特許第6804898号(P6804898)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6804898
(24)【登録日】2020年12月7日
(45)【発行日】2020年12月23日
(54)【発明の名称】管理装置、およびプログラム
(51)【国際特許分類】
   G07B 15/00 20110101AFI20201214BHJP
   G06K 7/10 20060101ALI20201214BHJP
   G06K 7/14 20060101ALI20201214BHJP
【FI】
   G07B15/00 G
   G07B15/00 501
   G06K7/10 464
   G06K7/14 017
【請求項の数】4
【全頁数】29
(21)【出願番号】特願2016-163024(P2016-163024)
(22)【出願日】2016年8月23日
(65)【公開番号】特開2018-32163(P2018-32163A)
(43)【公開日】2018年3月1日
【審査請求日】2019年6月4日
(73)【特許権者】
【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
(73)【特許権者】
【識別番号】598076591
【氏名又は名称】東芝インフラシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001634
【氏名又は名称】特許業務法人 志賀国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】藤本 浩章
(72)【発明者】
【氏名】宮下 武彦
【審査官】 毛利 太郎
(56)【参考文献】
【文献】 特開2012−063873(JP,A)
【文献】 特開2006−201997(JP,A)
【文献】 特開2007−257185(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G07B 15/00−15/04
G06K 7/10
G06K 7/14
G06Q 10/00−99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
端末装置または自動改札機と通信する管理装置側通信部と、
前記管理装置側通信部により端末装置からログイン情報を受け付けた場合、前記管理装置側通信部により前記端末装置から受信された第1画像要求情報に基づいて、前記端末装置の利用者が駅構内に入場するための入場用情報を含む第1画像を前記端末装置に表示させるための情報を生成し、前記管理装置側通信部を用いて、前記生成した情報を前記端末装置に送信し、前記第1画像を表示した端末装置が自動改札機に翳されるまでの間に、前記第1画像を前記端末装置に表示させるための情報を生成する基となったログイン情報と同じログイン情報を、前記管理装置側通信部により前記端末装置から受け付けた場合、前記第1画像と同様に機能する画像を前記端末装置に表示させるための情報を、前記管理装置側通信部を用いて前記端末装置に送信し、
前記管理装置側通信部により前記自動改札機から受信された第2画像要求情報に基づいて、前記端末装置の利用者が駅構外に出場するための出場用情報を含む第2画像を前記端末装置に表示させるための情報を生成し、前記管理装置側通信部を用いて、前記生成した情報を前記端末装置に送信し、前記第1画像を表示した端末装置が自動改札機に翳された後、前記第1画像を前記端末装置に表示させるための情報を生成する基となったログイン情報と同じログイン情報を、前記管理装置側通信部により前記端末装置から受け付けた場合、前記第2画像と同様に機能する画像を前記端末装置に表示させるための情報を、前記管理装置側通信部を用いて前記端末装置に送信する制御部と、
を備える管理装置。
【請求項2】
前記制御部は、
前記第1画像から乗車券としての効力情報を含む情報を光学的に取得する光学的取得部を備え、前記光学的取得部により前記効力情報を含む情報が取得されたことに応じて前記第1画像を表示した端末装置が翳されたことを通知する前記自動改札機からの前記通知を取得することで、前記第1画像を表示した端末装置が前記自動改札機に翳されたことを検知する、
請求項1記載の管理装置。
【請求項3】
前記制御部は、
前記第2画像から乗車券としての効力情報を含む情報を光学的に取得する光学的取得部を備え、前記光学的取得部により前記効力情報を含む情報が取得されたことに応じて前記第2画像を表示した端末装置が翳されたことを通知する前記自動改札機からの前記通知を取得することで、前記第2画像を表示した端末装置が自動改札機に翳されたことを検知し、前記端末装置の利用者に課金する課金額を決定する、
請求項1記載の管理装置。
【請求項4】
管理装置のコンピュータ
端末装置からログイン情報を受け付けた場合、管理装置側通信部により前記端末装置から受信された第1画像要求情報に基づいて、前記端末装置の利用者が駅構内に入場するための入場用情報を含む第1画像を前記端末装置に表示させるための情報を生成し、前記管理装置側通信部を用いて、前記生成した情報を前記端末装置に送信させ、前記第1画像を表示した端末装置が自動改札機に翳されるまでの間に、前記第1画像を前記端末装置に表示させるための情報を生成する基となったログイン情報と同じログイン情報を、前記管理装置側通信部により前記端末装置から受け付けた場合、前記第1画像と同様に機能する画像を前記端末装置に表示させるための情報を、前記管理装置側通信部を用いて前記端末装置に送信させ、
自動改札機から受信された第2画像要求情報に基づいて、前記端末装置の利用者が駅構外に出場するための出場用情報を含む第2画像を前記端末装置に表示させるための情報を生成し、前記管理装置側通信部を用いて、前記生成した情報を前記端末装置に送信させ、前記第1画像を表示した端末装置が自動改札機に翳された後、前記第1画像を前記端末装置に表示させるための情報を生成する基となったログイン情報と同じログイン情報を、前記管理装置側通信部により前記端末装置から受け付けた場合、前記第2画像と同様に機能する画像を前記端末装置に表示させるための情報を、前記管理装置側通信部を用いて前記端末装置に送信させる
プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、管理装置、およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、自動改札機を通過するのに必要な各種情報がエンコードされたQRコード(登録商標)などの画像を、端末装置の表示画面に表示させたものを乗車券として利用する技術が知られている。自動改札機の側では、画像をカメラなどで撮像し、画像解析によって各種情報を読み取って通過可否の判定を行う。この技術においては、例えば端末装置に不具合等が生じた場合に、通過可否の判定をすることができなくなる場合がある。このため、利用者にとって利便性が十分でなくなる可能性があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2012−155371号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明が解決しようとする課題は、利用者にとっての利便性を向上させることができる管理装置、およびプログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
実施形態の管理装置は、管理装置側通信部と、制御部とを持つ。管理装置側通信部は、端末装置または自動改札機と通信する。制御部は、前記管理装置側通信部により端末装置からログイン情報を受け付けた場合、前記管理装置側通信部により前記端末装置から受信された第1画像要求情報に基づいて、前記端末装置の利用者が駅構内に入場するための入場用情報を含む第1画像を前記端末装置に表示させるための情報を生成し、前記管理装置側通信部を用いて、前記生成した情報を前記端末装置に送信し、前記管理装置側通信部により前記自動改札機から受信された第2画像要求情報に基づいて、前記端末装置の利用者が駅構外に出場するための出場用情報を含む第2画像を前記端末装置に表示させるための情報を生成し、前記管理装置側通信部を用いて、前記生成した情報を前記端末装置に送信し、前記第1画像を前記端末装置に表示させるための情報を生成して前記端末装置に送信してから、前記第2画像を表示した端末装置が自動改札機に翳されるまでの間に、前記第1画像を前記端末装置に表示させるための情報を生成する基となったログイン情報と同じログイン情報を、前記管理装置側通信部により端末装置から受け付けた場合、前記第1画像または前記第2画像と同様に機能する画像を前記端末装置に表示させるための情報を、前記管理装置側通信部を用いて前記端末装置に送信する。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1】第1の実施形態における鉄道利用管理システム1の構成の一例を示す図。
図2】端末装置10の構成の一例を示す図。
図3】乗車券購入アプリ31が起動された際に、端末装置10のタッチパネル部に乗車券購入のための入力画面が表示された様子を示す図。
図4】第1の実施形態における自動改札機100を上方から見た図。
図5】第1の実施形態における自動改札機100の読取部111を上方から見た図。
図6】第1の実施形態における自動改札機100の機能構成の一例を示す図。
図7】第1の実施形態におけるセンターサーバ装置300の機能構成の一例を示す図。
図8】決済用情報データベース332の一例を示す図。
図9】効力情報データベース334の一例を示す図。
図10】入場情報データベース336の一例を示す図。
図11】出場情報データベース338の一例を示す図。
図12】第1の実施形態における鉄道利用管理システム1の処理(その1)の流れの一例を示すシーケンス図。
図13】鉄道利用管理システム1の処理(その2)の流れの一例を示すシーケンス図。
図14】効力情報データベース334において、レコードが削除または無効化される様子の一例を示す図。
図15】鉄道利用管理システム1の処理(その3)の流れの一例を示すシーケンス図。
図16】第1の実施形態における端末装置10による処理の流れの一例を示すフローチャート。
図17】第1の実施形態における自動改札機100による処理の流れの一例を示すフローチャート。
図18】第1の実施形態におけるセンターサーバ装置300による処理の流れの一例を示すフローチャート。
図19】駅務装置250およびセンターサーバ装置300により実行される処理の流れの一例を示すフローチャート。
図20】乗車券購入アプリ31が起動された際に、端末装置10のタッチパネル部に乗車券購入のための入力画面が表示された様子の他の例を示す図。
図21】第2の実施形態における自動改札機100Aによる処理の流れの一例を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、実施形態の管理装置、およびプログラムを、図面を参照して説明する。実施形態の鉄道利用管理システムは、鉄道の駅における入出場の管理を行うシステムである。
