(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
ホッパ本体と、閉止位置と開放位置とに亘って回動可能に設けられるゲートとを備え、前記ホッパ本体と前記閉止位置にある前記ゲートとによって、物品を貯留する貯留空間を形成し、前記閉止位置にある前記ゲートを前記開放位置へ回動させることによって、前記貯留空間に貯留された前記物品を下方へ排出する組合せ秤用ホッパであって、
前記ホッパ本体は、その内部に前記閉止位置にある前記ゲートが納まるように、前記閉止位置にある前記ゲートよりも下方へ延びる周壁を有しており、
前記閉止位置にある前記ゲート及び前記周壁は、物品を貯留する前記貯留空間を形成するものであり、
前記ゲートを開閉駆動するゲート駆動機構が、ホッパ支持部材に支持され、前記ホッパ支持部材に対して前記ホッパ本体を脱着可能に係合連結する一方、前記ゲート駆動機構に対して前記ゲートを脱着可能に係合連結するものであり、
前記ホッパ支持部材が、水平方向及び上下方向に位置調節可能である、
ことを特徴とする組合せ秤用ホッパ。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1及び特許文献2で示されている構造は、いずれも、ホッパ本体における周壁の下端に、外方から排出ゲートを押し付けて下端開口を閉止するものであるために、ホッパ本体における横方向の周壁の下端は、閉止位置の排出ゲートに合わせたV形、あるいは、斜めにカットされたものとなっている。
【0006】
このため、排出ゲートが、閉止位置から開放位置へ回動した途端に、横方向の周壁の下方では、横外方に大きく開放されることになり、ホッパ本体内の、例えば、V形の貯留空間に貯留されて堆積荷重を受けていた物品は、横方向の周壁による規制から解除された途端に、横外方へ拡がりやすいものとなる。物品が拡がって排出されると、これを受ける側の包装機等の投入口の周壁にぶつかる物品が多くなり、全部の物品が完全に投入され終わるまでに時間を要することになる。
【0007】
本発明は、このような実情に着目してなされたものであって、ホッパ内に貯留した物品を排出する際に、物品が外方へ拡がるのを抑制して、纏まりよく鉛直下方へ排出できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、本発明では、次のように構成している。
【0009】
(1)本発明に係る組合せ秤用ホッパは、ホッパ本体と、閉止位置と開放位置とに亘って回動可能に設けられるゲートとを備え、前記ホッパ本体と前記閉止位置にある前記ゲートとによって、物品を貯留する貯留空間を形成し、前記閉止位置にある前記ゲートを前記開放位置へ回動させることによって、前記貯留空間に貯留された前記物品を下方へ排出する組合せ秤用ホッパであって、
前記ホッパ本体は、その内部に前記閉止位置にある前記ゲートが納まるように、前記閉止位置にある前記ゲートよりも下方へ延びる周壁を有しており、前記閉止位置にある前記ゲート及び前記周壁は、物品を貯留する前記貯留空間を形成する
ものであり、
前記ゲートを開閉駆動するゲート駆動機構が、ホッパ支持部材に支持され、前記ホッパ支持部材に対して前記ホッパ本体を脱着可能に係合連結する一方、前記ゲート駆動機構に対して前記ゲートを脱着可能に係合連結するものであり、
前記ホッパ支持部材が、水平方向及び上下方向に位置調節可能である。
【0010】
本発明によると、閉止位置のゲートが、開放位置へ回動し始めると、貯留されていた物品は、ゲートに沿って流下して、ホッパ本体の下端から落下してゆく。このとき、閉止位置のゲートよりも下方へ延びるホッパ本体の周壁が、落下する物品の外方への移動を規制することになり、これによって、排出される物品が外方へ拡がるのが抑制されて纏まりよく鉛直下方へ落下する。
本発明によると、ホッパ本体及びゲートを、それぞれホッパ支持部材及びゲート駆動機構に係合させて連結するので、ゲートを装着したホッパ本体を、ホッパ支持部材及びゲート駆動機構から工具を要することなく簡単に脱着することができ、清掃やメンテナンスを容易に行うことができる。
本発明によると、ホッパ本体及びゲート駆動機構を支持するホッパ支持部材を、水平方向及び上下方向に位置調節できるので、ホッパの下端排出口を、包装機等の投入口などに対して簡単かつ好適に位置合わせすることができる。
