(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記基準点算出部は、前記計測点から前記新たな基準線への垂線と前記新たな基準線との交点または前記計測点から前記新たな基準面への垂線と前記新たな基準面との交点が前記複数の基準点の重心に近づくような前記複数の基準点を算出する
ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の計測装置。
前記基準点算出部は、前記複数の基準点の間の距離が、前記基準指定点設定部によって設定された前記複数の基準指定点の間の距離よりも広がるような少なくとも1つの前記基準点を算出する
ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の計測装置。
前記基準点算出部は、前記複数の基準点の少なくとも1つの位置が、前記計測モード情報が示す前記計測モードの特性に応じた基準を満たす位置になるように、少なくとも1つの前記基準点を算出する
ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の計測装置。
前記表示制御部は、前記モニタにおいて、前記基準点算出部によって算出された前記複数の基準点を前記第1の画像および前記第2の画像の少なくとも1つの上に表示させる
ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の計測装置。
前記表示制御部は、前記モニタにおいて、前記基準点算出部によって算出された前記複数の基準点に基づいて決定された前記基準線または前記基準面を前記第1の画像および前記第2の画像の少なくとも1つの上に表示させる
ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の計測装置。
前記表示制御部は、前記モニタにおいて、前記基準点算出部によって算出された前記複数の基準点と、前記基準指定点設定部によって設定された前記複数の基準指定点とを前記第1の画像および前記第2の画像の少なくとも1つの上に表示させる
ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の計測装置。
前記表示制御部は、前記モニタにおいて、前記基準点算出部によって算出された前記複数の基準点に基づいて決定された前記基準線と、前記基準指定点設定部によって設定された前記複数の基準指定点に基づいて決定された前記基準線とを前記第1の画像および前記第2の画像の少なくとも1つの上に表示させる
ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の計測装置。
前記表示制御部は、前記モニタにおいて、前記基準点算出部によって算出された前記複数の基準点に基づいて決定された前記基準面と、前記基準指定点設定部によって設定された前記複数の基準指定点に基づいて決定された前記基準面とを前記第1の画像および前記第2の画像の少なくとも1つの上に表示させる
ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の計測装置。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、図面を参照し、本発明の実施形態を説明する。以下では、計測装置が内視鏡装置である例を説明する。計測装置は、計測機能を有する装置でありさえすればよく、内視鏡装置に限らない。内視鏡装置およびその他の装置を構成する各部は有線と無線とのどちらで互いに接続されても構わない。
【0023】
(第1の実施形態)
図1は、本発明の第1の実施形態の内視鏡装置1(計測装置)の外観を示す。内視鏡装置1は、被写体を撮像し、画像から被写体の幾何学的特徴を計測する。検査者は、種々の被写体の観察と計測とを行うために、挿入部2の先端に装着される光学アダプターの交換と、内蔵された計測処理プログラムの選択と、計測処理プログラムの追加とを行うことが可能である。
【0024】
図1に示すように、内視鏡装置1は、挿入部2、コントロールユニット3、操作部4、および表示部5を有する。
【0025】
挿入部2は、被写体の内部に挿入される。挿入部2は、先端20から基端部にわたって屈曲可能な細長い管状である。挿入部2は、計測部分を撮像し、かつ撮像信号をコントロールユニット3に出力する。挿入部2の先端20には、光学アダプターが装着される。コントロールユニット3は、挿入部2を収納する収納部を備えた制御装置である。操作部4は、内視鏡装置1に対するユーザーの操作を受ける。表示部5は、表示画面を有し、かつ挿入部2で撮像された被写体の画像および操作メニュー等を表示画面に表示する。
【0026】
操作部4は、ユーザーインタフェースである。例えば、ユーザーインタフェースは、ボタン、スイッチ、キー、マウス、ジョイスティック、タッチパッド、トラックボール、およびタッチパネルの少なくとも1つである。表示部5は、LCD(Liquid Crystal Display)等のモニタ(ディスプレイ)である。表示部5は、タッチパネルであってもよい。その場合、操作部4および表示部5は一体化される。
【0027】
図2に示すように、コントロールユニット3は、内視鏡ユニット8、CCU(Camera Control Unit)9、および制御ユニット10を有する。内視鏡ユニット8は、図示していない光源装置および湾曲装置を有する。光源装置は、観察に必要な照明光を供給する。湾曲装置は、図示していない湾曲機構を湾曲させる。挿入部2の先端20には撮像素子28が内蔵されている。撮像素子28は、イメージセンサである。撮像素子28は、光学アダプターを介して結像された被写体像を光電変換し、かつ撮像信号を生成する。CCU9は、撮像素子28を駆動する。撮像素子28から出力された撮像信号がCCU9に入力される。CCU9は、撮像素子28により取得された撮像信号に対して、増幅およびノイズ除去等を含む前処理を行う。CCU9は、前処理が行われた撮像信号をNTSC信号等の映像信号に変換する。
【0028】
制御ユニット10は、映像信号処理回路12、ROM(Read Only Memory)13、RAM(Random Access Memory)14、カードインタフェース15、外部機器インタフェース16、制御インタフェース17、およびCPU(Central Processing Unit)18aを有する。
【0029】
映像信号処理回路12は、CCU9から出力された映像信号に対して、所定の映像処理を施す。例えば、映像信号処理回路12は、視認性向上に関わる映像処理を行う。例えば、その映像処理は、色再現、階調補正、ノイズ抑制、および輪郭強調などである。映像信号処理回路12は、計測実行時には、計測性能を向上させるための処理も行う。また、映像信号処理回路12は、CCU9から出力された映像信号と、CPU18aによって生成されるグラフィック画像信号とを合成する。グラフィック画像信号は、操作画面の画像および計測情報等を含む。計測情報は、カーソルの画像、指定点の画像、および計測結果等を含む。映像信号処理回路12は、合成された映像信号を表示部5に出力する。
【0030】
ROM13は、CPU18aが内視鏡装置1の動作を制御するためのプログラムが記録された不揮発性の記録媒体である。RAM14は、CPU18aが内視鏡装置1の制御のために使用する情報を一時的に記憶する揮発性の記録媒体である。CPU18aは、ROM13に記録されたプログラムに基づいて内視鏡装置1の動作を制御する。
【0031】
着脱可能な記録媒体であるメモリカード42がカードインタフェース15に接続される。カードインタフェース15は、メモリカード42に記憶されている制御処理情報および画像情報等を制御ユニット10に取り込む。また、カードインタフェース15は、内視鏡装置1によって生成された制御処理情報および画像情報等をメモリカード42に記録する。
【0032】
USB機器等の外部機器が外部機器インタフェース16に接続される。例えば、パーソナルコンピュータ41が外部機器インタフェース16に接続される。外部機器インタフェース16は、パーソナルコンピュータ41への情報の送信とパーソナルコンピュータ41からの情報の受信とを行う。これによって、パーソナルコンピュータ41のモニタが情報を表示することができる。また、ユーザーがパーソナルコンピュータ41を介して、内視鏡装置1の制御に関する操作を行うことができる。
【0033】
制御インタフェース17は、操作部4、内視鏡ユニット8、およびCCU9と動作制御のための通信を行う。制御インタフェース17は、操作部4を介してユーザーによって入力された指示をCPU18aに通知する。制御インタフェース17は、光源装置および湾曲装置の制御のための制御信号を内視鏡ユニット8に出力する。制御インタフェース17は、撮像素子28の制御のための制御信号をCCU9に出力する。
【0034】
CPU18aが実行するプログラムは、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されてもよい。この記録媒体に記録されたプログラムを内視鏡装置1以外のコンピュータが読み込み、かつ実行してもよい。例えば、パーソナルコンピュータ41がプログラムを読み込んで実行してもよい。パーソナルコンピュータ41は、プログラムに従って、内視鏡装置1を制御するための制御情報を内視鏡装置1に送信することにより内視鏡装置1を制御してもよい。あるいは、パーソナルコンピュータ41は、内視鏡装置1から映像信号を取得し、かつ取得された映像信号を使用して計測を行ってもよい。
【0035】
上述したプログラムは、このプログラムが保存された記憶装置等を有するコンピュータから、伝送媒体を介して、あるいは伝送媒体中の伝送波により内視鏡装置1に伝送されてもよい。プログラムを伝送する「伝送媒体」は、インターネット等のネットワーク(通信網)や電話回線等の通信回線(通信線)のように、情報を伝送する機能を有する媒体である。また、上述したプログラムは、前述した機能の一部を実現してもよい。さらに、上述したプログラムは、前述した機能をコンピュータに既に記録されているプログラムとの組合せで実現できる差分ファイル(差分プログラム)であってもよい。
【0036】
上記のように、内視鏡装置1は、撮像素子28(撮像部)、CCU9(画像取得部)、およびCPU18aを有する。撮像素子28は、計測対象の物体である被写体を撮像し、かつ撮像信号を生成する。これにより、撮像素子28は、被写体の画像(第1の画像)を生成する。CCU9は、撮像信号に基づいて映像信号(画像データ)を生成する。映像信号は、被写体の画像を含む。したがって、CCU9は、被写体を撮像することにより生成された、その被写体の画像を取得する。CCU9により取得された画像はCPU18aに入力される。
【0037】
第1の実施形態の内視鏡装置1は、線基準計測機能を有する。第1の実施形態において、2つの基準指定点および1つの計測指定点がユーザーにより指定される。基準指定点は、ユーザーにより基準点として指定された位置を示す。計測指定点は、ユーザーにより計測点として指定された位置を示す。2つの基準指定点に基づいて、信頼度が高い計測結果が得られる2つの基準点が算出される。基準点は、線基準計測における基準線および面基準計測における基準面を算出するための基準位置を示す。計測指定点の位置に計測点が設定される。計測点は、被写体の寸法を計測する位置を示す。
【0038】
例えば、内視鏡装置1はステレオ計測を行う。ステレオ計測では、異なる複数の視点に対応する2つの被写体像に基づいて三角測量の原理で被写体の計測が行われる。内視鏡装置1に適用される計測方式は、ステレオ計測に限らない。例えば、内視鏡装置1は、空間的な位相が異なる複数の縞パターンが投影された被写体の画像を使用する位相シフト法による計測を行ってもよい。あるいは、内視鏡装置1は、ランダムパターンが投影された被写体の画像を使用する計測を行ってもよい。
【0039】
図3は、CPU18aの機能構成を示す。制御部180、表示制御部181、基準指定点設定部182、計測指定点設定部183、基準点算出部184、3次元座標算出部185、基準線算出部186、計測部187、および情報読み出し部188によってCPU18aの機能が構成されている。
図3に示すブロックの少なくとも1つがCPU18aとは別の回路で構成されてもよい。
【0040】
図3に示す各部は、プロセッサおよび論理回路の少なくとも1つで構成されてもよい。例えば、プロセッサは、CPU、DSP(Digital Signal Processor)、およびGPU(Graphics Processing Unit)の少なくとも1つである。例えば、論理回路は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)およびFPGA(Field−Programmable Gate Array)の少なくとも1つである。
図3に示す各部は、1つまたは複数のプロセッサを含むことができる。
図3に示す各部は、1つまたは複数の論理回路を含むことができる。
【0041】
制御部180は、各部が行う処理を制御する。表示制御部181は、CCU9により取得された画像を表示部5に表示させる。表示制御部181は、ユーザーが基準指定点および計測指定点を指定するためのカーソルを画像上に表示させる。表示制御部181は、基準指定点、計測指定点、基準点、および計測点のマークを画像上に表示させる。表示制御部181は、基準線等の線を画像上に表示させる。表示制御部181は、ユーザーが所定の操作を行うためのボタンを画像上に表示させる。表示制御部181は、計測モードおよび計測結果を示す文字を画像上に表示させる。
【0042】
例えば、表示制御部181は、カーソル等のグラフィック画像信号を生成する。表示制御部181は、生成されたグラフィック画像信号を映像信号処理回路12に出力する。映像信号処理回路12は、CCU9から出力された映像信号と、CPU18aから出力されたグラフィック画像信号とを合成する。これにより、カーソル等が画像に重畳される。映像信号処理回路12は、合成された映像信号を表示部5に出力する。表示部5は、カーソル等が重畳された画像を表示する。表示制御部181は、ユーザーが操作部4を操作することにより入力したカーソル移動指示を検出し、かつカーソル移動指示に基づいてカーソルの位置を逐次更新する。
【0043】
基準指定点設定部182は、表示部5に表示された画像においてユーザーにより指定された位置(第1の位置)に基づいて、CCU9により取得され、かつ表示部5に表示された画像に複数の基準指定点を設定する。複数の基準指定点の位置は、互いに異なる。第1の実施形態において、基準指定点設定部182は2つの基準指定点を設定する。
【0044】
計測指定点設定部183(計測点設定部)は、表示部5に表示された画像においてユーザーにより指定された位置(第2の位置)に基づいて、CCU9により取得され、かつ表示部5に表示された画像に計測指定点を設定する。第1の実施形態において、計測指定点設定部183は1つの計測指定点を設定する。第1の実施形態において計測指定点設定部183は、計測指定点の位置に計測点を設定する。第2の位置は、第1の位置と同じである、または異なる。
【0045】
操作部4は、ユーザーが操作部4を操作することにより入力した基準指定点および計測指定点を受け付ける。操作部4は、ユーザーにより指定された基準指定点および計測指定点の位置を示す情報を出力する。操作部4から出力されたその情報は、制御インタフェース17に入力される。制御インタフェース17に入力されたその情報は、CPU18aに入力される。基準指定点設定部182は、CPU18aに入力されたその情報に基づいて基準指定点を設定する。計測指定点設定部183は、CPU18aに入力されたその情報に基づいて計測指定点を設定する。設定された基準指定点および計測指定点の情報は、RAM14に保持される。基準指定点および計測指定点の位置が特定の画像に関連付けられることにより、基準指定点および計測指定点が設定される。
【0046】
後述するように、基準線算出部186(基準算出部)は、基準指定点設定部182によって設定された複数の基準指定点に基づいて、計測モード情報が示す計測モードで使用される基準線を算出する。基準点算出部184は、基準線を算出するための複数の基準指定点に代わる、より計測結果の信頼度が高まる複数の基準点を算出する。基準点算出部184は、計測点が設定された画像と、複数の基準指定点と、計測モードと、複数の計測指定点と、計測点とに基づいて複数の基準点を算出する。複数の基準点の位置は、互いに異なる。
【0047】
第1の実施形態において、基準点算出部184は、基準指定点設定部182によって設定された2つの基準指定点に基づいて2つの基準点を算出する。基準点算出部184は、基準点の位置(座標)を算出する。算出された2つの基準点の情報は、RAM14に保持される。基準点の位置が特定の画像に関連付けられることにより、基準点が設定される。基準点算出部184は、複数の基準点のうちの一部については、複数の基準指定点に含まれる基準指定点と同じ位置の点を基準点として算出してもよい。
【0048】
計測モード情報が示す計測モードは、線基準計測および面基準計測のいずれか1つを示す。計測モード情報は、その計測モードで実行される処理の手順を示す。計測モード情報は、その計測モードで基準点を算出するためのアルゴリズムを含む。つまり、計測モード情報は、その計測モードの特性に応じた基準点の算出方法を示す。基準点算出部184は、計測モード情報が示す計測モードに基づいて、少なくとも1つの基準点を算出する。基準点算出部184は、ユーザーにより指定された位置に基準点が設定される場合よりも計測結果の信頼度が高まるような位置にある少なくとも1つの基準点を算出する。第1の実施形態における計測モード情報は、線基準計測を示す。
