特許第6804472号(P6804472)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ エシコン・インコーポレイテッドの特許一覧

特許6804472組織創傷閉鎖デバイス及びアプリケータ器具
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6804472
(24)【登録日】2020年12月4日
(45)【発行日】2020年12月23日
(54)【発明の名称】組織創傷閉鎖デバイス及びアプリケータ器具
(51)【国際特許分類】
   A61B 17/03 20060101AFI20201214BHJP
【FI】
   A61B17/03
【請求項の数】15
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2017-561273(P2017-561273)
(86)(22)【出願日】2016年5月23日
(65)【公表番号】特表2018-516665(P2018-516665A)
(43)【公表日】2018年6月28日
(86)【国際出願番号】US2016033742
(87)【国際公開番号】WO2016191354
(87)【国際公開日】20161201
【審査請求日】2019年5月23日
(31)【優先権主張番号】14/722,729
(32)【優先日】2015年5月27日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】512080321
【氏名又は名称】エシコン・インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】Ethicon, Inc.
(74)【代理人】
【識別番号】100088605
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 公延
(74)【代理人】
【識別番号】100130384
【弁理士】
【氏名又は名称】大島 孝文
(72)【発明者】
【氏名】グオ・ジャンシン
(72)【発明者】
【氏名】ガベル・ジョナサン・ビー
(72)【発明者】
【氏名】ミクシャ・アンソニー
【審査官】 小河 了一
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2015/0119907(US,A1)
【文献】 米国特許第05123913(US,A)
【文献】 特表2014−509209(JP,A)
【文献】 特表2015−505254(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 17/03
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
細長組織閉鎖デバイスを施用するための装置であって、
近位端部と遠位端部とを有する細長ハンドル部材と、
前記ハンドル部材に回転可能に取り付けられ、前記ハンドル部材の前記遠位端部から延びているシャフト部材であって、長手方向軸線を有する、シャフト部材と、
前記シャフト部材を回転させるように前記ハンドル部材内の直線運動回転運動変換機構を係合するための、前記ハンドル部材に移動可能に取り付けられている作動部材と、
前記ハンドル部材の前記遠位端部から延びているビーム部材であって、近位端部、遠位端部、及び長手方向軸線を有する、ビーム部材と、
平面を画定している第1の曲線形針部材であって前記第1の曲線形針部材は、近位端部、遠位端部、内側表面、外側表面、捕捉ノッチ、及び前記第1の曲線形針部材の前記遠位端部から延びている穿孔先端部を有し、前記第1の曲線形針部材の前記近位端部は、前記第1の曲線形針部材の前記平面が前記ビーム部材の前記長手方向軸線を実質的に横断するように、前記ビーム部材の前記遠位端部に取り付けられている、第1の曲線形針部材と、
前記シャフト部材の前記長手方向軸線を実質的に横断するように前記シャフト部材の前記遠位端部に取り付けられている第1の配置部材であって、前記第1の配置部材は、遠位端部を有するポスト部材、及び前記ポスト部材の前記遠位端部から延びているタブ係合部材を有し、前記タブ係合部材は、前記細長組織閉鎖デバイスのタブ部材を受け入れるための第1の係合ノッチを有する第1の配置部材と、を備えている、装置。
【請求項2】
前記作動部材は、ボタン部材を備えている、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記第1の曲線形針部材に隣接して取り付けられた第2の曲線形針部材と、前記第1の係合ノッチに隣接する第2の係合ノッチとを更に備えている、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記捕捉ノッチは、前記第1の曲線形針部材の前記内側表面にある、請求項1に記載の装置。
【請求項5】
前記捕捉ノッチは、前記第1の曲線形針部材の前記遠位端部に配置されている、請求項1に記載の装置。
【請求項6】
創傷閉鎖システムであって、
A.細長い組織創傷閉鎖デバイスを施用するための装置であって、
近位端部と遠位端部とを有する細長ハンドル部材と、
前記ハンドル部材に回転可能に取り付けられ、前記ハンドル部材の前記遠位端部から延びているシャフト部材と、
前記シャフト部材を回転させるように前記ハンドル部材内の直線運動回転運動変換機構を係合するための、前記ハンドル部材に取り付けられている作動部材と、
