【実施例1】
【0013】
図1は、データ検索システムの例を示す図である。データ検索システムは、ドキュメント(技術文書)を検索するシステムであり、データ検索装置10、監視画面11、機器の制御盤12、機器状態評価装置13、および外部のさまざまなドキュメントシステムとオンライン接続されている。
【0014】
外部のさまざまなドキュメントシステムには例えば、機器仕様書1、機器施工
図2、機器操作手順書3、過去の障害事例4、作業記録5、機器点検記録6、機器操作記録7、周期計測記録(機器ログ)8などがある。また、機器状態評価装置13には、リアルタイム計測記録9が含まれる。
【0015】
機器仕様書1、機器施工
図2、機器操作手順書3、および過去の障害事例4は、例えば制御盤12の対象となる機器(設備機器)を製造した工場、あるいはその工場の設計部門でファイルとして蓄積され、作業記録5、機器点検記録6、機器操作記録7、および周期計測記録8は、機器の設置された現場でファイルとして蓄積される。
【0016】
データ検索装置10は、障害通知受信処理200、ドキュメント検索処理210、リスト表示処理220、ドキュメント管理表100、およびドキュメント検索期間表110を具備する。また、データ検索装置10は、検索期間制御処理230を具備し、検索応答22を受け付けるが、これに関しては実施例2で説明する。
【0017】
詳細は
図5〜
図7を参照して説明するが、制御盤12などからの障害通知20を契機として、データ検索装置10は、外部のドキュメントシステムが保持するドキュメントを検索し、ドキュメント検索結果21(ドキュメントグループとその優先度)を監視画面11に出力する。
【0018】
図2は、データ検索装置10のハードウェアの例を示す図である。CPU(Central Processing Unit)32は、主記憶部33に保持されたプログラムコードを読み出して実行することにより、ドキュメント検索処理210などの処理を実現する。このため、以下の説明でドキュメント検索処理210などの処理を主語とする説明は、CPU32を主語とする説明に置き換えられてもよい。
【0019】
このCPU32の処理のために、主記憶部33は、障害通知受信処理200、ドキュメント検索処理210、あるいはリスト表示処理220などのそれぞれに対応するプログラムコードを保持するほか、検索処理の途中で生成されるドキュメントグループ表などを含めて処理に必要なデータも保持する。
【0020】
ネットワークインタフェース34を介して外部のドキュメントシステムからドキュメントが読み込まれ、外部記憶部31は、これらのドキュメントを保持し、ドキュメント検索処理210などの処理対象とする。また、外部記憶部31は、ドキュメント管理表100とドキュメント検索期間表110のデータも保持する。
【0021】
データ検索装置10内で、外部記憶部31、CPU32、主記憶部33、ネットワークインタフェース34はバスで接続される。監視画面11がバスに接続されてもよく、監視画面11へドキュメント検索結果21が出力されたり、監視画面11から検索応答22が入力されたりしてもよい。また、ネットワークインタフェース34を介して監視画面11が接続されてもよい。
【0022】
図3は、ドキュメント管理表100の例を示す図である。ドキュメントの番号101は、ドキュメント管理表100で管理されるドキュメントに一意に付与される番号である。その付与される番号は任意の番号であってもよいが、ドキュメント管理表100の表としての行へ一意に付与される番号であることが好ましい。
【0023】
ドキュメントの種類102は、データ検索システムのユーザの便宜を図るためドキュメント管理表100で識別されるドキュメントの種類を表しており、例えば、データ検索システムの管理者が外部ドキュメントシステムを参照して任意に設定してもよいし、ドキュメントの種類と指定された情報を外部ドキュメントシステムから取得して設定してもよい。ドキュメントの種類102は文字列の情報であることが好ましい。
【0024】
ドキュメントの名称103は、データ検索システムのユーザの便宜を図るためドキュメント管理表100で識別されるドキュメントの名称を表しており、例えば、データ検索システムの管理者が外部ドキュメントシステムを参照して任意に設定してもよいし、ドキュメントの名称と指定された情報を外部ドキュメントシステムから取得して設定してもよい。
【0025】
例えば名称103が「制御棒操作手順書」のドキュメントは複数の章からなり、その1つの章が番号101の「101」であってもよい。このため、名称103が「制御棒手順書」のドキュメントは、