【0008】
(第1の実施形態)
[全体構成]
図1は、第1の実施形態における鉄道利用管理システム1の構成の一例を示す図である。鉄道利用管理システム1は、例えば、端末装置10−1から10−n(「n」は任意の自然数)と、複数の自動改札機100と、複数の駅務サーバ装置200と、複数の駅務装置250と、センターサーバ装置300とを備える。各駅には、少なくとも一つの自動改札機100、駅務サーバ装置200、および駅務装置250が設置される。以下、端末装置10−1から10−nを区別しない場合は、単に端末装置10と称する。
【0009】
端末装置10は、利用者によって利用される携帯可能な端末装置である。端末装置10は、例えば、スマートフォンなどの携帯電話、タブレット端末、PDA(Personal Digital Assistant)などである。端末装置10は、自動改札機100に翳す媒体として利用される。すなわち、鉄道利用管理システム1では、端末装置10が乗車券として利用される。端末装置10の画面上には、端末装置10を乗車券として機能させるための読取画像CDが表示される。この読取画像CDは、利用者が自動改札機100を通過する際に自動改札機100によって読み取られる。読取画像CDは、例えば、QRコード等の二次元コードや、バーコード等の一次元コード等である。これらの各種コードは、例えば、乗車券としての効力情報、または効力情報とその他情報とを含めた情報がエンコードされたものである。効力情報は、例えば、有効期間、入場駅(発駅)の識別情報、乗車可能区間、読取画像CDのそれぞれを識別するコード識別情報(コードID)等を含む情報である。また、その他情報は、例えば、端末装置10における設定言語等を含む情報である。なお、読取画像CDは、機械(自動改札機100)によって内容が認識可能であると共に、人が視認することによって内容が認識できないものであれば如何なる態様であってもよい。
【0010】
自動改札機100は、例えば、駅の改札口に設けられる。自動改札機100は、端末装置10の表示画面に表示された読取画像CDから情報を読み取ることによって、利用者の通過を許可または禁止する。なお、本実施形態において自動改札機100は、読取画像CDのみを処理可能な装置として説明するがこれに限られない。例えば、自動改札機100は、更に、交通系ICカードや磁気券、コードが印刷された紙券などを並行して処理可能な装置であってもよい。
【0011】
駅務サーバ装置200は、例えば、LAN(Local Area Network)等のネットワークを介して自動改札機100と通信を行う。また、駅務サーバ装置200は、自動改札機100から取得した情報を、LANやWAN(Wide Area Network)、セルラー通信網、インターネット等を含むネットワークNWを介して、センターサーバ装置300に送信する。更に、駅務サーバ装置200は、センターサーバ装置300から受信した情報を自動改札機100等に送信する。駅務装置250は、駅務サーバ装置200を介して、センターサーバ装置300と通信する。
【0012】
センターサーバ装置300は、駅務サーバ装置200およびネットワークNWを介して自動改札機100から受信した情報に基づいて、種々の処理を行う。また、センターサーバ装置300は、端末装置10とネットワークNWを介して通信を行う。センターサーバ装置300は、「管理装置」の一例である。
【0013】
以下、端末装置10、自動改札機100、駅務装置250、およびセンターサーバ装置300についてそれぞれ説明する。
【0014】
[端末装置]
まず、端末装置10について説明を行う。図2は、端末装置10の構成の一例を示す図である。端末装置10は、例えば、操作部11と、表示部12と、端末側通信部13と、乗車券購入処理部14と、端末側記憶部30とを備える。操作部11は、例えば、ボタン、キーボード、マウス、マイク、タッチパネル等のユーザインターフェースである。なお、表示部12がタッチパネルである場合、操作部11の一部は表示部12と一体として形成される。操作部11は、利用者による、読取画像CDを表示部12に表示させるための入力操作を受け付ける。
【0015】
表示部12は、例えば、LCD(Liquid Crystal Display)や有機EL(Electroluminescence)ディスプレイなどの表示装置を含む。表示部12は、乗車券購入処理部14によって出力される情報に基づいて各種画像を表示する。以下、操作部11と表示部12が一体として形成されたものをタッチパネル部と称して説明する。
【0016】
端末側通信部13は、図示しない無線基地局により仲介されるセルラー網やWi−Fi網、専用回線、プロバイダ、インターネット等を介してセンターサーバ装置300と通信する。
【0017】
乗車券購入処理部14は、CPU(Central Processing Unit)等のプロセッサが端末側記憶部30に記憶されたプログラム(例えば乗車券購入アプリ31)を実行することにより実現される。プログラムは、例えば、ネットワークNWを介してアプリケーションサーバからダウンロードされてもよいし、SDカードなどの可搬型記憶媒体に格納されたものが端末装置10にインストールされてもよい。また、乗車券購入処理部14の機能のうち一部または全部は、LSI(Large Scale Integration)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field-Programmable Gate Array)等のハードウェアによって実現されてもよいし、ソフトウェアとハードウェアの協働によって実現されてもよい。
【0018】
端末側記憶部30は、例えば、ROM(Read Only Memory)、フラッシュメモリ、HDD(Hard Disk Drive)、SDカード等の不揮発性の記憶媒体と、RAM(Random Access Memory)、レジスタ等の揮発性の記憶媒体とによって実現される。端末側記憶部30は、プロセッサが実行する乗車券購入アプリ31等のプログラムを格納する。
【0019】
図3は、乗車券購入アプリ31が起動された際に、端末装置10のタッチパネル部に乗車券購入のための入力画面が表示された様子を示す図である。この入力画面は、予めユーザ登録をしておき、例えばユーザIDやパスワードなどのログイン情報を入力してログインした後に、所定の操作をすることで表示される。例えば、乗車券購入アプリ31がタッチ操作されるなどして起動すると、乗車券購入処理部14は、乗車券購入のための入力画面を端末装置10に表示させる。入力画面には、日本語や英語といった端末装置10の設定言語を設定するための領域A1、乗車区間を指定するための領域A2、乗車券の効力が有効開始となる乗車日を指定するための領域A3、乗車券の発行要求を確定するためのボタンB1、乗車券の再発行の要求をするためのボタンB2などが設けられてよい。乗車券の再発行の要求をするためのボタンB2には、入場用および出場用の乗車券の再発行を要求するためのボタンが含まれる。端末装置10の設定言語は、乗車券購入アプリ31内での設定言語であってもよいし、端末装置10のOS(Operating System)の設定言語であってもよい。また、乗車券購入処理部14は、端末側通信部13を用いて、入力されたユーザIDおよびパスワードを、センターサーバ装置300に送信する。
【0020】
また、入力画面には、乗車券購入に係る費用の決済方式を指定するための領域(不図示)などが設けられていてもよい。このような入力画面は、乗車券購入アプリ31へのログインが完了した後に表示されてよい。上述した領域に各種情報が入力されて、図中「YES」ボタンが操作されると、乗車券の発行要求が確定する。この場合、乗車券購入処理部14は、端末側通信部13を用いて、入力された情報を画像要求情報(画像リクエスト)としてセンターサーバ装置300に送信する。
【0021】
[自動改札機]
次に、自動改札機100の説明を行う。図4は、第1の実施形態における自動改札機100を上方から見た図である。自動改札機100は、例えば、通路を挟んで対向配置される主機110と従機130とを備えてよい。主機110は、例えば、読取部111と、上面表示部112と、正面表示部113と、扉部114および115と、改札機側制御部150とを備える。また、従機130は、読取部131と、上面表示部132と、正面表示部133と、扉部134および135とを備える。
【0022】
主機110の読取部111は、図4に示すa方向に通過しようとする利用者によって翳された端末装置10により表示された読取画像CDを撮像し、画像データを改札機側制御部150に送信する。
【0023】
上面表示部112は、読取部111に対して端末装置10が翳された場合に、改札機側制御部150によって処理された結果、またはセンターサーバ装置300から受信した情報に基づく画像を表示する。正面表示部113は、図4に示すa方向に通過可能であるか否かを示すマークや図形、文字等を表示する。正面表示部113の表示内容または表示の有無は、改札機側制御部150によって決定される。
【0024】
一方、従機130の読取部131は、図4に示すb方向に通過しようとする利用者によって翳された端末装置10に表示された読取画像CDを撮像し、画像データを改札機側制御部150に送信する。上面表示部132は、読取部131に対して端末装置10が翳された場合に、改札機側制御部150によって処理された結果、またはセンターサーバ装置300から受信した情報に基づく画像を表示する。正面表示部133は、図4に示すb方向に通過可能であるか否かを示すマークや図形、文字等を表示する。正面表示部133の表示内容または表示の有無は、改札機側制御部150によって決定される。
【0025】
改札機側制御部150は、図4に示すa方向への利用者の通過を許可する動作モードに自動改札機100が設定されている場合、扉部115および135を開放状態に維持すると共に、扉部114および134を開放状態または閉止状態に制御することで、a方向の利用者の通過を許可または禁止する。また、改札機側制御部150は、図4に示すb方向への利用者の通過を許可する動作モードに自動改札機100が設定されている場合、扉部114および134を開放状態に維持すると共に、扉部115および135を開放状態または閉止状態に制御することで、b方向の利用者の通過を許可または禁止する。
【0026】
また、自動改札機100の動作モードには、図4に示すa方向の通過とb方向の通過との双方を許可する動作モードが含まれていてもよい。この場合、改札機側制御部150は、例えば、利用者が通過中でなければ正面表示部113と正面表示部133の双方に通過を許可することを示すマークや図形、文字等を表示させる制御を行う。また、改札機側制御部150は、例えば、利用者がa方向およびb方向のいずれかの側から進入し、読取部111と読取部131とのいずれか一方に端末装置10が翳されると、他方の読取部を無効化すると共に、利用者が進入してきていない側の表示部(正面表示部113または正面表示部133)に、通過を禁止することを示すマークや図形、文字等を表示させる制御を行う。
