(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
複数の画素領域を有し、前記複数の画素領域のそれぞれに配置された薄膜トランジスタと、タッチパネル用の第1電極と、タッチパネル用の第1配線とを備えたアクティブマトリクス基板の製造方法であって、
(A)主面を有する基板上に、前記薄膜トランジスタの活性層となる酸化物半導体層と、前記酸化物半導体層の少なくとも一部とゲート絶縁層を介して重なるゲート電極とを形成する工程と、
(B)前記ゲート電極、前記ゲート絶縁層および前記酸化物半導体層を覆い、かつ、前記酸化物半導体層の一部を露出するソース側開口部と、前記酸化物半導体層の他の一部を露出するドレイン側開口部とを有する絶縁層を形成する工程であって、前記基板の前記主面の法線方向から見たとき、前記ソース側開口部および前記ドレイン側開口部は、前記酸化物半導体層のうち前記ゲート電極と重なる領域の両側に位置する、工程と、
(C)前記絶縁層上および前記ソース側開口部内にソース電極、前記絶縁層上および前記ドレイン側開口部内にドレイン電極を形成し、これにより、前記薄膜トランジスタを得る、工程と、
(D)有機絶縁層を含む層間絶縁層を形成する工程であって、前記層間絶縁層は、前記薄膜トランジスタを覆い、かつ、前記ドレイン電極の一部を露出する第1コンタクトホールを有する、工程と、
(E)前記層間絶縁層上および前記第1コンタクトホール内に第1の透明導電膜を形成する工程と、
(F)前記第1の透明導電膜の一部上に、金属膜を用いて、前記第1配線の上層となる上部配線部を形成する工程と、
(G)前記第1の透明導電膜のパターニングを行うことにより、前記第1コンタクトホール内で前記ドレイン電極と電気的に接続された画素電極を形成するとともに、前記上部配線部の下方に、前記第1配線の下層となる下部配線部を形成する工程と、
(H)前記画素電極および前記第1配線を覆い、かつ、前記第1配線の一部を露出する第2コンタクトホールを有する誘電体層を形成する工程と、
(I)前記誘電体層上および前記第2コンタクトホール内に、前記第2コンタクトホール内で前記第1配線と電気的に接続された共通電極を形成する工程であって、前記共通電極は、それぞれが前記第1電極として機能し得る複数の共通電極部分を含む、工程と
を包含し、
前記基板の前記主面の法線方向から見たとき、前記第1コンタクトホールの底面は、前記ドレイン側開口部の底面と少なくとも部分的に重なっており、前記第2コンタクトホールの底面は、前記ソース側開口部の底面と少なくとも部分的に重なっている、アクティブマトリクス基板の製造方法。
複数の画素領域を有し、前記複数の画素領域のそれぞれに配置された薄膜トランジスタと、タッチパネル用の第1電極と、タッチパネル用の第1配線とを備えたアクティブマトリクス基板の製造方法であって、
(A)主面を有する基板上に、前記薄膜トランジスタの活性層となる酸化物半導体層と、前記酸化物半導体層の少なくとも一部とゲート絶縁層を介して重なるゲート電極とを形成する工程と、
(B)前記ゲート電極、前記ゲート絶縁層および前記酸化物半導体層を覆い、かつ、前記酸化物半導体層の一部を露出するソース側開口部と、前記酸化物半導体層の他の一部を露出するドレイン側開口部とを有する絶縁層を形成する工程であって、前記基板の前記主面の法線方向から見たとき、前記ソース側開口部および前記ドレイン側開口部は、前記酸化物半導体層のうち前記ゲート電極と重なる領域の両側に位置する、工程と、
(C)前記絶縁層上および前記ソース側開口部内にソース電極、前記絶縁層上および前記ドレイン側開口部内にドレイン電極を形成し、これにより、前記薄膜トランジスタを得る、工程と、
(D)無機絶縁層と、前記無機絶縁層上に配置された有機絶縁層と含む積層構造を有する層間絶縁層を形成し、前記有機絶縁層に、前記無機絶縁層の一部を露出する第1の開口部を形成する、工程と、
(E)前記層間絶縁層上に、金属膜を用いて前記第1配線を形成する工程と、
(F)前記層間絶縁層上、前記第1配線上および前記第1の開口部内に誘電体層を形成する工程と、
(G)第1のマスクを用いて、前記誘電体層および前記無機絶縁層のパターニングを行う工程であって、前記誘電体層に前記第1配線の一部を露出する仮開口部を形成するとともに、前記誘電体層と、前記無機絶縁層のうち前記第1の開口部によって露出した部分とに、前記ドレイン電極の一部を露出する第2の開口部を形成し、これにより、前記第1の開口部および前記第2の開口部から構成される第1コンタクトホールを形成する、工程と、
(H)前記層間絶縁層上および前記第1コンタクトホール内に、前記第1コンタクトホール内で前記ドレイン電極と電気的に接続された画素電極を形成する工程と、
(I)前記画素電極上、前記誘電体層上および前記仮開口部内に他の誘電体層を形成する工程と、
(J)第2のマスクを用いて、前記他の誘電体層および前記誘電体層をパターニングすることにより、前記第1配線の一部を露出する第2コンタクトホールを形成する工程であって、前記第2コンタクトホールは、前記仮開口部と少なくとも部分的に重なるように配置される、工程と、
(K)前記他の誘電体層上および前記第2コンタクトホール内に、前記第2コンタクトホール内で前記第1配線と電気的に接続された共通電極を形成する工程であって、前記共通電極は、それぞれが前記第1電極として機能し得る複数の共通電極部分を含む、工程とを包含し、
前記基板の前記主面の法線方向から見たとき、前記第1コンタクトホールの底面は、前記ドレイン側開口部の底面と少なくとも部分的に重なっており、前記第2コンタクトホールの底面は、前記ソース側開口部の底面と少なくとも部分的に重なっている、アクティブマトリクス基板の製造方法。
複数の画素領域を有し、前記複数の画素領域のそれぞれに配置された薄膜トランジスタと、タッチパネル用の第1電極と、タッチパネル用の第1配線とを備えたアクティブマトリクス基板の製造方法であって、
(A)主面を有する基板上に、前記薄膜トランジスタの活性層となる酸化物半導体層と、前記酸化物半導体層の少なくとも一部とゲート絶縁層を介して重なるゲート電極とを形成する工程と、
(B)前記ゲート電極、前記ゲート絶縁層および前記酸化物半導体層を覆い、かつ、前記酸化物半導体層の一部を露出するソース側開口部と、前記酸化物半導体層の他の一部を露出するドレイン側開口部とを有する絶縁層を形成する工程であって、前記基板の前記主面の法線方向から見たとき、前記ソース側開口部および前記ドレイン側開口部は、前記酸化物半導体層のうち前記ゲート電極と重なる領域の両側に位置する、工程と、
(C)前記絶縁層上および前記ソース側開口部内にソース電極、前記絶縁層上および前記ドレイン側開口部内にドレイン電極を形成し、これにより、前記薄膜トランジスタを得る、工程と、
(D)無機絶縁層と、前記無機絶縁層上に配置された有機絶縁層と含む積層構造を有する層間絶縁層を形成し、前記有機絶縁層に、前記無機絶縁層の一部を露出する第1の開口部を形成する、工程と、
(E)前記層間絶縁層上に、それぞれが前記第1電極として機能し得る複数の共通電極部分を含む共通電極を形成する工程と、
(F)前記共通電極上および前記第1の開口部内に下部誘電体層を形成し、前記下部誘電体層のパターニングを行うことにより、前記下部誘電体層に、前記第1の開口部と少なくとも部分的に重なる仮開口部と、前記共通電極の一部を露出する第2コンタクトホールとを形成する工程と、
(G)前記下部誘電体層上および前記第2コンタクトホール内に、金属膜を用いて、前記第1配線を形成する工程と、
(H)前記第1配線および前記下部誘電体層上、前記第1の開口部内、および、前記仮開口部内に上部誘電体層を形成する工程と、
(I)マスクを用いて、前記上部誘電体層および前記下部誘電体層のパターニングを行うことにより、前記仮開口部と少なくとも部分的に重なる第2の開口部を形成する工程であって、これにより、前記第1の開口部および前記第2の開口部を含み、かつ、前記ドレイン電極の一部を露出する第1コンタクトホールを形成する、工程と、
(J)前記上部誘電体層上および前記第1コンタクトホール内に、前記第1コンタクトホール内で前記ドレイン電極と電気的に接続された画素電極を形成する工程と
を包含し、
前記工程(D)と前記工程(E)との間に、および/または、前記工程(I)において前記マスクを用いて、前記無機絶縁層のパターニングを行うことにより、前記無機絶縁層に前記ドレイン電極の前記一部を露出する第3の開口部を形成する工程をさらに包含し、前記第3の開口部は、前記第1の開口部および前記第2の開口部とともに、前記第1コンタクトホールを構成し、
前記基板の前記主面の法線方向から見たとき、前記第1コンタクトホールの底面は、前記ドレイン側開口部の底面と少なくとも部分的に重なっており、前記第2コンタクトホールの底面は、前記ソース側開口部の底面と少なくとも部分的に重なっている、アクティブマトリクス基板の製造方法。
前記工程(D)と前記工程(E)との間に、前記有機絶縁層をマスクとして用いて前記無機絶縁層のパターニングを行うことにより、前記無機絶縁層に他の仮開口部を形成する工程をさらに包含し、
前記工程(I)は、前記マスクを用いて、前記無機絶縁層に、少なくとも部分的に前記他の仮開口部と重なるように前記第3の開口部を形成する工程をさらに含む、請求項3に記載のアクティブマトリクス基板の製造方法。
前記工程(A)において、前記ゲート電極は、前記酸化物半導体層の一部上に前記ゲート絶縁層を介して配置される、請求項1から5のいずれかに記載のアクティブマトリクス基板の製造方法。
前記工程(A)と前記工程(B)との間に、前記ゲート電極をマスクとして、前記酸化物半導体層の低抵抗化処理を行い、前記酸化物半導体層のうち前記ゲート電極と重なっていない領域の比抵抗を、前記ゲート電極と重なっている領域の比抵抗よりも低くする工程をさらに包含する、請求項6に記載のアクティブマトリクス基板の製造方法。
前記酸化物半導体層の前記基板側に、他の絶縁層を介して、前記酸化物半導体層の前記一部と少なくとも部分的に重なる遮光層または他のゲート電極を形成する工程をさらに含む、請求項6または7に記載のアクティブマトリクス基板の製造方法。
前記基板の前記主面の法線方向から見たとき、前記第1コンタクトホール、前記第2コンタクトホール、前記ソース側開口部および前記ドレイン側開口部は、いずれも、前記複数のゲートバスラインとも前記ゲート電極とも重ならないように配置される、請求項9に記載のアクティブマトリクス基板の製造方法。
前記基板の前記主面の法線方向から見たとき、前記第2コンタクトホールは、前記ソース側開口部の内側に位置する、請求項1から10のいずれかに記載のアクティブマトリクス基板の製造方法。
前記基板の前記主面の法線方向から見たとき、前記ソース側開口部は、前記第2コンタクトホールの内側に位置する、請求項1から10のいずれかに記載のアクティブマトリクス基板の製造方法。
前記基板の前記主面の法線方向から見たとき、前記第2コンタクトホールの前記底面と、前記ソース側開口部の前記底面とは交差している、請求項1から10のいずれかに記載のアクティブマトリクス基板の製造方法。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
タッチセンサ付きの横電界モードの液晶表示パネルでは、アクティブマトリクス基板の表示領域に、各画素に配置される薄膜トランジスタ(以下、「TFT」)および画素電極に加えて、タッチセンサ用の電極(以下、「センサ電極」)を兼ねる共通電極、および、タッチセンサの駆動用および/または検出用の配線(以下、「タッチ配線」と総称する)も設けられる。本発明者が検討したところ、このようなアクティブマトリクス基板においては、表示領域に、画素電極とTFTのドレイン電極とを接続する画素コンタクト部に加えて、センサ電極とタッチ配線とを接続するタッチ配線コンタクト部も形成されるため、画素開口率が低下するおそれがある。
【0008】
本発明の実施形態は、上記事情を鑑みてなされたものであり、その目的は、画素開口率の低下を抑制し得るアクティブマトリクス基板を製造する方法、および、アクティブマトリクス基板を用いたタッチセンサ付き液晶表示装置を製造する方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本明細書は、以下の項目に記載のアクティブマトリクス基板の製造方法、および液晶表示装置の製造方法を開示している。
【0010】
[項目1]
複数の画素領域を有し、前記複数の画素領域のそれぞれに配置された薄膜トランジスタと、タッチパネル用の第1電極と、タッチパネル用の第1配線とを備えたアクティブマトリクス基板の製造方法であって、
(A)主面を有する基板上に、前記薄膜トランジスタの活性層となる酸化物半導体層と、前記酸化物半導体層の少なくとも一部とゲート絶縁層を介して重なるゲート電極とを形成する工程と、
(B)前記ゲート電極、前記ゲート絶縁層および前記酸化物半導体層を覆い、かつ、前記酸化物半導体層の一部を露出するソース側開口部と、前記酸化物半導体層の他の一部を露出するドレイン側開口部とを有する絶縁層を形成する工程であって、前記基板の前記主面の法線方向から見たとき、前記ソース側開口部および前記ドレイン側開口部は、前記酸化物半導体層のうち前記ゲート電極と重なる領域の両側に位置する、工程と、
