(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、いくつかの実施の形態について、図面を参照して説明する。
図1は、本実施形態に係る一例となるPOS装置1の外観図である。本実施形態で説明するPOS装置1は、例えば、客自身の操作に基づいて少なくとも決済(会計)処理を行うための装置である。決済処理とは、客自身によるPOS装置1の操作に基づいて、客が購入しようとする商品の代金を決済する処理である。本実施形態では、商品(対象物ともいう)は、RFIDタグが付されているものとする。RFIDタグは、これが付されている商品の価格(値段)情報を記憶している。RFIDタグは、これを識別するための識別情報(シリアルコードともいう)を記憶していることもある。なお、RFIDタグは、価格情報や識別情報以外の品名情報などを記憶していてもよい。
【0010】
POS装置1は、読取装置101、カード挿入口102、レシート発行口103、紙幣入出口104、硬貨投入口105、硬貨取出口106、表示部107及び第1の検出部108を備えている。なお、POS装置1においてこれらが設けられている位置をPOS装置1の正面という。
【0011】
読取装置101は、POS装置1の下段に配置されている。読取装置101は、客が購入しようとする商品をそのまま、または、商品が入れられたカゴごと収容可能である。読取装置101の形状及び読取装置101が備えている要素については後述する。読取装置101は、各商品に付されている各RFIDタグから、各RFIDタグに記憶されている各種情報を一括で読み取る。例えば、読取装置101は、各商品に付されている各RFIDタグから価格情報を一括で読み取る。例えば、読取装置101は、各商品に付されている各RFIDタグから識別情報を一括で読み取る。
【0012】
カード挿入口102は、決済処理時に客がクレジットカードを挿入するためのユニットである。
レシート発行口103は、決済処理時にレシートを発行するユニットである。
紙幣入出口104は、決済処理時に客が紙幣を入れるユニットである。紙幣入出口104は、決済処理時に紙幣を排出されるユニットでもある。
硬貨投入口105は、決済処理時に客が硬貨を投入するためのユニットである。
【0013】
硬貨取出口106は、決済処理時にPOS装置1から返却される硬貨を客が受け取るためのユニットである。
表示部107は、POS装置1の上段に配置されている。表示部107は、決済処理時に各種情報を表示する。例えば、表示部107は、液晶ディスプレイである。
【0014】
次に、読取装置101の構成について説明する。
図2は、一例となる読取装置101の外観図である。
読取装置101は、載置台1011、筐体1012、蓋体1013及び検出部1014を備えている。
【0015】
載置台1011は、載置面1011aが形成されている板状部材である。載置面1011aは、RFIDタグが付されている商品をそのまま、または、商品が入れられたカゴを載置する。載置面1011aは、水平面である。載置台1011は、電波透過性を有する材料で構成されている。例えば、載置台1011は、絶縁体である。載置台1011は、木材やガラス材等で構成されている。載置台1011がこのような材料で構成されている理由は、RFIDに対して読み書きするための電波を透過させるためである。
【0016】
筐体1012は、読取装置101の外装である。筐体1012は、その内部に商品を収容する収容室1012aを備えている。収容室1012aは、商品をそのまま、または、商品が入れられたカゴごと収容可能な大きさで構成されている。収容室1012aは、複数の面で形成されている。収容室1012a内の空間は、複数の面によって読取装置101外と分離されている。例えば、収容室1012aは、6面で構成されている箱型形状である。なお、収容室1012aを形成する面の数はこれに限定されない。筐体1012は、その内部に載置台1011を収容する。載置面1011aは、収容室1012aを形成する複数の面に含まれる。
【0017】
筐体1012は、第1の内面1012b及び開口部1012cを備えている。
