(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記サーバは、前記欠損した計測データのうち、優先的に補完する計測データを決定し、優先的に補完する計測データを前記ゲートウェイ装置に指示する指示部をさらに具備し、
前記要求部は、前記サーバに送信されていない計測データがある場合には、前記サーバにより指示された優先的に補完する計測データを優先的に前記メータに要求する
ことを特徴とする請求項1に記載の計測システム。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下で説明する実施形態に係る計測システムは、計測データを所定時間ごとに取得するスマートメータ10と、計測データをタイムスタンプとともに記憶するサーバ30と、計測データをサーバ30に送信するHGW20とを有する。スマートメータ10は、計測データを所定時間ごとに取得し、取得した計測データにタイムスタンプを付してHGW20に送信する取得部12aと、HGW20から計測データの要求を受信した場合には、該要求された計測データを取得し、取得した計測データにタイムスタンプを付してHGW20に送信する送信部12bとを具備する。サーバ30は、HGW20から計測データおよびタイムスタンプを取得した場合には、該計測データおよびタイムスタンプを計測データ記憶部33aに格納する格納部32aと、自装置で記憶する最新の計測データのタイムスタンプをHGW20に通知する通知部32bとを具備する。HGW20は、サーバ30から送信された最新の計測データのタイムスタンプを基に、サーバ30に送信されていない計測データがあるか判定し、送信されていない計測データがある場合には、該計測データを欠損した計測データとしてスマートメータ10に要求する要求部22aと、スマートメータ10から受信した計測データおよびタイムスタンプをサーバ30に転送する転送部22bとを具備する。
【0010】
また、以下で説明する実施形態に係る計測システムにおいて、サーバ30Aは、欠損した計測データのうち、優先的に補完する計測データを決定し、優先的に補完する計測データをHGW20に指示する指示部32cをさらに具備し、要求部22aは、サーバ30Aに送信されていない計測データがある場合には、サーバ30Aにより指示された優先的に補完する計測データを優先的にスマートメータ10に要求する。
【0011】
また、以下で説明する実施形態に係る計測システムにおいて、指示部32cは、優先的に補完する計測データの期間をHGW20に指示する。
【0012】
また、以下で説明する実施形態に係る計測システムにおいて、指示部32cは、優先的に補完する計測データの時間をHGW20に指示する。
【0013】
また、以下で説明する実施形態に係る計測システムにおいて、指示部32cは、優先的に補完する計測データの所定の時間帯をHGW20に指示する。
【0014】
また、以下で説明する実施形態に係る計測システムにおいて、転送部22bは、欠損した計測データのうち、変化量が所定の閾値よりも大きい計測データをサーバ30に転送する。
【0015】
以下、図面を参照して、実施形態に係る計測システムを説明する。実施形態において同一の部位には同一の符号を付し、重複する説明は省略される。
【0016】
(第1の実施形態)
まず、
図1〜
図13を用いて、第1の実施形態に係る計測システムついて説明する。
【0017】
[計測システムの構成]
まず、本発明の実施形態に係る計測システムのシステム構成の一例を
図1に基づいて説明する。
図1は、第1の実施形態に係る計測システムのシステム構成の一例を示す図である。
図1の例では、計測システムは、複数のスマートメータ10と、複数のHGW20と、サーバ30とを具備する。
【0018】
スマートメータ10は、計測データを所定時間ごとに取得する。例えば、スマートメータ10は、電力系統から供給された電力を計測するメータであり、宅内に設置された家電装置等の電気機器が消費した積算電力量を計測する。なお、スマートメータ10に限定されるものではなく、計測機能をもつ太陽光発電装置や蓄電池であってもよく、太陽光発電の積算発電電力量や蓄電池の積算放電電力量を計測するようにしてもよい。スマートメータ10は、例えば、30分毎に積算電力量を計測し、最大100日間計測データを保存しておくことができる。
【0019】
HGW20は、計測データをサーバ30に送信する。HGW20は、スマートメータ10とサーバ30との間の各種通信を中継するゲートウェイ装置である。HGW20は、スマートメータ10から計測データとともにタイムスタンプを受信し、該計測データおよびタイムスタンプをサーバ30に送信する。なお、HGW20は、必要な時にスマートメータ10から日付を遡って計測データを取得できるものとする。
【0020】
