(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の各実施形態について図面を用いて説明する。
【0010】
<第一実施形態>
図1は、第一実施形態に係る情報提供システムの概略構成の一例を示した図である。情報提供システムは、情報提供装置として機能する車載端末100と、通信端末Cと、サーバ200と、検索エンジン300とを有している。また、これらの車載端末100、通信端末C、サーバ200および検索エンジン300は、電話網やインターネット網など所定の通信ネットワークNにより相互通信可能に接続されている。
【0011】
車載端末100は、例えば、推奨経路の探索、経路誘導、地図情報および交通情報の表示など、いわゆるナビゲーション機能を備えた車載のナビゲーション装置によって実現される。なお、車載端末100は、車載のナビゲーション装置に限定されるものではなく、例えば、ナビゲーション機能を実現するためのアプリケーションソフトウェアがインストールされたスマートフォンやタブレット端末などのモバイル端末であっても良い。
【0012】
車載端末100は、ユーザの行き先である具体的な目的地(施設など)や車両の移動ルートなど所定の項目情報を含む行動履歴情報を作成する。また、車載端末100は、過去の行動履歴情報を用いてユーザが向かっている目的地を推定する。また、車載端末100は、推定した目的地(以下、「推定目的地」という)の検索要求や予めユーザが入力した目的地に関するPOI(Point Of Interest)情報の取得要求をサーバ200に行う。また、車載端末100は、取得したPOI情報を表示装置に表示する。また、車載端末100は、音声認識機能により、ユーザに目的地を聞くための発話文を出力し、ユーザから応答音声を取得する。
【0013】
通信端末Cは、車両に搭載され、車載端末100に通信機能を提供する装置である。通信端末Cは、例えば、USB(Universal Serial Bus)やBluetooth(登録商標)などにより車載端末100と相互通信可能に接続し、車載端末100から取得した情報をサーバ200に送信し、サーバ200から取得した情報を車載端末100に送信する。なお、通信端末Cは、車載端末100の通信装置として予め車載端末100に内蔵されていても良い。
【0014】
サーバ200は、車載端末100に対して様々なサービスを提供する装置である。具体的には、サーバ200は、各車両の車載端末100から行動履歴情報を取得し、これを送信元の車載端末100に対応付けて管理(格納)する。また、サーバ200は、車載端末100からの要求に応じて行動履歴情報を抽出し、対応する車載端末100に送信する。また、サーバ200は、車載端末100からの要求に応じて、検索エンジン300にPOI情報の取得要求を行う。また、サーバ200は、車載端末100からの要求に応じて、検索エンジン300に目的地の検索要求を行う。
【0015】
検索エンジン300は、情報検索を行うシステムである。具体的には、検索エンジン300は、POI情報の取得要求を受け付けると、推定目的地等と関連度の高いPOI情報を検索し、サーバ200を介して車載端末100に送信する。また、検索エンジン300は、目的地の検索要求を受け付けると、かかる目的地を特定する情報およびPOI情報を検索し、サーバ200を介して検索結果を車載端末100に送信する。
【0016】
なお、検索エンジン300は、POI情報や地図情報および施設情報といった所定情報を格納したサーバ200内のデータベースを検索しても良いし、インターネットなどweb上に公開されている情報を検索しても良い。また、検索エンジン300は、サーバ200が有する機能の一部として具備されたものであっても良い。
【0017】
図2は、車載端末100のハードウェア構成の一例を示した図である。車載端末100は、演算処理装置101と、表示装置102と、操作装置103と、補助記憶装置104と、測位センサ105と、カメラ106と、光ディスクドライブ107と、メモリカードIF(Interface)108と、マイク109と、スピーカ110と、機器間通信装置111と、通信装置112と、車載ネットワークIF113とを有している。
【0018】
演算処理装置101は、車載端末100の様々な処理を実行する中心的なユニットである。具体的には、演算処理装置101は、所定のナビゲーション機能を実現する処理に加えて、行動履歴情報の作成、目的地の推定および目的地の特定など様々な処理を行う。なお、これらの処理の詳細は後述する。
【0019】
演算処理装置101は、CPU(Central Processing Unit)114と、ROM(Read Only Memory)115と、RAM(Random Access Memory)116とを備える。CPU114は、数値演算および各デバイスを制御するなど様々な処理を実行するマイクロプロセッサである。RAM115は、演算結果やプログラムなどを格納する読み書き可能なメモリである。ROM116は、車載端末100で利用される様々なプログラムなどを格納する読み出し専用メモリである。
【0020】
表示装置102は、グラフィックス情報を表示するユニットである。表示装置102は、例えば、液晶ディスプレイや有機ELディスプレイなどで構成されている。
【0021】
操作装置103は、ユーザからの指示入力を受け付ける装置である。具体的には、操作装置103は、キーボード、マウス、タッチパネル、ダイヤルスイッチおよびその他のハードスイッチなどである。
【0022】
補助記憶装置104は、カーナビゲーション、目的地の特定あるいは音声認識といった車載端末100が有する各種機能を実現するプログラムと、それらのプログラムに使用される地図情報や設定ファイルなどを記憶した大容量の記憶装置である。補助記憶装置104は、例えば、HDD(Hard Disk Drive)やSSD(Solid State Drive)あるいはフラッシュメモリなどの不揮発性記憶装置で構成される。なお、補助記憶装置104に格納されている各情報は、サーバ200から取得する最新の情報によって適宜更新される。
