(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記第1の弁部材が、前記共通の接続開孔(91)および/または前記左側排気管開孔を選択的に開けるための移動可能な左側弁部材(95)であること、ならびに前記第2の弁部材が、前記共通の接続開孔(91)および/または前記右側排気管開孔を選択的に開けるための移動可能な右側弁部材(97)であること、を特徴とする、請求項5に記載の排気システム。
前記第1の弁部材が前記共通の接続開孔(91)を選択的に開けるまたは閉じるための中央弁部材(93b)によって実現されること、および前記第2の弁部材が両方の管開孔を開けるまたは閉じるための共通の弁部材(13b)によって実現されること、を特徴とする、請求項5に記載の排気システム。
前記弁装置(13、52、72)が、前記接続部に対して下流のそれぞれの前記左側排気管(5)または前記右側排気管(7)に配置されていることを特徴とする、請求項8または9のいずれか一項に記載の排気システム(1)。
前記排気システム(1)が、例えば3000rpmを下回るもしくは3000rpmを上回る所定のrpm域などのエンジンの動作条件に応じて、および/または手動設定に応じて前記接続部もしくは共通の接続開孔(91)を開けるもしくは閉じるように前記弁部材(93)を制御するための制御ユニット(11)を含むことを特徴とする、請求項1から11のいずれか一項に記載の排気システム(1)。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、従来技術の欠点を克服すること、特に、内燃式自動車エンジンのための改善された排気システムを提供すること、特に、エンジン性能を改善することができると同時に音放出制御に関して改善された排気システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本目的は、独立請求項の特徴によって解決される。
【0007】
本発明の第1の態様によると、例えば、V6エンジン、V8エンジン、別のV型エンジン、ボクサー・エンジンなどの内燃式自動車エンジンのための排気システムは、内燃式自動車エンジンの左側シリンダ群に接続可能な左側排気管を備え、内燃式自動車エンジンの右側シリンダ群に接続可能な右側排気管を備える。各排気管は、管が接続可能なシリンダ群から排出された排気ガスを受け取るための管入口と、大気中に開口する少なくとも1つの排気出口と、管入口と排気出口との間に延在する接続パイプと、を画定する管構造を備える。接続パイプは、管入口から排気ガスを受け取るための入口開孔、および排気口に向かって排気ガスを移送するための、または管と管との間で排気ガスを交換するための出口開孔を含む。
【0008】
左側排気管は、左側排気管が接続可能な左側シリンダ群から排出された排気ガスを受け取るための左側管入口と、大気中に開口する少なくとも1つの左側排気出口と、左側管入口と左側排気出口との間に延在する左側接続パイプと、を画定する左側管構造を備える。さらに、前記左側接続パイプは、左側管入口から排気ガスを受け取るための左側入口開孔と、左側排気口に向かって排気ガスを移送するための左側出口開孔と、を含む。右側排気管は、右側の管が接続可能な右側シリンダ群から排出された排気ガスを受け取るための右側管入口と、大気中に開口する少なくとも1つの右側排気出口と、右側管入口と右側排気出口との間に延在する右側接続パイプと、を画定する右側管構造を備える。右側接続パイプは、右側管入口から排気ガスを受け取るための右側入口開孔と、右側排気口に向かって排気ガスを移送するための右側出口開孔と、を含む。したがって、各排気管は、2つの個々の管構造を備える。好ましくは、左側の管の排気出口と右側の管の排気出口は、同じではない。特に、左側排気管の接続パイプと右側排気管の接続パイプは、同じではない。
【0009】
本発明の第1の態様では、左側接続パイプと右側接続パイプは、パイプ接合部を実現するように連結され、それにより接続パイプが管と管との間で排気ガスを移送するための共通の接続開孔を形成する。左側接続パイプの接続開孔は、共通の接続開孔を実現するために好ましくは右側パイプの接続開孔に近接して連結される。特に、各接続パイプは、それぞれのパイプ開孔が形成されるそれぞれの円周方向パイプ表面を画定し、その結果、左側接続パイプおよび右側接続パイプは、それらの接続パイプ開孔が互いに整列するように連結されてもよい。そのような接続パイプ開孔は、好ましくは同じサイズである。排気ガスは、好ましくはパイプ接合部を通って管と管との間を直接移動することができる。特に、左側シリンダ群からの排気ガスは、左側接続パイプから共通の接続開孔を通って右側排気管に属する右側接続パイプ内へ移送されてもよい。逆に、右側シリンダ群からの排気ガスは、右側接続パイプから共通の接続開孔を通って左側接続パイプ内へ移送されてもよい。パイプ接合部を介したそのような直接接続により、本発明による排気システムでは、左側の管と右側の管との間の移送パイプが回避され、したがって、移送パイプの死容積が生成されない。管と管との間の排気ガスからの直接移送は、H形伝達を有する一般的な排気ガスシステムと比較して、エンジンの典型的な動作パラメータ中に一方の管からもう一方の管へ移送される排気ガスの量を改善することが示された。さらに、驚くべきことに、排気ガスが共通の接続開孔を通って管と管との間で直接移送される本発明による排気システムでは、エンジンの高い動作パラメータにおける音響的欠点、特にストリーミング・ノイズが著しく低減される場合があることが示された。
【0010】
本発明の第1の態様では、排気システムは、共通の接続開孔を開けるおよび/または閉じるための少なくとも1つの弁部材を備える。好ましくは、弁部材は、共通の接続開孔を選択的に開けるまたは閉じるように制御されてもよい。共通の接続開孔は、性能を改善するために、および/または音放出を制御し、好ましくは減少させるために、管と管との間の排気ガスの移送もしくは交換が有利に制御されてもよいように、弁部材によって開けられ、部分的に開けられ、部分的に閉じられ、および/または完全に閉じられてもよい。好ましくは、排気システムは、正確に1つの弁部材を備える。
【0011】
排気出口は、好ましくは大気中への直接開口であるが、大気と排気出口との間に、マフラまたは触媒などの排気ガス操作装置が配置されている場合は、大気中への間接開口であってもよい。
【0012】
好ましくは、右側ならびに/あるいは左側接続パイプのそれぞれの断面積のサイズおよび/または幾何学形状は、実質的に一定である。特に、共通の接続開孔における、共通の接続開孔に垂直な右側ならびに/あるいは左側接続パイプのそれぞれの断面積のサイズおよび/または幾何学形状は、パイプの入口開孔ならびに/あるいは出口開孔とほぼ同じ大きさである。
【0013】
本発明の好ましい実施形態では、接続パイプは、好ましくは鏡面対称に曲げられ、特に角度付けされおよび/または湾曲させられている。特に、接続パイプは、パイプ接合部が実質的にX形となるように曲げられている。左側の管と右側の管との間で移送される排気ガスに対するX形パイプ接合部の死容積は、最小限度にまで削減されてもよい。
【0014】
好ましくは、1つの接続パイプ、すなわち左側接続パイプまたは右側接続パイプの上流のパイプ腕部および下流のパイプ脚部は、V形またはU形の(左側または右側)接続パイプを実現するように形成されてもよい。そのような変形は、好ましくは、左右の接続パイプの両方に適用されてもよい。パイプ接合部を実現する接続パイプは、好ましくは、接続パイプの上流のパイプ腕部がV形を実現するように、および/または接続パイプの下流のパイプ脚部がV形に形成されるように変形されてもよい。好ましくは、上流の左側パイプ腕部は、下流の右側パイプ脚部に対して同軸で配置され、および/または右側接続パイプの上流のパイプ腕部は、左側接続パイプの下流のパイプ脚部に対して同軸で配置される。用語「上流」および「下流」は、エンジンから排気出口への排気ガス流路に関して使用される。
【0015】
パイプ接合部は、それぞれの左側または右側排気管の一方の入口開孔から来る排気ガスの拍動流が、もう一方の入口開孔から来る排気ガスの拍動流とパイプ接合部内部で、好ましくはその混合領域で衝突し、それにより、第1の言及された拍動流が、第2の言及された入口開孔からのもう一方の拍動流を、同じ管側の出口開孔に向かって、かつ第2の入口開孔の管側の出口開孔に向かっても付勢するように特に設計されている。したがって、パイプ接合部の右側入口開孔に到達する拍動性排気ガス流は、左側管入口から取り出された排気ガスが左側除去パイプを通って出て行くのを支援してもよく、その逆も同様である。パイプ接合部は、好ましくは一方の(左側または右側)排気管からのパルスのエネルギーを使用して反対の(右側または左側)排気管から来る排気ガスを加速するように設計されている。この機能は、プッシュプル効果と呼ばれることがある。プッシュプル効果は、実質上、エンジン性能を向上させることが判明した。
【0016】
本発明による排気システムの実施形態では、パイプ接合部は、管と管との間で排気ガスを移送するための唯一の接続部を実現する。左側排気管から右側排気管に、およびその逆に排気ガスを移送するためのパイプ開孔を有する1つの排他的なパイプ接合部を設けることは、非常に簡単ではあるが効率的なやり方で管を通る排気ガス流を制御することを可能にする。同時に、管と管との間で複数の接続部を使用する場合に起きることがあるネガティブな干渉が回避されることがある。排気ガスは、シリンダ内部の燃焼でのみ生成されるため、シリンダから上流にガスを移送するいかなる接続部も排気ガス管を接続しないことは明らかであろう。さらに、排気ガス管が大気中に開口する排気出口で終了するため、大気は、排気ガス管の一部であると見なされない。
【0017】