サーバ30は、計測データをタイムスタンプとともに記憶する。例えば、サーバ30は、複数のスマートメータ10から計測データを受信し、受信した計測データを保管することで、家庭ごとの電力の利用状況を監視したり、計測データをユーザが閲覧できるようにしたりする。なお、サーバ30は、各家庭の家族構成を示す家族構成情報や電力の利用に関する契約内容を示す契約情報を記憶しているものとする。
【0021】
計測システムにおいては、例えば、停電が起きた、HGW20の電源が切れていた、ネットワークに障害がありHGW20がサーバ30と通信できなかった等の理由で30分毎に計測データをサーバ30に送付できなかったとき、その時間帯のデータは欠損となる。
【0022】
サーバ30は、例えば、補完情報として、定期的に自装置で記憶する最新の計測データのタイムスタンプをHGW20に通知する。そして、HGW20は、サーバから送信された最新の計測データのタイムスタンプから、欠損した計測データがあるか判定し、欠損した計測データがある場合には、欠損した計測データをスマートメータ10に要求して取得し、該計測データをサーバ30に送信する。
【0023】
[スマートメータの構成]
図2を参照し、スマートメータ10の構成について説明する。
図2は、第1の実施形態に係るスマートメータの構成の一例を示す図である。スマートメータ10は、通信部11と、制御部12と、記憶部13と、を備える。
【0024】
通信部11は、無線通信処理や有線通信処理を行うためのネットワークデバイスである。具体的には、通信部11は、
図1に示したHGW20との間で、無線通信により各種情報を送受信する。
【0025】
例えば、通信部11は、HGW20に対して計測データおよびタイムスタンプを送信する。また、通信部11は、HGW20から計測データの要求を受信する。
【0026】
記憶部13は、例えば、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ(Flash Memory)等の半導体メモリ素子、または、ハードディスク、光ディスク等の記憶装置によって実現される。かかる記憶部13は、計測データ記憶部13aを有する。
【0027】
計測データ記憶部13aは、計測時の日時を示すタイムスタンプと、計測データとを対応付けて記憶する。例えば、計測データ記憶部13aは、
図3に例示するように、「タイムスタンプ」と、計測データである「積算電力量」とを対応付けて記憶する。
図3は、計測データ記憶部に記憶されるデータの一例を示す図である。
図3の例では、計測データ記憶部13aは、30分毎の積算電力量の値を記憶している。
【0028】
制御部12は、取得部12aと、送信部12bとを有する。制御部12は、例えば、CPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro Processing Unit)などの電子回路やASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)などの集積回路であり、スマートメータ10の全体制御を実行する。
【0029】
取得部12aは、計測データを所定時間ごとに取得し、取得した計測データにタイムスタンプを付してHGW20に送信する。例えば、取得部12aは、計測データとして、積算電力量を30分毎に取得し、取得した計測データにタイムスタンプを付してHGW20に送信する。また、取得部12aは、取得した積算電力量とタイムスタンプとを対応付けて計測データ記憶部13aに格納する。
【0030】
送信部12bは、HGW20から計測データの要求を受信した場合には、該要求された計測データを取得し、取得した計測データにタイムスタンプを付してHGW20に送信する。例えば、送信部12bは、停電等の理由により欠損した計測データがある場合に、HGW20から計測データの要求を受け付け、該要求された計測データの時間帯に対応する計測データを計測データ記憶部13aから読み出して、HGW20に送信する。
【0031】
[HGWの構成]
図4を参照し、HGW20の構成について説明する。
図4は、第1の実施形態に係るHGWの構成の一例を示す図である。HGW20は、通信部21と、制御部22と、記憶部23と、を備える。
【0032】
通信部21は、無線通信処理や有線通信処理を行うためのネットワークデバイスである。具体的には、通信部21は、
図1に示したスマートメータ10およびサーバ30との間で、無線通信により各種情報を送受信する。
【0033】
例えば、通信部21は、スマートメータ10から計測データおよびタイムスタンプを受信し、該計測データおよびタイムスタンプをサーバ30に送信する。また、通信部21は、スマートメータ10に対して計測データの要求を送信する。
【0034】
