特許第6804711号(P6804711)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6804711
(24)【登録日】2020年12月4日
(45)【発行日】2020年12月23日
(54)【発明の名称】充放電装置及び充放電方法
(51)【国際特許分類】
   H02J 7/04 20060101AFI20201214BHJP
【FI】
   H02J7/04 C
【請求項の数】8
【全頁数】20
(21)【出願番号】特願2020-551596(P2020-551596)
(86)(22)【出願日】2020年6月1日
(86)【国際出願番号】JP2020021535
【審査請求日】2020年9月24日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100118762
【弁理士】
【氏名又は名称】高村 順
(72)【発明者】
【氏名】田嶌 大介
【審査官】 佐藤 卓馬
(56)【参考文献】
【文献】 特開2019−118211(JP,A)
【文献】 特開2014−233116(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02J 7/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電力系統から供給される交流電力を直流電力に変換して蓄電池を充電する機能と、前記蓄電池から放出される直流電力を交流電力に変換して交流電力を前記電力系統に放出する機能とを有する充放電装置であって、
前記電力系統から供給される交流電力を直流電力に変換する機能と前記蓄電池から放出される直流電力を交流電力に変換する機能とを有する電力変換部と、
前記蓄電池の充電と放電とのうちの一方又は双方についての前記電力変換部によって行われる運転のスケジュールであってユーザが前記充放電装置に入力する前記スケジュールを受け付けるスケジュール受付部と、
前記充放電装置の外部の制御装置から出力される前記運転に関連する指令を受け取る指令受取部と、
前記スケジュール受付部によって受け付けられる前記スケジュールをもとに前記運転を制御する機能と、前記指令受取部によって受け取られる前記指令をもとに前記運転を制御する機能とを有する制御部と、
前記指令受取部によって受け取られる前記指令を有効とする指示である有効指示、又は前記指令を無効とする指示である無効指示を受け付ける有効無効受付部と、
前記スケジュール受付部によって受け付けられる前記スケジュールと前記指令受取部によって受け取られる前記指令とのうちのいずれを優先するのかを示す指示を受け付ける優先受付部と、
前記有効無効受付部によって受け付けられた指示が前記有効指示と前記無効指示とのうちのいずれであるのかを判断し、前記優先受付部によって受け付けられた指示が前記スケジュールと前記指令とのうちのいずれを優先する指示であるのかを判断し、前記運転の状態が前記指令受取部によって受け取られた前記指令をもとに行われている運転の状態であるか否かを判断する判断部とを備え、
前記判断部は、前記有効無効受付部によって受け付けられた指示が前記有効指示であって、前記優先受付部によって受け付けられた指示が前記スケジュールを優先する指示であって、現在の前記運転の状態が前記指令をもとに行われている運転の状態でないと判断した場合、前記スケジュールが有効であると判断し、
前記判断部は、前記有効無効受付部によって受け付けられた指示が前記有効指示であって、前記優先受付部によって受け付けられた指示が前記スケジュールを優先する指示であって、前回の前記運転の状態が前記スケジュールをもとに行われた運転の状態であったと判断した場合、前記指令受取部が前記運転を停止させる指令を受け取ったとき、前記スケジュールが有効であると判断し、
前記制御部は、前記スケジュールが有効であると前記判断部によって判断された場合、前記スケジュール受付部が受け付けた前記スケジュールをもとに前記運転を制御する
ことを特徴とする充放電装置。
【請求項2】
前記指令受取部が充電又は放電についての運転に関連する指令を受け取った場合、
前記判断部は、
前記有効無効受付部によって受け付けられた指示が前記有効指示であって、前記優先受付部によって受け付けられた指示が前記スケジュールを優先する指示であって、現在の前記運転の状態が前記スケジュール受付部によって受け付けられた前記スケジュールをもとに行われている運転の状態であると判断したとき、前記指令が有効であると判断し、
前記有効無効受付部によって受け付けられた指示が前記有効指示であって、前記優先受付部によって受け付けられた指示が前記スケジュールを優先する指示であって、現在の前記運転の状態が前記スケジュール受付部によって受け付けられた前記スケジュールをもとに行われている運転の状態でないと判断したとき、前記指令が無効であると判断し、
前記有効無効受付部によって受け付けられた指示が前記有効指示であって、前記優先受付部によって受け付けられた指示が前記指令を優先する指示であると判断したとき、前記指令が有効であると判断し、
前記有効無効受付部によって受け付けられた指示が前記無効指示であると判断したとき、前記指令が無効であると判断し、
前記制御部は、
前記有効無効受付部によって受け付けられた指示が前記有効指示であって、前記優先受付部によって受け付けられた指示が前記スケジュールを優先する指示であって、現在の前記運転の状態が前記スケジュール受付部によって受け付けられた前記スケジュールをもとに行われている運転の状態であると前記判断部によって判断されたとき、前記運転を停止させ、
前記有効無効受付部によって受け付けられた指示が前記有効指示であって、前記優先受付部によって受け付けられた指示が前記スケジュールを優先する指示であって、現在の前記運転の状態が前記スケジュール受付部によって受け付けられた前記スケジュールをもとに行われている運転の状態でないと前記判断部によって判断されたとき、前記運転を停止させ、
前記有効無効受付部によって受け付けられた指示が前記無効指示であると判断したとき、前記スケジュール受付部によって受け付けられた前記スケジュールをもとに前記運転を制御し、
前記指令が有効であると前記判断部によって判断された場合、前記指令をもとに前記運転を制御する
ことを特徴とする請求項1に記載の充放電装置。
【請求項3】
前記有効無効受付部が受け付ける指示と前記優先受付部が受け付ける指示とを前記充放電装置に入力するユーザを制限する制限部
を更に備えることを特徴とする請求項1又は2に記載の充放電装置。
【請求項4】
電力系統から供給される交流電力を直流電力に変換して車両に搭載されている蓄電池を充電する機能と、前記蓄電池から放出される直流電力を交流電力に変換して交流電力を前記電力系統に放出する機能とを有する充放電装置であって、
前記電力系統から供給される交流電力を直流電力に変換する機能と前記蓄電池から放出される直流電力を交流電力に変換する機能とを有する電力変換部と、
前記蓄電池の充電と放電とのうちの一方又は双方についての前記電力変換部によって行われる運転のスケジュールであってユーザが前記充放電装置に入力する前記スケジュールを受け付けるスケジュール受付部と、
前記充放電装置の外部の制御装置から出力される前記運転に関連する指令を受け取る指令受取部と、
前記スケジュール受付部によって受け付けられる前記スケジュールをもとに前記運転を制御する機能と、前記指令受取部によって受け取られる前記指令をもとに前記運転を制御する機能とを有する制御部と、
