(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
旋回用モータは外郭部材を有し、当該外郭部材の中に回転子と固定子と減速機構があり、外郭部材の内部に内ギヤが設けられ、減速機構は前記内ギヤを構成部材の一つとする遊星ギヤ列であることを特徴とする請求項5に記載の搬送装置。
少なくとも一つの主搬送装置又は補助搬送装置は、旋回用係合部材の下部に走行用モータがあり、走行用モータによって当該主搬送装置又は補助搬送装置と他の主搬送装置又は補助搬送装置のドライブシャフトが回転されることを特徴とする請求項14に記載の面状搬送装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に開示された面状搬送装置は、前記した様に小型の搬送セル(搬送装置)を面状に配置したものであるが、各搬送セルを一定エリアごとに旋回させる構成を想定している。
すなわち特許文献1に開示された面状搬送装置では、6行6列に搬送セルを配置している。そして例えば、搬送面を4行6列と、2行6列に区分し、各区分に属する搬送セルは、旋回機構が連動する。また各区分に属する搬送セルのコロは、同期的に回転する。
特許文献1に開示された面状搬送装置では、各区分に属する搬送セルの旋回機構が、一連の平歯車列によって直列接続されている。
また特許文献1に開示された面状搬送装置では、各区分に属する搬送セルのコロは、全て水平に配された一本のシャフトから動力を受けている。
【0005】
特許文献1に開示された面状搬送装置は、一つのエリアに多数の搬送セルが含まれ、一つのエリアに含まれる多数の搬送セルを同期的に走行・旋回させる用途には適するものである。
しかしながら、特許文献1に開示された面状搬送装置は、搬送セルを一個づつ走行させたり旋回させる用途や、4個程度の少数の搬送セルを一つの区分として走行させたり旋回させる用途には不向きである。
【0006】
そこで本発明は、従来技術の上記した問題点に注目し、搬送セルを一個づつ走行させたり旋回させる用途や、4個程度の少数の搬送セルを一つの区分として走行させたり旋回させる用途に適する搬送装置(搬送セル)を開発することを課題とするものである。
また本発明は、搬送セルを一個づつ走行させたり旋回させたり、4個程度の少数の搬送セルを一つの区分として走行させたり旋回させることができる面状搬送装置を開発することを課題とするものである。
さらにこれらの搬送装置又は面状搬送装置がユニット化された搬送ユニットを開発することを課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するための本発明の第1の様相は、物品と接して回転又は走行する接触部材を有し物品を移動させる走行部と、前記走行部を支持する旋回台と、旋回用モータと、走行用モータと、ドライブシャフトを有し、旋回用モータは、軸方向に貫通する貫通孔と、回転力を出力する出力部を有し、前記貫通孔にドライブシャフトが挿通され、旋回用モータの下部に走行用モータがあり、走行用モータによってドライブシャフトが回転され、ドライブシャフトによって前記走行部が駆動され、旋回用モータの出力部に旋回台が直接または間接的に係合されていて旋回用モータによって旋回台及び走行部が旋回することを特徴とする搬送装置である。
【0008】
本様相の搬送装置は、面状搬送装置の搬送セルとして好適なものである。
本様相の搬送装置は、走行部によって物品を搬送することができ、さらに走行部を旋回させることができるので、搬送方向を容易に変更することができる。
また、旋回用モータの貫通孔にドライブシャフトが挿通されているので、搬送装置の省スペース化を図ることができる。
また本様相によれば、旋回用モータの下部に走行用モータがあり、走行用モータによってドライブシャフトが回転されるので、面状搬送装置に組み込んだ際のレイアウトが簡素であり、省スペース化を図ることができる。
【0009】
また他の様相は、物品と接して回転又は走行する接触部材を有し物品を移動させる走行部と、前記走行部を支持する旋回台と、旋回用係合部材と、走行用モータと、走行部に動力を伝動するドライブシャフトと、走行力出力用係合部材を有し、前記走行力出力用係合部材はドライブシャフトに取り付けられていてドライブシャフトと一体的に回転し、走行用モータによってドライブシャフトが回転され、ドライブシャフトによって前記走行部が駆動され、前記走行力出力用係合部材によって他の搬送装置の走行部を駆動可能であり、旋回用係合部材は外部から動力伝達を受けて旋回台及び走行部が旋回することを特徴とする搬送装置である。
【0010】
本様相の搬送装置は、他の搬送装置の走行部を駆動することができ、モータ等の動力源の数を減らすことができる。
【0011】
また他の様相は、物品と接して回転又は走行する接触部材を有し物品を移動させる走行部と、前記走行部を支持する旋回台と、旋回用係合部材と、走行部に動力を伝動するドライブシャフトを有し、ドライブシャフトには走行力入力用係合部材があり、旋回用係合部材は軸方向に貫通する貫通孔を有し、前記貫通孔にドライブシャフトが挿通され、走行力入力用係合部材は、他の搬送装置から動力伝達を受けて回転し、旋回用係合部材は外部から動力伝達を受けて旋回台及び走行部が旋回させることを特徴とする搬送装置である。
【0012】
本様相の搬送装置は、他の搬送装置等から動力伝動を受けて動作するので、モータ等の動力源の数を減らすことができる。
【0013】
好ましい様相は、前記接触部材は、無端部材であり、走行部は、自由回転する一対の回転体と、当該回転体に懸架された前記無端部材と、ドライブシャフトの動力を受けて回転する駆動体を有し、回転体同士の間の部分にある無端部材に前記駆動体が係合して無端部材を走行させる構成である。
【0014】
また他の様相は、物品と接して回転又は走行する接触部材を有し物品を移動させる走行部と、前記走行部を支持した状態で旋回する旋回台と、ドライブシャフトを有し、前記接触部材は、無端部材であり、走行部は、自由回転する一対の回転体と、当該回転体に懸架された前記無端部材と、ドライブシャフトの動力を受けて回転する駆動体を有し、回転体同士の間の部分にある無端部材に前記駆動体が係合して無端部材を走行させることを特徴とする搬送装置である。
【0015】
この構成によれば、物品が、自由回転する一対の回転体に懸架された無端部材と接触して搬送されるので、物品と無端部材とが面接触する。また、無端部材が走行することによって物品が搬送されるので、物品と無端部材とが擦れにくく、物品や無端部材の摩耗や破損を防止することができる。
また、無端部材における回転体同士の間の部分に駆動体が係合して無端部材を走行させるので、駆動体が物品と接触しない。そのため、駆動体との接触による物品の摩耗や破損を防止することができる。
【0016】
他の搬送装置と係合する係合部を有し、複数の搬送装置を前記係合部で係合して複数の搬送装置を面状につなげることが可能であることが望ましい。
【0017】
本様相によると、複数の搬送装置をつなげて面状搬送装置を構成させることができる。
【0018】
また他の様相は、物品と接して回転又は走行する接触部材を有し物品を移動させる走行部と、前記走行部を支持する旋回台と、旋回用モータと、走行用モータを有し、走行用モータによって前記走行部が駆動され、旋回用モータの出力部に旋回台が直接または間接的に係合されていて旋回用モータによって旋回台及び走行部が旋回することを特徴とする搬送装置である。
【0019】
