(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記制御手段は、前記決済処理手段による処理により作成されるレシートの担当者欄に、前記情報に含まれる担当者名を印刷するように制御する、請求項1記載の商品販売データ処理装置。
前記受付手段は、前記販売処理手段による一商取引分の商品販売データの処理が開始される前に受付可能であり、前記商品販売データの処理が開始された後は変更不能である、請求項1乃至3のうちいずれか1項記載の商品販売データ処理装置。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、複数のキャラクタの中から客が好むキャラクタを操作担当者とすることができる商品販売データ処理装置の実施形態について、図面を用いて説明する。なお、本実施形態では、商品販売データ処理装置の一態様として、セルフPOS(Point Of Sales)端末を例示する。セルフPOS端末は、買上商品の登録から会計までの操作を客が自ら行うようにしたセルフチェックアウトシステムの商品販売データ処理装置、いわゆるセルフチェックアウト装置として機能する。
【0009】
図1は、セルフチェックアウトシステム10の概略構成を示すブロック図である。セルフチェックアウトシステム10は、複数台のセルフPOS端末20と、アテンダント端末30と、ストアサーバ40とを含む。またセルフチェックアウトシステム10は、ネットワーク50を含み、このネットワーク50に、各セルフPOS端末20、アテンダント端末30及びストアサーバ40を接続して、システムを構築する。ネットワーク50は、典型的にはLAN(Local Area Network)である。LANは、有線であってもよいし無線であってもよい。
【0010】
セルフPOS端末20は、店舗の会計場に設置される。セルフPOS端末20は、商品を買い上げる客自身に操作により、買上商品の登録から会計までの一連の処理を行えるようにした商品販売データ処理装置である。このためセルフPOS端末20においては、操作者である客に操作手順を示す操作ガイドが必要である。また、客自身が操作するため操作担当者は存在しない。したがって、通常であればレシートの担当者欄には、セルフPOS端末20のレジ番号が印刷される。しかしながら本実施形態のセルフPOS端末20においては、複数の動物を表すキャラクタの中から、客が任意に選択した1つのキャラクタを仮想の操作担当者とする。そして、この仮想の操作担当者であるキャラクタによる操作ガイドと、レシートへの担当者名の印字とを可能とする。さらに、客が選択したキャラクタとその客が買い上げた商品との組み合わせにより、特典を与えることを可能とする。特典は、次回以降の買物で使用可能なクーポン券とする。以上のような機能を有するセルフPOS端末20の詳細については後述する。
【0011】
アテンダント端末30は、例えば会計場の出口付近に設置される。アテンダント端末30は、複数台のセルフPOS端末20の状態を監視する機能を有する。すなわちアテンダント端末30は、ネットワーク50を介して、監視対象のセルフPOS端末20が送信出力する各種の情報、例えば稼働状況や商品販売データの処理結果等を示す情報を受信し、その内容をディスプレイに表示する。
1台のアテンダント端末30が監視対象とするセルフPOS端末20の台数は任意である。このため、
図1ではアテンダント端末30を1台のみ示しているが、2台以上のアテンダント端末30がネットワーク50に接続されていてもよい。通常、アテンダント端末30が設置された場所には案内係としての店員が待機する。店員は、ディスプレイの表示内容から監視対象のセルフPOS端末20で発生したエラー等のトラブルに対処する。
【0012】
ストアサーバ40は、各セルフPOS端末20で実行される買上商品の登録及び会計に係る処理を制御する。またストアサーバ40は、ネットワーク50を介して、各セルフPOS端末20で処理されたデータを収集し、適宜加工して、データファイルに保存する。
なお、
図1では、ネットワーク50に接続された商品販売データ処理装置として、セルフPOS端末20だけを示している。しかし、買上商品の登録から会計までの操作を店員が行う商品販売データ処理装置、いわゆるPOS端末がネットワーク50に接続されていてもよい。その場合、ストアサーバ40は、セルフPOS端末20と同様に各POS端末も併せて制御することとなる。
【0013】
次に、セルフPOS端末20の詳細について説明する。
図2は、セルフPOS端末20の外観斜視図であり、
図3は、同セルフPOS端末20のブロック構成図である。
図2に示すように、セルフPOS端末20は、床面に設置された本体200と、この本体200の脇に設置された秤ユニット201とからなる。
【0014】
本体200は、その上部に表示ポール202とタッチパネル203とを取り付け、秤ユニット201が設置された側とは反対側に籠台204を突出させている。籠台204は、客が買上商品を入れた籠等を置くためのものである。客は、タッチパネル203の画面が見えるように、
