特許第6804550号(P6804550)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6804550
(24)【登録日】2020年12月4日
(45)【発行日】2020年12月23日
(54)【発明の名称】円筒電池用バッテリパック構造
(51)【国際特許分類】
   H01M 2/10 20060101AFI20201214BHJP
   H01M 10/6556 20140101ALI20201214BHJP
   H01M 10/6561 20140101ALI20201214BHJP
   H01M 10/613 20140101ALI20201214BHJP
   H01M 10/643 20140101ALI20201214BHJP
   H01M 2/20 20060101ALI20201214BHJP
   H01M 10/625 20140101ALI20201214BHJP
   H01M 10/627 20140101ALI20201214BHJP
【FI】
   H01M2/10 M
   H01M2/10 F
   H01M10/6556
   H01M10/6561
   H01M10/613
   H01M10/643
   H01M2/20 A
   H01M10/625
   H01M10/627
   H01M2/10 S
【請求項の数】6
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2018-549303(P2018-549303)
(86)(22)【出願日】2017年8月14日
(65)【公表番号】特表2019-516211(P2019-516211A)
(43)【公表日】2019年6月13日
(86)【国際出願番号】KR2017008840
(87)【国際公開番号】WO2018034471
(87)【国際公開日】20180222
【審査請求日】2018年10月3日
(31)【優先権主張番号】10-2016-0104686
(32)【優先日】2016年8月18日
(33)【優先権主張国】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】518327165
【氏名又は名称】エムピーエス コリア カンパニー,リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100091683
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼川 俊雄
(74)【代理人】
【識別番号】100179316
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 寛奈
(72)【発明者】
【氏名】ヤン,キ イル
(72)【発明者】
【氏名】キム,ヘ ラン
【審査官】 原 和秀
(56)【参考文献】
【文献】 韓国登録特許第10−1441900(KR,B1)
【文献】 特開平09−007564(JP,A)
【文献】 韓国公開特許第10−2007−0068608(KR,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 2/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
4つの円筒形バッテリセル(700)が並んでそれぞれ挿入されるようにバッテリ挿入溝(110)が形成され、前記バッテリ挿入溝(110)の円周に沿って空気の流動を助けるように内部に複数の円形スロット(111)が備えられた第1外部フレーム(100a)と、
前記第1外部フレーム(100a)と同じ形態で前記円筒形バッテリセル(700)の反対側からセルの反対電極が挿入されるように前記バッテリ挿入溝(110)を備えた第2外部フレーム(100b)と、
ボルト結合のための電極端子(300)がそれぞれ安着されることができるように端子形態の4つの端子溝(210)がそれぞれ備えられ、前記第1外部フレーム(100a)及び前記第2外部フレーム(100b)からなる外部フレーム(100a、100b)の両方の先端にそれぞれ位置して前記外部フレーム(100a、100b)と結束される一対の外部フレームカバー(200a、200b)と、