前記指令受取部によって受け取られる前記指令を有効とする指示である有効指示、又は前記指令を無効とする指示である無効指示を受け付ける有効無効受付部と、
前記スケジュールとは別の、前記運転に関連する前記ユーザの操作を受け付ける操作受付部と、
前記有効無効受付部によって受け付けられた指示が前記有効指示と前記無効指示とのうちのいずれであるのかを判断し、前記運転の状態が前記操作受付部によって受け付けられた前記ユーザの操作をもとに行われている運転の状態であるか否かを判断し、前記車両と前記充放電装置とが接続されているか否かを判断する判断部とを備え、
前記判断部は、前記指令受取部が前記指令を受け取った後に、
(1)前記有効無効受付部によって受け付けられた指示が前記有効指示であって、現在の前記運転の状態が前記ユーザの操作をもとに行われている運転の状態でなく、前記車両と前記充放電装置とが接続されていると判断した場合、前記指令が有効であると判断し、
(2)前記有効無効受付部によって受け付けられた指示が前記有効指示であって、現在の前記運転の状態が前記ユーザの操作をもとに行われている運転の状態でなく、前記車両と前記充放電装置とが接続されていないと判断した場合、前記指令が無効であると判断し、
(3)前記有効無効受付部によって受け付けられた指示が前記有効指示であって、現在の前記運転の状態が前記ユーザの操作をもとに行われている運転の状態であると判断した場合、前記指令が無効であると判断し、
(4)前記有効無効受付部によって受け付けられた指示が前記無効指示であると判断した場合、前記指令が無効であると判断し、
前記制御部は、
前記指令が有効であると前記判断部によって判断された場合、前記指令受取部が受け取った前記指令をもとに前記運転を制御し、
前記指令が無効であって現在の前記運転の状態が前記ユーザの操作をもとに行われている運転の状態であると前記判断部によって判断された場合、前記ユーザの操作をもとに行われている運転を継続させ、
前記指令が無効であって現在の前記運転の状態が前記スケジュール受付部によって受け付けられた前記スケジュールをもとに行われている運転の状態であると前記判断部によって判断された場合、前記スケジュールをもとに行われている運転を継続させ、
前記指令が無効であって現在の前記運転の状態が停止の状態であると前記判断部によって判断された場合、前記運転を停止させる
ことを特徴とする充放電装置。
【請求項5】
前記蓄電池が蓄えておく必要がある電力の下限を示す情報を受け付ける下限受付部と、
前記蓄電池が蓄えている電力の量を確認する量確認部とを更に備え、
前記制御部は、前記指令をもとに前記放電についての運転が行われている場合、前記量確認部によって確認された量が前記下限受付部によって受け付けられた前記情報が示す前記下限以下であって、かつ運転状態が放電であるとき、前記指令をもとにする前記運転を停止させる
ことを特徴とする請求項4に記載の充放電装置。
【請求項6】
前記有効無効受付部が受け付ける指示を前記充放電装置に入力するユーザを制限する制限部
を更に備えることを特徴とする請求項4又は5に記載の充放電装置。
【請求項7】
電力系統から供給される交流電力を直流電力に変換して蓄電池を充電する充電ステップと、
前記蓄電池から放出される直流電力を交流電力に変換して交流電力を前記電力系統に放出する放電ステップと、
前記蓄電池の充電と放電とのうちの一方又は双方についての運転のスケジュールであってユーザが充放電装置に入力する前記スケジュールを受け付けるスケジュール受付ステップと、
前記充放電装置の外部の制御装置から出力される前記運転に関連する指令を受け取る指令受取ステップと、
前記スケジュール受付ステップにおいて受け付ける前記スケジュールをもとに前記運転を制御する、又は前記指令受取ステップにおいて受け取る前記指令をもとに前記運転を制御する制御ステップと、
前記指令受取ステップにおいて受け取る前記指令を有効とする指示である有効指示、又は前記指令を無効とする指示である無効指示を受け付ける有効無効受付ステップと、
前記スケジュール受付ステップにおいて受け付ける前記スケジュールと前記指令受取ステップにおいて受け取る前記指令とのうちのいずれを優先するのかを示す指示を受け付ける優先受付ステップと、
前記有効無効受付ステップにおいて受け付けた指示が前記有効指示と前記無効指示とのうちのいずれであるのかを判断し、前記優先受付ステップにおいて受け付けた指示が前記スケジュールと前記指令とのうちのいずれを優先する指示であるのかを判断し、前記運転の状態が前記指令受取ステップにおいて受け取った前記指令をもとに行われている運転の状態であるか否かを判断する判断ステップとを含み、
前記判断ステップでは、
前記有効無効受付ステップにおいて受け付けた指示が前記有効指示であって、前記優先受付ステップにおいて受け付けた指示が前記スケジュールを優先する指示であって、現在の前記運転の状態が前記指令をもとに行われている運転の状態でないと判断した場合、前記スケジュールが有効であると判断し、
前記有効無効受付ステップにおいて受け付けた指示が前記有効指示であって、前記優先受付ステップによって受け付けた指示が前記スケジュールを優先する指示であって、前回の前記運転の状態が前記スケジュールをもとに行われた運転の状態であったと判断した場合、前記指令受取ステップにおいて前記運転を停止させる指令を受け取ったとき、前記スケジュールが有効であると判断し、
前記制御ステップでは、前記スケジュールが有効であると前記判断ステップにおいて判断した場合、前記スケジュール受付ステップにおいて受け付けた前記スケジュールをもとに前記運転を制御する
ことを特徴とする充放電方法。
【請求項8】
電力系統から供給される交流電力を直流電力に変換して車両に搭載されている蓄電池を充電する充電ステップと、
前記蓄電池から放出される直流電力を交流電力に変換して交流電力を前記電力系統に放出する放電ステップと、
前記蓄電池の充電と放電とのうちの一方又は双方についての運転のスケジュールであってユーザが充放電装置に入力する前記スケジュールを受け付けるスケジュール受付ステップと、
前記充放電装置の外部の制御装置から出力される前記運転に関連する指令を受け取る指令受取ステップと、
前記スケジュール受付ステップにおいて受け付ける前記スケジュールをもとに前記運転を制御する、又は前記指令受取ステップにおいて受け取る前記指令をもとに前記運転を制御する制御ステップと、
前記指令受取ステップにおいて受け取る前記指令を有効とする指示である有効指示、又は前記指令を無効とする指示である無効指示を受け付ける有効無効受付ステップと、
前記スケジュールとは別の、前記運転に関連する前記ユーザの操作を受け付ける操作受付ステップと、
前記有効無効受付ステップにおいて受け付けた指示が前記有効指示と前記無効指示とのうちのいずれであるのかを判断し、前記運転の状態が前記操作受付ステップにおいて受け付けた前記ユーザの操作をもとに行われている運転の状態であるか否かを判断し、前記車両と前記充放電装置とが接続されているか否かを判断する判断ステップとを含み、
前記判断ステップでは、前記指令受取ステップにおいて前記指令を受け取った後に、
(1)前記有効無効受付ステップにおいて受け付けた指示が前記有効指示であって、現在の前記運転の状態が前記ユーザの操作をもとに行われている運転の状態でなく、前記車両と前記充放電装置とが接続されていると判断した場合、前記指令が有効であると判断し、
(2)前記有効無効受付ステップにおいて受け付けた指示が前記有効指示であって、現在の前記運転の状態が前記ユーザの操作をもとに行われている運転の状態でなく、前記車両と前記充放電装置とが接続されていないと判断した場合、前記指令が無効であると判断し、
