(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6805148
(24)【登録日】2020年12月7日
(45)【発行日】2020年12月23日
(54)【発明の名称】成形された底側表面を有するコンベヤベルトモジュール
(51)【国際特許分類】
B65G 17/40 20060101AFI20201214BHJP
B65G 17/08 20060101ALI20201214BHJP
【FI】
B65G17/40
B65G17/08
【請求項の数】12
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2017-533020(P2017-533020)
(86)(22)【出願日】2015年12月1日
(65)【公表番号】特表2017-538644(P2017-538644A)
(43)【公表日】2017年12月28日
(86)【国際出願番号】US2015063103
(87)【国際公開番号】WO2016099855
(87)【国際公開日】20160623
【審査請求日】2018年11月28日
(31)【優先権主張番号】14/575,019
(32)【優先日】2014年12月18日
(33)【優先権主張国】US
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】508181663
【氏名又は名称】レイトラム,エル.エル.シー.
(74)【代理人】
【識別番号】110001302
【氏名又は名称】特許業務法人北青山インターナショナル
(72)【発明者】
【氏名】マクラクラン,ギルバート ジェイ.
【審査官】
加藤 三慶
(56)【参考文献】
【文献】
米国特許出願公開第2009/0308716(US,A1)
【文献】
国際公開第2012/128621(WO,A1)
【文献】
特表2011−507780(JP,A)
【文献】
特開昭62−16909(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65G 17/00− 17/48
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンベヤベルトモジュールにおいて、
上側搬送表面を有するモジュール本体と、
前記モジュール本体の第1の端部に沿って第1の間隙を隔てて離間されたヒンジ要素の第1の組であって、各々がヒンジ開口を有するヒンジ要素の第1の組と、
前記モジュール本体の第2の端部に沿って第2の間隙を隔てて離間されたヒンジ要素の第2の組であって、各々がヒンジ開口を有するヒンジ要素の第2の組と、
上記上側搬送表面の反対側にある成形された底側表面であって、中央凹状湾曲と一続きになる第1の凸状湾曲と、前記中央凹状湾曲と一続きになる第2の凸状湾曲とを含み、前記第1の凸状湾曲の曲率半径が前記中央凹状湾曲の曲率半径より大きく、前記中央凹状湾曲の頂点が前記ヒンジ開口の底部より下方にある成形された底側表面と、を含み、
各ヒンジ開口が、前記底側表面よりも前記搬送表面の方に近いことを特徴とするコンベヤベルトモジュール。
【請求項2】
請求項1に記載のコンベヤベルトモジュールにおいて、前記第2の凸状湾曲の曲率半径が前記第1の凸状湾曲の前記曲率半径と等しいことを特徴とするコンベヤベルトモジュール。
【請求項3】
請求項1に記載のコンベヤベルトモジュールにおいて、前記ヒンジ要素の第1の組が細長いヒンジ開口を含むことを特徴とするコンベヤベルトモジュール。
【請求項4】
請求項1に記載のコンベヤベルトモジュールにおいて、前記成形された底側表面が、前記モジュールの第1の縦方向の端部と前記第1の凸状湾曲との間の第1の平坦表面と、前記モジュールの第2の縦方向の端部と前記第2の凸状湾曲との間の第2の平坦表面とを含み、前記縦方向はベルト移動方向と平行であることを特徴とするコンベヤベルトモジュール。
