(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、建物の規模が大きいと、設備と識別番号との対応付けにかかる作業負荷が膨大となる。
【0008】
本発明は、設備の識別情報が設備に対応付けして示される設備マップを自動的に生成することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に係る設備マップ生成装置は、建物の見取図に記載され当該建物内における場所を示す名称及び前記見取図上における当該名称の記載位置を抽出する名称位置抽出手段と、前記見取図に示されている各設備の設備画像に基づき前記見取図上における各設備の設置位置を抽出する設備位置抽出手段と、前記建物の各設備の設置場所を示す名称と当該設備の識別情報と
が対応付けして
生成された設備情報を取得する取得手段と、前記設備位置抽出手段により設置位置が抽出された設備と、前記名称位置抽出手段により記載位置が抽出された名称と、の位置関係に基づき、前記設備情報に含まれている設備の識別情報の中から、前記設備位置抽出手段により設置位置が抽出された各設備に対応付ける識別情報を特定することによって、前記建物に設置されている各設備の識別情報が示された設備マップを生成する生成手段と、を有するものである。
【0010】
また、前記生成手段は、前記設備情報に含まれている名称に1つの
設備の識別情報が対応付けられている場合、
前記名称位置抽出手段により抽出された前記見取図上における名称の記載位置と、前記設備位置抽出手段により抽出された前記見取図上における各設備の設置位置と、を参照することにより、前記設備位置抽出手段により設置位置が抽出された設備の中から
、前記設備情報に含まれている
当該名称と同名の名称
であって前記名称位置抽出手段により抽出された名称の記載位置に最近の設備を抽出し、その抽出した設備の設置位置に、前記設備情報において当該名称に対応付けられている
設備の識別情報を対応付けることによって設備マップを生成するものである。
【0011】
また、前記生成手段は、前記設備情報に含まれている名称にn(nは2以上の整数)の
設備の識別情報が対応付けられている場合、
前記名称位置抽出手段により抽出された前記見取図上における名称の記載位置と、前記設備位置抽出手段により抽出された前記見取図上における各設備の設置位置と、を参照することにより、前記設備位置抽出手段により設置位置が抽出された設備の中から
、前記設備情報に含まれている
当該名称と同名の名称
であって前記名称位置抽出手段により抽出された名称の記載位置に近い方からn個の設備を抽出し、その抽出したn個の設備の設置位置を参照に、抽出したn個の設備の設置位置それぞれに対応付ける識別情報を決定するものである。
【0012】
また、前記設備情報には、設備の設置場所を示す名称及び当該設備の識別情報に、当該設備の種類が対応付けられており、前記見取図には、設備の種類毎に異なる設備画像が示されており、前記設備位置抽出手段は、各設備の設置位置に加えて当該設備の種類を抽出するものである。
【0013】
また、前記生成手段により生成された設備マップを編集する編集手段を有するものである。
【0014】
本発明に係るプログラムは、コンピュータを、建物の見取図に記載され当該建物内における場所を示す名称及び前記見取図上における当該名称の記載位置を抽出する名称位置抽出手段、前記見取図に示されている各設備の設備画像に基づき前記見取図上における各設備の設置位置を抽出する設備位置抽出手段、前記建物の各設備の設置場所を示す名称と当該設備の識別情報と
が対応付けして
生成された設備情報を取得する取得手段、前記設備位置抽出手段により設置位置が抽出された設備と、前記名称位置抽出手段により記載位置が抽出された名称と、の位置関係に基づき、前記設備情報に含まれている設備の識別情報の中から、前記設備位置抽出手段により設置位置が抽出された各設備に対応付ける識別情報を特定することによって、前記建物に設置されている各設備の識別情報が示された設備マップを生成する生成手段、として機能させるためのものである。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、設備の識別情報が設備に対応付けして示される設備マップを自動的に生成することができる。
【0016】
また、自動生成した設備マップに不具合が含まれている場合でも、編集により不具合を解消させることができる。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、図面に基づいて、本発明の好適な実施の形態について説明する。
【0019】
図1は、本実施の形態において設備マップを自動生成するためのシステムの全体構成及びブロック構成を示す図である。