上述の好ましい実施形態のいずれか1つと組み合わされてもよい本発明による排気システムのさらなる好ましい実施形態では、共通の接続開孔は、左側および/または右側排気管の区間の断面積によって画定される基準面積、好ましくは左側および/または右側接続部分によって画定される基準面積の、0.25倍〜4倍、好ましくは0.5倍〜2倍の大きさ、好ましくは0.75倍〜1.5倍の大きさ、特に同じサイズである混合領域を画定する。基準面積は、特に左側または右側接続パイプのそれぞれの入口開孔もしくは出口開孔において画定され、あるいは、左側または右側接続パイプの断面積の平均値、または入口開孔から出口開孔への経路における、それぞれの入口開孔の断面積および/またはそれらの出口開孔の断面積の両方の平均値によって画定される。また、基準面積は、共通の接続開孔の中心に垂直な接続パイプの断面の両方の合計された面積によって画定されてもよい。良好な音伝達特性は、例えば、共通の接続開孔の中心に垂直な両方の接続パイプの断面の合計面積以上のサイズの混合領域を有するパイプ接合部によって達成された。
【0018】
本発明の別の実施形態によると、少なくとも1つの弁部材は、共通の接続開孔によって画定された混合領域の少なくとも50%、好ましくは少なくとも75%、特に少なくとも90%、最も好ましくは全体をカバーするためのフラップ、スライドなどの閉鎖部材を含む。特に、閉鎖部材は、バイパス開孔を備える。閉鎖部材は、好ましくは、完全に開けられた状態と好ましくは完全に閉じられた状態を切り替えるために、特に90%回転させられてもよい。
【0019】
本発明による排気システムのさらに好ましい実施形態は、入口開孔と、少なくとも1つの、特に正確に1つの出口開孔との間のそれぞれの排気管開孔において、左側排気管内部ならびに/あるいは右側排気管内部の排気ガスの流路を抑止するための、特に排気ガスの流路を部分的に抑止するための、および/または流路を完全に抑止するための少なくとも1つの弁装置を備える。好ましくは、左側排気システムは、左側弁装置を備え、右側排気システムは、右側弁装置を備え、左側弁装置および右側弁装置は、互いに構造的に分離しており、および/または制御可能であり、好ましくは互いに独立して制御される。本実施形態の別のさらなる発展形態によると、排気システムは、左側排気管および右側排気管の両方を通る排気ガスの流路を抑止するための正確に1つの弁装置を備え、特に、弁装置がパイプ接合部の一部として実現される。
【0020】
本発明のさらなる発展形態では、各排気管は、大気中に開口する第2の排気出口に通じる少なくとも1つのバイパス・パイプ、好ましくは正確に1つのバイパス・パイプをさらに備える。第2の排気出口は、バイパス排気出口と呼ばれることがあり、もう一方の第1の排気出口は、主排気出口と呼ばれることがある。好ましくは、主排気出口は、バイパス排気出口よりも大きく、特に出口面積に関してバイパス排気出口の少なくとも1.1倍、1.2倍、1.5倍、1.75倍、2倍、3倍、4倍、5倍の大きさである。
【0021】
バイパス管路は、特に弁装置の上流で、特にパイプ接合部の上流で分岐している。弁装置および/またはパイプ接合部の上流で分岐したバイパス・パイプを設けているために、排気ガスは、排気システムの音放出を減少させるために、弁装置および/またはパイプ接合部を閉じることによってバイパス・パイプに押し込まれてもよい。
【0022】
本発明の好ましいさらなる発展形態では、弁装置は、パイプ接合部に含まれ、接合部が第1の弁部材および第2の弁部材を含む。第1および第2の弁部材は、特に互いに独立して移動可能である。好ましくは、第1および第2の弁部材は、機械的接続のためにおよび/または制御ユニットが弁部材を互いに依存して制御するようになされているために、互いに依存して移動可能である。弁部材が互いに依存するようにのみ移動可能である場合、制御は、簡略化され、制御誤差の危険性が低減されることがある。一方、弁部材の独立制御は、排気システムを通る排気ガス流を制御するための大きな自由度を可能にする。
【0023】
本発明の好ましいさらなる発展形態では、第1の弁部材は、共通の接続開孔および/または左側排気管開孔を選択的に開けるための移動可能な左側弁部材である。このさらなる発展形態では、第2の弁部材は、共通の接続開孔および/または右側排気管開孔を選択的に開けるための移動可能な右側弁部材である。
【0024】
別のさらなる発展形態では、第1の弁部材は、共通の接続開孔を選択的に開けるまたは閉じるための中央弁部材によって実現される。このさらなる発展形態では、第2の弁部材は、両方の管開孔を開閉するための共通の弁部材によって実現される。
【0025】
パイプ接合部が第1の弁部材および第2の弁部材を備える本発明の別の好ましい実施形態では、第1の弁部材および第2の弁部材は、回転移動可能であり、好ましくは、両方の弁部材が同じ回転軸の回りで回転移動可能であり、または第1の弁部材が第1の回転軸の回りで回転移動可能であり、第2の弁部材が第2の回転軸の回りで回転移動可能であり、第1の回転軸が第2の回転軸と実質的に平行である。好ましくは、第1の弁部材および/または第2の弁部材は、それぞれの弁部材の回転軸に対して偏心している壁などの偏心した閉鎖部材を備える。2つの平行な回転軸である第1の回転軸と第2の回転軸との間の距離は、閉鎖部材の半径方向のオフセットの距離のほぼ2倍であってもよい。
【0026】
本発明の第2の態様によると、V型エンジンまたはボクサー・エンジンなどの内燃式自動車エンジンのための排気システムは、内燃式自動車エンジンの左側シリンダ群に接続可能な左側排気管、および内燃式自動車エンジンの右側シリンダ群に接続可能な右側排気管を備える。本発明によるこの第2の態様では、各排気管は、排気管が接続可能なシリンダ群から排出された排気ガスを受け取るための管入口と、少なくとも2つの排気出口、特に大気中に開口する主排気出口およびバイパス排気出口と、を画定する管構造を備える。
【0027】
本発明のこの第2の態様によると、各排気管は、弁装置の開状態では、排気ガスが管入口から少なくとも2つの排気出口のすべてに移動可能なように、ならびに弁装置の閉状態では、排気ガスが管入口から、少なくとも2つの、好ましくは正確に2つの排気出口のうちの好ましくは正確に1つに、特に主排気出口に流れることが防止されるように、管入口と少なくとも2つの排気出口のうちの1つとの間に配置された管開孔を開けるおよび/または閉じるための弁装置をさらに備える。各排気管は、管と管との間で排気ガスを移送するための少なくとも1つの接続部、特に共通の接続開孔をさらに備える。本発明のこの第2の態様による排気システムは、少なくとも1つの弁部材、好ましくは少なくとも1つの接続部を選択的に開けるまたは閉じるための正確に1つもしくは2つの弁部材を備える。
【0028】
したがって、本発明のこの第2の態様の排気システムは、左側管入口と、少なくとも2つの左側排気出口、特に左側主排気出口および左側バイパス排気出口と、左側弁装置が、排気ガスが左側管入口から少なくとも2つの左側排気出口の少なくとも1つに移送されるのを許容するまたは禁止することができるように、左側管入口と少なくとも2つの左側排気出口のうちの1つとの間に配置された、左側の管開孔を開けるおよび/または閉じるための左側弁装置と、を画定する管構造を備える左側排気管を有する。この左側排気管は、少なくとも1つの接続部をさらに備え、この接続部は、排気ガスを左側の管から右側の管へ移送するための、左右の排気管の共通の接続開孔によって実現されてもよい。弁部材は、少なくとも1つの接続部を選択的に開けるまたは閉じるために設けられてもよい。右側排気管は、右側管入口と、少なくとも2つの右側排気出口と、右側弁装置と、を画定する右側管構造を備え、これらは、対応する左側の構成要素によって左側の管において提供されるのと同じ機能を右側の管において提供する。左側排気管は、好ましくは右側排気管の2つの右側排気口とは異なる2つの左側排気口を有する。したがって、排気システムは、好ましくは合計で少なくとも4つの排気出口を有する。右側排気管は、排気ガスを右側の管から左側の管へ移送するための少なくとも1つの接続部をさらに備え、この接続部が好ましくは共通の接続開孔によって実現される。排気システムは、接続部を開けるおよび/または閉じるための少なくとも1つの弁部材を備える。排気システムは、特に、本発明の第1の態様に関して上記された第1および第2の弁部材のやり方で作用することができる第1の弁部材および第2の弁部材を含むことができる。本発明の第2の態様では、排気システムを通る排気ガス流は、性能および/または音放出を最適に改善することができるように、非常に厳密な仕方で弁装置および弁部材を介して制御されてもよいことが特に有利である。
【0029】
本発明のこの第2の態様に関して、左右の管のいずれの管も弁装置を備える。このようにして、左側主排気出口を通る排気ガス流は、左側弁装置によって支配的に制御されるが、右側主排気出口を通る排気ガス流は、右側弁装置によって支配的に影響される。例えば、上述のさらなる発展形態の1つに関して記載されたような共通の弁部材を含むことによって、1つの機能ユニットに左側弁装置および右側弁装置を含むことは可能であるが、1つのそれぞれの個々の左側または右側弁装置がそれぞれの左側または右側排気管に配置されることが好ましい。
【0030】
好ましくは、少なくとも4つの排気出口のそれぞれが大気中に開口し、各排気出口が他の排気出口のすべてから分離している。排気出口は、例えば、互いに隣接して、環状出口領域を有して互いに同軸に、ハニカム様式などで配置されてもよい。
【0031】
本発明の第2の態様の好ましい実施形態では、主排気出口の断面積または出口面積は、バイパス排気出口の断面積または出口面積よりも大きく、好ましくは少なくともおよそ1.1倍、1.25倍、1.3倍、1.5倍、2.0倍、2.5倍、3.0倍、4.0倍またはそれ以上の大きさである。
【0032】