前記ハンドル部材の前記遠位端部から延びているビーム部材であって、近位端部、遠位端部、及び長手方向軸線を有する、ビーム部材と、
平面を画定している曲線形針部材であって前記曲線形針部材は、近位端部、遠位端部、内側表面、外側表面、捕捉ノッチ、及び前記曲線形針部材の前記遠位端部から延びている穿孔先端部を有し、前記曲線形針部材の前記近位端部は、前記曲線形部材の前記平面が前記ビーム部材の前記長手方向軸線を実質的に横断するように、前記ビーム部材の前記遠位端部に取り付けられている、曲線形針部材と、
前記シャフト部材の前記長手方向軸線を実質的に横断するように前記シャフト部材前記遠位端部に取り付けられている配置部材であって、前記配置部材は、遠位端部を有するポスト部材、及び前記ポスト部材の前記遠位端部から延びているタブ係合部材を有し前記タブ係合部材は、前記組織創傷閉鎖デバイスの第2のタブ部材を受け入れるための係合ノッチを有する配置部材と、を備えている、装置、並びに、
B.前記組織創傷閉鎖デバイスであって、
近位端部、遠位端部、両側の外側部表面、上部表面、及び下部表面を有する細長部材と、
前記細長部材の前記近位端部から延びている第1のタブ部材であって、鍵穴開口部を有する、第1のタブ部材と、
前記細長部材の前記遠位端部から延びている前記第2のタブ部材であって、開口部を有する、第2のタブ部材と、
前記細長部材の少なくとも1つの表面から延びている複数の棘部材と、を備え、
前記第1のタブ部材の前記鍵穴開口部は、前記第2のタブ部材を通過させ、前記細長部材の一区分を受け入れるように、また前記細長部材の一区分を前記第1のタブ部材内で固定位置にロックするように構成されている、前記組織創傷閉鎖デバイスを備えている、システム。
【請求項7】
前記組織創傷閉鎖デバイスは、吸収性ポリマーを含む、請求項6に記載のシステム。
【請求項8】
前記組織創傷閉鎖デバイスは、非吸収性ポリマーを含む、請求項6に記載のシステム。
【請求項9】
前記鍵穴開口部は、前記第2のタブ部材を受け入れるための第1の開口部と、前記細長部材の一区分をロックするための、前記第1の開口部と連通する第2の開口部とを有する、請求項6に記載のシステム。
【請求項10】
前記棘部材は、各前記外側部表面の少なくとも一部から延びている、請求項6に記載のシステム。
【請求項11】
前記棘部材は、前記上部表面から延びている、請求項6に記載のシステム。
【請求項12】
前記作動部材は、ボタン部材を含む、請求項6に記載のシステム。
【請求項13】
前記曲線形針部材は、第1の曲線形針部材であり、前記配置部材は、第1の配置部材であり、前記システムは、前記第1の曲線形針部材に隣接して取り付けられた第2の曲線形針部材と、前記第1の配置部材に隣接して取り付けられた第2の配置部材とを更に備えている、請求項6に記載のシステム。
【請求項14】
前記捕捉ノッチは、前記曲線形針部材の前記内側表面にある、請求項6に記載のシステム。
【請求項15】
前記捕捉ノッチは、前記曲線形針部材の前記遠位端部にある、請求項6に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明が関係する技術分野は、組織修復であり、より具体的には、組織内の創傷を修復するためのデバイス及びアプリケータ器具である。
【背景技術】
【0002】
組織内の創傷は一般に、縫合糸及び外科用ステープルなど、従来の創傷閉鎖デバイスを使用して修復される。加えて、特定のタイプの組織、主に外部の外皮創傷を修復するために、外科用グルー及び接着剤が使用されてきた。外傷によって又は切開術において生じる典型的な創傷では、創傷を修復するための標準的な治療は、自然治癒が生じるまで、閉鎖された創傷の側部を互いに接触した状態に安定に維持するために、何らかの機械的デバイスを使用して創傷の対向側部を接近させることを伴う。縫合糸を使用して組織を接近させるとき、縫合糸は多くの場合、断続縫合修復においてステッチを形成するために結節される。この結節プロセスは、多くの場合は困難で、通常は時間を要するものであり、加えて、縫合及び結節プロセスは、外科医が両手を用いることを必要とする。血流を止めること、及び環境内の病原体による感染から皮下組織を保護することを含めていくつかの理由により、創傷を治療し創傷修復を行うとき、しばしば時間が肝要となる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
組織内の創傷の修復を促進するための、結節を結ぶ必要なしに自己ロックする新規な創傷修復デバイス及びそれに関連するアプリケータ器具が、当該技術分野において求められている。また、外科医によって片手で施用及び固定され得る新規な創傷閉鎖デバイスが求められている。
【課題を解決するための手段】
【0004】
したがって、新規な組織創傷閉鎖デバイスが開示される。本創傷閉鎖デバイスは、近位端部、遠位端部、両側の外側部表面、上部表面、及び下部表面を有する細長部材を有する。第1のタブ部材が近位端部から延び、第1のタブ部材は鍵穴開口部を有する。第2のタブ部材が遠位端部から延び、第2のタブ部材は開口部を有する。複数の棘部材が細長部材の少なくとも1つの表面から延びている。第1のタブ部材の鍵穴開口部は、第1のタブ部材を通過させ、細長部材の一区分を受け入れるように、また細長部材の一区分を第1のタブ部材内で固定位置にロックするように構成されている。
【0005】
