特許第6804507号(P6804507)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6804507ステント挿入装置及びそれを用いたステント施術方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6804507
(24)【登録日】2020年12月4日
(45)【発行日】2020年12月23日
(54)【発明の名称】ステント挿入装置及びそれを用いたステント施術方法
(51)【国際特許分類】
   A61F 2/95 20130101AFI20201214BHJP
【FI】
   A61F2/95
【請求項の数】4
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2018-235134(P2018-235134)
(22)【出願日】2018年12月17日
(65)【公開番号】特開2019-118809(P2019-118809A)
(43)【公開日】2019年7月22日
【審査請求日】2018年12月17日
(31)【優先権主張番号】10-2018-0003152
(32)【優先日】2018年1月10日
(33)【優先権主張国】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】518251295
【氏名又は名称】エスアンドジー バイオテック、インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100130111
【弁理士】
【氏名又は名称】新保 斉
(72)【発明者】
【氏名】カン、ソン グォン
(72)【発明者】
【氏名】ムン、チャン ギ
【審査官】 上石 大
(56)【参考文献】
【文献】 韓国登録特許第10−1480022(KR,B1)
【文献】 特表2008−501442(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61F 2/95
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
長手方向にポリテトラフルオロエチレン(テフロン(登録商標))材質の案内管が形成され、前方に前記案内管が管結合されるハブ保護管が形成され、前方に前記ハブ保護管の後方が螺合され、一側に外側へ通孔が形成され、蓋により開閉されるハブコネクタが形成され、中央に貫通孔を有し、前記ハブコネクタの後方に螺合される仕上げキャップが形成されるローダー保護管と、
前記ローダー保護管の仕上げキャップの貫通孔を通じて、前記ハブコネクタとハブ保護管を経て前記案内管の内部に挿入されるフレキシブル管体であるプッシャーチューブが形成され、前方に前記プッシャーチューブの他端が貫通するハブ管が形成され、前方に前記ハブ管の後方が螺合され、一側に外側へ通孔が形成され、ルアーキャップにより開閉される前方ハブコネクタが形成され、前方に前記前方ハブコネクタの後方が螺合され、他側に外側へ通孔が形成され、ロックキャップにより開閉される後方ハブコネクタが形成され、中央に投入孔を有し、前記後方ハブコネクタの後方に螺合される後方キャップが形成されるプッシャーと、
中央に作動孔を有し、前記プッシャーの後方キャップの投入孔に挿入固定される投入ハブと、
前記投入ハブの作動孔からガイドワイヤの末端に挿入され、前記プッシャーとプッシャーチューブ及び前記ローダー保護管を貫通するチューブであり、先端部の外周縁にガイダーが接着固定され、前記ガイダーの後方側には、ガイダーチューブが外周縁に接着固定され、前記ガイダーチューブの後方側には、ストリングチューブが外周縁に接着固定され、先端部にはオリーブチップが接着固定されるPIチューブと、
