特許第6804755号(P6804755)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6804755
(24)【登録日】2020年12月7日
(45)【発行日】2020年12月23日
(54)【発明の名称】渦巻型噴射ノズル
(51)【国際特許分類】
   F23R 3/28 20060101AFI20201214BHJP
   F23R 3/34 20060101ALI20201214BHJP
   F23D 14/48 20060101ALI20201214BHJP
【FI】
   F23R3/28 B
   F23R3/34
   F23D14/48 B
【請求項の数】3
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2016-222205(P2016-222205)
(22)【出願日】2016年11月15日
(65)【公開番号】特開2017-106709(P2017-106709A)
(43)【公開日】2017年6月15日
【審査請求日】2019年9月6日
(31)【優先権主張番号】特願2015-230532(P2015-230532)
(32)【優先日】2015年11月26日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】515328831
【氏名又は名称】ウエムラ技研株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100087815
【弁理士】
【氏名又は名称】岡本 昭二
(72)【発明者】
【氏名】曽根 泰幸
(72)【発明者】
【氏名】神納 正幸
(72)【発明者】
【氏名】梶原 学
【審査官】 小岩 智明
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2015/152760(WO,A1)
【文献】 特開2015−200493(JP,A)
【文献】 特開2007−155170(JP,A)
【文献】 特開2015−206584(JP,A)
【文献】 特表2011−520055(JP,A)
【文献】 特開平11−072205(JP,A)
【文献】 特開平09−327641(JP,A)
【文献】 特開平08−145363(JP,A)
【文献】 実公昭47−012180(JP,Y1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F23R 3/00− 3/60
F02C 7/232
F23D 14/48
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
流体通路(24)を通って渦巻状に流体を噴射する渦巻型噴射ノズル(10)であって、
前記流体通路(24)は、流体をノズル軸心(C1)回りに旋回させながら噴出する旋回通路(30)と、前記旋回通路(30)に前記流体を供給する環状通路(28)と、ノズル軸心(C1)方向に延びて前記環状通路(28)に前記流体を供給する供給通路(26)とを備え、
少なくとも、前記旋回通路(30)と前記環状通路(28)と前記供給通路(26)の下流部とを含む頭部(20)が、三次元造形による一体物であり、
前記環状通路(28)の通路横断面が、少なくともノズル頂面(20a)に対向する部分(28b)において湾曲しており、
前記環状通路(28)の横断面が、前記旋回通路(30)に接続されるノズル径方向内側部分(28a)を除いて円形または楕円形である渦巻型噴射ノズル。
【請求項2】
ガスタービンエンジンの燃料噴射ノズルを形成する請求項に記載の渦巻型噴射ノズルであって、
前記流体通路(24)はノズル軸心(C1)から偏心した位置に形成されて軸方向に延びるメイン燃料通路であり、
さらに、プライマリ燃料通路(22)を備え、
前記プライマリ燃料通路(22)は、前記供給通路(26)よりもエンジン径方向の内側に形成されて前記ノズル軸心(C1)方向に延びるプライマリ供給通路(32)と、このプライマリ供給通路(32)の下流端部に連通してノズル径方向の内側に延びるプライマリ環状通路(34)と、このプライマリ環状通路(34)の下流端に連通するプライマリ噴射室(36)とを有し、
前記旋回通路(30)と前記プライマリ噴射室(36)とが前記ノズル頂面(20a)に形成された流体噴射口の一種である燃料噴射口(10a)に臨んでいる渦巻型噴射ノズル。
【請求項3】
請求項に記載の渦巻型噴射ノズルにおいて、前記メイン燃料通路(24)の旋回通路(30)は、前記プライマリ燃料通路(22)の前記プライマリ噴射室(36)のノズル
