(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6804471
(24)【登録日】2020年12月4日
(45)【発行日】2020年12月23日
(54)【発明の名称】サービス伝送に用いられる方法及び伝送装置
(51)【国際特許分類】
H04W 48/16 20090101AFI20201214BHJP
H04W 48/18 20090101ALI20201214BHJP
H04W 88/06 20090101ALI20201214BHJP
H04W 28/14 20090101ALI20201214BHJP
【FI】
H04W48/16 132
H04W48/18
H04W88/06
H04W28/14
【請求項の数】13
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2017-560905(P2017-560905)
(86)(22)【出願日】2016年5月17日
(65)【公表番号】特表2018-524854(P2018-524854A)
(43)【公表日】2018年8月30日
(86)【国際出願番号】CN2016082381
(87)【国際公開番号】WO2017008572
(87)【国際公開日】20170119
【審査請求日】2019年3月22日
(31)【優先権主張番号】201510411259.X
(32)【優先日】2015年7月14日
(33)【優先権主張国】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】516227559
【氏名又は名称】オッポ広東移動通信有限公司
【氏名又は名称原語表記】GUANGDONG OPPO MOBILE TELECOMMUNICATIONS CORP., LTD.
(74)【代理人】
【識別番号】100091982
【弁理士】
【氏名又は名称】永井 浩之
(74)【代理人】
【識別番号】100091487
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 行孝
(74)【代理人】
【識別番号】100082991
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 泰和
(74)【代理人】
【識別番号】100105153
【弁理士】
【氏名又は名称】朝倉 悟
(74)【代理人】
【識別番号】100107582
【弁理士】
【氏名又は名称】関根 毅
(74)【代理人】
【識別番号】100096921
【弁理士】
【氏名又は名称】吉元 弘
(72)【発明者】
【氏名】トウ、ハイ
(72)【発明者】
【氏名】ツェン、ユエンチン
【審査官】
青木 健
(56)【参考文献】
【文献】
米国特許出願公開第2015/0043554(US,A1)
【文献】
米国特許出願公開第2014/0254498(US,A1)
【文献】
特表2012−503452(JP,A)
【文献】
国際公開第2009/119765(WO,A1)
【文献】
特表2016−527782(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04W 4/00 − 99/00
H04B 7/24 − 7/26
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
サービス伝送に用いられる方法であって、
伝送装置が複数の無線アクセス技術のうちの少なくとも1つの第1無線アクセス技術をアクティブ状態に確定するステップと、
前記伝送装置が前記少なくとも1つの第1無線アクセス技術を用いてサービス伝送を行うステップと、
を含み、
前記アクティブ状態は、前記少なくとも1つの第1無線アクセス技術が接続を確立しデータ伝送を行う状態であり、
前記複数の無線アクセス技術は少なくとも1つの第2無線アクセス技術を更に含み、前記方法は、
前記伝送装置が前記少なくとも1つの第2無線アクセス技術をスタンバイ状態に確定するステップを更に含み、
前記スタンバイ状態は、前記第2無線アクセス技術によって接続が確立され、データ伝送が発生していないことを指し、又は前記第2無線アクセス技術によって接続が確立されず、所定時間内に接続を確立することができることを指し、
前記少なくとも1つの第2無線アクセス技術は、前記サービスの送信データをプリフェッチ又はキャッシュすることを特徴とする
前記サービス伝送に用いられる方法。
【請求項2】
前記接続が確立されていることは、接続識別子ID及び接続コンテキストを有することを含むことを特徴とする
請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記少なくとも1つの第2無線アクセス技術は、前記少なくとも1つの第1無線アクセス技術の接続コンテキストを共有することを特徴とする