【0011】
(2)本発明の好ましい実施態様では、前記ホッパ本体は、角筒状に形成され、単一の前記ゲートを、横方向に延びる支軸周りに回動可能に設け、前記閉止位置では、前記ゲートが前記支軸から斜め下方に延びる傾斜姿勢となり、前記開放位置では、前記ゲートが前記支軸から略鉛直に延びる鉛直姿勢となる。
【0012】
この実施態様によると、ゲートが傾斜姿勢から鉛直姿勢へ回動して物品を排出する際に、傾斜姿勢のゲートよりも下方へ延びるホッパ本体の周壁によって、物品が外方へ拡がるのが抑制され、鉛直下方へ纏まりよく落下排出される。
【0013】
(3)本発明の好ましい実施態様では、前記ホッパ本体の前記周壁は、前記傾斜姿勢の前記ゲートを、前記支軸の両端側から挟むように互いに対向する左右の第1,第2周壁と、前記鉛直姿勢の前記ゲートに対向する第3周壁とを有する。
【0014】
この実施態様によると、閉止位置にある傾斜姿勢のゲートよりも下方へ延びるホッパ本体の周壁は、左右の第1,第2周壁と、開放位置にある鉛直姿勢のゲートに対向する第3周壁を有するので、ゲートが閉止位置から開放位置へ回動して物品を排出する際に、物品の左右方向の移動が、左右の第1,第2周壁によって規制され、前後方向の移動が、ゲート及び対向する第3周壁によって規制されることになり、物品が前後左右へ拡がることなく、鉛直下方へ落下排出される。
【0015】
(4)本発明の他の実施態様では、前記鉛直姿勢の前記ゲートの下端と、前記ホッパ本体の前記第3周壁の下端とが略同高さである。
【0016】
閉止位置の傾斜姿勢のゲートが、鉛直姿勢の開放位置へ回動するのに伴って、ゲートの先端が、第3周壁側から開き始めることになり、貯留されていた物品は、ゲートの傾斜に沿って斜め下方へ流下しようとする。この場合、斜め下方へ流下する物品は、ホッパ本体における第3の周壁で受け止められて下方に案内されることになる。
【0017】
この実施態様によると、ゲートが開放位置まで回動した状態では、ゲートが略鉛直になると共に、ゲートの下端とホッパ本体における第3周壁の下端とが略同じ高さにあるので、落下排出される物品の前後方向への拡がりが、ゲートとこれに対向する第3周壁とで規制され、物品は纏まりよく鉛直下方へ落下排出される。
【0022】
(
5)本発明に係る組合せ秤は、供給される物品を計量する複数の計量ホッパと、選択された前記計量ホッパから排出される物品が供給される集合ホッパとを備える組合せ秤であって、前記集合ホッパを、上記
(1)の組合せ秤用ホッパとしている。
【0023】
本発明によると、計量された物品を、集合ホッパを介して纏まりよく鉛直下方へ排出することで、包装機などへの投入時間の短縮を図ることができる。
【発明の効果】
【0024】
本発明によると、ホッパに貯留した物品を、外方へ拡がるのを抑制して鉛直下方へ纏まりよく排出することができる。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、図面によって本発明の実施形態について詳細に説明する。
【0027】
[実施形態1]
図1は、本発明の一実施形態に係る組合せ秤を備えた計量包装システムの側面図であり、
図2は、
図1の組合せ秤の斜視図である。この計量包装システムは、供給される物品を計量して所定重量範囲となるように物品を排出する組合せ秤1と、排出される物品を袋詰め包装する包装機2とを備えている。組合せ秤1は、階上の高床部3に設置されると共に、包装機2は、階下の床面上に設置されている。
【0028】
物品は特に限定されないが、例えば、ポテトチップス、キャンデーなどの菓子類等、比較的小さな物品である。
【0029】
組合せ秤1には、図示されていない供給コンベヤによって搬送されてきた物品が投入される投入ファネル4、投入された物品を振動によって放射状に分散搬送する円錐形の分散フィーダ5、分散フィーダ5の外周に沿って配設されて、分散搬送された物品を放射状に振動搬送する複数台のリニアフィーダ6、各リニアフィーダ6の終端下方に配設されて、搬送されてきた物品を一時貯留する供給ホッパ7、各供給ホッパ7から排出された物品を受け取ってその重量を計測する計量ホッパ8、各計量ホッパ8から排出された物品を装置の中心下方に向けて流下案内する集合シュート9、集合シュート9の下方に配置された集合ファネル10、及び、集合ファネル10から供給される物品を纏める集合ホッパ11、等が基台12に装着されて高床部3に設置されている。