図2において本体200の手前側に立って作業を行う。このため客から見ると、本体200に右側に籠台204があり、左側に秤ユニット201がある。以下では、客が立つ側を本体200の正面とする。
【0015】
表示ポール202は、その先端部に例えば青色と赤色とを選択的に発光させる発光部202Aを備え、この発光部202Aの発光色によってセルフPOS端末20の現在の状態を例えば案内係である店員等に報知する。
タッチパネル203は、セルフPOS端末20の操作者(通常は客)に操作ガイドを含む種々の画面を表示するためのディスプレイと、操作者による画面へのタッチ入力を検知するためのタッチセンサとで構成される。
【0016】
本体200は、正面の上部に、スキャナ205(
図3を参照)の読取窓205Aと、カード挿入口206と、レシート発行口207とを形成している。また本体200は、正面の中央部に、硬貨投入口208と、硬貨払出口209と、紙幣挿入口210と、紙幣払出口211とを形成している。さらに本体200は、通信ケーブル212を介して電子マネー用のリーダ・ライタ213を接続している。リーダ・ライタ213は、本体200の籠台204と同じ側に設けられた置台214に置かれている。
【0017】
秤ユニット201は、ハウジング221の上部に秤皿222を設け、この秤皿222の上部に袋保持具223を取り付けた構造となっている。秤皿222は、その上面を載置面222Aとする。袋保持具223は、一対の保持アーム223Aを備えており、この保持アーム223Aでレジ袋又は客が持参した買物袋いわゆるマイバッグを保持する。
秤ユニット201は、保持アーム223Aに保持されたレジ袋又はマイバッグに入れられて載置面222Aに置かれた商品の重量を計測する。
【0018】
図3に示すように、セルフPOS端末20は、CPU(Central Processing Unit)231、ROM(Read Only Memory)232、RAM(Random Access Memory)233、補助記憶デバイス234、通信インターフェース235、自動釣銭機236、スキャナ205、タッチパネル203、プリンタ237、カードリーダ238、リーダ・ライタ213、発光部202A、秤ユニット201及びシステム伝送路239を備える。システム伝送路239は、アドレスバス,データバス,制御信号線等を含む。システム伝送路239は、CPU231と他の各部とを直接又は信号入出力回路を介して接続し、相互間で授受されるデータ信号を伝送する。
【0019】
セルフPOS端末20は、CPU231と、ROM232、RAM233及び補助記憶デバイス234とをシステム伝送路239で接続することによりコンピュータを構成する。
CPU231は、上記コンピュータの中枢部分に相当する。CPU231は、オペレーティングシステム及びアプリケーションプログラムに従って、セルフPOS端末20としての各種の機能を実現するべく各部を制御する。
【0020】
ROM232は、上記コンピュータの主記憶部分に相当する。ROM232は、上記のオペレーティングシステム及びアプリケーションプログラムを記憶する。アプリケーションプログラムは、後述する制御プログラムを含む。ROM232は、CPU231が各部を制御するための処理を実行する上で必要なデータを記憶する場合もある。
RAM233は、上記コンピュータの主記憶部分に相当する。RAM233は、CPU231が処理を実行する上で必要なデータを記憶する。またRAM233は、CPU231によって情報が適宜書き換えられるワークエリアとしても利用される。
【0021】
補助記憶デバイス234は、上記コンピュータの補助記憶部分に相当する。例えばHDD、SSD、EEPROM等が補助記憶デバイス234として使用される。補助記憶デバイス234は、CPU231が各種の処理を行う上で使用するデータや、CPU231での処理によって生成されたデータを保存する。補助記憶デバイス234は、上述したアプリケーションプログラムを記憶する場合もある。
【0022】
通信インターフェース235は、ネットワーク50に接続されたストアサーバ40又はアテンダント端末30と、予め設定された通信プロトコルに従いデータ通信を行う。
【0023】
自動釣銭機236は、硬貨ユニット236Aと紙幣ユニット236Bとを含む。
硬貨ユニット236Aは、硬貨投入口208に投入された硬貨を1枚ずつ選別して金種を識別し、硬貨金庫(不図示)に金種別に収容する。また硬貨ユニット236Aは、例えば釣銭データに基づいて硬貨金庫から該当する金種の硬貨を取出し、硬貨払出口209に払い出す。
紙幣ユニット236Bは、紙幣挿入口210に挿入された紙幣を1枚ずつ選別して金種を識別し、紙幣金庫(不図示)に金種別に収容する。また紙幣ユニット236Bは、例えば釣銭データに基づいて紙幣金庫から該当する金種の紙幣を取出し、紙幣払出口211に払い出す。
【0024】