【0049】
3次元座標算出部185は、CCU9により取得された画像を使用して、基準指定点、計測指定点、基準点、および計測点の各々の3次元座標を算出する。具体的には、3次元座標算出部185は、CCU9により取得された画像における基準指定点、計測指定点、基準点、および計測点の各々の位置に対応する3次元座標を算出する。
【0050】
基準線算出部186は、基準指定点設定部182によって設定された複数の基準指定点に基づいて第1の基準線を算出する。具体的には、基準線算出部186は、2つの基準指定点の各々の3次元座標を通る、3次元空間上の直線である第1の基準線を算出する。また、基準線算出部186は、3次元空間上の第1の基準線が撮像素子28の撮像面に投影されたときにできる2次元の第1の基準線を算出する。具体的には、基準線算出部186は、3次元の第1の基準線を構成する複数の構成点の各々を撮像素子28の撮像面に投影した投影点の2次元座標を算出する。投影点の2次元座標は、ROM13に保存されている、出荷時に個体毎に求められたカメラパラメーターを使って算出される。例えば、カメラパラメーターは、焦点距離、画素サイズ、ディストーションに関するパラメータなどである。基準線算出部186は、投影点の2次元座標を使用して、投影点を通る2次元の第1の基準線を算出する。光学系の歪曲収差等の影響により、2次元の基準線は直線とは限らない。第1の基準線は、2つの基準指定点に基づく仮の基準線である。第1の基準線が線基準計測に使用されるとは限らない。
【0051】
基準線算出部186は、基準点算出部184によって算出された複数の基準点に基づいて第2の基準線を算出する。具体的には、基準線算出部186は、2つの基準点の各々の3次元座標を通る、3次元空間上の直線である第2の基準線を算出する。また、基準線算出部186は、3次元空間上の第2の基準線が撮像素子28の撮像面に投影されたときにできる2次元の第2の基準線を算出する。2次元の第2の基準線の算出方法は、2次元の第1の基準線の算出方法と同様である。第2の基準線は、線基準計測に使用される基準線である。複数の基準指定点に基づいて第1の基準線が算出された後、基準線算出部186は、複数の基準点に基づいて新たな第2の基準線を算出する。
【0052】
基準線算出部186は、計測指定点の3次元座標を通り、かつ3次元の第1の基準線に垂直な第1の補助線を算出してもよい。また、基準線算出部186は、3次元空間上の第1の補助線が撮像素子28の撮像面に投影されたときにできる2次元の第1の補助線を算出してもよい。2次元の第1の補助線の算出方法は、2次元の第1の基準線の算出方法と同様である。
【0053】
基準線算出部186は、計測点の3次元座標を通り、かつ3次元の第2の基準線に垂直な第2の補助線を算出してもよい。また、基準線算出部186は、3次元空間上の第2の補助線が撮像素子28の撮像面に投影されたときにできる2次元の第2の補助線を算出してもよい。2次元の第2の補助線の算出方法は、2次元の第2の基準線の算出方法と同様である。
【0054】
計測部187は、基準線、計測点、および計測モードに基づいて、被写体の計測を実行する。具体的には、計測部187は、基準点算出部184によって算出された複数の基準点に基づいて決定された基準線を使用して、計測モード情報が示す計測モードで被写体の計測を実行する。つまり、計測部187は、その計測モードで被写体の寸法を計測する。これにより、計測部187は、被写体の3次元形状を計測する。第1の実施形態において計測部187は、基準線算出部186によって算出された3次元の基準線と、計測指定点設定部183によって設定された計測点の3次元座標との3次元距離を算出する。
【0055】
情報読み出し部188は、計測モードを示す計測モード情報が記録された記録媒体から計測モード情報を読み出す。計測モード情報はROM13に記録されている。情報読み出し部188は、計測モード情報をROM13から読み出す。
【0056】
図4を使用して、第1の実施形態における3次元計測について説明する。
図4は、3次元計測の手順を示す。
【0057】
撮像素子28は、被写体を撮像し、かつ撮像信号を生成する。CCU9は、撮像信号に基づいて映像信号を生成することにより、被写体の画像を取得する。CPU18aは、映像信号処理回路12を介して被写体の画像をCCU9から取得する。一方、CCU9から出力された映像信号は映像信号処理回路12によって処理され、かつ表示部5に出力される。表示部5は、映像信号に基づいて被写体の画像を表示する。ユーザーは、操作部4を操作することにより、被写体の画像において基準指定点および計測指定点を指定することができる。カーソルが被写体の画像上に表示されるが、以下の説明ではカーソルは省略される。
【0058】
情報読み出し部188は、計測モード情報をROM13から読み出す(ステップS100)。読み出された計測モード情報は、線基準計測を示す。CPU18aの各部は、線基準計測で規定された処理を実行する。
【0059】
ステップS100の後、基準指定点設定部182は、操作部4の操作結果に基づいて、ユーザーが基準指定点として指定した位置を判断し、かつその位置に第1の基準指定点を設定する。表示制御部181は、第1の基準指定点を画像上に表示させる(ステップS101)。
【0060】
ステップS101の後、基準指定点設定部182は、操作部4の操作結果に基づいて、ユーザーが基準指定点として指定した位置を判断し、かつその位置に第2の基準指定点を設定する。表示制御部181は、第2の基準指定点を画像上に表示させる(ステップS102)。
【0061】
ステップS102の後、3次元座標算出部185は、第1の基準指定点および第2の基準指定点の各々の3次元座標を算出する。基準線算出部186は、第1の基準指定点および第2の基準指定点の各々の3次元座標を通る第1の基準線を算出する。基準線算出部186は、3次元空間上の第1の基準線が撮像素子28の撮像面に投影されたときにできる2次元の第1の基準線を算出する。表示制御部181は、2次元の基準線を表示部5に表示させる(ステップS103)。
【0062】
ステップS103の後、計測指定点設定部183は、操作部4の操作結果に基づいて、ユーザーが計測指定点として指定した位置を判断し、かつその位置に計測指定点を設定する。表示制御部181は、計測指定点を画像上に表示させる(ステップS104)。第1の実施形態において、計測指定点は計測点と同じである。そのため、ステップS104において設定された計測指定点は計測点としても扱われる。
【0063】
ステップS104において基準線算出部186は、計測指定点の3次元座標を通り、かつ3次元の第1の基準線に垂直な第1の補助線を算出してもよい。ステップS104において基準線算出部186は、3次元空間上の第1の補助線が撮像素子28の撮像面に投影されたときにできる2次元の第1の補助線を算出してもよい。ステップS104において表示制御部181は、2次元の第1の補助線を表示部5に表示させてもよい。
【0064】
ステップS104の後、ユーザーは、操作部4を操作することにより、基準点の最適化の指示を入力する。操作部4は、その指示を受け付け、かつその指示を示す情報を出力する。操作部4から出力されたその情報は、制御インタフェース17に入力される。制御インタフェース17に入力されたその情報は、CPU18aに入力される。制御部180は、基準点の最適化の指示を検出する(ステップS105)。
【0065】
ステップS105の後、基準点算出処理が実行される(ステップS106)。基準点算出処理において基準点算出部184は、第1の基準指定点および第2の基準指定点に基づく計測が実行される場合よりも計測結果の信頼度が高まる第1の基準点および第2の基準点を算出する。基準点算出処理の詳細については後述する。
【0066】
ステップS106の後、基準線算出部186は、第1の基準点および第2の基準点の各々の3次元座標を通る第2の基準線を算出する。基準線算出部186は、3次元空間上の第2の基準線が撮像素子28の撮像面に投影されたときにできる2次元の第2の基準線を算出する。表示制御部181は、2次元の第2の基準線を表示部5に表示させる(ステップS107)。
【0067】
ステップS107において基準線算出部186は、計測点の3次元座標を通り、かつ3次元の第2の基準線に垂直な第2の補助線を算出してもよい。ステップS107において基準線算出部186は、3次元空間上の第2の補助線が撮像素子28の撮像面に投影されたときにできる2次元の第2の補助線を算出してもよい。ステップS107において表示制御部181は、2次元の第2の補助線を表示部5に表示させてもよい。
【0068】
ステップS107の後、ユーザーは、第1の基準点および第2の基準点を正式な基準点として採用するか否かを決定する。ユーザーは、操作部4を操作することにより、決定結果を入力する。操作部4は、その決定結果を受け付け、かつその決定結果を示す情報を出力する。操作部4から出力されたその決定結果は、制御インタフェース17に入力される。制御インタフェース17に入力されたその決定結果は、CPU18aに入力される。制御部180は、その決定結果に基づいて、ユーザーが第1の基準点および第2の基準点を正式な基準点として採用したか否かを判断する(ステップS108)。
【0069】
ステップS108において、ユーザーが第1の基準点および第2の基準点を正式な基準点として採用しなかったと制御部180が判断した場合、ステップS101における処理が実行される。このとき、ユーザーは、第1の基準指定点および第2の基準指定点を再度設定することができる。
【0070】
ステップS108において、ユーザーが第1の基準点および第2の基準点を正式な基準点として採用したと制御部180が判断した場合、計測部187は、線基準計測を実行する。つまり、計測部187は、ステップS107において算出された3次元の第2の基準線と、計測点の3次元座標との3次元距離を算出する(ステップS109)。
【0071】
ステップS109の後、表示制御部181は、計測結果を表示部5に表示させる。つまり、表示制御部181は、ステップS109において算出された3次元距離を表示部5に表示させる(ステップS110)。ステップS110における処理が実行されることにより、3次元計測が終了する。
【0072】
上記の例では、第1の基準指定点および第2の基準指定点に基づいて第1の基準点および第2の基準点が算出される。第1の基準指定点および第2の基準指定点のいずれか1つは基準点に設定されてもよい。もう1つの基準点は、第1の基準指定点および第2の基準指定点に基づいて、上記の処理と同様の処理により算出されてもよい。
【0073】
2つの基準指定点および第1の基準線のいずれか一方のみが表示されてもよい。2つの基準点および第2の基準線のいずれか一方のみが表示されてもよい。基準指定点および計測指定点の表示は必須ではない。基準点および計測点の表示は必須ではない。第1の基準線および第2の基準線の表示は必須ではない。計測結果の表示は必須ではない。
【0074】
図5(a)は、表示部5に表示される画像の例を示す。
図5(a)に示すように、画像G1が表示される。画像G1は、被写体OB1および被写体OB2の像を含む。計測モードを示す文字CH1が画像G1上に表示される。文字CH1は、計測モードが線基準計測であることを示す。ステップS104において計測指定点が指定された後の画像G1が
図5(a)に示されている。
【0075】
ステップS101において、被写体OB1のエッジ上の第1の基準指定点P101が設定される。ステップS102において、被写体OB1のエッジ上の第2の基準指定点P102が設定される。第1の基準指定点P101および第2の基準指定点P102が画像G1上に表示される。ステップS103において、第1の基準線が算出される。2次元の第1の基準線L101が画像G1上に表示される。
図5(a)に示す例では、第1の基準線L101は被写体OB1のエッジと一致していない。ステップS104において、被写体OB1のエッジ上の計測指定点P103が設定される。計測指定点P103および2次元の第1の補助線L102が画像G1上に表示される。
【0076】
ボタンBT1が画像G1上に表示される。ユーザーは、操作部4を操作することにより、ボタンBT1を押すことができる。例えば、カーソルがボタンBT1と重なっているときにユーザーが所定の操作を行うことにより、ボタンBT1が押される。ボタンBT1が押されたとき、ステップS105において基準点の最適化の指示が入力される。
【0077】
図5(b)は、
図5(a)に示すボタンBT1が押されたときに表示部5に表示される画像の例を示す。ステップS106において、第1の基準点P201および第2の基準点P202が算出される。第1の基準点P201および第2の基準点P202が画像G1上に表示される。表示制御部181は、第1の基準点P201および第2の基準点P202と一緒に第1の基準指定点P101および第2の基準指定点P102を表示部5に表示させてもよい。基準点および基準指定点が表示されることにより、ユーザーは、自分が意図した基準点の位置と、推定された基準点の位置とが合っているか否かを確認することができる。
【0078】
計測指定点P103と同じ位置に計測点P203が表示される。ステップS107において、第2の基準線が算出される。2次元の第2の基準線L201が画像G1上に表示される。2次元の第2の補助線L202が画像G1上に表示される。
【0079】
図5(b)に示す例では、第2の基準線L201は被写体OB1のエッジと良く一致している。そのため、信頼度が高い計測結果が得られることが期待できる。
【0080】
ボタンBT2およびボタンBT3が画像G1上に表示される。ユーザーは、操作部4を操作することにより、ボタンBT2およびボタンBT3を押すことができる。ユーザーが第1の基準点および第2の基準点を正式な基準点として採用すると決定した場合、ユーザーはボタンBT2を押す。ユーザーが第1の基準点および第2の基準点を正式な基準点として採用しないと決定した場合、ユーザーはボタンBT3を押す。ボタンBT2またはボタンBT3が押されたとき、決定結果が入力される。ボタンBT2が押されたとき、ステップS109において線基準計測が実行される。ボタンBT3が押されたとき、ステップS101においてユーザーは第1の基準点を再度設定することができる。
【0081】
図5(b)に示すように、表示制御部181は、表示部5において、基準点算出部184によって算出された複数の基準点と、当該複数の基準点に基づいて決定された第2の基準線とを画像上に表示させる。
【0082】
図5(a)および
図5(b)に示すように、表示制御部181は、表示部5において、基準点算出部184によって算出された複数の基準点と、基準指定点設定部182によって設定された複数の基準指定点とを画像上に表示させる。基準点および基準指定点は同時に表示されてもよい。
【0083】
図5(a)および
図5(b)に示すように、表示制御部181は、表示部5において、第2の基準線および第1の基準線を画像上に表示させる。第2の基準線は、基準点算出部184によって算出された複数の基準点に基づいて決定される。第1の基準線は、基準指定点設定部182によって設定された複数の基準指定点に基づいて決定される。第2の基準線および第1の基準線は同時に表示されてもよい。
【0084】
図6は、ステップS106における基準点算出処理の手順を示す。
図6を使用して基準点算出処理の詳細を説明する。
【0085】
基準点算出部184は、CCU9により取得された画像に対して微分フィルタを使用した処理を実行することにより、エッジを抽出する。微分フィルタとして、LoGフィルタ、Sobelフィルタ、およびPrewittフィルタ等が使用できる。基準点算出部184は、抽出されたエッジで構成されたエッジ画像を生成する(ステップS200)。
【0086】
図7(a)は、エッジ画像の例を示す。
図7(a)に示すエッジ画像E1は、
図5(a)に示す画像G1から抽出されたエッジで構成されている。
【0087】
ステップS200の後、基準点算出部184は、ステップS103において算出された2次元の第1の基準線に基づいて複数の仮基準点を算出する(ステップS201)。ステップS201において、3つ以上の仮基準点が算出される。算出された仮基準点の情報は、RAM14に保持される。
【0088】
ステップS201における処理の詳細を説明する。演算の効率化のために、ステップS103において算出された2次元の第1の基準線の近傍に最適な基準点が存在すると仮定する。
図7(b)に示すように、基準点算出部184は、第1の基準線L101をエッジ画像E1に設定する。基準点算出部184は、第1の基準線L101を基準とする所定の範囲において仮基準点TP101を算出する。具体的には、基準点算出部184は、第1の基準線L101から10ピクセル以内の範囲において、画像のエッジから仮基準点TP101を抽出する。
図7(b)に示す例では、第1の基準線L101から10ピクセル離れた線L101aおよび線L101bの間の範囲において、10個の仮基準点TP101が抽出される。これらの仮基準点TP101は、基準点の候補である。例えば、10個の仮基準点TP101の間隔はほぼ均等である。仮基準点として抽出される点が限定されることにより、演算量が大幅に減る。
