特許第6804513号(P6804513)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6804513自動車用の電動ステアリングコラムロック装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6804513
(24)【登録日】2020年12月4日
(45)【発行日】2020年12月23日
(54)【発明の名称】自動車用の電動ステアリングコラムロック装置
(51)【国際特許分類】
   B60R 25/0215 20130101AFI20201214BHJP
【FI】
   B60R25/0215
【請求項の数】7
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2018-502177(P2018-502177)
(86)(22)【出願日】2016年5月19日
(65)【公表番号】特表2018-521896(P2018-521896A)
(43)【公表日】2018年8月9日
(86)【国際出願番号】EP2016061303
(87)【国際公開番号】WO2017012736
(87)【国際公開日】20170126
【審査請求日】2019年2月25日
(31)【優先権主張番号】15177310.8
(32)【優先日】2015年7月17日
(33)【優先権主張国】EP
(31)【優先権主張番号】16155654.3
(32)【優先日】2016年2月15日
(33)【優先権主張国】EP
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】515091865
【氏名又は名称】ユーシン ドイチュラント ツーガングスジュステーメ ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
(74)【代理人】
【識別番号】100060759
【弁理士】
【氏名又は名称】竹沢 荘一
(72)【発明者】
【氏名】ルーカス カリーフェ
(72)【発明者】
【氏名】アントニー ラファル
(72)【発明者】
【氏名】ノルベルト レーマイヤー
(72)【発明者】
【氏名】レジス グレヌイヤ
【審査官】 森本 康正
(56)【参考文献】
【文献】 特開2009−107550(JP,A)
【文献】 特開2009−083657(JP,A)
【文献】 特開2013−048550(JP,A)
【文献】 特開2008−301621(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60R 25/00−25/40
E05B 1/00−85/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハウジング(8)内に収容され、かつ、モータ軸のまわりの回転により、モータシャフトを駆動するモータ(4)であって、前記モータシャフトは、前記モータ(4)を貫通し、かつ前記ステアリングコラムのロック位置とアンロック位置との間で舌片(7)を駆動する駆動部を備え、かつ前記モータ(4)は、前記ハウジング(8)内で、前記舌片(7)を駆動することができる作動面と前記モータ(4)を固定することができる固定面とを有し、
前記モータシャフトが相対的に回転するように、前記モータシャフトの端部に配置されたワッシャ(2)であって、このワッシャ(2)は、前記モータ(4)の前記固定面に当接するように前記固定面側に配置されている、
ステアリングコラムのロックおよびアンロックを行うための電動ステアリングコラムロック装置であって、
前記ワッシャ(2)と前記ハウジング(8)との間に配置され、かつ前記ワッシャ(2)および前記ハウジング(8)に当接している弾性体(3)を備え、前記弾性体(3)は、前記ワッシャ(2)の前記モータ(4)の前記固定面側とは反対側の面に当接して設けられており、
前記弾性体(3)は、前記モータ軸に沿って、前記ワッシャ(2)を押し付けることにより、前記モータ軸に予負荷をかけられるようになっており、
前記ワッシャ(2)は、前記モータ(4)および前記弾性体(3)に当接する2つの平坦面を有し、かつ、鋼製の平坦な円板であることを特徴とする電動ステアリングコラムロック装置。
【請求項2】
前記ワッシャ(2)は、円板型ワッシャであることを特徴とする、請求項1に記載の電動ステアリングコラムロック装置。
【請求項3】
前記弾性体(3)は、弾性球であることを特徴とする、請求項1または2に記載の電動ステアリングコラムロック装置。
【請求項4】
前記弾性体(3)は、エラストマー材料からなっていることを特徴とする、請求項1から3のいずれか1項に記載の電動ステアリングコラムロック装置。
【請求項5】
前記弾性体(3)は、戻し手段であり、前記戻し手段は、筒状ばねであることを特徴とする、請求項1から4のいずれか1項に記載の電動ステアリングコラムロック装置。
【請求項6】
前記弾性体(3)は、前記ハウジング(8)内に形成された空洞内に配置されていることを特徴とする、請求項1から5のいずれか1項に記載の電動ステアリングコラムロック装置。
