(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記制御部は、前記検出可能位置が、前記排出位置に前記コンベア上の物品の高さを加算した高さである基準位置よりも高い場合に、前記アームを前記検出可能位置に向けて下降させながら、前記コンベアを前記排出位置まで下降させる、
請求項1に記載の搬送装置。
前記制御部は、前記検出可能位置が、前記排出位置に前記コンベア上の物品の高さを加算した高さである基準位置よりも低い場合に、前記アームを前記検出可能位置に向けて下降させながら、前記コンベアを前記排出位置よりも低い位置まで下降させ、前記検出部により次の搬送対象とする物品の位置を検出した場合に、前記コンベアを前記排出位置まで上昇させる、
請求項1または2に記載の搬送装置。
前記検出部は、次の搬送対象とする物品の位置が検出可能な鉛直方向における第1位置と、鉛直方向において前記第1位置よりも高い第2位置との間で位置が切替可能であり、
前記制御部は、前記検出可能位置が前記排出位置に前記コンベア上の前記物品の高さを加算した高さである基準位置よりも低い場合において、前記検出可能位置と前記基準位置との差が前記第1位置と前記第2位置との差よりも小さい場合に、前記検出部の位置を前記第2位置に切り替え、前記アームを前記検出可能位置に向けて移動させながら前記コンベアを前記排出位置まで移動させる、
請求項5に記載の搬送装置。
前記制御部は、前記検出可能位置が前記排出位置に前記コンベア上の前記物品の高さを加算した高さである基準位置よりも低い場合において、前記検出可能位置と前記基準位置との差が前記第1位置と前記第2位置との差よりも小さくない場合に、前記アームを前記検出可能位置に向けて移動させずに前記コンベアを前記排出位置まで移動させて前記コンベア上の物品を排出させた後に前記アームを前記検出可能位置まで移動させる、
請求項6に記載の搬送装置。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、実施形態の搬送装置、搬送方法、およびプログラムを、図面を参照して説明する。
【0008】
(第1の実施形態)
以下、第1の実施形態について説明する。
図1は、第1の実施形態の搬送装置1の構成図である。
図1中の(a)は、搬送装置1の平面図である。
図1中の(b)は、搬送装置1の側面図である。
図1に示すように、搬送装置1は、例えば自動荷下ろし装置である。搬送装置1は、第1載置部(第1積載部)に置かれた物品(搬送対象物、保持対象物)Mを取り出し、第2載置部(第2積載部)に移動させる。搬送装置1は、「荷役装置」と称されてもよい。ただし、搬送装置1が搬送する物品Mは、梱包された荷物に限定されず、製造ラインにおける部品などでもよい。本実施形態の搬送装置1、搬送方法およびプログラムは、物流の自動投入装置や工場の物品供給装置などに幅広く適用可能である。
【0009】
本実施形態では、上記第1載置部は、ボックスパレット3である。ボックスパレット3は、例えば車輪を有するロールボックスパレット(RBP)である。一方で、上記第2載置部は、ベルトコンベア4である。搬送装置1およびベルトコンベア4は、床面に固定される。ただし、搬送装置1は、車輪またはレールなどによって移動可能でもよい。なお、上記第1載置部および上記第2載置部の各々は、上記例に限らず、例えば、ベルトコンベア、台車、パレット、作業台などのいずれかであってもよい。また以下では、説明の便宜上、ベルトコンベア4を「投入コンベア4」と称する。
【0010】
ここで、説明の便宜上、+X方向、−X方向、Y方向、およびZ方向について定義する。+X方向、−X方向、およびY方向は、例えば略水平面に沿う方向である。+X方向は、搬送装置1からボックスパレット3に向かう方向である。−X方向は、+X方向の反対方向である。Y方向は、+X方向とは交差する方向(例えば略直交する方向)であり、例えば物品Mの幅方向である。Z方向は、+X方向およびY方向とは交差する方向(例えば略直交する方向)であり、例えば略鉛直下向きの方向である。以下の説明における「上流」および「下流」とは、物品Mの搬送方向における「上流」および「下流」を意味する。
【0011】
図1に示すように、搬送装置1は、基台11、アーム12、保持部13、第1コンベア14、第2コンベア15、物品検出部16、および制御部17を有する。
【0012】
