【実施例】
【0109】
以下、実施例および比較例により本発明をさらに具体的に説明する。なお、本発明は、以下の実施例のみに限定されない。
【0110】
「
参考例1」
窒素雰囲気下、300mLのナスフラスコに、HOCH
2CF
2CF
2O(CF
2CF
2CF
2O)
n1CF
2CF
2CH
2OHで表されるフルオロポリエーテル(n
1=1〜7の混合物、数平均分子量1280、分子量分布1.2)(10g)と、t−ブタノール(70mL)と、カリウムtert−ブトキシドを(0.9g)とを投入して混合物とした。得られた混合物を、70℃に加熱しながら1時間撹拌した。
次いで、上記の混合物にエピブロモヒドリン(3.1g)を滴下し、さらに70℃に加熱しながら5時間撹拌し、25℃まで冷却した。その後、上記のナスフラスコにフッ素系溶剤(商品名:アサヒクリン(登録商標)AK−225、旭硝子社製)を加えて、上記の反応生成物を水洗し、ナスフラスコ内の有機相を回収した。続いて、回収した有機相に硫酸ナトリウムを加えて脱水し、フィルター濾過を行った。次いで、エバポレーターを用いて、濾液から溶媒を留去した。その後、残渣をカラムクロマトグラフィにより分離した。
以上の工程により、式(A)で表される無色透明な液状の化合物1(5.0g)が得られた。
【0111】
得られた化合物1の
1H−NMRおよび
19F−NMR測定を行い、以下の結果により構造を同定した。
1H−NMR(acetone−D
6):δ[ppm]=2.60(1H),2.77(1H),3.12(1H),3.57(1H),3.95(1H),4.00(2H),4.12(2H)
19F−NMR(acetone−D
6):δ[ppm]=−130.00〜−129.00(12F),−127.48(2F),−124.33(2F),−86.42(4F),−84.00〜−83.00(24F)
【0112】
【化31】
(式(A)中、n
1は1〜7の整数を表す。)
【0113】
窒素雰囲気下、100mLナスフラスコに式(A)で表される化合物1(1g)と、t−ブタノール(10mL)とを投入し、均一になるまで撹拌して、混合物を得た。次いで、上記の混合物にエチレングリコール(0.8mL)と、カリウムtert−ブトキシド(0.2g)とを加え、70℃に加熱しながら、9時間撹拌し、25℃まで冷却した。
その後、上記のナスフラスコに、フッ素系溶剤(商品名:アサヒクリン(登録商標)AK−225、旭硝子社製)を加えて、上記の反応生成物を水洗し、式(A)で表される化合物1と同様にして、回収、脱水、濾過し、残渣をカラムクロマトグラフィにより分離した。
以上の工程により、式(B)で表される無色透明な液状の化合物2(0.7g)が得られた。当該化合物は、n
1=1〜7の化合物の混合物である。
【0114】
得られた化合物2の
1H−NMRおよび
19F−NMR測定を行い、以下の結果により構造を同定した。
1H−NMR(acetone−D
6):δ[ppm]=3.30〜4.10(11H),4.12(2H)
19F−NMR(acetone−D
6):δ[ppm]=−130.00〜−129.00(12F),−127.48(2F),−124.33(2F),−86.42(4F),−84.00〜−83.00(24F)
【0115】
【化32】
(式(B)中、n
1は1〜7の整数を表す。)
【0116】
「
参考例2」
HOCH
2CF
2CF
2O(CF
2CF
2CF
2O)
n1CF
2CF
2CH
2OHで表されるフルオロポリエーテル(n
1=1〜7の混合物、数平均分子量1280、分子量分布1.2)に代えて、HOCH
2CF
2CF
2O(CF
2CF
2CF
2O)
m1CF
2CF
2CH
2OHで表されるフルオロポリエーテル(m
1=1〜11の混合物、数平均分子量1800、分子量分布1.2)を用いたこと以外は、
参考例1における式(B)で表される化合物2と同様にして、下記式(C)で表される無色透明な液状の化合物3(0.7g)を得た。当該化合物は、m
1=1〜11の化合物の混合物である。
【0117】
得られた化合物3の
1H−NMRおよび
19F−NMR測定を行い、以下の結果により構造を同定した。
1H−NMR(acetone−D