前記PIチューブの先端部に結び目固定される形状記憶合金の網体であり、ステントの先端部は、前記ストリングチューブとガイダーチューブを経て挿入された遅延ワイヤの先端部により結び目固定され、末端を引っ張ると解けるように結び目を形成して固定され、遅延ワイヤの末端は、前記後方ハブコネクタの通孔を通じてロックキャップに固定され、ステントの先端部を除いた胴体は、ストリング糸の先端部が末端を引っ張ると解けるように結び目を形成し、ストリング糸の末端は、前記ストリングチューブから抜き取り、前記前方ハブコネクタの通孔を通じてルアーキャップに固定された状態で、被施術者の血管病変にガイドワイヤに沿って挿入され、施術者により順次にストリング糸と遅延ワイヤの末端が引っ張られることにより、順次に結び目が解け、自体弾性により拡張され、被施術者の血管を持続的に拡張させるステントと、
被施術者の血管病変に挿入され、前記PIチューブを挿入案内するガイドワイヤと、を備える
ことを特徴とするステント挿入装置。
【請求項2】
前記ステントの先端部は、前記ストリングチューブとガイダーチューブを経て挿入された遅延ワイヤの先端部が円形で取り囲んでガイダーを貫通することにより、末端を引っ張ると解けるように結び目を形成して固定される
請求項1に記載のステント挿入装置。
【請求項3】
前記ステントの先端部を除いた胴は、先端側から後方側に前記ストリングチューブを通じて挿入されたストリング糸の先端部が、ステントの底面を取り囲んで、左側から右側に行くにつれて、右側上部へ曲面を描く1次閉曲線を作り、さらに先端ではなく、左側前方のストリング糸の延長線部がステントの上部を取り囲んで、1次閉曲線の内部に挿入され、右側上部に進行しながら2次閉曲線を作り、2次閉曲線で、一定の間隔を置いて、ステントを時計方向の後方側に右側上部に向かって巻き取って1次延長部を形成し、さらに先端ではなく、左側前方のストリング糸の延長線部が、ステントの上部を取り囲んで、2次閉曲線の内部に挿入され、右側上部に進行しながら3次閉曲線を作り、さらに3次閉曲線で、一定の間隔を置いて、ステントを時計方向の後方側に右側上部に向かって巻き取って2次延長部を形成する結び目形成行為を繰り返し続け、ステントの胴を巻き取り、ストリング糸の末端を引っ張ると解けるように結び目を形成して固定される
請求項1に記載のステント挿入装置。
【請求項4】
ローダー保護管を通じて、被施術者(ヒト以外)の血管病変部位にガイドワイヤと案内管を挿入するガイドワイヤ挿入段階と、
血管に挿入されたガイドワイヤに、先端のオリーブチップを通じてPIチューブを挿入し、ステントが装着されたPIチューブを挿入貫通させたプッシャーのプッシャーチューブを、ローダー保護管の仕上げキャップの貫通孔から案内管の内部に押して挿入移動させるPIチューブ挿入段階と、
プッシャーの後方キャップを外し、後方キャップの投入孔から前記PIチューブをさらに挿入し、先端部のステントが血管病変の適正位置に位置するように挿入移動させるステントの病変正位置段階と、
PIチューブのステントが血管病変の適正位置に位置した状態で、プッシャーの前方ハブコネクタのルアーキャップを外し、これに固定されたストリング糸の末端を引っ張ることにより、ステントの胴体部位が解けるように数回巻き取って結び目連結させた結び目を解き、形状記憶合金であるステント胴体部位を自体弾性により後方側から拡張させ、血管の病変を拡張させるステント後方拡張段階と、
ステントの胴体部位が弾性拡張された状態で、プッシャーの後方ハブコネクタのロックキャップを外し、これに固定された遅延ワイヤの末端を引っ張ることにより、先端部がステントの先端部を巻き取り、ガイダーに挿入された遅延ワイヤの結び目を解き、形状記憶合金であるステントの先端部位を自体弾性により拡張させ、血管の病変を拡張させるステント前方拡張段階と、
プッシャー後方キャップの投入孔から前記プッシャーチューブを引っ張って除去するプッシャーチューブ分離段階と、
プッシャーの後方キャップをロックし、前記プッシャーとPIチューブをローダー保護管の仕上げキャップの貫通孔から引っ張って除去するプッシャー及びPIチューブ分離段階と、
ローダー保護管の仕上げキャップの貫通孔から前記ガイドワイヤを引っ張って除去するガイドワイヤ分離段階と、
ローダー保護管を被施術者の血管から引っ張って除去するローダー保護管分離段階と、を含む