本発明の第2の態様による排気システムの別の好ましい実施形態は、接続部に対してそれぞれの左側または右側排気管の下流に配置された弁装置を含む。接続部は、好ましくは共通の接続開孔によって実現される。
【0033】
本発明の別の好ましい実施形態では、各排気管は、排気ガスを管入口から少なくとも2つの開口の1つに、好ましくはバイパス排気口に移送するためのバイパス管路をさらに備える。
【0034】
本発明のさらなる発展形態では、バイパス管路は、それぞれの排気管の主配管から分離され、この主配管は、接続部、好ましくは接続開孔を含むそれぞれの排気管の接続パイプの上流または下流で、それぞれの管入口、および少なくとも2つの排気口の少なくとも別の1つ、好ましくは主排気口を含む。
【0035】
本発明の第1および/または第2の態様による排気システムの好ましい実施形態は、例えば、2,000rpmを下回る、3,000rpmを下回る、3,000rpmを上回る、4,000rpmを上回る、2,000〜4,000rpmの所定のrpm域などのエンジン動作条件に応じて、および/またはスポーツ設定もしくは快適設定などのドライバによって選択される手動設定に応じて、接続部、特に共通の接続開孔を、好ましくは少なくとも部分的に、より好ましくは部分的に、および/または完全に開けるもしくは閉じるように弁部材を制御するための制御ユニットを含む。
【0036】
弁部材および弁装置を備える本発明の第1および/または第2の態様による排気システムのさらなる発展形態は、以下の設定の少なくとも1つに従って、弁部材ならびに弁装置を制御するようになされた制御ユニットを含むことができる。接続部、特に共通の接続開孔が閉じられ、右側排気管開孔および左側排気管開孔が開けられている第1の設定(設定I)。接続部、特に共通の接続開孔が開けられ、右側排気管開孔ならびに左側排気管開孔が開けられている第2の設定(設定II)。接続部、特に共通の接続開孔が開けられ、右側排気管開孔および左側排気管開孔が完全に閉じられている第3の設定(設定III)。設定Iでは、接続部、特に共通の接続開孔は、好ましくは完全に閉じられ、密閉されている。好ましくは、制御ユニットは、第1、第2、または第3の設定のいずれか1つに従って弁部材を制御するようになされている。より好ましくは、制御ユニットは、もっぱら3つの上述の設定I、IIおよびIIIに従って弁部材ならびに弁装置を制御するようになされている。
【0037】
さらなる好ましい実施形態では、制御ユニットは、以下の設定の少なくとも1つにさらに従って弁部材を制御するようになされている。接続部、特に共通の接続開孔が好ましくは完全に閉じられ、右側排気管開孔および左側排気管開孔が完全に閉じられている第4の設定に従って(設定IV)。接続部、特に共通の接続開孔が開けられ、右側排気管開孔および/または左側排気管開孔が部分的に閉じられている第5の設定(設定V)。設定Vでは、部分的に閉じられていない排気管開孔は、完全に開けられている。接続部、特に共通の接続開孔が開けられ、一方の排気管開孔(左側排気管開孔または右側排気管開孔)が、好ましくは完全に開けられ、もう一方の排気管開孔、左側排気管開孔または右側排気管開孔が完全に閉じられている第6の設定(設定VI)。さらなる設定も可能である。
【0038】
本発明の第2の態様によるさらなる好ましい実施形態では、接続部、好ましくは共通の接続開孔は、左側排気管と右側排気管との実質的にX形のパイプ接合部に設けられている。X形のパイプ接合部は、本発明の第1の態様に関して上記されたように実現されてもよい。好ましくは、1つの接続部のみが排気管間で排気ガスを移送するために設けられている。
【0039】
本発明の第1の態様および本発明の第2の態様は、組み合わされてもよい。好ましくは、第1の態様のいかなる個々の特徴も、本発明の第2の態様による発明において使用されてもよい。特に、本発明の第2の態様に関して上記された個々の特徴は、本発明の第1の態様において使用されてもよい。
【0040】
排気ガス浄化装置、排気ガス洗浄装置および/または排気ガス消音装置(特にマフラおよび/または触媒)などの1つまたは複数の排気操作装置は、バイパス管路において、バイパス弁の分離位置の上流および/または下流の主管路において、あるいは他のどこかにおいて、例えば、エンジンとパイプ接合部との間で、パイプ接合部と排気出口との間で、パイプ接合部と上流または下流の弁装置との間で、排気ガス管の1つまたは好ましくは両方に配置されてもよい。
【0041】
排気システムは、大気中に開口する排気出口を除いて、大気に対して排気ガスの気密閉じ込めを実現する。そのような排気ガスの気密閉じ込めを提供することによって、排気ガスは、大気中に出る前に、エンジンから少なくとも1つの排気ガス浄化装置、排気ガス洗浄装置および/または排気ガス消音装置を通って流れることを強いられ、それにより望ましくないガス放出および/またはノイズ放出が省略される。この目的のために、排気システムの個々の構成要素、特に排気ガス浄化装置、排気ガス洗浄装置および/または排気ガス消音装置、パイプ接合部ならびに/あるいは弁装置には、ガス気密ハウジングが排気システムを通る排気ガス輸送に干渉しないように、少なくとも1つの相互接続入口および少なくとも1つの相互接続出口によって構築されたそれぞれのガス気密ハウジングが設けられている。
【0042】
さらなる実施形態、特徴および技術的態様は、従属請求項に記載されている。本発明の好ましい実施形態のさらなる詳細は、添付された図に示されている。
【発明を実施するための形態】
【0044】
内燃式自動車エンジンのための排気システムには、全体に参照番号1が付されている。排気システムは、2つの排気管、すなわち左側排気管5および右側排気管7を備える。表現「左側」および「右側」は、排気システムおよび/または内燃式エンジンの取付け位置を示すことがあるが、垂直面または別の方向に向けられた2つの分離されたシリンダ群も、2つの別個のシリンダ群および排気管5、7を区別するために、左側また右側であると記載されることがあることに留意されたい。また、表現「左側」および「右側」は、シリンダが一列に配置されたエンジンに接続された排気管であるが、各シリンダがその排気ガスをもっぱら左側排気管5または右側排気管7に送出するように前記直線状のエンジンの個々のシリンダの排気ガスに対して好ましくは設けられた2つの別個の排気管を指すために使用されることがあることに留意されたい。
【0045】
図1に示される内燃式自動車エンジン3は、左側の4つのシリンダ群35および右側の4つのシリンダ群37を含むV8エンジンを示す。また、本発明による原理は、V6エンジンまたはV12エンジンなどの異なるシリンダ数のV型エンジン、または例えばボクサー・エンジンに使用されてもよいことは明らかであろう。
【0046】
エンジン3の各シリンダ群35、37は、排気ガスをシリンダ37、35から大気まで運ぶための排気管5、7に接続されている。右側シリンダ群37は、排気ガスを下流に送出するための管入口71に接続され、左側シリンダ列35は、排気ガスを左側シリンダ列35から運び去るための左側管入口に接続されている。
【0047】
左側排気管5は、左側シリンダ列35と大気との間で以下の順番で配置された、接続パイプ55に通じる管入口51と、接続パイプ55と、接続パイプ55から下流へ、最終的に排気出口53へ通じる除去パイプ59と、を備える。同様に、右側排気管7は、右側シリンダ列37から大気に向かって順番に、右側シリンダ列37から排気ガスを受け取り、排気ガスをシリンダから運び去るための管入口71と、管入口71から排気ガスを受け取る右側接続パイプ75と、排気ガスを接続パイプ75から右側排気口73に向かって運ぶための除去パイプと、を備える。
【0048】
各排気管5、7は、左側または右側弁装置52、72、およびそれぞれの右側または左側排気出口53、73近くに配置されたそれぞれの右側または左側リアマフラ14などのさらなる部材を備えることができる。各管5、7は、
図1では、右側および左側弁装置13の上流の除去パイプ59、79から分割された少なくとも右側または左側バイパス管路57、77をさらに備える。
図1による排気システム1は、2つの右側排気出口73および2つの左側排気出口53と、それぞれの主排気出口53a、73aおよび第2の排気出口53b、73bすなわちバイパス排気出口と、を有する。バイパス排気出口53b、73bおよび/またはバイパス管路57、77は、主排気出口53a、53bあるいはそれぞれの管5または管7の直径よりも小さいことが好ましい、排気ガスを大気へ送出するための直径を有する。
【0049】
弁装置13すなわちバイパス作動弁は、左側の管5および右側の管7のそれぞれの除去パイプ59、79に配置されている。それぞれのバイパス管路57、77は、バイパス作動弁13の上流の除去パイプ59、79から分離されている。バイパス作動弁13が開けられた状態または受動状態にある限り、排気ガスは、接続パイプ55、75から主排気出口53a、73aに向かってそれぞれの管開孔を自由に通過することができる。より大きな直径の主排気出口53a、73aを通して排気ガスを放出することは、より大量の空気または排気ガスがそれぞれの排気管5、7を通ってより小さなストリーミング抵抗(およびより少ないノイズ低減)で除去されることを可能にする。
【0050】
弁装置13の作動状態または閉じられた状態では、管開孔は、閉じられ、それにより排気ガスは、左側または右側排気管5、7のそれぞれのバイパス管路57、77を流れ、バイパス開口53b、73bを通って、したがって比較的小さな排気口を通って出るように強いられる。したがって、弁装置13の作動状態は、エンジン3からの排気ガスの流れを排気システムのノイズ放出を低減させる比較的小さなバイパス・パイプ57、77に限定する。バイパス管路57、77およびバイパス排気出口53b、73bに対する、主除去パイプ59、79および主排気出口53a、73aの実質的な差異は、バイパス管路57および/または出口53b、73bにおける排気ガスに対する流動抵抗の増大ならびにより大きな消音効果であることは明らかであろう。