【0027】
なお、自動改札機100は、上述したように利用者が双方向に通過可能なものに限らず、主機と補機(従機)により構成される、利用者が一方向にのみ通過可能なものであってもよい。
【0028】
図5は、第1の実施形態における自動改札機100の読取部111を上方から見た図である。読取部111は、例えば、タッチ面表示部PNおよびカメラCAMを備える。タッチ面表示部PNは、例えば、LCDや有機ELディスプレイであり、上方から見てカメラCAMの周囲に配置される。カメラCAMは、利用者によって自機前に翳された物体を撮像する。例えば、表示画面に読取画像CDが表示された端末装置10が利用者によって翳されると、カメラCAMは、端末装置10の表示画面を撮像する。カメラCAMは、例えば、CCD(Charge-Coupled Device)やCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)等のイメージセンサを有する。なお、図5に示す読取部111の構成は、従機130の読取部131にも同様に適用してもよい。すなわち、従機130の読取部131は、タッチ面表示部PNおよびカメラCAMを含む構成であってもよい。
【0029】
図6は、第1の実施形態における自動改札機100の機能構成の一例を示す図である。自動改札機100は、図4に示す構成の他、例えば、外部装置と通信を行う改札機側通信部145と、改札機側制御部150の指示に従って音声を出力するスピーカ140と、種々の情報を格納する改札機側記憶部170とを更に備える。改札機側制御部150は、通信制御部152と、画像処理部154と、通過可否判定部156と、通過制御部158とを備える。上述した読取部111、131と画像処理部154とを合わせたものは、「光学読取部」の一例である。
【0030】
改札機側制御部150の構成要素の一部または全部は、CPU等のプロセッサが改札機側記憶部170に記憶されたプログラムを実行することにより実現されてよい。また、改札機側制御部150の構成要素の一部または全部は、LSI、ASIC、FPGA等のハードウェアによって実現され、それぞれの機能を実現するための回路構成を有してもよい。また、改札機側制御部150の構成要素の一部または全部は、ソフトウェアとハードウェアの協働によって実現されてもよい。
【0031】
改札機側記憶部170は、例えば、ROM、フラッシュメモリ、HDD、SDカード等の不揮発性の記憶媒体と、RAM、レジスタ等の揮発性の記憶媒体とによって実現されてよい。改札機側記憶部170は、プロセッサが実行するプログラムを格納する他、自機が設置された駅の識別情報や、各種表示部に表示させる画像データやテキストデータ、スピーカ140に出力させる音声データ、運賃テーブル172等を格納する。画像データ、テキストデータ、および音声データは、乗車券購入アプリ31において設定され得る端末装置10の設定言語の数に対応した数だけ用意されてよい。運賃テーブル172は、例えば、駅の区間に対して運賃が対応付けられた情報である。
【0032】
通信制御部152は、改札機側通信部145を用いて、画像処理部154による処理結果、読取部111(131)に読取画像CDが翳された時刻、自機が設置された駅の識別情報などを、駅務サーバ装置200を介してセンターサーバ装置300に送信する。また、通信制御部152は、改札機側通信部145を用いて、センターサーバ装置300により駅務サーバ装置200を介して送信された情報を受信してもよい。自機が設置された駅の識別情報(駅ID)は、予め改札機側記憶部170に格納されてよい。
【0033】
画像処理部154は、例えば、読取部111(131)のカメラCAMにより撮像された画像における読取画像CDの部分を解析して配列情報を取得し、配列情報をデコードして、ビット列などで表されるコンピュータが認識可能な電子情報に変換する。電子情報には、前述した効力情報が含まれる。
【0034】
通過可否判定部156は、画像処理部154により取得された情報に基づいて、利用者の通過可否を判定する。
【0035】
通過制御部158は、通過可否判定部156による判定結果に基づいて、利用者の通過を許可、あるいは禁止する制御を行う。また、通過制御部158は、画像処理部154によって読取画像CDが抽出されない場合、または抽出された読取画像CDがデコードされない、あるいはデコードされた結果が無効な場合、利用者の通過を禁止する制御を行う。通過制御部158は、通過の許可または禁止の判定に応じて、扉部114、115、134、135、スピーカ140、上面表示部112、132、正面表示部113、133、タッチ面表示部PN、またはこれらを組み合わせたものを制御する。なお、通過制御部158は、画像処理部154により取得された情報に、端末装置10(乗車券購入アプリ31)における設定言語の情報が含まれている場合、この設定言語に合わせて各種表示部に表示させる画像データ(またはテキストデータ)やスピーカ140に出力させる音声データを選択してよい。例えば、設定言語が英語の場合、通過制御部158は、改札機側記憶部170に格納された各種データから、英字表記されたテキストデータを選択すると共に、英語音声の音声データを選択する。
【0036】
[駅務装置]
次に、駅務装置250について説明を行う。駅務装置250は、駅の改札口付近に設置され、駅係員の操作によって各種乗車券を発行したり、各種乗車券を処理したりする機器である。駅務装置250は、例えば、操作部と、表示部と、駅務装置側通信部と、情報処理部と、駅務装置側記憶部とを備える。操作部、および表示部の機能構成は、それぞれ端末装置10の操作部11、および表示部12の機能構成と同様であるため説明を省略する。
【0037】
駅務装置側通信部は、駅務サーバ装置200を介して端末装置10、およびセンターサーバ装置300と通信する。情報処理部は、CPU等のプロセッサが駅務装置側記憶部に記憶されたプログラムを実行することにより実現される。情報処理部は、操作部から出力される情報に基づいて、各種処理を実行する。駅務装置側記憶部は、例えば、ROM、フラッシュメモリ、HDD、SDカード等の不揮発性の記憶媒体と、RAM、レジスタ等の揮発性の記憶媒体とによって実現される。
【0038】
[センターサーバ装置]
次に、センターサーバ装置300の説明を行う。図7は、第1の実施形態におけるセンターサーバ装置300の機能構成の一例を示す図である。センターサーバ装置300は、例えば、サーバ側通信部305と、サーバ側制御部310と、サーバ側記憶部330とを備える。
【0039】
サーバ側制御部310は、アプリ連携処理部312と、決済処理部314とを備える。サーバ側制御部310のこれらの構成要素のうち一部または全部は、CPU等のプロセッサがサーバ側記憶部330に記憶されたプログラムを実行することにより実現される。プログラムは、例えば、ネットワークNWを介してアプリケーションサーバからダウンロードされてもよいし、SDカードなどの可搬型記憶媒体に格納されたものがセンターサーバ装置300にインストールされてもよい。また、サーバ側制御部310の構成要素のうち一部または全部は、LSI、ASIC、FPGA等のハードウェアによって実現されてもよいし、ソフトウェアとハードウェアの協働によって実現されてもよい。
【0040】
サーバ側記憶部330は、例えば、ROM、フラッシュメモリ、HDD、SDカード等の不揮発性の記憶媒体と、RAM、レジスタ等の揮発性の記憶媒体とによって実現される。サーバ側記憶部330は、プロセッサが実行するプログラムを格納する他、後述する決済用情報データベース332、効力情報データベース334、入場情報データベース336、および出場情報データベース338を格納する。
【0041】
図8は、決済用情報データベース332の一例を示す図である。図示のように、決済用情報データベース332は、乗車券購入アプリ31の利用者の識別情報であるユーザIDに対し、乗車券購入に係る費用の決済方式や、パスワード、利用者が利用することができる利用可能額、端末装置10を特定するための情報(例えばメールアドレス)などの情報が対応付けられた情報である。ユーザIDは、例えば、乗車券購入アプリ31のログインIDであってよい。乗車券購入に係る費用の決済方式は、クレジットカードによるクレジット決済、および指定された口座から利用金額が引き落とされるデビッド決済を含む。決済用情報データベース332は、例えば、乗車券購入アプリ31が起動された端末装置10により送信された情報を参照することによって随時、レコード(一つのユーザIDに対応するデータ)が追加されてよい。なお、端末装置10の利用者が指定する決済方式や口座番号などを、駅窓口の駅務員や決済代行サービス業者のオペレータなどが専用端末に入力する場合、センターサーバ装置300は、当該専用端末により出力された情報を参照することで決済用情報データベース332を生成してもよい。
【0042】
図9は、効力情報データベース334の一例を示す図である。図示のように、効力情報データベース334は、ユーザIDに対し、有効期間、入場駅の識別情報(入場駅ID)、コードIDといった効力情報が対応付けられた情報である。効力情報データベース334には、例えば、乗車券購入アプリ31が起動された端末装置10により送信された情報が随時、レコードとして追加されてよい。
【0043】
図10は、入場情報データベース336の一例を示す図である。図示のように、入場情報データベース336は、コードIDに対し、入場時刻、入場駅の識別情報(入場駅ID)、入出場コードといった情報が対応付けられた情報である。入場情報データベース336には、入場処理を行った自動改札機100により送信された入場情報がレコードとして追加されてよい。
【0044】
図11は、出場情報データベース338の一例を示す図である。図示のように、出場情報データベース338は、コードIDに対し、出場時刻、出場駅の識別情報(出場駅ID)、入出場コードといった情報が対応付けられた情報である。出場情報データベース338は、出場処理を行った自動改札機100により送信された出場情報がレコードとして追加されてよい。
【0045】
サーバ側通信部305は、上述したネットワークNWを介して、端末装置10や自動改札機100と通信を行う。
【0046】
アプリ連携処理部312は、サーバ側通信部305を用いて、乗車券購入アプリ31が起動された端末装置10と通信を行い、端末装置10の画面に表示させる画像を制御する。例えば、アプリ連携処理部312は、サーバ側通信部305により画像要求情報が受信されると、端末装置10の画面に読取画像CDを表示させるために画像生成情報を生成し、これを画像要求情報に対するレスポンスとして端末装置10に送信する。画像生成情報は、例えば、読取画像CDの画像データそのもの、或いは圧縮された画像データであってもよいし、読取画像CDの元となる効力情報などが文字や数値などに変換されたテキストデータまたはバイナリデータであってもよい。また、画像生成情報は、読取画像CDを表示するウェブサイトのURL(Uniform Resource Locator)であってもよい。端末装置10は、画像生成情報をセンターサーバ装置300から受信すると、画像生成情報に基づいて読取画像CDを表示する。なお、画像生成情報がテキストデータまたはバイナリデータである場合、端末装置10は、それらのデータに基づく効力情報を読取画像CDにエンコードし、当該読取画像CDをタッチパネル部に描画(レンダリング)する。