ことを特徴とするステント施術方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ステント挿入装置及びそれを用いたステント施術方法に係り、詳しくは、複雑な器具を用いることなく、簡単な構造からなり、さらに簡便にステントを被施術者の血管病変部位に迅速かつ安全に位置するように施術することができ、施術時間がさらに短縮され、施術費用が節減され、施術者の熟練度にかかわらずに容易に使用することができる、ステント挿入装置及びそれを用いたステント施術方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、人体において、血管、食道等の一定の内径を確保すべき必要がある器官に、沈殿物等の原因のため、狭窄が発生する場合、人工的に狭窄部位を拡張させるようにステントを挿入するステント挿入装置が用いられている。
【0003】
しかしながら、この種の従来のステント挿入装置は、前記狭窄部位にステントを挿入するための操作過程の難易度の高いことが多く、施術者の熟練した技術が要求された。
【0004】
特に、ステントは、その特性上、狭窄部位に誤差無しに施術されなければならないが、従来のステント挿入装置は、ステントの精密操作を施術者の技術にのみ依存しなければならないという問題間があった。したがって、このような問題点を解決するための方法が要求されている。
【0005】
このような問題点を解決するために、「長手方向に形成されたガイド部が後方に形成され、内部に収容空間が形成され、前記収容空間に設けられたピニオンギアと連結された操作レバーが設けられたハウジングと、前記収容空間内から前記ハウジングの外部に延長された外管と、前記収容空間内に設けられ、前記外管の後方に連結され、前記ピニオンギアと噛み合うラックギアが設けられ、前記ガイド部に沿って前後方向に移動することにより、前記外管の外部への露出長さを調節する外管移動部と、前記外管の内部に挿入される内管と、前記ガイド部の後方に設けられ、前記内管の後方に連結され、一側には、前記内管と連通する通孔が形成された内管移動部と、前記通孔から前記内管の内部に挿入され、前記内管の前方に露出した露出領域を有し、前記露出領域には、前記外管の移動により、外部に選択的に露出するステントが装着される中心管と、を備えるステント挿入装置」が、特許文献1に開示されている。
【0006】
しかしながら、このようなステント挿入装置は、ピニオンギアとラックギアにより連動される操作レバーを用いて、施術者の操作が前よりも容易になる側面があるが、依然として施術者の操作が難しく、その操作が熟練するまでは、多くの試行錯誤が生じるという問題点があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】大韓民国特許登録10−1480022号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、上記問題点に鑑みなされたものであり、複雑な器具を用いることなく、簡単な構造からなり、さらに簡便にステントを被施術者の血管病変部位に迅速かつ安全に位置するように施術することができ、施術時間がさらに短縮され、施術費用が節減され、施術者の熟練度にかかわらずに容易に使用することができる、ステント挿入装置及びそれを用いたステント施術方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記した目的を達成するために、本発明のステント挿入装置は、長手方向にテフロン(登録商標)材質の案内管が形成され、前方に前記案内管が管結合されるハブ保護管が形成され、前方に前記ハブ保護管の後方が螺合され、一側に外側へ通孔が形成され、蓋により開閉されるハブコネクタが形成され、中央に貫通孔を有し、前記ハブコネクタの後方に螺合される仕上げキャップが形成されるローダー保護管(loader