント制御装置であって、
プラントの各部の監視制御を行うための演算処理を行う演算処理装置と、
制御用の複数の前記フィールド機器のそれぞれに対応して1つずつ設けられ、前記演算処理装置が演算した制御信号をD/A変換して出力する複数の出力回路と、
複数の前記出力回路の何れかに異常が発生した場合に、異常が発生した前記出力回路に対応する制御信号をD/A変換して出力するバックアップ出力回路と、
入力された信号をA/D変換して前記演算処理装置に入力する異常判定用入力回路と、
複数の前記出力回路の出力信号のそれぞれを、対応する前記フィールド機器、又は前記異常判定用入力回路に切り替えて出力可能であると共に、前記バックアップ出力回路の出力信号を、複数の前記フィールド機器の何れか1つ、又は前記異常判定用入力回路に切り替えて出力可能である出力切替器と、を備え、
前記演算処理装置は、複数の前記出力回路を1つずつ異常判定対象に設定し、前記出力切替器を切り替えて、前記異常判定対象に設定された前記出力回路の出力信号を、前記異常判定用入力回路に出力させ、前記異常判定用入力回路に入力された出力信号のA/D変換値を取得し、取得したA/D変換値と前記異常判定対象の前記出力回路によりD/A変換される前の制御信号とを比較して、前記異常判定対象の前記出力回路の異常の有無を判定し、
正常な前記出力回路のそれぞれに対応する前記フィールド機器の制御信号を、対応する前記出力回路にD/A変換させると共に、異常判定を行わない場合は、前記出力切替器を切り替えて、前記出力回路の出力信号を、対応する前記フィールド機器に出力させ、
複数の前記出力回路の何れかの異常を判定した場合に、異常が判定された前記出力回路に対応する前記フィールド機器の制御信号を、前記バックアップ出力回路にD/A変換させると共に、前記出力切替器を切り替えて、前記バックアップ出力回路の出力信号を、対応する前記フィールド機器に出力させるものである。
【発明の効果】
【0009】
本発明に係るプラント制御装置によれば、複数の入力回路又は出力回路の数に対して、バックアップ入力回路又は出力回路の数を減らすことができ、入力回路又は出力回路のバックアップ系の構成を簡素化し、プラント制御装置の小型化、低コスト化を図ることができる。
【0010】
また、外部基準電源を用いて、複数の入力回路及びバックアップ入力回路のA/D変換値の精度を高めることができる。外部基準電源は、複数の入力回路及びバックアップ入力回路に共通化された1つの基準電源とされているので、校正の必要な基準電源の数を1つに削減することができる。また、外部基準電源は、複数の入力回路及びバックアップ入力回路の外部に設けられているので、プラント制御装置から容易に取り外すことができ、定期的な校正、及び機器の交換を容易化することができる。よって、入力回路のメンテナンス工数を低減しつつ、入力回路の信頼性を高めることができる。
【0011】
また、自動的に、出力切替器が切り替えられ、出力回路の出力信号が異常判定用入力回路に入力され、A/D変換値とD/A変換前の制御信号とが比較され、出力回路の異常が判定されるので、ユーザが出力回路の定期点検を行うメンテナンス工数を削減することができる。自動的に実行された異常判定結果に基づいて、自動的に、異常な出力回路がバックアップ出力回路に切り替えられ、D/A変換がおこなわれるので、D/A変換処理の信頼性を高めることができる。よって、出力回路のメンテナンス工数を低減しつつ、出力回路の信頼性を高めることができる。
【発明を実施するための形態】
【0013】
実施の形態1.
実施の形態1に係るプラント制御装置1について図面を参照して説明する。
図1は、プラント制御装置1の概略全体構成を示す図である。
【0014】
プラント制御装置1は、プラントの各部に設けられた複数のフィールド機器を用いて、プラントの各部の監視制御を行う制御装置である。プラント制御装置1は、1つのプラントに複数設けられてもよい。プラント制御装置1の監視制御対象となるプラントには、原子力又は火力発電所、工場等の生産設備や、上下水道、電力、鉄道、道路、河川、ダム、ビル等の社会インフラ設備等の各種のプラントが含まれる。本実施の形態では、プラントが原子力発電所とされている場合について説明する。
【0015】
監視用のフィールド機器は、プラントの各部を監視する温度センサ、圧力センサ、弁の開度検出センサ等の各種のセンサ等からなる。制御用のフィールド機器は、プラントの各部を制御する電動弁、ポンプ等の各種のアクチュエータ等からなる。
【0016】
プラント制御装置1は、プラントの各部の監視制御を行うための演算処理を行う演算処理装置90(コンピュータ)、演算処理装置90とデータのやり取りする記憶装置91、演算処理装置90に外部の信号を入力する入力回路部92、及び演算処理装置90から外部に信号を出力する出力回路部93、及び演算処理装置90がプラント統合制御装置等の外部装置とデータ通信を行うための通信回路94等を備えている。
【0017】
本実施の形態では、演算処理装置90として、CPU(Central Processing Unit)が備えられている。なお、演算処理装置90として、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、IC(Integrated Circuit)、DSP(Digital Signal Processor)、各種の論理回路、及び各種の信号処理回路等が備えられてもよい。また、演算処理装置90として、同じ種類のもの又は異なる種類のものが複数備えられ、各処理が分担して実行されてもよい。記憶装置91として、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、ハードディスク(HDD)等が備えられる。
【0018】
入力回路部92は、各種のセンサやスイッチ等の監視用の複数のフィールド機器FM1、FM2・・・が接続され、監視用の複数のフィールド機器の出力信号を演算処理装置90に入力するA/D変換器等を備えている。出力回路部93は、電動弁、ポンプ等の制御用の複数のフィールド機器FC1、FC2・・・が接続され、制御用の複数のフィールド機器に演算処理装置90の制御信号を出力するD/A変換器等を備えている。
【0019】