(C)前記絶縁層上および前記ソース側開口部内にソース電極、前記絶縁層上および前記ドレイン側開口部内にドレイン電極を形成し、これにより、前記薄膜トランジスタを得る、工程と、
(D)有機絶縁層を含む層間絶縁層を形成する工程であって、前記層間絶縁層は、前記薄膜トランジスタを覆い、かつ、前記ドレイン電極の一部を露出する第1コンタクトホールを有する、工程と、
(E)前記層間絶縁層上および前記第1コンタクトホール内に第1の透明導電膜を形成する工程と、
(F)前記第1の透明導電膜の一部上に、金属膜を用いて、前記第1配線の上層となる上部配線部を形成する工程と、
(G)前記第1の透明導電膜のパターニングを行うことにより、前記第1コンタクトホール内で前記ドレイン電極と電気的に接続された画素電極を形成するとともに、前記上部配線部の下方に、前記第1配線の下層となる下部配線部を形成する工程と、
(H)前記画素電極および前記第1配線を覆い、かつ、前記第1配線の一部を露出する第2コンタクトホールを有する誘電体層を形成する工程と、
(I)前記誘電体層上および前記第2コンタクトホール内に、前記第2コンタクトホール内で前記第1配線と電気的に接続された共通電極を形成する工程であって、前記共通電極は、それぞれが前記第1電極として機能し得る複数の共通電極部分を含む、工程と
を包含し、
前記基板の前記主面の法線方向から見たとき、前記第1コンタクトホールの底面は、前記ドレイン側開口部の底面と少なくとも部分的に重なっており、前記第2コンタクトホールの底面は、前記ソース側開口部の底面と少なくとも部分的に重なっている、アクティブマトリクス基板の製造方法。
【0011】
[項目2]
複数の画素領域を有し、前記複数の画素領域のそれぞれに配置された薄膜トランジスタと、タッチパネル用の第1電極と、タッチパネル用の第1配線とを備えたアクティブマトリクス基板の製造方法であって、
(A)主面を有する基板上に、前記薄膜トランジスタの活性層となる酸化物半導体層と、前記酸化物半導体層の少なくとも一部とゲート絶縁層を介して重なるゲート電極とを形成する工程と、
(B)前記ゲート電極、前記ゲート絶縁層および前記酸化物半導体層を覆い、かつ、前記酸化物半導体層の一部を露出するソース側開口部と、前記酸化物半導体層の他の一部を露出するドレイン側開口部とを有する絶縁層を形成する工程であって、前記基板の前記主面の法線方向から見たとき、前記ソース側開口部および前記ドレイン側開口部は、前記酸化物半導体層のうち前記ゲート電極と重なる領域の両側に位置する、工程と、
(C)前記絶縁層上および前記ソース側開口部内にソース電極、前記絶縁層上および前記ドレイン側開口部内にドレイン電極を形成し、これにより、前記薄膜トランジスタを得る、工程と、
(D)無機絶縁層と、前記無機絶縁層上に配置された有機絶縁層と含む積層構造を有する層間絶縁層を形成し、前記有機絶縁層に、前記無機絶縁層の一部を露出する第1の開口部を形成する、工程と、
(E)前記層間絶縁層上に、金属膜を用いて前記第1配線を形成する工程と、
(F)前記層間絶縁層上、前記第1配線上および前記第1の開口部内に誘電体層を形成する工程と、
(G)第1のマスクを用いて、前記誘電体層および前記無機絶縁層のパターニングを行う工程であって、前記誘電体層に前記第1の配線の一部を露出する仮開口部を形成するとともに、前記誘電体層と、前記無機絶縁層のうち前記第1の開口部によって露出した部分とに、前記ドレイン電極の一部を露出する第2の開口部を形成し、これにより、前記第1の開口部および前記第2の開口部から構成される第1コンタクトホールを形成する、工程と、
(H)前記層間絶縁層上および前記第1コンタクトホール内に、前記第1コンタクトホール内で前記ドレイン電極と電気的に接続された画素電極を形成する工程と、
(I)前記画素電極上、前記誘電体層上および前記仮開口部内に他の誘電体層を形成する工程と、
(J)第2のマスクを用いて、前記他の誘電体層および前記誘電体層をパターニングすることにより、前記第1の配線の一部を露出する第2コンタクトホールを形成する工程であって、前記第2コンタクトホールは、前記仮開口部と少なくとも部分的に重なるように配置される、工程と、
(K)前記他の誘電体層上および前記第2コンタクトホール内に、前記第2コンタクトホール内で前記第1配線と電気的に接続された共通電極を形成する工程であって、前記共通電極は、それぞれが前記第1電極として機能し得る複数の共通電極部分を含む、工程と
を包含し、
前記基板の前記主面の法線方向から見たとき、前記第1コンタクトホールの底面は、前記ドレイン側開口部の底面と少なくとも部分的に重なっており、前記第2コンタクトホールの底面は、前記ソース側開口部の底面と少なくとも部分的に重なっている、アクティブマトリクス基板の製造方法。
【0012】
[項目3]
複数の画素領域を有し、前記複数の画素領域のそれぞれに配置された薄膜トランジスタと、タッチパネル用の第1電極と、タッチパネル用の第1配線とを備えたアクティブマトリクス基板の製造方法であって、
(A)主面を有する基板上に、前記薄膜トランジスタの活性層となる酸化物半導体層と、前記酸化物半導体層の少なくとも一部とゲート絶縁層を介して重なるゲート電極とを形成する工程と、
(B)前記ゲート電極、前記ゲート絶縁層および前記酸化物半導体層を覆い、かつ、前記酸化物半導体層の一部を露出するソース側開口部と、前記酸化物半導体層の他の一部を露出するドレイン側開口部とを有する絶縁層を形成する工程であって、前記基板の前記主面の法線方向から見たとき、前記ソース側開口部および前記ドレイン側開口部は、前記酸化物半導体層のうち前記ゲート電極と重なる領域の両側に位置する、工程と、
(C)前記絶縁層上および前記ソース側開口部内にソース電極、前記絶縁層上および前記ドレイン側開口部内にドレイン電極を形成し、これにより、前記薄膜トランジスタを得る、工程と、
(D)無機絶縁層と、前記無機絶縁層上に配置された有機絶縁層と含む積層構造を有する層間絶縁層を形成し、前記有機絶縁層に、前記無機絶縁層の一部を露出する第1の開口部を形成する、工程と、
(E)前記層間絶縁層上に、それぞれが前記第1電極として機能し得る複数の共通電極部分を含む共通電極を形成する工程と、
(F)前記共通電極上および前記第1の開口部内に下部誘電体層を形成し、前記下部誘電体層のパターニングを行うことにより、前記下部誘電体層に、前記第1の開口部と少なくとも部分的に重なる仮開口部と、前記共通電極の一部を露出する第2コンタクトホールとを形成する工程と、
(G)前記下部誘電体層上および前記第2コンタクトホール内に、金属膜を用いて、前記第1配線を形成する工程と、
(H)前記第1配線および前記下部誘電体層上、前記第1の開口部内、および、前記仮開口部内に上部誘電体層を形成する工程と、
(I)マスクを用いて、前記上部誘電体層および前記下部誘電体層のパターニングを行うことにより、前記仮開口部と少なくとも部分的に重なる第2の開口部を形成する工程であって、これにより、前記第1の開口部および前記第2の開口部を含み、かつ、前記ドレイン電極の一部を露出する第1コンタクトホールを形成する、工程と、
(J)前記上部誘電体層上および前記第1コンタクトホール内に、前記第1コンタクトホール内で前記ドレイン電極と電気的に接続された画素電極を形成する工程と
を包含し、
前記工程(D)と前記工程(E)との間に、および/または、前記工程(I)において前記マスクを用いて、前記無機絶縁層のパターニングを行うことにより、前記無機絶縁層に前記ドレイン電極の前記一部を露出する第3の開口部を形成する工程をさらに包含し、前記第3の開口部は、前記第1の開口部および前記第2の開口部とともに、前記第1コンタクトホールを構成し、
前記基板の前記主面の法線方向から見たとき、前記第1コンタクトホールの底面は、前記ドレイン側開口部の底面と少なくとも部分的に重なっており、前記第2コンタクトホールの底面は、前記ソース側開口部の底面と少なくとも部分的に重なっている、アクティブマトリクス基板の製造方法。
【0013】
[項目4]
前記工程(D)と前記工程(E)との間に、前記有機絶縁層をマスクとして用いて前記無機絶縁層のパターニングを行うことにより、前記無機絶縁層に他の仮開口部を形成する工程をさらに包含し、
前記工程(I)は、前記マスクを用いて、前記無機絶縁層に、少なくとも部分的に前記他の仮開口部と重なるように前記第3の開口部を形成する工程をさらに含む、項目3に記載のアクティブマトリクス基板の製造方法。
【0014】
[項目5]
前記工程(D)では、前記有機絶縁層において、前記第1の開口部は、前記無機絶縁層の一部を露出するように形成され、
前記工程(I)は、前記マスクを用いて、前記無機絶縁層のうち前記第1の開口部によって露出された部分に前記第3の開口部を形成する工程をさらに含む、項目3に記載のアクティブマトリクス基板の製造方法。
【0015】
[項目6]
前記工程(A)において、前記ゲート電極は、前記酸化物半導体層の一部上に前記ゲート絶縁層を介して配置される、項目1から5のいずれかに記載のアクティブマトリクス基板の製造方法。
【0016】
[項目7]
前記工程(A)と前記工程(B)との間に、前記ゲート電極をマスクとして、前記酸化物半導体層の低抵抗化処理を行い、前記酸化物半導体層のうち前記ゲート電極と重なっていない領域の比抵抗を、前記ゲート電極と重なっている領域の比抵抗よりも低くする工程をさらに包含する、項目6に記載のアクティブマトリクス基板の製造方法。
【0017】
[項目8]
前記酸化物半導体層の前記基板側に、他の絶縁層を介して、前記酸化物半導体層の前記一部と少なくとも部分的に重なる遮光層または他のゲート電極を形成する工程をさらに含む、項目6または7に記載のアクティブマトリクス基板の製造方法。
【0018】
[項目9]
前記工程(A)は、前記ゲート電極と同じ導電膜を用いて複数のゲートバスラインを形成する工程をさらに含み、
前記工程(C)は、前記ソース電極と同じ導電膜を用いて複数のソースバスラインを形成する工程をさらに含み、
前記薄膜トランジスタの前記ソース電極は前記複数のソースバスラインの対応する1つに電気的に接続され、前記ゲート電極は前記複数のゲートバスラインの対応する1つに電気的に接続される、項目1から8のいずれかに記載のアクティブマトリクス基板の製造方法。
【0019】
[項目10]
前記基板の前記主面の法線方向から見たとき、前記第1コンタクトホール、前記第2コンタクトホール、前記ソース側開口部および前記ドレイン側開口部は、いずれも、前記複数のゲートバスラインとも前記ゲート電極とも重ならないように配置される、項目9に記載のアクティブマトリクス基板の製造方法。
【0020】
[項目11]
前記基板の前記主面の法線方向から見たとき、前記第2コンタクトホールは、前記ソース側開口部の内側に位置する、項目1から10のいずれかに記載のアクティブマトリクス基板の製造方法。
【0021】
[項目12]
前記基板の前記主面の法線方向から見たとき、前記ソース側開口部は、前記第2コンタクトホールの内側に位置する、項目1から10のいずれかに記載のアクティブマトリクス基板の製造方法。
【0022】
[項目13]
前記ソース電極は、前記対応する1つのソースバスラインと一体的に形成されており、
前記基板の前記主面の法線方向から見たとき、前記ソース側開口部は、前記対応する1つのソースバスラインおよび前記ソース電極を含むソース導電部の内側に、前記対応する1つのソースバスラインの幅を2分する中央線の片側のみに配置され、前記第2コンタクトホールは、前記ソース導電部の内側において、前記中央線と重なるように配置されている、項目9または10に記載のアクティブマトリクス基板の製造方法。
【0023】
[項目14]
前記基板の前記主面の法線方向から見たとき、前記第2コンタクトホールの前記底面と、前記ソース側開口部の前記底面とは交差している、項目1から10のいずれかに記載のアクティブマトリクス基板の製造方法。
【0024】
[項目15]
前記酸化物半導体層は、In−Ga−Zn−O系半導体を含む、項目1から14のいずれかに記載のアクティブマトリクス基板の製造方法。
【0025】
[項目16]
項目1から15のいずれかに記載の方法で製造されたアクティブマトリクス基板。
【0026】
[項目17]
アクティブマトリクス基板と、
前記アクティブマトリクス基板に対向するように配置された対向基板と、
前記アクティブマトリクス基板と前記対向基板との間に設けられた液晶層と
を備えるタッチセンサ付き液晶表示装置の製造方法であって、
前記アクティブマトリクス基板を用意する工程を含み、
前記工程は、項目1から15のいずれかに記載の方法によって実行される、タッチセンサ付き液晶表示装置の製造方法。
【発明の効果】
【0027】
本発明の実施形態によると、画素開口率の低下を抑制し得るアクティブマトリクス基板を製造する方法、および、アクティブマトリクス基板を用いたタッチセンサ付き液晶表示装置を製造する方法が提供される。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、本発明の実施形態によるアクティブマトリクス基板、および、タッチセンサ付き表示装置(以下、「タッチパネル」)をより具体的に説明する。以下の図面において、実質的に同じ機能を有する構成要素は、共通の参照符号で示し、その説明を省略することがある。
