特許第6804501号(P6804501)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6804501移動している物体に関連付けられた通信デバイスへメッセージを送るための方法およびプラットフォーム
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  • 特許6804501-移動している物体に関連付けられた通信デバイスへメッセージを送るための方法およびプラットフォーム 図000002
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6804501
(24)【登録日】2020年12月4日
(45)【発行日】2020年12月23日
(54)【発明の名称】移動している物体に関連付けられた通信デバイスへメッセージを送るための方法およびプラットフォーム
(51)【国際特許分類】
   H04W 4/14 20090101AFI20201214BHJP
   H04W 64/00 20090101ALI20201214BHJP
   H04M 11/00 20060101ALI20201214BHJP
【FI】
   H04W4/14
   H04W64/00
   H04M11/00 302
【請求項の数】11
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2018-186585(P2018-186585)
(22)【出願日】2018年10月1日
(62)【分割の表示】特願2016-537255(P2016-537255)の分割
【原出願日】2014年8月26日
(65)【公開番号】特開2019-13045(P2019-13045A)
(43)【公開日】2019年1月24日
【審査請求日】2018年10月31日
(31)【優先権主張番号】13290202.4
(32)【優先日】2013年8月29日
(33)【優先権主張国】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】391030332
【氏名又は名称】アルカテル−ルーセント
(74)【代理人】
【識別番号】100094112
【弁理士】
【氏名又は名称】岡部 讓
(74)【代理人】
【識別番号】100106183
【弁理士】
【氏名又は名称】吉澤 弘司
(72)【発明者】
【氏名】ヴァンデルフルスト,ヘルト
【審査官】 吉村 真治▲郎▼
(56)【参考文献】
【文献】 特開2013−038721(JP,A)
【文献】 特開2004−096501(JP,A)
【文献】 国際公開第2012/143301(WO,A1)
【文献】 特表2013−507014(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/24− 7/26
H04W 4/00−99/00
H04M 11/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動している物体に関連付けられた通信デバイスを識別するための方法であって、
前記移動している物体の第1の位置経路を第2のパーティが第1のパーティから受信するステップであって、前記第1のパーティが前記移動している物体のアイデンティティを知らないステップと、
前記第2のパーティによって、追跡されている通信デバイスの位置経路のセットを取得するステップと、
前記第2のパーティによって、前記第1の位置経路を、前記セットからの位置経路と比較するステップと、
第2の位置経路が、前記第1の位置経路と実質的に同じであれば、前記第2のパーティが、前記セットから通信デバイスの前記第2の位置経路を選択するステップと、
前記第2のパーティが、前記第2の位置経路に沿って移動した通信デバイスを前記移動している物体に関連付けるステップと、
を備える方法。
【請求項2】
前記第1の位置経路は、カメラ・グリッドによって決定される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第2のパーティがネットワーク・セルを備えるワイヤレス通信ネットワークによって追跡されている通信デバイスの位置経路のセットを決定するステップをさらに備える、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記第2のパーティが前記追跡されている通信デバイスから、前記追跡されている通信デバイスの位置ポイントを受信するステップをさらに備える、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記第2のパーティが、前記第2の位置経路に沿って移動した通信デバイスのアドレシング情報を取得するステップをさらに備える、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記第2のパーティは位置ベースのサービスを動作させ、前記第2の位置経路に沿って移動した通信デバイスが前記第2のパーティに加入している場合に前記アドレシング情報が前記第2のパーティによって取得される、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記第2のパーティが、前記アドレシング情報を使用して前記第2の位置経路に沿って移動した通信デバイスに第1のメッセージを送信するステップをさらに備える、請求項5に記載の方法。