演算処理装置90は、ROM等の記憶装置91に記憶されたソフトウェア(プログラム)を実行し、記憶装置91、入力回路部92、出力回路部93及び通信回路94等のプラント制御装置1の他のハードウェアと協働することにより、各処理を実行する。なお、各処理で用いられる基準電圧、判定値等の設定データは、ソフトウェア(プログラム)の一部として、ROM、ハードディスク等の記憶装置91に記憶されている。また、後述する外部基準電源の出力信号のA/D変換値等の制御パラメータは、RAM、ハードディスク等の記憶装置91に記憶される。
【0020】
1.入力回路側の構成
<入力回路の課題>
原子力発電所等のプラントは、高い安全性及び信頼性が求められるため、複数のフィールド機器との間の情報伝達に高い信頼性及び精度が求められる。そのため、
図8の比較例に示すように、各フィールド機器の入力回路に異常が発生した場合に対応できるように、各入力回路に1つずつバックアップの入力回路が設けられていた。そのため、バックアップ系を構成するために、プラント制御装置が大型化、高コスト化する問題があった。また、各A/D変換値の精度を保つために、各入力回路及び各バックアップ入力回路のそれぞれに基準電源が設けられており、各基準電源を定期的に校正する必要があり、メンテナンス工数が増加する問題があった。そこで、入力回路のバックアップ系の構成を簡素化し、プラント制御装置の小型化、低コスト化することができる共に、各入力回路を校正するメンテナンス工数を低減することができるプラント制御装置が求められる。
【0021】
そこで、本実施の形態では、
図2に示すように、入力回路部92には、複数の入力回路IO1、IO2・・・、及び1つのバックアップ入力回路IObkが設けられている。また、複数の入力回路IO1、IO2・・・及びバックアップ入力回路IObkの外部には、共通の外部基準電源RVexが設けられている。
【0022】
<入力回路>
複数の入力回路IO1、IO2・・・は、監視用の複数のフィールド機器FM1、FM2・・・の出力信号のそれぞれに対応して1つずつ設けられている。監視用の複数のフィールド機器FM1、FM2・・・の出力信号の数と、複数の入力回路IO1、IO2・・・の数とは同数とされている。複数の入力回路IO1、IO2・・・のそれぞれは、対応するフィールド機器FM1、FM2・・・の出力信号をA/D変換して演算処理装置90に入力する。例えば、第1入力回路IO1は、監視用の第1フィールド機器FM1の出力信号をA/D変換して演算処理装置90に入力し、第2入力回路IO2は、監視用の第2フィールド機器FM2の出力信号をA/D変換して演算処理装置90に入力する。
【0023】
図3に、第1入力回路IO1を代表して示すように、複数の入力回路のそれぞれは、対応するフィールド機器の出力信号及び外部基準電源RVexの出力信号の内の何れか1つを、切り替えて出力可能な切替器SWと、切替器SWの出力信号をA/D変換するA/D変換器ADCと、を備えている。
【0024】
本実施の形態では、複数の入力回路のそれぞれは、更に、内部基準電源RVinを備えている。そして、各入力回路の切替器SWは、内部基準電源RVinの出力信号、対応するフィールド機器の出力信号、外部基準電源RVexの出力信号の内の何れか1つを切り替えて出力するように構成されている。
【0025】
切替器SWには、アナログ・マルチプレクサ等が用いられる。アナログ・マルチプレクサは、
図4に示すように、各入力と出力との間に、それぞれスイッチが設けられ、制御信号により、何れか1つのスイッチがオンにされ、何れか1つのアナログ入力信号が、そのまま出力側に伝達される。切替器SWの入力数は、3つとされる。切替器SWは、演算処理装置90から伝達された制御信号に応じて、接続を切り替える。
【0026】
A/D変換器ADCは、入力されたアナログ信号をデジタル信号に変換して演算処理装置90に伝達する。A/D変換器ADCは、例えば、0Vから5Vのアナログ信号を10bitのデジタル信号にA/D変換する。A/D変換器ADCは、演算処理装置90から伝達されたトリガータイミングでA/D変換を行うように構成されている。
【0027】
内部基準電源RVinは、温度等によらずに、予め定められた一定の基準電圧Vin0を出力するように設計された基準電圧回路とされている。このような基準電圧回路は、正の温度係数を持つ素子特性と負の温度計数を持つ素子特性を組み合わせることにより実現される。内部基準電源RVinは、入力回路の内部に設けられる。
【0028】
各入力回路に1つずつ内部基準電源RVinが設けられているので、共通の外部基準電源RVexが故障した、又は取り外された場合でも、各入力回路の内部基準電源RVinを用いて、A/D変換値を補正することができる。
【0029】
本実施の形態では、複数の入力回路のそれぞれは、切替器SWとA/D変換器ADCとの間に、絶縁型信号伝達回路INCを備えている。絶縁型信号伝達回路INCには、絶縁アンプ、フォトカプラ等が用いられる。絶縁型信号伝達回路INCを設けることにより、1つの入力回路の故障が、他の入力回路に影響を与えることを抑制できる。
【0030】
複数の入力回路のそれぞれは、基板に、切替器SW、A/D変換器ADC、内部基準電源RVin、及び絶縁型信号伝達回路INC等が実装されたアナログ入力ボードとされており、プラント制御装置1のスロットに抜き差し可能であり、入力回路が故障した場合等に、取り替え可能に構成されている。演算処理装置90とアナログ入力ボードとは、PCI(Peripheral Component Interconnect)等の通信規格を用いて、デジタル信号を相互に通信するように構成されている。
【0031】
<バックアップ入力回路>
バックアップ入力回路IObkは、異常が発生した入力回路に対応するフィールド機器である異常対応フィールド機器の出力信号を、A/D変換して演算処理装置90に入力する入力回路である。例えば、第1入力回路IO1に異常が発生した場合は、異常対応フィールド機器は、監視用の第1フィールド機器FM1となり、第2入力回路IO2に異常が発生した場合は、異常対応フィールド機器は、監視用の第2フィールド機器FM2となる。
【0032】