図3に示すように番号101が「101」、「103」、および「102」などの番号のドキュメントから構成されてもよい。
【0026】
また、各ドキュメントを時系列に管理するために、番号101は時系列の番号を含んでもよい。同じドキュメントの同じ章であっても、以下で説明する記載内容の変更により、異なる内容のドキュメントとなるため、異なる内容であることを識別する番号が時系列の番号として、番号101に含まれてもよい。
【0027】
図3の例では、番号101は「101」などであるとしたが、「101」の代わりに、章の番号と時系列の番号とが組み合わされた番号であってもよい。このような番号101により、同じドキュメントの同じ章であっても、記載内容の変更前と変更後の管理が可能となる。また、ドキュメント管理表100の表としての行により、章と時系列を単位として管理が可能となる。
【0028】
なお、ドキュメントの章を例に説明したが、章に限定されるものではなく、ドキュメントの記載内容を分割する任意の単位であれば、どのような単位であってもよい。
【0029】
記載内容変更時刻104は、記載内容105が変更された時刻を保持する。時刻は任意の形式のデータであってもよく、例えば西暦年、月日、時分秒のすべて、あるいはそれらの一部であってもよい。
【0030】
記載内容105は、外部のドキュメントシステムで管理されるドキュメントの記載内容であり、特に記載内容変更時刻104の時刻での変更点を含む。記載内容105は文字列の情報であることが好ましい。ドキュメントから記載内容105を抽出するには、例えばドキュメントに変更履歴を含む場合、変更履歴の1つ1つが記載内容105として抽出されてもよい。
【0031】
また、外部のドキュメントシステムがドキュメントバージョン管理機能を具備し、ドキュメント変更内容をすべて記録しており、変更前後における変化を特定できる場合には、その変化が記載内容105として抽出されてもよいが、これらに限定されるものではなく、任意の抽出処理であってよい。
【0032】
変更マーク106については、
図6と
図10を参照して後で説明する。
【0033】
図4は、ドキュメント検索期間表110の例を示す図である。ドキュメントの種類112は、
図3に示したドキュメント管理表100のドキュメントの種類102に対応する情報である。種類112のデータは、種類102に含まれるデータの多くのバリエーションを含むことが好ましい。
【0034】
検索期間の範囲R111は、障害通知20に含まれる障害発生時刻の「T」と、記載内容変更時刻104の「記載内容変更時刻」との関係式を含む。
図4に示した関係式の「Po」、「Pm」、および「Ps」で示されるパラメータは、ドキュメントの種類ごとに決定される定数であってもよい。
【0035】
「Po」、「Pm」、および「Ps」の決め方は限定されるものではないが、例えば、システム管理者が過去の知見から固定値に予め決めておいてもよいし、システム管理者が用意したいくつかの選択肢からユーザが選択してもよい。あるいは、過去の検索記録をもとに適切な値を自動的に決めてもよい。「Po」、「Pm」、および「Ps」の決定の他の例については実施例2で説明する。
【0036】
記載内容変更時刻104の「記載内容変更時刻」がこの範囲R111の関係式を満たす時、その関係式を満たすドキュメントは、データ検索結果に含められる。また、範囲R111は、
図4に示すように種類112の種類ごとに異なる関係式としてもよい。
【0037】
例えば、「操作記録」の場合、操作してからその影響で障害が発生するまでの時間は短いことが想定されるため、操作に基づく「記載内容変更時刻」から障害発生時刻の「T」までの遅延が無い記載内容の変更で成立する関係式になっている。
【0038】
「機器仕様書」の場合、仕様書の変更から実際に変更後の仕様に沿った機器が稼働するまでには、ある程度時間が必要と想定されるため、障害発生時刻の「T」より「Ps」前までの「記載内容変更時刻」となる記載内容の変更で成立する関係式になっている。
【0039】
一般的に、「機器仕様書」や「操作手順書」が作成され、それらにしたがって機器が変更されたり、操作されたりすると、「操作記録」に記録され、その変更や操作に応じた動作で障害が発生し検出される。そして、障害が発生した後に、その障害の影響が反映されて計測され、「計測記録」に記録されたり、障害の発生の前に予兆が計測され、「計測記録」に記録されたりする。
【0040】
このようにドキュメントの変更が、障害通知の内容に影響を与えるまでの時間はドキュメントの種類ごとに異なると想定されるため、ドキュメント検索期間表110は、これに対応するための情報である。