前記外部フレームカバー(200a、200b)の下部から前記端子溝(210)にそれぞれ挿入され、前記外部フレーム(100a、100b)、前記外部フレームカバー(200a、200b)とそれぞれ接触するスプリング(400)を介して前記円筒形バッテリセル(700)の電源が供給されるために前記スプリング(400)と結束される端子ボルト溝(310)が備えられた4つの前記電極端子(300)とを含んで構成され、
前記外部フレーム(100a、100b)は、
前記バッテリ挿入溝(110)の内部に円周に沿って空気の流動を助けるように円形ラインに沿っ複数の前記円形スロット(111)、
4つの前記バッテリ挿入溝(110)の中央に位置して中心部に空気流動または冷却のために形成された中心孔(120a、120b)、
各前記外部フレーム(100a、100b)の側面の中心部にスロット状にそれぞれ形成されて複数の前記外部フレーム(100a、100b)が結合可能に備えられた4つの第1結合キー溝(136、137、138、139)、
前記外部フレームカバー(200a、200b)と挿入されて固定締結されるように前記外部フレーム(100a、100b)の上部に位置した4つの突出部(145、146、147、148)、
前記外部フレーム(100a、100b)と前記外部フレームカバー(200a、200b)の締結によって前記円筒形バッテリセル(700)の(+)、(−)極、前記スプリング(400)及び六角端子が結合された状態を確認することができる端子孔(140)が備えられ、
前記外部フレーム(100a、100b)と一体に構成され、対角線方向に四角形の2つの挿入ガイド(131a、131b)と前記挿入ガイド(131a、131b)の先端に一体に形成されて固定ねじ(500)が挿入される締結孔(132a、132b)が形成されたガイドバー(130a、130b)を備え、対角線方向に前記ガイドバー(130a、130b)がそれぞれ安着され、前記締結孔(132a、132b)を通じて挿入される2つの挿入ガイド溝(133a、133b)を含んで構成されることを特徴とする円筒電池用バッテリパック構造。
【請求項2】
前記外部フレームカバー(200a、200b)は、
ボルト結合のための前記電極端子(300)がそれぞれ安着されることができるように端子形態の4つの前記端子溝(210a、210b)がそれぞれ備えられ、前記外部フレーム(100a、100b)の両方の先端にそれぞれ位置して前記外部フレーム(100a、100b)と結束される一対の第1外部フレームカバー(200a)及び第2外部フレームカバー(200b)
前記外部フレーム(100a、100b)と締結の際に、各前記外部フレーム(100a、100b)の4つの前記第1結合キー溝(136、137、138、139)と対面されるように前記外部フレームカバー(200a、200b)の側面の中心部にスロット状にそれぞれ形成されて複数のフレームが結合可能に備えられた第2結合キー溝(211、212、213、214)、
前記外部フレーム(100a、100b)と締結の際に、前記外部フレーム(100a、100b)の前記中心孔(120a、120b)と対面されて4つの前記バッテリ挿入溝(110)に安着された前記円筒形バッテリセル(700)の中心部に発生する熱の空気流動または冷却のための空気流動孔(220a、220b)、
前記外部フレームカバー(200a、200b)と前記外部フレーム(100a、100b)が結合されて締結時にそれぞれ前記固定ねじ(500)のための穴孔が備えられ、前記固定ねじ(500)が前記穴孔に挿入されて締結時に電気的に接触されないように前記外部フレームカバー(200a、200b)上に突出する保護突起部(230)、
前記外部フレーム(100a、100b)と前記外部フレームカバー(200a、200b)の結合によって前記円筒形バッテリセル(700)の(+)、(−)極性を確認し、前記円筒形バッテリセル(700)の充電及び放電の際に発生する熱の放出のための4つの放熱溝(240)を含んで構成されることを特徴とする請求項1に記載の円筒電池用バッテリパック構造。
【請求項3】
前記電極端子(300)は、
前記外部フレームカバー(200a、200b)の下部の前記端子溝(210)にそれぞれ独立して安着されて前記外部フレームカバー(200a、200b)の上部から前記円筒形バッテリセル(700)の電源が供給されるために前記端子ボルト溝(310)が備えられ、
