特許第6805172号(P6805172)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6805172ヒストンデアセチラーゼ阻害薬及び組成物並びにそれらの使用の方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6805172
(24)【登録日】2020年12月7日
(45)【発行日】2020年12月23日
(54)【発明の名称】ヒストンデアセチラーゼ阻害薬及び組成物並びにそれらの使用の方法
(51)【国際特許分類】
   C07D 413/04 20060101AFI20201214BHJP
   A61K 31/4245 20060101ALI20201214BHJP
   A61P 25/14 20060101ALI20201214BHJP
   A61P 25/00 20060101ALI20201214BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20201214BHJP
   A61K 31/55 20060101ALI20201214BHJP
   A61K 31/4725 20060101ALI20201214BHJP
   A61K 31/438 20060101ALI20201214BHJP
   A61K 31/454 20060101ALI20201214BHJP
   A61K 31/4375 20060101ALI20201214BHJP
   A61K 31/4439 20060101ALI20201214BHJP
   C07D 413/12 20060101ALI20201214BHJP
   C07D 471/04 20060101ALI20201214BHJP
【FI】
   C07D413/04
   A61K31/4245
   A61P25/14
   A61P25/00
   A61P43/00 111
   A61K31/55
   A61K31/4725
   A61K31/438
   A61K31/454
   A61K31/4375
   A61K31/4439
   C07D413/12CSP
   C07D471/04 113
【請求項の数】35
【全頁数】100
(21)【出願番号】特願2017-557324(P2017-557324)
(86)(22)【出願日】2016年5月6日
(65)【公表番号】特表2018-515489(P2018-515489A)
(43)【公表日】2018年6月14日
(86)【国際出願番号】US2016031335
(87)【国際公開番号】WO2016179554
(87)【国際公開日】20161110
【審査請求日】2019年5月7日
(31)【優先権主張番号】62/158,363
(32)【優先日】2015年5月7日
(33)【優先権主張国】US
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】511027183
【氏名又は名称】シーエイチディーアイ ファウンデーション,インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110002572
【氏名又は名称】特許業務法人平木国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ドミンゲス,セリア
(72)【発明者】
【氏名】メイラード,マイケル シー.
(72)【発明者】
【氏名】ハウガン,アラン エフ.
(72)【発明者】
【氏名】ヴァン デ ポエル,アマンダ
(72)【発明者】
【氏名】ストット,アンドリュー ジェイ.
(72)【発明者】
【氏名】ラックハースト,クリストファー エー.
(72)【発明者】
【氏名】サヴィル−ストーンズ,エリザベス エー.
(72)【発明者】
【氏名】ウィシャート,グラント
(72)【発明者】
【氏名】ウォール,マイケル
(72)【発明者】
【氏名】ブレッキア,ペルラ
(72)【発明者】
【氏名】ジャーヴィス,レベッカ イー.
【審査官】 二星 陽帥
(56)【参考文献】
【文献】 特表2014−520794(JP,A)
【文献】 国際公開第2013/066835(WO,A1)
【文献】 国際公開第2013/006408(WO,A1)
【文献】 特表2014−533721(JP,A)
【文献】 国際公開第2013/066833(WO,A1)
【文献】 国際公開第2013/009830(WO,A1)
【文献】 特表2015−516967(JP,A)
【文献】 特表2014−525445(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07D 413/04 −471/04
A61K 31/4245− 31/55
A61P 25/00 − 43/00
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
式I
【化1】
[式中、
Wは、N又はCR5であり;Xは、N又はCR6であり;Yは、N又はCR7であり;Zは、N又はCR8であり;ただし、W、X、Y、及びZのうち2個以下は、Nであり;
R1は、H及びC1〜C3アルキルから選択され;
R2は、C1〜C2ハロアルキル又は3若しくは4員のシクロアルキルで任意選択で置換されているC2〜C3アルキレンであり;
R3及びR4は、これらが結合している窒素原子と一緒になって、
C1〜C3アルコキシ、C1〜C3アルキル、C1〜C3ハロアルコキシ、C1〜C3ハロアルキル、3又は4員のシクロアルコキシ、3又は4員のシクロアルキル、3又は4員のヘテロシクロアルキル、カルボキシ、アリール、シアノ、ハロ、及びヘテロアリールからそれぞれ独立に選択される1〜5つの置換基で任意選択で置換されている4又は7員の複素単環式基であって、ここでアリール及びヘテロアリールは、C1〜C3アルキル、C1〜C3ハロアルキル、及びハロからそれぞれ独立に選択される1〜5つの置換基で任意選択でさらに置換されている、4又は7員の複素単環式基、又は
C1〜C3アルコキシ、C1〜C3アルキル、C1〜C3ハロアルコキシ、C1〜C3ハロアルキル、3又は4員のシクロアルコキシ、3又は4員のシクロアルキル、3又は4員のヘテロシクロアルキル、カルボキシ、アリール、シアノ、ハロ、及びヘテロアリールからそれぞれ独立に選択される1〜5つの置換基で任意選択で置換されている5又は6員の複素単環式基であって、ここでアリール及びヘテロアリールは、C1〜C3アルキル、C1〜C3ハロアルキル、及びハロからそれぞれ独立に選択される1〜5つの置換基で任意選択でさらに置換されている、5又は6員の複素単環式基、又は
1-アザスピロ[3.3]ヘプタン-1-イル、
3-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン-3-イル、
3-アザビシクロ[3.2.0]ヘプタン-3-イル、
3-アザビシクロ[3.2.1]ヘプタン-3-イル、
3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル、
3,4-ジヒドロイソキノリン-2(1H)-イル、
3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-2(1H)-イル、
5-アザスピロ[2.4]ヘプタン-5-イル、
5-アザスピロ[2.5]オクタン-5-イル、
6-アザスピロ[2.5]オクタン-6-イル、
1-アザスピロ[3.3]ヘプタン-1-イル、
6-アザビシクロ[3.2.0]ヘプタン-6-イル、
イソインドリン-2-イル、及び
オクタヒドロシクロペンタ[c]ピロール-2-イル
から選択される6、7、8、9、若しくは10員の複素二環式基であって、それらのそれぞれは、C1〜C3アルコキシ、C1〜C3アルキル、C1〜C3ハロアルコキシ、C1〜C3ハロアルキル、3又は4員のシクロアルコキシ、3又は4員のシクロアルキル、3又は4員のヘテロシクロアルキル、カルボキシ、アリール、シアノ、ハロ、及びヘテロアリールからそれぞれ独立に選択される1〜5つの置換基で任意選択で置換され、ここでアリール及びヘテロアリールは、C1〜C3アルキル、C1〜C3ハロアルキル、及びハロからそれぞれ独立に選択される1〜5つの置換基で任意選択でさらに置換されている、6、7、8、9、若しくは10員の複素二環式基を形成し
R5、R6、R7及びR8は、H、C1〜C4アルキル、C1〜C4ハロアルキル、及びハロからそれぞれ独立に選択され
ただし、R3及びR4が、これらが結合している窒素原子と一緒になって、5又は6員の複素単環式基を形成する場合、
R2は、C1〜C2ハロアルキル又は3若しくは4員のシクロアルキルで置換されているC2〜C3アルキレンである]
の化合物又はその薬学的に許容される塩、光学異性体若しくは光学異性体の混合物。
【請求項2】
式Iの化合物が、式II
【化2】
の化合物である、請求項1に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩、光学異性体若しくは光学異性体の混合物。
【請求項3】
R2が、3又は4員のシクロアルキルで任意選択で置換されているC2〜C3アルキレンである、請求項1又は2に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩、光学異性体若しくは光学異性体の混合物。
【請求項4】
式Iの化合物が、式III
【化3】
の化合物である、請求項3に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩、光学異性体若しくは光学異性体の混合物。
【請求項5】
R6がHである、請求項1から4のいずれか一項に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩、光学異性体若しくは光学異性体の混合物。
【請求項6】
式Iの化合物が、式V
【化4】
の化合物である、請求項1に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩、光学異性体若しくは光学異性体の混合物。
【請求項7】
R2が、3又は4員のシクロアルキルで任意選択で置換されているC2〜C3アルキレンである、請求項6に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩、光学異性体若しくは光学異性体の混合物。
【請求項8】
式Iの化合物が、式VI
【化5】
の化合物である、請求項7に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩、光学異性体若しくは光学異性体の混合物。
【請求項9】
R5がHである、請求項1から8のいずれか一項に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩、光学異性体若しくは光学異性体の混合物。
【請求項10】
R7がHである、請求項1から9のいずれか一項に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩、光学異性体若しくは光学異性体の混合物。
【請求項11】
R8が、H、ハロ、及びメチルから選択される、請求項1から10のいずれか一項に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩、光学異性体若しくは光学異性体の混合物。
【請求項12】
R1が、H及びメチルから選択される、請求項1から11のいずれか一項に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩、光学異性体若しくは光学異性体の混合物。
【請求項13】
R1がHである、請求項12に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩、光学異性体若しくは光学異性体の混合物。
【請求項14】
R3及びR4が、これらが結合している窒素原子と一緒になって、C1〜C3アルコキシ、C1〜C3アルキル、C1〜C3ハロアルコキシ、C1〜C3ハロアルキル、3又は4員のシクロアルコキシ、3又は4員のシクロアルキル、3又は4員のヘテロシクロアルキル、カルボキシ、アリール、シアノ、ハロ、及びヘテロアリールからそれぞれ独立に選択される1〜5つの置換基で任意選択で置換されている4又は7員の複素単環式基を形成し、ここでアリール及びヘテロアリールが、C1〜C3アルキル、C1〜C3ハロアルキル、及びハロからそれぞれ独立に選択される1〜5つの置換基で任意選択でさらに置換されている、請求項1から13のいずれか一項に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩、光学異性体若しくは光学異性体の混合物。
【請求項15】
R3及びR4が、これらが結合している窒素原子と一緒になって、
3-フェニルアゼチジン-1-イル、及び
アゼパン-1-イル
から選択される4又は7員の複素単環式基を形成する、請求項14に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩、光学異性体若しくは光学異性体の混合物。
【請求項16】
R3及びR4が、これらが結合している窒素原子と一緒になって、C1〜C3アルコキシ、C1〜C3アルキル、C1〜C3ハロアルコキシ、C1〜C3ハロアルキル、3又は4員のシクロアルコキシ、3又は4員のシクロアルキル、3又は4員のヘテロシクロアルキル、カルボキシ、アリール、シアノ、ハロ、及びヘテロアリールからそれぞれ独立に選択される1〜5つの置換基で任意選択で置換されている5又は6員の複素単環式基を形成し、ここでアリール及びヘテロアリールが、C1〜C3アルキル、C1〜C3ハロアルキル、及びハロからそれぞれ独立に選択される1〜5つの置換基で任意選択でさらに置換され、
