特許第6804517号(P6804517)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6804517ドア枠ロックを備えたエレベータかごドアインターロック
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6804517
(24)【登録日】2020年12月4日
(45)【発行日】2020年12月23日
(54)【発明の名称】ドア枠ロックを備えたエレベータかごドアインターロック
(51)【国際特許分類】
   B66B 13/12 20060101AFI20201214BHJP
   B66B 13/18 20060101ALI20201214BHJP
【FI】
   B66B13/12 Z
   B66B13/18 A
【請求項の数】20
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2018-505595(P2018-505595)
(86)(22)【出願日】2016年8月2日
(65)【公表番号】特表2018-521928(P2018-521928A)
(43)【公表日】2018年8月9日
(86)【国際出願番号】US2016045156
(87)【国際公開番号】WO2017023928
(87)【国際公開日】20170209
【審査請求日】2019年7月22日
(31)【優先権主張番号】62/200,912
(32)【優先日】2015年8月4日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】591020353
【氏名又は名称】オーチス エレベータ カンパニー
【氏名又は名称原語表記】Otis Elevator Company
(74)【代理人】
【識別番号】100086232
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 博通
(74)【代理人】
【識別番号】100092613
【弁理士】
【氏名又は名称】富岡 潔
(72)【発明者】
【氏名】クラック,リチャード イー.
(72)【発明者】
【氏名】トレイシー,マイケル ジェイ.
【審査官】 羽月 竜治
(56)【参考文献】
【文献】 特開平02−239085(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B66B 13/00−13/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
エレベータかごドアのためのロック組立体であって、
既知の条件を検知すると、第1の位置から第2の位置に移動するように構成されたかごドア機構であって、
回転可能なリンクアームと、
昇降路の乗り場ドアに固定された感知ベーンを検出するように、前記回転可能なリンクアームに接続された感知機構と、
前記回転可能なリンクアームに枢動可能に接続された係合ラッチであって、前記感知機構と前記感知ベーンとの係合に応答して回転可能な係合ラッチと、
を備えたかごドア機構と、
前記エレベータかごドアの下部に隣接して設置され、前記係合ラッチに作動可能に結合された接触器であって、前記係合ラッチの回転に応答して可動であり、前記エレベータかごドアの一部をロック及びアンロックする前記接触器と、
を備える、前記ロック組立体。
【請求項2】
前記接触器が、前記接触器をロック位置に付勢するように構成された付勢機構を含む、請求項1に記載のロック組立体。
【請求項3】
前記接触器がばねピンである、請求項2に記載のロック組立体。
【請求項4】
前記接触器が、前記エレベータかごドアに設置され、かごドア枠に係合する、請求項1に記載のロック組立体。
【請求項5】
前記第1の位置と前記第2の位置の間の前記かごドア機構の移動が、前記接触器に力を伝達し、これにより前記接触器をロック位置とアンロック位置の間で移動させるように構成される、請求項1に記載のロック組立体。
【請求項6】
前記接触器と前記係合ラッチがケーブルによって接続される、請求項5に記載のロック組立体。
【請求項7】
前記かごドア機構がかごドアインターロックである、請求項1に記載のロック組立体。
【請求項8】
前記かごドア機構がドア連結器である、請求項1に記載のロック組立体。
【請求項9】
複数の乗り場の間で昇降路内を可動であるエレベータかごであって、
開放位置と閉鎖位置の間で可動であるエレベータかごドアと、
前記エレベータかごが乗り場区域内に位置決めされたかどうかを判定するように構成されたかごドア機構であって、
回転可能なリンクアームと、
昇降路の乗り場ドアに固定された感知ベーンを検出するように、前記回転可能なリンクアームに接続された感知機構と、
前記回転可能なリンクアームに枢動可能に接続された係合ラッチであって、前記感知機構と前記感知ベーンとの係合に応答して回転可能な係合ラッチと、
を備えたかごドア機構と、