請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記サービスの送信データをプリフェッチ又はキャッシュすることは、
所定のデータ量閾値の送信データをプリフェッチ又はキャッシュすること、
又は、所定の時間の長さの送信データをプリフェッチ又はキャッシュすることを含み、
前記データ量閾値又は前記時間の長さは、前記伝送装置が前記サービスのサービス特性、端末の移動特性及びネットワーク条件に基づいて確定されることを特徴とする
請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記サービス伝送プロセスにおいて、前記少なくとも1つの第2無線アクセス技術のネットワーク状態を監視するステップと、
前記少なくとも1つの第2無線アクセス技術のうちの1つ又は複数のネットワーク状態がスタンバイ状態にあることができないことを検出した時、少なくとも1つの第3無線アクセス技術を選択して前記少なくとも1つの第2無線アクセス技術のうちの1つ又は複数の代わりにするステップとを更に含むことを特徴とする
請求項1乃至4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
前記サービス伝送プロセスにおいて、前記少なくとも1つの第1無線アクセス技術のネットワーク状態を監視するステップと、
前記少なくとも1つの第1無線アクセス技術のうちの1つ又は複数のネットワーク状態が前記サービス伝送を確保することができないことを検出した時、前記少なくとも1つの第2無線アクセス技術のうちの1つ又は複数をアクティブ状態に切り替え、前記少なくとも1つの第2無線アクセス技術のうちの1つ又は複数を用いてサービス伝送を行うステップとを更に含み、
前記少なくとも1つの第1無線アクセス技術のうちの1つ又は複数のネットワーク状態が前記サービス伝送を確保することができないことは、
前記少なくとも1つの第1無線アクセス技術のうちの1つ又は複数がカバレッジ又は故障によりサービス中断を引き起こすこと、
又は、
前記少なくとも1つの第1無線アクセス技術のうちの1つ又は複数の信号品質が所定の品質閾値より低いこと、
又は、
前記少なくとも1つの第1無線アクセス技術に無線リンク無効が発生すること、
又は、
前記少なくとも1つの第1無線アクセス技術に無線リンク無効が発生しており、且つ前記無線リンクへの回復が失敗したこと、
又は、前記伝送装置が、前記少なくとも1つの第1無線アクセス技術の無効を予測したことを含むことを特徴とする
請求項1乃至5のいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
前記少なくとも1つの第2無線アクセス技術のうちの1つ又は複数の状態の変化を前記伝送装置の相手側装置に通知するステップを更に含み、
前記伝送装置は端末であり、前記相手側装置はネットワーク装置であり、
又は、
前記伝送装置はネットワーク装置であり、前記相手側装置は端末であり、
又は、
前記伝送装置は端末であり、前記相手側装置は別の端末であることを特徴とする
請求項6に記載の方法。
【請求項8】
伝送装置であって、
複数の無線アクセス技術のうちの少なくとも1つの第1無線アクセス技術をアクティブ状態に確定するための確定ユニットと、
前記確定ユニットにより確定された前記少なくとも1つの第1無線アクセス技術を用いてサービス伝送を行うための伝送ユニットと、
を備え、
前記アクティブ状態は、前記少なくとも1つの第1無線アクセス技術が接続を確立しデータ伝送を行う状態であり、
前記複数の無線アクセス技術は少なくとも1つの第2無線アクセス技術を更に含み、前記確定ユニットは更に、
前記少なくとも1つの第2無線アクセス技術をスタンバイ状態に確定することに用いられ、
前記スタンバイ状態は、前記第2無線アクセス技術によって接続が確立され、データ伝送が発生していないことを指し、又は前記第2無線アクセス技術によって接続が確立されず、所定時間内に接続を確立することができることを指し、
前記確定ユニットは更に、前記少なくとも1つの第2無線アクセス技術が前記サービスの送信データをプリフェッチ又はキャッシュすることを確定するように構成されている、ことを特徴とする
前記伝送装置。
【請求項9】
前記接続が確立されていることは、接続識別子ID及び接続コンテキストを有することを含み、
前記少なくとも1つの第2無線アクセス技術は、前記少なくとも1つの第1無線アクセス技術の接続コンテキストを共有することを特徴とする
請求項8に記載の伝送装置。
【請求項10】
前記確定ユニットは具体的には、所定のデータ量閾値の送信データをプリフェッチ又はキャッシュし、又は所定の時間の長さの送信データをプリフェッチ又はキャッシュすることに用いられ、
前記データ量閾値又は前記時間の長さは、前記伝送装置が前記サービスのサービス特性、端末の移動特性及びネットワーク条件に基づいて確定されることを特徴とする