R2が、C1〜C2ハロアルキル又は3若しくは4員のシクロアルキルで置換されているC2〜C3アルキレンである、請求項1から13のいずれか一項に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩、光学異性体若しくは光学異性体の混合物。
【請求項17】
R3及びR4が、これらが結合している窒素原子と一緒になって、C1〜C3アルコキシ、C1〜C3アルキル、C1〜C3ハロアルコキシ、C1〜C3ハロアルキル、3又は4員のシクロアルコキシ、3又は4員のシクロアルキル、3又は4員のヘテロシクロアルキル、アリール、及びヘテロアリールからそれぞれ独立に選択される1〜5つの置換基で任意選択で置換されている5又は6員の複素単環式基を形成し、ここでアリール及びヘテロアリールが、C1〜C3アルキル、C1〜C3ハロアルキル、及びハロからそれぞれ独立に選択される1〜5つの置換基で任意選択でさらに置換されている、請求項16に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩、光学異性体若しくは光学異性体の混合物。
【請求項18】
R3及びR4が、これらが結合している窒素原子と一緒になって、C1〜C3アルキル、C1〜C3ハロアルコキシ、及びアリールからそれぞれ独立に選択される1〜5つの置換基で任意選択で置換されている5又は6員の複素単環式基を形成し、ここでアリールが、C1〜C3アルキル、C1〜C3ハロアルキル、及びハロからそれぞれ独立に選択される1〜5つの置換基で任意選択でさらに置換されている、請求項17に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩、光学異性体若しくは光学異性体の混合物。
【請求項19】
R3及びR4が、これらが結合している窒素原子と一緒になって、C1〜C3アルキル、C1〜C3ハロアルコキシ、及びフェニルからそれぞれ独立に選択される1〜5つの置換基で任意選択で置換されている5又は6員の複素単環式基を形成し、ここでフェニルが、C1〜C3アルキル、C1〜C3ハロアルキル、及びハロからそれぞれ独立に選択される1〜5つの置換基で任意選択でさらに置換されている、請求項18に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩、光学異性体若しくは光学異性体の混合物。
【請求項20】
R3及びR4が、これらが結合している窒素原子と一緒になって、メチル、ジフルオロメトキシ、及びフェニルからそれぞれ独立に選択される1〜5つの置換基で任意選択で置換されている5又は6員の複素単環式基を形成する、請求項19に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩、光学異性体若しくは光学異性体の混合物。
【請求項21】
R3及びR4が、これらが結合している窒素原子と一緒になって、ピロリジン-1-イル、及びピペリジン-1-イルから選択される5又は6員の複素単環式基を形成し、そのそれぞれが、メチル、ジフルオロメトキシ、及びフェニルから選択される1つの置換基で任意選択で置換されている、請求項20に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩、光学異性体若しくは光学異性体の混合物。
【請求項22】
R3及びR4が、これらが結合している窒素原子と一緒になって、
ピロリジン-1-イル、
2-メチル-ピロリジン-1-イル、及び
3-(ジフルオロメトキシ)ピペリジン-1-イル
から選択される5又は6員の複素単環式基を形成する、請求項21に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩、光学異性体若しくは光学異性体の混合物。
【請求項23】
R3及びR4が、これらが結合している窒素原子と一緒になって、(2S)-メチル-ピロリジン-1-イルを形成する、請求項1に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩、光学異性体若しくは光学異性体の混合物。
【請求項24】
R3及びR4が、これらが結合している窒素原子と一緒になって、6、7、8、9、又は10員の複素二環式基を形成し、複素二環式基は、C1〜C3アルコキシ、C1〜C3アルキル、C1〜C3ハロアルコキシ、C1〜C3ハロアルキル、3又は4員のシクロアルコキシ、3又は4員のシクロアルキル、3又は4員のヘテロシクロアルキル、カルボキシ、アリール、シアノ、ハロ、及びヘテロアリールからそれぞれ独立に選択される1〜5つの置換基で任意選択で置換され、ここでアリール及びヘテロアリールが、C1〜C3アルキル、C1〜C3ハロアルキル、及びハロからそれぞれ独立に選択される1〜5つの置換基で任意選択でさらに置換されている、請求項1から13のいずれか一項に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩、光学異性体若しくは光学異性体の混合物。
【請求項25】
R3及びR4が、これらが結合している窒素原子と一緒になって、
1-アザスピロ[3.3]ヘプタン-1-イル、
3-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン-3-イル、
3-アザビシクロ[3.2.0]ヘプタン-3-イル、
3-アザビシクロ[3.2.1]ヘプタン-3-イル、
3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル、
3,4-ジヒドロイソキノリン-2(1H)-イル、
3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-2(1H)-イル、
5-アザスピロ[2.4]ヘプタン-5-イル、
5-アザスピロ[2.5]オクタン-5-イル、
6-アザスピロ[2.5]オクタン-6-イル、
1-アザスピロ[3.3]ヘプタン-1-イル、
6-アザビシクロ[3.2.0]ヘプタン-6-イル、
イソインドリン-2-イル、及び
オクタヒドロシクロペンタ[c]ピロール-2-イル
から選択される6、7、8、9、又は10員の複素二環式基を形成し、
そのそれぞれが、C1〜C3アルコキシ、C1〜C3アルキル、C1〜C3ハロアルコキシ、C1〜C3ハロアルキル、及びカルボキシからそれぞれ独立に選択される1つ又は2つの置換基で任意選択で置換されている、請求項1から13のいずれか一項に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩、光学異性体若しくは光学異性体の混合物。
【請求項26】
R3及びR4が、これらが結合している窒素原子と一緒になって、
1-アザスピロ[3.3]ヘプタン-1-イル、
3-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン-3-イル、
3-アザビシクロ[3.2.0]ヘプタン-3-イル、
3-アザビシクロ[3.2.1]ヘプタン-3-イル、
3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル、
3,4-ジヒドロイソキノリン-2(1H)-イル、
3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-2(1H)-イル、
5-アザスピロ[2.4]ヘプタン-5-イル、
5-アザスピロ[2.5]オクタン-5-イル、
6-アザスピロ[2.5]オクタン-6-イル、
1-アザスピロ[3.3]ヘプタン-1-イル、
6-アザビシクロ[3.2.0]ヘプタン-6-イル、
イソインドリン-2-イル、及び
オクタヒドロシクロペンタ[c]ピロール-2-イル
から選択される6、7、8、9、又は10員の複素二環式基を形成し、
そのそれぞれが、C1〜C3アルキルからそれぞれ独立に選択される1つ又は2つの置換基で任意選択で置換されている、請求項1から13のいずれか一項に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩、光学異性体若しくは光学異性体の混合物。
【請求項27】

【化6】
の化合物、又はその光学異性体、光学異性体の混合物、若しくは薬学的に許容される塩。
【請求項28】
請求項1〜27のいずれか一項に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩、光学異性体若しくは光学異性体の混合物、及び薬学的に許容される担体を含む、医薬組成物。
【請求項29】
医薬組成物を製造する方法であって、請求項1〜27のいずれか一項に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩、光学異性体若しくは光学異性体の混合物、及び薬学的に許容される担体を混合することを含む、前記方法。
【請求項30】
少なくとも1種のヒストンデアセチラーゼによって媒介される状態又は障害を治療するための医薬組成物であって、前記医薬組成物は、治療有効量の請求項1〜27のいずれか一項に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩、光学異性体若しくは光学異性体の混合物を含む、医薬組成物。
【請求項31】
少なくとも1種のヒストンデアセチラーゼの阻害に反応性がある状態又は障害を治療するための医薬組成物であって、前記医薬組成物は、治療有効量の請求項1〜27のいずれか一項に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩、光学異性体若しくは光学異性体の混合物を含む、医薬組成物。
【請求項32】
前記少なくとも1種のヒストンデアセチラーゼが、HDAC-4である、請求項30又は31に記載の医薬組成物。
【請求項33】
前記状態又は障害が、神経変性の病態を含む、請求項30又は31に記載の医薬組成物。
【請求項34】
前記状態又は障害が、ハンチントン病である、請求項30又は31に記載の医薬組成物。
【請求項35】
ハンチントン病を治療するための医薬組成物であって、前記医薬組成物は、治療有効量の請求項1〜27のいずれか一項に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩、光学異性体若しくは光学異性体の混合物を含む、医薬組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2015年5月7日出願の米国特許仮出願第62/158,363号の米国特許法第119条(e)項に基づいて利益を主張し、その全体を参照により本明細書に組み込む。
【0002】
特定のヒストンデアセチラーゼ(HDAC)阻害薬、それらの組成物、及びそれらの使用の方法が本明細書で提供される。
【背景技術】
【0003】
ヒストンデアセチラーゼ(HDAC)は、ヌクレオソームヒストンのアミノ末端の近くにクラスター化したリシン残基のε-アミノ末端からアセチル基を除去することを触媒する亜鉛含有酵素である。11種の公知の、金属依存性のヒトのヒストンデアセチラーゼがあり、それらの付帯的なドメインの構造に基づいて4つのクラスへグループ化されている。クラスIは、HDAC1、HDAC2、HDAC3及びHDAC8を含み、酵母菌RPD3と同族関係を有する。HDAC4、HDAC5、HDAC7及びHDAC9は、クラスIIaに属し、酵母菌HDAC1と同族関係を有する。HDAC6及びHDAC10は、2つの触媒部位を含有し、クラスIIbとして分類され、一方、HDAC11は、クラスI及びクラスII双方のデアセチラーゼによって共有されているその触媒中心に保存残基を有しており、時にはクラスIVに配置される。
【発明の概要】
【0004】
式I
【0005】
【化1】
[式中、
Wは、N又はCR5であり;Xは、N又はCR6であり;Yは、N又はCR7であり;Zは、N又はCR8であり;ただし、W、X、Y、及びZのうち2つ以下は、Nであり;
R1は、H及びC1〜C3アルキルから選択され;
R2は、C1〜C2ハロアルキル又は3若しくは4員のシクロアルキルで任意選択で置換されているC2〜C3アルキレンであり;
R3及びR4は、これらが結合している窒素原子と一緒になって、
4、5、6、若しくは7員の複素単環式基、又は
6、7、8、9、若しくは10員の複素二環式基を形成し、
それらのそれぞれは、C1〜C3アルコキシ、C1〜C3アルキル、C1〜C3ハロアルコキシ、C1〜C3ハロアルキル、3又は4員のシクロアルコキシ、3又は4員のシクロアルキル、3又は4員のヘテロシクロアルキル、カルボキシ、アリール、シアノ、ハロ、及びヘテロアリールからそれぞれ独立に選択される1〜5つの置換基で任意選択で置換され、ここでアリール及びヘテロアリールは、C1〜C3アルキル、C1〜C3ハロアルキル、及びハロからそれぞれ独立に選択される1〜5つの置換基で任意選択でさらに置換され、
ただし、R3及びR4が、これらが結合している窒素原子と一緒になって、5又は6員の複素単環式基を形成する場合、
i)R2は、C1〜C2ハロアルキル又は3若しくは4員のシクロアルキルで置換されているC2〜C3アルキレンである、又は
ii)R8は、ハロ若しくはC1〜C3アルキルである、又は
iii)5若しくは6員の複素単環式基は、C1〜C3アルコキシ、C1〜C3アルキル、C1〜C3ハロアルコキシ、C1〜C3ハロアルキル、3若しくは4員のシクロアルコキシ、3若しくは4員のシクロアルキル、3若しくは4員のヘテロシクロアルキル、カルボキシ、アリール、シアノ、ハロ、及びヘテロアリールからそれぞれ独立に選択される1〜5つの置換基で置換され、ここでアリール及びヘテロアリールは、C1〜C3アルキル、C1〜C3ハロアルキル、及びハロからそれぞれ独立に選択される1〜5つの置換基で任意選択でさらに置換され;