【0030】
(第1の実施形態)
<タッチパネル1001の全体構造>
まず、図面を参照しながら、横電界モード(例えばFFSモード)の液晶表示パネルを用いたインセル型タッチパネルを例に、タッチパネルの全体構造の概略を説明する。図示する例では、タッチパネルは相互容量方式のタッチセンサを有するが、自己容量方式のタッチセンサを有してもよい。
【0031】
図1Aおよび
図1Bは、それぞれ、第1の実施形態のタッチパネル1001の上面図および断面図である。
図1Bは、
図1AにおけるIb−Ib’線に沿った断面を示す。
【0032】
タッチパネル1001は、表示領域DRと、表示領域DRの周辺に位置する周辺領域FRとを有する。図示していないが、表示領域DRは、x方向(第1方向)に略平行に延設された複数のゲートバスラインと、y方向(第2方向)に略平行に延設された複数のソースバスラインと、x方向およびy方向に2次元に配列された複数の画素(不図示)とを含む。y方向は、x方向と交差する方向であり、x方向と直交していてもよい。
【0033】
表示領域DRは、さらに、2次元に配列された複数のタッチ検出単位TUを含む。図示する例では、タッチ検出単位TUはx方向およびy方向に2次元に配列されている。各タッチ検出単位TUは、例えば、2以上の画素(不図示)に対応して配置されていてもよい。
【0034】
一方、周辺領域FRには、駆動回路を含む周辺回路、端子部などが設けられる。周辺領域FRに、一部または全部の駆動回路を含む半導体チップ120が搭載されていてもよい。図示していないが、駆動回路は、ゲートドライバ、ソースドライバ、スキャンドライバおよび検出ドライバを含む。これらの駆動回路は、例えばアクティブマトリクス基板101に設けられている(実装または一体的に形成されている)。
【0035】
タッチパネル1001は、アクティブマトリクス基板101と、アクティブマトリクス基板101に対向するように配置された対向基板201と、アクティブマトリクス基板101および対向基板201の間に設けられた液晶層CLとを有する。液晶層CLは、アクティブマトリクス基板101および対向基板201の間に、シール材110によって封入されている。
【0036】
タッチパネル1001は、液晶層CLに電圧を印加するための一対の電極と、タッチセンサ用の一対の電極とを有する。この例では、液晶層CLに電圧を印加するための電極として、アクティブマトリクス基板101に、複数の画素電極PEおよび共通電極CEが設けられている。タッチセンサ用の電極として、タッチセンサの送信側電極であるトランスミッタ電極TX(1)〜TX(M)(以下、「トランスミッタ電極TX」と略すことがある。)と、タッチセンサの受信側電極であるレシーバ電極RX(1)〜RX(N)(以下、「レシーバ電極RX」と略すことがある。)とが設けられている。典型的には、アクティブマトリクス基板101および対向基板201のうち観察者側に配置された基板にレシーバ電極RX、非観察者側に配置された基板にトランスミッタ電極TXが配置される。タッチパネル1001の法線方向から見たとき、トランスミッタ電極TXとレシーバ電極RXとが交差する部分が、それぞれ、タッチ検出単位TUとなる。ここでは、アクティブマトリクス基板101における共通電極CEをトランスミッタ電極TXとしても機能させている。
【0037】
アクティブマトリクス基板101は、基板(例えばガラス基板)1と、基板1の液晶層CL側に形成された共通電極CEおよび複数の画素電極PEとを有する。画素電極PEと共通電極CEとは誘電体層を介して配置されている。
図1では、画素電極PEは共通電極CEの液晶層CL側に配置されているが、共通電極CEの基板1側に配置されていてもよい。画素電極PEは、画素ごとに電気的に独立である。共通電極CEは、間隔CEgを空けて配列された複数の共通電極部分CEaを含んでいる。共通電極部分CEaは、複数の画素に対応して配置されてもよい。この例では、x方向に延びる共通電極部分CEaが、間隔CEgを空けてy方向に配列されている。各共通電極部分CEaは、トランスミッタ電極TXを兼ねている。各共通電極部分CEaは、タッチセンサ駆動用配線TXLを介して、不図示のスキャンドライバに接続されている。スキャンドライバは、例えば半導体チップ120に配置されていてもよい。
【0038】
対向基板201は、基板(例えばガラス基板)21と、基板21の液晶層CL側に形成された複数のレシーバ電極RXとを有している。この例では、y方向に延びるレシーバ電極RXが、間隔を空けてx方向に配列されている。レシーバ電極RXは、複数の画素に対応して配置されてもよい。各レシーバ電極RXは、タッチセンサ検出用配線RXLを介して検出ドライバに接続されている。検出ドライバは、例えば半導体チップ120に配置されていてもよい。各レシーバ電極RXは、周辺領域FRにおいて、アクティブマトリクス基板101と対向基板201との間に配置されたコンタクト柱130を介して、アクティブマトリクス基板101側に電気的に接続されていてもよい。
【0039】
図1に示す例では、共通電極部分CEa(トランスミッタ電極TX)のそれぞれはx方向に延び、レシーバ電極RXのそれぞれは、y方向に延びているが、各共通電極部分CEaはy方向に延び、各レシーバ電極RXはx方向に延びていてもよい。
【0040】
図示した例では、タッチパネル1001は、相互容量方式のタッチセンサを備えるが、代わりに、自己容量方式のタッチセンサを備えていてもよい。この場合、共通電極CEにおける複数の共通電極部分CEaは、それぞれ、対応するタッチ検出単位TUに配置され、自己容量を検出する電極として機能する。各共通電極部分CEaは、タッチセンサ用の配線を介してドライバに電気的に接続される。相互容量方式および自己容量方式のタッチセンサの具体的な構造、駆動方法などは、例えば特開2018−5484号公報などに記載されており、公知であるので、詳細な説明を省略する。参考のために、特開2018−5484号公報の開示内容の全てを本明細書に援用する。
【0041】
なお、本明細書では、アクティブマトリクス基板101に形成されたタッチセンサ用の電極(トランスミッタ電極TX、自己容量を検出する電極など)を、単に「センサ電極」または「第1電極」と呼び、センサ電極に電気的に接続されたタッチセンサ用の配線を「タッチ配線」または「第1配線」と呼ぶ。
【0042】
<アクティブマトリクス基板101の画素領域PIXの構造>
次いで、アクティブマトリクス基板101の画素領域PIXの構造を説明する。「画素領域PIX」は、タッチパネル1001の各画素に対応する領域であり、単に「画素」と呼ぶこともある。
【0043】
図2Aは、アクティブマトリクス基板101の表示領域DRの一部を示す拡大平面図であり、
図2Bは、
図2Aに示すIIb−IIb’線に沿った断面図である。
【0044】
アクティブマトリクス基板101の表示領域DRは、x方向に延びるゲートバスラインGLと、y方向に延びるソースバスラインSLと、x方向およびy方向にマトリクス状に配列された複数の画素領域PIXとを有している。画素領域PIXはタッチパネル1001における画素に対応する領域である。この例では、各画素領域PIXは、ゲートバスラインGLおよびソースバスラインSLによって画定されている。
【0045】
各画素領域PIXは、基板1に支持されたTFT30と、画素電極PEと、共通電極CEとを備える。共通電極CEは、画素ごとに少なくとも1つのスリットまたは切り欠き部を有している。
【0046】
TFT30は、例えばトップゲート型のTFTである。この例では、TFT30は、基板1の主面1S上に配置された酸化物半導体層7と、酸化物半導体層7の一部上にゲート絶縁層9を介して配置されたゲート電極10と、ソース電極8sおよびドレイン電極8dとを備える。酸化物半導体層7は、基板1の法線方向から見たとき、ゲート電極10と重なるチャネル領域7cと、チャネル領域7cの両側にそれぞれ配置された第1領域7sおよび第2領域7dとを含む。第1領域7sおよび第2領域7dは、チャネル領域7cよりも比抵抗の小さい低抵抗領域であってもよい。
【0047】
酸化物半導体層7の基板1側に、下部絶縁層5を介して配置された遮光層3をさらに備えてもよい。遮光層3は、基板1の主面1Sの法線方向から見たとき、チャネル領域7cと少なくとも部分的に重なるように配置されており、バックライト側からチャネル領域7cに向かう光を遮る機能を有する。なお、遮光層3は固定電位に接続されていてもよい。
【0048】
酸化物半導体層7、ゲート絶縁層9およびゲート電極10の上には、上部絶縁層11が配置されている。ソース電極8sは、上部絶縁層11上および上部絶縁層11に形成された開口部(ソース側開口部)11s内に配置され、ソース側開口部11s内で酸化物半導体層7の一部(この例では第1領域7sの一部)と電気的に接続されている。同様に、ドレイン電極8dは、上部絶縁層11上および上部絶縁層11に形成された開口部(ドレイン側開口部)11d内に配置され、ドレイン側開口部11d内で酸化物半導体層7の他の一部(この例では第2領域7dの一部)と電気的に接続されている。ソース電極8s、ドレイン電極8dは、それぞれ、酸化物半導体層7と直接接していてもよい。本明細書では、ソース電極8sと第1領域7sとの接続部を「ソースコンタクト部」、ドレイン電極8dと第2領域7dとの接続部を「ドレインコンタクト部」と呼ぶ。
【0049】
ゲート電極10は、対応するゲートバスラインGLに電気的に接続され、ソース電極8sは対応するソースバスラインSLに電気的に接続されている。ゲート電極10はゲートバスラインGLと同一の層(ゲートメタル層)内に形成され、ソース電極8sおよびドレイン電極8dはソースバスラインSLと同一の層(ソースメタル層)内に形成されていてもよい。ドレイン電極8dは画素電極PEと電気的に接続されている。本明細書では、ドレイン電極8dと画素電極PEとの接続部を「画素コンタクト部」または「第1コンタクト部」と呼ぶ。この例では、画素コンタクト部において、ドレイン電極8dと画素電極PEとは、これらの間に位置する絶縁層に設けられた開口部(以下、「第1コンタクトホール」)CHp内で接続されている。
【0050】
TFT30は、層間絶縁層16で覆われている。層間絶縁層16は、有機絶縁層13を含んでもよい。有機絶縁層13は、平坦化膜として機能し得る厚さ(例えば1μm以上)を有していてもよい。層間絶縁層16は、例えば、無機絶縁層12と、無機絶縁層12上に配置された有機絶縁層13との積層構造を有していてもよい。
【0051】
層間絶縁層16上には、複数の画素電極PEが配置されている。画素電極PE上には、誘電体層(「第1の誘電体層」ともいう。)17を介して、共通電極CEが配置されている。つまり、画素電極PEは、共通電極CEと層間絶縁層16との間に位置している。
本明細書では、画素電極PEと同じ透明導電膜から形成された層を画素電極層、共通電極CEと同じ透明導電膜から形成された層を共通電極層と呼ぶことがある。また、これらの電極層のうち基板1側に位置する層を「第1の透明電極層」、第1の透明電極層上に位置する層を「第2の透明電極層」と呼ぶことがある。本実施形態では、第1の透明電極層は画素電極PEを含む画素電極層であり、第2の透明電極層は共通電極CEを含む共通電極層であるが、第1の透明電極層が共通電極CEを含み、第2の透明電極層が画素電極PEを含んでもよい。第2の透明電極層に形成される透明電極には、画素ごとにスリット19sまたは切り欠き部を有する。
【0052】
画素電極PEは、画素毎に分離されている。画素電極PEは、TFT30のドレイン電極8dと電気的に接続されている。この例では、画素電極PEは、層間絶縁層16および第1の誘電体層17に形成された第1コンタクトホールCHp内でドレイン電極8dと接している。
【0053】
共通電極CEは、画素毎に分離されていなくても構わない。本実施形態では、共通電極CEは、複数の共通電極部分CEaに分割されており、各共通電極部分CEaは、タッチセンサ用の第1電極(以下、「センサ電極」)として機能する。
【0054】
表示領域DRには、また、複数のタッチセンサ用の第1配線(以下、「タッチ配線」)TLが配置されている。タッチ配線TLは、各共通電極部分CEaに対して少なくとも1つ設けられていればよく、全ての画素領域PIXに配置されていなくてもよい。本明細書では、タッチ配線TL(タッチ配線TLが積層構造を有する場合にはその少なくとも1層)と同じ導電膜(典型的には金属膜)から形成された層を「タッチ配線層」と呼ぶ。
【0055】
タッチ配線TLは、対応する共通電極部分CEaに電気的に接続されている。本明細書では、タッチ配線TLと共通電極部分CEaとの接続部を「タッチ配線コンタクト部」または「第2コンタクト部」と呼ぶ。この例では、タッチ配線コンタクト部において、タッチ配線TLと共通電極部分CEaとは、これらの間に位置する絶縁体に設けられた開口部(以下、「第2コンタクトホール」)CHt内で接続されている。この例では、第2コンタクトホールCHtは、誘電体層17に形成された開口部17tである。タッチ配線コンタクト部は、1つの共通電極部分CEaに対して少なくとも1つ設けられていればよい。好ましくは、1つの共通電極部分CEaに対して2以上のタッチ配線コンタクト部が設けられる。