基台(本体フレーム)11は、床面に設置される。基台11は、Z方向に沿って延びた複数の支柱21を含む。支柱21は、例えば枠状に形成されている。複数の支柱21は、一対の第1支柱21aと、一対の第2支柱21bとを含む。一対の第1支柱21aは、第1コンベア14のY方向の両側に分かれて配置されている。一対の第2支柱21bは、第2コンベア15のY方向の両側に分かれて配置されている。
【0013】
アーム12は、例えば直交ロボットアームであり、多関節アームの一例である。アーム12は、基台11に接続されている。例えば、アーム12は、第1部材12a、第2部材12b、および第3部材12cを含む。第1部材12aは、基台11に設けられたガイドに案内されて、Z方向に沿って移動可能(昇降可能)である。第2部材12bは、第1部材12aに支持および案内されて、Y方向に沿って移動可能である。第3部材12cは、第2部材12bに支持および案内されて、+X方向および−X方向に移動可能である。アーム12の先端部には、後述する保持部13が取り付けられる。アーム12は、+X方向(−X方向)、Y方向、およびZ方向の所望の位置に、保持部13を移動させる。
【0014】
図2は、第1の実施形態のアーム12、保持部13、および制御部17の一例を示す側面図である。保持部13は、物品Mを保持可能なエンドエフェクタである。保持部13の一例は、真空ポンプに連結された複数の吸盤13aと、吸盤13aの吸引動作を制御する電磁弁とを有する。保持部13は、物品Mに接した吸盤13aが真空吸引されることで、物品Mを保持する(把持する)。なお、保持部13は、吸引に限らず、物品Mを挟持することで物品を保持するものでもよい。
【0015】
保持部13は、アーム12によってボックスパレット3に向けて移動され、ボックスパレット3に置かれた物品Mを保持する。また、保持部13は、アーム12によって移動されることで、保持した物品Mを第1コンベア14まで運ぶ。保持部13は、物品Mを第1コンベア14に移動させた状態で、物品Mに対する保持を解除する。これにより、搬送装置1は、ボックスパレット3に置かれた物品Mを第1コンベア14に移動させる。なお、保持部13は、複数の物品Mを同時に保持可能でもよい。すなわち、保持部13は、複数の物品Mを同時に保持し、ボックスパレット3から第1コンベア14に複数の物品Mを一度に運んでもよい。
【0016】
物品検出部16は、例えば、画像を撮像するカメラである。物品検出部16は、アーム12のZ方向側の面に設けられている。また、物品検出部16は、保持部13よりも+X方向の範囲であって、保持部13よりもZ方向の範囲が撮像範囲となるように設置されている。これにより、物品検出部16は、ボックスパレット3に積載された物品Mを撮像する。
【0017】
第1コンベア14は、−X方向において、ボックスパレット3と、投入コンベア(第3コンベア)4との間に位置する。第1コンベア14は、基台11に設けられて、アーム12の少なくとも一部の下方に位置する。第1コンベア14は、基台11に接続されて、基台11によって支持されている。
【0018】
第1コンベア14は、例えばベルトコンベアである。第1コンベア14は、投入コンベア4に向けて配置されている。すなわち、第1コンベア14は、投入コンベア4に向けて移動する搬送面(上面)14aを有する。第1コンベア14は、アーム12によって運ばれた物品Mを受け取り、その物品Mを−X方向に搬送する。−X方向は、「第1方向」の一例であり、「搬送方向」の一例である。第1コンベア14は、Y方向に並ぶ複数の物品Mを同時に搬送可能な幅を有してもよい。
【0019】
本実施形態の第1コンベア14は、Z方向に沿って移動可能なリフトコンベアである。例えば、第1コンベア14は、基台11の第1支柱21aに接続されている。第1コンベア14は、第1支柱21aに設けられたガイドに案内されて、Z方向に沿って移動可能(昇降可能)である。例えば、第1コンベア14は、ボックスパレット3における物品Mの積載高さ(アーム12による物品Mの搬送高さ)に応じてZ方向の所望の位置に移動される。Z方向は、「第2方向」の一例である。Z方向は、第1コンベア14の搬送面14aに交差する方向(例えば略直交する方向)である。
【0020】