【0089】
ステップS201の後、基準点算出部184は、複数の仮基準点から2つの仮基準点を選択する(ステップS202)。ステップS202における処理は、複数回実行される。1回目の処理では、任意の2つの仮基準点が選択される。N回目の処理で選択される2つの仮基準点の組み合わせは、1回目からN−1回目の処理で選択された2つの仮基準点の組み合わせとは異なる。Nは2以上の整数である。
【0090】
ステップS202の後、基準点算出部184は、複数の指標を算出する(ステップS203)。
【0091】
ステップS203における処理の詳細を説明する。以下の例では、基準点算出部184は指標A、指標B、および指標Cを算出する。指標Aは、2つの仮基準点間の距離の大きさを示す。指標Bは、2つの仮基準点と計測指定点との位置関係に関する。指標Bは、計測指定点から基準線への垂線と基準線との交点と、2つの仮基準点の重心との距離の大きさを示す。計測指定点から基準線への垂線と基準線との交点は、基準線において計測指定点に最も近い点である。計測指定点から基準線への垂線は、計測指定点を通り、かつ基準線に垂直な直線である。2つの仮基準点の重心は、2つの仮基準点の中点である。指標Cは、2次元の基準線と画像のエッジとの一致度を示す。各指標は、0から1の間となるように正規化される。計測モード情報は、基準点算出処理において算出される指標の情報を含む。つまり、基準点算出処理において算出される指標は、計測モード情報によって規定されている。
【0092】
基準点算出部184は、ステップS202において選択された2つの仮基準点に基づいて、各指標の算出に使用される基準線を算出する。基準線算出部186が、各指標の算出に使用される基準線を算出してもよい。
【0093】
基準点算出部184は、式(1)および式(2)に基づいて指標Aを算出する。式(1)において、Wは画像の横サイズであり、かつHは画像の縦サイズである。式(1)におけるLは式(2)で表される。式(2)において、2つの仮基準点の座標はそれぞれ(x
1,y
1)および(x
2,y
2)である。2つの仮基準点間の距離が大きいほど、指標Aは大きい。
【0095】
基準点算出部184は、式(3)、式(4)、および式(5)に基づいて指標Bを算出する。式(3)および式(4)におけるDは式(5)で表される。式(3)および式(4)におけるLは式(2)で表される。式(5)において、2つの仮基準点の座標はそれぞれ(x
1,y
1)および(x
2,y
2)である。式(5)において、計測指定点から2次元の基準線への垂線とその基準線との交点の座標は(x
C,y
C)である。その交点と2つの仮基準点の重心との距離が小さいほど、指標Bは大きい。
【0097】
基準点算出部184は、式(6)に基づいて指標Cを算出する。式(6)において、N
Aは、画像上における基準線の画素数である。基準点算出部184は、
図7(a)に示すエッジ画像E1において、基準線上の画素の数をカウントすることにより、N
Aを算出する。式(6)において、N
Bは、画像上におけるエッジと基準線とが一致している画素数である。基準点算出部184は、
図7(a)に示すエッジ画像E1において、エッジと基準線とが重なる画素の数をカウントすることにより、N
Bを算出する。2次元の基準線と画像のエッジとの一致度が高いほど、指標Cは大きい。
【0099】
ステップS203の後、基準点算出部184は、複数の指標の和を算出することにより、評価値を算出する(ステップS204)。例えば、ステップS204において基準点算出部184は、上記の指標A、指標B、および指標Cの和を算出する。基準点算出部184は、3つの指標の積を算出してもよい。基準点算出部184は、各指標に対して、重み付けのための係数を乗算し、その和をとってもよい。
【0100】
ステップS204の後、基準点算出部184は、全ての仮基準点の組み合わせに対して評価値が算出されたか否かを判断する(ステップS205)。
【0101】
ステップS205において、評価値が算出されていない2つの仮基準点の組み合わせがあると基準点算出部184が判断した場合、ステップS202における処理が実行される。その場合、2つの仮基準点の組み合わせが変更され、かつ仮基準点の組み合わせ毎に、複数の指標と、評価値とが算出される。
【0102】
ステップS205において、全ての仮基準点の組み合わせに対して評価値が算出されたと基準点算出部184が判断した場合、基準点算出部184は、評価値が最大となる2つの仮基準点の組み合わせを選択する。これにより、基準点算出部184は、第1の基準点および第2の基準点を選択する。選択された2つの仮基準点がそれぞれ、第1の基準点および第2の基準点である。表示制御部181は、第1の基準点および第2の基準点を画像上に表示させる(ステップS206)。ステップS206における処理が実行されることにより、基準点算出処理が終了する。
【0103】
図6に示す基準点算出処理において基準点算出部184は、複数の基準点の少なくとも1つの位置が、計測モード情報が示す計測モードの特性に応じた基準を満たす位置になるように、少なくとも1つの基準点を算出する。
【0104】
ステップS201において基準点算出部184は、表示部5に表示された画像に複数の仮基準点を設定する。複数の仮基準点の位置は、互いに異なる。第1の実施形態において、少なくとも3つの仮基準点が設定される。ステップS202において基準点算出部184は、少なくとも2つの仮基準点を含む組み合わせを選択する。ステップS203およびステップS204において基準点算出部184は、仮基準点の組み合わせ毎に、その組み合わせに含まれる少なくとも2つの仮基準点が基準に適合する度合いを示す評価値を算出する。第1の組み合わせの評価値が示す第1の度合いが第2の組み合わせの評価値が示す第2の度合いよりも高い場合、ステップS206において基準点算出部184は、第1の組み合わせに含まれる少なくとも2つの仮基準点のうちの少なくとも1つを基準点に設定する。
【0105】
ステップS203において基準点算出部184は、仮基準点の組み合わせ毎に、その組み合わせに含まれる少なくとも2つの仮基準点の位置に基づいて、複数の基準毎に異なる複数の指標を算出する。ステップS204において基準点算出部184は、仮基準点の組み合わせ毎に、複数の指標に基づいて評価値を算出する。
【0106】
基準点算出処理において基準点算出部184は、複数の基準点の間の距離が広がるような複数の基準点を算出する。基準点算出部184は、複数の基準点の間の距離が複数の基準指定点の間の距離よりも広がるような複数の基準点を算出する。例えば、複数の基準点間の距離の最小値は複数の基準指定点間の距離の最小値よりも大きく、かつ複数の基準点間の距離の最大値は複数の基準指定点間の距離の最大値よりも大きい。複数の基準点間の距離の平均が複数の基準指定点間の距離の平均よりも大きくてもよい。基準点算出部184は、指標Aが反映された評価値に基づいて、上記の条件を満たす複数の基準点を算出する。
【0107】
基準点算出処理において基準点算出部184は、計測点または計測指定点から基準線への垂線と基準線との交点が複数の基準点の重心に近づくような複数の基準点を算出する。基準点算出部184は、第1の距離が第2の距離よりも小さくなるような複数の基準点を算出する。第1の距離は、計測点または計測指定点から第2の基準線への垂線と基準線との交点と、複数の基準点の重心との距離である。第2の距離は、計測点または計測指定点から第1の基準線への垂線と基準線との交点と、複数の基準指定点の重心との距離である。基準点算出部184は、指標Bが反映された評価値に基づいて、上記の条件を満たす複数の基準点を算出する。
【0108】
基準点算出部184は、基準線が被写体の端部を近似する度合いが高まるような複数の基準点を算出する。基準点算出部184は、第1の度合いが第2の度合いよりも高まるような複数の基準点を算出する。第1の度合いは、複数の基準点に基づいて決定された第2の基準線が被写体の端部を近似する度合いである。第2の度合いは、複数の基準指定点に基づいて決定された第1の基準線が被写体の端部を近似する度合いである。基準点算出部184は、指標Cが反映された評価値に基づいて、上記の条件を満たす複数の基準点を算出する。
【0109】
計測の原理および計測モードなどの理解が充分ではないユーザーが計測を行う場合であっても、基準点算出処理が実行されることにより、線基準計測モードに最適な基準点が設定される。
【0110】
上記の方法で基準点が算出された後、基準点算出部184は、その基準点の座標近傍において、最適な基準点の座標をより細かく算出してもよい。仮基準点が抽出される範囲および仮基準点の数は、システムに応じて求められる処理時間と最適な基準点位置の算出精度とのバランスを考慮して決定される。最適な基準点位置を求める方法は、例えばLevenberg−Marquardt法を用いて繰り返し最適化を行う方法などであってもよい。最適な基準点を算出するアルゴリズムの種類は問わない。
【0111】
上記の指標A、指標B、指標Cを除く他の指標が使用されてもよい。例えば、ユーザーが指定した基準指定点と、仮基準点との距離に関する指標が使用されてもよい。その距離が小さいほど、その指標は大きい。仮基準点におけるマッチングの相関値に関する指標が使用されてもよい。ステレオ計測における2つの画像の一方に設定された仮基準点の座標に基づいて、2つの画像の他方における対応点の座標がマッチング処理により算出される。その処理において相関値が算出される。相関値が大きいほど、指標は大きい。
【0112】
仮基準点と画像上のエッジとの距離に関する指標が使用されてもよい。その距離が小さいほど、その指標は大きい。仮基準点におけるテクスチャの強さに関する指標が使用されてもよい。そのテクスチャが強いほど、その指標は大きい。2つの仮基準点から算出された基準線と、3次元画像におけるエッジの3次元座標との一致度に関する指標が使用されてもよい。基準線とエッジの3次元座標との一致度が高いほど、その指標は大きい。これらの指標以外の指標が使用されてもよい。上記の指標A、指標B、指標Cのうちの1つまたは2つと他の指標とが使用されてもよい。上記の指標A、指標B、指標Cのうちの1つまたは2つのみが使用されてもよい。
【0113】
上記の指標を組み合わせることにより、ユーザーが画像の見た目だけでは最適な基準点を判断できない場合であっても、基準点算出部184は、最適な基準点を容易に算出することができる。
【0114】
最適な基準点の決定のためにユーザーの意図が考慮されてもよい。例えば、ステップS108において、
図8(a)に示すように、ボタンBT4が画像G1上に表示されてもよい。ユーザーは、
図5(a)に示すボタンBT1に対する操作と同様の操作によりボタンBT4を押すことができる。ボタンBT4が押されたとき、第1の基準点および第2の基準点が変更される。つまり、第1の基準点および第2の基準点を構成する2つの仮基準点の組み合わせが変更される。
【0115】
最初に、評価値が最大となる2つの仮基準点が第1の基準点および第2の基準点として選択され、かつそれらが表示される。ボタンBT4が押されたとき、第1の基準点および第2の基準点として選択された2つの仮基準点の組み合わせが変更される。
図8(a)に示す例では、ボタンBT4が押されたとき、第1の基準点P203および第2の基準点205が表示される。第2の基準点P205の位置は、
図5(a)に示す第2の基準指定点P102の位置と同じである。つまり、ユーザーによって指定された2つの基準指定点のうちの一方が基準点として選択され、かつ2つの基準指定点のうちの他方が最適化される。即ち、基準点算出部184は、2つの基準指定点のうちの一方の位置と同じ位置にある点を基準点として算出する。基準点算出部184は、2つの基準点のうちの他方のみを最適化の対象として、その基準指定点の位置とは異なる位置にある点を基準点として算出する。
【0116】
図8(b)に示す例では、ボタンBT4が押されたとき、第1の基準点P206および第2の基準点207が表示される。この例では、指標Aの重み付けが小さく設定され、かつ仮基準点の組み合わせ毎に評価値が再度算出される。算出された評価値が最大となる2つの仮基準点の組み合わせが選択される。
【0117】
2つの基準点の他の候補が算出されるとき、新たな指標の導入、あるいは各指標の重み付けの変更により、基準点算出部184は、既に算出された2つの基準点の特性とは異なる特性を持った2つの基準点の候補を算出することができる。
【0118】
表示制御部181は、ユーザーによる基準点の選択を補助するための情報を表示部5に表示させてもよい。例えば、表示制御部181は、基準点の算出に使用された各指標の値を表示部5に表示させてもよい。あるいは、表示制御部181は、基準点の算出に使用された各指標の重み付けの度合いを表示部5に表示させてもよい。あるいは、表示制御部181は、算出された基準点が画像上のエッジと良く一致していることを示すメッセージを表示部5に表示させてもよい。
【0119】
ユーザーが第1の基準点および第2の基準点を正式な基準点として採用するか否かを決定する前に、その第1の基準点および第2の基準点に基づく線基準計測の結果が表示されてもよい。
図8(a)および
図8(b)に示すようにユーザーが2つの基準点の他の候補を指定できるように内視鏡装置1が構成されている場合も、ユーザーによる決定の前に線基準計測の結果が表示されてもよい。これにより、ユーザーは、基準点の他の候補と計測結果とを随時確認することができる。そのため、ユーザーは、計測結果も考慮して基準点の妥当性を判断することができる。
【0120】
図4に示すステップS104の後、ステップS106における処理が実行されてもよい。つまり、ステップS105における処理が省略されてもよい。
【0121】
図4に示すステップS107の後、ステップS109における処理が実行されてもよい。つまり、ステップS108における処理が省略されてもよい。この場合、ユーザーが基準指定点を指定しただけで、内視鏡装置1は最適な計測結果を得ることができる。ステップS108における処理が省略されるとともに、2つの基準指定点に基づいて算出された第1の基準点および第2の基準点が表示されなくてもよい。この場合、ユーザーは基準点の確認を行う必要がない。
【0122】
基準点および計測点が表示された後、ユーザーが基準点および計測点の位置を自由に修正できてもよい。ユーザーは、操作部4を操作することにより、基準点または計測点の位置を指定する指示を入力してもよい。操作部4は、その指示を受け付け、かつその指示を示す情報を出力する。操作部4から出力されたその情報は、制御インタフェース17に入力される。制御インタフェース17に入力されたその情報は、CPU18aに入力される。基準点算出部184は、ユーザーによって指定された基準点の位置を、ユーザーによって指定された位置に変更する。計測指定点設定部183は、計測点の位置を、ユーザーによって指定された位置に変更する。これにより、ユーザーは、内視鏡装置1によって提示された基準点および計測点の位置を参考にし、かつそれらの位置を微調整することができる。そのため、ユーザーが意図的に指定した位置での計測結果が得られる。
【0123】
上記の例では2つの基準点が算出されるが、3つ以上の基準点が算出され、かつそれらに基づいて基準線が算出されてもよい。これにより、基準線の確からしさが上がる。上記の例では基準線は直線であるが、基準線は曲線であってもよい。
【0124】
上記のように、基準点算出部184は、計測モード情報が示す計測モードに基づいて、少なくとも1つの基準点を算出する。計測結果の信頼度が高まりやすい位置の基準点が算出される。ユーザーが基準指定点の位置(第1の位置)を正確に指定する必要はない。そのため、内視鏡装置1は、ユーザーによる基準点の指定を簡易化することができ、かつ計測結果の信頼度を高めることができる。
【0125】
ユーザーは従来のようにサブピクセル単位で正確に点の指定を行う必要がない。そのため、内視鏡装置1は、特にタッチパネルなどを使用する入力によるユーザーの操作の負担を大幅に減らすことができる。3次元計測機能に関する知識を持たないユーザーが内視鏡装置1を操作する場合であっても、内視鏡装置1は信頼度が高い計測結果を得ることができる。
【0126】
上記のように、内視鏡装置1が自動的に算出した基準点が表示される。これにより、ユーザーは、基準点が計測に適しているか否かを確認することができる。
【0127】
(第1の実施形態の変形例)
本発明の第1の実施形態の変形例において、第1の実施形態におけるCPU18aは、
図9に示すCPU18bに変更される。
図9は、CPU18bの機能構成を示す。
図9に示す構成について、
図3に示す構成と異なる点を説明する。
【0128】
CPU18bは、
図3に示す構成に加えて、計測点算出部189を有する。計測点算出部189は、基準指定点設定部182によって設定された複数の基準指定点に基づいて計測点を算出する。言い換えると、計測点算出部189は、基準点算出部184によって算出された複数の基準点に基づいて計測点を算出する。言い換えると、計測点算出部189は、基準線算出部186によって算出された基準線に基づいて計測点を算出する。計測点算出部189は、ユーザーにより指定された位置に計測点が設定される場合よりも計測結果の信頼度が高まるような位置にある計測点を算出する。算出された計測点の情報は、RAM14に保持される。計測点の位置が特定の画像に関連付けられることにより、計測点が設定される。