【0056】
タッチ配線TLは、対応する共通電極部分CEaまで、例えばy方向に延びていてもよい。この例では、アクティブマトリクス基板101の法線方向から見て、タッチ配線TLは、複数のソースバスラインSLのうちの1つのソースバスラインSLの上を、そのソースバスラインSLに沿って延びている。
【0057】
また、図示する例では、各タッチ配線TLは、画素電極PEと同じ透明導電膜から(ここでは第1の透明電極層内に)形成された下部配線部t1と、下部配線部t1の上面と接する上部配線部t2とを含む積層構造を有している。上部配線部t2は、金属膜から(タッチ配線層内に)形成されている。下部配線部t1と上部配線部t2との間には絶縁層は設けられていない。つまり、タッチ配線TLの下部配線部t1を含む第1の透明電極層が形成された後、絶縁層の形成工程を挟まずに、タッチ配線TLの上部配線部t2を含むタッチ配線層が形成されている。これにより、第2コンタクトホールCHtが形成される絶縁膜の数を低減でき、タッチ配線TLの抵抗を小さくすることができる。基板1の法線方向から見たとき、下部配線部t1の側面と上部配線部t2の側面とは整合していてもよい。また、下部配線部t1および上部配線部t2は、ソースバスラインSLと略同じ幅を有していてもよい。
【0058】
本実施形態では、基板1の法線方向から見たとき、画素コンタクト部は、ドレインコンタクト部のドレイン側開口部11dと少なくとも部分的に重なるように配置されている。つまり、画素コンタクト部における第1コンタクトホールCHpの底面とドレイン側開口部11dの底面とが少なくとも部分的に重なっている。また、タッチ配線コンタクト部は、ソースコンタクト部のソース側開口部と少なくとも部分的に重なるように配置されている。つまり、タッチ配線コンタクト部における第2コンタクトホールCHtの底面とソース側開口部11sの底面とが少なくとも部分的に重なっている。なお、本明細書において、コンタクトホールまたは開口部の「底面」とは、下地となる導電層の上面のうちコンタクトホールまたは開口部によって露出され、接続面となる部分を指す。
【0059】
アクティブマトリクス基板101の表示領域DRにおいて、ドレインコンタクト部、ソースコンタクト部、画素コンタクト部、およびタッチ配線コンタクト部が形成された領域は、バックライトからの光が遮られたり、液晶分子の配向が乱れる領域であるため、光の透過率に寄与しない領域である。このような光の透過率に寄与しない領域は、通常、対向基板に設けられたブラックマトリクス等で遮光される。従って、基板1の法線方向から見たとき、画素コンタクト部とドレインコンタクト部とを少なくとも部分的に重なるように配置し、かつ、タッチ配線コンタクト部とソースコンタクト部とが少なくとも部分的に重なるように配置して、光の透過率に寄与しない領域を重畳させることによって、コンタクト部に起因する画素開口率(画素における光の透過率に寄与する領域の面積割合)の低下を抑制できる。
【0060】
ソースコンタクト部とタッチ配線コンタクト部との間に、比較的厚く、平坦化膜としても機能し得る有機絶縁層13を介在させてもよい。これにより、ソースコンタクト部とタッチ配線コンタクト部とを重ねて配置しても、これらのコンタクト部は互いに干渉を受けにくい。また、ドレイン側開口部11dによる段差が有機絶縁層13により低減されているため、第2コンタクトホールCHtをドレイン側開口部11d上に重ねても、ドレイン側開口部11dの段差の影響による不良は生じにくい。従って、これらのコンタクト部の信頼性を高めることができる。さらに、タッチ配線TLとソースバスラインSLとを、比較的厚い有機絶縁層13を介して重ねて配置することで、容量の増加を抑えつつ、タッチ配線TLに起因する画素開口率の低下を抑制できる。
【0061】
図3Aおよび
図3Bは、それぞれ、参考例1および参考例2のアクティブマトリクス基板におけるコンタクト部の配置を示す平面図であり、
図3Cは実施例1のアクティブマトリクス基板におけるコンタクト部の配置を示す平面図である。簡単のため、
図2Aおよび
図2Bと同様の構成要素に同じ番号を付している。
【0062】
参考例1のアクティブマトリクス基板では、平坦化膜13の基板1側にタッチ配線TLを形成している。参考例1では、タッチ配線コンタクト部において、比較的厚い平坦化膜13に第2コンタクトホールCHtを形成するため、タッチ配線コンタクト部のサイズが大きくなる。また、平坦化膜13に第2コンタクトホールCHtを形成する工程において位置ずれが生じると、タッチ配線TLとソースバスラインとの間の絶縁層(無機絶縁層12に相当)もエッチングされる可能性がある。このとき、ソースバスラインと共通電極CEとがリークすることになる。このようなリークを抑制し得るように画素設計を行うと、タッチ配線コンタクト部をソースバスラインと重ねることは難しい。特に画素サイズの小さな高解像度パネルに使用される場合、タッチ配線コンタクト部、画素コンタクト部およびソースコンタクト部が、基板1の法線方向から見たとき、y方向に並ぶように配置される。これらのコンタクト部を遮光する必要があることから、画素領域のうち遮光が必要な範囲(遮光範囲)Mが拡大し、画素開口率が低下してしまう。
【0063】
参考例2のアクティブマトリクス基板では、層間絶縁層16の上にタッチ配線TLを形成している。参考例2では、参考例1と同様に、画素コンタクト部はドレインコンタクト部と重なるように配置されているが、タッチ配線コンタクト部はソースコンタクト部とは異なる位置に配置されている。ただし、タッチ配線TLとソースメタル層との間に層間絶縁層16が介在するので、タッチ配線コンタクト部を、ソースバスラインSL上に配置することが可能になり、参考例1よりも画素開口率を改善できる。しかしながら、基板1の主面1Sの法線方向から見たとき、コンタクト部が3箇所に配置されているので、電極・配線間に十分な間隔を確保しようとすると、遮光範囲Mを十分に小さくできない可能性がある。
【0064】
これに対し、実施例1では、タッチ配線コンタクト部とソースコンタクト部とが互いに重なるように配置されており、参考例1、2よりも遮光範囲Mの幅を小さくできるので、コンタクト部に起因する画素開口率の低下を抑制できる。
【0065】
参考例1、参考例2および実施例1における画素開口率の一例を表1に示す。表1では、各画素のx方向の幅を25μm、y方向の幅を75μmとしたときの画素開口率(%)と、参考例1の画素開口率に対する比(開口率比)とを示している。
【0067】
表1から、実施例1の画素開口率は、参考例1よりも略30%高くなっていることが分かる。画素開口率によって可視光に対する透過率が決まるので、コンタクト部の配置を最適化することで、高解像度の液晶表示パネルの透過率を大幅に改善できることが確認される。
【0068】
実施例1(
図3C)および
図2Aに示したように、基板1の法線方向から見たとき、ソースコンタクト部(ソース側開口部11s)およびタッチ配線コンタクト部(第2コンタクトホールCHt)は、ソースバスラインSLの1つと重なっていてもよい。これにより、画素開口率をさらに高くできる。
【0069】
また、画素コンタクト部、タッチ配線コンタクト部、ドレインコンタクト部およびソースコンタクト部(すなわち、第1コンタクトホールCHp、第2コンタクトホールCHt、ドレイン側開口部11dおよびソース側開口部11sの底面)は、いずれも、基板1の法線方向から見たとき、ゲートバスラインGLともゲート電極10とも重なっていなくてもよい。これにより、ゲートメタル層とソースメタル層との間の容量を低減しつつ、画素開口率を改善できる。従来、上記の4つのコンタクト部をゲートバスラインGLと重ならないように配置すると、コンタクト部に起因して遮光範囲Mが大幅に増加する場合があったが、本実施形態のコンタクト部の配置を適用することで、画素開口率の低下をより効果的に抑制できる。
【0070】
画素コンタクト部およびドレインコンタクト部は、当該画素、すなわち画素コンタクト部でTFT30に接続される画素電極PEが配置された画素PIX(1)内に配置され、ソースコンタクト部およびタッチ配線コンタクト部は、その画素に隣接する他の画素(ここではy方向に隣接する画素)PIX(2)内に配置されていてもよい。図示するように、基板1の法線方向から見たとき、画素コンタクト部およびドレインコンタクト部と、ソースコンタクト部およびタッチ配線コンタクト部とは、ゲートバスラインGLを挟んで両側に配置されていてもよい。これにより、遮光範囲Mの幅をより小さくできる。
【0071】
本実施形態のコンタクト部の配置は、画素TFTとして、ソース側開口部およびドレイン側開口部を有するTFTを用いたアクティブマトリクス基板に広く適用され得る。画素TFTは、トップゲート構造TFTでもよいし、エッチストップ型のボトムゲート構造TFTでもよい。特に、トップゲート構造TFTを用いたアクティブマトリクス基板に好適に適用され得る。
【0072】
トップゲート構造TFTでは、
図2Bに例示したように、ソース電極8sおよびドレイン電極8dが、絶縁体に形成されたソース側開口部11sおよびドレイン側開口部11d内で酸化物半導体層7の上面と接続されており、かつ、基板1の法線方向から見たとき、ゲート電極10はソース電極8sともドレイン電極8dとも重なっていないことが好ましい。これにより、ゲート電極10とソース電極8sおよびドレイン電極8dとの間の寄生容量を小さくできる。なお、このような構造のTFTを画素TFTとして用いた従来のアクティブマトリクス基板では、ソースコンタクト部とドレインコンタクト部とがゲートバスラインGL(ゲート電極10)から間隔を空けて配置され、さらに、これらのコンタクト部に加えて画素コンタクト部およびタッチ配線コンタクト部が配置されるので、コンタクト部に起因して遮光範囲Mが特に大きくなりやすかった。従って、上記構造のTFTを有するアクティブマトリクス基板に、本実施形態によるコンタクト部の配置を適用することで、より顕著な効果が得られる。
【0073】
一方、画素TFTとしてボトムゲート構造TFTを用いる場合には、ゲート電極を遮光膜としても使用し、かつ、画素開口率を抑えるためには、ゲートバスラインGLの幅を大きくしてボトムゲート構造TFTをゲートバスラインGL上に配置する構成が望ましい。しかしながら、この構成では、ゲートバスラインGLとソースバスラインSLとの交差部の面積が大きくなるため容量が増加し、ソースバスラインSLの負荷が増大してしまう。これに対し、トップゲート構造TFTを用いると、ゲートバスラインGLとソースバスラインSLとの交差部には、遮光膜もコンタクト部も配置しなくてもよいので、交差部の面積を例えば1/5未満にできる。従って、バスラインの負荷を、ボトムゲート構造TFTを用いる場合より低減できる。
【0074】
タッチ配線コンタクト部およびソースコンタクト部のそれぞれの面積が決まっている場合、これらのコンタクト部の重なり面積が大きいほど、遮光すべき領域を小さくできるので、より効果的に画素開口率を高くできる。ここでいう「重なり面積」は、基板1の法線方向から見たとき、タッチ配線コンタクト部の第2コンタクトホールCHtの底面とソースコンタクト部のソース側開口部11sの底面とが重なる領域の面積Srをいう。また、「遮光すべき領域」は、基板1の法線方向から見たとき、タッチ配線コンタクト部の第2コンタクトホールCHtおよびソースコンタクト部のソース側開口部11sの少なくともいずれかが存在している領域(以下、「コンタクト領域」)をいう。
【0075】
ここで、ソース側開口部11sおよび第2コンタクトホールCHtのうち底面の大きい方を第1開口部H1、小さい方を第2開口部H2とし、第1開口部H1および第2開口部H2の底面の面積をそれぞれS(H1)、S(H2)とする。また、小さい方の第2開口部H2の面積S(H2)に対する、重なり面積Srの割合Rを、「重なり面積の割合」とする。
図4に模式的に示すように、重なり面積の割合Rが大きいほど、コンタクト領域の面積Scを低減できる。具体的には、面積S(H1)、S(H2)が決まっている場合、基板1の主面1Sの法線方向から見たとき、第1開口部H1の内側に第2開口部H2が配置されると(重なり面積の割合R:100%)、コンタクト領域の面積Scは最小値になり、第1開口部H1の面積S(H1)と等しくなる(Sc=S(H1))。第1開口部H1に対して第2開口部H2の位置をずらして重なり面積Srを小さくする(すなわち重なり面積の割合Rを小さくする)と、コンタクト領域の面積Scは増加する。ただし、コンタクト領域の面積Scは、第1開口部H1および第2開口部H2の底面の面積の和未満である(Sc<S(H1)+S(H2))。
【0076】
本実施形態では、重なり面積の割合Rは、例えば、30%以上100%以下であり、好ましくは50%以上100%以下であってもよい。30%以上であれば、タッチ配線コンタクト部に起因する画素開口率の低下をより確実に抑制できる。
【0077】
第2コンタクトホールCHtおよびソース側開口部11sの底面全体は、基板1の主面1Sの法線方向から見たとき、ソース電極8s(または、ソース電極8sと、ソース電極8sと一体形成されたソースバスラインSLとを含むソース導電部)と重なっていてもよい。重なり面積Srを大きくすることで、ソース電極8sのサイズを増大させることなく、第2コンタクトホールCHtとソース側開口部11sとをソース電極8s上に配置できる。
