(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
イソシアネートに対する反応性の成分とイソシアネート成分との反応によって、軟質ポリウレタンフォームを製造するための方法であって、該イソシアネートに対する反応性の成分が、以下の構成成分:
A)≧1〜≦6の平均官能性を有する、1つ以上のH官能性開始分子の存在下で、
≧2重量%〜≦30重量%の二酸化炭素、および≧70重量%〜≦98重量%の1つ以上のアルキレンオキシドの共重合によって得ることができる、
≧20mg KOH/g〜≦250mg KOH/gのDIN 53240に従ったヒドロキシル価を有する、≧10〜≦90重量%のポリエーテルカーボネートポリオール、
B)≧20mg KOH/g〜≦250mg KOH/gのDIN 53240に従ったヒドロキシル価、1級および2級OH基の合計価に対して≧20〜≦80mol%の1級OH基の分率ならびにプロピレンオキシドおよびエチレンオキシドの合計量に対して5〜30重量%のエチレンオキシドの分率を有する、≦90〜≧10重量%のポリエーテルポリオールであって、
カーボネート単位を含まず、かつ、
≧2〜≦6の官能性を有する1つ以上のH官能性開始分子へのエチレンオキシドおよびプロピレンオキシドおよび場合により1つ以上のさらなるアルキレンオキシドの触媒添加により得ることができる、ポリエーテルポリオール、
C)≧0〜≦45重量%の1つ以上のポリマーポリオール、PUDポリオールおよび/またはPIPAポリオール
を含んでなり、A)、B)およびC)からの合計量が100重量%となる、方法。
自動車部品および構造的構成要素における使用のための、家具クッション材、織物インサート、マットレス、自動車シート、ヘッドレスト、アームレスト、スポンジ、フォームシートの製造のための、請求項2に記載の軟質ポリウレタンフォームの使用。
【発明の開示】
【0004】
環境にやさしく調和的な製造方法の一環として、一般的に、比較的大量のCO
2系由来の材料を使用することが望ましい。本発明の目的は、高い割合のポリエーテルカーボネートポリオールを有する軟質ポリウレタンフォーム、具体的には、熱成形フォームを製造するための方法であって、該フォームが、先行技術のフォームに匹敵する同等のバルク密度で、より高い硬度および、具体的には、より高い引張強度を呈することを特徴とする方法を利用可能にすることである。
【0005】
驚くべきことに、この目的は、イソシアネート反応性化合物が、≧10〜≦90重量%のポリエーテルカーボネートポリオールと、≦90〜≧10重量%の特別なポリエーテルポリオールとの混合物を含んでなる、軟質ポリウレタンフォームを製造するための方法によって達成された。
【0006】
したがって、本発明の主題は、イソシアネートに対する反応性の成分とイソシアネート成分との反応によって、軟質ポリウレタンフォームを製造するための方法であって、イソシアネートに対する反応性の成分は、以下の構成成分:
A)≧1〜≦6、好ましくは≧1および≦4、特に好ましくは≧2および≦3の平均官能性を有する、1つ以上のH官能性開始分子の存在下で、
≧2重量%〜≦30重量%の二酸化炭素、および≧70重量%〜≦98重量%の1つ以上のアルキレンオキシドの共重合によって得ることができる、
≧20mg KOH/g〜≦250mg KOH/gのDIN 53240に従ったヒドロキシル価を有する、≧10〜≦90重量%、好ましくは≧20〜≦80重量%、特に好ましくは≧30〜≦70重量%のポリエーテルカーボネートポリオール、
B)≧20mg KOH/g〜≦250mg KOH/gのDIN 53240に従ったヒドロキシル価、1級および2級OH基の合計価に対して≧20〜≦80mol%、好ましくは≧30〜≦60mol%の1級OH基の分率ならびにプロピレンオキシドおよびエチレンオキシドの合計量に対して5〜30重量%、好ましくは10〜20重量%のエチレンオキシドの分率を有する、≦90〜≧10重量%、好ましくは≦80〜≧20重量%、特に好ましくは≦70〜≧30重量%のポリエーテルポリオールであって、
カーボネート単位を含まず、
≧2〜≦6、好ましくは≧3〜≦4の官能性を有する1つ以上のH官能性開始分子へのエチレンオキシドおよびプロピレンオキシドおよび場合により1つ以上のさらなるアルキレンオキシドの触媒添加により得ることができる、ポリエーテルポリオール、
C)≧0〜≦45重量%、好ましくは≧5〜≦35重量%、特に好ましくは≧10〜≦30重量%の1つ以上のポリマーポリオール、
PUDポリオールおよび/またはPIPAポリオール
を含んでなり、A)、B)およびC)からの合計量が100重量%となる、方法である。
【0007】
ポリエーテル中のエチレンオキシドと1級OH基の含有量の特別な組み合わせによって特定されるこのようなポリエーテルカーボネートポリオール/ポリエーテル混合物を使用すると、先行技術のフォームと比較して、匹敵するバルク密度を有すると同時に、より高い硬度および具体的には、より顕著に高い引張強度を有する軟質ポリウレタンフォームを製造することが可能であることが見出された。
【0008】
このような特別なポリエーテルとのポリエーテルカーボネートポリオール/ポリエーテル混合物の使用は上で列挙した先行技術の文書のいずれにも開示されていない。
【0009】
本発明のさらなる主題は、本発明による方法に従い製造された軟質ポリウレタンフォームである。
【0010】
軟質ポリウレタンフォーム、好ましくは軟質熱成形ポリウレタンフォームの製造は、公知の方法により行われる。下記でより詳細に記載される成分を軟質ポリウレタンフォームの製造に使用してもよい。
【0011】
成分A)は、≧1〜≦6、好ましくは≧1および≦4、特に好ましくは≧2および≦3の平均官能性を有する、1つ以上のH官能性開始分子の存在下で、≧2重量%〜≦30重量%の二酸化炭素、および≧70重量%〜≦98重量%の1つ以上のアルキレンオキシドの共重合によって得ることができる、≧20mg KOH/g〜≦250mg KOH/g、好ましくは≧20mg KOH/g〜≦150mg KOH/g、特に好ましくは≧25mg KOH/g〜≦90mg KOH/gのDIN 53240に従ったヒドロキシル価(OH価)を有する、ポリエーテルカーボネートポリオール(ポリエーテルカーボネートポリオールは、いかなる末端アルキレンオキシドブロックも有しない)を含む。「H官能性」は、本発明において、アルコキシル化に対する活性なH原子を有する、開始化合物(Starterverbindung)を意味すると理解される。
【0012】
好ましくは、二酸化炭素および1つ以上のアルキレンオキシドの共重合は、少なくとも1つのDMC触媒(二重金属シアン化物触媒)の存在下で行われる。
【0013】
好ましくは、本発明に従って使用されるポリエーテルカーボネートポリオールはまた、式(VIII)に概略的に示される、カーボネート基間のエーテル基を有する。式(VIII)の図形において、Rは、各場合において、ヘテロ原子、例えば、O、S、Siなども含有し得る、アルキル、アルキルアリール、またはアリール等の有機残基を意味し、eおよびfは、整数を意味する。式(VIII)の図形に示されるポリエーテルカーボネートポリオールは、示される構造を有するブロックが、原理上、ポリエーテルカーボネートポリオールに存在し得るが、ブロックの配列、数、および長さは、変動し得、式(VIII)に示されるポリエーテルカーボネートポリオールに限定されないという意味で単純に理解されるものとする。式(VIII)に関して、これは、e/fの比は、好ましくは2:1〜1:20、特に好ましくは1.5:1〜1:10であることを意味する。