R5、R6、R7及びR8は、H、C1〜C4アルキル、C1〜C4ハロアルキル、及びハロからそれぞれ独立に選択される]の化合物又はその薬学的に許容される塩、光学異性体若しくは光学異性体の混合物が提供される。
【0006】
また、本明細書に記載した化合物又はその薬学的に許容される塩、及び薬学的に許容される担体を含む医薬組成物が提供される。
【0007】
また、本明細書に記載した化合物又はその薬学的に許容される塩、及び薬学的に許容される担体を混合するステップを含む、医薬組成物を製造する方法が提供される。
【0008】
また、少なくとも1種のヒストンデアセチラーゼによって媒介された状態又は障害を、そのような治療が必要な患者において治療する方法であって、該患者へ、治療有効量の本明細書に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩を投与するステップを含む、方法が提供される。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本明細書では、以下の言葉、文及び記号は、一般に、ここでそれらが使用される文脈が別のことを示す程度までを除き、以下に述べる意味を有することが意図される。
【0010】
2つの文字間又は2つの記号間のものではないダッシュ(「-」)は、置換基のための結合点を示すために使用される。例えば-CONH2は、炭素原子を通じて結合される。
【0011】
「任意選択の」又は「任意選択で」は、それに続いて記載される事象又は状況が起きても起きなくてもよいこと、並びに該記載が、事象又は状況が起きる例、及びそれが起きない例を含むことを意味する。例えば「任意選択で置換されているアルキル」は、以下で定義される「アルキル」及び「置換されているアルキル」の双方を包括する。当業者であれば、1つ以上の置換基を含有している任意の基に関して、そのような基が、立体として非実用的であり、合成が実行不可能であり、且つ/又は本質的に不安定である任意の置換又は置換パターンを導入することが意図されていないことが理解されることになる。
【0012】
「アルキル」は、示されている炭素原子の数、通常1〜20個の炭素原子、例えば1〜8個の炭素原子、例えば1〜6個の炭素原子を有する直鎖及び分枝鎖を包括する。例えばC1〜C6アルキルは、1〜6個の炭素原子からの、直鎖及び分枝鎖の双方のアルキルを包括する。アルキル基の例としては、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n-ブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、ペンチル、2-ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、ヘキシル、2-ヘキシル、3-ヘキシル、3-メチルペンチル等が挙げられる。アルキレンは、アルキルの別のサブセットであり、アルキルと同じ残基を指すが2つの結合点を有する。アルキレン基は、通常2〜20個の炭素原子、例えば2〜8個の炭素原子、例えば2〜6個の炭素原子を有することになる。例えば、C0アルキレンは、共有結合を示し、C1アルキレンは、メチレン基である。特定の数の炭素を有するアルキル残基が名付けられるとき、炭素のその数を有する全ての幾何異性体が包括されることが意図され、そのため、例えば、「ブチル」は、n-ブチル、sec-ブチル、イソブチル及びt-ブチルを含み、「プロピル」は、n-プロピル及びイソプロピルを含むことを意味する。
【0013】
用語「アルキレン」とは、示されている炭素原子の数、通常1〜20個の炭素原子、例えば1〜8個の炭素原子、例えば1〜6個の炭素原子又は1〜4個の炭素原子を有する直鎖及び分枝鎖ジラジカルを包括する。C1〜C4アルキレンの例には、メチレン、1,1-エチエン(ethyene)、1,2-エチレン、1,1-プロピレン、1,2-プロピレン、1,3-プロピレン、1,1-ブチレン、1,2-ブチレン、1,3-ブチレン、1,4-ブチレン、2-メチル-1,2-プロピレン、及び2-メチル-1,3-プロピレンが含まれる。
【0014】
「アルコキシ」は、酸素橋、例えばメトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、n-ブトキシ、sec-ブトキシ、tert-ブトキシ、ペントキシ、2-ペンチルオキシ、イソペントキシ、ネオペントキシ、ヘキソキシ、2-ヘキソキシ、3-ヘキソキシ、3-メチルペントキシ等を通じて結合された、示された炭素原子の数のアルキル基を意味する。アルコキシ基は、通常、酸素橋を通じて結合された1〜6個の炭素原子を有することになる。
【0015】
「アリール」は、示された数の炭素原子、例えば6〜12個、又は6〜10個の炭素原子を有する芳香族の炭素環を示す。アリール基は、単環式又は多環式(例えば二環式、三環式)であってもよい。幾つかの例では、多環式アリール基の双方の環が、芳香族(例えばナフチル)である。他の例では、多環式アリール基は、芳香族環へ縮合されている非芳香族環(例えばシクロアルキル、シクロアルケニル、ヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルケニル)を含んでもよく、ただし多環式アリール基は芳香族環中の原子を介して親構造へ結合されている。したがって、1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-5-イル基(該部分は、芳香族炭素原子を介して親構造へ結合している)は、アリール基と考えられ、一方、1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-1-イル(該部分は、非芳香族の炭素原子を介して親構造へ結合している)は、アリール基と考えられていない。同様に、1,2,3,4-テトラヒドロキノリン-8-イル基(該部分は、芳香族の炭素原子を介して親構造へ結合している)は、アリール基と考えられ、一方、1,2,3,4-テトラヒドロキノリン-1-イル基(該部分は、非芳香族の窒素原子を介して親構造へ結合している)は、アリール基と考えられていない。しかしながら、用語「アリール」は、結合点とは無関係に(例えばキノリン-5-イル及びキノリン-2-イルの双方がヘテロアリール基である)、本明細書で定義されているように、「ヘテロアリール」を包括しておらず又は重なっていない。一部の例では、アリールは、フェニル又はナフチルである。ある特定の例では、アリールは、フェニルである。
【0016】
置換されたベンゼン誘導体から形成されて環原子にて遊離結合価を有する二価ラジカルは、置換フェニレンラジカルと名付けられている。その名称が「-イル」で終わる、遊離結合価を有する炭素原子から1個の水素原子を除去することによる一価の多環式炭化水素ラジカルから誘導される二価ラジカルは、対応する一価ラジカルの名称へ「-イデン」を加えることによって名付けられ、例えば2つの結合点を有するナフチル基は、ナフチリデンと呼ばれる。
【0017】
「カルボキシ」は、-C(O)OHを示す。
【0018】
「シアノ」とは、-CNを意味する。
【0019】
「シクロアルキル」は、示されている炭素原子の数、例えば3〜10、又は3〜8つ、又は3〜6つの環の炭素原子を有する、非芳香族の、完全に飽和した炭素環式の環を示す。シクロアルキル基は、単環式又は多環式(例えば二環式、三環式)であってもよい。シクロアルキル基の例としては、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロペンテニル及びシクロヘキシル、並びに架橋されたスピロ環及びかごに入れられた環の基(例えばノルボルナン、ビシクロ[2.2.2]オクタン)が挙げられる。加えて、多環式シクロアルキル基のうちの1つの環は、芳香族であってもよく、ただし多環式シクロアルキル基は非芳香族の炭素を介して親構造へ結合されている。例えば、1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-1-イル基(該部分は、非芳香族の炭素原子を介して親構造へ結合している)は、シクロアルキル基であり、一方、1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-5-イル(該部分は、芳香族の炭素原子を介して親構造へ結合している)は、シクロアルキル基と考えられていない。即ち、これは、アリール基と考えられる。
【0020】
用語「シクロアルコキシ」とは、「-O-シクロアルキル」を意味し、シクロアルキルは、本明細書で定義する通りである。
【0021】
用語「ハロ」は、フルオロ、クロロ、ブロモ及びヨードを含み、用語「ハロゲン」は、フッ素、塩素、臭素及びヨウ素を含む。
【0022】
用語「ハロアルキル」とは、C1〜6アルキル基を意味し、アルキルは、完全に置換されているまで1個のハロゲンで置換され、完全に置換されているC1〜6ハロアルキルは、式CnL2n+1(式中、Lは、ハロゲンであり、「n」は、1、2、3又は4である)によって表すことができ;1個を超えるハロゲンが存在する場合、これらは、同一でも異なってもよく、F、Cl、Br及びIからなる群から選択され、例えばFである。C1〜4ハロアルキル基の例には、それだけには限らないが、フルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、クロロジフルオロメチル、2,2,2-トリフルオロエチル、ペンタフルオロエチルなどが含まれる。
【0023】
用語「ハロアルコキシ」とは、酸素原子に直接結合しているハロアルキルを意味する。例には、それだけには限らないが、ジフルオロメトキシ、トリフルオロメトキシ、2,2,2-トリフルオロエトキシ、ペンタフルオロエトキシなどが含まれる。
【0024】
「ヘテロアリール」は、N、O及びSから選択されて残りの環の原子が炭素である1個以上のヘテロ原子(例えば1、2、3又は4個のヘテロ原子)で構築された、示された数の原子(例えば5〜12員、又は5〜10員のヘテロアリール)を含有する芳香族環を示す。ヘテロアリール基は、近接するS及びO原子を含有しない。一部の実施形態では、ヘテロアリール基中のS及びO原子の総数は、2を超えない。一部の実施形態では、ヘテロアリール基中のS及びO原子の総数は、1を超えない。別段の指定がない限り、ヘテロアリール基は、結合価が許しているように、炭素又は窒素原子によって親構造へ結合されてもよい。例えば「ピリジル」は、2-ピリジル基、3-ピリジル基及び4-ピリジル基を含み、「ピロリル」は、1-ピロリル基、2-ピロリル基及び3-ピロリル基を含む。窒素がヘテロアリール環中に存在するとき、それは、近接する原子及び基の性質が許す場合には、酸化状態(即ちN+-O-)において存在してもよい。加えて、硫黄がヘテロアリール環中に存在するとき、それは、近接する原子及び基の性質が許す場合には、酸化状態(即ちS+-O-又は-SO2-)において存在してもよい。ヘテロアリール基は、単環式又は多環式(例えば二環式、三環式)であってもよい。
【0025】
一部の例では、ヘテロアリール基は、単環式である。例としては、ピロール、ピラゾール、イミダゾール、トリアゾール(例えば1,2,3-トリアゾール、1,2,4-トリアゾール)、テトラゾール、フラン、イソオキサゾール、オキサゾール、オキサジアゾール(例えば1,2,3-オキサジアゾール、1,2,4-オキサジアゾール、1,3,4-オキサジアゾール)、チオフェン、イソチアゾール、チアゾール、チアジアゾール(例えば1,2,3-チアジアゾール、1,2,4-チアジアゾール、1,3,4-チアジアゾール)、ピリジン、ピリダジン、ピリミジン、ピラジン、トリアジン(例えば1,2,4-トリアジン、1,3,5-トリアジン)及びテトラジンが挙げられる。
【0026】
一部の例では、多環式ヘテロアリール基の双方の環は、芳香族である。例としては、インドール、イソインドール、インダゾール、ベンゾイミダゾール、ベンゾトリアゾール、ベンゾフラン、ベンゾオキサゾール、ベンゾイソオキサゾール、ベンゾオキサジアゾール、ベンゾチオフェン、ベンゾチアゾール、ベンゾイソチアゾール、ベンゾチアジアゾール、1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン、1H-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン、3H-イミダゾ[4,5-b]ピリジン、3H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-b]ピリジン、1H-ピロロ[3,2-b]ピリジン、1H-ピラゾロ[4,3-b]ピリジン、1H-イミダゾ[4,5-b]ピリジン、1H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-b]ピリジン、1H-ピロロ[2,3-c]ピリジン、1H-ピラゾロ[3,4-c]ピリジン、3H-イミダゾ[4,5-c]ピリジン、3H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-c]ピリジン、1H-ピロロ[3,2-c]ピリジン、1H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン、1H-イミダゾ[4,5-c]ピリジン、1H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-c]ピリジン、フロ[2,3-b]ピリジン、オキサゾロ[5,4-b]ピリジン、イソオキサゾロ[5,4-b]ピリジン、[1,2,3]オキサジアゾロ[5,4-b]ピリジン、フロ[3,2-b]ピリジン、オキサゾロ[4,5-b]ピリジン、イソオキサゾロ[4,5-b]ピリジン、[1,2,3]オキサジアゾロ[4,5-b]ピリジン、フロ[2,3-c]ピリジン、オキサゾロ[5,4-c]ピリジン、イソオキサゾロ[5,4-c]ピリジン、[1,2,3]オキサジアゾロ[5,4-c]ピリジン、フロ[3,2-c]ピリジン、オキサゾロ[4,5-c]ピリジン、イソオキサゾロ[4,5-c]ピリジン、[1,2,3]オキサジアゾロ[4,5-c]ピリジン、チエノ[2,3-b]ピリジン、チアゾロ[5,4-b]ピリジン、イソチアゾロ[5,4-b]ピリジン、[1,2,3]チアジアゾロ[5,4-b]ピリジン、チエノ[3,2-b]ピリジン、チアゾロ[4,5-b]ピリジン、イソチアゾロ[4,5-b]ピリジン、[1,2,3]チアジアゾロ[4,5-b]ピリジン、チエノ[2,3-c]ピリジン、チアゾロ[5,4-c]ピリジン、イソチアゾロ[5,4-c]ピリジン、[1,2,3]チアジアゾロ[5,4-c]ピリジン、チエノ[3,2-c]ピリジン、チアゾロ[4,5-c]ピリジン、イソチアゾロ[4,5-c]ピリジン、[1,2,3]チアジアゾロ[4,5-c]ピリジン、キノリン、イソキノリン、シンノリン、キナゾリン、キノキサリン、フタラジン、ナフチリジン(例えば、1,8-ナフチリジン、1,7-ナフチリジン、1,6-ナフチリジン、1,5-ナフチリジン、2,7-ナフチリジン、2,6-ナフチリジン)、イミダゾ[1,2-a]ピリジン、1H-ピラゾロ[3,4-d]チアゾール、1H-ピラゾロ[4,3-d]チアゾール及びイミダゾ[2,1-b]チアゾールが挙げられる。