【0030】
この組合せ秤1では、物品の合計重量が所定重量範囲となるように組合せ選択された複数の計量ホッパ8からの物品を、集合シュート9及び集合ファネル10を介して集合ホッパ11に集めて一時貯留し、包装機2からの排出指令に応じて集合ホッパ11を開放して、貯留した物品を包装機2の投入口2aへ排出する。
【0031】
以下、本発明の一実施形態に係る集合ホッパ11、及び、その取付け構造を詳細に説明する。
【0032】
図3は、集合ホッパ11の取付け構造を示す斜視図であり、
図4はその分解斜視図であり、
図5はその平面図であり、
図6はその一部切欠き側面図であり、
図7は、集合ホッパ11の背面図(a)と縦断側面図であり、また、
図8は、
図6におけるA−A断面図である。
【0033】
図1及び
図2に示すように、組合せ秤1における基台12の下面には、逆台形に組上げられた支持枠13が連結固定されている。この支持枠13の下面中央に、支持アーム14、及び、ホッパ支持部材15を介して、前記集合ホッパ11が水平方向位置及び高さ位置を調節可能に支持されている。なお、以降においては、説明の便宜上、ブラケット14の長手方向を前後方向、これと直交する水平方向を左右方向と呼称することにする。
【0034】
図3〜
図6に示すように、支持アーム14は、前後に長い中空角筒状に構成されており、その後端部上面に連結した連結板14aを介して支持枠13にボルト連結される。また、支持アーム14の前端側には、連結支軸16が上下に貫通して溶接固定されて下方に延出されている。
【0035】
ホッパ支持部材15は、板材を前後方向視でU形に屈折して形成されている。このホッパ支持部材15の中央部位下面に、連結支軸16に外嵌される連結ボス部17がボルト連結されると共に、ホッパ支持部材15の後部下面に、板材を屈折してなるシリンダ支持部18がボルト連結されている。そして、このホッパ支持部材15の前端部に、集合ホッパ11が脱着可能に支持されている。
【0036】
ホッパ支持部材15には、
図4及び
図5に示すように、支持アーム14の連結支軸16を挿通する前後に長い開口19が形成されると共に、左右一対の前後長孔20が形成されている。連結支軸16に外嵌装着される連結ボス部17の座部17aに、下方から挿通された左右一対のボルト21が、ホッパ支持部材15の左右の前後長孔20に挿通され、その挿通端部にナット22が装着されている。このナット22を緩めることで、ホッパ支持部材15を、連結支軸16が挿入される連結ボス部17に対して、前後長孔20の長さ範囲で前後方向に位置調節し、任意の調節位置で締付け固定することができるようになっている。
【0037】
また、ホッパ支持部材15の連結ボス部17は、
図4に示すように、周方向の一部において切り割られると共に、
図8に示すように、切り割り部を跨いで装着した上下一対のボルト23の締め込み具合によって連結ボス部17の内径を拡縮操作可能に構成されている。従って、ボルト23を締め込んで縮径させることで、連結支軸16に対してホッパ支持部材15を固定することができると共に、ボルト23を緩めて拡径させることで、連結支軸16に対してホッパ支持部材15を上下に位置調節可能、かつ、ホッパ支持部材15を連結支軸16の軸心である縦支点y周りに回動して、
図5の仮想線で示すように、集合ホッパ11の向きを変更調節できるようになっている。
【0038】
なお、連結支軸16の下端には、
図4及び
図8に示すように、連結ボス部16の下方移動を当接規制する座金状のストッパ24が取り付けられ、ボルト23を緩めた際に、集合ホッパ11を支持したホッパ支持部材15が連結支軸16から不用意に抜け落ちることが防止されるようになっている。
【0039】
集合ホッパ11は、薄板材からなる角筒状のホッパ本体25に、排出ゲート26を横向きの支点x周りに回動可能に取り付けて構成されている。ホッパ本体25は、ゲート装着側である後方の周壁25aと、これに対向する第3周壁としての前方の周壁25b、及び、第1,第2周壁としての左右に対向する一対の周壁25cを備えており、その上端部が上拡がり状に開放されている。