【化1】
【0014】
本発明の好ましい実施態様において、ポリエーテルカーボネートポリオールA)は、≧2.0重量%および≦30.0重量%、好ましくは≧5.0重量%および≦28.0重量%、ならびに特に好ましくは≧10.0重量%および≦25.0重量%のCO
2として計算されるカーボネート基(「二酸化炭素に起因する単位」)の含有量を有する。
【0015】
ポリエーテルカーボネートポリオールに組み込まれるCO
2(「二酸化炭素に起因する単位」)の割合は、
1H NMRスペクトルにおける特徴的な信号の評価から判定することができる。以下の実施例は、1.8オクタンジオール開始のCO
2/プロピレンオキシド−ポリエーテルカーボネートポリオールにおける、二酸化炭素に起因する単位の分率の判定を例解する。
【0016】
ポリエーテルカーボネートポリオールに組み込まれるCO
2の割合、同様にプロピレンカーボネートのポリエーテルカーボネートポリオールに対する比は、
1H NMRによって判定することができる(好適な計器は、Bruker、DPX 400、400MHz;zg30パルスプログラム、遅延時間d1:10s、64スキャン)。各サンプルは、重水素化クロロホルム中に溶解される。
1H NMR(TMS=0ppmに基づく)における関連する共鳴は、以下の通りである:
4.5ppmで共鳴を有する環状カーボネート(副生成物として形成された);5.1〜4.8ppmで共鳴を有する、ポリエーテルカーボネートポリオールに組み込まれる二酸化炭素に起因するカーボネート;2.4ppmで共鳴を有する不完全反応プロピレンオキシド(PO);1.2〜1.0ppmで共鳴を有するポリエーテルポリオール(即ち、組み込まれた二酸化炭素を伴わない);1.6〜1.52ppmで共鳴を有する開始分子(存在する場合)として組み込まれる1.8オクタンジオール。
【0017】
反応混合物中のポリマーに組み込まれるカーボネートのモル含量は、以下の略称を使用して、以下の通りに式(I)に従い計算される:
F(4.5)=環状カーボネート(H原子に対応する)に対する4.5ppmにおける共鳴の表面
F(5.1−4.8)=ポリエーテルカーボネートポリオール、および環状カーボネートのH原子に対する5.1〜4.8ppmにおける共鳴の表面
F(2.4)=遊離、不完全反応POに対する2.4ppmにおける共鳴の表面
F(1.2−1.0)=ポリエーテルポリオールに対する1.2〜1.0ppmにおける共鳴の表面
F(1.6−1.52)=存在する場合、1.8オクタンジオール(開始剤)に対する1.6〜1.52ppmにおける共鳴の表面。
【0018】
相対強度を考慮して、以下の式(I)によって、反応混合物におけるポリマー結合カーボネート(「直鎖状カーボネート」LC)をmol%に変換した:
【数1】
【0019】
反応混合物におけるポリマー結合カーボネート(LC)の重量による割合(重量%)は、式(II)によって計算した
【数2】
式中、N(「分母」N)の値は、式(III)によって計算する:
【数3】
【0020】
係数102は、CO
2(分子量44g/mol)およびプロピレンオキシド(分子量58g/mol)の分子量の合計からもたらされ、係数58は、プロピレンオキシドの分子量からもたらされ、係数146は、使用される1.8オクタンジオール開始剤(存在する場合)の分子量からもたらされる。
【0021】
反応混合物における環状カーボネート(CC’)の重量による割合(重量%)は、式(IV)によって計算した:
【数4】
式中、Nの値は、式(III)によって計算した。
【0022】
反応混合物の組成に対する値から、ポリマー分率(CO
2を含まない条件下で行われる活性化工程中に、開始剤およびプロピレンオキシドから形成されたポリエーテルポリオール、ならびにCO
2の存在下で行われる活性化工程中、および共重合中に、開始剤、プロピレンオキシド、および二酸化炭素から形成されるポリエーテルカーボネートポリオールを含んでなる)に対する組成を計算するために、反応混合物の非ポリマー構成成分(即ち、存在する環状プロピレンカーボネート同様に任意の未変換プロピレンオキシド)は、計算することにより排除した。ポリエーテルカーボネートポリオール中の繰り返しカーボネート単位の重量による割合は、係数F=44/(44+58)を使用して、二酸化炭素の重量による分率に変換した。ポリエーテルカーボネートポリオール中のCO
2含有量に対する情報は、CO
2の存在下での共重合および該当する場合活性化工程において形成されたポリエーテルカーボネートポリオール分子の分率に標準化される(即ち、ここでは、開始剤(存在する場合、1.8オクタンジオール)から、同様にCO
2を含まない条件下で添加されるエポキシドとの開始剤の反応からもたらされるポリエーテルカーボネートポリオール分子の分率は、考慮しなかった)。
【0023】
例として、ポリエーテルカーボネートポリオールの製造にはA)に従った方法が含まれ、該方法では以下が行われる。
(α)H官能性開始物質、または少なくとも2つのH官能性開始物質の混合物が供給され、場合により水および/または他の高い揮発性化合物が、乾燥の前または後のH官能性開始物質への、または少なくとも2つのH官能性開始物質の混合物へのDMC触媒の添加を伴って、昇温および/または減圧(「乾燥」)によって除去され、
(β)活性化のために、工程(α)からもたらされる混合物に、1つ以上のアルキレンオキシドの一部分(活性化および共重合中に使用されるアルキレンオキシドの総量に対する)を添加し、該アルキレンオキシドの一部分が、CO
2の存在下で添加されていてもよく、かつ、反応器中のその後の発熱化学反応により生じる温度スパイク(「ホットスポット」)および/または圧力降下が次いで各場合において所期され、活性化のための工程(β)がまた、数回発生していてもよく、
(γ)アルキレンオキシドおよび二酸化炭素のうちの1つ以上が、工程(β)からもたらされる混合物に添加され、工程(γ)において使用されるアルキレンオキシドが、工程(β)において使用されるアルキレンオキシドと同じまたは異なっていてもよく、工程(γ)後にさらなるアルコキシル化工程が行われない。
【0024】