図5に示すように、バックアップ入力回路IObkは、監視用の複数のフィールド機器FM1、FM2・・・の出力信号及び外部基準電源RVexの出力信号の内の何れか1つを、切り替えて出力可能なバックアップ切替器SWbkと、バックアップ切替器SWbkの出力信号をA/D変換するバックアップA/D変換器ADCbkと、を備えている。
【0033】
本実施の形態では、バックアップ入力回路IObkは、更に、入力回路と同様の内部基準電源RVinを備えている。そして、バックアップ切替器SWbkは、内部基準電源RVinの出力信号、複数のフィールド機器FM1、FM2・・・の出力信号、外部基準電源RVexの出力信号の内の何れか1つを切り替えて出力するように構成されている。
【0034】
バックアップ切替器SWbkには、切替器SWと同様に
図4に示すようなアナログ・マルチプレクサ等が用いられる。バックアップ切替器SWbkの入力数は、監視用の複数のフィールド機器FM1、FM2・・・の数+2とされている。バックアップ切替器SWbkは、演算処理装置90から伝達された制御信号に応じて、接続を切り替える。
【0035】
バックアップA/D変換器ADCbkは、A/D変換器ADCと同様に、入力されたアナログ信号をデジタル信号に変換して演算処理装置90に伝達するA/D変換器である。バックアップA/D変換器ADCbkは、演算処理装置90から伝達されたトリガータイミングでA/D変換を行うように構成されている。
【0036】
本実施の形態では、バックアップ入力回路IObkは、入力回路と同様に、バックアップ切替器SWbkとバックアップA/D変換器ADCbkとの間に、絶縁型信号伝達回路INCを備えている。
【0037】
バックアップ入力回路IObkは、第1入力回路IO1等と同様に、基板に、バックアップ切替器SWbk、バックアップA/D変換器ADCbk、内部基準電源RVin、及び絶縁型信号伝達回路INC等が実装されたアナログ入力ボードとされており、プラント制御装置1のスロットに抜き差し可能であり、バックアップ入力回路IObkが故障した場合等に、取り替え可能に構成されている。演算処理装置90とアナログ入力ボードとは、PCI等の通信規格を用いて、デジタル信号を相互に通信するように構成されている。
【0038】
<外部基準電源RVex>
外部基準電源RVexは、上記のように、複数の入力回路IO1、IO2・・・及びバックアップ入力回路IObkの外部に設けられており、複数の入力回路IO1、IO2・・・及びバックアップ入力回路IObkの共通の1つの基準電源とされている。
【0039】
基準電源は、一般的に、A/D変換値の精度を保つために、定期的に校正する必要がある。複数の入力回路IO1、IO2・・・及びバックアップ入力回路IObkに共通化された1つの外部基準電源RVexが設けられているので、校正する基準電源の数を1つに削減することができる。また、外部基準電源RVexは、各入力回路の外部に設けられているので、プラント制御装置1から容易に取り外し、校正したり、新しいものに交換したりすることができる。よって、定期的な校正工数及びメンテナンス工数を低減しつつ、各A/D変換値の精度を保つことができる。
【0040】
外部基準電源RVexは、温度等によらずに、一定の基準電圧Vex0を出力するように設計された基準電圧回路とされている。このような基準電圧回路は、正の温度係数を持つ素子特性と負の温度計数を持つ素子特性を組み合わせることにより実現される。外部基準電源RVexは、予め定めされた一定の基準電圧Vex0を出力するように、高精度の計測機器を用いた校正により調整される。
【0041】
<演算処理装置90>
<入力回路の異常判定処理>
演算処理装置90は、複数の入力回路IO1、IO2・・・のそれぞれの異常の有無を判定する入力回路の異常判定処理を実行する。例えば、演算処理装置90は、各入力回路のA/D変換値が、変換レンジの最大値又は最小値に張り付いているか否かを判定し、張り付いている入力回路に異常があると判定する。また、演算処理装置90は、各入力回路のA/D変換値が、長期間、一定値に固定しているか否かを判定し、一定値に固定している入力回路に異常があると判定する。演算処理装置90は、バックアップ入力回路IObkについても、同様の入力回路の異常判定処理を実行する。
【0042】
<A/D変換処理>
演算処理装置90は、異常判定処理により異常がないと判定された正常な入力回路のそれぞれについて、切替器SWを切り替えて、監視用のフィールド機器の出力信号のA/D変換値と外部基準電源の出力信号のA/D変換値とを取得するA/D変換処理を実行する。この際、演算処理装置90は、切替器SWの各スイッチのオンオフを切り替える制御信号、A/D変換器ADCにA/D変換の実行を指令する制御信号を、入力回路に伝達する。
【0043】
本実施の形態では、内部基準電源RVinの出力信号もA/D変換されるように構成されている。すなわち、演算処理装置90は、正常な入力回路のそれぞれについて、切替器SWを切り替えて、内部基準電源の出力信号のA/D変換値と、フィールド機器の出力信号のA/D変換値と、外部基準電源の出力信号のA/D変換値とを取得するように構成されている。
【0044】
例えば、演算処理装置90は、第1入力回路IO1の切替器SWを切り替えて、第1入力回路IO1の内部基準電源の出力信号のA/D変換値Vin1と、第1フィールド機器の出力信号のA/D変換値Vfm1と、外部基準電源の出力信号のA/D変換値Vex1とを取得する。演算処理装置90は、第2入力回路IO2の切替器SWを切り替えて、第2入力回路IO2の内部基準電源の出力信号のA/D変換値Vin2と、第2フィールド機器の出力信号のA/D変換値Vfm2と、外部基準電源の出力信号のA/D変換値Vex2とを取得する。
【0045】
<外部基準補正処理>
そして、演算処理装置90は、正常な入力回路のそれぞれについて、外部基準電源の出力信号のA/D変換値に基づいて、フィールド機器の出力信号のA/D変換値を補正する外部基準補正処理を実行する。この構成によれば、共通の外部基準電源RVexを用いて、各フィールド機器の出力信号のA/D変換値の精度を高めることができる。
【0046】