(3)前記有効無効受付ステップにおいて受け付けられた指示が前記有効指示であって、現在の前記運転の状態が前記ユーザの操作をもとに行われている運転の状態であると判断した場合、前記指令が無効であると判断し、
(4)前記有効無効受付ステップにおいて受け付けた指示が前記無効指示であると判断した場合、前記指令が無効であると判断し、
前記制御ステップでは、
前記指令が有効であると前記判断ステップにおいて判断した場合、前記指令受取ステップにおいて受け取った前記指令をもとに前記運転を制御し、
前記指令が無効であって現在の前記運転の状態が前記ユーザの操作をもとに行われている運転の状態であると前記判断ステップにおいて判断した場合、前記ユーザの操作をもとに行われている運転を継続させ、
前記指令が無効であって現在の前記運転の状態が前記スケジュール受付ステップにおいて受け付けた前記スケジュールをもとに行われている運転の状態であると前記判断ステップにおいて判断した場合、前記スケジュールをもとに行われている運転を継続させ、
前記指令が無効であって現在の前記運転の状態が停止の状態であると前記判断ステップにおいて判断した場合、前記運転を停止させる
ことを特徴とする充放電方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、電力系統から供給される交流電力をもとに蓄電池を充電して蓄電池から放出される直流電力をもとに交流電力を電力系統に放出する充放電装置及び充放電方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、電力系統から供給される交流電力をもとに蓄電池を充電し、蓄電池から放出される直流電力をもとに交流電力を電力系統に放出する充放電装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。従来の充放電装置は、外部の制御装置から出力される指令であって蓄電池の充電又は放電についての運転に関連する指令を受け取ると、指令を有効とする設定が与えられている場合に当該指令をもとに運転を行い、指令を無効とする設定が与えられている場合にユーザが充放電装置に入力したスケジュールをもとに運転を行う。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2014−233116号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の充放電装置は、指令を有効とする設定又は指令を無効とする設定をもとに運転を行うが、スケジュールと指令とについての優先順位と、現在又は前回の運転の状況とをもとに、スケジュールを有効にするか無効にするかを判断して動作しない。スケジュールと指令とについての優先順位と現在又は前回の運転の状況とをもとにスケジュールを有効にするか無効にするかを判断して動作する充放電装置が要求されている。
【0005】
本開示は、上記に鑑みてなされたものであって、スケジュールと指令とについての優先順位と現在又は前回の運転の状況とをもとにスケジュールを有効にするか無効にするかを判断して動作する充放電装置を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本開示にかかる充放電装置は、電力系統から供給される交流電力を直流電力に変換して蓄電池を充電する機能と、蓄電池から放出される直流電力を交流電力に変換して交流電力を電力系統に放出する機能とを有する。充放電装置は、電力系統から供給される交流電力を直流電力に変換する機能と蓄電池から放出される直流電力を交流電力に変換する機能とを有する電力変換部と、蓄電池の充電と放電とのうちの一方又は双方についての電力変換部によって行われる運転のスケジュールであってユーザが充放電装置に入力するスケジュールを受け付けるスケジュール受付部とを有する。充放電装置は、充放電装置の外部の制御装置から出力される運転に関連する指令を受け取る指令受取部と、スケジュール受付部によって受け付けられるスケジュールをもとに運転を制御する機能と、指令受取部によって受け取られる指令をもとに運転を制御する機能とを有する制御部と、指令受取部によって受け取られる指令を有効とする指示である有効指示、又は指令を無効とする指示である無効指示を受け付ける有効無効受付部と、スケジュール受付部によって受け付けられるスケジュールと指令受取部によって受け取られる指令とのうちのいずれを優先するのかを示す指示を受け付ける優先受付部とを更に有する。充放電装置は、有効無効受付部によって受け付けられた指示が有効指示と無効指示とのうちのいずれであるのかを判断し、優先受付部によって受け付けられた指示がスケジュールと指令とのうちのいずれを優先する指示であるのかを判断し、運転の状態が指令受取部によって受け取られた指令をもとに行われている運転の状態であるか否かを判断する判断部を更に有する。判断部は、有効無効受付部によって受け付けられた指示が有効指示であって、優先受付部によって受け付けられた指示がスケジュールを優先する指示であって、現在の運転の状態が指令をもとに行われている運転の状態でないと判断した場合、スケジュールが有効であると判断する。判断部は、有効無効受付部によって受け付けられた指示が有効指示であって、優先受付部によって受け付けられた指示がスケジュールを優先する指示であって、前回の運転の状態がスケジュールをもとに行われた運転の状態であったと判断した場合、指令受取部が運転を停止させる指令を受け取ったとき、スケジュールが有効であると判断する。制御部は、スケジュールが有効であると判断部によって判断された場合、スケジュール受付部が受け付けたスケジュールをもとに運転を制御する。
【発明の効果】
【0007】
本開示にかかる充放電装置は、スケジュールと指令とについての優先順位と現在又は前回の運転の状況とをもとにスケジュールを有効にするか無効にするかを判断して動作することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】実施の形態1にかかる充放電装置の構成を示す図
図2】実施の形態1にかかる充放電装置が行う動作の一部の手順を示す第1のフローチャート
図3】実施の形態1にかかる充放電装置が行う動作の一部の手順を示す第2のフローチャート
図4】実施の形態1にかかる充放電装置が行う動作の一部の手順を示す第3のフローチャート
図5】実施の形態2にかかる充放電装置の構成を示す図
図6】実施の形態2にかかる充放電装置が行う動作の一部の手順を示す第1のフローチャート
図7】実施の形態2にかかる充放電装置が行う動作の一部の手順を示す第2のフローチャート
図8】実施の形態1にかかる充放電装置が有する電力変換部、スケジュール受付部、入力部、指令受取部、制御部、有効無効受付部、優先受付部、管理部、判断部、制限部及び操作受付部の少なくとも一部がプロセッサによって実現される場合のプロセッサを示す図
図9】実施の形態1にかかる充放電装置が有する電力変換部、スケジュール受付部、入力部、指令受取部、制御部、有効無効受付部、優先受付部、管理部、判断部、制限部及び操作受付部の少なくとも一部が処理回路によって実現される場合の処理回路を示す図
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に、実施の形態にかかる充放電装置及び充放電方法を図面に基づいて詳細に説明する。
【0010】
実施の形態1.