本発明のもう一つの態様は、細長組織創傷閉鎖デバイスを施用するための新規な装置である。本装置は、近位端部と遠位端部とを有する細長ハンドル部材を有する。シャフト部材は、ハンドル部材に回転可能に取り付けられ、ハンドル部材の遠位端部から延びており、シャフト部材は長手方向軸線を有する。シャフト部材を回転させるようにハンドル部材内の直線運動回転運動変換機構を係合するための作動部材が、ハンドル部材に移動可能に取り付けられている。ビーム部材がハンドル部材の遠位端部から延び、そのビーム部材は、近位端部、遠位端部、長手方向軸線を有する。第1の曲線形針部材は、ビーム部材の遠位端部に取り付けられている。第1の曲線形針部材は、平面を画定し、近位端部、遠位端部、内側表面、外側表面、捕捉ノッチ、及び遠位端部から延びている穿孔先端部を有する。曲線形針部材の近位端部は、針部材の平面がビーム部材の長手方向軸線を実質的に横断するように、ビーム部材の遠位端部に取り付けられている。第1の配置部材が、シャフト部材の長手方向軸線を実質的に横断するようにシャフト部材の遠位端部に取り付けられ、配置部材はポスト部材を有する。ポスト部材は、遠位端部と、その遠位端部から延び、タブ部材を受け入れるための係合ノッチを有するタブ係合部材とを有する。
【0006】
本発明の更なるもう1つの態様は、本発明の新規な組織創傷閉鎖デバイスと新規なアプリケータ器具との組合せから形成されるシステムである。組織閉鎖システムは、組織創傷閉鎖デバイスを施用するための装置を有する。本装置は、近位端部と遠位端部とを有する細長ハンドル部材を有する。シャフト部材がハンドル部材に回転可能に取り付けられ、ハンドル部材の遠位端部から延び、シャフト部材は長手方向軸線を有する。シャフト部材を回転させるようにハンドル部材内の直線運動回転運動変換機構を係合するための作動部材が、ハンドル部材に取り付けられている。ビーム部材がハンドル部材の遠位端部から延び、ビーム部材は、近位端部、遠位端部、長手方向軸線を有する。曲線形針部材がビーム部材の遠位端部に取り付けられている。曲線形針部材は、近位端部、遠位端部、内側表面、外側表面、捕捉ノッチ、及び遠位端部から延びている穿孔先端部を有し、曲線形針は平面を画定する。曲線形針部材の近位端部は、針部材の平面がビーム部材の長手方向軸線を実質的に横断するように、ビーム部材の遠位端部に取り付けられている。配置部材が、シャフト部材の長手方向軸線を実質的に横断するようにシャフト部材の遠位端部に取り付けられ、配置部材はポスト部材を有する。ポスト部材は、遠位端部と、その遠位端部から延び、タブ部材を受け入れるための係合ノッチを有するタブ係合部材とを有する。本システムの組織創傷閉鎖デバイスは、近位端部と、遠位端部と、両側の外側部表面と、上部表面と、下部表面とを有する細長部材を有する。第1のタブ部材が近位端部から延び、第1のタブ部材は鍵穴開口部を有する。第2のタブ部材が遠位端部から延び、第2のタブ部材は開口部を有する。複数の棘部材が細長部材の少なくとも1つの表面から延びている。次いで、第1のタブ部材の鍵穴開口部は、第2のタブ部材を通過させ、細長部材の一区分を受け入れるように、また細長部材の一区分を第1のタブ部材内で固定位置にロックするように構成されている。
【0007】
本発明の更に別の態様は、創傷組織を接近させるために上述の創傷閉鎖デバイス及びアプリケータを使用する方法である。
【0008】
本発明のこれら及びその他の態様並びに利点は、以下の説明及び添付の図面からより明らかとなるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の新規な組織創傷閉鎖デバイス及びアプリケータ器具の組織穿孔針の斜視図である。
図2】本発明の組織創傷閉鎖デバイスの頂面図である。
図3図2の組織創傷閉鎖デバイスの斜視図である。
図4】本発明の創傷閉鎖デバイスを挿入するのに有用なアプリケータデバイスの斜視図であり、図1〜3の組織創傷閉鎖デバイスが、アプリケータデバイスの遠位端部に取り付けられていることが分かる。
図5A】針部材及び針先配置部材を示す、図4のアプリケータの遠位端部の拡大部分斜視図であり、本発明の組織閉鎖デバイスが、配置部材に取り付けられた遠位タブ部材と針部材の本体上に取り付けられた近位タブ部材とを有することが分かる。
図5B】捕捉ノッチを示す、図5Aの針部材の遠位端部の拡大頂面図である。
図5C】同様に針部材に沿ったアプリケータの遠位端部を示す、図5Aの針先配置部材の頂面図である。
図6A】創傷の周りの組織の中にまたその組織を通じて組織創傷閉鎖デバイスを挿入することによって組織内の創傷を閉鎖するために、図4のアプリケータデバイス及び組織創傷閉鎖デバイスを使用する際の一連のことを示す。
図6B】創傷の周りの組織の中にまたその組織を通じて組織創傷閉鎖デバイスを挿入することによって組織内の創傷を閉鎖するために、図4のアプリケータデバイス及び組織創傷閉鎖デバイスを使用する際の一連のことを示す。
図6C】創傷の周りの組織の中にまたその組織を通じて組織創傷閉鎖デバイスを挿入することによって組織内の創傷を閉鎖するために、図4のアプリケータデバイス及び組織創傷閉鎖デバイスを使用する際の一連のことを示す。
図6D】創傷の周りの組織の中にまたその組織を通じて組織創傷閉鎖デバイスを挿入することによって組織内の創傷を閉鎖するために、図4のアプリケータデバイス及び組織創傷閉鎖デバイスを使用する際の一連のことを示す。
図6E】創傷の周りの組織の中にまたその組織を通じて組織創傷閉鎖デバイスを挿入することによって組織内の創傷を閉鎖するために、図4のアプリケータデバイス及び組織創傷閉鎖デバイスを使用する際の一連のことを示す。