旋回用モータと走行用モータは重なった位置にあることが望ましい。
【0020】
前記した様相においては、ドライブシャフトを有し、上部側に配置された旋回用モータ又は走行用モータには軸方向に貫通する貫通孔があり、下部側のモータに前記ドライブシャフトが係合し、前記貫通孔にドライブシャフトが挿通され、ドライブシャフトによって前記走行部又は旋回台が駆動されることが望ましい。
【0021】
また他の様相は、物品と接して回転又は走行する接触部材を有し物品を移動させる走行部と、前記走行部を支持する旋回台と、旋回用モータと、走行用モータと、ドライブシャフトを有し、上部側に配置された旋回用モータ又は走行用モータには軸方向に貫通する貫通孔があり、下部側のモータに前記ドライブシャフトが係合し、前記貫通孔にドライブシャフトが挿通され、ドライブシャフトによって前記走行部又は旋回台が駆動されることを特徴とする搬送装置である。
【0022】
上記した各様相において、旋回用モータと走行用モータは同一軸線上に配されていることが望ましい。
【0023】
上記した各様相において、減速機構を有し、旋回用モータの回転が減速機構で減速されて旋回台が駆動されることが望ましい。
【0024】
旋回用モータは外郭部材を有し、当該外郭部材の中に回転子と固定子と減速機構があり、外郭部材の内部に内ギヤが設けられ、減速機構は前記内ギヤを構成部材の一つとする遊星ギヤ列であることが望ましい。
【0025】
面状搬送装置の構成は、上記した搬送装置が複数、面状に配置されてなることを特徴とする。
【0026】
また好ましい様相の面状搬送装置は、上記したいずれかの搬送装置を主搬送装置とし、1又は複数の主搬送装置を有し、さらに1又は複数の補助搬送装置を有する面状搬送装置であって、前記補助搬送装置は、物品と接して回転又は走行する接触部材を有し物品を移動させる走行部と、前記走行部を支持する旋回台を有し、いずれかの前記補助搬送装置の走行部及び/又は旋回台はいずれかの主搬送装置の走行部及び/又は旋回台と同期的に動くことを特徴とする面状搬送装置である。
【0027】
ここで、「主搬送装置」「補助搬送装置」は、発明の理解を容易にするために名称を変えたものに過ぎず、「主搬送装置」と同様の機能を持った搬送装置を「補助搬送装置」として使用してもよい。
【0028】
他の好まして様相の面状搬送装置は、上記したいずれかの搬送装置を主搬送装置とし、1又は複数の主搬送装置を有し、さらに1又は複数の補助搬送装置を有する面状搬送装置であって、前記主搬送装置は旋回用モータを有し、旋回用モータの出力部に接続又は係合された旋回力出力用係合部材を有し、前記補助搬送装置は、物品と接して回転又は走行する接触部材を有し物品を移動させる走行部と、前記走行部を支持する旋回台と、旋回用係合部材を有し、旋回用係合部材は、軸方向に貫通する貫通孔を有し、旋回用係合部材は直接又は間接的に旋回力出力用係合部材と係合していて旋回力出力用係合部材の回転に伴って回転し、前記貫通孔にドライブシャフトが挿通され、当該ドライブシャフトによって前記走行部が駆動され、旋回用係合部材によって旋回台及び走行部が旋回することを特徴とする面状搬送装置である。
【0029】
この構成によれば、複数の旋回用モータを共有化することができる。すなわち、走行部の数に対して、旋回用モータの数を減らすことができる。
【0030】
少なくとも一つの主搬送装置又は補助搬送装置は、旋回用係合部材の下部に走行用モータがあり、走行用モータによって当該主搬送装置又は補助搬送装置と他の主搬送装置又は補助搬送装置のドライブシャフトが回転されることが望ましい。
【0031】
この構成によれば、複数の走行用モータとを共有化することができる。すなわち走行部の数に対して、走行用モータの数を減らすことができる。
【0032】
他の好ましい様相の面状搬送装置は、上記したいずれかの搬送装置を主搬送装置とし、1又は複数の主搬送装置を有し、さらに1又は複数の補助搬送装置を有する面状搬送装置であって、前記補助搬送装置は、物品と接して回転又は走行する接触部材を有し物品を移動させる走行部と、前記走行部を支持する旋回台と、他から動力伝動を受けて回転する旋回用係合部材を有し、主搬送装置と補助搬送装置のいずれかは走行用モータを備え、走行用モータを備えた主搬送装置又は補助搬送装置は、走行用モータの出力部に接続又は係合された走行力出力用係合部材を有し、走行用モータを有しない主搬送装置又は補助搬送装置は、走行用係合部材を有し、走行用係合部材は直接又は間接的に走行力出力用係合部材と係合していて走行力出力用係合部材の回転に伴って回転し、走行用係合部材によってドライブシャフトが回転されることを特徴とする面状搬送装置である。
【0033】
この構成によれば、複数の走行用モータと旋回用モータを共有化することができる。すなわち、走行部の数に対して、走行用モータと旋回用モータの数を減らすことができる。
【0034】
本発明の他の様相は、複数の走行部が面状に配された面状搬送装置において、走行部の下部に縦姿勢のドライブシャフトがあり、走行部は、自由回転する一対の回転体と、当該回転体に懸架された無端部材と、ドライブシャフトの動力を受けて回転する駆動体を有し、回転体同士の間の部分にある無端部材に前記駆動体が係合することを特徴とする面状搬送装置である。
【0035】
この構成によれば、物品を駆動体に接触させることなく一対の回転体に懸架された無端部材で物品を搬送することができる。すなわち、無端部材には、物品を載置する上側の部分と、駆動体が係合する下側の部分とが存在する。そのため、無端部材は、駆動体によって走行することができると共に、物品を搬送することができる。
物品は無端部材上に載置された状態で搬送することができ、無端部材と物品は擦れにくい。そのため、搬送中における物品の摩耗や破損を防止することができる。
【0036】
また搬送ユニットとして好ましい様相は、上記したいずれかの搬送装置を主搬送装置とし、1又は複数の主搬送装置を有し、主搬送装置及び複数の補助搬送装置をそれぞれ搬送セルの一つとし、3個以上の搬送セルが、面状または直線状に配置された搬送ユニットであり、前記主搬送装置は、旋回用モータと、旋回用モータの出力部に接続された旋回力出力用係合部材を有し、前記補助搬送装置は、物品と接して回転又は走行する接触部材を有し物品を移動させる走行部と、前記走行部を支持する旋回台と、旋回用係合部材を有し、旋回用係合部材は、軸方向に貫通する貫通孔を有し、旋回用係合部材は直接又は間接的に旋回力出力用係合部材と係合していて旋回力出力用係合部材の回転に伴って回転し、前記貫通孔にドライブシャフトが挿通され、当該ドライブシャフトによって前記走行部が駆動され、旋回用係合部材によって旋回台及び走行部が旋回することを特徴とする搬送ユニットである。
【0037】
また他の搬送ユニットの様相は、3個以上の搬送セルと、旋回力伝動用係合部材と、走行力伝動用係合部材と、旋回用モータと、走行用モータとを有し、前記3個以上の搬送セルが、面状または直線状に配置された搬送ユニットであり、各搬送セルは、物品と接して回転又は走行する接触部材を有し物品を移動させる走行部と、前記走行部を支持する旋回台と、走行部に動力を伝動するドライブシャフトとを有し、2個以上の搬送セルには旋回用係合部材があり、2個以上の搬送セルに属するドライブシャフトには走行力入力用係合部材があり、前記旋回力伝動用係合部材及び走行力伝動用係合部材は、高さ方向に重ならない位置にあり、旋回力伝動用係合部材は旋回用モータから動力伝動を受けて回転し、走行力伝動用係合部材は走行用モータから動力伝動を受けて回転し、前記旋回用係合部材は直接又は間接的に旋回力伝動用係合部材と係合していて旋回力伝動用係合部材の回転に伴って回転して旋回台及び走行部が旋回し、前記ドライブシャフトの走行力入力用係合部材は直接又は間接的に走行力伝動用係合部材と係合していて走行力伝動用係合部材の回転に伴って回転して走行部が駆動されることを特徴とする搬送ユニットである。