まず、実施の形態1にかかる充放電装置1の構成を説明する。図1は、実施の形態1にかかる充放電装置1の構成を示す図である。充放電装置1は、電力系統51から供給される交流電力を直流電力に変換して蓄電池52を充電する機能と、蓄電池52から放出される直流電力を交流電力に変換して交流電力を電力系統51に放出する機能とを有する。図1には、電力系統51及び蓄電池52も示されている。
【0011】
充放電装置1は、電力系統51から供給される交流電力を直流電力に変換する機能と蓄電池52から放出される直流電力を交流電力に変換する機能とを有する電力変換部2を有する。電力変換部2は、交流電力を直流電力に変換する機能と直流電力を交流電力に変換する機能とを有するインバータ21を有する。電力変換部2は、直流電力の電圧を変更する機能を有するコンバータ22を更に有する。
【0012】
充放電装置1は、蓄電池52の充電と放電とのうちの一方又は双方についての運転のスケジュールを受け付けるスケジュール受付部3を更に有する。上記の運転は、電力変換部2によって行われる。上記のスケジュールは、ユーザが充放電装置1に入力するスケジュールである。充放電装置1は、ユーザがスケジュールを充放電装置1に入力するための入力部4を更に有する。例えば、入力部4はタッチパネルによって実現される。ユーザは、入力部4を用いてスケジュールを充放電装置1に入力する。スケジュール受付部3は、ユーザが充放電装置1に入力したスケジュールを受け付ける。充放電装置1は、スケジュール受付部3が受け付けたスケジュールを記憶する記憶部5を更に有する。例えば、記憶部5は半導体メモリによって実現される。
【0013】
充放電装置1は、充放電装置1の外部の制御装置53から出力される指令を受け取る指令受取部6を更に有する。図1には、制御装置53も示されている。上記の指令は、蓄電池52の充電と放電とのうちの一方又は双方についての運転に関連する指令である。上記の運転は、電力変換部2によって行われる。記憶部5は、指令受取部6が受け取った指令も記憶する。
【0014】
充放電装置1は、スケジュール受付部3によって受け付けられるスケジュールをもとに運転を制御する機能と、指令受取部6によって受け取られる指令をもとに運転を制御する機能とを有する制御部7を更に有する。制御部7は、運転を制御する場合、電力変換部2を制御する。運転は、蓄電池52の充電と放電とのうちの一方又は双方についての電力変換部2によって行われる運転である。
【0015】
充放電装置1は、指令受取部6によって受け取られる指令を有効とする指示である有効指示、又は指令受取部6によって受け取られる指令を無効とする指示である無効指示を受け付ける有効無効受付部8を更に有する。有効指示及び無効指示は、ユーザが充放電装置1に入力する指示である。ユーザは、入力部4を用いて有効指示又は無効指示を充放電装置1に入力する。有効無効受付部8は、ユーザが充放電装置1に入力した有効指示又は無効指示を受け付ける。記憶部5は、有効無効受付部8が受け付けた有効指示又は無効指示も記憶する。
【0016】
充放電装置1は、スケジュール受付部3によって受け付けられるスケジュールと指令受取部6によって受け取られる指令とのうちのいずれを優先するのかを示す指示を受け付ける優先受付部9を更に有する。ユーザは、入力部4を用いてスケジュールと指令とのうちのいずれを優先するのかを示す指示を充放電装置1に入力する。優先受付部9は、ユーザが充放電装置1に入力したスケジュールと指令とのうちのいずれを優先するのかを示す指示を受け付ける。記憶部5は、優先受付部9が受け付けた指示も記憶する。
【0017】
充放電装置1は、運転の状態を管理する管理部10を更に有する。管理部10は、過去の運転の状態と、現在の運転の状態とを管理する。記憶部5は、管理部10によって管理される運転の状態を示す情報を記憶する。充放電装置1は、有効無効受付部8によって受け付けられた指示が有効指示と無効指示とのうちのいずれであるのかを判断し、優先受付部9によって受け付けられた指示がスケジュールと指令とのうちのいずれを優先する指示であるのかを判断する判断部11を更に有する。判断部11は、管理部10によって管理される運転の状態が指令受取部6によって受け取られた指令をもとに行われている運転の状態であるか否かを判断する機能も有する。
【0018】
判断部11は、有効無効受付部8によって受け付けられた指示が有効指示であって、優先受付部9によって受け付けられた指示がスケジュールを優先する指示であって、現在の運転の状態が指令をもとに行われている運転の状態でないと判断した場合、スケジュール受付部3によって受け付けられるスケジュールが有効であると判断する。判断部11は、有効無効受付部8によって受け付けられた指示が有効指示であって、優先受付部9によって受け付けられた指示がスケジュールを優先する指示であって、前回の運転の状態がスケジュールをもとに行われた運転の状態であったと判断した場合、スケジュール受付部3によって受け付けられるスケジュールが有効であると判断する。制御部7は、スケジュールが有効であると判断部11によって判断された場合、スケジュール受付部3が受け付けたスケジュールをもとに運転を制御する。
【0019】
判断部11は、有効無効受付部8によって受け付けられた指示が有効指示であって、優先受付部9によって受け付けられた指示がスケジュールを優先する指示であって、現在の運転の状態がスケジュール受付部3によって受け付けられたスケジュールをもとに行われている運転の状態であると判断した場合、スケジュールが無効であると判断する。判断部11は、有効無効受付部8によって受け付けられた指示が有効指示であって、優先受付部9によって受け付けられた指示がスケジュールを優先する指示であって、現在の運転の状態がスケジュール受付部3によって受け付けられたスケジュールをもとに行われている運転の状態でないと判断した場合、スケジュールが有効であると判断する。
【0020】
判断部11は、有効無効受付部8によって受け付けられた指示が有効指示であって、優先受付部9によって受け付けられた指示が指令を優先する指示であると判断した場合、スケジュールが有効であると判断する。判断部11は、有効無効受付部8によって受け付けられた指示が無効指示であると判断した場合、スケジュールが有効であると判断する。判断部11は、上述の機能以外の機能を有する。判断部11が有する上述の機能以外の機能については、後に充放電装置1の動作を説明する際に説明する。
【0021】
制御部7は、スケジュールが有効であると判断部11によって判断された場合、スケジュール受付部3によって受け付けられたスケジュールをもとに運転を制御する。
【0022】