【0078】
上記では、ソース側開口部11sと第2コンタクトホールCHtとの重なり面積の割合Rを説明したが、ドレイン側開口部11dと第1コンタクトホールCHpとの重なり面積の割合Rも、例えば、30%以上100%以下であり、好ましくは50%以上100%以下であってもよい。
【0079】
次いで、図面を参照しながら、タッチ配線コンタクト部とソースコンタクト部との配置関係をより具体的に説明する。
【0080】
図5A〜
図5Dは、それぞれ、タッチ配線コンタクト部の第2コンタクトホールCHtと、ソースコンタクト部のソース側開口部11sとの配置関係を例示する平面図である。これらの例では、いずれも、基板1の主面1Sの法線方向から見たとき、ソース側開口部11sおよび第2コンタクトホールCHtは、ソース電極8sと、ソース電極8sと一体的に形成された1つのソースバスラインとを含むソース導電部の内側に配置されている。
【0081】
図5Aに示すように、基板1の法線方向から見たとき、ソース側開口部11sの内側に第2コンタクトホールCHtが位置していてもよい。このときの第1コンタクト領域の面積Scは、ソース側開口部11sの底面の面積と等しくなる。重なり面積の割合Rは100%である。
【0082】
ソース電極8sと酸化物半導体層7とのコンタクト不良が生じると、液晶表示パネルの不良となってしまうため、ソースコンタクト部には安定性が求められる。このため、ソース側開口部11sのサイズは大きい方が好ましい。一方、タッチ配線コンタクト部は、通常、1つのセンサ電極(共通電極部分CEa)に2箇所以上設けられている。このような冗長構造のため、タッチ配線TLとセンサ電極とのコンタクト不良が1箇所で生じても、タッチセンサの駆動に問題が生じないことが多い。また、設計上、第2コンタクトホールCHtの幅は、タッチ配線TLの幅と同等かそれ以下であることが好ましい場合がある。従って、
図5Aに示すように、第2コンタクトホールCHtのサイズを、ソース側開口部11sよりも小さくし、ソース側開口部11sの内側に第2コンタクトホールCHtを配置することで、ソースコンタクト部の安定性を確保しつつ、画素開口率をより高めることが可能である。
【0083】
あるいは、
図5Bに示すように、基板1の法線方向から見たとき、第2コンタクトホールCHtの内側にソース側開口部11sが位置していてもよい。このときの第1コンタクト領域の面積Scは、第2コンタクトホールCHtの底面の面積と等しくなる。重なり面積の割合Rは100%である。
【0084】
ソースバスラインSLの一部をソース電極8sとして機能させる場合、ソースバスラインSLにソース側開口部11sが設けられる。このとき、ソース側開口部11sのテーパー不良が生じると、ソース電極8sと酸化物半導体層7との間のコンタクト抵抗が上昇したり、ソースバスラインSLの配線抵抗が増大する可能性がある。これに対し、
図5Bに示すように、ソースバスラインSLのうちソース側開口部11sを形成する領域の幅(ソース電極8sのx方向の幅)wsに対して、ソース側開口部11sの幅(x方向の幅)w1を十分に小さくすると、テーパー不良が生じても、矢印41に示すような電流経路を確保できる。ソース側開口部11sの幅w1は、ソース電極8sの幅wsの例えば1/3以下、または1/4以下であってもよい。また、ソース側開口部11sの幅w1を小さく抑える場合に、基板1の法線方向から見たとき、第2コンタクトホールCHtの全体をソース導電部と重なるように配置し、なおかつ、第2コンタクトホールCHtの内側にソース側開口部11sを配置することで、画素開口率をより効果的に向上できる。
【0085】
図5Cに示す例では、基板1の主面1Sの法線方向から見たとき、ソース側開口部11sは、ソース導電部の内側において、ソースバスラインSLの中央線43の片側(ここでは左側)のみに配置されている。中央線43は、ソースバスラインの幅を(y方向に)2分する線である。これにより、ソース側開口部11sのテーパー不良が生じても、矢印45に示すような電流経路を確保できる。ソース電極8sの幅wsに対して、ソース側開口部11sの幅w1が十分に小さくてもよい。例えば、ソース側開口部11sの幅w1は、ソース電極8s(またはソース導電部)の幅wsの例えば1/3以下、または1/4以下であってもよい。一方、第2コンタクトホールCHtは、ソース導電部の内側に、中央線43と重なるように配置されてもよい。第2コンタクトホールCHtの一方の端部(ここでは左側の端部)のみがソース側開口部11sと重なる。重なり面積の割合Rは、例えば30%以上100%未満、好ましくは40%以上80%以下であってもよい。
【0086】
ソース側開口部11sは、例えば、第2コンタクトホールCHtの一方の端部(図示する例では左側の端部)をy方向に横切って延びていてもよい。これにより、ソース側開口部11sの面積を確保しつつ、ソースバスラインSLの抵抗の増大を抑制でき、さらに、画素開口率をより効果的に向上できる。
【0087】
図5Dに示すように、基板1の法線方向から見たとき、ソース側開口部11sおよび第2コンタクトホールCHtは、いずれも、ソース導電部と重なるように配置され、かつ、互いに交差するように(互いに横切るように)配置されていてもよい。このときの重なり面積の割合Rは、例えば50%以上90%以下であってもよい。
【0088】
例えば、第2コンタクトホールCHtのx方向の幅w2は、ソース側開口部11sのx方向の幅w1よりも大きくてもよい。図示するように、ソース側開口部11sはy方向に長く、第2コンタクトホールCHtはx方向に長い形状を有していてもよい。ソース側開口部11sの幅w1を小さくすることで、ソース側開口部11sのテーパー不良が生じても、y方向に電流経路を確保しやすい。第2コンタクトホールCHtについては、タッチ配線TL(不図示)の接続対象が共通電極CE(共通電極部分CEa)であり、その接続部分はソース導電部より大面積であることが多く、また、タッチ配線コンタクト部は、1つの共通電極部分CEaに2箇所以上設けられる冗長構造であるので、ソースコンタクト部のように、コンタクトホールの形状や配置によって電流経路を確保する必要がない。従って、第2コンタクトホールCHtのx方向の幅w2を大きくする(例えば幅w2をタッチ配線TLの幅(不図示)よりも大きくする)ことで、より安定なソース配線コンタクト部を形成できる。また、この構成によると、ソース側開口部11sと第2コンタクトホールCHtとの平面形状を異ならせることで、アクティブマトリクス基板に対する画像検査等で不良を検出しやすくなるというメリットがある。
【0089】
<アクティブマトリクス基板101の製造方法>
以下、
図6A〜
図6Kおよび
図7を参照しながら、アクティブマトリクス基板101の製造方法を説明する。
【0090】
図6A〜
図6Kは、それぞれ、アクティブマトリクス基板101の製造方法の一例を示す工程断面図である。
図7は、アクティブマトリクス基板101の製造方法の一例を示すフローチャートである。
【0091】
・STEP1−1〜STEP1−3
図6Aに示すように、基板1上に、遮光層3、下部絶縁層5および酸化物半導体層7を形成する。
【0092】
まず、基板1上に、遮光層用導電膜を形成し、公知のフォトリソグラフィにより、遮光層用導電膜のパターニングを行うことにより、遮光層3を得る(STEP1−1)。
【0093】
基板1としては、例えばガラス基板、シリコン基板、耐熱性を有するプラスチック基板(樹脂基板)などを用いることができる。
【0094】
遮光層用導電膜は、特に限定しないが、例えばアルミニウム(Al)、クロム(Cr)、銅(Cu)、タンタル(Ta)、チタン(Ti)、モリブデン(Mo)あるいはタングステン(W)から選ばれた元素を含む金属膜、またはこれらの元素を成分とする合金膜などを用いることができる。また、これらのうち複数の膜を含む積層膜を用いてもよい。例えば、チタン膜−アルミニウム膜−チタン膜の3層構造あるいはモリブデン膜−アルミニウム膜−モリブデン膜の3層構造を有する積層膜を用いることができる。なお、遮光層用導電膜は3層構造に限られず、単層、または2層構造、あるいは4層以上の積層構造を有していてもよい。ここでは、遮光層用導電膜として、Ti膜(厚さ:15〜70nm)を下層、Cu膜(厚さ:200〜400nm)を上層とする積層膜を用いる。
【0095】
次いで、遮光層3を覆う下部絶縁層(厚さ:例えば200nm以上600nm以下)5を形成する(STEP1−2)。
【0096】
下部絶縁層5としては、酸化珪素(SiO
2)層、窒化珪素(SiNx)層、酸化窒化珪素(SiOxNy;x>y)層、窒化酸化珪素(SiNxOy;x>y)層、酸化アルミニウム層または酸化タンタル層等を適宜用いることができる。下部絶縁層5は、積層構造を有していてもよい。ここでは、下部絶縁層5として、例えば、CVD法を用いて、窒化珪素(SiNx)層(厚さ:50〜600nm)を下層、酸化珪素(SiO
2)層(厚さ:50〜600nm)を上層とする積層膜を形成する。下部絶縁層5として(下部絶縁層5が積層構造を有する場合には、その最上層として)、酸化珪素膜などの酸化物膜を用いると、後で形成される酸化物半導体層のチャネル領域に生じた酸化欠損を酸化物膜によって低減できるので、チャネル領域の低抵抗化を抑制できる。
【0097】
続いて、下部絶縁層5上に、例えばスパッタリング法を用いて酸化物半導体膜(厚さ:例えば15nm以上200nm以下)を形成し、公知のフォトリソグラフィにより、酸化物半導体膜のパターニングを行うことで、酸化物半導体層7を形成する(STEP1−3)。酸化物半導体膜は、特に限定しないが、例えばIn−Ga−Zn−O系半導体膜であってもよい。
【0098】
・STEP1−4
次に、
図6Bに示すように、ゲート絶縁層9およびゲート電極10を形成する。
【0099】
まず、酸化物半導体層7を覆うように、絶縁膜(厚さ:例えば80nm以上250nm以下)およびゲート用導電膜(厚さ:例えば50nm以上500nm以下)をこの順で形成する。ゲート用導電膜は例えばスパッタリング法を用いて形成され、絶縁膜は例えばCVD法で形成され得る。
【0100】
絶縁膜として、下部絶縁層5と同様の絶縁膜(下部絶縁層5として例示した絶縁膜)を用いることができる。絶縁膜として、酸化珪素膜などの酸化物膜を用いると、酸化物半導体層7のチャネル領域に生じた酸化欠損を酸化物膜によって低減できるので、チャネル領域の低抵抗化を抑制できる。
【0101】
ゲート用導電膜として、例えばアルミニウム(Al)、クロム(Cr)、銅(Cu)、タンタル(Ta)、チタン(Ti)、モリブデン(Mo)あるいはタングステン(W)から選ばれた元素を含む金属膜、またはこれらの元素を成分とする合金膜などを用いることができる。また、これらのうち複数の膜を含む積層膜を用いてもよい。例えば、チタン膜−アルミニウム膜−チタン膜の3層構造あるいはモリブデン膜−アルミニウム膜−モリブデン膜の3層構造を有する積層膜を用いることができる。なお、ゲート用導電膜は3層構造に限られず、単層、または2層構造、あるいは4層以上の積層構造を有していてもよい。ゲート用導電膜として、Ti膜(厚さ:15〜70nm)を下層、Cu膜(厚さ:200〜400nm)を上層とする積層膜を用いてもよい。
【0102】
ここでは、絶縁膜として、例えば酸化珪素(SiO
2)膜を用いる。ゲート用導電膜としては、例えばTi膜(厚さ:15〜70nm)を下層、Cu膜(厚さ:200〜400nm)を上層とする積層膜を用いる。
【0103】
続いて、図示しない第1レジストマスクを用いて、ゲート用導電膜のパターニングを行い、ゲート電極10を形成する。ゲート用導電膜のパターニングは、ウェットエッチングまたはドライエッチングで行うことができる。
【0104】
この後、上記第1レジストマスクを用いて、絶縁膜のパターニングを行う。あるいは、上記第1レジストマスクを除去した後、パターニングされたゲート電極10をマスクとして絶縁膜のパターニングを行ってもよい。これにより、ゲート絶縁層9を得る。絶縁膜のパターニングは、例えばドライエッチングで行うことができる。
【0105】
絶縁膜のパターニング時に、下部絶縁層5のうち酸化物半導体層で覆われていない部分の表層部もエッチング(オーバーエッチング)されることがある。
【0106】
本工程では、同一のマスクを用いて絶縁膜およびゲート用導電膜のパターニングを行うので、ゲート絶縁層9の側面とゲート電極10の側面とが厚さ方向に整合する。つまり、基板1の主面1Sの法線方向から見たとき、ゲート絶縁層9の周縁は、ゲート電極10の周縁と整合する。
【0107】
なお、絶縁膜の形成およびパターニングを行ってゲート絶縁層9を形成し、続いて、ゲート用導電膜の形成およびパターニングを行ってゲート電極10を形成してもよい。
【0108】
・STEP1−5
続いて、ゲート電極10をマスクとして、酸化物半導体層7の低抵抗化処理を行う。低抵抗化処理として、例えばプラズマ処理を行ってもよい。これにより、基板1の主面1Sの法線方向から見たとき、酸化物半導体層7のうちゲート電極10およびゲート絶縁層9と重なっていない第1領域7sおよび第2領域7dは、ゲート電極10およびゲート絶縁層9と重なっているチャネル領域7cよりも比抵抗の低い低抵抗領域となる。第1領域7sおよび第2領域7dは、導電体領域(例えばシート抵抗:200Ω/□以下)であってもよい。