【0041】
図5は、データ検索装置10の動作フローチャートの例を示す図である。データ検索装置10は動作を開始すると、障害通知受信処理200において、通常は、障害通知受信待ちの状態にある。この待ち状態で、例えば制御盤12から障害通知20を受信する、または機器状態評価装置13がリアルタイム計測記録9を評価して検出した障害通知20を受信する。
【0042】
データ検索装置10は、障害通知受信処理200において、受信した障害通知20に含まれる障害発生時刻、障害発生機器名、および障害事象を抽出して検索キーとし、これらの検索キーを用いてドキュメント検索処理210を実行する。障害通知20の例とドキュメント検索処理210の例は、
図12と
図6を用いて説明する。
【0043】
そして、データ検索装置10は、ドキュメント検索結果21をリスト表示処理220により監視画面11へ送信する。その後、障害通知受信処理200の障害通知受信待ちの状態に戻る。リスト表示処理220の例は、
図7を用いて説明する。
【0044】
図6は、ドキュメント検索処理210の動作フローチャートの例を示す図である。ドキュメント検索処理210では、障害通知受信処理200から検索キーを受け取り、ドキュメント管理表100を検索キーで検索し、ドキュメントグループを抽出し、ドキュメントグループに優先度を付与する。
【0045】
図12は障害通知20の例を示す図である。障害通知20は、障害の通知を識別するためのシーケンス番号141、通知の対象となった障害の発生した時刻を示す障害発生時刻142、障害の発生した機器を識別するための機器名143、および障害の内容を示す障害事象144を含む。
【0046】
ここで、障害の発生した時刻と機器は、障害を検出した時刻と機器であってもよい。また、障害の発生した機器は、障害が検出されたときに何かに使用されていた機器であってもよい。機器名143と障害事象144の情報は文字列から成る情報であってもよい。障害発生時刻142の情報は、記載内容変更時刻104の情報と比較可能な情報であることが好ましい。
【0047】
図6に戻り、ドキュメント検索処理210は、まず、ドキュメント検索期間表110を参照し、ドキュメント種類ごとの検索期間の範囲R111を算出する(ステップ211)。ここでは、「Po」、「Pm」、および「Ps」が予め設定された固定値として算出された範囲R111の例を
図8に示す。
【0048】
図8における障害発生時刻の「T」は、
図12に示した障害通知20の障害発生時刻142の「2001/11/01 01:05:00」であり、この「T」と「Po」などを、
図4に示したドキュメント検索期間表110に代入し、
図8に示したドキュメント検索期間表110が得られる。
【0049】
続いて、ドキュメント検索処理210は、
図8に示したドキュメントの種類112および範囲R111と、ドキュメント管理表100のドキュメントの種類102および記載内容変更時刻104とを各表の行単位で突き合わせ、適合する行をドキュメント管理表100から抽出する(ステップ212)。
【0050】
これにより、範囲R111の期間に更新があったドキュメントを漏れなく抽出する。これら抽出されたドキュメント管理表100の各行を、以下では要素ドキュメントと呼ぶ。
図10に要素ドキュメントの例を示す。要素ドキュメントも
図3に示したドキュメント管理表100と同じ列を含むため、
図3と同じ符号を付けてある。
【0051】
図10の例では、「操作手順書」の記載内容変更時刻104の「2001/10/01」は、
図8に示した範囲R111の「記載内容変更時刻<2001/11/01 01:05:00」を満たすため抽出されているのに対し、
図3に示した「点検記録」の記載内容変更時刻104の「2001/09/30」は、
図8に示した範囲R111の「2001/10/01 01:05:00<記載内容変更時刻」を満たさないため抽出されない。
【0052】
次に、ドキュメント検索処理210は、要素ドキュメントを
図12の検索キーで検索し、要素ドキュメントでドキュメントグループを作成する(ステップ213)。具体的には、要素ドキュメントの名称103と記載内容105に対し、障害通知20の機器名143と障害事象144のそれぞれを検索キーとして全文検索することにより、検索キーでヒットした要素ドキュメントを抽出する。
【0053】
