(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
電子部品を収納する部品収納テープが巻回されたテープリールを有するリール装置と、前記リール装置から送られる前記部品収納テープに収納された前記電子部品を前記部品収納テープから取り出し可能に露出させるテープ処理装置とを備え、前記リール装置が前記テープ処理装置に装着される構成を有する電子部品供給装置における前記リール装置を、電子部品を基板へ実装する部品実装装置の部品供給部に配置され前記テープ処理装置を保持する保持台車へ搬送する搬送台車であって、
前記リール装置を保持する台車本体と、
前記台車本体又は前記保持台車のいずれか一方に搭載される基準マークと、
前記台車本体又は前記保持台車のいずれか他方に搭載され、前記基準マークを検出する読み取り装置と、を備え、
前記基準マークを前記読み取り装置が検出することによって、前記台車本体が前記保持台車に位置決めされることを特徴とする搬送台車。
電子部品を収納する部品収納テープが巻回されたテープリールを有するリール装置と、前記リール装置から送られる前記部品収納テープに収納された前記電子部品を前記部品収納テープから取り出し可能に露出させるテープ処理装置とを備え、前記リール装置が前記テープ処理装置に装着される構成を有する電子部品供給装置における前記テープ処理装置を保持し、電子部品を基板へ実装する部品実装装置の部品供給部に配置される保持台車と、
前記リール装置を前記保持台車へ搬送する搬送台車と、
前記リール装置を保持する台車本体と、
前記台車本体又は前記保持台車のいずれか一方に搭載される基準マークと、
前記台車本体又は前記保持台車のいずれか他方に搭載され、前記基準マークを検出する読み取り装置と、を備え、
前記基準マークを前記読み取り装置が検出することによって、前記台車本体が前記保持台車に位置決めされることを特徴とするリール装置の装着システム。
前記部品収納テープを送る駆動力を供給するモータが、前記リール装置と前記テープ処理装置とにそれぞれ設置されている、請求項7に記載のリール装置の装着システム。
電子部品を収納する部品収納テープが巻回されたテープリールを有するリール装置と、前記リール装置から送られる前記部品収納テープに収納された前記電子部品を前記部品収納テープから取り出し可能に露出させるテープ処理装置とを備え、前記リール装置が前記テープ処理装置に装着される構成を有する電子部品供給装置における前記リール装置を、搬送台車を用いて電子部品を基板へ実装する部品実装装置の部品供給部に配置され前記テープ処理装置を保持する保持台車へ搬送し、前記保持台車の所定位置に装着する方法であって、
前記搬送台車においてリールを保持する台車本体に前記リール装置を保持させ、
前記リール装置を保持した前記搬送台車を前記保持台車へ向けて移動させ、
前記台車本体又は前記保持台車のいずれか一方に搭載された基準マークを、前記台車本体又は前記保持台車のいずれか他方に搭載された読み取り装置で検出することによって、前記台車本体を前記保持台車に位置決めし、
しかる後、前記リール装置を前記保持台車の前記所定位置に装着することを特徴とするリール装置の装着方法。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明の実施形態について、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。
なお、以下に示す図面において、同一の部材または相当する部材には同一の参照符号を付し、重複した説明を適宜省略する。また、部材のサイズおよび形状は、説明の便宜のため、変形または誇張して模式的に表す場合がある。
【0014】
〔第1実施形態〕
図1は、本発明の第1実施形態に係る電子部品供給装置1が適用される部品実装装置50の構成を示す平面図である。
図1に示すように、部品実装装置50は、基板52に電子部品105(
図2参照)を実装して電子回路基板を製作する装置である。
【0015】
具体的には、部品実装装置50は、基板搬送コンベア51によって搬送される基板52の所定位置(クリーム半田が塗布された箇所)に電子部品105を自動的に搭載(装着)する。エポキシ樹脂等から構成される基板52上には、銅箔などの回路パターンがエッチング、印刷等で形成されている。
【0016】
電子部品105がクリーム半田上に搭載された基板52は、後工程の図示しない炉内で加熱される。これにより、電子部品105が基板52に半田付けされ、電子部品105が実装された電子回路基板が製造される。
【0017】
部品実装装置50の基台59上には、一対の部品供給部53が、基板搬送コンベア51(
図1の紙面左右方向に延在)を間に挟んで両側に対向して設けられている。
図1では、一対の部品供給部53が、基板52の搬送方向に沿って2組(2ステージ分)設置されている場合が示されている。
【0018】
電子部品供給装置1は、基板52の搬送方向に沿って複数個並んで、部品供給部53に着脱可能に設置されて固定されており、種々の電子部品105をそれぞれの電子部品の取出し位置(部品吸着位置)に供給する。これらの電子部品供給装置1は、ほとんど隙間なく(1mm以下程度の隙間)隣り合って並置されている。
【0019】
基板搬送コンベア51は、基板52を搬送する搬送手段と、矢印Aの方向から搬送されてくる基板52を所定の位置に位置決めして保持する基板保持手段と、を有している(いずれも図示せず)。基板搬送コンベア51は、基板52上に電子部品105が装着された後、矢印Bの方向に基板52を搬送する。