四角プレートとナットの締結構造を有するか、六角棒、八角棒の構造を有するか、六角ではなくスプライン状の棒を加工して内側にタブを設けた形態で選択的に適用することができることを特徴とする請求項1に記載の円筒電池用バッテリパック構造。
【請求項4】
前記スプリング(400)は、
前記電極端子(300)の前記端子ボルト溝(310)に嵌込方式で安着されて前記外部フレーム(100a、100b)及び前記外部フレームカバー(200a、200b)の変形時にも前記円筒形バッテリセル(700)の(+)、(−)極と接触を通じて弾性を保持して電流が円滑に流れるように青銅/黄銅素材を錫メッキして断面が平たい四角形状を有することを特徴とする請求項1に記載の円筒電池用バッテリパック構造。
【請求項5】
前記外部フレーム(100a、100b)を多段に積層可能に前記外部フレーム(100a、100b)の前記第1結合キー溝(136、137、138、139)と対面される前記外部フレームカバー(200a、200b)の前記第2結合キー溝(211、212、213、214)との間に4つの結合キーをそれぞれ挿入して複数の前記外部フレーム(100a、100b)を積層して器具の堅固性を提供し、前記外部フレームカバー(200a、200b)の各前記端子溝(210)を通じて複数の前記外部フレーム(100a、100b)と直/並列連結を通じて所望の定格電圧と電源を提供することを特徴とする請求項2に記載の円筒電池用バッテリパック構造。
【請求項6】
前記第1外部フレーム(100a)と前記第2外部フレーム(100b)が前記第1外部フレームカバー(200a)及び前記第2外部フレームカバー(200b)とそれぞれ結合されて締結のために前記第1外部フレーム(100a)の前記ガイドバー(130a)の前記締結孔(132a)が前記第2外部フレーム(10b)の前記挿入ガイド溝(133b)と、前記第2外部フレーム(100b)の前記ガイドバー(130b)の前記締結孔(132b)が前記第1外部フレーム(10a)の前記挿入ガイド溝(133a)とそれぞれ結合された後、前記固定ねじ(500)を介して前記第1外部フレーム(100a)及び前記第1外部フレームカバー(200a)、前記第2外部フレーム(100b)及び前記第2外部フレームカバー(200b)が別途のナットなしでプラスチック素材を食い込みながら強く結束されることを特徴とする請求項2に記載の円筒電池用バッテリパック構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は円筒電池用バッテリパック構造に関し、より具体的には、購入が容易な小容量円筒形リチウムイオンバッテリセルを直列に連結して電圧を高め、並列に連結して電流量を増大して大容量バッテリパックを製作することが容易な構造を有する円筒電池用バッテリパック構造に関する。
【0002】
また、本発明は円筒形バッテリを組み立て、再度分離が容易な大容量バッテリパックを製作することができるようにプラスチック素材の結合構造と電流が流れるようにする端子及びスプリング、並びにケースを固定するボルトなどの構成要素及び形状、構造を有する円筒電池用バッテリパック構造に関する。
【背景技術】
【0003】
現在、様々な分野において電気エネルギーを貯蔵する装置としてバッテリを用いており、1次電池と2次電池の殆どは円筒形(Cylindrical)、角形(Prismatic)、パウチ(Pouch)の形態を有している。再充電して使用可能な2次電池はスマートフォン、ノートパソコンなど携帯用電子機器からバッテリを利用した充電可能な電気自動車など、広範囲にわたって用いられており、最近は複数のバッテリセルを直/並列に連結して太陽光、風力などにより作られた電気を貯蔵して用いるESS(Energy Storage System)などにも用いられている。
【0004】
リチウム電池は長時間、数百、数千回の充電と放電が可能であるので、2次電池の中で電動工具、補助バッテリ、携帯電話、ノートパソコンなどのIT機器に多く用いられており、最近は電気自動車及び太陽光、風力などと結合されたESS用としても用いられている。特に18650リチウム電池は直径18mm、高さ65mmの円筒形サイズが標準化されており、世界中で最も多く一般的に生産される形態であって米国のテスラ自動車とドイツのアウディなどで電気自動車の駆動用として適用している。
【0005】