充放電装置1は、有効無効受付部8が受け付ける指示と優先受付部9が受け付ける指示とを充放電装置1に入力するユーザを制限する制限部12を更に有する。例えば、ユーザには充放電装置1に指示を入力する場合にパスワードを充放電装置1に入力することが要求されていて、制限部12は、入力されたパスワードをもとに、有効無効受付部8が受け付ける指示と優先受付部9が受け付ける指示とを充放電装置1に入力するユーザを制限する。更に言うと、制限部12は、入力されたパスワードが充放電装置1にあらかじめ登録されているパスワードである場合にのみ、有効無効受付部8及び優先受付部9に対して、入力された指示を受け付けることを許可する。
【0023】
充放電装置1は、上記のスケジュールとは別の、運転に関連するユーザの操作を受け付ける操作受付部13を更に有する。例えば、操作受付部13が受け付ける操作は、運転を開始させる操作、運転を停止させる操作、スケジュールをもとにする運転から指令をもとにする運転への変更を行わせる操作、又は、指令をもとにする運転からスケジュールをもとにする運転への変更を行わせる操作である。ユーザは、入力部4に対して、スケジュールとは別の、運転に関連する操作を行う。操作受付部13は、ユーザが入力部4に対して行った操作を受け付ける。制御部7は、操作受付部13が受け付けた操作をもとに運転を制御する。記憶部5は、操作受付部13が受け付けた操作をもとにする運転の状態を示す情報も記憶する。
【0024】
次に、実施の形態1にかかる充放電装置1の動作の一部を説明する。図2は、実施の形態1にかかる充放電装置1が行う動作の一部の手順を示す第1のフローチャートである。スケジュール受付部3がスケジュールを受け付けたことを想定する。判断部11は、有効無効受付部8によって受け付けられた指示が有効指示であるか否かを判断する(S1)。
【0025】
判断部11は、有効無効受付部8によって受け付けられた指示が有効指示であると判断した場合(S1でYes)、優先受付部9によって受け付けられた指示がスケジュールを優先する指示であるか否かを判断する(S2)。判断部11は、優先受付部9によって受け付けられた指示がスケジュールを優先する指示であると判断した場合(S2でYes)、現在の運転の状態が指令受取部6によって受け取られた指令をもとに行われている運転の状態であるか否かを判断する(S3)。
【0026】
判断部11は、現在の運転の状態が指令をもとに行われている運転の状態であると判断した場合(S3でYes)、スケジュール受付部3によって受け付けられたスケジュールが無効であると判断する(S4)。制御部7は、指令をもとに運転を制御する。
【0027】
判断部11は、現在の運転の状態がスケジュール受付部3によって受け付けられたスケジュールをもとに行われている運転の状態であると判断した場合(S3でNo)、スケジュール受付部3によって受け付けられたスケジュールが有効であると判断する(S5)。制御部7は、スケジュール受付部3が受け付けたスケジュールをもとに運転を制御する。
【0028】
判断部11は、優先受付部9によって受け付けられた指示が指令を優先する指示であると判断した場合(S2でNo)、スケジュール受付部3によって受け付けられたスケジュールが無効であると判断する(S4)。制御部7は、指令をもとに運転を制御する。
【0029】
判断部11は、有効無効受付部8によって受け付けられた指示が無効指示であると判断した場合(S1でNo)、スケジュール受付部3によって受け付けられたスケジュールが有効であると判断する(S5)。制御部7は、スケジュール受付部3が受け付けたスケジュールをもとに運転を制御する。
【0030】
図3は、実施の形態1にかかる充放電装置1が行う動作の一部の手順を示す第2のフローチャートである。指令受取部6が運転を停止させる指令を受け取ったことを想定する。判断部11は、有効無効受付部8によって受け付けられた指示が有効指示であるか否かを判断する(S11)。
【0031】
判断部11は、有効無効受付部8によって受け付けられた指示が有効指示であると判断した場合(S11でYes)、優先受付部9によって受け付けられた指示がスケジュールを優先する指示であるか否かを判断する(S12)。判断部11は、優先受付部9によって受け付けられた指示がスケジュールを優先する指示であると判断した場合(S12でYes)、前回の運転の状態がスケジュール受付部3によって受け付けられたスケジュールをもとに行われた運転の状態であったか否かを判断する(S13)。
【0032】
判断部11は、前回の運転の状態がスケジュール受付部3によって受け付けられたスケジュールをもとに行われた運転の状態であったと判断した場合(S13でYes)、スケジュールが有効であると判断する(S14)。制御部7は、スケジュールをもとに運転を制御する。
【0033】
判断部11は、前回の運転の状態がスケジュール受付部3によって受け付けられたスケジュールをもとに行われた運転の状態でなかったと判断した場合(S13でNo)、指令が有効であると判断する(S15)。制御部7は、指令をもとに運転を停止させる。
【0034】
判断部11は、優先受付部9によって受け付けられた指示が指令を優先する指示であると判断した場合(S12でNo)、指令が有効であると判断する(S15)。制御部7は、指令をもとに運転を停止させる。
【0035】
判断部11は、有効無効受付部8によって受け付けられた指示が無効指示であると判断した場合(S11でNo)、スケジュール受付部3が受け付けたスケジュールが有効であると判断する(S14)。制御部7は、スケジュール受付部3が受け付けたスケジュールをもとに運転を制御する。
【0036】
図4は、実施の形態1にかかる充放電装置1が行う動作の一部の手順を示す第3のフローチャートである。指令受取部6が充電又は放電についての運転に関連する指令を受け取ったことを想定する。判断部11は、有効無効受付部8によって受け付けられた指示が有効指示であるか否かを判断する(S21)。
【0037】
判断部11は、有効無効受付部8によって受け付けられた指示が有効指示であると判断した場合(S21でYes)、優先受付部9によって受け付けられた指示がスケジュールを優先する指示であるか否かを判断する(S22)。判断部11は、優先受付部9によって受け付けられた指示がスケジュールを優先する指示であると判断した場合(S22でYes)、現在の運転の状態がスケジュール受付部3によって受け付けられたスケジュールをもとに行われている運転の状態であるか否かを判断する(S23)。
【0038】
判断部11は、現在の運転の状態がスケジュール受付部3によって受け付けられたスケジュールをもとに行われている運転の状態であると判断した場合(S23でYes)、指令が有効であると判断する(S24)。制御部7は、指令をもとに運転を制御する。
【0039】