【0023】
測位センサ105は、車載端末100が搭載された車両の位置を検出するための装置であって、例えば、車速センサ、ジャイロセンサおよびGPS(Global Positioning System)受信装置などから構成される。
【0024】
カメラ106は、車両の外部環境を撮影し、画像情報として取り込む光学装置であり、例えば、CCD(Charge−Coupled Device)やCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)イメージセンサなどの撮像素子が用いられる。
【0025】
光ディスクドライブ107は、CD(Compact Disk:登録商標)、DVD(Digital Versatile Disk:登録商標)およびBlu−ray Disk(登録商標)などの光ディスクを読み込み、音楽情報や映像情報を読み出すための装置である。
【0026】
メモリカードIF108は、SDメモリカード(登録商標)などのメモリカードの読み書きを行うためのインターフェースである。
【0027】
マイク109は、車内でユーザが発した声など車載装置の外部音声を収集する装置である。
【0028】
スピーカ110は、演算処理装置101で生成した音声情報を音声信号として出力する装置である。
【0029】
機器間通信装置111は、通信端末Cと接続して外部装置(本実施形態では、サーバ200など)との間で情報通信を行うためのインターフェース装置である。
【0030】
通信装置112は、TCU(Telematics Control Unit)といった車載通信ユニットであり、通信ネットワークNを利用してサーバ200との間で情報通信を行う装置である。
【0031】
車載ネットワークIF113は、車載ネットワークと接続し、車両の走行状態や内部状態を示す情報を取り込むためのインターフェース装置である。なお、車載端末100は、車両信号線とも接続されており、かかる信号線を介して入出力する車両の走行状態や内部状態を示す情報を取り込むこともできる。
【0032】
以上、車載端末100のハードウェア構成について説明した。
【0033】
図3は、サーバ200のハードウェア構成の一例を示した図である。サーバ200は、演算処理装置201と、補助記憶装置202と、通信装置203とを有している。
【0034】
演算処理装置201は、サーバ200の様々な処理を実行する中心的なユニットである。具体的には、演算処理装置201は、CPU204と、RAM205と、ROM206とを備えており、行動履歴情報の管理や検索エンジン300に対する検索要求など所定の処理を行う。
【0035】
通信装置203は、外部装置(本実施形態では、車載端末100、通信端末Cおよび検索エンジン300)との間で情報通信を行う装置である。
【0036】
以上、サーバ200のハードウェア構成について説明した。
【0037】
次に、車載端末100の機能構成について説明する。
図4は、車載端末100の機能構成の一例を示した機能ブロック図である。車載端末100は、情報提供部150と、記憶部160と、通信部170とを有している。また、情報提供部150は、位置特定部151と、ナビゲーション部152と、行動履歴作成部153と、行動推定部154と、音声認識部155とを有している。
【0038】
位置特定部151は、車両位置を特定する機能部である。例えば、位置特定部151は、測位センサ105が算出した車両位置と、記憶部160に格納されている地図情報と、車載ネットワークおよび車両信号線を介して取得した車両の状態情報とを用いて、地図上における車両の現在位置や車両方位などを定期的(例えば、1秒ごと)に特定する。
【0039】
ナビゲーション部152は、ナビゲーション機能に関する所定の処理を行う機能部である。例えば、ナビゲーション部152は、地図上に車両の現在位置を示すカーマークを重ねて表示装置102に表示する。また、ナビゲーション部152は、ユーザから入力を受け付けた出発地および目的地を結ぶ推奨経路を探索する。また、ナビゲーション部152は、車両位置と、地図情報と、車載ネットワークあるいは車両信号線を介して取得した車両の状態情報とを用いて、車両の経路誘導や地図情報および交通情報の表示など、通常のナビゲーション機能を実現するための処理を行う。
【0040】
行動履歴作成部153は、行動履歴情報を作成する機能部である。具体的には、行動履歴作成部153は、車載端末100の使用であるユーザのユーザIDまたは車載端末100の端末IDを、記憶部160内のユーザID記憶部または端末ID記憶部から取得する。また、行動履歴作成部153は、車両の移動ルートの走行軌跡を示す地点座標を位置特定部151から取得する。また、行動履歴作成部153は、出発地点の地点座標や名称ならびに出発日時をナビゲーション部152から取得する。また、行動履歴作成部153は、車両の駐車判定のためにギアポジションなどに関する車両の状態情報を車載ネットワークや車両信号線を介して取得する。
【0041】
また、行動履歴作成部153は、ユーザの応答音声に基づく目的地の検索結果(目的地の名称、地点座標など)をサーバ200から取得し、検索結果に基づいてユーザの目的地を特定する。また、行動履歴作成部153は、これらの情報およびユーザの応答音声に基づく検索結果から特定した目的地とを含む行動履歴情報を作成する。また、行動履歴作成部153は、通信部170を介して、生成した行動履歴情報をサーバ200に送信する。
【0042】
行動推定部154は、ユーザの行動を推定する機能部である。具体的には、行動推定部154は、サーバ200から取得した過去の行動履歴情報と、位置特定部151から取得した車両の移動ルート上の地点座標と、ナビゲーション部152から取得した出発地点ならびに到着地点の地点座標および日時と、地