円筒形バッテリセルを直/並列の形態で連結する方法には、バッテリセルの正極と負極端子を、また他の外部の連結板(Bus Bar)を利用して溶接を行う場合が殆どである。この時、並列連結(正極同士、そして負極同士の連結)を通じて電流容量を増加させることができ、直列連結(正極とまた他の電池の負極を連結)を通じて電圧を上げることができる。主にバッテリセルの正極と負極と同じ素材であるニッケル板を利用して溶接を行う場合が殆どである。通常、用いられる電気装置(携帯用で電気自動車用、ESS用)は12V、24V、48V、72V、110V、200V、380Vなどであるので、数個〜数十個の直列連結が必要であり、用いられるエネルギー量によって数個〜数百個、数千個の並列連結が必要となる場合もある。
【0006】
従来の方法では、バッテリの正極と負極を直列と並列に連結する時、別途の極板とバッテリ電極との間を瞬間的に電圧を加えるスポット(Spot)溶接またはレーザ溶接などを利用して連結する形態で多数のセルを直列と並列に連結することができる。即ち、この場合、電池の(+)極と(+)極、(−)極と(−)極を連結して(並列連結)小型バッテリの電流容量を所望の量だけ増加させることができる。これを一つのバッテリセルと同じ電圧を有しながら電流容量のみが増加したバッテリモジュールと呼ぶ。複数のバッテリセルが並列に連結されて電流容量が増加した一つのバッテリモジュールの(+)極とまた他の一つのバッテリモジュールの(−)極を複数連結すれば(直列連結)、所望の電圧まで上げることができる。
【0007】
しかしながら、小容量の円筒セル複数を直/並列に連結して用いる電池パックの構造では、場合によって数千個を直列と並列に連結されることができ、このような場合、次のような幾つかの問題を解決しなければならないが、これは複数のバッテリセルをスポット溶接を通じて結合させる場合、振動による接点不良または溶接不良などが多数発生し、この場合、接点不良部位を見つけ出すことも難しく、見つけ出したとしても、これを矯正して再びスポット溶接を通じて結合する作業は、電気的にショートの発生可能性と大型バッテリパック自体の高重量などにより、極めて難しい作業であるので、各円筒セルを直/並列に連結する際に直/並列に締結後、簡単に分離する方法を解決しなければならない。
【0008】
既存の締結方式では、超音波スポット溶接(Spot Welding)やレーザ溶接を通じた直/並列連結構造では前記問題を解決することができない。即ち、バッテリセルの反復的な充放電を通じてバッテリパックを用いると、バッテリセルのうち幾つかのバッテリセルが早期老化、端子抵抗の増加、セルの熱損失及び内部抵抗の増加などの問題が発生してバッテリパック全体の性能が低下される場合に問題となる幾つかのバッテリセルを交換したり、分離したりすることが極めて難しく、事実上バッテリパックの部分的な交換や修理が不可能であった。
【0009】
これにより、多数のセルが結合されたバッテリパック全体の寿命が、これを構成している幾つかのバッテリセルにおいて老化及び端子抵抗の増加などによる寿命の低下が発生する場合、バッテリパックを構成している残りの正常なバッテリセルはその寿命が尽きるまで用いることができず、最も問題となるセルと共に寿命が尽きてしまう場合が多数発生した。
【0010】
また、バッテリセルが並列に連結された場合にも、一つのセルの内部で(+)と(−)を分離する分離板が損なわれる場合、セル一つだけでなく、一つのセルと並列連結されたバッテリモジュール全体が(+)と(−)が連結されてショート状態が発生して並列に連結された多数のバッテリセルが正常に作動しても、ショート状態にあるバッテリセルによって残りの並列連結されたバッテリモジュール全体において電気エネルギーを消耗することとなって正常なバッテリも用いることができなくなるという問題点がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明は、前記問題点を解決するためのものであって、複数の円筒形バッテリセルを並列と直列に連結することが容易な構造であって、単なる組み立て作業を通じて多数の小容量円筒セルを直/並列に連結して、振動時にも端子の接触状態が安定して保持される円筒電池用バッテリパック構造を提供するためのものである。
【0012】
