(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明を実施するための形態について、図面に基づき説明する。なお、以下の説明では、
図1及び
図2に示す矢印Fの方向を「機体前側」、矢印Bの方向を「機体後側」、
図2に示す矢印Lの方向を「機体左側」、矢印Rの方向を「機体右側」とする。
【0018】
〔トラクタの全体構成〕
図1及び
図2には、スタンド18付きのフロントローダ3を備えたトラクタ(本発明に係る「作業車」に相当)を示している。本トラクタには、機体フレーム1と、機体フレーム1を支持するホイール式の走行装置2と、が備えられている。走行装置2には、左右一対の前輪2Fと、左右一対の後輪2Bと、が備えられている。
【0019】
機体の前方には、フロントローダ3が設けられている。フロントローダ3は、機体に着脱可能に装着されている。機体フレーム1の左側部と右側部のそれぞれには、フロントローダ3を装着可能な取付フレーム1Aが設けられている。取付フレーム1Aは、機体フレーム1から機体横外方に張り出す接続管1Bの機体横外端部に設けられている。機体フレーム1の前半部には、ボンネット4が設けられている。ボンネット4内には、エンジン(図示省略)が収容されている。
【0020】
機体フレーム1の後半部には、オペレータが搭乗する運転部5が設けられている。運転部5には、運転座席6やフロントパネル7が備えられている。フロントパネル7には、ステアリングハンドル9が設けられている。
【0021】
〔フロントローダ〕
フロントローダ3には、左右一対のブーム11と、左右一対のサイドフレーム12と、バケット13(本発明に係る「作業具」に相当)と、が備えられている。左右一対のブーム11は、それぞれ、ボンネット4の左側と右側から機体前方の位置まで延びている。左右一対のブーム11は、機体左右方向に延びる接続パイプ14によって接続されている。
ブーム11は、サイドフレーム12の上端部に機体左右方向に延びる揺動軸心X1周りで揺動可能に支持されている。ブーム11とサイドフレーム12とに亘って、ブーム11を揺動駆動する油圧シリンダ15が設けられている。
【0022】
サイドフレーム12は、取付フレーム1Aに着脱可能に取り付けられている。サイドフレーム12には、油圧シリンダ15のうちロッド15A側の端部がマウントピン33という。)を介して支持されている。サイドフレーム12には、左右一対の側板12Aが備えられている。
【0023】
バケット13は、ブーム11の遊端部に支軸16を介して、機体左右方向に延びる揺動軸心X2周りで揺動可能に支持されている。バケット13の背部における左端部と右端部のそれぞれには、支軸16に連結される外側連結板35と内側連結板36が設けられている。外側連結板35及び内側連結板36は、ブーム11の遊端部を左右両側から挟み込んでいる。バケット13と接続パイプ14とに亘って、バケット13を揺動駆動する油圧シリンダ17が設けられている。
【0024】
〔スタンド〕
図2及び
図3に示すように、本トラクタには、フロントローダ3を着脱する際に、フロントローダ3を自立させるために、フロントローダ3を支持するスタンド18が備えられている。スタンド18は、フロントローダ3を支持する使用姿勢(
図4参照)とブーム11の長手方向に沿う収納姿勢(
図3参照)とに亘って、支軸16に揺動軸心X2周りで揺動可能に支持されている。すなわち、バケット13の揺動軸心X2とスタンド18の揺動軸心X2とは、同一の軸心上に設定されている。
【0025】
スタンド18には、左右一対のスタンド体19が備えられている。左右一対のスタンド体19は、互いに連動して揺動するように、機体左右方向に延びる接続フレーム20によって接続されている。左右一対のスタンド体19は、それぞれ、左側のブーム11と右側のブーム11の機体横内側に位置している。なお、スタンド18は、バケット13と必ずしも同一軸上にある必要はないが、同一軸とすることで、別途回転軸部を設けなくてよいだけでなく、十分強度を有する軸を利用することで、スタンド18をより強固にすることができる。
【0026】
スタンド体19は、機体左右方向において、左右一対のスタンド体19の遊端部の間隔の方が、左右一対のスタンド体19の基端部の間隔よりも長くなるように、長手方向中間部で遊端部側が基端部側に対して機体横外側に位置するように折れ曲がっている。スタンド体19の遊端部は、平面視において、ブーム11と重複している(