記憶部23は、例えば、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ(Flash Memory)等の半導体メモリ素子、または、ハードディスク、光ディスク等の記憶装置によって実現される。かかる記憶部23は、最新タイムスタンプ記憶部23aを有する。
【0035】
最新タイムスタンプ記憶部23aは、HGW20がスマートメータ10から受信した計測データのタイムスタンプのうち、最新のタイムスタンプを記憶する。
【0036】
制御部22は、要求部22aと、転送部22bとを有する。制御部22は、例えば、CPUやMPUなどの電子回路やASICやFPGAなどの集積回路であり、HGW20の全体制御を実行する。
【0037】
要求部22aは、サーバ30から送信された最新の計測データのタイムスタンプを基に、サーバ30に送信されていない計測データがあるか判定し、送信されていない計測データがある場合には、該計測データを欠損した計測データとしてスマートメータ10に要求する。
【0038】
例えば、要求部22aは、サーバ30から送信された最新の計測データのタイムスタンプを受信すると、該最新の計測データのタイムスタンプと最新タイムスタンプ記憶部23aに記憶されたタイムスタンプとを比較し、両者が異なる場合には、サーバ30に送信されていない計測データがあると判定する。なお、サーバ30に送信されていない計測データを判定する処理は上記の例に限定されるものではなく、例えば、サーバ30から送信された最新の計測データのタイムスタンプと現在の時刻とを比較して、サーバ30に送信されていない計測データがある否かを判定するようにしてもよい。
【0039】
そして、要求部22aは、サーバ30に送信されていない計測データがあると判定した場合には、欠損した時間帯の計測データをスマートメータ10に要求する。例えば、要求部22aは、2016年9月1日から現在までの計測データをスマートメータ10に要求する。
【0040】
転送部22bは、スマートメータ10から受信した計測データおよびタイムスタンプをサーバ30に転送する。例えば、転送部22bは、スマートメータ10から計測データおよびタイムスタンプを受信すると、該計測データおよびタイムスタンプをサーバ30に転送する。
【0041】
[サーバの構成]
図5を参照し、サーバ30の構成について説明する。
図5は、第1の実施形態に係るサーバの構成の一例を示す図である。サーバ30は、通信部31と、制御部32と、記憶部33と、を備える。
【0042】
通信部31は、無線通信処理や有線通信処理を行うためのネットワークデバイスである。具体的には、通信部31は、
図1に示したHGW20との間で、無線通信により各種情報を送受信する。
【0043】
例えば、通信部31は、HGW20から計測データおよびタイムスタンプを受信し、サーバ30で記憶する最新の計測データのタイムスタンプをHGW20に送信する。
【0044】
記憶部33は、例えば、RAM、フラッシュメモリ等の半導体メモリ素子、または、ハードディスク、光ディスク等の記憶装置によって実現される。かかる記憶部33は、計測データ記憶部33aを有する。
【0045】
計測データ記憶部33aは、HGW20から受信した計測データとタイムスタンプを記憶するものであり、計測データ記憶部13aと同様に、計測時の日時を示すタイムスタンプと、計測データとを対応付けて記憶する。
【0046】
制御部32は、格納部32aと、通知部32bとを有する。制御部32は、例えば、CPUやMPUなどの電子回路やASICやFPGAなどの集積回路であり、サーバ30の全体制御を実行する。
【0047】
格納部32aは、HGW20から計測データおよびタイムスタンプを取得した場合には、該計測データおよびタイムスタンプを計測データ記憶部33aに格納する。例えば、格納部32aは、HGW20から計測データおよびタイムスタンプを30分毎に取得し、取得した計測データおよびタイムスタンプを計測データ記憶部33aに格納する。また、格納部32aは、欠損した計測データをHGW20から受信した場合にも、計測データおよびタイムスタンプを計測データ記憶部33aに格納する。
【0048】
通知部32bは、自装置で記憶する最新の計測データのタイムスタンプをHGW20に通知する。例えば、通知部32bは、所定の時間ごとに、計測データ記憶部33aを参照し、最新の計測データのタイムスタンプを読み出し、該タイムスタンプを補完指示としてHGW20に通知する。
【0049】
[計測システムの処理手順]
次に、
図6を参照して、計測システムにおける動作例を説明する。
図6は、第1の実施形態に係る計測システムにおける動作の一例を示すシーケンス図である。
図6に示すように、スマートメータ10は、計測データとして積算電力量(積算値)を30分毎に取得し、取得した最新の計測データにタイムスタンプを付したデータを状態の変化を通知する状変通知としてHGW20に送信する(ステップS101)。