図1には、本実施の形態における設備マップ生成装置1と設備管理システム2とがネットワーク3で接続された構成が示されている。設備管理システム2は、建物(施設)に設置されている空調設備や照明設備等各種設備の管理を行うために構築されたシステムであり、1又は複数のコンピュータで形成される。設備マップ生成装置1は、設備マップを生成するために設けられた装置である。設備マップ生成装置1及び設備管理システム2は、建物内に設置されても設備の監視を行うサービスセンタ等に設置されていてもよい。
【0020】
図2は、本実施の形態における設備マップ生成装置1を形成するコンピュータのハードウェア構成図である。本実施の形態において設備マップ生成装置1は、パーソナルコンピュータ(PC)等、従前から存在する汎用的なハードウェア構成で実現できる。すなわち、設備マップ生成装置1は、
図2に示したようにCPU31、ROM32、RAM33、ハードディスクドライブ(HDD)34、入力手段として設けられたマウス35とキーボード36、及び表示手段として設けられたディスプレイ37をそれぞれ接続する入出力コントローラ38、通信手段として設けられたネットワークインタフェース(IF)39を内部バス40に接続して構成される。設備管理システム2も同様にコンピュータで形成されること、そのハードウェア構成は、
図2と同じように図示することができる。
【0021】
図1に戻り、設備管理システム2は、見取図記憶部21、設備表記憶部22及び設備画像情報記憶部23を有している。なお、本実施の形態の説明に用いない構成要素については、図から省略している。
【0022】
見取図記憶部21には、建物の見取図が記憶されている。見取図の一例を
図3に示す。見取図は、建物の立体の全体像がわかるように、見た様子を平面上に描画して形成される。見取図は、電子化されて見取図記憶部21に格納される。
図3には、建物のあるフロアの見取図である。なお、建物には、空調機以外にも種々の設備が設置されており、それら各設備の種類に対応したアイコン画像が見取図に描画されることになるが、本実施の形態では、説明の便宜上、処理対象とする設備として空調機を代表して説明する。そのために、
図3に示す見取図では、空調機以外の設備を省略している。
【0023】
図4は、本実施の形態における設備表記憶部22に予め設定登録される設備表のデータ構成例を示す図である。設備表には、建物の各設備の設置場所を示す名称と、当該設備の種類(以下、「設備種」という)と当該設備の識別番号とが対応付けして生成された設備情報が設定される。
図4における“ホワイエ”などのように、その場所に複数の設備が設置されている場合は、その設置場所に対して複数の識別番号が登録される。なお、
図4には、説明の便宜上、設備種として“空調機”の設定例しか示していないが、その他にも同じ空調設備として“ロスナイ”や異なる設備である“照明”等が設定される。識別番号は、当該設備を識別する識別情報の一例である。
【0024】
図5は、本実施の形態における設備画像情報記憶部23に予め設定登録される設備画像情報のデータ構成例を示す図である。設備画像情報には、各設備の設備画像が登録されている。見取図を生成する際、建物内に設置される設備の設備種に該当する設備画像(「アイコン画像」ともいう)を設備画像情報記憶部23から読み出し、見取図上の該当する設置場所に配置することで、その設備の設置位置は示されることになる。
【0025】
本実施の形態における設備マップ生成装置1は、見取図取得部11、部屋名座標抽出部12、設備座標抽出部13、設備マップ生成部14、編集部15、設備マップ出力部16、部屋名座標情報記憶部17、設備座標情報記憶部18及び設備マップ記憶部19を有している。なお、本実施の形態の説明に用いない構成要素については、図から省略している。
【0026】
見取図取得部11は、設備管理システム2から見取図を取得する。部屋名座標抽出部12は、見取図に記載されている部屋名及び見取図上における当該部屋名の記載位置を抽出し、その抽出した情報を含む部屋名座標情報を部屋名座標情報記憶部17に保存する。なお、
図3に例示した見取図のように、厳密には、部屋以外にも建物内の場所を示す情報として、エレベーター乗場や廊下等が記載されているが、本実施の形態では、「部屋名」と総称して説明する。設備座標抽出部13は、見取図に示されている各設備の設備画像に基づき見取図上における各設備の設置位置を抽出し、その抽出した情報を含む設備座標情報を設備座標情報記憶部18に保存する。設備マップ生成部14は、部屋名座標情報、設備座標情報及び設備表に設定されている情報を参照して設備マップを生成し、設備マップ記憶部19に保存する。編集部15は、設備マップ生成部14により生成された設備マップを編集する。設備マップ出力部16は、設備マップ生成部14により生成された設備マップ、又は編集部15による編集後の設備マップを出力する。なお、部屋名座標情報記憶部17、設備座標情報記憶部18及び設備マップ記憶部19が保存する情報は、設備マップを生成する処理の過程において生成されるので処理の説明と合わせて説明する。