【0020】
図2は、電子部品供給装置1に備えられるテープリール8(
図4参照)に巻回される部品収納テープ100のテープリール8から繰り出された状態を示す斜視図である。
図2に示すように、部品収納テープ100は、部品収納部103に電子部品105が収納されたキャリアテープ101と、電子部品105が収納された部品収納部103を覆うカバーテープ104と、を有している。
図2では、電子部品105は、説明しやすいように先頭の部品収納部103に収納されたもののみが示されている。
【0021】
部品収納部103は、キャリアテープ101の長手方向に沿って複数並んで凹状に形成されている。キャリアテープ101の一側部には、キャリアテープ101に対して搬送力を与えるための搬送力伝達孔102が、長手方向に沿って複数並んで穿孔されている。
【0022】
カバーテープ104は、電子部品105が収納された部品収納部103の上方開口を覆うように、キャリアテープ101に貼着されている。これにより、部品収納テープ100の移動中における電子部品105の飛び出しを抑えるとともに、環境影響(例えば湿度)から電子部品105を保護することができる。
【0023】
初期の状態では、電子部品供給装置1に備えられる部品収納テープ100は、前記したようにテープリール8に巻回されている。電子部品供給装置1内の部品収納テープ100は、稼働状態に移行すると、搬送力伝達孔102を用いて搬送力が付与されて巻回が解かれる。そして、部品収納テープ100は、電子部品105がその取出し位置に来るように搬送されるとともに、電子部品105は、部品収納テープ100から取り出し可能に露出させられる。その後、部品収納テープ100の部品収納部103内の電子部品105が、部品実装ヘッド54(
図1参照)のノズル81(
図10参照)によって、真空吸引されることにより吸着されて取り出される。
【0024】
図1に示すように、基板52が搬送される方向(矢印A,B方向)に沿って延在する一対のXビーム55が、基板搬送コンベア51を間に挟んで両側に対向して配設されている。そして、一対のXビーム55は、基板搬送コンベア51の上方(
図1の紙面に垂直方向手前側)に位置している。
【0025】
Xビーム55の両端部には、図示しないアクチュエータ(例えば、リニアモータ等)が取り付けられている。このアクチュエータによって、Xビーム55は、基板52が搬送される方向(矢印A,B方向)に直交する方向(
図1の紙面上下方向)に、Yビーム57に沿って移動可能に支持されている。したがって、Xビーム55は、部品供給部53と基板52
との間を往復動(行き来)することができる。
【0026】
Xビーム55には、図示しないアクチュエータ(例えば、リニアモータ等)によって、Xビーム55の長手方向(延在方向)に沿って移動する部品実装ヘッド54が設置されている。部品実装ヘッド54の先端(
図1に示す部品実装ヘッド54の
図1の紙面に垂直方向奥側)には、前記した部品収納テープ100の部品収納部103内の電子部品105(
図2参照)を吸着するためのノズル81(
図10参照)が複数設けられている。部品実装ヘッド54は、さらに、前記したXビーム55のアクチュエータによって、Yビーム57の延在方向に沿って移動する。
【0027】
このように部品実装ヘッド54は、水平方向(
図1の紙面に平行方向)に移動する。したがって、部品供給部53に設置された電子部品供給装置1から供給される電子部品105は、部品実装ヘッド54のノズル81に吸着された後、水平方向を移動し、実装対象の基板52上における所定位置(実装位置)まで搬送される。
【0028】
そして、実装対象の基板52上の所定位置(クリーム半田が塗布された箇所)に、電子部品105が部品実装ヘッド54によって押圧された後、ノズル81の真空が解かれる。これにより、当該電子部品105が基板52に搭載(装着)される。
【0029】
部品供給部53と基板搬送コンベア51との間には、認識カメラ56とノズル保管部58とが配置されている。
【0030】
認識カメラ56は、例えばCCD(Charge Coupled Device)カメラ等であり、部品実装ヘッド54に吸着した電子部品105の位置ずれ情報を取得する。認識カメラ56は、電子部品105が基板搬送方向(矢印A,B方向)および基板搬送方向と直交する方向にどれだけ位置ずれしているか、また回転角度はどの程度かを、部品実装ヘッド54に吸着された電子部品105を撮影することにより確認する。言うまでもなく、認識カメラ56が撮影を行うことにより、部品実装ヘッド54に電子部品105が吸着されているか否かを確認することもできる。
【0031】
部品実装ヘッド54が、部品供給部53から、Xビーム55の延在方向やYビーム57の延在方向に基板52の上方を移動する際に、部品実装ヘッド54は認識カメラ56上を通過する。この際に、認識カメラ56が電子部品105の位置ずれ情報等を取得する。
【0032】
ノズル保管部58は、種々の電子部品105を吸着するために必要な、部品実装ヘッド54に取り付けられるノズル81(
図10参照)を複数個保管している。例えば特定の電子部品105に対応したノズルに変更するように指示された場合、部品実装ヘッド54は、Xビーム55の延在方向及びYビーム57の延在方向にそれぞれ独立して移動することにより、ノズル保管部58まで移動する。そして、部品実装ヘッド54に取り付けられているノズル81が、ノズル保管部58に保管されている指定されたノズルと交換される。