【0038】
前記3個以上の搬送セルが、その中心を結ぶ線の平面視形状が多角形を構成する様に配置され、前記旋回力伝動用係合部材及び走行力伝動用係合部材は、中心が前記多角形内にあることが望ましい。
【0039】
搬送ユニットでは、少数の搬送セルが、同期的に走行・旋回する。また一つの旋回用モータで、各搬送セルの走行部を旋回させることができる。
さらに搬送ユニットでは、一つの走行用モータで、各搬送セルの走行部を駆動することもできる。
【0040】
前記した搬送ユニットの搬送セルとして、前述の様相の搬送装置を使用することもできる。すなわち前述の様相の搬送装置を主搬送装置とし、前記主搬送装置は、旋回用モータの出力部に接続された旋回力出力用係合部材を有し、旋回力出力用係合部材に旋回力伝動用係合部材が係合している。
【0041】
面状搬送装置は、複数の搬送物が折り重なって塊状となった状態で投入された場合、走行部及び旋回部を駆動して塊を構成している搬送物を四方に押し広げる方向に移動させることが可能であることが望ましい。
【0042】
面状搬送装置は、搬送物から情報を得る情報入手手段を有することができることが望ましい。
【0043】
搬送装置又は面状搬送装置は、物品を検知するセンサーを有し、前記センサーの検知部が太陽電池であることが望ましい。
【発明の効果】
【0044】
本発明の搬送装置は、走行部によって物品を搬送することができ、さらに走行部を旋回させることができるので、搬送方向を容易に変更することができる。また、搬送装置の省スペース化を図ることができる。
本発明の搬送装置を面状搬送装置に組み込むと、搬送セルを一個づつ走行させたり、4個程度の少数の搬送セルを一つの区分として走行させたり旋回させることができる。
本発明の搬送ユニットを面状搬送装置に組み込むと、4個程度の少数の搬送セルを一つの区分として走行させたり旋回させることができる。
本発明の面状搬送装置は、物品を無端部材上に載置した状態で搬送することができ、無端部材と物品が擦れにくい。そのため、搬送中における物品の摩耗や破損を防止することができる。
本発明の搬送ユニットは、一つの旋回用モータで複数の搬送セルと走行部を旋回させることができ、さらに一つの走行用モータで複数の搬送セルの走行部を走行させることができる。
【発明を実施するための形態】
【0046】
以下、図面を参照しながら説明する。
図1に示す搬送装置1は、
図8の様な面状搬送装置71の構成部品となるものである。すなわち搬送装置1は、面状搬送装置71の一つの搬送セルを構成するものである。
図1、
図2に示す様に、搬送装置(搬送セル)1は、上から順に、走行部5、旋回台6、筐体7、旋回用モータ8、走行用モータ9等を有している。
筐体7は、面状搬送装置71の図示しない固定用構造物に固定されている。
筐体7に対して、旋回用モータ8が固定されている。また、旋回用モータ8の下に走行用モータ9が固定されている。
走行部5は、旋回台6に装着されている。
旋回台6は、旋回用モータ8に回転駆動可能に装着されている。
走行部5は、走行用モータ9と係合している。
まず、これらの各構成について説明し、続いて搬送装置1の動作について説明する。
【0047】
走行部5は、
図2に示す様に、ベルト2(接触部材、無端部材)、2つのローラ3(回転体)、駆動ローラ4(駆動体)を有している。
【0048】
図1、
図2に示す様に、ベルト2は、幅広の帯状であり、且つ、環状(無端)構造を呈している。ベルト2の環状の内部には2つのローラ3が配置されている。
【0049】
2つのローラ3は、後述の旋回台6に回転可能に支持されている。2つのローラ3の軸芯は平行である。2つのローラ3は所定の間隔を置いて配置されてベルト2が懸架されている。ベルト2の上部側(走行側)は、物品(搬送物)が載置(接触)される搬送面を構成している。
【0050】
ベルト2の下側の中央付近には、駆動ローラ4が配置されている。
図2に示す様に、駆動ローラ4は、押圧部21,22、傘歯車部(ベベルギア)23、軸部24を有している。
【0051】
押圧部21,22は、円周面を備えた円柱状を呈する部位である。
押圧部21,22は、所定の間隔を置いて配置されている。
押圧部21における押圧部22と対向する部位には、傘歯車部23が設けられている。押圧部21と傘歯車部23は一体であり、軸部24を介して押圧部22と連結されている。軸部24の一端側は、押圧部21と傘歯車部23を貫通しており、押圧部21の外側に突出している。同様に、軸部24の他端側は、押圧部22を貫通しており、押圧部22の外側に突出している。そして、押圧部21,傘歯車部23,押圧部22,軸部24は、一体固着されていて一体に回転する。
駆動ローラ4は、比較的大径の押圧部21(傘歯車部23)と押圧部22が、比較的小径の軸部24で連結されているので、駆動ローラ4の中央部分は括れた様な構造を呈している。
【0052】
駆動ローラ4の軸部24の両端は、後述の旋回台6に回転可能に支持されている。
また、駆動ローラ4の押圧部21,22の円周部分は、
図5に示す様に、ベルト2の下側(リターン側)を押圧している。
すなわち、ベルト2の下側が駆動ローラ4に押圧された結果、ベルト2は駆動ローラ4及び2つのローラ3と密着すると共に、ベルト2全体に張力が付与されている。そして、駆動ローラ4が回転すると、環状のベルト2が走行する。また、ベルト2が走行すると、2つのローラ3も回転する。そのため、ベルト2の走行は円滑である。
【0053】
旋回台6は、
図2に示す様に、円周面を有する筒状の部材である。旋回台6の内部には、固定部17と、係合部18が設けられている。固定部17と係合部18は、上下に配置されており、固定部17が係合部18の上側に配されている。旋回台6の上面には、四角形の開口25が形成されている。
【0054】
固定部17は、開口25と連続した一対の対向する壁面26a,26bを有する。
壁面26aには、駆動ローラ固定部20と、2つのローラ固定部19が設けられている。駆動ローラ固定部20と、2つのローラ固定部19は、周知の軸受で構成されている。
2つのローラ固定部19は、所定の間隔を置いて設けられている。駆動ローラ固定部20は、2つのローラ固定部19の中間辺りに設けられている。また、駆動ローラ固定部20は、ローラ固定部19よりも下方に設けられている。
描写の都合上図示していないが、壁面26bにも、壁面26aに設けた駆動ローラ固定部20と2つのローラ固定部19と同様の駆動ローラ固定部20と2つのローラ固定部19が設けられている。
【0055】
壁面26a,26bの各ローラ固定部19には、走行部5のローラ3の軸が回転可能に装着されている。また、壁面26a,26bの各駆動ローラ固定部20には、駆動ローラ4(軸部24)が回転可能に装着されている。すなわち、走行部5の各ローラ3と駆動ローラ4は、固定部17に回転可能に支持されている。
【0056】
各ローラ3が旋回台6の固定部17に装着されると、
図1、
図4に示す様に、各ローラ3の一部が開口25から露出する。すなわち、各ローラ3の上部の一部が開口25から露出し、その他の部位は、旋回台6の内部に収容される。よって、各ローラ3に懸架されたベルト2の上側(搬送面側)が、開口25よりも上方に配置されている。