【請求項5】
請求項1に記載のコンベヤベルトモジュールにおいて、前記成形された底側表面が、第1の平坦な表面と第2の平坦な表面とを含み、前記第1の平坦な表面は、整列した前記ヒンジ要素の第1の組の下方に位置して前記第1の凸状湾曲へと移行し、前記第2の平坦な表面は、整列した前記ヒンジ要素の第2の組の下方に位置して前記第2の凸状湾曲へと移行することを特徴とするコンベヤベルトモジュール。
【請求項6】
請求項5に記載のコンベヤベルトモジュールにおいて、当該モジュールが前記上側搬送表面と前記第1の平坦な表面との間の高さを有し、当該高さが、前記第1の凸状湾曲の曲率の直径よりも小さいことを特徴とするコンベヤベルトモジュール。
【請求項7】
請求項1に記載のコンベヤベルトモジュールにおいて、前記ヒンジ要素が、前記コンベヤベルトモジュールの垂直方向の中心からオフセットされたヒンジ開口を形成することを特徴とするコンベヤベルトモジュール。
【請求項8】
コンベヤベルトモジュールにおいて、
搬送表面を形成する頂部を有する上部であって、第1の側から第2の側へ横方向に延在するとともに、第1の端部から第2の端部へとベルトが移動する方向である縦方向に延在する中央本体と、前記中央本体の第1および第2の端部から縦方向に外側に延在する複数のヒンジ要素とを含み、前記ヒンジ要素が、前記上部において垂直方向に中心を置かれたヒンジ開口を有する、上部と、
前記上部の下方の中実の下部であって、前記ヒンジ要素の先端における前記モジュールの第1および第2の端部に近い第1の厚さから、前記モジュールの縦方向中心のほぼゼロの厚さまで厚さが徐々に減って凹状の溝を形成し、前記中実の下部がその底側表面に凸状湾曲を含む、下部と、を含み、
前記ヒンジ開口が、前記底側表面よりも前記搬送表面の方に近いことを特徴とするコンベヤベルトモジュール。
【請求項9】
請求項8に記載のコンベヤベルトモジュールにおいて、前記中実の下部の前記底側表面がベル形の湾曲断面を有することを特徴とするコンベヤベルトモジュール。
【請求項10】
請求項8に記載のコンベヤベルトモジュールにおいて、少なくとも1つのヒンジ開口がベルト移動方向において細長いことを特徴とするコンベヤベルトモジュール。
【請求項11】
請求項8に記載のコンベヤベルトモジュールにおいて、前記底側表面の前記凸状湾曲が、ヒンジ開口の中心と整列する曲率の中心を有することを特徴とするコンベヤベルトモジュール。
【請求項12】
請求項8に記載のコンベヤベルトモジュールにおいて、前記上部の底部が前記凹状の溝の頂部と一致することを特徴とすることを特徴とするコンベヤベルトモジュール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概して、動力駆動式コンベヤに関し、より詳細には、モジュール式プラスチックコンベヤベルトに関する。
【背景技術】
【0002】
モジュール式プラスチックコンベヤベルトは、製品を搬送するために様々な産業界で広く使用されている。モジュール式プラスチックコンベヤベルトは、横並びになったベルトモジュールの一連の列から構成される。各列の両端部に沿ったヒンジアイ(hinge eye)が、連続する列のヒンジアイと交互に配置される。交互に配置されたヒンジアイに挿入されるヒンジロッドがヒンジジョイントにおいて各列を相互に接続し、エンドレスコンベヤベルトループを形成する。
【0003】
特定のモジュール式プラスチックコンベヤベルトは、ノーズバー(nosebar)または他の反転要素を回ることが難しい。運搬経路から戻り経路への移行は、往々にしてモジュールに振動および揺れを引き起こし、搬送表面を不安定にする。
【発明の概要】
【0004】
