【課題を解決するための手段】
【0008】
この目的は、請求項1の特徴を有する装置と独立した方法請求項の特徴を有する方法とによって解決される。本発明の他の実施の形態は、従属項において規定される。
【0009】
ロボット支援手術のための創造性のある装置は、手術器具を含む器具ユニットを有し、その近位端は、装置の座標系の座標によって定義された目標領域に患者の身体オリフィスを通じて通過可能である。
【0010】
装置は、器具ユニットが接続可能である少なくとも1つのマニプレータアームを含む。装置は、器具ユニットがマニプレータアームに接続された時に、器具軸の長手軸に垂直であり、座標によって定義された長手軸と目標領域との間の距離ベクトルを測定すると共に、測定された距離ベクトルの量が第1の設定値を有するか、及び/又は第1の設定値未満に下がる時に第1の制御情報を生成し、好ましくは、出力する制御ユニットを含む。
【0011】
マニプレータアームに接続された器具ユニットが装置の座標系X,Y,Zの座標x
Z,y
Z,z
Zによって定義された目標領域と共に手術されるべき患者の身体の意図された入口点に対しても正しい位置に存在するように、ロボット支援手術のためのそのような装置によってマニプレータアームを簡単に位置調整することができる。位置は、特に、器具ユニットの手術器具の器具軸の長手軸の位置と方向と含む。
【0012】
その結果として、患者の手術に先立ってロボット支援手術のための装置のマニプレータアームを容易に方向調整することが可能である。これは、医師がマニプレータアームの位置調整と方向調整とを行う必要は無く、適切なスタッフによって行うことができることを可能にする。医師は、単に器具ユニットの位置を点検する責任を負う。本発明の感覚における手術器具は、特に、ロッド内視鏡、又はエンドエフェクタを備える手術器具等の内視鏡である。
【0013】
測定された距離ベクトルの量が第2の設定値を有するか、又は第2の設定値未満に下がる時は常に、制御ユニットが少なくとも第2の制御情報を生成し、好ましくは、出力する場合に有利である。従って、第2の制御情報によって目標領域に対する器具ユニットの器具軸の長手軸の位置の正しい方向を示すことができる。
【0014】
好ましくは、第2の設定値は、手術器具の長手軸が目標領域を貫通するように、ゼロであるか、又はゼロに近い値である。その結果として、マニプレータアームを手術器具の長手軸に対する空間における位置と方向とに対して特に容易に位置調整することが可能である。
【0015】
垂直距離ベクトルの測定量は、好ましくは、長手軸と目標領域との間の最短の垂直距離ベクトルの量である。
【0016】
更に、装置が、第1の制御情報に基づいて第1の音響信号及び/又は第1の光信号を出力し、及び/又は第2の制御情報に基づいて第2の音響信号又は第2の光信号のみを出力する出力ユニットを有する場合に有利である。光信号及び/又は音響信号によって、手術に先立ってマニプレータアームの正しい位置調整が容易に支援されるように、正しい方向又はマニプレータアームに接続された器具ユニットの未修正の方向に関してユーザに容易に通知することができる。
【0017】
更に、第1の音響信号が上昇及び下降トーン又は第1の反復率のトーンシーケンスであると共に第2の音響信号が連続トーンである場合に有利である。トーンシーケンスは、好ましくは、幾つかの同一トーンを含む。目標領域に対する接近又は目標領域からの距離に関して反復率によって音響的にユーザに通知されるように、距離ベクトルの測定量の減少と共に反復率を増加させることができる。
【0018】
音響信号は、制御ユニット又は制御パネルにおいて出力することができる。
【0019】
代わりに又は更に、第1の光信号は、第1の点滅率の点滅光信号であることができ、第2の光信号は、連続光信号であることができる。ここで、第1の光信号の光と第2の光信号の光は、同一波長又は同一波長スペクトルを有することができる。点滅信号は、特に、パルス光線によって生成することができる。連続光信号は、特に、連続光線によって生成することができる。点滅率は、目標領域に対する距離ベクトルの量の減少と共に増加し、目標領域に対する距離ベクトルの量の増加と共に低下することができる。光信号は、制御ユニット又は制御パネルにおいて出力することができる。
【0020】
代わりに又は更に、第1の光信号を生成するために、第1の波長を有する光が放射され、第2の光信号を生成するために、第1の波長と異なる第2の波長を有する光が放射される場合に有利である。光信号を生成するために、可視領域の波長を有する光が使用される。好ましくは、第1の波長の光は、赤色光であり、第2の波長の光は、緑色光である。このように、ユーザは、光信号によって容易に直観的に知覚することができるマニプレータアームの位置と方向とに関する情報を得る。光信号は、制御ユニット又は制御パネル、特に、スクリーンにおいて出力することができる。