一般的に、ポリエーテルカーボネートポリオールの製造のためには、2〜24個の炭素原子を有するアルキレンオキシド(エポキシド)が使用されていてもよい。2〜24個の炭素原子を有するアルキレンオキシドは、例えば、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、1−ブテンオキシド、2,3−ブテンオキシド、2−メチル−1,2−プロペンオキシド(イソブテンオキシド)、1−ペンテンオキシド、2,3−ペンテンオキシド、2−メチル−1,2−ブテンオキシド、3−メチル−1,2−ブテンオキシド、1−ヘキセンオキシド、2,3−ヘキセンオキシド、3,4−ヘキセンオキシド、2−メチル−1,2−ペンテンオキシド、4−メチル−1,2−ペンテンオキシド、2−エチル−1,2−ブテンオキシド、1−ヘプテンオキシド、1−オクテンオキシド、1−ノネンオキシド、1−デセンオキシド、1−ウンデセンオキシド、1−ドデセンオキシド、4−メチル−1,2−ペンテンオキシド、ブタジエンモノオキシド、イソプレンモノオキシド、シクロペンテンオキシド、シクロヘキセンオキシド、シクロヘプテンオキシド、シクロオクテンオキシド、スチレンオキシド、メチルスチレンオキシド、ピネンオキシド、モノ−、ジ−、およびトリグリセリドとしての単一もしくは複数ポリエポキシ化脂肪、エポキシ化脂肪酸、エポキシ化脂肪酸のC
1−C
24エステル、エピクロルヒドリン、グリシドール、ならびにグリシドールの誘導体、例えば、メチルグリシジルエーテル、エチルグリシジルエーテル、2−エチルヘキシルグリシジルエーテル、アリルグリシジルエーテル、グリシジルメタクリレート、同様にエポキシ官能性アルコキシシラン、例えば、3−グリシジルオキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシジルオキシプロピルトリエトキシシラン、3−グリシジルオキシプロピルトリプロポキシシラン、3−グリシジルオキシプロピル−メチル−ジメトキシシラン、3−グリシジルオキシプロピルエチルジエトキシシラン、3−グリシジルオキシプロピルトリイソプロポキシシラン(3-Glycidyloxypropyltrlisopropoxysilan)を含んでなる群から選択される1つ以上の化合物である。使用されるアルキレンオキシドは、好ましくはエチレンオキシドおよび/またはプロピレンオキシドおよび/または1,2−ブチレンオキシド、より好ましくはプロピレンオキシドである。
【0025】
本発明の好ましい実施態様において、合計して使用されるプロピレンオキシドおよびエチレンオキシドの量におけるエチレンオキシドの分率は、≧0および≦90重量%、好ましくは≧0および≦50重量%であり、特に好ましくはエチレンオキシドを含まない。
【0026】
好適なH官能性開始物質として、アルコキシル化に対して活性なH原子を有する化合物を使用してもよい。アルコキシル化に対して活性なH原子を有する活性基は、例えば、−OH、−NH
2(第1級アミン)、−NH−(第2級アミン)、−SH、および−CO
2H、好ましくは−OHおよび−NH
2、特に好ましくは−OHである。例として、次の群から選択される1つ以上の化合物をH官能性開始物質として使用する:水、一価もしくは多価アルコール、多価アミン、多価チオール、アミノアルコール、チオアルコール、ヒドロキシエステル、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリエステルエーテルポリオール、ポリエーテルカーボネートポリオール、ポリカーボネートポリオール、ポリカーボネート、ポリエチレンイミン、ポリエーテルアミン(例えば、HuntsmanからのいわゆるJeffamines(商標)、例えば、D−230、D−400、D−2000、T−403、T−3000、T−5000、もしくは対応するBASF製品、例えば、ポリエーテルアミンD230、D400、D200、T403、T5000)、ポリテトラヒドロフラン(例えば、BASFからのPolyTHF(商標)、その例として、PolyTHF(商標)250、650S、1000、1000S、1400、1800、2000)、ポリテトラヒドロフランアミン(BASF製品ポリテトラヒドロフランアミン1700)、ポリエーテルチオール、ポリアクリレートポリオール、ヒマシ油、リシノール酸のモノ−もしくはジグリセリド、脂肪酸のモノグリセリド、脂肪酸の化学的に修飾されたモノ−、ジ−、および/もしくはトリグリセリド、ならびに1分子あたり平均少なくとも2つのOH基を含有するC
1−C
24アルキル−脂肪酸エステル。1分子あたり平均少なくとも2つのOH基を含有するC
1−C
24アルキル−脂肪酸エステルの例は、Lupranol Balance(商標)(BASF AG)、Merginol(商標)タイプ(Hobum Oleochemicals GmbH)、Sovermol(商標)タイプ(Cognis Deutschland GmbH & Co. KG)、およびSoyol(商標)TMタイプ(USSC Co.から)等の市販品である。
【0027】
単官能性開始化合物として、アルコール、アミン、チオール、およびカルボン酸を使用してもよい。単官能性アルコールとして次のものを使用してもよい:メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、tert−ブタノール、3−ブテン−1−オール、3−ブチン−1−オール、2−メチル−3−ブテン−2−オール、2−メチル−3−ブチン−2−オール、プロパルギルアルコール、2−メチル−2−プロパノール、1−tert−ブトキシ−2−プロパノール、1−ペンタノール、2−ペンタノール、3−ペンタノール、1−ヘキサノール、2−ヘキサノール、3−ヘキサノール、1−ヘプタノール、2−ヘプタノール、3−ヘプタノール、1−オクタノール、2−オクタノール、3−オクタノール、4−オクタノール、フェノール、2−ヒドロキシビフェニル、3−ヒドロキシビフェニル、4−ヒドロキシビフェニル、2−ヒドロキシピリジン、3−ヒドロキシピリジン、4−ヒドロキシピリジン。有力な単官能性アミンとしては次のものである:ブチルアミン、tert−ブチルアミン、ペンチルアミン、ヘキシルアミン、アニリン、アジリジン、ピロリジン、ピペリジン、モルホリン。単官能性チオールとして次のものを使用してもよい:エタンチオール、1−プロパンチオール、2−プロパンチオール、1−ブタンチオール、3−メチル−1−ブタンチオール、2−ブテン−1−チオール、チオフェノール。単官能性カルボン酸としては以下のものである:ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、脂肪酸、例えば、ステアリン酸、パルミチン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、安息香酸、アクリル酸。
【0028】
H官能性開始物質として好適な多価アルコールの例は、二価アルコール(例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,4−ブテンジオール、1,4−ブチンジオール、ネオペンチルグリコール、1,5−ペンタンジオール、メチルペンタンジオール(例えば、3−メチル−1,5−ペンタンジオール)、1,6−ヘキサンジオール;1,8−オクタンジオール、1,10−デカンジオール、1,12−ドデカンジオール、ビス−(ヒドロキシメチル)−シクロヘキサン(例えば、1,4−ビス−(ヒドロキシメチル)シクロヘキサン)、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、ジブチレングリコール、およびポリブチレングリコール);三価アルコール(例えば、トリメチロールプロパン、グリセリン、トリスヒドロキシエチルイソシアヌレート、ヒマシ油);四価アルコール(例えば、ペンタエリスライト);ポリアルコール(例えば、ソルビトール、ヘキサイト、スクロース、デンプン、デンプン加水分解物、セルロース、セルロース加水分解物、ヒドロキシ官能化脂肪および油状物、特に、ヒマシ油)、同様に異なる量のε−カプロラクトンとのこれらの前述のアルコールの全ての修飾生成物である。H官能性開始剤の混合物において、三価アルコール、例えば、トリメチロールプロパン、グリセリン、トリスヒドロキシエチルイソシアヌレート、およびヒマシ油を使用することもできる。