図2参照)。スタンド体19の遊端部には、横幅広の接地部19aが形成されている。このような構成によれば、フロントローダ3をスタンド18によって、機体左右方向にぐらつくことなくしっかりと支持することができる。
【0027】
〔リンク機構〕
ブーム11とスタンド体19とに亘ってリンク機構21が設けられている。リンク機構21は、機体左右方向において、ブーム11とスタンド体19との間に位置している。リンク機構21には、ブーム11側の第一リンク部材22と、スタンド体19側の第二リンク部材23と、が備えられている。第一リンク部材22と第二リンク部材23とは、連結軸24を介して相対揺動可能に連結されている。第二リンク部材23のうち第一リンク部材22側の端部には、連結軸24が挿通される長孔23aが形成されている。
【0028】
〔スタンドロック機構〕
スタンド18を収納姿勢に保持するロック状態と当該ロック状態を解除する解除状態とに切替え可能なスタンドロック機構25が設けられている。本実施形態では、スタンドロック機構25は、左側のスタンド体19と左側のブーム11とに亘って設けられている。
スタンドロック機構25には、ピン26と、ピン26に係合可能なフック27と、が備えられている。ピン26は、左側のスタンド体19の遊端部に、機体横内方に突出する状態で設けられている。フック27は、左側のブーム11のうち機体横内側の側部に、ピン26に係合する係合位置とピン26と係合しない非係合位置とに亘って、機体左右方向に延びる揺動軸心X3周りで揺動可能に支持されている。フック27は、左側のブーム11の長手方向中間部に位置している。具体的には、フック27は、左側のブーム11のうち油圧シリンダ15が接続される箇所と接続パイプ14が接続される箇所との間に位置している。
【0029】
〔スタンド操作レバー〕
運転部5から手動で操作可能に構成され、スタンドロック機構25をロック状態と解除状態とに切替え操作するスタンド操作レバー28が設けられている。スタンド操作レバー28は、フック27の係合位置に対応するロック位置と、フック27の非係合位置に対応する解除位置とに切替え可能であると共に、ロック位置と解除位置にそれぞれ位置保持可能である。スタンド操作レバー28は、左側のブーム11のうち機体横内側の側部に、機体左右方向に延びる揺動軸心X4周りで揺動可能に支持されている。スタンド操作レバー28は、左側のブーム11の遊端部に位置している。具体的には、スタンド操作レバー28は、前輪2Fの回転軸心よりも後側で前輪2Fの上方に位置している。
【0030】
〔連動機構〕
スタンドロック機構25とスタンド操作レバー28とを連動連係する連動機構29が設けられている。連動機構29は、左側のブーム11の機体横内側に位置している。連動機構29には、スタンド操作レバー28側の第一アーム30と、フック27側の第二アーム31と、第一アーム30と第二アーム31とに亘る連係ロッド32と、が備えられている。第一アーム30は、スタンド操作レバー28と一体的に揺動可能である。第二アーム31は、フック27と一体的に揺動可能である。
【0031】
〔スタンドの姿勢の切替え〕
図4に示すように、フロントローダ3が機体に装着されていない状態において、フロントローダ3を自立させるべく、スタンド18が使用姿勢に切り替えられている。そして、機体を前進させると共に、機体側とフロントローダ3側とを油圧ホース(図示省略)によって接続して、フロントローダ3を取付フレーム1Aに装着することができる。なお、本トラクタには、フロントローダ3を機体に装着する左右一対の装着機構55が備えられているが、これについては、詳しくは後述する。
【0032】
ここで、第一リンク部材22のうち第二リンク部材23側の端部には、第二リンク部材23に当接可能な当接部22aが設けられている。そして、スタンド18が使用姿勢において、当接部22aが第二リンク部材23に当接することにより、第二リンク部材23の開き側(
図4に示す矢印A方向)への揺動が阻止されている。すなわち、リンク機構21は、スタンド18が使用姿勢において、スタンド18の収納姿勢側への揺動を阻止している。
図4に示す状態では、第一リンク部材22及び第二リンク部材23は、開度αが180度よりも若干大きくなるように開いている。
【0033】
続いて、
図5に示すように、ブーム11を上昇させて、バケット13をスタンド18に当接する位置までダンプ動作させる。
【0034】