【0033】
図3は、リール装置2とテープ処理装置3とを分離した状態における電子部品供給装置1を示す外観斜視図である。
なお、説明を明確にするため、
図3に示すように前後左右上下の方向を設定する。ここで、上下方向は、鉛直方向に一致する。前後方向は、
図1における基板搬送方向(矢印A,B方向)と直交する方向であり、「前」は基板搬送コンベア51に近付く方向を指し、「後」は基板搬送コンベア51から離れる方向を指す。左右方向は、
図1における基板搬送方向(矢印A,B方向)に沿う方向である。
【0034】
図3に示すように、電子部品供給装置1は、リール装置2と、テープ処理装置3と、を備えている。そして、リール装置2は、テープ処理装置3に対して着脱可能に構成されている。リール装置2は、内部に種々の部品を収納する筺体85を有しており、テープ処理装置3は、内部に種々の部品を収納する筺体86を有している。また、筺体85,86は、それぞれ左右に分割可能な構成とされている。筺体85,86は、例えば、アルミニウム合金等の金属から形成される。
【0035】
図4は、リール装置2にテープ処理装置3を装着した状態における電子部品供給装置1の構成を説明するための図である。
図4は、筺体85及び筺体86内を透視するように、電子部品供給装置1の内部構成を示している(
図5〜
図9、
図20〜
図26でも同様)。
【0036】
図4に示すように、リール装置2は、電子部品105(
図2参照)を収納する部品収納テープ100が巻回されたテープリール8を有している。また、リール装置2には、部品収納テープ100を送る駆動力を供給する上流側モータ(モータ)5が設置されている。
【0037】
テープ処理装置3は、リール装置2から送られる部品収納テープ100に収納された電子部品105を部品収納テープ100から取り出し可能に露出させる電子部品露出部18を有している。また、テープ処理装置3には、部品収納テープ100を送る駆動力を供給する下流側モータ(モータ)4が設置されている。さらに、テープ処理装置3は、下流側モータ4や上流側モータ5等を制御する制御基板6を有している。
【0038】
図5は、テープ処理装置3の構成を説明するための図である。
図5に示すように、テープ処理装置3は、部品収納テープ100(
図4参照)に搬送力を与えるためにキャリアテープ101の搬送力伝達孔102(
図2参照)に係合する歯(
図10参照)を有する下流側スプロケット87を備えている。下流側スプロケット87は、第1のスプロケット13と第2のスプロケット14とから構成されている。第1のスプロケット13と第2のスプロケット14とは動力伝達可能に接続されており、同期的またはほぼ同期的に動作する。第1のスプロケット13は、ウオームギア12に対応したウオームホイールギア13Hを備えている。ウオームホイールギア13Hと噛み合わされたウオームギア12は、モータシャフト11を介して下流側モータ4に接続されている。したがって、下流側モータ4が回転することによって、第1のスプロケット13及び第2のスプロケット14が回転して、部品収納テープ100を搬送する。
【0039】
テープ処理装置3の筺体86には、リール装置2(
図4参照)をガイドして位置決めするための第2の位置決めスライドガイド16と、台車40(
図12参照)にガイドされて位置決めされるための第1の位置決めスライドガイド17と、が形成されている。第2の位置決めスライドガイド16は、例えばアリガタと称される線状凸部であり、第1の位置決めスライドガイド17は、例えばアリミゾと称される線状凹部であるが(
図3参照)、これに限定されるものではない。
【0040】
また、テープ処理装置3は、前記した電子部品露出部18を備えている。電子部品露出部18は、電子部品105(
図2参照)の取出し口183(
図3参照)が形成された断面逆U字状のカバー181を備えており、カバー181は、その前端部に配置されるピン182の中心軸回りで開閉可能に構成されている。
【0041】
さらに、テープ処理装置3は、台車40(
図12参照)との間で電力の供給や信号の授受を行う第1のコネクタ7と、リール装置2(
図4参照)との間で電力の供給や信号の授受を行う第2のコネクタ15と、を備えている。
【0042】
そして、テープ処理装置3は、上記のように構成することによって、部品収納テープ100(
図4参照)を連続的に搬送するとともに、電子部品露出部18によって電子部品105(
図2参照)を露出させて電子部品105を取り出し可能にする。
【0043】
図6は、リール装置2の構成を説明するための図である。
図6に示すように、リール装置2は、前記したテープリール8を備えており、テープリール8は、筺体85に設けられたテープリール軸23に回転可能に支持されている。また、リール装置2は、部品収納テープ100をガイドする断面逆U字状のテープガイドカバー35を備えており、テープガイドカバー35は、その後端部に配置されるピン351の中心軸回りで開閉可能に構成されている。
【0044】
リール装置2は、部品収納テープ100に搬送力を与えるためにキャリアテープ101の搬送力伝達孔102(
図2参照)に係合する歯(