前記係合ラッチと前記エレベータかごの下部の両方に作動可能に結合され、前記エレベータかごドアの一部をロック及びアンロックするように構成されたロック組立体と、を含む前記エレベータかごを備えるエレベータシステム。
【請求項10】
前記ロック組立体が、前記エレベータかごドアの下部をロックするように構成される、請求項9に記載のエレベータシステム。
【請求項11】
前記ロック組立体が、第1の位置と第2の位置の間で可動である接触器を含み、前記接触器は、前記エレベータかごドアがロックされる際、第1の位置に配置され、前記エレベータかごドアがアンロックされる際、第2の位置に配置される、請求項9に記載のエレベータシステム。
【請求項12】
前記接触器は、前記接触器を前記第1の位置に付勢するように構成された付勢機構を含む、請求項11に記載のエレベータシステム。
【請求項13】
前記接触器がばねピンである、請求項12に記載のエレベータシステム。
【請求項14】
前記エレベータかごが前記乗り場ドアの区域内に位置決めされたと判定した後の前記かごドア機構の移動は、前記接触器に力を伝達し、これにより前記接触器を前記第1の位置と前記第2の位置の間で移動させるように構成される、請求項11に記載のエレベータシステム。
【請求項15】
前記かごドア機構がかごドアインターロックである、請求項14に記載のエレベータシステム。
【請求項16】
前記係合ラッチは、前記かごドアインターロックが、前記エレベータかごが前記乗り場ドアの区域内に位置決めされたと判定すると、第1の位置と、第2の位置の間で移動するように構成される、請求項15に記載のエレベータシステム。
【請求項17】
前記ロック組立体が、ケーブルを介して前記かごドア機構に作動可能に結合される、請求項9に記載のエレベータシステム。
【請求項18】
前記ロック組立体が、前記エレベータかごに設置され、前記エレベータかごドアの下部をロックする、請求項9に記載のエレベータシステム。
【請求項19】
前記かごドアインターロックの作動が、前記エレベータかごに設置されたドア操作装置によって駆動される、請求項9に記載のエレベータシステム。
【請求項20】
前記かごドア機構に作動可能に結合されたロック機構をさらに備え、前記ロック機構が、前記エレベータかごの上部をロックするように構成される、請求項9に記載のエレベータシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、エレベータシステムに関し、より具体的には、エレベータかごと、乗り場ドアとを係合させるための方法及び手段に関する。
【背景技術】
【0002】
典型的なエレベータまたはリフト設備において、垂直方向に移動するエレベータかごは、その出入口を、多層階の建物の複数の乗り場にある対応する開口部と位置合わせするように位置決めされる。最新の設備は典型的には、エレベータかごに配設された1つまたは複数の水平方向の引き戸と、乗り場階フロアの各々に配設され、昇降路内のエレベータかごの移動中はその全てが閉じたままである、少なくとも1つの引き戸とを有する。
【0003】
エレベータかごがフロアまたは乗り場に到着すると、エレベータかごドアを水平方向に駆動してエレベータかごへの出入りを可能にするドア開放機構が作動される。典型的な設備においては、エレベータかごドアの表面から隣接する乗り場ドアの方向に突出する1つまたは複数のベーンが、例えば、ベーン、ローラ、または乗り場ドアから突出する他の突起部等の様々な構造に係合して乗り場ドアを水平方向に駆動し、それによって乗客がかごと、乗り場との間を横行することを可能にする。
【0004】
エレベータコードは、エレベータかごが乗り場に直接隣接して位置決めされない限り、許可のない進入に対してエレベータの乗り場ドアがしっかりと閉じたままであることを求める。同様に、ある国々では、エレベータかごが乗り場と整合するように位置決めされない限り、手動での移動に対して掛止されたたままでなければならない。エレベータかごがエレベータ昇降路を行き来する際、乗り場かご及びエレベータかごドアを固定し、固定を解除するために、様々な機構及びシステムが従来技術において提案されている。今日まで利用されている様々な機械的及び電気的インターロックシステムには、複雑であり、かつ故障及び/または頻繁な保守要件の対象となるという欠点がある。既存のインターロックシステムは典型的に、ソレノイドによって作動される、またはドア連結器と機械的に連結される。これらの電気的システムには始動遅延が生じ、動力損失時にはバッテリバックアップが必要である。機械的システムはしばしば騒音を生じさせ、機能するためにリンク機構、カム、及びばねの複雑なセットを必要とする。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
一実施形態によると、既知の条件を検知すると、第1の位置から第2の位置に移動するように構成されたかご機構を含む、エレベータかごドアのためのロック組立体が提供される。接触器が、エレベータかごドアの下部に隣接して設置され、かごドア機構に作動可能に結合される。接触器は、かごドア機構の移動に応答して可動であり、エレベータかごドアの一部をロック及びアンロックする。