【請求項8】
前記第2の位置経路に沿って移動した通信デバイスと前記移動している物体とが、互いに物理的に接続される、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記移動している物体は車両である、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記カメラ・グリッドはドローンによって運ばれる、請求項2に記載の方法。
【請求項11】
前記第2のパーティが前記第1のパーティから第2のメッセージを受信するステップと、
前記第2のパーティが、前記アドレシング情報を使用して前記第2の位置経路に沿って移動した通信デバイスに前記第2のメッセージを中継するステップと
をさらに備える、請求項5に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に、移動している物体に関連付けられた通信デバイスの識別に関する。本発明は、さらに、識別された通信デバイスへのメッセージの配信に関する。通信デバイスは、たとえば、徒歩、バイク、または自動車によって移動している人によって持ち運ばれる携帯電話、スマートフォン、またはタブレットであり得る。移動している物体はまた、自動車またはその他任意の移動中の機器など、機械的なデバイス自体であり得る。そして、通信デバイスは、たとえば、SIMカード、したがって、モバイル通信のための機能が装備された車載コンピュータのような機械的なデバイスの一部であり得る。
【背景技術】
【0002】
監視システムまたはその他のモニタリング・システムは、監視エリアまたはモニタ・エリアにおける人および物体の識別を可能にする。いくつかの状況では、たとえば、SMSのようなメッセージを、そのエリアを歩いている観察される人のモバイル・デバイスへ送ることが所望され得る。そのような状況は、人が自分のものを忘れた場合、または、人々が向かう方向における、たとえば、突然の暴動やフーリガンのような危険な状況に関して、彼らに警告がなされねばならない場合に生じ得る。たとえば、セルラ機能が装備された車の車載コンピュータへのように、車またはその他任意の車両に搭載された通信デバイスへ、メッセージを送ることもまた所望され得る。これらの状況における問題は、たとえば、電話番号または電子メール・アドレスなどの、通信デバイスの識別情報を取得することである。
【0003】
そのような状況におけるモバイル・デバイスおよび通信デバイスを識別し、メッセージを送るためのいくつかの解決策が存在する。米国特許出願公開第2003/0013466A1号において提案された第1の解決策は、指定されたエリア内の複数のユーザへのメッセージの同時配信のために設計されたセル・ブロードキャストを用いることによる。言い換えれば、オペレータは、特定のセル・タワーの範囲内、したがって、特定のエリア内のすべてのユーザへテキスト・メッセージを送ることができる。しかしながら、短所は、たとえば、人々または物体の移動経路に基づいて、人々と物体とを区別するための手段が無いことである。さらなる短所は、ブロードキャスト境界、それ故に、特定の人をアドレシングする精度が、エリアをカバーする利用可能な無線ビーコンの数および範囲に大きく依存することである。
【0004】
別の解決策は、人を識別するために、公衆カメラを、顔認識アルゴリズムと組み合わせて使用する。このシステムは、その後、データベースにおいて、人に関連付けられた携帯電話番号を検索し、ターゲットとされた1人または複数の人にテキスト・メッセージを送る。この解決策の短所は、人の電話番号、写真、および名前のような個人詳細が、モニタリング・システムまたは監視システムに知られなければならず、人のプライバシーを危険に晒すことである。この解決策のさらなる短所は、カメラによって識別され得る人および物体のみに適用可能であることであり、たとえば、人の顔または車のナンバー・プレートが、カメラ映像の中でクリアに見えることが必要であり、そのようなことは常にある訳ではないことである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】米国特許出願公開第2003/0013466A1号
【非特許文献】
【0006】