詳述すると、バケット13の背部における左端部と右端部のそれぞれにおいて、内側連結板36には、機体横内方に突出する突起部37が設けられている。一方、スタンド体19の基端部には、突起部37が入り込む凹部19bが形成されている。これにより、ブーム11を上昇させて、バケット13を、突起部37が凹部19bに入り込んでスタンド体19の基端部に当接する位置までダンプ動作させる。本実施形態では、スタンド体19に凹部19bを設けることにより、スタンド体19について、バケット13のダンプ動作に適合した揺動範囲の調整が容易となる。
【0035】
そして、突起部37がスタンド体19の基端部に当接した状態で、バケット13を更にダンプ動作させると、
図6に示すように、バケット13のダンプ動作に連動してスタンド18が収納姿勢側に揺動される。
【0036】
ここで、
図5に示す状態において、バケット13をダンプ動作させると、第二リンク部材23が長孔23aを介して連結軸24に沿って移動する分だけ、リンク機構21の長さが短くなって、第二リンク部材23が閉じ側(
図4に示す矢印Aとは反対方向)に揺動する。すなわち、リンク機構21は、スタンド18がバケット13のダンプ動作に連動して収納姿勢側に揺動するのを許容する。そして、バケット13を最ダンプ位置までダンプ動作させると、スタンド18が
図6に示す状態となる。
【0037】
次に、
図7に示すように、スタンド操作レバー28をロック位置に切り替えると、連動機構29を介してフック27がスタンド操作レバー28に連動する。これにより、フック27が係合位置に切り替わる。
【0038】
その際、
図8に示すように、フック27が係合位置に切り替わるのに伴って、フック27によってピン26を介してスタンド18が収納姿勢に対応する位置まで若干持ち上げられる。これにより、突起部37とスタンド体19の基端部との間に若干隙間があくことになって、スタンド18が収納姿勢において、作業時に突起部37とスタンド体19とが接触してガタついたりし難くなる。こうして、スタンドロック機構25がスタンド操作レバー28によってロック状態に切替え操作されることにより、スタンド18が収納姿勢に保持される。
【0039】
また、上記とは反対の手順により、スタンド18を使用姿勢に切り替えることができる。すなわち、
図7に示すように、スタンド18がスタンドロック機構25によって収納姿勢に保持された状態で、スタンド操作レバー28を解除位置に切り替えると、スタンドロック機構25が解除状態に切り替わる(
図6参照)。これにより、スタンド体19の基端部が突起部37に当接する位置まで、スタンド18が下方に若干移動する。
【0040】
そして、バケット13を掬い動作させると、突起部37がスタンド体19の基端部に当接した状態で、スタンド18がバケット13の掬い動作に連動して使用姿勢側に揺動される。こうして、スタンド18を使用姿勢に切り替えることができる。
【0041】
〔バケット取付フレーム〕
図9に示すように、左右一対のブーム11の遊端部には、バケット取付フレーム38が支軸16を介して機体左右方向に延びる揺動軸心X2周りで揺動可能に支持されている。
ブーム11の遊端部には、支軸16が挿通されるボス部11aが設けられている。バケット取付フレーム38には、バケット13が着脱可能に取り付けられている。バケット取付フレーム38には、左右一対のフレーム本体39と、左右一対の連結部40と、が備えられている。
【0042】
〔バケットロック機構〕
フレーム本体39の背部には、バケット13をバケット取付フレーム38に固定するロック状態と当該ロック状態を解除する解除状態とに切替え可能な左右一対のバケットロック機構41が設けられている。バケットロック機構41には、フレームボス部材42と、バケットロックピン43と、操作ハンドル44と、が備えられている。
【0043】
〔フレームボス部材〕
図10から
図12に示すように、フレームボス部材42は、ブーム11(ボス部11a)の機体横外端よりも機体横外側に位置する状態でフレーム本体39の背面に沿って縦方向に延びている。フレームボス部材42は、フレーム本体39に溶接固定されている。
【0044】
〔バケットロックピン〕
バケットロックピン43は、ロック状態に対応するロック位置(
図10の実線で示す位置)と解除状態に対応する解除位置(
図10の二点鎖線で示す位置)とに亘ってフレームボス部材42にスライド可能に支持されている。フレーム本体39及びバケット13には、バケットロックピン43が挿通可能なロック孔39a、13a、13bが形成されている。
【0045】