【0047】
決済処理部314は、入場用の自動改札機100および出場用の自動改札機100の双方において通過が許可された利用者に対して、入場駅から出場駅までの利用区間の運賃(課金額の一例)を算出する。例えば、決済処理部314は、入場情報に含まれる入場駅の識別情報と、出場情報に含まれる出場駅の識別情報とに基づいて、利用区間の運賃を算出してよい。そして、決済処理部314は、効力情報データベース334を参照して、入場情報または出場情報に含まれるコードIDに対応付けられた利用者(ユーザID)を特定し、当該利用者に対して運賃を請求することを決定する。例えば、決済処理部314は、決済用情報データベース332を参照して、ユーザIDごとに設定された決済方式を用いて、予め定められた口座から運賃を引き落とし決済する。なお、実際の決済処理は、クレジット会社や通信キャリア会社の決済サーバなど、外部装置に依頼して行ってもよい。また、決済処理部314による決済処理は、利用者が自動改札機100を通過する度に行われてもよいし、所定期間後に一括して行われてもよい。また、決済処理部314による決済処理は、必ずしも利用者が自動改札機100を通過するタイミングで行われる必要はなく、通過後のいずれかのタイミングで行われてよい。また、決済処理部314は、乗車券購入アプリ31において乗車券が購入された時点、すなわち端末装置10から画像要求情報を受信した時点で運賃の決済を行ってもよい。
【0048】
[処理の内容]
以下、鉄道利用管理システム1の一連の処理について説明する。図12は、第1の実施形態における鉄道利用管理システム1の処理(その1)の流れの一例を示すシーケンス図である。なお、本シーケンスでは、自動改札機100とセンターサーバ装置300との通信を仲介する駅務サーバ装置200については説明を省略している。
【0049】
まず、端末装置10は、乗車券購入アプリ31が起動されると入力画面を表示する(ステップS100)。次に、端末装置10は、入力画面に入力された情報を含む画像要求情報をセンターサーバ装置300に送信する(ステップS102)。
【0050】
次に、センターサーバ装置300は、端末装置10から受信した画像要求情報から効力情報を抽出し、当該効力情報をレコードとして効力情報データベース334に記憶させると共に、効力情報を含む画像生成情報を生成する(ステップS104)。次に、センターサーバ装置300は、生成した画像生成情報を、画像要求情報に対するレスポンスとして端末装置10に送信する(ステップS106)。
【0051】
次に、端末装置10は、センターサーバ装置300から受信した画像生成情報に基づいて、読取画像CDの画像を画面に表示する(ステップS108)。これによって、利用者は、読取画像CDを表示した端末装置10を自動改札機100に翳すことで駅構内に入場することができる。以下、駅構内に入場する際に用いられる読取画像CDを「入場用読取画像」と称して説明する。入場用読取画像は、「第1画像」の一例である。
【0052】
自動改札機100は、入場用読取画像を表示した端末装置10が翳された場合、端末装置10から入場用読取画像を読み取り、読み取った入場用読取画像から効力情報を取得する(ステップS110)。次に、自動改札機100は、取得した効力情報と、現在の時刻情報と、自機が設置された駅の識別情報(すなわち入場駅の識別情報)と、運賃テーブル172とに基づいて、入場する利用者の通過可否を判定する(ステップS112)。以下では、通過が許可されたものとする。
【0053】
次に、自動改札機100は、通過を許可すると、取得した効力情報と共に、入場用読取画像が翳された時刻(入場時刻)や自機が設置された駅の識別情報などを含む入場情報をセンターサーバ装置300に送信する(ステップS114)。
【0054】
次に、センターサーバ装置300は、自動改札機100から受信した効力情報および入場情報をそれぞれ効力情報データベース334と入場情報データベース336とに記憶させる(ステップS116)。
【0055】
次に、センターサーバ装置300は、効力情報および入場情報を含む画像生成情報を生成し、当該画像生成情報を端末装置10に送信する(ステップS118)。
【0056】
端末装置10は、センターサーバ装置300から効力情報および入場情報を含む画像生成情報を受信すると、当該画像生成情報に基づいて、読取画像CDの画像を生成して画面に表示する(ステップS120)。これによって、利用者は、効力情報および入場情報を基に生成された読取画像CDが表示された端末装置10を自動改札機100に翳すことで駅構外に出場することができる。以下、駅構外に出場する際に用いられる読取画像CDを「出場用読取画像」と称して説明する。出場用読取画像は、「第2画像」の一例である。
【0057】
自動改札機100は、出場用読取画像が表示された端末装置10が翳された場合、端末装置10から出場用読取画像を読み取り、出場用読取画像から効力情報と入場情報とを取得する(ステップS122)。次に、自動改札機100は、例えば、取得した効力情報および入場情報と、現在の時刻情報と、自機が設置された駅の識別情報(すなわち出場駅の識別情報)と、運賃テーブル172とに基づいて、出場する利用者の通過可否を判定する(ステップS124)。以下では、通過が許可されたものとする。
【0058】
次に、自動改札機100は、通過を許可すると、取得した効力情報および入場情報と共に、出場用読取画像が翳された時刻(出場時刻)や自機が設置された駅の識別情報(すなわち出場駅の識別情報)などを含む出場情報をセンターサーバ装置300に送信する(ステップS126)。
【0059】
次に、センターサーバ装置300は、自動改札機100から受信した効力情報、入場情報、および出場情報を、それぞれ効力情報データベース334、入場情報データベース336、および出場情報データベース338に記憶させる(ステップS128)。
【0060】
また、センターサーバ装置300の決済処理部314は、入場情報に含まれる入場駅の識別情報と、出場情報に含まれる出場駅の識別情報とに基づいて、利用区間に係る運賃を算出し、効力情報データベース334を参照して、入場情報または出場情報に含まれるコードIDに対応付けられた利用者(ユーザID)に運賃を請求することを決定する(ステップS130)。
【0061】
次に、センターサーバ装置300は、出場情報と、算出した運賃に関する情報(以下、運賃情報と称する)を端末装置10に送信する(ステップS132)。これを受けて、端末装置10は、画面に乗車が完了したことを示す画像や文字などを表示すると共に、乗車に要した運賃を表示する(ステップS134)。これによって、鉄道利用管理システム1において一人のユーザが入場してから出場するまでの一連の処理が終了する。
【0062】
次に、利用者が、端末装置10−1を利用して乗車券を購入した後であり、且つ入場駅の自動改札機100を通過する前に、利用する端末装置を端末装置10−2に変更した場合の処理について説明する。図13は、鉄道利用管理システム1の処理(その2)の流れの一例を示すシーケンス図である。なお、本シーケンスでは、自動改札機100とセンターサーバ装置300との通信を仲介する駅務サーバ装置200については説明を省略している。
【0063】
まず、端末装置10−1は、乗車券購入アプリ31が起動されると入力画面を表示する(ステップS200)。次に、端末装置10−1は、入力画面に入力された情報を含む画像要求情報をセンターサーバ装置300に送信する(ステップS202)。
【0064】
次に、センターサーバ装置300は、端末装置10−1から受信した画像要求情報から効力情報を抽出し、当該効力情報をレコードとして効力情報データベース334に記憶させると共に、効力情報を含む画像生成情報を生成する(ステップS204)。次に、センターサーバ装置300は、生成した画像生成情報を、画像要求情報に対するレスポンスとして端末装置10−1に送信する(ステップS206)。
【0065】
次に、端末装置10−1は、センターサーバ装置300から受信した画像生成情報に基づいて、読取画像CDの画像(第1画像)を画面に表示する(ステップS208)。ここで、例えば端末装置10−1に不具合が生じたため、利用者は、利用する端末装置を端末装置10−1から端末装置10−2に変更したものとする。このような場合、端末装置10−1により受信された画像生成情報を、端末装置10−2に移管できなかったり、移管することが煩雑であったりする場合がある。以下の処理が行われることにより、端末装置10−2は、端末装置10−1により受信された画像生成情報を取得し、読取画像CDを画面に表示させることができる。
【0066】
次に、端末装置10−2は、乗車券購入アプリ31が起動されると入力画面を表示する(ステップS210)。次に、端末装置10−2は、入力画面に入力された乗車券の再発行の要求を示す情報を含む画像要求情報(第1画像要求情報)をセンターサーバ装置300に送信する(ステップS212)。例えば、利用者が、図3で示した入場用の乗車券の再発行を要求するためのボタンB2を押下(タップ)すると、端末装置10−2は、入場用の乗車券の再発行を要求する情報を含む画像要求情報を、センターサーバ装置300に送信する。
【0067】
次に、センターサーバ装置300は、端末装置10−2から受信した画像要求情報に基づいて、新たに画像生成情報を生成する(ステップS214)。次に、センターサーバ装置300は、生成した画像生成情報を、画像要求情報に対するレスポンスとして端末装置10−2に送信する(ステップS216)。なお、センターサーバ装置300は、新たに画像生成情報を生成せずに、ステップS204で生成した画像生成情報を援用してもよい。
【0068】
センターサーバ装置300は、乗車券の再発行を要求する情報を取得すると、効力情報データベース334に登録された、入力されたユーザIDに対応付けられ、且つ効力を有しているレコード(効力情報)を削除または無効化する。効力を有しているとは、入場駅に入場することができる効力を有していること、または出場駅から出場することができる効力を有していることである。
【0069】
例えば、利用者が、端末装置10に表示された読取画像CDの画像(第1画像)を自動改札機100に翳して入場駅から入場する前である場合、その読取画像CDの生成に用いられた画像生成情報に含まれる効力情報の効力は有効である。一方、利用者が、端末装置10に表示された読取画像CDの画像(第1画像)を自動改札機100に翳して入場駅から入場した場合、その読取画像CDの生成に用いられた画像生成情報に含まれる効力情報の効力は有効ではない。
【0070】