図7】アプリケータ器具の穿孔針が創傷の周りの組織を穿孔するところを示す概略図である。針の遠位側の穿孔先端部は、組織を通じて延びており、本発明の組織創傷閉鎖デバイスの一方の端部は針の遠位端部の捕捉ノッチによって係合されていることが分かり、組織創傷閉鎖デバイスのもう一方の端部は針の近位端部の周りに係合されていることが分かる。
図8】組織を通じて針を引抜き、創傷の周りの組織を通じて組織創傷閉鎖デバイスの一区分を移動させ、それを引っ張ることによって、図7の組織内の創傷が閉鎖されたところを示す概略図である。針は、組織創傷閉鎖デバイスの近位端部を、閉鎖デバイスの遠位端部及びその遠位端部に隣接する閉鎖デバイスの一区分と共に通過したことが分かる。
図9】近位端部の鍵穴開口部内にロックされた創傷閉鎖デバイスの一区分から針が係合解除された後の、組織内の創傷の周りの図8の組織創傷閉鎖デバイスを示す概略図であり、余長を切り取るために1つの外科用鋏が遠位端部に近接していることが分かる。
図10】本発明の組織創傷閉鎖デバイスの代替的な実施形態の斜視図である。本デバイスは、頂部表面から延びている棘を有する。
図11】デバイスの遠位区分がデバイスの近位端部の鍵穴開口部を通過するところを示す、図10の創傷閉鎖デバイスの概略図である。
図12】組織閉鎖デバイスの一区分が鍵穴開口部内にロックされたところを示す、図11のデバイスの概略図である。
図13】本発明の2つの組織創傷閉鎖デバイスを取り付けるように構成されたアプリケータ器具の代替的な実施形態の斜視図である。デバイスは、概略的に示すように、組織に2つの断続的なステッチを設けることになる。
図14】本発明の2つの創傷閉鎖デバイスを十字ように取り付けられた、図13のアプリケータデバイスを示す。デバイスは、概略的に示すように、組織にクロスステッチを設けることになる。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の組織創傷閉鎖デバイスは、好適な従来の生体適合性材料及びその等価物から作製され得る。これらの材料は、吸収性材料であっても、非吸収性材料であっても、吸収性材料と非吸収性材料との組合せであってもよい。吸収性材料の例には、限定するものではないが、ポリジオキサノン、ポリラクチド、ポリ乳酸、ε−カプロラクトン、ポリグリコリド、ポリカプロラクトン、トリメチレンカーボネート、ラクチド−コ−グリコリド、グリコリド−コ−カプロラクトン、それらの組合せ、それらのコポリマーなどのポリマー及びコポリマーが挙げられる。非吸収性材料の例には、限定するものではないが、ポリエチレン、ポリプロピレン、ナイロン、ポリエステルなどのポリマー及びコポリマーが挙げられる。締結装置は、射出成型、押出し、打抜き、ロール成形、型抜きなどを含む従来の方式で製造され得る。本発明のアプリケータ器具は、限定するものではないが、外科用ステンレス鋼、ポリカーボネート、プラスチック樹脂、金属、合金、それらの組合せなどを含む従来の生体適合性材料から作製され得る。本器具は、射出成型、打抜き、機械削り、成形などを含む従来の製造技法及びプロセスを用いて作製され、従来の組立て技法及びプロセスを用いて組み立てられ得る。
【0011】
本発明の組織創傷閉鎖デバイス10が図1〜3に示されている。また図1には、組織創傷閉鎖デバイス10を施用するために使用される曲線形針部材160が示されている。閉鎖デバイス10は細長本体部材20を有していることが分かる。本体部材20は遠位端部22と近位端部24とを有していることが分かる。本体部材は、上部表面30と、下部表面32と、両側の外側部34及び36とを有する。外側部34及び36から外向きに、複数の棘部材40が延びている。棘部材40は、遠位端部42と、近位端部44と、遠位端部42と近位端部44とを連結する傾斜表面46とを有する。図示のように、本体部材20は、棘部材40と同様に平坦である。所望により、本体部材20は、丸形、曲線形、又は多角形の横断面を有してもよく、棘部材は、切頭円錐形状又は他の等価な幾何学的形状を有してもよい。本体部材20の遠位端部22から、遠位又は第2のタブ部材50が延びている。タブ部材50は、棘部材40を含めて本体部材20の一区分を受け入れるためのスロット又は開口部60を有していることが分かる。開口部60は、タブ部材50を通じた本体部材20及び棘40の移動を事実上、可能にするように、十分に寸法決めされる。近位側の又は第1のタブ部材70が、本体部材20の近位端部24から延びていることが分かる。タブ部材70は、本体部材20の一区分を受け入れ及びロックするための鍵穴開口部80を有していることが分かる。開口部80は、本体部材20の一区分を受け入れ通過させるための拡大開口部区分82と、本体部材20の一区分を受け入れしロックするための、区分82と連通する小ロック開口部85とを有する。開口部82は、タブ部材70を通じた本体部材20及び棘40の移動を事実上、可能にするように、十分に寸法決めされる。ロック開口部85のロック機能は、摩擦嵌めと、開口部82及び85を貫く棘部材40の瞬間的な圧縮及び弛緩とによって実施され、ロックはまた、穴82及び85を貫く棘部材40を、それらが通過した後に復帰し得ないように一方向にねじ込むこと/ねじることによって達成され得る。
【0012】