本実施の形態では、内部基準電源の出力信号のA/D変換値も補正に用いられるように構成されている。すなわち、演算処理装置90は、内部基準電源の出力信号のA/D変換値及び外部基準電源の出力信号のA/D変換値に基づいて、フィールド機器の出力信号のA/D変換値を補正するように構成されている。
【0047】
例えば、第1入力回路IO1の場合は、次式に示すように、演算処理装置90は、予め設定された外部基準電源の基準電圧Vex0から、第1入力回路IO1がA/D変換した外部基準電源の出力信号のA/D変換値Vex1を減算した値を、第1入力回路IO1がA/D変換した内部基準電源の出力信号のA/D変換値Vin1に加算した値を、補正後の内部基準電源の出力信号のA/D変換値Vinc1として算出する。そして、演算処理装置90は、予め設定された内部基準電源の基準電圧Vin0から、補正後の内部基準電源の出力信号のA/D変換値Vinc1を減算した値を、第1入力回路IO1がA/D変換した第1フィールド機器の出力信号のA/D変換値Vfm1に加算した値を、補正後の第1フィールド機器の出力信号のA/D変換値Vfmc1として算出する。外部基準電源の基準電圧Vex0及び内部基準電源の基準電圧Vin0は、外部基準電源RVex及び内部基準電源RVinの仕様に合わせて、ユーザによりキーボード等の入力装置等を介して入力され、ハードディスク等の記憶装置91に予め記憶されている。
Vinc1=Vin1+(Vex0−Vex1)
Vfmc1=Vfm1+(Vin0−Vinc1) ・・・(1)
【0048】
<A/D変換処理>
演算処理装置90は、入力回路の何れかの異常を判定した場合は、バックアップ切替器SWbkを切り替えて、異常が発生した入力回路に対応するフィールド機器である異常対応フィールド機器の出力信号のA/D変換値と、外部基準電源の出力信号のA/D変換値Vexbkとを取得するA/D変換処理を実行する。この際、演算処理装置90は、バックアップ切替器SWbkの各スイッチのオンオフを切り替える制御信号、バックアップA/D変換器ADCbkにA/D変換の実行を指令する制御信号を、バックアップ入力回路IObkに伝達する。
【0049】
本実施の形態では、内部基準電源RVinの出力信号もA/D変換されるように構成されている。すなわち、演算処理装置90は、入力回路の何れかの異常を判定した場合は、バックアップ切替器SWbkを切り替えて、内部基準電源の出力信号のA/D変換値Vinbkと、異常対応フィールド機器の出力信号のA/D変換値と、外部基準電源の出力信号のA/D変換値Vexbkとを取得するように構成されている。
【0050】
例えば、演算処理装置90は、第1入力回路IO1の異常を判定した場合は、第1入力回路IO1に対応する第1フィールド機器FM1を異常対応フィールド機器に設定する。そして、演算処理装置90は、バックアップ切替器SWbkを切り替えて、バックアップ入力回路の内部基準電源の出力信号のA/D変換値Vinbkと、異常対応フィールド機器である第1フィールド機器FM1の出力信号のA/D変換値Vfmbk1と、外部基準電源の出力信号のA/D変換値Vexbkとを取得する。
【0051】
<外部基準補正処理>
そして、演算処理装置90は、外部基準電源の出力信号のA/D変換値Vexbkに基づいて、異常対応フィールド機器の出力信号のA/D変換値を補正する外部基準補正処理を実行する。
【0052】
本実施の形態では、内部基準電源の出力信号のA/D変換値も補正に用いられるように構成されている。すなわち、演算処理装置90は、内部基準電源の出力信号のA/D変換値Vinbk及び外部基準電源の出力信号のA/D変換値Vexbkに基づいて、異常対応フィールド機器の出力信号のA/D変換値を補正するように構成されている。
【0053】
例えば、次式に示すように、演算処理装置90は、予め設定された外部基準電源の基準電圧Vex0から、バックアップ入力回路IObkがA/D変換した外部基準電源の出力信号のA/D変換値Vexbkを減算した値を、バックアップ入力回路IObkがA/D変換した内部基準電源の出力信号のA/D変換値Vinbkに加算した値を、補正後の内部基準電源の出力信号のA/D変換値Vincbkとして算出する。そして、演算処理装置90は、予め設定された内部基準電源の基準電圧Vin0から、補正後の内部基準電源の出力信号のA/D変換値Vincbkを減算した値を、バックアップ入力回路IObkがA/D変換した第1フィールド機器の出力信号のA/D変換値Vfmbkに加算した値を、補正後の第1フィールド機器の出力信号のA/D変換値Vfmc1として算出する。
Vincbk=Vinbk+(Vex0−Vexbk)
Vfmc1=Vfmbk+(Vin0−Vincbk) ・・・(2)
【0054】
<外部基準電源の異常時の処理>
演算処理装置90は、正常な入力回路のそれぞれについて、外部基準電源の出力信号のA/D変換値を取得する毎に、取得したA/D変換値を、対応する入力回路と関連付けて記憶装置91に記憶する基準変換値記憶処理を実行する。また、演算処理装置90は、バックアップ入力回路IObkについて、外部基準電源の出力信号のA/D変換値を取得する毎に、取得したA/D変換値を、バックアップ入力回路IObkと関連付けて記憶装置に記憶する基準変換値記憶処理を実行する。
【0055】
演算処理装置90は、外部基準電源RVexの異常の有無を判定する外部基準電源の異常判定処理を実行する。例えば、演算処理装置90は、複数の入力回路について、外部基準電源の出力信号のA/D変換値が、基準電圧Vex0から判定電圧値以上離れている場合に、外部基準電源RVexに異常が発生していると判定する。
【0056】
演算処理装置90は、外部基準電源RVexの異常を判定した場合に、正常な入力回路のそれぞれについて、切替器SWを切り替えて、内部基準電源の出力信号のA/D変換値とフィールド機器の出力信号のA/D変換値とを取得する異常時A/D変換処理を実行する。
【0057】
そして、演算処理装置90は、正常な入力回路のそれぞれについて、記憶装置91から読み出した、入力回路に対応する過去の正常な外部基準電源の出力信号のA/D変換値、及び内部基準電源の出力信号のA/D変換値に基づいて、フィールド機器の出力信号のA/D変換値を補正する。
【0058】
