(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
基板等の成形対象物を成形型に受け渡す方法としては、例えば、
図21〜23に示す方法が考えられる。すなわち、まず、
図21に示すように、搬送機構1000に、成形対象物である基板(インターポーザ)2を載置した状態で、搬送機構1000を、成形型(プレス)の上成形型100と下成形型(図示せず)との間に進入させる。図示のとおり、この搬送機構1000は、本体1010と、アクチュエータ1014と、プレート1013とを主要構成要素とする。アクチュエータ1014としては、例えばシリンダー1011及びピストンロッド1012を含むエアーシリンダーを用いることができる。シリンダー1011は、本体1010の上面に接続されている。プレート1013は、シリンダー1011の上方に位置し、ピストンロッド1012を介してシリンダー1011に接続されている。プレート13には、図示のとおり、基板2を載置することができる。
図21〜23では、基板2は、チップ搭載面が下方を向き、前記チップ搭載面には、チップ1及びワイヤ3が搭載(固定)されている。なお、上成形型100の下面にはパイロットピン101が固定されており、パイロットピン101を基板2の孔4に挿入することで、基板2の位置決めが可能である。
【0005】
つぎに、
図22に示すとおり、シリンダー1011によりピストンロッド1012を伸ばすことで、プレート1013を上昇させる。これにより、図示のとおり、プレート1013に載置された基板2を上成形型100に押し当てて受け渡す。
【0006】
さらに、
図23に示すとおり、上成形型100に設けられた吸引機構(図示せず)により基板2を上成形型100の下面に吸着させて保持する。その後、図示のように、シリンダー1011によりピストンロッド1012を縮めることで、プレート1013を下降させる。そして、搬送機構1000を成形型(プレス)の外へ退避させた後に、成形型により成形対象物(基板)2を樹脂成形する。
【0007】
図21〜23において、成形対象物(基板)2は、例えば、成形型内に進入するまで、搬送機構1000が有するヒーター(図示せず)によって所定の温度に予備加熱することができる。この予備加熱によって、基板2が熱膨張する。これによって、上成形型100のパイロットピン101の径と基板2の孔内側に位置することで、上成形型100への基板2の受け渡しがスムースになる。
【0008】
しかし、成形対象物を上成形型に押し当てて受け渡す過程で、成形型の温度と搬送機構1000の予備加熱部の温度との差により、成形対象物の熱膨張不足が生じるおそれがある。この熱膨張不足によって、樹脂成型前の成形対象物が変形するおそれがある。
【0009】
そこで、本発明は、樹脂成型前の成形対象物の変形を抑制又は防止可能な搬送機構、樹脂成形装置、成形対象物の成形型への受け渡し方法、樹脂成形方法、及び樹脂成形品の製造方法の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前記目的を達成するために、本発明の成形対象物の搬送機構は、
樹脂成形前の成形対象物を載置する成形対象物載置部材と、
前記成形対象物載置部材を上下動させる上下動機構とを含み、
前記成形対象物を前記成形対象物載置部材に載置した状態で搬送し、
前記成形対象物載置部材の上下動により、前記成形対象物を、成形型に接触しない前記成形型近傍の位置で停止させた後に成形型に受け渡すことが可能であることを特徴とする。
【0011】
本発明の樹脂成形装置は、前記搬送機構と、前記成形型とを含み、
前記搬送機構により、前記成形対象物を前記成形型に受け渡し、
前記成形型により、前記成形対象物を樹脂成形することを特徴とする。
【0012】
本発明の、成形対象物の成形型への第1の受け渡し方法は、
樹脂成形前の成形対象物を成形型の近傍まで搬送する工程と、
前記成形対象物を上下動させる工程とを含み、
前記上下動させる工程において、前記成形対象物を、前記成形型に接触しない前記成形型近傍の位置で停止させ、
前記成形対象物を前記成形型に受け渡すことを特徴とする。
【0013】
本発明の、成形対象物の成形型への第2の受け渡し方法は、
樹脂成形前の成形対象物を成形型の近傍まで搬送する工程と、
前記成形対象物を上下動させる工程とを含み、
前記上下動させる工程が、
前記成形対象物を前記成形型に接触させて停止させる工程と、
前記成形対象物を再度前記成形型から離して前記成形型近傍の位置で停止させる工程と、
前記成形対象物を再度前記成形型に接触させて停止させる工程と、
を含むことを特徴とする。なお、以下において、本発明の、成形対象物の成形型への第1の受け渡し方法と、成形対象物の成形型への第2の受け渡し方法とを、まとめて、「本発明の、成形対象物の成形型への受け渡し方法」又は、単に「本発明の受け渡し方法」という場合がある。
【0014】
本発明の樹脂成形品の製造方法は、
前記本発明の受け渡し方法により
前記成形対象物を前記成形型に受け渡す成形対象物受け渡し工程と、
前記成形型により前記成形対象物を樹脂成形する樹脂成形工程と、
を含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、樹脂成型前の成形対象物の変形を抑制又は防止可能な搬送機構、樹脂成形装置、成形対象物の成形型への受け渡し方法、及び樹脂成形品の製造方法を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0017】
つぎに、本発明について、例を挙げてさらに詳細に説明する。ただし、本発明は、以下の説明により限定されない。