【0129】
計測点算出部189は、プロセッサおよび論理回路の少なくとも1つで構成されてもよい。計測点算出部189は、1つまたは複数のプロセッサを含むことができる。計測点算出部189は、1つまたは複数の論理回路を含むことができる。
【0130】
上記以外の点について、
図9に示す構成は、
図3に示す構成と同様である。
【0131】
図10(a)は、2つの基準指定点および1つの計測指定点が指定された後に表示部5に表示される画像の例を示す。第1の基準指定点P101、第2の基準指定点P102、および計測指定点P104が画像G1上に表示される。2次元の第1の基準線L101および2次元の第1の補助線L103が画像G1上に表示される。
図10(a)において、計測指定点P104は画像のエッジ上の点である。しかし、計測指定点P104の位置は、被写体OB1の欠損(凹部)における最も深い位置ではない。ボタンBT1が画像G1上に表示される。ボタンBT1が押されたとき、基準点の最適化の指示が入力される。
【0132】
図10(b)は、
図10(a)に示すボタンBT1が押されたときに表示部5に表示される画像の例を示す。第1の基準点P201および第2の基準点P202が算出され、かつ第1の基準点P201および第2の基準点P202が画像G1上に表示される。2次元の第2の基準線L201が画像G1上に表示される。2つの基準点が算出された後、計測点算出部189は、第2の基準線L201に基づいて計測点P204を算出する。
図10(b)に示す例では、計測点算出部189は、画像G1上のエッジにおいて第2の基準線L201から最も遠い点を算出し、かつその点を計測点P204に設定する。計測点P204は被写体OB1上の欠損において最も深い位置であるため、線基準計測の結果の信頼度が高まる。2次元の第2の補助線L207が画像G1上に表示される。
【0133】
上記のように、計測点算出部189は、計測点を算出する。計測結果の信頼度が高まりやすい位置の計測点が算出される。ユーザーが計測指定点の位置(第2の位置)を正確に指定する必要はない。そのため、内視鏡装置1は、ユーザーによる計測点の指定を簡易化することができ、かつ計測結果の信頼度を高めることができる。
【0134】
(第2の実施形態)
本発明の第2の実施形態の内視鏡装置1は、面基準計測機能を有する。第2の実施形態において、3つの基準指定点および1つの計測指定点がユーザーにより指定される。3つの基準指定点に基づいて、信頼度が高い計測結果が得られる3つの基準点が算出される。計測指定点の位置に計測指定点が設定される。
【0135】
第2の実施形態において、第1の実施形態におけるCPU18aは、
図11に示すCPU18cに変更される。
図11は、CPU18cの機能構成を示す。
図11に示す構成について、
図3に示す構成と異なる点を説明する。
【0136】
CPU18bは、
図3に示す基準線算出部186の代わりに基準面算出部190を有する。後述するように、基準面算出部190(基準算出部)は、基準指定点設定部182によって設定された複数の基準指定点に基づいて、計測モード情報が示す計測モードで使用される基準面を算出する。基準点算出部184は、基準面を算出するための複数の基準指定点に代わる、より計測結果の信頼度が高まる複数の基準点を算出する。第2の実施形態において、基準指定点設定部182は3つの基準指定点を設定する。基準点算出部184は、基準面を算出するための複数の基準指定点に代わる、より計測結果の信頼度が高まる複数の基準点を算出する。第2の実施形態において、基準点算出部184は、基準指定点設定部182によって設定された3つの基準指定点に基づいて3つの基準点を算出する。第2の実施形態における計測モード情報は、面基準計測を示す。
【0137】
基準面算出部190は、基準指定点設定部182によって設定された3つの基準指定点に基づいて第1の基準面を算出する。具体的には、基準面算出部190は、3つの基準指定点の各々の3次元座標を通る、3次元空間上の平面である第1の基準面を算出する。第1の基準面は、3つの基準指定点に基づく仮の基準面である。第1の基準面が面基準計測に使用されるとは限らない。
【0138】
基準面算出部190は、基準点算出部184によって算出された3つの基準点に基づいて第2の基準面を算出する。具体的には、基準面算出部190は、3つの基準点の各々の3次元座標を通る、3次元空間上の平面である第2の基準面を算出する。第2の基準面は、面基準計測に使用される基準面である。複数の基準指定点に基づいて第1の基準面が算出された後、基準面算出部190は、複数の基準点に基づいて新たな第2の基準面を算出する。
【0139】
基準面算出部190は、プロセッサおよび論理回路の少なくとも1つで構成されてもよい。基準面算出部190は、1つまたは複数のプロセッサを含むことができる。基準面算出部190は、1つまたは複数の論理回路を含むことができる。
【0140】
計測部187は、基準面、計測点、および計測モードに基づいて、被写体の計測を実行する。具体的には、計測部187は、基準点算出部184によって算出された複数の基準点に基づいて決定された基準面を使用して、計測モード情報が示す計測モードで被写体の計測を実行する。第2の実施形態において計測部187は、基準面算出部190によって算出された3次元の基準面と、計測指定点設定部183によって設定された計測点の3次元座標との3次元距離を算出する。
【0141】
上記以外の点について、
図11に示す構成は、
図3に示す構成と同様である。
【0142】
図12を使用して、第2の実施形態における3次元計測について説明する。
図12は、3次元計測の手順を示す。
【0143】
第1の実施形態と同様に、表示部5は被写体の画像を表示する。ユーザーは、操作部4を操作することにより、被写体の画像において基準指定点および計測指定点を指定することができる。
【0144】
情報読み出し部188は、計測モード情報をROM13から読み出す(ステップS300)。読み出された計測モード情報は、面基準計測を示す。CPU18cの各部は、面基準計測で規定された処理を実行する。
【0145】
ステップS300の後、基準指定点設定部182は、操作部4の操作結果に基づいて、ユーザーが基準指定点として指定した位置を判断し、かつその位置に第1の基準指定点を設定する。表示制御部181は、第1の基準指定点を画像上に表示させる(ステップS301)。
【0146】
ステップS301の後、基準指定点設定部182は、操作部4の操作結果に基づいて、ユーザーが基準指定点として指定した位置を判断し、かつその位置に第2の基準指定点を設定する。表示制御部181は、第2の基準指定点を画像上に表示させる(ステップS302)。
【0147】
ステップS302の後、基準指定点設定部182は、操作部4の操作結果に基づいて、ユーザーが基準指定点として指定した位置を判断し、かつその位置に第3の基準指定点を設定する。表示制御部181は、第3の基準指定点を画像上に表示させる(ステップS303)。
【0148】
ステップS303の後、表示制御部181は、3つの基準指定点を通る第1の補助線を表示部5に表示させてもよい。
【0149】
ステップS303の後、3次元座標算出部185は、画像における全画素の3次元座標を算出する。基準面算出部190は、第1の基準指定点、第2の基準指定点、および第3の基準指定点の各々の3次元座標を通る第1の基準面を算出する。基準面算出部190は、第1の基準面を構成する複数の構成点の各々と各画素の3次元座標との距離が所定の値よりも小さいか否かを構成点毎かつ画素毎に判断する。基準面算出部190は、その距離が所定の値よりも小さくなる画素を選択する。これにより、基準面算出部190は、被写体上の点のうち第1の基準面に近い点を選択する。つまり、基準面算出部190は、被写体上の点のうち第1の基準面上の点とほぼ一致する点を選択する。表示制御部181は、基準面算出部190によって選択された画素を表示部5に表示させる(ステップS304)。
【0150】
なお、3次元座標算出部185によって実行される、画像における全画素の3次元座標の算出処理は、ステップS300よりも前に行われてもよいし、ステップS300〜ステップS303における処理が実行されている期間中にその処理と同時に行われても良い。
【0151】
例えば、ステップS304において、基準面算出部190によって選択された画素は所定の色で表示される。これにより、第1の基準面のうち被写体の表面と一致する領域が表示される。ユーザーは、2次元の画像において第1の基準面の位置を知ることができる。
【0152】
ステップS304の後、計測指定点設定部183は、操作部4の操作結果に基づいて、ユーザーが計測指定点として指定した位置を判断し、かつその位置に計測指定点を設定する。表示制御部181は、計測指定点を画像上に表示させる(ステップS305)。第2の実施形態において、計測指定点は計測点と同じである。そのため、ステップS305において設定された計測指定点は計測点としても扱われる。
【0153】
ステップS305の後、ユーザーは、操作部4を操作することにより、基準点の最適化の指示を入力する。操作部4は、その指示を受け付け、かつその指示を示す情報を出力する。操作部4から出力されたその情報は、制御インタフェース17に入力される。制御インタフェース17に入力されたその情報は、CPU18aに入力される。制御部180は、基準点の最適化の指示を検出する(ステップS306)。
【0154】
ステップS306の後、基準点算出処理が実行される(ステップS307)。基準点算出処理において基準点算出部184は、第1の基準指定点、第2の基準指定点、および第3の基準指定点に基づく計測が実行される場合よりも計測結果の信頼度が高まる第1の基準点、第2の基準点、および第3の基準点を算出する。基準点算出処理の詳細については後述する。
【0155】
ステップS307の後、表示制御部181は、3つの基準点を通る第2の補助線を表示部5に表示させてもよい。
【0156】
ステップS307の後、基準面算出部190は、第1の基準点、第2の基準点、および第3の基準点の各々の3次元座標を通る第2の基準面を算出する。基準面算出部190は、第2の基準面を構成する複数の構成点の各々と各画素の3次元座標との距離が所定の値よりも小さいか否かを構成点毎かつ画素毎に判断する。基準面算出部190は、その距離が所定の値よりも小さくなる画素を選択する。これにより、基準面算出部190は、被写体上の点のうち第2の基準面に近い点を選択する。つまり、基準面算出部190は、被写体上の点のうち第2の基準面上の点とほぼ一致する点を選択する。表示制御部181は、基準面算出部190によって選択された画素を表示部5に表示させる(ステップS308)。
【0157】
例えば、ステップS308において、基準面算出部190によって選択された画素は所定の色で表示される。これにより、第2の基準面のうち被写体の表面と一致する領域が表示される。ユーザーは、2次元の画像において第2の基準面の位置を知ることができる。
【0158】
ステップS308の後、計測部187は、面基準計測を実行する。つまり、計測部187は、ステップS308において算出された第2の基準面と、計測点の3次元座標との3次元距離を算出する(ステップS309)。
【0159】
ステップS309の後、表示制御部181は、計測結果を表示部5に表示させる。つまり、表示制御部181は、ステップS309において算出された3次元距離を表示部5に表示させる(ステップS310)。ステップS310における処理が実行されることにより、3次元計測が終了する。
【0160】
上記の例では、第1の基準指定点、第3の基準指定点、および第3の基準指定点に基づいて第1の基準点、第2の基準点、および第3の基準点が算出される。第1の基準指定点、第2の基準指定点、および第3の基準指定点のいずれか1つまたは2つは基準点に設定されてもよい。他の2つまたは1つの基準点は、第1の基準指定点、第2の基準指定点、および第3の基準指定点に基づいて、上記の処理と同様の処理により算出されてもよい。
【0161】
3つの基準指定点および第1の基準面のいずれか一方のみが表示されてもよい。3つの基準点および第2の基準面のいずれか一方のみが表示されてもよい。基準指定点および計測指定点の表示は必須ではない。基準点および計測点の表示は必須ではない。第1の基準面および第2の基準面の表示は必須ではない。計測結果の表示は必須ではない。
【0162】
基準指定点設定部182は、4つ以上の基準指定点を設定してもよい。基準点算出部184は、4つ以上の基準点を算出してもよい。
【0163】
図13(a)は、表示部5に表示される画像の例を示す。
図13(a)に示すように、画像G1が表示される。画像G1は、被写体OB1および被写体OB2の像を含む。計測モードを示す文字CH2が画像G1上に表示される。文字CH2は、計測モードが面基準計測であることを示す。ステップS305において計測指定点が指定された後の画像G1が
図13(a)に示されている。
【0164】
ステップS301において、第1の基準指定点P111が被写体OB1上に設定される。ステップS302において、第2の基準指定点P112が被写体OB1上に設定される。ステップS303において、第3の基準指定点P113が被写体OB1上に設定される。第1の基準指定点P111、第2の基準指定点P112、および第3の基準指定点P113が画像G1上に表示される。3つの基準指定点を順番に接続する第1の補助線L111が画像G1上に表示される。ステップS304において、第1の基準面が算出される。第1の基準面のうち被写体OB1の表面と一致する領域PL111が画像G1上に表示される。ステップS305において、計測指定点P114が被写体OB1上に設定される。計測指定点P114が画像G1上に表示される。
【0165】
ボタンBT1が画像G1上に表示される。ボタンBT1が押されたとき、ステップS306において基準点の最適化の指示が入力される。
【0166】
図13(b)は、
図13(a)に示すボタンBT1が押されたときに表示部5に表示される画像の例を示す。ステップS307において、第1の基準点P211、第2の基準点P212、および第3の基準点P213が算出される。第1の基準点P211、第2の基準点P212、および第3の基準点P213が画像G1上に表示される。3つの基準点を順番に接続する第2の補助線L211が画像G1上に表示される。表示制御部181は、第1の基準点P211、第2の基準点P212、および第3の基準点P213と一緒に第1の基準指定点P111、第2の基準指定点P112、および第3の基準指定点P113を表示部5に表示させてもよい。基準点および基準指定点が表示されることにより、ユーザーは、自分が意図した基準点の位置と、推定された基準点の位置とが合っているか否かを確認することができる。
【0167】
計測指定点P114と同じ位置に計測点P214が表示される。ステップS308において、第2の基準面が算出される。第2の基準面のうち被写体OB1の表面と一致する領域PL112が画像G1上に表示される。
【0168】
図13(b)に示す例では、3つの基準点で構成される三角形の面積は、
図13(a)に示す3つの基準指定点で構成される三角形の面積よりも大きい。そのため、
図13(b)に示す領域PL112は、
図13(a)に示す領域PL111よりも大きい。つまり、第2の基準面は、第1の基準面と比較して、被写体OB1の表面とより良く一致している。
図13(a)に示す計測指定点P114は、3つの基準指定点で構成される三角形の外側に設定されているが、
図13(b)に示す計測点P214は、3つの基準点で構成される三角形の内側に設定されている。以上により、信頼度が高い計測結果が得られることが期待できる。
【0169】
図13(b)に示すように、表示制御部181は、表示部5において、基準点算出部184によって算出された複数の基準点を画像上に表示させる。
図13(b)に示すように、表示制御部181は、表示部5において、基準点算出部184によって算出された複数の基準点に基づいて決定された第2の基準面を画像上に表示させる。
【0170】
図13(a)および
図13(b)に示すように、表示制御部181は、表示部5において、基準点算出部184によって算出された複数の基準点と、基準指定点設定部182によって設定された複数の基準指定点とを画像上に表示させる。基準点および基準指定点は同時に表示されてもよい。
【0171】
図13(a)および
図13(b)に示すように、表示制御部181は、表示部5において、第2の基準面および第1の基準面を画像上に表示させる。第2の基準面は、基準点算出部184によって算出された複数の基準点に基づいて決定される。第1の基準面は、基準指定点設定部182によって設定された複数の基準指定点に基づいて決定される。第2の基準面および第1の基準面は同時に表示されてもよい。
【0172】
図14は、ステップS307における基準点算出処理の手順を示す。
図14を使用して基準点算出処理の詳細を説明する。
【0173】
基準点算出部184は、ステップS304において算出された第1の基準面のうち被写体の表面と一致する領域に基づいて複数の仮基準点を算出する(ステップS400)。ステップS400において、4つ以上の仮基準点が算出される。算出された仮基準点の情報は、RAM14に保持される。
【0174】