コンベヤベルトモジュールは、搬送表面と、成形された底側表面とを含む。成形された底側表面は、ノーズバー周囲のモジュールの滑らかな移行を促進する。成形された底側表面は、関連するノーズバーを受け入れるように成形された横方向に延在するベル状の凹状の溝を有し得る。ヒンジ開口から溝の頂点までの距離は、ヒンジ開口からモジュールの上面までの距離とほぼ同じである。コンベヤベルトモジュールは、モジュールが転回部を移動することを同様に可能にするスロット状ヒンジ開口を有し得る。
【0005】
第1の態様によれば、コンベヤベルトモジュールは、モジュール本体と、細長いヒンジ開口を有するヒンジ要素の第1の組と、ヒンジ要素の第2の組と、その全体にわたり横方向に延在する凹状の溝および少なくとも1つの凸状の湾曲を有する底側表面とを含む。モジュールの底側表面は、モジュール本体の底側表面と、ヒンジ要素の第1および第2の組の底側表面とによって画定される。
【0006】
別の態様によれば、コンベヤベルトモジュールは、モジュール本体と、ヒンジ要素の第1の組と、ヒンジ要素の第2の組と、成形された底側表面とを含む。成形された底側表面は、中央凹状湾曲と一続きになる第1の凸状湾曲と、中央凹状湾曲と一続きになる第2の凸状湾曲とを含む。第1の凸状湾曲の曲率半径は、中央凹状湾曲の曲率半径より大きい。
【0007】
さらに別の態様によれば、コンベヤベルトモジュールは、モジュール本体と、ヒンジ要素の第1の組と、ヒンジ要素の第2の組と、第1の凸状湾曲、中央凹状湾曲および第2の凸状湾曲を含む成形された底側表面とを含む。中央凹状湾曲の頂点は、ヒンジ要素の第1の組のヒンジ開口の下方にある。
【0008】
別の態様によれば、コンベヤベルトモジュールは、モジュール本体と、ヒンジ要素の第1および第2の組と、第1の凸状湾曲、中央凹状湾曲および第2の凸状湾曲を含む成形された底側表面とを含む。第1の凸状湾曲は、関連するヒンジ要素の対応するヒンジ開口の湾曲支持表面の曲率の中心も形成する湾曲の中心を有する。
【0009】
さらに別の態様によれば、コンベヤベルトモジュールは、上部と、上部の下方の下部とを含む。上部は、中央本体と、上部において垂直方向に中心を置かれたヒンジ開口を有する複数のヒンジ要素とを含む。下部は、モジュールの外側端部に近い第1の厚さから、モジュールの縦方向中心のほぼゼロの厚さまで厚さが徐々に減る。下部は、その底側表面に凸状湾曲を含む。
【0010】
本発明のさらに別の態様によれば、コンベヤが提供される。コンベヤは、運搬経路と、ラジアスコンベヤベルト(radius conveyor belt)と、コンベヤベルトを運搬経路から戻り経路へ案内するための運搬経路の端部のノーズバーとを含む。ラジアスコンベヤベルトは、複数のヒンジ式に接続されたモジュールから形成され、各コンベヤベルトモジュールは、モジュールをベルトの別のモジュールにヒンジ式に接続するための少なくとも1つのスロット状ヒンジ開口を含む。コンベヤベルトは、ノーズバーの直径より大きいピッチを有する。
【図面の簡単な説明】
【0011】
本発明のこれらの特徴および態様ならびにその利点は、以下の記載、付随する請求項および添付の図面を参照することにより、より良く理解される。
【0012】
【
図1】
図1は、本発明の実施形態による成形された底側表面を有するコンベヤベルトモジュールの等角図である。
【
図2】
図2は、
図1のコンベヤベルトモジュールの側面図である。
【
図3】
図3は、
図1のコンベヤベルトモジュールの別の側面図であり、モジュールの成形された底部の表面の曲率半径を示す。
【
図4】
図4は、
図1のコンベヤベルトモジュールの別の側面図であり、モジュールの上部および下部を示す。
【
図5】
図5は、
図1のコンベヤベルトモジュールの後面図である。
【
図6】
図6は、本発明の実施形態によるノーズバー上を移動する成形された底面を有する複数のモジュールを含むコンベヤベルトを示す。
【発明を実施するための形態】
【0013】