第2コンベア15は、−X方向において、第1コンベア14と、投入コンベア4との間に位置する。第2コンベア15は、基台11に設けられ、アーム12の少なくとも一部の下方に位置する。なお、第2コンベア15は、アーム12の下方を外れた位置に配置されてもよい。第2コンベア15は、基台11に接続されて、基台11によって支持されている。
【0021】
第2コンベア15は、例えばベルトコンベアである。第2コンベア15は、アーム12の鉛直下方向に位置する。第2コンベア15は、投入コンベア4に向けて配置されている。すなわち、第2コンベア15は、投入コンベア4に向けて移動する搬送面(上面)15aを有する。本実施形態では、第1コンベア14の下流側に、第2コンベア15が位置する。そして、第2コンベア15の下流側に、投入コンベア4が位置する。第2コンベア15は、第1コンベア14によって搬送された物品Mを第1コンベア14から受け取り、その物品Mを−X方向に搬送する。第2コンベア15は、Y方向に並ぶ複数の物品Mを同時に搬送可能な幅を有してもよい。
【0022】
本実施形態の第2コンベア15は、Z方向に沿って移動可能なリフトコンベアである。第2コンベア15は、第1コンベア14とは独立して、Z方向に沿って移動可能である。例えば、第2コンベア15は、基台11の第2支柱21bに接続されている。第2コンベア15は、第2支柱21bに設けられたガイドに案内されて、Z方向に沿って移動可能(昇降可能)である。例えば、第2コンベア15は、該第2コンベア15の高さを第1コンベア14の高さに合わせるようにZ方向の所望の位置に移動される。また、第2コンベア15は、該第2コンベア15の高さを投入コンベア4の高さに合わせるようにZ方向の所望の位置に移動される。
【0023】
第2コンベア15は、第1コンベア14と略同じ高さに位置することで、第1コンベア14から物品Mを受け取る。また、第2コンベア15は、投入コンベア4と略同じ高さに位置することで、第2コンベア15から投入コンベア4に物品Mを排出する。ここで、「第1コンベアと第2コンベアとが略同じ高さに位置する」とは、第1コンベアの搬送面(例えば上面)と、第2コンベアの搬送面(例えば上面)とが略同一の高さに位置することを意味する。また、「第2コンベアと投入コンベアとが略同じ高さに位置する」とは、第2コンベアの搬送面(例えば上面)と、投入コンベアの搬送面(例えば上面)とが略同一の高さに位置することを意味する。
【0024】
なお、第1コンベア14および第2コンベア15の各々は、ベルトコンベアに限られない。第1コンベア14および第2コンベア15の各々は、能動的に回転される複数のローラによって形成されるローラコンベアでもよい。この場合、搬送面14a,15aは、複数のローラの上端部の頂点を結ぶ仮想面を意味する。
【0025】
実施形態の搬送装置1は、2台の第1コンベア14および第2コンベア15を備えるが、これに限定されず、1台のコンベアであってもよい。この場合、搬送装置1は、保持部13により搬送された物品Mを1台のコンベアに載置し、1台のコンベアにより物品Mを投入コンベア4に排出する。
【0026】
制御部(制御回路)17は、搬送装置1の全体の動作を制御する。すなわち、制御部17は、アーム12、保持部13、第1コンベア14、および第2コンベア15の各種動作を制御する。制御部17は、例えば、CPU(Central Processing Unit)のようなプロセッサを含む回路基板(制御基板)23の全部または一部によって実現される。例えば、制御部17は、回路基板23のメモリに記憶されたプログラムをCPUのようなプロセッサが実行することで実現されるソフトウェア機能部である。あるいは、制御部17は、回路基板23に実装されたLSI(Large Scale Integration)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、およびFPGA(Field-Programmable Gate Array)のようなハードウェアによって実現されてもよい。
【0027】
図3は、第1の実施形態の搬送装置1における機能の一例を示す構成図である。搬送装置1は、センサ部31、第1コンベア駆動機構32、および第2コンベア駆動機構33を備える。
【0028】
センサ部31は、第1コンベア14上の物品Mの有無、および第2コンベア15上の物品Mの有無を検出する。詳しく述べると、センサ部31は、センサ36と、認識部37とを有する。センサ36は、例えば第1および第2のコンベア14,15を上方から撮影するカメラである。なお、センサ36は、第1および第2のコンベア14,15のそれぞれに個別に設けられてもよい。また、センサ36は、カメラ以外のセンサであってもよい。
【0029】
認識部37は、例えば回路基板23の一部の回路によって形成される。例えば、認識部37は、回路基板23のメモリに記憶されたプログラムをCPUのようなプロセッサが実行することで実現されるソフトウェア機能部である。あるいは、認識部37は、回路基板23に実装されるLSI、ASIC、およびFPGAのようなハードウェアによって実現されてもよい。認識部37は、センサ36が取得したデータに基づき、第1コンベア14上の物品Mの有無、および第2コンベア15上の物品Mの有無を検出する。検出部31は、該検出部31の検出結果を制御部17に送る。なお、認識部37および制御部17は、ひとつのチップ部品によって纏めて実現されてもよく、または2つ以上のチップ部品によって別々に実現されてもよい。また、認識部37は、回路基板23ではなく、センサ36の一部としてセンサ36の内部に設けられてもよい。
【0030】
第1コンベア駆動機構32は、基台11に設けられ、第1コンベア14をZ方向に沿って移動させるモータおよびボールねじなどを含む。制御部17は、第1コンベア駆動機構32を制御することで、第1コンベア14をZ方向の所望の位置に移動させる。
【0031】
第2コンベア駆動機構33は、基台11に設けられ、第2コンベア15をZ方向に沿って移動させるモータおよびボールねじなどを含む。制御部17は、第2コンベア駆動機構33を制御することで、第2コンベア15をZ方向の所望の位置に移動させる。
【0032】
以下、実施形態の搬送装置1により、物品Mをボックスパレット3から投入コンベア4に搬送する手順について説明する。物品Mを搬送する手順は、搬送装置1の搬送モードによって異なる。
【0033】
図4は、第1の実施形態の第1搬送モードの手順を説明する図である。搬送装置1は、
図4(a)に示すように、保持部13により保持した物品M1を第1コンベア14上に搬送する。次に、搬送装置1は、
図4(b)に示すように、物品M1を保持部13から解放することにより、第1コンベア14上に物品Mを置く。次に搬送装置1は、
図4(c)に示すように、物品M1を第1コンベア14から第2コンベア15に搬送する。
【0034】
次に、搬送装置1は、
図4(d)に示すように、アーム12、第1コンベア14、および第2コンベア15を下降させる。搬送装置1は、第1コンベア14を、物品検出部16の撮像範囲よりも下方に位置させる。さらに、搬送装置1は、第2コンベア15を、投入コンベア4と同じ高さに向けて下降させる。さらに、搬送装置1は、物品検出部16を、次の搬送対象とする物品を撮影可能な位置まで下降させる。搬送装置1は、物品検出部16の画角を一定に保ちながら、物品検出部16を下降させる。このように、搬送装置1は、コンベア(14、15)により排出位置の高さで物品を鉛直方向に移動させ、この移動の間に、物品検出部16が次の搬送対象とする物品を検出可能な高さである検出可能位置へのアーム12の移動を開始させる。
【0035】
次の搬送対象とする物品を撮影可能な位置は、検出可能位置に相当する。検出可能位置は、例えば、物品Mが検出された時の物品検出部16の撮影位置である。検出可能位置は、物品Mが検出された時の物品検出部16の撮影位置よりも所定量だけ下方の位置であってもよい。さらに、検出可能位置は、次の搬送対象とする物品を探索しながら、決定してもよい。次の搬送対象とする物品を探索するとは、物品検出部16による検出結果に基づいて、例えば、ボックスパレット3に積載された物品Mのうち最も高い物品M2が検出された位置を判定することである。
【0036】
次に、搬送装置1は、
図4(e)に示すように、第2コンベア15を投入コンベア4と同じ高さまで下降させる。次に搬送装置1は、物品M1を第2コンベア15から投入コンベア4に排出する。搬送装置1は、保持部13および第1コンベア14を、次の物品M2が載せられる位置まで移動させる。次の物品M2が載せられる位置とは、例えば、次の物品M2の底面と同じ高さである。
【0037】
図5は、第1の実施形態の第2搬送モードの手順を説明する図である。搬送装置1は、
図5(a)に示すように、保持部13により保持した物品M1を第1コンベア14上に搬送する。次に、搬送装置1は、