請求項8に記載の伝送装置。
【請求項11】
前記伝送ユニットは更に、
前記サービス伝送プロセスにおいて、前記少なくとも1つの第2無線アクセス技術のネットワーク状態を監視し、
前記少なくとも1つの第2無線アクセス技術のうちの1つ又は複数のネットワーク状態がスタンバイ状態にあることができないことを検出した時、少なくとも1つの第3無線アクセス技術を選択して前記少なくとも1つの第2無線アクセス技術のうちの1つ又は複数の代わりにすることに用いられることを特徴とする
請求項8乃至10のいずれか1項に記載の伝送装置。
【請求項12】
前記伝送ユニットは更に、
前記サービス伝送プロセスにおいて、前記少なくとも1つの第1無線アクセス技術のネットワーク状態を監視し、
前記少なくとも1つの第1無線アクセス技術のうちの1つ又は複数のネットワーク状態が前記サービス伝送を確保することができないことを検出した時、前記少なくとも1つの第2無線アクセス技術のうちの1つ又は複数をアクティブ状態に切り替え、前記少なくとも1つの第2無線アクセス技術のうちの1つ又は複数を用いて前記サービス伝送を行うことに用いられ、
前記少なくとも1つの第1無線アクセス技術のうちの1つ又は複数のネットワーク状態が前記サービス伝送を確保することができないことは、
前記少なくとも1つの第1無線アクセス技術のうちの1つ又は複数がカバレッジ又は故障によりサービス中断を引き起こすこと、
又は、
前記少なくとも1つの第1無線アクセス技術のうちの1つ又は複数の信号品質が所定の品質閾値より低いこと、
又は、
前記少なくとも1つの第1無線アクセス技術に無線リンク無効が発生すること、
又は、
前記少なくとも1つの第1無線アクセス技術に無線リンク無効が発生しており、且つ前記無線リンクへの回復が失敗したこと、
又は、
前記伝送装置が、前記少なくとも1つの第1無線アクセス技術の無効を予測したことを含むことを特徴とする
請求項8乃至11のいずれか1項に記載の伝送装置。
【請求項13】
前記少なくとも1つの第2無線アクセス技術のうちの1つ又は複数の状態の変化を前記伝送装置の相手側装置に通知するための送信ユニットを更に備え、
前記伝送装置は端末であり、前記相手側装置はネットワーク装置であり、
又は、
前記伝送装置はネットワーク装置であり、前記相手側装置は端末であり、
又は、
前記伝送装置は端末であり、前記相手側装置は別の端末であることを特徴とする
請求項12に記載の伝送装置。
【発明の詳細な説明】
【0001】
本発明は、2015年7月14日に提出した発明名称が「サービス伝送に用いられる方法及び伝送装置」であって出願番号が201510411259.Xである先願の優先権を求め、上記先願の内容は導入の方式で本明細書に合併される。
【技術分野】
【0002】
本発明の実施例は通信分野に関し、具体的には、サービス伝送に用いられる方法及び伝送装置に関する。
【背景技術】
【0003】
次世代移動通信システム(5Gと通称される)は、サービスの品質を更に向上させる。データレート等の従来の要件を向上させる以外に、サービスの連続性の保証及び様々な環境における様々なサービスの品質要件の満足は、ユーザを中心とするネットワーク(user−centric network)への発展のための重要な要件となる。次世代移動通信システムの提供可能なサービス要件が様々であるため、単一の無線技術は、合理的なコストで全ての要件を満たすことが困難である。様々な無線技術の有機的な組み合わせは、更なる実行可能な改善案である。
【0004】
従来の技術条件下で、異なる無線アクセス技術間での連携を欠く。ユーザが多くに手動により異なる無線アクセスネットワークを選択する必要がある傾向にある。例えば、手動でWIFIネットワークを選択するか又はWIFIスイッチをオンにする。特性及び利便性に大きな欠点がある。
【発明の概要】
【0005】
本発明の実施例は、サービス伝送に用いられる方法を提供する。該方法は、複数の無線アクセス技術のうちのアクティブ状態にある少なくとも1つの無線アクセス技術を用いてサービス伝送を行うことにより、複数の無線アクセス技術の性能及び利便性を向上させることができる。
【0006】
第1態様において、サービス伝送に用いられる方法を提供し、
伝送装置が複数の無線アクセス技術のうちの少なくとも1つの第1無線アクセス技術をアクティブ状態に確定するステップと、
前記伝送装置が前記少なくとも1つの第1無線アクセス技術を用いてサービス伝送を行うステップとを含む。
【0007】
第2態様において、伝送装置を提供し、
複数の無線アクセス技術のうちの少なくとも1つの第1無線アクセス技術をアクティブ状態に確定するための確定ユニットと、
前記確定ユニットにより確定された前記少なくとも1つの第1無線アクセス技術を用いてサービス伝送を行うための伝送ユニットとを備える。
【0008】