【非特許文献1】「A Camera−based System for Tracking People in Real Time」、Jakub SegenおよびSarma Pingali、ベル研究所、1996年
【非特許文献2】「Tracking Multiple People with a Multi−camera System」、Ting−Hsun ChangおよびShaogang Gong、2001年
【非特許文献3】「Intuitive Network Applications: Learning User Context and Behavior」、Nilton Bilaら、ベル研究所技術ジャーナル、2008年
【非特許文献4】http://www.alcatel−lucent.com/solutions/lightradio
【非特許文献5】「Wireless sensor network localization techniques」、Guoqiang Maoら、The International Journal of Computer and Telecommunications Networking、第51巻、テーマ10、2529〜2553頁、2007年7月
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は、移動している物体に関連付けられた通信デバイスへメッセージを送るための方法を提供することによって、前述した短所を克服することであり、この方法は、いくつかのステップを備える。第1のステップでは、第1のパーティが、移動している物体の第1の位置経路を取得し、それを第2のパーティへ送る。この第2のパーティは、追跡されている通信デバイスの第2の位置経路のセットを取得し、このセットからの位置経路と第1の位置経路とを比較する。第2のパーティは、その後、選択された通信デバイスの、このセットから選択された位置経路が、第1の位置経路と実質的に同じであれば、この選択された位置経路を選択する。最後に、第2のパーティは、選択された通信デバイスへ、メッセージを送る。
【課題を解決するための手段】
【0008】
物体は、たとえば、電話、スマートフォン、タブレット、またはポータブル・コンピュータなどのモバイル通信デバイスを持ち運びながら歩いている人であり得る。このケースでは、第1の位置経路は、この人が、ある時間間隔内に歩いた進路を備える。物体は、人およびその人のモバイル通信デバイスを運んでいる車または自転車などの物理的な物体でもあり得る。第1の位置経路は、その後、人によって定義された進路ではなく、物理的な物体の進路によって定義される。通信デバイスはまた、移動している物体に取り付けられ得る。たとえば、車には、セルラまたはその他のワイヤレス通信手段を用いた車載通信モジュールが装備され得る。この観点において、「関連付けられた」という用語は、通信デバイスと、移動している物体とが、第1の位置経路が取得される観察された時間間隔において、実質的に同じ位置経路を移動することを意味する。選択された位置経路はその後、同じ時間間隔中に移動している物体に関連付けられた通信デバイスの進路となる。第2の位置経路のセットはその後、第1のパーティによって観察されたエリアと同じエリア内に位置する通信デバイスの位置経路となる。第1のパーティが、移動している物体の位置に関する情報を収集する一方、第2のパーティは、移動している物体に関連付けられた通信デバイスの位置に関する情報を収集する。第2のパーティはまた、選択された通信デバイスへメッセージを送ることができるように、追跡されている通信デバイスのアドレシング情報を取得するための手段を備える。
【0009】
これら2つのパーティによって使用される位置特定技術の精度の違いによって、第1の位置経路と、選択された位置経路とは、数センチから数メータあるいはそれ以上異なり得る。したがって、選択された経路は、第2の経路のセットから、第1の経路に最も類似するように、実質的に同じものが解釈されねばならない。これを決定するために、たとえば、2つの試行がたとえば80%類似しており、実質的に同じであると考えられる、と決定するヒューリスティック・アルゴリズムが使用され得る。適切な一致を検出するこのアルゴリズムの能力は、移動している物体の数に関連するような所与の期間における類似の経路の数に依存するであろう。
【0010】
識別が位置経路によって純粋になされると、人を実際に識別するために人または通信デバイスに関する電話番号、写真、またはアドレスなどの個人情報が、第1のパーティによって必要とされないことが利点である。したがって、第1および第2のパーティは、ユーザまたはユーザのデバイスのアイデンティティに関するあらゆる情報を交換しないので、通信デバイスのユーザまたは所有者のプライバシーが保護される。
【0011】
