(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記左及び右のパッドアセンブリ弾性部材(69、70)のそれぞれの可動部分が、前記後側パネル(30)における交差領域(100)内で、前記複数の予ひずみ状態の弾性パネルストランド(40)のいくつかの1つ以上と交差する、請求項1に記載のパンツ。
前記吸収性コア構造体(65)は、その前側縁部(61)及び後側縁部(62)の片方又は両方に向かってテーパー形状であるか、又は厚さが徐々に薄くなっている、請求項1又は2に記載のパンツ。
前記サイドシーム(13)の下部より上に配置された、前記後側パネル(30)及び/又は前記前側パネル(20)における前記複数の弾性パネルストランド(40)の全て又は大部分が、10mm未満の平均長手方向間隔SSを有する、請求項1から5のいずれか一項に記載のパンツ。
前記サイドシーム(13)の下部より上に配置された、前記後側パネル(30)及び/又は前記前側パネル(20)における前記複数の弾性パネルストランド(40)の全て又は大部分が、400〜1000デシテックスの平均サイズを有する、請求項1から6のいずれか一項に記載のパンツ。
前記サイドシーム(13)の下部より上に配置された、前記後側パネル(30)及び/又は前記前側パネル(20)における前記複数の弾性パネルストランド(40)の全て又は一部が、50%〜290%の予ひずみ量を有し、前記予ひずみ量は、[((予ひずみ状態の単位長さ)−(非予ひずみ状態の単位長さ))/(予ひずみ状態の単位長さ)]×100%として表される、請求項1から7のいずれか一項に記載のパンツ。
前記後側パネル(30)は、前記サイドシーム(13)の前記下端より上に配置された前記横方向に延びる弾性パネルストランド(40)の第1の群と、前記サイドシーム(13)の前記下端より下に配置された前記横方向に延びる弾性パネルストランド(40)の第2の群とを含む、請求項1から8のいずれか一項に記載のパンツ。
前記弾性パネルストランドの第1の群は第1の平均長手方向間隔(SS)を有し、前記第1の平均長手方向間隔(SS)が前記弾性パネルストランドの第2の群の第2の平均長手方向間隔(SS)よりも小さい、請求項9に記載のパンツ。
【発明を実施するための形態】
【0008】
用語の定義
「〜よりも上方(above)」は、例えば
図1に示すような位置において、組み立てられたパンツの第1の特徴の位置に対する第2の特徴の位置を特徴付けるために使用される場合、第2の特徴が、第1の特徴よりも長手方向に腰縁部に近いことを意味する。逆に、同じ観点で、「〜よりも下方(below)」は、第2の特徴が、第1の特徴よりも長手方向に股部領域の最下範囲に近いことを意味する。「〜よりも上方(above)」は、例えば
図2に示すような位置における、開かれて広げられたパンツ構造の第1の特徴の位置に対する第2の特徴の位置を特徴付けるために使用される場合、第2の特徴が、第1の特徴よりも長手方向に腰縁部に近いことを意味する。逆に、同じ観点で、「〜よりも下方(below)」は、第2の特徴が、長手方向に、第1の特徴よりも長手方向軸の中心点に近いことを意味する。
【0009】
「横断方向」(CD)とは、不織布ウェブ材料、不織布材料自体、これらの積層体、又はこの材料が構成要素である物品の製造に関して、材料及び/又は物品を製造する製造ラインを通る材料の前進方向に実質的に垂直の、材料に沿った方向を指す。
【0010】
本発明の記載を通じて、付勢力が材料に加えられると、その材料又は複合体に実質的に損害を与える破裂又は破損を起こすことなく、その材料が元の弛緩時長さの少なくとも150%の伸長長さまで伸展することができ(すなわち少なくとも50%伸展可能)、かつ、その力が材料又は複合体から取り除かれると、その材料又は複合体がその伸長の少なくとも40%を回復する場合に、材料又は材料の複合体は「弾性」又は「エラストマー性」であるとみなされる。様々な例において、弾性的伸展性材料から力が取り除かれると、材料又は複合体は、その伸長の少なくとも60%、又は少なくとも80%さえも回復し得る。
【0011】
伸縮性積層体の「伸縮方向」は、積層体が最も容易に弾性伸長及び収縮を受ける方向である。予ひずみ状態で1つ以上の弾性部材が積層体に組み込まれる伸縮性積層体では、伸縮方向は、弾性部材(単数又は複数)が予ひずみを受ける方向である。伸縮積層体の「伸縮に対する横方向」は、伸縮方向に対して垂直の方向である。
【0012】
「フィルム」とは、1つ以上のポリマーで形成される材料の皮膚様又は膜様の層で、強化ポリマー繊維及び/又は他の繊維のウェブ様構造がその大部分を占める形態を有しないものを意味する。
【0013】
「横方向」は、パンツ及びその着用者に関して、着用者の身長方向に略垂直な方向、又は着用者が立っているときの水平方向を指す。
図2に示すようなパンツ前駆体構造に関して、「横方向」は、腰縁部11、12と略平行の方向を指す。
【0014】
「長手方向」は、パンツ及びその着用者に関して、その着用者の身長方向と略平行な方向、又は着用者が立っているときの垂直方向を指す。
図2に示すようなパンツ前駆体構造に関して、「長手方向」は、腰縁部11、12と略垂直の方向を指す。
【0015】
「機械方向」(MD)は、不織布ウェブ材料、不織材料自体、又はこれらの積層体の製造に関して、材料又は積層体を製造する製造ラインを通る材料又は積層体の前進方向に略平行な、材料又は積層体に沿った方向を指す。
【0016】
「不織布」は、方向性を有して又は無作為に配向した繊維の製造されたシート又はウェブであり、まず、繊維が広げられてバットを形成し、次いで、これを合わせ、摩擦、凝集、接着、あるいは局所的な圧縮及び/又は圧力、熱、超音波若しくは加熱エネルギーを加えることによって作成された1つ以上の結合パターン及び結合インプレッション、及びこれらの組み合わせによって結合される。この用語は、織地、編地、又は糸若しくはフィラメントでステッチ結合したものを含まない。繊維は、天然及び/又は人造のものであってもよく、ステープル及び/又は連続フィラメントでもよく、あるいはその場で形成されたものでもよい。市販の繊維は、約0.001mm未満〜約0.2mmを上回る範囲の直径を有し、短繊維(ステープル又はチョップドとして知られる)、連続単繊維(フィラメント又はモノフィラメント)、撚り合わせていない連続フィラメントの束(トウ)、及び撚り合わせた連続フィラメントの束(織り糸)のいくつかの異なる形態で売られている。不織布は、メルトブロー、スパンボンディング、スパンメルティング、溶剤紡糸、電界紡糸、カーディング、フィルムフィブリル化、溶融フィルムフィブリル化、エアレイイング、ドライレイイング、ステープルファイバーによるウェットレイイング、及び、当技術分野において既知のこれらの方法の組み合わせを含むがこれらに限定されない、多くの方法により形成されることができる。不織布の坪量は、通常、1平方メートル当たりのグラム数(gsm)で表される。
【0017】
不織布ウェブ、パネル又は吸収性コア構造体の構成要素に関する「z方向」は、一般に、機械方向及び横断方向に沿ってウェブ、パネル又は構成要素の大きな表面によって近似される面に直交又は垂直であることを意味する。
【0018】
特に言及されない限り、本明細書に表示されるパンツ構造(非限定的な例が
図2に示されている)の全ての寸法は、平らに広げられた構造で測定され、この構造の非弾性材料は、予ひずみ状態の弾性ストランド又は他の弾性部材の存在によって誘発される収縮に対し、その完全な長さ及び幅まで横方向及び長手方向に伸ばされている。
【0019】
可変特徴の一連の連続して狭くなる数又は値の範囲が記載されている場合はどこでも、その記載が、その範囲の上限と下限との任意の組み合わせを想定することを意図している。例えば、一連の範囲が「1〜10、より好ましくは3〜8」である場合、この記載は、「1〜8」及び「3〜10」をも包含することを意図している。しかし、このことは、特許請求の範囲に明示的に示されているような範囲の意味又は限界を暗に変えることを意図したものではない。
【0020】
説明
一般的なパンツ構造
図1は、ベルト型又はバルーン型の使い捨て吸収性パンツ10の一例を示す。
図2は、サイドシーム13から分離した前側パネル20及び後側パネル30を備えるパンツ構造を示し、得られた構造は、平らに広げられており、含まれる予ひずみ状態の弾性部材によって誘発される収縮に対して、種々の構成要素の完全な寸法まで伸ばされている。パンツ10は、前腰縁部11と後腰縁部12によって画定される腰開口部と、それぞれの脚開口縁部14によって画定される一対の脚開口部とを有していてもよい。パンツ10は、前側パネル20と後側パネル30とを有するベルト構造を備え、前側パネル20と後側パネル30はシーム領域13a、13bで接続してサイドシーム13を形成し、パンツ構造を完成させてもよい。サイドシーム13は、前側パネル20及び後側パネル30の側縁部に近接するシーム領域13a、13bが任意の好適な結合機構によって一緒に結合しているバットシームであってもよい。好適な結合機構としては、溶接/熱結合を挙げることができ、前側パネル20及び後側パネル30内のポリマー材料が、熱と圧力との組み合わせを印加することによって一緒に融合される。パンツ10はまた、前側パネル20及び後側パネル30の上に、これらの内側に置かれ、パンツの股部領域でこれらを橋渡す吸収性パッドアセンブリ50をも備えていてもよい。吸収性パッドアセンブリ50は、製造工程中に塗布されるホットメルト接着剤などの任意の好適な結合機構によって、前側パネル20及び後側パネル30の内側表面に結合していてもよい。
図2に示すように広げると、この構造は、長手方向軸200で実質的に鏡像の半分に長手方向に分けられ得る。
【0021】
ベルト/パネル構造
図2及び
図3を参照すると、パンツ10は、前側パネル20及び後側パネル30を含むベルト構造を備えていてもよい。
図2及び
図3に示す例では、前側パネル及び後側パネルの外側層22、32は、両パネルに共通する連続層から作られ、股部領域を通ってパンツの外側に沿っても包み込む。この構成はときに「ユニボディ」構造とも呼ばれる。別の可能な構成(図示せず)では、前側パネル20及び後側パネル30は、個別の分離した外側層を有し、共通の層を有せず、サイドシーム13及び吸収性パッドアセンブリによってのみ接続していてもよい。この代替的な構成はときに「マルチピース」構造と呼ばれる。
【0022】
示されている例では、前側パネル20及び後側パネル30のそれぞれの外側層22、32は、それぞれ不織布ウェブ材料の層から作られていてもよく、股部領域を通るパンツの外側層としても機能してよい。前側パネル20及び後側パネル30は、内側層21、31をも備えていてもよい。内側層21、31もまた、それぞれ不織布ウェブ材料の層(単数又は複数)から作られていてもよい。
【0023】