バケットロックピン43の上端部には、リンク45が揺動可能に連結されている。リンク45には、ストッパー46がスライド可能に支持されている。リンク45のうち受け部45aとストッパー46との間の部分には、スプリング47が外嵌されている。
【0046】
〔操作ハンドル〕
操作ハンドル44は、フレーム本体39側の支軸39bに揺動軸心Y1周りで揺動可能に支持されている。操作ハンドル44の一端部は、ストッパー46にボルト固定されている。操作ハンドル44の他端部には、持ち手44aが形成されている。
【0047】
〔フレーム本体〕
フレーム本体39には、バケット13の背面に沿って縦方向に延びる本体部39Aと、フレーム本体39の上端部に形成され、バケット13の背部のうち上部が取り付けられる上取付部39Bと、フレーム本体39の下端部に形成され、バケット13の背部のうち下部が取り付けられる下取付部39Cと、が備えられている。フレーム本体39には、上取付部39Bと下取付部39Cとに亘って縦方向に延びる縦板48が溶接固定されている。
縦板48は、フレームボス部材42よりも機体横外側に位置している。
【0048】
〔連結部〕
連結部40には、外側連結板35と、内側連結板36と、が備えられている。外側連結板35と内側連結板36とに亘って、ブーム11側のストッパー50に当接可能なストッパー51が設けられている。バケット13のダンプ動作中に、連結部40側のストッパー51がブーム11側のストッパー50に当接することにより、バケット13が最ダンプ位置に位置決めされる。
【0049】
外側連結板35は、ブーム11の機体横外側に位置する状態で支軸16のうちブーム11(ボス部11a)から機体横外方に突出する部分に連結されている。外側連結板35は、フレームボス部材42の機体横外端よりも機体横内側に位置する状態でフレームボス部材42及び下取付部39Cに溶接固定されている。具体的には、外側連結板35は、フレームボス部材42の軸心Z1よりも機体横内側であってフレームボス部材42の機体横内端よりも機体横外側に位置している。つまり、外側連結板35は、背面視(
図10参照)において、フレームボス部材42と重複している。
【0050】
外側連結板35の縦方向の長さは、内側連結板36の縦方向の長さよりも短くなっている。外側連結板35の上端位置は、フレームボス部材42の上端位置よりも下側に設定されている。
【0051】
内側連結板36は、ブーム11の機体横内側に位置する状態で支軸16のうちブーム11(ボス部11a)から機体横内方に突出する部分に連結されている。内側連結板36は、本体部39A及び下取付部39Cに溶接固定されている。内側連結板36には、支軸16を支持するボス部36aが設けられている。ボス部36aは、内側連結板36から機体横内方に突出している。
【0052】
左側の内側連結板36と右側の内側連結板36とが、機体左右方向に延びる二本の横フレーム52によって接続されている。一方の横フレーム52と他方の横フレーム52とに亘って、支持ブラケット53が設けられている。支持ブラケット53には、油圧シリンダ17のうちロッド17A側の端部がピン54を介して支持されている。
【0053】
このような構成によれば、外側連結板35がフレームボス部材42の機体横外端よりも機体横内側に位置する状態でフレームボス部材42に連結されているため、外側連結板35がフレームボス部材42よりも機体横外側に位置する場合と比べて、外側連結板35と内側連結板36との機体左右方向の間隔が狭くなって、支軸16の長さや外側連結板35及び内側連結板における支軸16を支持する部分(例えば、ボス部36a)の長さが短くなる。これにより、バケット取付フレーム38とブーム11との連結構造をコンパクトに構成することができると共に、支軸16やボス部36aの強度アップを図ることができる。また、外側連結板35が剛性の高いフレームボス部材42に支持されることになって、外側連結板35をしっかりと支持することができる。
【0054】
〔バケットロック機構の切替え〕
図10に示すように、操作ハンドル44を
図10の実線で示す位置まで揺動操作すると、バケットロックピン43がフレームボス部材42に沿って下方に移動して、フレーム本体39側のロック孔39a、バケット13側のロック孔13a、13bに挿通される。その際、操作ハンドル44のうち第一当接部44bが縦板48に当接することにより、操作ハンドル44がそれ以上揺動しない。そして、操作ハンドル44がスプリング47の付勢力によって第一当接部44bが縦板48に当接する状態に保持される。こうして、バケットロック機構41をロック状態に切り替えることができる。