【0018】
本発明の搬送機構は、例えば、前記成形対象物載置部材の上下動により、前記成形対象物載置部材を、前記成形型に接触する位置で停止させることが可能であってもよい。
【0019】
本発明の搬送機構は、例えば、さらに、前記成形対象物載置部材を停止させる位置を決める位置決め機構を含んでいてもよい。
【0020】
本発明の搬送機構は、例えば、前記位置決め機構が、前記上下動機構により上下動可能な位置決め部材であってもよい。
【0021】
本発明の搬送機構は、例えば、前記位置決め部材が前記成形型に接触することにより、前記成形対象物載置部材の停止位置を決めることが可能であってもよい。
【0022】
本発明の搬送機構は、例えば、さらに、弾性部材を含み、前記弾性部材の伸縮により、前記位置決め部材が上下動可能であってもよい。
【0023】
本発明の搬送機構は、例えば、さらに、前記位置決め部材を上下動させるアクチュエータを含み、前記アクチュエータの圧力設定により前記位置決め部材の停止位置を決めることで、前記成形対象物載置部材の停止位置を決めることが可能であってもよい。
【0024】
本発明の搬送機構は、例えば、前記成形対象物載置部材の上下動により、前記成形対象物載置部材を、成形型に接触しない前記成形型近傍の位置で停止させることが可能であるとともに、前記成形対象物載置部材を、前記成形型に接触する位置で停止させることが可能であり、前記アクチュエータの圧力を、前記2種類の停止位置に対応した2種類の圧力に設定可能であってもよい。
【0025】
本発明の、成形対象物の成形型への第1の受け渡し方法は、例えば、
前記上下動させる工程が、
前記成形対象物を、前記成形型に接触しない前記成形型近傍の位置で停止させる工程と、
前記成形対象物を前記成形型に接触させて停止させる工程と、
前記成形対象物を再度前記成形型から離して前記成形型近傍の位置で停止させる工程と、
前記成形対象物を再度前記成形型に接触させて停止させる工程と、
を含んでいてもよい。
【0026】
本発明において、「成形対象物」は、成形前の製品又は製品の中間体(半製品)を意味する。本発明において、成形対象物は、例えば、樹脂材料によって樹脂成形される製品又は製品の中間体(半製品)である。本発明において、成形対象物は、例えば、基板であり、より具体的には、例えば、サブストレート、樹脂基板、配線基板、L/Fなどのインターポーザーがあげられる。ただし、本発明における成形対象物は、これらに限定されず、任意である。また、本発明において、成形対象物は、その一方の面又は両面にチップ等の部材が実装されていてもよいが、実装されていなくてもよい。
【0027】
本発明において、成形対象物を成形して製造される製品は、特に限定されないが、例えば、電子部品等であってもよい。なお、一般に、「電子部品」は、樹脂封止する前のチップをいう場合と、チップを樹脂封止した状態をいう場合とがあるが、本発明において、単に「電子部品」という場合は、特に断らない限り、前記チップが樹脂封止された電子部品(完成品としての電子部品)をいう。本発明において、「チップ」は、少なくとも一部が樹脂封止されずに露出した状態のチップをいい、樹脂封止する前のチップも、一部が樹脂封止されたチップも、複数のチップのうちの少なくとも一つが樹脂封止されずに露出した状態のチップも含む。本発明における「チップ」は、具体的には、例えば、IC、半導体チップ、電力制御用の半導体素子等のチップが挙げられる。本発明において、少なくとも一部が樹脂封止されずに露出した状態のチップは、樹脂封止後の電子部品と区別するために、便宜上「チップ」という。しかし、本発明における「チップ」は、少なくとも一部が樹脂封止されずに露出した状態のチップであれば、特に限定されず、チップ状でなくてもよい。
【0028】
本発明において、「樹脂成形」は、例えば、前記チップ等の部材を樹脂で封止する「樹脂封止」であってもよい。しかし、本発明において、「樹脂成形」は、これに限定されず、例えば、部材の樹脂封止を行わない、単なる樹脂成形であってもよい。
【0029】
本発明における、「樹脂封止」とは、例えば、樹脂が硬化(固化)した状態であることを意味するが、これに限定されない。すなわち、本発明において、「樹脂封止」とは、少なくとも樹脂が型締め時における型キャビティ内に満たされている状態であればよく、樹脂が硬化(固化)しておらず、流動状態でもよい。
【0030】
また、本発明において、成形型、樹脂成形装置及び樹脂成形方法は、特に限定されず、任意である。例えば、成形型は、上成形型及び下成形型を含む成形型であってもよい。また、例えば、樹脂成形方法は、圧縮成形、トランスファ成形等の任意の成形方法でよい。また、樹脂成形装置は、例えば、圧縮成形装置、トランスファ成形装置等の任意の樹脂成形装置でよい。
【0031】
樹脂成形前の基板等の成形対象物を成形型に受け渡す方法としては、例えば、前述の
図21〜23に示した方法が考えられる。しかし、成形対象物を上成形型に押し当てて受け渡す過程で、成形型の温度と搬送機構の予備加熱部の温度との差により、成形対象物の熱膨張不足が生じ、不具合が発生するおそれがある。具体的には、例えば、下記(1)(2)が考えられる。下記(2)の不具合は、特に、成形対象物(基板等)が薄くなるほどに顕著となるおそれがある。
(1)位置決め用パイロットピンと成形対象物の穴の位置不良による傷の発生
(2)熱膨張不足のまま,上成形型による吸着保持が行われることによる成形対象物でのシワの発生
【0032】
前記(1)(2)の不具合の原因としては、例えば、下記の原因が考えられる。
(1)位置不良による傷の原因