コンベヤベルトモジュールは、コンベヤベルトのノーズバーまたは他の要素の周囲を容易に移動するために、成形された底側表面を採用する。以下、本発明を特定の例示的な実施形態に関連して記載するが、当業者であれば、本発明が記載されている実施形態に限定されないことを認識するであろう。
【0014】
図1〜5を参照すると、コンベヤベルト用の例示的なコンベヤベルトモジュール10は、モジュール本体と、駆動要素と、モジュールを別のモジュールに連結してコンベヤベルトを形成するためのヒンジ構造とを含む。例示的なモジュール10は、ベルトが転回部を通過するかまたは直線経路を辿ることを可能にする特徴部を有するラジアスベルトを形成する。コンベヤベルトの各列は、ベルトの幅にわたって広がる単一のモジュール、または相互に連結されて列を形成する複数のモジュールを含み得る。
【0015】
例示的なモジュール本体は、ベルト移動方向を横切るモジュールのかなりの部分にわたって横方向に延在し、かつ上側搬送表面22から底側表面24へ垂直に延在する中央背骨部分20を含む。モジュール本体は、任意の適切な寸法、形状および構成を有し得、示される背骨部分に限定されない。一実施形態において、中央背骨部分は、組み立てられたコンベヤベルト内の間隙を最小化するために上側ウェブまたは他の特徴部を含む。別の実施形態において、背骨部分20または背骨部分の一部は、波形に成形されるか、または別の非平坦な形状を有する。別の実施形態において、モジュール本体は、より大きいメッシュであるか、穿孔されるか、または固体の構造である。例示的なモジュールの一方の側は、ヒンジロッドを適所に固定するためのロッド固定要素を含む固体端部部分28を含む。
【0016】
ヒンジアイ40として示されるヒンジ要素の第1の組は、中央背骨部分20の第1の端部からベルト移動方向に沿って縦方向外側へ延在し、ヒンジアイ42として示されるヒンジ要素の第2の組は、中央背骨部分20の第2の端部からベルト移動方向に沿って縦方向外側へ延在する。例示的実施形態では、ヒンジアイ40、42は、モジュール本体の一部と見なされる。背骨部分の一方の端部のヒンジアイ40は、他方の端部のヒンジアイ42から横方向にオフセットされる。横方向に連続的なヒンジアイ間の間隙45は、コンベヤベルトの隣接モジュール列の同様のモジュールのヒンジアイを受け入れるように寸法決めされる。例示的実施形態では、ヒンジアイ40の一方の組のヒンジ開口44は、スロットを形成するようにベルト移動方向に細長いが、本発明はそのように限定されない。ヒンジ開口46も同じくわずかに細長い場合があるが、ヒンジ開口44よりも長さが短い。ヒンジ開口44および/または46の細長い形状は、ヒンジロッドが開口内を滑ることを可能にし、それにより、コンベヤベルトが、転回部の外側で内側縁部12において潰れかつ外側縁部14で扇形に広がることにより、転回部を通過することを可能にする。ヒンジ開口44、46は、1つのモジュールを別のモジュールに連結するヒンジロッドを受け入れるように任意の適切な形状、寸法および向きを有してよく、この例示的実施形態に限定されない。
【0017】
図2に示されるように、端部ヒンジ開口46eは、ヒンジロッドの保持を容易にするために、第2の組の他のヒンジ開口46からオフセットされてもよい。
【0018】
モジュール10は半径方向内側縁部12から半径方向外側縁部14まで延在し、および第1の縦方向端部16と、第1の縦方向端部16の反対側の第2の縦方向端部18と、上側搬送表面22と、反対側の底側表面24とによって画定される。
【0019】
駆動要素80、60は、背骨部分20の長さに沿った選択された位置で2つのヒンジアイ間に形成される。駆動要素60は、隣接ヒンジ開口44と整列する開口64を有する細長いヒンジアイを含む。この例示的な駆動要素60は、ヒンジアイ40の少なくとも2倍の長さであるが、本発明はそのように限定されない。駆動ポケット80が駆動要素60の反対側で縦方向端部16の近くの2つのヒンジアイ42間に形成される。