【0027】
設備マップ生成装置1における各構成要素11〜16は、設備マップ生成装置1を形成するコンピュータと、コンピュータに搭載されたCPU31で動作するプログラムとの協調動作により実現される。また、各記憶部17〜19は、設備マップ生成装置1に搭載されたHDD34にて実現される。あるいは、RAM33又は外部にある記憶手段をネットワーク経由で利用してもよい。
【0028】
また、本実施の形態で用いるプログラムは、通信手段により提供することはもちろん、CD−ROMやUSBメモリ等のコンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納して提供することも可能である。通信手段や記録媒体から提供されたプログラムはコンピュータにインストールされ、コンピュータのCPU31がプログラムを順次実行することで各種処理が実現される。
【0029】
前述したように、見取図には、設備の設置位置にその設備のアイコン画像が描画されている。建物内の設備を巡回点検する際には、どの空調機を点検したか、あるいは異常が検出されたかを特定するために、各設備を識別できる平面図を利用するのが望まれる。そこで、本実施の形態では、見取り図から、設備の設置位置に当該設備の識別情報を対応付けして記載された設備マップを自動生成できるようにしたことを特徴としている。このように、「設備マップ」というのは、設備の識別情報を設備の設置位置に対応付けして記載することで設備を個々に識別できるようにした平面図のことをいう。
【0030】
設備マップを生成したいフロアが指定されると、見取図取得部11は、そのフロアの見取図を設備管理システム2から取得する。本実施の形態では、設備管理システム2から電子化された見取図を取得するようにするが、設備管理システム2から取得せずに設備マップ生成装置1が自ら見取図の電子化を行うことで電子化された見取図を取得するようにしてもよい。以下、本実施の形態において、設備マップを生成する処理について
図6に示すフローチャートを用いて説明する。
【0031】
部屋名座標抽出部12は、見取図に記載されている部屋名及び見取図上における当該部屋名の記載位置を抽出し、その抽出した情報を含む部屋名座標情報を生成する(ステップ111)。具体的には、見取図を例えば左上から横方向に、そして右下までラスタスキャンし文字認識処理を行うことで、見取図に記載されている部屋名を抽出する。なお、厳密には、部屋名は描画により形成されているが、本実施の形態では、文字列であることから便宜的に「記載」という表現を用いることにしている。そして、見取り図上における部屋名の記載位置として、見取図の所定の位置(例えば、左上の角)を原点とした2次元座標で表現した場合、抽出した部屋名を囲む領域の座標データ、例えば、領域の左上角の座標データを取得する。本実施の形態では、説明の簡略のために部屋名を囲む領域を部屋名の文字数に関係なく固定の大きさとしたが、文字数に応じて領域の大きさを可変としてもよい。つまり、抽出した文字列(部屋名)の外縁を囲む矩形形状の枠を領域としてしてもよい。また、部屋名の設置位置を示す点は、左上角ではなく、中心点等他の箇所としてもよい。
【0032】
以上のようにして、部屋名座標抽出部12は、見取図から部屋名を抽出し、その抽出した部屋名の座標データを得ると、部屋名に当該部屋名の座標データを対応付けして部屋名座標情報を生成して部屋名座標情報記憶部17に登録する。このようにして部屋名座標情報記憶部17に登録される部屋名座標情報のデータ構成例を
図7に示す。
【0033】
続いて、設備座標抽出部13は、見取図に示されている各設備の設備画像に基づき見取図上における各設備の設置位置を抽出し、その抽出した情報を含む設備座標情報を生成する(ステップ112)。具体的には、設備座標抽出部13は、各設備のアイコン画像を設備管理システム2から取得する。なお、設備マップ生成装置1が設備画像情報を内部に保持してもよい。あるいは、見取図には、設備のアイコン画像の範例が示されているので、見取図から取得してもよい。そして、見取図を例えば左上から横方向に、そして右下までラスタスキャンし画像処理を行い、取得したアイコン画像と照合することで見取図に描画されているアイコン画像を抽出する。アイコン画像を抽出した位置が建物における設備の設置位置に相当するが、見取り図上における設備の記載位置として、部屋名を抽出したときと同じ2次元座標上において、抽出したアイコン画像の座標データ、例えば、アイコン画像の左上角の座標データを取得する。もちろん、部屋名の場合と同様に、設備の設置位置を示す点は、左上角ではなく、中心点等他の箇所としてもよい。
【0034】