例えば、第1入力回路IO1の場合は、式(1)の外部基準電源の出力信号のA/D変換値Vex1の代わりに、第1入力回路IO1が過去にA/D変換した正常な外部基準電源の出力信号のA/D変換値Vex1_oldを用いた次式を用いて、補正後の第1フィールド機器の出力信号のA/D変換値Vfmc1を算出する。
Vinc1=Vin1+(Vex0−Vex1_old)
Vfmc1=Vfm1+(Vin0−Vinc1) ・・・(3)
【0059】
この構成によれば、外部基準電源RVexの故障、取り外し等により、外部基準電源RVexの異常が判定された場合でも、記憶装置91に記憶された、過去の正常な外部基準電源の出力信号のA/D変換値を用いて、フィールド機器の出力信号のA/D変換値を継続的に補正し、精度の悪化を抑制できる。
【0060】
また、演算処理装置90は、入力回路の何れかの異常を判定し、外部基準電源RVexの異常を判定した場合は、バックアップ切替器SWbkを切り替えて、内部基準電源の出力信号のA/D変換値と、異常対応フィールド機器の出力信号のA/D変換値とを取得する異常時A/D変換処理を実行する。
【0061】
そして、演算処理装置90は、記憶装置91から読み出した、バックアップ入力回路IObkに対応する過去の正常な外部基準電源の出力信号のA/D変換値Vexbk_old、及び内部基準電源の出力信号のA/D変換値Vinbkに基づいて、異常対応フィールド機器の出力信号のA/D変換値を補正する。
【0062】
例えば、演算処理装置90は、式(2)の外部基準電源の出力信号のA/D変換値Vexbkの代わりに、バックアップ入力回路IObkが過去にA/D変換した正常な外部基準電源の出力信号のA/D変換値Vexbk_oldを用いた次式を用いて、補正後の第1フィールド機器の出力信号のA/D変換値Vfmc1を算出する。
Vincbk=Vinbk+(Vex0−Vexbk_old)
Vfmc1=Vfmbk+(Vin0−Vincbk) ・・・(4)
【0063】
<定周期処理>
原子力発電所等のプラントでは、A/D変換処理の信頼性が求められる。そこで、演算処理装置90は、正常な入力回路のそれぞれにおける、各A/D変換値のA/D変換処理、及び外部基準電源RVexを用いたA/D変換値の補正処理(外部基準補正処理)を、予め定められた演算周期毎にまとめて行う定周期処理を実行するように構成されている。また、演算処理装置90は、異常な入力回路をバックアップ入力回路IObkに切り替えている場合に、バックアップ入力回路IObkにおける、各A/D変換値のA/D変換処理、及び外部基準電源RVexを用いたA/D変換値の補正処理(外部基準補正処理)を、予め定められた演算周期毎にまとめて行う定周期処理を実行するように構成されている。この定周期処理により、決定論的応答性を確保している。
【0064】
例えば、第1入力回路IO1が正常であり、第2入力回路IO2が異常であると判定されている場合の例を
図6に示す。演算処理装置90は、第1フィールド機器FM1のA/D変換値の演算周期のタイミングになった後、正常な第1入力回路IO1を用いた、第1フィールド機器FM1の出力信号のA/D変換処理、外部基準電源RVexの出力信号のA/D変換処理、及び内部基準電源RVinの出力信号のA/D変換処理を、切替器SWを切り替えて順番に行い、その後、内部基準電源の出力信号のA/D変換値Vin1及び外部基準電源の出力信号のA/D変換値Vex1に基づいて、第1フィールド機器の出力信号のA/D変換値Vfm1を補正する外部基準補正処理を行う。
【0065】
演算処理装置90は、第2フィールド機器FM2のA/D変換値の演算周期のタイミングになった後、異常な第2入力回路IO2の代わりにバックアップ入力回路IObkを用いた、第2フィールド機器FM2の出力信号のA/D変換処理、外部基準電源RVexの出力信号のA/D変換処理、及び内部基準電源RVinの出力信号のA/D変換処理を、バックアップ切替器SWbkを切り替えて順番に行い、その後、内部基準電源の出力信号のA/D変換値Vinbk及び外部基準電源の出力信号のA/D変換値Vexbkに基づいて、第2フィールド機器の出力信号のA/D変換値Vfmbkを補正する外部基準補正処理を行う。
【0066】
このように、フィールド機器の出力信号のA/D変換値の算出に必要な、各A/D変換値のA/D変換処理及び外部基準補正処理が、まとめて連続的に行われるので、各A/D変換値のA/D変換処理の間で、時間間隔が生じたり、A/D変換処理と外部基準補正処理との間で、時間間隔が生じたりすることを防止でき、A/D変換値の算出処理の信頼性を向上させることができる共に、算出精度を高めることができる。
【0067】
<フローチャート>
本実施の形態に係る入力回路側の演算処理装置90の処理の手順(プラント制御プログラム及びプラント制御方法)について、
図7に示すフローチャートに基づいて説明する。
図7のフローチャートの処理は、演算処理装置90(コンピュータ)が、記憶装置91に記憶された保プラント制御プログラム(ソフトウェア)を実行することにより、実行される。
【0068】
ステップS01で、演算処理装置90は、上記のように、複数の入力回路IO1、IO2・・・のそれぞれの異常の有無を判定する入力回路の異常判定処理を実行する。
【0069】
ステップS02で、演算処理装置90は、上記のように、外部基準電源RVexの異常の有無を判定する外部基準電源の異常判定処理を実行する。
【0070】
そして、演算処理装置90は、何れかの入力回路に異常があると判定された場合(ステップS03:Yes)であって、外部基準電源RVexに異常がないと判定された場合(ステップS04:No)は、ステップS05で、上記のように、正常な入力回路を用いたA/D変換処理及び外部基準補正処理を実行すると共に、異常な入力回路に替えてバックアップ入力回路IObkを用いたA/D変換処理及び外部基準補正処理を実行する。
【0071】
演算処理装置90は、何れかの入力回路に異常があると判定された場合(ステップS03:Yes)であって、外部基準電源RVexに異常があると判定された場合(ステップS04:Yes)は、ステップS06で、上記のように、正常な入力回路を用いたA/D変換処理を実行し、過去の正常な外部基準電源の出力信号のA/D変換値を用いて外部基準補正処理を実行すると共に、バックアップ入力回路IObkを用いたA/D変換処理を実行し、過去の正常な外部基準電源の出力信号のA/D変換値を用いて外部基準補正処理を実行する。