図DBから取得した地図情報とを用いて、ユーザの向かっている目的地を推定する。
【0043】
なお、行動履歴情報を用いた目的地の推定方法は特に限定されるものではなく、公知技術(例えば、宮下他、「目的地予測型カーナビゲーションシステムのためのマップマッチング手法」、情報処理学会論文誌 Vol.50No.1 75−86(Jan2009))が用いられれば良い。
【0044】
例えば、行動推定部154は、出発地点からの移動ルートと過去の走行履歴とを比較し、一致度が高い到着地点をユーザが向かっている目的地として推定し、過去に到着したことのある地点への到着確率として表現する。この確率は、現在走行中の道路を過去に走行した回数と、この道路を通過して到着した地点各々への到着回数などを考慮して算出される。この算出方法では、現在地点から頻繁に行く地点への到着確率が高くなるような演算式が採用される。行動推定部154は、このようなアルゴリズムを用いて、現在地点から到達する確率が高い地点を推定の目的地として求める。
【0045】
また、行動推定部154は、求めた推定目的地のPOI情報をユーザに提供する。具体的には、行動推定部154は、通信部170を介して、推定目的地のPOI情報の取得要求をサーバ200に送信する。また、行動推定部154は、推定目的地のPOI情報を取得すると、ナビゲーション部152にPOI情報を出力し、その表示を指示する。
【0046】
音声認識部155は、音声認識機能を実現するための処理を行う機能部である。具体的には、音声認識部155は、ユーザに目的地を質問するための発話文を音声合成してスピーカ110から出力する。また、音声認識部155は、マイク109から入力されたユーザの応答音声を文字情報に変換し、ユーザの発話内容を認識する。
【0047】
記憶部160は、ユーザID記憶部161と、端末ID記憶部162と、行動履歴記憶部163と、地
図DB164とを有している。ユーザID記憶部161には、サーバ200のユーザ認証に用いられるユーザIDおよびパスワードが記憶されたユーザID情報が格納されている。端末ID記憶部162には、サーバ200の端末認証に用いられる端末IDおよびパスワードが記憶された端末ID情報が格納されている。
【0048】
行動履歴記憶部163には、サーバ200から取得した行動履歴情報が格納されている。行動履歴情報の詳細については後述する。
【0049】
地
図DB164には、地図上の道路を構成するリンクに関する情報(リンク情報)を含む地図情報が格納されている。
【0050】
通信部170は、外部装置(本実施形態では、サーバ200など)との間で情報通信を行う機能部である。通信部170は、例えば、行動履歴作成部153で作成された行動履歴情報をサーバ200に送信し、各車載端末100に対応する行動履歴情報をサーバ200から受信する。
【0051】
以上、車載端末100の機能構成について説明した。
【0052】
なお、車載端末100の情報提供部150は、CPUに処理を行わせるプログラムによって実現される。このプログラムは各々、ROM115や補助記憶装置104に記憶され、プログラムの実行にあたってRAM116にロードされ、CPU114により実行される。また、車載端末100の記憶部160は、ROM115ならびにRAM116および補助記憶装置104によって実現される。また、車載端末100の通信部107は、通信装置112および機器間通信装置111あるいは通信端末Cによって実現される。
【0053】
図5は、サーバ200の機能構成の一例を示した機能ブロック図である。サーバ200は、サーバ側情報提供部250と、情報格納部260と、サーバ側通信部270とを有している。また、サーバ側情報提供部250は、ユーザ認証部251と、端末認証部252と、行動履歴管理部253と、目的地特定部254とを有している。
【0054】
ユーザ認証部251は、ユーザ認証を行う機能部である。具体的には、ユーザ認証部251は、情報格納部260に格納されているユーザ情報を用いて、車載端末100から取得したユーザID情報に含まれているユーザIDおよびパスワードの認証を行う。
【0055】
端末認証部252は、端末認証を行う機能部である。具体的には、端末認証部252は、情報格納部260に格納されている端末情報を用いて、車載端末100から取得した端末ID情報に含まれている端末IDおよびパスワードの認証を行う。
【0056】
行動履歴管理部253は、行動履歴情報を管理する機能部である。具体的には、行動履歴管理部253は、車載端末100から取得した行動履歴情報をユーザごとに車載端末IDを対応付けて情報格納部260に格納する。
【0057】
目的地特定部254は、検索エンジン300に対してPOI情報の取得要求を行う機能部である。また、目的地特定部254は、検索エンジン300に対して目的地の検索要求を行う。
【0058】
情報格納部260は、ユーザ情報記憶部261と、端末情報記憶部262と、行動履歴記憶部263とを有している。
図6は、ユーザ情報記憶部261に格納されているユーザ情報400の一例を示した図である。ユーザ情報400は、各車両の車載端末100を使用するユーザに関する情報を含む。具体的には、ユーザ情報400は、ユーザID401と、性別402と、生年月日403と、運転歴404と、パスワード405とが対応付けられたレコードを有している。
【0059】
ユーザID401は、車載端末100の使用者であるユーザを一意に識別するための情報である。性別402は、ユーザの性別を示す情報である。生年月日403は、ユーザの生年月日を示す情報である。運転歴404は、ユーザの運転歴を示す情報である。パスワード405は、ユーザ認証に用いるパスワード情報である。なお、性別ならびに生年月日および運転歴は、例えば、ユーザの特定を識別するための情報としてユーザの分類と、分類ごとの行動履歴の傾向分析などに用いられても良い。