【0006】
上記に記載した1つまたは複数の特徴に加えて、または代替として、さらなる実施形態では、接触器は、接触器をロック位置に付勢するように構成された付勢機構を含む。
【0007】
上記に記載した1つまたは複数の特徴に加えて、または代替として、さらなる実施態様において接触器は、ばねピンである。
【0008】
上記に記載した1つまたは複数の特徴に加えて、または代替として、さらなる実施態様において、接触器はエレベータかごドアに設置され、かごドア枠に係合する。
【0009】
上記に記載した1つまたは複数の特徴に加えて、または代替として、さらなる実施形態では、第1の位置と第2の位置の間のかごドア機構の移動は、接触器に力を伝達し、これにより接触器をロック位置とアンロック位置の間で移動させるように構成される。
【0010】
上記に記載した1つまたは複数の特徴に加えて、または代替として、さらなる実施態様において、接触器と、かごドア機構はケーブルによって接続される。
【0011】
上記に記載した1つまたは複数の上述の特徴に加えて、または代替として、さらなる実施態様において、かごドア機構は、かごドアインターロックである。
【0012】
上記に記載した1つまたは複数の特徴に加えて、または代替として、さらなる実施態様において、かごドア機構は、ドア連結器である。
【0013】
別の実施形態によると、複数の乗り場の間で昇降路内を可動であるエレベータかごを含むエレベータシステムが提供される。エレベータかごは、開放位置と、閉鎖位置の間で可動であるエレベータかごドアを含む。かごドア機構は、エレベータかごが乗り場区域内に位置決めされたかどうかを判定するように構成される。ロック組立体は、かごドア機構と、エレベータかごの下部の両方に作動可能に結合される。ロック組立体は、エレベータかごドアの一部をロック及びアンロックするように構成される。
【0014】
上記に記載した1つまたは複数の特徴に加えて、または代替として、さらなる実施態様において、ロック組立体は、エレベータかごドアの下部をロックするように構成される。
【0015】
上記に記載した1つまたは複数の特徴に加えて、または代替として、さらなる実施態様において、ロック組立体は、第1の位置と、第2の位置の間で可動である接触器を含む。接触器は、エレベータかごドアがロックされる際、第1の位置に配置され、エレベータかごドアがアンロックされる際、接触器は第2の位置に配置される。
【0016】
上記に記載した1つまたは複数の特徴に加えて、または代替として、さらなる実施形態では、接触器は、接触器を第1の位置に付勢するように構成された付勢機構を含む。
【0017】
上述の1つまたは複数の特徴に加えて、または代替として、さらなる実施態様において、接触器はばねピンである。
【0018】
上記に記載した1つまたは複数の特徴に加えて、または代替として、さらなる実施形態では、エレベータかごが乗り場ドアの区域内に位置決めされたと判定した後のかごドア機構の移動は、接触器に力を伝達し、これにより接触器を第1の位置と第2の位置の間で移動させるように構成される。
【0019】
上記に記載した1つまたは複数の上述の特徴に加えて、または代替として、さらなる実施態様において、かごドア機構は、かごドアインターロックである。
【0020】
上記に記載した1つまたは複数の特徴に加えて、または代替として、さらなる実施態様において、かごドアインターロックは、エレベータかごが乗り場ドアの区域内に位置決めされたと判定すると、第1の位置と、第2の位置の間で移動するように構成された係合ラッチを含み、この係合ラッチは、ロック組立体に作動可能に結合される。
【0021】
上記に記載した1つまたは複数の特徴に加えて、または代替として、さらなる実施態様において、ロック組立体は、ケーブルを介してかごドア機構に作動可能に結合される。
【0022】
上記に記載した1つまたは複数の特徴に加えて、または代替として、さらなる実施態様において、ロック組立体は、エレベータかごに設置され、エレベータかごドアの下部をロックする。
【0023】
上記に記載した1つまたは複数の特徴に加えて、または代替として、さらなる実施態様において、かごドアインターロックの作動は、エレベータかごに設置されたドア操作装置によって駆動される。
【0024】
上記に記載した1つまたは複数の特徴に加えて、または代替として、さらなる実施態様において、ロック機構は、かごドア機構に作動可能に結合される。ロック機構は、エレベータかごの上部をロックするように構成される。
【0025】
実施形態の前述の及び他の特徴ならびに利点は、添付の図面と併せることにより、以下の詳細な説明から明らかである。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1】エレベータかごドア及び乗り場ドアが閉鎖位置にある昇降路内のエレベータかごの平面図である。
図2】エレベータかごドア及び乗り場ドアが半ば開放位置にある昇降路内のエレベータかごの平面図である。
図3】一実施形態による、かごドアインターロック装置の詳細な正面図である。