また、本発明はバッテリパックを構成するバッテリモジュールまたはその下位段階であるバッテリセルの個別的なバッテリに問題が発生した時、結合されたバッテリパックからバッテリモジュールまたはバッテリセルケースを分離または分解して個々のバッテリセルを交換することが容易であり、複数のバッテリセルが直/並列に連結されたバッテリパック構造において一つのバッテリセルに問題が発生した時、他のバッテリセルに同問題が生じることなく、一つのバッテリのみが使用不可状態を保持可能な円筒電池用バッテリパック構造を提供するためのものである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
前記目的を達成するために、本発明の実施例に係る円筒電池用バッテリパック構造は、4つの小型円筒バッテリセルが並んでそれぞれ挿入されるようにバッテリ挿入溝が形成され、挿入溝の円周に沿って空気の流動を助けるように内部に複数の円形スロットが備えられた第1外部フレームと、第1外部フレームと同じ形態で円筒形バッテリセルの反対側からセルの反対電極が挿入されるようにバッテリ挿入溝を備えた第2外部フレーム、ボルト結合のための電極端子がそれぞれ安着されることができるように端子形態の4つの端子溝がそれぞれ備えられ、前記外部フレームの両方の先端にそれぞれ位置して外部フレームと結束される一対の外部フレームカバー、前記外部フレームカバーの下部から端子溝にそれぞれ挿入され、前記外部フレームとそれぞれ接触するスプリングを介してバッテリセルの電源が供給されるためにスプリングと結束される端子ボルト溝が備えられた4つの電極端子を含んで構成されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明の実施例に係る円筒電池用バッテリパック構造は、ボルトの結束が可能に製作されており、バッテリセルを含む単位モジュールの組み立てが容易であり、バッテリセルを直列または並列に連結する時(+)、(−)極に別途のバスバー(ニッケル板)を溶接しないため、組み立て製作及び分解が容易であり、バッテリパックの効率的な使用及び管理が可能である。
【0015】
また、本発明の実施例に係る円筒電池用バッテリパック構造は、複数のバッテリモジュールが結合されたバッテリパックにおいて個々のバッテリセルに問題が発生した時、問題となる幾つかのバッテリセルのみを分解して交換すれば、バッテリパック全体の性能を保持して引き続き用いることができ、少費用のバッテリパックの性能を効率よく保持し、管理することができるという効果を奏する。
【0016】
また、本発明の実施例に係る円筒電池用バッテリパック構造は、スポット溶接ではなく組み立て方式のみでバッテリセルを直列/並列に連結可能な構造であって、単なる面接触を通じて電流が流れるので抵抗が増加せず、分解組み立てを通じたメンテナンスが容易であるという効果を奏する。
【0017】
また、本発明の実施例に係る円筒電池用バッテリパック構造は、多数の円筒形バッテリセルを直列と並列に積層することが容易な構造を提供し、組み立てと分解が容易であり、振動時にも端子の接触状態が安定して保持されることができ、バッテリ製品の使用中に極板と単位バッテリセル自体から発生する熱が外部フレームの間に空間を通じて放熱が容易であり、バッテリによる火災を予防することができるという効果を奏する。
【0018】
また、本発明の実施例に係る円筒電池用バッテリパック構造は、第1外部フレームと第2外部フレームの(+)、(−)極性部分には、バッテリの連結時に極性を確認可能に溝を設けてバッテリセルの正極と負極端子間の確認を行うことができ、バッテリ間の短絡連結を防止することができるという効果を奏する。
【0019】
なお、本発明の実施例に係る円筒電池用バッテリパック構造は、負極端子及び正極端子を含むバッテリセルを中心に第1外部フレーム及び第2外部フレームを製作して結合することができ、第1外部フレーム及び第2外部フレームには正極と負極を連結することができる端子とスプリングを結合して各外部フレームをそれぞれ第1外部フレーム及び第2外部フレームに結合することにより、一つの単位モジュールとして構成して必要に応じてその定格電源を可変的に自在に調整可能であり、使用上の利便性を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】本発明の実施例に係るバッテリパック構造を示した分解図である。
図2】本発明に係るバッテリパックの締結状態を示した斜視図である。
図3】本発明の実施例に係るバッテリパック構造の正面図である。