スキャナ205は、読取窓205Aに翳された商品のバーコードをスキャニングして読み取る。店舗で販売される各商品には、その商品を識別するための商品IDをバーコード化したバーコードシンボルが付されている。スキャナ205は、商品に付されたバーコードシンボルが読取窓205Aに翳される毎に、そのバーコードを読み取る。
【0025】
プリンタ237は、レシート用紙に例えば商取引の明細を表すレシートデータを印刷する。レシートデータが印刷されたレシート用紙は、レシート発行口207から排出され、図示しないカッタにより切断されて、レシートとして発行される。
【0026】
カードリーダ238は、クレジットカード、ポイントカード等のカード媒体に記録されたカードデータを読み取る。カードリーダ238は、カード挿入口206に挿入されたカード媒体を本体200内に引き込み、カードデータを読み取った後、カード挿入口206から排出させる。
【0027】
リーダ・ライタ213は、非接触ICカードに記録された電子マネーの読み取り及び書き換えを行う。
【0028】
かかる構成のセルフPOS端末20は、補助記憶デバイス234に、
図4に示すデータ構造のキャラクタテーブル241と、特典テーブル242とを保存する。
キャラクタテーブル241は、一連のキャラクタ番号に関連付けて、担当者名、音声、画像、テキスト及び動画の各データを記憶する。キャラクタ番号は、仮想の操作担当者として用意された複数種類の動物を表すキャラクタを識別するためにキャラクタ毎に割り当てられた一意の番号である。担当者名は、対応するキャラクタ番号で特定されるキャラクタを表す名称である。音声、画像、テキスト及び動画は、対応するキャラクタ番号で特定されるキャラクタで操作ガイドを編集する際に使用されるデータである。
なお本実施形態では、説明の便宜上、キャラクタを「イヌ」、「ネコ」、「パンダ」の三種類の動物とする。そして、キャラクタ「イヌ」に対してキャラクタ番号“1”を割り当て、キャラクタ「ネコ」に対してキャラクタ番号“2”を割り当て、キャラクタ「パンダ」に対してキャラクタ番号“3”を割り当てる。
【0029】
特典テーブル242は、商品IDとキャラクタ番号とクーポン情報との組合せデータを複数記憶する。クーポン情報は、対応するキャラクタ番号で特定されるキャラクタを操作担当者として選択した客が、対応する商品IDで識別される商品を買い上げた際に発行するクーポンに係る情報である。例えば、クーポン対象の商品名と特典内容(値引額、割引率、値引後価格等)とがクーポン情報に含まれる。
【0030】
またセルフPOS端末20は、
図5に示すように、RAM233に操作担当者領域251と、トランザクション領域252と、クーポン領域253とを形成する。操作担当者領域251は、客が仮想の操作担当者として選択したキャラクタに係るデータを記憶するための領域である。トランザクション領域252は、客のトランザクションデータを記憶するための領域である。トランザクションデータは、買上商品の販売データと、代金支払いに係る会計データと含む。クーポン領域253は、客に対して発行されるクーポンの情報を記憶するための領域である。
【0031】
図6は、CPU231が、制御プログラムにしたがって実行する主要な情報処理手順を示す流れ図である。また、
図7乃至
図11は、上記の情報処理手順に従い、タッチパネル203に表示される種々の画面例を示す図であり、
図12は、上記の情報処理手順に従い発行されるレシートRの印字例である。以下、各図を用いて、客の操作により買上商品の登録から会計までを処理するセルフPOS端末20の動作を説明する。なお、以下に説明する動作の内容は一例である。同様な結果を得ることが可能であれば、
図6の流れ図で示される情報処理手順、
図7乃至
図11に示される画面例及び
図12に示されるレシート印字例は、適宜変更することができる。
【0032】
始めに、会計のために会計場に来た客は、空いているセルフPOS端末20の正面に立ち、買上商品を入れた籠を籠台204に置く。一方、セルフPOS端末20は、図示しない人感センサを設けており、客が本体200の正面に立つと、
図6の流れ図に示す手順の情報処理を開始する。なお、情報処理を開始するタイミングはこれに限定されるものではない。例えば籠台204に籠が置かれたことを検知するセンサを設け、このセンサによって籠が検知されると、情報処理を開始してもよい。あるいは、直前の客に対する処理を終えた後、一定時間が経過すると自動的に情報処理を開始してもよい。
【0033】
情報処理が開始されると、CPU231は、Act1としてタッチパネル203にオペレータ選択画面SC1(
図7を参照)を表示させる。
図7は、オペレータ選択画面SC1の一表示例である。図示するようにオペレータ選択画面SC1には、仮想の操作担当者であるオペレータの選択操作を客に促すための操作ガイドG1が表示される。またオペレータ選択画面SC1には、オペレータとして選択可能な動物のキャラクタがそれぞれ設定された複数(本実施形態では3つ)のキャラクタボタンB1,B2,B3が表示される。