前側パネル20及び後側パネル30の内側層及び外側層21、31、22、32を形成するための構成要素として有用であり得る好適な不織布ウェブ材料としては、これらに限定されないが、スパンボンド、スパンレイド、溶融吹込、スパン溶融、溶媒スパン、電界紡糸、カード式、フィルムフィブリル化、溶融フィルムフィブリル化、エアレイド式、乾燥レイド式、湿式レイドステープルファイバー、及びポリマー繊維の一部又は全体で作られる他の不織布ウェブ材料が挙げられる。不織布ウェブ材料は、主にポリマー繊維から作られていてもよい。いくつかの例では、好適な不織繊維材料としては、これらに限定されないが、ポリオレフィン、ポリエステル、ポリアミド、又は具体的には、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)、ポリ乳酸(PLA)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、及び/又はこれらのブレンドなどのポリマー材料が挙げられ得る。いくつかの例では、繊維は、米国特許第5,266,392号に記載されるようなPP/PEブレンドから作られてもよい。不織布繊維は、脂肪族ポリエステル、熱可塑性多糖類若しくは他のバイオポリマーなどの構成要素から作られていてもよく、又はこれらを添加剤若しくは改質剤として含んでいてもよい。更に有用な不織布、繊維組成物、繊維と不織布との配合物、及び関連する方法が、米国特許第6,645,569号、同第6,863,933号、及び同第7,112,621号、同時係属中の米国特許出願第10/338,603号、同第10/338,610号、及び同第13/005,237号に記載されている。
【0024】
不織布ウェブ材料の個々の繊維は、単一成分又は複数成分であってもよい。複数成分の繊維は、二成分繊維(例えば、芯鞘配置又はサイドバイサイド配置)であってもよい。多くの場合、それら個々の成分は、ポリプロピレン若しくはポリエチレンなどのポリオレフィン、又はこれらのコポリマー、ポリエステル、熱可塑性多糖類、若しくは他のバイオポリマーを含む。
【0025】
不織布ウェブ材料は、外圧が加えられ、取り除かれたときに、良好な回復性を提供してもよい。不織布ウェブ材料は、例えば上述の種類のポリマー繊維から選択される異なる繊維のブレンドを含んでいてもよい。いくつかの例では、繊維の少なくとも一部は、らせん形状を有するらせん湾曲性を示してもよい。上述のように、繊維は二成分繊維を含んでいてもよく、二成分繊維は、それぞれが異なる材料(通常は、第1のポリマー材料と第2のポリマー材料)を含む個々の繊維である。サイドバイサイド型の二成分繊維の使用は、繊維にらせん湾曲性を付与するために有益であると考えられる。
【0026】
不織布ウェブ材料の柔軟性の触覚性及び/又は視覚性を高めるために、ハイドロエンハンスメント(hydroenhancement)、水流交絡法又はハイドロエンゴージメント(hydroengorgement)としても知られるハイドロジェット衝突によって処理してもよい。このような不織布ウェブ材料及び方法の例は、例えば、米国特許第6,632,385号及び同第6,803,103号、米国特許出願公開第2006/0057921号に記載されている。
【0027】
有用であり得る不織布ウェブの他の例としては、表記名XL−S70−26のAvgol Nonwovens LTD(テルアビブ、イスラエル)製のSMSウェブ(スパンボンド−メルトブローン−スパンボンドウェブ)、Pegas Nonwovens AS(ズノイモ、チェコ)製、表記名18 XX 01 00 01 00(XX=可変の坪量)のSSS(スパンボンド−スパンボンド−スパンボンド)ウェブ、Gulsan Sentetik Dok San VE TIC AS(ガズィアンテプ、トルコ)製の、表記名SBXXF0YYY(XX=可変の坪量、及びYYY=可変の横断方向幅)のSSSウェブ、First Quality Nonwovens Inc.(ヘイズルトン、ペンシルバニア)製、表記名SEH2503XXX(XXX=可変の横断方向幅)のHESB(ハイドロエンハンシンスドパンボンド)ウェブ、及び、二成分SSウェブと挙げることができる。
【0028】
層21、31、22、32のうち1つ以上を形成するための構成要素として有用な不織布ウェブ材料は、ある結合パターンで結合していてもよい。緩い(例えば、スパンレイド)繊維のバットが、一対のカレンダー結合ローラの間を、ニップを介して通り、それによって合わさり、ある結合パターンで結合し、機械方向及び横断方向の引張強度と寸法安定性を付与して、緩い繊維のバットを、密着した使用可能な不織布ウェブ材料へと変換してもよい。結合は、熱結合、機械的な結合、接着剤による結合、又はこれらの組み合わせを含んでいてもよいが、いくつかの状況では、熱結合が好まれ得る。熱結合は、繊維に熱を与え、カレンダー結合ローラ間のニップ中の結合突出部下でこれを溶融させて融合するように機能する加熱エネルギー源と共に、カレンダーローラ又は付随する装置の片方又は両方を供給することによって作られてもよい。ローラの片方又は両方は、ローラの円筒形表面から外側に放射状に延びる成形された結合突出部のパターンを有するように機械加工され、エッチングされ、又は他の様式で形成されていてもよい。ローラが、ローラの軸と平行に好適に近接して維持される場合、その間を通る繊維のバットは、結合突出部の下のニップに集中する圧力を受け、ニップを通り、結合突出部の下を通る繊維は、変形し、少なくとも部分的に溶解されて(加熱エネルギーを加えることによって)、結合を生成する。それぞれの結合は形状を有しており、結合は、カレンダー結合ローラ上の結合突出部の形状、パターン、間隔に実質的に対応するパターン及び間隔を有する。
【0029】
いくつかの例では、層21、31、22、32の1つ以上を形成するために使用される不織布ウェブ材料を結合するために使用される熱結合のパターンは、米国仮特許出願第62/331650号に記載される特徴を有していてもよい。
【0030】
図2及び
図3を参照すると、前側パネル20及び後側パネル30の片方又は両方の層21、31、22、32は、1つ以上の弾性部材、例えば、エラスタン(例えば、Invista(ウィチタ、カンザス)の製品であるLYCRA HYFIT繊維)などの弾性部材の複数の横方向に延びるストランド40を挟んでもよい。層21、31、22、32はそれぞれ、層間に堆積した接着剤によって、熱結合によって、圧縮結合によって、又はこれらの組み合わせによって、弾性ストランド40の周囲で結合してもよい。他の例では、1つ以上の弾性部材は、エラストマー材料で形成されたフィルムのストリップ又は断片とすることができる。しかし、弾性ストランドは、冷却、快適さ及び皮膚の健康という目的で、予ひずみのレベルを個々に設定し、その間の均一又は変動する長手方向の間隔を選択して設定し、ベルト積層体の高いレベルでの蒸気移動(通気性)を保存することによって与えられる可撓性のために、フィルムよりも好ましいことがある。この可撓性は、製造業者にとって、様々な着用者の解剖学的構造の様々な輪郭及びサイズに対するパンツ構造の適合性を高め、ベルト積層体に衣類に似た外観を付与するのに役立つ。(本明細書の目的のために、「ストランド」は、その最も長い寸法に対して垂直の断面を有する部材であり、その断面は、最も小さな寸法に対する最も大きな寸法のアスペクト比が、緩んでいない状態で2以下である。)
【0031】
また、弾性部材は、種々の他の材料から作られてもよく、他の材料としては、これらに限定されないが、ゴム、スチレンエチルブチレンスチレン、スチレンエチレンプロピレンスチレン、スチレンエチレンプロピレンスチレン、スチレンブタジエンスチレン、スチレンイソプレンスチレン、ポリオレフィンエラストマー、弾性ポリウレタン、及び当該技術分野で既知の他の弾性材料、並びにこれらの組み合わせが挙げられる。一部の実施形態では、これらの弾性部材は、任意数のストランド(又は、フィラメント)を有する、押出ストランド弾性材とすることができる。
【0032】
弾性ストランドは、使用される場合、50〜2000の範囲のデシテックス、又はこの範囲内の任意のデシテックス値のための任意の整数値、又はこれらの整数値のいずれかによって作られる任意の範囲を有するように選択されてもよい。しかし、本明細書の目的のために、サイドシーム13の下部の上にある前側パネル20及び/又は後側パネル30の主要部分を弾性化するために含まれる弾性ストランドは、400〜1000、より好ましくは500〜900、更により好ましくは600〜800のデシテックスを有することが好ましいであろう。一例では、パネルのウエストバンド領域(パネルの腰縁部11又は12のすぐ下の領域)は、これより大きなデシテックスを有する3〜12の弾性ストランドを含んでいてもよく、ウエストバンド領域の下にある複数のストランドは、これより小さなデシテックスを有する。より特定的な例では、パンツのウエストバンド領域は、400〜1000、より好ましくは500〜900、更により好ましくは600〜800のデシテックスを有する、3〜12、より好ましくは4〜10、更により好ましくは5〜10の弾性ストランドを含み得て、ウエストバンド領域より下であり、サイドシーム13の下端より上にある副巣のストランドは、300〜680、より好ましくは400〜580のデシテックスを有する。ウエストバンド領域により大きなデシテックスの弾性ストランドを使用することで、パンツの下の領域よりもこのウエストバンド領域で相対的に大きな張力を与えることができ、着用者の身体に対してウエストバンドの周囲で密に快適に保持するパンツが得られる。
【0033】
あるいは、弾性部材は、弾性フィルムの1つ以上の断片又はストリップであってもよい。弾性フィルムの例は、従来の特許出願に広範囲に記載されている(例えば、米国特許出願公開第2010/0040826号を参照)。このフィルムは、いくつかの副次層のうちの少なくとも1つ内で組み合わされた、様々な樹脂で作り出すことができ、それら副次層により、そのフィルムには種々の利点が提供される。弾性部材はまた、長い方の寸法が伸長方向に沿って配列している、スクリム、ストリップ、又は弾性材料のテープ片の形態であってもよい。
【0034】
ベルト構造の製造中に、弾性ストランド40などの1つ以上の弾性部材は、ベルト構造に組み込まれる際、所望の量まで長さ方向に予ひずみ(横方向に沿って)されてもよい。その後にベルトを緩めると、弾性ストランド40などの1つ以上の弾性部材は、その非予ひずみ状態の長さまで収縮する。これにより、挟んでいる層21、22及び/又は31、32が集合し、弾性ストランド40の長さに対して略横方向に(すなわち、長手方向に)延び、また、z方向にも延びる山と谷を有するラッフル又は集合部を形成する。予ひずみの方向は、積層体の伸縮方向に対応している。本明細書の目的のために、本明細書に記載の他の特徴と組み合わせて、前側パネル20及び/又は後側パネル30におけるストランド弾性部材40は、製造中に、50%〜290%、より好ましくは90%〜230%、更により好ましくは120%〜180%の量まで予ひずみされ、そのような予ひずみ状態でパネルの内側層と外側層との間に貼り付けられることが好ましいであろう。(ここで、弾性ストランド部材の予ひずみ量は、[((予ひずみ状態の単位長さ)−(非予ひずみ状態の単位長さ))/(予ひずみ状態の単位長さ)]×100%として表される。例えば、予ひずみ状態の弾性ストランドの単位長さが、非予ひずみ状態の長さの2倍であると、予ひずみ量が100%となる。)本明細書に記載するデシテックス及びストランドの間隔特徴の1つ以上を組み合わせることで、この範囲内の予ひずみレベルは、ベルト構造の快適さ、密に身体に沿うこと、着用者の身体を吸収性パッドアセンブリが包み込むようにベルトの長手方向の寸法にわたって滑らかに分布する適切な横方向の張力、弾性ストランド部材における予ひずみから生じる材料の多くの相対的に制御されたラッフル/集合体の山及び谷から得られる衣類のような外観のバランスがとれると考えられる。