sheath)と、前記ローダー保護管の仕上げキャップの貫通孔を通じて、前記ハブコネクタとハブ保護管を経て前記案内管の内部に挿入されるフレキシブル管体であるプッシャーチューブが形成され、前方に前記プッシャーチューブの他端が貫通するハブ管が形成され、前方に前記ハブ管の後方が螺合され、一側に外側へ通孔が形成され、ルアーキャップにより開閉される前方ハブコネクタが形成され、前方に前記前方ハブコネクタの後方が螺合され、他側に外側へ通孔が形成され、ロックキャップにより開閉される後方ハブコネクタが形成され、中央に投入孔を有し、前記後方ハブコネクタの後方に螺合される後方キャップが形成されるプッシャーと、中央に作動孔を有し、前記プッシャーの後方キャップの投入孔に挿入固定される投入ハブと、前記投入ハブの作動孔からガイドワイヤの末端に挿入され、前記プッシャーとプッシャーチューブ及び前記ローダー保護管を貫通するチューブであり、先端部の外周縁にガイダーが接着固定され、前記ガイダーの後方側には、ガイダーチューブが外周縁に接着固定され、前記ガイダーチューブの後方側には、ストリングチューブが外周縁に接着固定され、先端部にはオリーブチップが接着固定されるPIチューブと、前記PIチューブの先端部に結び目固定される形状記憶合金の網体であり、ステントの先端部は、前記ストリングチューブとガイダーチューブを経て挿入された遅延ワイヤ(delay wire)の先端部が円形で取り囲んでガイダーを通じて挿入されながら、末端を引っ張ると解けるように縮まんで結び目固定され、遅延ワイヤの末端は、前記後方ハブコネクタの通孔を通じてロックキャップに固定され、ステントの先端部を除いた胴体の殆どは、ストリング糸の先端部が末端を引っ張ると解けるように縮まんで結び目を形成し、ストリング糸の末端は、前記ストリングチューブから抜き取り、前記前方ハブコネクタの通孔を通じてルアーキャップに固定された状態で、被施術者の血管病変にガイドワイヤに沿って挿入され、施術者により順次にストリング糸と遅延ワイヤの末端が引っ張られることにより、順次に結び目が解け、自体弾性により拡張され、被施術者の血管を持続的に拡張させるステントと、被施術者の血管病変に挿入され、前記PIチューブを挿入案内するガイドワイヤと、を備えることを特徴とする。
【0010】
前記ステントの先端部は、前記ストリングチューブとガイダーチューブを経て挿入された遅延ワイヤの先端部が円形で取り囲んでガイダーを貫通することにより、末端を引っ張ると解けるように縮まんで結び目固定されることを特徴とする。
【0011】
前記ステントの先端部を除いた胴体の殆どは、先端側から後方側に前記ストリングチューブを通じて挿入されたストリング糸の先端部が、ステントの底面を取り囲んで、左側から右側に行くにつれて、右側上部へ曲面を描く1次閉曲線を作り、さらに先端ではなく、左側前方のストリング糸の延長線部がステントの上部を取り囲んで、1次閉曲線の内部に挿入され、右側上部に進行しながら2次閉曲線を作り、2次閉曲線で、一定の間隔を置いて、ステントを時計方向の後方側に右側上部に向かって巻き取って1次延長部を形成し、さらに先端ではなく、左側前方のストリング糸の延長線部が、ステントの上部を取り囲んで、2次閉曲線の内部に挿入され、右側上部に進行しながら3次閉曲線を作り、さらに3次閉曲線で、一定の間隔を置いて、ステントを時計方向の後方側に右側上部に向かって巻き取って2次延長部を形成する結び目形成行為を繰り返し続け、ステントの胴体の殆どを巻き取り、ストリング糸の末端を引っ張ると解けるように縮まんで結び目固定されることを特徴とする。
【0012】
本発明によるステント施術装置を用いたステント施術方法は、ローダー保護管を通じて、被施術者の血管病変部位にガイドワイヤと案内管を挿入するガイドワイヤ挿入段階と、血管に挿入されたガイドワイヤに、先端のオリーブチップを通じてPIチューブを挿入し、ステントが装着されたPIチューブを挿入貫通させたプッシャーのプッシャーチューブを、ローダー保護管の仕上げキャップの貫通孔から案内管の内部に押して挿入移動させるPIチューブ挿入段階と、プッシャーの後方キャップを外し、後方キャップの投入孔から前記PIチューブをさらに挿入し、先端部のステントが血管病変の適正位置に位置するように挿入移動させるステントの病変正位置段階と、PIチューブのステントが血管病変の適正位置に位置した状態で、プッシャーの前方ハブコネクタのルアーキャップを外し、これに固定されたストリング糸の末端を引っ張ることにより、ステントの胴体部位を、解けるように数回巻き取って結び目連結させた結び目を解き、形状記憶合金であるステントの胴体部位を自体弾性により後方側から拡張させ、血管の病変を拡張させるステント後方拡張段階と、ステントの胴体部位が弾性拡張された状態で、プッシャーの後方ハブコネクタのロックキャップを外し、これに固定された遅延ワイヤの末端を引っ張ることにより、先端部がステントの先端部を巻き取り、ガイダーに挿入された遅延ワイヤの結び目を解き、形状記憶合金であるステントの先端部位を自体弾性により拡張させ、血管の病変を拡張させるステント前方拡張段階と、プッシャー後方キャップの投入孔から前記プッシャーチューブを引っ張って除去するプッシャーチューブ分離段階と、プッシャーの後方キャップをロックし、前記プッシャーとPIチューブをローダー保護管の仕上げキャップの貫通孔から引っ張って除去するプッシャー及びPIチューブ分離段階と、ローダー保護管の仕上げキャップの貫通孔から前記ガイドワイヤを引っ張って除去するガイドワイヤ分離段階と、ローダー保護管を被施術者の血管から引っ張って除去するローダー保護管分離段階と、を含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、複雑な器具を用いることなく、簡単な構造からなり、さらに簡便にステントを被施術者の血管病変部位に迅速かつ安全に位置するように施術することができ、施術時間がさらに短縮され、施術費用が節減され、施術者の熟練度にかかわらずに容易に使用することができるという効果がある。
【0014】
本発明は、上述した特定の好適な実施例に限定されず、請求の範囲において請求する本発明の要旨の範囲内で、当該発明の属する技術分野における通常の知識を有する者であれば、誰でも、様々な変形実施が可能であることはもとより、このような変更は、請求の範囲に記載された範囲内に属するものである。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明の実施例によるステント挿入装置の締付様子を示す分離状態の正面図
図2】本発明の実施例によるステント挿入装置の要部を示す拡大要部切取断面図
図3】本発明の実施例によるステント挿入装置のステントを、PIチューブに、ストリング糸を用いて解けるように固定する結び目方法のうち、1次閉曲線部を形成する様子を示す要部拡大説明図
図4】本発明の実施例によるステント挿入装置のステントを、PIチューブに、ストリング糸を用いて解けるように固定する結び目方法のうち、2次閉曲線部を形成する様子を示す要部拡大説明図
図5】本発明の実施例によるステント挿入装置のステントを、PIチューブに、ストリング糸を用いて解けるように固定する結び目方法のうち、1次延長部を形成する様子を示す要部拡大説明図
図6】本発明の実施例によるステント挿入装置のステントを、PIチューブに、ストリング糸を用いて解けるように固定する結び目方法のうち、3次閉曲線部を形成する様子を示す要部拡大説明図
図7】本発明の実施例によるステント挿入装置のステントを、PIチューブに、ストリング糸を用いて解けるように固定する結び目方法のうち、2次延長部を形成する様子を示す要部拡大説明図
図8】本発明の実施例によるステント挿入装置を用いたステント施術方法を時間経過順により順次に記載したフローチャート
図9】本発明の実施例によるステント挿入装置を用いたステント施術方法のうち、ガイドワイヤ挿入段階の施術様子を示す説明図
図10】本発明の実施例によるステント挿入装置を用いたステント施術方法のうち、PIチューブ挿入段階の施術様子を示す説明図
図11】本発明の実施例によるステント挿入装置を用いたステント施術方法のうち、ステントの病変正位置段階の施術様子を示す説明図
図12】本発明の実施例によるステント挿入装置を用いたステント施術方法のうち、ステント後方拡張段階の施術様子を示す説明図
図13】本発明の実施例によるステント挿入装置を用いたステント施術方法のうち、ステント前方拡張段階の施術様子を示す説明図
図14】本発明の実施例によるステント挿入装置を用いたステント施術方法のうち、プッシャーチューブ分離段階の施術様子を示す説明図
図15】本発明の実施例によるステント挿入装置を用いたステント施術方法のうち、プッシャー及びPIチューブ分離段階の施術様子を示す説明図
図16】本発明の実施例によるステント挿入装置を用いたステント施術方法のうち、ガイドワイヤ分離段階の施術様子を示す説明図
図17】本発明の実施例によるステント挿入装置を用いたステント施術方法のうち、ローダー保護管分離段階の施術様子を示す説明図