成形対象物を上成形型に受け渡す過程で、成形型の温度と同程度に成形対象物が予備加熱されていないと熱膨張不足が生じ、成形対象物の位置決め穴の位置と上成形型のパイロットピン(成形型の保持位置を決める部材)がずれてしまう。そのずれた状態でパイロットピンに成形対象物の位置決め穴を押し当てられると成形対象物(の位置決め穴)にストレスが生じ、位置決め穴に傷が発生する。
(2)シワ発生の原因
成形対象物を上成形型に受け渡す前に、成形対象物が成形型の温度と同程度に予備加熱されていないと、成形型からの受熱によって更に熱膨張する。しかし、成形対象物は成形型の吸気機構によって吸着保持されるため水平方向に膨張することが出来ずにシワが発生してしまう。
【0033】
本発明では、前記成形対象物を、成形型に接触しない前記成形型近傍の位置で停止させることで、樹脂成型前の成形対象物の変形を抑制又は防止できる。具体的には、前記成形対象物を前記成形型近傍の位置で停止させることにより、その位置での成形型からの前記成形対象物の受熱を促進させ、成形対象物をさらに熱膨張させることができる。これにより、前記成形対象物を成形型に接触させた際に、前記成形対象物がさらに膨張することを抑制又は防止できるので、樹脂成型前の成形対象物の変形を抑制又は防止できる。
【0034】
以下、本発明の具体的な実施例を図面に基づいて説明する。各図は、説明の便宜のため、適宜省略、誇張等をして模式的に描いている。
【実施例1】
【0035】
図1〜3の工程図に、本実施例の搬送機構による、成形対象物の成形型への受け渡し方法の一例を示す。
【0036】
まず、
図1に示すように、搬送機構1000に、成形対象物である基板(インターポーザ)2を載置した状態で、搬送機構1000を、成形型(プレス)の上成形型100と下成形型(図示せず)との間に進入させる。これにより、基板2を、上成形型100と下成形型との間(成形型の近傍)まで搬送する。図示のとおり、この搬送機構1000は、本体1010と、アクチュエータ1014と、プレート(樹脂成形品載置部材)1013と、セットブロック1100と、上成形型セットブロック1120とを主要構成要素とする。アクチュエータ1014としては、例えば、図示のとおり、シリンダー1011及びピストンロッド1012を含むエアーシリンダーを用いることができる。シリンダー1011は、本体1010の上面に接続されている。プレート1013は、シリンダー1011の上方に位置し、ピストンロッド1012を介してシリンダー1011に接続されている。プレート1013には、図示のとおり、基板2を載置することができる。
図1では、基板2は、チップ搭載面が下方を向き、前記チップ搭載面には、チップ1及びワイヤ3が搭載(固定)されている。上成形型100の下面にはパイロットピン101が固定されており、パイロットピン101を基板2の孔4に挿入することで、基板2の位置決めが可能である。プレート1013上面の外周部には、基板2を取り囲む位置に、セットブロック1100が設置されている。また、上成形型100の下面の外周部には、セットブロック1100に対応する位置に、上成形型セットブロック1120が設置されている。
【0037】
つぎに、
図2に示すとおり、シリンダー1011によりピストンロッド1012を伸ばすことで、プレート1013を上昇させる。これにより、図示のとおり、プレート1013に載置された基板2を、上成形型100に接触しない上成形型100近傍の位置で停止させる。
【0038】
つぎに、
図3に示すとおり、シリンダー1011によりピストンロッド1012をさらに伸ばしてプレート1013をさらに上昇させる。これにより、図示のとおり、プレート1013に載置された基板2を上成形型100に押し当てて受け渡す。さらに、上成形型100に設けられた吸引機構(図示せず、例えば真空ポンプ等)により基板2を上成形型100の下面に吸着させて保持する。このようにして、成形対象物(基板)2を、上成形型100を含む成形型に受け渡す。
【0039】
その後、
図23と同様に、シリンダー1011によりピストンロッド1012を縮めることで、プレート1013を下降させる。そして、搬送機構1000を成形型(プレス)の外へ退避させた後に、成形型により成形対象物(基板)2を樹脂成形する。
【0040】
図1〜3において、成形対象物(基板)2は、成形型内に進入するまで、搬送機構1000が有するヒーター(図示せず)によって所定の温度に予備加熱する。この予備加熱によって、基板2が熱膨張する。これによって、上成形型のパイロットピン101の径と基板2の孔内側に位置することで、上成形型100への基板2の受け渡しがスムースになる。さらに、本実施例では、
図2に示すとおり、成形対象物(基板)2を、成形型の上成形型100に接触しない上成形型100近傍の位置で停止させる。これにより、その位置での上成形型100から成形対象物(基板)2への受熱を促進させ、成形対象物(基板)2をさらに熱膨張させることができる。したがって、成形対象物(基板)2を上成形型100に接触させた際に、成形対象物(基板)2がさらに膨張することを抑制又は防止できるので、樹脂成型前の成形対象物(基板)2の変形を抑制又は防止できる。
【0041】
図1〜3の搬送機構1000において、成形対象物(基板)2を、成形型の上成形型100に接触しない上成形型100近傍の位置で停止させるための機構(すなわち、前記「位置決め機構」)等は、特に限定されない。例えば、前記「位置決め機構」として、後述するように、成形対象物(基板)2を、前記上成形型100近傍の(上成形型100に接触しない)位置及び上成形型100に接触する位置の2種類の位置で停止させるために、シリンダー1011の圧力を、前記2種類の停止位置に対応した2種類の圧力に設定可能な機構(図示せず、以下「2圧機構」という場合がある。)を有していてもよい。また、前記2圧機構に加え、又はこれに代えて、後述する実施例2のように、プレート1013の停止位置を決めるための位置決め部材を有していてもよい。