【0035】
上述のように、ウエストバンド領域より下にあるものとは異なるデシテックスのウエストバンド領域弾性部材を有する更に特定の例では、ウエストバンド領域弾性部材は、製造中に、110%〜350%、より好ましくは150%〜290%、更により好ましくは180%〜240%の量までの予ひずみされてもよく、一方、ウエストバンド領域より下の弾性部材は、製造中に、50%〜290%、より好ましくは90%〜230%、更により好ましくは120%〜180%の量まで予ひずみされてもよい。
【0036】
弾性部材の予ひずみレベルが製造業者の仕様に含まれていない場合、その部材の既知の、又は容易に決定可能な伸長/ひずみ特性から、及び、ベルト構造積層体に組み込まれるときのその部材に導入される張力のレベルから、計算することができる、又は経験的に決定することができる。あるいは、予ひずみの量は、弾性部材の選択したサンプルについて、接着剤堆積装置の電源を切りつつ製造ラインで製品を製造し、次いで、接着していない領域で、部材の伸長時及び緩和時の長さを測定することによって、測定することができる。
【0037】
接続部分及び/又は層21、22及び31、32のそれぞれの対の間の結合の、互いに、また、弾性ストランド40に対するパターンの設計に、ラッフル又は集合体のサイズ(単数又は複数)及び形状(単数又は複数)が影響を受け、操作されてもよい。このサイズ(単数又は複数)と形状(単数又は複数)はまた、弾性ストランドの選択した長手方向間隔SSにも依存し、これによって操作されてもよい。
【0038】
上述のように、一例では、伸縮性積層体は、弾性伸長機構としての組み込まれた弾性ストランド40によって、弾性化されてもよい。弾性ストランド40は、積層前に接着剤が塗布されてもよく(例えば、ストランドコーティング法によって)、その結果、ウェブ層21、22及び/又は31、32が、互いにストランドを挟み込むために合わせられた場合、塗布された接着剤によって、ウェブ層がストランドの周囲で接着し、伸縮性積層体を生成する。弾性ストランドに塗布される接着剤は、積層体を保持するために使用される唯一の接着剤であってもよい。この構成は、ストランドをそれらの長手方向位置に層間で固定しながら、ストランドの間の層材料が互いに対して自由に移動することを可能とすることで、集合体/ラッフルを均一に生成し、優れた通気性を与えるのに役立つ。これに代えて、又はこれに加えて、積層の前に、層21、22及び/又は31、32の片方又は両方の層に接着剤を堆積させてもよく、あるパターンで堆積させてもよい。パターン化された接着剤の堆積物を不織布ウェブ基材に適用することによって伸縮性積層体の製造を可能にする方法の実施例が、米国特許第8,186,296号に記載されている。一例では、選択した接着パターンは、対応して設計されたローラの設計に影響を与える場合がある。塗布される接着剤のパターンは、ラッフル又は集合体のサイズ(単数又は複数)及び形状(単数又は複数)に影響を与えるように設計されてもよい。層21、22及び/又は31、32は、接着剤が堆積している位置で、互いに接着により接合及び/又は結合し、他の位置では互いに接合又は結合しておらず、あるいは自由に動くままであってもよく、その結果、物品の着用中に、積層体が移動し、伸びるときに、これらの層が互いに対してわずかに移動し、シフトしてもよい。
【0039】
種々のコーティング方法及び技術は、ストランドコーティング方法及び技術を含め、例えば、米国特許第5,340,648号、同第5,501,756号、同第5,507,909号、同第6,077,375号、同第6,200,635号、同第6,235,137号、同第6,361,634号、同第6,561,430号、同第6,520,237号、同第6,582,518号、同第6,610,161号、同第6,613,146号、同第6,652,693号、同第6,719,846号、及び同第6,737,102号に示される。使用される接着剤は、予ひずみ状態の弾性材料を基材に接続するために好適な弾性及び可撓性を有するホットメルト型接着剤であってもよく、例えば、Bostik、Inc.(ウォーワトサ、ウィスコンシン)から入手可能な、OMNIMELT BLOCKS 22 H2401F、又はZEROCREEPブランド、例えば、AVANCEであってもよい。
【0040】
不織布層21、22及び/又は31、32の片方又は両方の結合が熱カレンダー結合を用いて行われる場合、接合及び/又は結合パターンは、ラッフル又は集合体のサイズ(単数又は複数)及び形状に影響を与えるように設計されてもよい。いくつかの状況では、スパンレイド不織布ウェブが、あるパターンの熱結合で、5%〜20%の結合領域に結合することが望まれ得る。本明細書に記載される目的のために、結合領域が8%〜15%であることが望まれ得る。パターン形成された熱結合は、得られる結合した不織布ウェブの機械方向及び横断方法の伸長並びに寸法安定性を高める傾向があり、このことは、下流の変換及び処理操作において利益があり、ウェブから構成要素を作成する製品に引張強度と堅牢性を加える。しかし、熱結合はまた、一般に、得られる結合した不織布ウェブの剛性をも高める。このことは、製品表面の柔らかい感触を消費者が感じることに対し、悪影響を与える可能性がある。例えば、ウェブを、パンツ製品のベルト構造の層として使用する場合、ウェブに付与された剛性によって、消費者は、ベルト層を固い、又は粗い感触であると悪い方向に感じてしまう場合がある。この理由のために、いくつかの状況では、結合領域を、16%未満、12%未満、又は10%未満にまで制限することが望まれ得る。更に、伸縮性積層体に使用されるウェブの結合パターンに、米国仮特許出願番号第62/331650号に記載される特定の追加の特徴を付与することで、引張強度に加えて利点を与えつつ、ウェブが固くなるという悪影響を軽減することができる。上に引用した’650号出願に開示されているように、大部分の結合形状が不織布ウェブの機械方向よりも横断方向の方が長いパターンである不織布ウェブ材料結合パターンは、より制御された小さなラッフル又は集合体を生成する傾向があり、ベルト積層体が、より衣服に似た外観になる。
【0041】
作られるラッフル又は集合体の全体的な大きさを小さくするために、かつ本明細書に記載する特徴の任意の組み合わせと合わせて、サイドシーム13の下部より上方の弾性ストランド40の一部分又は全ての間の平均長手方向間隔SSが14mmを超えず、より好ましくは10mmを超えず、更により好ましくは7mmを超えず、更により好ましくは5mmを超えないことが望まれ得る。(ここで、隣接する弾性ストランド間の長手方向間隔は、これらの最も近い外側表面間の距離ではなく、これらの軸間の距離を指すと理解される。)実験を通して、この様式での弾性ストランド40の間隔を制限することは、制御された小さなサイズのラッフル又は集合体の生成を促進する効果があり、これにより、伸縮性積層体において衣服に似た外観を与え、又はこれを改良することも判定された。
【0042】
吸収性パッドアセンブリ
吸収性パッドアセンブリ50は、使い捨ておむつと吸収性パンツにみられる構成要素の任意の組み合わせを含んでいてもよく、これらに限定されないが、液体不透過性バックシート、液体透過性トップシート、トップシートとバックシートとの間に配置される吸収性コア構造体、及び弾性化した障壁カフを含む。このような吸収性パッドアセンブリ又は中央筐体の構成要素及び構成の例並びに記載は、米国特許出願第13/764,945号に見出され得る。ここで、記載されている筐体は、含まれてもよい構成要素及び特徴を含んでいる。本明細書に記載されるように、追加の特徴及びその組み合わせも、同様に含まれてもよい。
【0043】
図2、
図3及び
図4A〜
図4Cを参照すると、吸収性パッドアセンブリ50は、前端51、後端52、左縁部67及び右縁部68を有している。アセンブリ50は、液体透過性トップシート60と、液体不透過性バックシート66と、トップシートとバックシートとの間に配置された吸収性コア構造体65とを備えていてもよい。トップシート60は、尿が着用者に面する表面から吸収性コア構造体65まで、その間を自由に通過することを可能にしつつ、吸収性コア構造体の構成要素を含むように好適に選択された不織布ウェブ材料から作られてもよい。バックシート66は、吸収性コア構造体の構成要素を含むように、また、通常の使用条件下で、尿を含み、吸収性コア構造体から、これを通り抜けて外側に面する表面に向かう経路を防止するように好適に選択されたポリマーフィルム材料を含んでいてもよく、又はこのポリマーフィルム材料から少なくとも部分的に作られてもよい。いくつかの例では、バックシート66はまた、強度を加え、より衣類に似た感触を付与するために、不織布ウェブ材料から作られる外側層をも含んでもよい。いくつかの例では、バックシートフィルムは、通気性であるように作られてもよく、その結果、水性液体(尿)がその間を通り抜けるのを依然として防ぎつつ、水蒸気がその間を通り抜けることができ、着用者にとってパンツの快適さが向上するのに役立ち得る。好適なトップシート及びバックシート材料のための材料は、当該技術分野でよく知られている。トップシート及びバックシートの材料を、その外周で接続して結合し、任意の好適な結合機構(例えば、ホットメルト接着剤)によって、吸収性コア構造体65を含むエンベロープ構造を形成してもよい。
【0044】
吸収性パッドアセンブリ50は、一対の長手方向障壁カフ80、81を備えていてもよい。長手方向障壁カフ80、81は、アセンブリに接続するそれぞれの近接部分82、83と、アセンブリから離れて自由に延びて着用者の方に向かうそれぞれの自由縁部84、85とを有し、アセンブリが股部領域を通り、着用者の身体に沿って湾曲する場合、この自由縁部は、障壁カフの縁部弾性部材86、87によって長手方向に引っ張られる。障壁カフの縁部弾性部材86、87は、予ひずみ状態のままでカフ構造に組み込まれてもよく、このことにより、パンツが着用されたときに自由縁部に長手方向の張力が生じ、これらの縁部がアセンブリから離れて延び、着用者の身体の輪郭に沿うように集合する傾向となる。障壁カフは、効果的な液体不透過性材料(例えば、フィルム材料又は通気性であるが効果的に液体不透過性の不織布ウェブ材料)から形成されてもよく、吸収性コア構造体によって吸収される前に、放出された尿をパンツ内に含めておくのに役立ち得る。また、パッドアセンブリ50は長手方向縁部弾性部材69、70を備えてもよく、これらも予ひずみ状態でアセンブリに組み込まれていてもよく、これらによって、アセンブリの長手方向の左縁部及び右縁部67、68が、股部領域を通って着用者の脚の周囲に集まり、漏れを防ぎ、更に身体に沿うようになる。長手方向縁部弾性部材69、70は、図に示されるように、障壁カフ80、81及びトップシート60の材料の間に配設されてもよい。あるいは、これらは、トップシートとバックシートとの間、又はバックシートの外側に面する側の外側に配設されてもよい。
【0045】