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、添付された図面を参照して、本発明について詳述する。
【0017】
参考として、本発明を説明するにあたって、関連した公知の機能または構成についての具体的な説明が、本発明の要旨を不要に曖昧にすると判断される場合、その詳細な説明を省略する。
また、後述する用語は、本発明における機能を考慮して定義された用語として、これは、使用者、運用者の意図または慣例等により異なる。
このため、その定義は、本明細書の全般にわたった内容に基づいて定められる。
【0018】
本発明によるステント挿入装置1は、被施術者の血管を通じてガイドワイヤ60を病変に挿入させて案内支持するローダー保護管10と、ローダー保護管10を通じてプッシャーチューブ21が挿入され、PIチューブ40に装着されたステント50の血管の病変位置に押して定着させるように案内支持するプッシャー20と、プッシャー20の後方に螺子結合され、プッシャーチューブ21の移動を案内して支持する投入ハブ30と、前方にステント50が装着され、プッシャーチューブ21によりステント50を血管の病変位置に位置するように案内支持するPIチューブ40と、先端部と先端部を除いた胴体の殆どが、遠隔から解けるようにそれぞれ結び目固定された状態で、PIチューブ40により被施術者の血管病変に位置され、先端部と胴体の殆どに固定された結び目が解けることにより、血管の病変内で拡張され、血管の拡張した状態を持続的に維持させる形状記憶合金であるステント50と、前記PIチューブ40が挿入案内され、ステント50を被施術者の血管病変部位に案内誘導するガイドワイヤ60と、で構成される。
【0019】
前記ローダー保護管10は、長手方向にテフロン(登録商標)材質の案内管11が形成され、前方に前記案内管11が管結合されるハブ保護管12が形成され、前方に前記ハブ保護管12の後方に螺合され、一側に外側へ通孔13aが形成され、蓋13bにより開閉されるハブコネクタ13が形成され、中央に貫通孔14aを有し、前記ハブコネクタ13の後方に螺合される仕上げキャップ14が形成される。
【0020】
前記プッシャー20は、前記ローダー保護管10の仕上げキャップ14の貫通孔14aを通じて、前記ハブコネクタ13とハブ保護管12を経て前記案内管11の内部に挿入されるフレキシブル管体であるプッシャーチューブ21が形成され、前方に前記プッシャーチューブ21の他端が貫通するハブ管22が形成され、前方に前記ハブ管22の後方が螺合され、一側に外側へ通孔23aが形成され、ルアーキャップ23bにより開閉される前方ハブコネクタ23が形成され、前方に前記前方ハブコネクタ23の後方が螺合され、他側に外側へ通孔24aが形成され、ロックキャップ24bにより開閉される後方ハブコネクタ24が形成され、中央に投入孔25aを有し、前記後方ハブコネクタ24の後方に螺合される後方キャップ25が形成される。
前記投入ハブ30は、中央に作動孔31を有し、前記プッシャー20の後方キャップ25の投入孔25aに挿入固定される。
【0021】
前記PIチューブ40は、前記投入ハブ30の作動孔31からガイドワイヤ60の末端に挿入され、前記プッシャー20とプッシャーチューブ21及び前記ローダー保護管10を貫通するチューブであって、先端部の外周縁にガイダー41が接着固定され、前記ガイダー41の後方側には、ガイダーチューブ42が外周縁に接着固定され、前記ガイダーチューブ42の後方側には、ストリングチューブ43が外周縁に接着固定され、先端部には、オリーブチップ46が接着固定される。
【0022】
前記ステント50は、PIチューブ40の先端部に結び目固定される形状記憶合金の網体であって、ステント50の先端部は、前記ストリングチューブ43とガイダーチューブ42を経て挿入された遅延ワイヤ44の先端部が円形で取り囲んでガイダー41を通じて挿入されながら、末端を引っ張ると解けるように縮まんで結び目固定され、遅延ワイヤ44の末端は、前記後方ハブコネクタ24の通孔24aを通じてロックキャップ24bに固定され、ステント50の先端部を除いた胴体の殆どは、ストリング糸45の先端部が末端を引っ張ると解けるように縮まんで結び目形成し、ストリング糸45の末端は、前記ストリングチューブ43から抜き取り、前記前方ハブコネクタ23の通孔23aを通じてルアーキャップ23bに固定された状態で、被施術者の血管病変にガイドワイヤ60に沿って挿入され、施術者により順次にストリング糸45と遅延ワイヤ44の末端が引っ張られることにより、順次に結び目が解け、自体弾性により拡張され、被施術者の血管を持続的に拡張させる。