【0029】
また、H官能性開始物質は、ポリエーテルポリオールの物質クラス、特に、100〜4000g/mol、好ましくは250〜2000g/molの範囲内の分子量M
nを有するものから選択することができる。繰り返しエチレンオキシドおよびプロピレンオキシド単位から形成される、好ましくは35%〜100%のプロピレンオキシド単位の割合を有する、特に好ましくは50%〜100%のプロピレンオキシド単位の割合を有する、ポリエーテルポリオールが好ましい。これらは、エチレンオキシドおよびプロピレンオキシドの統計的コポリマー、グラジエントコポリマー、交互コポリマー、またはブロックコポリマーであってもよい。繰り返しプロピレンオキシドおよび/またはエチレンオキシド単位から形成される好適なポリエーテルポリオールの例は、Desmophen(商標)、Acclaim(商標)、Arcol(商標)、Baycoll(商標)、Bayfill(商標)、Bayflex(商標)、Baygal(商標)、PET(商標)、およびBayer MaterialScience AG製作のポリエーテルポリオール(例えば、Desmophen(商標)3600Z、Desmophen(商標)1900U、Acclaim(商標)ポリオール 2200、Acclaim(商標)ポリオール 4000I、Arcol(商標)ポリオール 1004、Arcol(商標)ポリオール 1010、Arcol(商標)ポリオール 1030、Arcol(商標)ポリオール 1070、Baycoll(商標)BD 1110、Bayfill(商標)VPPU 0789、Baygal(商標)K55、PET(商標)1004、ポリエーテル(商標)S180)である。他の好適なホモ−ポリエチレンオキシドの例は、BASF SEからのPluriol(商標)E銘柄であり、好適なホモ−ポリプロピレンオキシドは、例えば、BASF SEからのPluriol(商標)P銘柄であり、エチレンオキシドおよびプロピレンオキシドからの好適な混合コポリマーは、例えば、BASF SEからのPluronic(商標)PEまたはPluriol(商標)RPEの銘柄である。
【0030】
また、H官能性開始物質は、ポリエステルポリオールの物質クラス、特に、200〜4500g/mol、好ましくは400〜2500g/molの範囲内の分子量M
nを有するものから選択することができる。ポリエステルポリオールとして、少なくとも二官能性ポリエステルが使用される。交互の酸およびアルコール単位からのポリエステルポリオールが好ましい。使用される酸成分の例は、コハク酸、マレイン酸、マレイン酸無水物、アジピン酸、フタル酸無水物、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、テトラヒドロフタル酸、テトラヒドロフタル酸無水物、ヘキサヒドロフタル酸無水物、または前述の酸および/もしくは無水物からの混合物である。使用されるアルコール成分の例は、エタンジオール、1,2−プロパンジオール、1,3プロパン−ジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,6−ヘキサンジオール、1,4−ビス−(ヒドロキシメチル)−シクロヘキサン、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリメチロールプロパン、グリセリン、ペンタエリスライト、または前述のアルコールからの混合物である。二価または多価ポリエーテルポリオールがアルコール成分として使用された場合に得られたポリエステルエーテルポリオールは、ポリエーテルカーボネートポリオールの製造のための開始物質としても役割を果たすことができる。ポリエーテルポリオールが、ポリエステルエーテルポリオールを製造するために使用される場合、150〜2000g/molの数平均分子量M
nを有するポリエーテルポリオールが好ましい。
【0031】
また、H官能性開始物質として、ポリカーボネートポリオール(例えば、ポリカーボネートジオール)、特に、150〜4500g/mol、好ましくは500〜2500の範囲内の分子量M
nを有するものを使用してもよく、これは、例えば、ホスゲン、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、またはジフェニルカーボネート、ならびに二および/もしくは多官能性アルコール、またはポリエステルポリオール、またはポリエーテルポリオールの変換によって製造される。ポリカーボネートポリオールの例は、例えば、EP−A 1359177号において見出すことができる。例として、Bayer MaterialScience AGからのDesmophen(商標)Cタイプ、例えば、Desmophen(商標)C 1100またはDesmophen(商標)C 2200を使用してもよい。
【0032】
また、H官能性開始物質としてポリエーテルカーボネートポリオールを使用してもよい。具体的には、上で記載された方法によって製造されるポリエーテルカーボネートポリオールが使用される。このためには、H官能性開始物質として使用されるこれらのポリエーテルカーボネートポリオールは、事前に別個の反応工程において製造される。
【0033】
好ましいH官能性開始物質は、一般式(V)のアルコールであり、
【化2】
式中、xは、1〜20の数、好ましくは2〜20の偶数である。式(V)のアルコールの例は、エチレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,8−オクタンジオール、1,10−デカンジオール、および1,12−ドデカンジオールである。他の好ましいH官能性開始物質は、ネオペンチルグリコール、トリメチロールプロパン、グリセリン、ペンタエリスライト、式(I)のアルコールのε−カプロラクトンとの変換生成物、例えば、トリメチロールプロパンのε−カプロラクトンとの変換生成物、グリセリンのε−カプロラクトンとの変換生成物、同様にペンタエリスライトのε−カプロラクトンとの変換生成物である。また、H官能性開始物質として使用に好ましいのは、水、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ヒマシ油、ソルビトール、および繰り返しポリアルキレンオキシド単位から形成されるポリエーテルポリオールである。
【0034】