ステップS400における処理の詳細を説明する。演算の効率化のために、ステップS304において算出された第1の基準面のうち被写体の表面と一致する領域の近傍に最適な基準点が存在すると仮定する。例えば、基準点算出部184は、その領域の中から所定の数の仮基準点を抽出する。あるいは、基準点算出部184は、その領域の境界から所定のピクセル以内の範囲において、所定の数の仮基準点を抽出する。仮基準点として抽出される点が限定されることにより、演算量が大幅に減る。
【0175】
ステップS400の後、基準点算出部184は、複数の仮基準点から3つの仮基準点を選択する(ステップS401)。ステップS401における処理は、複数回実行される。1回目の処理では、任意の3つの仮基準点が選択される。N回目の処理で選択される3つの仮基準点の組み合わせは、1回目からN−1回目の処理で選択された3つの仮基準点の組み合わせとは異なる。Nは2以上の整数である。
【0176】
ステップS401の後、基準点算出部184は、複数の指標を算出する(ステップS402)。
【0177】
ステップS402における処理の詳細を説明する。以下の例では、基準点算出部184は指標A、指標B、および指標Cを算出する。指標Aは、3つの仮基準点で構成される三角形の面積の大きさを示す。指標Bは、3つの仮基準点と計測指定点との位置関係に関する。指標Bは、計測指定点から基準面への垂線と基準面との交点と、3つの仮基準点の重心との距離の大きさを示す。計測指定点から基準面への垂線と基準面との交点は、基準面において計測指定点に最も近い点である。計測指定点から基準面への垂線は、計測指定点を通り、かつ基準面に垂直な直線である。指標Cは、被写体上の3次元座標のうち基準面の近傍に存在する3次元座標に対応する画素の数を示す。各指標は、0から1の間となるように正規化される。計測モード情報は、基準点算出処理において算出される指標の情報を含む。つまり、基準点算出処理において算出される指標は、計測モード情報によって規定されている。
【0178】
基準点算出部184は、ステップS401において選択された3つの仮基準点に基づいて、各指標の算出に使用される基準面を算出する。基準面算出部190が、各指標の算出に使用される基準面を算出してもよい。
【0179】
基準点算出部184は、式(7)に基づいて指標Aを算出する。式(7)において、Sは3つの仮基準点で構成される三角形の面積である。式(7)において、Wは画像の横サイズであり、かつHは画像の縦サイズである。式(7)において、3つの仮基準点の座標はそれぞれ(x
1,y
1)、(x
2,y
2)、および(x
3,y
3)である。3つの仮基準点で構成される三角形の面積が大きいほど、指標Aは大きい。
【0181】
基準点算出部184は、式(8)、式(9)、および式(10)に基づいて指標Bを算出する。式(8)および式(9)におけるDは式(10)で表される。式(10)において、3つの仮基準点の座標はそれぞれ(x
1,y
1)、(x
2,y
2)、および(x
3,y
3)である。式(10)において、計測指定点から3次元の基準面への垂線と基準面との交点の座標は(x
C,y
C)である。
【0183】
式(8)および式(9)におけるL
aは式(11)で表される。式(11)において、L
aはL
1、L
2、およびL
3の平均である。式(11)において、L
1は第1の仮基準点と第2の仮基準点との距離である。式(11)において、L
2は第2の仮基準点と第3の仮基準点との距離である。式(11)において、L
3は第3の仮基準点と第1の仮基準点との距離である。計測指定点から3次元の基準面への垂線と基準面との交点と、3つの仮基準点の重心との距離が小さいほど、指標Bは大きい。
【0185】
基準点算出部184は、式(12)に基づいて指標Cを算出する。式(12)において、N
Aは、基準面を一定間隔の領域に分割したときのその領域の数である。式(12)において、N
Bは、分割されたその領域の中心に配置された微小な立方体のうち被写体上の3次元点を含む立方体の数である。基準面と被写体の表面との一致度が高いほど、指標Cは大きい。
【0187】
指標Cの詳細な算出方法を説明する。ステップS304において3次元座標算出部185によって算出された、画像における全画素の3次元座標が使用される。3次元座標算出部185は、ステップS402において全画素の3次元座標を再度算出してもよい。
図15(a)に示す直方体R1は、全画素の3次元座標を含む。直方体R1は、被写体OB1の表面上の点に対応する3次元座標と、被写体OB2の表面上の点に対応する3次元座標とを含む。直方体R1を構成する点のX座標の最大値は、全画素の3次元座標を構成するX座標の最大値と同じである。直方体R1を構成する点のX座標の最小値は、全画素の3次元座標を構成するX座標の最小値と同じである。直方体R1を構成する点のY座標と全画素の3次元座標を構成するY座標との関係は、X座標についての関係と同様である。直方体R1を構成する点のZ座標と全画素の3次元座標を構成するZ座標との関係は、X座標についての関係と同様である。
【0188】
図15(b)に示すように、ステップS401において仮基準点P115、仮基準点P116、および仮基準点P117が選択される。ステップS402において基準点算出部184は、仮基準点P115、仮基準点P116、および仮基準点P117を通る基準面PL113を算出する。
【0189】
図16に示すように、基準点算出部184は基準面PL113を複数の領域A111に分割する。領域A111の数が式(12)におけるN
Aである。図の簡略化のために領域A111の数は少なく示されているが、実際には
図16に示す領域A111よりも多くの領域A111が設定される。基準点算出部184は、各領域A111内に微小な立方体C1を配置する。基準点算出部184は、立方体C1のうち被写体OB1または被写体OB2上の3次元点を含む立方体C1の数をカウントする。カウントされた立方体C1の数が式(12)におけるN
Bである。
【0190】
図17(a)および
図17(b)は、2つの異なる基準面の算出結果を示す。
図17(a)に示すように、仮基準点P115、仮基準点P116、および仮基準点P117を通る基準面PL113が算出される。領域PL113aは、被写体OB1および被写体OB2上の3次元点が微小な立方体に含まれる基準面PL113の領域を示す。
図17(b)に示すように、仮基準点P118、仮基準点P119、および仮基準点P120を通る基準面PL114が算出される。領域PL114aは、被写体OB1および被写体OB2上の3次元点が微小な立方体に含まれる基準面PL114の領域を示す。
【0191】
図17(a)に示す領域PL113aは、
図17(b)に示す領域PL114aよりも広い。つまり、
図17(a)に示す基準面PL113は、基準面PL114と比較して、被写体OB1の表面とより良く一致している。
【0192】
ステップS402の後、基準点算出部184は、複数の指標の和を算出することにより、評価値を算出する(ステップS403)。例えば、ステップS403において基準点算出部184は、上記の指標A、指標B、および指標Cの和を算出する。基準点算出部184は、3つの指標の積を算出してもよい。基準点算出部184は、各指標に対して、重み付けのための係数を乗算し、その和をとってもよい。
【0193】
ステップS403の後、基準点算出部184は、全ての仮基準点の組み合わせに対して評価値が算出されたか否かを判断する(ステップS404)。
【0194】
ステップS404において、評価値が算出されていない3つの仮基準点の組み合わせがあると基準点算出部184が判断した場合、ステップS401における処理が実行される。その場合、3つの仮基準点の組み合わせが変更され、かつ仮基準点の組み合わせ毎に、複数の指標と、評価値とが算出される。
【0195】
ステップS404において、全ての仮基準点の組み合わせに対して評価値が算出されたと基準点算出部184が判断した場合、基準点算出部184は、評価値が最大となる3つの仮基準点の組み合わせを選択する。これにより、基準点算出部184は、第1の基準点、第2の基準点、および第3の基準点を選択する。選択された3つの仮基準点がそれぞれ、第1の基準点、第2の基準点、および第3の基準点である。表示制御部181は、第1の基準点、第2の基準点、および第3の基準点を画像上に表示させる(ステップS405)。ステップS405における処理が実行されることにより、基準点算出処理が終了する。
【0196】
図14に示す基準点算出処理において基準点算出部184は、複数の基準点の少なくとも1つの位置が、計測モード情報が示す計測モードの特性に応じた基準を満たす位置になるように、少なくとも1つの基準点を算出する。
【0197】
ステップS400において基準点算出部184は、表示部5に表示された画像に複数の仮基準点を設定する。複数の仮基準点の位置は、互いに異なる。第2の実施形態において、少なくとも4つの仮基準点が設定される。ステップS401において基準点算出部184は、少なくとも3つの仮基準点を含む組み合わせを選択する。ステップS402およびステップS403において基準点算出部184は、仮基準点の組み合わせ毎に、その組み合わせに含まれる少なくとも3つの仮基準点が基準に適合する度合いを示す評価値を算出する。第1の組み合わせの評価値が示す適合度が第2の組み合わせの評価値が示す適合度よりも高い場合、ステップS405において基準点算出部184は、第1の組み合わせに含まれる少なくとも3つの仮基準点のうちの少なくとも1つを基準点に設定する。
【0198】
ステップS402において基準点算出部184は、仮基準点の組み合わせ毎に、その組み合わせに含まれる少なくとも3つの仮基準点の位置に基づいて、複数の基準毎に異なる複数の指標を算出する。ステップS403において基準点算出部184は、仮基準点の組み合わせ毎に、複数の指標に基づいて評価値を算出する。
【0199】
基準点算出処理において基準点算出部184は、複数の基準点の間の距離が広がるような複数の基準点を算出する。基準点算出部184は、複数の基準点の間の距離が複数の基準指定点の間の距離よりも広がるような複数の基準点を算出する。例えば、複数の基準点間の距離の最小値は複数の基準指定点間の距離の最小値よりも大きく、かつ複数の基準点間の距離の最大値は複数の基準指定点間の距離の最大値よりも大きい。複数の基準点間の距離の平均が複数の基準指定点間の距離の平均よりも大きくてもよい。基準点算出部184は、指標Aが反映された評価値に基づいて、上記の条件を満たす複数の基準点を算出する。
【0200】
基準点算出部184は、少なくとも3つの基準点を頂点とする多角形の面積が大きくなるような少なくとも3つの基準点を算出する。基準点算出部184は、第1の面積が第2の面積よりも大きくなるような少なくとも3つの基準点を算出する。第1の面積は、少なくとも3つの基準点を頂点とする多角形の面積である。第2の面積は、少なくとも3つの基準指定点を頂点とする多角形の面積である。基準点算出部184は、指標Aが反映された評価値に基づいて、この条件を満たす少なくとも3つの基準点を算出する。
【0201】
基準点算出処理において基準点算出部184は、計測点または計測指定点から基準面への垂線と基準面との交点が複数の基準点の重心に近づくような複数の基準点を算出する。基準点算出部184は、第1の距離が第2の距離よりも小さくなるような複数の基準点を算出する。第1の距離は、計測点または計測指定点から第2の基準面への垂線と基準面との交点と、複数の基準点の重心との距離である。第2の距離は、計測点または計測指定点から第1の基準面への垂線と基準面との交点と、複数の基準指定点の重心との距離である。基準点算出部184は、指標Bが反映された評価値に基づいて、上記の条件を満たす複数の基準点を算出する。
【0202】
基準点算出部184は、基準面が被写体の表面を近似する度合いが高まるような複数の基準点を算出する。基準点算出部184は、第1の度合いが第2の度合いよりも高まるような複数の基準点を算出する。第1の度合いは、複数の基準点に基づいて決定された第2の基準面が被写体の表面を近似する度合いである。第2の度合いは、複数の基準指定点に基づいて決定された第1の基準面が被写体の表面を近似する度合いである。基準点算出部184は、指標Cが反映された評価値に基づいて、上記の条件を満たす複数の基準点を算出する。
【0203】
計測の原理および計測モードなどの理解が充分ではないユーザーが計測を行う場合であっても、基準点算出処理が実行されることにより、面基準計測モードに最適な基準点が設定される。
【0204】
最適な基準点位置を求める方法は、例えばLevenberg−Marquardt法を用いて繰り返し最適化を行う方法などであってもよい。最適な基準点を算出するアルゴリズムの種類は問わない。
【0205】
図18(a)は、
図13(a)に示す計測指定点P114の位置と異なる位置に計測指定点が設定されたときに表示部5に表示される画像の例を示す。第1の基準指定点P111、第2の基準指定点P112、および第3の基準指定点P113はそれぞれ、
図13(a)に示す第1の基準指定点P111、第2の基準指定点P112、および第3の基準指定点P113と同じである。計測指定点P121が被写体OB2上に設定される。ボタンBT1が画像G1上に表示される。
【0206】
図18(b)は、
図18(a)に示すボタンBT1が押されたときに表示部5に表示される画像の例を示す。第1の基準点P215、第2の基準点P216、および第3の基準点P217が算出される。第1の基準点P215、第2の基準点P216、および第3の基準点P217が画像G1上に表示される。3つの基準点を順番に接続する第2の補助線L212が画像G1上に表示される。計測指定点P121と同じ位置に計測点P218が表示される。第2の基準面が算出される。第2の基準面のうち被写体OB1の表面と一致する領域が画像G1上に表示される。
図18(b)において、その領域の表示は省略されている。
図18(a)に示す計測指定点P121と、
図13(a)に示す計測指定点P114との位置が互いに異なるため、
図18(b)に示す3つの基準点の位置は、
図13(b)に示す3つの基準点の位置と異なる。
【0207】
図12に示すステップS308において第2の基準面が算出された後、表示制御部181は、
図17(a)および
図17(b)と同様に、被写体上の3次元点が微小な立方体に含まれる第2の基準面の領域を表示部5に表示させてもよい。これにより、ユーザーは、第2の基準面が被写体の表面と良く一致しているか否かを確認することができる。
【0208】
ステップS308の後、ユーザーは、第1の基準点、第2の基準点、および第3の基準点を正式な基準点として採用するか否かを決定してもよい。例えば、
図5(b)に示すボタンBT2が表示され、かつボタンBT2が押された場合にステップS309における処理が実行されてもよい。あるいは、
図5(b)に示すボタンBT3が表示され、かつボタンBT3が押された場合にステップS301における処理が実行されてもよい。
【0209】
上記の指標A、指標B、指標Cを除く他の指標が使用されてもよい。例えば、ユーザーが指定した基準指定点と、仮基準点との距離に関する指標が使用されてもよい。その距離が小さいほど、その指標は大きい。仮基準点におけるマッチングの相関値に関する指標が使用されてもよい。相関値が大きいほど、指標は大きい。
【0210】
仮基準点におけるテクスチャの強さに関する指標が使用されてもよい。そのテクスチャが強いほど、その指標は大きい。画素の3次元座標のうち基準点の近傍の座標のばらつきに関する指標が使用されてもよい。そのばらつきが小さいほど、その指標は大きい。3つの基準点が同じ物体上にあるか否かに関する指標が使用されてもよい。3つの基準点が同じ物体上にある場合、その指標は大きい。これらの指標以外の指標が使用されてもよい。上記の指標A、指標B、指標Cのうちの1つまたは2つと他の指標とが使用されてもよい。上記の指標A、指標B、指標Cのうちの1つまたは2つのみが使用されてもよい。
【0211】
上記の指標を組み合わせることにより、ユーザーが画像の見た目だけでは最適な基準点を判断できない場合であっても、基準点算出部184は、最適な基準点を容易に算出することができる。
【0212】
3つの基準点の他の候補が算出されるとき、新たな指標の導入、あるいは各指標の重み付けの変更により、基準点算出部184は、既に算出された3つの基準点の特性とは異なる特性を持った3つの基準点の候補を算出することができる。
【0213】
表示制御部181は、ユーザーによる基準点の選択を補助するための情報を表示部5に表示させてもよい。例えば、表示制御部181は、基準点の算出に使用された各指標の値を表示部5に表示させてもよい。あるいは、表示制御部181は、基準点の算出に使用された各指標の重み付けの度合いを表示部5に表示させてもよい。あるいは、表示制御部181は、算出された基準点を通る基準面が被写体の表面と良く一致していることを示すメッセージを表示部5に表示させてもよい。
【0214】
図12に示すステップS305の後、ステップS307における処理が実行されてもよい。つまり、ステップS306における処理が省略されてもよい。
【0215】
図12に示す3次元計測では、ユーザーが基準指定点を指定しただけで、内視鏡装置1は最適な計測結果を得ることができる。3つの基準指定点に基づいて算出された第1の基準点、第2の基準点、および第3の基準点が表示されなくてもよい。この場合、ユーザーは基準点の確認を行う必要がない。
【0216】
基準点および計測点が表示された後、ユーザーが基準点および計測点の位置を自由に修正できてもよい。これにより、ユーザーは、内視鏡装置1によって提示された基準点および計測点の位置を参考にし、かつそれらの位置を微調整することができる。そのため、ユーザーが意図的に指定した位置での計測結果が得られる。