また、利用者が、端末装置10に表示された読取画像CDの画像(第2画像)を自動改札機100に翳して出場駅から出場する前である場合、その読取画像CDの生成に用いられた画像生成情報に含まれる効力情報の効力は有効である。一方、利用者が、端末装置10に表示された読取画像CDの画像(第2画像)を自動改札機100に翳して出場駅から出場した場合、その読取画像CDの生成に用いられた画像生成情報に含まれる効力情報の効力は有効ではない。
【0071】
図14は、効力情報データベース334において、レコードが削除または無効化される様子の一例を示す図である。例えば、センターサーバ装置300が取得したユーザIDが「C」である場合、センターサーバ装置300のアプリ連携処理部312は、効力情報データベース334からユーザID「C」に対応するレコードを削除または無効化する。なお、効力情報データベース334に登録された、入力されたユーザIDに対応付けられ、且つ効力を有しているレコード(効力情報)が複数存在する場合、全てのレコードを削除または無効化して、削除した情報に対応する効力情報を新たに生成してもよい。
【0072】
例えば、アプリ連携処理部312は、レコードを無効化する場合、無効化するレコードに対して、そのレコードが有効でないことを示す無効フラグを付与(或いは有効であることを示すフラグを削除)することで、そのレコードを以後、参照しないようにする。そして、アプリ連携処理部312は、所定の間隔で、無効フラグを付与したレコードを削除する。アプリ連携処理部312は、削除したレコードに付与された効力と同様の効力を示す効力情報を効力情報データベース334に登録し、登録した効力情報に基づいて、新たに画像生成情報を生成する。例えば、登録した効力情報の有効期間や、乗車駅ID等は、削除したレコードに付与されていた効力情報の有効期間や、乗車駅ID等と同じである。また、アプリ連携処理部312は、削除されたレコードの効力情報に付与されていたコードIDとは異なるコードIDを、登録した効力情報のコードIDとして付与する。
【0073】
このように、新たに画像生成情報が生成される場合、既に利用者に送信した画像生成情報に対応するレコードが削除されるため、既に送信済みの画像生成情報が利用されることを防止することができる。
【0074】
次に、端末装置10−2は、センターサーバ装置300から受信した画像生成情報に基づいて、読取画像CD−1(第1画像と同様の機能を有する画像の一例)を画面に表示する(ステップS218)。読取画像CD−1は、読取画像CDと同様の画像であってもよいし、読取画像とは異なる画像であってもよい。例えば、読取画像CD−1には、入場駅に入場するための読取画像が再発行されたものであることを示す情報がエンコードされていてもよい。
【0075】
これによって、利用者は、読取画像CD−1を表示した端末装置10を自動改札機100に翳すことで駅構内に入場することができる。ステップS220からステップS230の処理は、それぞれ図12のステップS110からステップS120の処理と同様であるため説明を省略する。なお、ステップS228において、センターサーバ装置300は、効力情報および入場情報を含む画像生成情報を端末装置10−2に送信する。これにより本処理の1ルーチンの処理が終了する。
【0076】
なお、本処理では、端末装置10−2がステップS210からステップS218の処理を実行するものとして説明したが、端末装置10−1がステップS210からステップS218の処理を実行してもよい。これにより、例えば、画像生成情報が、端末装置10−1において消去されてしまった場合であっても、端末装置10−1は、画像生成情報を再度、容易に取得することができる。
【0077】
上述した処理により、利用者は、利用する端末装置10を変更した場合であっても、変更前の端末装置10−1を用いて既に購入していた乗車券を、変更後の端末装置10−2を用いて容易に取得することができる。
【0078】
次に、利用者が、端末装置10−1を利用して乗車券を購入して入場駅の自動改札機100を通過した後であり、且つ出場駅の自動改札機100を通過する前に、利用する端末装置を端末装置10−2に変更した場合の処理について説明する。図15は、鉄道利用管理システム1の処理(その3)の流れの一例を示すシーケンス図である。なお、本シーケンスでは、自動改札機100とセンターサーバ装置300との通信を仲介する駅務サーバ装置200については説明を省略している。
【0079】
ステップS300からステップS320の処理は、それぞれ図12のステップS100からステップS120の処理と同様であるため、説明を省略する。
【0080】
ステップS320で、端末装置10−1が、センターサーバ装置300から効力情報および入場情報を含む画像生成情報を受信すると、当該画像生成情報に基づいて、読取画像CDの画像を生成して画面に表示する。この後、端末装置10−1に不具合等が生じ、読取画像CDを画面に表示できなくなったものとする。以下の処理が行われることにより、端末装置10−2は、端末装置10−1により受信された画像生成情報を取得し、読取画像CDを画面に表示させることができる。
【0081】
端末装置10−2は、乗車券購入アプリ31が起動されると入力画面を表示する(ステップS322)。次に、端末装置10−2は、入力画面に入力された乗車券の再発行の要求を示す情報を含む画像要求情報(第2画像要求情報)をセンターサーバ装置300に送信する(ステップS324)。例えば、利用者が、図3で示した出場用の乗車券の再発行を要求するためのボタンB2を押下(タップ)すると、端末装置10−2は、出場用の乗車券の再発行を要求する情報を含む画像要求情報を、センターサーバ装置300に送信する。
【0082】
次に、センターサーバ装置300は、端末装置10−2から受信した画像要求情報に基づいて、新たに画像生成情報を生成する(ステップS326)。次に、センターサーバ装置300は、生成した画像生成情報を、画像要求情報に対するレスポンスとして端末装置10−2に送信する(ステップS328)。
【0083】
センターサーバ装置300は、乗車券の再発行を要求する情報を取得すると、効力情報データベース334に登録された、入力されたユーザIDに対応付けられ、且つ効力を有しているレコード(効力情報)を削除または無効化する。
【0084】
アプリ連携処理部312は、削除または無効化したレコードに付与された効力と同様の効力を示す効力情報を効力情報データベース334に登録し、登録した効力情報に基づいて、新たに画像生成情報を生成する。また、アプリ連携処理部312は、削除または無効化されたレコードの効力情報に付与されていたコードIDとは異なるコードIDを、登録した効力情報のコードIDとして付与する。そして、アプリ連携処理部312は、入場情報データベース336において削除または無効化されたレコードの効力情報に付与していたコードIDと同様のコードIDを、登録した効力情報に対して付与したコードIDに置換する。これにより、新たに生成された効力情報と、削除または無効化された効力情報に対応付けられていた入場情報データベース336に含まれる情報とが互いに対応付けられる。
【0085】
次に、端末装置10−2は、センターサーバ装置300から受信した画像生成情報に基づいて、読取画像CD−2の画像(第2画像と同様の機能を有する画像の一例)を画面に表示する(ステップS330)。読取画像CD−2は、読取画像CDと同様の画像であってもよいし、読取画像とは異なる画像であってもよい。例えば、読取画像CD−2には、出場駅から出場するための読取画像が再発行されたものであることを示す情報がエンコードされていてもよい。これによって、利用者は、読取画像CDを表示した端末装置10を自動改札機100に翳すことで駅構外に出場することができる。ステップS332からステップS344の処理は、それぞれ図12のステップS122からステップS134の処理と同様であるため説明を省略する。これにより本処理の1ルーチンの処理が終了する。
【0086】
なお、本処理では、端末装置10−2がステップS322からステップS330の処理を実行するものとして説明したが、端末装置10−1がステップS322からステップS330の処理を実行してもよい。これにより、例えば、画像生成情報が、端末装置10−1において消去されてしまった場合であっても、端末装置10−1は、画像生成情報を容易に取得することができる。
【0087】
以下、鉄道利用管理システム1における個々の装置の処理について説明する。図16は、第1の実施形態における端末装置10による処理の流れの一例を示すフローチャートである。まず、端末装置10の乗車券購入処理部14は、乗車券購入アプリ31が起動されるまで休止状態であり(ステップS400)、ログイン情報が入力されて乗車券購入アプリ31が起動されると起動し、乗車券購入のための入力画面を表示して乗車券の再発行の要求を受け付けたか否かを判定する(ステップS402)。ここで、利用者により入力されるログイン情報は、最初に乗車券を購入する場合であっても、購入後に当該乗車券を再発行する場合であっても同じである。
【0088】
乗車券の再発行の要求を受け付けなかった場合、乗車券購入処理部14は、購入操作を受け付ける(ステップS404)。次に、乗車券購入処理部14は、端末側通信部13を用いて、入力された情報を含む画像要求情報をセンターサーバ装置300に送信する(ステップS406)。乗車券の再発行の要求を受け付けた場合、乗車券購入処理部14は、端末側通信部13を用いて、受け付けた乗車券の再発行の要求を示す情報をセンターサーバ装置300に送信する(ステップS408)。
【0089】
次に、乗車券購入処理部14は、端末側通信部13が1回目の画像生成情報、または再発行の要求に対する画像生成情報を受信するまで待機し(ステップS410)、画像生成情報が受信されると、タッチパネル部に入場用読取画像を表示させる(ステップS412)。1回目の画像生成情報に基づいて、表示された画像は、「第1画像」の一例であり、再発行の要求に対する画像生成情報に基づいて、表示された画像は、「第1画像と同様の機能を有する画像」の一例である。
【0090】
次に、乗車券購入処理部14は、端末側通信部13が2回目の画像生成情報を受信するまで待機し(ステップS414)、画像生成情報が受信されると、画像生成情報を画像にエンコードして出場用読取画像を生成し、当該出場用読取画像(第2画像)をタッチパネル部に表示させる(ステップS416)。なお、画像生成情報が出場用読取画像の画像データである場合、乗車券購入処理部14は、読取画像CDの生成処理を省略してよい。
【0091】
次に、乗車券購入処理部14は、ログイン情報が入力されて乗車券購入アプリ31が起動されると起動し、乗車券購入のための入力画面を表示して乗車券の再発行の要求を受け付けたか否かを判定する(ステップS418)。ここで、利用者により入力されるログイン情報は、最初に乗車券を購入する場合に入力されたログイン情報と同様である。
【0092】