【0027】
他の例では、多環式ヘテロアリール基としては、ヘテロアリール環へ縮合された非芳香族環(例えばシクロアルキル、シクロアルケニル、ヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルケニル)が挙げられてもよく、ただし多環式ヘテロアリール基は芳香族環中の原子を介して親構造へ結合している。例えば4,5,6,7-テトラヒドロベンゾ[d]チアゾール-2-イル基(該部分は、芳香族の炭素原子を介して親構造へ結合している)は、ヘテロアリール基と考えられ、一方、4,5,6,7-テトラヒドロベンゾ[d]チアゾール-5-イル(該部分は、非芳香族の炭素原子を介して親構造へ結合している)は、ヘテロアリール基と考えられていない。
【0028】
「ヘテロシクロアルキル」は、N、O及びSから選択されて残りの環原子が炭素である1個以上のヘテロ原子(例えば1、2、3又は4個のヘテロ原子)で構築された、示されている数の原子(例えば3〜10員、又は3〜7員のヘテロシクロアルキル)を有する非芳香族の、完全に飽和した環を示す。ヘテロシクロアルキル基は、単環式(即ち、複素単環式)でも多環式(例えば、二環式(即ち、複素二環式)でもよく、スピロ環及び架橋された環系)が含まれる。つまり、複素二環式の定義は、シクロアルキル又は複素単環式基で1,1-二置換された複素単環式環、並びに複素単環式環が、別のシクロアルキル又は複素単環式環に1,2-若しくは1,3-縮合される環系、(炭素又は窒素原子は、環接合(ring junction)を形成することができる(この構造は、化学的に可能である))、並びに複素単環式環が、C1〜C2アルキル架橋を有する環系、並びに複素単環式環が、芳香族又は芳香族複素環に1,2-縮合される環系を包括し、ただし、該部分は、非芳香族の炭素又は窒素原子を介して親構造へ結合している。
【0029】
単環式ヘテロシクロアルキル(即ち、複素単環式)基の例には、オキシラニル、アジリジニル、アゼチジニル、オキセタニル、ピロリジニル、イミダゾリジニル、ピラゾリジニル、ピペリジニル、ピペラジニル、モルホリニル及びチオモルホリニルが含まれる。
【0030】
C6ヘテロビシクリル基の例には、3-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン-3-イルが含まれる。
【0031】
芳香環を有するC8〜C10ヘテロビシクリル基の例には、インドリン-1-イル、イソインドリン-2-イル、1,2,3,4-テトラヒドロキノリン-2-イル、3,4-ジヒドロキノリン-1(2H)-イル、及び7,8-ジヒドロ-1,6-ナフチリジン-6(5H)-イルが含まれる。
【0032】
スピロ環状を含むヘテロビシクリル環系の例には、1-オキサ-5-アザスピロ[3.3]ヘプタン-5-イル、1-オキサ-6-アザスピロ[3.3]ヘプタン-6-イル、6-オキサ-1-アザスピロ[3.3]ヘプタン-1-イル、2-オキサ-6-アザスピロ[3.3]ヘプタン-6-イル、1,5-ジアザスピロ[3.3]ヘプタン-1-イル、1,6-ジアザスピロ[3.3]ヘプタン-6-イル、1,6-ジアザスピロ[3.3]ヘプタン-1-イル、2,6-ジアザスピロ[3.3]ヘプタン-2-イル、1-オキサ-5-アザスピロ[3.4]オクタン-5-イル、1-オキサ-6-アザスピロ[3.4]オクタン-6-イル、2-オキサ-5-アザスピロ[3.4]オクタン-5-イル、2-オキサ-6-アザスピロ[3.4]オクタン-6-イル、1,5-ジアザスピロ[3.4]オクタン-5-イル、1,6-ジアザスピロ[3.4]オクタン-6-イル、2,5-ジアザスピロ[3.4]オクタン-5-イル、2,6-ジアザスピロ[3.4]オクタン-6-イル、1-オキサ-5-アザスピロ[3.5]ノナン-5-イル、1-オキサ-6-アザスピロ[3.5]ノナン-6-イル、1-オキサ-7-アザスピロ[3.5]ノナン-7-イル、2-オキサ-5-アザスピロ[3.5]ノナン-5-イル、2-オキサ-6-アザスピロ[3.5]ノナン-6-イル、2-オキサ-7-アザスピロ[3.5]ノナン-7-イル、1,5-ジアザスピロ[3.5]ノナン-5-イル、1,6-ジアザスピロ[3.5]ノナン-6-イル、1,7-ジアザスピロ[3.5]ノナン-7-イル、2,5-ジアザスピロ[3.5]ノナン-5-イル、2,6-ジアザスピロ[3.5]ノナン-6-イル、2,7-ジアザスピロ[3.5]ノナン-7-イル、1-オキサ-5-アザスピロ[3.6]デカン-5-イル、1-オキサ-6-アザスピロ[3.6]デカン-6-イル、1-オキサ-7-アザスピロ[3.6]デカン-7-イル、2-オキサ-5-アザスピロ[3.6]デカン-5-イル、2-オキサ-6-アザスピロ[3.6]デカン-6-イル、2-オキサ-7-アザスピロ[3.6]デカン-7-イル、1,5-ジアザスピロ[3.6]デカン-5-イル、1,6-ジアザスピロ[3.6]デカン-6-イル、1,7-ジアザスピロ[3.6]デカン-7-イル 2,5-ジアザスピロ[3.6]デカン-5-イル、2,6-ジアザスピロ[3.6]デカン-6-イル、2,7-ジアザスピロ[3.6]デカン-7-イルが含まれる。
【0033】
C1〜C4架橋アルキレンを含むヘテロビシクリル環系の例には、2-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-2-イル、2-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-2-イル、3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル、及び6-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-6-イルが含まれる。
【0034】
窒素がヘテロシクロアルキル環中に存在するとき、それは、近接している原子及び基の性質が許す場合には、酸化状態(即ちN+-O-)において存在してもよい。例としては、ピペリジニルN-オキシド及びモルホリニル-N-オキシドが挙げられる。加えて、硫黄がヘテロシクロアルキル環中に存在するとき、それは、近接している原子及び基の性質が許す場合には、酸化状態(即ちS+-O-又は-SO2-)において存在してもよい。例としては、チオモルホリンS-オキシド及びチオモルホリンS,S-ジオキシドが挙げられる。
【0035】
「オキソ」とは、(=O)又は(O)を意味する。
【0036】
「ニトロ」とは、-NO2を意味する。
【0037】
用語「置換されている」は、本明細書では、指定された原子又は基の上の任意の1つ以上の水素が、示されている基から選択されたもので置き換えられていることを意味し、ただし指定された原子の正常な結合価は超えられない。置換基がオキソ(即ち=O)であるとき、そうであれば原子上の2つの水素が置き換えられる。置換基及び/又は変数の組合せは、そのような組合せが安定な化合物又は有用な合成中間体に帰結する場合にのみ許容されうる。安定な化合物又は安定な構造は、反応混合物からの単離及びそれに続く少なくとも実用的な有用性を有する薬剤としての製剤化を切り抜けるのに十分頑強である化合物を示唆することが意味される。別段の指定がない限り、置換基は、コア構造に添って名付けられる。例えば、(シクロアルキル)アルキルが、可能な置換基として列挙されるとき、この置換基のコア構造への結合点は、アルキル部分中にあることが理解されよう。
【0038】
用語「置換されている」アルキル(C1〜C4アルキルを限定なく含む)、シクロアルキル、アリール、ヘテロシクロアルキル及びヘテロアリールは、明確に別段の定義がなされていない限り、それぞれ、アルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロシクロアルキル及びヘテロアリールを指し、ここで1個以上の(例えば5個までの、例えば3個までの)水素原子は、独立に、-Ra、-ORb、-O(C1〜C2アルキル)O-(例えばメチレンジオキシ-)、-SRb、グアニジン(-NHC(=NH)NH2)、グアニジンから独立に選択される置換基により置き換えられており、ここでグアニジン水素のうちの1つ以上は、C1〜C4アルキル基、-NRbRc、ハロ、シアノ、オキソ(ヘテロシクロアルキルのための置換基として)、ニトロ、-CORb、-CO2Rb、-CONRbRc、-OCORb、-OCO2Ra、-OCONRbRc、-NRcCORb、-NRcCO2Ra、-NRcCONRbRc、-SORa、-SO2Ra、-SO2NRbRc、及び-NRcSO2Raで置き換えられており、
ここでRaは、C1〜C6アルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロシクロアルキル及びヘテロアリールから選択され、
Rbは、H、C1〜C6アルキル、アリール及びヘテロアリールから選択され、及び
Rcは、水素及びC1〜C4アルキルから選択され、又は
Rb及びRc、並びにそこへそれらが結合している窒素は、ヘテロシクロアルキル基を形成し、及び
ここで各C1〜C6アルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロシクロアルキル及びヘテロアリールは、C1〜C4アルキル、C3〜C6シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、アリール-C1〜C4アルキル-、ヘテロアリール-C1〜C4アルキル-、C1〜C4ハロアルキル-、-OC1〜C4アルキル、-OC1〜C4アルキルフェニル、-C1〜C4アルキル-OH、-C1〜C4アルキル-O-C1〜C4アルキル、-OC1〜C4ハロアルキル、ハロ、-OH、-NH2、-C1〜C4アルキル-NH2、-N(C1〜C4アルキル)(C1〜C4アルキル)、-NH(C1〜C4アルキル)、-N(C1〜C4アルキル)(C1〜C4アルキルフェニル)、-NH(C1〜C4アルキルフェニル)、シアノ、ニトロ、オキソ(ヘテロアリールのための置換基として)、-CO2H、-C(O)OC1〜C4アルキル、-CON(C1〜C4アルキル)(C1〜C4アルキル)、-CONH(C1〜C4アルキル)、-CONH2、-NHC(O)(C1〜C4アルキル)、-NHC(O)(フェニル)、-N(C1〜C4アルキル)C(O)(C1〜C4アルキル)、-N(C1〜C4アルキル)C(O)(フェニル)、-C(O)C1〜C4アルキル、-C(O)C1〜C4フェニル、-C(O)C1〜C4ハロアルキル、-OC(O)C1〜C4アルキル、-SO2(C1〜C4アルキル)、-SO2(フェニル)、-SO2(C1〜C4ハロアルキル)、-SO2NH2、-SO2NH(C1〜C4アルキル)、-SO2NH(フェニル)、-NHSO2(C1〜C4アルキル)、-NHSO2(フェニル)、及び-NHSO2(C1〜C4ハロアルキル)から独立に選択される1つ以上(例えば1つ、2つ又は3つ)の置換基で任意選択で置換される。
【0039】
本明細書に記載の化合物としては、それらの光学異性体、ラセミ体、及びそれらの他の混合物を含むがこれらに限定されない。そのような状況では、単一の鏡像異性体又はジアステレオマー、即ち光学的に活性な形態は、不斉合成によって、又はラセミ体の分割によって得ることができる。ラセミ体の分割は、例えば、分割剤の存在下での結晶化又は例えば、キラル高圧液体クロマトグラフィー(HPLC)若しくは超臨界流体クロマトグラフ(SFC)カラムを使用した、クロマトグラフィー等の従来の方法によって達成されうる。加えて、そのような化合物は、炭素-炭素二重結合を有する化合物のZ-及びE-形態(又はcis-及びtrans-形態)を含む。本明細書で記載されている化合物が種々の互変異性形態において存在する場合には、用語「化合物」は、化合物の全ての互変異性形態を含むことが意図される。そのような化合物はまた、多形及び包接体を含む結晶形態も含む。同様に、用語「塩」は、化合物の全ての互変異性形態及び結晶形態を含むことが意図される。
【0040】