第1の内面1012bは、複数の面を含む。第1の内面1012bは、収容室1012aを形成する複数の面に含まれる。
【0018】
開口部1012cは、収容室1012a内へ商品を入れるために筐体1012に形成されている。開口部1012cは、収容室1012a内へとつながる。開口部1012cは、カゴを出し入れ可能な大きさで筐体1012に形成されている。開口部1012cは、筐体1012を構成する略鉛直方向に延びる面に形成されている。なお、開口部1012cは、筐体1012の何れの位置に形成されていてもよい。
【0019】
蓋体1013は、開口部1012cを開閉する。蓋体1013は、一端側に設けられている鉛直方向に沿った回転軸を中心に回動する。蓋体1013が開口部1012cを開けている状態(以下、開状態という)にある場合、客は、開口部1012cから収容室1012a内へ商品を入れることができる。蓋体1013は、第2の内面1013aを備えている。蓋体1013が開口部1012cを閉じている状態(以下、閉状態という)にある場合、第2の内面1013aは、収容室1012aを形成する複数の面に含まれる。
【0020】
上述のように、収容室1012aは、載置面1011a、第1の内面1012b及び第2の内面1013aで形成されている。
【0021】
筐体1012及び蓋体1013は、電波を反射する材料(以下、電波反射材料という)又は電波を吸収する材料(以下、電波吸収材料という)で構成されている。例えば、筐体1012及び蓋体1013は金属である。電波反射材または電波吸収材は、外部の電波が収容室1012a内に届くことを防ぐ。加えて、電波反射材または電波吸収材は、読取装置101内で発生した電波が読取装置101外へ漏れることを防ぐ。これにより、読取装置101は、外部からの電波を読み取ることはない。さらに、読取装置101は、外部のRFIDタグから情報を読み取ることもない。
【0022】
検出部1014は、蓋体1013が閉状態にある場合における筐体1012と蓋体1013との勘合面にある。なお、検出部1014の位置はこれに限定されない。検出部1014は、蓋体1013の閉状態または開状態を検出(検知)する。検出部1014は、任意の手法を利用したセンサである。検出部1014による検出手法は例えば赤外線センサなどを用いる手法があるが、これ以外手法であってもよく特に限定されない。
【0023】
図3は、
図2における読取装置101のX−X断面図である。蓋体1013は閉状態にある。収容室1012aは、複数の商品201が入れられたカゴ202を収容している。各商品201は、それぞれRFIDタグ203が付されている。
【0024】
載置台1011は、載置面1011aと対向する面1011bを備えている。筐体1012内には、載置台1011の面1011bと筐体1012の第1の内面1012bにより形成されている空間がある。筐体1012内のこの空間は、載置台1011を挟んで収容室1012aと反対側に形成されている。
【0025】
図3に示すように、読取装置101は、アンテナ1017を備えている。アンテナ1017は、面状のRFIDアンテナである。アンテナ1017は、電力が供給されることにより、UHF帯等の電波を放射(出射ともいう)する。アンテナ1017は、収容室1012a内に向けて電波を放射する。
【0026】
アンテナ1017は、載置台1011において載置面1011aと対向する面1011b側にある。アンテナ1017は、載置面1011aと直交する方向において、載置面1011aよりも収容室1012aから離れた位置にある。アンテナ1017は、収容室1012a内に向けて電波を放射する。上述したように載置台1011は電波透過性を有する材料で構成されているため、アンテナ1017が放射する電波は、載置台1011を透過し、収容室1012a内に収容されている各商品201に付されている各RFIDタグ203に届く。なお、読取装置101は、アンテナ1017の位置を移動させる駆動機構を備えていてもよい。読取装置101は、2つ以上のアンテナを備えていてもよい。
【0027】