乗車券の再発行の要求を受け付けた場合、乗車券購入処理部14は、端末側通信部13を用いて、出場用の乗車券の再発行の要求を示す情報をセンターサーバ装置300に送信する(ステップS420)。次に、乗車券購入処理部14は、端末側通信部13が再発行の要求に対する画像生成情報を受信するまで待機し(ステップS422)、画像生成情報が受信されると、タッチパネル部に出場用読取画像(第2画像と同様の機能を有する画像の一例)を表示させ(ステップS424)、ステップS426の処理に進む。
【0093】
乗車券の再発行の要求を受け付けなかった場合、乗車券購入処理部14は、端末側通信部13が出場情報および運賃情報を受信するまで待機し(ステップS426)、これらの情報が受信されると、タッチパネル部に乗車が完了したことを画像や文字で表示させると共に、乗車利用に要した運賃を表示する(ステップS428)。これによって、本フローチャートの処理が終了する。
【0094】
図17は、第1の実施形態における自動改札機100による処理の流れの一例を示すフローチャートである。まず、画像処理部154は、読取部111(131)に読取画像CDが翳されるまで待機し(ステップS500)、読取画像CDが翳されると、読取部111(131)のカメラCAMにより撮像された画像から読取画像CDを抽出し、抽出した読取画像CDをデコードして、読取画像CDに含まれる情報を取得する(ステップS502)。
【0095】
次に、通過可否判定部156は、画像処理部154により取得された情報に入場情報が含まれているか否かを判定する(ステップS504)。通過可否判定部156は、入場情報が含まれていない場合、翳された読取画像CDが入場用読取画像であると判定する。一方、通過可否判定部156は、入場情報が含まれている場合、翳された読取画像CDが出場用読取画像であると判定する。
【0096】
次に、通過可否判定部156は、通過可否の判定を行う(ステップS506)。例えば、翳された読取画像CDが入場用読取画像である場合、通過可否判定部156は、効力情報に含まれる入場駅の識別情報と、自機が設けられた駅の識別情報とが合致し、さらに、入場時刻が効力情報の示す有効期間内である場合には、利用者の入場を許可し、他の場合には入場を禁止する。
【0097】
また、翳された読取画像CDが出場用読取画像である場合、通過可否判定部156は、効力情報に含まれる出場駅の識別情報と、自機が設けられた駅の識別情報とが合致し、さらに、出場時刻が効力情報の示す有効期間内である場合には、利用者の出場を許可し、他の場合には出場を禁止する。
【0098】
また、通過可否判定部156は、出場時に翳された読取画像CDから入場情報を取得できない場合、すなわち駅構内側の読取部に本来翳されるべき出場用読取画像ではなく入場用読取画像が翳された場合、出場を禁止する。なお、通過可否判定部156は、効力情報に含まれる入場駅または出場駅の識別情報と自駅の識別情報とが合致しなくても入場また出場を許可してもよい。例えば、通過可否判定部156は、運賃テーブル172を参照して、入場駅から出場駅までの利用区間内における経由駅の識別情報と自駅の識別情報とが合致する場合、すなわち、利用者が購入時に指定した入場駅と異なる経由駅から乗車しようとする場合は入場を許可すると共に、購入時に指定した出場駅と異なる経由駅から降車しようとする場合は出場を許可してよい。この場合、センターサーバ装置300における決済処理部314は、入場情報に含まれる入場駅の識別情報と、出場情報に含まれる出場駅の識別情報とに基づいて運賃を算出するため、購入時に入力した区間に対応した本来の運賃を請求せずに、実際に利用した区間での運賃を請求することができ、利用者にとっての利便性を向上させることができる。
【0099】
次に、通過制御部158は、通過可否判定部156により通過を禁止された場合、扉部114、115、134、135、スピーカ140、上面表示部112、132、正面表示部113、133、タッチ面表示部PNを制御して、利用者の通過を防ぐ(ステップS508)。一方、通過制御部158は、通過可否判定部156により通過を許可された場合、扉部114、115、134、135、スピーカ140、上面表示部112、132、正面表示部113、133、タッチ面表示部PNを制御して、利用者を通過させる(ステップS510)。
【0100】
次に、通信制御部152は、改札機側通信部145を用いて、画像処理部154により取得された情報と、自機が設置された駅の識別情報および読取画像CDが翳された時刻を含む情報(入場情報または出場情報)とをセンターサーバ装置300に送信する(ステップS512)。これによって、本フローチャートの処理が終了する。
【0101】
図18は、第1の実施形態におけるセンターサーバ装置300による処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【0102】
まず、アプリ連携処理部312は、端末装置10−1からユーザIDおよびパスワードを受信するまで待機する(ステップS600)。次に、アプリ連携処理部312が、端末装置10−1からユーザIDおよびパスワードを受信すると、受信したユーザIDが、決済用情報データベース332に登録されたユーザIDと一致し、且つ受信したパスワードが、決済用情報データベース332に登録されたユーザIDに対応付けられたパスワードと一致するか否かを判定する(ステップS602)。
【0103】
ユーザIDおよびパスワードのうち一方または双方が一致しない場合、アプリ連携処理部312は、ユーザIDおよびパスワードのうち一方または双方が一致しないことを示す情報を端末装置10−1に送信し(ステップS604)、本フローチャートの処理は終了する。
【0104】
ユーザIDおよびパスワードのうち双方が一致する場合、アプリ連携処理部312は、サーバ側通信部305が端末装置10から乗車券の再発行の要求を示す情報を受信したか否かを判定する(ステップS606)。乗車券の再発行の要求を示す情報を受信していない場合、アプリ連携処理部312は、サーバ側通信部305が端末装置10から画像要求情報を受信したか否かを判定する(ステップS608)。端末装置10から画像要求情報を受信した場合、アプリ連携処理部312は、画像要求情報に含まれる情報から効力情報を抽出し、抽出した効力情報を用いて入場用読取画像を生成するための画像生成情報を生成し、当該画像生成情報を端末装置10に送信する(ステップS610)。
【0105】
乗車券の再発行の要求を示す情報を受信した場合は、アプリ連携処理部312は、乗車券の再発行の要求を示す情報に対応する画像生成情報を生成し、生成した画像生成情報を端末装置10に送信する(ステップS610)。例えば、入場用の乗車券の再発行の要求を示す情報を受信した場合は、アプリ連携処理部312は、入場用の画像を端末装置10に表示させるための画像生成情報を端末装置10に送信する。例えば、出場用の乗車券の再発行の要求を示す情報を受信した場合は、アプリ連携処理部312は、出場用の画像を端末装置10に表示させるための画像生成情報を端末装置10に送信する。
【0106】
端末装置10から画像要求情報を受信しない場合、アプリ連携処理部312は、サーバ側通信部305が自動改札機100から情報を受信したか否かを判定する(ステップS612)。自動改札機100から情報を受信しない場合、本フローチャートの処理は終了する。
【0107】
一方、自動改札機100から情報を受信した場合、アプリ連携処理部312は、当該情報に出場情報が含まれているか否かを判定する(ステップS614)。アプリ連携処理部312は、出場情報が含まれていない場合、効力情報および入場情報を用いて出場用読取画像を生成するための画像生成情報を生成し、当該画像生成情報を端末装置10に送信する(ステップS616)。
【0108】
一方、決済処理部314は、出場情報が含まれている場合、入場情報に含まれる入場駅の識別情報と、出場情報に含まれる識別情報とに基づいて、利用区間の運賃を算出する(ステップS618)。なお、決済処理部314は、効力情報が示す利用区間の運賃を算出してもよい。この場合、決済処理部314は、端末装置10から画像要求情報を受信した時点で効力情報を参照し、利用区間の運賃を算出してもよい。
【0109】
次に、アプリ連携処理部312は、サーバ側通信部305を用いて、出場情報および運賃情報を端末装置10に送信する(ステップS620)。これによって、本フローチャートの処理が終了する。
【0110】
上述した処理では、入場用または出場用の乗車券の再発行の要求を示す情報が端末装置10から送信されるものとして説明したが、端末装置10は、入場用の乗車券の再発行の要求であるか、出場用の乗車券の再発行の要求であるかを区別しない要求をセンターサーバ装置300に送信してもよい。この場合、センターサーバ装置300は、受信した乗車券の再発行の要求を取得すると、入場情報データベース336を参照し、入場用の画像、または出場用の画像を端末装置10に表示させるための画像生成情報を端末装置10に送信する。例えば、センターサーバ装置300は、入場情報データベース336に入場時刻や、入場駅の識別情報、入出場コードといった情報が対応付けられていない場合、入場用の画像を端末装置に表示させるための画像生成情報を端末装置10に送信する。例えば、センターサーバ装置300は、入場情報データベース336に入場時刻や、入場駅の識別情報、入出場コードといった情報が対応付けられている場合、出場用の画像を端末装置10に表示させるための画像生成情報を端末装置10に送信する。
【0111】
また、上述した実施形態では、同じ読取画像CDが重複して利用される場合が想定される。例えば、いずれかの読取画像CDが表示された端末装置10において、スクリーンキャプチャなどの機能によって読取画像CDがコピーされたり、読取画像CDが表示された画面がカメラなどで撮像されたりすることで、第三者によって不正に読取画像CDが利用される可能性がある。例えば、決済処理部314は、出場情報が出場情報データベース338に登録される際に、入場情報データベース336に1レコードしかないにも関わらず出場情報データベース338に複数レコードが登録されたコードIDが存在する場合、一つの入場情報と、複数の出場情報のそれぞれとの組み合わせの全てに対して運賃を算出し、請求するものとしてよい。これによって、購入者のコピーによる不正利用によって被る損害を防止することができる。
【0112】
[駅務装置による処理]
以下、利用者が駅構内に入場した後に、端末装置10に不具合が生じて、出場用読取画像を表示部12に表示させることができなくなった場合の処理について説明する。なお、本フローチャートでは、自動改札機100とセンターサーバ装置300との通信、駅務装置250とセンターサーバ装置300との通信を仲介する駅務サーバ装置200については説明を省略している。
【0113】
本処理では、端末装置10は、センターサーバ装置300から効力情報および入場情報を含む画像生成情報を受信し、当該画像生成情報に基づいて、読取画像CDの画像を生成して画面に表示した後に(ステップS120)、端末装置10に不具合が生じ、読取画像CDを表示部12に表示できなくなったものとする。
【0114】
この場合、利用者は、駅係員に精算処理を依頼する。例えば、利用者は、自動改札機100付近に設けられた駅係員が待機している窓口において、端末装置10に不具合が生じたことを駅係員に伝える。駅係員は、駅務装置250を操作することにより、精算処理を行う。