【請求項7】
請求項1からのいずれか1項に記載の電動ステアリングコラムロック装置を備える自動車。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車における電動ステアリングコラムロック装置、およびこの電動ステアリングコラムロック装置を備える自動車に関する。
【背景技術】
【0002】
電動ステアリングコラムロック装置は、通常、ウォーム歯車とカムとによって係止片を駆動するモータを備えている。係止片は、負荷方向に駆動されて、ステアリングコラムに係合したり、ステアリングコラムから非係合としたりされる。
【0003】
従来技術による電動ステアリングコラムロック装置では、モータシャフトの軸方向の力を吸収するために、ワッシャがモータの負荷方向に配置されている。しかし、このようなワッシャは、モータの軸方向と一体となっているため、係止片のロックおよびアンロックに必要な強い力を十分に吸収することはできない。
【0004】
さらに、モータの設計上、ステアリングコラムロック装置のモータとケーシングとの間に、より正確には、ウォーム歯車の回転軸であるモータ軸の方向に遊びを生じるおそれがある。特に、この遊びは、モータが始動するときに「カタッ」という衝撃音を出し、またモータの作動中にノイズを出す。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、従来技術におけるよりも、信頼性が高く、効率的で、かつノイズの少ない電動ステアリングコラムロック装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この目的のために、本発明の、ステアリングコラムのロックおよびアンロックを行うための電動ステアリングコラムロック装置は、
―ハウジング内に収容され、かつ、モータ回転軸のまわりの回転時に、前記ステアリングコラムのロック位置とアンロック位置との間で係止片を駆動する駆動部を備えるモータシャフトを駆動するモータと、
―前記モータシャフトの端部に配置され、モータシャフトが相対的に回転するようになっているワッシャと、
―前記ワッシャとハウジングとの間に配置され、前記ワッシャおよびハウジングに当接している弾性体とを備えている。
【0007】
ワッシャを押し付けている弾性体は、軸方向の遊びをなくすように、モータ軸に予負荷をかけていると有利である。
【0008】
本発明のさらなる実施形態として、次の事項を、単独でまたは組み合わせて適用することができる。
―ワッシャは、円板型ワッシャである。
―弾性体は、ワッシャを押し付けており、そのためモータ軸に軸方向の予負担がかけられている。
―弾性体は、弾性球である。
―弾性体は、エラストマー材料からなり、および/または、弾性体は、戻し手段と関連づけられている。
―戻し手段は、圧縮ばねである。
―弾性体は、ハウジング内に形成された空洞内に配置されている。
―ワッシャは、モータおよび弾性体に当接する2つの平坦面を有している。
―ワッシャは、鋼製の円板である。
【0009】
本発明の別の態様によれば、本発明は、本発明による電動ステアリングコラムロック装置を備える自動車にも関する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の好ましい実施形態による電動ステアリングコラムロック装置の斜視図である。
図2図1の電動ステアリングコラムロック装置の平面図である。
図3図2の右上部分の拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明の他の特徴および利点は、添付図面を参照して行う、非限定的な実施形態の以下の説明から明らかになると思う。
【0012】
図面に示すように、本発明は、ステアリングコラム(図示せず)をロックおよびアンロックするようになっている電動コラムロック装置に関する。この電動ステアリングコラムロック装置は、ハウジング8内に収容されている。
【0013】
電動ステアリングコラムロック装置は、ハウジング8内に収容されたモータ4を備えている。このモータ4のモータシャフトは、軸線10のまわりに回転駆動させられるようになっている。
【0014】
モータシャフトは、ステアリングコラムのロック位置とアンロック位置との間で、係止片7を駆動させる駆動部9を備えている。ロック位置では、係止片7は、ステアリングコラムと係合する。アンロック位置では、係止片7は、ステアリングコラムと非係合となる。
【0015】
ウォーム歯車であることが好ましい駆動部9は、係止片7を、ロック位置とアンロック位置との間で、直接的または間接的に駆動させるようになっている。一実施形態においては、駆動部9は、係止片7をロック位置とアンロック位置との間に亘って駆動させる2つ以上の歯車5および6を駆動させる。
【0016】
さらに本発明の電動ステアリングコラムロック装置は、モータシャフトの一端部に位置するワッシャ2をさらに備えており、モータシャフトはワッシャに対して回転するようになっている。