【0042】
その後、上成形型100を含む成形型により、基板2を樹脂成形する。なお、本発明において、成形型、樹脂成形装置及び樹脂成形方法は、前述のとおり、特に限定されない。
【0043】
なお、
図4に、セットブロック1100及び上成形型セットブロック1120の構成の一例を模式的に示す。図示のとおり、セットブロック1100は、ローダーセットブロック1110、弾性部材(スプリング)1132、固定ボルト1133、ブッシュ1134及び上下可動ピン1135を有する。ローダーセットブロック1110は、図示のとおり、プレート1013上面に固定され、上成形型セットブロック1120に嵌合可能である。ブッシュ1134は、固定ボルト1133により、プレート1013上面に固定されている。上下可動ピン1135は、ブッシュ1134内部を貫通している。上下可動ピン1135の下部は、プレート1013上面に設けられた、逃げ孔1131内において上下動可能である。また、弾性部材1132は、プレート1013上面における孔1131の周囲と、上下可動ピン1135の中ほどに設けられたつばとの間に挟まれている。上下可動ピン1135のつばには、弾性部材1132の伸長力による上向きの力が働いている。また、
図4では、上下可動ピン1135のつばの上端は、ブッシュ1134に引っかかることで、それ以上上昇しないようになっている。そして、上下可動ピン1135は、弾性部材1132の伸縮により上下可動である。
【0044】
図4に示すセットブロック1100及び上成形型セットブロック1120において、
図1の状態、すなわちプレート1013を上昇させていない状態では、ローダーセットブロック1110が上成形型セットブロック1120に嵌合せず、離れている。また、上下可動ピン1135の上端が上成形型100に接触することで、搬送機構1100を
図2の状態、すなわち、成形対象物(基板)2を、成形型の上成形型100に接触しない上成形型100近傍の位置で停止させた状態とすることができる。すなわち、上下可動ピン1135は、プレート(成形対象物載置部材)1013を停止させる位置を決める「位置決め部材」に相当する。さらに、
図3の状態、すなわち成形対象物(基板)2が上成形型100に接触した状態では、上下可動ピン1135が上成形型セットブロック1120により押し下げられ、上下可動ピン1135下部が逃げ孔1131内において下降した状態となる。
【0045】
本実施例の搬送機構1000の構成は、
図1〜3の構成に限定されない。例えば、搬送機構1000は、セットブロック1100及び上成形型セットブロック1120を有していなくてもよく、前記2圧機構を有すること以外は
図21〜23の搬送機構1000と同じでもよい。
【0046】
図5に、本実施例の搬送機構1000の動作フローの一例を示す。同図は、本実施例の搬送機構1000を用いた成形対象物の成形型への受け渡し方法のフローの一例でもある。同図において、各動作は、符号S101〜S106、S201〜S209、及びS302〜S307で表している。
【0047】
なお、
図1〜3では、成形対象物(基板)2を、上成形型100に接触させた後、そのまま上成形型100により吸引する(上成形型100に吸着させる)例を示した。これに対し、
図5では、後述するように、成形対象物(基板)2を上成形型100に接触させた後、いったんテーブル1013を下降させて成形対象物(基板)2を上成形型100から離す。これにより、成形対象物(基板)2を熱膨張による応力から解放し、成形対象物(基板)2の変形をさらに効果的に抑制又は防止できる。
【0048】
図5に示すとおり、まず、シリンダー1011を低圧で動作させる(S101)。これにより、プレート1013の上昇を開始させる(S201)。つぎに、成形対象物(基板)2を上成形型100に接触しない上成形型100近傍の位置で停止させる(S202)。この時、シリンダー1011は、成形対象物(基板)2を上成形型100に押えつけない程度の圧力に調整される(S302)。その一方、上成形型100近傍の位置で停止させた時点からタイマー(図示せず)を作動させて成形型に設けられたヒーター(図示せず)により、成形対象物(基板)2を一定時間加熱する(S102)。上成形型上成形型上成形型つぎに、シリンダー1011を、高圧で動作させる(S103)。これにより、プレート1013を再度上昇させる(S203)。つぎに、成形型(金型)に設けられたヒーター(図示せず)の予熱タイマーを作動させる(S104)。一方、シリンダー1011の圧力を上昇させ、成形対象物(基板)2を上成形型100に接触させるが、このとき、成形対象物の上成形型100による吸引(吸着)はさせない(S304)。これらS104及びS304により、プレート1013を、成形対象物(基板)2が上成形型100に接触する位置(上端)で停止させる(S204)。これにより、成形対象物(基板)2を、上成形型100の熱で熱膨張させる(S205)。つぎに、シリンダー1011の圧力を降下させ、プレート1013をいったん下降させる(S206)。これにより、成形対象物(基板)2を、熱膨張による応力から解放する(S306)とともに、すぐにシリンダー1011の圧力を再上昇させ、プレート1013を再上昇させる(S107)。これにより、熱膨張済の成形対象物(基板)2を、上成形型100に再度接触させて最終セットする(S307)。そして、上成形型100に設けられた吸引機構(図示せず、例えば真空ポンプ等)により成形対象物(基板)2を上成形型100に吸着させる(S208)。そして、プレート1013を再度下降させて、成形対象物(基板)2の成形型への受け渡しが完了する(S209)。