【0051】
弁装置13は、0%開口から100%開口まで、完全に閉じられてから完全に開けられるまで管開孔の有効サイズを連続的に調整するように制御されてもよく、これは、非常に微調整された調節を可能にする。
【0052】
図1(および
図1a)による好ましい実施形態では、この抵抗は、主管路59および主出口53aの対応する構成要素に対するバイパス管路57、77およびバイパス出口53b、73bの両方の著しく小さなパイプ直径によって実現される。しかしながら、そのような抵抗は、バイパス管路57、77の部分または区間のみの、またはバイパス出口53b、73bのみのサイズを低減させることによっても実現されてもよい。
【0053】
両方の管5、7のバイパス作動弁13は、より軽快で、より高性能の運転のために開けられる(または受動的である)ように設定されてもよい。両方の管5、7のバイパス作動弁13は、ノイズ低減のために、および/または車が軽快なまたは高性能な仕方で駆動されない場合は、閉じられ(または作動させられ)てもよい。
【0054】
右側の管7または左側の管5の一方の弁装置13を開き、もう一方の管(5または7)の弁装置13を閉じる(あるいは作動させる)ことも可能である。例えば、右側弁装置13が閉じられ、左側弁装置13が開けられる、またはその逆の弁装置設定は、中間の設定を実現することができ、性能を中程度に向上させ、音放出の中程度の増加を可能にする。
【0055】
さらに、
図1に示される排気システム1の好ましい実施形態に関して、排気システム1は、接続パイプ55、57が、管5と管7との間で排気ガスを移送するための共通の接続開孔91を形成するように、左側接続パイプ55と右側接続パイプ75とが連結されたパイプ接合部9を備える。
【0056】
パイプ接合部9は、実質的にX形である。パイプ接合部9のX形は、右側および左側接続パイプ55、75の形状によって実質的に実現され、これらの接続パイプのそれぞれがU形またはV形を実現するように曲げられる。左側接続パイプ55と右側接続パイプ57は、U形またはV形のそれぞれの先端部で連結されている。各接続パイプ57、75は、区間に分割されてもよく、すなわち、左側接続パイプ55と右側接続パイプ75が互いに接続され、それにより排気ガスが左側排気管5から右側排気管7に、およびその逆に通過することができる共通の接続開孔91を実現する接合区間56、76に分割されてもよい。接合区間56、76の上流に、各接続パイプ55、75は、入口区間55a、75aすなわちパイプ腕部を有し、そこを通って排気ガスがそれぞれの管入口51または71から接合区間56、76に向かって流れることができる。
【0057】
接合区間56、76の下流に、各接続パイプ55、75は、排気ガスを接合区間56、76、および特に共通の接続開孔91からそれぞれの左側除去パイプ59または右側除去パイプ79に移送するための出口区間すなわちパイプ脚部55b、75bを備える。
【0058】
左側パイプ腕部55aは、排気ガスを受け取るための左側管入口51に接続された上流の入口開孔55iを有する。同様に、右側入口区間すなわちパイプ腕部57aは、右側管入口71から排気ガスを受け取るための右側管入口71に接続された右側入口開孔75iを有する。右側シリンダ列37からの排気ガスは、右側管入口71を通ってもっぱら右側接続パイプ75およびその入口開孔75iに流入する。同様に、左側シリンダ列35からの排気ガスは、シリンダ35から管入口51を通ってもっぱら左側接続パイプ55へ運び去られ、左側接続パイプ55は、左側管入口51から排気ガスを受け取るための入口開孔55iを有する。
【0059】
パイプ接合部9は、左側シリンダ列53から左側入口管51へ除去される(矢印50によって示される)排気ガスが、左側接続パイプ55を通って左側除去パイプ59へ完全に移送され、(矢印60で示されるように)この除去パイプ59を流れるように、左側排気管5の排気ガスを右側排気管7の排気ガスから分離するように閉じられてもよい弁部材93を備える。実質的に同じやり方で、右側シリンダ列33から右側管入口71へ出る(矢印70で示される)排気ガスは、右側接続パイプ75を通って右側除去パイプ79へ完全に運ばれ、この除去パイプ79を通って(矢印80で示されるように)右側排気口73に向かって運ばれる。上述のパイプ接合部9の閉じられた状態は、受動状態または分離状態として記載されることがある。
【0060】
また、パイプ接合部9は、作動状態または混合状態として記載されることがある開けられた状態で使用されてもよい。パイプ接合部9の作動状態または混合状態に対しては、弁部材93は、開いており、したがって共通の接続開孔91を介して左側接続パイプ55と右側接続パイプ75との間の流体連通を可能にする。パイプ接合部9のこの状態では、右側シリンダ列37から排出された排気ガス70は、右側接続パイプ75の入口区間75aへ進み、次いで右側接続パイプ75のパイプ脚部すなわち出口区間75bを通って右側除去パイプ79に直接流入することができる。さらに、パイプ接合部9の開状態では、右側シリンダ列37からの排気ガス70は、好ましくは左側除去パイプ59へ排出され、大気へ向かってさらに輸送されるように、右側入口区間75aから共通の接続開孔91を通って左側接続パイプ55へも流入することができる。
【0061】
同様に、弁部材93が開いており、実質的に左側接続パイプ55と右側接続パイプ75との間の共通の接続開孔91を開けたままにしておく場合は、左側シリンダ列35から排出された排気ガスは、左側排気管の管入口51を通って左側接続パイプ55の入口区間55aへ、さらに、左側出口区間55bに進み除去パイプ59へ流れ、あるいは好ましくは右側パイプ脚部75bを通って右側除去パイプ79へ排出されるように、共通の接続開孔91を通って右側接続パイプ75へ流れることができる。
【0062】
共通の接続開孔91は、弁部材93の好ましくは連続的な調整によって、その混合領域または有効スループット領域のサイズが影響を受けてもよい。弁部材93は、共通の接続開孔91によって画定される混合領域の0%〜100%をカバーすることによって、共通の接続開孔91を通る流れを制限することができる。左側排気管5と右側排気管7との間の排気ガスの交換は、このようにして微調整されてもよい。
【0063】
X形の接合部9は、例えば、2つのパイプを(U形などの)部分的に弓形の形状に曲げることによって、その後に、各パイプがその先端部で実質的に同一の円形開孔を有するように、パイプの先端部でU形パイプの対称軸と同軸の好ましくは円形領域を除去することによって実現されてもよい。次いで、左側接続パイプ55と右側接続パイプ75との間で共通の接続開孔91が実現されるように、2つのパイプがそれらの円形開孔において連結されてもよい。左側接続パイプ55と右側接続パイプ75との間には、左右の接続パイプ55、75間に対角線状に延在する円筒チューブ状区間が好ましくはない(すなわち、Hチューブがない)ことは明らかであろう。
【0064】
また、接続パイプ55、75は、円形断面とは別の形状、例えば正方形断面、楕円形断面、多角形断面などを有することができる。共通の接続開孔を実現するためのパイプ区間の開孔は、円形である必要はなく、例えば正方形、矩形、多角形、楕円形などであってもよい。
【0065】
左側排気管5の主パイプ、すなわち、左列35の最後のシリンダの下流の管入口51を実現するパイプ、入口区間55a、出口区間55b、好ましくはさらに接合区間56および除去パイプ59の断面積は、好ましくは実質的に一定である。同じことが、右側排気管7の主パイプに当てはまり、すなわち、右側シリンダの下流の管入口71、右側入口区間75a、右側出口区間75b、および右側除去パイプ79ならびに好ましくは右側接続パイプ75の接合区間76は、好ましくは一定である。特に、左側排気管5および右側排気管7の断面積は、互いに実質的に等しくてもよく、または管は、互いに実質的に鏡面対称であってもよい。
【0066】
排気ガスが一方の排気管からもう一方の排気管へ通過することができる領域であるため、混合領域と呼ばれることがある共通の接続開孔91の断面積は、特にそれぞれの入口開孔55i、75iまたは出口開孔55o、75oにおいて、左側排気管5もしくは右側排気管7の断面積によって画定される、または特に左側接続パイプ55もしくは右側接続パイプ75の断面積によって画定される基準面積のサイズの少なくとも0.25〜せいぜい4倍の寸法である。特に、混合領域は、基準面積のサイズの少なくとも0.5〜せいぜい2.0倍である。好ましくは、混合領域のサイズは、基準面積のサイズの少なくとも3/4〜せいぜい1.5倍である。より好ましくは、混合領域のサイズは、基準面積のサイズの90%〜110%である。最も好ましくは、混合領域と基準面積は、同じサイズである。
【0067】
また、基準面積は、左側接続パイプ55または右側接続パイプ75の断面積によって、または接合区間56、76の中心または混合領域の中心における混合領域に垂直な両方の接続パイプ55、75の断面積の合計によって画定されてもよい。
【0068】
パイプ接合部9、および特に共通の接続開孔は、左側排気管と右側排気管7との間で排気ガスを移送するための唯一の接続部を実現する。本排気システムは、排気ガスがパイプ接合部9の接続パイプ55、75の少なくとも1つを流れることなしに、パイプ接合部9の上流の管入口51、71からパイプ接合部9の下流の除去パイプ59、79に直接流れることができるバイパス管路はない。
【0069】
個々の排気口53a、53b、73a、73bそれぞれは、大気中に直ちに出る。特に、排気システムのバイパス管路57、77は、互いに別々に実現され、排気ガスの交換のための流体接続を有さない。主排気管路、特に弁装置13の下流の除去パイプ59、79は、排気ガスの交換のための流体接続がパイプ接合部9の下流で実現されないように、互いに別々に実現されている。