径方向外方に位置し、かつ、前記環状通路(28)のノズル径方向内側から径方向内方に延びる複数の傾斜孔(30a)と、その下流に連通する円錐筒状の傾斜室(30b)とを有し、
前記複数の傾斜孔(30a)はノズル軸心(C1)の周方向に離間して配置され、
前記傾斜室(30b)の下流端が前記燃料噴射口(10a)に連通している渦巻型噴射ノズル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、渦巻状に流体を噴射する渦巻型噴射ノズルであって、例えばガスタービンエンジンの燃料噴射ノズルとして使用されるものに関する。
【背景技術】
【0002】
渦巻型噴射ノズルは、燃料、水等の流体を粒状化するノズルであり、ガスタービンを始め、様々な産業で使用されている。渦巻型噴射ノズルは、構造が複雑で、多数の部品を単品で加工した後、各部品を溶接、ロウ付け等を用いて接合することで組み立てている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2015−117626号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、このような構成では、組立時に誤差が発生し易く、組立に手間がかかるうえに、接合部から流体が漏れ易い。なお、特許文献1には、ノズルではないが、三次元積層造形技術を用いて、接合部のない一体型のタービン動翼を製造する方法が開示されている。
【0005】
本発明は、寸法精度が高く、製造が容易で、流体の漏れを防ぐことができる渦巻型噴射ノズルを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
以下、理解を容易にするために、便宜上、実施形態の符号を参照して説明する。
本発明の渦巻型噴射ノズルは、流体通路24を通って渦巻状に流体を噴射する渦巻型噴射ノズル10,12であって、
前記流体通路24は、流体をノズル軸心C1、C2回りに旋回させながら噴出する旋回通路30,44と、前記旋回通路に前記流体を供給する環状通路28,40と、ノズル軸心方向C1,C2に延びて前記環状通路28、40に前記流体を供給する供給通路26、38とを備え、
少なくとも、前記旋回通路30、44と前記環状通路28,40と前記供給通路26,38の下流部とを含む頭部20,45が、三次元造形による一体物である。
【0007】
本発明の渦巻型噴射ノズルによれば、前記旋回通路30、44と前記環状通路28,40と前記供給通路26,38の下流部とを含むために構造が複雑な頭部20,45が、三次元造形(3Dプリンタ)による一体物で構成されているので、渦巻型噴射ノズル10、12の寸法精度が高く、製造が容易になる。しかも、接合部が少なくなるので、流体の漏れを防ぐことができる。
【0008】
本発明において、好ましくは、前記環状通路28の通路横断面が、少なくともノズル頂面20aに対向する部分28bにおいて湾曲している。この構成によれば、3Dプリンタによって湾曲部分を形成する際に、金属層51を重ねても、上層の金属層51が下層の金属層51によって十分支持されるので、落下が避けされ、その結果、金属層のサポートが不要となる。これにより、燃料噴射ノズル10の頭部20を、3Dプリンタを用いて容易に形成することが可能となる。
【0009】
本発明において、前記環状通路28の横断面が、前記旋回通路30に接続されるノズル径方向内側部分28aを除いて円形または楕円形であるのが好ましい。円形または楕円形により、前記環状通路28の湾曲部分を容易に形成できる。また、環状通路28を流れる流体の通路抵抗が、矩形横断面の場合よりも小さくなる。
【0010】
本発明の渦巻型噴射ノズルをガスタービンエンジンの燃料噴射ノズルとして利用する場合、
前記流体通路24はノズル軸心C1から偏心した位置に形成されて軸方向に延びるメイン燃料通路であり、
さらに、プライマリ燃料通路22を備え、
前記プライマリ燃料通路22は、前記メイン供給通路26よりもエンジン径方向の内側に形成されて前記ノズル軸心C1方向に延びるプライマリ供給通路32と、このプライマリ供給通路32の下流端部に連通してノズル径方向の内側に延びるプライマリ環状通路34と、このプライマリ環状通路34の下流端に連通するプライマリ噴射室36とを有し、
旋回通路30と前記プライマリ噴射室36とが前記ノズル頂面20aに形成された燃料噴射口10aに臨んでいる構成とすることができる。
【0011】
この構成によれば、メイン燃料通路24とプライマリ燃料通路22とを有するガスタービンエンジン用の渦巻型燃料噴射ノズル10を3Dプリンタにより容易に製造できる。