【0060】
図7は、端末情報記憶部262に格納されている端末情報500の一例を示した図である。端末情報500は、各車両に搭載されている車載端末100に関する情報を含む。具体的には、端末情報500は、端末ID501と、機種コード502と、機種名503と、購入年月日504と、パスワード505とが対応付けられたレコードを有している。
【0061】
端末ID501は、車載端末100を一意に識別する情報である。機種コード502は、車載端末100の機種を特定するコード情報である。機種名503は、車載端末100の機種を示す情報である。購入年月日504は、車載端末100の購入年月日あるいは車両への搭載日などを示す情報である。パスワード505は、端末認証に用いるパスワード情報である。
【0062】
図8は、行動履歴記憶部263に格納されている行動履歴情報600の一例を示した図である。行動履歴情報600は、ユーザの目的地や車両の移動軌跡を示す移動ルートなどの行動履歴に関する情報を含む。具体的には、行動履歴情報600は、ID601と、出発地点名称602と、出発地点座標603と、出発日時604と、目的地名称605と、目的地座標606と、到着日時607と、移動ルート608とが対応付けられたレコードを有している。
【0063】
ID601は、車載端末100の使用者であるユーザまたは車載端末を一意に識別するための情報である。具体的には、行動履歴情報600には、ユーザ情報400のユーザID401または端末情報500の端末ID501と共通の識別情報が登録される。なお、ID601には、ユーザID401と共通の識別情報が登録されていても良いし、端末ID501と共通の識別情報が登録されていても良い。出発地点名称602は、出発地点の名称(例えば、施設の名称など)を示す情報である。出発地点座標603は、地図上における出発地点の地点座標を示す情報である。出発日時604は、出発地点を出発した日時を示す情報である。目的地名称605は、ユーザの応答音声に基づく検索結果から特定された目的地の名称(例えば、施設の名称など)を示す情報である。目的地座標606は、目的地の地点座標を示す情報である。到着日時607は、目的地に着いた日時を示す情報である。移動ルート608は、位置特定部151によって定期的(例えば、1秒ごと)に算出された地図上の車両位置を示す地点座標を列挙したものであって、車両の走行軌跡を示す情報である。
【0064】
サーバ側通信部270は、外部装置(本実施形態では、車載端末100、通信端末Cおよび検索エンジン300など)との間で情報通信を行う機能部である。サーバ側通信部270は、例えば、行動履歴情報600を車載端末100から取得する。また、サーバ側通信部270は、検索エンジン300からPOI情報や目的地の検索結果を取得し、これを車載端末100に送信する。
【0065】
以上、サーバ200の機能構成について説明した。
【0066】
なお、サーバ側情報提供部250は、CPU204に処理を行わせるプログラムによって実現される。このプログラムは各々、ROM206や補助記憶装置202に記憶され、プログラムの実行にあたってRAM205にロードされ、CPU204により実行される。また、情報格納部260は、ROM206ならびにRAM205および補助記憶装置202によって実現される。また、サーバ側通信部270は、通信装置203によって実現される。
【0067】
また、車載端末100およびサーバ200の各機能ブロックは、本実施形態において実現される機能を理解容易にするために、主な処理内容に応じて分類したものであり、各機能の分類の仕方やその名称によって、本発明が制限されることはない。また、車載端末100およびサーバ200の各構成は、処理内容に応じて、さらに多くの構成要素に分類することもできる。また、一つの構成要素がさらに多くの処理を実行するように分類することもできる。
【0068】
[動作の説明]
次に、本実施形態に係る情報提供システムで行われる行動履歴作成処理および目的地特定処理について説明する。
図9は、行動履歴作成処理の一例を示したシーケンス図である。
【0069】
図示するように、車両のアクセサリーキー(ACC)がONになると、車載端末100の行動推定部154は、ユーザID情報およびパスワードと共に、行動履歴情報600の取得要求をサーバ200に送信する(ステップS001)。
【0070】
車載端末100からユーザID情報およびパスワードを取得すると、サーバ200のユーザ認証部251は、ユーザ認証を行う(ステップS002)。また、車載端末100から行動履歴情報600の取得要求を受け付けると、サーバ200の行動履歴管理部253は、車載端末100から取得したユーザIDが登録された行動履歴情報600を行動履歴記憶部263から抽出し、サーバ側通信部270を介して車載端末100に送信する。(ステップS003)。
【0071】
サーバ200から行動履歴情報600を取得すると、車載端末100の行動推定部154は、これを行動履歴記憶部163に保存し(ステップS004)、行動推定処理を開始する(ステップS005)。具体的には、行動推定部154は、出発地点の地点座標や出発日時および走行中に位置特定部151から取得した車両位置を示す地点座標と、行動履歴記憶部163内の行動履歴情報600に含まれる内容との一致度からユーザの向かっている目的地を推定する。また、行動推定部154は、行動履歴情報600から推定目的地の名称および地点座標を特定し、かかる情報と共に、推定目的地に関するPOI情報の取得要求をサーバ200に送信する(ステップS006)。
【0072】
サーバ200の目的地特定部254は、車載端末100から推定目的地の名称ならびに地点座標およびPOI情報の取得要求を受け付けると、検索エンジン300に対してPOI情報の取得要求を行う(ステップS007)。また、検索エンジン300により推定目的地のPOI情報を取得すると、サーバ200の目的地特定部254は、サーバ側通信部270を介して、これを車載端末100に送信する。