【0021】
更に、器具ユニットがマニプレータアームの連結ユニットに接続された殺菌ロックを通じてマニプレータアームに接続可能である場合に有利である。この殺菌ロックを通じて、殺菌領域からの無殺菌連結ユニットの殺菌分離を行うことができる。殺菌ロックに器具ユニットの殺菌ユニットを連結する時に、殺菌ユニットのエレメントと連結ユニットのエレメントとの間の直接接続を確立することができるように、殺菌ロックの殺菌フラップは、好ましくは、開放される。好ましくは、殺菌ユニットは、殺菌ロックに殺菌ユニットを接続する時に、連結ユニットと殺菌ユニットとの間の伝達エレメント、特に、機械的駆動エレメントの間の直接接続が可能であるように開放される殺菌フラップを有する。殺菌ロックから殺菌ユニットを分離した後に、殺菌ユニットの伝達エレメントと連結ユニットの伝達エレメントの両方が殺菌方式によって覆われるように、ロックフラップと殺菌フラップの両方が再び閉鎖される。
【0022】
第2の態様は、患者の目標領域の座標x
Z,y
Z,z
Zが決定される、ロボット支援手術のための装置の座標系において、マニプレータアームを位置調整する方法に関する。特に、患者の手術の準備中に、ロボット支援手術のための装置のマニプレータアームを位置調整するために、マニプレータアームの連結ユニットに器具ユニットが接続される。器具ユニットは、手術器具を含む。手術器具の長手軸は、特に、手術器具の器具軸の長手軸である。マニプレータアームに器具ユニットを接続する時に、長手軸に垂直であり、長手軸と座標x
Z,y
Z,z
Zによって定義された目標領域との間の距離ベクトルの量が制御ユニットによって測定される。測定量が第1の設定値を有するか、及び/又は第1の設定値未満に下がる時に、第1の光信号及び/又は第1の音響信号が出力される。従って、意図された、特に、既に印付けされるか、又は既存の手術中の患者の身体オリフィスと目標領域の両方を手術器具の長手軸が貫通することが保証される。その結果として、マニプレータアームを容易に直観的に正しく位置調整すること、特に、手術中にロボット支援手術のための装置を準備することが可能である。このために、特別に訓練された医療スタッフは不要であり、特に、医師は不要である。
【0023】
更に、距離ベクトルの測定量が第2の設定値を有するか、又は第2の設定値未満に下がる時は常に、第2の光信号及び/又は第2の音響信号が出力される場合に有利である。好ましくは、この第2の設定値は、ゼロである。
【0024】
意図された、特に、印付けされるか、又は既存の手術中の患者の身体オリフィスを器具軸の長手軸が貫通するように、マニプレータアームは、好ましくは、手動で方向調整される。このために、器具は、器具先端、特に、エンドエフェクタが身体オリフィスを指し示すか、又は身体オリフィスに挿入されたトロカールに挿入されるように方向調整することができる。更に、マニプレータアームは、第1の光信号及び/又は第1の音響信号及び/又は第2の光信号及び/又は第2の音響信号が出力されるように方向調整される。
【0025】
器具軸点の近位端が意図されるか、又は既存の手術中の患者の身体オリフィスを指し示し、これにより、器具軸の長手軸が意図されるか、又は既存の身体オリフィスを貫通するように、マニプレータアームが第1のステップにおいて方向調整される場合に有利である。マニプレータアームは、第2のステップにおいて、第2の光信号及び/又は第2の音響信号が出力されるように、制御ユニットによって測定され、意図されるか、又は既存の手術中の患者の身体オリフィスを貫通する長手軸と座標によって定義された目標領域との間の距離が、第2の設定距離を有するか、又は第2の設定距離未満に下がるように移動される。このために、マニプレータアームは、装置自体によって自動又は手動で移動される。同様に、方向調整移動の一部を装置自体によって自動で行うことができ、方向調整移動の一部をユーザによって手動で行うことができる。
【0026】
代わりに、マニプレータアームは、第1のステップにおいて、制御ユニットによって測定され、長手軸と目標領域の座標x
Z,y
Z,z
Zとの間の距離ベクトルの量が、第2の設定距離を有するか、又は第2の設定距離未満に下がるように方向調整することができる。マニプレータアームは、第2のステップにおいて、長手軸が意図されるか、又は既存の、特に、印付けされた手術中の患者の身体オリフィスを貫通するように方向調整されると共に、長手軸が目標領域に方向調整され続ける。ここで、マニプレータアームは、第1のステップ及び/又は第2のステップにおいて、装置自体によって自動で、及び/又はユーザによって手動で移動させることができる。
【0027】