6):δ[ppm]=1.79(2H),3.30〜4.10.(11H),4.12(2H)
19F−NMR(acetone−D
6):δ[ppm]=−130.00〜−129.00(18F),−127.48(2F),−124.33(2F),−86.42(4F),−84.00〜−83.00(36F)
【0118】
【化33】
(式(C)中、m
1は1〜11の整数を表す。)
【0119】
「実施例3」
エチレングリコールに代えて、1,3−プロピレングリコールを用いたこと以外は、
参考例1における式(B)で表される化合物2と同様にして、下記式(D)で表される無色透明な液状の化合物4(0.7g)を得た。当該化合物は、n
1=1〜7の化合物の混合物である。
【0120】
得られた化合物4の
1H−NMRおよび
19F−NMR測定を行い、以下の結果により構造を同定した。
1H−NMR(acetone−D
6):δ[ppm]=1.79(2H),3.30〜4.10.(11H),4.12(2H)
19F−NMR(acetone−D
6):δ[ppm]=−130.00〜−129.00(12F),−127.48(2F),−124.33(2F),−86.42(4F),−84.00〜−83.00(24F)
【0121】
【化34】
(式(D)中、n
1は1〜7の整数を表す。)
【0122】
「実施例4」
エチレングリコールに代えて、1,4−ブチレングリコールを用いたこと以外は、
参考例1における式(B)で表される化合物2と同様にして、下記式(E)で表される無色透明な液状の化合物5(0.7g)を得た。当該化合物は、n
1=1〜7の化合物の混合物である。
【0123】
得られた化合物5の
1H−NMRおよび
19F−NMR測定を行い、以下の結果により構造を同定した。
1H−NMR(acetone−D
6):δ[ppm]=1.61(2H), 1.71(2H),3.30〜4.10.(11H),4.12(2H)
19F−NMR(acetone−D
6):δ[ppm]=−130.00〜−129.00(12F),−127.48(2F),−124.33(2F),−86.42(4F),−84.00〜−83.00(24F)
【0124】
【化35】
(式(E)中、n
1は1〜7の整数を表す。)
【0125】
「
参考例5」
エピブロモヒドリンの滴下量を6.2gとしたこと以外は、
参考例1における式(A)で表される化合物1と同様にして、下記式(F)で表される無色透明な液状の化合物6(6.0g)を得た。
【0126】
得られた化合物6の
1H−NMRおよび
19F−NMR測定を行い、以下の結果により構造を同定した。
1H−NMR(acetone−D
6):δ[ppm]=2.60(2H),2.77(2H),3.12(2H),3.57(2H),3.98(2H),4.12(4H)
19F−NMR(acetone−D
6):δ[ppm]=−130.00〜−129.00(12F) ,−124.33(4F),−86.42(4F),−84.00〜−83.00(24F)
【0127】
【化36】
(式(F)中、n
1は1〜7の整数を表す。)
【0128】
窒素雰囲気下、300mLナスフラスコに式(F)で表される化合物6(1g)と、t−ブタノール(10mL)とを投入し、均一になるまで撹拌して、混合物を得た。次いで、上記の混合物にエチレングリコール(1.1mL)と、カリウムtert−ブトキシド(0.2g)とを加え、70℃に加熱しながら、9時間撹拌し、25℃まで冷却した。
その後、上記のナスフラスコに、フッ素系溶剤(商品名:アサヒクリン(登録商標)AK−225、旭硝子社製)を加えて、上記の反応生成物を水洗し、式(A)で表される化合物1と同様にして、回収、脱水、濾過し、残渣をカラムクロマトグラフィにより分離した。以上の工程により、式(G)で表される無色透明な液状の化合物7(0.7g)が得られた。当該化合物は、n
1=1〜7の化合物の混合物である。
【0129】
得られた化合物7の
1H−NMRおよび
19F−NMR測定を行い、以下の結果により構造を同定した。
1H−NMR(acetone−D
6):δ[ppm]=3.30〜4.10(18H),4.12(4H)
19F−NMR(acetone−D