【0034】
オペレータ選択画面SC1を確認した客は、所望の動物をオペレータ(仮想の操作責任者)として選択し、その動物のキャラクタが割り当てられたキャラクタボタンB1,B2,B3にタッチする。ここでは、客が「パンダ」を選択し、キャラクタボタンB3にタッチしたとして説明を続ける。
【0035】
Act1においてオペレータ選択画面SC1を表示させたCPU231は、Act2としてオペレータが選択されるのを待機する。タッチパネル203からの信号により、いずれかのキャラクタボタンB1,B2,B3がタッチされたことを検知すると、CPU231は、そのキャラクタボタンB1,B2,B3に設定されたキャラクタがオペレータとして選択されたと認識する。そしてCPU231は、Act3としてキャラクタテーブル241から、その選択されたキャラクタのデータ(キャラクタ番号、担当者名、音声、画像、テキスト、動画)を読出し、操作担当者領域251に記憶させる。このとき、既に操作担当者領域251にキャラクタデータが記憶されていた場合には、CPU231は、そのキャラクタデータに代えて新たに読み出したキャラクタデータを記憶させる。
【0036】
ここに、CPU231を主体とするコンピュータは、タッチパネル203と協働してAct1及びAct2の処理を実行することにより、複数種類のキャラクタのなかからいずれか1種類のキャラクタを操作担当者として選択するための操作入力を受け付ける受付手段を構成する。また、同コンピュータは、RAM233と協働してAct3の処理を実行することにより、受付手段により受け付けた操作入力に従い、操作担当者として選択されたキャラクタの操作担当者に係る情報を記憶する記憶手段を構成する。
【0037】
Act3において操作担当者領域251にキャラクタデータを記憶させると、CPU231は、Act4としてタッチパネル203に登録開始画面SC2(
図8を参照)を表示させる。
図8は、登録開始画面SC2の一表示例である。図示するように登録開始画面SC2には、マイバッグを使用するかレジ袋を使用するかの指定操作を客に促すための操作ガイドG2が表示される。また、マイバッグの使用を客が指定するためのマイバッグボタンB4と、レジ袋の使用を客が指定するためのレジ袋ボタンB5と、オペレータとしてのキャラクタを変更することを客が指定するためのオペレータ変更ボタンB6とが表示される。操作ガイドG2は、操作担当者領域251に記憶されたキャラクタデータの画像データやテキストデータにより、オペレータとして選択されたキャラクタがアナウンスしているように編集される。ここでは、客が「パンダ」を選択した場合を想定しているので、操作ガイドG2は、「パンダ」がアナウンスしているように表示される。因みに、動画データを用いることで、操作ガイドG2を動画で表してもよい。あるいは音声データを用いることで、操作ガイドG2を音声出力してもよい。
【0038】
登録開始画面SC2を確認した客は、マイバッグを使用するのであれば、マイバッグボタンB4にタッチして、マイバッグを保持アーム223Aに保持させる。レジ袋を使用するのであれば、客は、レジ袋ボタンB5にタッチして、レジ袋を保持アーム223Aに保持させる。また、登録開始画面SC2が表示されている時点では、オペレータとして選択したキャラクタの変更が可能である。キャラクタを変更する場合、客は、オペレータ変更ボタンB6にタッチする。
【0039】
Act4において登録開始画面SC2を表示させたCPU231は、Act5として登録開始が指定されたか否かを確認する。マイバッグボタンB4又はレジ袋ボタンB5がタッチされると、CPU231は、登録開始が指定されたと認識する。マイバッグボタンB4又はレジ袋ボタンB5がタッチされていない場合(Act5にてNO)、CPU231は、Act6としてオペレータの変更が指定されたか否かを確認する。オペレータ変更ボタンB6がタッチされると、CPU231は、オペレータの変更が指定されたと認識する。オペレータ変更ボタンB6がタッチされていない場合(Act6にてNO)、CPU231は、Act5の処理に戻る。ここにCPU231は、Act5及びAct6の処理により、登録開始が指定されるかオペレータの変更が指定されるのを待ち受ける。
【0040】
タッチパネル203からの信号によりオペレータ変更ボタンB6がタッチされたことを検知すると(Act6にてYES)、CPU231は、Act1の処理に戻る。そしてCPU231は、タッチパネル203の画面をオペレータ選択画面SC1に戻して、前述したAct2以降の処理を再度実行する。
したがって、例えばオペレータを「パンダ」から「ネコ」に変更したい場合、客は、登録開始画面SC2においてオペレータ変更ボタンB6にタッチし、続いてオペレータ選択画面SC1において「ネコ」のキャラクタボタンB2にタッチする。このような操作により、操作担当者領域251に記憶されたデータが、「パンダ」のキャラクタデータから「ネコ」のキャラクタデータに更新される。
【0041】