また、障壁カフ、並びに関連する長手方向縁部構造及び弾性部材は、例えば、米国特許第8,939,957号、米国特許出願公開第2016/270978号、同第US2016/270971号、同第2016/270980号、同第2016/270985号、同第2016/270983号、同第2016/270979号、同第2016/270975号、同第2016/270981号、及び同第2016/270973号のいずれかに記載されるような材料から作られてもよく、記載されているように構成されてもよい。
【0046】
長手方向縁部弾性部材69、70及び障壁カフの縁部弾性部材86、87は弾性ストランドであってもよく、好ましくは、パネル20、30の弾性ストランド40と同じ材料のものである。また、弾性部材69、70、86、87の一部又は全ては、400〜1000、より好ましくは500〜900、更により好ましくは600〜800のデシテックスを有するように選択されてもよく、最も好ましくは、ウエストバンド領域のパネル20、30の弾性ストランド40と同じデシテックスを有するように選択され得る。弾性部材69、70、86、87はまた、50%〜290%、より好ましくは90%〜230%、更により好ましくは120%〜180%の予ひずみ量で、及び好ましくは(ウエストバンド領域の下にある)弾性ストランド40の予ひずみ量と同じ、又はもっと多い量まで、上述の構造に組み込まれてもよく、このような予ひずみ状態で、吸収性パッドアセンブリ内に固定されてもよい。長手方向縁部弾性部材69、70及び/又は障壁カフの縁部弾性部材86、87について上記のように限定された大きさ及び予ひずみレベルの弾性ストランド(パネル弾性ストランド40のような)を組み込むことは、偏って大きなレベルの張力を有し、パネルをその内側から長手方向に引っ張っている長手方向に向けられた弾性部材を含むことで、そうでなければ滑らかな外向きの外観のパネル20、30が明らかかつ/又は過剰に歪むのを防ぐのに役立ち得る。
【0047】
図3及び
図4A〜
図4Cは、互いに分離して示された構成要素を示す断面の概略分解図である。しかし、示されている材料は、互いに結合し、任意の好適な機構によって(例えば、熱結合によって、又は結合されるそれぞれの構成要素の間に堆積したホットメルト接着剤によって)、パンツアセンブリを形成してもよいことが理解されよう。この例について、トップシート60とバックシート66の材料は、その外周に沿って結合し、吸収性コア構造体65を入れるエンベロープ構造を形成してもよい。同様に、障壁カフ80、81の近接部分82、83は、ホットメルト接着剤などの任意の好適な機構によって、アセンブリのトップシート又は他の部分に結合していてもよい。
【0048】
吸収性コア構造体
吸収性コア構造体65は、前縁部61と、後縁部62と、最左縁部63と、最右縁部64とを有する。吸収性コア構造体65は、異なる液体取扱い機能及び保存機能を果たす1つ以上の層を有してもよい。図に示す例では、吸収性コア構造体65は、吸収性層71と捕捉層72とを有してもよい。吸収性層71は、尿などの水性液体を引き寄せて保持する傾向がある吸収性材料で形成されてもよい。いくつかの例では、吸収性層71は、吸収性ゲル材料(AGM)(超吸収性ポリマー(SAP)としても知られる)の粒子の分布を含んでもよい。
【0049】
吸収性コア構造体65は、基材層90を備えていてもよく、吸収性層71は、基材層90によって支持され、かつ固定された、超吸収性ポリマー粒子と、任意選択的にセルロース繊維とを含んでもよい。吸収性コア構造体65の例を
図4A〜
図4Cに示す。吸収性コア構造体の基材層90は、超吸収性ポリマー粒子を支持することができる任意の材料であってもよい。基材層90は、ウェブ又はシート材料、例えば、発泡体、フィルム、織布及び/又は不織布材料であってもよい。基材層90と吸収性層71は同一の広がりを有していてもよく、又は基材層90が吸収性層71よりわずかに長く、広くてもよい。
【0050】
上述のように、吸収性層71は、超吸収性ポリマー粒子、及び任意選択的にセルロース繊維を含んでいてもよい。吸収性層は、超吸収性ポリマー繊維などの他の形態で超吸収性ポリマーを含んでいてもよい。超吸収性ポリマー粒子は、以下に更に詳細に記載する。超吸収性ポリマー粒子は単独で使用してもよく、他の材料と組み合わせて使用してもよい。いくつかの例では、吸収性層は、セルロース繊維と物理的にブレンドされた超吸収性ポリマー粒子を含む。「セルロース」は、本明細書で使用される場合、セルロースパルプ繊維及び繊維の形態の粉砕された木材パルプを含み、これは、当該技術分野で「エアフェルト」とも呼ばれる。いくつかの例では、吸収性層は、70重量%を超える、又は80重量%を超える、又は90重量%を超える、又は95重量%を超える、又は100重量%の超吸収性ポリマー粒子を含む。いくつかの他の例では、吸収性層は、超吸収性ポリマー粒子と、5重量%未満のセルロース、又は2重量%未満のセルロースを含むか、又はセルロースを実質的に含まない。吸収性層がセルロースを含まない例では、吸収性層の唯一の吸収性材料は超吸収性ポリマー(粒子、繊維など)である。得られた吸収性コア構造体は、セルロース繊維を含む従来の吸収性コア構造体と比較して、乾燥状態で厚さが減らされている。厚さが減らされていることは、パンツの全体的な嵩高さを減らし、着用者にとってのパンツの適合性及び快適性を高めるのに役立つ。
【0051】
超吸収性ポリマー粒子は、例えば、熱可塑性接着性材料によって、基材層に固定されてもよい。
【0052】
「超吸収性ポリマー」(又は「SAP」)は、本明細書で使用される場合、Centrifuge Retention Capacity(CRC)試験(EDANA方法WSP 241.2−05E)を用いて測定した場合、それ自体の重量の少なくとも10倍の0.9%生理食塩水溶液を吸収することができる、架橋ポリマー材料である吸収性材料を指す。使用されるSAPは、具体的には、CRC値が20g/g超、又は24g/g超、又は20〜50g/g、又は20〜40g/g、又は24〜30g/gであってもよい。本発明で有用なSAPとしては、非水溶性ではあるが大量の流体を吸収できる種々の水膨潤性ポリマーが挙げられる。
【0053】
超吸収性ポリマーは、乾燥状態において流動性があるように、粒子形態であってもよい。典型的な粒子状超吸収性ポリマー材料は、ポリ(メタ)アクリル酸ポリマーから製造される。しかし、例えば、デンプン系の粒状超吸収性ポリマー材料を使用してもよく、同様に、ポリアクリルアミドコポリマー、エチレン無水マレイン酸コポリマー、架橋カルボキシメチルセルロース、ポリビニルアルコールコポリマー、架橋ポリエチレンオキシド、及びデンプンが接合したポリアクリロニトリルのコポリマーを使用してもよい。超吸収性ポリマーは、内部及び/又は表面架橋されたポリアクリル酸塩及びポリアクリル酸ポリマーであってもよい。好適な材料は、例えば、PCT特許出願公開第07/047598号、同第07/046052号、同第2009/155265号及び同第2009/155264号に記載される。一部の実施形態では、好適な超吸収性ポリマー粒子は、国際公開第2006/083584号に更に具体的に記載されるように、現況での最新技術の製造工程によって得ることができる。超吸収性ポリマーは、好ましくは内部架橋しており、すなわち、重合は、ポリマー網目構造にフリーラジカル共重合され得る2種類以上の重合可能な基を有する化合物の存在下で行われる。有用な架橋剤としては、例えば、エチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、メタクリル酸アリル、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリアリルアミン、テトラアリルオキシエタン(欧州特許第0530438号に記載されるもの)、欧州特許第0547847号、同第0559476号、同第0632068号、国際公開第93/21237号、同第03/104299号、同第03/104300号、同第03/104301号、ドイツ特許第10331450号に記載されるジアクリレート及びトリアクリレート、例えば同第10331456号及び同第10355401号に記載される更なるエチレン性不飽和基を含む、アクリレート基に加えて混合アクリレート、又は例えば同第19543368号、同第19646484号、国際公開第90/15830号、同第02/32962号に記載される架橋剤混合物、並びに同第2009/155265号に記載される架橋剤が挙げられる。超吸収性ポリマー粒子は、外側で表面架橋していてもよく、又はポスト架橋してもよい)。有用なポスト架橋剤としては、ポリマーのカルボキシレート基と共有結合を形成することができる2つ以上の基を含む化合物が挙げられる。有用な化合物としては、例えば、アルコキシシリル化合物、ポリアジリジン、ポリアミン、ポリアミドアミン、欧州特許第0083022号、同第0543303号、及び同第0937736に記載されるジグリシジル化合物又はポリグリシジル化合物、ドイツ特許第C3314019号に記載される多価アルコール、ドイツ特許第A4020780号に記載される環状カーボネート、2−オキサゾリドン及びその誘導体、例えば、同第A19807502号に記載されるようなN−(2−ヒドロキシルエチル)−2−オキサゾリドン、同第A19807992号に記載されるようなビス−及びポリ−2−オキサゾリドン、同第A19854573号に記載されるような2−オキソテトラヒドロ−1,3−オキサジン及びその誘導体、同第A19854574号に記載されるようなN−アシル−2−オキサゾリドン、同第A10204937号に記載されるような環状尿素、同第A10334584号に記載されるような二環状アミドアセタール、欧州特許第1199327号に記載されるようなオキセタン及び環状尿素、並びに国際公開第03/031482号に記載されるようなモルホリン−2,3−ジオン及びその誘導体が挙げられる。
【0054】
SAPは、例えば、ナトリウム対イオンを有する、60%〜90%、又は約75%の中和度を有する、ポリアクリル酸/ポリアクリレートポリマーから形成されてもよい。好適なSAPはまた、例えば、米国特許第4,340,706号及び同第5,849,816号に記載されるような逆相懸濁重合、又は米国特許公開第2009/0192035号、同第2009/0258994号、及び同第2010/0068520号に記載されるような噴霧液相分散重合又は他の気相分散重合から得てもよい。一部の実施形態では、好適なSAPは、国際公開第2006/083584号の12頁23行目〜20頁27行目により具体的に記載されるような現況最新技術の製造工程によって得ることができる。
【0055】
吸収性層71は1種類のSAPのみを含んでいてもよいが、異なる種類又は組成のSAPのブレンドをも含んでもよい。超吸収性ポリマーの流体透過性は、欧州特許出願第12174117.7号で開示されている試験にて測定されるように、尿透過率測定試験(UPM)値を用いて定量化され得る。SAPのUPMは、例えば、少なくとも10×10
−7cm
3・秒/g、又は少なくとも30×10
−7cm
3・秒/g、又は少なくとも50×10
−7cm
3・秒/g、又はそれより多く、例えば、少なくとも80又は100×10
−7cm
3・秒/gであってもよい。流動特性はまた、吸収性コアに使用されるSAPの量及び分布を変動させることで調整することができる。
【0056】