【0072】
一方、演算処理装置90は、何れの入力回路にも異常がないと判定された場合(ステップS03:No)であって、外部基準電源RVexに異常がないと判定された場合(ステップS07:No)は、ステップS08で、上記のように、全ての入力回路を用いたA/D変換処理及び外部基準補正処理を実行する。
【0073】
演算処理装置90は、何れの入力回路にも異常がないと判定された場合(ステップS03:No)であって、外部基準電源RVexに異常があると判定された場合(ステップS07:Yes)は、ステップS09で、上記のように、全ての入力回路を用いたA/D変換処理を実行し、過去の正常な外部基準電源の出力信号のA/D変換値を用いて外部基準補正処理を実行する。
【0074】
2.出力回路側の構成
<出力回路の課題>
上記のように、原子力発電所等のプラントは、高い安全性及び信頼性が求められるため、複数のフィールド機器との間の情報伝達に高い信頼性及び精度が求められる。そのため、
図17の比較例に示すように、各フィールド機器の出力回路に異常が発生した場合に対応できるように、各出力回路に1つずつバックアップの出力回路が設けられていた。そのため、バックアップ系を構成するために、プラント制御装置が大型化、高コスト化する問題があった。また、各出力回路のD/A変換器を定期的に検査する必要があり、メンテナンス工数が増加する問題があった。そこで、出力回路のバックアップ系の構成を簡素化し、プラント制御装置の小型化、低コスト化することができる共に、各出力回路を検査するメンテナンス工数を低減することができるプラント制御装置が求められる。
【0075】
そこで、本実施の形態では、
図9に示すように、出力回路部93には、複数の出力回路AO1、AO2・・・、1つのバックアップ出力回路AObk、異常判定用入力回路IOdt、及び出力切替器SWoが設けられている。
【0076】
<出力回路>
複数の出力回路AO1、AO2・・・は、制御用の複数のフィールド機器FC1、FC2・・・のそれぞれに対応して1つずつ設けられている。複数の出力回路AO1、AO2・・・の数と、制御用の複数のフィールド機器FC1、FC2・・・の制御信号の数と、は同数とされている。複数の出力回路AO1、AO2・・・のそれぞれは、演算処理装置90が演算した、対応するフィールド機器FC1、FC2・・・に対する制御信号をD/A変換して出力する。複数の出力回路のそれぞれは、演算処理装置90から伝達されたデジタル信号をアナログ信号にD/A変換するD/A変換器を備えている。なお、各D/A変換器は、次のD/A変換タイミングまで、D/A変換値を継続的に出力するホールド機能を有している。
【0077】
例えば、第1出力回路AO1は、演算処理装置90が演算した、制御用の第1フィールド機器FC1に対する制御信号を、D/A変換して出力し、第2出力回路AO2は、演算処理装置90が演算した、制御用の第2フィールド機器FC2に対する制御信号を、D/A変換して出力する。
【0078】
複数の出力回路のそれぞれは、基板に、D/A変換器等が実装されたアナログ出力ボードとされており、プラント制御装置1のスロットに抜き差し可能であり、出力回路が故障した場合等に、取り替え可能に構成されている。演算処理装置90とアナログ出力ボードとは、PCI等の通信規格を用いて、デジタル信号を相互に通信するように構成されている。
【0079】
<バックアップ出力回路>
バックアップ出力回路AObkは、複数の出力回路の何れかに異常が発生した場合に、異常が発生した出力回路に対応する制御信号をD/A変換して出力する出力回路である。バックアップ出力回路AObkは、演算処理装置90から伝達されたデジタル信号をアナログ信号にD/A変換するD/A変換器を備えている。バックアップ出力回路AObkも、基板に、D/A変換器等が実装されたアナログ出力ボードとされており、PCI等の通信規格を用いて、演算処理装置90とデジタル信号を相互に通信する。
【0080】
<異常判定用入力回路>
異常判定用入力回路IOdtは、入力された信号をA/D変換して演算処理装置90に入力する入力回路である。異常判定用入力回路IOdtは、入力されたアナログ信号をデジタル信号にA/D変換するA/D変換器を備えている。異常判定用入力回路IOdtは、基板に、A/D変換器等が実装されたアナログ入力ボードとされており、PCI等の通信規格を用いて、演算処理装置90とデジタル信号を相互に通信する。
【0081】
<出力切替器SWo>
出力切替器SWoは、複数の出力回路の出力信号のそれぞれを、対応する制御用のフィールド機器、又は異常判定用入力回路IOdtに切り替えて出力可能であると共に、バックアップ出力回路AObkの出力信号を、制御用の複数のフィールド機器FC1、FC2・・・の何れか1つ、又は異常判定用入力回路IOdtに切り替えて出力可能な切替器である。
【0082】
出力切替器SWoには、アナログ・マルチプレクサ等が用いられる。例えば、アナログ・マルチプレクサが有する複数のスイッチの入出力端子が、
図10に示すように接続され、出力切替器SWoの切替回路が構成される。アナログ・マルチプレクサの各スイッチは、演算処理装置90から伝達された制御信号に応じて、個別にオン又はオフされる。
【0083】
<演算処理装置90>
<D/A変換処理、通常切換え処理>
演算処理装置90は、後述する異常判定処理により異常がないと判定された正常な出力回路のそれぞれに対応するフィールド機器の制御信号を、対応する出力回路にD/A変換させるD/A処理を実行する。そして、演算処理装置90は、後述する異常判定処理を行わない場合は、出力切替器SWoを切り替えて、出力回路の出力信号を対応するフィールド機器に出力させる通常切換え処理を実行する。この際、演算処理装置90は、D/A変換の実行を指令する制御信号を各出力回路のD/A変換器に伝達し、各スイッチのオンオフを切り替える制御信号を出力切替器SWoに伝達する。
【0084】
例えば、第1出力回路AO1及び第2出力回路AO2が正常な場合は、
図11に示すように出力切替器SWoの各スイッチを切り替えて、第1出力回路AO1の出力信号を第1フィールド機器FC1に出力させ、第2出力回路AO2の出力信号を第2フィールド機器FC2に出力させる。