【0050】
そして、HGW20は、スマートメータ10から受信した最新の積算値をサーバ30に転送する(ステップS102)。また、サーバ30は、計測データ記憶部33aを参照し、最新の計測データのタイムスタンプを読み出し、該タイムスタンプを補完指示としてHGW20に通知する(ステップS103)。
【0051】
HGW20は、サーバ30から送信された最新の計測データのタイムスタンプを基に、サーバ30に送信されていない計測データがあるか判定し、送信されていない計測データがある場合には、該計測データを含む積算電力量の履歴をスマートメータ10に要求する(ステップS104)。
【0052】
そして、HGW20は、スマートメータ10から積算電力量の履歴を受信すると(ステップS105)、スマートメータ10から積算電力量の履歴をサーバ30に転送する(ステップS106)。サーバ30は、積算電力量の履歴をHGW20から受信し、欠損した計測データの補完が完了すると、補完が完了した旨の通知をHGW20に通知する(ステップS107)。
【0053】
[第1の実施形態の効果]
このように、第1の実施形態に係る計測システムでは、計測データを所定時間ごとに取得するスマートメータ10と、計測データをタイムスタンプとともに記憶するサーバ30と、計測データをサーバ30に送信するHGW20とを有する。スマートメータ10は、計測データを所定時間ごとに取得し、取得した計測データにタイムスタンプを付してHGW20に送信する取得部12aと、HGW20から計測データの要求を受信した場合には、該要求された計測データを取得し、取得した計測データにタイムスタンプを付してHGW20に送信する送信部12bとを具備する。サーバ30は、HGW20から計測データおよびタイムスタンプを取得した場合には、該計測データおよびタイムスタンプを計測データ記憶部33aに格納する格納部32aと、自装置で記憶する最新の計測データのタイムスタンプをHGW20に通知する通知部32bとを具備する。HGW20は、サーバ30から送信された最新の計測データのタイムスタンプを基に、サーバ30に送信されていない計測データがあるか判定し、送信されていない計測データがある場合には、該計測データを欠損した計測データとしてスマートメータ10に要求する要求部22aと、スマートメータ10から受信した計測データおよびタイムスタンプをサーバ30に転送する転送部22bとを具備する。
【0054】
このため、実施形態に係る計測システムでは、欠損した計測データの補完を行う際のサーバ30の負荷を軽減することができる。つまり、サーバ30は、欠損したデータを特定する処理を行わずに、自装置で記憶する最新の計測データのタイムスタンプをHGW20に通知するだけで、欠損した計測データの補完を行うことができるため、サーバ30の負荷を軽減することができる。
【0055】
(第2の実施形態)
第1の実施形態では、HGW20は、サーバ30に送信されていない計測データがあるか判定し、欠損した計測データが存在する場合には、欠損した計測データ全てをスマートメータ10に要求し、サーバ30に転送する例を説明した。第2の実施形態では、サーバ30Aが、欠損した計測データのうち、優先的に補完する計測データを決定し、優先的に補完する計測データをHGW20に指示し、HGW20が、サーバ30Aにより指示された優先的に補完する計測データを優先的にスマートメータ10に要求する例を説明する。
【0056】
[サーバの構成]
図7は、第2の実施形態に係るサーバの構成の一例を示す図である。
図7に示すように、サーバ30Aは、指示部32cをさらに有する。指示部32cは、欠損した計測データのうち、優先的に補完する計測データを決定し、優先的に補完する計測データをHGW20に指示する。例えば、指示部32cは、タイムスタンプが新しい計測データを優先的に補完するように指示してもよい。また、
図8に例示するように、指示部32cは、タイムスタンプが古い計測データを優先的に補完するように指示してもよい。
【0057】
また、指示部32cは、優先的に補完する計測データの期間をHGW20に指示するようにしてもよい。この場合には、例えば、指示部32cは、「2016年9月1日から3日分」と期間を指定して優先的に補完する計測データを要求する。
【0058】
また、指示部32cは、優先的に補完する計測データの時間をHGW20に指示するようにしてもよい。この場合には、例えば、指示部32cは、
図9に例示するように、「2016年9月1日から現在までの毎日の0時0分」と時間を指定して優先的に補完する計測データを要求する。
【0059】