【0073】
車載端末100の行動推定部154は、POI情報を取得すると、ナビゲーション部152にPOI情報の表示指示を出力する(ステップS008)。
【0074】
このような一連の処理により、ユーザは目的地を設定しない場合でも、車載端末100が過去の行動履歴から目的地を推定し、推定目的地に関するPOI情報がユーザに提供される。なお、行動推定部154は、目的地の推定を行う前に、ユーザから目的地の入力を受け付けたか否かをナビゲーション部152に問い合わせても良い。また、ナビゲーション部152が目的地の入力をユーザから受け付けている場合、行動推定部154は、かかる目的地のPOI情報の取得要求をサーバ200に送信しても良い。
【0075】
また、車載端末100の行動履歴作成部153は、車両が走行を開始すると、出発地点の地点座標および出発日時などの所定情報を記録する(ステップS009)。また、行動履歴作成部153は、車両が走行している間、定期的に算出される車両位置を示す地点座標を移動ルートの走行軌跡として記録する(ステップS010)。
【0076】
また、行動履歴作成部153は、所定のタイミング(例えば、1秒ごと)で車両が駐車したか否かを判定する(ステップS011)。例えば、行動履歴作成部153は、ギアポジションがリア(R)を経てパーキング(P)になったか否か、あるいはサイドブレーキが掛けられたか否かなど所定の条件を満たしたか否かにより車両の駐車を判定する。そして、車両が駐車していないと判定した場合(ステップS011でNo)、行動履歴作成部153は、処理をステップS010に戻す。一方で、車両が駐車したと判定した場合(ステップS011でYes)、行動履歴作成部153は、目的地特定処理を実行する(ステップS012)。
【0077】
図10は、目的地特定処理の一例を示したシーケンス図である。目的地特定処理が開始されると、行動履歴作成部153は、目的地が設定済みであるか否かを判定する(ステップS021)。具体的には、行動履歴作成部153は、ユーザから目的地の入力を受け付けたか否かをナビゲーション部152に問い合わせる。ナビゲーション部152が目的地の入力を受け付けている場合(ステップS021でYes)、行動履歴作成部153は、目的地特定処理を終了し、処理を
図9のステップS013に移行する。
【0078】
一方で、ナビゲーション部152が目的地の入力を受け付けていない場合(ステップS021でNo)、行動履歴作成部153は、処理をステップS022に移行する。
【0079】
ステップS022では、音声認識部155は、ユーザに目的地を質問する。具体的には、音声認識部155は、「どちらに行かれるのですか?」といった発話文を音声合成してスピーカ110から出力する(ステップS023)。なお、発話文は特に限定されるものではなく、目的地をユーザに質問する内容であればどのような発話文であっても良い。
【0080】
次に、音声認識部155は、マイク109を介してユーザからの応答音声を取得する(ステップS024)。例えば、音声認識部155は、「**寿司」といったユーザの応答音声を取得し、これを文字列の情報(文字情報)に変換して(ステップS025)、ユーザの発話内容を認識する。また、音声認識部155は、かかる音声認識の結果を行動履歴作成部153に出力する。
【0081】
次に、行動履歴作成部153は、目的地の検索要求およびPOI情報の取得要求をサーバ200に送信する(ステップS026)。具体的には、行動履歴作成部153は、音声認識結果が示す目的地および到着地点(駐車地点)の地点座標と共に、目的地の検索要求およびPOI情報の取得要求をサーバ200に送信する。
【0082】
サーバ200の目的地特定部254は、車載端末100から音声認識結果が示す目的地と、到着地点の地点座標と、目的地の検索要求と、POI情報の取得要求を受け付けると、検索エンジン300に対して目的地の検索要求およびPOI情報の取得要求を行う(ステップS027)。また、目的地特定部254は、検索エンジン300から目的地の検索結果およびPOI情報を取得すると、サーバ側通信部270を介して、これらを車載端末100に送信する(ステップS028)。
【0083】
なお、検索エンジン300は、音声認識結果が示す目的地と到着地点の地点座標とをサーバ200から取得すると、これらを用いて目的地を検索する。具体的には、検索エンジン300は、ユーザの応答音声に基づく目的地と到着地点の地点座標とを用いて検索を行い、例えば、「**寿司 大宮店」といった詳細な目的地の検索結果を得る。また、検索エンジン300は、「**寿司 大宮店」に関するPOI情報(例えば、店舗の営業時間、平均予算、おすすめの品、評判など)を検索結果として取得する。
【0084】
行動履歴作成部153は、サーバ200からPOI情報を取得すると、これを表示するようナビゲーション部152に指示する(ステップS029)。また、行動履歴作成部153は、検索結果を取得すると、検索結果の目的地名称を音声合成して出力するよう音声認識部155に指示する(ステップS030)。
【0085】
音声認識部155は、行動履歴作成部153からの指示を受け付けると、目的地の検索結果を音声合成してスピーカ110から出力する(ステップS031)。例えば、音声認識部155は、音声合成により「わかりました。**寿司 大宮店に行かれるのですね。」といった発話文を音声合成し、スピーカ110から出力する。また、音声認識部155は、かかる処理が終了すると、目的地特定処理を終了し、処理を
図9のステップS013に移行する。
【0086】
ステップS013では、行動履歴作成部153は、検索結果である目的地の名称と、地点座標と、到着日時とを記憶する。また、行動履歴作成部153は、ユーザIDと、出発地点および目的地の名称および地点座標と、出発日時および到着日時と、移動ルートを示す地点座標を含む行動履歴情報600を作成する(ステップS014)。また、行動履歴作成部153は、ユーザID情報およびパスワードと共に行動履歴情報600をサーバ200に送信する(ステップS015)。