【0055】
そして、操作ハンドル44を
図10の二点鎖線で示す位置まで揺動操作すると、バケットロックピン43がフレームボス部材42に沿って上方に揺動して、フレーム本体39側のロック孔39a、バケット13側のロック孔13a、13bから抜け出る。その際、操作ハンドル44のうち第二当接部44cが縦板48に当接することにより、操作ハンドル44がそれ以上揺動しない。こうして、バケットロック機構41を解除状態に切り替えることができる。
【0056】
〔フロントローダ用の装着機構〕
図13及び
図14に示すように、装着機構55には、取付フレーム1Aに設けられた取付フレームボス部56(本発明に係る「被係合部材」に相当)と、サイドフレーム12に設けられ、取付フレームボス部56に係合可能なフック57(本発明に係る「係合部材」に相当)と、サイドフレーム12に設けられ、取付フレームボス部56を支持可能なストッパー58(本発明に係る「支持部材」に相当)と、が備えられている。
【0057】
〔取付フレームボス部〕
取付フレームボス部56は、取付フレーム1Aの上端部に取付フレーム1Aを機体左右方向に貫通する状態で設けられている。取付フレームボス部56の左端部と右端部は、それぞれ、取付フレーム1Aから左方と右方に突出している。
【0058】
〔フック〕
フック57は、取付フレームボス部56に係合する係合位置(
図14の実線で示す位置)と取付フレームボス部56と係合しない非係合位置(
図14の二点鎖線で示す位置)とに切替え可能である。フック57は、マウントピン33を介してサイドフレーム12に機体左右方向に延びる揺動軸心X5周りで揺動可能に支持されている。フック57は、サイドフレーム12の内部に収容されている。具体的には、フック57は、左右一対の側板12Aの間に配置されている。
【0059】
フック57には、左右一対のフック体57Aが備えられている。左右一対のフック体57Aは、互いに連動して揺動するように、接続体61、62によって接続されている。左右一対のフック体57Aは、それぞれ、油圧シリンダ15のうちロッド15A側の端部の左側と右側に位置している。左側のフック体57Aは、取付フレームボス部56のうち取付フレーム1Aから左方に突出する部分に係合可能である。右側のフック体57Aは、取付フレームボス部56のうち取付フレーム1Aから左方に突出する部分に係合可能である。
【0060】
〔ストッパー〕
ストッパー58には、左右一対のストッパー体58Aが備えられている。左右一対のストッパー体58Aは、それぞれ、左右一対の側板12Aの内側面に溶接固定されている。
ストッパー58は、サイドフレーム12の下端部に設けられたピン59と接続板60によって接続されている。
【0061】
ストッパー体58Aには、取付フレームボス部56を受け止め支持する受け部58aと、ストッパー体58Aのうち受け部58aとは反対側(先端側)に形成され、取付フレームボス部56を受け入れる入口部58bと、が備えられている。受け部58aには、取付フレームボス部56の外周形状に沿う円弧形状の凹部58cが形成されている。入口部58bは、その先端に近付くほど左右一対のストッパー体58Aの間隔が広くなるように、テーパー加工されている。これにより、左右一対のストッパー体58Aが取付フレームボス部56を受け入れる間口(左右一対のストッパー体58Aの間隔)が広くなる。
【0062】
〔フック操作レバー〕
運転部5から手動で操作可能に構成され、フック57を係合位置と非係合位置とに切替え操作するフック操作レバー63(本発明に係る「操作部材」に相当)がけられている。
フック操作レバー63は、弾性変形可能な板状部材によって構成されている。フック操作レバー63は、接続体62に連結されている。フック操作レバー63は、サイドフレーム12の内部に収容されている。具体的には、フック操作レバー63は、左右一対の側板12Aの間に配置されている。
【0063】
図15に示すように、サイドフレーム12には、フック操作レバー63用のレバーガイド64が設けられている。レバーガイド64は、適宜に折り曲げられた板状部材によって構成されている。レバーガイド64には、フック操作レバー63を案内するガイド溝64Aが形成されている。ガイド溝64Aには、フック操作レバー63をフック57の係合位置に対応する係合操作位置に位置決めする係合位置決め部64aと、フック操作レバー63をフック57の非係合位置に対応する非係合操作位置に位置決めする非係合位置決め部64bと、係合位置決め部64aと非係合位置決め部64bとに亘る斜めガイド部64cと、が備えられている。非係合位置決め部64bには、フック操作レバー63を引っ掛けて非係合操作位置に保持する保持部64dが備えられている。