【0023】
前記ステント50の先端部は、前記ストリングチューブ43とガイダーチューブ42を経て挿入された遅延ワイヤ44の先端部が円形で取り囲んでガイダー41を貫通することにより、末端を引っ張ると解けるように縮まんで結び目固定される。
【0024】
前記ステント50の先端部を除いた胴体の殆どは、先端側から後方側へ前記ストリングチューブ43を通じて挿入されたストリング糸45の先端部が、ステント50の底面を取り囲んで、左側から右側に行くことにつれて、右側上部に曲面を描く1次閉曲線部45bを作り、さらに先端ではなく、左側前方のストリング糸45の延長線部45aでステント50の上部を取り囲んで、1次閉曲線部45bの内部に挿入され、右側上部に進行しながら2次閉曲線部45cを作り、2次閉曲線部45cで、一定の間隔を置いて、ステント50を時計方向の後方側に右側上部に向かって巻き取って1次延長部45dを形成し、さらに先端ではなく、左側前方のストリング糸45の延長線部45aでステント50の上部を取り囲んで、2次閉曲線部45cの内部に挿入され、右側上部に進行しながら3次閉曲線部45eを作り、さらに3次閉曲線部45eで、一定の間隔を置いて、ステント50を時計方向の後方側に右側上部に向かって巻き取って2次延長部45fを形成する結び目形成行為を繰り返し続け、ステント50の胴体の殆どを巻き取り、ストリング糸45の末端を引っ張ると解けるように縮まんで結び目固定される。
前記ガイドワイヤ60は、被施術者の血管病変に挿入され、前記PIチューブ40を挿入案内する。
【0025】
また、本発明のステント施術方法は、ガイドワイヤ挿入段階100と、PIチューブ挿入段階110と、ステントの病変正位置段階120と、ステント後方拡張段階130と、ステント前方拡張段階140と、プッシャーチューブ分離段階150と、プッシャー及びPIチューブ分離段階160と、ガイドワイヤ分離段階170と、ローダー保護管分離段階180と、からなる。
前記ガイドワイヤ挿入段階100は、ローダー保護管10を通じて、被施術者の血管病変にガイドワイヤ60と案内管11を挿入する過程である。
【0026】
前記PIチューブ挿入段階110は、先端が血管に挿入されたガイドワイヤ60の末端を先端のオリーブチップ46の中央に挿入し、ガイドワイヤ60にPIチューブ40を挿入し、ステント50が装着されたPIチューブ40を挿入貫通させたプッシャー20のプッシャーチューブ21を、ローダー保護管10の仕上げキャップ14の貫通孔14aから案内管11の内部に挿入移動させる過程である。
【0027】
前記ステントの病変正位置段階120は、プッシャー20の後方キャップ25を外し、後方キャップ25の投入孔25aから前記PIチューブ40が挿入されたプッシャーチューブ21をさらに挿入し、PIチューブ40の先端部のステント50が血管病変の適正位置に位置するように挿入移動させる過程である。
【0028】
前記ステント後方拡張段階130は、PIチューブ40のステント50が病変の適正位置に位置した状態で、プッシャー20の前方ハブコネクタ23のルアーキャップ23bを外し、これに固定されたストリング糸45の末端を引っ張ることにより、ステント50の胴体部位を、解けるように数回巻き取って結び目連結した結び目を解け、形状記憶合金であるステント50の胴体部位を自体弾性により後方側から拡張させ、血管の病変を拡張させる過程である。
【0029】
前記ステント前方拡張段階140は、ステント50の胴体部位が弾性拡張した状態で、プッシャー20の後方ハブコネクタ24のロックキャップ24bを外し、これに固定された遅延ワイヤ44の末端を引っ張ることにより、先端部がステント50の先端部を巻き取ってガイダー41に挿入された遅延ワイヤ44の結び目を解け、形状記憶合金であるステント50の先端部位を自体弾性により拡張させ、血管の病変を拡張させる過程である。