【0087】
サーバ200のユーザ認証部251は、取得したユーザID情報およびパスワードを用いてユーザ認証を行う(ステップS016)。また、行動履歴管理部253は、認証が成功した場合、取得した行動履歴情報600を行動履歴記憶部263に格納する(ステップS017)。
【0088】
以上、本実施形態に係る行動履歴作成処理および目的地特定処理について説明した。このような発明によれば、より精度の高い目的地推定を行うための履歴情報を作成できる。特に、車載端末100は、ユーザに聞いた目的地を含む行動履歴情報600を作成し、かかる行動履歴情報600を用いて目的地の推定を行うため、目的地が設定されていない状況でも、精度よく目的地を推定することができる。
【0089】
また、車載端末100は、検索エンジン300による検索結果に基づいて目的地を特定するため、より確実に正しい目的地を特定することができる。通常、ユーザに目的地を聞いた場合でも、ユーザの応答は店舗の愛称や略称であることが多い。そのため、愛称や略称などの曖昧さを吸収し、より精度の高い目的地の検索を可能とする検索エンジン300を経由することにより、精度良く目的地を特定することができる。また、そのような検索結果により特定された目的地を含む行動履歴情報600を活用することで、精度の良い目的地推定を行うことができる。
【0090】
さらに、車載端末100が特定する目的地は、車両の駐車する場所ではなく、ユーザが実際に向かう店舗や施設などの地点である。例えば、地方や郊外などでは駐車場と店舗とが非常に離れている場所が多々存在する。そのため、車両の到着地点すなわち駐車場所を目的地とした履歴情報を作成し、かかる履歴情報を用いて目的地を推定した場合、車載端末100は、目的の店舗から非常に遠い場所を目的地としてユーザを誘導しまうことになる。また、車載端末100は、駐車場から遠い目的の店舗ではなく、駐車場により近い店舗のPOI情報をユーザに案内してしまうという問題も生じ得る。これに対し、本実施形態に係る情報提供システムでは、ユーザの向かう店舗などの地点が目的地として登録された履歴情報を用いて目的地の推定を行うため、より的確にユーザを誘導し、より適切なPOI情報をユーザに提供することができる。
【0091】
<第二実施形態>
図11は、第二実施形態に係る目的地特定処理の一例を示したシーケンス図である。前述の第一実施形態に係る目的地特定処理では、ユーザの応答音声に基づく検索結果の目的地名称を復唱する発話文を出力したが(ステップS031)、本実施形態では、検索結果の目的地の名称が正しいかどうかをユーザに確認するための発話文を出力する。なお、本実施形態に係るステップS041〜ステップS049までの処理は、第一実施形態のステップS021〜ステップS029までの処理と同一であるため、説明を省略する。また、本実施形態でも、
図9に示す行動履歴作成処理を実行するものとする。
【0092】
ステップS049で、行動履歴作成部153は、検索結果およびPOI情報を表示するようナビゲーション部152に指示し、音声認識部155に対して、検索結果をユーザに確認するための発話文を出力するよう指示する(ステップS050)。
【0093】
かかる指示を受け付けると、音声認識部155は、音声合成を行い、検索結果の目的地が正しいかどうかをユーザに確認する発話文を出力する(ステップS051)。例えば、音声認識部155は、「**寿司 大宮店に行かれるのですか?」といった確認の発話文を音声合成してスピーカ110から出力する。なお、発話文は特に限定されるものではなく、検索結果の目的地をユーザに確認する内容であればどのような発話文であっても良い。
【0094】
次に、音声認識部155は、マイク109を介してユーザからの応答音声を取得する(ステップS052)。例えば、「はい」または「いいえ」あるいはこれらに類する応答音声をユーザから取得する。また、音声認識部155は、これを文字列の情報(文字情報)に変換して(ステップS053)、ユーザの発話内容を認識する。また、音声認識部155は、かかる音声認識結果を行動履歴作成部153に出力する(ステップS054)。
【0095】
次に、行動履歴作成部153は、音声認識の結果が「はい」またはこれに類する発話内容であったか否かを判定する(ステップS055)。そして、「はい」またはこれに類する発話内容でなかった場合(ステップS055でNo)、行動履歴作成部153は、処理をステップS042に戻し、ユーザに対して再度目的地の質問を行う。
【0096】
一方で、「はい」またはこれに類する発話内容である場合(ステップS055でYes)、行動履歴作成部153は、目的地特定処理を終了し、処理を
図9のステップS013に移行する。
【0097】
このような第二実施形態に係る目的地特定処理によれば、検索結果に係る目的地をユーザに確認することで、誤った目的地が登録された行動履歴情報600の作成を防止できる。
【0098】
<第三実施形態>
図12は、第三実施形態に係る目的地特定処理の一例を示したシーケンス図である。本実施形態に係る目的地特定処理では、現在地付近への到着履歴の有無や、現在地付近の施設などの数に応じて目的地に関するユーザへの質問内容を変更する。なお、本実施形態でも、
図9に示す行動履歴作成処理を実行するものとする。
【0099】
ステップS061の処理で、ナビゲーション部152は、目的地を設定済みか否かを判定する。具体的には、ナビゲーション部152は、ユーザから目的地の入力を受け付けているか否かを判定する。そして、目的地の入力を受け付けている場合(ステップS061でYES)、行動履歴作成部153は、目的地特定処理を終了し、処理を
図9のステップS013に移行する。
【0100】