本発明の実施例において、複数の無線アクセス技術は、アクティブ状態にある少なくとも1つの第1無線アクセス技術、及びスタンバイ状態状態にある少なくとも1つの第2無線アクセス技術を含む。伝送装置はアクティブ状態にある少なくとも1つの第1無線アクセス技術を用いてサービス伝送を行うことができる。さらに、状況に応じて、無線アクセス技術の状態を切り替えることができる。それにより、サービスの連続性を保証し、更にサービス伝送の効率を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明の1つの実施例によるサービス伝送に用いられる方法のフローチャートである。
【
図2】本発明の1つの実施例による伝送装置の構成を示すブロック図である。
【
図3】本発明の別の実施例による伝送装置の構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の実施例の技術的解決手段をより明確に説明するため、以下に実施例又は従来技術の記述に必要な図面を簡単に説明する。当然ながら、以下に記載する図面は、単に本発明の幾つかの実施例であって、当業者であれば、創造的な労力を要することなく、これらの図面に基づいて他の図面に想到しうる。
【0011】
以下において、本発明の実施例の図面と共に本発明の実施例の技術的解決手段を、明瞭かつ完全に説明する。当然ながら、説明される実施例は本発明の一部の実施例であり、全ての実施例ではない。本発明の実施例に基づいて、当業者が創造的な労力を要さずに想到しうる全ての他の実施例は、いずれも本発明の保護範囲に属する。
【0012】
本発明の実施例における無線アクセス技術は、無線技術と呼ばれてもよく、4Gと通称されるロングタームエボリューション(Long Term Evolution:LTE)、無線ローカルエリアネットワーク(Wireless LAN:WLAN)、次世代の5G等を含むが、これらに限定されない。
【0013】
本発明の実施例における端末は、移動端末であってもよく、セルラーホン、パーソナルデジタルアシスタント(Personal Digital Assistant:PDA)、次世代の5Gネットワークにおける端末装置等を含むが、これらに限定されない。
【0014】
本発明の実施例におけるネットワーク装置は、複数の基地局を一括して管理して制御するための基地局コントローラ又は基地局サーバであってもよいし、複数の基地局と相互通信するためのモビリティ管理エンティティ(Mobility Management Entity:MME)等であってもよく、本発明はこれを限定しない。
【0015】
本発明の実施例における端末及びネットワーク装置は、いずれも複数の無線アクセス技術をサポートする。また、複数の無線アクセス技術は、同じソフトウェアハードウェアリソースを単独使用又は共有することができる。このソフトウェアハードウェアリソースは、アンテナ、無線周波数モジュール、ベースバンドモジュール、プロセッサ、記憶システム、ユーザインタフェース等を含んでもよい。同じソフトウェアハードウェアリソースを共有する時、複数の無線アクセス技術は、同じソフトウェアハードウェアリソースを単独使用するか又は同時に使用することができる。
【0016】
図1は本発明の1つの実施例によるサービス伝送に用いられる方法のフローチャートである。
図1に示される方法は、下記のようなステップを含む。
【0017】
ステップS101において、伝送装置が複数の無線アクセス技術のうちの少なくとも1つの第1無線アクセス技術をアクティブ状態に確定する。
【0018】
本発明の実施例において、伝送装置は端末であってもよいし、ネットワーク装置であってもよい。
【0019】
S101の前に、伝送装置が前記複数の無線アクセス技術を選択するステップを含んでもよいことを理解することができる。例えば、伝送装置において、伝送すべきのサービスがある時、伝送装置は前記サービスのために前記複数の無線アクセス技術を選択する。また、該複数の無線アクセス技術はいずれも該サービスをサポートする。
【0020】
伝送装置は、複数の無線アクセス技術のうちの少なくとも1つの第1無線アクセス技術をアクティブ(active)状態に確定し、複数の無線アクセス技術のうちの少なくとも1つの第2無線アクセス技術をスタンバイ(standby)状態に確定することができる。
【0021】
具体的には、伝送装置は、複数の無線アクセス技術から、サービス伝送に最適な少なくとも1つの第1無線アクセス技術、例えば第1無線アクセス技術A1−A5を選択し、該少なくとも1つの第1無線アクセス技術をアクティブ状態に設定することができる。
【0022】