【0030】
前記プッシャーチューブ分離段階150は、プッシャー20の後方キャップ25の投入孔25aから前記プッシャーチューブ21を引っ張って除去分離する過程である。
【0031】
前記プッシャー及びPIチューブ分離段階160は、プッシャー20の後方キャップ25をロックし、前記プッシャー20とPIチューブ40をローダー保護管10の仕上げキャップ14の貫通孔14aから引っ張って除去分離する過程である。
【0032】
前記ガイドワイヤ分離段階170は、ローダー保護管10の仕上げキャップ14の貫通孔14aから前記ガイドワイヤ60を引っ張って除去分離する過程である。
前記ローダー保護管分離段階180は、ローダー保護管10を被施術者の血管から引っ張って除去分離する過程である。
【0033】
このような本発明は、施術者がローダー保護管10を通じて、被施術者の血管病変部位にガイドワイヤ60と案内管11を挿入するガイドワイヤ挿入段階100を行い、血管に挿入されたガイドワイヤ60の末端を、PIチューブ40のオリーブチップ46の中心に貫通させながら、ステント50が装着されたPIチューブ40をローダー保護管10の仕上げキャップ14の貫通孔14aを通じて、プッシャー20のプッシャーチューブ21で押し、案内管11の内部に挿入するPIチューブ挿入段階110を行う。
【0034】
その後、プッシャー20の後方キャップ25を外し、後方キャップ25の投入孔25aから前記PIチューブ40が挿入されたプッシャーチューブ21をさらに挿入し、PIチューブ40の先端部のステント50が、血管病変の適正位置に位置するように挿入移動させるステントの病変正位置段階120を行い、施術者は、プッシャー20の前方ハブコネクタ23のルアーキャップ23bを外し、これに固定されたストリング糸45の末端を引っ張ることにより、ステント50の胴体部位を、解けるように数回巻き取って結び目連結した結び目を解け、形状記憶合金であるステント50の胴体部位を自体弾性により後方側から拡張させ、被施術者の血管病変部位を拡張させるステント後方拡張段階130を行う。
【0035】
その状態で、施術者は、プッシャー20の後方ハブコネクタ24のロックキャップ24bを外し、これに固定された遅延ワイヤ44の末端を引っ張ることにより、先端部がステント50の先端部を巻き取ってガイダー41に挿入された遅延ワイヤ44の結び目を解け、形状記憶合金であるステント50の先端部位を自体弾性により拡張させ、被施術者の血管病変部位を拡張させるステント前方拡張段階140を行う。
【0036】
その後、施術者は、プッシャー20の後方キャップ25の投入孔25aから前記プッシャーチューブ21を引っ張って除去分離するプッシャーチューブ分離段階150を行い、プッシャー20の後方キャップ25をロックし、前記プッシャー20とPIチューブ40をローダー保護管10の仕上げキャップ14の貫通孔14aから引っ張って除去分離するプッシャー及びPIチューブ分離段階160を行い、ローダー保護管10の仕上げキャップ14の貫通孔14aから前記ガイドワイヤ60を引っ張って除去分離するガイドワイヤ分離段階170を行い、ローダー保護管10を被施術者の血管から引っ張って除去分離するローダー保護管分離段階180を行う。
【符号の説明】
【0037】
1 ステント挿入装置
10 ローダー保護管
11 案内管
12 ハブ保護管
13 ハブコネクタ
13a 通孔
13b 蓋
14 仕上げキャップ
14a 貫通孔
20 プッシャー
21 プッシャーチューブ
22 ハブ管
23 前方ハブコネクタ
23a 通孔
23b ルアーキャップ
24 後方ハブコネクタ
24a 通孔
24b ロックキャップ
30 投入ハブ
31 作動孔
40 PIチューブ
41 ガイダー
42 ガイダーチューブ
43 ストリングチューブ
44 遅延ワイヤ
45 ストリング糸
45a 延長線部
45b 1次閉曲線部
45c 2次閉曲線部
45d 1次延長部
45e 3次閉曲線部
45f 2次延長部
46 オリーブチップ
50 ステント
60 ガイドワイヤ
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