図10参照)を有する上流側スプロケット88を備えている。上流側スプロケット88は、第3のスプロケット30と第4のスプロケット31とから構成されている。第3のスプロケット30と第4のスプロケット31とは動力伝達可能に接続されており、同期的またはほぼ同期的に動作する。第3のスプロケット30は、ウオームギア29に対応したウオームホイールギア30Hを備えている。ウオームホイールギア30Hと噛み合わされたウオームギア29は、シャフト28に連結されており、シャフト28は、ギア機構27及びモータシャフト26を介して上流側モータ5に接続されている。ギア機構27としては、例えば互いに噛み合う一対のかさ歯車が使用され得る。
【0045】
また、リール装置2の筺体85には、テープ処理装置3にガイドされて位置決めされるための第3の位置決めスライドガイド34が形成されている。第3の位置決めスライドガイド34は、例えばアリミゾと称される線状凹部であるが(
図3参照)、これに限定されるものではない。第3の位置決めスライドガイド34は、第2の位置決めスライドガイド16(
図5参照)に対して前後方向にスライド可能に係合する。また、リール装置2は、テープ処理装置3との間で電力の供給や信号の授受を行う第3のコネクタ25を備えている。
【0046】
また、リール装置2は、該リール装置2や、リール装置2とテープ処理装置3とが連結された状態の電子部品供給装置1を取り扱うための第1の取手9と第2の取手24と、を備えている。第1の取手9と第2の取手24とは、機械が取り扱うことが可能な構造となっているが、作業員が手動で取り扱うことも可能である。
さらに、リール装置2は、部品収納テープ100の有無を検出する第1のセンサ32と第2のセンサ33と、を備えている。
【0047】
次に、
図7〜
図9を参照して、リール装置2において部品収納テープ100がどのように移動するかについて説明する。
図7〜
図9は、リール装置2に部品収納テープ100を格納する手順を説明するための図である。
【0048】
まず、リール装置2が第3のコネクタ25から電力及び信号を授受できる状態とされる。そして、
図7に示すように、作業員が第1の取手9を操作することによって、リール装置2の上部に位置するテープガイド36(
図3も参照)をカバーするテープガイドカバー35が、ピン351の中心軸回りで回動させられて上方に開かれる。このとき、図示しないセンサによってテープガイドカバー35の開状態が検知され、テープガイドカバー35が開状態であるという情報が図示しない制御装置に記憶される。その後、部品収納テープ100が巻回されているテープリール8の中心に設けられた穴部とテープリール軸23とを嵌合させる。そして、テープリール8から部品収納テープ100を繰り出して、その先端を第4のスプロケット31の位置を越えて引き出す。
【0049】
続いて、
図8に示すように、作業員が第1の取手9を操作してテープガイドカバー35を閉じる。テープガイドカバー35が閉じられると、図示しないセンサによってテープガイドカバー35の閉状態が検知され、テープガイドカバー35が閉じられたという情報が図示しない制御装置に送られる。このとき、第1のセンサ32が部品収納テープ100の存在を検知すると、上流側モータ5に対して制御装置から動作指令が送られる。ここで、第1センサ32が部品収納テープ100の存在を検知しても、テープガイドカバー35が閉状態であるという情報が受信されない場合、制御装置は上流側モータ5に対して動作指令を送らない。
【0050】
続いて、
図9に示すように、上流側モータ5に対して動作指令が送られると、モータシャフト26、ギア機構27、シャフト28、ウオームギア29を介して第3のスプロケット30に動力が伝達される。これにより、第3のスプロケット30及び第4のスプロケット31が、部品収納テープ100を前方向に搬送するように回転する。上流側スプロケット88が回転を続けて部品収納テープ100の先端が第2のセンサ33に到達すると、第2のセンサ33が部品収納テープ100の存在を検知する。第2のセンサ33が部品収納テープ100の存在を検知すると、上流側モータ5に対して図示しない制御装置から停止指令が送られる。
【0051】
図7〜
図9を参照して説明したように、テープリール8をリール装置2にセットするだけで、部品収納テープ100の先端を自動的に頭出しすることが可能となる。
【0052】
次に、
図10〜
図11を参照して、電子部品105の露出方法及び部品収納テープ100の処理方法についてさらに説明する。
図10は、電子部品105を露出させる様子を説明するための図である。
図11は、部品収納テープ100を処理する様子を説明するための図である。
【0053】
図10に示すように、電子部品露出部18は、刃184を有しており、部品収納テープ100のカバーテープ104を刃184で切開することによって電子部品105を露出させるものである。ここで、部品収納テープ100は、下流側スプロケット87及び上流側スプロケット88の回転によって矢印C方向に搬送される。これにより、電子部品露出部18は、カバーテープ104をキャリアテープ101から剥がすことなく、カバーテープ104の幅方向中央部付近を刃184で矢印D方向に切り開き、電子部品105を取り出し可能に露出させる。
【0054】
図10〜