判断部11は、現在の運転の状態がスケジュール受付部3によって受け付けられたスケジュールをもとに行われている運転の状態でないと判断した場合(S23でNo)、指令が無効であると判断する(S25)。制御部7は、ステップS25において指令が無効であると判断部11によって判断された場合、運転を停止させる。
【0040】
判断部11は、優先受付部9によって受け付けられた指示が指令を優先する指示であると判断した場合(S22でNo)、指令が有効であると判断する(S24)。制御部7は、指令をもとに運転を制御する。
【0041】
判断部11は、有効無効受付部8によって受け付けられた指示が無効指示であると判断した場合(S21でNo)、指令が無効であると判断する(S26)。制御部7は、ステップS26において指令が無効であると判断部11によって判断された場合、スケジュール受付部3によって受け付けられたスケジュールをもとに運転を制御する。
【0042】
実施の形態1にかかる充放電装置1は、図2を用いて説明した通り、有効無効受付部8によって受け付けられた指示が有効指示であって、優先受付部9によって受け付けられた指示がスケジュールを優先する指示であって、現在の運転の状態が指令をもとに行われている運転の状態でないと判断した場合、スケジュール受付部3によって受け付けられるスケジュールが有効であると判断する。充放電装置1は、図3を用いて説明した通り、有効無効受付部8によって受け付けられた指示が有効指示であって、優先受付部9によって受け付けられた指示がスケジュールを優先する指示であって、前回の運転の状態がスケジュールをもとに行われた運転の状態であったと判断した場合、スケジュール受付部3によって受け付けられるスケジュールが有効であると判断する。充放電装置1は、スケジュールが有効であると判断した場合、スケジュール受付部3が受け付けたスケジュールをもとに運転を制御する。したがって、充放電装置1は、スケジュールと指令とについての優先順位と現在又は前回の運転の状況とをもとにスケジュールを有効にするか無効にするかを判断して動作することができる。
【0043】
実施の形態1にかかる充放電装置1は、図4を用いて説明した通り、有効無効受付部8によって受け付けられた指示と、優先受付部9によって受け付けられた指示と、現在の運転の状況とをもとに、指令が有効であるか無効であるかを判断して動作する。したがって、充放電装置1は、スケジュールと指令とについての優先順位と現在又は前回の運転の状況とをもとに指令を有効にするか無効にするかを判断して動作することができる。
【0044】
更に言うと、図2から図4を用いて説明した通り、実施の形態1にかかる充放電装置1は、複数の状況の各々について、スケジュールと指令とについての優先順位と現在又は前回の運転の状況とをもとに、スケジュールを有効にするか無効にするかを判断して、又は、指令を有効にするか無効にするかを判断して動作する。制御装置53が2個存在する場合、複数の状況の各々と2個の制御装置53の各々とが対応付けられていれば、充放電装置1は、2個の制御装置53を区別して動作することができる。
【0045】
実施の形態2.
まず、実施の形態2にかかる充放電装置1Aの構成を説明する。図5は、実施の形態2にかかる充放電装置1Aの構成を示す図である。充放電装置1Aは、実施の形態1にかかる充放電装置1が有する電力変換部2、スケジュール受付部3、入力部4、記憶部5、指令受取部6、有効無効受付部8、優先受付部9、管理部10、制限部12及び操作受付部13を有する。充放電装置1Aは、充放電装置1が有する制御部7の替わりに制御部7Aを有し、充放電装置1が有する判断部11の替わりに判断部11Aを有する。充放電装置1Aは、下限受付部14と、量確認部15とを更に有する。実施の形態2では、実施の形態1との相違点を主に説明する。
【0046】
実施の形態2では、蓄電池52は車両54に搭載されている。判断部11Aは、有効無効受付部8によって受け付けられた指示が有効指示と無効指示とのうちのいずれであるのかを判断し、現在の運転の状態が操作受付部13によって受け付けられたユーザの操作をもとに行われている運転の状態であるか否かを判断し、車両54と充放電装置1Aとが接続されているか否かを判断する。判断部11Aが車両54と充放電装置1Aとが接続されているか否かを判断する場合、管理部10が車両54との通信を試み、判断部11Aは、管理部10が車両54との通信の状態を判断し、通信の状態についての判断結果をもとに、車両54と充放電装置1Aとが接続されているか否かを判断する。更に言うと、判断部11Aは、管理部10と車両54との通信が行われる場合に車両54と充放電装置1Aとが接続されていると判断し、管理部10と車両54との通信が行われない場合に車両54と充放電装置1Aとが接続されていないと判断する。
【0047】
判断部11Aは、指令受取部6が指令を受け取った後に、以下の判断を行う。判断部11Aは、有効無効受付部8によって受け付けられた指示が有効指示であって、現在の運転の状態がユーザの操作をもとに行われている運転の状態でなく、車両54と充放電装置1Aとが接続されていると判断した場合、指令が有効であると判断する。判断部11Aは、有効無効受付部8によって受け付けられた指示が有効指示であって、現在の運転の状態がユーザの操作をもとに行われている運転の状態でなく、車両54と充放電装置1Aとが接続されていないと判断した場合、指令が無効であると判断する。
【0048】
判断部11Aは、有効無効受付部8によって受け付けられた指示が有効指示であって、現在の運転の状態がユーザの操作をもとに行われている運転の状態であると判断した場合、指令が無効であると判断する。判断部11Aは、有効無効受付部8によって受け付けられた指示が無効指示であると判断した場合、指令が無効であると判断する。
【0049】
制御部7Aは、指令が有効であると判断部11Aによって判断された場合、指令受取部6が受け取った指令をもとに運転を制御する。制御部7Aは、指令が無効であって現在の運転の状態がユーザの操作をもとに行われている運転の状態であると判断部11Aによって判断された場合、ユーザの操作をもとに行われている運転を継続させる。制御部7Aは、指令が無効であって現在の運転の状態がスケジュール受付部3によって受け付けられたスケジュールをもとに行われている運転の状態であると判断部11Aによって判断された場合、スケジュールをもとに行われている運転を継続させる。制御部7Aは、指令が無効であって現在の運転の状態が停止の状態であると判断部11Aによって判断された場合、運転を停止させる。
【0050】
下限受付部14は、蓄電池52が蓄えておく必要がある電力の下限を示す情報を受け付ける。ユーザは、入力部4を用いて、蓄電池52が蓄えておく必要がある電力の下限を示す情報を充放電装置1Aに入力する。有効無効受付部8は、ユーザが充放電装置1Aに入力した情報を受け付ける。記憶部5は、下限受付部14が受け付けた情報も記憶する。