【0217】
図19は、3つの基準点が算出された後にユーザーの指示により計測点の位置が変更される例を示す。
図18(b)に示す第1の基準点P215、第2の基準点P216、第3の基準点P217、および計測点P218が表示された後、ユーザーは、操作部4を操作することにより、計測点P218を移動させる。これにより、新しい計測点P222が設定される。基準点算出部184は、計測点P222に基づいて第1の基準点P219、第2の基準点P220、および第3の基準点P221を算出する。
【0218】
例えば、計測点P218が計測点P222に変更されたとき、基準点算出部184は、計測点P222の周囲にある複数の仮基準点を算出する。その後、基準点算出部184は、
図14に示すステップS401からステップS405における処理を実行することにより、第1の基準点P219、第2の基準点P220、および第3の基準点P221を算出する。
【0219】
上記の例では3つの基準点が算出されるが、4つ以上の基準点が算出され、かつそれらに基づいて基準面が算出されてもよい。これにより、基準面の確からしさが上がる。上記の例では基準面は平面であるが、基準面は曲面であってもよい。
【0220】
上記のように、基準点算出部184は、計測モード情報が示す計測モードに基づいて、複数の基準点を算出する。計測結果の信頼度が高まりやすい位置の基準点が算出される。ユーザーが基準指定点の位置(第1の位置)を正確に指定する必要はない。そのため、内視鏡装置1は、ユーザーによる基準点の指定を簡易化することができ、かつ計測結果の信頼度を高めることができる。
【0221】
ユーザーは従来のようにサブピクセル単位で正確に点の指定を行う必要がない。そのため、内視鏡装置1は、特にタッチパネルなどを使用する入力によるユーザーの操作の負担を大幅に減らすことができる。3次元計測機能に関する知識を持たないユーザーが内視鏡装置1を操作する場合であっても、内視鏡装置1は信頼度が高い計測結果を得ることができる。
【0222】
上記のように、内視鏡装置1が自動的に算出した基準点が表示される。これにより、ユーザーは、基準点が計測に適しているか否かを確認することができる。
【0223】
(第3の実施形態)
本発明の第3の実施形態の内視鏡装置1は、線基準計測機能を有する。
図3に示すCPU18aを使用して、第3の実施形態を説明する。
【0224】
第3の実施形態において、基準指定点設定部182は、ユーザーによって画像上で指定された1つの位置(第1の位置)に基づいて2つの基準指定点を設定する。
【0225】
図20を使用して、第3の実施形態における3次元計測について説明する。
図20は、3次元計測の手順を示す。
図20に示す処理について、
図4に示す処理と異なる点を説明する。
【0226】
ステップS100の後、基準指定点設定部182は、操作部4の操作結果に基づいて、ユーザーが基準指定点として指定した位置を判断し、かつその位置に基準指定点を設定する。表示制御部181は、基準指定点を画像上に表示させる(ステップS111)。
【0227】
ステップS111の後、基準指定点設定部182は、基準指定点に基づいて、第1の基準指定点および第2の基準指定点を算出する(ステップS112)。ステップS112の後、ステップS103における処理が実行される。ステップS107の後、ステップS109における処理が実行される。
【0228】
上記以外の点について、
図20に示す処理は、
図4に示す処理と同様である。
【0229】
図21(a)は、表示部5に表示される画像の例を示す。
図21(a)に示すように、被写体OB1および被写体OB2の像を含む画像G1が表示される。線基準計測を示す文字CH1が画像G1上に表示される。ステップS104において計測指定点が指定された後の画像G1が
図21(a)に示されている。
【0230】
ステップS111において、被写体OB1のエッジ上の基準指定点P131が設定される。ステップS112において、基準指定点設定部182は、基準指定点P131の近傍においてエッジを探索する。例えば、基準指定点設定部182は、基準指定点P131を中心とする所定範囲の画像においてエッジを検出する。基準指定点設定部182は、検出されたエッジ上の任意の位置に第1の基準指定点および第2の基準指定点を設定する。第1の基準指定点および第2の基準指定点は、表示部5に表示されていない。
【0231】
ステップS103において、第1の基準線が算出される。2次元の第1の基準線L131が画像G1上に表示される。
図21(a)に示す例では、第1の基準線L131は被写体OB1のエッジと一致していない。ステップS104において、被写体OB1のエッジ上の計測指定点P132が設定される。計測指定点P132および2次元の第1の補助線L132が画像G1上に表示される。
【0232】
ボタンBT1が画像G1上に表示される。ボタンBT1が押されたとき、ステップS105において基準点の最適化の指示が入力される。
【0233】
図21(b)は、
図21(a)に示すボタンBT1が押されたときに表示部5に表示される画像の例を示す。ステップS106において、第1の基準点P231および第2の基準点P232が算出される。第1の基準点P231および第2の基準点P232が画像G1上に表示される。
【0234】
計測指定点P132と同じ位置に計測点P233が表示される。ステップS107において、第2の基準線が算出される。2次元の第2の基準線L231が画像G1上に表示される。2次元の第2の補助線L232が画像G1上に表示される。
【0235】
図21(b)に示す例では、第2の基準線L231は被写体OB1のエッジと良く一致している。そのため、信頼度が高い計測結果が得られることが期待できる。
【0236】
基準指定点設定部182が、ユーザーによって指定された基準指定点の近傍におけるエッジを検出できなかった場合、表示制御部181は、エッジが検出されなかったことを示すメッセージを表示部5に表示させてもよい。
【0237】
ステップS111においてユーザーによって指定された基準指定点が第1の基準指定点として設定されてもよい。その場合、基準指定点設定部182は、第1の基準指定点に基づいて第2の基準指定点を算出する。ステップS112において表示制御部181は、第1の基準指定点および第2の基準指定点を表示部5に表示させてもよい。
【0238】
ステップS107の後、ユーザーは、第1の基準点および第2の基準点を正式な基準点として採用するか否かを決定してもよい。例えば、
図5(b)に示すボタンBT2が表示され、かつボタンBT2が押された場合にステップS109における処理が実行されてもよい。あるいは、
図5(b)に示すボタンBT3が表示され、かつボタンBT3が押された場合にステップS111における処理が実行されてもよい。
【0239】
ステップS104の後、ステップS106における処理が実行されてもよい。つまり、ステップS105における処理が省略されてもよい。
【0240】
表示制御部181は、第1の基準指定点および第2の基準指定点を表示部5に表示させてもよい。
【0241】
上記のように、ユーザーは1つの基準指定点および1つの計測指定点を指定する。そのため、2つの基準指定点および1つの計測指定点の指定が必要な第1の実施形態と比較して、ユーザーの操作の負担を減らすことができる。
【0242】
(第4の実施形態)
本発明の第4の実施形態の内視鏡装置1は、面基準計測機能を有する。
図11に示すCPU18cを使用して、第4の実施形態を説明する。
【0243】
第4の実施形態において、基準指定点設定部182は、ユーザーによって画像上で指定された1つの位置(第1の位置)に基づいて3つの基準指定点を設定する。
【0244】
図22を使用して、第4の実施形態における3次元計測について説明する。
図22は、3次元計測の手順を示す。
図22に示す処理について、
図12に示す処理と異なる点を説明する。
【0245】
ステップS300の後、基準指定点設定部182は、操作部4の操作結果に基づいて、ユーザーが基準指定点として指定した位置を判断し、かつその位置に基準指定点を設定する。表示制御部181は、基準指定点を画像上に表示させる(ステップS311)。
【0246】
ステップS311の後、基準指定点設定部182は、基準指定点に基づいて、第1の基準指定点、第2の基準指定点、および第3の基準指定点を算出する(ステップS312)。ステップS312の後、ステップS304における処理が実行される。
【0247】
上記以外の点について、
図22に示す処理は、
図12に示す処理と同様である。
【0248】
図23(a)は、表示部5に表示される画像の例を示す。
図23(a)に示すように、被写体OB1および被写体OB2の像を含む画像G1が表示される。面基準計測を示す文字CH2が画像G1上に表示される。ステップS305において計測指定点が指定された後の画像G1が
図23(a)に示されている。
【0249】
ステップS311において、基準指定点P141が被写体OB1上に設定される。ステップS312において、3次元座標算出部185は、基準指定点の近傍の複数画素の3次元座標を算出する。基準指定点設定部182は、複数画素の3次元座標を通る仮の基準面を算出する。基準指定点設定部182は、仮の基準面上の任意の位置に第1の基準指定点、第2の基準指定点、および第3の基準指定点を設定する。第1の基準指定点、第2の基準指定点、および第3の基準指定点は、表示部5に表示されていない。
【0250】
ステップS304において、第1の基準面が算出される。第1の基準面のうち被写体OB1の表面と一致する領域が画像G1上に表示される。
図23(a)においてその領域の表示は省略されている。ステップS305において、計測指定点P142が被写体OB2上に設定される。計測指定点P142が画像G1上に表示される。
【0251】
ボタンBT1が画像G1上に表示される。ボタンBT1が押されたとき、ステップS306において基準点の最適化の指示が入力される。
【0252】
図23(b)は、
図23(a)に示すボタンBT1が押されたときに表示部5に表示される画像の例を示す。ステップS307において、第1の基準点P241、第2の基準点242、および第3の基準点P243が算出される第1の基準点P241、第2の基準点242、および第3の基準点P243が画像G1上に表示される。
【0253】
計測指定点P142と同じ位置に計測点P244が表示される。ステップS308において、第2の基準面が算出される。第2の基準面のうち被写体OB1の表面と一致する領域が画像G1上に表示される。
図23(b)においてその領域の表示は省略されている。3つの基準点を順番に接続する第2の補助線L241が画像G1上に表示される。
【0254】
基準指定点の近傍の複数画素の3次元座標のばらつきが大きいことにより、仮の基準面の算出が困難な場合がある。その場合、表示制御部181は、仮の基準面を算出できないことを示すメッセージを表示部5に表示させてもよい。
【0255】
ステップS311においてユーザーによって指定された基準指定点が第1の基準指定点として設定されてもよい。その場合、基準指定点設定部182は、第1の基準指定点に基づいて第2の基準指定点および第3の基準指定点を算出する。ステップS312において表示制御部181は、第1の基準指定点、第2の基準指定点、および第3の基準指定点を表示部5に表示させてもよい。
【0256】
ステップS308の後、ユーザーは、第1の基準点、第2の基準点、および第3の基準点を正式な基準点として採用するか否かを決定してもよい。例えば、
図5(b)に示すボタンBT2が表示され、かつボタンBT2が押された場合にステップS309における処理が実行されてもよい。あるいは、
図5(b)に示すボタンBT3が表示され、かつボタンBT3が押された場合にステップS311における処理が実行されてもよい。
【0257】
ステップS305の後、ステップS307における処理が実行されてもよい。つまり、ステップS306における処理が省略されてもよい。
【0258】
表示制御部181は、第1の基準指定点、第2の基準指定点、および第3の基準指定点を表示部5に表示させてもよい。
【0259】
上記のように、ユーザーは1つの基準指定点および1つの計測指定点を指定する。そのため、3つの基準指定点および1つの計測指定点の指定が必要な第2の実施形態と比較して、ユーザーの操作の負担を減らすことができる。
【0260】
(第5の実施形態)
本発明の第5の実施形態の内視鏡装置1は、線基準計測機能を有する。
図3に示すCPU18aを使用して、第5の実施形態を説明する。
【0261】
第5の実施形態において、基準指定点設定部182は、計測指定点設定部183によって設定された計測指定点に基づいて2つの基準指定点を算出する。
【0262】
図24を使用して、第5の実施形態における3次元計測について説明する。
図24は、3次元計測の手順を示す。
図24に示す処理について、
図4に示す処理と異なる点を説明する。
【0263】
ステップS100の後、計測指定点設定部183は、操作部4の操作結果に基づいて、ユーザーが計測指定点として指定した位置を判断し、かつその位置に計測指定点を設定する。表示制御部181は、計測指定点を画像上に表示させる(ステップS121)。第5の実施形態において、計測指定点は計測点と同じである。そのため、ステップS121において設定された計測指定点は計測点としても扱われる。
【0264】
ステップS121の後、基準指定点設定部182は、計測指定点に基づいて、第1の基準指定点および第2の基準指定点を算出する(ステップS122)。ステップS122の後、ステップS103における処理が実行される。ステップS107の後、ステップS109における処理が実行される。
【0265】
上記以外の点について、
図24に示す処理は、
図4に示す処理と同様である。
【0266】
図25(a)は、表示部5に表示される画像の例を示す。
図25(a)に示すように、被写体OB1および被写体OB2の像を含む画像G1が表示される。線基準計測を示す文字CH1が画像G1上に表示される。ステップS121において計測指定点が指定された後の画像G1が
図25(a)に示されている。
【0267】
ステップS121において、被写体OB1のエッジ上の計測指定点P151が設定される。ステップS122において、基準指定点設定部182は、計測指定点P151を基準とする枠F1を設定する。例えば、計測指定点P151を中心とする枠F1が設定される。例えば、枠F1は正方形である。枠F1の形状はこれに限らない。基準指定点設定部182は、枠F1内においてエッジを検出する。
【0268】
図25(b)に示すように、基準指定点設定部182は、検出されたエッジと枠F1との2つの交点の位置に第1の基準指定点P152および第2の基準指定点P153を設定する。第1の基準指定点P152および第2の基準指定点P153が画像G1上に表示される。
【0269】
ステップS103において、第1の基準線が算出される。2次元の第1の基準線L151および2次元の第1の補助線L152が画像G1上に表示される。
【0270】
ボタンBT1が画像G1上に表示される。ボタンBT1が押されたとき、ステップS105において基準点の最適化の指示が入力される。
【0271】
基準指定点設定部182が、枠F1と交わるエッジを検出できなかった場合、表示制御部181は、エッジが検出されなかったことを示すメッセージを表示部5に表示させてもよい。
【0272】
ステップS122において、基準指定点設定部182は、被写体上の複数のエッジを検出してもよい。基準指定点設定部182は、検出されたエッジのうち計測指定点に近いエッジ上の任意の2つの点を第1の基準指定点および第2の基準指定点に設定してもよい。基準指定点設定部182は、検出されたエッジのうち計測指定点に接続されたエッジ上の任意の2つの点を第1の基準指定点および第2の基準指定点に設定してもよい。
【0273】
ステップS107の後、ユーザーは、第1の基準点および第2の基準点を正式な基準点として採用するか否かを決定してもよい。例えば、
図5(b)に示すボタンBT2が表示され、かつボタンBT2が押された場合にステップS109における処理が実行されてもよい。あるいは、
図5(b)に示すボタンBT3が表示され、かつボタンBT3が押された場合にステップS121における処理が実行されてもよい。
【0274】
ステップS103の後、ステップS106における処理が実行されてもよい。つまり、ステップS105における処理が省略されてもよい。
【0275】
上記のように、ユーザーは1つの計測指定点を指定する。そのため、2つの基準指定点および1つの計測指定点の指定が必要な第1の実施形態と比較して、ユーザーの操作の負担を減らすことができる。また、1つの基準指定点および1つの計測指定点の指定が必要な第3の実施形態と比較して、ユーザーの操作の負担を減らすことができる。
【0276】
(第6の実施形態)
本発明の第6の実施形態の内視鏡装置1は、面基準計測機能を有する。
図11に示すCPU18cを使用して、第6の実施形態を説明する。
【0277】
第6の実施形態において、基準指定点設定部182は、計測指定点設定部183によって設定された計測指定点に基づいて3つの基準指定点を算出する。
【0278】
図26を使用して、第6の実施形態における3次元計測について説明する。
図26は、3次元計測の手順を示す。