図11に示すように、テープリール8に巻き付けられた部品収納テープ100は、下流側スプロケット87及び上流側スプロケット88によって矢印C方向に搬送される。そして、電子部品露出部18は、カバーテープ104を刃184で切開して、キャリアテープ101からカバーテープ104を部分的に剥離させることによって、電子部品105を露出させる。露出させられた電子部品105は、ノズル81を先端に取り付けた部品吸着装着手段80が矢印D方向に上下移動することによって、ノズル81に吸着されて保持される。刃184で切開されて部分的に剥離させられたカバーテープ104は、下流側スプロケット87及び上流側スプロケット88の回転によって、キャリアテープ101とともに矢印E方向へ搬送され、カッター部89によって裁断される。
【0055】
図12は、電子部品供給装置1を複数個搭載する台車40の構成を説明するための図である。電子部品供給装置1が複数個搭載された台車40は、部品実装装置50の部品供給部53(
図1参照)に配置される。
図12に示すように、台車40は、電子部品供給装置1を複数個保持する保持台41と、保持台41を移動可能に支持する複数の車輪42と、を備えている。
【0056】
保持台41には、電子部品供給装置1の第1の位置決めスライドガイド17と係合して電子部品供給装置1を支持しかつ位置決めする第4の位置決めスライドガイド44が設けられている。第4の位置決めスライドガイド44は、例えばアリガタと称される線状凸部であるが、これに限定されるものではない。また、保持台41には、電子部品供給装置1が台車40を介して電力や信号を授受するための第4のコネクタ45が設けられている。そして、台車40の第4のコネクタ45に電子部品供給装置1の第1のコネクタ7が接続されるとともに、第4の位置決めスライドガイド44に第1の位置決めスライドガイド17が係合して電子部品供給装置1が台車40に位置決めされるようになっている。
【0057】
このように部品供給部53(
図1参照)に台車40を適用することによって、部品実装装置50は、複数の電子部品供給装置1を搭載することが可能となっている。また、複数の電子部品供給装置1を台車40に接続可能としたことによって、複数種類の部品収納テープ100を備えることが可能となる。
【0058】
図13は、
図12に示す台車40の後方に対向して設置される自走台車(台車)60の構成を説明するための図である。
図13に示すように、自走台車60は、リール装置保持台(リール装置保持部)61と、リール装置保持台61を移動自由に支持する複数の車輪62と、を備えている。リール装置保持台61上には、複数のリール装置2が左右方向に沿って並置されている。
【0059】
また、自走台車60は、リール装置2の第1の取手9及び第2の取手24をそれぞれ把持する第1の把持部67及び第2の把持部68と、第1の把持部67及び第2の把持部68を支持するアーム66と、アーム66を左右方向に移動可能に支持する直動装置65と、直動装置65を保持するビーム64と、を備えている。さらに、前後方向に移動可能な直動装置(図示せず)によって、ビーム64が前後方向に移動可能に支持されている。
【0060】
また、自走台車60は、台車40に設けられた基準マーク69を検出する読み取り装置70を搭載している。例えば、基準マーク69は、台車40におけるテープ処理装置3用の複数の設置箇所ごとに設けられ、読み取り装置70は、自走台車60におけるリール装置2用の複数の設置箇所ごとに設けられる。ただし、基準マーク69は、自走台車60に設けられていてもよく、この場合、読み取り装置70は台車40に搭載される。
【0061】
図13を参照して説明したように、自走台車60は、自在に移動して基準マーク69を読み取り装置70が検出することによって、所定の位置に位置決めされる。自走台車60が位置決めされる位置は、自走台車60に搭載されているリール装置2の第3の位置決めスライドガイド34を、テープ処理装置3の第2の位置決めスライドガイド16に嵌合可能な位置である。これにより、各テープ処理装置3に対して、所望のリール装置2を位置決めすることができる。
【0062】
次に、
図13〜
図16を参照して、自走台車60を用いてリール装置2をテープ処理装置3に装着する方法について説明する。
図14〜
図16は、自走台車60に保持されているリール装置2を台車40に設置されているテープ処理装置3に装着する方法を説明するための図である。
【0063】
図13に示すように、部品収納テープ100(
図4参照)の補給が必要となったテープ処理装置3が存在する場合、自走台車60は、制御装置90(
図18参照)の指示にしたがって、台車40に搭載されている指定のテープ処理装置3の後方の対応する位置に、自走台車60に搭載されている指定のリール装置2を位置決めさせる。その後、ビーム64に搭載された直動装置65によってアーム66を介して移動可能に支持されている第1の把持部67と第2の把持部68とが、それぞれ第1の取手9と第2の取手24とを把持する。
【0064】
続いて、
図14に示すように、第1の把持部67と第2の把持部68とがリール装置2を把持したまま、図示しない直動装置によってビーム64が前方向に移動させられる。
図15に示すように、さらにビーム64が前方向に移動させられて、第2のコネクタ15と第3のコネクタ25とが接続されるとともに、第2の位置決めスライドガイド16に第3の位置決めスライドガイド34が係合してリール装置2がテープ処理装置3、ひいては台車40に位置決めされる。これにより、リール装置2のテープ処理装置3への装着(セット)が完了して、電子部品供給装置1が構成される。
【0065】
続いて、
図16に示すように、セットが完了した電子部品供給装置1に対して、第1の把持部及び67第2の把持部68による把持状態が解除される。その後、ビーム64は、元の位置に復帰し、次のリール装置の取り扱いに備える。場合によっては、自走台車60は、別の台車40に部品収納テープ100を供給するために移動することもできる。