位置経路が、物体の識別のために使用されるので、この方法は、顔認識アルゴリズムを用いる場合のように、人によって持ち運ばれるモバイル・デバイスのアドレシングに限定されない。移動しているすべての物体は、関連付けられた通信デバイスを有している限り、アドレスされ得る。
【0012】
オプションとして、この方法は、以下の追加ステップ、すなわち、
− 第2のパーティによって、第1のパーティへ、第1の位置経路と選択された位置経路とが実質的に同じであることを通知するステップと、
− 第1のパーティによってメッセージを生成するステップと、
− 第1のパーティから第2のパーティへ第1のメッセージを送るステップと、
を備え得る。
【0013】
このように、第1のパーティは、メッセージが、第2のパーティによって、移動している物体に関連付けられた通信デバイスへアドレスされ得るか否かを認識する。これによって、第1のパーティは、メッセージの配信のために、代替的なオプションを用いることが可能となる。たとえば、第2のパーティと同じ機能を異なる技術によって提供する第3のパーティへ、第1の経路を送ることによる。
【0014】
好適な実施形態によれば、第1の位置経路は、各々が時間内のある瞬間における、移動している物体の位置を備える、第1の位置ポイントを備える。第2の位置経路のセットの各々は、各々が時間内のある瞬間における、追跡されている通信デバイスのうちの1つの位置を備える、第2の位置ポイントを備える。
【0015】
これによって、時間の関数として、単純なポイントのセットによって位置経路を定義し、位置経路の交換を単純かつ容易にすることが可能となる。
【0016】
好適には、第2のパーティは、ネットワーク・セルを備えるワイヤレス通信ネットワークを動作させる。追跡されている通信デバイスは、その後、前記ネットワーク・セルによって検出可能となる。
【0017】
このワイヤレス通信ネットワークは、たとえば、ワイヤレスLAN(WLAN)であるか、Zigbeeネットワークであるか、または、たとえばGSM、UMTS、LTE、3G、4Gもしくはその他任意のセルラ・ネットワークなどのセルラ・ネットワークであり得る。これらのワイヤレス・ネットワークは、ゾーンを分割し、オーバラップしているネットワーク・セルに第1の位置経路を備える。通信デバイスが、ネットワーク・セルのうちの1つの内部に位置していると、メッセージが、識別された通信デバイスへアドレスされ、したがって、ワイヤレス通信ネットワークに知られるようになる。その後、メッセージは、たとえば、SMS、MMS、または電子メールとしてフォーマットされ得る。
【0018】
第2のパーティが、ワイヤレス通信ネットワークを動作させると、第2のパーティは、メッセージを通信デバイスへ送るために、この通信デバイスのアドレシング情報を容易に取得し得る。
【0019】
実施形態によれば、第2の位置ポイントを取得するステップは、追跡されている通信デバイスのために、ワイヤレス通信ネットワークによって提供される位置特定技術を用いて、ネットワーク・セル内の追跡されている通信デバイスの位置を計算するステップを備える。
【0020】
これは、追跡されている通信デバイスの位置特定のために追加のハードウェアが必要とされないので、前述した方法の容易な実施を可能にする。ほとんどのワイヤレス通信ネットワークは、ネットワークに接続された通信デバイスの位置特定のための内蔵機能を既に有している。
【0021】
そのような位置特定技術の1つの例は、ほとんどのワイヤレス通信ネットワークおよびワイヤレス通信デバイスによってサポートされているセル三角測量である。その位置およびセル・カバレージ・エリアが知られているネットワーク・ノード(たとえば、セル・タワーまたはWiFiアクセス・ポイント)の信号を受信するステップは、粗い位置推定を提供する。信号強度、パケットの往復時間、または到着角度を測定するステップなど、通信デバイスとワイヤレス・ネットワーク・ノードとの間の距離を推定するために、いくつかの技術もまた使用され得る。複数のセルからの位置情報を組み合わせることは、典型的には、ますます正確な位置推定に至る。
【0022】
あるいは、第2のパーティはまた、加入されたユーザの通信デバイスから位置座標を受け取る、位置ベースのサービスをも動作させ得る。ユーザの加入によって、メッセージをアドレスするためのアドレス情報が、第2のパーティに知られる。その後、第2の位置が、たとえば、ユーザの通信デバイスに搭載されたモバイル・アプリケーションによって、通信デバイス自体によって登録される。第2の位置ポイントを取得するステップはその後、通信デバイスに備えられたGPSモジュールによって行われ得る。第2の位置経路は、その後、タイムスタンプとともに一連のGPS座標として第2のパーティへ送られる。
【0023】
さらに好適な実施形態によれば、第1の位置経路は移動している物体を追跡するために、使用されるカメラ・グリッドから取得される。
【0024】