図5(b)に示すように、物品M1を保持部13から解放することにより、第1コンベア14上に物品Mを置く。次に搬送装置1は、
図5(c)に示すように、物品M1を第1コンベア14から第2コンベア15に搬送する。このとき、搬送装置1は、第2コンベア15上の物品M1と物品検出部16とが衝突しないように、アーム12または第2コンベア15の移動を制御してもよい。搬送装置1は、アーム12の下降を禁止して第2コンベア15を下降させてもよく、アーム12の下降速度を第2コンベア15の下降速度よりも遅くしてもよい。
【0038】
次に、搬送装置1は、
図5(d)に示すように、アーム12、第1コンベア14、および第2コンベア15を下降させる。搬送装置1は、第1コンベア14を、物品検出部16の撮像範囲よりも下方に位置させる。さらに、搬送装置1は、第2コンベア15を、投入コンベア4よりも低い位置まで下降させる。搬送装置1は、物品検出部16を、検出可能位置まで下降させる。これにより、物品検出部16は、物品M2の位置を検出することができる。搬送装置1は、物品M2の位置を検出したことに応じて、物品M2を保持するため、保持部13を+X方向に伸長させる動作を開始してもよい。このように、搬送装置1は、コンベア(14、15)により排出位置で物品を鉛直方向に移動させ、この移動の間に、物品検出部16が次の搬送対象とする物品を検出可能な高さである検出可能位置へのアーム12の移動を開始させる。
【0039】
次に、搬送装置1は、
図5(e)に示すように、第2コンベア15を、投入コンベア4と同じ高さまで上昇させる。このとき、搬送装置1は、物品検出部16を、第2コンベア15上の物品Mと衝突しない位置まで上昇させる。搬送装置1は、物品M2の位置に基づいて、保持部13を+X方向に伸長させる。
【0040】
搬送装置1は、
図5(f)に示すように、物品M1を第2コンベア15から投入コンベア4に排出させる。その後、搬送装置1は、物品M2を保持するため、保持部13を+X方向に伸長させると共に保持部13の高さを物品M2の高さまで下降させる。また、搬送装置1は、第1コンベア14を、物品M2が載せられる高さまで移動させる。
【0041】
図6は、第1の実施形態の第3搬送モードの手順を説明する図である。搬送装置1は、
図6(a)に示すように、保持部13により保持した物品M1を第1コンベア14上に搬送する。次に、搬送装置1は、
図6(b)に示すように、物品M1を保持部13から解放することにより、第1コンベア14上に物品Mを置く。次に搬送装置1は、
図6(c)に示すように、物品M1を第1コンベア14から第2コンベア15に搬送する。
【0042】
次に搬送装置1は、
図6(d)に示すように、物品検出部16を下降させずに、第1コンベア14および第2コンベア15を下降させる。次に搬送装置1は、
図6(e)に示すように、第2コンベア15および第1コンベア14を、投入コンベア4と同じ高さまで下降させる。次に搬送装置1は、
図6(f)に示すように、第2コンベア15から投入コンベア4に物品Mを排出する。次に搬送装置1は、
図6(g)に示すように、検出可能位置に向けて物品検出部16を下降させる。
【0043】
図7は、第1の実施形態の搬送装置1の動作の一例を示すフローチャートである。
図7に示した搬送装置1の動作は、搬送装置1が起動してからボックスパレット3から取り出す物品Mが無くなるまで実行される。
【0044】
まず、搬送装置1は、アーム12を初期位置から下降させる(ステップS100)。初期位置は、例えば、搬送装置1により搬送可能な物品Mの上限高さに基づいて設定されている。次に搬送装置1は、物品Mを検出したか否かを判定する(ステップS102)。搬送装置1は、物品Mを検出できない場合、処理を終了する。
【0045】
搬送装置1は、物品Mを検出した場合、物品Mを、搬送対象として検出された物品として、保持部13により把持させる(ステップS104)。なお、搬送装置1は、複数の物品Mが検出された場合、把持対象の物品Mを決定する。搬送装置1は、例えば、複数の物品Mのうち天面の最も高い天面の物品Mを把持対象の物品Mとして決定する。次に搬送装置1は、保持部13から第1コンベア14に物品Mを載置させ、第1コンベア14から第2コンベア15へ物品Mの搬送を開始させる(ステップS106)。次に搬送装置1は、第1コンベア14から第2コンベア15に物品Mを搬送させ、物品Mが第2コンベア15に搬送されたか否かを判定する(ステップS108)。