なお、タッチパネル203の画面をオペレータ選択画面SC1に戻すルーチンは、Act5又はAct6の待ち受け状態において、オペレータ変更ボタンB6がタッチされた場合に限られる。すなわち受付手段は、販売処理手段による一商取引分の商品販売データの処理が開始される前に受付可能であり、商品販売データの処理が開始された後は変更不能である。
【0042】
タッチパネル203からの信号によりマイバッグボタンB4又はレジ袋ボタンB5がタッチされたことを検知すると(Act5にてYES)、CPU231は、Act7としてタッチパネル203に商品登録画面SC3(
図9を参照)を表示させる。
図9は、商品登録画面SC3の一表示例である。図示するように、商品登録画面SC3には、商品の登録操作を客に促す操作ガイドG3が表示される。また商品登録画面SC3には、登録された商品の明細を表示するための明細欄D1と、登録された商品の合計を表示するための合計欄D2とが表示される。さらに商品登録画面SC3には、バーコードが無い商品の部門を客が指定するための部門ボタンB7と、会計処理への移行を客が指定するための会計ボタンB8とが表示される。操作ガイドG3は、操作担当者領域251に記憶されたキャラクタデータの画像データやテキストデータにより、オペレータとして選択されたキャラクタがアナウンスしているように編集される。ここでは、客が「パンダ」を選択した場合を想定しているので、操作ガイドG3は、「パンダ」がアナウンスしているように表示される。因みに、動画データを用いることで、操作ガイドG3を動画で表してもよい。あるいは音声データを用いることで、操作ガイドG3を音声出力してもよい。
【0043】
商品登録画面SC3を確認した客は、籠台204に置いた籠から買上商品を1品ずつ取り出す。そしてその買上商品にバーコードが付されている場合、客は、そのバーコードの部分を読取窓205Aに翳す。そうすると、スキャナ205によってバーコードが読み取られて買上商品が登録されるので、客はその買上商品を袋保持具223に保持されたマイバッグ又はレジ袋に入れる。また、買上商品にバーコードが付されていない場合には、客は、該当する部門ボタンB7にタッチする。そうすると、タッチパネル203に、その部門に属するバーコード無し商品のボタン群が表示されるので、客は、そのボタン群の中から買上商品のボタンを探してそのボタンにタッチする。かくして買上商品が登録されるので、客はその買上商品を袋保持具223に保持されたマイバッグ又はレジ袋に入れる。こうして、買上商品をすべて登録し終えたならば、客は会計ボタンB8にタッチする。
【0044】
Act7において商品登録画面SC3を表示させたCPU231は、Act8として買上商品が登録されたか否かを確認する。買上商品が登録されていない場合(Act8にてNO)、CPU231は、Act9として会計ボタンB8がタッチされたか否かを確認する。会計ボタンB8がタッチされていない場合(Act9にてNO)、CPU231は、Act8の処理に戻る。ここにCPU231は、Act8及びAct9の処理により、買上商品が登録されるか、会計ボタンB8がタッチされるのを待ち受ける。
【0045】
スキャナ205によって買上商品のバーコードが読み取られるか、タッチパネル203からの信号によりバーコード無し商品のボタンがタッチされたことを検知すると、CPU231は、買上商品が登録されたと認識する。その場合(Act8にてYES)、CPU231は、Act10として商品登録処理を実行する。すなわちCPU231は、登録された買上商品の商品ID、単価、販売点数、販売金額を含む商品販売データを生成し、トランザクション領域252に記憶させる。またCPU231は、買上商品の商品名、販売点数及び販売金額を、商品登録画面SC2の明細欄D1に表示させる。さらにCPU231は、トランザクション領域252に記憶された商品販売データに基づいて現時点における合計点数と合計金額とを算出し、商品登録画面SC2の合計欄D2に表示させる。このような商品登録処理は周知の処理であるので、その詳細については説明を省略する。
商品登録処理を終えると、CPU231は、Act11として登録された買上商品がクーポン対象か否かを確認する。すなわちCPU231は、操作担当者領域251に記憶されているキャラクタデータのキャラクタ番号と、トランザクション領域252に記憶させた最新の商品販売データの商品IDとを検索用のキーとして特典テーブル242を検索する。その結果、検索用のキーと一致する商品IDとキャラクタ番号との組み合わせが成立するレコードが特典テーブル242に存在することを確認したならば、CPU231は、買上商品がクーポン対象であると認識する。その場合(Act11にてYES)、CPU231は、Act12としてそのレコードのクーポン情報を特典テーブル242から読み出して、クーポン領域253に記憶させる。これに対し、検索用のキーと一致する商品IDとキャラクタ番号との組み合わせが成立するレコードが特典テーブル242に存在しない場合、買上商品はクーポン対象ではない。この場合(Act11にてNO)、CPU231は、Act12の処理をスキップする。