特に好ましいH官能性開始物質は、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、2−メチルプロパン−1,3−ジオール、ネオペンチルグリコール、1,6−ヘキサンジオール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、二および三官能性ポリエーテルポリオール(ポリエーテルポリオールは、二もしくは三H官能性開始物質およびプロピレンオキシド、または二もしくは三H官能性開始物質、プロピレンオキシドおよびエチレンオキシドから形成されている)を含んでなる群から選択される1つ以上の化合物である。ポリエーテルポリオールは、好ましくは、62〜4500g/molの範囲内の数平均分子量M
n、および特に、62〜3000g/molの範囲内の数平均分子量M
n、非常に特に好ましくは62〜1500g/molの分子量を有する。好ましくは、ポリエーテルポリオールは、≧2〜≦3の官能性を有する。
【0035】
本発明の好ましい実施態様において、ポリエーテルカーボネートポリオールは、多金属シアン化物触媒(DMC触媒)を使用した、H官能性開始物質への二酸化炭素およびアルキレンオキシドの付着によって得ることができる。DMC触媒を使用した、H官能性開始剤へのアルキレンオキシドおよびCO
2の付着による、ポリエーテルカーボネートポリオールの製造は、例えば、EP−A 0222453号、WO−A 2008/013731号、およびEP−A 2115032号から既知である。
【0036】
DMC触媒は、原理上、エポキシドの単独重合に関する先行技術から既知である(例えば、US−A 3 404 109号、US−A 3 829 505号、US−A 3 941 849号、およびUS−A 5 158 922号を参照のこと)。例えば、US−A 5 470 813号、EP−A 700 949号、EP−A 743 093号、EP−A 761 708号、WO−A97/40086号、WO−A98/16310号、およびWO−A00/47649号において記載されているDMC触媒は、エポキシドの単独重合において非常に高い活性を示し、非常に低い触媒濃度(25ppm以下)でのポリエーテルポリオールおよび/またはポリエーテルカーボネートポリオールの製造を可能にする。典型的な例は、EP−A 700 949号に記載されている高度に活性なDMC触媒であり、これは、二重金属シアン化物化合物(例えば、亜鉛ヘキサシアノコバルテート(III))および有機錯体リガンド(例えば、tert.−ブタノール)に加えて、500g/mol超の数平均分子量M
nを有するポリエーテルを含有する。
【0037】
DMC触媒は、通常、各場合において、ポリエーテルカーボネートポリオールの重量に対して、≦1重量%の量、好ましくは≦0.5重量%の量、特に好ましくは≦500ppmの量、および特に≦300ppmの量で使用される。
【0038】
成分B)は、≧20mg KOH/g〜≦250mg KOH/g、好ましくは≧20〜≦112mg KOH/g、および特に好ましくは≧20mg KOH/g〜≦80mg KOH/gのDIN 53240に従ったヒドロキシル価、1級および2級OH基の合計価に対して≧20〜≦80mol%、好ましくは≧30〜≦60mol%の1級OH基の分率、およびプロピレンオキシドおよびエチレンオキシドの合計量に対して≧5〜≦30重量%、好ましくは≧10〜≦20重量%のエチレンオキシドの分率を有するポリエーテルポリオールを含んでなり、かつ、カーボネート単位を含まない。B)に従う化合物の製造は、1つ以上のH官能性開始化合物へのエチレンオキシドおよびプロピレンオキシドおよび場合により1つ以上のさらなるアルキレンオキシドの触媒添加によって行ってもよい。
【0039】
さらなるアルキレンオキシド(エポキシド)として、2〜24個の炭素原子を有するアルキレンオキシドを使用してもよい。2〜24個の炭素原子を有するアルキレンオキシドの例は、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、1−ブテンオキシド、2,3−ブテンオキシド、2−メチル−1,2−プロペンオキシド(イソブテンオキシド)、1−ペンテンオキシド、2,3−ペンテンオキシド、2−メチル−1,2−ブテンオキシド、3−メチル−1,2−ブテンオキシド、1−ヘキセンオキシド、2,3−ヘキセンオキシド、3,4−ヘキセンオキシド、2−メチル−1,2−ペンテンオキシド、4−メチル−1,2−ペンテンオキシド、2−エチル−1,2−ブテンオキシド、1−ヘプテンオキシド、1−オクテンオキシド、1−ノネンオキシド、1−デセンオキシド、1−ウンデセンオキシド、1−ドデセンオキシド、4−メチル−1,2−ペンテンオキシド、ブタジエンモノオキシド、イソプレンモノオキシド、シクロペンテンオキシド、シクロヘキセンオキシド、シクロヘプテンオキシド、シクロオクテンオキシド、スチレンオキシド、メチルスチレンオキシド、ピネンオキシド、モノ−、ジ−、およびトリグリセリドとしての単一もしくは複数エポキシ化脂肪、エポキシ化脂肪酸、エポキシ化脂肪酸のC
1−C
24エステル、エピクロルヒドリン、グリシドール、ならびにグリシドールの誘導体、例えば、メチルグリシジルエーテル、エチルグリシジルエーテル、2−エチルヘキシルグリシジルエーテル、アリルグリシジルエーテル、グリシジルメタクリレート、同様にエポキシ官能性アルコキシシラン、例えば、3−グリシジルオキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシジルオキシプロピルトリエトキシシラン、3−グリシジルオキシプロピルトリプロポキシシラン、3−グリシジルオキシプロピル−メチル−ジメトキシシラン、3−グリシジルオキシプロピルエチルジエトキシシラン、3−グリシジルオキシプロピルトリイソプロポキシシラン(3-Glycidyloxypropyltrlisopropoxysilan)を含んでなる群から選択される1つ以上の化合物である。さらなるアルキレンオキシドとしては、1,2−ブチレンオキシドを使用することが好ましい。
【0040】
アルキレンオキシドは、個々に、混合物において、または連続して、反応混合物に供給してもよい。それらは、統計的またはブロックコポリマーであってもよい。アルキレンオキシドが連続して投与される場合、生成される生成物(ポリエーテルポリオール)は、ブロック構造のポリエーテル鎖を含有する。
【0041】
H官能性開始化合物は、≧2〜≦6の官能性を有し、好ましくはヒドロキシ官能性(OH官能性)である。ヒドロキシ官能性開始化合物の例は、プロピレングリコール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、ヘキサンジオール、ペンタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,12−ドデカンジオール、グリセリン、トリメチロールプロパン、トリエタノールアミン、ペンタエリスライト、ソルビトール、スクロース、ハイドロキノン、カテコール、レゾルシノール、ビスフェノールF、ビスフェノールA、1,3,5−トリヒドロキシベンゼン、ホルムアルデヒドおよびフェノールまたはメラミンまたは尿素のメチロール基含有縮合物である。開始化合物として、1,2−プロピレングリコールおよび/またはグリセリンおよび/またはトリメチロールプロパンおよび/またはソルビトールを使用することが好ましい。
【0042】