【0070】
図1に示される好ましい実施形態による排気システム1では、エンジン3によって排出された排気ガス52、72は、実質的にすべて、エンジンによって排出されたガスが排気システム1から大気中へ排出される前に、パイプ接合部9、すなわちパイプ接合部9の接続パイプ55および/または75の少なくとも1つを流れなければならない。弁装置13すなわちバイパス作動弁を通過した排気ガス54、74は、直接大気中に導かれる。バイパス作動弁13を通過した後、左側排気管5の排気ガス54ならびに右側排気管7の排気ガス74は、指定された右側または左側ガス排気操作装置、例えば、洗浄装置および/または消音装置、特に触媒、またはリアマフラ14などのマフラを通過してもよいことは明らかであろう。しかしながら、
図1に示される本発明の第1の実施形態では、左側バイパス作動弁13を通過した後の左側排気管5の排気ガス54は、大気中に出る前に右側排気管7へもはや移送されなくてもよい。逆に、右側弁装置13を通過した後の右側排気管7のいかなる排出空気74も、大気中に直接または間接的に出る前に左側排気管5へ移送されることはもはや許容されない。
【0071】
X形の接合部9は、それぞれが左側接続チューブ55または右側接続チューブ75に属する出口区間55b、75bを備える。左側出口区間55bは、接合区間56から左側出口開孔55へ、または左側除去パイプ59の方へ通じる。右側出口区間75bは、右側接合区間76から右側除去パイプ79に向かって右側出口開孔75oへ通じる。
【0072】
図1aに示されるような排気システム1の好ましい実施形態は、
図1に示される排気システム1と大部分は同一である。したがって、同じまたは同様の構成要素を示すために同じ参照番号が使用されている。
図1aに示される実施形態のパイプ接合部9は、
図5〜
図9に関して以下で述べられるパイプ接合部を使用するという点で
図1に示される実施形態によるパイプ接合部9とは異なる。しかしながら、
図2、
図3または
図4に示されるような、あるいは
図10〜
図13に示されるようなパイプ接合部も
図1aに示されるような排気システム1の実施形態において使用されてもよい。
【0073】
図1に示される排気システムと比較して
図1aによる排気システム1の主な差異は、パイプ接合部9の接合区間56、76の上流の主排気管から分離されたバイパス管路57、77によって実現される。
図1aでは、パイプ接合部9を流れない排気ガスは、大気に出るバイパス管路57、77のうちの1つを通過しなければならない。同様の実施形態(図示せず)は、シリンダ35、37と共通の接続開孔91との間の任意の場所でバイパス管路57、77を分離することによって実現されてもよい。
【0074】
図1aに示されるように、ここで示される排気システム1は、以下で詳細に記載されるように、パイプ接合部9が共通の弁装置90を含む、
図5〜
図13に示される実施形態のうちの1つによるパイプ接合部9を実装する排気システムに特に適している。そのような構成では、パイプ接合部の下流のさらなる弁装置は、省略されてもよい。
【0075】
図1aに示されるような排気システム1は、排気システムがよりコンパクトなリアエンジン・レイアウトを有する車に特に適している。したがって、
図1aに示されるようなバイパス管路57、77の長さは、そのようなリアエンジン・レイアウト用に誇張されていると理解される。
【0076】
本発明による排気システム1のパイプ接合部の第1の好ましい実施形態が
図2および
図3に示され、ここで
図2は、パイプ接合部が開いたまたは作動した混合状態におけるパイプ接合部9を示し、
図3は、パイプ接合部が閉じられたまたは受動的な分離状態におけるパイプ接合部9を示す。
図2および
図3に示されるパイプ接合部9は、パイプ接合部9が右側弁装置72の上流および左側弁装置52の上流に配置されている
図1による排気システム1において好ましくは使用されてもよいため、以前に述べられた参照番号と同一、
図2および
図3で使用される参照番号は、同じまたは同様の構成要素または特徴を指す。
【0077】
図2および
図3のパイプ接合部9では、共通の接続開孔91が形成され、この共通の接続開孔91を通って、
図2に示されるようなパイプ接合部9の開状態において、右列のシリンダ37からの排気ガス78bが右側排気管7から左側排気管5に自由に流れることができるように、かつ排気ガス58bが左側シリンダ列35から右側排気管7へ自由に流れることができるように、接続パイプ55、75は、その先端部で連結された弓形のパイプによって実現される。同時に、左側シリンダ列35からの排気ガス58aは、左側接続パイプ55の入口開孔55iから左側接続パイプの出口開孔55oへ通過することによって、依然として左側排気管5内に留まることができる。同様に、右側シリンダ列37からの排気ガスは、矢印78aで示されるように、右側接続パイプ75の右側入口開口75iからその右側出口開口75oへ通過することによって、右側排気管内に留まることができる。
【0078】
図2で開けられているとして示される弁部材93は、例えばネジによって、回転可能なシャフト101に接続された単純なフラップである。シャフト101は、共通の接続開孔91に対して一方が上流およびもう一方が下流にある2つの正対する軸受103によってパイプ接合部9に回転自在に固定されている。上流のおよび/または下流の軸受103は、ころ軸受によって実現されてもよいが、メンテナンスを容易にするために、好ましくは滑り軸受によって実現される。シャフト101は、(
図1aには示されていない)排気システム1の電子制御ユニット11によって制御されるサーボモータなどの電子モータ99によって駆動される。
【0079】
同じ電子制御ユニットは、共通の接続開孔91ならびに右側の管7および/または左側の管5の管開孔を閉じるための弁装置13を開けるまたは閉じる、あるいは部分的に開けるまたは部分的に閉じるために、弁部材93を制御することができる。制御電子回路11は、管開孔を完全に開けるまたは管開孔を完全に閉じるようにだけでなく、好ましくはまた、管開孔の部分的に開けられたまたは閉じられた状態が弁装置13を介して達成されてもよいように、弁装置13を制御することができる。
【0080】
図2および
図3によるパイプ接合部9の好ましい実施形態の弁部材を実現するフラップ93は、共通の接続開孔91すなわち混合領域の面積と実質的に同じ面積であり、それによりフラップ93は、音および/または排気ガスが左側の管5と右側の管7との間で移動するのを抑止するために共通の接続開孔91を完全に閉じることができる。
図2では、フラップ93の形状は、実質的に楕円であり、フラップ93に対応する共通の接続開孔91(図示せず)の形状も楕円である。上記されたように、開孔91の幾何学形状は、いくつかの可能な幾何学図形のうちの1つにより成形されてもよく、それに応じてフラップ93が成形されることは明らかであろう。開孔91およびフラップ93の楕円形は、パイプ接合部9の空気力学的特性に関して有利であるが、製造を簡単にするために代わりに正方形または矩形が選択されてもよい、矩形または正方形として記載された形状が丸コーナを有してもよいことは明らかであろう。
【0081】
弁部材93の動きは、弁部材93、シャフト101もしくは電動モータ99に作用する機械的制約を使用して、または電動モータ99の電気的もしくは電子的制約によって、例えばコントローラ11をプログラムすることによって、あるいはエンジンがある特定の所定の範囲、特に90°を超えて動くことを抑止する電子エンジン11の電源の電子部品を使用することによって、閉状態と開状態との間の約90°の回転に特に制限されてもよい。
【0082】
図3は、弁部材93がパイプ接合部9の共通の接続開孔91を閉じているパイプ接合部9の閉状態または分離状態を示す。パイプ接合部9の閉状態では、左側シリンダ列35からの排気ガスは、矢印58aで示されるように、もっぱらその入口開口55iからその出口開口55oへ左側接続パイプ55を通過する。同様に、右側シリンダ列37からの排気ガス72は、矢印78aで示されるように、もっぱらその入口開口75iからその出口開口75oへ右側接続パイプ75を通過する。言いかえれば、
図3に示される閉じられたパイプ接合部9は、右側シリンダ列37からの排気ガスが右側排気管7から左側排気管5へは決して通されず、左側シリンダ列35からの排気ガス52が左側排気管5から右側排気管7へは移送されない動作状態の接合部の実施形態を実現する。
【0083】
図2および
図3に示されるように、本発明による排気システム1のパイプ接合部9は、米国特許第7,703,574(B2)号の移送チューブのような、左右の接続チューブ55、75間の移送チューブが実質的にない。むしろ、本発明による排気システムのパイプ接合部9では、排気ガスが左側シリンダ列35から左側排気口53に向かって流れる左側接続パイプ55は、右側排気管7の接続パイプ75に直接連結されている。そのようなパイプ接合部9は、左側排気管5と右側排気管7との間の音伝達および/または排気ガス伝達のあらゆる障害を最小にする。
【0084】
図4は、フラップ93が2つのバイパス開孔94を備える
図2と同様の任意選択のパイプ接合部9を示す。弁部材93に配置されたバイパス開孔94は、弁部材93がその全閉位置から開位置に向かって動かされるときに、排出空気の移動および/または音の移動における急激な変化が生じないように、左右の排気管5、7間の少量の漏れを可能にする。好ましくは、そのようなバイパス開孔94は、接続開孔91よりも著しく小さい。特に、バイパス開孔94の面積は、共通の接続開孔91のサイズの50%未満、好ましくは30%未満、より好ましくは20%未満、最も好ましくは10%未満である。また、弁部材93の開孔94と同様のバイパス開孔は、弁部材93の寸法を共通の接続開孔91よりも小さくすることによって実現されてもよい。