図1、4及び5A〜5Cを参照すると、本発明の組織創傷閉鎖デバイスを挿入するために使用される、本発明のアプリケータ器具100及び針部材160が示されている。器具100は細長ハンドル部材120を有していることが分かる。ハンドル部材120は、近位端部122と、遠位端部124と、上部126と、下部128とを有していることが分かる。ハンドル部材120はまた、両側の外側部132及び134を有していることが分かる。ハンドル部材120は、概ね平坦な構成を有していることが分かるが、円筒形を含めて他の幾何学的構成を有してもよい。押しボタン式作動部材136は、側部134から外向きに延びていることが分かる。押しボタン式作動部材は、概ね立方体様又は直方体様の構成を有していることが分かるが、円筒形、半球形などを含む他の幾何学的構成を有してもよい。図示の押しボタン式部材136は、指作動によって側部134に向かって移動可能となり、同様にばね(図示せず)などの付勢部材によって側部134から離れて移動可能となるように、ハンドル部材120に移動可能に取り付けられている。所望により、トリガー、ロッドなど、他の作動部材及び移動部が利用されてもよい。ハンドル部材120の遠位端部124から長手方向に向かうように、支持ビーム部材140が延びている。ビーム部材140は長手方向軸線141を有していることが分かる。ビーム部材140はまた、近位端部142と遠位端部144とを有していることが分かる。遠位端部144に、シャフト支持部材148が隣接している。遠位キャップ部材150は、遠位端部144に結合されていることが分かる。遠位キャップ部材150は、遠位端部144に取り付けられている別個の部品であってもよく、あるいは支持ビーム部材140の一体部分として機械削り又は成形されてもよい。キャップ部材150は、シャフト部材190の遠位端部194の一区分を必要に応じて受け入れるための任意選択の開口部152を有していることが分かる。
【0013】
針部材160は、ビーム部材140の長手方向軸線141を実質的に横断するように、例えば垂直又は斜めにキャップ部材150に固定式で取り付けられている。針部材160は、平面を画定する細長の曲線形針本体162を有していることが分かる。針本体162は、近位端部164と遠位端部166とを有する。組織穿孔先端部168が遠位端部166から外に延びていることが分かる。針本体162は、内側表面170と外側表面172とを有する。組織穿孔先端部168の近隣で内側表面170へと、タブ捕捉ノッチ180が延びている。それに代わって、捕捉ノッチ180は、図1に示すように、外側表面172の中へと延びてもよい。図5Bに示すように、タブ捕捉ノッチ180は、溝182と、溝182と連通する開口部183と、近位壁部184と、遠位壁部185と、下部186と、近位延出捕捉部材188と、その反対側の遠位延出捕捉部材187とを有していることが分かる。近位延出捕捉部材188と遠位延出捕捉部材187は開口部183によって分離されている。針本体162の近位端部164は、針160の平面がビーム部材140の長手方向軸線141に対して実質的に横向き、例えば垂直であり、軸線141を中心としてビーム部材140と共に回転し得るように、キャップ部材150に取り付けられていることが分かる。シャフト190は、近位端部192と遠位端部194とを有していることが分かる。シャフト190は長手方向軸線を有する。シャフト190の近位端部192は、ハンドル部材120内に回転可能に取り付けられている。シャフト190の遠位端部194は、軸受支持部材148内に収容される。押しボタン式作動部材130が作動されると、カム、ねじ山、ラックアンドピニオン、ウォームギアなど、直線運動(垂直又はインラインのいずれか)を回転運動に変換するための従来の機構を通じて、シャフト190がハンドル部材120及びビーム部材140に対して回転されることになる。シャフト190の遠位端部194に、針先配置部材200が取り付けられている。配置部材200は、近位端部212と遠位端部214とを有する径方向延出ポスト部材210を有していることが分かる。配置部材200は、シャフト部材190の長手方向軸線141を実質的に横断するように、例えば垂直又は斜めに取り付けられている。シャフト190が回転されると、部材200が回転されることになる。タブ係合部材220は、ポスト部材210の遠位端部214から外へと垂直に延びていることが分かるが、所望により必要に応じて別様に斜行していてもよい。係合部材220は、上側部222と、下側部224と、近位端部226と、傾斜区分229を有する遠位端部228とを有していることが分かる。係合部材220の遠位端部228を通じて、タブ保持ノッチ230が延びている。ノッチ230は、後方側部232と、反対側の側方壁部234と、開口部236と、開口部236と連通する開放側部238とを有していることが分かる。
【0014】
図4、5A、及び5Cに示すように、組織創傷閉鎖デバイス10は、近位タブ部材70を針160の遠位端部166に被せてスライドさせて、針本体162の一区分が鍵穴開口部80の開口区分82内に収容された状態で、タブ部材70が針本体162の中央に向かって位置決めされるようにすることによって、アプリケータ器具100に取り付けられている。遠位タブ部材50は、係合部材220のノッチ230の開口部236内に取り付けられていることが分かる。本体部材20の遠位端部22の一区分が係合部材220の下側部224の下方に位置する。作動ボタン部材136を作動させるとシャフト190を回転させ、結果として配置部材200が遠位針末端部166及び穿孔先端部168に向かって回転することになり、それにより、穿孔先端部168及び末端部166は、係合部材220のノッチ230に取り付けられたタブ部材50のスロット又は開口部60を通じて移動し、タブ部材50が針本体162上のタブ捕捉ノッチ180によって係合されるまで移動し続ける。作動ボタン部材136を解放又は復帰させると、シャフト及び結合された配置部材200を反対方向に回転させるようにタブ部材50を係合部材220のノッチ230から係合解除させることになる。