【0057】
固定部17の下方の係合部18は、
図2に示す様に、環状に連続する内歯歯車を構成している。
【0058】
図2に示す様に、筐体7は、四角柱状の外形を有している。筐体7には、上下に貫通する旋回用モータ配置孔7aが設けられている。旋回用モータ配置孔7aには、後述の旋回用モータ8が収容配置されている。
筐体7の上面には、センサー16が設けられている。センサー16は、物品の存在又は通過を検出する機能を有する。またセンサー16によって搬送先情報を読み取らす構成とすることも可能である。センサー16の上端の高さ位置は、ベルト2の上部(搬送面)より若干下である。各図には、センサー16は、1つしか描写していないが、センサー16は旋回用モータ配置孔7aの周囲の4箇所に設けるのが好ましい。
筐体7は、図示しない固定構造物に固定されている。筐体7が固定構造物に固定された結果、搬送装置1の姿勢が安定する。
【0059】
旋回用モータ8(
図3)は、公知のモータと同様に固定子72と回転子27(
図6、
図7)を有しており、回転子27には出力軸10が接続されている。旋回用モータ8の回転子27は円筒状であり、内部に貫通孔73が形成されている。
また出力軸10の内部にも貫通孔11が設けられている。回転子27に設けられた貫通孔73と、出力軸10に設けられた貫通孔11は連通する。従って旋回用モータ8は、軸方向に貫通する貫通孔11がある。
出力軸10の外側には、出力ギヤ12が一体固着されている。すなわち、出力ギヤ12は、出力軸10と一体に回転する。出力ギヤ12の周囲には、複数(例えば4つ)の小ギヤ13が出力ギヤ12の周囲に等間隔で配置されている。各小ギヤ13の軸は、図示しない連結部材に回転可能に支持されている。連結部材は、図示しない固定部材によって筐体7に固定されており、小ギヤ13は公転しない。
【0060】
各小ギヤ13は、旋回台6の
図2に示す係合部18(内歯)と係合している。よって、旋回用モータ8の動力は、出力軸10、出力ギヤ12、複数の小ギヤ13を介して旋回台6側の係合部18に伝達される。
小ギヤ13は、省略することもできる。すなわち、出力ギヤ12と旋回台6の係合部18が直接係合していてもよい。
【0061】
走行用モータ9(
図3)は、公知のモータと同様に固定子75と、回転子28(
図6、
図7)を有している。回転子28には出力軸である駆動軸14(ドライブシャフト)が接続されている。駆動軸14の先端には傘歯車部15が設けられており、傘歯車部15は、駆動軸14と一体に回転する。駆動軸14の外径は、旋回用モータ8の出力軸10の貫通孔11の内径及び固定子72の貫通孔73よりも小さい。そして、走行用モータ9の駆動軸14は、
図2に示す様に、旋回用モータ8の貫通孔73,11を貫通している。走行用モータ9の駆動軸14と、旋回用モータ8の出力軸10は、同心である。
【0062】
傘歯車部15は、走行部5の駆動ローラ4の傘歯車部23と係合している。すなわち、走行用モータ9の回転子28の動力は、駆動軸14、傘歯車部15を介して走行部5側の傘歯車部23に伝達される。
【0063】
搬送装置1は、図示しない制御装置を備えている。制御蔵置は、センサー16(
図1)から送られてきた検出信号に基づいて、旋回台6の回転位置を設定したり、旋回用モータ8や走行用モータ9の動作を司る機能を有している。
【0064】
次に、搬送装置1の動作について説明する。
搬送装置1は、
図8に示す様に縦横に多数配置されて、面状搬送装置71を構成する。搬送装置1は、面状搬送装置71の一つの搬送セルを構成し、多数の搬送セル(搬送装置1)が面状に敷きつめられて面状搬送装置71が構成されている。本実施形態では、48個の搬送装置(搬送セル)1が平面視して長方形状に配列されている。
面状搬送装置71は、物品を搬送する図示しないコンベヤラインの分岐部や仕分領域に配置される。
【0065】
コンベヤラインの上流側に配置された別の搬送装置から面状搬送装置71に搬送されてきた物品は、いずれかの搬送セル(搬送装置1)の上に乗る。そして、図示しない制御装置によって旋回用モータ8が駆動され、物品は搬送装置1上を通過し、隣接する搬送セル(搬送装置1)に順次受け渡され、遂には面状搬送装置71の下流側に移動する。
具体的には、走行用モータ9が駆動されると、搬送面を構成するベルト2が走行し、物品がベルト2上に載る。さらに隣接するいずれかの搬送セル(搬送装置1)のベルト2も走行する。その結果、物品は最初に載置された搬送セル(搬送装置1)の走行するベルト2によって当該搬送セル(搬送装置1)から排出され、隣接するいずれかの搬送セル(搬送装置1)に引き渡される。
【0066】
物品の搬送先情報が、バーコードの様な光学的に読み取られる情報として物品の下面に記録されており、この搬送先情報がセンサー16で読み取られる。センサー16で読み取られた搬送先情報は、図示しない制御装置に送られ、制御装置は、搬送先に応じて搬送経路にあたる搬送セル(搬送装置1)の走行するベルト2を順次回転するとともに、搬送経路にあたる搬送セル(搬送装置1)の旋回用モータ8の回転角度位置を調整する。
旋回用モータ8を駆動すると、旋回台6と共に走行部5が旋回する。そのため、旋回用モータ8を駆動すると、物品の搬送方向を変更することができる。
また隣接する搬送セル(搬送装置1)の間で通信を行い、物品の搬送先情報を順次引き継いでいく制御方法も有効である。
【0067】
面状搬送装置71を仕分領域29に配置すると、仕分領域29に対して、矢印Wで示す方向から物品が搬送されてきた場合、各搬送装置1の搬送方向を変更することにより、例えば矢印X,Y,Zで示す方向に物品を搬送することができる。
【0068】
図9に示す例では、仕分領域29のA行〜F行の1列目〜6列目のいずれも矢印Y方向を向いており、A,B行、C,D行、E,F行のいずれから仕分領域29に侵入した物品も、矢印Y方向に搬送される。
【0069】
図10に示す例では、仕分領域29のA,B行の搬送装置1の搬送方向は、全て矢印Y方向を向いていて、A,B行から侵入した物品は、矢印Y方向に搬送される。
ところが、C,D行では1,2列目の搬送装置1は、矢印Y方向を向いているが、3,4列目の搬送装置1は、矢印Y方向と矢印Z方向の中間方向を向いており、5,6列目の搬送装置1は、矢印Z方向を向いている。そのため、C,D行から仕分領域29に侵入した物品は、3,4列目から進行方向を45度変化し、5,6列目ではさらに45度変化して矢印Y方向と直交する矢印Z方向に円滑に搬送される。そして、隣接するE,F行の5,6列目の搬送装置1の搬送方向も矢印Z方向を向いているので、C,D行から侵入した物品は、E,F行を通過して矢印Z方向に排出される。
仕分領域29に対して、E,F行から侵入した物品も、最終的には5,6列目の搬送装置1によって矢印Z方向に排出される。
【0070】
この様に、各搬送装置1の搬送方向を適宜変更することにより、物品を仕分領域29の下流側のX,Y,Z方向のいずれにも搬送することができる。
またさらに細かく仕分けて物品を搬送することもできる。
たとえば1列のA行目の搬送装置1a1から入った物品をF行3列目の搬送装置1f3から排出させたり、1列のC行目の搬送装置1c1から入った物品をA行6列目の搬送装置1a6から排出させるといった動きをさせることもできる。
【0071】