【0085】
弁部材93が、共通の接続開孔91を完全には閉じていない状態にされたとき、
図4に示されるパイプ接合部9のパイプ開孔94と同様の効果が
図2および
図3によるパイプ接合部9においても達成されてもよい。上記されたように、
図2および
図3に示される実施形態の弁部材93の動き制約は、機械的に、電気的に、または電子的に実現されてもよい。フラップ93として示される弁部材の動きは、例えば90°未満、例えば約95°または80°に制限されてもよい。弁部材93は、いかなる機械的な抑止がなくてもよく、180°、360°またはそれ以上の回転が可能であり、電動モータ99または制御ユニット11の仕様によって制限される可能性があってもよい。
図4のフラップ93は、内部に2つのバイパス孔を有する。代わりに、1つの孔、3つの孔、4つの孔、またはさらに多くの孔が同様のフラップ93に配置されてもよい。それらの結合された領域が弁バイパス領域を画定する。
【0086】
本発明による排気システム1のためのパイプ接合部9の別の設計が、
図5aおよび
図5bに示されている。
図1〜
図4で使用されたものと同じ参照番号が、
図5aおよび
図5b、ならびに
図5aおよび
図5bの実施形態の異なる図、詳細および/または設定を示す後続の図においても、同じまたは同様の構成要素に使用されている。
【0087】
パイプ接合部9は、
図5aにおいてその開状態または混合状態、および
図5bにおいてその閉状態または分離状態で示されている。
図2aに関して説明されたように、
図5aに示されるパイプ接合部9の開状態は、各シリンダ群35、37からの排気ガスが排気出力53、73へと、どちらの排気管にも移送されることを可能にする。左側シリンダ群53から排出された排気ガス50は、管入口51を通って左側接続パイプ55へ導かれ、左側出口開口55oを通って左側排気口53に向かって、または共通の接続開孔91を通って右側接続パイプ76内へと、さらに右側排気口73に向かって自由に流れる。右側シリンダ群37から排出された排気ガス70は、右側接続パイプ75を通って右側排気口73に向かって、または共通の接続開孔91を通って左側接続パイプ55内へと、さらに左側排気口53に向かって自由に流れる。
【0088】
図5bに示されるパイプ接合部9の閉状態では、パイプ接合部9の機能は、
図3に示されるパイプ接合部の機能と実質的に等しい。しかしながら、
図5bに示される実施形態では、2つの弁部材93、すなわち左側弁部材95および右側弁部材97が、1つだけの弁部材の代わりに共通の接続開孔91を通る排気ガスの通過を制限する。また、
図5bによるパイプ接合部9は、左側弁部材95または右側弁部材97の一方のみが共通の接続開孔91を閉じている場合(図示せず)に、閉じられた状態にある。2つの弁部材95および97の使用は、左側排気管5と右側排気管7との間の漏れ気密性を向上させる。
【0089】
図3に関して上記されたのと同様に、左側シリンダ群35から排出された
図5bの矢印58aで示される排気ガスは、もっぱら左側排気開孔53に運ばれ、一方、右側シリンダ群37から排出された排気ガス70は、
図5bの矢印78aで示されるように、もっぱら右側排気口73に運ばれる。
【0090】
図5aおよび
図5bに示されるようなパイプ接合部9の1つのそれぞれの弁部材95、97が
図6a、
図6bおよび
図6cでさらに詳細に示され、その回転軸(A
95、A
97)に対して偏心したフラップとしてまたは半径方向にオフセットされたフラップとして記載されることがある。
【0091】
図5a、
図5bおよび
図6aに示されるような好ましい実施形態では、左側弁部材95および右側弁部材97は、互いに実質的に等しく、そのため
図6bおよび
図6cの詳細な図は、左右の弁部材95、97の両方に関連していると見なされてもよい。当然ながら、左側弁部材および右側弁部材は、代わりに、異なるように設計されてもよく、または互いに対して異なる寸法にされてもよい。
【0092】
図5a〜
図6bに示されるように、本実施形態によるパイプ接合部9の各弁部材93は、それぞれの左側または右側回転軸である(
図6cおよび
図6bで単に大文字Aで示される)A
95またはA
97の回りに回転させられてもよい。回転軸A(A
95ならびにA
97)は、実質的に、エンジンから排気口への流路に対して垂直に、および共通のパイプ開孔91の中心を通る流路にも垂直に配置されている。言いかえれば、共通のパイプ開孔91の中心を通って左側接続パイプ55の中心から右側接続パイプ75の中心へ想像線が引かれてもよく、左側弁部材95または右側弁部材97の回転軸A
95またはA
97が、上述の想像線、ならびにそれぞれの左側接続パイプ55または右側接続パイプ75を通る中心流路の両方に垂直となるように、左側接続パイプ55と右側接続パイプ75とが連結されて、実質的にそれらの外周部に共通の接続開孔91を形成する。
図6aに示されるように、弁部材97、95の軸は、互いに実質的に平行である。
【0093】
図6の実施形態による各弁部材は、好ましくは円形の上部回転プレート96および好ましくは円形の下部回転プレート98を備える。上部回転プレート96および下部回転プレート98の両方には、弁部材93の回転軸Aを規定するそれぞれのシャフト部分101が取り付けられている。
図6aに示されるように、弁部材93は、シャフト部分101が左側回転軸A
95または右側回転軸A
97の回りで回転自在に担持される滑り軸受103によってパイプ接合部9に取り付けられている。
【0094】
図6aに示されるように、各弁部材93は、それぞれの左側または右側電動モータ、好ましくはサーボモータ99によって駆動される。サーボモータ99は、それぞれの弁部材93(図示せず)のシャフト部分101に直接取り付けられてもよく、あるいは左側ギアボックス105を介して電動モータ99から左側弁部材95に、または右側ギアボックス107を介して右側電動モータ99から右側弁部材97に回転運動を伝達するための左側ギアボックス105または右側ギアボックス107を有することができる。
図6aの実施形態によるパイプ接合部9の簡略版は、左側弁部材95および右側弁部材97の両方を駆動するための共通の電動モータならびに共通のギアボックスを用いて、好ましくは鏡面対称で実現されてもよい。しかしながら、
図6aに示されるように、左側弁部材95または右側弁部材97を互いに独立して個々に作動させるための個々の電動モータ99が好ましい。シャフト部分101に直接取り付けられていない電気エンジン99の配置は、パイプ接合部9が配置されてもよい自動車内の利用可能スペースが常に限定されるという点で有利であり、その結果、モータ99から弁部材93に回転運動を伝達するためのギアボックス105、107または同様の手段の使用は、より少ないスペースを使用すること、および/または利用可能スペースを使用するのにより大きな自由度を提供することで有利となる。
【0095】
図6bおよび
図6cに戻って、軸方向に延在する壁109は、上部回転プレート96および下部回転プレート98の両方に接続されている。回転軸Aに対して、壁109は、回転軸Aに対する弁部材93の半径方向の外周に沿った円周方向距離αにわたって実質的に矩形の壁のように延在する。前記壁109の内側は、好ましくは平坦であり、外側は、好ましくは弁部材93の回転軸Aを取り囲む円筒区間を形成する。壁109は、
図6a〜
図6cに示されるように好ましくは中空であるが、また中実であってもよい(図示せず)。弁部材93の壁109は、
図5bに示されるように、共通の接続開孔91を閉じるために使用されてもよい。この目的のために、壁109の円周方向広がりαは、
図5aに示されるように、回転軸Aに対する共通の接続開孔91の円周方向広がりβと少なくとも同じ大きさ、好ましくは円周方向広がりβよりも大きい。弁部材93の壁109の円周方向広がりαが共通の接続開孔91の円周方向広がりβよりも小さい場合、個々の弁部材95、97は、共通の接続開孔91を決して完全に閉じることはできず、それによりバイパス開口が常に維持される(図示せず)。
【0096】
図5および
図6に示されるパイプ接合部9は、弁部材95、97が回転軸A
95またはA
97の回りを自由に回転することができるように、それぞれの左側または右側弁部材95、97が配置された実質的に円筒状の接合区間56、76を有する。機械的、電気的、または電子的制約は、
図2〜
図4に示される実施形態に対して上記されたのと同様のやり方で提供されてもよい。接合区間56、76の半径方向寸法R
56、R
76は、弁部材がそれぞれの左側接続パイプ55または右側接続パイプ75の接合区間56、76の1つ、2つまたはそれ以上の区間と密封係合することができるように、壁109の半径方向寸法Rと実質的に同じである。本文脈では、「密封係合する」とは、好ましくは、熱膨張を可能にするためにおよび/または弁部材95、97とパイプ接合部9の接合区間56、76の壁との間の摩耗を低減させるために、壁109の円周方向外側と接合区間76または56の円周方向内壁との間に小さな間隙が維持されてもよいことを意味する。
【0097】
図5および
図6によるパイプ接合部9の入口区間55i、75iおよび出口区間55o、75oは、それぞれの左側または右側接合区間56、76の回転軸A
95、A
97に対して半径方向に延在するように実現される。接合区間56、76は、好ましくは入口区間55a、75aと出口区間55b、75bとの間に延在する休止面をその円周方向内側に備える。弁部材95、97の壁109は、弁部材が入口区間55a、75a、出口区間55b、75b、または共通の接続開孔91に通じる接合区間56、76の開口のいずれの開口も狭めないように、休止面に配置されてもよい。図示されていない代替の実施形態では、休止領域は、代わりに、入口区間55a、75aと共通の接続開孔91との間および/または共通の接続開口91の出口区間55b、75bの間に設けられてもよい。接合区間56、76の休止領域は、壁109の円周方向寸法αよりも大きな円周方向寸法を有する。