カメラ・グリッドは、典型的には、安全性およびモニタリング・アプリケーションにおいて使用され、通り、市場、都市、またはイベントが開催されるエリアなどの大きなエリアをカバーし得る。そのようなカメラ・グリッドは、監視またはモニタされているエリアにおいて移動しているすべての人または物体の位置経路のセットを取得し得る。その後、人またはアルゴリズムは、メッセージがアドレスされるべき人または物体を選択し得る。カメラ・グリッドから取得されたこの人または物体の位置経路は、そのように、第1の位置経路に相当する。
【0025】
本発明はまた、請求項11において特許請求されるように、第2のパーティによって動作されるプラットフォームに関する。このプラットフォームは、前述した方法の第2のパーティによって、各ステップを実行するように適合される。
【0026】
同様に、本発明はまた、請求項10において特許請求されるように、第1のパーティによって動作されるプラットフォームに関する。このプラットフォームは、前述した方法の第1のパーティによって、各ステップを実行するように適合される。
【0027】
第1および第2のパーティが同じであり得ることが注目されるべきである。たとえば、ワイヤレス通信ネットワークのオペレータはまた、カメラ・グリッドを動作させ、位置経路によって、カメラ・グリッドから、移動している物体を識別し、そのワイヤレス通信ネットワークを介して、通信デバイスへメッセージをアドレスし得る。
【図面の簡単な説明】
【0028】
図1】本発明の好適な実施形態に従って通信デバイスへメッセージを送るステップを例示する図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
図1は、本発明の好適な実施形態に従って、移動している物体16に関連付けられた通信デバイス17へメッセージを送るステップを例示する。第1のパーティ1は、公共エリア20を監視するカメラ12のグリッドを備えるプラットフォームを動作させる。これらのカメラは、通りやビルディングに沿った柱に搭載され得るか、ドローンによって運ばれ得、通過している人々や物体の上方からのトップ・レベル映像を返し得る。これらのカメラの位置のみならず、これらの間の距離や、視野も知られているので、カメラ・グリッドの視野内の物体18の位置が計算され得る。カメラ映像を分析するソフトウェアが、その後、移動している物体18およびその経路14を検出する。これらは、位置座標とタイムスタンプのセットとして記憶される。タイムスタンプは、移動している物体18が、時間におけるどの瞬間に、対応する位置座標に存在していたのかを示す。
【0030】
カメラ映像からそのような第1の位置経路14を取得するステップ7のための異なるアルゴリズムが、本技術分野において知られている。そのような1つのアルゴリズムは、1996年のパターン認識に関する国際会議の会報において公表されたベル研究所のJakub SegenおよびSarma Pingaliによる「A Camera−based System for Tracking People in Real Time」に記載されている。他のそのようなアルゴリズムは、2001年のマルチ・オブジェクト・トラッキングに関するIEEEワークショップの会報において公表されたTing−Hsun ChangおよびShaogang Gongによる「Tracking Multiple People with a Multi−camera System」に記載されている。
【0031】
これら第1の位置経路14はその後、監視室のモニタに表示され得る。ここでは、たとえばセキュリティ会社の従業員であるユーザが、移動している物体に関連付けられた通信デバイス19へメッセージを配信することを意図して、これら第1の位置経路14から、第1の位置経路3を選択する。移動している物体が人であれば、通信デバイスは、たとえば、人によって持ち運ばれる携帯電話、スマートフォン、またはタブレットであり得る。通信デバイスはまた、たとえば車、モータバイク、またはその他任意の車両などの物体に搭載された通信デバイスであり得る。あるいは、この第1の位置経路3はまた、移動している物体18を、カメラ映像または第1の位置経路14から自主的に選択するコンピュータ・アルゴリズムによって取得され得る。この選択するステップは、その後、たとえば、2008年のベル研究所技術ジャーナルで公表されたNilton Bilaらによる「Intuitive Network Applications: Learning User Context and Behavior」に記載されたような事前設定された挙動ルールに基づき得る。
【0032】