6):δ[ppm]=−130.00〜−129.00(12F) ,−124.33(4F),−86.42(4F),−84.00〜−83.00(24F)
【0130】
【化37】
(式(G)中、n
1は1〜7の整数を表す。)
【0131】
「
参考例6」
HOCH
2CF
2CF
2O(CF
2CF
2CF
2O)
n1CF
2CF
2CH
2OHで表されるフルオロポリエーテル(n
1=1〜7の混合物、数平均分子量1280、分子量分布1.2)に代えて、HOCH
2CF
2CF
2O(CF
2CF
2CF
2O)
m1CF
2CF
2CH
2OHで表されるフルオロポリエーテル(m
1=1〜11の混合物、数平均分子量1800、分子量分布1.2)を用いたこと以外は、
参考例5における式(G)で表される化合物7と同様にして、下記式(H)で表される無色透明な液状の化合物8(0.7g)を得た。当該化合物は、m
1=1〜11の化合物の混合物である。
【0132】
得られた化合物8の
1H−NMRおよび
19F−NMR測定を行い、以下の結果により構造を同定した。
1H−NMR(acetone−D
6):δ[ppm]=3.30〜4.10(18H),4.12(4H)
19F−NMR(acetone−D
6):δ[ppm]=−130.00〜−129.00(18F),−124.33(4F),−86.42(4F),−84.00〜−83.00(36F)
【0133】
【化38】
(式(H)中、m
1は1〜11の整数を表す。)
【0134】
「実施例7」
エチレングリコールに代えて、1,3−プロピレングリコールを用いたこと以外は、
参考例5における式(G)で表される化合物7と同様にして、下記式(I)で表される無色透明な液状の化合物9(0.7g)を得た。当該化合物は、n
1=1〜7の化合物の混合物である。
【0135】
得られた化合物9の
1H−NMRおよび
19F−NMR測定を行い、以下の結果により構造を同定した。
1H−NMR(acetone−D
6):δ[ppm]=1.79(4H),3.30〜4.10.(18H),4.12(4H)
19F−NMR(acetone−D
6):δ[ppm]=−130.00〜−129.00(12F),−124.33(4F),−86.42(4F),−84.00〜−83.00(24F)
【0136】
【化39】
(式(I)中、n
1は1〜7の整数を表す。)
【0137】
「実施例8」
エチレングリコールに代えて、1,4−ブチレングリコールを用いたこと以外は、
参考例5における式(G)で表される化合物7と同様にして、下記式(J)で表される無色透明な液状の化合物10(0.7g)を得た。当該化合物は、n
1=1〜7の化合物の混合物である。
【0138】
得られた化合物10の
1H−NMRおよび
19F−NMR測定を行い、以下の結果により構造を同定した。
1H−NMR(acetone−D
6):δ[ppm]=1.61(4H),1.71(4H),3.30〜4.10.(18H),4.12(4H)
19F−NMR(acetone−D
6):δ[ppm]=−130.00〜−129.00(12F),−124.33(4F),−86.42(4F),−84.00〜−83.00(24F)
【0139】
【化40】
(式(J)中、n
1は1〜7の整数を表す。)
【0140】
「
参考例9」
参考例1におけるHOCH
2CF
2CF
2O(CF
2CF
2CF
2O)
n1CF
2CF
2CH
2OHで表されるフルオロポリエーテルを、HOCH
2CF
2O(CF
2CF
2O)
m1CF
2CH
2OHで表されるフルオロポリエーテル(m
1=1〜11の混合物、数平均分子量1330、分子量分布1.1)に代えたこと以外は、式(A)で表される化合物1と同様にして、下記式(K)で表される無色透明な液状の化合物11(5.2g)を得た。
【0141】
得られた化合物11の
1H−NMRおよび
19F−NMR測定を行い、以下の結果により構造を同定した。
1H−NMR(acetone−D
6):δ[ppm]=2.60(1H),2.77(1H),3.12(1H),3.57(1H),3.88(1H),3.93(2H),4.08(2H)
19F−NMR(acetone−D