図4】一実施形態による、エレベータかごが乗り場ドア区域内にある際のエレベータかごドア及びかごドアインターロックの正面図である。
図5】一実施形態による、図4のかごドアインターロックの詳細な図である。
図6】一実施形態による、エレベータかごと、乗り場ドアが結合され、開放位置にある際のかごドアインターロックの正面図である。
図7】一実施形態による、図6のかごドアインターロックの詳細な図である。
図8】一実施形態による、エレベータが乗り場ドア区域の外側にある時にドア操作装置が作動される際のかごドアインターロックの詳細図である。
図9】一実施形態によるエレベータかごドアの下部をロックするように構成されたロック組立体の一例の図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
次の詳細な記述は、例示的な実施形態を、その利点及び特徴の一部と併せて、図面を参照して一例として記載する。
【0028】
次に図1及び2を参照すると、典型的なエレベータ設備が例示されている。図1は、垂直方向の昇降路22内に配設され、開口部を有する乗り場24に一致するように位置決めされたエレベータかご20の平面図を示す。エレベータかごドア26が、横方向に摺動する乗り場ドア28と一致するように示されている。そのような設備で典型的であるように、エレベータかごドア26は、エレベータかご20の頂部に配設され、駆動ベルト32または他の駆動機構を有するように示されるドア操作装置30によって作動される。図2は、図1の構成を示しており、この場合、エレベータかごドア26及び乗り場ドア28は、半ば開放状態である。
【0029】
エレベータドア26上に配設されたドア連結器40は、乗り場ドア28から内向きに延びる対応する突起部42と係合されて示されている。突起部42は、エレベータドア連結器40が乗り場ドア28に係合し、これを移動させることを可能にするための簡素で効果的な手段を提供するように構成された任意の種類の隆起したボス、バンパー、ロッドまたはローラであってよい。当業者によって理解されるように、エレベータドア26及び乗り場ドア28が作動される際、ドア連結器40が乗り場ドア突起部42をしっかりと捕らえることが望ましい。加えて、連結器40は、エレベータかご20が昇降路22内を通って垂直方向に移動する際、突起部42を完全に解放し、十分な走行隙間を維持することも望まれる。
【0030】
ドア連結器40は、それが、エレベータかご20が少なくとも1つの乗り場ドア28に隣接して乗り場ドア区域内に位置決めされたと判定したときのみ、作動するように構成される。一実施形態において、かごドアインターロック50を使用してエレベータかご20が乗り場ドア区域内に適切に位置決めされたかどうかを判定する。一例のかごドアインターロック50が図3から図8に例示されている。示されるように、感知ベーン52は、乗り場ドア区域を識別するように構成される。図示される非制限的な実施形態では、感知ベーン52は、乗り場ドア28に設置された固定式ベーンである。かごドアインターロック50は、例えばかごドアヘッダー56などのグラウンド面構成要素に設置されるロック部材54を含む。ロック部材54は、エレベータかごドア26の上部をロックするように構成される。
【0031】
リンクアーム58が、例えば第1の端部59において、ドア操作装置30の駆動機構32に結合される。ドア操作装置30が駆動機構32を動かす際、駆動機構32は、リンクアーム58を枢動ピン60を中心に回転させるように構成される。感知ローラ62が、リンクアーム58の一部、例えばその第2の端部に結合される。加えて、係合ラッチ64が、ピン66においてリンクアーム58及びかごドアハンガーに枢動可能に接続される。バンパー68が、リンクアーム58及び係合ラッチ64の一部に概ね隣接して位置決めされる。バンパー68は、枢動ピン66を中心とした係合ラッチ64の回転を制限するように構成される。
【0032】
エレベータかごドア26が閉鎖位置にあるとき、係合ラッチ64は、概ね水平方向に配向されるため、係合ラッチ64の端部に位置する係合フック70は、ロック機構54の電気スイッチ72と接触するように配置される。このような接触は、エレベータシステムの安全チェーンに信号を送信し、エレベータかごドア26が閉鎖されていることを確認する。
【0033】
エレベータかごドア26は、図4及び図5では閉鎖されている。エレベータかご20がドア乗り場区域に進入する際、ドア操作装置30が駆動機構32を、矢印Aによって示される第1の方向に作動させ、リンクアーム58を、例えば反時計回りにピン60を中心に枢動させる。このリンクアーム58の動作によって、リンクアーム58の端部付近に配設された感知ローラ62を回転させて感知ベーン52と接触させる。感知ベーン52の存在を検知すると、第1の方向の駆動機構32のさらなる作動によって、係合ラッチ64が、バンパー68に接触するまで係合ラッチ64をピン66を中心に枢動させる(図7を参照されたい)。枢動ピン66を中心とした係合ラッチ64の回転は、係合フック70を電気スイッチ72から切り離し、これによりエレベータ制御装置(図示せず)に対して信号を生成する。この位置において、かごドア26と、乗り場ドア28が結合され、図6に示されるように完全な開放位置に並進することが可能である。