【0064】
〔マウントピンの取付構造〕
図16に示すように、マウントピン33のうちサイドフレーム12から機体横外方に突出する部分には、固定板65が溶接固定されている。固定板65がサイドフレーム12側の被固定板66にボルト67によって固定されることにより、マウントピン33の回り止め及び抜け止めがなされている。
【0065】
被固定板66には、マウントピン33が挿通される挿通孔66aが形成されている。被固定板66のうち挿通孔66aの機体横外側の端部に対応する部分には、面取り部66bが形成されている。面取り部66bには、マウントピン33に外嵌されたOリング68が収容されている。これにより、油圧シリンダ15のうちロッド15A側の端部に設けられたグリスニップル70から注油されたグリスが、マウントピン33と被固定板66との間から機体横外側に漏れ出ようとしても、グリスが漏れ出るのをOリング68によって防止することができる。
【0066】
〔フロントローダの装着〕
図17に示すように、フロントローダ3がスタンド18に支持された状態(
図4に示す状態)から、バケット13をダンプ動作させて、サイドフレーム12側のピン59を取付フレーム1A側の凹部69に嵌め込む。そうすると、
図18に示すように、取付フレームボス部56がストッパー58のうち入口部58bに位置してフック57に接触することになって、フック57が係合位置から非係合位置側に揺動すると共に、フック操作レバー63が弾性変形しながらガイド溝64Aのうち斜めガイド部64c上の途中位置まで揺動することになる。
【0067】
そして、
図19に示すよう、サイドフレーム12を垂直な姿勢にすると、フック57が取付フレームボス部56に係合することになる。詳述すると、取付フレームボス部56がストッパー58のうち凹部58cに嵌り込んで受け部58aに受け止め支持されると共に、取付フレームボス部56がストッパー58のうち受け部58aに受け止め支持された状態で、フック57が取付フレームボス部56に係合することになる。その際、フック操作レバー63が元の形状に復元しながらガイド溝64Aのうち斜めガイド部64cに沿って係合操作位置側に揺動して係合操作位置に位置することになる。こうして、フック57が取付フレームボス部56に係合することにより、フロントローダ3を機体に装着することができる。
【0068】
また、フロントローダ3を機体から取り外すには、運転部5からフック操作レバー63を非係合操作位置に切り替えて、フック操作レバー63をガイド溝64Aのうち保持部64dに引っ掛けて非係合操作位置に保持させる。これにより、フック57が非係合位置に切り替わることになって、フロントローダ3を機体から取り外すことができる。
【0069】
このような構成によれば、フック57を取付フレームボス部56に係合させるだけで、フロントローダ3を機体に容易に装着することができる。すなわち、ピンやボルト等を用いることなくフロントローダ3を機体に装着して、フロントローダ3を機体に容易に着脱することができる。
【0070】
〔別実施形態〕
(1)上記実施形態では、本発明に係る「被係合部材」が取付フレームボス部56によって構成されているが、例えば、中実の丸棒部材によって構成されていてもよい。
【0071】
(2)上記実施形態では、フック操作レバー63がサイドフレーム12の内部に収容されているが、フック操作レバー63は、運転部5から人為操作可能であれば、任意の場所に設けることができる。
【0072】
(3)上記実施形態では、本発明に係る「操作部材」が運転部5から手動で操作可能なフック操作レバー63によって構成されているが、操作ペダルによって構成されていてもよい。また、同「操作部材」が自動で操作可能なものであってもよい。あるいは、同「操作部材」が設けられていなくてもよい。この場合、フック57を直接に手動又は自動で係合位置と非係合位置とに切り替えることになる。
【0073】
(4)取付フレームボス部56をストッパー58に案内するガイド部が、取付フレームボス部56又はストッパー58に設けられていてもよい。
【0074】
(5)上記実施形態では、本発明に係る「作業具」がバケット13によって構成されているが、同「作業具」は、バケット13に限定されるものではない。