単一のジアステレオマーの立体配置が、公知でない場合、立体配置は、例えば、D1(ジアステレオマー1)及びD2(ジアステレオマー2)として示された未知のキラル中心(複数可)はアステリスクで表示される。例えば、D1 N-((R)-1-((abs)-3-(ジフルオロメトキシ)ピペリジン-1-イル)プロパン-2-イル)-4-(5-(トリフルオロメチル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル)ベンズアミド及びD2 N-((R)-1-((abs)-3-(ジフルオロメトキシ)ピペリジン-1-イル)プロパン-2-イル)-4-(5-(トリフルオロメチル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル)ベンズアミドは、単一のジアステレオマーであり、1つキラル中心の立体配置は、絶対的に公知であり(立体配置は適宜描かれる)、第2のキラル中心の立体配置は、絶対であるが未知であり(アステリスクがついた単結合として描かれる)、即ち、D1対D2について未知の中心の反対の立体配置である。
【0041】
3つのキラル中心を有し、1つの立体中心が公知である化合物について単一の異性体が単離されており、他の2つの中心の絶対立体配置が未知であるが、相対立体配置がシスであり、例えば、ホモキラルアザビシクロヘプタニル環系であることが公知である場合、化合物は、未知のキラル中心(複数可)がアステリスクで表示されて描かれ、適宜命名される、即ち、D1:N-((R)-1-((abs-1,5-cis)-6-アザビシクロ[3.2.0]ヘプタン-6-イル)プロパン-2-イル)-4-(5-(トリフルオロメチル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル)ベンズアミド;及びD2:N-((R)-1-((abs-1,5-cis)-6-アザビシクロ[3.2.0]ヘプタン-6-イル)プロパン-2-イル)-4-(5-(トリフルオロメチル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル)ベンズアミドである。
【0042】
「薬学的に許容される塩」としては、無機酸を有する塩、例えば塩酸塩、リン酸塩、二リン酸塩、臭化水素酸塩、硫酸塩、スルフィン酸塩、硝酸塩、及び類似の塩、並びに有機酸を有する塩、例えばリンゴ酸塩、マレイン酸塩、フマル酸塩、酒石酸塩、コハク酸塩、クエン酸塩、酢酸塩、乳酸塩、メタンスルホン酸塩、p-トルエンスルホン酸塩、2-ヒドロキシエチルスルホン酸塩、安息香酸塩、サリチル酸塩、ステアリン酸塩、及び酢酸塩等のアルカン酸塩、HOOC-(CH2)q-COOH(式中、qは、0〜4である)、及び類似の塩が挙げられるがこれらに限定されない。同様に、薬学的に許容されるカチオンとしては、ナトリウム、カリウム、カルシウム、アルミニウム、リチウム及びアンモニウムが挙げられるがこれらに限定されない。
【0043】
加えて、本明細書に記載の化合物が酸付加塩として得られる場合、遊離塩基は、酸塩の溶液を塩基化することによって得ることができる。逆に、生成物が遊離塩基である場合、付加塩、特に薬学的に許容される付加塩は、塩基化合物から酸付加塩を調製する従来技術の方法に従って、好適な有機溶媒中に遊離塩基を溶解して該溶液を酸で処理することによって生成されてもよい。当業者であれば、非毒性の遊離塩基又は非毒性の、薬学的に許容される付加塩を調製するのに使用されてもよい種々の合成方法論を認めることになる。
【0044】
本明細書では、用語「基」、「ラジカル」又は「断片」は、同義語であり、分子の、結合又は他の断片へ結合可能である、分子の官能基又は断片を示すことが意図される。
【0045】
用語「活性薬剤」は、生物活性を有する化合物又はその薬学的に許容される塩を示すために使用される。一部の実施形態では、「活性薬剤」は、医薬上の有用性を有する化合物又はその薬学的に許容される塩である。例えば活性薬剤は、抗神経変性の治療剤であってもよい。
【0046】
用語「治療有効量の」は、ヒト又は非ヒトの患者へ投与されるときに、徴候の寛解、疾患の進行の遅延、又は疾患の予防等の治療上の有益性を付与するのに有効な量を意味し、例えば、治療有効量は、HDAC活性の阻害に応答性がある疾病の徴候を減少させるのに十分な量であってもよい。
【0047】
本明細書では、用語「ヒストンデアセチラーゼ」及び「HDAC」は、タンパク質(例えばヒストン又はチューブリン)のリシン残基のε-アミノ基からNε-アセチル基を除去する、酵素のファミリーのうちの任意の1種を指すことが意図される。文脈によって別段の指定がない限り、用語「ヒストン」は、任意の種からのH1、H2A、H2B、H3、H4及びH5を含む任意のヒストンタンパク質を指すことを意味する。一部の実施形態では、ヒストンデアセチラーゼは、ヒトのHDACであり、HDAC-4、HDAC-5、HDAC-6、HDAC-7、HDAC-9及びHDAC-10を含むがこれらに限定されない。一部の実施形態では、少なくとも1種のヒストンデアセチラーゼは、HDAC-4、HDAC-5、HDAC-7及びHDAC-9から選択される。一部の実施形態では、ヒストンデアセチラーゼは、クラスIIaのHDACである。一部の実施形態では、ヒストンデアセチラーゼは、HDAC-4である。一部の実施形態では、ヒストンデアセチラーゼは、HDAC-5である。一部の実施形態では、ヒストンデアセチラーゼは、原生動物の又は真菌の源から誘導される。
【0048】
用語「ヒストンデアセチラーゼ阻害薬」及び「ヒストンデアセチラーゼの阻害薬」は、ヒストンデアセチラーゼと相互作用してその酵素活性を阻害することが可能である、本明細書に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩を意味することが意図される。
【0049】
用語「HDACによって媒介される状態又は障害」又は「ヒストンデアセチラーゼによって媒介される状態又は障害」は、本明細書では、そこでHDAC及び/又はHDACの作用が、例えばその状態の、始まり、進行、発現等にとって重要である若しくは必要である状態又は障害、又はHDAC阻害薬(例えばトリコスタチンA)によって治療されることが知られている状態を指す。
【0050】
用語「効果」は、細胞表現型又は細胞増殖における変化又は変化の不在を説明している。「効果」はまた、HDACの触媒活性における変化又は変化の不在を説明することもできる。「効果」はまた、HDACと天然の結合パートナーとの間の相互作用における変化又は変化の不在を説明することもできる。
【0051】
用語「ヒストンデアセチラーゼの酵素活性を阻害する」又は「ヒストンデアセチラーゼを阻害する」とは、ヒストンデアセチラーゼの能力を低下させて、それだけには限らないが、ヒストン又はチューブリン等のタンパク質からアセチル基を除去することを意味することが意図される。ヒストンデアセチラーゼの活性を、阻害されていない酵素の活性の50%まで減少させる阻害薬の濃度が、IC50値として決定される。一部の実施形態では、ヒストンデアセチラーゼ活性のそのような減少率は、少なくとも50%、例えば少なくとも約75%、例えば少なくとも90%である。一部の実施形態では、ヒストンデアセチラーゼ活性は、少なくとも95%、例えば少なくとも99%が減少される。一部の実施形態では、本明細書に記載の化合物及びその薬学的に許容される塩のIC50値は、100ナノモル未満である。一部の実施形態では、本明細書に記載の化合物及びその薬学的に許容される塩のIC50v値は、100ナノモル〜1マイクロモルである。一部の実施形態では、本明細書に記載の化合物及びその薬学的に許容される塩のIC50v値は、1〜25マイクロモルである。
【0052】
一部の実施形態では、そのような阻害は、特異的であり、即ち、ヒストンデアセチラーゼ阻害薬は、ヒストンデアセチラーゼの、別の無関係な生物的効果をもたらすのに必要とされる阻害薬の濃度より低い濃度にて、タンパク質からアセチル基を除去する能力を減少させる。一部の実施形態では、ヒストンデアセチラーゼ阻害活性のために必要とされる阻害薬の濃度は、無関係な生物的効果をもたらすのに必要とされる濃度より、少なくとも2倍低く、例えば少なくとも5倍低く、例えば少なくとも10倍低く、例えば少なくとも20倍低い。
【0053】
「治療」又は「治療する」は、患者における疾病状態の任意の治療を意味し、
a)疾病を予防すること、つまり、疾病の臨床的徴候が発症しないようにさせること
b)疾病を阻害すること
c)臨床的な徴候の発症を遅らせる又は停止させること、及び/又は
d)疾病を緩和すること、つまり、臨床的徴候の退行をもたらすこと
を含む。
【0054】
「対象」又は「患者」は、治療、観察又は実験の対象である又は対象であることになる、動物、例えば哺乳動物を指す。本明細書に記載の方法は、ヒトの療法及び獣医学の適用の双方において有用でありうる。一部の実施形態では、対象は哺乳動物であり、一部の実施形態では、対象はヒトである。
【0055】
明確にするために、別々の実施形態に関連して記載される、本明細書に記載したいくつかの特徴は、単一の実施形態において組み合わせの形態で提供することもできるということを理解されたい。逆に、簡潔するために、単一の実施形態に関連して記載される、本明細書に記載した種々の特徴は、別々に又は任意の適当なサブコンビネーションで提供することもできる。式I中に含まれる変数によって表される化学基に関する実施形態の全ての組み合わせは、そのような組み合わせが、安定した化合物をもたらす化合物(即ち、単離し、特性決定し、生物活性について試験することができる化合物)を包含する程度に、それぞれの及びあらゆる組み合わせが個々に及び明示的に列挙されたかのように、本明細書によって特に包含される。さらに、そのような変数を記載している実施形態に列挙される化学基の全てのサブコンビネーション、並びに本明細書に記載した使用及び医療適用、例えば、HDACによって媒介される状態又は障害の全てのサブコンビネーションはまた、化学基のそれぞれの及びあらゆるサブコンビネーション並びに使用及び医療適用のサブコンビネーションが、個々に及び明示的に本明細書に列挙されたかのように、特に本明細書に包含される。さらに、いくつかの実施形態には、それぞれの及びあらゆる組み合わせが、個々に及び明示的に列挙されたかのように、本明細書に開示される1種以上の追加の薬剤のあらゆる組み合わせが含まれる。
【0056】
式I
【0057】
【化2】
[式中、
Wは、N又はCR5であり;Xは、N又はCR6であり;Yは、N又はCR7であり;Zは、N又はCR8であり;ただし、W、X、Y、及びZのうち2つ以下は、Nであり;
R1は、H及びC1〜C3アルキルから選択され;
R2は、C1〜C2ハロアルキル又は3若しくは4員のシクロアルキルで任意選択で置換されているC2〜C3アルキレンであり;
R3及びR4は、これらが結合している窒素原子と一緒になって、
4、5、6、若しくは7員の複素単環式基、又は
6、7、8、9、若しくは10員の複素二環式基を形成し、
それらのそれぞれは、C1〜C3アルコキシ、C1〜C3アルキル、C1〜C3ハロアルコキシ、C1〜C3ハロアルキル、3又は4員のシクロアルコキシ、3又は4員のシクロアルキル、3又は4員のヘテロシクロアルキル、カルボキシ、アリール、シアノ、ハロ、及びヘテロアリールからそれぞれ独立に選択される1〜5つの置換基で任意選択で置換され、ここでアリール及びヘテロアリールは、C1〜C3アルキル、C1〜C3ハロアルキル、及びハロからそれぞれ独立に選択される1〜5つの置換基で任意選択でさらに置換され、
ただし、R3及びR4が、これらが結合している窒素原子と一緒になって、5又は6員の複素単環式基を形成する場合、
i)R2は、C1〜C2ハロアルキル又は3若しくは4員のシクロアルキルで置換されているC2〜C3アルキレンである、又は
ii)R8は、ハロ若しくはC1〜C3アルキルである、又は
iii)5若しくは6員の複素単環式基は、C1〜C3アルコキシ、C1〜C3アルキル、C1〜C3ハロアルコキシ、C1〜C3ハロアルキル、3若しくは4員のシクロアルコキシ、3若しくは4員のシクロアルキル、3若しくは4員のヘテロシクロアルキル、カルボキシ、アリール、シアノ、ハロ、及びヘテロアリールからそれぞれ独立に選択される1〜5つの置換基で置換され、ここでアリール及びヘテロアリールは、C1〜C3アルキル、C1〜C3ハロアルキル、及びハロからそれぞれ独立に選択される1〜5つの置換基で任意選択でさらに置換され;
R5、R6、R7及びR8は、H、C1〜C4アルキル、C1〜C4ハロアルキル、及びハロからそれぞれ独立に選択される]
の化合物又はその薬学的に許容される塩が提供される。
【0058】
いくつかの実施形態では、R1は、H及びメチルから選択される。いくつかの実施形態では、R1は、Hである。
【0059】
いくつかの実施形態では、R2は、3又は4員のシクロアルキルで任意選択で置換されているC2〜C3アルキレンである。いくつかの実施形態では、R2は、-(CH2)2-及び-CH(CH3)CH2-から選択される。
【0060】
いくつかの実施形態では、R5は、Hである。
【0061】
いくつかの実施形態では、R6はHである。
【0062】
いくつかの実施形態では、R7はHである。
【0063】
いくつかの実施形態では、R8は、H、ハロ、及びメチルから選択される。
【0064】
いくつかの実施形態では、R3及びR4は、これらが結合している窒素原子と一緒になって、C1〜C3アルコキシ、C1〜C3アルキル、C1〜C3ハロアルコキシ、C1〜C3ハロアルキル、3又は4員のシクロアルコキシ、3又は4員のシクロアルキル、3又は4員のヘテロシクロアルキル、カルボキシ、アリール、シアノ、ハロ、及びヘテロアリールからそれぞれ独立に選択される1〜5つの置換基で任意選択で置換されている4又は7員の複素単環式基を形成し、ここでアリール及びヘテロアリールは、C1〜C3アルキル、C1〜C3ハロアルキル、及びハロからそれぞれ独立に選択される1〜5つの置換基で任意選択でさらに置換されている。