図4図1によるバッテリパックの外部フレームの構造を示した断面図及び斜視図である。
図5図1によるバッテリパックの外部フレームカバーの構造を示した断面図及び斜視図である。
図6図1によるバッテリパックの外部フレームカバーの構造を示した断面図及び斜視図である。
図7図1によるバッテリパック構造の電極端子の形態及び組み立て構造を示した斜視図である。
図8図1によるバッテリパック構造の電極端子の形態及び組み立て構造を示した斜視図である。
図9図1によるバッテリパック構造の電極端子の形態及び組み立て構造を示した斜視図である。
図10図1によるバッテリパック構造の電極端子の形態及び組み立て構造を示した斜視図である。
図11図1によるバッテリパック構造のスプリングの形態を示した斜視図である。
図12図1によるバッテリパック構造の固定ねじの形態を示した斜視図である。
図13】本発明に係る外部フレーム間の結合に利用した結合キーの斜視図である。
図14】本発明に係る外部フレーム間の結合に利用した結合キーの斜視図である。
図15】本発明の他の実施例に係るバッテリパック構造の結合キーを用いて複数のバッテリモジュールを結合させた構造を示した斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
添付の図1及び図2を参照して本発明に係る円筒電池用バッテリパック構造を説明すると、本発明のバッテリパック構造は大きく外部フレーム100a、100b、外部フレームカバー200、電極端子300及びスプリング400で構成されるが、前記外部フレームは互いに締結構造を有する第1外部フレーム100a及び第2外部フレーム100bで構成される。第1外部フレーム100aは4つの小型円筒バッテリセル700が並んでそれぞれ挿入されるようにバッテリ挿入溝110が形成され、挿入溝110の円周に沿って空気の流動を助けるように内部に複数の円形スロット111が備えられ、第2外部フレーム100bは第1外部フレーム100aと同じ形態で円筒形バッテリセル700の反対側からセルの反対電極が挿入されるようにバッテリ挿入溝が備えられて第1外部フレーム100aと締結される。
【0022】
前記外部フレームカバー200a、200bはそれぞれボルト結合のためにカバーの下部に電極端子300が安着される端子形態の4つの端子溝210がそれぞれ備えられ、前記第1外部フレーム100aの先端に位置して第1外部フレーム100aと結束される第1外部フレームカバー200a、第2外部フレーム100bの先端に位置して第2外部フレーム100bと結束される第2外部フレームカバー200bが形成される。
【0023】
前記電極端子300はそれぞれ4つの端子で構成され、外部フレームカバー200a、200bの下部から端子溝210にそれぞれ挿入され、前記外部フレーム100a、100bとそれぞれ接触するスプリング400を介してバッテリセル700の電源が供給されるためにスプリング400と結束される端子ボルト溝310が備えられる。
【0024】
添付の図4は、外部フレーム100の断面図及び斜視図を示したものであって、添付の図1図4を参照して外部フレーム100の細部構成及び動作を見ると、外部フレーム100は第1外部フレーム100a及び第2外部フレーム100bが締結されるものであって、その構造は互いに対応されるように形成されるが、まず、形成されたバッテリ挿入溝110の円周に沿って空気の流動を助けるように内部に複数の円形スロット111が形成されるが、この時、円形スロットは6つまたは8つで備えられる。
【0025】
4つのバッテリ挿入溝110の中央に位置して挿入されたバッテリセル700の動作によって中心部に発生する空気の流動または冷却のために中心孔120a、120bが形成され、各外部フレーム100a、100bと一体に構成されてガイドバー130a、130bが対角線方向に四角形の2つが付設され、ガイドバー130a、130bの先端に一体に形成されて締結ボルトが挿入される締結孔132a、132bが形成され、対角線方向に前記ガイドバー130a、130bがそれぞれ安着されるように締結孔132a、132bを通じて挿入される2つの挿入ガイド溝133a、133bが備えられる。
【0026】
即ち、前記第1外部フレームのガイドバーの締結孔と第2外部フレームのガイド溝がそれぞれ締結されるように構成される。
【0027】