【0017】
さらに本発明の電動ステアリングコラムロック装置は、ワッシャ2とハウジング8との間に位置する弾性体3を備えている。この弾性体3は、ワッシャ2およびハウジング8と当接している。
【0018】
有利なことに、ワッシャ2を押し付けている弾性体3は、モータ軸に予負荷をかけて、軸方向の遊びが生じないようにしている。その結果、ステアリングコラムロックは、使用中に磨耗しにくくなり、その信頼性および効率が改善されるとともに、モータの寿命は改善され、かつ、モータの作動音が低減させられる。さらに、このような構成により、モータの始動時の「カタッ」というノイズをなくすことができる。
【0019】
モータシャフトは、モータ4を貫通している。
【0020】
特に、モータは、ハウジング8内で、係止片7を駆動するための作動面と、モータ4を固定するための固定面とを有している。図に示すように、作動面の中心と固定面の中心とは、モータシャフトの軸線10と同軸とされているのがよい。
【0021】
実施形態においては、ワッシャ2は、モータ4の固定面に当接するように、この固定面側に配置され、かつ、弾性体3は、ワッシャ2のモータ4の固定面側とは反対側の面に当接するようにして設けられている。
【0022】
一実施形態によれば、この電動ステアリングコラムロック装置は、モータ4の作動面側に、負荷方向を向く作動ワッシャ1をさらに備えている。作動ワッシャ1とモータ4の作動面との間に駆動部9が配置されるように、作動ワッシャ1を配置することが好ましい。有利なことに、作動ワッシャ1は、モータシャフトの軸方向の力を吸収することができる。
【0023】
本発明の好ましい実施形態では、電動ステアリングコラムロック装置は、モータ4の作動面側に配置された作動ワッシャ1と、モータ4の固定面側に配置されたワッシャ2とを備えている。
【0024】
本発明の好ましい実施形態では、モータ及びモータシャフトの一方の端部は、係止片7の駆動に向けられ、他方の端部は、モータ軸の予負荷に向けられている。
【0025】
本発明の好ましい実施形態における配置によって、モータシャフトの軸方向の遊びをなくすことができる。またこのステアリングコラムロック装置のノイズは、従来のものと比べて小さい。
【0026】
一実施形態では、ワッシャ2は、円板型ワッシャである。ワッシャ2を、例えば、円錐型ワッシャなどの非平面の表面を有する別の形状のものとすることもできる。しかしワッシャ1は、円板型であることが好ましい。
【0027】
一実施形態では、モータ軸10に軸線方向の予負荷をかけられるように、弾性体3は、ワッシャ2を押し付けるように配置されている。
【0028】
一実施形態においては、モータ4は、軸線方向に長く、かつモータ4の負荷方向は、モータ4の軸線方向である。
【0029】
一実施形態においては、弾性体3は、弾性球である。この弾性球は、均一な形状を有することができる。
【0030】
一実施形態においては、弾性体3は、エラストマー材料からなっている。
【0031】
一実施形態においては、弾性体3は、戻し手段と関連付けられている。
【0032】
一実施形態においては、戻し手段は、圧縮ばねである。
【0033】
弾性体3は、バネなどの戻し手段、例えば筒状バネ、あるいは2つ以上の部材からなるアセンブリのうちの1つを、筒状バネなどの戻し手段とすることもできる。
【0034】
一実施形態においては、弾性体3は、ハウジング8に設けられた空洞内に配置されている。このような配置により、弾性体3は、ハウジング8内の一定位置を取ることができる。
【0035】
一実施形態においては、ワッシャ2は、モータ4および弾性体3に当接する2つの平坦面を有している。
【0036】
一実施形態においては、ワッシャは、鋼製の平らな円板である。
【0037】
本発明はさらに、上述した電動ステアリングコラムロック装置を備える自動車に関する。
【0038】
このような自動車は、ステアリングコラムロック装置を用いた先行技術のものに比して、ノイズは小さい。
【0039】
以上本発明を、特許請求の範囲によって定められる本発明の概念を限定することなく、実施形態を参照して説明した。
【0040】
前述の例示的な実施形態を参照することにより、当業者は、多くの変更及び変形を着想することができると思う。前述した実施形態は、単なる例示であって、本発明の範囲を限定するものではない。本発明の技術的範囲は、後記する特許請求の範囲によってのみ判断されるものである。
【0041】
特許請求の範囲において、「備える」という語は、他の要素を排除するものではなく、また不定冠詞は、複数を除外するものではない。異なる特徴が、異なる従属請求項に列挙されているということは、これらの特徴の組み合わせを有利に採用することができないことを示すものではない。特許請求の範囲におけるいかなる符号も、本発明の範囲を限定するものとして解釈されるべきではない。
【符号の説明】
【0042】
1 作動ワッシャ
2 ワッシャ
3 弾性体
4 モータ
5 歯車
6 歯車
7 係止片
8 ハウジング
9 駆動部
10 軸線
図1
図2
図3