【0065】
いくつかの実施形態では、R3及びR4は、これらが結合している窒素原子と一緒になって、C1〜C3アルコキシ、C1〜C3アルキル、C1〜C3ハロアルコキシ、C1〜C3ハロアルキル、3又は4員のシクロアルコキシ、3又は4員のシクロアルキル、3又は4員のヘテロシクロアルキル、アリール、及びヘテロアリールからそれぞれ独立に選択される1〜5つの置換基で任意選択で置換されている4又は7員の複素単環式基を形成し、ここでアリール及びヘテロアリールは、C1〜C3アルキル、C1〜C3ハロアルキル、及びハロからそれぞれ独立に選択される1〜5つの置換基で任意選択でさらに置換されている。
【0066】
いくつかの実施形態では、R3及びR4は、これらが結合している窒素原子と一緒になって、C1〜C3アルキル、C1〜C3ハロアルコキシ、及びアリールからそれぞれ独立に選択される1〜5つの置換基で任意選択で置換されている4又は7員の複素単環式基を形成し、ここでアリールは、C1〜C3アルキル、C1〜C3ハロアルキル、及びハロからそれぞれ独立に選択される1〜5つの置換基で任意選択でさらに置換されている。
【0067】
いくつかの実施形態では、R3及びR4は、これらが結合している窒素原子と一緒になって、C1〜C3アルキル、C1〜C3ハロアルコキシ、及びフェニルからそれぞれ独立に選択される1〜5つの置換基で任意選択で置換されている4又は7員の複素単環式基を形成し、ここでフェニルは、C1〜C3アルキル、C1〜C3ハロアルキル、及びハロからそれぞれ独立に選択される1〜5つの置換基で任意選択でさらに置換されている。
【0068】
いくつかの実施形態では、R3及びR4は、これらが結合している窒素原子と一緒になって、メチル、ジフルオロメトキシ、及びフェニルからそれぞれ独立に選択される1〜5つの置換基で任意選択で置換されている4又は7員の複素単環式基を形成する。
【0069】
いくつかの実施形態では、R3及びR4は、これらが結合している窒素原子と一緒になって、3-フェニルアゼチジン-1-イル、及びアゼパン-1-イルから選択される4又は7員の複素単環式基を形成する。
【0070】
いくつかの実施形態では、R3及びR4は、これらが結合している窒素原子と一緒になって、5又は6員の複素単環式基を形成し、R2は、C1〜C2ハロアルキル又は3若しくは4員のシクロアルキルで置換されたC2〜C3アルキレンであり、例えば、R2は、シクロプロピルで置換されたC2〜C3アルキレンである。
【0071】
いくつかの実施形態では、R3及びR4は、これらが結合している窒素原子と一緒になって、C1〜C3アルコキシ、C1〜C3アルキル、C1〜C3ハロアルコキシ、C1〜C3ハロアルキル、3又は4員のシクロアルコキシ、3又は4員のシクロアルキル、3又は4員のヘテロシクロアルキル、カルボキシ、アリール、シアノ、ハロ、及びヘテロアリールからそれぞれ独立に選択される1〜5つの置換基で任意選択で置換されている5又は6員の複素単環式基を形成し、ここでアリール及びヘテロアリールは、C1〜C3アルキル、C1〜C3ハロアルキル、及びハロからそれぞれ独立に選択される1〜5つの置換基で任意選択でさらに置換され、R2は、C1〜C2ハロアルキル又は3若しくは4員のシクロアルキルで置換されているC2〜C3アルキレンであり、例えば、R2は、シクロプロピルで置換されているC2〜C3アルキレンである。
【0072】
いくつかの実施形態では、R3及びR4は、これらが結合している窒素原子と一緒になって、C1〜C3アルコキシ、C1〜C3アルキル、C1〜C3ハロアルコキシ、C1〜C3ハロアルキル、3又は4員のシクロアルコキシ、3又は4員のシクロアルキル、3又は4員のヘテロシクロアルキル、アリール、及びヘテロアリールからそれぞれ独立に選択される1〜5つの置換基で任意選択で置換されている5又は6員の複素単環式基を形成し、ここでアリール及びヘテロアリールは、C1〜C3アルキル、C1〜C3ハロアルキル、及びハロからそれぞれ独立に選択される1〜5つの置換基で任意選択でさらに置換され、R2は、C1〜C2ハロアルキル又は3若しくは4員のシクロアルキルで置換されているC2〜C3アルキレンであり、例えば、R2は、シクロプロピルで置換されているC2〜C3アルキレンである。
【0073】
いくつかの実施形態では、R3及びR4は、これらが結合している窒素原子と一緒になって、C1〜C3アルキル、C1〜C3ハロアルコキシ、及びアリールからそれぞれ独立に選択される1〜5つの置換基で任意選択で置換されている5又は6員の複素単環式基を形成し、ここでアリールは、C1〜C3アルキル、C1〜C3ハロアルキル、及びハロからそれぞれ独立に選択される1〜5つの置換基で任意選択でさらに置換され、R2は、C1〜C2ハロアルキル又は3若しくは4員のシクロアルキルで置換されているC2〜C3アルキレンであり、例えば、R2は、シクロプロピルで置換されているC2〜C3アルキレンである。
【0074】
いくつかの実施形態では、R3及びR4は、これらが結合している窒素原子と一緒になって、C1〜C3アルキル、C1〜C3ハロアルコキシ、及びフェニルからそれぞれ独立に選択される1〜5つの置換基で任意選択で置換されている5又は6員の複素単環式基を形成し、ここでフェニルは、C1〜C3アルキル、C1〜C3ハロアルキル、及びハロからそれぞれ独立に選択される1〜5つの置換基で任意選択でさらに置換され、R2は、C1〜C2ハロアルキル又は3若しくは4員のシクロアルキルで置換されているC2〜C3アルキレンであり、例えば、R2は、シクロプロピルで置換されているC2〜C3アルキレンである。
【0075】
いくつかの実施形態では、R3及びR4は、これらが結合している窒素原子と一緒になって、メチル、ジフルオロメトキシ、及びフェニルからそれぞれ独立に選択される1〜5つの置換基で任意選択で置換されている5又は6員の複素単環式基を形成し、R2は、C1〜C2ハロアルキル又は3若しくは4員のシクロアルキルで置換されているC2〜C3アルキレンであり、例えば、R2は、シクロプロピルで置換されているC2〜C3アルキレンである。
【0076】
いくつかの実施形態では、R3及びR4は、これらが結合している窒素原子と一緒になって、ピロリジン-1-イル、及びピペリジン-1-イルから選択される5又は6員の複素単環式基を形成し、そのそれぞれは、メチル、ジフルオロメトキシ、及びフェニルから選択される1つの置換基で任意選択で置換され、R2は、C1〜C2ハロアルキル又は3若しくは4員のシクロアルキルで置換されているC2〜C3アルキレンであり、例えば、R2は、シクロプロピルで置換されているC2〜C3アルキレンである。
【0077】
いくつかの実施形態では、R3及びR4は、これらが結合している窒素原子と一緒になって、ピロリジン-1-イル、2-メチル-ピロリジン-1-イル、及び3-(ジフルオロメトキシ)ピペリジン-1-イルから選択される5又は6員の複素単環式基を形成し、R2は、C1〜C2ハロアルキル又は3若しくは4員のシクロアルキルで置換されているC2〜C3アルキレンであり、例えば、R2は、シクロプロピルで置換されているC2〜C3アルキレンである。
【0078】
いくつかの実施形態では、R3及びR4は、これらが結合している窒素原子と一緒になって、5又は6員の複素単環式基を形成し、R8は、ハロ又はC1〜C3アルキルである。
【0079】
いくつかの実施形態では、R3及びR4は、これらが結合している窒素原子と一緒になって、C1〜C3アルコキシ、C1〜C3アルキル、C1〜C3ハロアルコキシ、C1〜C3ハロアルキル、3又は4員のシクロアルコキシ、3又は4員のシクロアルキル、3又は4員のヘテロシクロアルキル、カルボキシ、アリール、シアノ、ハロ、及びヘテロアリールからそれぞれ独立に選択される1〜5つの置換基で任意選択で置換されている5又は6員の複素単環式基を形成し、ここでアリール及びヘテロアリールは、C1〜C3アルキル、C1〜C3ハロアルキル、及びハロからそれぞれ独立に選択される1〜5つの置換基で任意選択でさらに置換され、R8は、ハロ又はC1〜C3アルキルであり、例えば、メチルである。
【0080】
いくつかの実施形態では、R3及びR4は、これらが結合している窒素原子と一緒になって、C1〜C3アルコキシ、C1〜C3アルキル、C1〜C3ハロアルコキシ、C1〜C3ハロアルキル、3又は4員のシクロアルコキシ、3又は4員のシクロアルキル、3又は4員のヘテロシクロアルキル、アリール、及びヘテロアリールからそれぞれ独立に選択される1〜5つの置換基で任意選択で置換されている5又は6員の複素単環式基を形成し、アリール及びヘテロアリールは、C1〜C3アルキル、C1〜C3ハロアルキル、及びハロからそれぞれ独立に選択される1〜5つの置換基で任意選択でさらに置換され、R8は、ハロ又はC1〜C3アルキルであり、例えば、メチルである。
【0081】
いくつかの実施形態では、R3及びR4は、これらが結合している窒素原子と一緒になって、C1〜C3アルキル、C1〜C3ハロアルコキシ、及びアリールからそれぞれ独立に選択される1〜5つの置換基で任意選択で置換されている5又は6員の複素単環式基を形成し、ここでアリールは、C1〜C3アルキル、C1〜C3ハロアルキル、及びハロからそれぞれ独立に選択される1〜5つの置換基で任意選択でさらに置換され、R8は、ハロ又はC1〜C3アルキルであり、例えば、メチルである。
【0082】
いくつかの実施形態では、R3及びR4、これらが結合している窒素原子と一緒になって、C1〜C3アルキル、C1〜C3ハロアルコキシ、及びフェニルからそれぞれ独立に選択される1〜5つの置換基で任意選択で置換されている5又は6員の複素単環式基を形成し、ここでフェニルは、C1〜C3アルキル、C1〜C3ハロアルキル、及びハロからそれぞれ独立に選択される1〜5つの置換基で任意選択でさらに置換され、R8は、ハロ又はC1〜C3アルキルであり、例えば、メチルである。
【0083】
いくつかの実施形態では、R3及びR4は、これらが結合している窒素原子と一緒になって、メチル、ジフルオロメトキシ、及びフェニルからそれぞれ独立に選択される1〜5つの置換基で任意選択で置換されている5又は6員の複素単環式基を形成し、R8は、ハロ又はC1〜C3アルキルであり、例えば、メチルである。
【0084】
いくつかの実施形態では、R3及びR4は、これらが結合している窒素原子と一緒になって、ピロリジン-1-イル、及びピペリジン-1-イルから選択される5又は6員の複素単環式基を形成し、そのそれぞれは、メチル、ジフルオロメトキシ、及びフェニルから選択される1つの置換基で任意選択で置換され、R8は、ハロ又はC1〜C3アルキルであり、例えば、メチルである。
【0085】
いくつかの実施形態では、R3及びR4は、これらが結合している窒素原子と一緒になって、ピロリジン-1-イル、2-メチル-ピロリジン-1-イル、及び3-(ジフルオロメトキシ)ピペリジン-1-イルから選択される5又は6員の複素単環式基を形成し、R8は、ハロ又はC1〜C3アルキルであり、例えば、メチルである。
【0086】
いくつかの実施形態では、R3及びR4は、これらが結合している窒素原子と一緒になって、C1〜C3アルコキシ、C1〜C3アルキル、C1〜C3ハロアルコキシ、C1〜C3ハロアルキル、3又は4員のシクロアルコキシ、3又は4員のシクロアルキル、3又は4員のヘテロシクロアルキル、カルボキシ、アリール、シアノ、ハロ、及びヘテロアリールからそれぞれ独立に選択される1〜5つの置換基で置換されている5又は6員の複素単環式基を形成し、ここでアリール及びヘテロアリールは、C1〜C3アルキル、C1〜C3ハロアルキル、及びハロからそれぞれ独立に選択される1〜5つの置換基で任意選択でさらに置換されている。
【0087】
いくつかの実施形態では、R3及びR4は、これらが結合している窒素原子と一緒になって、C1〜C3アルキル、C1〜C3ハロアルコキシ、及びアリールからそれぞれ独立に選択される1〜5つの置換基で置換されている5又は6員の複素単環式基を形成し、ここでアリールは、C1〜C3アルキル、C1〜C3ハロアルキル、及びハロからそれぞれ独立に選択される1〜5つの置換基で任意選択でさらに置換されている。
【0088】
いくつかの実施形態では、R3及びR4は、これらが結合している窒素原子と一緒になって、C1〜C3アルキル、C1〜C3ハロアルコキシ、及びフェニルからそれぞれ独立に選択される1〜5つの置換基で置換されている5又は6員の複素単環式基を形成し、ここでフェニルは、C1〜C3アルキル、C1〜C3ハロアルキル、及びハロからそれぞれ独立に選択される1〜5つの置換基で任意選択でさらに置換されている。
【0089】
いくつかの実施形態では、R3及びR4は、これらが結合している窒素原子と一緒になって、メチル、ジフルオロメトキシ、及びフェニルからそれぞれ独立に選択される1〜5つの置換基で置換されている5又は6員の複素単環式基を形成する。
【0090】
いくつかの実施形態では、R3及びR4は、これらが結合している窒素原子と一緒になって、ピロリジン-1-イル、及びピペリジン-1-イルから選択される5又は6員の複素単環式基を形成し、そのそれぞれは、メチル、ジフルオロメトキシ、及びフェニルから選択される1つの置換基で置換されている。
【0091】
いくつかの実施形態では、R3及びR4は、これらが結合している窒素原子と一緒になって、2-メチル-ピロリジン-1-イル、及び3-(ジフルオロメトキシ)ピペリジン-1-イルから選択される5又は6員の複素単環式基を形成する。
【0092】
いくつかの実施形態では、R3及びR4は、これらが結合している窒素原子と一緒になって、(2S)-メチル-ピロリジン-1-イルを形成する。
【0093】