6):δ[ppm]=−89.50〜−88.50(40F),−81.25(2F),−78.50(2F)
【0142】
【化41】
(式(K)中、m
1は1〜11の整数を表す。)
【0143】
参考例1における式(A)で表される化合物1を、式(K)で表される化合物11に代えたこと以外は、式(B)で表される化合物2と同様にして、下記式(L)で表される無色透明な液状の化合物12(0.7g)を得た。当該化合物は、m
1=1〜11の化合物の混合物である。
【0144】
得られた化合物12の
1H−NMRおよび
19F−NMR測定を行い、以下の結果により構造を同定した。
1H−NMR(acetone−D
6):δ[ppm]=3.30〜4.10(11H),4.08(2H)
19F−NMR(acetone−D
6):δ[ppm]=−89.50〜−88.50(40F),−81.25(2F),−78.50(2F)
【0145】
【化42】
(式(L)中、m
1は1〜11の整数を表す。)
【0146】
「
参考例10」
HOCH
2CF
2CF
2O(CF
2CF
2CF
2O)
n1CF
2CF
2CH
2OHで表されるフルオロポリエーテルに代えて、HOCH
2CF
2O(CF
2CF
2O)
l1CF
2CH
2OHで表されるフルオロポリエーテル(l
1=1〜15の混合物、数平均分子量1800、分子量分布1.2)を用いたこと以外は、
参考例2における式(C)で表される化合物3と同様にして、下記式(M)で表される無色透明な液状の化合物13(0.7g)を得た。当該化合物は、l
1=1〜15の化合物の混合物である。
【0147】
得られた化合物13の
1H−NMRおよび
19F−NMR測定を行い、以下の結果により構造を同定した。
1H−NMR(acetone−D
6):δ[ppm]=3.30〜4.10(11H),4.08(2H)
19F−NMR(acetone−D
6):δ[ppm]=−89.50〜−88.50(56F),−81.25(2F),−78.50(2F)
【0148】
【化43】
(式(M)中、l
1は1〜15の整数を表す。)
【0149】
「実施例11」
参考例1における式(A)で表される化合物1を式(K)で表される化合物11に代えたことと、エチレングリコールに代えて、1,3−プロピレングリコールを用いたこと以外は、
参考例1における式(B)で表される化合物2と同様にして、下記式(N)で表される無色透明な液状の化合物14(0.7g)を得た。当該化合物は、m
1=1〜11の化合物の混合物である。
【0150】
得られた化合物14の
1H−NMRおよび
19F−NMR測定を行い、以下の結果により構造を同定した。
1H−NMR(acetone−D
6):δ[ppm]=1.79(2H),3.30〜4.10(11H),4.08(2H)
19F−NMR(acetone−D
6):δ[ppm]=−89.50〜−88.50(40F),−81.25(2F),−78.50(2F)
【0151】
【化44】
(式(N)中、m
1は1〜11の整数を表す。)
【0152】
「実施例12」
参考例1における式(A)で表される化合物1を式(K)で表される化合物11に代えたことと、エチレングリコールに代えて、1,4−ブチレングリコールを用いたこと以外は、
参考例1における式(B)で表される化合物2と同様にして、下記式(O)で表される無色透明な液状の化合物15(0.7g)を得た。当該化合物は、m
1=1〜11の化合物の混合物である。
【0153】
得られた化合物15の
1H−NMRおよび
19F−NMR測定を行い、以下の結果により構造を同定した。
1H−NMR(acetone−D
6):δ[ppm]=1.61(2H),1.71(2H),3.30〜4.10(11H),4.08(2H)
19F−NMR(acetone−D
6):δ[ppm]=−89.50〜−88.50(40F),−81.25(2F),−78.50(2F)
【0154】
【化45】
(式(O)中、m
1は1〜11の整数を表す。)
【0155】
「
参考例13」
参考例1におけるHOCH
2CF
2CF
2O(CF
2CF
2CF
2O)
n1CF
2CF
2CH