【0034】
エレベータかごドア26を閉鎖するために、ドア操作装置30は、駆動機構32を第2の反対方向に作動させ、リンクアーム58をピン60を中心に枢動させ、係合機構をピン66を中心に回転させることで、係合フック70が回転して電気スイッチ72に接触するようになる。リンクアーム58はさらに回転して、ローラ62を感知ベーン52から離すように移動させる。この位置において、エレベータかご20は、種々の乗り場24及びかごドアインターロック50に配置された複数の感知ベーン52のいずれの間にも妨害が生じない状態で昇降路22内を自由に移動する。
【0035】
次に図8を参照すると、エレベータかご20が乗り場ドア区域内にない場合にドア操作装置30が駆動機構32を作動させたとしても、例えばかごドア操作装置30への電力が失われていれば、エレベータかごドア26が開くことはない。感知ばね52がない場合には、ドア操作装置30の作動が、リンクアーム58を枢動ピン60を中心として自由に回転させる。感知ローラ62と感知ベーン52が接触せずに、リンクアーム58は、係合ラッチ64に対して回転する。係合ラッチ64は、軸ピン66を中心に回転しない。結果として、係合フック70は、電気スイッチ72と接触したままであり、かごドア26はロックされたままである。本明細書に例示され記載されるかごドアインターロック50は、単なる一例として意図されており、昇降路22内のエレベータかご20の位置を検出するように構成された他のドア装置も本開示の範囲内である。
【0036】
あるいは、またはロック部材54及び電気スイッチ72に加えて、かごドアインターロック50は、かごドアインターロック50をエレベータかご20の下部、例えばかごドア枠76などに接続するように構成されたロック組立体80を含む場合もある。図示される非制限的な実施形態において、ロック組立体80は、かごドア26上に設置された接触器82、例えばばね荷重ピンなどを含む。ケーブル84または他のつなぎ綱が、係合ラッチ64の一部と、接触器82の間に延在し、かごドア枠76に係合してかごドア26をロックする。
【0037】
かごドア26が閉鎖されたロック位置にあるとき、例えば係合ラッチ64が、概ね水平方向の位置にあるとき、ばね荷重ピン82は第1の位置にある。かごドアインターロック50が感知ベーン52の存在下で作動され、係合ラッチ64を軸ピン66を中心にリンクアーム58に対して回転させた場合、係合ラッチ64の移動は、ケーブル84に力を加える。この力は、ケーブル84を介して、ばね荷重ピン82へと伝達され、ピン82をばねの付勢に対向するように第2の位置へと移動させる(図7を参照)。第2の位置において、ピン82は、接触から切り離され、これによりかごドア26がアンロックされ開放することを可能にする。エレベータかごドア26が閉鎖される際、リンクアーム58の回転、及び故に係合ラッチ74の回転が、ケーブルからの力を取り除き、ばねは、ピン82をその元のロック位置に戻るように付勢する。ドア操作装置がかごインターロックを作動する例では、エレベータかご20が、乗り場ドア区域内に位置決めされない場合(図9)、係合ラッチ64は枢動しないため、それ故ばねピンはその第1の位置のままである。
【0038】
本明細書に記載されるロック組立体80は、種々のタイプのドア連結器及びインターロックと共に使用するように適合可能であるため、ロック組立体は、新しいエレベータシステムのみならず、設備を付加した場合、既存のエレベータシステムにもおいても使用され得る。加えて、ロック部材54と併せてロック組立体80を使用してエレベータかごドア26の底部と頂部の両方をロックすることは、従来のかごドアインターロックより高いレベルの安全性を提供する。あるいは、ロック組立体80は、かごドアインターロック50によって作動されるように本明細書に例示され記載されるが、ロック組立体80が、かごに設置され、所定の条件を検知したときに可動である少なくとも1つの部材、例えばかごドア連結器などを有する別の機構によって作動される実施形態も本開示の範囲内である。
【0039】
本開示は、限定された数の実施形態のみに関連して詳細に説明されてきたが、本開示は、そのような開示される実施形態に限定されないことを容易に理解すべきである。むしろ、これらの実施形態は、ここには記載されないが、本発明の精神及び範囲に一致するあらゆる数の変形、代替、置換または同等の構成を組み込むように変更され得る。さらに、種々の実施形態が記載されているが、本開示の態様は記載される実施形態の一部のみを含む場合もあることを理解されたい。したがって、本開示は、前述の説明によって制限されると考えるべきではなく、添付の特許請求の範囲によってのみ制限される。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9