【0051】
量確認部15は、蓄電池52が蓄えている電力の量を確認する。具体的には、管理部10が車両54と通信を行って蓄電池52が蓄えている電力の量を示す情報を取得し、量確認部15は管理部10によって取得された情報をもとに蓄電池52が蓄えている電力の量を確認する。制御部7Aは、指令をもとに放電についての運転が行われている場合、量確認部15によって確認された量が下限受付部14によって受け付けられた情報が示す下限以下である場合、指令をもとにする運転を停止させる。
【0052】
次に、実施の形態2にかかる充放電装置1Aの動作の一部を説明する。図6は、実施の形態2にかかる充放電装置1Aが行う動作の一部の手順を示す第1のフローチャートである。指令受取部6が充電又は放電についての運転に関連する指令を受け取ったことを想定する。判断部11Aは、有効無効受付部8によって受け付けられた指示が有効指示であるか否かを判断する(S31)。
【0053】
判断部11Aは、有効無効受付部8によって受け付けられた指示が有効指示であると判断した場合(S31でYes)、現在の運転の状態がユーザの操作をもとに行われている運転の状態であるか否かを判断する(S32)。判断部11Aは、現在の運転の状態がユーザの操作をもとに行われている運転の状態であると判断した場合(S32でYes)、指令が無効であると判断する(S33)。
【0054】
判断部11Aは、現在の運転の状態がユーザの操作をもとに行われている運転の状態でないと判断した場合(S32でNo)、車両54と充放電装置1Aとが接続されているか否かを判断する(S34)。判断部11Aは、車両54と充放電装置1Aとが接続されていると判断した場合(S34でYes)、指令が有効であると判断する(S35)。制御部7Aは、指令受取部6が受け取った指令をもとに運転を制御する。
【0055】
判断部11Aは、車両54と充放電装置1Aとが接続されていないと判断した場合(S34でNo)、指令が無効であると判断する(S33)。判断部11Aは、有効無効受付部8によって受け付けられた指示が無効指示であると判断した場合(S31でNo)、指令が無効であると判断する(S33)。
【0056】
制御部7Aは、指令が無効であって現在の運転の状態がユーザの操作をもとに行われている運転の状態であると判断部11Aによって判断された場合、ユーザの操作をもとに行われている運転を継続させる。制御部7Aは、指令が無効であって現在の運転の状態がスケジュール受付部3によって受け付けられたスケジュールをもとに行われている運転の状態であると判断部11Aによって判断された場合、スケジュールをもとに行われている運転を継続させる。制御部7Aは、指令が無効であって運転の状態が停止の状態であると判断部11Aによって判断された場合、運転を停止させる。
【0057】
図7は、実施の形態2にかかる充放電装置1Aが行う動作の一部の手順を示す第2のフローチャートである。充放電装置1Aが指令受取部6によって受け取られた指令をもとに放電についての運転を行っている状況を想定する。量確認部15は、蓄電池52が蓄えている電力の量を確認する(S41)。判断部11Aは、量確認部15によって確認された量が下限受付部14によって受け付けられた情報が示す下限以下であるか否かを判断する(S42)。
【0058】
制御部7Aは、量確認部15によって確認された量が下限受付部14によって受け付けられた情報が示す下限以下であると判断部11Aによって判断された場合(S42でYes)、運転状態が放電であるか否かを判断する(S43)。すなわち、ステップS43において、制御部7Aは、放電動作中であるか否かを判断する。制御部7Aは、運転状態が放電であると判断した場合(S43でYes)、指令を無効にし、指令をもとにする運転を停止させる(S44)。つまり、制御部7Aは、放電についての運転を停止させる。制御部7Aは、量確認部15によって確認された量が下限受付部14によって受け付けられた情報が示す下限より多いと判断部11Aによって判断された場合(S42でNo)、及び、運転状態が放電でないと判断した場合(S43でNo)、指令を有効にし、指令をもとにする運転を継続させる(S45)。つまり、制御部7Aは、放電についての運転を継続させる。
【0059】
実施の形態2にかかる充放電装置1Aは、図6を用いて説明した通り、有効無効受付部8によって受け付けられた指示と、現在の運転の状況とをもとに、指令が有効であるか無効であるかを判断して動作する。したがって、充放電装置1Aは、現在又は前回の運転の状況をもとに指令を有効にするか無効にするかを判断して動作することができる。
【0060】
実施の形態2にかかる充放電装置1Aは、図7を用いて説明した通り、量確認部15によって確認された量が下限受付部14によって受け付けられた情報が示す下限以下であって、かつ運転状態が放電であると判断した場合、放電についての運転を停止する。したがって、充放電装置1Aは、蓄電池52が蓄える電力の量が、蓄電池52が蓄えておく必要がある電力の下限より少なくなることを抑制することができる。車両54が走行する場合に必要な量が下限に設定されると、充放電装置1Aは、車両54が走行することができない状況を抑制することができる。
【0061】
図8は、実施の形態1にかかる充放電装置1が有する電力変換部2、スケジュール受付部3、入力部4、指令受取部6、制御部7、有効無効受付部8、優先受付部9、管理部10、判断部11、制限部12及び操作受付部13の少なくとも一部がプロセッサ81によって実現される場合のプロセッサ81を示す図である。つまり、電力変換部2、スケジュール受付部3、入力部4、指令受取部6、制御部7、有効無効受付部8、優先受付部9、管理部10、判断部11、制限部12及び操作受付部13の少なくとも一部の機能は、メモリ82に格納されるプログラムを実行するプロセッサ81によって実現されてもよい。プロセッサ81は、CPU(Central Processing Unit)、処理装置、演算装置、マイクロプロセッサ、又はDSP(Digital Signal Processor)である。図8には、メモリ82も示されている。
【0062】
電力変換部2、スケジュール受付部3、入力部4、指令受取部6、制御部7、有効無効受付部8、優先受付部9、管理部10、判断部11、制限部12及び操作受付部13の少なくとも一部の機能がプロセッサ81によって実現される場合、当該一部の機能は、プロセッサ81と、ソフトウェア、ファームウェア、又は、ソフトウェア及びファームウェアとの組み合わせにより実現される。ソフトウェア又はファームウェアは、プログラムとして記述され、メモリ82に格納される。プロセッサ81は、メモリ82に記憶されたプログラムを読み出して実行することにより、電力変換部2、スケジュール受付部3、入力部4、指令受取部6、制御部7、有効無効受付部8、優先受付部9、管理部10、判断部11、制限部12及び操作受付部13の少なくとも一部の機能を実現する。