超吸収性ポリマー粒子は、球状、球状に似た形状、楕円形、又は逆相懸濁重合から得られ得る種類の不規則な形状(例えば、卵形)の粒子であってもよい。粒子は、より大きな不規則な粒子凝集体を形成するために、任意選択的に、少なくともある程度、凝集させることもできる。
【0057】
いくつかの例では、吸収性層は、実質的にセルロースを含んでいなくてもよい。エアフェルト及びその他のセルロース繊維は、使い捨ておむつの吸収性コアの吸収性充填剤として使用されてきた。このような繊維は吸収特性をも有し、吸収性層にある程度の吸収能を付与するが、超吸収性ポリマー粒子の分散した粒子を保持するための構造マトリックスを与えるために含まれてもよい。そのような粒子の含有は吸収能力を強化する一方で、そのような粒子を適切に分散した状態に保つことは、使用中に粒子が吸収された液体によって膨潤する際に「ゲルブロッキング」が生じ、粒子の堆積物を液体が通過することを可能とする粒子間の通路を遮断して吸収能力を低下させることを防止するうえで重要であり得る。超吸収性ポリマー粒子のマトリックスとしてエアフェルト又は他のセルロース繊維を含むことは、ゲルブロッキングを減らすか、又は防ぐのに作用し得る。しかしながら、このことはまた、あらゆる液体を吸収する前にも吸収性層に嵩高さをも付与する。吸収性層の全体的なサイズ及び/又は厚さを減らし、それによって、着用者の快適さを向上し、包装及び運送の体積効率のためにパンツの嵩高さを減らすために、性能の制約の中で可能な最も小さな体積のコア材料を用いて吸収性コアを構築することが望まれ得る。この目的に対し、好適な吸収性コア構造体のために好適な材料及び構成体の例は、これらに限定されないが、米国特許出願第12/141,122号、同第12/141,124号、同第12/141,126号、同第12/141,128号、同第12/141,130号、同第12/141,132号、同第12/141,134号、同第12/141,141号、同第12/141,143号、及び第12/141,146号、並びに国際公開第2008/155699号に記載されている。一般に、これらの出願は、超吸収性ポリマー粒子の粒子と組み合わせたセルロース繊維のエアフェルト又は他の形態を含む必要性を最小限にするか、又はなくすための吸収性層の構成体(「実質的にセルロースを含まない」構造)を記載する。超吸収性ポリマー粒子の堆積物を作成する好適な方法は、更に、例えば、欧州特許出願公開第1621167(A2)号、同第1913914(A2)号及び同第2238953(A2)号に開示されている。
【0058】
超吸収性ポリマー粒子は、基材層に分配されて固定されてもよい。固定は、熱可塑性接着性材料を塗布することによって達成されてもよく、超吸収性ポリマー粒子と、存在する場合にはセルロースとを基材層上に保持し、固定する。いくつかの熱可塑性接着性材料もまた、超吸収性ポリマー粒子の層及び基材層に浸透し、更なる固定及び固着を与えてもよい。熱可塑性接着性材料は、基材層の上に超吸収性ポリマー粒子を固定するのに役立つだけではなく、任意の含まれる溝の完全性を維持するのにも役立ち得る(以下に更に記載する)。熱可塑性接着性材料は、かなりの量の超吸収性ポリマー粒子が溝に移動するのを防ぐのに役立ち得る。
【0059】
本開示で使用するのに好適な熱可塑性接着剤には、少なくとも熱可塑性ポリマーを、可塑剤、並びに粘着付与樹脂などの他の熱可塑性希釈剤及び抗酸化剤などの添加剤と一緒に含む、ホットメルト接着剤が含まれる。好適なホットメルト接着材料の例は、欧州特許出願公開第1447067(A2)号に記載されている。
【0060】
いくつかの例では、
図5に示唆されるように、尿の漏れ及び/又は流出のリスクを減らすために、含まれる任意の長手方向溝73が、吸収性コア構造体65又は吸収性層71の前縁部及び後縁部61、62の片方又は両方に向かう経路の全てに延びていないことが望まれ得る。吸収性層71は、それぞれの横方向の縁部に沿って、かつ当該縁部に隣接して、吸収性層71の最左縁部63から最右縁部64までの吸収性層の横方向に延びる溝のない超吸収性ポリマー粒子の末端堆積部を含んでいてもよい。同様に、任意の横方向溝74が、吸収性コア構造体65及び/又は吸収性層71の最左縁部及び最右縁部63、64にまで延びていないことが望まれ得る。吸収性層71は、それぞれの長手方向の縁部に沿って、前縁部61から後縁部62まで吸収性層71の長さだけ延びている溝のない超吸収性ポリマー粒子の側部堆積部を含んでもよい。
【0061】
図4B及び
図5を参照すると、吸収性層71は、複数の長手方向及び/又は横方向溝73、74を含んでいてもよい。「溝」は、本明細書で使用される場合、吸収性層71のz方向の厚さを通って部分的又は全体的に延びる、吸収性層71の超吸収性ポリマー粒子の堆積によって作られる谷部又は他の識別可能な細長い経路を指し、吸収性コア構造体によって占められる空間において、超吸収性ポリマー粒子の単位空間体積密度あたりの質量が比較的小さい領域によって特徴付けられるか、又は超吸収性ポリマー粒子を実質的に含まない(すなわち、吸収性コア構造体のこのような体積(長手方向溝又は横方向溝)に超吸収性ポリマー粒子が実質的に存在しない)領域によっても特徴付けられる。溝は、示されているように実質的にまっすぐであってもよく、又は湾曲していてもよい。溝は、平均幅が少なくとも3mmであってもよい(溝の平均幅は、長い方の境界の間の平均距離として定義される)。
【0062】
溝は、永久的であってもよい。永久的とは、溝の完全性が、乾燥状態及び濡れた状態の両方で実質的に維持される、すなわち、溝は、濡れに対する影響に実質的に耐性があり(例えば、水に不溶性の材料によって構造が維持される)、かつ超吸収性ポリマー粒子の膨潤によって生じる材料の機械応力、それらから生じる構造内の圧力、及び着用者の身体の移動に実質的に耐えることを意味する。永久的な溝は、超吸収性ポリマー粒子を基材層に固定することによって、例えば、吸収性層の上に熱可塑性接着性材料を塗布することによって形成されてもよい。本開示の吸収性層はまた、溝に沿って第1の基材層90及び第2の基材層91を永久的に結合することによって永久的な溝を形成し、それによって、一例では、超吸収性ポリマー粒子堆積物を別個に包み込んで含んでもよく、よってその間に溝を画定するようなチャンバを形成する。接着剤を使用して、溝に沿って基材層90、91を一緒に結合させてもよいが、他の手段、例えば、超音波結合、加圧結合又は熱結合によって、基材層を一緒に結合することができる。支持層は連続的に結合してもよく、又は溝に沿って断続的に結合してもよい。
【0063】
図4B及び
図5に示すように、吸収性層71は、2つの長手方向溝73をその中に有していてもよく、その結果、吸収性層は、少なくとも吸収性パッドアセンブリの股部領域で、溝によって長手方向に3つの部分に分けられる。いくつかの例では、2つの溝は、吸収性層71の長さに沿って、少なくとも15%、又は少なくとも20%、又は少なくとも30%から、50%まで、70%まで、又は90%まで、長手方向に延びていてもよい。いくつかの例では、長手方向溝は股部領域にのみ存在し、前縁部及び後縁部61、62に近接した領域には存在しなくてもよい。股部領域にのみ存在する場合、溝は、股部領域の長手方向全体(例えば、吸収性層の長さの約50%)にわたって延びてもよく、又は、溝は、股部領域の一部(すなわち、吸収性層の長さの少なくとも15%、又は少なくとも20%、又は少なくとも30%から、40%まで、又は45%まで、又は50%未満まで)にのみ延びてもよい。いくつかの例では、長手方向溝73は、股部領域、又はその一部と、前側領域の一部及び/又は後側領域の一部に存在してもよい(
図5に示すように)。いくつかの例では、溝は、前側領域及び股部領域に存在してもよく、すなわち、溝は、股部領域(又はその一部)から前側領域へと延びてもよい。いくつかの例では、溝は、後側領域及び股部領域に存在してもよく、すなわち、溝は、股部領域(又はその一部)から後側領域へと延びている。長手方向溝73は、パンツの長手方向軸200に対して互いに鏡像であってもよく、すなわち、左の長手方向領域中の溝は、吸収性層71の右の長手方向領域中の溝の鏡像であってもよい。
【0064】
長手方向溝73は、実質的にまっすぐであってもよく、パンツの長手方向軸200(
図2に示す)に対して実質的に平行に走っていてもよい。まっすぐな溝は、吸収性コア構造体中のヒンジ構造として作用してもよく、パンツが着用されるときに、溝73の周囲で吸収性コア構造体が横方向に曲がり、それによって、股部領域を通って横方向に沿って着用者の解剖学的構造によりよく沿わせるのに役立ち、流体漏出物が完全に吸収される前に、吸収性コア構造体が流体漏出物を受け入れて含むようによりよく適した容器形状を形成するのにも役立ち得る。長手方向に延びた溝73はまた、吸収性層71内の超吸収性ポリマー粒子の堆積物の長さに沿った流体輸送及び分布を向上させ、それによって、液体吸収の速度を速めるのにも役立ち得る。
【0065】
あるいは、長手方向溝は、湾曲していてもよく、及び/又は弓状であってもよい。長手方向に延びているが湾曲している溝はまた、吸収性コア構造体中のヒンジ構造としても作用してもよく、これは、吸収性コア構造体が横方向に曲がり、それによって、股部領域において横方向に沿って着用者の解剖学的構造によりよく沿うのに役立ち得る。したがって、溝は、改良された流体の輸送及び分布を可能にすることに加え、快適で優れた適合性を付与するのに寄与し得る。
【0066】
吸収性層に作られる長手方向に向いている溝は、吸収性層内の超吸収性ポリマー粒子の堆積物の長さに沿って流体(例えば、尿)を輸送し、分布し、それによって、収集及び吸収の速度を高めるのに役立ち得る。しかし、超吸収性ポリマー粒子の堆積物を含むか、又はこれを画定する、これに対応して画定される長手方向溝又は他の構造は、粒子が流体を吸収し、膨張し、互いに押し合うため、高い内圧を発生させる場合がある。この圧力は、吸収性コア構造体に対して、長手方向に構造を固くする効果を有していてもよい。この内圧によって、吸収性コア構造体が着用者の脚の間を包み込むときに、吸収性層が着用者の下胴部の周囲及びその下で容易に湾曲せず、長手方向にまっすぐになる傾向が生じる。この固くなる効果は、濡れたときに物品の垂れ下がった外観又はへこんだ外観を生成するのを防ぐのに役立ち得る。一方、この固くなる効果によって、吸収性コア構造体の前端及び後端が着用者の身体から離れて前方向及び後方向に膨らみ、吸収性層の前縁部及び後縁部に近接する、容易に気づくことができ、醜く、潜在的に不快な膨らみを作り出してしまうことを発見した。この影響は、パンツ構造のいくつかの代替的な構成のうち1つ以上によって軽減し得ることが発見された。
【0067】
図5で示唆されるように、吸収性層71は、パンツの流体輸送を高め、及び/又はパンツの適合性を改良するために、更なる横方向溝74を有していてもよい。溝に関する上述の記載は、任意の横方向溝74にも等しく適用され得る。横方向溝は、
図5に示唆されるように、まっすぐであってもよく、又は湾曲していてもよいが、その長い方の寸法は、好ましくは、長手方向よりも横方向の方によりよく整列している。
【0068】
図5で示唆されるように、いくつかの例では、吸収性層は、1つ以上の横方向溝74も有していてもよい。横方向溝74は、主に横方向に向いた長い寸法を有していてもよく、又は、パンツの長手方向軸200(