【0049】
なお、本発明において、樹脂成形装置の全体の構成は、特に限定されず任意であるが、例えば、
図16に示すとおりでもよい。
図16は、本実施例の樹脂成形装置3000について模式的に示す平面図である。より具体的には、同図は、樹脂成形装置3000を、上成形型側の部材を取り除いたと仮定して示す概略平面図である。図示のとおり、樹脂成形装置3000は、1個の材料受入モジュール400と、4個の成形モジュール2000と、1個の払出モジュール500とを有する。成形モジュール2000は、その中に、成形型を有している。成形型の構成は、特に限定されず、一般的な樹脂成形装置(例えば圧縮成形装置等)と同様でもよいが、例えば、後述する
図17〜20と同様でもよい。加えて、樹脂成形装置3000は、それぞれ樹脂成形装置3000全体を対象にして、電力を供給する電源401と、各構成要素を制御する制御部402とを有する。
【0050】
材料受入モジュール400と、
図16における最も左側の成形モジュール2000とは、互いに装着でき分離できる。また、隣り合う成形モジュール2000同士を、互いに装着でき分離できる。
図16における最も右側の成形モジュール2000と払出モジュール500とを、互いに装着でき分離できる。上述した構成要素を装着する際の位置決め方法は、特に限定されないが、例えば、位置決め用穴及び位置決めピン等の周知の手段によって行うことができる。装着方法も特に限定されないが、例えば、ボルトとナットとを使用したねじ止め等からなる周知の手段によって行うことができる。
【0051】
材料受入モジュール400は、基板材料受入部403と、樹脂材料受入部404と、材料移送機構405とを有する。基板材料受入部403は、樹脂成形装置3000の外部から基板(成形前基板)を受け入れる。樹脂材料受入部404は、樹脂成形装置3000の外部から、固形状樹脂からなる樹脂材料20aを受け入れる。
図16は、樹脂材料20aとして顆粒樹脂を示す。
【0052】
樹脂成形装置3000には、材料受入モジュール400から4個の成形モジュール2000を経由して払出モジュール500にわたって、X方向に沿ってX方向ガイドレール406が設けられる。X方向ガイドレール406には、搬送機構1000がX方向に沿って移動できるようにして設けられる。搬送機構1000には、Y方向に沿ってY方向ガイドレール408が設けられる。Y方向ガイドレール408には、搬送機構1000及び副搬送機構501がY方向に沿って移動できるようにして設けられる。搬送機構1000は、前述のとおり、基板(成形前基板、成形対象物)2を搬送可能である。副搬送機構501は、樹脂材料20aを収容して搬送可能である。搬送機構1000及び副搬送機構501は、1個の成形モジュール2000におけるX方向ガイドレール406の上方と下成形型200における下成形型キャビティ201の上方との間を往復する。なお、下成形型200及び下成形型キャビティ201については、後述する
図17〜20に示す。搬送機構1000及び副搬送機構501が、上成形型(図示せず)の下面に基板2を供給し、下成形型200の下成形型キャビティ201に樹脂材料20aを供給する。
【0053】
樹脂成形装置3000は制御部402を有する。制御部402に含まれる制御用ドライバの信号によって、成形型による樹脂成形を行う樹脂成形機構(図示せず)が有するモータの回転方向と回転数とトルクとが制御される。制御部402は、搬送機構1000と副搬送機構501との動作も制御する。
【0054】
本実施例では、例えば、搬送機構1000と副搬送機構501とが、基板(成形前基板)2と、基板2に装着されたチップ2(
図1参照)が樹脂封止されて成形された樹脂成形品(成形後基板)2Bとの双方を、搬送してもよい。この構成によれば、搬送機構1000及び副搬送機構501が搬入機構と搬出機構とを兼用するので、樹脂成形装置3000の構成が簡素化される。また、変形例として、樹脂成形装置3000において、搬送機構1000と副搬送機構501とを搬入機構にして、その搬入機構とは別に搬出機構を備えてもよい。この場合には、搬入機構と搬出機構とが独立して動作するので、樹脂成形装置3000において成形動作の効率が向上する。
【0055】
払出モジュール500は、樹脂成形品2Bを搬送する樹脂成形品移送機構502と、樹脂成形品2Bを収容するマガジン503を有する。払出モジュール500は真空ポンプ(図示せず)を有する。前記真空ポンプは、樹脂成形装置3000全体を対象にして、基板2、樹脂成形品2B等を吸着するための減圧源である。前記真空ポンプは材料受入モジュール400に設けられてもよい。
【0056】
前記真空ポンプは、上成形型(図示せず)と下成形型200との間の空間であって下成形型キャビティ201を含む外気遮断空間を吸引するための減圧源としても使用される。外気遮断空間は、下成形型キャビティ201に樹脂材料20aが供給された後であって成形型10の型締めが完了するまでの間において、上成形型と下成形型200との間の空間であって下成形型キャビティ201を含む空間において形成される。具体的には、上成形型と下成形型200との間の空間であって下成形型キャビティ201を含む空間を、シール部材(図示せず)を使用して外気から遮断された状態にする。外気遮断空間を吸引することによって、硬化後の樹脂における気泡(ボイド)の発生が抑制される。減圧源として、前記真空ポンプによって吸引され大容量を有する減圧タンクを使用してもよい。
【0057】