【0098】
入口区間の円周方向広がりχ
1および/または出口区間の円周方向寸法χ
0は、弁部材95、97が接合区間56、76の各開孔を閉じることができるように、好ましくはαよりも小さい。
【0099】
図5および
図6aに関して上記されたような接合区間9は、
図2および
図3に示される実施形態による接合区間9と実質的に同一の働きをする。しかしながら、
図1aに示されるような排気システム1の好ましい実施形態では、
図5および
図6に関して記載されたような設計によるパイプ接合部は、以下の
図7、
図8および
図9に記載されるさらなる設定に使用されてもよい。同じ参照番号が以前と同じまたは同様のパイプ接合部の構成要素に使用されている。
【0100】
図7は、弁部材95、97が、管開孔を部分的に閉じることによって、接合区間56、76から出口区間55b、75bに向かって主排気管を通る流れを部分的に、好ましくは約50%制限している状態のパイプ接合部を示す。
【0101】
バイパス作動弁13を含む共通の弁装置90としてのパイプ接合部9の使用可能性は、
図8および
図9に示される接合部9の状態を考慮して特に明らかになる。
図8では、弁部材95、97は、排気ガスがパイプ接合部を通ってシリンダ35、37のいずれからも排気開孔へ流れることができないように、それぞれの左右の接合区間56、76とパイプ接合部9の上流のパイプ腕部55a、75aとの間の管開孔を両方とも閉じている。弁部材95、97が接合区間56、76と出口区間55b、75bとの間で管開孔を閉じるように配置された場合、
図8に示されるような接合区間9の閉鎖とほとんど同一の効果が達成されてもよい。
【0102】
図9は、両方のシリンダ列35、37からの排気がパイプ接合部9を通るが、左側排気開孔53に向かってのみ通過することができる状態を示す。この目的のために、右側接合区間76と右側パイプ腕部75bとの間の管開孔は、右側弁部材97によって閉じられ、一方、左側弁部材96は、左側接合区間56の休止領域に位置する。この排気ガス輸送は、矢印58aおよび矢印78bによって示されている。
【0103】
また、
図5および
図6の好ましい実施形態によるパイプ接合部9は、左側接合区間55と左側パイプ脚部55bとの間の管開孔が左側弁部材95によって閉じられ、一方、右側弁部材97が右側接合区間76の右側休止領域の壁109に配置されている場合、図示されてないが、
図9に示されるのと同様のやり方で、全エンジン3からの排気ガスをもっぱら右側排気口73へ導くために使用されてもよい。
【0104】
パイプ接合部9のさらなる代替の実施形態が
図10〜
図13に示されている。
図10に示されるようなさらなる代替のパイプ接合部9は、
図1に示される好ましい実施形態による排気システム1で使用されてもよいが、
図1aに示される好ましい実施形態による排気システム1に好ましくは実装される。以前に使用されたのと同様または同一の参照番号が同じまたは同様の構成要素を示すために使用されている。
【0105】
図10〜
図13に示されるようなパイプ接合部9は、互いに独立して動かされる2つの弁部材93b、13bを有する。中央弁部材93bは、第1の電子モータ99に接続されたシャフト101を有し、第2の弁部材13bすなわち共通の弁部材は、第2の電動モータ99に接続された第2のシャフト111を有する。シャフト101、111は両方とも、左側接続パイプ55、右側接続パイプ75、ならびに(両方の
図10および
図11では閉じられて示されている)共通の接続開孔91を通って実質的に垂直に延在する回転軸A
13に対して同軸で配置されている。左側接続パイプ55および右側接続パイプ75の接合区間56、76は、断面が実質的に矩形であり、共通の接続開孔91が形成される共通の側壁を形成する。接合区間56、76の上流のパイプ腕部55a、75a、ならびに接合区間56、76の下流のパイプ脚部55b、75bは、入口開口55a、75aの実質的に円形断面または出口開口55o、75oの実質的に円形断面に向かって、実質的に矩形断面を有する接合区間56、76との間の移行を実現するために、切頭されたように成形されている。
【0106】
図10〜
図13に示される実施形態によるパイプ接合部9の接合区間56、76は、休止容積118に対する左右の接続パイプ55、75の移行容積115、117の分離を実現する内部隔壁116を有する。エンジン3からの排気ガスは、共通の弁部材13bが少なくとも部分的に開いている(図示せず)、または完全に開いている(図示せず)限り、左右の接続パイプ55、75の移行容積115、117を通過することができる。共通の弁部材13bを開けるために、共通の弁部材13bは、左側接合区間56と左側出口区間55との間の、および右側接合区間76と右側出口区間75bとの間の管開孔を通る流れを抑止しないように、パイプ接合部9の休止容積118内へ動かされる。第2の弁部材13bは、
図13に詳細に示されるそのフラップが左側の管区間5ならびに右側の管区間7において管開孔を実質的に全く同一に狭めるように成形されているため、共通の弁部材と呼ばれる。共通の弁部材13bのフラップ区間は、ショベルまたはシリンダ表面の区間のように実質的に成形され、軸A
13の回りで回転可能となるように互いにおよびシャフト101に接続されている。軸A
13の回りの回転は、共通の弁部材13bを、
図10および
図11に示されるような上述の管開孔を完全に閉じる全閉位置から、共通の弁部材13bが、管開孔を狭めないように、休止容積118内に実質的に完全に受け取られる全開位置へ移動させることができる。
【0107】
中央弁部材93bは、実質的に半円形を有し、中央弁部材93bによってカバーされた面積は、理想的な半円の面積よりも大きく、好ましくは半円の面積のせいぜい150%であり、より好ましくは理想的な半円の面積の125%未満である。
図10に示されるように、中央弁部材93bは、排気ガスが左側の管5から右側の管7に、または逆に流入することができないように、左側移行容積115を右側移行容積117から分離し、したがって、左側接続パイプ55を右側接続パイプ75から効果的に分離する閉状態に配置されてもよい。左側排気管5と右側排気管7との間の流体接続を提供するために、中央弁93bは、弁部材93bが休止容積118内へ動かされるように、その軸A
13の回りで回転させられてもよい(図示せず)。
【0108】
図10〜
図13の実施形態によるパイプ接合部は、休止容積118を大気から密封する蓋119を備える。中央弁部材93bおよび共通の弁部材13bは、一方が隔壁116に、もう一方がパイプ接合部9のケーシングに密封係合するが、熱膨張を可能にするために、ならびに移動可能な構成要素と静止した構成要素との間の摩耗を減少させるために、移動可能な共通の弁部材13bおよび/または中央弁部材93bおよび/またはパイプ接合部9のケーシングならびに隔壁116の両方との間に小さな間隙が存在してもよいことは明らかであろう。排気ガスは、間隙を通過することができるが、それにもかかわらず(エンジン3から排気口53、73へのパイプ接合部9内部の流れに影響を及ぼさない)わずかな量が、パイプ接合部9で制御されないやり方で大気中に出るべきでないことは明らかである。
【0109】
図1および
図1aに示される好ましい実施形態による排気システム1は、以下の設定に従って使用されてもよい。ラフなスポーツ設定と呼ばれることがある第1の設定によると、左側シリンダ群45からの排気ガスは、もっぱら左側排気管5を通って両方の左側排気口53a、53bへ進むことが許容され、右側シリンダ群47からの排気ガスは、もっぱら右側排気管7を通って右側排気主開口73aおよび右側バイパス開口73bへ進むことが許容される。V8エンジンと組み合わせたこの第1の設定は、軽快でラフな甲高いV8音を可能にする。この第1の設定は、特に共通の接続開孔91を完全に閉じることによって、および特に右側弁装置13、72の右側排気管開孔を完全に閉じ、特に左側弁装置13、52の左側排気管開孔を完全に開けることによって達成される。甲高い音は、シリンダの点火順序のために左右の管の排気ガスが分離されているために達成される。V8エンジンの典型的な点火順序は、「L、L、R、R、L、R、L、R」であり、Lは、左側群35のシリンダの点火に関し、Rは、右側群37のシリンダの点火に関する。左側排気管5および右側排気管7が、互いに分離されている場合、管内のガス流は、互いに干渉せず、これも甲高い音につながる。この第1の設定は、管パイプ容積が、低rpmおよび低排気ガス流に対して寸法が過大であるという事実により、低rpm域、特に毎分3,000回転未満、好ましくは2,000rpm未満での性能に特に有益である。低rpm域では、パイプ接合部9でのガスの膨張に対してわずかなスペースしか必要とされない。
【0110】
第1の設定は、例えば、
図3に示されるような、または
図5bに示されるようなパイプ接合部9によって、あるいは閉じられた中央弁部材93bおよび完全に開いた共通の弁部材13bを有する
図10の実施形態のパイプ接合部によって実現されてもよい(図示せず)。
【0111】