成分Cは、ポリマーポリオール、PUD−ポリオールおよびPIPA−ポリオールを含む。ポリマーポリオールは、塩基性ポリオール中の、スチレンまたはアクリロニトリル等の好適なモノマーのラジカル重合によって製造される固体ポリマーの部分を含有するポリオールである。PUD(ポリ尿素分散)ポリオールは、例えば、イソシアネートまたはイソシアネート混合物の、ポリオール、好ましくはポリエーテルポリオール中の、ジアミンおよび/またはヒドラジンとのその場での重合によって製造される。PUD分散は、好ましくは、75〜85重量%の2,4−トルエンジイソシアネート(2,4−TDI)および15〜25重量%の2,6−トルエンジイソシアネート(2,6−TDI)の混合物から適用されたイソシアネート混合物の、ポリエーテルポリオール、好ましくは、三官能性開始剤(例えば、グリセリンおよび/またはトリメチロールプロパン等)のアルコキシル化から製造されたポリエーテルポリオール中のジアミンおよび/またはヒドラジンとの変換によって製造される。活性(Verfahren)PUD分散を製造する方法は、例えばUS 4,089,835号およびUS 4,260,530号に記載されている。PIPAポリオールは、ポリイソシアネート重付加によるアルカノールアミン修飾ポリエーテルポリオールであり、当該ポリエーテルポリオールは、2.5〜4の官能性および≧3mg KOH/g〜≦112mg KOH/gのヒドロキシル価(分子量500〜18000)を有する。PIPAポリオールは、GB 2 072 204 A号、DE 31 03 757 A1号およびUS 4 374 209 A号に詳細に記載されている。
【0043】
好適なイソシアネート成分には、容易に技術的に入手可能なポリイソシアネート、例えば、2,4−および2,6−トルエンジイソシアネート、同様にこれらの異性体の任意の混合物(「TDI」);アニリン−ホルムアルデヒド縮合およびその後のホスゲン化によって製造されるポリフェニルポリメチレンポリイソシアネート(「粗MDI」)、ならびにカルボジイミド基、ウレタン基、アロファネート基、イソシアヌレート基、尿素基、またはビウレット基を有するポリイソシアネート(「修飾されたポリイソシアネート」)、具体的には、2,4−および/もしくは2,6−トルエンジイソシアネート、ならびに4,4’−および/もしくは2,4’−ジフェニルメタンジイソシアネートに由来するそれらの修飾されたポリイソシアネートが含まれる。使用するポリイソシアネートは好ましくは、2,4−および2,6−トルエンジイソシアネート、4,4’−および2,4’−および2,2’−ジフェニルメタンジイソシアネートならびにポリフェニルポリメチレンポリイソシアネート(「多心MDI」)を含んでなる群から選択される少なくとも1つの化合物である。
【0044】
また、当然のことながら、安定剤、触媒など等の標準的な添加剤を軟質ポリウレタンフォームの製造において引き続き使用することができる。
【0045】
本発明のさらなる態様および実施態様を、下記で説明する。反対のことが文脈から明確に指示されていない限り、それらを必要に応じて互いと組み合わせることができる。
【0046】
本発明の方法の一実施態様において、イソシアネートに対する反応性の成分において、存在するポリオールにおける二酸化炭素に起因する単位の総分率は、存在するポリオールの総重量に対して、≧2.0重量%〜≦30.0重量%である。この割合は、好ましくは≧5.0重量%〜≦25.0重量%、特に好ましくは≧8.0重量%〜≦20.0重量%となる。
【0047】
軟質ポリウレタンフォームを製造するために、反応成分は、例えば、EP−A 355 000号に記載された、しばしば使用される機械的装置で、それ自体が既知である1段階方法によって変換する。本発明により問題ともなる処理施設の詳細は、Kunststoff-Handbuch, Band VII [Plastics Manual, Vol. VII]、ViewegおよびHoechtlen編、Carl-Hanser-Verlag、Muenchen 1993、例えば、139〜265ページに記載されている。
【0048】
軟質ポリウレタンフォームは、成形フォーム、例えば、熱成形フォームとして製造することができる。したがって、本発明の主題は、軟質ポリウレタンフォームを製造するための方法、この方法によって製造される軟質ポリウレタンフォーム、この方法によって製造される軟質熱成形ポリウレタンフォーム、成形部品の製造のための軟質ポリウレタンフォームおよび成形部品自体である。以下のものが、本発明により得ることができる軟質ポリウレタンフォームの例である:自動車部品、例えば、ルーフライニング、ドアトリムパネル、シートクッションおよび構造的構成要素における使用のための、家具クッション材、織物インサート、マットレス、自動車シート、ヘッドレスト、アームレスト、スポンジ、フォームシート。軟質ポリウレタンフォームとしては自動車シートとしての用途が好ましい。
【0049】
熱成形方法による成形フォームの製造の過程で、金型を第一に個別の薬剤で準備し、場合により複合フロックフォームまたはワイヤー等の挿入物を導入する。次いで、反応質量を金型に投入する。高圧または減圧機械で投与および混合を行うことができる。原料は、通常、15℃〜50℃、好ましくは18および30℃の間、特に好ましくは20℃および24℃の間の範囲内で処理する。金型の温度は、通常、20℃および60℃の間、好ましくは25℃および50℃の間、特に好ましくは30℃および40℃の間である。充填した金型を排気ドリル穴がついたカバーで閉じ、焼き戻し炉に移す。排気ドリル穴は多数必要であり、フォームを逃がすことを可能にする。従って、作業はほぼ圧力無しで行うことができ、金型カバーはゆるく寸法を採っただけものである。フォームは炉内で焼き戻しされる。炉により、金型は60℃〜250℃、好ましくは100〜140℃の内部壁温度に加熱される。例えば、10〜15分の最終反応時間後、金型を開き、成形フォームを取り除くことができる。金型を再び冷まし、方法を再開することができる。通常、熱成形フォームの工業的製造は、循環して行われる。
【0050】
本発明の方法の別の実施態様において、軟質ポリウレタンフォームは、≧0.8kPa〜≦12.0kPa、好ましくは≧2.0kPa〜≦8.0kPaのDIN EN ISO 1798に従った圧縮硬度(40%圧縮)を有する。
【0051】
本発明による方法のさらなる実施態様において、指数は≧85〜≦125である。好ましくは、指数は≧90〜≦120の範囲内である。指数は、実際に使用されたイソシアネートの量の、化学量論量、即ち、OH当量の変換のために計算されたイソシアネート基(NCO)の量に対するパーセンテージ比を示す。
指数=[使用されたイソシアネートの量):(計算されたイソシアネートの量)・100 (VI)
【0052】