図16の樹脂成形装置によれば、4個の成形モジュール2000のうち隣り合う成形モジュール2000同士を、互いに装着でき分離できる。このことにより、需要の増大に応じて成形モジュール2000を増やすことができ、需要の減少に応じて成形モジュール2000を減らすことができる。例えば、工場Aが立地する地域において特定の製品の需要が増大した場合には、需要が増大していない地域に立地する工場Bが有する樹脂成形装置3000から、その特定の製品の生産に使用される成形モジュール2000を分離する。分離した成形モジュール2000を工場Aに輸送して、輸送された成形モジュール2000を、工場Aが有する樹脂成形装置に装着する。言い換えれば、樹脂成形装置に成形モジュール2000を増設する。このことによって、工場Aが立地する地域において増大した需要に応じることができる。したがって、
図16の樹脂成形装置によれば、需要の増減に柔軟に対応できる樹脂成形装置が実現する。
【0058】
つぎに、
図17〜20を用いて、本発明の樹脂成形品の製造方法における樹脂成形工程の例について説明する。
図17〜20に示す樹脂成形工程では、成形型300を含む樹脂成形機構を用いる。樹脂成形機構は、特に限定されず、例えば、一般的な樹脂成形機構(例えば圧縮成形機構等)でもよい。ただし、
図17〜20では、簡略化のため、成形型300以外の部分は、図示を省略している。
【0059】
図示のとおり、成形型300は、上成形型100と、下成形型200とからなる。上成形型100は、上成形型セットブロック1120を有しないこと以外は、
図1と同様である。下成形型200は、図示のとおり、下成形型ベース部材202、下成形型キャビティ側面部材203、弾性部材204、及び下成形型キャビティ底面部材205を有する。下成形型ベース部材202は、可動プラテン112上面に載置されている。下成形型キャビティ底面部材205は、下成形型ベース部材202上面に取付けられ、下成形型キャビティ201の底面を構成する。下成形型キャビティ側面部材203は、下成形型キャビティ底面部材205の周囲を囲むように配置された枠状部材であって、弾性部材204を介して下成形型ベース部材202上面に取付けられ、下成形型キャビティ201の側面を構成する。下成形型200は、下成形型キャビティ底面部材205及び下成形型キャビティ側面部材203により、下成形型キャビティ201が構成される。また、下成形型200には、例えば、下成形型200を加熱するための加熱機構(図示せず)が設けられている。前記加熱機構で下成形型200を加熱することで、例えば、下成形型キャビティ201内の樹脂が加熱されて溶融又は硬化する。
【0060】
まず、
図17に示すように、上成形型100の下面に基板(成形前基板、成形対象物)2を供給し、固定する。基板2は、例えば、クランプ(図示せず)等により上成形型100の下面に固定することができる。なお、基板2の下面(上成形型100に対する固定面と反対側)には、
図1等と同様にチップ1が固定されている。
【0061】
次に、
図17に示すように、樹脂ローダ(樹脂搬送機構)521により、樹脂材料(顆粒樹脂)20aが載置されたリリースフィルム11を、成形型300に搬送する(搬送工程)。このとき、例えば、図示のとおり、リリースフィルム11上に枠部材701を載置し、枠部材701の開口部内において、リリースフィルム11上に樹脂材料20aを載置した状態であってもよい。また、樹脂ローダ521は、特に限定されないが、例えば、
図16に示した副搬送機構501を樹脂ローダ521として用いてもよい。
【0062】
そして、
図18に示すように、樹脂ローダ521が、下成形型200のキャビティ201に、樹脂材料20aを載置したリリースフィルム11を載置する。このとき、吸引機構(図示せず)により、キャビティ201にリリースフィルム11を吸着してもよい。これにより、樹脂材料20aを、リリースフィルム11とともに下成形型200のキャビティ201に供給する。このとき、あらかじめ、加熱機構(図示せず)により、下成形型200を加熱し、昇温しておいてもよい。
【0063】
次に、
図19〜20に示すとおり、成形型300の下成形型200で、基板2を樹脂成形する。具体的には、例えば、まず、下成形型200の熱により、樹脂材料20aを加熱して、
図19に示すとおり、溶融樹脂(流動性樹脂)20bとする。つぎに、
図19に示すように、型締め機構(図示せず)により、下成形型200を矢印Y1の方向に上昇させて、下キャビティ201内に充填された流動性樹脂20bに、基板2下面に取付けられたチップ1を浸漬させる。その後、流動性樹脂20bが加熱されて硬化し、
図20に示すように樹脂(硬化樹脂)20となる。このとき、前述の加熱機構(図示せず)によりあらかじめ昇温された下成形型200によって、流動性樹脂20bを加熱してもよい。これにより、
図20に示すように、基板2に固定されたチップ1が樹脂(硬化樹脂)20により封止された樹脂封止済基板(樹脂成形品、電子部品)2Bを製造することができる。その後、そして、
図20に示すように、下成形型200を、前記型締め機構(図示せず)により矢印Y2の方向に下降させて型開きを行う。
【0064】
以上、樹脂成形工程の例を示したが、前記樹脂成形工程は、特に限定されず、例えば、一般的な樹脂成形方法(例えば、圧縮成形方法等)に準じて行ってもよい。
【0065】
なお、