一方で、ユーザから目的地の入力を受け付けていない場合(ステップS061でNo)、行動履歴作成部153は、行動履歴情報600を用いて、現在地付近(例えば、駐車した地点から所定半径:例えば、50mの範囲内)への到着履歴が有るか否かを判定する(ステップS062)。そして、到着履歴がないと判定した場合(ステップS062でNo)、行動履歴作成部153は、現在地付近に施設などのPOIが2つ以上であるか否かを判定する(ステップS063)。そして、施設が2つ以上ないと判定した場合(ステップS063でNo)、行動履歴作成部153は、処理を
図11のステップS050に移行する。すなわち、過去の到着履歴はないが、現在地付近にある1つの施設を特定できたため、行動履歴作成部153は、特定結果に係る目的地をユーザに確認するための発話文を出力するように音声認識部155に指示する(ステップS050)。
【0101】
一方で、現在地付近の施設が2つ以上あると判定した場合、行動履歴作成部153は、処理を
図10のステップS022に移行し、ユーザに目的地を質問する発話文を音声認識部155に出力させる(例えば、「どちらに行かれるのですか?」など)。現在地付近への過去の行動履歴がなく、現在地付近の施設が複数あるため、1つの施設を特定できないからである。
【0102】
また、前述のステップS062において、現在地付近への到着履歴が有ると判定した場合(ステップS062でYes)、行動履歴作成部153は、到着履歴の地点数(例えば、施設や公園などの地点の数)が10未満であるか否かを判定する(ステップS064)。そして、地点数が10未満ではない場合(ステップS064でNo)、行動履歴作成部153は、処理を
図10のステップS022に移行し、音声認識部155を介してユーザに目的地を質問する。過去の到着履歴はあるが、地点数が10以上あるため、ユーザが向かう目的地を推測するのが難しいからである。なお、地点数は特に限定されるものではなく、適宜任意の数が設定されれば良い。
【0103】
一方で、到着履歴の地点数が10未満である場合(ステップS064でYes)、行動履歴作成部153は、現在地から最も近い過去の到着地点を行動履歴情報600から特定する。また、音声認識部155は、かかる到着地点が今回の目的地であるかをユーザに質問する発話文を音声合成により生成し、スピーカ110から出力する(ステップS065)。
【0104】
次に、音声認識部155は、マイク109を介してユーザからの応答音声を取得する(ステップS066)。音声認識部155は、例えば、「はい」または「いいえ」あるいはこれらに類する応答音声をユーザから取得する。また、音声認識部155は、これを文字列の情報(文字情報)に変換して、ユーザの発話内容を認識する。また、音声認識部155は、かかる音声認識の結果を行動履歴作成部153に出力する。
【0105】
次に、行動履歴作成部153は、音声認識の結果が「はい」またはこれに類する発話内容か否かを判定する(ステップS067)。そして、「はい」またはこれに類する発話内容と判定した場合(ステップS067でYes)、行動履歴作成部153は、目的地特定処理を終了する。1つの目的地を特定できたためである。
【0106】
一方で、「はい」またはこれに類する発話内容でない場合(ステップS067でNo)、行動履歴作成部153は、現在地から最も到着回数が多い過去の到着地点を行動履歴情報600から特定する。また、音声認識部155は、かかる到着地点が今回の目的地であるかをユーザに質問する発話文を音声合成により生成し、スピーカ110から出力する(ステップS068)。
【0107】
次に、音声認識部155は、マイク109を介してユーザからの応答音声を取得する(ステップS069)。音声認識部155は、例えば、「はい」または「いいえ」あるいはこれらに類する応答音声をユーザから取得する。また、音声認識部155は、これを文字列の情報(文字情報)に変換して、ユーザの発話内容を認識する。また、音声認識部155は、かかる音声認識の結果を行動履歴作成部153に出力する。
【0108】
次に、行動履歴作成部153は、音声認識の結果が「はい」またはこれに類する発話内容であったか否かを判定する(ステップS070)。そして、「はい」またはこれに類する発話内容の場合(ステップS070でYes)、行動履歴作成部153は、目的地特定処理を終了する。
【0109】
一方で、「はい」またはこれに類する発話内容でない場合(ステップS070でNo)、行動履歴作成部153は、処理を
図10のステップS022に移行し、音声認識部155を介してユーザに目的地を質問する。過去の到着履歴はあるが、目的地を特定できないためである。
【0110】
以上のような第三実施形態に係る目的地特定処理によれば、現在地付近への到着履歴の有無や、現在地付近の施設などの数に応じて目的地に関するユーザへの質問内容を変更するため、質問の回数を極力減らすことができ、ユーザが質問に対して応答する煩わしさを軽減することができる。
【0111】
<第四実施形態>
図13は、第四実施形態に係る行動履歴作成再開処理の一例を示したシーケンス図である。前述の第一実施形態において、例えば、駐車判定(ステップS011)などの処理途中で車両のエンジンが停止される場合がある。本実施形態に係る行動履歴作成再開処理は、行動履歴作成処理が処理途中で終了し、その後車載端末100が起動された時に実行される処理である。なお、ステップS083〜ステップS091は、
図9のステップS012〜ステップS017の処理と同様であるため、説明を省略する。
【0112】
車両のアクセサリーキー(ACC)がONになると、行動履歴作成部153は、
図9のステップS011の処理(駐車判定)が完了済みであるか否かを判定する(ステップS081)。完了していないと判定すると(ステップS081でNo)、行動履歴作成部153は、前回終了時から所定時間(例えば、5分)経過しているか否かを判定する(ステップS087)。そして、所定時間が経過していると判定した場合(ステップS087でYes)、行動履歴作成部153は、処理をステップS083に移行して目的地特定処理を実行する。