【0085】
<出力回路の異常判定処理>
演算処理装置90は、複数の出力回路AO1、AO2・・・のそれぞれの異常の有無を判定する出力回路の異常判定処理を実行する。演算処理装置90は、複数の出力回路AO1、AO2・・・を1つずつ異常判定対象に設定し、出力切替器SWoを切り替えて、異常判定対象に設定された出力回路の出力信号を、異常判定用入力回路IOdtに出力させる異常判定用の切換え処理を実行する。この際、演算処理装置90は、各スイッチのオンオフを切り替える制御信号を出力切替器SWoに伝達する。ここで、異常判定処理のための異常判定用入力回路IOdtへの切換え期間は、対応するフィールド機器への切換え期間よりも、できるだけ短くなるように設定され、フィールド機器に対する影響が小さくなるようにされる。すなわち、演算処理装置90は、異常判定を行う期間だけ、出力回路の出力信号を異常判定用入力回路IOdtに出力させ、それ以外の期間は、出力回路の出力信号をフィールド機器に出力させる。
【0086】
例えば、第1出力回路AO1が異常判定対象に設定された場合は、
図12に示すように出力切替器SWoの各スイッチを切り替えて、第1出力回路AO1の出力信号を、異常判定用入力回路IOdtに出力させる。
【0087】
そして、演算処理装置90は、異常判定用入力回路IOdtに入力された出力信号のA/D変換値を取得するA/D変換処理を実行する。演算処理装置90は、取得したA/D変換値と異常判定対象の出力回路によりD/A変換される前の制御信号とを比較して、異常判定対象の出力回路の異常の有無を判定する異常判定処理を実行する。この際、演算処理装置90は、A/D変換の実行を指令する制御信号を異常判定用入力回路IOdtのA/D変換器に伝達する。例えば、演算処理装置90は、取得したA/D変換値と、D/A変換前の制御信号との偏差が、予め設定された判定値以上になった場合に、異常判定対象の出力回路が異常であると判定する。
【0088】
このように、演算処理装置90が、自動的に、出力切替器SWoを切り替えて、出力回路の出力信号を異常判定用入力回路IOdtに出力させ、A/D変換値とD/A変換前の制御信号とを比較し、出力回路の異常を判定するので、ユーザが出力回路の定期点検を行うメンテナンス工数を削減することができる。
【0089】
<異常判定時のD/A変換処理、通常切換え処理>
演算処理装置90は、出力回路の何れかの異常を判定した場合に、異常が判定された出力回路に対応するフィールド機器の制御信号を、バックアップ出力回路AObkにD/A変換させるD/A変換処理を実行する。演算処理装置90は、出力切替器SWoを切り替えて、バックアップ出力回路の出力信号を、対応するフィールド機器に出力させる通常切換え処理を実行する。この際、演算処理装置90は、D/A変換の実行を指令する制御信号をバックアップ出力回路AObkのD/A変換器に伝達し、各スイッチのオンオフを切り替える制御信号を出力切替器SWoに伝達する。
【0090】
例えば、第2出力回路AO2の異常が判定された場合は、演算処理装置90は、第2出力回路AO2に対応する第2フィールド機器FC2の制御信号を、バックアップ出力回路AObkにD/A変換させると共に、
図13に示すように出力切替器SWoの各スイッチのオンオフを切り替えて、バックアップ出力回路AObkの出力信号を、第2フィールド機器FC2に出力させる。
【0091】
このように、自動的に実行された異常判定結果に基づいて、自動的に、異常な出力回路をバックアップ出力回路AObkに切り替えてD/A変換が行われるので、D/A変換処理の信頼性を高めることができる。また、バックアップ出力回路AObkに切り替えられている間に、ユーザは、異常な出力回路を、新しいものに交換することができる。
【0092】
<バックアップ出力回路の異常判定処理>
演算処理装置90は、異常な出力回路をバックアップ出力回路AObkに切り替えている場合は、バックアップ出力回路AObkを異常判定対象に設定し、出力切替器SWoを切り替えて、異常判定対象に設定されたバックアップ出力回路の出力信号を、異常判定用入力回路IOdtに出力させる異常判定切替え処理を実行する。例えば、第2出力回路AO2の異常が判定されている場合は、
図14に示すように出力切替器SWoの各スイッチを切り替えて、バックアップ出力回路AObkの出力信号を、異常判定用入力回路IOdtに出力させる。
【0093】
そして、演算処理装置90は、異常判定用入力回路IOdtに入力された出力信号のA/D変換値を取得し、取得したA/D変換値と異常判定対象のバックアップ出力回路AObkによりD/A変換される前の制御信号とを比較して、バックアップ出力回路AObkの異常の有無を判定するバックアップ出力回路の異常判定処理を実行する。
【0094】
<定周期処理>
原子力発電所等のプラントでは、D/A変換処理の信頼性が求められる。そこで、演算処理装置90は、正常な出力回路のそれぞれにおける、制御信号のD/A変換処理、出力回路の出力信号を対応するフィールド機器に出力させる出力切替器SWoの通常切替え処理、出力回路の出力信号を異常判定用入力回路IOdtに出力させる出力切替器SWoの異常判定切替え処理、異常判定用入力回路IOdtのA/D変換処理、及び出力回路の異常判定処理を、予め定められた演算周期毎にまとめて行う定周期処理を実行するように構成されている。この定周期処理により、決定論的応答性を確保している。
【0095】
また、演算処理装置90は、異常な出力回路をバックアップ出力回路AObkに切り替えている場合は、バックアップ出力回路AObkにおける、制御信号のD/A変換処理、バックアップ出力回路AObkの出力信号を対応するフィールド機器に出力させる出力切替器SWoの通常切替え処理、バックアップ出力回路AObkの出力信号を異常判定用入力回路IOdtに出力させる出力切替器SWoの異常判定切替え処理、異常判定用入力回路IOdtのA/D変換処理、及びバックアップ出力回路AObkの異常判定処理を、予め定められた演算周期毎に、まとめて行う定周期処理を実行するように構成されている。
【0096】
例えば、第1出力回路AO1が正常であり、第2出力回路AO2が異常であると判定されている場合の例を