2OHで表されるフルオロポリエーテルを、HOCH
2CF
2O(CF
2CF
2O)
m1CF
2CH
2OHで表されるフルオロポリエーテル(m=1〜11の混合物、数平均分子量1330、分子量分布1.1)に代え、エピブロモヒドリンの滴下量を5.9gとしたこと以外は、式(A)で表される化合物1と同様にして、下記式(P)で表される無色透明な液状の化合物16(5.9g)を得た。
【0156】
得られた化合物16の
1H−NMRおよび
19F−NMR測定を行い、以下の結果により構造を同定した。
1H−NMR(acetone−D
6):δ[ppm]=2.60(2H),2.77(2H),3.12(2H),3.57(2H),3.88(2H),4.08(4H)
19F−NMR(acetone−D
6):δ[ppm]=−89.50〜−88.50(40F),−78.50(4F)
【0157】
【化46】
(式(P)中、m
1は1〜11の整数を表す。)
【0158】
参考例5における式(F)で表される化合物6を、式(P)で表される化合物16に代えたこと以外は、式(G)で表される化合物7と同様にして、下記式(Q)で表される無色透明な液状の化合物17(0.7g)を得た。当該化合物は、m
1=1〜11の化合物の混合物である。
【0159】
得られた化合物17の
1H−NMRおよび
19F−NMR測定を行い、以下の結果により構造を同定した。
1H−NMR(acetone−D
6):δ[ppm]=3.30〜4.10(18H),4.08(4H)
19F−NMR(acetone−D
6):δ[ppm]=−89.50〜−88.50(40F),−78.50(4F)
【0160】
【化47】
(式(Q)中、m
1は1〜11の整数を表す。)
【0161】
「
参考例14」
HOCH
2CF
2CF
2O(CF
2CF
2CF
2O)
n1CF
2CF
2CH
2OHで表されるフルオロポリエーテルに代えて、HOCH
2CF
2O(CF
2CF
2O)
l1CF
2CH
2OHで表されるフルオロポリエーテル(l
1=1〜15の混合物、数平均分子量1800、分子量分布1.2)を用いたこと以外は、
参考例5における式(G)で表される化合物7と同様にして、下記式(R)で表される無色透明な液状の化合物18(0.7g)を得た。当該化合物は、l
1=1〜15の化合物の混合物である。
【0162】
得られた化合物18の
1H−NMRおよび
19F−NMR測定を行い、以下の結果により構造を同定した。
1H−NMR(acetone−D
6):δ[ppm]=3.30〜4.10(11H),4.08(2H)
19F−NMR(acetone−D
6):δ[ppm]=−89.50〜−88.50(56F),−81.25(2F),−78.50(2F)
【0163】
【化48】
(式(R)中、l
1は1〜15の整数を表す。)
【0164】
「実施例15」
参考例5における式(F)で表される化合物6を、式(P)で表される化合物16に代えたことと、エチレングリコールに代えて、1,3−プロピレングリコールを用いたこと以外は、
参考例5における式(G)で表される化合物7と同様にして、下記式(S)で表される無色透明な液状の化合物19(0.7g)を得た。当該化合物は、m
1=1〜11の化合物の混合物である。
【0165】
得られた化合物19の
1H−NMRおよび
19F−NMR測定を行い、以下の結果により構造を同定した。
1H−NMR(acetone−D
6):δ[ppm]=1.79(4H),3.30〜4.10(18H),4.08(4H)
19F−NMR(acetone−D
6):δ[ppm]=−89.50〜−88.50(40F),−78.50(4F)
【0166】
【化49】
(式(S)中、m
1は1〜11の整数を表す。)
【0167】
「実施例16」
参考例5における式(F)で表される化合物6を、式(P)で表される化合物16に代えたことと、エチレングリコールに代えて、1,4−ブチレングリコールを用いたこと以外は、
参考例5における式(G)で表される化合物7と同様にして、下記式(T)で表される無色透明な液状の化合物20(0.7g)を得た。当該化合物は、m
1=1〜11の化合物の混合物である。
【0168】
得られた化合物20の