図4は、一例となるPOS装置1の制御系の構成を示すブロック図である。POS装置1は、上述の要素のほかに、制御部11、記憶部12、入力部13、カード読取部14、硬貨投入処理部15、紙幣入出処理部16、硬貨排出処理部17、プリンタ18、通信部19及びリーダライタ1016を備えている。
【0028】
制御部11は、POS装置1の各部に接続されている。制御部11は、各部の動作を制御する。例えば、制御部11は、CPU(Central Processing Unit)である。
記憶部12は、制御部11が実行するプログラムを記憶するROM (Read Only Memory)を含むことができる。記憶部12は、制御部11がプログラムを実行する際に一時的にデータを記憶するRAM (Random Access Memory)を含むこともできる。記憶部12は、各種データを記憶するHDD (Hard Disk Drive)を含むこともできる。
【0029】
入力部13は、POS装置1を利用する客が各種情報を入力可能または選択可能な要素である。例えば、入力部13は、表示部107と一体のタッチパネルである。
カード読取部14は、カード挿入口102で挿入されたクレジットカードから情報を読み取る。
【0030】
硬貨投入処理部15は、決済処理時に客が硬貨投入口105に投入した硬貨の額を計算処理する。
紙幣入出処理部16は、決済処理時に客が紙幣入出口104に入金した紙幣の額を計算処理する。紙幣入出処理部16は、決済処理時に釣りとして返却する紙幣の排出を処理する。
硬貨排出処理部17は、決済処理時に釣りとして返却する硬貨の硬貨取出口106への排出を処理する。
【0031】
プリンタ18は、決済処理時にレシートを発行し、レシート発行口103からのレシートの排出を処理する。
通信部19は、POS装置1に有線又は無線で接続されている外部装置とデータを通信する。通信部19は、送信部19a及び受信部19bを備えている。送信部19aは、外部装置へデータを送信する。例えば、送信部19aは、POS装置1による決済処理が済んだ商品に付されているRFIDに記憶されている識別情報を外部装置へ送信する。受信部19bは、外部装置からデータを受信する。
【0032】
リーダライタ1016は読取装置101内にある。リーダライタ1016は、アンテナ1015に電力を供給する。リーダライタ1016は、RFIDタグ203に記憶されている情報を読み取るための電波をアンテナ1015から放射させる。リーダライタ1016は、アンテナ1015で受けるRFIDタグ203からの電波によって伝達される信号(以下、受信信号という)に含まれている情報を読み取る。このようにして、リーダライタ(読取部)1016は、アンテナ1015を介して、RFIDタグ203から情報を読み取る。リーダライタ1016は、受信信号から読み取った情報を制御部11へ送信する。
【0033】
次に、POS装置1を含む管理システムの一例を説明する。
図5は、一例となる管理システムのブロック図である。管理システムは、POS装置1、ホストコンピュータ3及び防犯装置4を備えている。なお、管理システムは、POS装置1と同様の複数のPOS装置を含んでいてもよい。管理システムは、防犯装置4と同様の複数の防犯装置を含んでいてもよい。
【0034】
POS装置1の構成は上述のとおりである。
図5を用いてPOS装置1における制御部11の主な機能を説明する。POS装置1の制御部11は、読取制御部111及び決済処理部112を備えている。
【0035】
読取制御部111は、リーダライタ1018を用いて収容室1012a内のRFIDタグから情報を読み取る読取処理を制御する。例えば、読取制御部111は、価格情報及び識別情報を読み取るように制御する。読取制御部111は、RFIDタグから価格情報及び識別情報以外の情報を読み取るように制御してもよい。
【0036】