バランスのとれたスポーツ設定として記載されてもよい第2の設定が適用されてもよく、その場合、左側または右側シリンダ群35、37の一方からの排気ガスが、左右の排気管5、7を通って排気口53、73のいずれか一方に移送されてもよい。このようにして、洗練されバランスがとれているが、軽快な大きな音出力が達成されてもよい。この設定に対して、共通の接続開孔91は、排気ガスが左側排気管5と右側排気管7との間で移送されることができるように開いている。さらに、弁管5、7の弁装置13、52、72が開いている。この設定は、排気管のパイプ内の背圧を低下させることによってエンジン性能を改善するために、中〜高rpm域で特に有利である。特に、3,000rpmよりも大きく、好ましくは4,000rpmよりも大きな高rpm域で。同じ左側シリンダ群35または右側シリンダ群37の、2つの近接した連続する圧力パルス「L、L」または「R、R」は、同じ管入口51または71において2つの圧力パルスを生成し、結果として、圧力パルスが互いに干渉するため、圧力パルスの振幅が高くなり、圧力パルスの持続期間が長くなる。左右の排気管5、7の接続は、この場合、利用可能なパイプ容積を2倍にし、これによって、圧力膨張の改善および背圧の低下が可能になる。第2の設定は、例えば
図2、
図5aに示されるようなパイプ接合部9によって、または
図10〜
図13による完全に開いた共通の弁部材13b、およびパイプ接合部9の完全に開いた中央弁部材93bによって達成されてもよい。
【0112】
特に、第2の設定では、ガス流、および圧力、ならびにエンジン性能を改善する2つの現象がパイプ接合部で起きる。第1の効果は、圧力パルス効果およびその反射と呼ばれる。排気管5、7の単一の管入口から左右の除去パイプ59および79の両方に流入することが許容された排気ガスの膨張により、一方の入口管51、71から来る正圧パルスは、それぞれのもう一方の入口管71または51において、部分的に負圧パルスに反転させられ、エンジンに向かって後ろ向きに(または上流に)進む。この反射された負圧パルスは、最後に言及された「もう一方の」管入口71または51において後続の90°遅延した正圧パルスに当たり、これによって最後に言及された管入口71または51において排気ガスを掃気するのを支援する。このようにして、排気システムにおけるポンピング損失が低減され、このことが特に中rpm域(例えば2,000〜4,000rpm)においてエンジン性能に好影響を与える。この効果は、プッシュプル効果と呼ばれることがある。第2の効果は、「ガス流効果」と呼ばれることがある。高い運転パラメータ(全負荷、高rpm域)の下では、第1の入口管から来る排気ガスは、それぞれのもう一方の管の出口での相対的な圧力のためにパイプ接合部9で分割される(噴射器効果)。したがって、約1%〜2%の総パワー増加の性能向上がもたらされる可能性がある。
【0113】
スムーズ設定またはサイレント設定と呼ばれることがある第3の排気システム設定では、排気ガスは、排気管5と排気管7との間で移送されることが許容されるが、もっぱらバイパス開口53b、73bを通って出るために比較的小さな直径のバイパス管路57、77を流れるように強いられる。
【0114】
スムーズ設定に対しては、共通のパイプ開孔91は、開けられているが、弁装置13、52および72は、ガスがバイパス管路57、77を通ってバイパス排気口53b、73bにのみ流れるこができるように作動させられる。このサイレント設定は、例えばバイパス作動弁13がパイプ接合部9の下流に配置されている
図1に示されるような排気システム1において、
図2、5aに示されるようなパイプ接合部設定、または
図10〜
図13に示されるようなパイプ接合部9の全開の共通弁部材13bおよび全開の中央弁部材93bによって達成される。
【0115】
第4の設定では、共通の接続開孔91ならびに弁装置13、52、72の管開孔は、両方とも完全に閉じられている。これは、性能を改善しないが、音放出を低減させることができる。
【0116】
第5の設定では、排気ガスは、左側排気管5と右側排気管7との間で移送されることが許容されるが、弁装置13の少なくとも1つの管開孔は、少なくとも部分的に閉じられ、それぞれの主排気口53aおよび/または73aを通る排気ガスの自由な流れを阻害する。これは、
図1aによる排気システムに関して、例えば、
図7に示される実施形態に従って、または
図10の実施形態のパイプ接合部9の実施形態における完全に開けられた中央弁部材93bおよび部分的に開けられた共通の弁部材13bによって実現されてもよい(図示せず)。
【0117】
第6の設定では、排気ガスは、左側排気管5と右側排気管7との間で移送されてもよいが、もっぱら左側排気口53あるいは右側排気口73通って排気システム1を出ることができる。この設定は、例えば
図2または
図10に示されるようなパイプ接合部9を有する排気システムにおいて
図9に示されるような実施形態によって達成されてもよく、第6の設定は、さらなる弁が左側または右側バイパス管路57、77の少なくとも1つに設けられている場合にのみ達成されてもよい(図示せず)。
【0118】
第5および第6の設定は、現代の高性能エンジン、特にV6エンジンおよびV8エンジンにおいて好ましくは使用されてもよく、これらのエンジンは、エンジンのシリンダ、例えば左側シリンダ列35または右側シリンダ列37の一部の解放を可能にする。排気システムは、通常、全負荷運転時の背圧を最小にするために寸法決めされており、これは、いわゆるパーシャル・スロットル運転またはシリンダ解放動作時の不快なブーミング音および/または望ましくないエンジン・ノイズを引き起こす可能性がある。第5または第6の設定は、これらの望ましくない影響を低減させることができる。
【0119】
一般に、管と管との間、すなわち左側の管5と右側の管7との間に流体連通がある場合、半分のエンジン(1つのシリンダ列)の基本点火順序周波数の音が強調される。管5と管7との間の開放接続は、全エンジン(両方のシリンダ列)の基本点火順序周波数を強調する。偶数のシリンダの場合、後者は、前者よりもほぼ2倍高い。排気システムの排気音の最も支配的な要因である点火順序および周波数は、その高調波次数にも影響を及ぼす。共通の接続開孔91を開けるまたは閉じることによって、排気システムから放出される音は、著しく変えられることがあり、したがって、異なる音特性を有する2つの独特な設定が達成されることがある。
【0120】
図14および
図15による音マップは、排気システムによって放出されたノイズレベル(dBA)を示し、およそ85dBAを上回るノイズレベルが黒で示され、およそ85dBAを下回るノイズレベルが白で示されている。上記されたように、本発明による排気システムは、以下でさらに詳細に記載される2つの独特な音特性の選択を可能にする。排気音測定は、エンジンの毎分回転数、および排気出口の近くに配置されたマイクロホンからの信号を検出する測定機器の使用によって車両に対して行われてもよい。エンジンのあらゆる可能なrpm設定に対して信号を抽出して周波数領域(FFT)で分析されるように、いわゆる次数追跡プロセスが使用されてもよい。その場合、rpm依存の音スペクトルが
図14および
図15に示されるように、マトリックスに組み合わされてもよい。
【0121】
図14および
図15による音マップは、音の周波数および音量特性をエンジンのrpm設定に応じて1つのグラフで表わしている。内燃式エンジンは、その回転数に対して比例または線形出力を提供するため、音放出の次数または高調波は、85dBA以上の音放出に対して、音カラーマップで直線として表わされている。
図14および
図15に示される音測定は、本発明による排気システムに接続されたV8バイターボ・エンジンを用いて行われた。
【0122】
図14は、左右の主排気管間の開けられた接続に対する音マップを示す。
図15は、左側の管と右側の管との間の接続(共通の接続開孔)が閉じられている本発明による排気システムに対する音マップを示す。
【0123】
図14を参照すると、最も支配的な高調波次数は、V8バイターボ・エンジンの全rpm域にわたって3.0〜3.5である。V8バイターボ・エンジンの中rpm域では、4.0、4.5および5.0の高調波次数も支配的である。より高い次数(6〜10)は、存在するが、はるかに強さが小さい。1.5〜2.0次の低周波音は、存在しない。
【0124】
管と管との間の閉じられた接続に関する
図15の音マップでは、音放出は、明らかに異なる。特に、左側排気管と右側排気管との間の開けられた接続は、より低い高調波次数、すなわち1.5〜2.0次も聞こえることを可能にする。さらに、上記の閉じられた配置とは異なり、次数4〜10の、この範囲の2分の1の次数すべてを含む、広いスペクトルも存在し、このスペクトルは、強い広帯域音を規定する。具体的には、4,000〜6,200rpmのrpm域では、この広帯域は、
図14の閉じられた接続の音マップと比較してはるかに強い。
【0125】
図14および
図15に示される音響放出の違いは、人間の耳によって十分検出される。
図14に提示された音は、それほど強くなく、より滑らかで、洗練されている。
図15による音は、より積極的で、より高いピッチを有し、エンジンの基本的な特性を強調する。
【0126】
エンジン・シリンダの全数がN(例えば、
図1に示されるように8)であり、エンジンタイプが4ストロークタイプである場合、各エンジンのシリンダ・バンクまたはシリンダ群は、N/2のシリンダ(
図1に示されるエンジン3の左側列35ならびに右側列37の両方とも4つのシリンダ)を有し、その結果、左側の管5および右側の管7が接続されている場合の基本点火音順序周波数は、式、FO
con=N・f/2で計算されてもよく、ここでfは、エンジンの毎秒回転速度である。
【0127】
エンジン速度が理想的なrpmから最大のrpmまで可変であるため、各点火順序は、最小周波数から最大周波数までの範囲を有する。管5と管7との間の接続が完全に閉じられている場合は、点火音または順序周波数に対する基本式は、FO
discon=N・f/4である。
【0128】
点火順序周波数は、エンジンのレイアウト(シリンダヘッドとクランク室のレイアウトとの間の角度)のためにわずかにずらされてもよい。しかしながら、音の支配は、両方の動作状態間で維持されている。
【0129】
上記の説明、図および特許請求の範囲で開示された特徴は、任意の組合せのように本発明の異なる実施形態において個々に本発明を実現するために重要である場合がある。