ここで、アクティブ状態は、無線アクセス技術によって接続が確立されており、データ伝送を行うことができることを指す。ここで、スタンバイ状態は、無線アクセス技術によって接続が確立されているが、データ伝送を行うことができないことを指し、又は無線アクセス技術によって接続が確立されていないが、所定の時間内に接続を確立することができることを指す。換言すれば、スタンバイ状態にある無線アクセス技術によって接続が確立されていないが、接続を迅速に確立して、データ伝送を行うことができる。従って、サービスの体験に影響を与えない。
【0023】
少なくとも1つの第2無線アクセス技術によって接続が確立されているが、データ伝送を行わなくてもよいし、少なくとも1つの第2無線アクセス技術によって接続が確立されていなくてもよいし、少なくとも1つの第2無線アクセス技術における一部の第2無線アクセス技術によって接続が確立されているが、データ伝送を行わず、他の第二無線アクセス技術によって接続が確立されていなくてもよいことを理解することができる。本発明はこれを限定しない。
【0024】
ここで、接続が確立されていることは、接続識別子(ID)及び接続コンテキスト(context)を有することを含んでもよい。例えば、端末とネットワーク装置との間の伝送について、ネットワーク接続が確立されていてもよい。端末と端末との間の直接通信(直接通信又はデバイス間(Device to Device:D2D)通信と呼ばれてもよい)について、直接接続が確立されていてもよい。また、スタンバイ状態にある第2無線アクセス技術において接続が確立されている場合、スタンバイ状態にある該第2無線アクセス技術は、アクティブ状態にある第1無線アクセス技術の接続コンテキストを共有することができる。
【0025】
例えば、共有される接続コンテキストは、パケット伝送及びキューイングの状況等であってもよい。
【0026】
S102において、伝送装置が前記少なくとも1つの第1無線アクセス技術を用いてサービス伝送を行う。
【0027】
換言すれば、伝送装置は、アクティブ状態にある無線アクセス技術を用いてサービス伝送を行う。ここで、前記少なくとも1つの第1無線アクセス技術は、アグリゲーションモード及び/又はダイバーシチモードを用いてサービス伝送を行うことができる。従って、サービス伝送の効率及び成功率を確保し、伝送の信頼性を向上させることができる。
【0028】
本発明の実施例において、無線アクセス技術の状態をアクティブ状態とスタンバイ状態との間で切り替えることができる。
【0029】
任意選択的に、1つの実施例として、S102の実行プロセスにおいて、伝送装置は、使用する少なくとも1つの第1無線アクセス技術のネットワーク状態を検出することができる。
【0030】
例を挙げて言えば、S102のプロセスにおいて、少なくとも1つの第2無線アクセス技術のうちの1つ又は複数のネットワーク状態がサービス伝送に更に適合する場合(例えば、ネットワーク状態がより好ましくなる)、該少なくとも1つの第2無線アクセス技術のうちの1つ又は複数をアクティブ状態に切り替えることができる。
【0031】
例を挙げて言えば、S102のプロセスにおいて、少なくとも1つの第1無線アクセス技術のうちの1つ又は複数のネットワーク状態がサービス伝送を確保することができない場合(例えば、ネットワーク状態が悪くなる)、少なくとも1つの第2無線アクセス技術のうちの1つ又は複数をアクティブ状態に切り替えることができる。
【0032】
例えば、前記少なくとも1つの第1無線アクセス技術のうちの1つ又は複数がカバレッジ又は故障によりサービス中断を引き起こすか、前記少なくとも1つの第1無線アクセス技術のうちの1つ又は複数の信号品質が所定の品質閾値より低いか、前記少なくとも1つの第1無線アクセス技術に無線リンク無効(Radio Link Failure:RLF)が発生するか、前記少なくとも1つの第1無線アクセス技術に無線リンク無効が発生しており、前記無線リンクへの回復(Radio Link Recovery)が失敗するか、又は前記伝送装置は前記少なくとも1つの第1無線アクセス技術の無効を予測した。
【0033】
このように、本発明の実施例において、アクティブ状態にある一部の無線アクセス技術がサービス伝送を確保することができない時、スタンバイ状態にある1つ又は複数をアクティブ状態に切り替えてデータ伝送を開始する。このように、サービスの連続性を確保し、サービス伝送の特性を向上させることができる。
【0034】
任意選択的に、S102のプロセスにおいて、前記少なくとも1つの第2無線アクセス技術は前記サービスの送信データをプリフェッチ(prefetch)又はキャッシュ(cache)することができる。例えば、所定のデータ量閾値の送信データをプリフェッチ又はキャッシュすることができるか、所定の時間の長さの送信データをプリフェッチ又はキャッシュすることができる。換言すれば、一定の時間の長さ又はデータ量の送信データをプリフェッチ又はキャッシュすることができる。
【0035】