【0109】
低抵抗化処理(プラズマ処理)では、酸化物半導体層7のうちゲート電極10で覆われていない部分を、還元性プラズマまたはドーピング元素を含むプラズマ(例えばアルゴンプラズマ)に晒してもよい。これにより、酸化物半導体層7のうち露出された部分7s、7dの表面近傍で抵抗が低下し、低抵抗領域となる。酸化物半導体層7のうちゲート電極10でマスクされた部分7cは、半導体領域として残る。なお、低抵抗化処理の方法および条件などは、例えば特開2008−40343号公報に記載されている。参考のために、特開2008−40343号公報の開示内容の全てを本明細書に援用する。
【0110】
・STEP1−6
次いで、
図6Cに示すように、ゲート電極10および酸化物半導体層7を覆う上部絶縁層11を形成する。上部絶縁層11として、酸化珪素膜、窒化珪素膜、酸化窒化珪素膜、窒化酸化珪素膜などの無機絶縁層を単層又は積層させて形成することができる。無機絶縁層の厚さは100nm以上500nm以下でもよい。上部絶縁層11を窒化シリコン膜などの酸化物半導体を還元させる絶縁膜を用いて形成すると、酸化物半導体層7のうち上部絶縁層11と接する領域(ここでは第1領域7sおよび第2領域7d)の比抵抗を低く維持できるので好ましい。ここでは、上部絶縁層11として、例えば、SiNx層(厚さ:300nm)をCVD法で形成する。
【0111】
この後、例えばドライエッチングで、上部絶縁層11に、酸化物半導体層7の第1領域7sおよび第2領域7dに達するソース側開口部11sおよびドレイン側開口部11dを形成する。
【0112】
・STEP1−7
次いで、
図6Dに示すように、上部絶縁層11上に、ソース電極8s、ドレイン電極8dおよびソースバスラインSLを含むソースメタル層を形成する。ここでは、上部絶縁層11上および開口部11s、11d内に、ソース用導電膜(厚さ:例えば50nm以上500nm以下)を形成し、公知のフォトリソグラフィにより、ソース用導電膜のパターニングを行うことで、ソースメタル層を得る。パターニングは、ドライエッチングまたはウェットエッチングで行うことができる。このようにして、TFT30を得る。
【0113】
ソース用導電膜として、例えば、アルミニウム(Al)、クロム(Cr)、銅(Cu)、タンタル(Ta)、チタン(Ti)、モリブデン(Mo)あるいはタングステン(W)から選ばれた元素、またはこれらの元素を成分とする合金などを用いることができる。例えば、チタン膜−アルミニウム膜−チタン膜の3層構造、モリブデン膜−アルミニウム膜−モリブデン膜などの3層構造などを有していてもよい。なお、ソース用導電膜は3層構造に限られず、単層、または2層構造、あるいは4層以上の積層構造を有していてもよい。ここでは、Ti膜(厚さ:15〜70nm)を下層、Cu膜(厚さ:200〜400nm)を上層とする積層膜を用いる。
【0114】
・STEP1−8
続いて、
図6Eに示すように、TFT30およびソースバスラインSLを覆うように、層間絶縁層16を形成する。層間絶縁層16は、平坦化膜として機能し得る有機絶縁層13を含む。層間絶縁層16として、無機絶縁層(厚さ:例えば100nm以上400nm以下)12と、有機絶縁層(厚さ:例えば1〜3μm、好ましくは2〜3μm)13とをこの順で形成してもよい。無機絶縁層12の材料は、上部絶縁層11の材料として例示した材料と同じであってもよい。ここでは、無機絶縁層12として、CVD法でSiNx層(厚さ:例えば200nm)を形成する。有機絶縁層13は、例えば、感光性樹脂材料を含む有機絶縁膜であってもよい。
【0115】
この後、
図6Fに示すように、有機絶縁層13のパターニングを行い、開口部13pを形成する。次いで、
図6Gに示すように、開口部13pが形成された有機絶縁層13をマスクとして利用して、無機絶縁層12に開口部12pを形成してもよい。これにより、開口部12p、13pから構成される第1コンタクトホールCHpが得られる。
【0116】
あるいは、有機絶縁層13のパターニングを行った後、別途エッチングマスクを設けて、エッチングマスクを利用して無機絶縁層12のパターニングを行い、ドレイン電極8dを露出する開口部12pを形成してもよい。
【0117】
・STEP1−9
続いて、
図6Hに示すように、層間絶縁層16上および第1コンタクトホールCHp内に、画素電極PEを形成するための第1の透明導電膜(厚さ:20〜300nm)15’を形成する。ここでは、例えば、スパッタリング法で、第1の透明導電膜15’としてインジウム−亜鉛酸化物膜を形成する。第1の透明電極膜の材料としては、インジウム−錫酸化物(ITO)、インジウム−亜鉛酸化物、ZnO等の金属酸化物を用いることができる。
【0118】
・STEP1−10
次いで、
図6Iに示すように、第1の透明導電膜15’上に、金属膜を用いてタッチ配線TLの上部配線部t2を形成する。
【0119】
具体的には、まず、第1の透明導電膜15’上に、タッチ配線を形成するための金属膜(厚さ:50〜500nm)を形成する。金属膜として、ゲート用導電膜またはソース用導電膜と同様の導電膜を用いることができる。ここでは、例えばスパッタリング法で、Cu膜もしくはAlを主体とした、単層もしくは積層構造膜を形成する。この後、金属膜のパターニングを行い、タッチ配線TLの上部配線部t2を得る。
【0120】
・STEP1−11
続いて、
図6Jに示すように、例えばウェットエッチングで、第1の透明導電膜15’のパターニングを行うことにより、画素電極PEおよびタッチ配線TLの下部配線部t1を含む第1の透明電極層を得る。
【0121】
画素電極PEは画素毎に分離されている。各画素電極PEは、第1コンタクトホールCHp内でTFT30のドレイン電極8dに電気的に接続される。また、画素電極PEと下部配線部t1とは、離間して配置され、電気的に分離されている。パターニングでは、上部配線部t2もマスクとして機能させてもよい。これにより、下部配線部t1の側面と上部配線部t2の側面とは整合する。
【0122】
・STEP1−12
次いで、
図6Kに示すように、第1の透明電極層およびタッチ配線TL上に、誘電体層(厚さ:50〜500nm)17を形成する。誘電体層17の材料は、無機絶縁層12の材料として例示した材料と同じであってもよい。ここでは、誘電体層17として、例えばCVD法でSiN膜を形成する。
【0123】
この後、誘電体層17のエッチングを行い、タッチ配線TLの上部配線部t2の一部を露出する開口部17t(第2コンタクトホールCHt)を形成する。
【0124】
・STEP1−13
次いで、図示しないが、誘電体層17上および第2コンタクトホールCHt内に第2の透明導電膜(厚さ:20〜300nm)を形成する。この後、第2の透明導電膜のパターニングを行い、誘電体層17上に、共通電極CEを含む第2の透明電極層を形成する。共通電極CEには、画素ごとに少なくとも1つの開口部(または切り欠き部)を設ける。また、共通電極CEは、複数の共通電極部分CEaに分離され、各共通電極部分CEaは、第2コンタクトホールCHt内でタッチ配線TLと電気的に接続される。
【0125】
第2の透明導電膜の材料は、第1の透明導電膜の材料として例示した材料と同じであってもよい。第2の透明導電膜は単層でもよいし、積層膜でもよい。ここでは、例えば、スパッタリング法で、インジウム−亜鉛酸化物膜を形成する。このようにして、
図2Aおよび
図2Bに示すアクティブマトリクス基板101が製造される。
【0126】
上記方法では、第1の透明電極層とタッチ配線層との間に、絶縁層が介在しないので、コンタクトホールを形成すべき絶縁層の数を減らすことができる。上記の各コンタクト部等は、通常、アライメントずれ(例えば1μm)、各絶縁層に形成される開口部のサイズのばらつき(例えば±1μm)等を考慮して設計される。絶縁層の数を減らすことで、コンタクト部(第1コンタクトホールCHp、第2コンタクトホールCHt)のサイズを低減できるので、より効果的に、コンタクト部に起因する画素開口率の低下を抑制できる。
【0127】
<変形例>
図8A〜
図8Cは、それぞれ、本実施形態における他のアクティブマトリクス基板102、103、104を例示する断面図である。
【0128】
図8Aに示すアクティブマトリクス基板102では、タッチ配線TLは、金属膜から形成された層のみで構成されている。このような構成は、第1の透明導電膜15’のパターニングを行って画素電極PEを形成した後で、タッチ配線TLを形成するための金属膜を形成し、パターニングすることで得られる。あるいは、層間絶縁層16上にタッチ配線TLを形成した後で、第1の透明導電膜15’の形成およびパターニングによって画素電極PEを形成してもよい。また、
図8Aに示す例において、画素電極PEを含む第1の透明電極層と、タッチ配線TLを含むタッチ配線層との間に、他の誘電体層が形成されていてもよい。
【0129】
図8Bに示すアクティブマトリクス基板103では、タッチ配線層は、共通電極CEの上に第2の誘電体層18を介して配置されている。タッチ配線TLは、第2の誘電体層18に設けられた開口部18t(第2コンタクトホールCHt)内で共通電極CEに接続されている。
【0130】
図8Cに示すアクティブマトリクス基板104では、タッチ配線層は、画素電極PEを含む第1の透明電極層の基板1側に配置されている。ここでは、層間絶縁層16上に、タッチ配線層、第2の誘電体層18、画素電極PEを含む第1の透明電極層、第1の誘電体層17および共通電極CEを含む第2の透明電極層がこの順で形成されている。第2コンタクトホールCHtは、誘電体層17に形成された開口部17tおよび第2の誘電体層18に形成された開口部18tから構成されている。第1コンタクトホールCHpは、無機絶縁層12、有機絶縁層13、第2の誘電体層18にそれぞれ形成された開口部12p、13p、18pから構成されている。
【0131】
<アクティブマトリクス基板104の製造方法>
図8Cに示したアクティブマトリクス基板104を例に、本実施形態の他の製造方法を説明する。
図9A〜
図9Fは、それぞれ、アクティブマトリクス基板104の製造方法の一例を説明するための工程断面図である。
図10は、アクティブマトリクス基板104の製造方法の一例を示すフローチャートである。以下の説明では、各層の形成方法、材料、厚さなどについて、アクティブマトリクス基板101と同様の場合には適宜説明を省略する。
【0132】
・STEP2−1〜2−7において、STEP1−1〜1−7と同様の方法で、TFT30を形成する。
【0133】
・STEP2−8
続いて、TFT30およびソースバスラインSLを覆うように、層間絶縁層16を形成する。ここでは、層間絶縁層16として、無機絶縁層12と、有機絶縁層13とをこの順で形成する。この後、
図9Aに示すように、有機絶縁層13のパターニングを行い、無機絶縁層12の一部を露出する開口部13pを形成する。
【0134】
・STEP2−9
次いで、
図9Bに示すように、層間絶縁層16上に、タッチ配線を形成するための金属膜を形成し、金属膜のパターニングを行うことにより、タッチ配線TLを得る。
【0135】
・STEP2−10
次いで、
図9Cに示すように、層間絶縁層16およびタッチ配線TL上に、誘電体層(厚さ:50〜500nm)18を形成する。第2の誘電体層18の材料は、無機絶縁層12の材料として例示した材料と同じであってもよい。
【0136】
・STEP2−11
続いて、
図9Dに示すように、同じレジストマスク(第1のマスクともいう。)を用いて、第2の誘電体層18および無機絶縁層12のパターニングを行う(ウェットエッチングまたはドライエッチング)。これにより、第2の誘電体層18に、タッチ配線TLの一部を露出する仮開口部18t’と、開口部13pと少なくとも部分的に重なる開口部18pを形成するとともに、無機絶縁層12のうち開口部13pで露出された部分の一部または全部を除去して、ドレイン電極8dの一部を露出する開口部12pを形成する。開口部12pの側面の少なくとも一部は開口部18pと整合する。開口部18pと開口部13pとの位置関係によって、開口部12pの側面の他の一部は開口部13pとも整合する。これにより、開口部18p、12p、13pから構成される第1コンタクトホールCHpが得られる。
【0137】
・STEP2−12
続いて、
図9Eに示すように、画素電極PEを含む第1の透明電極層を形成する。
【0138】
まず、第2の誘電体層18上、第2の誘電体層18の仮開口部18t’内、および第1コンタクトホールCHp内に第1の透明導電膜を形成する。続いて、例えばウェットエッチングで、第1の透明導電膜のパターニングを行うことにより、画素電極PEを含む第1の透明電極層を得る。第1の透明導電膜のうち第2の誘電体層18の仮開口部18t’内に位置する部分は除去される。
【0139】
・STEP2−13
次いで、
図9Fに示すように、第1の透明電極層上、第2の誘電体層18上および仮開口部18t’内に、第1の誘電体層17を形成する。
【0140】
・STEP2−14
次いで、