【0015】
本発明の組織創傷閉鎖デバイス10及びアプリケータ100の使用法及び機能が、図6A〜6E、7、8及び9に示されている。デバイス10は、図6Aの準備位置においてアプリケータ器具100に取り付けられていることが分かる。この準備位置では、近位又は第2のタブ部材70は針本体162の上にスライド可能に取り付けられており、遠位又は第1のタブ部材50はノッチ230に取り付けられている。器具100並びに針部材160及び係合部材220に取り付けられたデバイス10は、組織250の創傷260に近接して配置されることが分かる。創傷260は、対向する第1及び第2の創傷側部265及び267それぞれに囲まれた開口部262を有していることが分かる。ハンドル部材120が回転されて、針部材160が回転し、図6Aに示すように、創傷260の一方の側265上で組織250に穿孔し、組織250を把持する。図6Bに示すように、更に回転させると、創傷側部265及び267は、針部材が創傷260の周りの組織を通じて移動するときに接近されて、開口部262を閉鎖し、針組織経路255を形成することになる。針部材160は、穿孔先端部168及び遠位端部166が創傷側部267に近接する組織表面252を抜け出すまで回転される。これら2つのステップの間、近位タブ部材70は、針本体162に沿って後方にスライドし、依然として第1の創傷側部265に隣接していることが分かる。次に、図6Cに示すように、外科医は押しボタン式作動部材130を係合して、第2の創傷側部267に隣接する組織250の表面252の上方へ突き抜けた針部材160の遠位端部166に向かって、シャフト190及び取り付けられた配置部材200を回転させる。穿孔先端部168及び遠位端部166が開口部60を通過するように、シャフト190及び配置部材200が十分に回転して、針本体162上に創傷閉鎖デバイス10のタブ部材50を配置した後、作動ボタンが解放され、器具100は反対側に回転される。これにより、遠位タブ部材50は、更なる回転が係合部材220のタブ保持ノッチ230からの係合解除を引き起こすとき、タブ捕捉ノッチ180に係合することになる。次に、外科医が、最初に形成された針組織経路255を再び通じて、反転方式で針部材を回転させるとき、タブ部材50及び本体部材20の遠位区分は、創傷側部265の隣の初期の貫入点から抜け出すまで、組織を通じて移動する。穿孔先端部168及び遠位端部166は近位タブ部材70の開口部80に進入し、デバイスは、所望の張力及び組織接近が得られるまで、更なる回転を与え、それに比例させて、鍵穴開口部80の開口区分82を通じて本体部材20の付加的な長さを移動させることによって締結される。次いで、外科医は、開口区分82からロック開口部85へと本体部材20の一区分を操作することによって、創傷260の周りの所定の位置にデバイス10をロックする。この時点において、外科医は次いで、外科用鋏280を用いて、組織表面252に隣接する本体部材20の余長を切り取り、組織接近が完了する。創傷260の性質及び重症度によっては、創傷260の開口部262を閉鎖するために、付加的な組織創傷閉鎖デバイス10が施用されることが必要となり得る。図7及び8においては、捕捉ノッチ180は代替的に針本体162の外側表面172に位置するものとして示されているが、図6A〜6Eにおいては、捕捉ノッチ180は、針本体162の内側表面170内に示されている。
【0016】
本発明の創傷組織閉鎖デバイスの代替的な実施形態が図10、11及び12に示されている。閉鎖デバイス310は細長本体部材320を有していることが分かる。本体部材320は遠位端部322と近位端部324とを有していることが分かる。本体部材は、上部表面330と、下部表面332と、両側の外側部334及び336とを有する。上部表面330の一区分から上向きに、複数の棘部材340が延びている。所望により、棘部材340は、部材320の全長にわたって延びてもよい。棘部材340は、遠位端部342と、近位端部344と、遠位端部342と近位端部344とを連結する上傾斜面346及び下傾斜面348とを有する。図示のように、本体部材320は平坦である。所望により、本体部材320は、丸形、曲線形、又は多角形の横断面を有してもよく、棘部材340は他の等価な幾何学的形状を有してもよい。本体部材320の遠位端部322から、遠位タブ部材350が延びている。タブ部材350は、棘部材340を含めて本体部材320の一区分を受け入れるためのスロット又は開口部360を有していることが分かる。開口部360は、タブ部材350を通じた本体部材320及び棘340の移動を可能にするように、十分に寸法決めされる。近位タブ部材370が、本体部材320の近位端部324から延びていることが分かる。タブ部材370は、本体部材320の一区分を受け入れ及びロックするための鍵穴開口部380を有していることが分かる。開口部380は、本体部材320の一区分を受け入れるための拡大開口部区分382と、本体部材320の一区分を受け入れ及びロックするための、区分382と連通する小ロック開口部385とを有する。開口部382は、タブ部材370を通じた本体部材320及び棘340の移動を可能にするように、十分に寸法決めされる。