以上のようにして、設備座標抽出部13は、見取図から設備のアイコン画像を抽出し、その抽出したアイコン画像の座標データを得ると、アイコン画像に対応する設備種に当該設備の座標データを対応付けして設備座標情報を生成して設備座標情報記憶部18に登録する。このようにして設備座標情報記憶部18に登録される設備座標情報のデータ構成例を
図8に示す。
【0035】
なお、部屋名座標情報及び設備座標情報の生成は、逆の順番で処理してもよいし、並行して処理してもよい。
【0036】
部屋名座標情報及び設備座標情報が生成されると、設備マップ生成部14は、設備表を設備管理システム2から取得する。そして、設備表を参照して以下の処理を行う。すなわち、設備マップ生成部14は、設備表に登録されている設備の設置場所を読み出す(ステップ113)。本実施の形態では、全ての設置場所に対して以下に説明する処理を繰り返し行うことになるので(ステップ114でN)、未処理の設置場所を処理対象として順次読み出すことになる。ここでは、“廊下”を読み出したときの処理について説明すると、設備表を参照して“廊下”の設備種を読み出す(ステップ115)。
図4に示す設定例によると“空調機”を読み出すことになるが(ステップ116でN)、設備マップ生成部14は、続けて“廊下”における設備(“空調機”)に対応する識別番号“AC−3”を読み出す(ステップ117)。なお、ここで読み出される識別番号は、“AC−3”の1つ(n=1)のみである。
【0037】
続いて、設備マップ生成部14は、部屋名座標情報を参照して設置場所“廊下”と同名の部屋名の座標を取得する(ステップ118)。
図7に示す設定例によると、部屋名“廊下”に対応する座標(x9,y9)を取得する。また、見取図に表示されることのない座標を書き込んだ参考図を
図9に示す。
【0038】
続いて、設備マップ生成部14は、設備座標情報における当該設備(“空調機”)の中から部屋名の位置(座標(x9,y9))に最も近い設備の座標を抽出する(ステップ119)。“廊下”の“空調機”には、1つの識別番号“AC−3”しかないので、
図9に示すように“空調機”の座標(x54,y54)が抽出されることになる。
【0039】
このようにして、設備マップ生成部14は、抽出した“空調機”の座標(x54,y54)と識別番号“AC−3”とを対応付ける(ステップ120)。なお、対応付けた設備の座標及び識別番号は後段の処理の対象外とし、処理の高速化を図るようにしてもよい。
【0040】
設置場所“廊下”に関しては、“空調機”以外の設備種は設備表に登録されていないので(ステップ116でY)、次の未処理の設置場所に処理を移行する。
【0041】
設備マップ生成部14は、設備表に登録されている設備の設置場所を読み出す(ステップ113)。ここでは、“ホワイエ” を読み出したときの処理について説明すると、“ホワイエ”には2台の空調機が設置されていることがわかる。続いて、設備マップ生成部14は、設備表を参照して“ホワイエ”の設備種を読み出す(ステップ115)。
図4に示す設定例によると“空調機”を読み出すことになるので(ステップ116でN)、“ホワイエ”における設備(“空調機”)に対応する識別番号“AC−1”及び“AC−2”を読み出すことになる(ステップ117)。このように設備箇所によって複数の識別番号が読み出される場合がある。
【0042】
続いて、設備マップ生成部14は、部屋名座標情報を参照して設置場所“ホワイエ”と同名の部屋名の座標を取得する(ステップ118)。
図7に示す設定例によると、部屋名“ホワイエ”に対応する座標(x4,y4)を取得する。
【0043】
そして、設備マップ生成部14は、設備座標情報における当該設備(“空調機”)の中から部屋名の位置(座標(x4,y4))に近い方からn(ここでは、n=2)個の設備の座標を抽出する(ステップ119)。
図9に示す参考図によると、“空調機”の座標(x51,y51)及び(x52,y52)が抽出されることになる。ここで、“ホワイエ”の“空調機”には、2つの識別番号“AC−1”,“AC−2”が読み出されているので、座標(x51,y51)に対応する空調機の識別番号は、“AC−1”であるのか“AC−2”であるのか、この時点では特定できない。
【0044】
そこで、本実施の形態では、抽出した設備の設置位置、つまり“空調機”の座標(x51,y51)及び(x52,y52)を参照して自動的に対応付けるようにした。
【0045】
前述したように、本実施の形態では、見取図を左上から横方向に、そして右下までラスタスキャンしてアイコン画像を抽出するようにした。つまり、座標(x51,y51)に対応する空調機が先に位置が特定される。ところで、設備表からわかるように、本実施の形態では、同じ設備種に対して連番を付けることで識別番号を生成している。また、同じフロアにおいて、見取図を左上から横方向に、そして右下まで捜査した場合、先に検知できる空調機から順番に連番を付けるという命名規則に従って識別番号を付けている。このような条件の下では、座標(x51,y51)に対応する空調機に対応する識別番号は、“AC−1”と特定できる。設備マップ生成部14は、このような命名規則とアイコン画像の座標とに基づき1つの部屋にある空調機に対して識別番号を対応付ける(ステップ120)。すなわち、ホワイエにおいては、座標(x51,y51)に対応する空調機の識別番号は“AC−1”と、座標(x52,y52)に対応する空調機の識別番号は“AC−2”と対応付ける。