決済処理部112は、リーダライタ1016で読み取られた価格情報に基づいて決済処理を行う。例えば、決済処理部112は、カード読取部14を用いて客がカード挿入口102へ挿入したクレジットカードを処理する。または、決済処理部112は、硬貨投入処理部15及び紙幣入出処理部16を用いて紙幣入出口104及び硬貨投入口105へ投入された現金を処理する。次に、決済処理部112は、リーダライタ1016で読み取られた価格情報に基づいて、クレジットカードまたは現金による商品の決済処理を行う。なお、決済処理部112は、電子マネーによる商品の決済処理を行ってもよい。次に、決済処理部112は、クレジットカードをカード挿入口102から返却する。または、決済処理部112は、紙幣入出処理部16を用いて釣りとして返却する紙幣を紙幣入出口104から排出する。または、決済処理部112は、硬貨排出処理部17を用いて釣りとして返却する硬貨を硬貨取出口106へ排出する。
【0037】
ホストコンピュータ3は、POS装置1で決済処理された商品の情報を管理(認識)する装置である。ホストコンピュータ3は、制御部31、記憶部32及び通信部33を備えている。
【0038】
制御部31は、ホストコンピュータ3の各部に接続されている。制御部31は、各部の動作を制御する。例えば、制御部31は、CPUである。
記憶部32は、制御部31が実行するプログラムを記憶するROMを含むことができる。記憶部32は、制御部31がプログラムを実行する際に一時的にデータを記憶するRAMを含むこともできる。記憶部32は、各種データを記憶するHDDを含むこともできる。記憶部32は、店舗内にある全ての商品に付されているRFIDタグの識別情報を記憶する。さらに、記憶部32は、POS装置1による決済処理が済んだ商品に対応する識別情報を示す処理済識別情報を記憶する。記憶部32は、POS装置1から送信される識別情報を処理済識別情報として記憶する。記憶部32は、複数の商品に対応する複数の処理済識別情報を記憶する。記憶部32による処理済識別情報の管理手法は、特に限定されない。
【0039】
通信部33は、ホストコンピュータ3に有線又は無線で接続されている外部装置とデータを通信する。通信部33は、送信部33a及び受信部33bを備えている。送信部33aは、外部装置へデータを送信する。例えば、送信部33aは、記憶部32に記憶されている処理済識別情報を防犯装置4へ送信する。受信部33bは、外部装置からデータを受信する。例えば、受信部33bは、決済処理済みの商品に対応する識別情報をPOS装置1から受信する。例えば、受信部33bは、防犯装置4がRFIDタグから読み取った識別情報を防犯装置4から受信する。
【0040】
次に、
図5を用いてホストコンピュータ3における制御部31の主な機能を説明する。制御部31は、照合処理部311を備えている。照合処理部311は、防犯装置4がRFIDタグから読み取った識別情報を、処理済識別情報と照合する。
【0041】
防犯装置4は、店舗内からPOS装置1で決済処理が済んでいない商品の持ち出しを防止する装置である。例えば、防犯装置4は、客が店舗から出る際に通過する防犯ゲートである。防犯装置4は、制御部41、記憶部42、アンテナ43、読取部44、通信部45及び出力部46を備えている。
【0042】
制御部41は、防犯装置4の各部に接続されている。制御部41は、各部の動作を制御する。例えば、制御部41は、CPUである。
記憶部42は、制御部41が実行するプログラムを記憶するROMを含むことができる。記憶部42は、制御部41がプログラムを実行する際に一時的にデータを記憶するRAMを含むこともできる。記憶部42は、各種データを記憶するHDDを含むこともできる。例えば、記憶部42は、ホストコンピュータ3から送信される処理済識別情報を記憶する。
【0043】
アンテナ43は、アンテナ1015と同様に構成されている。アンテナ43は、電波を放射する。
【0044】
読取部44は、リーダライタ1016と同様に構成されている。読取部44は、アンテナ43を介してRFIDタグから識別情報を読み取る。読取部44は、防犯装置4を通過する客が持っている商品に付されているRFIDタグから識別情報を読み取る。
【0045】
通信部45は、防犯装置4に有線又は無線で接続されている外部装置とデータを通信する。通信部45は、送信部45a及び受信部45bを備えている。送信部45aは、外部装置へデータを送信する。例えば、送信部45aは、読取部44で読み取られた識別情報をホストコンピュータ3へ送信する。受信部45bは、外部装置からデータを受信する。例えば、受信部45bは、処理済識別情報をホストコンピュータ3から受信する。