図2に示す)に対して実質的に垂直であってもよい。横方向溝74は、吸収性コア構造体を、その周囲に長手方向に曲げることができ、それによって、前側から後側までの脚の間の着用者の下胴部の周囲及び下を包むときに長手方向に沿って着用者の解剖学的構造に沿うことができるように、横方向のヒンジ構造として作用してもよい。このことは、吸収性層71に尿が入ると起こり得るような、長手方向溝によって悪化し得る長手方向に固くなるのを軽減するのに役立ち得る。
【0069】
横方向溝74は、吸収性層71の横方向の寸法の少なくとも10%、又は少なくとも15%、又は少なくとも20%の距離にわたって延びていてもよい。横方向溝74は、吸収性層71の横方向の寸法の90%まで延びていてもよい。横方向溝74は、吸収性層71の横方向の寸法の30%又は45%まで延びていてもよい。いくつかの例では、横方向溝74は、
図5に示唆されるように、長手方向溝73を接続してもよい。いくつかの例では、横方向溝74は、長手方向溝73とは別個に分離していてもよい。
【0070】
いくつかの例では、溝73及び/又は74を画定する吸収性層71の構造と、超吸収性ポリマー粒子の堆積物を含む対応する溝を含まない体積の部分は、乾燥時の第1の構成から、濡れたときの第2の構成(例えば、吸収性層の(吸収された流体の重量に対する)合計吸収能の4分の1、3分の1、半分、3分の2又はもっと多く)まで構造を変化させる特徴を与え得る。例えば、超吸収性ポリマー粒子の別個の堆積物を含むか、又は画定し、これらの間に溝を画定する、溝又は他の構造を形成するために使用される材料は、濡れたときに構造を変えるような構成であってもよい。一例では、吸収性コア構造体65は、乾燥時の第1の構成と、濡れたときの第2の構成(例えば、吸収能の半分より多くまで)を有していてもよい。このことを可能にするために使用可能な1つの機構は、超吸収性ポリマー粒子を包み込む基材層を固定し、溝を画定する、水溶性又は他の様式で放出可能な接着剤であってもよい。濡れると、及び/又は超吸収性ポリマー粒子の堆積物の膨潤から基材層に対して外向きの圧力がかかると、接着剤が放出され、超吸収性ポリマー粒子の膨潤した堆積物は、溝によって前に画定されている体積内で膨張することができ、その後、大きさが小さくなり、又は消えてしまい得る。このことは、吸収性層71と吸収性コア構造体65内の圧力を緩和する効果を有していてもよく、そのことは上述の長手方向に固くなる効果を低減し得る。したがって、溝の利点(可撓性、適合性及び流体分布の向上)は、パンツが実質的に濡れる前に享受されることがあり、溝の欠点(剛性)は、ときにパンツが実質的に濡れた後に軽減され得る。
【0071】
この溝構造の変化は、単独で利用してもよく、又は限定されないが、本明細書に記載する任意の構成を含み、任意の望ましい構成の永久的な溝構造と組み合わせてもよい。
【0072】
吸収性層、吸収性コア構造体及び/又は溝の構成はまた、米国特許出願公開第2014/0163511号、同第2014/0163503号、同第2014/0163501号、同第2014/0163500号、同第2012/0316526号、同第2012/0316528号、同第2014/0163501号、及び同第2014/0371701号、並びに米国特許出願第14/598783号に記載される任意の特徴をも有していてもよい。
【0073】
いくつかの例では、
図3、
図4A〜
図4C及び
図5〜
図7で示唆されるように、吸収性コア構造体65は、トップシートと、吸収性層71の着用者に面する側との間に配置された捕捉層72を備えていてもよい。捕捉層72は、吸収性層71が尿を捕捉し、保持(吸収)できるまで尿の一時的な容器として作用する構造内の格子型の構造を与えつつ、尿の流れにおいて機械エネルギーを分散し、消散させるような構成の開放した高度に多孔性の構造を与える1つ以上の材料から形成されてもよい。捕捉層72は、単一層又は複数の副次層(例えば、着用者の皮膚に最も近い上側捕捉副次層と、上側捕捉層と吸収性層71との間に配置された下側捕捉副次層)からなっていてもよい。捕捉層72は、吸収性層と直接的に接触するように配置されてもよい。溝が吸収性層71中に存在するところでは、捕捉層72を形成する材料は、溝又はその一部へと延びていてもよく、又はその中を満たしていてもよい。このことは、いくつかの状況では、漏れる可能性を増やし得るような、溝を通る未吸収の尿の速い制限されない流れを防ぐために、好ましいであろう。いくつかの例では、捕捉層、又はその副次層が、溝を画定する基材層に結合し、それにより、捕捉層に合う表面輪郭を与えてもよい。
【0074】
捕捉層72は、例えば、粉砕したセルロース繊維、又は他の親水性の天然、半合成又は合成の繊維、又はマット、層若しくは他の本体を形成するために使用可能な他の材料から作られるか、又はこれらを含む例えば、層、マット若しくは他の本体の形態を有していてもよい。
【0075】
一例では、上側捕捉副次層及び下側捕捉副次層の片方又は両方が、繊維の不織布マットを含んでいてもよく、これは親水性であってもよい。更に、特定の例によれば、上側捕捉層及び下側捕捉層の片方又は両方は化学的に架橋したセルロース繊維を含んでいてもよく、それは不織布材料の一部を形成していてもよく、又は形成していなくてもよい。ある例によれば、上側捕捉層は架橋したセルロース繊維なしで不織布を含んでもよく、下側捕捉層は化学的に架橋したセルロース繊維を含んでいてもよい。更に、ある例によれば、下側捕捉層は、天然又は合成のポリマー繊維などの他の繊維と混合した、化学的に架橋したセルロース繊維を含んでいてもよい。実施例の例によれば、このような他の天然又は合成のポリマー繊維は、高い表面積の繊維、熱可塑性結合繊維、ポリエチレン繊維、ポリプロピレン繊維、PET繊維、レーヨン繊維、リヨセル繊維、ユーカリ繊維、及びこれらの混合物を含んでいてもよい。上側捕捉層及び下側捕捉層のための適切な不織布材料としては、これらに限定されないが、スパンボンドされ、溶融吹込され、更にスパンボンドされた層を含むSMS材料が挙げられる。特定の例では、永久的に親水性の不織布、特に、耐久的親水性コーティングされた不織布が望ましい。別の好適な例は、SMMS構造体を含む。特定の例では、不織布は多孔質である。
【0076】
密に身体に沿い、目立たなさを向上させる特徴
コア溝
上述のように、吸収性層71は、1つ以上の溝73、74を有するように形成されてもよい。本明細書の目的のために、吸収性層は、吸収性コア構造体の前縁部61からの吸収性コア構造体の全長Lの20%以下に配置される少なくとも1つの横方向溝74を有することが望まれ得る。(本明細書の目的のために、吸収性コア構造体65の長さLは、吸収性層71と捕捉層72(存在する場合)を合わせた、最も前側にある前縁部61から、最も後側にある後縁部62までを測定する。)このような横方向溝は、ヒンジとして作用し、ベルト(前側パネル及び後側パネル)の構造によって発せられる力に応じて、吸収性コア構造体の前側部分が着用者の方に容易に曲がることができる屈曲部の横方向の線を与え、それによって、着用者の解剖学的特徴によりよく沿い、密な適合性が向上し、漏れる可能性を減らし、パンツの外観の目立たなさを改善する。同様の理由のために、吸収性層が、吸収性コア構造体の後縁部62からの全長Lの20%以下にて配設される第2の横方向溝74を有することが望まれ得る。
【0077】
また、捕捉層72は、吸収性コア構造体65の可撓性を更に高めるために、その中に1つ以上の溝を有していてもよい(具体的に図示していない)。捕捉層72は、平面視で吸収性層71内に存在する溝と整列する/上側に隣接する1つ以上の溝を有していてもよく、そのことで、吸収性コア構造体の、整列され、上側に隣接する/下側に隣接する溝によって画定される、吸収性層71及び捕捉層72の両方に存在する薄い領域が一緒に作用して、吸収性コア構造体65全体に可撓性の「ヒンジ」領域を与える。あるいは、吸収性層71内の溝と、捕捉層72内の溝は、平面視で位置をずらして配置されてもよく、そのことで吸収性コア構造体65の全体の可撓性が溝によって向上するが、吸収性層71及び捕捉層72内の整列し、上に隣接する/下に隣接する溝によって作られるヒンジ領域は明確には画定されない。
【0078】
他の例では、捕捉層72は、吸収性層71について上に記載し、図面に示した配置で、1つ以上の溝を有して作られてもよいが、一方で吸収性層71には溝が作られない。この構成は、吸収性層71が捕捉層72より、比較的薄い(z方向に)、及び/又は既に固有に可撓性である構造において、望まれ得る。
【0079】
テーパー形状の吸収性コア構造体吸収性材料の輪郭を形成する分布
図3及び
図4Cからわかるように、吸収性コア構造体65の1つ以上の層は、そのz方向の厚さが、末端及び側縁部に向かって小さくなるようにテーパー形状であってもよい。この特徴は、単独で、又は溝と組み合わせて、ベルト(前側パネル及び後側パネル)の構造によって発せられる力に応じて、このような部分が着用者の方に容易に曲がることができるようにもし、それによって、着用者の解剖学的特徴によりよく沿い、密な適合性が向上し、漏れる可能性を減らし、パンツの外観の目立たなさを改善する。更に、テーパー形状から得られる吸収性コア構造体65の比較的薄い横方向及び/又は長手方向縁部によって、着用している間に、縁部が、パンツの外側輪郭に十分に画定されて目に見える欠陥又は膨らみを作り出す可能性を減らし、そのため、外衣の下のパンツの目立たなさを改善する。吸収性コア構造体65の1つ以上の層が、少なくともその後側部分(単数又は複数)において縁部に近づくと厚さが小さくなるテーパー形状であるだけではなく、
図2に反映されるように後側部分及び前側部分の両方において、並びにいくつかの例では、後側部分及び前側部分の両方において、及び
図4Cから理解されるようにそれぞれの長手方向縁部63、64に向かって、厚さが小さくなるテーパー形状であることが望まれ得る。吸収性コア構造体の縁部を目立たないようにすることに加え、テーパー形状にすることによって、多くの種類の外衣が、例えば腰及び臀部領域の周囲で、着用者にとって密に/しっかりと適合していないか、又は配置されていない、着用者の股部領域の前側領域であるパンツの長手方向中心点のわずかに前側の更に隣接した領域、かつ尿が放出されるところに吸収性材料が集中するように吸収性材料の輪郭を形成する分布が可能になり、捕捉及び吸収を更に向上させる。
【0080】
テーパー形状は、吸収性コア構造の局所的な領域で変動する吸収性コア構造体の1つ以上の層の坪量(単数又は複数)に反映されてもよい。一例では、
図3を参照し、吸収性コア構造体65の長さLは、前側から後側まで、5つの等しい部分長さSL1、SL2、SL3、SL4、SL5に分けられ得る。前縁部及び後縁部61、62に向かって厚さがテーパー形状に小さくなること、及び吸収性コア材料の輪郭を形成する分布は、以下の1つ以上の関係を反映し得る。パンツの長手方向の中心点の前側の吸収性材料の濃度を反映して、第1及び第2の部分長さSL1及びSL2における全ての材料の平均坪量の合計は、第4及び第5の部分長さSL4及びSL5における全ての材料の平均坪量の合計よりも大きくなり得る。更に、パンツの長手方向中心点の前側の吸収性材料の濃度を反映して、第2の部分長さSL2における全ての材料の平均坪量は、他の部分長さSL1、SL3、SL4、SL5のいずれかの全ての材料の平均坪量よりも大きくなり得る。前側でのテーパー形状を反映して、部分長さSL1における全ての材料の平均坪量は、部分長さSL2における全ての材料の平均坪量よりも少なくなり得る。後側でのテーパー形状を反映して、部分長さSL5における全ての材料の平均坪量は、部分長さSL4における全ての材料の平均坪量よりも少なくなり得る。