【0012】
前記ガスタービンエンジン用の渦巻型燃料噴射ノズル10において、メイン燃料通路24の旋回通路30は、前記プライマリ燃料通路22のプライマリ噴射室36のノズル径方向外方に位置し、かつ、前記環状通路28のノズル径方向内側から径方向内方に延びる複数の傾斜孔30aと、その下流に連通する円錐筒状の傾斜室30bとを有し、
前記複数の傾斜孔30aはノズル軸心C1の周方向に離間して配置され、
前記傾斜室30bの下流端が前記燃料噴射口10aに連通している構成とすることができる。
【0013】
この構成によれば、メイン燃料通路24とプライマリ燃料通路22とを噴射ノズルの径方向に並べてコンパクトに配置できる。
【発明の効果】
【0014】
本発明の渦巻型噴射ノズルによれば、渦巻型噴射ノズルにおける構造が複雑な頭部が三次元造形による一体物で構成されているので、寸法精度が高く、製造が容易になる。しかも、接合部が少なくなるので、流体の漏れを防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明の一実施形態に係る渦巻型噴射ノズルを備えた燃焼器を示す縦断面図である。
図2】同渦巻型噴射ノズルの頭部を示す縦断面図である。
図3図2のIII−III線に沿った断面図である。
図4】同渦巻型噴射ノズルの別の例の頭部を示す縦断面図である。
図5図4のV−V線に沿った断面図である。
図6】同渦巻型噴射ノズルの製造方法を示す要部の別の縦断面図である。
図7】従来の製造方法を示す要部の縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の好ましい実施形態について図面を参照しながら説明する。図1は本発明の第1実施形態に係る渦巻型噴射ノズルの一種である燃料噴射ノズル10を示す縦断面図である。燃料噴射ノズル10は、渦巻状に燃料を噴射する複式の渦巻型噴射ノズルであり
、この実施形態では、ガスタービンエンジン用のアニュラ型燃焼器1に設けられている。以下の説明で、「上流」および「下流」は、燃料の流れ方向の上流および下流をいう。
【0017】
燃焼器1は、環状のアウタケーシング3と、その内側に配置された環状のインナケーシング4とを有し、これら両ケーシング3,4により、エンジン回転軸心Cと同心の環状の内部空間を有する燃焼器ハウジング2が構成されている。この燃焼器ハウジング2の環状の内部空間には、環状のアウタライナ6の内側に環状のインナライナ7が同心状に配置された燃焼筒5が、燃焼器ハウジング2と同心状に配置されている。
【0018】
燃焼筒5の上流端に、筒状の支持部材15が溶接により連結されている。支持部材15の中心軸は、燃料噴射ノズル10のノズル軸心C1と一致している。支持部材15の先端壁15aは下流端に設けられ、先端壁15aに軸方向を向く開口部15bが形成されている。支持部材15の下流端部に、第1フランジ部15cが形成されており、この第1フランジ部15cに、スワーラ16が装着されている。スワーラ16の外側に、燃焼筒5の上流端が溶接により連結されている。燃焼筒5の下流端部はタービンの第1段ノズル(図示せず)に連通している。
【0019】
支持部材15の上流端に、第2フランジ部15dが形成されており、この第2フランジ部15dを介して支持部材15と燃焼器ハウジング2とがボルト連結されている。支持部材15の周壁15fにおける軸方向中間部に、径方向を向いた貫通孔からなる複数の空気取入孔15eが形成されている。
【0020】
燃焼筒5は内部に環状の燃焼室8が形成されており、この燃焼筒5の上流端に、燃焼室8内に燃料を噴射する複数の前記燃料噴射ノズル10が設けられている。燃料噴射ノズル10は、燃焼筒5と同心の単一の円上に等間隔に配設されている。詳細には、燃料噴射ノズル10は、後述の頭部20を含む下流側部分が支持部材15の内部に収納され、燃料噴射口10aが支持部材15の開口部15bに臨むように配置されている。燃料噴射ノズル10は、ボルトのような締結部材(図示せず)によって燃焼器ハウジング2に支持されている。支持部材15の周壁15fと燃料噴射ノズル10の周壁10bとの間には、環状のノズル空気通路17が形成されている。燃料噴射ノズル10の構造の詳細は後述する。
【0021】
アウタケーシング3およびアウタライナ6を貫通して、燃焼室8に燃料を噴射する補助燃料噴射ノズル12が設けられている。補助燃料噴射ノズル12は、渦巻状に燃料を噴射する単式の渦巻型噴射ノズルである。補助燃料噴射ノズル12は、燃料噴射ノズル10から噴射された燃料Fに補助燃料F0を噴射するもので、例えば、着火用または保炎用に設けられる。ただし、補助燃料噴射ノズル12はなくてもよい。補助燃料噴射ノズル12は、燃焼筒5の径方向を向き、その軸心C2が燃料噴射ノズル10のノズル軸心C1と直交するように配置されている。補助燃料噴射ノズル12の構造の詳細は後述する。アウタケーシング3およびアウタライナ6を貫通して、着火用の点火プラグ14が設けられている。