【0046】
出力部46は、警報を出力する。例えば、出力部46は、警報を音声で出力するスピーカである。例えば、出力部46は、警報を映像で出力するモニタである。
【0047】
次に、
図5を用いて防犯装置4における制御部41の主な機能を説明する。制御部41は、読取制御部411及び照合処理部412を備えている。
【0048】
読取制御部411は、読取部44を用いてRFIDタグから識別情報を読み取る読取処理を制御する。照合処理部412は、読取部44がRFIDタグから読み取った識別情報を、処理済識別情報と照合する。
【0049】
次に、客が商品を購入する際のPOS装置1による処理を説明する。
図6は、POS装置1による処理の一例となるフローチャートである。
【0050】
制御部11は、検出部1014による検出結果に基づいて、蓋体1013が閉状態か否かを判断する(Act1001)。例えば、蓋体1013が閉状態になる時は、客が商品を収容室1012aに入れて、蓋体1013を閉めた時である。
【0051】
蓋体1013が閉状態にない場合(Act1001、No)、制御部11は、蓋体1013が閉状態になるまで検出を継続する。蓋体1013が閉状態にある場合(Act1001、Yes)、読取制御部111は、読取処理を制御する(Act1002)。Act1002では、読取制御部111は、収容室1012a内の全ての商品に付されているRFIDタグから情報を読み取るように制御する。リーダライタ1016は、アンテナ1015を介して、RFIDタグから価格情報及び、このRFIDタグを識別する識別情報を読み取る。読取制御部111が読取処理を開始する時は、例えば客が入力部13で読取処理の開始を入力した時である。
【0052】
次に、制御部11は、リーダライタ1016で読み取られた情報に基づいて、商品情報を表示部107に表示するように制御する(Act1003)。例えば、商品情報は、商品名、商品の数量、各商品の価格及び合計額などである。客は、商品情報を表示部107で確認することができる。
【0053】
次に、決済処理部112は、決済処理を行う(Act1004)。決済処理部112が決済処理を開始する時は、例えば客が入力部13で決済方法を選択し、決済処理の開始を入力した時である。決済処理が終了していない場合(Act1004、No)、決済処理部112は、決済処理を継続する。決済処理が終了した場合(Act1004、Yes)、制御部11は、識別情報をホストコンピュータ3へ送信するように制御する(Act1005)。Act1005では、送信部19aは、POS装置1による決済処理が済んだ商品に付されているRFIDタグに記憶されている識別情報をホストコンピュータ3へ送信する。つまり、送信部19aがホストコンピュータ3送信する識別情報は、決済処理済みの商品に対応する識別情報である。制御部11は、Act1005の処理に後に一連の処理を終了する。客は、収容室1012aから取り出した商品を持ってPOS装置1から離れることができる。なお、制御部11は、収容室1012aからの商品の取出しを促す情報を表示部107に表示するように制御してもよい。
【0054】
上述のように、決済処理部112は、RFIDタグに決済終了情報を書き込むことなく価格情報に基づく決済処理を終了する。決済終了情報は、POS装置1による商品の決済処理が終了したことを示す情報である。つまり、POS装置1は、決済終了情報を全てのRFIDタグへの書込処理を省略することができる。本実施形態によれば、POS装置1は、決済終了情報の書込処理での失敗がなくなる。POS装置1は、客が商品の購入に要する待ち時間を削減することができる。POS装置1は、スムーズな決済処理を実現できる。したがって、商品を購入する際にPOS装置1を利用する客の利便性は向上する。
【0055】
次に、客が商品を持って店舗を出る際の防犯装置4による処理を説明する。
図7は、防犯装置4による処理の一例となるフローチャートである。
【0056】