いくつかの実施形態では、R3及びR4は、これらが結合している窒素原子と一緒になって、6、7、8、9、又は10員の複素二環式基を形成し、複素二環式基は、C1〜C3アルコキシ、C1〜C3アルキル、C1〜C3ハロアルコキシ、C1〜C3ハロアルキル、3又は4員のシクロアルコキシ、3又は4員のシクロアルキル、3又は4員のヘテロシクロアルキル、カルボキシ、アリール、シアノ、ハロ、及びヘテロアリールからそれぞれ独立に選択される1〜5つの置換基で任意選択で置換され、ここでアリール及びヘテロアリールは、C1〜C3アルキル、C1〜C3ハロアルキル、及びハロからそれぞれ独立に選択される1〜5つの置換基で任意選択でさらに置換されている。
【0094】
いくつかの実施形態では、R3及びR4は、これらが結合している窒素原子と一緒になって、
1-アザスピロ[3.3]ヘプタン-1-イル、
3-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン-3-イル、
3-アザビシクロ[3.2.0]ヘプタン-3-イル、
3-アザビシクロ[3.2.1]ヘプタン-3-イル、
3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル、
3,4-ジヒドロイソキノリン-2(1H)-イル、
3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-2(1H)-イル、
5-アザスピロ[2.4]ヘプタン-5-イル、
5-アザスピロ[2.5]オクタン-5-イル、
6-アザスピロ[2.5]オクタン-6-イル、
1-アザスピロ[3.3]ヘプタン-1-イル、
6-アザビシクロ[3.2.0]ヘプタン-6-イル、
イソインドリン-2-イル、及び
オクタヒドロシクロペンタ[c]ピロール-2-イル
から選択される6、7、8、9、又は10員の複素二環式基を形成し、
そのそれぞれは、C1〜C3アルコキシ、C1〜C3アルキル、C1〜C3ハロアルコキシ、C1〜C3ハロアルキル、3又は4員のシクロアルコキシ、3又は4員のシクロアルキル、3又は4員のヘテロシクロアルキル、カルボキシ、アリール、シアノ、ハロ、及びヘテロアリールからそれぞれ独立に選択される1〜5つの置換基で任意選択で置換され、ここでアリール及びヘテロアリールは、C1〜C3アルキル、C1〜C3ハロアルキル、及びハロからそれぞれ独立に選択される1〜5つの置換基で任意選択でさらに置換されている。
【0095】
いくつかの実施形態では、R3及びR4は、これらが結合している窒素原子と一緒になって、
1-アザスピロ[3.3]ヘプタン-1-イル、
3-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン-3-イル、
3-アザビシクロ[3.2.0]ヘプタン-3-イル、
3-アザビシクロ[3.2.1]ヘプタン-3-イル、
3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル、
3,4-ジヒドロイソキノリン-2(1H)-イル、
3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-2(1H)-イル、
5-アザスピロ[2.4]ヘプタン-5-イル、
5-アザスピロ[2.5]オクタン-5-イル、
6-アザスピロ[2.5]オクタン-6-イル、
1-アザスピロ[3.3]ヘプタン-1-イル、
6-アザビシクロ[3.2.0]ヘプタン-6-イル、
イソインドリン-2-イル、及び
オクタヒドロシクロペンタ[c]ピロール-2-イルから選択される6、7、8、9、又は10員の複素二環式基を形成し、
そのそれぞれは、C1〜C3アルコキシ、C1〜C3アルキル、C1〜C3ハロアルコキシ、C1〜C3ハロアルキル、及びカルボキシからそれぞれ独立に選択される1つ又は2つの置換基で任意選択で置換されている。
【0096】
いくつかの実施形態では、R3及びR4は、これらが結合している窒素原子と一緒になって、
1-アザスピロ[3.3]ヘプタン-1-イル、
3-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン-3-イル、
3-アザビシクロ[3.2.0]ヘプタン-3-イル、
3-アザビシクロ[3.2.1]ヘプタン-3-イル、
3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル、
3,4-ジヒドロイソキノリン-2(1H)-イル、
3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-2(1H)-イル、
5-アザスピロ[2.4]ヘプタン-5-イル、
5-アザスピロ[2.5]オクタン-5-イル、
6-アザスピロ[2.5]オクタン-6-イル、
1-アザスピロ[3.3]ヘプタン-1-イル、
6-アザビシクロ[3.2.0]ヘプタン-6-イル、
イソインドリン-2-イル、及び
オクタヒドロシクロペンタ[c]ピロール-2-イル
から選択される6、7、8、9、又は10員の複素二環式基を形成し、
そのそれぞれは、C1〜C3アルキルからそれぞれ独立に選択される1つ又は2つの置換基で任意選択で置換されている。
【0097】
また、式II
【0098】
【化3】
[式中、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、及びR8は、本明細書に記載した通りである]
の化合物又はその薬学的に許容される塩が提供される。
【0099】
また、式III
【0100】
【化4】
[式中、R1、R3、R4、R5、R6、R7、及びR8は、本明細書に記載した通りである]
の化合物又はその薬学的に許容される塩が提供される。
【0101】
また、式IV
【0102】
【化5】
[式中、R3及びR4は、本明細書に記載した通りである]
の化合物、又は式VIのその薬学的に許容される塩、若しくはその薬学的に許容される塩が提供される。
【0103】
また、式V
【0104】
【化6】
[式中、R1、R2、R3、R4、R5、R7、及びR8は、本明細書に記載した通りである]
の化合物又はその薬学的に許容される塩が提供される。
【0105】
また、式VI
【0106】
【化7】
[式中、R1、R3、R4、R5、R7、及びR8は、本明細書に記載した通りである]
の化合物又はその薬学的に許容される塩が提供される。
【0107】
また、式VII
【0108】
【化8】
[式中、R3及びR4は、本明細書に記載した通りである]
の化合物又はその薬学的に許容される塩が提供される。
【0109】
また、
(2S)-2-メチル-1-((R)-2-(3-メチル-4-(5-(トリフルオロメチル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル)ベンズアミド)プロピル)ピロリジン-1-イウムホルメート;
N-(2-(3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル)エチル)-4-(5-(トリフルオロメチル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル)ベンズアミド;
(R)-N-(1-(イソインドリン-2-イル)プロパン-2-イル)-4-(5-(トリフルオロメチル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル)ベンズアミド;
N-((2R)-1-(3-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン-3-イル)プロパン-2-イル)-4-(5-(トリフルオロメチル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル)ベンズアミド;
(S)-N-(1-シクロプロピル-2-(ピロリジン-1-イル)エチル)-4-(5-(トリフルオロメチル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル)ベンズアミド;
(R)-N-(1-シクロプロピル-2-(ピロリジン-1-イル)エチル)-4-(5-(トリフルオロメチル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル)ベンズアミド;
(R)-N-(1-(3,4-ジヒドロイソキノリン-2(1H)-イル)プロパン-2-イル)-4-(5-(トリフルオロメチル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル)ベンズアミド;
(R)-N-(1-(3-フェニルアゼチジン-1-イル)プロパン-2-イル)-4-(5-(トリフルオロメチル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル)ベンズアミド;
D1: N-((R)-1-((abs)-3-(ジフルオロメトキシ)ピペリジン-1-イル)プロパン-2-イル)-4-(5-(トリフルオロメチル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル)ベンズアミド;
D2: N-((R)-1-((abs)-3-(ジフルオロメトキシ)ピペリジン-1-イル)プロパン-2-イル)-4-(5-(トリフルオロメチル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル)ベンズアミド;
(R)-N-(1-(5-アザスピロ[2.5]オクタン-5-イル)プロパン-2-イル)-4-(5-(トリフルオロメチル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル)ベンズアミド;
(R)-N-(1-(6-アザスピロ[2.5]オクタン-6-イル)プロパン-2-イル)-4-(5-(トリフルオロメチル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル)ベンズアミド;
(R)-N-(1-(アゼパン-1-イル)プロパン-2-イル)-4-(5-(トリフルオロメチル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル)ベンズアミド;
(R)-N-(1-(1-アザスピロ[3.3]ヘプタン-1-イル)プロパン-2-イル)-4-(5-(トリフルオロメチル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル)ベンズアミド;
(R)-N-(1-(5-アザスピロ[2.4]ヘプタン-5-イル)プロパン-2-イル)-4-(5-(トリフルオロメチル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル)ベンズアミド;
N-((R)-1-(3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル)プロパン-2-イル)-4-(5-(トリフルオロメチル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル)ベンズアミド;
2-((R)-2-(4-(5-(トリフルオロメチル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル)ベンズアミド)プロピル)オクタヒドロシクロペンタ[c]ピロール-2-イウムホルメート;
(R)-N-(1-(3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-2(1H)-イル)プロパン-2-イル)-4-(5-(トリフルオロメチル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル)ベンズアミド;
N-((2R)-1-(3-アザビシクロ[3.2.0]ヘプタン-3-イル)プロパン-2-イル)-4-(5-(トリフルオロメチル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル)ベンズアミド;
D1: N-((R)-1-((abs-1,5-cis)-6-アザビシクロ[3.2.0]ヘプタン-6-イル)プロパン-2-イル)-4-(5-(トリフルオロメチル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル)ベンズアミド;
D2: N-((R)-1-((abs-1,5-cis)-6-アザビシクロ[3.2.0]ヘプタン-6-イル)プロパン-2-イル)-4-(5-(トリフルオロメチル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル)ベンズアミド;
N-((2R)-1-(6,6-ジメチル-3-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン-3-イル)プロパン-2-イル)-4-(5-(トリフルオロメチル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル)ベンズアミド;
(2S)-1-((R)-2-(3-フルオロ-4-(5-(トリフルオロメチル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル)ベンズアミド)プロピル)-2-メチルピロリジン-1-イウムホルメート;及び
N-((R)-1-((S)-2-メチルピロリジン-1-イル)プロパン-2-イル)-5-(5-(トリフルオロメチル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル)ピコリンアミド
から選択される化合物又はその薬学的に許容される塩が提供される。
【0110】
また、
(2S)-2-メチル-1-((R)-2-(3-メチル-4-(5-(トリフルオロメチル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル)ベンズアミド)プロピル)ピロリジン-1-イウムホルメート;