障害通知20の機器名143は名称の文字列を含み、障害事象144は事象を説明する文字列を含み、これらの文字列がそのまま検索キーとして使用されてもよい。また、検索キーとなる文字列の候補が予め決められてテーブルに予め設定され、機器名143と障害事象144に含まれる文字列は、このテーブルと照合されて、候補と一致する文字列が検索キーとして使用されてもよい。
【0054】
例えば、計測値という文字列が検索キーの候補としてテーブルに予め設定され、障害事象144の「計測値=高、操作=不能」がテーブルと照合されて、一致する「計測値」が検索キーとして使用される。
【0055】
そして、ドキュメント検索処理210は、同じ検索キーでヒットした1つ以上の要素ドキュメントを1つのドキュメントグループとする。ここで、同じ検索キーは複数の検索キーであってもよい。また、1つの要素ドキュメントが複数のドキュメントグループに属してもよい。
【0056】
図9にドキュメントグループのテーブルの例を示す。ドキュメントグループのテーブルは、ドキュメントグループを識別するためのドキュメントグループ番号131、ヒットの基となった検索キー132、ヒットしたドキュメント番号のリスト133、ドキュメントグループの優先度134を含む。
【0057】
続いて、ドキュメントグループごとに優先度を決めるため、ドキュメント検索処理210は、各要素ドキュメントについて、変更マーク付与条件を判定し、条件を満たしている場合は「○」を変更マーク106に設定し、条件を満たしていない場合は「×」を変更マーク106に設定する(ステップ214)。
【0058】
変更マーク付与条件は、ドキュメントの種類102ごとに変えられてもよい。例えば、ドキュメントの種類102が「操作手順書」の場合は、点数が算出され、算出された点数と予め設定された閾値との比較結果が、変更マーク付与条件であってもよい。
【0059】
ドキュメント番号101には時系列の情報も含まれ、時系列として1つ前の同じドキュメントの記載内容105との内容の変更箇所が特定され、第1の点数算出として特定された変更箇所が存在すれば1点と算出され、第2の点数算出として要素ドキュメントの記載内容105に検索キーのヒットする内容が存在すれば1点と算出されてもよい。
【0060】
第3の点数算出として特定された変更箇所が検索キーでヒットする内容であれば1点と算出されてもよい。そして、第1から第3の点数算出で算出された点数が合計されてもよいし、第1から第3の点数算出の一部で算出された点数が合計されてもよい。
【0061】
また、変更マーク付与条件は、ドキュメントの種類102が「操作手順書」の場合は記載内容105に検索キーとして使用された機器名143の名称が存在することであってもよく、「操作記録」の場合は記載内容105の操作機器、操作内容が同一だが操作条件が異なるドキュメントが存在することであってもよい。
【0062】
また、ドキュメントの種類102が「計測記録」の場合は常に「×」を変更マーク106に設定するという変更マーク付与条件があってもよい。これら変更マーク付与条件はデータ検索装置10のユーザにより任意に設定されてもよく、これにより検索精度がチューニングされてもよい。
【0063】
最後に、ドキュメント検索処理210は、各ドキュメントグループの優先度を決定する(ステップ215)。これは、ドキュメントグループごとの変更マークが「○」であるドキュメントの数の割合が高いほど、優先度が高く設定されることで実現される。
【0064】
図11に優先度付けの結果の例を示す。
図11に示したドキュメントグループのテーブルは、
図9に示したものと同じであるが、
図10に示した変更マーク106が「○」であるドキュメントの番号101に対応するリスト133の番号が四角で囲まれ、優先度134が設定されている。
【0065】
ドキュメントグループ番号131が「2」と「5」のドキュメントグループは、変更マーク106が「○」であるドキュメントが「101」および「201」と3分の2の割合であるため優先度は同率で「1」である。
【0066】
また、ドキュメントグループ番号131が「1」と「3」のドキュメントグループは、割合が2分の1で次点のため優先度は同率で「2」であり、ドキュメントグループ番号131が「4」のドキュメントグループは優先度が「3」である。
【0067】
図7は、リスト表示処理220の動作フローチャートの例を示す図である。リスト表示処理220は、ドキュメント検索処理210からドキュメントグループと優先度の情報を受け取り、優先度が高い順にドキュメントグループをソートする(ステップ221)。
【0068】
図11の例では、ドキュメントグループ番号が「2」と「5」、「1」と「3」、「4」の順に、ドキュメントグループがソートされる。そして、ソートされた順にドキュメントグループを監視画面11に送信する(ステップ222)。