その後、第1のパーティ1は、第1の位置経路3を第2のパーティ2へ送る9。この第2のパーティは、第1のパーティ1から受け取った位置データを、移動している物体16に関連付けられた通信デバイス17の1つまたは複数のユニークなデバイス識別子へマップし得る。第2のパーティ2は、その後、通信デバイス17または通信デバイスの所有者の何れの真のアイデンティティも明かさずに、第1のパーティのメッセージを通信デバイス17へ中継する。このマッピングおよび中継は、第2のパーティが用いているまたは動作しているプラットフォームに依存して、異なる方式でなされ得る。
【0033】
第1の好適な実施形態によれば、第2のパーティは、第1のパーティ1と同じ公共エリア20で動作するセルラ・ネットワーク・オペレータである。その後、公共エリア20は、セルラ・ネットワーク・オペレータによって動作されるアンテナによって定義されたオーバラップするネットワーク・セル13により大部分カバーされる。通信デバイス19はその後、ネットワーク・セル13によって検出可能となり、ネットワーク・オペレータは、これらセルのうちの1つに接続されたデバイスから識別情報を得ることができる。デバイスが、これらセルのうちの1つに接続されているのであれば、ネットワーク・オペレータはまた、SMSまたはMMSなどのメッセージを、接続された通信デバイスのうちの1つへ送り得る。
【0034】
ネットワーク・オペレータはその後、時間における異なる瞬間において、通信デバイスの位置座標またはポイントを取得することによって、セル13のうちの1つに接続されたデバイスから、第2の位置経路6のセットを取得する8であろう。セルラ・ネットワーク・セルに接続された通信デバイスの位置を取得するための、別の解決策が存在する。
【0035】
位置を取得するための1つの手法は、セル三角測量を用いることによる。この既知の技術は、通信デバイス19から、1つまたは複数のセル13の1つまたは複数のアンテナへの信号の移動時間を用いる。通信デバイスが通信しているアンテナの数に依存して、通信デバイスの位置が、ある程度の精度で決定され得る。
【0036】
位置を取得するための別の手法は、セルidまたはセル識別番号を用いることによる。このケースでは、通信デバイス19の位置は、通信デバイスが接続されているセルの位置であると考えられる。そして、精度はセルのサイズに依存し、したがって、たとえば、http://www.alcatel−lucent.com/solutions/lightradioに記載されたようなlightRadioキューブによって動作されるセルのような小さなセルを用いることが有利である。セルの位置、つまり、通信デバイスの位置を取得するために、GoogleのGeolocation APIが使用され得る。
【0037】
使用され得る接続された通信デバイスの位置を取得するための詳細な技術は、2007年7月のThe International Journal of Computer and Telecommunications Networkingの51巻、テーマ10、2529〜2553ページにおいて公表されたGuoqiang Maoらによる「Wireless sensor network localization techniques」に記載されている。
【0038】
セルラ・ネットワーク・オペレータは、その後、第1のパーティ1から受け取られた第1の位置経路3を、ネットワーク・セル13に接続された通信デバイスの第2の位置経路6のセットと比較する。ネットワーク・オペレータが、第2の位置経路、すなわち、第1の位置経路と実質的に同じである選択された位置経路5を発見すると、この選択された位置経路の通信デバイス17が、第1の位置経路3を移動している移動中の物体16に関連付けられていると仮定される。
【0039】
セルラ・ネットワーク・プロバイダはその後、第1の位置経路3に一致する位置経路5が発見されたことを第1のパーティに通知する10。第1のパーティ1は、その後、メッセージをネットワーク・プロバイダへ送る。ネットワーク・プロバイダは、自分の番において、このメッセージを通信デバイス17へ送る。このケースでは、第2のパーティ2がセルラ・ネットワーク・プロバイダであるので、メッセージは、たとえば、SMS、MMS等のようなセルラ通信手段によって配信される。この通知を送るステップは、オプションであり得る。メッセージはまた、第1の位置経路を送るステップ9とともに、セルラ・ネットワーク・プロバイダへも送られ得る。セルラ・ネットワーク・プロバイダはその後、第1のパーティに通知することなく、メッセージを、選択された通信デバイス17へダイレクトに送る。
【0040】