【0113】
一方で、所定時間を経過していないと判定した場合(ステップS087でNo)、行動履歴作成部153は、処理を
図9のステップS010に移行し、移動ルートの記録を行う。前回終了時から所定時間が経過していれば、ユーザが何らかの要件を済ませた可能性があり、その場合には前回終了時の到着地点を目的地として仮定し、目的地特定処理を行うようにする。
【0114】
また、ステップS081において、ステップS011の駐車判定が完了済みと判定した場合(ステップS081でYes)、行動履歴作成部153は、
図9のステップS012(目的地特定処理)が完了済みであるか否かを判定する(ステップS082)。目的地特定処理が未完了であると判定した場合(ステップS082でNo)、行動履歴作成部153は、
図10の目的地特定処理を行う(ステップS083)。
【0115】
なお、ステップS081を経由して目的地特定処理を行う場合、音声認識部155は、「どちらに行かれていましたか?」という発話文の質問をユーザに行う(
図10のステップS022、ステップS023)。この場合、ユーザは前回終了時に目的地に到着し、既に要件等を済ませたと考えられるためである。
【0116】
一方で、目的地特定処理が完了済みと判定した場合(ステップS082でYes)、行動履歴作成部153は、ステップS013の処理(目的地名称、地点座標および到着日時の記録)が完了済みであるか否かを判定する(ステップS088)。そして、未完了と判定した場合(ステップS088でNo)、行動履歴作成部153は、処理をステップS084に移行し、これらの項目について記録を行う。
【0117】
一方で、目的地名称などの記録が完了済みと判定した場合(ステップS088でYes)、行動履歴作成部153は、
図9のステップS014およびステップS015(行動履歴情報600の生成および送信)が完了済みであるか否かを判定する(ステップS089)。そして、未完了と判定した場合(ステップS089でNo)、行動履歴作成部153は、行動履歴情報600を作成し(ステップS085)、通信部170を介して、ユーザIDおよびパスワードと共にサーバ200に送信する(ステップS086)。
【0118】
一方で、行動履歴情報600の作成およびサーバ200への送信が完了済みと判定した場合(ステップS089でYes)、行動推定部154は、処理を
図9のステップS001(行動履歴情報600の取得要求)に移行する。
【0119】
以上の第四実施形態に係る処理により、前回終了時に未完了であった処理から行動履歴作成処理を再開することができる。特に、車載端末100は、前回終了時から所定時間が経過しているか否かを判定することで、前回の行動履歴作成処理が目的地に到着して終了したのか、あるいは、目的地に到着せずに終了したのかを判定することができる。これにより、より正確に再開すべき処理を特定することができる。
【0120】
なお、前述の通り、本発明は、第一実施形態に係る行動履歴作成処理に第二実施形態に係る目的地特定処理または第三実施形態に係る目的地特定処理を組み合わせることも可能であり、さらには、第一実施形態に係る行動履歴作成処理の実行前に第四実施形態に係る行動履歴作成再開処理を実行することも可能である。また、端末IDを用いて端末認証を行う後述の行動履歴作成処理が組み合わせられても良い。
【0121】
また、前述の実施形態では、ユーザIDを用いてユーザ認証を行ったが、本発明は、端末IDを用いて端末認証を行うものであっても良い。
図14は、端末認証を行う行動履歴作成処理の一例を示したフロー図である。図示するように、車載端末100の行動推定部154は、端末ID情報およびパスワードと共に、行動履歴情報600の取得要求をサーバ200に送信する(ステップS101)。
【0122】
車載端末100から端末ID情報およびパスワードを取得すると、サーバ200の端末認証部252は、端末認証を行う(ステップS102)。また、車載端末100から行動履歴情報600の取得要求を受け付けると、サーバ200の行動履歴管理部253は、車載端末100から取得した端末IDが登録された行動履歴情報600を行動履歴記憶部263から抽出し、サーバ側通信部270を介して車載端末100に送信する。(ステップS103)。
【0123】
また、ステップS115では、行動履歴作成部153は、端末ID情報およびパスワードと共に行動履歴情報600をサーバ200に送信する。
【0124】
サーバ200の端末認証部252は、取得した端末ID情報およびパスワードを用いて端末認証を行う(ステップS116)。また、行動履歴管理部253は、認証が成功した場合、取得した行動履歴情報600を行動履歴記憶部263に格納する(ステップS117)。
【0125】
このような行動履歴作成処理によれば、車載端末100の使用であるユーザではなく、車載端末100に対応付けて行動履歴情報を管理することができる。
【0126】
また、本発明は上記した実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施例は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施例の構成の一部を他の実施例の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施例の構成に他の実施例の構成を加えることも可能である。また、各実施例の構成の一部について、他の構成の追加、削除、置換をすることが可能である。
【0127】
また、上記説明では、制御線や情報線は、説明上必要と考えられるものを示しており、製品上必ずしも全ての制御線や情報線を示しているとは限らない。実際には殆ど全ての構成が相互に接続されていると考えて良い。