1H−NMRおよび
19F−NMR測定を行い、以下の結果により構造を同定した。
1H−NMR(acetone−D
6):δ[ppm]=1.61(4H),1.71(4H),3.30〜4.10(18H),4.08(4H)
19F−NMR(acetone−D
6):δ[ppm]=−89.50〜−88.50(40F),−78.50(4F)
【0169】
【化50】
(式(T)中、m
1は1〜11の整数を表す。)
【0170】
このようにして得られた
参考例1、2、5、6、9、10、13、14、実施例3、4、7、8、11、12、15、16の化合物を、式(1)および式(2)に当てはめたときの構造と、R
2に含まれる式(3)のyの値、およびR
1が式(4)のときのxの値を表1に示す。
【0171】
【表1】
【0172】
「比較例1」
HOCH
2CF
2CF
2O(CF
2CF
2CF
2O)
nCF
2CF
2CH
2OHで表されるフルオロポリエーテルに代えて、HOCH
2CF
2O(CF
2CF
2O)
p(CF
2O)
qCF
2CH
2OHで表されるフルオロポリエーテル(p=1〜7、q=1〜7、数平均分子量1300、分子量分布1.1)を用いたこと以外は、
参考例2における式(C)で表される化合物3と同様にして、下記式(U)で表される無色透明な液状の化合物21(0.7g)を得た。
【0173】
得られた化合物21の
1H−NMRおよび
19F−NMR測定を行い、以下の結果により構造を同定した。
1H−NMR(acetone−D
6):δ[ppm]=3.30〜4.50(13H)
19F−NMR(acetone−D
6):δ[ppm]=−91.15〜−88.51(24F),−83.21(1F),−81.22(1F),−80.61(1F),−78.75(1F),−55.65〜−51.59(12F)
【0174】
【化51】
(式(U)中、pは1〜7の整数を表し、qは1〜7の整数を表す。)
【0175】
「比較例2」
特許4632144に記載の方法により下記式(V)で表される化合物22を合成した。
【0176】
【化52】
(式(V)中、pは1〜7の整数を表し、qは1〜7の整数を表す。)
【0177】
「比較例3」
特許4632144に記載の方法により下記式(W)で表される化合物23を合成した。
【0178】
【化53】
(式(W)中、rは1〜11の整数を表し、sは1〜11の整数を表す。)
【0179】
このようにして得られた
参考例1、2、5、6、9、10、13、14、実施例3、4、7、8、11、12、15、16および比較例1〜3の化合物の数平均分子量を、上述した
1H−NMRおよび
19F−NMRの測定により求めた。その結果を表2に示す。
【0180】
次に、以下に示す方法により、
参考例1、2、5、6、9、10、13、14、実施例3、4、7、8、11、12、15、16および比較例1〜3で得られた化合物を用いて潤滑層形成用溶液を調製した。そして、得られた潤滑層形成用溶液を用いて、以下に示す方法により、磁気記録媒体の潤滑層を形成し、
参考例1、2、5、6、9、10、13、14、実施例3、4、7、8、11、12、15、16および比較例1〜3の磁気記録媒体を得た。
【0181】
「潤滑層形成用溶液」
参考例1、2、5、6、9、10、13、14、実施例3、4、7、8、11、12、15、16および比較例1〜3で得られた化合物を、それぞれフッ素系溶媒であるバートレル(登録商標)XF(商品名、三井デュポンフロロケミカル社製)に溶解し、保護層上に塗布した時の膜厚が9Å〜11Åになるようにバートレルで希釈し、潤滑層形成用溶液とした。
【0182】
「磁気記録媒体」
直径65mmの基板上に、付着層と軟磁性層と第1下地層と第2下地層と磁性層と保護層とを順次設けた磁気記録媒体を用意した。保護層は、炭素からなるものとした。
保護層までの各層の形成された磁気記録媒体の保護層上に、
参考例1、2、5、6、9、10、13、14、実施例3、4、7、8、11、12、15、16および比較例1〜3の潤滑層形成用溶液を、ディップ法により塗布した。なお、ディップ法は、浸漬速度10mm/sec、浸漬時間30sec、引き上げ速度1.2mm/secの条件で行った。