ここで、データ量閾値又は時間の長さは、伝送装置が前記サービスのサービス特性、端末の移動特性及びネットワーク条件等の要因により決定されるものであってもよい。換言すれば、プリフェッチ又はキャッシュされる送信データの時間の長さ又はデータ量は、サービス特性、端末の移動性及びネットワーク条件などの要素により決定されるものであってもよい。
【0036】
ここで、サービス特性は、パケットの大きさ、送信周波数、遅延及び遅延変動要件等を含んでもよい。ここで、端末の移動特性は、端末の移動速度等を含んでもよい。ネットワーク条件は、端末が受信した複数の無線アクセス技術の基地局の送信信号の強度及び品質、端末が有する複数の無線アクセス技術の最大送信電力及びアンテナゲイン等を含んでもよい。
【0037】
このように、スタンバイ状態にある各第2無線アクセス技術は送信データをプリフェッチ又はキャッシュする。該第2無線アクセス技術がアクティブ状態に切り替えられてデータ伝送を行う時、更にサービスの連続性を確保し、伝送の特性を向上させることができる。
【0038】
任意選択的に、別の実施例として、S102の実行プロセスにおいて、伝送装置は、スタンバイ状態にある少なくとも1つの第2無線アクセス技術のネットワーク状態を監視することができる。前記少なくとも1つの第2無線アクセス技術のうちの1つ又は複数のネットワーク状態がスタンバイ状態にあることができない(例えば、伝送装置が前記少なくとも1つの第2無線アクセス技術のうちの1つ又は複数のカバレッジ範囲内に在らない)ことを検出した時、少なくとも1つの第3無線アクセス技術を選択して前記少なくとも1つの第2無線アクセス技術のうちの1つ又は複数の代わりにする。
【0039】
例を挙げて言えば、少なくとも1つの第2無線アクセス技術におけるある第2無線アクセス技術が、ある原因のため引き続きスタンバイ状態にあることに適しないと、該第2無線アクセス技術をスタンバイ状態にある少なくとも1つの第2無線アクセス技術のリストから削除することができる。
【0040】
例えば、端末の移動のため、端末が第2無線アクセス技術B1のカバレッジ範囲に在らないと、該第2無線アクセス技術B1を調整してそのスタンバイ状態を解除することができる。先に該第2無線アクセス技術B1によって接続が確立されている場合、接続を切断することができる。
【0041】
更に、伝送装置は、他の適切な無線アクセス技術を再び選択してスタンバイ状態に設定することができる。例えば、端末の移動のため、端末の受信可能な第3無線アクセス技術の信号強度がますます高くなる。該信号強度が所定の強度閾値より高い時、該第3無線アクセス技術をスタンバイ状態に確定することができる。
【0042】
任意選択的に、別の実施例として、伝送装置は、複数の無線アクセス技術の状態変化を該伝送装置の相手側装置に通知することができる。このように、伝送装置及び相手側装置における無線アクセス技術の状態に対する情報同期を維持することができる。
【0043】
例を挙げて言えば、少なくとも1つの第2無線アクセス技術のうちの1つ又は複数をアクティブ状態に切り替えると、該少なくとも1つの第2無線アクセス技術のうちの1つ又は複数の状態変化を前記伝送装置の相手側装置に通知することができる。
【0044】
例を挙げて言えば、少なくとも1つの第1無線アクセス技術のうちの1つ又は複数がサービス伝送を確保することができない時、該少なくとも1つの第1無線アクセス技術のうちの1つ又は複数がアクティブ状態に在らなくスタンバイ状態に切り替える可能性があり、接続が切断されてスタンバイ状態にも、アクティブ状態にも在らない可能性がある)、該少なくとも1つの第1無線アクセス技術のうちの1つ又は複数の状態変化を前記伝送装置の相手側装置に通知することができる。
【0045】
例を挙げて言えば、これら以外の第3無線アクセス技術をスタンバイ状態に確定すると、即ち、スタンバイ状態にある無線アクセス技術又はその数が変化すると、該第3無線アクセス技術の状態変化を前記伝送装置の相手側装置に通知することができる。
【0046】
相手側装置が伝送装置とサービス伝送を行う相手側装置を指すことを理解することができる。即ち該サービス伝送を伝送装置と相手側装置との間で行うことができる。
【0047】
ここで、本発明の実施例において、伝送装置は端末であり、これに応じて、相手側装置はネットワーク装置又は別の端末である。又は、伝送装置はネットワーク装置であり、これに応じて、相手側装置は端末である。
【0048】
これから分かるように、本発明の実施例において、複数の無線アクセス技術は、アクティブ状態にある少なくとも1つの第1無線アクセス技術及びスタンバイ状態にある少なくとも1つの第2無線アクセス技術を含む。伝送装置はアクティブ状態にある少なくとも1つの無線アクセス技術を用いてサービス伝送を行うことができる。また、無線アクセス技術の状態を実情に応じて切り替えることができる。それによりサービスの連続性を確保し、更にサービス伝送の効率を向上させることができる。
【0049】