【0046】
搬送装置1は、物品Mが第2コンベア15に搬送された場合に、次に物品Mを検出可能な物品検出部16の位置(検出可能位置)が、投入コンベア4の高さ位置MCPと、物品Mの最大高さMPmaxと、所定値Hpreとを加算した高さよりも高いか否かを判定する(ステップS110)。投入コンベア4の高さ位置MCPと、物品Mの最大高さMPmaxと、所定値Hpreとを加算した高さを、以下、「基準位置」と記載する。検出可能位置は、物品検出部16により物品Mの位置が検出可能な高さに相当する。投入コンベア4の高さ位置MCPは、物品Mを投入コンベア4に排出する排出位置に相当する。所定値は、物品検出部16が検出可能位置に移動した場合に、第2コンベア15上の物品Mに衝突させないための余裕値である。
【0047】
搬送装置1は、物品Mが第2コンベア15に搬送された場合に、検出可能位置が、基準位置よりも高い場合、第1搬送モードで物品Mを搬送させる(ステップS112)。すなわち、搬送装置1は、
図4(d)および(e)に示すように、物品検出部16を検出可能位置まで移動させながら、物品Mを第2コンベア15から投入コンベア4に排出させる。
【0048】
搬送装置1は、検出可能位置が、基準位置以下である場合、第2コンベア15上の物品Mの高さを検出する(ステップS114)。次に搬送装置1は、第2搬送モードにより物品Mを排出する時間(第2搬送モードの排出時間)、および第3搬送モードにより物品Mを排出する時間(第3搬送モードの排出時間)を算出する(ステップS116)。
【0049】
第2搬送モードは、検出可能位置から、検出した第2コンベア15上の物品Mの高さだけ下降した位置まで、第2コンベア15を下降させ、次の物品Mを検出した後、第2コンベア15を投入コンベア4の高さと同じ高さまで上昇させる必要がある(
図5(d)、(e)、および(f))。搬送装置1は、このようなZ方向の移動時間を算出する。また、第2搬送モードは、次の物品Mを検出した後、X方向にアーム12を伸長させることができる(
図5(e)および(f))。このため、搬送装置1は、Z方向におけるアーム12の移動時間から、X方向におけるアーム12の移動時間を差し引いた時間を、第2搬送モードにより物品Mを排出する時間として算出する。
【0050】
搬送装置1は、第3搬送モードにより物品Mを排出する時間を算出する。第3搬送モードにより物品Mを排出する時間は、第2コンベア15を、投入コンベア4の高さと同じ高さまで移動させ、物品Mを投入コンベア4に排出するまでの時間である(
図6(d)および(e))。
【0051】
次に搬送装置1は、第2搬送モードの排出時間が第3搬送モードの排出時間よりも短いか否かを判定する(ステップS118)。搬送装置1は、第2搬送モードの排出時間が第3搬送モードの排出時間よりも短い場合、第2搬送モードにより、次の物品Mを検出させると共に物品Mを排出させる(ステップS120)。搬送装置1は、第2搬送モードの排出時間が第3搬送モードの排出時間以上である場合、第3搬送モードにより、次の物品Mを検出させると共に物品Mを排出させる(ステップS122)。
【0052】
以上説明した実施形態の搬送装置1によれば、コンベアにより物品を搬送している期間において、物品Mの位置が検出可能な高さに物品検出部16を移動させながら、コンベアの鉛直方向における位置を制御するので、物品Mを排出した後に物品Mの位置を検出する動作よりも、物品Mの搬送時間を短縮することができる。
【0053】
搬送装置1は、コンベア上の物品の天面を、アーム12または物品検出部16の鉛直方向における位置よりも下に制御するので、コンベアにより物品Mを搬送している期間においてコンベアおよび物品検出部16の鉛直方向の位置を移動させても、コンベアとアーム12または物品検出部16とが衝突することを抑制することができる。
【0054】
搬送装置1は、検出可能位置が、基準位置よりも高い場合に、物品検出部16を検出可能位置に向けて下降させながら、コンベアを排出位置まで下降させて物品Mを排出させる(第1搬送モード)。これにより、搬送装置1によれば、物品検出部16を検出可能位置に移動させてもコンベア上の物品Mと衝突しないことを判定して、物品検出部16およびコンベアの位置を制御することができる。
【0055】