【0046】
なお、このような方法で部屋名と設備画像との位置を対応付ける場合、各位置は、部屋名の領域やアイコン画像の左上の角ではなく中心点の座標で示すようにするのが好適である。
【0047】
設置場所“ホワイエ”に関しては、“空調機”以外の設備種は設備表に登録されていないので(ステップ116でY)、次の未処理の設置場所に処理を移行する。
【0048】
本実施の形態においては、以上のようにして各設置場所の各設備に対して識別番号を対応付ける。そして、全ての設置場所に対して前述した処理を行うと(ステップ114でN)、設備マップ生成部14は、各設備の設置位置に対応付けられた識別番号が記載された設備マップを生成し(ステップ121)、生成した設備マップを設備マップ記憶部19に保存する。
【0049】
以上のようにして設備マップが生成されると、設備マップ出力部16は、設備マップを出力する。出力先としては、ディスプレイ37、HDD34、あるいはネットワーク3を介して設備管理システム2など他の装置へ送信してもよい。送信方法は、電子メールなど種々の方法を利用してよい。
【0050】
図10は、以上のようにして生成された設備マップの表示例を示す図である。
図10に示すように、各設備には識別番号が対応付けして表示される。
図10に示す表示例によると、識別番号は、部屋を仕切る線と重ならないように設備画像の下若しくは右下に位置付けされているが、設備との対応関係がわかれば、その位置はこれに限る必要はない。また、本実施の形態では、見取図と同様に設備画像を表示したが、例えば、設備画像の表示形態を変えてもよい。例えば、表示色を薄くし、その設備画像に重畳させて識別番号が表示されるようにしてもよい。あるいは、設備画像を省略して、設備画像の表示位置に識別番号が表示されるようにしてもよい。
【0051】
ところで、本実施の形態において設備マップを生成する際、見取り図上における部屋名の位置と設備の位置との位置関係に基づき、設備と識別番号とを対応付けるようにした。より詳細には、部屋名の記載位置に最近に設置されている設備を抽出するようにした。ただ、例えば、見取図において部屋名が部屋の中心に記載されているとは限らず、偏った位置に記載される場合もある。また、設備が部屋の中心ではなく隣室との間の壁近傍に設置される場合もある。このような見取図を想定すると、部屋名の位置と設備の位置との位置関係から設備と識別番号とが常に正しく対応付けられるとは言い切れない。
【0052】
そこで、このような不具合をより解消しやすいように、設備マップを生成する際、ステップ113において設備表から設置場所を読み出す順番に優先順位を付けるようにしてもよい。
【0053】
例えば、設備表から同一種の設備が1つのみしかない設置場所から優先的に処理を行う。部屋と設備とが1対1の関係となる場合、見取図において部屋名とアイコン画像とは近い位置関係にあると考えられるからである。
【0054】
また、ステップ119においては、部屋名と設備とを対応付ける際、部屋名の位置に近い設備を抽出するようにした。これは、部屋名の位置(座標)を中心とした円を拡げながら設備を探索するような処理に等しい。ただ、建物内における会議室や応接室等部屋の多くは、見取り図上、矩形領域で表される。従って、見取図から矩形領域を抽出し、ステップ119において設備座標情報の中から設備の座標を抽出する際、部屋名を囲む矩形領域内にある設備の座標のみを抽出対象と絞り込むようにしてもよい。
【0055】
あるいは、ホワイエのように矩形領域で範囲を特定できないような場所も存在しうるが、前述した場所を矩形領域で特定できる部屋から優先的に処理するようにしてもよい。そして、ホワイエのように矩形領域で範囲が特定できない場所は、その後に処理することで誤って対応付けてしまう確率を下げるようにしてもよい。
【0056】
本実施の形態においては、以上のようにして設備マップを自動生成するが、それでもなお設備と識別番号との対応付けを正確にできない場合も想定しうる。そのため、本実施の形態では、編集部15を設けている。すなわち、編集部15は、設備と識別番号との対応付けが正しくない場合、その対応付けを編集により設備マップ生成部14が生成した設備マップを修正できるようにした。
【0057】
なお、本実施の形態では、設備マップ生成装置1を単体の装置で形成するようにしたが、複数のコンピュータで実現してもよいし、設備マップ生成装置1の構成要素の全部又は一部を設備管理システム2等他の装置に組み入れて構成してもよい。