読取制御部411は、RFIDタグから識別情報が読み取れたか否かを判断する(Act2001)。読取制御部411が読み取るRFIDタグは、防犯装置4を通過する客が持っている商品に付されているRFIDタグである。RFIDタグから識別情報が読み取られていない場合(Act2001、No)、読取制御部411は、識別情報の読取制御を継続する。
【0057】
RFIDタグから識別情報が読み取られた場合(Act2001、Yes)、照合処理部412は、識別情報の照合結果を判断する(Act2002)。Act2003では、照合処理部412は、処理済識別情報の中に、防犯装置4が読み取った識別情報と一致する識別情報がある否かを判断する。言い換えると、照合処理部412は、処理済識別情報の中に、防犯装置4が読み取った識別情報が含まれているか否かを判断する。
【0058】
照合結果が一致を示している場合(Act2002、Yes)、防犯装置4は、処理を終了する。照合結果が一致を示している場合とは、処理済識別情報の中に、防犯装置4が読み取った識別情報と一致する識別情報がある場合を意味する。つまり、照合結果が一致を示している場合とは、防犯装置4が読み取った識別情報に対応する商品の決済処理が適正に終了している場合を意味する。そのため、客は、商品を持って防犯装置4を通過し、店舗の外へ出ることができる。照合結果が不一致を示している場合(Act2002、No)、出力部46は警報を出力する(Act2003)。照合結果が不一致を示している場合とは、処理済識別情報の中に、防犯装置4が読み取った識別情報と一致する識別情報がない場合を意味する。つまり、照合結果が不一致を示している場合とは、防犯装置4が読み取った識別情報に対応する商品の決済処理が終了して場合を意味する。
【0059】
決済終了情報をRFIDタグに書き込む態様では、防犯装置は、RFIDタグから決済終了情報が読み取れなかった場合に警報を出力していた。例えば、防犯装置は、決済終了情報の書込処理が失敗したRFIDタグから決済終了情報を読み取れなかった場合にも警報を出力していた。そのため、防犯装置は、決済処理が終了した商品であっても誤って警報を出力する場合があった。本実施形態によれば、POS装置1は決済終了情報の書込処理を省略するため、防犯装置4は誤った警報を出力することはない。管理システムは、POS装置1によるRFIDタグへの決済終了情報の書込み処理を省略してもセキュリティを保つことができる。そのため、客は、問題なく商品を持って防犯装置4を通過し、店舗の外へ出ることができる。
【0060】
なお、Act2002における照合結果は、ホストコンピュータ3または防犯装置4で導くことができる。
はじめに、ホストコンピュータ3が照合結果を導く例を説明する。ホストコンピュータ3は、以下のような処理により、照合結果を導く。
【0061】
受信部33bは、防犯装置4がRFIDタグから読み取った識別情報を防犯装置から受信する。照合処理部311は、防犯装置4が読み取った識別情報を、記憶部32に記憶されている処理済識別情報と照合する。照合処理部311は、処理済識別情報の中に防犯装置4が読み取った識別情報と一致する識別情報があるか否かを判断する。送信部33aは、照合処理部311による照合結果を防犯装置4へ送信する。照合結果は、一致または不一致の情報である。一致を示す照合結果は、処理済識別情報の中に防犯装置4が読み取った識別情報と一致する識別情報があることを意味する。不一致を示す照合結果は、処理済識別情報の中に防犯装置4が読み取った識別情報と一致する識別情報がないことを意味する。
【0062】
ホストコンピュータ3からの照合結果に基づいて、防犯装置4は、Act2002を処理することができる。
【0063】
つぎに、防犯装置4が照合結果を導く例を説明する。防犯装置4は、以下のような処理により、照合結果を導く。
【0064】
受信部45bは、処理済識別情報をホストコンピュータ3から受信する。受信部45bが処理済識別情報を受信するタイミングは、特に限定されない。
【0065】
照合処理部412は、読取部44がRFIDタグから読み取った識別情報を、処理済識別情報と照合する。これにより、照合処理部412は、Act2002を処理することができる。
【0066】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。