【0069】
以上で説明したように、ドキュメントの記載内容変更時刻と障害発生時刻との関係に基づいて、障害発生に関係した可能性の高い変更をともなうドキュメントの絞り込みが可能となる。特に、ドキュメントの種類の特性に合った時刻の関係で絞り込むため、障害発生に関係した可能性の低い変更を除外できる。
【0070】
また、障害通知の内容に基づいて、障害発生に関係した可能性の高い複数のドキュメントをグループ化できる。これにより、複数のドキュメントの比較や参照も容易になる。さらに、障害通知の内容に基づいて、ドキュメントグループに対して検索優先度を決定することが可能となり、少ないドキュメントから調査を開始して、調査対象のドキュメントを広げる際の指針になる。
【実施例2】
【0071】
実施例2では、データ検索装置10を用いて、
図4に示した「Po」、「Pm」、および「Ps」を決定する例を説明する。この決定以外は実施例1と同じであるので、この決定に関して説明し、この決定以外の説明は省略する。
【0072】
実施例1で説明したように、障害通知を契機としてドキュメント検索を繰り返していく際、データ検索装置10は、ユーザから検索結果の評価が入力される。
図1に示した検索応答22がこれに該当する。これは例えば、監視画面11の画面上に優、良、および可の選択肢が表示されて、選択肢のいずれかのマウスによるクリックが検出されてもよい。
【0073】
また、検索結果のドキュメントグループで示された(要素)ドキュメントの中で、ユーザが実際に調査したドキュメントの数(監視画面11の画面上で開かれたドキュメントの数)がカウントされてもよい。この場合、ユーザがドキュメントを開いたという情報が、検索応答22として通知される。
【0074】
なお、ユーザは、慣れにより、ドキュメントを開かなくてもドキュメントの概要を想定でき、不要なドキュメントを開かないことがある。ただし、実際の操作などに必要なドキュメントは、想定だけでなく、ドキュメントを実際に開いて確認することを要求されることが、一般的である。
【0075】
以下、本実施例では検索応答22としてユーザから優、良、あるいは可の3段階の評価が得られる例について説明する。
図13は、検索期間制御処理230の動作フローチャートの例を示す図である。
【0076】
検索期間制御処理230は、まず監視画面11から検索応答22として優、良、あるいは可の3段階の評価を受け付ける(ステップ231)。この検索応答22を、例えば優が3点、良が2点、可が1点などと点数化し(ステップ232)、点数および点数の変化で「Po」、「Pm」、あるいは「Ps」の値を変化させる(ステップ233)。
【0077】
具体的には、以下のとおりである。「Po」、「Pm」、および「Ps」の値それぞれを変化させる際の刻みとしてSo、Sm、およびSsの値が、予め設定されている。これにより、「Po」はPo+SoあるいはPo−Soに変化可能であり、「Pm」と「Ps」も同様に変化可能である。なお、So、Sm、およびSsの初期値としては、+の方向に変化させる値が好ましい。
【0078】
この変化は、点数が3のときはさらに+か−の方向を維持させた変化であり、点数が2のときは変化なしであり、点数が1のときは+と−の方向を逆転させた変化である。すなわち、「Po」に関して点数が3、2、2、1と順に並ぶ場合、「Po」は初期値のPoからPo+So、Po+So、Po+So、Po+So−So=Poと順に変化する。
【0079】
これだけでは、Poなどが永遠に増加しつづける、または値の0に張り付く場合があるため、制限を設ける必要がある。Poなどが増加し続けることへの対処としてPoの上限値が設けられ、この上限値に達した場合、次回は減少させてもよい。
【0080】
逆に値の0に張り付くことへの対処として、入力について予め設定された上限回数を超えた回数の検索応答22が入力されても継続して0の場合、次回は増加させてもよい。
【0081】
以上の単純なルールにより、「Po」、「Pm」、および「Ps」の値を変化させることが可能となり、その結果、ドキュメントグループに含まれるドキュメントの数を変えることができる。
【0082】
すなわち、ユーザは優、良、あるいは可の応答を返すだけで、検索結果として表示されるドキュメントグループに含まれるドキュメントの数を制御できることになる。そして、時間と検索回数が多く必要となる可能性もあるが、最終的にユーザが最適と考えるドキュメント数の得られる「Po」、「Pm」、および「Ps」にチューニング可能となる。