【0017】
本発明の複数の組織創傷閉鎖デバイス10を装填された、本発明のアプリケータデバイス400の代替的な実施形態が、図13及び14に示されている。器具400は、2つのデバイス10を保持するように構成されていることを除いて、器具100と同一である。器具400は、隣り合わせにキャップ部材150に取り付けられた2つの針部材160を有していることが分かる。配置部材420は、係合部材430が2つの組織創傷閉鎖デバイス10の遠位タブ部材50と係合するための2つのノッチ435を有しているという点で、配置部材200とは異なっていることが分かるが、所望により、2つの配置部材200が使用され得る。デバイス400は、アプリケータ器具100と同様の方式で動作する。しかしながら、図13に概略的に示すように、器具400の1つの施用サイクルにより、結果として、2つのデバイス10が、断続的なステッチの方式で組織250内の創傷260の周りに植え込まれて、断続的なステッチ450を形成することになる。図14に概略的に示すように、十字の方式で針160にタブ部材70を取り付けることにより、結果として、創傷260の周りの組織250にクロスステッチ460が生じることになる。器具400は、針部材160及び配置部材200の数を増加させることによって、3つ以上のデバイス10を保持するように構成され得る。
【0018】
本発明の新規な組織創傷閉鎖デバイス及びアプリケータ器具は、多数の優位性及び利点を有する。これらの優位性及び利点には、自己結節式である創傷閉鎖用の調節式ファスナを提供することが含まれる。加えて、本発明のシステムは、片手を用いて組織を接近させ、シングルステッチ又はクロスステッチのいずれかを形成し、2つ以上のステッチを同時に形成することを可能にする。
【0019】
以上、本発明をその詳細な実施形態について図示及び説明してきたが、当業者であれば、特許請求される発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく本発明の形態及び詳細に様々な変更を行い得る点が理解されるであろう。
【0020】
〔実施の態様〕
(1) 組織創傷閉鎖デバイスであって、
近位端部と、遠位端部と、両側の外側部表面と、上部表面と、下部表面とを有する細長部材と、
前記近位端部から延びている第1のタブ部材であって、鍵穴開口部を有する、第1のタブ部材と、
前記遠位端部から延びている第2のタブ部材であって、開口部を有する、第2のタブ部材と、
前記細長部材の少なくとも1つの表面から延びている複数の棘部材と、を備え、
前記第1のタブ部材の前記鍵穴開口部は、前記第2のタブ部材を通過させ、前記細長部材の一区分を受け入れるように、また前記細長部材の一区分を前記第1のタブ部材内で固定位置にロックするように構成されている、閉鎖デバイス。
(2) 前記締結デバイスは吸収性ポリマーを含む、実施態様1に記載の閉鎖デバイス。
(3) 前記締結デバイスは、非吸収性ポリマーを含む、実施態様1に記載の閉鎖デバイス。
(4) 前記鍵穴開口部は、前記第2のタブ部材を受け入れるための第1の開口部と、前記細長部材の一区分を受け入れ及びロックするための、前記第1の開口部と連通する第2の開口部とを有する、実施態様1に記載の閉鎖デバイス。
(5) 前記棘部材は、各外側部表面の少なくとも一部から延びている、実施態様1に記載の閉鎖デバイス。
【0021】
(6) 前記棘部材は、前記上部表面から延びている、実施態様1に記載の閉鎖デバイス。
(7) 細長組織閉鎖デバイスを施用するための装置であって、
近位端部と遠位端部とを有する細長ハンドル部材と、
前記ハンドル部材に回転可能に取り付けられ、前記ハンドル部材の前記遠位端部から延びているシャフト部材であって、長手方向軸線を有する、シャフト部材と、
前記シャフト部材を回転させるように前記ハンドル部材内の直線運動回転運動変換機構(linear to rotary motion mechanism)を係合するための、前記ハンドル部材に移動可能に取り付けられている作動部材と、
前記ハンドル部材の前記遠位端部から延びているビーム部材であって、近位端部、遠位端部、及び長手方向軸線を有する、ビーム部材と、
平面を画定し、かつ近位端部、遠位端部、内側表面、外側表面、捕捉ノッチ、及び前記遠位端部から延びている穿孔先端部を有する第1の曲線形針部材であって、前記曲線形針部材の前記近位端部は、前記針部材の前記平面が前記ビーム部材の前記長手方向軸線を実質的に横断するように、前記ビーム部材の前記遠位端部に取り付けられている、第1の曲線形針部材と、
前記シャフト部材の前記長手方向軸線を実質的に横断するように前記シャフト部材の前記遠位端部に取り付けられている第1の配置部材であって、遠位端部を有するポスト部材、及び前記ポスト部材の前記遠位端部から延びているタブ部材を受け入れるための係合ノッチを有するタブ係合部材を有する、第1の配置部材と、を備えている、装置。
(8) 前記作動部材は、ボタン部材を備えている、実施態様7に記載の装置。
(9) 前記第1の曲線形針部材に隣接して取り付けられた第2の曲線形針部材と、前記第1の係合ノッチに隣接する第2の係合ノッチとを更に備えている、実施態様7に記載の装置。
(10) 前記捕捉ノッチは、前記針部材の前記内側表面にある、実施態様7に記載の装置。
【0022】