また、各外部フレームの側面の中心部にスロット状に複数の外部フレームが結合可能にそれぞれ4つの第1結合キー溝136、137、138、139が備えられ、外部フレーム100a、100bの上部に位置した4つの突出部145、146、147、148が形成されて外部フレームカバー200a、200bと挿入締結されて固定される。
【0028】
前記外部フレーム100a、100bと外部フレームカバー200a、200bが締結によってバッテリセル700の(+)、(−)極とスプリング400及び六角端子が結合された状態を確認することができる端子孔140が形成される。
【0029】
添付の図5図6は、外部フレームカバー110の断面図及び斜視図を示したものであって、添付の図1図6を参照して外部フレームカバー110の細部構成及び動作を見ると、前記外部フレームカバー200a、200bは外部フレーム100a、100bの両方の先端にそれぞれ位置して外部フレームと結束されるものであって、ボルト結合のための電極端子300がそれぞれ安着されることができるように端子形態の4つの端子溝210a、210bがそれぞれ備えられる。即ち、第1外部フレームカバー200aの4つの端子溝211a、212a、213a、214aと第2外部フレームカバー200bの4つの端子溝211b、212b、213b、214bで構成される。
【0030】
前記外部フレーム100a、100bと締結の際に、各外部フレームの4つの第1結合キー溝136、137、138、139と対面されるように外部フレームカバーの側面の中心部にスロット状にそれぞれ形成されて、複数のフレームが結合可能に備えられた第2結合キー溝211、212、213、214が備えられ、前記外部フレーム100a、100bと締結の際に、外部フレームの中心孔120a、120bと対面されて4つのバッテリ挿入溝110の安着されたバッテリセル700の中心部に発生する熱の空気流動または冷却のための空気流動孔220a、220bが形成され、前記外部フレームカバー200a、200bと前記外部フレーム100a、100bが結合されて締結時にそれぞれ固定ねじのための穴孔が備えられ、固定ねじが穴孔に挿入されて締結時に電気的に接触されないように外部フレームカバー200a、200b上に突出する保護突起部230が備えられる。
【0031】
また、前記外部フレーム100a、100bと外部フレームカバー200a、200bの結合によってバッテリセル700の(+)、(−)極性を確認すると共に、バッテリセル700の充電及び放電の際に発生する熱の放出のための4つの放熱溝240が備えられる。
【0032】
また、前記電極端子300は前記外部フレームカバー200a、200bの下部の端子溝210にそれぞれ独立して安着されて外部フレームカバー200a、200bの上部からバッテリセル700の電源が供給されるためにナット溝が備えられる。
【0033】
一方、前記電極端子は添付の図7図10に示されたように、四角プレートとナットの締結構造を有するか、六角棒、八角棒の構造を有するか、六角ではなくスプライン状の棒を加工して内側にタブを設けた形態で選択的に適用することができる。
【0034】
また、前記電極端子300は内部にねじ締結のためのタブが備えられ、電気伝導度の高い銅合金素材で形成され、腐食を防止するために錫またはニッケルなどでメッキされている。前記第1外部フレームカバー200a及び第2外部フレームカバー200bに4つのバッテリセル700が結合してバッテリセル700の(+)極と(−)極にそれぞれ4つのスプリング400を介して電流が流れる通路を提供する。併せて、外部フレームカバーの孔を通じてバッテリセルの裏面まで連結されて外からボルト締結を通じて電流が流れる通路を提供する。
【0035】
添付の図11に示されたように、本発明に係る前記スプリング400は青銅/黄銅素材を錫メッキして断面が四角の平たい形状を有し、前記電極端子300のボルト溝310に嵌め方式で安着されて外部フレーム100a、100b及び外部フレームカバー200a、200bの変形時にもバッテリセルの(+)、(−)極と接触を通じて弾性を保持して電流が円滑に流れるように青銅/黄銅素材を錫メッキして断面が平たい四角形状を有するように構成される。
【0036】