本発明による方法のさらなる実施態様において、イソシアネート反応性成分とのイソシアネート成分の反応は、1つ以上の触媒の存在下で行われる。使用される触媒は、脂肪族第3級アミン(例えば、トリメチルアミン、トリエチルアミン、テトラメチルブタンジアミン)、脂環式第3級アミン(例えば、1,4−ジアザ(2,2,2)ビシクロオクタン)、脂肪族アミノエーテル(例えば、ジメチルアミノエチルエーテルおよびN,N,N−トリメチル−N−ヒドロキシエチルビスアミノエチルエーテル)、脂環式アミノエーテル(例えば、N−エチルモルホリン)、脂肪族アミジン、脂環式アミジン、尿素、尿素誘導体(例えば、アミノアルキル尿素;例えば、EP−A 0 176 013号を参照のこと、特に(3−ジメチルアミノプロピルアミン)−尿素)、ならびにスズ触媒(例えば、ジブチルスズオキシド、ジブチルスズジラウレート、スズ(II)−エチルヘキサノエート、スズリシノレエート)であってもよい。
【0053】
本発明による方法のさらなる実施態様において、反応は、推進剤としての水の存在下で行われる。他の物理的または化学的推進剤、例えば、液体二酸化炭素またはジクロロメタンを存在させてもよい。
【0054】
本発明による方法のさらなる実施態様において、イソシアネート成分は、2,4−、2,6−トルエンジイソシアネート(TDI)、4,4’−、2,4’−、2,2’−ジフェニルメタンジイソシアネートおよびポリフェニルポリメチレンポリイソシアネート(「多心MDI」)の群から選択される少なくとも1つの化合物を含んでなる。80重量%の2,4−および20重量%の2,6−TDIからの異性体のトルエンジイソシアネート混合物が好ましい。
【0055】
本発明による方法のさらなる実施態様において、A)によるポリエーテルカーボネートポリオール(複数を含む)は、≧20mg KOH/g〜≦250mg KOH/gのヒドロキシル価を有し、かつ、ヒドロキシ官能性開始分子、例えば、トリメチロールプロパンおよび/またはグリセリンおよび/またはプロピレングリコールおよび/またはソルビトールの存在下での、≧2.0重量%〜≦30.0重量%の二酸化炭素、および≧70重量%〜≦98重量%のプロピレンオキシドの共重合によって得ることができる。ヒドロキシル価は、DIN 53240によって判定することができる。
【0056】
本発明による方法のさらなる実施態様において、B)によるポリオール(複数を含む)は、≧20mg KOH/g〜≦80mg KOH/gのヒドロキシル価および1級および2級OH基の合計価に対して≧20〜≦80mol%の1級OH基含有量を有し、かつ、ヒドロキシ官能性開始分子、例えば、トリメチロールプロパンおよび/またはグリセリンおよび/またはプロピレングリコールおよび/またはソルビトールの存在下での、≧5重量%〜≦30重量%のエチレンオキシド、および≧70重量%〜≦95重量%のプロピレンオキシドの共重合によって得ることができる。ヒドロキシル価は、DIN 53240によって判定することができる。
【0057】
さらなる実施態様において、本発明は、上の実施態様のうちの1つによる方法に関し、ポリエーテルカーボネートポリオール(複数を含む)A)は、2:1〜1:20のe/fの比を有する式(VIII)のブロックを有する。
【化3】
【0058】
さらに、本発明は、本発明の方法によって得ることができる軟質ポリウレタンフォームに関する。DIN EN ISO 3386−1−98に従うそのバルク密度は、≧10kg/m
3〜≦150kg/m
3の範囲内、好ましくは≧15kg/m
3〜≦60kg/m
3の範囲内であってもよい。
以上に説明してきたように、本発明は、以下の発明を包含する。
(1)イソシアネートに対する反応性の成分とイソシアネート成分との反応によって、軟質ポリウレタンフォームを製造するための方法であって、該イソシアネートに対する反応性の成分が、以下の構成成分:
A)≧1〜≦6の平均官能性を有する、1つ以上のH官能性開始分子の存在下で、
≧2重量%〜≦30重量%の二酸化炭素、および≧70重量%〜≦98重量%の1つ以上のアルキレンオキシドの共重合によって得ることができる、
≧20mg KOH/g〜≦250mg KOH/gのDIN 53240に従ったヒドロキシル価を有する、≧10〜≦90重量%のポリエーテルカーボネートポリオール、
B)≧20mg KOH/g〜≦250mg KOH/gのDIN 53240に従ったヒドロキシル価、1級および2級OH基の合計価に対して≧20〜≦80mol%の1級OH基の分率ならびにプロピレンオキシドおよびエチレンオキシドの合計量に対して5〜30重量%のエチレンオキシドの分率を有する、≦90〜≧10重量%のポリエーテルポリオールであって、
カーボネート単位を含まず、かつ、
≧2〜≦6の官能性を有する1つ以上のH官能性開始分子へのエチレンオキシドおよびプロピレンオキシドおよび場合により1つ以上のさらなるアルキレンオキシドの触媒添加により得ることができる、ポリエーテルポリオール、
C)≧0〜≦45重量%の1つ以上のポリマーポリオール、PHDポリオールおよび/またはPIPAポリオール
を含んでなり、A)、B)およびC)からの合計量が100重量%となる、方法。
(2)成分A)中のアルキレンオキシド(複数可)が、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、および1,2−ブチレンオキシドを含んでなる群から選択される、前記(1)に記載の方法。
(3)前記ポリエーテルカーボネートポリオールが、≧20mg KOH/g〜≦150mg KOH/gのヒドロキシル価を有する、前記(1)または(2)に記載の方法。
(4)成分B中のポリエーテルポリオールが、1級および2級OH基の合計価に対して≧30〜≦60mol%の1級OH基の分率を有する、前記(1)〜(3)のいずれかに記載の方法。
(5)成分B中のポリエーテルポリオールが、プロピレンオキシドおよびエチレンオキシドの合計量に対して10〜20重量%のエチレンオキシドの分率を有する、前記(1)〜(4)のいずれかに記載の方法。
(6)成分B中のポリエーテルポリオールが、エチレンオキシドおよびプロピレンオキシド以外の他のアルキレンオキシドを含有していない、前記(1)〜(5)のいずれかに記載の方法。
(7)成分B中のポリエーテルポリオールが、≧20mg KOH/g〜≦112mg KOH/gのヒドロキシル価を有する、前記(1)〜(6)のいずれかに記載の方法。
(8)前記イソシアネートに対する反応性の成分中に、≧20〜≦80重量%のA)および≦80〜≧20重量%のB)が含有されている、前記(1)〜(7)のいずれかに記載の方法。
(9)前記イソシアネートに対する反応性の成分中に、≧30〜≦70のA)および≦70〜≧30重量%のB)が含有されている、前記(1)〜(8)のいずれかに記載の方法。
(10)前記イソシアネートに対する反応性の成分中に、≧5〜≦35重量%のC)が含有されている、前記(1)〜(9)のいずれかに記載の方法。
(11)前記イソシアネート成分が、2,4−、2,6−トルエンジイソシアネート(TDI)、4,4’−、2,4’−、2,2’−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、および/またはポリフェニルポリメチレンポリイソシアネート(「多心MDI」)を含んでなる、前記(1)〜(10)のいずれかに記載の方法。
(12)前記ポリエーテルカーボネートポリオール(A)が、2:1〜1:20のe/f比を有する式(VIII):
【化1】
のブロックを有する、前記(1)〜(11)のいずれかに記載の方法。
(13)前記(1)〜(12)のいずれかに記載の方法によって得ることができる、軟質ポリウレタンフォーム。