【0081】
吸収性コア構造体の長手方向縁部にテーパー形状が含まれている場合、
図4Cを参照して、一例では、吸収性コア構造体65の幅Wは、側面から側面まで(最左縁部63から最右縁部64まで)、3つの等しい部分的な幅SW1、SW2、SW3に分けられ得る。最左縁部及び最右縁部63、64に向かって厚さがテーパー形状に小さくなること、及び吸収性コア材料の輪郭を形成する分布は、以下の1つ以上の関係に反映され得る。吸収性コア構造体の中央部分における吸収性材料の濃度を反映して、第2の部分的な幅SW2における全ての材料の平均坪量は、第1及び第3の部分的な幅SW1及びSW3における全ての材料のそれぞれの平均坪量より大きくなり得る。この関係はまた、吸収性コア構造体65の長手方向縁部に向かって厚さが小さくなるテーパー形状に反映されてもよい。
【0082】
この組み合わせで存在するこれらの関係を、
図6に概略的に図示する。最も坪量が大きい材料の領域は、最も暗い網掛けで示されている(領域SL2−SW2)。網掛けは、坪量が減ると色が明るくなり、最も小さな坪量の領域は網掛けなしで示されている(領域SL5−SW1及びSL5−SW3)。
【0083】
本明細書の目的のために、吸収性コア構造体の部分長さ又は部分的な幅における「全ての材料の平均坪量」は、問題となっている物品のサンプルにおいて、吸収性コア構造体の層を本明細書に記載されるように特定し、吸収性コア構造体の全長と幅を測定し、望ましい測定に従って、5つの等しい部分長さ、又は3つの等しい部分的な幅に物理的に分け、それぞれの部分長さ及び/又は部分的な幅の部分をそれぞれ計量し、それぞれのこのような重さを関連する表面積で割り、それぞれのこのような局所的な領域について平均坪量を計算することによって決定されてもよい。(平面図において)長方形の形状を有する吸収性コア構造体は、一般に、そうではないものと比べて、より容易に、かつ効率的に製造される。しかし、本明細書に示す長方形形状ではない吸収性コア構造体について、その長さLと幅Wは、それぞれ、最も長い部分での長さと、最も幅広い部分での幅である。
【0084】
上述の吸収性コア構造体65において、材料の坪量のテーパー形状の局所的な変化は、吸収性層71及び捕捉層72のいずれか又は両方に含まれていてもよく、吸収性コア構造体の長さL及び幅WにわたってSAP粒子の分布にも含まれていてもよく、吸収性コア構造体の長さL及び幅Wにわたって吸収性コア構造体に含まれるセルロース又はポリマー繊維の分布にも含まれていてもよく、又はこれらの組み合わせであってもよい。
【0085】
更に、全体的な吸収性コア構造体65は、吸収性層71よりも長さ及び/又は幅が小さな捕捉層72を用いることによって、縁部に向かってテーパー形状であるか、又は厚さが徐々に薄くなってもよい。
図5及び
図7を参照すると、例えば、捕捉層72の長さは、吸収性層71の長さより短くてもよい。それぞれの前縁部が整列している、吸収性層71よりも上方の配置の位置によって、捕捉層の後縁部は、吸収性層の後縁部より短く配設され、その結果、吸収性コア構造体65の全体的な厚さは、後縁部に近接する後側部分で減少される。あるいは、捕捉層の前縁部及び後縁部は両方とも、吸収性層のそれぞれの前縁部及び後縁部よりも短く配設されてもよい。吸収性層71及び捕捉層の片方又は両方もまた、前側又は後側で丸みを帯びた角を有してもよい。
図5に示すように、捕捉層は、丸みを帯びた後縁部の輪郭を有している。このことが、パンツの着用中での外側の輪郭における可能な突起部から鋭い角を減らすか、又はなくすのに役立ち得る。
【0086】
弾性部材の配置、間隔、及び予ひずみの変化
上に説明したように、弾性フィルムではなく、長手方向に間隔をあけた、横方向に延びる弾性ストランドの使用が、ベルト構造を弾性化するのに好ましいであろう。他の利点の中で、間隔のあいたストランドは、ベルト構造に対して優れた通気性を与える。更に、身体に沿う目立たないパンツを製造するという目的に対し、弾性部材の配置及び間隔の更なる態様が望まれ得る。
【0087】
失禁を患う成人が使用するために現在販売されているいくつかの使い捨て吸収性パンツは、ベルト構造を弾性化するために、弾性ストランドを有している。しかし、それらの吸収性パンツは、多くは、吸収性パッドアセンブリ、吸収性コア構造体、又はこれらの構成要素を、一方の長手方向縁部から他方の長手方向縁部へと横方向に横切るストランドを有していない。いくつかの製品では、横方向の弾性ストランドは、吸収性パッドアセンブリ及び/又はその構成要素の前及び/又は後端部/縁部よりも下方に長手方向に置かれたベルト構造の部分には含まれていない。いくつかの製品では、横方向の弾性ストランドは、吸収性パッドアセンブリ及び/若しくはその構成要素の前及び/若しくは後端部/縁部よりも下方に長手方向に置かれたベルト構造の部分に存在しているが、アセンブリを横切っておらず、又はアセンブリの長手方向縁部に近接して切断されており、又は吸収性パッドアセンブリを横切るその長さ方向の部分に沿って不活性化されている(弾性が除去されているか、操作不可能にされている)。このような構成は他の有用な目的及び機能を有している場合があるが、吸収性パッドアセンブリの前側及び/又は後側部分が外向きに(着用者から離れて)膨れ上がることを可能としてしまう傾向がある。多くの着用者は、この膨らみを望ましくないものであると感じており、又は外衣に対応する膨らみを作り出し、失禁パンツを着用していることが視覚的に明らかになってしまうため、受け入れられない場合さえある。
【0088】
図2及び
図3を参照して、このような膨らみの数と目立つことを実質的に減らすために、ベルト構造に含まれる横方向に延びる予ひずみ状態の弾性ストランド40が、パンツの前側及び後側の腰領域に存在する部分にわたって吸収性パッドアセンブリ50を横方向に横切り、このような部分にわたって可動であることが望まれ得る。前側パネル20において、弾性ストランド40が、吸収性パッドアセンブリの長さPLの前側部分を横切る、すなわち、長さPLの少なくとも15%、より好ましくは少なくとも20%である前側を覆う長さFCLを横切ることが望まれ得る。後側パネル30において、弾性ストランド40が、吸収性パッドアセンブリの長さPLの後側部分を横切る、すなわち、長さPLの少なくとも30%、より好ましくは少なくとも35%、更により好ましくは少なくとも40%である後側を覆う長さRCLを横切ることが望まれ得る。本明細書の目的のために、
図2に反映されているように、覆われた長さFCL又はRCLは、
図2に示唆されるサイドシーム13で分離されているパンツを用いて、吸収性パッドアセンブリ50の前端51又は後端52から、吸収性パッドアセンブリ50を横方向に横切る最下部の弾性ストランド40の最も下の範囲まで、それぞれ測定される。予ひずみ状態の弾性ストランドがこのように配置されている場合、弾性ストランドは、吸収性パッドアセンブリの前側部分及び後側部分を、特にその長手方向縁部に沿って、着用者の方向かわせる傾向があり、それによって、吸収性パッドアセンブリの外側への膨らみが最小限になる。
【0089】
ストランドは、少なくともベルト構造の一部と、サイドシーム13の下端よりも上方に配設される前側パネル20及び後側パネル30で、典型的な場合よりもっと相対的に密接して長手方向に配置されていることが望まれ得る。したがって、少なくとも前側及び/又は後側パネル20、30のこれらの部分において、隣接する横方向弾性ストランドの1つ以上の群の平均長手方向間隔SSが10mm以下であり、より好ましくは7mm以下であり、更により好ましくは5mm以下であることが望まれ得る。(既に示したように、隣接する弾性ストランド間の長手方向間隔は、これらの最も近い外側表面の間の距離ではなく、これらの軸間の距離を指すと理解される。)既に述べたように、ベルト構造に、より衣類に似た外観を付与することに加えて、ベルト構造のこれらの部分において弾性ストランドの長手方向間隔がこのように比較的近いことは、吸収性パッドアセンブリの前側及び後側の端部/縁部に対してある程度収縮するが十分に分布した圧力を与えるのに役立ち、着用者の身体の方に近づけ、それによって、ベルト構造のこれらの領域における塊及び膨らみを最小限にする傾向がある。
【0090】
更に、失禁を患う成人が使用するために現在販売されているいくつかの使い捨て吸収性パンツは、ベルト構造を弾性化するための横方向に延びる弾性ストランドを含みつつ、サイドシーム13よりも下方の領域で、後側パネルに配設される横方向弾性ストランドを有していない。いくつかの製品は、脚開口部に近接する臀部の外側領域の周囲に制御されない、かなりの面積の弾性化していない外側層を形成する不織布材料を有しており、これらの領域によって、着用者が望ましくないと考え得る脚開口部の周囲の緩い見た目、及び感触を付与し得る。他の製品は、材料を脚部の帯状部として集めさせる、脚開口部の周囲の材料に沿って配設された弾性部材を含んでいてもよいが、それでも、脚開口縁部よりも上方のかなりの領域が制御されないまま残り、一部の着用者は望ましくないと考えるであろう、たるんだ見た目を生じさせてしまう。更に、輪郭を形成する脚帯状部の弾性部材を含むことで、製造工程に複雑さが増し、費用が増える。
【0091】
図2に示唆されるように、後側パネル30のサイドシーム13よりも下方(すなわち、後側シーム領域13bよりも下方)にいくつかの横方向に延びる弾性ストランド40を含むことで、脚開口部周囲及び臀部の外側領域周囲の材料を制御し、それによって、密により身体に沿うように合わせた外観が得られるというかなり有益な効果が得られることが発見されている。更に、このような更なる横方向に延びる弾性ストランド40を、サイドシーム13よりも下方のパネル材料に含むことは、一般に、輪郭を形成する脚部の帯状弾性部材を含むよりも、製造工程がより単純であり、安価である。
【0092】
したがって、複数の横方向に延びる弾性ストランド40が、サイドシーム13の下部より下方の領域で、後側パネル30に少なくとも含まれることが望まれ得る。
図2を参照すると、サイドシーム13よりも下方の後脚縁部の適切な制御のために、サイドシームの下部より下方にあり、長さREPが、パンツ構造の全長OLの少なくとも5%、より好ましくは少なくとも10%、更により好ましくは少なくとも15%、更により好ましくは少なくとも20%である、後側パネルの弾性化した部分が、横方向に延びる弾性ストランド40を含んでいてもよい。同様の理由のため、1つ以上の横方向に延びる弾性ストランド40が、サイドシーム13の下部より下方の領域で、前側パネル20に含まれていてもよい。
【0093】
しかし、サイドシームより下方にあるこのような横方向に延びる弾性ストランドが、サイドシームより上方にある横方向弾性ストランドとは異なる長手方向間隔及び予ひずみ量のいずれか、又はこれらの組み合わせを有することが望まれ得る。特に、