図9Fに示すように、レジストマスク(第2のマスクともいう。)を用いて、第1の誘電体層17のパターニングを行い、仮開口部18t’と少なくとも部分的に重なるように開口部17tを形成する。パターニングでは、ドライエッチングを用いてもよいし、ウェットエッチングを用いてもよい。このとき、上記レジストマスクを用いて、第2の誘電体層18も同時にパターニングされてもよい。これにより、仮開口部18t’よりも大きい開口部18tが形成される。このようにして、開口部17tおよび開口部18tから構成され、タッチ配線TLの一部を露出する第2コンタクトホールCHtを得る。
【0141】
なお、STEP2−12で、第2の誘電体層18に仮開口部18t’を設けなくてもよい。その場合には、本工程で、同一のマスクを用いて、第1の誘電体層17および第2の誘電体層18のパターニングを同時に行ってもよい。
【0142】
・STEP2−15
次いで、第1の誘電体層17上および第2コンタクトホールCHt内に第2の透明導電膜を形成する。この後、第2の透明導電膜のパターニングを行い、第1の誘電体層17上に、共通電極CEを含む第2の透明電極層を形成する。共通電極CEは、複数の共通電極部分CEaに分離され、各共通電極部分CEaは、第2コンタクトホールCHt内でタッチ配線TLと電気的に接続される。このようにして、アクティブマトリクス基板104(
図8C)が製造される。
【0143】
上記方法では、STEP2−11において、無機絶縁層12および第2の誘電体層18のパターニングを同時に(つまり同一のマスクを用いて)行う。また、STEP2−14において、第2の誘電体層18および第1の誘電体層17のパターニングを同時に行う。これにより、製造プロセスで使用するフォトマスクの枚数を減らすことができるので、製造コストを低減できる。
【0144】
また、2以上の絶縁層を同一のマスクでエッチングすることで、アライメントずれ、各絶縁層に形成される開口部のサイズのばらつき等を低減できる。この結果、コンタクト部(第1コンタクトホールCHp、第2コンタクトホールCHt)のサイズを低減できるので、より効果的に画素開口率の低下を抑制できる。
【0145】
第2の誘電体層18は、無機絶縁層12および第1の誘電体層17のそれぞれと同時に(2段階で)エッチングされるので、第1コンタクトホールCHpにおいて無機絶縁層12の側面と少なくとも部分的に整合する側面を有し、かつ、第2コンタクトホールCHtにおいて第1の誘電体層17の側面と少なくとも部分的に整合する側面を有し得る。このように、第2の誘電体層18のエッチングを2段階で行うことによって開口部18tを形成すると、第2コンタクトホールCHtの形成不良をより効果的に抑制でき、信頼性の高いタッチ配線コンタクト部が形成される。
【0146】
図11Aに例示するように、基板1の法線方向から見たとき、1回目のエッチングで、第2の誘電体層18に仮開口部18t’を形成した後、2回目のエッチングで、第1の誘電体層17に仮開口部18t’と交差する開口部17tを形成するとともに、第2の誘電体層18のうち開口部17tと重なる部分を除去して、開口部18tを形成してもよい。
【0147】
または、
図11Bに例示するように、STEP2−11のエッチング工程において、第2の誘電体層18に、比較的大きいサイズの開口部18tを形成した後、第1の誘電体層17を形成し、第1の誘電体層17に、基板1の法線方向から見たとき開口部18tの内側に位置するように開口部17tを形成してもよい。これにより、第2の誘電体層18および第1の誘電体層17によって階段状の側面を有する第2コンタクトホールCHtが形成されるので、第2コンタクトホールCHt上に形成されるタッチ配線TLのカバレッジが改善され得る。
【0148】
(第2の実施形態)
第2の実施形態のアクティブマトリクス基板は、画素電極の基板側に共通電極が配置されている点で、前述の実施形態と異なる。
【0149】
図12Aは、アクティブマトリクス基板105の表示領域DRの一部を示す拡大平面図であり、
図12Bは、
図12Aに示すXIIb−XIIb’線に沿った断面図である。これらの図では、
図2Aおよび
図2Bと同様の構成要素には同じ参照符号を付し、説明を省略する。また、以下では、
図2Aおよび
図2Bと異なる点を主に説明し、同様の構成については説明を省略する。
【0150】
アクティブマトリクス基板105では、層間絶縁層16上に、共通電極CEを含む第1の透明電極層、下部誘電体層17A、タッチ配線TLを含むタッチ配線層、上部誘電体層17B、および、画素電極PEを含む第2の透明電極層がこの順で形成されている。
【0151】
画素電極PEは、画素ごとにスリットまたは切り欠き部を有する。共通電極CEは、複数の共通電極部分CEaに分割されており、各共通電極部分CEaは、タッチセンサ用の電極(センサ電極)として機能する。また、共通電極CEは、ドレインコンタクト部上に開口部15pを有している。画素電極PEと共通電極CEとは、下部誘電体層17Aおよび上部誘電体層17Bを含む第1の誘電体層17を介して重なっている。
【0152】
タッチ配線コンタクト部では、タッチ配線TLは、下部誘電体層17Aに形成された開口部17At(第2コンタクトホールCHt)内で、共通電極CEにおける対応する1つの共通電極部分CEaに電気的に接続されている。タッチ配線TLと共通電極CEとは直接接していてもよい。この例では、タッチ配線TLは、金属膜から形成され、透明導電膜を含んでいない。
【0153】
画素コンタクト部では、画素電極PEは、下部誘電体層17A、上部誘電体層17B、有機絶縁層13および無機絶縁層12の開口部17Ap、17Bp、13p、12pから構成された第1コンタクトホールCHp内で対応する1つのTFT30のドレイン電極8dに電気的に接続されている。画素電極PEとドレイン電極8dとは直接接していてもよい。共通電極CEは、画素コンタクト部には形成されていない。つまり、第1コンタクトホールCHpは、共通電極CEの開口部15p内に配置されている。
【0154】
第1コンタクトホールCHpにおいて、開口部12pの側面と開口部13pの側面とは整合していてもよい。また、開口部17Apの側面と開口部17Bpの側面とが整合していてもよい。なお、製造プロセスによっては、開口部12pの側面の一部が開口部13pの側面と整合し、他の一部が上部誘電体層17Bの側面と整合していてもよい。
【0155】
TFT30、ソースコンタクト部およびドレインコンタクト部の構成は、アクティブマトリクス基板101と同様であってもよい。
【0156】
本実施形態でも、基板1の法線方向から見たとき、タッチ配線コンタクト部の第2コンタクトホールCHtと、ソースコンタクト部のソース側開口部11sとを、少なくとも部分的に重なるように配置する。また、画素コンタクト部の第1コンタクトホールCHpと、ドレインコンタクト部のドレイン側開口部11dとを、少なくとも部分的に重なるように配置する。これにより、コンタクト部に起因する画素開口率の低下を抑制できる。
【0157】
さらに、タッチ配線コンタクト部とソースコンタクト部(またはソース電極8s)との間に、平坦化膜としても機能し得る有機絶縁層13を介在させることで、これらのコンタクト部が互いに干渉を受けにくい。
【0158】
本実施形態でも、ドレインコンタクト部におけるドレイン側開口部11dと、タッチ配線コンタクト部における第2コンタクトホールCHtとは、
図5A〜
図5Dを参照しながら前述したように配置され得る。
【0159】
<アクティブマトリクス基板105の製造方法>
以下、
図13A〜
図13Dおよび
図14を参照しながら、アクティブマトリクス基板105の製造方法を説明する。
図13A〜
図13Dは、それぞれ、アクティブマトリクス基板105の製造方法の一例を示す工程断面図である。
図14は、アクティブマトリクス基板105の製造方法の一例を示すフローチャートである。以下の説明では、各層の形成方法、材料、厚さなどについて、前述の実施形態(アクティブマトリクス基板101など)と同様の場合には適宜説明を省略する。
【0160】
・STEP3−1〜3−7において、STEP1−1〜1−7と同様の方法で、TFT30を形成する。
【0161】
・STEP3−8
続いて、TFT30およびソースバスラインSLを覆うように、層間絶縁層16を形成する。ここでは、層間絶縁層16として、無機絶縁層12と、有機絶縁層13とをこの順で形成する。この後、有機絶縁層13のパターニングを行い、無機絶縁層12の一部を露出する開口部13pを形成する。次いで、開口部13pが形成された有機絶縁層13をマスクとして利用して、無機絶縁層12に開口部12pを形成する。
【0162】
・STEP3−9
続いて、
図13Aに示すように、層間絶縁層16上、および、開口部13pおよび開口部12p内に、第1の透明導電膜を形成し、パターニングを行うことにより、共通電極CEを含む第1透明電極層を形成する。第1の透明導電膜のうち、開口部13pおよび開口部12p内に位置する部分は除去される。
【0163】
・STEP3−10
次いで、
図13Bに示すように、共通電極CEを覆うように、下部誘電体層(厚さ:50〜500nm)17Aを形成する。下部誘電体層17Aの材料は、無機絶縁層12の材料として例示した材料と同じであってもよい。この後、下部誘電体層17Aのパターニングを行い、共通電極CE(共通電極部分CEa)の一部を露出する開口部17At(第2コンタクトホールCHt)と、ドレイン電極8dの一部を露出する仮開口部17Ap’とを形成する。仮開口部17Ap’は、開口部13pと少なくとも部分的に重なるように配置される。
【0164】
・STEP3−11
次いで、
図13Cに示すように、下部誘電体層17A上および第2コンタクトホールCHt内に、タッチ配線を形成するための金属膜を形成し、金属膜のパターニングを行うことにより、タッチ配線TLを得る。タッチ配線TLは、第2コンタクトホールCHt内で共通電極CE(共通電極部分CEa)と電気的に接続される。
【0165】
・STEP3−12
続いて、
図13Dに示すように、タッチ配線TLおよび下部誘電体層17A上に、上部誘電体層(厚さ:50〜500nm)17Bを形成する。上部誘電体層17Bの材料は下部誘電体層17Aと同じであってもよい。この後、レジストマスクを用いて、上部誘電体層17Bのパターニングを行い、ドレイン電極8dの一部を露出する開口部17Bpを形成する。このとき、上記レジストマスクを用いて、下部誘電体層17Aのうち開口部17Bpと重なる部分も同時にエッチングされ、下部誘電体層17Aに開口部17Apが形成される。なお、無機絶縁層12にエッチング不良等があった場合に、本エッチング工程で無機絶縁層12のうち開口部17Apと重なる部分も除去され得る。エッチング方法は、ドライエッチングでもウェットエッチングでもよい。このようにして、開口部12p、13p、17Apおよび17Bpから構成される第1コンタクトホールCHpが得られる。第1コンタクトホールCHpにおいて、開口部12pの側面と開口部13pの側面とが整合し、開口部17Apの側面と開口部17Bpの側面とが整合してもよい。
【0166】
開口部17Bpと下部誘電体層17Aの仮開口部17Ap’との配置関係は特に限定しない。例えば、仮開口部17Ap’は、基板1の法線方向から見たとき、開口部17Bpの内側に位置し、本エッチング工程で、開口部17Bpと整合する開口部17Apが形成されてもよい。あるいは、基板1の法線方向から見たとき、仮開口部17Ap’と交差するように開口部17Bpを形成してもよい。または、仮開口部17Ap’の内側に位置するように、開口部17Bpを形成してもよい。この場合には、仮開口部17Ap’はそのまま開口部17Apとなる。
【0167】
・STEP3−13
続いて、上部誘電体層17B上および第1コンタクトホールCHp内に第2の透明導電膜を形成する。この後、例えばウェットエッチングで、第2の透明導電膜のパターニングを行うことにより、画素電極PEを含む第2の透明電極層を得る。このようにして、
図12Aおよび
図12Bに示すアクティブマトリクス基板105を得る。
【0168】
上記方法では、上部誘電体層17Bのパターニングの際に、下部誘電体層17Aおよび無機絶縁層12も同時にエッチングされ得る。このため、下部誘電体層17Aの仮開口部17Ap’および/または無機絶縁層12の開口部12pに形成不良、位置合わせズレ等が生じた場合でも、上部誘電体層17Bのパターニングのためのレジストマスクを用いて、下部誘電体層17Aおよび/または無機絶縁層12を再度エッチングできる。この結果、第1コンタクトホールCHp内において、ドレイン電極8dと画素電極PEとの接触面積をより確実に確保でき、信頼性の高い画素コンタクト部が形成される。
【0169】
なお、STEP3−12において、基板1の主面1Sの法線方向から見たとき、開口部13pは、開口部17Bpの内側に位置していてもよいし、開口部17Bpが開口部13pの内側に位置していてもよい(
図15参照)。または、基板1の主面1Sの法線方向から見たとき、開口部17Bpと開口部13pとは交差するように配置されていてもよい。
【0170】
<アクティブマトリクス基板105の他の製造方法>
次に、
図16A〜
図16Dおよび
図17を参照しながら、アクティブマトリクス基板105の製造方法の他の例を説明する。
図16A〜