【0040】
なお、排出ゲート26を横方向から挟むように対向する一対の周壁25cの下端は、前方の周壁25bの下端よりも高く設定されて、排出される物品を横側方から監視可能となっている。
【0041】
ホッパ本体25における左右の周壁25cの外側には、厚板材からなる連結板27が溶接固定されている。この左右の連結板27に亘って、排出ゲート26の上端部が、
図7に示すように支軸28を介して前記支点x周りに回動可能に装着されている。
【0042】
排出ゲート26は、ホッパ本体25における左右の周壁25cの間隔より若干小さい横幅を有する平板状に形成され、排出ゲート26が左右の周壁25cの間で上下に回動するよう組み付けられる。また、
図7に示すように排出ゲート26における左右の端辺に沿ってリブ部26aが、裏面側に屈折形成され、これらリブ部26aによって排出ゲート26全体の曲げ剛性が確保されると共に、リブ部26aの端部が回動支点部とされている。また、
図3及び
図5に示すように、排出ゲート26における左右の遊端角部26rは、比較的大きい曲率で湾曲カットされている。
【0043】
ホッパ本体25における後方の周壁25aは、排出ゲート26の支点部の近傍までの高さの低いものであるのに対して、前方の周壁25bは大きく下方にまで延びた高さを有しており、この前方の周壁25bの下端は、後述のように排出ゲート26の開放の初期に、貯留された物品が、排出ゲート26に沿って斜め前方へ流下して水平方向(前方)へ拡がるのを阻止し、下方へ案内するガイド板25b
1として機能する。
【0044】
この集合ホッパ11では、排出ゲート26が上方に回動されてゲート遊端が、ホッパ本体25における前方の周壁25bの下部内面に近接することでホッパ下端開口が閉止され、この閉止位置において排出ゲート26は前下がり傾斜した傾斜姿勢にある。また、
図5に示すように、ホッパ本体25における前方の周壁25bと左右の周壁25cとのなす左右の角部25rが、排出ゲート26における遊端角部26rの湾曲に対応して湾曲されている。
【0045】
排出ゲート26が閉止位置にあるときに、この排出ゲート26とホッパ本体25の周壁25a〜25cとによって、上方から供給される物品を貯留する貯留空間が形成される。また、この閉止位置では、傾斜姿勢にある排出ゲート26が、ホッパ本体25内に納まるように、前方及び左右の周壁25b,25cが、排出ゲート26よりも下方へ延びている。
【0046】
排出ゲート26の裏面には、
図7に示すように、連結金具29が固着されている。
図6等に示すように、この連結金具29と、ホッパ支持部材15に連結したシリンダ支持部18とに亘ってゲート駆動機構としてのエアシリンダ30が架設され、エアシリンダ30の伸長作動によって排出ゲート26が閉止され、エアシリンダ30の短縮作動によって排出ゲート26が略鉛直姿勢となる開放位置まで回動されようになっている。なお、シリンダ支持部18の外側面には、シリンダ取付け部を覆う保護カバー31が装着されている。
【0047】
ホッパ本体25における左右の連結板27の後端には、
図4及び
図6等に示すように、上下一対のフック部32が形成されており、ホッパ支持部材15における前端部の左右外側面に上下一対ずつ備えた頭付きの連結ピン33に、上下のフック部32を上方から係止することで、ホッパ本体25をホッパ支持部材15の前端部に脱着可能に係合連結するようになっている。
【0048】
また、排出ゲート26における連結金具29には、左右に突出する連結ピン34が備えられると共に、エアシリンダ30におけるピストンロッド先端には二股状のフック金具35が備えられている。このフック金具35を、排出ゲート26の連結金具29に跨り係合すると共に、連結ピン34に係合することで、エアシリンダ30と排出ゲート26とを脱着可能に係合連結できるようになっている。
【0049】
本実施形態に係る集合ホッパ11及び組合せ秤1は、以上のように構成されており、組合せ秤1で計量された所定重量範囲の物品は、集合ファネル10を介して集合ホッパ11に供給されて一時貯留される。包装機2から排出指令に応答して、エアシリンダ30が短縮作動して排出ゲート26が下方に回動され、ホッパ内に貯留されていた物品は落下排出されて、包装機2の投入口に供給される。