搬送装置1は、検出可能位置が基準位置よりも低い場合に、物品検出部16を検出可能位置に向けて下降させながら、コンベアを排出位置よりも低い位置まで下降させ、物品検出部16により物品Mの位置を検出した場合に、コンベアを排出位置まで上昇させて物品を排出させる(第2搬送モード)。これにより、搬送装置1によれば、物品検出部16が物品Mと衝突する可能性がある場合であっても、コンベアの位置を排出位置よりも下まで移動させることで、物品検出部16が物品Mに衝突することを抑制することができる。
【0056】
搬送装置1は、第2搬送モードの排出時間が第3搬送モードの排出時間よりも短い場合に、第2搬送モードにより物品Mを排出する。これにより、搬送装置1によれば、第3搬送モードよりも短時間で物品Mを排出することができる。搬送装置1は、第3搬送モードの排出時間が第2搬送モードの排出時間よりも短い場合に、第3搬送モードにより物品Mを排出する。これにより、搬送装置1によれば、第2搬送モードよりも短時間で物品Mを排出することができる。
【0057】
(第2の実施形態)
以下、第2の実施形態について説明する。第2の実施形態の搬送装置1は、物品検出部16の鉛直方向における位置を第1位置と第2位置との間で切り替え可能である点で、第1の実施形態の搬送装置1とは異なる。以下、この相違点を中心に説明する。なお、以下の説明において、第1の実施形態と同じ部分については同一符号を付することでその詳細な説明を省略する。
【0058】
図8は、第2の実施形態の物品検出部16Aの一例を示す側面図である。物品検出部16Aは、鉛直方向における位置を第1位置P1と第2位置P2との間で切り替え可能である。第1位置P1は、第2位置P2よりも鉛直下方向の位置である。
【0059】
搬送装置1は、例えば、第1位置P1から第2位置P2に物品検出部16Aの筐体を移動させる移動機構と、駆動力を発生する駆動機構とを備える。搬送装置1は、制御部17の制御に従って駆動機構を制御することで、第1位置P1から第2位置P2に切り替えられる。制御部17は、物品検出部16Aにより物品Mを検出させる場合に、物品検出部16Aの位置を第1位置P1に切り替える。制御部17は、第2コンベア15により物品Mを投入コンベア4に排出させる場合に、物品検出部16Aの位置を第2位置P2に切り替える。
【0060】
図9は、第2の実施形態の第4搬送モードの手順を説明する図である。以下、
図9(a)に示すように、物品Mが第1コンベア14から第2コンベア15に搬送された場合において、物品検出部16Aにより物品Mを撮像している状態から説明する。
【0061】
搬送装置1は、
図9(a)に示すように、アーム12、第1コンベア14および第2コンベア15を下降させる。搬送装置1は、第1コンベア14を、物品検出部16の撮像範囲よりも下方に位置させる。また、搬送装置1は、物品検出部16Aを、検出可能位置まで下降させる。このように、搬送装置1は、コンベア(14、15)により排出位置で鉛直方向に移動させ、この移動の間に、物品検出部16が次の搬送対象とする物品を検出可能な高さである検出可能位置へのアーム12の移動を開始させる。
【0062】
次に搬送装置1は、
図9(b)に示すように、物品検出部16Aを第1位置P1から第2位置P2に切り替える。搬送装置1は、保持部13を+X方向に伸長させる。搬送装置1は、第1コンベア14を、物品M2が載せられる高さまで移動させる。また、搬送装置1は、第2コンベア15を、投入コンベア4と同じ高さまで上昇させる。
【0063】
次に搬送装置1は、
図9(c)に示すように、物品M1を、第2コンベア15から投入コンベア4に排出させる。その後、搬送装置1は、
図9(d)に示すように、物品M2を保持するため、保持部13を+X方向に伸長させると共に保持部13の高さを物品M2の高さまで下降させる。
【0064】
図10は、第2の実施形態の搬送装置1の動作の一例を示すフローチャートである。
図10に示した搬送装置1の動作は、搬送装置1が起動してからボックスパレット3から取り出す物品Mが無くなるまで実行される。
【0065】