図16〜20では、樹脂材料20aが顆粒樹脂である例を示したが、本発明において、成形前の樹脂材料及び成形後の樹脂は、特に制限されない。例えば、前記成形前の樹脂材料及び成形後の樹脂は、エポキシ樹脂やシリコーン樹脂などの熱硬化性樹脂であってもよいし、熱可塑性樹脂であってもよい。また、熱硬化性樹脂あるいは熱可塑性樹脂を一部に含んだ複合材料であってもよい。本発明において、成形前の樹脂材料の形態としては、例えば、顆粒樹脂、流動性樹脂、シート状の樹脂、タブレット状の樹脂、粉状の樹脂等が挙げられる。本発明において、前記流動性樹脂とは、流動性を有する樹脂であれば、特に制限されず、例えば、液状樹脂、溶融樹脂等が挙げられる。本発明において、前記液状樹脂とは、例えば、室温で液体である、又は流動性を有する樹脂をいう。本発明において、前記溶融樹脂とは、例えば、溶融により、液状又は流動性を有する状態となった樹脂をいう。前記樹脂の形態は、成形型のキャビティやポット等に供給可能であれば、その他の形態でも構わない。
【実施例2】
【0066】
つぎに、本発明の別の実施例について説明する。
【0067】
図6〜8の工程図に、本実施例の搬送機構による、成形対象物の成形型への受け渡し方法の一例を示す。実施例1では、2圧機構を用いた場合の、成形対象物の成形型への受け渡し方法の一例を示したが、本実施例では、2圧機構を用いない場合の例を示す。
【0068】
まず、
図6に示すように、搬送機構1000に、成形対象物である基板(インターポーザ)2を載置した状態で、搬送機構1000を、成形型(プレス)の上成形型100と下成形型(図示せず)との間に進入させる。これにより、基板2を、上成形型100と下成形型との間(成形型の近傍)まで搬送する。図示のとおり、この搬送機構1000は、セットブロック1100及び上成形型セットブロック1120を有しないことと、ストッパーピン1021及び高さ調節用シム1022を有すること以外は、実施例1(
図1〜4)の搬送機構1000と同様である。なお、ストッパーピン1021及び高さ調節用シム1022は、本発明の搬送機構の「位置決め部材」に相当する。図示のとおり、ストッパーピン1021は、テーブル1013上面の外周部において、基板2の外側の位置に設置されている。ストッパーピン1021の下部は、テーブル1013上端に取り付けられている。シム1022は、ストッパーピン1021の下部とプレート1013との間に設置されている。
【0069】
つぎに、
図7に示すとおり、アクチュエータ1014のシリンダー1011によりピストンロッド1012を伸ばすことで、プレート1013を上昇させる。そして、ストッパーピン1021(位置決め部材)の上端が、上成形型100の下面に接触する。これにより、図示のとおり、プレート1013に載置された基板2を、上成形型100に接触しない上成形型100近傍の位置で停止させる。このとき、シム1022が高さ調節機能を果たすことにより、基板2上面と上成形型100下面との間隔(ギャップ、符号G)は、図示のとおり、シム1022の厚みと等しくなる。このとき、上成形型100は、ヒーター(図示せず)により、あらかじめ加熱しておく。そして、
図7の状態で、上成形型100の熱により成形対象物(基板)2をしばらく加熱し、熱膨張させる。
【0070】
さらに、
図7の状態から、プレート1013の位置はそのままで、上成形型100に設けられた吸引機構(図示せず、例えば真空ポンプ等)を作動させる。これにより、基板2は上成形型100に吸い寄せられ、
図8に示すとおり、上成形型100の下面に接触した状態で上成形型100に吸着されて保持される。このようにして、成形対象物(基板)2を、上成形型100を含む成形型に受け渡す。
【0071】
その後、
図23と同様に、シリンダー1011によりピストンロッド1012を縮めることで、プレート1013を下降させる。そして、搬送機構1000を成形型(プレス)の外へ退避させた後に、成形型により成形対象物(基板)2を樹脂成形する。
【0072】
図9に、本実施例の搬送機構1000の動作フローの一例を示す。同図は、本実施例の搬送機構1000を用いた成形対象物の成形型への受け渡し方法のフローの一例でもある。なお、
図5は、2圧機構を用いた場合のフローであったが、
図9は、2圧機構を用いない場合のフローである。また、
図9において、
図5と同様の動作は、同じ符号で示している。
【0073】
図9に示すとおり、まず、アクチュエータ1014を動作させ、プレート1013の上昇を開始させる(S201)。プレート1013の上昇を続けると、高さ調節用シム1022(位置決め部材)を介してプレート1013に接続されたストッパーピン1021が、上成形型100に接触する(S302)。これにより、
図7に示したように、プレート1013を、成形対象物(基板)2が上成形型100に接触しない上成形型100近傍の位置で停止させる(S202)。つぎに、成形型(金型)に設けられた予熱機構(図示せず)の予熱タイマーを作動させる(S104)。これにより、成形対象物(基板)2を、上成形型100の熱で熱膨張させる(S205)。上成形型そして、上成形型100に設けられた吸引機構(図示せず、例えば真空ポンプ等)により成形対象物(基板)2を上成形型100に吸着させる(S208)。そして、プレート1013を再度下降させて、成形対象物(基板)2の成形型への受け渡しが完了する(S209)。
【0074】
また、
図10〜12に、本実施例の変形例を示す。
図10〜12による成形対象物の成形型への受け渡し方法は、搬送機構1000の構造が若干異なる以外は、
図6〜8と同様にして行うことができる。具体的には、以下のとおりである。
【0075】
まず、
図10に示すように、搬送機構1000に、成形対象物である基板(インターポーザ)2を載置した状態で、搬送機構1000を、成形型(プレス)の上成形型100と下成形型(図示せず)との間に進入させる。これにより、基板2を、上成形型100と下成形型との間(成形型の近傍)まで搬送する。図示のとおり、この搬送機構1000は、ストッパーピン1021及び高さ調節用シム1022に代えて、高さ決めブロック1031を有すること以外は、