図26に示す処理について、
図12に示す処理と異なる点を説明する。
【0279】
ステップS300の後、計測指定点設定部183は、操作部4の操作結果に基づいて、ユーザーが計測指定点として指定した位置を判断し、かつその位置に計測指定点を設定する。表示制御部181は、計測指定点を画像上に表示させる(ステップS321)。第6の実施形態において、計測指定点は計測点と同じである。そのため、ステップS321において設定された計測指定点は計測点としても扱われる。
【0280】
ステップS321の後、基準指定点設定部182は、計測指定点に基づいて、第1の基準指定点、第2の基準指定点、および第3の基準指定点を算出する(ステップS322)。ステップS322の後、ステップS304における処理が実行される。
【0281】
上記以外の点について、
図26に示す処理は、
図12に示す処理と同様である。
【0282】
図27(a)は、表示部5に表示される画像の例を示す。
図27(a)に示すように、被写体OB1および被写体OB2の像を含む画像G1が表示される。面基準計測を示す文字CH2が画像G1上に表示される。ステップS321において計測指定点が指定された後の画像G1が
図27(a)に示されている。
【0283】
ステップS321において、計測指定点P161が被写体OB2上に設定される。ステップS322において、基準指定点設定部182は、計測指定点P161を基準とする枠F2を設定する。例えば、計測指定点P161を中心とする枠F2が設定される。例えば、枠F2は正方形である。枠F2の形状はこれに限らない。基準指定点設定部182は、枠F2内の領域を複数の部分領域に分割する。例えば、基準指定点設定部182は、枠F2内のエッジを検出し、かつエッジが各部分領域の境界となるように枠F2内の領域を複数の部分領域に分割する。
【0284】
図27(b)に示すように、枠F2内の領域が部分領域A161および部分領域A162に分割される。基準指定点設定部182は、計測指定点P161が設定された部分領域A161とは異なる部分領域A162内の任意の3つの点を第1の基準指定点P162、第2の基準指定点P163、および第3の基準指定点P164に設定する。第1の基準指定点P162、第2の基準指定点P163、および第3の基準指定点P164が画像G1上に表示される。3つの基準指定点を順番に接続する第1の補助線が画像G1上に表示される。
図27(b)において第1の補助線の表示は省略されている。
【0285】
ステップS304において、第1の基準面が算出される。第1の基準面のうち被写体OB1の表面と一致する領域が画像G1上に表示される。
図27(b)においてその領域の表示は省略されている。
【0286】
ボタンBT1が画像G1上に表示される。ボタンBT1が押されたとき、ステップS306において基準点の最適化の指示が入力される。
【0287】
枠F2内の領域が3つ以上の部分領域に分割された場合、基準指定点設定部182は、計測指定点P161が設定された部分領域A161とは異なる部分領域のうち最も大きな部分領域に3つの基準指定点を設定してもよい。ただし、3つ以上の部分領域のうち最も大きな領域の大きさが所定の大きさよりも小さい場合、第1の基準面として使用すべき基準面が検出されないと判断される。その場合、表示制御部181は、基準面が検出されなかったことを示すメッセージを表示部5に表示させてもよい。基準指定点設定部182は、枠F2内の模様を考慮して枠F2内の領域を複数の部分領域に分割してもよい。
【0288】
ステップS308の後、ユーザーは、第1の基準点、第2の基準点、および第3の基準点を正式な基準点として採用するか否かを決定してもよい。例えば、
図5(b)に示すボタンBT2が表示され、かつボタンBT2が押された場合にステップS309における処理が実行されてもよい。あるいは、
図5(b)に示すボタンBT3が表示され、かつボタンBT3が押された場合にステップS321における処理が実行されてもよい。
【0289】
ステップS304の後、ステップS307における処理が実行されてもよい。つまり、ステップS306における処理が省略されてもよい。
【0290】
上記のように、ユーザーは1つの計測指定点を指定する。そのため、3つの基準指定点および1つの計測指定点の指定が必要な第2の実施形態と比較して、ユーザーの操作の負担を減らすことができる。また、1つの基準指定点および1つの計測指定点の指定が必要な第4の実施形態と比較して、ユーザーの操作の負担を減らすことができる。
【0291】
(第7の実施形態)
本発明の第7の実施形態の内視鏡装置1は、線基準計測機能および面基準計測機能を有する。内視鏡装置1は、ユーザーによって指定された点の情報に応じて計測モードを判断する。
【0292】
第7の実施形態において、第1の実施形態におけるCPU18aは、
図28に示すCPU18dに変更される。
図28は、CPU18dの機能構成を示す。
図28に示す構成について、
図3に示す構成と異なる点を説明する。
【0293】
CPU18dは、
図3に示す構成に加えて、基準面算出部190および計測モード判断部191を有する。基準面算出部190は、
図11に示すCPU18cにおける基準面算出部190と同じである。計測モード判断部191は、ユーザーによって指定された基準指定点および計測指定点の少なくとも1つの情報に基づいて計測モードを判断する。具体的には、計測モード判断部191は、ユーザーによって指定された計測指定点の位置(第2の位置)に基づいて計測モードを判断する。
【0294】
第1の計測モード情報および第2の計測モード情報がROM13に記録されている。第1の計測モード情報は線基準計測を示し、かつ第2の計測モード情報は面基準計測を示す。情報読み出し部188は、計測モード判断部191によって判断された計測モードを示す計測モード情報をROM13から読み出す。
【0295】
計測モード判断部191は、プロセッサおよび論理回路の少なくとも1つで構成されてもよい。計測モード判断部191は、1つまたは複数のプロセッサを含むことができる。計測モード判断部191は、1つまたは複数の論理回路を含むことができる。
【0296】
上記以外の点について、
図28に示す構成は、
図3に示す構成と同様である。
【0297】
図29を使用して、第7の実施形態における3次元計測について説明する。
図29は、3次元計測の手順を示す。
【0298】
計測指定点設定部183は、操作部4の操作結果に基づいて、ユーザーが計測指定点として指定した位置を判断し、かつその位置に計測指定点を設定する。表示制御部181は、計測指定点を画像上に表示させる(ステップS500)。第7の実施形態において、計測指定点は計測点と同じである。そのため、ステップS500において設定された計測指定点は計測点としても扱われる。
【0299】
ステップS500の後、計測モード判断部191は、計測指定点の位置に基づいて計測モードを判断する(ステップS501)。ステップS501における処理の詳細を説明する。例えば、計測モード判断部191は、画像のエッジを抽出する。計測モード判断部191は、計測指定点と、抽出されたエッジとの距離が所定の値よりも小さいか否かを判断する。計測指定点とエッジとの距離が所定の値よりも小さい場合、ユーザーがエッジ上またはエッジの近傍に計測指定点を指定したと推定される。そのため、計測モード判断部191は、計測モードが線基準モードであると判断する。計測指定点とエッジとの距離が所定の値よりも大きい場合、ユーザーが平面上に計測指定点を指定したと推定される。そのため、計測モード判断部191は、計測モードが面基準モードであると判断する。
【0300】
計測モード判断部191は、計測指定点の周辺の画素の3次元座標のばらつきに基づいて、計測指定点が平面上にあるか否かを判断してもよい。そのばらつきが小さい場合、計測モード判断部191は、計測指定点が平面上にあると判断する。したがって、計測モード判断部191は、計測モードが面基準モードであると判断する。そのばらつきが大きい場合、計測モード判断部191は、計測指定点が平面上にないと判断する。したがって、計測モード判断部191は、計測モードが線基準モードであると判断する。
【0301】
ステップS501において、計測モードが線基準モードであると計測モード判断部191が判断した場合、情報読み出し部188は、第1の計測モード情報をROM13から読み出す(ステップS502)。読み出された第1の計測モード情報は、線基準計測を示す。CPU18dの各部は、線基準計測で規定された処理を実行する。
【0302】
ステップS502の後、ステップS122における処理が実行される。ステップS122の後、ステップS103における処理が実行される。ステップS103の後、ステップS105からステップS107における処理が実行される。ステップS107の後、ステップS109における処理が実行される。これらの処理は、
図24に示す処理と同様である。
【0303】
ステップS501において、計測モードが面基準モードであると計測モード判断部191が判断した場合、情報読み出し部188は、第2の計測モード情報をROM13から読み出す(ステップS503)。読み出された第2の計測モード情報は、面基準計測を示す。CPU18dの各部は、面基準計測で規定された処理を実行する。
【0304】
ステップS503の後、ステップS322における処理が実行される。ステップS322の後、ステップS304における処理が実行される。ステップS304の後、ステップS306からステップS309における処理が実行される。これらの処理は、
図26に示す処理と同様である。
【0305】
ステップS109またはステップS309の後、表示制御部181は、計測結果を表示部5に表示させる。つまり、表示制御部181は、ステップS109またはステップS309において算出された3次元距離を表示部5に表示させる(ステップS504)。ステップS504における処理が実行されることにより、3次元計測が終了する。
【0306】
図30(a)は、表示部5に表示される画像の第1の例を示す。
図30(a)に示すように、被写体OB1および被写体OB2の像を含む画像G1が表示される。ステップS500において被写体OB1のエッジ上の計測指定点P171が設定される。計測指定点P171がエッジ上にあるため、ステップS501において計測モードが線基準モードであると判断される。
【0307】
線基準モードでは、第5の実施形態における線基準計測が実行される。ステップS122において、基準指定点設定部182は、計測指定点P171を基準とする枠F3を設定する。基準指定点設定部182は、枠F3内においてエッジを検出する。
【0308】
図30(b)に示すように、基準指定点設定部182は、検出されたエッジと枠F3との2つの交点の位置に第1の基準指定点P172および第2の基準指定点P173を設定する。第1の基準指定点P172および第2の基準指定点P173が画像G1上に表示される。
【0309】
ステップS103において、第1の基準線が算出される。2次元の第1の基準線L171および2次元の第1の補助線L172が画像G1上に表示される。
【0310】
ボタンBT1が画像G1上に表示される。ボタンBT1が押されたとき、ステップS105において基準点の最適化の指示が入力される。
【0311】
図31(a)は、表示部5に表示される画像の第2の例を示す。
図31(a)に示すように、被写体OB1および被写体OB2の像を含む画像G1が表示される。ステップS500において計測指定点P181が被写体OB2上に設定される。計測指定点P181が平面上にあるため、ステップS501において計測モードが面基準モードであると判断される。
【0312】
面基準モードでは、第6の実施形態における面基準計測が実行される。ステップS322において、基準指定点設定部182は、計測指定点P181を基準とする枠F4を設定する。基準指定点設定部182は、枠F4内の領域を複数の部分領域に分割する。
【0313】
図31(b)に示すように、基準指定点設定部182は、計測指定点P181が設定された部分領域とは異なる部分領域内の任意の3つの点を第1の基準指定点P182、第2の基準指定点P183、および第3の基準指定点P184に設定する。第1の基準指定点P182、第2の基準指定点P183、および第3の基準指定点P184が画像G1上に表示される。3つの基準指定点を順番に接続する第1の補助線が画像G1上に表示される。
図31(b)において第1の補助線の表示は省略されている。
【0314】
ステップS304において、第1の基準面が算出される。第1の基準面のうち被写体OB1の表面と一致する領域が画像G1上に表示される。
図31(b)においてその領域の表示は省略されている。
【0315】
ボタンBT1が画像G1上に表示される。ボタンBT1が押されたとき、ステップS306において基準点の最適化の指示が入力される。
【0316】
図29に示す処理では、計測モードは、計測指定点の位置に基づいて判断される。計測モードの判断方法は、これに限らない。計測指定点およびその周辺の画像に基づく計測モードの判断が困難である場合、計測指定点の情報に加えて基準指定点の情報が計測モードの判断に使用されてもよい。
【0317】
ステップS107の後、ユーザーは、第1の基準点および第2の基準点を正式な基準点として採用するか否かを決定してもよい。例えば、
図5(b)に示すボタンBT2が表示され、かつボタンBT2が押された場合にステップS109における処理が実行されてもよい。あるいは、
図5(b)に示すボタンBT3が表示され、かつボタンBT3が押された場合にステップS500における処理が実行されてもよい。
【0318】
ステップS103の後、ステップS106における処理が実行されてもよい。つまり、ステップS105における処理が省略されてもよい。
【0319】
ステップS308の後、ユーザーは、第1の基準点、第2の基準点、および第3の基準点を正式な基準点として採用するか否かを決定してもよい。例えば、
図5(b)に示すボタンBT2が表示され、かつボタンBT2が押された場合にステップS309における処理が実行されてもよい。あるいは、
図5(b)に示すボタンBT3が表示され、かつボタンBT3が押された場合にステップS500における処理が実行されてもよい。
【0320】
ステップS304の後、ステップS307における処理が実行されてもよい。つまり、ステップS306における処理が省略されてもよい。
【0321】
上記のように、計測モード判断部191は、ユーザーによって指定された基準指定点および計測指定点の少なくとも1つの情報に基づいて計測モードを判断する。計測モードを線基準計測および面基準計測の間で切り替えることができるように構成された内視鏡装置1において、ユーザーは計測モードを事前に設定する必要はない。そのため、内視鏡装置1は、ユーザーの操作の負担を減らすことができる。
【0322】
(第7の実施形態の変形例)
本発明の第7の実施形態の変形例において、計測モード判断部191は、ユーザーによって指定された基準指定点および計測指定点の数に基づいて計測モードを判断する。
【0323】
図32(a)は、表示部5に表示される画像の例を示す。
図32(a)に示すように、被写体OB1および被写体OB2の像を含む画像G1が表示される。ユーザーによる指示に基づいて計測指定点P191が被写体OB1上の凸部に設定される。計測指定点P191が画像G1上に表示される。その後、
図32(b)に示すように、ユーザーによる指示に基づいて第1の基準指定点P192および第2の基準指定点P193が被写体OB1のエッジ付近に設定される。第1の基準指定点P192および第2の基準指定点P193が画像G1上に表示される。
【0324】
2つの基準指定点が設定された後、ボタンBT5が画像G1上に表示される。ユーザーは、
図5(a)に示すボタンBT1に対する操作と同様の操作によりボタンBT5を押すことができる。ボタンBT5が押されたとき、線基準計測のための基準点の最適化の指示が入力される。これにより、2つの基準指定点が確定する。そのため、計測モード判断部191は、計測モードが線基準モードであると判断する。
【0325】
図33(a)は、
図32(b)に示すボタンBT5が押されたときに表示部5に表示される画像の例を示す。第1の基準指定点P192および第2の基準指定点P193に基づいて第1の基準点P291および第2の基準点P292が算出される。第1の基準点P291および第2の基準点P292が画像G1上に表示される。計測指定点P191と同じ位置に計測点P293が表示される。第2の基準線が算出され、2次元の第2の基準線L291が画像G1上に表示される。
【0326】
図33(b)は、
図32(a)に示すボタンBT5が押されずに第3の基準指定点が設定されたときに表示部5に表示される画像の例を示す。第1の基準指定点P192および第2の基準指定点P193が設定された後、ユーザーは、ボタンBT5を押さずに第3の基準指定点を指定することができる。ユーザーによる指示に基づいて第3の基準指定点P194が被写体OB1のエッジ付近に設定される。
【0327】
3つの基準指定点が設定された後、ボタンBT6が画像G1上に表示される。ユーザーは、
図5(a)に示すボタンBT1に対する操作と同様の操作によりボタンBT6を押すことができる。ボタンBT6が押されたとき、面基準計測のための基準点の最適化の指示が入力される。これにより、3つの基準指定点が確定する。そのため、計測モード判断部191は、計測モードが面基準モードであると判断する。
【0328】