ユーザがサーバに保管された計測データを閲覧、たとえばグラフを表示させるとき、時間の粒度は必ずしも細かなものとは限らない。例えば、日ごとのデータ、週ごとのデータ、月ごとのデータのようにまとめて表示させることもある。このとき、30分ごとの計測データが全て揃っていなくても、上記のように毎日の0時0分の計測データさえサーバ30にあれば、日ごとのデータはグラフにして閲覧できる。同様に、毎日曜日の0時0分の計測データがサーバにあれば週ごと、毎月1日の0時0分の計測データがサーバ30にあれば月ごとのデータは閲覧できる。
【0060】
また、指示部32cは、優先的に補完する計測データの所定の時間帯をHGW20に指示するようにしてもよい。この場合には、例えば、指示部32cは、
図10に例示するように、「2016年9月1日0時0分から毎日の6時0分から9時0分、18時から24時は30分毎、それ以外は3時間ごと」と細かく補完する時間と粗く補完する時間を指定して計測データを要求する。
【0061】
ユーザがサーバに保管された計測データを閲覧するとき、関心が高いのは変化量の多い部分であると思われる。電力であれば、朝や帰宅後〜就寝前は消費量が大きく、深夜やそれ以外の昼間は小さい。計測データの変化量が多いと思われる時間帯は細かく計測データを集めるべきだが、変化量が少ないと思われる時間帯の計測データは必ずしも細かくなくても良く、優先度は低い。なお、家庭環境や電力会社との契約によって消費量の大きな時間帯は異なるため、ユーザごとに適した補完指示をするために家族構成情報や契約情報などの外部情報を用いてもよい。
【0062】
また、第2の実施形態におけるHGW20の要求部22aは、サーバ30に送信されていない計測データがある場合には、サーバ30により指示された優先的に補完する計測データを優先的にスマートメータ10に要求する。なお、要求部22aは、補完しきれなかった計測データについては、サーバ30の負荷が落ち着いてから改めて要求するようにしてもよい。
【0063】
[計測システムの処理手順]
次に、
図11を参照して、計測システムにおける動作例を説明する。
図11は、第2の実施形態に係る計測システムにおける動作の一例を示すシーケンス図である。
図11に示すように、スマートメータ10は、計測データとして積算電力量(積算値)を30分毎に取得し、取得した最新の計測データにタイムスタンプを付したデータを状態の変化を通知する状変通知としてHGW20に送信する(ステップS201)。
【0064】
そして、HGW20は、スマートメータ10から受信した最新の積算値をサーバ30Aに転送する(ステップS202)。また、サーバ30Aは、優先的に補完する計測データを決定し(ステップS203)、優先的に補完する計測データをHGW20に指示するとともに、計測データ記憶部33aを参照して最新の計測データのタイムスタンプを読み出し、該タイムスタンプを補完指示としてHGW20に通知する(ステップS204)。なお、優先的に補完する計測データをHGW20に指示するタイミングは、このタイミングに限られるものではなく、任意のタイミングでよい。
【0065】
HGW20は、サーバ30Aから送信された最新の計測データのタイムスタンプを基に、サーバ30Aに送信されていない計測データがあるか判定し、送信されていない計測データがある場合には、サーバ30Aにより指示された優先的に補完する計測データを優先的にスマートメータ10に要求する(ステップS205)。
【0066】
そして、HGW20は、スマートメータ10から積算電力量の履歴を受信すると(ステップS206)、スマートメータ10から積算電力量の履歴をサーバ30Aに転送する(ステップS207)。サーバ30Aは、積算電力量の履歴をHGW20から受信し、欠損した計測データの補完が完了すると、補完が完了した旨の通知をHGW20に通知する(ステップS208)。
【0067】
[第2の実施形態の効果]
このように、第2の実施形態に係る計測システムでは、サーバ30Aは、欠損した計測データのうち、優先的に補完する計測データを決定し、優先的に補完する計測データをHGW20に指示する指示部32cをさらに具備し、要求部22aは、サーバ30Aに送信されていない計測データがある場合には、サーバ30Aにより指示された優先的に補完する計測データを優先的にスマートメータ10に要求する。このため、一度の補完で送付される計測データの量を減らし、サーバ負荷を軽減することが可能である。
【0068】
つまり、第2の実施形態に係る計測システムでは、例えば、停電のような大規模な障害から復旧した際に、大きなデータが各家庭のHGW20から大量にサーバ30Aに送られてサーバ30Aの負荷が高くなることを避けるため、送付される計測データおよびタイムスタンプの情報を減らすことで、サーバ負荷を軽減する。
【0069】
また、第2の実施形態に係る計測システムでは、指示部32cは、優先的に補完する計測データの期間をHGW20に指示する。このため、特定の期間のみ優先的に計測データを補完することができ、サーバ負荷を軽減することが可能である。