図2は本発明の1つの実施例の伝送装置の構成を示すブロック図である。
図2に示される伝送装置200は、複数の無線アクセス技術を用いて通信することができ、確定ユニット201及び伝送ユニット202を備える。
【0050】
確定ユニット201は、複数の無線アクセス技術のうちの少なくとも1つの第1無線アクセス技術をアクティブ状態に確定することに用いられる。
【0051】
伝送ユニット202は、前記確定ユニットにより確定される前記少なくとも1つの第1無線アクセス技術を用いてサービス伝送を行うことに用いられる。
【0052】
このように、本発明の実施例において、伝送装置は、複数の無線アクセス技術のうちの少なくとも1つの第1無線アクセス技術をアクティブ状態に確定し、アクティブ状態にある無線アクセス技術を用いてサービス伝送を行うことにより、サービス伝送の効率を確保することができる。
【0053】
任意選択的に、1つの実施例として、伝送装置200は、前記サービスのために前記複数の無線アクセス技術を選択するための選択ユニットを更に含んでもよい。
【0054】
任意選択的に、本発明の実施例において、前記複数の無線アクセス技術は、少なくとも1つの第2無線アクセス技術を更に含んでもよい。確定ユニット201は更に、前記少なくとも1つの第2無線アクセス技術をスタンバイ状態に確定することに用いられてもよい。ここで、前記スタンバイ状態は、前記第2無線アクセス技術によって接続が確立されているが、データ伝送が発生していないことを指すか、又は前記第2無線アクセス技術によって接続が確立されていないが、所定時間内に接続を確立することができることを指す。換言すれば、第2無線アクセス技術によって接続が確立されていないが、接続を迅速に確立することができる。
【0055】
ここで、接続が確立されていることは、接続識別子ID及び接続コンテキストを有することを含んでもよい。また、スタンバイ状態にある接続が確立されている前記少なくとも1つの第2無線アクセス技術は、前記少なくとも1つの第1無線アクセス技術の接続コンテキスト(例えば、パケット伝送及びキューイングの状況)を共有することができる。
【0056】
任意選択的に、1つの実施例として、確定ユニット201は更に、スタンバイ状態にある少なくとも1つの第2無線アクセス技術によって前記サービスの送信データのプリフェッチ又はキャッシュすることを確定することに用いられてもよい。具体的には、所定のデータ量閾値の送信データをプリフェッチ又はキャッシュするか、又は所定の時間の長さの送信データをプリフェッチ又はキャッシュすることができる。ここで、前記データ量閾値又は前記時間の長さは、前記伝送装置が前記サービスのサービス特性、端末の移動特性及びネットワーク条件に基づいて決定される。
【0057】
任意選択的に、別の実施例として、伝送ユニット202は更に、前記サービス伝送プロセスにおいて、前記少なくとも1つの第2無線アクセス技術のネットワーク状態を監視し、前記少なくとも1つの第2無線アクセス技術のうちの1つ又は複数のネットワーク状態がスタンバイ状態にあることができないことを検出した時、少なくとも1つの第3無線アクセス技術を選択して前記少なくとも1つの第2無線アクセス技術のうちの1つ又は複数の代わりにすることに用いられてもよい。
【0058】
任意選択的に、別の実施例として、伝送ユニット202は更に、前記サービス伝送プロセスにおいて、前記少なくとも1つの第1無線アクセス技術のネットワーク状態を監視し、前記少なくとも1つの第1無線アクセス技術のうちの1つ又は複数のネットワーク状態が前記サービス伝送を確保することができないことを検出した時、前記少なくとも1つの第2無線アクセス技術のうちの1つ又は複数をアクティブ状態に切り替え、前記少なくとも1つの第2無線アクセス技術のうちの1つ又は複数を用いて前記サービス伝送を行うことに用いられてもよい。
【0059】
ここで、前記少なくとも1つの第1無線アクセス技術のうちの1つ又は複数のネットワーク状態が前記サービス伝送を確保することができないことは、前記少なくとも1つの第1無線アクセス技術のうちの1つ又は複数がカバレッジ又は故障によりサービス中断を引き起こすこと、又は、前記少なくとも1つの第1無線アクセス技術のうちの1つ又は複数の信号品質が所定の品質閾値より低いこと、又は、前記少なくとも1つの第1無線アクセス技術に無線リンク無効が発生すること、又は、前記少なくとも1つの第1無線アクセス技術に無線リンク無効が発生しており且つ前記無線リンクへの回復が失敗したこと、又は、前記伝送装置が、前記少なくとも1つの第1無線アクセス技術の無効を予測したことを含んでもよい。
【0060】
前記サービス伝送を確保することができないことは、他の状況を含んでもよく、ここで列挙しない。
【0061】