搬送される物品の大きさによって、同時に使用される搬送装置1の数が相違する。すなわち、A行とB行の二つの行のみで収まる物品と、A行からC行,D行,E行,F行のいずれかに至る幅を有する物品を搬送する場合には、同時に同一物品が載置される搬送装置1の動作はリンクして同様に搬送方向を変更したり、搬送速度を変更する。
【0072】
又は、例えば、ベルト2の走行方向を全て矢印Y方向に一致させ、A行側からF行側へいくほどベルト2の走行速度が遅くなるように、各搬送装置1に設けられた図示しない制御装置を設定することにより、物品を矢印Z方向に移動させることもできる。
【0073】
物品の搬送方向を変更する場合には、1つ(1列)の搬送装置1で完全に変更してしまってもよいが、上流側の搬送装置1で所定角度だけ変更し、さらに下流側の搬送装置1で残りの角度を変更すると、物品の搬送方向を円滑に変更することができる。また、この様に、上流側から下流側にかけて、複数の搬送装置1で徐々に搬送方向を変更すると、搬送される物品に慣性力が作用しにくく、搬送される物品が倒れたり、破損しにくくなる。
【0074】
この様に、本実施の形態の搬送装置1では、個々に旋回用モータ8と走行用モータ9を備えており、個々の搬送装置1に制御装置が搭載されている。そのため、個々の搬送装置1が異なる動作を行うことができ、仕分領域29において物品をきめ細かく移動させることができる。例えば、仕分領域29内で物品を蛇行するように移動させることもできる。
【0075】
また面状搬送装置71を使用して物品を整列させたり物品の向きを揃えることも可能である。例えば、コンベアの業界では、パレタイジングと称される動作がある。パレタイジングとは、物品を載置するパレットに積み上げる作業である。この作業を行う場合の準備として、品物を一列に整列し、且つ品物の向きを揃える作業を行う。この作業を面状搬送装置71に行わしめることもできる。
【0076】
搬送装置1では、物品は走行部5のベルト2(接触部材、無端部材)の搬送面を構成する部位上に載置された状態で搬送されるので、物品とベルト2とが擦れない。そのため、物品は摩耗しにくい。
【0077】
次に、面状搬送装置の部品として採用することが望ましい搬送ユニット34について説明する。なお搬送ユニット34は、小型の面状搬送装置でもある。以下に示す搬送ユニット34は、4個の搬送装置を組み合わせたものであり、ユニットに属する走行部5及び旋回台46は同期的に動作する。
搬送ユニット34に属する4個の搬送装置30,31,32,33の構造は、いずれも上記した搬送装置1とは異なる。
【0078】
搬送ユニット34は、
図11,
図15,
図16(a),
図16(b)に示す様に、1つの主搬送装置31と、1つの副搬送装置(請求項上は補助搬送装置)30と、2つの補助搬送装置32,33と、伝達機構部49を有している。なお、「主搬送装置」「副搬送装置」「補助搬送装置」は、搬送ユニット34の構造の説明上、便宜的に区別したものに過ぎず、他の構成の搬送ユニットにおいて、「主搬送装置」の機能を持ったものを「副搬送装置」や「補助搬送装置」として使用してもよい。また「副搬送装置」は、請求項に記載の発明の構成要件たる、「補助搬送装置」の一態様でもあり、「主搬送装置」の一態様でもある。
【0079】
搬送ユニット34は、副搬送装置30、主搬送装置31、補助搬送装置32,33をそれぞれ搬送セルとし、搬送セルを四角形に配置したものである。すなわち搬送ユニット34を構成する各搬送セル(副搬送装置30、主搬送装置31、補助搬送装置32,33)の中心を結ぶ線は、正方形を構成する。なお3個の搬送セルで搬送ユニットを作る場合には、搬送セルを3角形に配置し、5個の搬送セルで搬送ユニットを作る場合には、搬送セルを5角形に配置する。後記する他の搬送ユニットでも同様である。
搬送ユニット34は、後記する様に伝達機構部49を有し、伝達機構部49を構成するギヤは搬送セルの中心を結ぶ線で構成される多角形の中にあるから、現実のレイアウト上、搬送セルの数は、3個から6個の範囲に限定される。
【0080】
搬送ユニット34は、伝達機構部49を有している。
副搬送装置30、主搬送装置31、補助搬送装置32,33は、いずれも搬送装置1と同じ走行部5,筐体7を有しており、重複する説明は省略する。
【0081】
伝達機構部49は、
図16(a),
図16(b)に示す様に、ギヤ(旋回力伝動用係合部材)41,ギヤ(旋回力伝動用係合部材)42,軸47で構成された旋回系伝達機構と、ギヤ(走行力伝動用係合部材)48からなる走行系伝達機構を有している。
旋回系伝達機構は、軸47に対してギヤ41,42が固定された構造を有している。すなわち、軸47,ギヤ41,42は、一体化されている。ギヤ41,42は所定の距離を置いて軸47に対して固定されている。
走行系伝達機構に属するギヤ48は、
図16(a)に示す様に、軸47の途中の部位に軸受51を介して装着されている。すなわち、ギヤ48の中央部分には軸受51を配置する孔48a(
図15)が設けられている。走行系伝達機構に属するギヤ48は、軸47に対して相対回転可能である。
旋回力伝動用係合部材たるギヤ41,42と、走行力伝動用係合部材たるギヤ48は、設置されている高さが違う。
【0082】
副搬送装置30は、
図12に示す様に、旋回台46,旋回用モータ8,出力ギヤ35(旋回力出力用係合部材)、駆動軸44を有している。
【0083】
旋回台46は、円筒構造を有しており、旋回台46の上部には、
図2に示す旋回台6と同様の固定部17と開口25が設けられている。旋回台46の円筒状の曲面の下部には、係合部43(旋回用係合部材)が設けられている。係合部43は、外歯のギヤを構成している。
【0084】
旋回用モータ8は、出力軸50(
図16)を備えている。出力軸50には、出力ギヤ35(旋回力出力用係合部材)が設けられている。
【0085】
駆動軸44の下部には、従動ギヤ40(走行用係合部材)が設けられている。また、駆動軸44の上部には、傘歯車部45が設けられている。駆動軸44,従動ギヤ40,傘歯車部45は、一体固着されている。
【0086】
旋回用モータ8の出力ギヤ35(旋回力出力用係合部材)は、伝達機構部49のギヤ41(旋回力伝動用係合部材)と係合している。
駆動軸44と一体の従動ギヤ40(走行用係合部材)は、伝達機構部49のギヤ48(走行力伝動用係合部材)と係合している。
駆動軸44と一体の傘歯車部45は、走行部5の駆動ローラ4の傘歯車部23と係合している。
副搬送装置30には、搬送装置1(
図2,
図6)の様な走行用モータ9は設けられていない。
【0087】
主搬送装置31は、
図13に示す様に、旋回台46,走行用モータ9,出力ギヤ39(走行力出力用係合部材)、駆動軸44を有している。
旋回台46は、副搬送装置30の旋回台46と同じ構造を有している。
駆動軸44は、ギヤードモータである走行用モータ9の出力軸を構成している。駆動軸44には、出力ギヤ39が設けられている。出力ギヤ39は、駆動軸44と一体に回転する。
駆動軸44に設けられた傘歯車部45は、走行部5の駆動ローラ4の傘歯車部23と係合している。
図13に示す様に、出力ギヤ39には、
図15,
図16(a)に示す様に、伝達機構部49のギヤ48が係合している。
旋回台46の係合部43(外歯)には、
図15,
図16(b)に示す様に、伝達機構部49のギヤ42が係合している。
【0088】
図14に示す様に、補助搬送装置32,33は、旋回台46と駆動軸44を有している。旋回台46は、副搬送装置30及び主搬送装置31の旋回台46と同じ構造を有している。