【0066】
図17は、自走台車60の動作について説明するための平面図である。
図17に示すように、部品実装装置50は、複数のステージST1,ST2で構成されている。
図17では、説明しやすいようにステージは2つ示されているが、これに限定されるものではなく、部品実装装置50は、任意の個数のステージから構成され得る。また、
図17では、基板搬送コンベア51は一つ示されているが、これに限定されるものではなく、例えば基板搬送コンベア51が二つ併設されて二つの基板が同時に搬送されるように構成されてもよい。さらに、
図17では、自走台車60上に並置された複数のリール装置2は、説明しやすいように一つおきに間隔を空けて配置されているが、これに限定されるものではなく、適宜変更され得る。
【0067】
基板52は、
図17中の矢印Aの方向から部品実装装置50に搬入され、矢印Bの方向に次の工程に向けて搬出される。部品実装装置50の各ステージST1,ST2の部品供給部53に、台車40がそれぞれ配置されている。各部品供給部53は、前記した複数の電子部品供給装置1を搭載する台車40を含むものである。
【0068】
例えば、ステージST1に配置された自走台車60は、リール装置2を自走台車60から部品供給部53へ供給している状態を示す。また、ステージST2に配置された自走台車60は、部品収納テープ100を排出し終わったテープリール8(
図4参照)を含むリール装置2を部品供給部53から自走台車60へ回収している状態を示す。したがって、基板52の実装スケジュールと、自走台車60による部品収納テープ100の補給スケジュールと、を関係付けて生産システムを構築することで、自動的に部品収納テープ100を補給することが可能となる。
【0069】
次に、
図18〜
図19を参照して、部品収納テープ100の補給処理について説明する。
図18は、部品実装装置50に付設される制御装置90の構成の一例を示すブロック図である。
図19は、部品収納テープ100の補給方法を実施する処理の手順を示すフローチャートである。
【0070】
図18に示すように、制御装置90は、データ処理部91、記憶部92、表示部93、および入力装置94を有している。制御装置90としては、例えば一般的なPC(パーソナルコンピュータ)が使用され得る。データ処理部91はCPUを含んでおり、プログラムにしたがって上記各部の制御や各種の演算処理等を行う。
【0071】
記憶部92は、予め各種プログラムやデータを格納しておくROMと、作業領域として一時的にプログラムやデータを記憶するRAMと、各種プログラムやデータを格納し、さらにデータ処理により得られた結果等を保存するために使用されるハードディスクとを有している。表示部93は、LCD等のディスプレイであり、データ処理部91による演算結果等の各種の情報を表示する。入力装置94は、キーボード、マウス、外部機器からの入力インタフェース等を含み、各種の情報の入力を行うために使用される。
【0072】
図19に示すように、ステップS11では、台車40に設置されたテープ処理装置3にリール装置2が装着されて電子部品供給装置1が構成されている状態で、制御装置90は、部品実装装置50を運転させる。そして、電子部品供給装置1の上流側モータ5及び下流側モータ4の動作によって部品収納テープ100が前方に搬送させられて、電子部品105が部品実装装置50に供給される。
【0073】
ステップS12では、部品切れの予告が有ったか否かが判断される。すなわち、制御装置90は、電子部品供給装置1内の部品収納テープ100が残りわずかであるか否かを、テープ残量検出用の図示しないセンサ等によって判断する。ステップS12で部品切れの予告が無い場合(ステップS12でNo)、ステップS11に戻って、部品実装装置50の運転がそのまま継続される。
【0074】
一方、ステップS12で部品切れの予告が有った場合(ステップS12でYes)、部品切れを予告するアラームが発せられる(ステップS13)。このアラームは、制御装置90に含まれる表示部93上に表示してもよいし、ブザー等の音で知らせるようにしてもよい。
【0075】
続いて、ステップS14では、部品切れの予告対象の電子部品供給装置1において、リール装置2が装着された状態のテープ処理装置3から、該リール装置2が取り外される。このテープ処理装置3からリール装置2を取り外す作業は、制御装置90の指示に基づいて、自走台車60を用いて自動的に行われる。ただし、このリール装置2を取り外す作業は、人手によって行われてもよい。
【0076】
続いて、ステップS15では、ステップS14でリール装置2が取り外された状態のテープ処理装置3に、別のリール装置2が装着される。別のリール装置2は、通常では前に装着されていたものと同種のリール装置であるが、異種のリール装置が使用されてもよい。このテープ処理装置3に別のリール装置2を装着する作業は、制御装置90の指示に基づいて、自走台車60を用いて自動的に行われる。ただし、この別のリール装置2を装着する作業は、人手によって行われてもよい。
【0077】
そして、ステップS16では、電子部品供給装置1内に残っている先行する部品収納テープ100の後端に続いて、新たに装着した別のリール装置2内の補給用の部品収納テープ100が、上流側モータ5及び下流側モータ4の動作によって自動搬送させられる。その後、ステップS11に戻って部品実装装置50の運転が行われる。