【0050】
排出ゲート26の下方回動に伴って、ホッパ本体25の下端開口は、前方の周壁25b側から開き始めることになり、貯留されていた物品は、排出ゲート26の傾斜に沿って斜め前方へ流下しようとする。この場合、斜め前方へ流下する物品は、ホッパ本体25における前方の周壁25b及びその下端のガイド板25b
1で受け止められて下方に案内されることになり、物品は、前方の周壁25b、左右の周壁25c、及び、排出ゲート26で四方から案内されて、外方へ拡がるのが抑制されて流下排出されてゆく。
【0051】
排出ゲート26が開放位置まで回動した状態では、排出ゲート26が略鉛直姿勢にあると共に、排出ゲート26の下端とホッパ本体における前方の周壁25bのガイド板25b
1の下端とが略同じ高さにあるので、落下排出される物品の前後方向への拡がりが、排出ゲート26とこれに対向する前方の周壁25b及びその下端のガイド板25b
1とで規制され、物品は纏まりよく落下排出されてゆく。
【0052】
また、閉止位置の排出ゲート26は、前下がりの傾斜姿勢にあり、ホッパ内に貯留された物品は、排出ゲート26の遊端側に集まって荷重が集中しやすいが、排出ゲート26の遊端角部26rとこれに対向するホッパ本体25の角部25rが比較的大きい曲率で湾曲されているので、この角部が直角である場合に比べて物品荷重の分散が図られやすく、物品の圧縮損傷や変形、あるいは、壁面への付着、などが抑制される。
【0053】
[実施形態2]
上記実施形態では、計量ホッパ8への物品の供給、及び、組合せ演算で選択した計量ホッパ8からの物品の排出を全て自動的に行う全自動式の組合せ秤に適用したけれども、本発明の他の実施形態として、計量ホッパへの物品の供給を作業者が手作業で行う半自動式の組合せ秤に適用することもできる。
【0054】
図9は、この半自動式の組合せ秤を備える計量包装システムの概略平面図であり、
図10はその正面図である。
【0055】
この計量包装システムは、床面上に設置された台枠40の上に搭載支持された組合せ秤41と、床置き設置された包装機42とを備えている。
【0056】
この実施形態の組合せ秤41は、計量される物品の供給を人手によって行う半自動式の組合せ秤であり、物品は特に限定されないが、鶏肉(ブロイラー)等の生肉、イカやカツオ等の魚介類等、粘着性があり単重(1個あたりの重さ)が比較的大きい物品の計量に好適である。
【0057】
この組合せ秤41では、作業者が物品を掴んで投入するための複数の投入口43が、直線状に列設されており、その下方には、各投入口43に個別的に対応するように複数の計量ホッパ44が配設されている。各計量ホッパ44は、ロードセル等の荷重センサ(図示せず)にそれぞれ連結されており、投入される物品の重量がそれぞれ計測される。
【0058】
計量ホッパ44の下方には、各計量ホッパ44から排出される物品を搬送する搬送コンベヤ45が設けられており、この搬送コンベヤ45の搬送方向(図の右方)の搬送終端の下方には、搬送コンベヤ45から落下排出される物品を下方に向けて案内するガイド46と、このガイド46で案内された物品を一旦貯留して排出する上記構成の集合ホッパ11とが設けられている。
【0059】
この組合せ秤41では、計量ホッパ44の物品の重量を種々に組合せ、これら組合せの中から組合せ重量(合計重量)が、目標組合せ重量に等しい、あるいは、目標組合せ重量に最も近い所定重量範囲内にある適量組合せを探す、すなわち、組合せ演算を行う。そして、組合せが成立して、選択された適量組合せの計量ホッパ44の物品を搬送コンベヤ45上に排出し、搬送コンベ45によって、物品を搬送して集合ホッパ11に排出し、この集合ホッパ11を介して包装機42の投入ホッパ47に投入する。
【0060】
包装機42は、組合せ秤41の集合ホッパ11から落下排出された物品を投入ホッパ47で受けて袋詰め処理すると共に、その後、真空チャンバにおける真空引き処理、及び、封止処理を施し、真空パック商品として手前の取出し口42aから送出するよう構成されている。
【0061】
この実施形態では、組合せ秤41における集合ホッパ11の排出口と包装機42の投入口との位置合わせを容易かつ迅速に行えるようにするために、集合ホッパ11は、互いに直交する水平な二方向である前後左右方向、及び、上下に位置調節可能、かつ、その向きも調節可能に構成されている。