旋回台46の係合部43(外歯)は、
図15,
図16(b)に示す様に、伝達機構部49のギヤ42と係合している。
図14に示す様に、駆動軸44には、傘歯車部45と従動ギヤ40が設けられている。 傘歯車部45は、走行部5の駆動ローラ4の傘歯車部23と係合している。
従動ギヤ40は、伝達機構部49のギヤ48と係合している。
【0089】
図15,
図16(a)に示す様に、副搬送装置30の出力ギヤ35(旋回力出力用係合部材)は、伝達機構部49のギヤ41と係合している。伝達機構部49のギヤ42は、
図15,
図16(a),
図16(b)に示す様に、副搬送装置30,主搬送装置31,補助搬送装置32,33のそれぞれに設けられた旋回台46の係合部43(旋回用係合部材)と係合している。
すなわち、副搬送装置30の旋回用モータ8の動力は、出力ギヤ35(旋回力出力用係合部材),伝達機構部49(ギヤ41,軸47,ギヤ42)を介して副搬送装置30,主搬送装置31,補助搬送装置32,33のそれぞれに設けられた旋回台46の係合部43(旋回用係合部材)に伝達される。
【0090】
主搬送装置31の走行用モータ9の動力は、主搬送装置31の駆動軸44,傘歯車部45を介して、主搬送装置31の駆動ローラ4(駆動体)の傘歯車部23に伝達される。
また、主搬送装置31の走行用モータ9の動力は、出力ギヤ39(走行力出力用係合部材),伝達機構部49のギヤ48(走行力伝動用係合部材)を介して副搬送装置30,補助搬送装置32,33のそれぞれの従動ギヤ40(走行用係合部材)に伝達される。そして、走行用モータ9の動力は、副搬送装置30,補助搬送装置32,33内において、駆動軸44,傘歯車部45を介して走行部5の駆動ローラ4(駆動体)の傘歯車部23に伝達される。
【0091】
なお、
図15、
図16(a)では、主搬送装置31に走行用モータ9を設けた例を示したが、
図17に示す様に、副搬送装置30に走行用モータ9を設け、主搬送装置31の構成を補助搬送装置32、33と同じ構成としてもよい。
【0092】
次に、本発明の別の実施形態に係る搬送ユニット60について説明する。搬送ユニット60は、小型の面状搬送装置でもある。
図18に示す様に、搬送ユニット60は、主搬送装置61,補助搬送装置62〜64を有している。
【0093】
主搬送装置61は、
図1,
図2等に示す搬送装置1と概ね同じ構成を有しており、重複する説明は省略する。主搬送装置61は、搬送装置1の構成に加え、出力ギヤ35(旋回力出力用係合部材)と出力ギヤ66(走行力出力用係合部材)を有している。
出力ギヤ35(旋回力出力用係合部材)は、
図19に示す様に、旋回用モータ8の出力軸10(出力部)に設けられている。
出力ギヤ66(走行力出力用係合部材)は、走行用モータ9の出力軸である駆動軸14(ドライブシャフト)に設けられている。
【0094】
図18,
図19に示す様に、出力ギヤ35(旋回力出力用係合部材)には、中間ギヤ68が係合しており、出力ギヤ66(走行力出力用係合部材)には、中間ギヤ69が係合している。
【0095】
補助搬送装置63は、
図18,
図19に示す様に、搬送装置1と同様の走行部5,旋回台6を有している。
また、補助搬送装置63は、旋回用係合部材36と、走行用係合部材67を有している。
【0096】
旋回用係合部材36は、
図19に示す様に、円筒状であって貫通孔37を有している。また、旋回用係合部材36は、旋回台側ギヤ部38(旋回台接続部)と中間ギヤ側ギヤ部52を有している。
旋回台側ギヤ部38は、旋回台6の係合部18(内歯)と係合している。中間ギヤ側ギヤ部52は、中間ギヤ68と係合している。
【0097】
走行用係合部材67は、
図19に示す様に、駆動軸54(ドライブシャフト)を備えている。駆動軸54には傘歯車部55が設けられている。傘歯車部55は、走行部5の駆動ローラ4(駆動体)の傘歯車部23と係合している。走行用係合部材67にはギヤ部67aが設けられている。ギヤ部67aは、中間ギヤ69と係合している。
【0098】
補助搬送装置63の旋回台6(係合部18)には、旋回用係合部材36,中間ギヤ68,出力ギヤ35(旋回力出力用係合部材)を介して、主搬送装置61に設けられた旋回用モータ8の動力が伝達される。よって、旋回用モータ8を駆動すると、主搬送装置61,補助搬送装置62のそれぞれの旋回台6が旋回する。
【0099】
また、補助搬送装置63の走行部5(ベルト2)には、駆動軸54(ドライブシャフト),走行用係合部材67,中間ギヤ69,出力ギヤ66(走行力出力用係合部材)を介して、主搬送装置61に設けられた走行用モータ9の動力が伝達される。よって、走行用モータ9を駆動すると、主搬送装置61,補助搬送装置63のそれぞれの走行部5のベルト2(接触部材、無端部材)が走行する。
【0100】
補助搬送装置62,64は、補助搬送装置63と同じ構成を備えており、重複する説明は省略する。すなわち、主搬送装置61の旋回用モータ8を駆動すると、補助搬送装置62,64の旋回台6も同時に旋回し、主搬送装置61の走行用モータ9を駆動すると、補助搬送装置62,64の走行部5のベルト2(接触部材、無端部材)も同時に走行する。
【0101】
次に、本発明の別の実施形態に係る搬送ユニット70(面状搬送装置)について説明する。
図20に示す様に、搬送ユニット70は、主搬送装置61a、補助搬送装置62,63a,64を有している。搬送ユニット70の主搬送装置61aと補助搬送装置63aの構成の一部が、搬送ユニット60の主搬送装置61と補助搬送装置63の構成と相違しているが、それ以外の搬送ユニット70の構成は搬送ユニット60の構成と同じである。
搬送ユニット70の補助搬送装置62,64の構成は、搬送ユニット60の補助搬送装置62,64の構成と同じである。
【0102】
主搬送装置61aは、走行用モータ9の代わりに走行用係合部材67を有している。すなわち、駆動軸14と走行用係合部材67が一体固着されている。駆動軸14と走行用係合部材67の中心は一致している。
図20,
図21に示す様に、走行用係合部材67は、中間ギヤ69と係合している。
【0103】
補助搬送装置63aは、走行用モータ9を有している。走行用モータ9の出力軸は、駆動軸54(ドライブシャフト)である。駆動軸54には、出力ギヤ66(走行力出力用係合部材)が設けられている。出力ギヤ66は、中間ギヤ69と係合している。
すなわち、走行用モータ9を駆動すると、駆動軸54(ドライブシャフト)が回転し、補助搬送装置63aの走行部5のベルト2(接触部材、無端部材)が走行する。また、走行用モータ9を駆動すると、駆動軸54と一体の出力ギヤ66,中間ギヤ69を介して各走行用係合部材67に動力が伝達され、駆動軸14が回転する。そのため、主搬送装置61a,補助搬送装置62,64の走行部5のベルト2(接触部材、無端部材)が走行する。
【0104】
搬送ユニット70における、主搬送装置61a,補助搬送装置62,63a,64の旋回台6は、搬送ユニット60の主搬送装置61,補助搬送装置62〜64の旋回台6と同様に動作する。
【0105】
補助搬送装置62,64の走行部5のベルト2(接触部材,無端部材)は、補助搬送装置63aの走行用モータ9が駆動されると走行する。また、補助搬送装置62,64の旋回台6は、主搬送装置61aの旋回用モータ8が駆動されると旋回する。
【0106】