その後、CPU231は、Act8の処理に戻る。そしてCPU231は、買上商品が登録されるか、会計ボタンB8がタッチされるのを待ち受ける。
【0046】
したがって、セルフPOS端末20においては、客自身の操作により買上商品が登録される毎に、Act10乃至Act12の処理が繰り返される。その結果、トランザクション領域252には、買上商品の販売データが記憶される。また、クーポン領域253には、その客が操作責任者として選択したキャラクタとその客が買い上げる商品との組み合わせにより選択的に導出されるクーポン券のクーポン情報が記憶される。
【0047】
ここに、CPU231を主体とするコンピュータは、スキャナ205、タッチパネル203等の入力部と協働してAct8及びAct10乃至Act12の処理を実行することにより、入力部を介して入力された買上商品のデータに基づいて商品販売データを処理する販売処理手段を構成する。
【0048】
Act8及びAct9の待ち受け状態において、タッチパネル203からの信号により会計ボタンB8がタッチされたことを検知すると(Act9にてYES)、CPU231は、Act13としてタッチパネル203に会計画面SC4(
図10を参照)を表示させる。
図10は、会計画面SC4の一表示例である。図示するように、会計画面SC4には、会計操作を客に促す操作ガイドG4が表示される。また会計画面SC4には、買上商品の合計金額を表示するための合計欄D3が表示される。さらに会計画面SC4には、現金で支払うことを客が指定するための現金ボタンB9と、クレジットカードで支払うことを客が指定するためのクレジットボタンB10と、電子マネーで支払うことを客が指定するための電子マネーボタンB11とが表示される。操作ガイドG4は、操作担当者領域251に記憶されたキャラクタデータの画像データやテキストデータにより、オペレータとして選択されたキャラクタがアナウンスしているように編集される。ここでは、客が「パンダ」を選択した場合を想定しているので、操作ガイドG4は、「パンダ」がアナウンスしているように表示される。因みに、動画データを用いることで、操作ガイドG4を動画で表してもよい。あるいは音声データを用いることで、操作ガイドG4を音声出力してもよい。
【0049】
会計画面SC4を確認した客は、操作ガイドG4に従い、支払い方法を選択して該当するボタンにタッチする。すなわち現金で支払う客は、現金ボタンB9にタッチし、現金を紙幣挿入口210又は硬貨投入口208に入れる。そうすると、セルフPOS端末20においては、入金額が算出され、合計金額を超えると決済処理が実行される。この決済処理において釣銭額が算出されると、釣銭としての現金が紙幣払出口211又は硬貨払出口209から払い出される。
【0050】
一方、クレジットカードで支払う客は、クレジットボタンB10にタッチし、クレジットカードをカード挿入口206から挿入する。そうすると、セルフPOS端末20においては、クレジットカードのデータがカードリーダ238で読み取られ、そのクレジットカードの認証が行われる。そしてクレジットカードが認証されると、決済処理が実行される。
【0051】
また、電子マネーで支払う客は、電子マネーボタンB11にタッチし、電子マネーが記録された非接触ICカードをリーダ・ライタ213に近づける。そうすると、セルフPOS端末20においては、電子マネーの残高がリーダ・ライタ213で読み取られ、その残高が合計金額以上であると決済処理が実行される。この決済処理において、電子マネーの残高は合計金額分が減額される。
【0052】
Act13において会計画面SC4を表示させたCPU231は、Act14としていずれかの支払い方法が選択されるのを待機する。そして、タッチパネル203からの信号により現金ボタンB9がタッチされたことを検知すると、CPU231は、Act15として現金支払いによる決済処理を実行する。同様に、クレジットボタンB10がタッチされたことを検知した場合には、CPU231は、Act15としてクレジットカード支払いによる決済処理を実行する。また電子マネーボタンB11がタッチされたことを検知した場合には、CPU231は、Act15としてクレジットカード支払いによる決済処理を実行する。この決済処理において、合計金額、支払方法、支払い金額等を含む会計データがトランザクション領域252に記憶される。このような決済処理は周知の処理であるので、その詳細については説明を省略する。
ここにCPU231を主体とするコンピュータは、タッチパネル203と協働してAct14及びAct15の処理を実行することにより、販売処理手段により処理された一商取引分の商品販売データに基づいてその商取引の決済を処理する決済処理手段を構成する。
【0053】
決済処理を終えると、CPU231は、Act16としてタッチパネル203に決済終了画面SC5(
図11を参照)を表示させる。