代替実施形態によれば、第2のパーティ2はまた、位置ベースのサービスであり得る。このケースでは、通信デバイス17の位置は、たとえば、通信デバイス内のGPSモジュールからGPS座標を収集することによって、通信デバイス自体によって収集される。通信デバイスはその後、位置ベースのサービス、すなわち、位置ベースのサービスによって動作されるサーバへ、位置を転送する。位置ポイントを収集し転送するステップは、通信デバイスに搭載され、位置ベースのサービスによって提供されるアプリエーションによって行われ得る。位置ベースのサービスはその後、位置ベースのサービスに加入している通信デバイスから、すべての位置ポイントまたは座標を収集し、通信デバイス19の位置経路6のセットを取得する。位置ベースのサービスはその後、前述したようにセルラ・ネットワーク・プロバイダによってなされるものと同様な手法で、選択された位置経路を取得する。
【0041】
通信デバイス17のユーザが、位置ベースのサービスに加入しているので、メッセージを送るためのユーザの識別情報は、位置ベースのサービスにも知られる。この情報は、たとえば、電話番号または電子メール・アドレスであり得る。経路を取得するため、および、メッセージを通信デバイスへ送るために、位置ベースのサービスを用いることの利点は、いくつかのワイヤレス通信技術にわたって動作できることである。位置ベースのサービスは、セルラ・ネットワークのみならず、WiFiまたはその他任意のワイヤレス・ネットワークを介して通信デバイスと位置情報を交換し得る。位置経路のセットからの通信デバイスの選択はその後、セルラ・ネットワーク・オペレータに関するものと同様な手法で実行される。結局、位置ベースのサービスは、識別情報を用いて通信デバイスへメッセージを送る。
【0042】
さらなる代替実施形態によれば、第2のパーティ2は、たとえば、ホット・スポットを備えるWiFiネットワークのオペレータのような、任意のセル・ベースのワイヤレス・ネットワーク・オペレータであり得る。第2のパーティがセルラ・ネットワーク・オペレータである実施形態と同様に、通信デバイスはその後の、ホット・スポットの範囲によって定義されるセル13に接続される。通信デバイス19の位置はその後、WiFiホット・スポットの位置によって取得され得るか、または、サポートされているのであれば、セルラ・ネットワークのためのセルラ三角測量に類似した技術によって取得され得る。ワイヤレス・ネットワーク・オペレータはその後、通信デバイスのユーザが、ワイヤレス・ネットワーク・オペレータによって提供されているインターネット・サービスに加入している場合、電子メール・アドレスまたは電話番語を要求することによってホット・スポットへ登録する場合に、通信デバイスのアドレシング情報を取得する。
【0043】
上記実施形態では、第1の位置経路3を送るステップ9は、第1のパーティ1が、予め定義された数の{位置座標、タイムスタンプ}ペアを収集し、それを第2のパーティ2へ送る静的な処理として記載されている。第2のパーティ2によって一致が発見された場合、メッセージが配信される。あるいは、この送るステップはまた、第1のパーティ1が、移動している物体の{位置座標、タイムスタンプ}ペアのライブ・ストリームを送る動的な手法でもなされ得る。第2のパーティは、その後、一致が発見されるまで、経路6と比較するステップを再実行する。
【0044】
本発明は、特定の実施形態に対する参照として記載されているが、本発明は、前述した例示的な実施形態の詳細に限定されず、本発明は、その範囲から逸脱することなく、様々な変形および修正を伴って具体化され得ることが当業者に明らかになるであろう。したがって、本実施形態は、すべての態様において、例示的であり、限定的ではないと考えられ、本発明の範囲は、前述した記載ではなく、添付された特許請求の範囲によって示され、請求項の均等物の意味および範囲内にあるすべての変形が、請求項に含まれることが意図されている。言い換えれば、基本的な根本をなす原理の範囲内にあり、その本質的な属性が本特許出願において特許請求されている任意およびすべての修正、バリエーション、および均等物をカバーすることが考慮される。さらに、「備えている」または「備える」という用語が、他の要素またはステップを除外しないこと、「a」または「an」は、複数を除外しないこと、および、コンピュータ・システム、プロセッサ、または他の統合ユニットなどの単一要素が、請求項に記載されたいくつかの手段の機能を達成し得ることが、本特許出願の読者によって理解されるであろう。請求項における何れの参照符号も、関連する各請求項を限定するものとして解釈されないものとする。「第1」、「第2」、「第3」、「a」、「b」、「c」等の用語は、詳細説明において、または、請求項において使用されている場合、類似の要素またはステップを区別するために導入されており、必ずしも連続的または時間順に記載している訳ではない。同様に、「先頭」、「末尾」、「の上方」、「の下」等の用語は、説明目的のためであって、必ずしも相対的な位置を示すために導入されてはいない。そのように使用される用語は、適切な環境の下で相互置換可能であり、本発明の実施形態は、上記に記載または例示されたものとは異なる他のシーケンスまたは向きで、本発明に従って動作することが可能であることが理解されるべきである。
図1