【0115】
図19は、駅務装置250およびセンターサーバ装置300により実行される処理の流れの一例を示すフローチャートである。まず、駅務装置250は、駅係員によりユーザIDおよびパスワードが操作部に対して入力されるまで待機する(ステップS700)。例えば、駅係員は、利用者からユーザIDおよびパスワードを聞き出し、聞き出したユーザIDおよびパスワードを、操作部に対して入力する。駅務装置250に入力されたユーザIDおよびパスワードは、センターサーバ装置300に送信される。
【0116】
センターサーバ装置300が、駅務装置250に入力されたユーザIDおよびパスワードを受信すると、受信したユーザIDが、決済用情報データベース332に登録されたユーザIDと一致し、且つ受信したパスワードが、一致したユーザIDに対応付けられたパスワードと一致するか否かを判定する(ステップS702)。ユーザIDおよびパスワードのうち一方または双方が一致しない場合、本フローチャートの処理は終了する。
【0117】
ユーザIDおよびパスワードの双方が一致する場合、センターサーバ装置300は、ユーザIDに対応付けられた情報を駅務装置250に送信する(ステップS704)。ユーザIDに対応付けられた情報は、駅係員が乗車券について精算処理する際に参照する情報であって、決済用情報データベース332、効力情報データベース334、および入場情報データベース336に含まれる情報において、ユーザID(またはコードID)に対応付けられた情報のうち一部または全部である。
【0118】
ユーザIDに対応付けられた情報を受信すると、駅務装置250は、所定の処理を実行する(ステップS706)。所定の処理は、駅務装置250が、駅係員の操作に基づいて、精算処理を実行することである。例えば、駅係員は、例えば、利用者からクレジット決済するためのクレジットカード、またはデビッド決済するためのデビッドカードを預かり、預かったカードを用いて精算処理を行う。また、駅係員は、利用者から現金を受領し、受領した現金によって精算処理を行ってもよい。駅務装置250は、精算処理の結果をセンターサーバ装置300に送信する。
【0119】
精算処理の結果を取得すると、駅務装置250は、精算処理された時刻、および出場駅の識別情報、入出場コードをユーザIDに対応するコードIDに対応付けて登録する(ステップS708)。これにより本フローチャートの処理は終了する。
【0120】
なお、ユーザIDおよびパスワードのうち一方または双方が一致しない場合、例えば、駅係員が、利用者の氏名や、住所等を聞き出し、聞き出した情報に基づいて、センターサーバ装置300を管理する管理者に、利用者のユーザIDおよびパスワードについて問い合わせをしてもよい。問い合わせは、ネットワークNWを介して、行われてもよいし、電話により行われてもよい。駅係員は、問い合わせによって取得した利用者のユーザIDおよびパスワードを操作部に再入力して、ユーザIDに対応付けられた情報を取得し、取得した情報に基づいて精算処理を行う。駅務装置250は、精算処理の結果をセンターサーバ装置300に送信する。
【0121】
上述した処理によって、鉄道利用管理システム1は、端末装置10に不具合が生じた場合であっても、利用者の利用履歴に基づいた精算処理を行うことができる。この結果、利用者にとっての利便性を向上させることができる。
【0122】
なお、上述した処理では、利用者が駅構内に入場した後に、端末装置10に不具合が生じた場合に、駅務装置250によって、精算処理がされるものとして説明したが、これに限られない。例えば、上述した処理は、利用者が駅構内に入場する前に行われてもよい。利用者が駅構内に入場する前に、例えば駅係員は、駅務装置250を操作して、利用者が端末装置10を操作して購入した乗車券をキャンセルする処理を行ってもよい。この場合、駅係員は、駅務装置250を操作して、ユーザIDと、パスワードと、購入済みであり且つ未使用の乗車券をキャンセルすることとを指示する情報をセンターサーバ装置300に送信する。センターサーバ装置300は、駅務装置250から取得した情報に基づいて、キャンセル対象の乗車券に対応するレコード(効力情報)を、効力情報データベース334から削除または無効化する。
【0123】
以上説明した第1の実施形態によれば、センターサーバ装置300は、端末装置10または自動改札機100と通信するサーバ側通信部305と、サーバ側通信部305により端末装置10からログイン情報を受け付けた場合、サーバ側通信部305により端末装置から受信された第1画像要求情報に基づいて、端末装置10の利用者が駅構内に入場するための入場用情報を含む第1画像を端末装置に表示させるための情報を生成し、サーバ側通信部305を用いて、生成した情報を端末装置10に送信し、サーバ側通信部305により自動改札機100から受信された第2画像要求情報に基づいて、端末装置の利用者が駅構外に出場するための出場用情報を含む第2画像を端末装置10に表示させるための情報を生成し、サーバ側通信部305を用いて、生成した情報を端末装置に送信し、第1画像を端末装置10に表示させるための情報を生成して端末装置10に送信してから、第2画像を表示した端末装置10が自動改札機100に翳されるまでの間に、第1画像を端末装置10に表示させるための情報を生成する基となったログイン情報と同じログイン情報を、サーバ側通信部305により端末装置10から受け付けた場合、第1画像または第2画像と同様に機能する画像を端末装置10に表示させるための情報を、サーバ側通信部305を用いて端末装置10に送信するアプリ連携処理部312とを持つことにより、利用者にとっての利便性を向上させることができる。
【0124】
また、上述した第1の実施形態によれば、利用者が保有する端末装置10に読取画像CDを表示させることで端末装置10を乗車券の媒体として利用するため、紙券やICカードなどの発行に係る負担、および資源の消費量を低減することができる。一般的に、ICカードや磁気券を発行した場合、ICカードの返却や磁気券の払い戻しがなされると、駅務の負担が増加したり、ICカードや磁気券の破棄に係る費用が増加したりする問題があった。また、紙の原料となる樹木、ICチップの電子部品、プラスチックの原料となる石油などの資源を消費してしまうという問題もあった。これに対して、本実施形態では、利用者が保有する端末装置10を媒体として利用するため、種々の運用コストを低減させることができる。
【0125】
また、上述した第1の実施形態によれば、センターサーバ装置300を経由して端末装置10に入出場情報が送信されるため、入出場情報を自動改札機100に配信する必要がなくなる。例えば、出場用読取画像の元となる画像生成情報内に入場情報を含めない場合、端末装置10を保有する利用者の入場管理は、センターサーバ装置300側で行う必要がある。この場合、例えば、センターサーバ装置300により管理される入場情報データベース336を各駅の自動改札機100に配信することで、自動改札機100側で入場が済んだ端末装置10と、そうでない端末装置10とを選り分け通過可否の判定を行うことが考えられる。このように、複数の自動改札機100に入場情報データベース336を配信した場合、自動改札機100およびセンターサーバ装置300の通信負荷が増大したり、自動改札機100側で大容量の記憶媒体を備えている必要が生じたりする場合がある。これに対して、本実施形態では、端末装置10が、効力情報と入場情報とを含む画像生成情報に基づいて出場用読取画像を表示するため、自動改札機100は、出場処理時に出場用読取画像から読み取った効力情報と入場情報のみで通過可否の判定を行うことができる。この結果、自動改札機100の構成を簡素なものとすることができ、自動改札機100とセンターサーバ装置300との間の通信負荷を低減することができる。
【0126】
また、上述した第1の実施形態によれば、端末装置10にインストールされた乗車券購入アプリ31を用いて乗車券を購入すると端末装置10が乗車券の媒体として扱われることになるため、利用者にとっての利便性を向上させると共に、発券機前で生じる待ち行列などの発生を抑制し、駅の混雑を解消することができる。
【0127】
(第1の実施形態の変形例)
以下、第1の実施形態の変形例について説明する。上述した第1の実施形態では、自動改札機100が利用者の通過可否の判定を行うものとして説明したが、係る判定をセンターサーバ装置300が行ってもよい。すなわち、通過可否判定部156は、センターサーバ装置300が有する構成であってもよい。この場合、自動改札機100は、読取画像CDから読み取った各種情報(入場情報、出場情報として例示したもののうち一部または全部)をセンターサーバ装置300に送信する。センターサーバ装置300における通過可否判定部は、サーバ側通信部305を用いて、自動改札機100により送信された情報を受信し、自動改札機100に端末装置10を翳した利用者の通過可否を判定する。センターサーバ装置300における通過可否判定部は、サーバ側通信部305を用いて、判定結果を自動改札機100に送信する。そして、自動改札機100における通過制御部158は、センターサーバ装置300により送信された通過可否の判定結果に応じて、利用者の通過を制御する。
【0128】
また、上述した第1の実施形態では、端末装置10において起動された乗車券購入アプリ31の機能によって読取画像CDを表示するものとして説明したがこれに限られない。例えば、読取画像CDは、端末装置10のウェブブラウザによって表示されたウェブページ上に表示されてもよい。この場合、センターサーバ装置300は、ウェブサーバとして機能するものであってよい。例えば、端末装置10は、読取画像CDが画像として表示されるウェブページへアクセスするために、HTTP(Hypertext Transfer Protocol)リクエストをセンターサーバ装置300に送信する。そして、端末装置10は、センターサーバ装置300から返信されたHTTPレスポンスに基づいてウェブページをタッチパネル部に表示させる。HTTPレスポンスとして送信されるデータには、少なくとも読取画像CDの画像データが含まれる。この結果、端末装置10は、画像データに基づいて読取画像CDを表示することになる。なお、読取画像CDを含むウェブページは、パスワード入力などによるユーザ認証が得られたことを条件に、端末装置10に返信される。
【0129】
また、上述した第1の実施形態では、駅務サーバ装置200は、単に自動改札機100とセンターサーバ装置300との通信を中継するものとして説明したがこれに限られない。例えば、駅務サーバ装置200には、センターサーバ装置300の構成要素の一部または全部が備えられていてもよい。
【0130】
(第2の実施形態)
以下、第2の実施形態における鉄道利用管理システム1Aについて説明する。第2の実施形態における鉄道利用管理システム1Aでは、電子マネーやクレジット決済を利用することを前提に、読取画像CDに効力情報の一部を含めない点で、第1の実施形態と相違する。すなわち、本実施形態における入場用読取画像の画像生成情報には、コードIDが含まれるものの、有効期間、入場駅(発駅)の識別情報、乗車可能区間などは省略されてよい。以下では、係る相違点を中心に説明し、共通する部分についての説明は省略する。