図11は、決済終了画面SC5の一表示例である。図示するように、決済終了画面SC5には、レシートの受取を客に促す操作ガイドG5が表示される。また、選択されなかったキャラクタとともに次回の買物では客に選択を促す操作ガイドG6が表示される。操作ガイドG5は、操作担当者領域251に記憶されたキャラクタデータの画像データやテキストデータにより、オペレータとして選択されたキャラクタがアナウンスしているように編集される。ここでは、客が「パンダ」を選択した場合を想定しているので、操作ガイドG5は、「パンダ」がアナウンスしているように表示される。因みに、動画データを用いることで、操作ガイドG5を動画で表してもよい。あるいは音声データを用いることで、操作ガイドG5を音声出力してもよい。一方、操作ガイドG6は、キャラクタテーブル241に記憶されてキャラクタデータの画像データやテキストデータにより、オペレータとして選択されなかったキャラクタがアナウンスしているように編集される。因みに、動画データを用いることで、操作ガイドG6を動画で表してもよい。あるいは音声データを用いることで、操作ガイドG6を音声出力してもよい。
【0054】
Act16において決済終了画面SC5を表示させたCPU231は、Act17として予め用意されたレシートデータのフォーマットに、トランザクション領域252に記憶された商品販売データ及び会計データをセットすることで、レシートデータを編集する。このときCPU231は、操作担当者領域251に記憶されているキャラクタデータから担当者名のデータを読み出す。そして、この担当者名のデータをレシートデータの担当者欄にセットする。また、クーポン領域253にクーポン情報が記憶されている場合には、そのクーポン情報に基づくクーポン券の印字データをレシートデータに続いてセットする。
【0055】
こうしてレシートデータを編集し終えたならば、CPU231は、Act18としてプリンタ237を制御して、
図12に示すようなレシートRをレシート発行口207から発行させる。以上で、CPU231は、
図6の流れ図に示す手順の情報処理を終了する。
【0056】
図12に示すように、レシートRには、買上商品の明細情報及び会計情報とともに、担当者名r1が印字される。この担当者名r1は、オペレータ選択画面SC1において、客が選択したキャラクタの名前である。また、操作担当者として選択したキャラクタの種類と買上商品との組み合わせによってクーポン券発行の特典が成立した場合、レシートRにクーポン券Tが印刷される。その際、クーポン券Tの近くの領域r2には、操作担当者として選択したキャラクタの画像とともに、クーポン券発行に関係するテキストが印字される。
【0057】
ここに、CPU231を主体とするコンピュータは、Act3乃至Act18の処理を実行することにより、記憶手段により記憶した情報により販売処理手段又は決済処理手段による処理を制御する制御手段を構成する。詳しくはコンピュータは、Act17及びAct18の処理を実行することにより、決済処理手段による処理により作成されるレシートの担当者欄に、前記情報に含まれる担当者名を印刷するように制御する。またコンピュータは、Act11及びAct12の処理を実行することにより、販売処理手段により商品販売データを処理した買上商品が特典対象であるか否かを、前記情報を用いて決定するように制御する。さらにコンピュータは、Act4、Act7、Act10、Act13及びAct16の処理を実行することにより、販売処理手段による処理に必要な操作ガイドを、前記情報を用いて報知するように制御する。
【0058】
このように、本実施形態のセルフPOS端末20によれば、客は、オペレータ選択画面SC1に表示される複数のキャラクタの中からいずれか1つのキャラクタを仮想の操作担当者として選択することができる。そして、キャラクタが選択されたセルフPOS端末20においては、その客に対する操作ガイドが、そのキャラクタがアナウンスしているように表示される。すなわち、例えばキャラクタとして「パンダ」を選択した客に対しては、「パンダ」がアナウンスしているように操作ガイドが表示され、「ネコ」を選択した客に対しては、「ネコ」がアナウンスしているように操作ガイドが表示される。
【0059】
また同様に、キャラクタが選択されたセルフPOS端末20においては、客に対して発行されるレシートの担当者欄に、そのキャラクタの名前が印刷される。すなわち、例えばキャラクタとして「パンダ」を選択した客に対しては、レシートに担当者名として「パンダ」が印刷され、「ネコ」を選択した客に対しては、レシートに担当者名として「ネコ」が印刷される。
【0060】
このように客は、仮想の操作担当者として選択したキャラクタによる操作ガイドを楽しめるとともに、担当者欄にそのキャラクタの名前が印刷されたレシートを受け取ることができる。したがって、次回以降の買物にもセルフPOS端末20を使用したいという客が増加するので、セルフPOS端末20の稼働率を高めることができる。
【0061】