また、本発明は第1外部フレーム100aと第2外部フレーム100bが第1外部フレームカバー200a及び第2外部フレームカバー200bとそれぞれ結合され、締結されるものであって、第1外部フレーム100aのガイドバー130aの締結孔132aが第2外部フレームの締結溝133bと結合された後、固定ねじ500を介して第1外部フレーム100a及び第1外部フレームカバー200a、そして第2外部フレーム100b及び第2外部フレームカバー200bが別途のナットなしでプラスチック素材を食い込みながら強く結束されるようになる。
【0037】
前記固定ねじ500は添付の図12のように形成され、計8つの固定ねじを介して外部フレームと外部フレームカバーが結束される。
【0038】
一方、前記構成によって固定ねじ500を介して組み立てられた後、保護突起部230により電源連結のためにバスバーなどの外部から追加的な作業を行う時、電気的に接触されないように保護される。
【0039】
図13図14に示された結合キー600を利用して多数の外部フレームを連結することができるが、前記外部フレーム100a、100bを多段に積層可能に外部フレームの第1結合キー溝136、137、138、139と対面される外部フレームカバー200a、200bの第2結合キー溝211、212、213、214との間に4つの結合キー601、602、603、604をそれぞれ挿入して多数の外部フレーム100a、100bを積層して器具の堅固性を提供し、外部フレームカバー200a、200bの各端子溝210を通じて添付の図15のように多数の外部フレーム100a、100bと直/並列連結を通じて所望の定格電圧と電源を提供する。
【0040】
また、添付の図4図6において提示されているように、前記外部フレーム100a、100b及び前記外部フレームカバー200a、200bは締結される時、四角形の中心縁部に外部フレームの第1結合キー溝136、137、138、139と外部フレームカバーの第2結合キー溝211、212、213、214が備えられた結合キー溝が形成されるが、前記結合キー溝に結合キー600を挿入して多数のバッテリモジュール1000を積層して堅固なバッテリパックを完成することができる。
【0041】
また、本発明のバッテリパック構造は、第1外部フレーム100aと第2外部フレーム100bの先端にバッテリ連結の際に、極性を確認可能に端子スロット140を通じてバッテリセルの正極と負極の状態を確認し、バッテリセルの極性変化の有無を確認することができる。
【0042】
外部の結合キー溝は外部フレームと結合して完全な単位モジュールの構造を有した後、多数の単位モジュールを連結して必要な電圧と容量を設ける場合、単位モジュール相互間に固定することのできる結合キー600が挿入可能な溝がある。
【0043】
4S4P構造のバッテリパックを例えば、8つのバッテリパックが(+)極は(+)極同士で、(−)極は(−)極同士で連結されなければならないので、3つのバッテリセルが組み込まれている単位モジュール2つと、2つのバッテリセルが組み込まれている単位モジュール一つを前記外部フレームのバスバー連結溝にボルトで連結することにより、並列連結が可能である。
【0044】
そして、前記外部フレーム100a、100bと外部フレームカバー200a、200bは同じ外郭形状を有するが、四角形の中心部に同じく多数の単位モジュールを連結するように結合キー溝が形成されるが、結合キー溝の形状に合わせて結合キー600を挿入することにより、器具的な堅固性を有するようになって単位モジュール間の動きを防止することができる。
【符号の説明】
【0045】
100a 第1外部フレーム
100b 第2外部フレーム
110 挿入溝
111 円形スロット
120a、120b 中心孔
130a、130b ガイドバー
131a、131b 挿入ガイド
132a、132b 締結孔
133a、133b 挿入ガイド溝
136、137、138、139 第1結合キー溝
140 端子スロット
145、146、147、148 突出部
200a 第1外部フレームカバー
200b 第2外部フレームカバー
210a、210b 端子溝
211、212、213、214 第2結合キー溝
220a、220b 空気流動孔
230 保護突起部
240 放熱溝
300 電極端子
400 スプリング
500 固定ねじ
600 結合キー
700 バッテリセル
1000 バッテリモジュール
図1
図2
図3
図4
図5
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図7
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