【0131】
図20は、乗車券購入アプリ31が起動された際に、端末装置10のタッチパネル部に乗車券購入のための入力画面が表示された様子の他の例を示す図である。この入力画面は、予めユーザ登録をしておき、例えばユーザIDやパスワードを入力してログインした後に、所定の操作をすることで表示される。本実施形態における入力画面では、乗車区間や乗車日などを入力する領域が省略され、日本語や英語といった言語を設定する領域A1、および乗車券の発行要求を確定するためのボタンB1が設けられる。例えば、入力画面において、乗車券の発行を確定する入力(図中YES)が操作された場合、端末装置10の端末側通信部13は、センターサーバ装置300に画像要求情報を送信し、センターサーバ装置300から画像要求情報に対応したレスポンスとしてコードIDを含む画像生成情報を受信する。乗車券購入処理部14は、画像生成情報に含まれるコードIDを画像にエンコードして入場用読取画像を生成し、タッチパネル部に表示させる。なお、コードIDは、乗車券購入アプリ31のインストールなどのタイミングで予め端末側記憶部30に記憶されていてもよい。この場合、乗車券購入処理部14は、予め端末側記憶部30に記憶させておいたコードIDを読み出して、当該コードIDを画像にエンコードすることで入場用読取画像をタッチパネル部に表示させる。また、コードIDを含む画像生成情報は、既に画像にエンコードされた画像データであってもよい。このような処理によって、端末装置10の画面には、効力情報の一部情報であるコードIDのみが含まれた入場用読取画像が表示されることになる。
【0132】
図21は、第2の実施形態における自動改札機100Aによる処理の流れの一例を示すフローチャートである。自動改札機100Aの画像処理部154は、読取部111(131)に読取画像CDが翳されるまで待機し(ステップS800)、読取画像CDが翳されると、読取部111(131)のカメラCAMにより撮像された画像から読取画像CDを抽出し、抽出した読取画像CDをデコードして、読取画像CDに含まれる情報を取得する(ステップS802)。
【0133】
次に、通過可否判定部156は、画像処理部154により取得された情報にコードIDと入場情報が含まれているか否かを判定する(ステップS804)。通過可否判定部156は、コードIDのみが含まれている場合、現在行っている処理が利用者の入場を管理する処理(入場処理)であるか否かを判定する(ステップS806)。
【0134】
現在行っている処理が入場処理である場合、通過可否判定部156は、利用者の通過を許可する。これを受けて、通過制御部158は、扉部114、115、134、135、スピーカ140、上面表示部112、132、正面表示部113、133、タッチ面表示部PNを制御して、利用者を通過させる(ステップS808)。そして、通信制御部152は、改札機側通信部145を用いて、画像処理部154により取得されたコードIDと、自機が設置された駅の識別情報および読取画像CDが翳された時刻を含む入場情報とをセンターサーバ装置300に送信する(ステップS810)。
【0135】
一方、通過可否判定部156は、画像処理部154により取得された情報にコードIDのみが含まれており、且つ現在行っている処理が入場処理でない場合、利用者の通過を禁止する。すなわち、通過可否判定部156は、出場処理中に誤って入場用読取画像が翳されたものと判定する。これを受けて、通過制御部158は、扉部114、115、134、135、スピーカ140、上面表示部112、132、正面表示部113、133、タッチ面表示部PNを制御して、利用者の通過を防ぐ(ステップS812)。
【0136】
一方、通過可否判定部156は、画像処理部154により取得された情報にコードIDおよび入場情報の双方が含まれている場合、現在行っている処理が利用者の出場を管理する処理(出場処理)であるか否かを判定する(ステップS814)。
【0137】
現在行っている処理が出場処理である場合、通過可否判定部156は、利用者の通過を許可する。これを受けて、通過制御部158は、S808の処理を行い、利用者を通過させる。そして、通信制御部152は、S810の処理として、改札機側通信部145を用いて、画像処理部154により取得されたコードIDおよび入場情報と、自機が設置された駅の識別情報および読取画像CDが翳された時刻を含む出場情報とをセンターサーバ装置300に送信する。これによって、センターサーバ装置300における決済処理部314は、入場情報に含まれる入場駅の識別情報と、出場情報に含まれる出場駅の識別情報とに基づいて運賃を算出することで、利用者が実際に利用した区間での運賃を請求する。
【0138】
一方、通過可否判定部156は、画像処理部154により取得された情報にコードIDおよび入場情報の双方が含まれており、且つ現在行っている処理が出場処理でない場合、利用者の通過を禁止する。すなわち、通過可否判定部156は、入場処理中に誤って出場用読取画像が翳されたものと判定する。これを受けて、通過制御部158は、S812の処理を行って、利用者の通過を防ぐ。これによって、本フローチャートの処理が終了する。
【0139】
なお、第2の実施形態における鉄道利用管理システム1Aは、第1の実施形態における鉄道利用管理システム1の処理と同様の処理を実行してもよい。例えば、利用者が端末装置10に表示された読取画像CDの画像(第1画像)を入場駅に設けられた自動改札機100に翳す前に、端末装置10に不具合が生じた場合、センターサー装置300は、上記端末装置10とは異なる端末装置10から送信された利用者の乗車券の再発行の要求を示す情報に基づいて、入場駅から駅構内に入場するための乗車券として機能する読取画像CD−1の画像を再発行してもよい。例えば、利用者が、入場駅に設けられた自動改札機100を通過した後であり、且つ端末装置10に表示された読取画像CDの画像(第2画像)を出場駅に設けられた自動改札機100に翳す前に、端末装置10に不具合が生じた場合、センターサー装置300は、上記端末装置10とは異なる端末装置10から送信された利用者の乗車券の再発行の要求を示す情報に基づいて、駅構外から出場するための乗車券として機能する読取画像CD−2の画像を再発行してもよい。
【0140】
以上説明した第2の実施形態によれば、乗車券購入アプリ31の入力画面において、読取画像CDの表示に最小限必要な入力項目を入力するための領域のみが設けられ、読取画像CDに含まれる情報から利用者が実際に利用した乗車区間に係る運賃が算出されるため、利用者が事前に乗車区間ごとの運賃を把握しなくとも鉄道を利用することができる。この結果、さらに利用者にとっての利便性を向上させることができる。
【0141】
(第2の実施形態の変形例)
以下、第2の実施形態の変形例について説明する。第2の実施形態の変形例では、第1の実施形態の変形例と同様に、センターサーバ装置300が利用者の通過可否の判定を行ってもよい。この場合、センターサーバ装置300は、通過可否判定部を有する。センターサーバ装置300における通過可否判定部は、図20のフローチャートにおいて、画像処理(S802)の結果を自動改札機100Aから受信して、S806、S814の処理を行う。この際、センターサーバ装置300における通過可否判定部は、S806とS808との間に、利用制限に抵触するか否かを判定してもよい。利用制限とは、予めチャージされた電子マネーの範囲内であること、クレジットカードの限度額以内であることなどである。例えば、駅の窓口などにおいて事前に電子マネーのチャージ額や、クレジットカードの限度額を申請することで、決済用情報データベース332には、ユーザIDに対して、電子マネーのチャージ額やクレジットカードの限度額などが対応付けられる。
【0142】
センターサーバ装置300における通過可否判定部は、S806の判定において肯定的な判定結果(YES判定)を得た場合、決済用情報データベース332を参照して、最低料金(例えば一駅分の運賃)分の金額が電子マネーとしてチャージされているか否か、或いは最低料金分の金額を課金した場合にクレジットカードの限度額を超えるか否かを判定する。センターサーバ装置300における通過可否判定部は、電子マネーのチャージ額が最低料金未満の場合、または最低料金分の金額を課金した場合にクレジットカードの限度額を超える場合には通過を禁止し、他の場合には通過を許可する。
【0143】
また、センターサーバ装置300における通過可否判定部は、S814の判定において肯定的な判定結果(YES判定)を得た場合、入場駅から出場駅までの利用区間に係る運賃分の金額が電子マネーとしてチャージされているか否か、或いは運賃分の金額を課金した場合にクレジットカードの限度額を超えるか否かを判定する。センターサーバ装置300における通過可否判定部は、電子マネーのチャージ額が運賃未満の場合、または運賃分の金額を課金した場合にクレジットカードの限度額を超える場合には通過を禁止し、他の場合には通過を許可する。
【0144】
以上説明した少なくとも一つの実施形態によれば、センターサーバ装置300は、端末装置10または自動改札機100と通信するサーバ側通信部305と、サーバ側通信部305により端末装置10からログイン情報を受け付けた場合、サーバ側通信部305により端末装置から受信された第1画像要求情報に基づいて、端末装置10の利用者が駅構内に入場するための入場用情報を含む第1画像を端末装置に表示させるための情報を生成し、サーバ側通信部305を用いて、生成した情報を端末装置10に送信し、サーバ側通信部305により自動改札機100から受信された第2画像要求情報に基づいて、端末装置の利用者が駅構外に出場するための出場用情報を含む第2画像を端末装置10に表示させるための情報を生成し、サーバ側通信部305を用いて、生成した情報を端末装置に送信し、第1画像を端末装置10に表示させるための情報を生成して端末装置10に送信してから、第2画像を表示した端末装置10が自動改札機100に翳されるまでの間に、第1画像を端末装置10に表示させるための情報を生成する基となったログイン情報と同じログイン情報を、サーバ側通信部305により端末装置10から受け付けた場合、第1画像または第2画像と同様に機能する画像を端末装置10に表示させるための情報を、サーバ側通信部305を用いて端末装置10に送信するアプリ連携処理部312とを持つことにより、利用者にとっての利便性を向上させることができる。
【0145】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0146】
1…鉄道利用管理システム、10…端末装置、100…自動改札機、200…駅務サーバ装置、300…センターサーバ装置、305…サーバ側通信部、310…サーバ側制御部、312…アプリ連携処理部
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