図15に示す。演算処理装置90は、第1フィールド機器FC1のD/A変換の演算周期のタイミングになった後、正常な第1出力回路AO1を用いた、第1フィールド機器FC1の制御信号のD/A変換処理、第1出力回路AO1の出力信号を対応する第1フィールド機器FC1に出力させる出力切替器SWoの通常切替え処理、第1出力回路AO1の出力信号を異常判定用入力回路IOdtに出力させる出力切替器SWoの異常判定切替え処理、異常判定用入力回路IOdtのA/D変換処理、及び第1出力回路AO1の異常判定処理を、連続的に順番に行う。
【0097】
演算処理装置90は、第2フィールド機器FC2のD/A変換の演算周期のタイミングになった後、異常な第2出力回路AO2の代わりにバックアップ出力回路AObkを用いた、第2フィールド機器FC2の制御信号のD/A変換処理、バックアップ出力回路AObkの出力信号を対応する第2フィールド機器FC2に出力させる出力切替器SWoの通常切替え処理、バックアップ出力回路AObkの出力信号を異常判定用入力回路IOdtに出力させる出力切替器SWoの異常判定切替え処理、異常判定用入力回路IOdtのA/D変換処理、及びバックアップ出力回路AObkの異常判定処理を、連続的に順番に行う。
【0098】
このように、フィールド機器への制御信号の出力、及び各出力回路の異常判定処理に必要な、D/A変換処理、切換え処理、及び異常判定処理が、まとめて連続的に行われるので、各処理の間で時間間隔が生じることを防止でき、D/A変換の信頼性を向上させることができる。
【0099】
<フローチャート>
本実施の形態に係る出力回路側の演算処理装置90の処理の手順(プラント制御プログラム及びプラント制御方法)について、
図16に示すフローチャートに基づいて説明する。
図16のフローチャートの処理は、演算処理装置90(コンピュータ)が、記憶装置91に記憶された保プラント制御プログラム(ソフトウェア)を実行することにより、実行される。
【0100】
何れかの出力回路に異常があると判定されている場合(ステップS11:Yes)は、ステップS12で、演算処理装置90は、上記のように、正常な出力回路のそれぞれについて、制御信号のD/A変換処理、出力回路の出力信号を対応するフィールド機器に出力させる出力切替器SWoの通常切替え処理、出力回路の出力信号を異常判定用入力回路IOdtに出力させる出力切替器SWoの異常判定切替え処理、異常判定用入力回路IOdtのA/D変換処理、及び出力回路の異常判定処理を実行する。
【0101】
また、ステップS12で、演算処理装置90は、上記のように、バックアップ出力回路AObkについて、制御信号のD/A変換処理、バックアップ出力回路AObkの出力信号を対応するフィールド機器に出力させる出力切替器SWoの通常切替え処理、バックアップ出力回路AObkの出力信号を異常判定用入力回路IOdtに出力させる出力切替器SWoの異常判定切替え処理、異常判定用入力回路IOdtのA/D変換処理、及びバックアップ出力回路AObkの異常判定処理を、実行する。
【0102】
一方、何れの出力回路にも異常がないと判定されている場合(ステップS11:No)は、ステップS13で、演算処理装置90は、上記のように、全ての出力回路のそれぞれについて、制御信号のD/A変換処理、出力回路の出力信号を対応するフィールド機器に出力させる出力切替器SWoの通常切替え処理、出力回路の出力信号を異常判定用入力回路IOdtに出力させる出力切替器SWoの異常判定切替え処理、異常判定用入力回路IOdtのA/D変換処理、及び出力回路の異常判定処理を実行する。
【0103】
〔その他の実施の形態〕
最後に、本発明のその他の実施の形態について説明する。なお、以下に説明する各実施の形態の構成は、それぞれ単独で適用されるものに限られず、矛盾が生じない限り、他の実施の形態の構成と組み合わせて適用することも可能である。
【0104】
(1)上記の実施の形態1においては、1つのバックアップ入力回路IObkが設けられている場合を例として説明した。しかし、本発明の実施の形態はこれに限定されない。すなわち、複数の入力回路に異常が発生する場合を想定して、2つ以上のバックアップ入力回路が設けられてもよい。例えば、1つの入力回路に異常が発生した場合は、1つの異常な入力回路に替えて、1つのバックアップ入力回路が用いられ、2つの入力回路に異常が発生した場合は、2つの異常な入力回路に替えて、2つのバックアップ入力回路が用いられる。この場合であっても、バックアップ入力回路の数は、入力回路の数よりも少なくされる。
【0105】
(2)上記の実施の形態1においては、1つのバックアップ出力回路AObkが設けられている場合を例として説明した。しかし、本発明の実施の形態はこれに限定されない。すなわち、複数の出力回路に異常が発生する場合を想定して、2つ以上のバックアップ出力回路が設けられてもよい。例えば、1つの出力回路に異常が発生した場合は、1つの異常な出力回路に替えて、1つのバックアップ出力回路が用いられ、2つの出力回路に異常が発生した場合は、2つの異常な出力回路に替えて、2つのバックアップ出力回路が用いられる。この場合であっても、バックアップ出力回路の数は、出力回路の数よりも少なくされる。
【0106】
(3)上記の実施の形態1においては、外部基準電源RVexは、プラント制御装置1の本体部内に設けられている場合を例として説明した。しかし、外部基準電源RVexは、フィールド機器と同様に、プラント制御装置1の本体部の外部に設けられてもよい。
【0107】
(4)上記の実施の形態1においては、複数の入力回路のそれぞれは、内部基準電源RVinを備えている場合を例として説明した。しかし、複数の入力回路のそれぞれは、内部基準電源RVinを備えていなくてもよい。そして、演算処理装置90は、正常な入力回路及びバックアップ入力回路のそれぞれについて、内部基準電源の出力信号のA/D変換値を用いずに、外部基準電源の出力信号のA/D変換値に基づいて、フィールド機器の出力信号のA/D変換値を補正するように構成されてもよい。
【0108】
なお、本発明は、その発明の範囲内において、各実施の形態を自由に組み合わせたり、各実施の形態を適宜、変形、省略したりすることが可能である。