(11) 前記捕捉ノッチは、前記針部材の前記遠位端部に配置されている、実施態様7に記載の装置。
(12) 創傷閉鎖システムであって、
A.細長創傷閉鎖デバイスを施用するための装置であって、
近位端部と遠位端部とを有する細長ハンドル部材と、
前記ハンドル部材に回転可能に取り付けられ、前記ハンドル部材の前記遠位端部から延びているシャフト部材と、
前記シャフト部材を回転させるように前記ハンドル部材内の直線運動回転運動変換機構を係合するための、前記ハンドル部材に取り付けられている作動部材と、
前記ハンドル部材の前記遠位端部から延びているビーム部材であって、近位端部、遠位端部、長手方向軸線を有する、ビーム部材と、
平面を画定し、近位端部、遠位端部、内側表面、外側表面、捕捉ノッチ、及び前記遠位端部から延びている穿孔先端部を有する曲線形針部材であって、前記曲線形針部材の前記近位端部は、前記針の前記平面が前記ビーム部材の前記長手方向軸線を実質的に横断するように、前記ビーム部材の前記遠位端部に取り付けられている、曲線形針部材と、
前記シャフト部材の前記長手方向軸線を実質的に横断するように前記シャフト部材シャフトの前記遠位端部に取り付けられている配置部材であって、遠位端部を有するポスト部材、及び前記ポスト部材の前記遠位端部から延びている、タブ部材を受け入れるための係合ノッチを有するタブ係合部材を有する、配置部材と、を備えている、装置、並びに、
B.組織創傷閉鎖デバイスであって、
近位端部、遠位端部、両側の外側部表面、上部表面、及び下部表面を有する細長部材と、
前記近位端部から延びている第1のタブ部材であって、鍵穴開口部を有する、第1のタブ部材と、
前記遠位端部から延びている第2のタブ部材であって、開口部を有する、第2のタブ部材と、
前記細長部材の少なくとも1つの表面から延びている複数の棘部材と、を備え、
前記第1のタブ部材の前記鍵穴開口部は、前記第2のタブ部材を通過させ、前記細長部材の一区分を受け入れるように、また前記細長部材の一区分を前記第1のタブ部材内で固定位置にロックするように構成されている、閉鎖デバイスを備えている、システム。
(13) 前記閉鎖デバイスは、吸収性ポリマーを含む、実施態様12に記載のシステム。
(14) 前記閉鎖デバイスは、非吸収性ポリマーを含む、実施態様12に記載のシステム。
(15) 前記鍵穴開口部は、前記第2のタブ部材を受け入れるための第1の開口部と、前記細長部材の一区分をロックするための、前記第1の開口部と連通する第2の開口部とを有する、実施態様12に記載のシステム。
【0023】
(16) 前記棘部材は、各外側部表面の少なくとも一部から延びている、実施態様12に記載のシステム。
(17) 前記棘部材は、前記上部表面から延びている、実施態様12に記載のシステム。
(18) 前記作動部材は、ボタン部材を含む、実施態様12に記載のシステム。
(19) 前記第1の曲線形針部材に隣接して取り付けられた第2の曲線形針部材と、前記第1の配置部材に隣接して取り付けられた第2の配置部材とを更に備えている、実施態様12に記載のシステム。
(20) 前記捕捉ノッチは、前記針部材の前記内側表面にある、実施態様12に記載のシステム。
【0024】
(21) 前記捕捉ノッチは、前記針部材の前記遠位端部にある、実施態様12に記載のシステム。
(22) 実施態様12に記載のシステムを使用して前記2つの組織縁部を接近させる方法であって、
前記近位タブ部材を前記針本体の前記遠位端部に被せてスライドさせ、前記遠位タブ部材を前記タブ係合部材の前記係合ノッチに取り付けることによって、前記組織創傷閉鎖デバイスを前記アプリケータ器具に取り付けることと、
前記器具を前記針部材の一区分を創傷の周りの組織に通して組織経路を形成する方向に回転させることであって、前記組織は、前記針部材の前記遠位穿孔先端部及び少なくとも前記遠位端部並びに前記捕捉ノッチが前記組織の表面を越えて延びているように、前記表面を有している、ことと、
針先端区分及び針遠位区分が前記第2のタブ部材の前記開口部を通って移動するように、前記配置部材を前記針先端区分及び前記針遠位区分に向かって回転させるよう前記作動部材を係合することと、
前記器具及び針を反対方向に回転させ、それによって、前記第2のタブ部材を前記針捕捉ノッチ内に係合させ、前記第2のタブ部材を前記タブ係合部材の前記係合ノッチから係合解除させることと、
前記組織経路を通して、及び前記第1のタブ部材の前記鍵穴開口部を通して、前記第2のタブ部材及び前記細長部材の一区分を移動させることと、
棘部材を有する前記細長部材の一区分を前記第1のタブ部材の前記鍵穴開口部内においてロックすることと、を含む方法。
(23) 前記鍵穴開口部は、前記第2のタブ部材を受け入れるための第1の開口部と、前記細長部材の一区分を受け入れ及びロックするための、前記第1の開口部と連通する第2の開口部とを備え、少なくとも1つの棘を有する前記細長部材の前記区分は、前記第2の開口部内においてロックされる、実施態様18に記載の方法。
(24) 前記アプリケータは、前記第1の曲線形針部材に隣接して取り付けられた第2の曲線形針部材と、前記係合ノッチに隣接して配置された第2の係合ノッチとを更に備え、創傷閉鎖デバイスが各曲線形針部材に取り付けられている、実施態様20に記載の方法。
図1
図2
図3
図4
図5A
図5B
図5C
図6A
図6B
図6C
図6D
図6E
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14