【0078】
以上説明したように、本実施形態では、電子部品供給装置1は、部品収納テープ100が巻回されたテープリール8を有するリール装置2と、部品収納テープ100に収納された電子部品105を取り出し可能に露出させる電子部品露出部18を有するテープ処理装置3と、を備えている。そして、リール装置2は、テープ処理装置3に対して着脱可能に構成されている。
【0079】
このような構成によれば、テープ処理装置3を部品供給部53に設置して固定したままで、リール装置2を交換することによって、同種の新しい部品収納テープ、あるいは異種の部品収納テープを電子部品供給装置1に補給することが可能となる。これにより、電子部品露出部18の設置位置、つまり電子部品105の取出し位置(部品吸着位置)を変更することがなくなる。その結果、電子部品105を取り出す位置がずれることによる部品取出し不良が減少する効果がある。また、電子部品105の取出し位置を部品実装装置50(システム)に再教示する必要もなくなる。
すなわち、電子部品供給装置1は、部品収納テープ100に収納された電子部品105を確実に取り出して供給することができる。
【0080】
また、本実施形態では、電子部品露出部18は、部品収納テープ100のカバーテープ104を刃184で切開することによって電子部品105を露出させるように構成されている。このような構成によれば、先行する部品収納テープ100の後端に続いて補給用の部品収納テープ100を搬送することによって、カバーテープ104をキャリアテープ101から剥がすことなく電子部品105を露出させることができる。したがって、先行する部品収納テープの終端と後続する補給用の部品収納テープの先端とを接続するスプライシングという作業員の習熟度及び時間が要求される作業が不要となる。
【0081】
また、本実施形態では、テープ処理装置3からリール装置2を取り外す際に、取り外されたリール装置2は、移動可能な自走台車60に設けられたリール装置保持台61に回収され、テープ処理装置3に別のリール装置2を装着する際に、別のリール装置2は、自走台車60のリール装置保持台61から供給される。このような構成によれば、部品収納テープ100の補給作業を効率良く迅速に行うことができる。また、自走台車60が部品実装装置50のライン内を自在に移動して自動的にリール装置2を供給及び回収するように構成することによって、作業員によるミスを減少させることができ、部品収納テープ100の補給作業の効率が向上するとともに、省力化が図られる。
【0082】
また、本実施形態では、部品収納テープ100を送る駆動力を供給するモータが、リール装置2とテープ処理装置3とにそれぞれ設置されている。すなわち、上流側モータ5がリール装置2に設置されているとともに、下流側モータ4がテープ処理装置3に設置されている。このような構成によれば、モータをリール装置2とテープ処理装置3との両方に配置して、大きな駆動力で部品収納テープ100を高速搬送することができる。また、リール装置2は、電源、上流側モータ5制御用の制御基板、及び制御装置(例えばコンピュータ)を用意すれば、単独で動作させることが可能となる。これにより、単独で動作点検したり、予め部品収納テープ100の頭出しを行ったりすることができる。
【0083】
〔第2実施形態〕
次に、
図20〜
図21を参照して、本発明の第2実施形態について、前記した第1実施形態と相違する点を中心に説明し、共通する点の説明を省略する。
図20は、本発明の第2実施形態において、リール装置2aにテープ処理装置3aを装着した状態における電子部品供給装置1aの構成を説明するための図である。
図21は、第2実施形態に係るリール装置2aの構成を説明するための図である。
【0084】
図20〜
図21に示すように、本発明の第2実施形態は、テープ処理装置3aが下流側モータ4等を制御する第1の制御基板6aを備えており、リール装置2aが上流側モータ5等を制御する第2の制御基板10を備えている点で、
図4に示す第1実施形態と相違している。
【0085】
このような第2実施形態によれば、リール装置2aが第2の制御基板10を内蔵したことによって、リール装置2aは、電源及び制御装置(例えばコンピュータ)を用意すれば、単独で動作させることが可能となる。
【0086】
〔第3実施形態〕
次に、
図22〜
図24を参照して、本発明の第3実施形態について、前記した第1実施形態と相違する点を中心に説明し、共通する点の説明を省略する。
図22は、本発明の第3実施形態において、リール装置2bにテープ処理装置3bを装着した状態における電子部品供給装置1bの構成を説明するための図である。
図23は、第3実施形態に係るテープ処理装置3bの構成を説明するための図である。
図24は、第3実施形態に係るリール装置2bの構成を説明するための図である。
【0087】
図22に示すように、本発明の第3実施形態は、テープ処理装置3bが上流側モータ5と下流側モータ4とを備えている点で、
図4に示す第1実施形態と相違している。すなわち、部品収納テープ100を送る駆動力を供給するモータが、リール装置2b及びテープ処理装置3bのうちのテープ処理装置3bにのみ設置されている。
【0088】
また、
図24に示すように、ウオームホイールギア30Hと噛み合わされたウオームギア37は、シャフト38に連結されており、シャフト38はギア39に連結されている。また、