任意選択的に、別の実施例として、伝送装置200は、前記少なくとも1つの第2無線アクセス技術のうちの1つ又は複数の状態変化を前記伝送装置の相手側装置に通知するための送信ユニットを更に備えてもよい。ここで、伝送装置200は端末であり、前記相手側装置はネットワーク装置である。又は、伝送装置200は、ネットワーク装置であり、前記相手側装置は端末である。又は、伝送装置200は端末であり、相手側装置は別の端末である。
【0062】
本発明の実施例において、送信ユニットを、送受信機により実現することができる。確定ユニット201、伝送ユニット202及び選択ユニットを、プロセッサにより実現することができる。
図3に示されるように、伝送装置300は、プロセッサ301、送受信機302及びメモリ303を備えてもよい。ここで、メモリ303は、プロセッサ301により実行されるコード等を記憶することに用いられてもよい。
【0063】
伝送装置300における各モジュールは、バスシステム304により結合される。ここで、バスシステム304は、データバス以外に、電源バス、制御バス及び状態信号バスを更に含む。
【0064】
図2に示される伝送装置200又は
図3に示される伝送装置300は前述した
図1の実施例における伝送装置により実現される各プロセスを実現することができる。重複を回避するために、ここで説明を省略する。
【0065】
当業者であれば理解されるように、本文に開示される実施例における各例示的なユニット及びアルゴリズムステップを、電子ハードウェア、又はコンピュータソフトウェアと電子ハードウェアの組み合わせにより実現することができる。これらの機能を、ハードウェア方式で実行するか、それともソフトウェア方式で実行するかは、技術的解決手段の特定のアプリケーション及び設計上の制約条件によるものである。当業者は、各特定のアプリケーションに対して、記述した機能を異なる方法で実現することができるが、このような実現は本発明の範囲を超えるものとみなすべきではない。
【0066】
当業者であれば理解されるように、記述の便宜及び簡潔化を図るために、上述したシステム、装置及びユニットの具体的な作動プロセスは、前記方法の実施例における対応するプロセスを参照することができる。ここで説明を省略する。
【0067】
本願の提供する幾つかの実施例において、開示されたシステム、装置及び方法を、他の方式で実現することができることを理解すべきである。例えば、上述した装置の実施例は典型的なものに過ぎない。例えば、前記ユニットの分配は、論理的な機能の分配に過ぎず、実際に実現する時に、他の分配方式を用いることができる。例えば、複数のユニット又はモジュールを組み合わせるか又は別のシステムに集積することができる。幾つかの特徴を無視するか又は実行しなくてもよい。また、表示又は検討される相互結合、直接結合又は通信接続は、幾つかのインタフェース、装置又はユニットによる間接結合又は通信接続であってもよく、電気的形式、機械的形式又は他の形式であってもよい。
【0068】
分離部品として説明したユニットは、物理的に分離されたものであってもよいし、ではなくてもよい。ユニットとして表示される部品は、物理的ユニットであってもよいし、ではなくてもよい。即ち、同じ場所に位置してもよいし、複数のネットワークユニットに分布してもよい。実際の需要に応じてここでの一部又は全部のユニットを選択して本実施例の解決手段の目的を実現することができる。
【0069】
また、本発明の各実施例における各機能ユニットが1つの処理ユニットに集積してもよいし、各ユニットが単独で物理的なものとして存在してもよいし、二つ又は二つ以上のユニットが1つのユニットに集積してもよい。
【0070】
前記機能を、ソフトウェア機能ユニットの形式で実現して独立した製品として販売又は使用する時、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体に記憶することができる。このような理解に基づいて、本発明の技術解決手段の本質、従来技術に寄与する一部又は該技術的解決手段の一部は、ソフトウェア製品の形式で実現することができる。該コンピュータソフトウェア製品は、記憶媒体に記憶され、コンピュータ装置(パーソナルコンピュータ、サーバ、又はネットワーク装置等であってもよい)による本発明の各実施例に記載の方法の全部又は一部のステップの実行のための複数のコマンドを含む。前記記憶媒体は、USBフラッシュメモリ、モバイルハードディスク、読み出し専用メモリ(Read−Only Memory:ROM)、ランダムアクセスメモリ(Random Access Memory:RAM)、磁気ディスク又は光ディスク等のプログラムコードを記憶できる様々な媒体を含む。
【0071】
以上は、本発明の発明を実施するための形態に過ぎないが、本発明の保護範囲はこれに限定されず、本技術分野に精通しているいかなる当業者も、本発明に開示された技術範囲において容易に想到しうる変更又は置き換えは、全て本発明の保護範囲内に含まれるものとする。従って、本発明の保護範囲は請求項の保護範囲を基準とすべきである。