図34は、
図33(b)に示すボタンBT6が押されたときに表示部5に表示される画像の例を示す。第1の基準指定点P192、第2の基準指定点P193、および第3の基準指定点P194に基づいて第1の基準点P294、第2の基準点P295、および第3の基準点P296が算出される。第1の基準点P294、第2の基準点P295、および第3の基準点P296が画像G1上に表示される。計測指定点P191と同じ位置に計測点P297が表示される。第2の基準面が算出される。第2の基準面のうち被写体OB1の表面と一致する領域が画像G1上に表示される。
図34において、その領域の表示は省略されている。
【0329】
計測モード判断部191は、ユーザーが基準指定点を指定した後に経過した時間に応じて、計測モードを判断してもよい。例えば、第2の基準指定点が設定された時点からユーザーによって第3の基準指定点が指定されずに所定の時間が経過した場合、計測モード判断部191は、計測モードが線基準モードであると判断する。あるいは、第2の基準指定点が設定された時点から所定の時間が経過する前に第3の基準指定点が設定される。その場合、計測モード判断部191は、計測モードが面基準モードであると判断する。
【0330】
上記のように、計測モード判断部191は、ユーザーによって指定された基準指定点および計測指定点の数に基づいて計測モードを判断する。ユーザーは、多数の項目を含むメニューに対する複数回の操作により計測モードを設定する必要はない。そのため、内視鏡装置1は、ユーザーの操作の負担を減らすことができる。
【0331】
(第8の実施形態)
本発明の第8の実施形態の内視鏡装置1は、線基準計測機能を有する。また、被写体の3次元形状を示す画像上で基準指定点および計測指定点が指定される。
図3に示すCPU18aを使用して、第8の実施形態を説明する。
【0332】
第8の実施形態において、3次元座標算出部185は、CCU9により取得された画像における複数の画素の3次元座標を算出する。表示制御部181は、CCU9により取得された画像(第1の画像)に基づく画像(第2の画像)を表示部5に表示させる。具体的には、表示制御部181は、3次元座標算出部185によって算出された3次元座標で構成される被写体の3次元形状の画像を表示部5に表示させる。
【0333】
基準指定点設定部182は、表示部5に表示された画像においてユーザーにより指定された位置(第1の位置)に基づいて、CCU9により取得され、かつ表示部5に表示された画像に複数の基準指定点を設定する。計測指定点設定部183は、表示部5に表示された画像においてユーザーにより指定された位置(第2の位置)に基づいて、CCU9により取得され、かつ表示部5に表示された画像に計測指定点を設定する。基準線算出部186(基準算出部)は、基準指定点設定部182によって設定された複数の基準指定点に基づいて、計測モード情報が示す計測モードで使用される基準線を算出する。基準点算出部184は、基準線を算出するための複数の基準指定点に代わる、より計測結果の信頼度が高まる複数の基準点を算出する。
【0334】
基準指定点設定部182は、表示部5に表示された画像においてユーザーにより指定された位置(第1の位置)に基づいて、被写体の3次元形状の画像に複数の基準指定点を設定してもよい。計測指定点設定部183は、表示部5に表示された画像においてユーザーにより指定された位置(第2の位置)に基づいて、被写体の3次元形状の画像に計測指定点を設定してもよい。
【0335】
図35を使用して、第8の実施形態における3次元計測について説明する。
図35は、3次元計測の手順を示す。
図35に示す処理について、
図4に示す処理と異なる点を説明する。
【0336】
ステップS100の後、3次元座標算出部185は、画像における全画素の3次元座標を算出する(ステップS131)。ステップS131の後、算出された3次元座標で構成される3次元点群を表示部5に表示させる(ステップS132)。3次元点群は、被写体の3次元形状を構成する。ユーザーは、表示された3次元点群上で基準指定点および計測指定点を指定することができる。
【0337】
ステップS132の後、基準指定点設定部182は、操作部4の操作結果に基づいて、ユーザーが3次元点群上で基準指定点として指定した位置を判断する。基準指定点設定部182は、3次元点群上で指定された位置に対応する2次元画像上の位置に第1の基準指定点を設定する。表示制御部181は、第1の基準指定点を3次元点群上に表示させる(ステップS133)。
【0338】
ステップS133の後、基準指定点設定部182は、操作部4の操作結果に基づいて、ユーザーが3次元点群上で基準指定点として指定した位置を判断する。基準指定点設定部182は、3次元点群上で指定された位置に対応する2次元画像上の位置に第2の基準指定点を設定する。表示制御部181は、第2の基準指定点を3次元点群上に表示させる(ステップS134)。ステップS134の後、ステップS103における処理が実行される。
【0339】
ステップS103の後、計測指定点設定部183は、操作部4の操作結果に基づいて、ユーザーが3次元点群上で計測指定点として指定した位置を判断する。計測指定点設定部183は、3次元点群上で指定された位置に対応する2次元画像上の位置に計測指定点を設定する。表示制御部181は、計測基準指定点を3次元点群上に表示させる(ステップS135)。ステップS135の後、ステップS105における処理が実行される。
【0340】
ステップS108において、ユーザーが第1の基準点および第2の基準点を正式な基準点として採用しなかったと制御部180が判断した場合、ステップS133における処理が実行される。
【0341】
上記以外の点について、
図35に示す処理は、
図4に示す処理と同様である。
【0342】
図36(a)は、表示部5に表示される画像の例を示す。
図36(a)に示すように、ステップS132において画像G2が表示される。画像G2は、被写体OB1の3次元点群および被写体OB2の3次元点群を含む。3次元点群を構成する各点のRGB値は、その点に対応する2次元画像の画素のRGB値と同じである。
【0343】
ステップS135において計測指定点が指定された後の画像G2が
図36(b)に示されている。ステップS133において、被写体OB1のエッジ上の第1の基準指定点P301が設定される。ステップS134において、被写体OB1のエッジ上の第2の基準指定点P302が設定される。第1の基準指定点P301および第2の基準指定点P302が画像G2上に表示される。ステップS103において、第1の基準線が算出される。2次元の第1の基準線L301が画像G2上に表示される。ステップS135において、被写体OB1のエッジ上の計測指定点P303が設定される。計測指定点P303および2次元の第1の補助線L302が画像G2上に表示される。
【0344】
図37は、ステップS105において基準点の最適化の指示が入力されたときに表示部5に表示される画像の例を示す。ステップS106において、第1の基準点P401および第2の基準点P402が算出される。第1の基準点P401および第2の基準点P402が画像G2上に表示される。
【0345】
計測指定点P303と同じ位置に計測点P403が表示される。ステップS107において、第2の基準線が算出される。2次元の第2の基準線L401が画像G2上に表示される。2次元の第2の補助線L402が画像G2上に表示される。
【0346】
ユーザーは、画像G2上の3次元点群の視点位置を変更することができる。そのため、ユーザーは、互いに異なる複数の角度で被写体の3次元形状を確認することができる。
【0347】
上記の例では、基準計測点および計測指定点が3次元形状の画像上で指定される。第8の実施形態において、基準計測点および計測指定点を含む複数の点のうち1つ以上の点が3次元形状の画像上で指定される。
【0348】
上記の例では、線基準計測が行われる。面基準計測において、基準計測点および計測指定点を含む複数の点のうち1つ以上の点が3次元形状の画像上で指定されてもよい。
【0349】
ステップS135の後、ステップS106における処理が実行されてもよい。つまり、ステップS105における処理が省略されてもよい。
【0350】
ステップS107の後、ステップS109における処理が実行されてもよい。つまり、ステップS108における処理が省略されてもよい。
【0351】
表示制御部181は、CCU9により取得された画像と、被写体の3次元形状の画像とを表示部5に表示させてもよい。その場合、ユーザーによる基準指定点等の指定は、2つの画像のどちらに対して行われてもよい。
【0352】
図37に示すように、表示制御部181は、表示部5において、基準点算出部184によって算出された複数の基準点を3次元形状の画像上に表示させる。
図37に示すように、表示制御部181は、表示部5において、基準点算出部184によって算出された複数の基準点に基づいて決定された第2の基準線を3次元形状の画像上に表示させる。
【0353】
図36(b)および
図37に示すように、表示制御部181は、表示部5において、基準点算出部184によって算出された複数の基準点と、基準指定点設定部182によって設定された複数の基準指定点とを3次元形状の画像上に表示させる。基準点および基準指定点は同時に表示されてもよい。
【0354】
図36(b)および
図37に示すように、表示制御部181は、表示部5において、第2の基準線および第1の基準線を表示させる。第2の基準線は、基準点算出部184によって算出された複数の基準点に基づいて決定される。第1の基準線は、基準指定点設定部182によって設定された複数の基準指定点に基づいて決定される。第2の基準線および第1の基準線は同時に表示されてもよい。
【0355】
面基準計測が行われる場合、表示制御部181は、表示部5において、基準点算出部184によって算出された複数の基準点に基づいて決定された第2の基準面を3次元形状の画像上に表示させてもよい。
【0356】
面基準計測が行われる場合、表示制御部181は、表示部5において、第2の基準面および第1の基準面を3次元形状の画像上に表示させてもよい。第2の基準面は、基準点算出部184によって算出された複数の基準点に基づいて決定される。第1の基準面は、基準指定点設定部182によって設定された複数の基準指定点に基づいて決定される。第2の基準面および第1の基準面は同時に表示されてもよい。
【0357】
上記のように、被写体の3次元形状の画像が表示され、かつその画像上の指定された位置に基づいて、基準計測点および計測指定点が設定される。そのため、ユーザーは、被写体の3次元形状を確認しながら基準計測点および計測指定点を指定することができる。
【0358】
(第9の実施形態)
本発明の第9の実施形態では、被写体の画像を取得する装置と、計測機能が搭載されている装置とが異なる。
図38は、第9の実施形態の内視鏡システム100(計測システム)の構成を示す。
図38に示すように、内視鏡システム100は、内視鏡装置1(画像取得装置)および外部端末装置6(計測装置)を有する。内視鏡装置1は、被写体の画像(第1の画像)を取得する。内視鏡装置1によって取得された画像が外部端末装置6に入力される。外部端末装置6は、入力された画像を使用して被写体の計測を実行する。
【0359】
内視鏡装置1の構成は、
図2に示す構成と同様である。外部機器インタフェース16は、外部端末装置6と通信を行う。具体的には、外部機器インタフェース16は、被写体の画像および計測モード情報を外部端末装置6に送信する。
【0360】
例えば、外部機器インタフェース16は、無線モジュールであり、外部端末装置6と無線通信を行う。内視鏡装置1および外部端末装置6がLAN(Local Area Network)ケーブル等のケーブルで接続され、かつ外部機器インタフェース16はケーブルを介して外部端末装置6と通信を行ってもよい。
【0361】
例えば、外部端末装置6はタブレット端末等のモバイル端末である。外部端末装置6は、固定型端末であってもよい。外部端末装置6の形態は、これらに限らない。
【0362】
CPU18aは、外部機器インタフェース16が外部端末装置6と行う通信を制御する。つまり、CPU18aは、外部機器インタフェース16に対して、CCU9によって取得された画像と、ROM13から読み出された計測モード情報とを外部端末装置6へと送信させる。CPU18aは、
図3に示す表示制御部181、基準指定点設定部182、計測指定点設定部183、基準点算出部184、3次元座標算出部185、基準線算出部186、計測部187、および情報読み出し部188の少なくとも1つを有していなくてもよい。
【0363】
図39は、外部端末装置6の機能構成を示す。
図39に示すように、外部端末装置6は、データ通信部60、CPU61、表示部62、およびRAM63を有する。
【0364】
データ通信部60は、被写体の画像および計測モード情報を内視鏡装置1から受信する。例えば、データ通信部60は、無線モジュールであり、内視鏡装置1と無線通信を行う。データ通信部60はケーブルを介して内視鏡装置1と通信を行ってもよい。データ通信部60は、被写体の画像を取得する画像取得部として機能する。
【0365】
CPU61は、
図3に示すCPU18aと同様に構成されている。また、CPU61は、データ通信部60が内視鏡装置1と行う通信を制御する。つまり、CPU61は、データ通信部60に対して、被写体の画像および計測モード情報を内視鏡装置1から受信させる。
【0366】
CPU61は、CPU61の動作を規定する命令を含むプログラムを読み込み、かつ読み込まれたプログラムを実行してもよい。つまり、CPU61の機能はソフトウェアにより実現されてもよい。このプログラムの実現形態は、内視鏡装置1の機能を実現するプログラムの実現形態と同様である。
【0367】
表示部62は、表示画面を有し、かつ画像および操作メニュー等を表示画面に表示する。表示部62は、LCD等のモニタ(ディスプレイ)である。
【0368】
RAM63は、CPU61が外部端末装置6の制御のために使用する情報を一時的に記憶する。
【0369】
外部端末装置6は、計測モード情報が予め記録された記録媒体を有してもよい。その場合、内視鏡装置1は、計測モード情報を外部端末装置6に送信する必要はない。
【0370】
図40を使用して、第9の実施形態における3次元計測について説明する。
図40は、3次元計測の手順を示す。3次元計測で実行される処理は、内視鏡装置1における処理SG10と、外部端末装置6における処理SG20とを含む。内視鏡装置1が実行する処理について説明する。
【0371】
CPU18aは、被写体の画像および計測モード情報を外部機器インタフェース16に出力する。CPU18aは、外部機器インタフェース16に対して、被写体の画像および計測モード情報を外部端末装置6へ送信する命令を出す。これにより、外部機器インタフェース16は、被写体の画像および計測モード情報を外部端末装置6に送信する(ステップS600)。ステップS600における処理が実行されることにより、内視鏡装置1における処理が終了する。
【0372】
外部端末装置6が実行する処理について説明する。CPU61は、データ通信部60に対して、被写体の画像および計測モード情報を内視鏡装置1から受信させる。これにより、データ通信部60は、被写体の画像および計測モード情報を内視鏡装置1から受信する(ステップS601)。受信された被写体の画像および計測モード情報はRAM63に記憶される。
【0373】
ステップS601の後、ステップS602における処理が実行される。
図40に示すように、ステップS602からステップS612における処理が実行される。ステップS602からステップS612における処理はそれぞれ、
図4におけるステップS100からステップS110における処理と同様である。ステップS612における処理が実行されることにより、外部端末装置6における処理が終了する。
【0374】
CPU61は、
図9に示すCPU18bと同様に構成されてもよい。CPU61は、
図11に示すCPU18cと同様に構成されてもよい。その場合、外部端末装置6は、
図40に示すステップS602からステップS612における処理の代わりに、
図12に示す処理と同様の処理を実行してもよい。
【0375】
外部端末装置6は、
図40に示すステップS602からステップS612における処理の代わりに、
図20、
図22、
図24、
図26、および
図35のいずれか1つに示す処理と同様の処理を実行してもよい。
【0376】
CPU61は、
図28に示すCPU18dと同様に構成されてもよい。その場合、外部端末装置6は、
図40に示すステップS602からステップS612における処理の代わりに、
図29に示す処理と同様の処理を実行してもよい。
【0377】
第1から第8の実施形態において内視鏡装置1に適用できる様々な変形は、第9の実施形態の内視鏡システム100において同様に適用できる。
【0378】
内視鏡システム100は、ユーザーによる基準点の指定を簡易化することができ、かつ計測結果の信頼度を高めることができる。
【0379】
以上、本発明の好ましい実施形態を説明したが、本発明はこれら実施形態およびその変形例に限定されることはない。本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、構成の付加、省略、置換、およびその他の変更が可能である。また、本発明は前述した説明によって限定されることはなく、添付のクレームの範囲によってのみ限定される。