図2によって示唆されるように、サイドシーム13よりも下方に配設される弾性ストランド40の平均長手方向間隔が、サイドシーム13よりも上方に配設される弾性ストランド40の平均長手方向間隔よりも大きいことが望まれ得る。したがって、サイドシーム13よりも下方にある後側パネル30に配設される弾性ストランドの全て又は一部が、5mm以上、7mm以上、又は10mm以上の平均長手方向間隔SSを有していてもよい。あるいは、又はこのような間隔と組み合わせて、サイドシーム13よりも下方に配設される弾性ストランド40に付与される予ひずみの平均量は、サイドシーム13よりも上方に配設される弾性ストランド40に付与される予ひずみの平均量より小さいことが望まれ得る。これらの変動は、サイドシーム13よりも下方にある後側パネル30の材料が、長手方向軸200の方に横方向内側に過剰に引っ張られないようにし、着用者の臀部の外側領域を望ましくない範囲まで覆ってしまうのを減らすのに役立ち得る。これらの目的に適したパネル20、30の弾性ストランドの更なる構成は、米国仮特許出願第62/332,496号に開示されている。
【0094】
長手方向弾性部材の位置
図2、
図4A及び
図8を参照すると、更に、後側パネル30の横方向弾性部材40に対する、長手方向を向く左及び右のパッドアセンブリ縁部弾性部材69、70の特定の配置が、有益な効果を与え得ることを発見した。
【0095】
適切に配置すると、並びに吸収性パッドアセンブリ50の長手方向の左縁部及び右縁部67、68に近接する予ひずみ状態の長手方向弾性部材69、70の可動部分が、後側パネル30に配置される交差領域100内の予ひずみ状態の横方向弾性ストランド40の可動部分と交差するいくつかの状況では、それぞれの予ひずみ状態の弾性部材の張力が合わさることで後側パネル30内に力F(
図8)が生成され、この力が、パネル材料と、吸収性パッドアセンブリ50のその下にある材料を、着用者の臀裂へと引っ張る傾向がある。この効果は更に、後側部分におけるパンツの密で身体に沿う目立たなさを付与するのに寄与する。しかし、この効果を可能にするために、長手方向弾性部材69、70は、後側シーム領域13bよりもパンツの長手方向軸200に近い位置に配置されるべきである。すなわち、
図2に反映されているように、距離ESCは、距離ESSより短く、すなわち、横方向でパンツの中央の方にある。(ESC及びESSは、横方向で測定される。)
【0096】
吸収能の特徴
上述の特徴の種々の組み合わせによって、「中程度」及び「重度」の失禁の需要を有する使用者によって必要とされる吸収能を有しつつ、着用時に改良された身体に沿う目立たない輪郭を有するパンツ構造を提供することができる。したがって、パンツの吸収性コア構造体は、「中程度」の需要の製品には少なくとも3グラムの超吸収性ポリマー材料を含み、又は「重度」の需要の製品には少なくとも5グラムの超吸収性ポリマー材料を含んでもよく、これらは吸収性層に含まれる。パンツの吸収性コア構造体はまだ、少なくとも1グラムのセルロース及び/又はポリマー繊維を含んでいてもよく、これらは、吸収性層、捕捉層、又はこれらの組み合わせに含まれていてもよい。
【0097】
以下の実施例は、本明細書の記載の範囲内に含まれると想定される。
1.かさばらない大容量の使い捨て吸収性パンツであって、
それぞれが伸縮性積層材料を含み、伸縮性積層材料が、それぞれ不織布ウェブ材料から作られた内側層(21、31)と外側層(22、32)と、内側層と外側層との間に配置された、長手方向に間隔をあけ、横方向に延び、横方向に予ひずみ状態にある複数の弾性パネルストランド(40)と、を有する、前側パネル及び後側パネル(20、30)であって、
前側パネル及び後側パネルは、それぞれ上端及び下端を有する左並びに右のサイドシーム(13)に沿って互いに接続している、前側パネル及び後側パネル(20、30)と、
吸収性パッドアセンブリ(50)であって、
前端(51)で終わる前側部分であって、前端がサイドシームの下端よりも上方に配置されるように前部の接続位置で前側パネルに接続する、前側部分と、後端(52)で終わる後側部分であって、後端がサイドシームの下端よりも上方に配置されるように後部の接続位置で後側パネルに接続する、後側部分と、
液体透過性トップシート(60)、液体不透過性バックシート(66)、及びトップシートとバックシートとの間に配置された吸収性コア構造体(65)と、
左縁部(67)及び右縁部(68)と、
それぞれが、パンツの左又は右のサイドシーム(13)のそれぞれよりも、パンツの長手方向軸(200)に近い位置に配置される、左縁部(67)に沿って左縁部(67)から10mm以内に配置される、少なくとも1つの長手方向に延びる予ひずみ状態の左のパッドアセンブリ弾性部材(69)と、右縁部(68)に沿って右縁部(68)から10mm以内に配置される、少なくとも1つの長手方向に延びる予ひずみ状態の右のパッドアセンブリ弾性部材(70)と、
吸収性パッドアセンブリの別の構成要素と接続する、それぞれ左及び右の障壁カフ近位部(82、83)と左及び右の障壁カフ自由縁部(84、85)とを有する、左及び右の長手方向障壁カフ(80、81)であって、障壁カフはそれぞれ、障壁カフ自由縁部がトップシートから離れて延び得るように構成され、障壁カフはそれぞれ、それぞれの自由縁部から10mm以内に配置された、少なくとも1つの長手方向に延びる長手方向に予ひずみ状態の障壁カフ弾性部材(86、87)を更に含む、左及び右の長手方向障壁カフ(80、81)と、を含む、吸収性パッドアセンブリ(50)と、を備え、
前側パネル(20)における複数の予ひずみ状態の弾性パネルストランド(40)のいくつかが、吸収性パッドアセンブリの前側部分に横たわってその外側に向かって横切り、後側パネル(30)における複数の予ひずみ状態の弾性パネルストランド(40)のいくつかが、吸収性パッドアセンブリの後側部分に横たわってその外側に向かって横切る、パンツ。
2.左及び右のパッドアセンブリ弾性部材(69、70)のそれぞれの可動部分が、後側パネル(30)における交差領域(100)内で、複数の予ひずみ状態の弾性パネルストランド(40)のいくつかの1つ以上と交差する、例1に記載のパンツ。
3.吸収性コア構造体(65)は、その前側縁部(61)及び後側縁部(62)の片方又は両方に向かってテーパー形状であるか、又は厚さが徐々に薄くなっている、例1又は2に記載のパンツ。
4.吸収性コア構造体(65)は、その長手方向側縁部(63、64)に向かってテーパー形状であるか、又は厚さが徐々に薄くなっている、例1〜3のいずれかに記載のパンツ。
5.吸収性コア構造体(65)は、超吸収性ポリマーの粒子を含む吸収性層(71)を含む、例1〜4のいずれかに記載のパンツ。
6.吸収性コア構造体(65)は、セルロース及び/又はポリマー繊維を含む捕捉層(72)を含む、例5に記載のパンツ。
7.吸収性コア構造体(65)は、
前側縁部(61)と後側縁部(62)とを含み、前側縁部と後側縁部は吸収性コアの長さLを規定し、
吸収性コアの長さLが、それぞれ、前側縁部(61)から後側縁部(62)にかけて測定した、その第1、第2、第3、第4、第5の等しい部分長さ(SL1〜SL5)を有し、
吸収性コアの第1、第2、第3、第4、第5の等しい部分長さは、それぞれ、吸収性コア構造材料の平均坪量を有し、
第4及び第5の部分長さにおける吸収性コア構造材料の平均坪量の合計が、第1及び第2の部分長さにおける吸収性コア構造材料の平均坪量の合計より少ない、例1〜6のいずれかに記載のパンツ。
8.サイドシーム(13)の下部より上に配置された、後側パネル(30)及び/又は前側パネル(20)における複数の弾性パネルストランド(40)の全て又は大部分が、10mm未満、より好ましくは7mm未満、更により好ましくは5mm未満の平均長手方向間隔SSを有する、例1〜7のいずれかに記載のパンツ。
9.サイドシーム(13)の下部より上に配置された、後側パネル(30)及び/又は前側パネル(20)における複数の弾性パネルストランド(40)の全て又は大部分が、400〜1000、より好ましくは500〜900、更により好ましくは600〜800デシテックスの平均サイズを有する、例1〜8のいずれかに記載のパンツ。
10.サイドシーム(13)の下部より上に配置された、後側パネル(30)及び/又は前側パネル(20)における複数の弾性パネルストランド(40)の全て又は大部分が、50%〜290%、より好ましくは90%〜230%、更より好ましくは120%〜180%の予ひずみの平均レベルを有する、例1〜9のいずれかに記載のパンツ。
11.吸収性コア構造体は、長方形の形状を有する、例1〜10のいずれかに記載のパンツ。
12.後側パネル(30)は、サイドシーム(13)の下端より上に配置された横方向に延びる弾性パネルストランド(40)の第1の群と、サイドシーム(13)の下端より下に配置された横方向に延びる弾性パネルストランド(40)の第2の群とを含む、例1〜11のいずれかに記載のパンツ。
13.弾性パネルストランドの第1の群は第1の平均長手方向間隔(SS)を有し、第1の平均長手方向間隔(SS)が弾性パネルストランドの第2の群の第2の平均長手方向間隔(SS)よりも小さい、例12に記載のパンツ。
14.弾性パネルストランドの第1の群は予ひずみの第1の平均レベルを有し、予ひずみの第1の平均レベルが弾性パネルストランドの第2の群の予ひずみの第2の平均レベルよりも大きい、例12に記載のパンツ。
15.吸収性層(71)を長手方向に通って延びる1つ以上の溝(73)を備える、例5又はそれに従属する任意の他の例に記載のパンツ。
16.吸収性層(71)を横方向に通って横方向に延びる1つ以上の溝(74)を備える、例5又はそれに従属する任意の他の例に記載のパンツ。
17.吸収性コア構造体(65)は、少なくとも3グラムの超吸収性ポリマーの粒子を含む、例1〜16のいずれかに記載のパンツ。
18.吸収性コア構造体(65)は、少なくとも1グラムのセルロース及び/又はポリマー繊維を含む、例1〜17のいずれかに記載のパンツ。
【0098】
本明細書で開示する寸法及び値は、列挙された正確な数値に厳密に限られるとして理解されるべきではない。その代わりに、特に明記しない限り、このような寸法はそれぞれ、列挙された値とその値を囲む機能的に同等な範囲との両方を意味することが意図されている。
【0099】
本明細書に引用される全ての文書は、任意の相互参照又は関連する特許若しくは出願を含め、明確に除外しているか、又は特に限定されている場合を除き、矛盾のない範囲まで、その全体が本明細書に参考として組み込まれる。いかなる文献の引用も、本明細書中で開示又は特許請求される任意の発明に対する先行技術であるとはみなされず、あるいはそれを単独で又は他の任意の参考文献と組み合わせたときに、そのような任意の発明を教示、示唆、又は開示するとはみなされない。更に、本文書における用語の任意の意味又は定義が、参照することによって組み込まれた文書内の同じ用語の意味又は定義と矛盾する場合、本文書におけるその用語に与えられた意味又は定義が適用されるものとする。
【0100】
本発明の特定の実施形態を例示及び説明してきたが、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく他の様々な変更及び修正を行うことができる点は当業者には明白であろう。したがって、本発明の範囲内に含まれるそのような全ての変更及び修正は、添付の特許請求の範囲にて網羅することを意図したものである。