すなわち、搬送ユニット70において、旋回用モータ8を駆動すると、主搬送装置61a,補助搬送装置62,63a,64の全ての旋回台6が同時に同様に旋回する。また、搬送ユニット70において、走行用モータ9を駆動すると、主搬送装置61a,補助搬送装置62,63a,64の全てのベルト2(接触部材、無端部材)が同時に同様に走行する。
【0107】
面状搬送装置である搬送ユニット34,60,70は、次の様に使用される。
すなわち、
図22に示す様に、各搬送ユニット34,60,70は、破線の枠で囲われた4つの走行部5(ベルト2)を有している。この搬送ユニット34,60,70が縦横に配置されてコンベヤ装置(図示せず)の仕分領域29を構成している。
すなわち、
図23では、実線で囲われた4つの走行部5(ベルト2)が、1つの搬送ユニット34,60,70に属している。
図23に示す様に、搬送ユニット34,60,70は、例えばA行第1列目,A行第2列目,B行第1列目,B行第2列目の4つの走行部5(ベルト2)を有している。前述の様に、4つの走行部5は、1つの旋回用モータ8を駆動することによって同時に同様に旋回し、1つの走行用モータ9を駆動することによって同時に同速度で走行する。そのため、
図9に示す仕分領域29の4分の1の数の旋回用モータ8と走行用モータ9で、全ての走行部5及び旋回台6を駆動することができる。
【0108】
次に搬送装置の変形例について説明する。
図24に示す搬送装置1’は、
図1の搬送装置1に改良を加えたものである。すなわち
図24に示す搬送装置1’は、他の搬送装置1と係合する係合部80,81を備えている。本実施形態では、係合部80,81は、筐体7の側面に設けられている。一方の係合部80は、凸型であり、他方の係合部81は、凹型である。一つの搬送装置1’の係合部80は、他の搬送装置1’の係合部81と係合する。本実施形態の搬送装置1’によると、係合部80,81を係合させて
図25の様な面状搬送装置83を構成することができる。
【0109】
以上説明した実施形態の面状搬送装置及び搬送ユニットは、搬送装置を縦列と横列に配置したが、搬送装置を縦一列や横一列に配置してもよい。
【0110】
以上説明した実施形態では、走行部5はいずれもベルト2を有し、ベルト2を走行させて物品を移動させる構成である。実施例で示したベルト2は、周長に対して比較的幅が広いベルトであるが、より細い無端部材を走行部5として採用してもよい。例えば外観形状がオーリングの様な形状の無端部材を走行部5として採用してもよい。
また一対のローラ等に複数の無端部材を並列的に懸架してもよい。
またベルト2に代わってコロやローラ等の回転体を物品と接触させるものであってもよい。
以下、回転体を物品と接触させる構造の搬送装置85について説明する。なお先の実施形態と同一の部品は同一の番号を付して重複した説明を省略する。
図26に示す搬送装置85は、2個の搬送ローラ86を有し、搬送ローラ86を回転させて物品を移動させる構造を有している。
【0111】
搬送装置85の走行部87は、
図27に示す様に、2つの搬送ローラ86(回転体)と、駆動ローラ4を有している。駆動ローラ4の構造は、先の実施形態と同じであり、
図27に示す様に、押圧部21,22、傘歯車部23、軸部24を有している。
本実施形態では、駆動ローラ4の押圧部21,22が、直接、2つの搬送ローラ86と接している。そのため押圧部21,22の回転に応じて搬送ローラ86が回転する。搬送ローラ86は、
図26の様に一部が長方形の開口88から露出しており、物品と接して物品を移動することができる。
先の実施形態と同様、搬送装置85を使用して
図28の様な面状搬送装置90を構成することができる。
なお
図27に示す走行部87の構成は、前記した全ての実施形態の搬送装置の走行部として採用することができる。
【0112】
また
図27に示す構成は、2つの搬送ローラ86を有するものであるが、搬送ローラの数は任意であり、1本でもよく、3本以上であってもよい。
搬送ローラを1本とする場合には、
図27の駆動ローラ4を直接外部に露出させ、搬送ローラとして活用してもよい。
【0113】
また上記した実施形態では、旋回用モータ8(
図3)に出力ギヤ12が一体固着されており、出力ギヤ12は、出力軸10と一体に回転する。そして出力ギヤ12は、小ギヤ13を介して旋回台6の係合部18(内歯)と係合している。そのため旋回用モータ8の回転力は、これらのギヤ列によって減速され、旋回台6に伝動される。
しかしながら、
図6、7に例示したギヤ列では、減速比が足りない場合がある。
これに対して
図32に示す搬送装置100は、より大きな減速比を発現する減速機構101を有している。
【0114】
搬送装置100で採用する減速機構101は、旋回用モータ8と共通の外郭部材106に内蔵されている。搬送装置100で採用する旋回用モータ8は、一種のギャードモータであるとも言える。
搬送装置100で採用する減速機構101は、多段構成(実施形態では3段)の遊星ギヤ列である。
各段の遊星ギヤ列は、一個の太陽ギヤ102,4個の遊星ギヤ103及び各段共通の内ギヤ105によって構成されている。
【0115】
外郭部材106は円筒状であり、その内部はモータ部107と、減速機部120に区分される。
モータ部107内には、
図3,6,7の旋回用モータ8と同様、固定子72と回転子27を有しており、回転子27には出力軸10が接続されている。旋回用モータ8の回転子27は円筒状であり、内部に貫通孔73が形成されている。
また出力軸10は、第1段目の太陽ギヤ102aに接続されている。太陽ギヤ102aの内部にも貫通孔111aが設けられている。回転子27に設けられた貫通孔73と、出力軸10に設けられた貫通孔111は連通し、走行用モータ9の駆動軸14が、貫通孔111を貫通している。
【0116】
外郭部材106の減速機部120には、内ギヤ105が一体的に設けられている。内ギヤ105は全長(歯幅)が長く、3段の遊星ギヤ列の全長に渡っている。
前記した様に減速機部120内には、3段の遊星ギヤ列が内蔵されている。
1段目の遊星ギヤ列は、前記したモータ部107の回転子27に接続された第1太陽ギヤ102aと、内ギヤ105と、この両者に係合する4個の遊星ギヤ103aによって構成されている。
【0117】
遊星ギヤ103aには、
図32,33の様に腕部材121aのピン115aが挿通されている。
一段目の遊星ギヤ列においては、第1太陽ギヤ102aが回転することによって4個の遊星ギヤ103aが第一太陽ギヤ102aの周囲を公転し、腕部材121aが回転する。
【0118】
また腕部材121aには、第2太陽ギヤ102bが一体化されている。第2太陽ギヤ102bについても内部に貫通孔111bが設けられ、走行用モータ9の駆動軸14が、貫通孔111bを貫通している。
2段目の遊星ギヤ列は、前記した第2太陽ギヤ102bと、内ギヤ105と、この両者に係合する4個の遊星ギヤ103bによって構成されている。
【0119】
遊星ギヤ103bには、
図32の様に腕部材121bのピン115bが挿通されている。
2段目の遊星ギヤ列においては、第2太陽ギヤ102bが回転することによって4個の遊星ギヤ103bが第2太陽ギヤ102bの周囲を公転し、腕部材121bが回転する。また腕部材121bには、第3太陽ギヤ102cが一体化されている。第3太陽ギヤ102cについても内部に貫通孔111cが設けられ、走行用モータ131の駆動軸14が、貫通孔111cを貫通している。
3段目の遊星ギヤ列は、前記した第3太陽ギヤ102cと、内ギヤ105と、この両者に係合する4個の遊星ギヤ103cによって構成されている。