図5に示されるように、例示的な駆動要素60は、ヒンジアイ40、42のように垂直方向に深くないが、本発明はそのように限定されない。
【0020】
モジュールは、好ましくは、ポリプロピレン、ポリエチレン、アセタール、または複合ポリマーなどの熱可塑性ポリマーから射出成形プロセスで作製される。このように作製されたプラスチックコンベヤベルトモジュールは、Intralox,L.L.C.(Harahan,La.,USA)から商業的に入手可能である。別の実施形態では、モジュールはステンレス鋼または別の適切な材料から形成される。
【0021】
複数のモジュール10がコンベヤベルトを形成するために使用される。ベルトは、縁部同士が接合されたベルトモジュールの一連の列を含み得る。列はヒンジロッドによって相互に接続され、ヒンジロッドは、隣接列間の交互配置されたヒンジアイの整列された開口によって形成された通過経路44、46を通って横方向に延在する。ベルトは、モジュールの搬送表面22の上の物品をコンベヤの上側運搬経路部分に沿って搬送する。ベルトの列を形成するために複数のモジュールが横並びに結合されてもよく、または単一のモジュールがコンベヤベルトの列全体に広がってもよい。ヒンジ開口の少なくとも一組としてのスロットの使用は、連結されたモジュールが散開して、経路の転回部を通過することを可能にする。
【0022】
モジュール10は、ノーズバー移行部を密着した状態で通過することができるように成形された底部を含む。
図2に示されるように、モジュールの底側表面24は、凹状の横方向の溝70を含む。好ましくは、溝の湾曲は、ベルトおよびノーズバーの両方の摩耗を低減するために関連するノーズバーの湾曲に一致するが、本発明はそのように限定されない。例示的な溝70は対称であるが、本発明はそのように限定されない。例示的な溝70はベル形の湾曲を有し、平坦な端部241、242をヒンジ要素40、42の下方に含む。標準的な作動中、平坦な端部241、242は、コンベヤフレームの運搬経路上を走行する。平坦な端部の表面241、242は、ヒンジ開口44、46の下方の凸状円弧243、244に移行する。あるいは、端部表面241、242は、凸状円弧243、244と連続する湾曲であってもよく、または別の形状を有してもよい。例示的な内側表面243、244は、互いの対称な鏡像であるが、本発明はそのように限定されない。凸状内側表面243、244は、屈曲点246、247で変化し、それにより、底側表面24は、溝の中間で凹状に弧を描く。凹状表面248は、溝70の中間部分を形成する。湾曲の頂点245は背骨部分20またはモジュールの縦方向中心と一致する。溝70の頂部は代替的には平坦であってもよく、またはベルトの滑らかな移動を促進するように別の方法で成形されてもよい。湾曲の形状は、この例示的なベル形に限定されず、底側表面は、ノーズバー上を移動するために任意の適切な寸法および形状を有してよい。
【0023】
底側表面の形状は、モジュール10から形成されたコンベヤベルトが、搬送される物品を揺らすことなくノーズバー上を円滑に走行することを可能にする一方、ベルトが転回部を移動することも可能にするヒンジ開口としてスロットを使用することをなおも可能にする。凹状表面248は、
図3に示すように、凸状表面243、244の曲率半径R
2、R
3より小さい曲率半径R
1を有する。同じく図示のように、凸状表面243、244の曲率中心C
3、C
2は、ヒンジ開口44、46の垂直中心と一致する。ヒンジ開口46は、凸状表面243の曲率中心C
3と一致する曲率中心を有する湾曲を有する外側境界壁142を有する。したがって、境界壁142によって保持されるヒンジロッドは、底側表面24の凸状表面243の曲率中心C
3に中心が置かれる。ヒンジ開口44は、凸状表面244の曲率中心C
2と一致する曲率中心を有する湾曲を有する外側境界壁140を有する。境界壁140によって保持されたヒンジロッドは、凸状表面244の曲率中心C