図16Dは、それぞれ、アクティブマトリクス基板105の他の製造方法を示す工程断面図である。
図17は、アクティブマトリクス基板105の他の製造方法を示すフローチャートである。
【0171】
・STEP4−1〜4−7において、STEP1−1〜1−7と同様の方法で、TFT30を形成する。
【0172】
・STEP4−8
続いて、TFT30およびソースバスラインSLを覆うように、層間絶縁層16を形成する。ここでは、層間絶縁層16として、無機絶縁層12と、有機絶縁層13とをこの順で形成する。この後、有機絶縁層13のパターニングを行い、無機絶縁層12の一部を露出する開口部13pを形成する。
【0173】
・STEP4−9
続いて、
図16Aに示すように、層間絶縁層16上および開口部13p内に第1の透明導電膜を形成し、第1の透明導電膜のパターニングを行うことにより、共通電極CEを含む第1の透明電極層を得る。第1の透明導電膜のうち開口部13p内に位置する部分は除去される。
【0174】
・STEP4−10
次いで、
図16Bに示すように、層間絶縁層16上および共通電極CE上に、下部誘電体層17Aを形成し、下部誘電体層17Aのパターニングを行う。これにより、下部誘電体層17Aに、タッチ配線TLの一部を露出する開口部17At(第2コンタクトホールCHt)を形成するとともに、開口部13pと少なくとも部分的に重なるように配置された仮開口部17Ap’を形成する。
【0175】
・STEP4−11
次いで、
図16Cに示すように、下部誘電体層17A上、第2コンタクトホールCHt内および開口部13p内に、タッチ配線を形成するための金属膜を形成し、金属膜のパターニングを行うことにより、タッチ配線TLを得る。
【0176】
・STEP4−12
次いで、
図16Dに示すように、タッチ配線TL上および下部誘電体層17A上に、上部誘電体層17Bを形成する。この後、上部誘電体層17Bおよび無機絶縁層12を、同じレジストマスクを用いてパターニングする。これにより、上部誘電体層17Bに、ドレイン電極8dの一部を露出する開口部17Bpを形成するとともに、無機絶縁層12の露出部分(開口部13pで露出された部分)のうち開口部17Bpと重なる部分が除去されて開口部12pが形成される。つまり、開口部12pは、基板1の法線方向から見たとき、開口部13pおよび開口部17Bpの両方と重なる部分に形成される。なお、開口部17Apの形成不良があった場合、下部誘電体層17Aのうち開口部17Bpと重なる部分も本工程でエッチングされ得る。このようにして、開口部12p、13p、17Apおよび17Bpから構成される第1コンタクトホールCHpが得られる。基板1の主面1Sの法線方向から見たとき、開口部13pと開口部17Bpとが交差するように配置された場合には、第1コンタクトホールCHpにおいて、開口部12pの側面の一部は開口部13pの側面と整合し、他の一部は開口部17Bpと整合してもよい。
【0177】
・STEP4−13
続いて、上部誘電体層17B上および第1コンタクトホールCHp内に第2の透明導電膜を形成し、第2の透明導電膜のパターニングを行うことにより、画素電極PEを含む第2の透明電極層を得る。このようにして、アクティブマトリクス基板105(
図12A、12B)を得る。
【0178】
上記方法では、上部誘電体層17Bと無機絶縁層12とを同時にエッチングするので、無機絶縁層12と上部誘電体層17Bとの位置合わせが不要になる。また、上部誘電体層17Bのパターニングの際に、下部誘電体層17Aも同時にエッチングされ得るので、下部誘電体層17Aの形成不良、位置合わせズレ等が生じた場合でも、上部誘電体層17Bのパターニングのためのレジストマスクを用いて、下部誘電体層17Aを再度エッチングできる。この結果、第1コンタクトホールCHp内において、ドレイン電極8dと画素電極PEとの接触面積をより確実に確保できるので、信頼性の高い画素コンタクト部が形成される。
【0179】
図示しないが、タッチ配線TLを含むタッチ配線層を、共通電極CEを含む第1の透明電極層の基板1側に設けてもよい。例えば、層間絶縁層16上に、タッチ配線層、第2の誘電体層18、共通電極CEを含む第1の透明電極層、第1の誘電体層17および画素電極PEを含む第2の透明電極層をこの順で形成してもよい。
【0180】
<変形例>
図18は、変形例のアクティブマトリクス基板107における画素コンタクト部を例示する断面図である。
【0181】
変形例では、第1コンタクトホールCHp内において、ドレイン電極8dと画素電極PEとの間に、島状金属層20が配置されている。ドレイン電極8dと画素電極PEとは、島状金属層20を介して電気的に接続されている。島状金属層20は、例えばタッチ配線TLと同じ金属膜を用いて(タッチ配線層内に)形成されている。例えば、
図13A〜
図13Dおよび
図14を参照して前述した方法において、下部誘電体層17Aに開口部17Apの形成工程(STEP3−10)の後、タッチ配線TL用の金属膜を形成し、金属膜をパターニングすことにより、タッチ配線TLおよび島状金属層20を形成してもよい(STEP3−11)。島状金属層20は、開口部17Ap、開口部13pおよび開口部12pから構成されるコンタクトホール内でドレイン電極8dと直接接するように配置されてもよい。この後、上部誘電体層17Bを形成し、上部誘電体層17Bに島状金属層20の一部または全部を露出する開口部17Bpを設けてもよい。共通電極CEは、開口部17Bp内で島状金属層20と接するように配置される。この構成によると、画素電極PEのカバレッジが改善され、より信頼性の高い画素コンタクト部が得られる。
【0182】
本発明による実施形態のアクティブマトリクス基板の構造は、
図1〜
図18を参照しながら説明した構造に限定されない。
【0183】
上述した例では、TFT30は、チャネル領域のチャネル長方向がy方向となるように配置されているが(TFT縦置き構造)、画素TFTは、チャネル長方向がx方向となるように配置されていてもよい(TFT横置き構造)。
【0184】
図19は、本実施形態のコンタクト部の配置関係を、TFT横置き構造のアクティブマトリクス基板に適用した例を示す平面図である。
【0185】
画素TFTであるTFT31は、チャネル長方向がx方向となるように配置されている。この例でも、基板1の法線方向から見たとき、タッチ配線コンタクト部の第2コンタクトホールCHtとソースコンタクト部のソース側開口部11sとは少なくとも部分的に重なり、画素コンタクト部の第1コンタクトホールCHpとドレインコンタクト部のドレイン側開口部11dとは少なくとも部分的に重なるように配置されている。これにより、これらのコンタクト部に起因する画素開口率の低下を抑制できる。
【0186】
TFT横置き構造では、第2コンタクトホールCHtと第1コンタクトホールCHpとをx方向に並べて配置することが可能になるため、遮光領域の幅(遮光範囲)Mをより小さくできる。ただし、このような配置は、画素サイズ(特に各画素のx方向の幅)が小さくなると困難である。これに対し、TFT縦置き構造は、画素サイズの小さい(例えば30μm以下)アクティブマトリクス基板に好適に用いられ得る。TFT縦置き構造に、本実施形態のコンタクト部の配置を適用することで、高精細であり、かつ、画素開口率の高いアクティブマトリクス基板を実現できる。
【0187】
なお、
図19では、画素電極PEの基板1側に共通電極CEが配置された例を示したが、共通電極CEの基板1側に画素電極PEが配置されてもよい。
【0188】
さらに、タッチ配線層、共通電極CEを含む透明電極層、および画素電極PEを含む透明電極層は、いずれも、層間絶縁層16の上に形成されていればよく、その順序は、
図2〜
図18に例示した順序に限定されない。いずれの場合でも、共通電極CEとタッチ配線TLとの間の絶縁体に第2コンタクトホールCHtが形成され、画素電極PEとドレイン電極8dとの間の絶縁体(層間絶縁層16を含む)に第1コンタクトホールCHpが形成される。
【0189】
画素TFTの構造も、特に限定されない。上記の第1および第2の実施形態では、画素TFTであるTFT30、31はいずれもトップゲート構造TFTであるが、酸化物半導体層7の基板1側にさらに他のゲート電極(下部ゲート電極と呼ぶ)を備えたダブルゲート構造TFTであってもよい。例えば、
図2Bに示す遮光層3にゲート信号を入力し、下部ゲート電極として機能させてもよい。この場合、ゲートバスラインGLは、ゲート電極10と同じ導電膜から形成されていてもよいし、下部ゲート電極と同じ導電膜から形成されていてもよい。
【0190】
あるいは、画素TFTは、ゲート電極が酸化物半導体層の基板側に配置されたボトムゲート構造TFTであってもよい。ボトムゲート構造TFTとして、例えば、ソース/ドレイン電極と酸化物半導体層との間にチャネル保護層(エッチストップ層)を有するエッチストップ型のTFTを用いてもよい。エッチストップ層には、酸化物半導体層を露出するソース側開口部とドレイン側開口部とが設けられる。基板1の法線方向から見たとき、エッチストップ層のソース側開口部とタッチ配線コンタクト部とを互いに重なるように配置し、ドレイン側開口部と画素コンタクト部とを互いに重なるように配置してもよい。
【0191】
(酸化物半導体について)
酸化物半導体層7に含まれる酸化物半導体は、アモルファス酸化物半導体であってもよいし、結晶質部分を有する結晶質酸化物半導体であってもよい。結晶質酸化物半導体としては、多結晶酸化物半導体、微結晶酸化物半導体、c軸が層面に概ね垂直に配向した結晶質酸化物半導体などが挙げられる。
【0192】
酸化物半導体層7は、2層以上の積層構造を有していてもよい。酸化物半導体層7が積層構造を有する場合には、酸化物半導体層7は、非晶質酸化物半導体層と結晶質酸化物半導体層とを含んでいてもよい。あるいは、結晶構造の異なる複数の結晶質酸化物半導体層を含んでいてもよい。また、複数の非晶質酸化物半導体層を含んでいてもよい。酸化物半導体層7が上層と下層とを含む2層構造を有する場合、上層に含まれる酸化物半導体のエネルギーギャップは、下層に含まれる酸化物半導体のエネルギーギャップよりも大きいことが好ましい。ただし、これらの層のエネルギーギャップの差が比較的小さい場合には、下層の酸化物半導体のエネルギーギャップが上層の酸化物半導体のエネルギーギャップよりも大きくてもよい。
【0193】
非晶質酸化物半導体および上記の各結晶質酸化物半導体の材料、構造、成膜方法、積層構造を有する酸化物半導体層の構成などは、例えば特開2014−007399号公報に記載されている。参考のために、特開2014−007399号公報の開示内容の全てを本明細書に援用する。
【0194】
酸化物半導体層7は、例えば、In、GaおよびZnのうち少なくとも1種の金属元素を含んでもよい。本実施形態では、酸化物半導体層7は、例えば、In−Ga−Zn−O系の半導体(例えば酸化インジウムガリウム亜鉛)を含む。ここで、In−Ga−Zn−O系の半導体は、In(インジウム)、Ga(ガリウム)、Zn(亜鉛)の三元系酸化物であって、In、GaおよびZnの割合(組成比)は特に限定されず、例えばIn:Ga:Zn=2:2:1、In:Ga:Zn=1:1:1、In:Ga:Zn=1:1:2等を含む。このような酸化物半導体層7は、In−Ga−Zn−O系の半導体を含む酸化物半導体膜から形成され得る。
【0195】
In−Ga−Zn−O系の半導体は、アモルファスでもよいし、結晶質でもよい。結晶質In−Ga−Zn−O系の半導体としては、c軸が層面に概ね垂直に配向した結晶質In−Ga−Zn−O系の半導体が好ましい。
【0196】
なお、結晶質In−Ga−Zn−O系の半導体の結晶構造は、例えば、上述した特開2014−007399号公報、特開2012−134475号公報、特開2014−209727号公報などに開示されている。参考のために、特開2012−134475号公報および特開2014−209727号公報の開示内容の全てを本明細書に援用する。In−Ga−Zn−O系半導体層を有するTFTは、高い移動度(a−SiTFTに比べ20倍超)および低いリーク電流(a−SiTFTに比べ100分の1未満)を有しているので、駆動TFT(例えば、複数の画素を含む表示領域の周辺に、表示領域と同じ基板上に設けられる駆動回路に含まれるTFT)および画素TFT(画素に設けられるTFT)として好適に用いられる。
【0197】
酸化物半導体層7は、In−Ga−Zn−O系半導体の代わりに、他の酸化物半導体を含んでいてもよい。例えばIn−Sn−Zn−O系半導体(例えばIn
2O
3−SnO
2−ZnO;InSnZnO)を含んでもよい。In−Sn−Zn−O系半導体は、In(インジウム)、Sn(スズ)およびZn(亜鉛)の三元系酸化物である。あるいは、酸化物半導体層7は、In−Al−Zn−O系半導体、In−Al−Sn−Zn−O系半導体、Zn−O系半導体、In−Zn−O系半導体、Zn−Ti−O系半導体、Cd−Ge−O系半導体、Cd−Pb−O系半導体、CdO(酸化カドミウム)、Mg−Zn−O系半導体、In−Ga−Sn−O系半導体、In−Ga−O系半導体、Zr−In−Zn−O系半導体、Hf−In−Zn−O系半導体、Al−Ga−Zn−O系半導体、Ga−Zn−O系半導体、In−Ga−Zn−Sn−O系半導体などを含んでいてもよい。