3段目の遊星ギヤ列の、4個の遊星ギヤ103cは、旋回台6に接続されている。そのためモータ部107を回転すると、その回転は減速機部120で大きく減速されて旋回台6が旋回する。
旋回台6内の構成は、
図27に示す搬送装置85と同様であり、2つの搬送ローラ86(回転体)と、駆動ローラ4を有している。駆動ローラ4の構造は、先の実施形態と同じであり、
図27に示す様に、押圧部21,22、傘歯車部23、軸部24を有し、駆動ローラ4の押圧部21,22が、直接、2つの搬送ローラ86と接している。
【0120】
搬送装置100についても、旋回用モータ8の下部に走行用モータ131が配置されている。走行用モータ131は、ギャードモータであり、モータ部132と減速機構133が一体化されたものである。モータ部132は、固定子75と、回転子28を有している。
減速機構133は、単段の遊星ギヤ列であり、一個の太陽ギヤ135,3個の遊星ギヤ136、内ギヤ137及び腕部材140によって構成されている。
モータ部132の出力軸138は、太陽ギヤ135に接続されている。また太陽ギヤ135と内ギヤ137の双方に3個の遊星ギヤ136が係合している。
遊星ギヤ136には、腕部材140のピン141が挿通されている。
また腕部材140には駆動軸14が接続されている。
【0121】
以上説明した実施形態では、旋回用モータ8と、走行用モータ9は重なった位置にあり、上側が旋回用モータ8であり、下側が走行用モータ9である。また旋回用モータ8と走行用モータ9は同一軸線上に配されている。
そして上部側に配置された旋回用モータ8に、貫通孔73があり、駆動軸14(ドライブシャフト)が挿通されている。
しかしながら本発明は、この構成に限定されるものではなく、旋回用モータ8と走行用モータ9の重なり具合が逆であってもよい。即ち上部側に走行用モータ9があり、下部側に旋回用モータ8があってもよい。この構成を採用する場合には、上部側の走行用モータ9に貫通孔を設け、駆動軸を当該走行用モータ9の貫通孔に挿通させる。また駆動軸は、下部側の旋回用モータ8と係合し、旋回台6を旋回させる。
【0122】
また上記した実施形態では、旋回用モータ8と走行用モータ9は同一軸線上に配されているが、両者の軸線はずれていてもよい。
さらに旋回用モータ8や走行用モータ9は傾斜姿勢であってもよく。横向き姿勢であってもよい。さらに旋回用モータ8と走行用モータ9が重なっていなくてもよい。
【0123】
次に、推奨されるセンサー16について説明する。
面状搬送装置90では、特徴的な在荷センサーSを使用している。在荷センサーSは、一辺が5mm乃至40mm、より好ましく10mm乃至25mm程度の四角形であり、厚さは2mm乃至5mm程度の太陽電池112である。より正確には、在荷センサーSは検知部として太陽電池112が使用されている。
ここで太陽電池は、結晶型太陽電池または薄膜型太陽電池であり、可視光を受光して電気を発生させるものである。太陽電池は薄い板状である。太陽電池は薄い半導体基板又は絶縁基板に、半導体膜が積層されたものである。
【0124】
また前記したセンサー基板123は、在荷センサーSの信号に基づいてON・OFF信号を出力する電子回路113が形成されたものである。
センサー基板123の回路は、
図30の通りであり、増幅回路115と比較回路116及び閾値変更回路(閾値変更手段)108を有している。
増幅回路115は具体的にはオペアンプであり、比較回路116はコンパレータである。
閾値変更回路108は、可変抵抗器117と固定抵抗118によって構成される分圧回路である。
【0125】
センサー基板123には太陽電池112が接続される。そして太陽電池112の出力がセンサー基板123の増幅回路115に入力され、さらに増幅回路115で増幅された信号が比較回路116に入力され、比較回路116の出力が出力端子119から外部に出力される。
一方、正電源電圧(vcc)が閾値変更回路108で減圧されて閾値となる基準電圧が調圧される。さらに閾値たる基準電圧が、比較回路116に入力されている。
そして増幅回路115で増幅された太陽電池112の電圧が、閾値変更回路108から比較回路116に入力された基準電圧と比較される。本実施形態では、太陽電池112に由来する電圧が基準電圧よりも高い場合には、比較回路116からOFF信号が出力され、太陽電池112に由来する電圧が基準電圧よりも低い場合には、比較回路116からON信号が出力される。
【0126】
本実施形態では、在荷センサーSは、個々の搬送装置85に取り付けられている。在荷センサーSは、太陽電池112側を上にして水平に設置されている。そのため太陽電池112は、
図31の様に屋内照明(図示せず)の光を受光することができる。
そして
図31の様に在荷センサーSの上に物品130が無い場合には、太陽電池112は屋内照明(図示せず)の光を直接受光し、比較的高い電圧を発生する。そのため太陽電池112に由来する電圧が基準電圧よりも高くなり、比較回路116からOFF信号が出力される。
一方、在荷センサーSの上に物品130がある場合には、屋内照明(図示せず)からの光が遮られ、太陽電池112は物品130の影に入る。そのため太陽電池112が発生する電圧が低下し、太陽電池112に由来する電圧が基準電圧よりも低くなり、比較回路116からON信号が出力される。
そのため物品130が
図31(a)の位置から
図31(b)の位置に移動すると、在荷センサーSのON・OFFの分付が変化し、物品130の位置を検知することができる。
【0127】
次に、上記した面状搬送装置90の用途の一例を説明する。なお面状搬送装置71でも同様の機能を発揮させることができる。
面状搬送装置90は、センサー16を備えているものとする(
図34,35には図示せず)。センサー16は例えばバーコードリーダであって搬送物を特定することができるものである。センサー16は搬送物から情報を得る情報入手手段である。また面状搬送装置71の一つの搬送セルは、
図1,6,7に示す搬送装置1や、
図32に示す搬送装置100の様に、個々に旋回用モータ8と、走行用モータ9を有するものである。
図34では、搬送セルとして搬送装置100が使用されている。
面状搬送装置90は、雑多の搬送物を仕分ける用途に使用することができる。例えば、売れ残りの商品が返品されてきて、それを所定の棚や箱に収納して在庫として保管する場合がある。
例えば書籍であれば、各小売り書店から売れ残った本が返品されるが、各書店から返品される本は、多種・少量である。
書籍の版元は、これを分類して所定の棚等に収納することとなる。
【0128】
本実施形態の面状搬送装置90では、返品された多品種の物(搬送物)130を
図34の様に、面状搬送装置90の上に投入する。搬送物は、折り重なって塊状となった状態で投入され、
図34の様に山状に盛り上がる。
【0129】
本実施形態の面状搬送装置90では、各搬送装置(搬送セル)100の旋回台6を駆動して、走行部5による搬送方向が盛り上がった搬送物の山から放射状に離れる方向に向け、搬送物の山を崩して搬送物の分布を広げる。
そして
図35の様に各搬送物が重ならない様に搬送物を平面状に広げる。そしてセンサー16で搬送物を特定する情報を取得する。その後は、各搬送装置100を駆動して、搬送物130を所望の場所に移動させる。
【0130】
搬送物から情報を得る情報入手手段は、各搬送装置1に設けられたセンサー16に限定されるものではなく、例えば、面状搬送装置71,90にカメラを設け、カメラで撮影した映像を分析して搬送物の情報を取得するものであってもよい。