(14)熱成形フォームである、前記(13)に記載の軟質ポリウレタンフォーム。
(15)自動車部品、例えば、ルーフライニング、ドアトリムパネル、シートクッションおよび構造的構成要素における使用のための、家具クッション材、織物インサート、マットレス、自動車シート、ヘッドレスト、アームレスト、スポンジ、フォームシートの製造のための、好ましくは自動車シートの製造のための、前記(13)または(14)に記載の軟質ポリウレタンフォームの使用。
【実施例】
【0059】
本発明は、以下の実施例を用いてさらに説明されるが、これらに限定されるものではない。実施例においては以下の意味をもつ用語が用いられる:
ポリオールA:触媒としてのKOHの存在下で、開始剤としてグリセリンを使用したプロピレンオキシドとエチレンオキシドとの添加により製造された、OH価56mg KOH/gを有するポリエーテルポリオール。該ポリエーテルポリオールは、エチレンオキシド末端ブロック、1級OH基45mol%を有し、プロピレンオキシド83%およびエチレンオキシド13%を含有している。
ポリオールB:触媒としてのKOHの存在下で、開始剤としてグリセリンを使用したプロピレンオキシドの添加により製造された、OH価56mg KOH/gを有するポリエーテルポリオール。
ポリオールC:80重量%のプロピレンオキシドとの20重量%の二酸化炭素の共重合によって得た、ヒドロキシル価57mg KOH/gを有するグリセリンに基づく三官能性ポリエーテルカーボネートポリオール。
ポリオールD:Arcol(商標)ポリオールHS 100(Bayer MaterialScienceのポリマーポリオール)は、スチレンアクリロニトリル(SAN)ポリマーとは不活性なポリエーテルポリオールであり、約45重量%の固体含有量および約28mg KOH/gのOH価を有する。
B4900:Tegostab(商標) B4900は、Evonikが製造した熱成形フォーム用のシリコン安定剤である。
Niax A1:Niax(商標)触媒 A−1は、Momentiveが製造したアミン触媒である。
SO:Dabco(商標) T−9(スズ−II−オクタノエート)は、Air Productsからの触媒である。
T80:Desmodur T80は、Bayer MaterialScience AGの商品であり、2,4−および2,6−ジイソシアネートトルエンからなる。
【0060】
バルク密度は、DIN EN ISO 845によって判定した。
【0061】
圧縮硬度は、DIN EN ISO 3386−1によって判定した(40%の変形および第4のサイクルにて)。
【0062】
引張強度および破断時伸長は、DIN EN ISO 1798によって判定した。
【0063】
圧縮永久ひずみは、DIN EN ISO 1856によって判定した。
【0064】
ヒドロキシル価は、DIN 53240によって判定した。
【0065】
1級OH基の割合の判定:
1H−NMR(Bruker DPX 400、重水素化クロロホルム)により:
1級OH基の含有量を判定するために、ポリオール試料を第一に過アセチル化(peracetyliert)した。
【0066】
以下の過アセチル化混合物を調製した:
無水酢酸p.A 9.4 g
酢酸p.A1.6 g
ピリジンp.A.100 ml。
【0067】
過アセチル化反応のために、ポリオール(ポリエーテルカーボネートポリオールまたはポリエーテルポリオール)10gをの300mlのすりガラス栓付き三角フラスコに計量添加した。過アセチル化混合物の用量は、過アセチル化するポリオールのOH価で決定し、この際ポリオールのOH価(各場合において、ポリオール10gに対して)を最も近い十の位に切り上げた;次いで、10mlの過アセチル化混合物を10mg KOH/gにつき添加した。例えば、50mlの過アセチル化混合物を、OH価=45.1mg KOH/gを有する10gのポリオール試料に適宜添加した。
【0068】
ガラス沸騰粒子を添加した後、すりガラス三角フラスコにライザー管(空気冷却)を供給し、試料を弱い還流下で75分間沸騰させた。次いで、試料混合物を500mlの丸底フラスコへ移し、かつ80℃および10mbar(絶対)にて30分の期間、揮発性構成成分(本質的に、ピリジン、酢酸および過剰無水酢酸)を留去した。次いで、蒸留残渣を、100mlのシクロヘキサン(蒸留残渣がシクロヘキサン中で不溶性であった場合に、代替的にトルエンを使用した)と3回混合し、かつ各場合において揮発性構成成分を80℃および400mbar(絶対)にて15分間除去した。次いで、試料の揮発性構成成分を100℃および10mbar(絶対)にて1時間除去した。
【0069】
ポリオール中の1級および2級OH末端基のモル分率を判定するために、このようにして調製した試料を、重水素化クロロホルム中に溶解し、
1H NMR(Bruker、DPX 400、400MHz;zg30パルスプログラム、遅延時間d1:10s、64スキャン)によって検査した。
1H NMRにおける関連共鳴(TMS=0ppmに対する)は、以下のとおりである。:
過アセチル化2級OH末端基のメチル信号:2.04ppm
過アセチル化1級OH末端基のメチル信号:2.07ppm
【0070】
次いで、1級および2級OH末端基のモル分率が以下の通り示された。:
2級OH末端基の分率(CH−OH)=F(2.04)/(F(2.04)+F(2.07))*100% (X)
1級OH末端基の分率(CH2−OH)=F(2.07)/(F(2.04)+F(2.07))*100% (XI)
式(X)および(XI)において、Fは、それぞれ2.04ppmおよび2.07ppmでの共鳴の表面を意味する。
【0071】
ポリウレタン軟質成形フォームの製造
1段階方法での熱成形フォーム方法によるポリウレタン軟質成形フォーム材料を製造するための通常の処理方法において、以下の表の例に列挙された投入材料は互いに反応した。反応混合物を40℃に加熱した金属製の金型に投入し、最初に別の薬剤(Gorapur LH724-3)コーティングし、多数の通気ドリル穴がついた蓋で覆い、次いで15分間140℃で乾燥用戸棚に入れた。使用した原材料の量は、金型が均等に充填されるように選択した。
【0072】
【表1】
【0073】
ポリエーテルカーボネートポリオールおよびEOを含有しているポリエーテルポリオールを含有している本発明による実施例2および3は、ポリエーテルカーボネートポリオールを含有していない比較例1と同等のバルク密度を有し、より良好な引張強度および破断時伸長を有する。POを含有している純粋ポリエーテルと組み合わせたポリエーテルカーボネートポリオールを含有している比較例4および5とは反対に、本発明による実施例2および3は、同等のバルク密度で引張強度および圧縮永久ひずみに関して大幅に良好な値を示す。
【0074】
触媒および安定剤の量は、明らかな欠陥(例えば、深刻な沈降、割れ)が無い同等のフォームを得るために調節した。従って、比較例1からの触媒および安定剤の量と実施例2からのポリオール組成物により、フォームに垂直の割れが貫く結果となった。この実験は実施例7に記載されている。割れが原因で一切の機械的特徴を判定することが不可能であった。