【0062】
図11は、集合ホッパ11の取付け構造を示す一部切欠き側面図であり、
図12は、集合ホッパ11の取付け構造を示す斜視図である。
【0063】
計量された物品を搬送する搬送コンベヤ45は、外周に一定ピッチで滑り止め用の小突起48aを備えた搬送ベルト48を前後水平に巻回張設して構成されている。搬送コンベヤ45の前端のベルト巻回部位に対向して前記ガイド46が、コンベヤフレーム49の前部軸受けブラケット50にフック方式で脱着可能に係止連結されている。
【0064】
組合せ秤41を支持する前後一対の横フレーム51が、
図10及び
図11に示すように、台枠40の上に配備されており、その前側の横フレーム51に、上記実施形態の組合せ秤で示した構造の集合ホッパ11が装着されている。
【0065】
つまり、横フレーム51には、
図11及び
図12に示す取付け基板52が前向き片持ち状に連結固定されており、この取り付け基板52の下面に、上記した支持アーム14の連結板14aがボルト連結されている。
【0066】
取付け基板52には、前後一対の長孔53が横向きに形成されており、連結板14aの前後に左右一対ずつ下方から挿通した4本のボルト54が各長孔53に挿通されて、取付け基板52の上面に配備した共通の板ナット55にそれぞれねじ込まれている。従って、ボルト54を緩めることで、支持アーム14を横向きの長孔53に沿って左右方向に位置調節し、任意の調節位置で締付け固定することができるようになっている。
【0067】
このような取り付け構造によると、集合ホッパ11を、左右方向、前後方向、及び、上下方向に位置調節可能であると共に、取付け方向である向きを変更調節することが可能となる。
【0068】
従って、組合せ秤41及び包装機42を位置決めして床置き設置する際、あるいは、既設の組合せ秤41に対して包装機42を取替え設置してレイアウト変更を行うような場合、組合せ秤41と包装機42とを凡その位置で一旦位置決め設置した後、包装機42の投入ホッパ47に対して、集合ホッパ11を適正に位置調節し、また、必要に応じて向きを調節することで、組合せ秤41から送出されてきた所定重量範囲の物品を好適に包装機42に投入供給する状態にセットすることができる。
【0069】
これによって、床置き設置される大型で重量の大きい組合せ秤や包装機を床面上で細かく移動させたり、高さ調整する必要がなく、レイアウト変更を、容易かつ迅速に行うことが可能となる。
【0070】
また、レイアウト変更に限らず、計量する物品の種類やロットを切換える場合に、物品のサイズや形状などに応じて、組合せ秤41の集合ホッパ11から包装機42へ投入される物品が、包装機42の投入ホッパ47の内壁と接触して物品が詰まることがないように、組合せ秤42の集合ホッパ11の排出口の位置を容易に微調整することができる。
【0071】
[その他の実施形態]
本発明は、以下のような形態で実施することもできる。
【0072】
(1)
図13に示すように、ホッパ本体25における前方の周壁25b、及び、左右の周壁25cを、開放位置の排出ゲート26の下端近くまで延ばすことによって、物品を一層纏まりよく排出することができる。
【0073】
(2)排出ゲート26の遊端角部、及び、これに対向するホッパ本体25の角部は小さい曲率で湾曲させてもよく、あるいは、取り扱う物品の性状によっては直角にしてもよい。
【0074】
(3)上記実施形態の集合ホッパ11は、一枚の排出ゲート26でホッパ本体25の下端開口を開閉する構造のものを示しているが、対向する左右の周壁25cの間において、後方の周壁25a側に支点を備えた排出ゲートと、前方の周壁25b側に支点を備えた排出ゲートを、互いに背反方向に回動させてホッパ本体25の下端開口を下向きの観音開き状に開閉する構造で実施することもできる。
【0075】
(4)ゲート駆動機構としては、上記のようにエアシリンダを利用するほかに、電動モータによって作動するリンク機構を利用することもできる。
【0076】
(5)ホッパ本体は、角筒状に限らず、他の形状であってもよく、例えば、後方の周壁を省略してもよい。
【0077】
(6)排出ゲートの開放位置を、より後方の位置とし、排出ゲートを大きく開放するようにしてもよい。