【0022】
燃焼器ハウジング2と燃焼筒5との間の環状の内部空間には、圧縮機(図示せず)から送給される圧縮空気CAが導入される空気通路25が形成されている。圧縮空気CAは、支持部材15のスワーラ16並びに燃焼筒5のアウタライナ6およびインナライナ7にそれぞれ複数形成された空気導入口18から燃焼室8内に供給される一方で、支持部材15の空気取入孔15eからノズル空気通路17に供給される。
【0023】
燃料噴射ノズル10は、プライマリ燃料F1が供給されるプライマリ通路22と、メイン燃料F2が供給されるメイン燃料通路24とを有している。プライマリ燃料F1は、始動時および低出力時のみ、または全出力領域にわたって供給され、メイン燃料F2は、中
間出力および高出力時に供給される。プライマリ通路22は、メイン燃料通路24のエンジン径方向の内側に形成される。前記各燃料F0〜F2は、石油系の液体または天然ガスなどの流体である。
【0024】
図2に示すように、流体通路の一種であるメイン燃料通路24は、ノズル軸心C1から偏心した位置に形成されてノズル軸心C1の方向に延びるメイン供給通路26と、メイン供給通路26の下流端部に連通するメイン環状通路28と、このメイン環状通路28からノズル軸心C1に向かって斜め下流方向に延びる複数のメイン旋回通路30とを有している。図3に示すように、メイン旋回通路30は、メイン燃料F2をノズル軸心C1回りに旋回させながら、図2の頭部20の先端面であるノズル頂面20aに開口した流体噴射口の一種である燃料噴射口10aから噴射する。
【0025】
メイン環状通路28の横断面は、メイン旋回通路30に接続された部分、つまりノズル軸心C1寄りのノズル径方向内側28aが直線状とされた円形または楕円形である。メイン旋回通路30は、図3に示すように、ノズル軸心C1の方向から見て、ノズル軸心C1の放射方向に対して傾斜して設けられた複数の傾斜孔30aと、それらの下流に続く円錐筒状の傾斜室30bとを有し、傾斜室30bの下流端が燃料噴射口10aに連通している。燃料噴射ノズル10は、全体が三次元造形(3Dプリンタ)による一体物で形成されている。ただし、図2のメイン供給通路26の下流部、メイン環状通路28およびメイン旋回通路30を含む頭部20のみを三次元造形による一体物で構成し、頭部20を除く胴部21を機械加工で形成して、両者20,21をろう付けしてもよい。
【0026】
プライマリ燃料通路22は、ノズル軸心C1から偏心した位置でメイン供給通路26のエンジン径方向の内側に形成されてノズル軸心C1方向に延びるプライマリ供給通路32と、プライマリ供給通路32の下流端部に連通してノズル径方向内側に延びるプライマリ環状通路34と、このプライマリ環状通路34からノズル軸心C1に向かって径方向内側に延びる導入通路35と、導入通路35の下流端に連通して軸方向に延びるプライマリ噴射室36とを有している。このプライマリ噴射室36は、ノズル軸心C1上に位置している。前記導入通路35には、ノズル軸心C1の放射方向または放射方向に対して斜めの方向に延びる複数のガイド体が、ノズル軸心C1の周方向に等間隔に並んで設けられている。
【0027】
プライマリ環状通路34は、メイン環状通路28のノズル軸心C1の径方向内側に配置されている。プライマリ噴射室36は、メイン環状通路28およびメイン旋回通路30のノズル軸心C1の径方向内側に配置されている。メイン燃料通路24のメイン旋回通路30の出口と、プライマリ燃料通路22のプライマリ噴射室36の出口は燃料噴射口10aに臨んでいる。
【0028】
図4に示すように、渦巻き型の流体噴射ノズルの一種である補助燃料噴射ノズル12は、その軸心C2方向に延びる補助燃料(流体)供給通路38を有している。補助燃料供給通路38の下流端部は、補助燃料環状通路40に連通している。詳細には、補助燃料噴射ノズル12の下流端部に、有底筒状のカップ42が形成されている。カップ42の底壁42aは、カップ42の上流端に形成され、下流端の開口は補助燃料噴射ノズル12の燃料噴射口12aに連通している。
【0029】
カップ42の周壁42bと補助燃料噴射ノズル12の周壁12bとの間に、環状の隙間40が形成されており、この隙間40が補助燃料環状通路40を構成している。カップ42の周壁42bに、補助燃料環状通路40から軸心C2に向かって斜めに延びる複数の連通孔44が形成されている。これら連通孔44が、図5に示すように、補助燃料F0を軸心C2回りに旋回させながら噴射する補助燃料旋回通路44を構成している。