しかもセルフPOS端末20であれば、客が選択したキャラクタとその客が買い上げた商品との組み合わせにより、クーポン券の特典を与えることができる。したがって、客はセルフPOS端末20を使用することで特典を得られる機会が増加するので、セルフPOS端末20の稼働率をより一層高めることができる。
【0062】
以下、他の実施形態について説明する。
前記実施形態では、仮想の操作担当者として選択できるキャラクタを動物のキャラクタとした。キャラクタの種類が動物に限定されないのは言うまでもない。例えばアニメのキャラクタを仮想担当者として選択可能としてもよい。
【0063】
前記実施形態では、客が選択したキャラクタとその客が買い上げた商品との組み合わせによる特典をクーポン券とした。特典の種類がクーポン券に限定されないのは言うまでもない。例えばキャラクタとの組み合わせが成立した商品の値引又は割引や、小計金額の値引又は割引等であってもよい。
【0064】
前記実施形態では、セルフPOS端末20を例示した。他の実施形態としては、買上商品の登録から会計までの操作を店員が行うPOS端末に、前記実施形態のセルフPOS端末が有する機能の少なくとも一部を実現可能としてもよい。例えば、レシートに印刷される担当者名を客が選択したキャラクタの名称としてもよい。また、買上商品の登録は店員が行い、会計を客が行うセミセルフ方式の決済装置(会計装置)に、前記実施形態のセルフPOS端末が有する機能の少なくとも一部を実現可能としてもよい。例えば、客が任意に選択したキャラクタによる操作ガイドと、レシートへの担当者名の印字とを可能としてもよい。
【0065】
なお、セルフPOS端末20等の商品販売データ処理装置の譲渡は一般に、制御プログラム等のプログラムがROMに記憶された状態にて行われる。しかしこれに限らず、コンピュータ装置が備える書き込み可能な記憶デバイスに、このコンピュータ装置とは個別に譲渡された制御プログラム等がユーザなどの操作に応じて書き込まれてもよい。制御プログラム等の譲渡は、リムーバブルな記録媒体に記録して、あるいはネットワークを介した通信により行うことができる。記録媒体は、CD−ROM,メモリカード等のようにプログラムを記憶でき、かつ装置が読み取り可能であれば、その形態は問わない。また、プログラムのインストールやダウンロードにより得る機能は、装置内部のOS(オペレーティング・システム)等と協働してその機能を実現させるものであってもよい。
【0066】
この他、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
以下に、本願出願の当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
[1]入力部を介して入力された買上商品のデータに基づいて商品販売データを処理する販売処理手段と、前記販売処理手段により処理された一商取引分の商品販売データに基づいてその商取引の決済を処理する決済処理手段と、複数種類のキャラクタのなかからいずれか1種類のキャラクタを操作担当者として選択するための操作入力を受け付ける受付手段と、前記受付手段により受け付けた操作入力に従い、操作担当者として選択されたキャラクタの操作担当者に係る情報を記憶する記憶手段と、前記記憶手段により記憶した前記情報により前記販売処理手段又は前記決済処理手段による処理を制御する制御手段と、を具備する商品販売データ処理装置。
[2]前記制御手段は、前記決済処理手段による処理により作成されるレシートの担当者欄に、前記情報に含まれる担当者名を印刷するように制御する、[1]記載の商品販売データ処理装置。
[3]前記制御手段は、前記販売処理手段により商品販売データを処理した前記買上商品が特典対象であるか否かを、前記情報を用いて決定するように制御する、[1]記載の商品販売データ処理装置。
[4]前記制御手段は、前記販売処理手段による処理に必要な操作ガイドを、前記情報を用いて報知するように制御する、[1]記載の商品販売データ処理装置。
[5]前記受付手段は、前記販売処理手段による一商取引分の商品販売データの処理が開始される前に受付可能であり、前記商品販売データの処理が開始された後は変更不能である、[1]乃至[4]のうちいずれか1項記載の商品販売データ処理装置。
[6]記憶部、及び、買上商品のデータを入力するための入力部を備えたコンピュータを、前記入力部を介して入力された前記買上商品のデータに基づいて商品販売データを処理する販売処理手段、前記販売処理手段により処理された一商取引分の商品販売データに基づいてその商取引の決済を処理する決済処理手段、複数種類のキャラクタのなかからいずれか1種類のキャラクタを操作担当者として選択するための操作入力を受け付ける受付手段、前記受付手段により受け付けた操作入力に従い、操作担当者として選択されたキャラクタの操作担当者に係る情報を前記記憶部に記憶させる記憶手段、及び前記記憶部に記憶された前記情報により前記販売処理手段又は前記決済処理手段による処理を制御する制御手段、として機能させるための制御プログラム。