図22及び
図23に示すように、ギア39はギア22に噛み合っている。そして、ギア22は、シャフト21に連結されており、シャフト21は、ギア機構20及びモータシャフト19を介して上流側モータ5に接続されている。ギア機構20としては、例えば互いに噛み合う一対のかさ歯車が使用され得る。
【0089】
このような第3実施形態によれば、リール装置2bは、モータや制御基板を搭載していないため、構造上の強度を必要としない。したがって、リール装置2bの筐体85を例えばプラスチックで一体成形するように構成することが可能であり、軽量化、及び原価低減の効果がある。
【0090】
また、一つのテープ処理装置3bに対して複数のリール装置2bを同時に装着できるように構成すれば、テープ処理装置3bの左右方向の厚さ寸法を大きくでき、共通して使用される上流側モータ5や下流側モータ4等のモータのサイズ(径)を大きくすることができる。これにより、大きな駆動力で部品収納テープ100を高速搬送することができる。
【0091】
〔第4実施形態〕
次に、
図25〜
図26を参照して、本発明の第4実施形態について、前記した第3実施形態と相違する点を中心に説明し、共通する点の説明を省略する。
図25は、本発明の第4実施形態において、リール装置2cにテープ処理装置3cを装着した状態における電子部品供給装置1cの構成を説明するための図である。
図26は、第4実施形態に係るリール装置2cの構成を説明するための図である。
【0092】
図25〜
図26に示すように、本発明の第4実施形態は、テープ処理装置3cが下流側モータ4等を制御する第1の制御基板6aを備えており、リール装置2cが上流側モータ5等を制御する第2の制御基板10を備えている点で、
図22に示す第3実施形態と相違している。
【0093】
このような第4実施形態によれば、リール装置2cが第2の制御基板10を内蔵したことによって、リール装置2cは、電源、制御装置(例えばコンピュータ)及びモータ等を用意すれば、単独で動作させることが可能となる。
【0094】
〔第5実施形態〕
次に、
図27〜
図28を参照して、本発明の第5実施形態について、前記した第1実施形態と相違する点を中心に説明し、共通する点の説明を省略する。
図27は、本発明の第5実施形態において、電子部品105を露出させる様子を説明するための図である。
図28は、本発明の第5実施形態において、部品収納テープ100を処理する様子を説明するための図である。
【0095】
図27に示すように、電子部品露出部18aは、部品収納テープ100のカバーテープ104を剥がすことによって電子部品105を露出させるものである。ここで、部品収納テープ100は、下流側スプロケット87の回転によって矢印C方向に搬送される。
【0096】
図27〜
図28に示すように、テープリール8に巻き付けられた部品収納テープ100は、下流側スプロケット87によって矢印C方向に搬送される。そして、電子部品露出部18aは、キャリアテープ101からカバーテープ104を剥離させることによって、電子部品105を露出させる。露出させられた電子部品105は、ノズル81を先端に取り付けた部品吸着装着手段80が矢印D方向に上下移動することによって、ノズル81に吸着されて保持される。剥離させられたカバーテープ104は、カバーテープ送り装置82によって矢印F方向へ搬送され、図示しない収納庫等に収納される。カバーテープ104が剥がされたキャリアテープ101は、矢印E方向へ搬送され、カッター部89によって裁断される。
【0097】
次に、
図29を参照して、本発明の第5実施形態における部品収納テープ100の補給処理について説明する。
図29は、本発明の第5実施形態における部品収納テープ100の補給方法を実施する処理の手順を示すフローチャートである。
【0098】
図29に示すように、ステップS21〜S25の処理は、
図19のステップS11〜S15の処理と同様であるため、その説明を省略する。
【0099】
ステップS26では、作業員が、電子部品供給装置内の先行する部品収納テープ100の後方端部を専用はさみでカットした後端と、新たに装着した別のリール装置内の補給用の部品収納テープ100の前方端部を専用はさみでカットした前端とを合わせて、スプライシングを行う。その後、ステップS21に戻って部品実装装置50の運転が行われる。
【0100】
このように、本発明は、電子部品供給装置のテープ処理装置が、部品収納テープ100のカバーテープ104を剥がすことによって電子部品105を露出させる電子部品露出部18aを備える場合にも適用可能である。
【0101】
以上、本発明について実施形態に基づいて説明したが、本発明は前記した実施形態に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、前記した実施形態は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施形態の構成の一部を他の実施形態の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施形態の構成に他の実施形態の構成を加えることも可能である。また、各実施形態の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
【0102】
例えば、部品実装装置50の構造は、前記した実施形態に記載された方式に限定されるものではなく、それ以外の方式であってもよい。