図6〜8の搬送機構1000と同様である。高さ決めブロック1031は、本発明の搬送機構の「位置決め部材」に相当する。高さ決めブロック1031は、ピストンロッド1012とテーブル1013との間に挟まれるように設置されている。
【0076】
つぎに、
図11に示すとおり、アクチュエータ1014のシリンダー1011によりピストンロッド1012を伸ばすことで、プレート1013を上昇させる。これにより、図示のとおり、プレート1013に載置された基板2を、上成形型100に接触しない上成形型100近傍の位置で停止させる。このとき、高さ決めブロック1031が高さ調節機能を果たすことにより、基板2上面と上成形型100下面との間隔(ギャップ、符号G)は、図示のとおり、高さ決めブロック1031の厚みと等しくなる。また、このとき、上成形型100は、予熱機構(図示せず)により、あらかじめ加熱しておく。そして、
図11の状態で、上成形型100の熱により成形対象物(基板)2をしばらく加熱し、熱膨張させる。
【0077】
さらに、
図12の状態から、プレート1013の位置はそのままで、上成形型100に設けられた吸引機構(図示せず、例えば真空ポンプ等)を作動させる。これにより、基板2は上成形型100に吸い寄せられ、
図13に示すとおり、上成形型100の下面に接触した状態で上成形型100に吸着されて保持される。このようにして、成形対象物(基板)2を、上成形型100を含む成形型に受け渡す。
【0078】
その後、
図23と同様に、アクチュエータ1014のシリンダー1011によりピストンロッド1012を縮めることで、プレート1013を下降させる。そして、搬送機構1000を成形型(プレス)の外へ退避させた後に、成形型により成形対象物(基板)2を樹脂成形する。なお、
図5(実施例1)と同様に、成形対象物(基板)2を上成形型100に接触させた後、いったんプレート1013を下降させて成形対象物(基板)2を上成形型100から離した後に、プレート1013を再上昇させて成形対象物(基板)2を上成形型100に接触させてもよい。
【0079】
さらに、
図13〜15に、本実施例の別の変形例を示す。
図13〜15による成形対象物の成形型への受け渡し方法は、搬送機構1000の構造が若干異なる以外は、
図6〜8又は
図10〜12と同様にして行うことができる。具体的には、以下のとおりである。
【0080】
まず、
図13に示すように、搬送機構1000に、成形対象物である基板(インターポーザ)2を載置した状態で、搬送機構1000を、成形型(プレス)の上成形型100と下成形型(図示せず)との間に進入させる。これにより、基板2を、上成形型100と下成形型との間(成形型の近傍)まで搬送する。図示のとおり、この搬送機構1000は、ストッパーピン1021及び高さ調節用シム1022に代えて、ボルト1041及びナット1042を有すること以外は、
図6〜8の搬送機構1000と同様である。ボルト1041及びナット1042は、本発明の搬送機構の「位置決め部材」に相当する。図示のとおり、ボルト1041は、プレート1013上面の外周部において、基板2の外側の位置に設置されている。ボルト1041は、プレート1013のタップ穴1043にねじ込まれるととともに、ナット1042により締めつけられてテーブル1013に固定されている。
【0081】
つぎに、
図14に示すとおり、アクチュエータ1014のシリンダー1011によりピストンロッド1012を伸ばすことで、プレート1013を上昇させる。そして、ボルト1041(位置決め部材)の上端が、上成形型100の下面に接触する。これにより、図示のとおり、プレート1013に載置された基板2を、上成形型100に接触しない上成形型100近傍の位置で停止させる。なお、基板2上面と上成形型100下面との間隔(ギャップ)は、符号Gで示している。このとき、上成形型100は、ヒーター(図示せず)により、あらかじめ加熱しておく。そして、
図7の状態で、上成形型100の熱により成形対象物(基板)2をしばらく加熱し、熱膨張させる。
【0082】
さらに、
図14の状態から、プレート1013の位置はそのままで、上成形型100に設けられた吸引機構(図示せず、例えば真空ポンプ等)を作動させる。これにより、基板2は上成形型100に吸い寄せられ、
図15に示すとおり、上成形型100の下面に接触した状態で上成形型100に吸着されて保持される。このようにして、成形対象物(基板)2を、上成形型100を含む成形型に受け渡す。
【0083】
その後、
図23と同様に、アクチュエータ1014のシリンダー1011によりピストンロッド1012を縮めることで、プレート1013を下降させる。そして、搬送機構1000を成形型(プレス)の外へ退避させた後に、成形型により成形対象物(基板)2を樹脂成形する。
【0084】
なお、本実施例において、樹脂成形装置の全体図、成形型の構成及び樹脂成形品の製造方法は、特に限定されないが、例えば、実施例1(
図16〜20)と同様でもよい。
【0085】
本発明によれば、前述のとおり、樹脂成型前の成形対象物の変形を抑制又は防止可能である。本発明は、特に、変形しやすい薄型の成形対象物(基板等)に対して効果的であるが、これに限定されず、任意の成形対象物に広く適用可能である。
【0086】
さらに、本発明は、上述の実施例に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で、必要に応じて、任意にかつ適宜に組み合わせ、変更し、又は選択して採用できるものである。