【0070】
また、第2の実施形態に係る計測システムでは、指示部32cは、優先的に補完する計測データの時間をHGW20に指示する。このため、特定の時間のみ優先的に計測データを補完することができ、サーバ負荷を軽減することが可能である。
【0071】
また、第2の実施形態に係る計測システムでは、指示部32cは、優先的に補完する計測データの所定の時間帯をHGW20に指示する。このため、特定の時間帯のみ優先的に計測データを補完することができ、サーバ負荷を軽減することが可能である。
【0072】
(第3の実施形態)
第1の実施形態では、HGW20は、欠損した計測データが存在する場合には、欠損した計測データ全てをスマートメータ10に要求し、スマートメータ10から受信した計測データをそのままサーバ30に転送する例を説明した。第3の実施形態では、HGW20は、欠損した計測データのうち、変化量が所定の閾値よりも大きい計測データのみをサーバ30に転送する。
【0073】
第3の実施形態では、HGW20の転送部22bは、欠損した計測データのうち、変化量が所定の閾値よりも大きい計測データをサーバ30に転送する。例えば、
図12に例示するように、HGW20の転送部22bは、欠損した計測データをスマートメータ10から受信すると、該計測データのうち、変化量があらかじめ定めておいた閾値を超えた箇所を抽出し、抽出した箇所のみをサーバ30に転送する。これにより、サーバ30は、変化量の大きな箇所だけ優先して補完することができる。
【0074】
具体例を挙げて説明すると、例えば、転送部22bは、2016年9月1日0時0分から現在までの計測データをスマートメータ10から受信すると、30分前の計測データとの差が0.2kWhを超えていれば、サーバ30に送付する。
【0075】
また、転送部22bは、変化量の多い一部の計測データを抽出する処理として、例えば、30分ごと1日分48コマ分の計測データのうち変化量の多い上位10%のみを抽出するようにしてもよい。具体例を挙げて説明すると、転送部22bは、9月1日の0時0分から23時30分までの48個の計測データを受信すると、前の時間の計測データとの差分を取り出してソートする。そして、転送部22bは、ソートした結果、変化量の大きい上位5件を取り出し、その前後の時刻のデータ計10件をサーバ30に送付する。なお、9月2日以降の計測データについても同様に処理する。
【0076】
[計測システムの処理手順]
次に、
図13を参照して、計測システムにおける動作例を説明する。
図13は、第3の実施形態に係る計測システムにおける動作の一例を示すシーケンス図である。
図13に示すように、スマートメータ10は、計測データとして積算電力量(積算値)を30分毎に取得し、取得した最新の計測データにタイムスタンプを付したデータを状態の変化を通知する状変通知としてHGW20に送信する(ステップS301)。
【0077】
そして、HGW20は、スマートメータ10から受信した最新の積算値をサーバ30に転送する(ステップS302)。また、サーバ30は、計測データ記憶部33aを参照し、最新の計測データのタイムスタンプを読み出し、該タイムスタンプを補完指示としてHGW20に通知する(ステップS303)。
【0078】
HGW20は、サーバ30から送信された最新の計測データのタイムスタンプを基に、サーバ30に送信されていない計測データがあるか判定し、送信されていない計測データがある場合には、該計測データを含む積算電力量の履歴をスマートメータ10に要求する(ステップS304)。
【0079】
そして、HGW20は、スマートメータ10から積算電力量の履歴を受信すると(ステップS305)、該計測データのうち、変化量の大きな箇所を抽出し、抽出した変化量の大きい箇所のみ積算電力量の履歴をサーバ30に転送する(ステップS306)。サーバ30は、積算電力量の履歴をHGW20から受信し、欠損した計測データの補完が完了すると、補完が完了した旨の通知をHGW20に通知する(ステップS307)。
【0080】
[第3の実施形態の効果]
このように、第3の実施形態に係る計測システムでは、HGW20の転送部22bは、欠損した計測データのうち、変化量が所定の閾値よりも大きい計測データをサーバ30に転送する。このため、サーバ30は、変化量の大きな箇所だけ優先して補完することが可能である。
【0081】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に多様な変更または改良を加えることが可能であることが当業者には明らかである。また、そのような変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。