【0030】
補助燃料噴射ノズル12は、全体が三次元造形(3Dプリンタ)による一体物で形成されている。ただし、図4に示す補助燃料供給通路38の下流部、補助燃料環状通路40、および補助燃料旋回通路44を含む頭部45のみを三次元造形による一体物で構成し、頭部45を除く胴部46を機械加工で形成して、両者45,46をろう付けしてもよい。
【0031】
図1の燃料噴射ノズル10の製造にあたっては、頭部20と反対側の基部から、3Dプリンタからの金属粉末の吐出による金属層の形成と、レーザ光または電子ビームの照射による金属層の溶融・凝固とを繰り返すことにより、一体化された凝固部分が形成される。レーザ光または電子ビームは、燃料噴射ノズル10の3次元CADデータに基づいて、各金属層における燃料噴射ノズル10の形状に対応する領域に照射される。
【0032】
ここで、図2の燃料噴射ノズル10の頭部20のメイン環状通路28と、メイン旋回通路30の傾斜孔30aとは、横断面がほぼ円形または楕円形で構成されている。これにより、メイン燃料F2が両通路28,30を流れる際の通路抵抗が、横断面を矩形とした場合よりも小さくなる。また、特に、三次元積層造形技術を用いてメイン環状通路28を形成する場合、図7の従来例に示すように、頭部20Aのメイン環状通路28Aの横断面が矩形であると、初期に形成される金属層51Aにおけるメイン環状通路28Aを覆う部分が落下するのを防ぐためにサポート材SPを用意する必要がある。
【0033】
これに対し、図6に示す本実施形態のように、頭部20のメイン環状通路28の横断面を円形または楕円形とすると、この横断面におけるノズル頂面20aに対向する部分28bがノズル頂面20aに向かって、すなわちノズル先端方向に向かって膨らむ湾曲した形状となるから、ノズル基端側から金属層51を重ねても、上層の金属層51が下層の金属層51によって十分支持されるので、落下が避けられ、その結果、サポートが不要となる。これにより、燃料噴射ノズル10の頭部20を、3Dプリンタを用いて容易に形成することが可能となる。
【0034】
つぎに図1の燃焼器1の動作について説明する。ガスタービンエンジンの始動時には、燃料噴射ノズル10から燃焼室8に噴射された霧状のプライマリ燃料F1が、スワーラ16によって旋回された圧縮空気CAと混合され、旋回しながら燃焼領域を形成する。点火プラグ14によって点火された火炎は、この燃焼領域内で維持される。
【0035】
メイン燃料F2は、メイン旋回通路30を通過することで、ノズル軸心C1回りに旋回しながら燃料噴射口10aから燃焼室8に噴射される。このとき、メイン燃料F2は、燃料噴射口10aの出口付近で、ノズル空気通路17に導入された圧縮空気CAと混合され、霧状となって開口部15bから燃焼室8に噴射される。これにより、燃焼が継続される。
【0036】
一方、補助燃料F0は、図4の補助燃料旋回通路44を通過することで、軸心C2回りに旋回しながら燃料噴射口12aから図1の燃焼室8に霧状に噴射される。
【0037】
上記構成によれば、燃料噴射ノズル10の少なくとも頭部20および補助燃料噴射ノズル12の少なくとも頭部45が、三次元造形による一体物で構成されている。これにより、寸法精度が高く、かつ、製造が容易になる。さらに、接合部が少なくなるので、燃料の漏れを防ぐことができる。具体的には、接合不良、熱膨張等に起因するメイン燃料F2および補助燃料F0の外部漏れ、プライマリ燃料F1の内部漏れ等を回避できる。
【0038】
本発明は、以上の実施形態に限定されるものでなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で、種々の追加、変更または削除が可能である。例えば、上記実施形態の渦巻型噴射ノズ
ルは燃料を噴射するノズルであったが、これに限定されず、水を噴射する冷房用のノズルであってもよい。また、本発明の渦巻型噴射ノズルはガスタービンエンジン用のノズルに限定されない。したがって、そのようなものも本発明の範囲内に含まれる。
【符号の説明】
【0039】
10 燃料噴射ノズル(渦巻型噴射ノズル)
12 補助燃料噴射ノズル(渦巻型噴射ノズル)
10a,12a 燃料噴射口
2045 頭部
20a ノズル頂面
28,34,40 環状通路
26,38 供給通路
30,44 旋回通路
30a 傾斜孔
30b 傾斜
36 プライマリ噴射
C1C2 ノズル軸心
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7