独立項と従属項とによる本発明の目的のために示された解決策によって、ロボット支援手術のための装置のマニプレータアームの手動及び/又は自動事前位置調整によって、器具ユニットの最適事前位置調整を達成することが可能である。
【0028】
マニプレータアームは、連結ユニットを伸縮自在配置の伸縮自在軸の方向に移動させるための伸縮自在配置を有することができる。伸縮自在軸は、器具軸が伸縮自在配置の伸張中と収縮中とにその伸張された長手軸に沿って移動するように、器具軸の長手軸に平行に延びる。
【0029】
示された解決策によって、ユーザは、器具軸の長手軸の位置調整(部位の所望の入口点に器具先端を指し示す)と方向調整とが同時に成功裡に設定されたか否か(光信号の対応色、例えば、緑、及び/又は音響信号の対応トーン)を認識する。この位置においては、部位に挿入されたトロカールは、このために任意に提供されたマニプレータアームの連結インタフェースに最善の方法で接続することができる。如何なる場合においても、この位置のマニプレータアームは、意図された手術のための最善の初期位置に存在する。
【0030】
好ましくは、患者の解剖に関係のある領域、特に、目標領域は、患者の座標系X’,Y’,Z’の座標x’
Z,y’
Z,z’
Zによって定義される。患者の座標系X’,Y’,Z’の座標原点は、例えば、横断面と共に背部に位置する前面を備える中央面の交差点において定義することができる。患者の座標系の座標は、装置のエレメントの座標x,y,zを患者の座標系X’,Y’,Z’の座標x’,y’,z’に容易に変換することができると共に、目標領域の座標x’
Z,y’
Z,z’
Z等の患者の座標系X’,Y’,Z’の座標x’,y’,z’を装置の座標系X,Y,Zの座標x
Z,y
Z,z
Zに容易に変換することができるように、ロボット支援手術のための装置の座標系X,Y,Zに宛がわれた既知の関係にある。
【0031】
例えば、患者の座標系X’,Y’,Z’の目標領域の座標x’
Z,y’
Z,z’
Zは、患者を手動で、例えば、巻尺によって計測することによって測定することができる。ここで、患者の座標系X’,Y’,Z’の目標領域の座標x’
Z,y’
Z,z’
Zをセンチメートル単位で正確に決定することとそれらを装置の座標系X,Y,Zの座標x
Z,y
Z,z
Zに変換することは、手術器具を十分に適切に位置調整すると共に方向調整することができるように倍の十分精度を提供する。代わりに、目標領域の計測は、装置の座標系の座標x
Z,y
Z,z
Zにおいて直接に行うことができる。
【0032】
更に、コンピュータ断層撮影法又は磁気共鳴断層撮影法等の近代の画像化法は、装置の座標系の座標に基づいて、患者の座標系X’,Y’,Z’の座標をより正確に決定するデータを提供することが可能である。
【0033】
器具ユニットの軸は、好ましくは、マニプレータアームの伸縮自在配置の伸張状態において、部位に挿入されたトロカールに器具軸の近位端が凡そ1cmから5cmまでの限られた長さだけ挿入される長さを有する。この状態においては、マニプレータアームに任意に存在しているトロカールホルダをトロカールに接続することができる。伸縮自在配置の収縮状態においては、器具軸の近位端が目標領域を通って移動される。マニプレータアームのそのような方向調整によって、トロカールホルダは、器具軸の近位端がトロカールに挿入される時に、トロカールに接続するために言わば自動で正しく位置調整される。
【0034】
特に、コンピュータ断層撮影法又は磁気共鳴断層撮影法によって、手術前に測定された目標領域のデータと組み合わせて、目標領域に対する器具軸の長手軸の伸張の位置は、ユーザの視界内にマウントされた追加モニタ上に、先に記載されたアプローチに従って器具ユニットによる設定中とドッキング操作中とに示すことができる。このために、好ましくは、器具軸の長手軸に垂直である面は、患者のCTデータセット及び/又はMRTデータセットによって示される。CTデータセット及び/又はMRTデータセットによる面は、目標手術領域を貫通する。従って、ユーザは、意図された手術のためにロボット支援手術のための装置のマニプレータアームを最善の方法で設定することができるように、手術器具の長手軸と目標領域との間の距離に関する音響情報と光情報の他にも、更なる判断ツールを与えられる。ロボット支援手術のための装置は、好ましくは、幾つかの、特に、4つ又は5つのマニプレータアームを有し、好ましくは、その1つが内視鏡に接続され、他のマニプレータアームが手術を行うためのエンドエフェクタを備える手術器具を有する器具ユニットに接続される。特に、エンドエフェクタを備えるこれらの手術器具を有する器具ユニットのために提供されたマニプレータアームは、好ましくは、手術のために必要とされる操作を続けて実行するために、創造性のあるアプローチによって連続的に位置調整されると共に方向調整される。目標領域の座標は、好ましくは、マニプレータアームを設定するために関連する目標領域が空間ディメンションを有するか、又は点によって定義されることができるように、空間領域を示すことができる。同様に、各手術器具のために個別の目標領域を提供することができ、目標領域は、少なくとも部分的に相互に重複するかもしれない。