搬送装置1は、ステップS200からステップS214まで、第1の実施形態のステップS100からステップS114までの動作と同様に動作する。次に搬送装置1は、ステップS214において検出した第2コンベア15上の物品Mの高さに基づいて、投入コンベア4の高さ位置から第2コンベア15の下降量を算出する(ステップS216)。第2コンベア15の下降量は、例えば、投入コンベア4の高さ位置と、検出可能位置から第2コンベア15上の物品Mの高さだけ下降させた位置との距離である。次に搬送装置1は、算出した第2コンベア15の下降量が、第2位置P2から第1位置P1を差し引いた距離Dよりも小さいか否かを判定する(ステップS218)
【0066】
搬送装置1は、第2コンベア15の下降量が距離Dよりも小さい場合、第4搬送モードにより、次の物品Mを検出させると共に物品Mを排出させる(ステップS220)。搬送装置1は、第2コンベア15の下降量が距離D以上である場合、第3搬送モードにより、次の物品Mを検出させると共に物品Mを排出させる(ステップS220)。
【0067】
図11は、第2の実施形態の搬送装置1の他の動作を示すフローチャートである。
図11に示した搬送装置1の動作は、ステップS218において第2コンベア15の下降量が距離D以上であると判定した場合、第2搬送モードの排出時間が第3搬送モードの排出時間よりも長いか否かを判定する(ステップS224)。搬送装置1は、第2搬送モードの排出時間が第3搬送モードの排出時間よりも短い場合、第2搬送モードにより、次の物品Mを検出させると共に物品Mを排出させる(ステップS226)。搬送装置1は、第2搬送モードの排出時間が第3搬送モードの排出時間以上である場合、第3搬送モードにより、次の物品Mを検出させると共に物品Mを排出させる(ステップS222)。
【0068】
第2の実施形態の搬送装置1は、検出可能位置が基準位置よりも低い場合において、検出可能位置と基準位置との差が、第1位置P1と前記第2位置P2との差よりも小さい場合に、物品検出部16Aの位置を第2位置P2に切り替えた状態において、コンベアにより物品Mを排出させる。これにより、搬送装置1によれば、コンベアを動作させる時間を省くことができ、物品Mの搬送時間を短縮することができる。
【0069】
また、搬送装置1によれば、検出可能位置と基準位置との差が、第1位置P1と第2位置P2との差よりも小さくない場合に、第3搬送モードにより物品Mを排出するので、第2コンベア15上の物品Mが物品検出部16に衝突することを抑制することができる。
【0070】
(変形例)
図12は、変形例の物品検出部16Bを示す図である。変形例の物品検出部16Bは、第2部材12bの上面(−Z側の面)に取り付けられている。物品検出部16Bは、物品検出部16Bの鉛直方向位置よりも下方を撮像する画角に設定されている。物品検出部16Bは、アーム12が鉛直方向に移動されることで、鉛直方向に移動される。これにより、物品検出部16Bは、撮像範囲内の物品Mを撮像することで、物品Mの位置を検出することができる。搬送装置1は、コンベアにより物品を搬送している期間において、物品Mの位置が検出可能な高さに物品検出部16Bを移動させながら、コンベアの鉛直方向における位置を制御するので、物品Mを排出した後に物品Mの位置を検出する動作よりも、物品Mの搬送時間を短縮することができる。
【0071】
以上説明した少なくともひとつの実施形態によれば、物品の位置を検出する物品検出部16と、物品を保持する保持部13と、保持部13および物品検出部16を移動させるアーム12と、アーム12の鉛直方向下方に位置し、保持部13により保持される物品が載せられ、この物品を排出する排出位置で鉛直方向と交差する方向に搬送するコンベア(14,15)と、コンベアを排出位置まで鉛直方向に移動させ、この移動の間に、物品検出部16が次の搬送対象とする物品を検出可能な高さである検出可能位置へのアーム12の移動を開始させる制御部17と、持つことにより、物品の搬送時間を短縮することができる。
【0072】
以上説明した少なくともひとつの実施形態において、「アーム」とは、保持部13を所望の位置に移動させる部材を広く意味し、必ずしも棒状の部材に限られない。アーム12は、保持部13を移動させる「駆動部」または「移動機構」と称されてもよい。「アームによって運ばれた物品」とは、アームに取り付けられた保持部によって保持されることで運ばれる物品を含む。「把持」とは、「物品を持つ」という広い意味で用いられるものであり、「握り持つ」のような意味に限定されるものではない。
【0073】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。