【0063】
電力変換部2、スケジュール受付部3、入力部4、指令受取部6、制御部7、有効無効受付部8、優先受付部9、管理部10、判断部11、制限部12及び操作受付部13の少なくとも一部の機能がプロセッサ81によって実現される場合、充放電装置1は、電力変換部2、スケジュール受付部3、入力部4、指令受取部6、制御部7、有効無効受付部8、優先受付部9、管理部10、判断部11、制限部12及び操作受付部13によって実行されるステップの少なくとも一部が結果的に実行されることになるプログラムを格納するためのメモリ82を有する。メモリ82に格納されるプログラムは、電力変換部2、スケジュール受付部3、入力部4、指令受取部6、制御部7、有効無効受付部8、優先受付部9、管理部10、判断部11、制限部12及び操作受付部13が実行する手順又は方法の少なくとも一部をコンピュータに実行させるものであるともいえる。
【0064】
メモリ82は、例えば、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、フラッシュメモリ、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、EEPROM(登録商標)(Electrically Erasable Programmable Read-Only Memory)等の不揮発性もしくは揮発性の半導体メモリ、磁気ディスク、フレキシブルディスク、光ディスク、コンパクトディスク、ミニディスク又はDVD(Digital Versatile Disk)等である。
【0065】
図9は、実施の形態1にかかる充放電装置1が有する電力変換部2、スケジュール受付部3、入力部4、指令受取部6、制御部7、有効無効受付部8、優先受付部9、管理部10、判断部11、制限部12及び操作受付部13の少なくとも一部が処理回路91によって実現される場合の処理回路91を示す図である。つまり、電力変換部2、スケジュール受付部3、入力部4、指令受取部6、制御部7、有効無効受付部8、優先受付部9、管理部10、判断部11、制限部12及び操作受付部13の少なくとも一部は、処理回路91によって実現されてもよい。
【0066】
処理回路91は、専用のハードウェアである。処理回路91は、例えば、単一回路、複合回路、プログラム化されたプロセッサ、並列プログラム化されたプロセッサ、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field-Programmable Gate Array)、又はこれらを組み合わせたものである。
【0067】
電力変換部2、スケジュール受付部3、入力部4、指令受取部6、制御部7、有効無効受付部8、優先受付部9、管理部10、判断部11、制限部12及び操作受付部13の一部は、残部とは別個の専用のハードウェアであってもよい。
【0068】
電力変換部2、スケジュール受付部3、入力部4、指令受取部6、制御部7、有効無効受付部8、優先受付部9、管理部10、判断部11、制限部12及び操作受付部13の複数の機能について、当該複数の機能の一部がソフトウェア又はファームウェアで実現され、当該複数の機能の残部が専用のハードウェアで実現されてもよい。このように、電力変換部2、スケジュール受付部3、入力部4、指令受取部6、制御部7、有効無効受付部8、優先受付部9、管理部10、判断部11、制限部12及び操作受付部13の複数の機能は、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、又はこれらの組み合わせによって実現することができる。
【0069】
実施の形態2にかかる充放電装置1Aが有する電力変換部2、スケジュール受付部3、入力部4、指令受取部6、制御部7A、有効無効受付部8、優先受付部9、管理部10、判断部11A、制限部12、操作受付部13、下限受付部14及び量確認部15の少なくとも一部の機能は、メモリに格納されるプログラムを実行するプロセッサによって実現されてもよい。当該メモリは、電力変換部2、スケジュール受付部3、入力部4、指令受取部6、制御部7A、有効無効受付部8、優先受付部9、管理部10、判断部11A、制限部12、操作受付部13、下限受付部14及び量確認部15によって実行されるステップの少なくとも一部が結果的に実行されることになるプログラムを格納するためのメモリであって、メモリ82と同様のメモリである。当該プロセッサは、プロセッサ81と同様のプロセッサである。
【0070】
実施の形態2にかかる充放電装置1Aが有する電力変換部2、スケジュール受付部3、入力部4、指令受取部6、制御部7A、有効無効受付部8、優先受付部9、管理部10、判断部11A、制限部12、操作受付部13、下限受付部14及び量確認部15の少なくとも一部の機能は、処理回路によって実現されてもよい。当該処理回路は、処理回路91と同様の処理回路である。
【0071】
以上の実施の形態に示した構成は、一例を示すものであり、別の公知の技術と組み合わせることも可能であるし、実施の形態同士を組み合わせることも可能であるし、要旨を逸脱しない範囲で、構成の一部を省略又は変更することも可能である。
【符号の説明】
【0072】
1,1A 充放電装置、2 電力変換部、3 スケジュール受付部、4 入力部、5 記憶部、6 指令受取部、7,7A 制御部、8 有効無効受付部、9 優先受付部、10 管理部、11,11A 判断部、12 制限部、13 操作受付部、14 下限受付部、15 量確認部、21 インバータ、22 コンバータ、51 電力系統、52 蓄電池、53 制御装置、54 車両、81 プロセッサ、82 メモリ、91 処理回路。
【要約】
充放電装置(1)は、蓄電池(52)の充電と放電とのうちの一方又は双方についての運転のスケジュールであってユーザが充放電装置(1)に入力するスケジュールを受け付けるスケジュール受付部(3)と、制御装置(53)から出力される運転に関連する指令を受け取る指令受取部(6)と、指令を有効とする指示である有効指示又は指令を無効とする指示である無効指示を受け付ける有効無効受付部(8)と、スケジュールと指令とのうちのいずれを優先するのかを示す指示を受け付ける優先受付部(9)と、判断部(11)とを有する。判断部(11)は、有効無効受付部(8)によって受け付けられた指示が有効指示であって、優先受付部(9)によって受け付けられた指示がスケジュールを優先する指示であって、現在の運転の状態が指令をもとに行われている運転の状態でないと判断した場合、スケジュールが有効であると判断する。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9