【0035】
ロボット支援手術のための装置の制御ユニットは、特に、患者の座標系及び/又は装置の座標系における目標領域の座標を入力すると共に記憶し、マニプレータアームのセグメントの位置から挿入されるべき器具の方向調整を計算し、状態(消灯、緑色光のみを点灯、赤色光のみを点灯)、又は状態(白色光を点灯、緑色光のみを点灯、赤色光のみを点灯)、及び/又は状態(消音、第1のトーンシーケンス、第2のトーンシーケンス)等を出力することによって光信号及び/又は音響信号を出力する役割を果たす。
【0036】
第1のステップにおいてマニプレータアームに提供されたトロカールホルダが患者の身体に挿入されたトロカールに接続される場合に特に有利である。第2のステップにおいては、器具ユニットがマニプレータアームの連結ユニットに接続され、器具ユニットの手術器具の器具軸の近位端又は先端がトロカールの開口に挿入される。連結ユニットに器具ユニットを接続した後に、手術器具の器具軸の長手軸に垂直であり、この長手軸と座標によって定義された目標領域との間の距離ベクトルが、好ましくは、制御ユニットによって測定され、測定された距離ベクトルの量が第1の設定値を有するか、及び/又は第1の設定値未満に下がる時に、第1の制御情報が生成される。第1の制御情報に依存して、好ましくは、光信号及び/又は音響信号が出力ユニットによって出力される。
【0037】
代わりのアプローチにおいては、第1のステップにおいて、器具ユニットをマニプレータアームの連結ユニットに接続することができ、第2のステップにおいて、マニプレータアームのトロカールホルダを患者の身体に挿入されたトロカールに接続することができ、トロカールホルダをトロカールに接続する時に、器具ユニットの手術器具の器具軸の先端がトロカールの開口に挿入される。その後は、第3のステップにおいて、器具軸の長手軸と座標によって定義された目標領域との間の先に記載された距離ベクトルが測定され、測定された距離ベクトルの量が及び/又は第1の設定値を有するか、第1の設定値未満に下がる時に、第1の制御情報が生成される。
【0038】
全ての先に記載されたアプローチにおいては、手術領域のスタッフ、特に、補助スタッフは、既にトロカールを越えて患者の身体に挿入されている器具を伴わずに、各手術のための手術器具の最適方向調整において支援される。
【0039】
測定された距離ベクトルの量が第1の設定値よりも高い時に、追加制御情報を出力することができる。この追加制御情報に依存して、長手軸が目標領域から相対的に離れていることがユーザに通知されるように、対応する追加信号又は代替信号を出力することができる。
【0040】
連結ユニットに接続された器具ユニットの方向及び/又は位置の変化は、器具軸と目標領域との間の距離が変更されるように、マニプレータアームの手動移動によって行うことができる。出力される音響信号及び/又は光信号の周波数が距離ベクトルの大小を示す場合に特に有利である。距離ベクトルの量が第2の設定値に到達するか、又は第2の設定値未満に下がる時に、目標領域に対する器具軸の最適方向を示す第2の光信号及び/又は第2の音響信号が出力される。
【0041】
目標領域は、特に、目標手術領域である。代わりに又は更に、目標領域は、目標手術領域の中央点又は別の手術器具の位置に依存する点等の目標点によって定義することができる。他の手術器具が、既に患者の身体に少なくとも一部が挿入されたロッド内視鏡等の内視鏡、又は少なくとも目標手術領域の詳細な画像を取り込むための別の画像処理システムである時に、目標領域が内視鏡又は他の画像処理システムの位置に依存する場合に有利である。例えば、目標領域は、内視鏡の光学エレメントの光軸又は他の画像処理システムの光学エレメントの光軸上の点によって定義することができる。目標点は、特に、被写界深度の点、例えば、焦点、又は焦点と内視鏡の近位端との間の点である。
【0042】
他の画像処理システムは、特に、不可視光に基づいた光学システム、特に、X線システム、コンピュータ断層撮影システム、磁気共鳴断層撮影システム、又は別の適切な画像処理システムであることができる。
【0043】
一般に、患者に面する任意のエレメントの端が近位端として考慮される。一般に、患者から見て外方に面する任意のエレメントの端が遠位端として考慮される。
【0044】
他の特徴と利点は、添付された図面に関連する実施の形態に基づいて本発明について詳細に説明する以下の明細書からもたらされる。