3に中心が置かれる。
【0024】
凹状湾曲表面248の曲率の直径(R
1×2)は、モジュールが移動するように設計された関連するノーズバー110の直径にほぼ等しいように選択される。平坦表面241、242から上側搬送表面22までのモジュールの全体の高さは、好ましくは、凸状表面244、243の曲率半径よりも大きいが、凸状表面244、243の曲率直径(R
2×2)よりも小さい。ベルトの例示的なピッチ(C
2からC
3までの距離)は、ノーズバーの直径より大きいが、本発明はそのように限定されない。例えば、一実施形態では、コンベヤベルトモジュールは、約1インチのピッチ、0.675インチの厚さ、0.375インチのR1を有し、モジュールに対応するように設計された関連するノーズバーは、0.75インチの直径を有する。成形された底側表面は、ベルトがベルトのピッチよりも小さい直径を有するノーズバー上を移動することを可能にする。
【0025】
湾曲244から平坦部242への例示的な移行部251はC
2の真下にあり、湾曲243から241への移行部252はC
3の真下にあり、中心C
2、C
3の下方の湾曲244、243への接線は上側表面22と平行である。
【0026】
好ましくは、溝70の頂点245は、モジュール内のヒンジ開口44、46のかなり下方にある。
【0027】
図4に示すように、モジュール10は本質的に上部51および下部52から構成される。例示的な上部は背骨部分20およびヒンジ要素40、42を含む。上部の上面は搬送表面22を形成し、線53で示される上部12の底面は溝70の頂部245と一致する。下部52は、本質的に、ヒンジ要素40、42の底面に追加された追加の材料からなる。底面材料は、モジュールの第1の縦方向端部16および第2の縦方向端部18においてより厚く、および厚さT
Lは、記載されるように、凸状部分および凹状部分の両方を含む湾曲に沿った溝70の頂点245で、モジュールの中間においてほぼゼロの厚さまで徐々に厚さを減らされる。ヒンジアイ44、46は、上部51内で垂直方向の中心に置かれ、上部51の上側表面22と底面53との間のほぼ中間にある。線82は、上部51の垂直中心線を表し、ヒンジアイ44、46の中央と整列する。下部12の追加により、ヒンジアイ44、46は、線80で表されるモジュール全体の垂直中心からオフセットされる。ヒンジアイ44、46およびは、モジュールの底面よりも上側表面22に近く、モジュールの底面は表面241および242に到達する。加えて、ヒンジロッド開口部44、46の底面への接線は、好ましくは溝70の頂部245の上方にあるが、本発明はそのように限定されるものではない。
【0028】
図6に示すように、モジュールの底側表面は、コンベヤ運搬経路の端部でノーズバー110または他の反転要素に適合するような形状である。成形された底側表面24は、モジュール10がノーズバー110上を移動するときにベルトを安定させることを補助し、搬送表面が過度に上下に動くことを防止し、滑らかな動作を促進する。好ましくは、モジュールを使用して形成されたコンベアベルトのピッチは、ノーズバー110の直径よりも大きい。ノーズバー110の湾曲は溝70の湾曲に一致する。
図6に示すように、成形された底側表面は、ヒンジロッドがヒンジ通路内を移動することを可能にする細長いヒンジ開口44を含むラジアスベルトが、ベルトのいかなる部分も運搬経路のベルトの上側表面Cの上方に突出することなくノーズバー110上を移動することを可能にする。加えて、成形された底側表面は、ピッチP(ベルトの2つの連続するヒンジピン間の距離)を有するラジアスベルトが、ピッチPより小さい直径D
nを有するノーズバー110上を移動することを可能にする。
【0029】
本発明をいくつかの例示的な形態を参照して詳細に記載してきたが、他の形態が可能である。請求項の範囲は、詳細に記載されたそれらの形態に限定されるように意図されていない。