その後、潤滑層形成用溶液を塗布した磁気記録媒体を、120℃の恒温槽に入れ、10分間加熱して潤滑層形成用溶液中の溶媒を除去することにより、保護層上に潤滑層を形成し、磁気記録媒体を得た。
【0183】
このようにして得られた
参考例1、2、5、6、9、10、13、14、実施例3、4、7、8、11、12、15、16および比較例1〜3の磁気記録媒体の有する潤滑層の膜厚を、FT−IR(商品名:Nicolet iS50、Thermo Fisher Scientific社製)を用いて測定した。その結果を表2に示す。
また、
参考例1、2、5、6、9、10、13、14、実施例3、4、7、8、11、12、15、16および比較例1〜3の磁気記録媒体について、以下に示す方法により、ボンド率の測定とピックアップ抑制試験とを行い、評価した。その結果を表2に示す。
【0184】
(潤滑層と保護層との密着性(ボンド率)測定)
潤滑層の形成された磁気記録媒体を、溶媒であるバートレル中に10分間浸漬して、引き上げる方法により洗浄した。磁気記録媒体を溶媒中に浸漬する速度は10mm/secとし、引き上げる速度は1.2mm/secとした。
その後、洗浄前に行った潤滑層の膜厚の測定と同じ方法で、潤滑層の膜厚を測定した。
【0185】
そして、洗浄前の潤滑層の膜厚をA、洗浄後(溶媒浸漬後)の潤滑層の膜厚をBとし、AとBとの比((B/A)×100(%))から潤滑剤の結合率(ボンド率)を算出した。算出したボンド率を用いて、以下に示す基準により、潤滑層と保護層との密着性を評価した。
【0186】
「密着性(ボンド率)評価」
○:ボンド率が50%以上
×:ボンド率が50%未満
【0187】
(ピックアップ抑制試験)
スピンスタンドに磁気記録媒体および磁気ヘッドを装着し、常温減圧下(約250torr)で10分間磁気ヘッドを定点浮上させた。その後、磁気ヘッドの磁気記録媒体と相対する面(潤滑層の表面)を、ESCA(Electron Spectroscopy for Chemical Analysis)分析装置を用いて分析した。そして、ESCAで測定したフッ素由来のピークの強度(信号強度(a.u.))から、磁気ヘッドへの潤滑剤の付着量を表3に示す基準により評価した。その結果を表2に示す。
【0188】
【表2】
【0189】
【表3】
【0190】
表2に示すように、
参考例1、2、5、6、9、10、13、14、実施例3、4、7、8、11、12、15、16では、潤滑層と保護層との密着性(ボンド率)の評価結果、およびピックアップ抑制試験の評価結果が、いずれも良好であった。このことから、磁気記録媒体の保護層上に、
参考例1、2、5、6、9、10、13、14、実施例3、4、7、8、11、12、15、16の化合物を含む磁気記録媒体用潤滑剤を用いて潤滑層を形成することで、厚みが9Å〜11Åと薄くても、保護層との密着性に優れ、ピックアップを生じさせにくい潤滑層が得られることがわかった。
【0191】
これに対し、表2に示すように、比較例1〜3では、ボンド率が
参考例1、2、5、6、9、10、13、14、実施例3、4、7、8、11、12、15、16と比較して小さい値となった。また、比較例1〜3では、ピックアップ抑制試験の評価結果が×であった。
これらの結果は、
参考例1、2、5、6、9、10、13、14、実施例3、4、7、8、11、12、15、16で使用した含フッ素エーテル化合物が、直鎖状フッ素化アルキルエーテル基からなる繰り返しユニットを有する式(3)で表されるPFPE鎖を含むため、比較例1〜3で使用した含フッ素エーテル化合物と比較してPFPE鎖が剛直性を有するものとなり、保護層との密着性が強くなったことによるものと推定される。
【0192】
また、表2に示すように、R
3がR
1である(式(2))
参考例5
、6、実施例7、8では、R
3が水酸基である
参考例1、2、実施例3、4と比較して、ボンド率が高かった。また、R
3がR
1である(式(2))
参考例13
、14、実施例15、16では、R
3が水酸基である
参考例9
、10、実施例11、12と比較して、ボンド率が高かった。これらの結果から、R
1がR
2の両方の末端に配置されることで、より密着性が向上することがわかった。