N-(2-(3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル)エチル)-4-(5-(トリフルオロメチル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル)ベンズアミド;
(R)-N-(1-(イソインドリン-2-イル)プロパン-2-イル)-4-(5-(トリフルオロメチル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル)ベンズアミド;
N-((2R)-1-(3-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン-3-イル)プロパン-2-イル)-4-(5-(トリフルオロメチル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル)ベンズアミド;
(S)-N-(1-シクロプロピル-2-(ピロリジン-1-イル)エチル)-4-(5-(トリフルオロメチル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル)ベンズアミド;
(R)-N-(1-シクロプロピル-2-(ピロリジン-1-イル)エチル)-4-(5-(トリフルオロメチル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル)ベンズアミド;
(R)-N-(1-(3,4-ジヒドロイソキノリン-2(1H)-イル)プロパン-2-イル)-4-(5-(トリフルオロメチル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル)ベンズアミド;
(R)-N-(1-(3-フェニルアゼチジン-1-イル)プロパン-2-イル)-4-(5-(トリフルオロメチル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル)ベンズアミド;
D1: N-((R)-1-((abs)-3-(ジフルオロメトキシ)ピペリジン-1-イル)プロパン-2-イル)-4-(5-(トリフルオロメチル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル)ベンズアミド;
D2: N-((R)-1-((abs)-3-(ジフルオロメトキシ)ピペリジン-1-イル)プロパン-2-イル)-4-(5-(トリフルオロメチル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル)ベンズアミド;
(R)-N-(1-(5-アザスピロ[2.5]オクタン-5-イル)プロパン-2-イル)-4-(5-(トリフルオロメチル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル)ベンズアミド;
(R)-N-(1-(6-アザスピロ[2.5]オクタン-6-イル)プロパン-2-イル)-4-(5-(トリフルオロメチル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル)ベンズアミド;
(R)-N-(1-(アゼパン-1-イル)プロパン-2-イル)-4-(5-(トリフルオロメチル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル)ベンズアミド;
(R)-N-(1-(1-アザスピロ[3.3]ヘプタン-1-イル)プロパン-2-イル)-4-(5-(トリフルオロメチル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル)ベンズアミド;
(R)-N-(1-(5-アザスピロ[2.4]ヘプタン-5-イル)プロパン-2-イル)-4-(5-(トリフルオロメチル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル)ベンズアミド;
N-((R)-1-(3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル)プロパン-2-イル)-4-(5-(トリフルオロメチル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル)ベンズアミド;
2-((R)-2-(4-(5-(トリフルオロメチル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル)ベンズアミド)プロピル)オクタヒドロシクロペンタ[c]ピロール-2-イウムホルメート;
(R)-N-(1-(3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-2(1H)-イル)プロパン-2-イル)-4-(5-(トリフルオロメチル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル)ベンズアミド;
N-((2R)-1-(3-アザビシクロ[3.2.0]ヘプタン-3-イル)プロパン-2-イル)-4-(5-(トリフルオロメチル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル)ベンズアミド;
D1: N-((R)-1-((abs-1,5-cis)-6-アザビシクロ[3.2.0]ヘプタン-6-イル)プロパン-2-イル)-4-(5-(トリフルオロメチル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル)ベンズアミド;
D2: N-((R)-1-((abs-1,5-cis)-6-アザビシクロ[3.2.0]ヘプタン-6-イル)プロパン-2-イル)-4-(5-(トリフルオロメチル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル)ベンズアミド;
N-((2R)-1-(6,6-ジメチル-3-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン-3-イル)プロパン-2-イル)-4-(5-(トリフルオロメチル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル)ベンズアミド;
(2S)-1-((R)-2-(3-フルオロ-4-(5-(トリフルオロメチル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル)ベンズアミド)プロピル)-2-メチルピロリジン-1-イウムホルメート;
N-((R)-1-((S)-2-メチルピロリジン-1-イル)プロパン-2-イル)-5-(5-(トリフルオロメチル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル)ピコリンアミド;
3-メチル-N-((R)-1-((S)-2-メチルピロリジン-1-イル)プロパン-2-イル)-4-(5-(トリフルオロメチル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル)ベンズアミド;
N-((2R)-1-(ヘキサヒドロシクロペンタ[c]ピロール-2(1H)-イル)プロパン-2-イル)-4-(5-(トリフルオロメチル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル)ベンズアミド;
3-フルオロ-N-((R)-1-((S)-2-メチルピロリジン-1-イル)プロパン-2-イル)-4-(5-(トリフルオロメチル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル)ベンズアミド
から選択される化合物又はその薬学的に許容される塩が提供される。
【0111】
本明細書に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩を得る方法は、当業者には明らかとなり、好適な手順は、例えば以下の実施例において、及び本明細書に引用されている参照文献において記載されている。
【0112】
また、少なくとも1種のヒストンデアセチラーゼを阻害する方法が提供される。また、少なくとも1種のヒストンデアセチラーゼを阻害するための医薬品の製造における、本明細書に記載した、少なくとも1種の化合物又はその薬学的に許容される塩の使用が提供される。また、少なくとも1種のヒストンデアセチラーゼを阻害するための方法において使用するための、本明細書に記載した少なくとも1種の化合物又はその薬学的に許容される塩が提供される。いくつかの実施形態では、少なくとも1種のヒストンデアセチラーゼは、クラスIIa HDACである。いくつかの実施形態では、少なくとも1種のヒストンデアセチラーゼは、酵母HDA1との相同性を有する。一部の実施形態では、該少なくとも1種のヒストンデアセチラーゼは、HDAC-4、HDAC-5、HDAC-7及びHCAC-9から選択される。一部の実施形態では、阻害は、細胞においてである。一部の実施形態では、本明細書に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩は、少なくとも1種のクラスIIのヒストンデアセチラーゼを阻害するよう選択的である。一部の実施形態では、本明細書に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩は、HDAC-4及び/又はHDAC-5の選択的阻害薬である。
【0113】
また、そのような治療を必要とする対象において、HDACによって媒介される状態又は障害を治療する方法であって、該対象へ、治療有効量の本明細書に記載の少なくとも1種の化合物又はその薬学的に許容される塩を投与することを含む、方法が提供される。また、治療有効量の本明細書に記載した少なくとも1種の化合物又はその薬学的に許容される塩を、対象に投与するステップを含む、そのような治療を必要とする対象においてHDACによって媒介される状態又は障害を治療する方法が提供される。また、HDACによって媒介される状態又は障害の治療のための医薬品の製造における、本明細書に記載した、少なくとも1種の化合物又はその薬学的に許容される塩の使用が提供される。また、療法によるヒト又は動物の身体の治療のための方法において使用するための、本明細書に記載した少なくとも1種の化合物又はその薬学的に許容される塩が提供される。また、状態又は障害の治療のための方法において使用するための、本明細書に記載した少なくとも1種の化合物又はその薬学的に許容される塩が提供される。
【0114】
また、本明細書に記載した、化合物又はその薬学的に許容される塩の治療有効量を、患者に投与するステップを含む、それを必要とする患者において少なくとも1種のヒストンデアセチラーゼの阻害に反応する状態又は障害を治療する方法が提供される。いくつかの実施形態では、少なくとも1種のヒストンデアセチラーゼは、HDAC-4である。いくつかの実施形態では、状態又は障害は、神経変性疾患を含む。いくつかの実施形態では、状態又は障害は、ハンチントン病である。
【0115】
一部の実施形態では、HDACによって媒介される状態又は障害は、神経変性の病態を含む。したがって、そのような治療を必要とする対象において、HDACによって媒介された神経変性の病態を治療する方法であって、該対象へ、治療有効量の本明細書に記載の少なくとも1種の化合物又はその薬学的に許容される塩を投与することを含む、方法もまた提供される。
【0116】
一部の実施形態では、神経変性の病態は、アルツハイマー病、パーキンソン病、ニューロン細胞核内封入病(NIID)、歯状核赤核淡蒼球ルイ体萎縮症(DRPLA)、フリードライヒ運動失調症、ルビンシュタイン・テイビ症候群、及びハンチントン病等のポリグルタミン病;脊髄小脳失調1(SCA1)、脊髄小脳失調7(SCA7)、発作、線条体黒質変性、進行性核上性麻痺、捻転ジストニア、痙性斜頸、運動異常、家族性振戦、ジルドラトゥレット症候群、びまん性レビー小体病、進行性核上性麻痺、ピック病、原発性側索硬化症、進行性神経性筋萎縮、脊髄筋萎縮症、肥大性間質性多発ニューロパチー、色素性網膜炎、遺伝性視神経萎縮症、遺伝性痙性対麻痺、シャイ・ドレーガー症候群、ケネディ病、タンパク質凝集に関連した神経変性、マチャド・ジョセフ病、海綿状脳症、プリオンに関連した疾患、多発性硬化症(MS)、進行性核上性麻痺(スチール・リチャードソン・オルシェフスキ病)、ハレルフォルデン・スパッツ病、進行性家族性ミオクローヌスてんかん、小脳変性症、運動ニューロン疾患、ウェルドニッヒ・ホフマン病、ウォルファルト・クーゲルベルク・ウェランダー病、シャルコー・マリー・ツース病、デジェリーヌ・ソッタ病、色素性網膜炎、レーバー病、進行性全身性硬化症、皮膚筋炎、並びに混合性結合組織病から選択される。
【0117】
一部の実施形態では、神経変性の病態は、眼の急性又は慢性変性疾患である。眼の急性又は慢性変性疾患としては、緑内障、乾性加齢性黄斑変性、色素性網膜炎及び他の病型の遺伝変性的網膜疾患、網膜剥離、黄斑パッカー、外網膜に影響を及ぼす虚血、糖尿病性網膜症及び網膜虚血に関連した細胞性損傷、レーザー療法に関連した損傷、眼血管新生疾患、糖尿病性網膜症、ルベオーシス虹彩炎、ブドウ膜炎、フックの異質染色質虹彩毛様体炎、血管新生緑内障、角膜新血管形成、網膜虚血、脈絡膜血管不全、脈絡膜血栓症、頸動脈虚血、挫傷性眼性損傷、未熟児網膜症、網膜静脈閉塞症、増殖性硝子体網膜症、角膜血管新生、網膜微小血管障害、並びに網膜浮腫が挙げられる。
【0118】
一部の実施形態では、HDACによって媒介される状態又は障害は、線維性疾患、例えば肝線維症、嚢胞性線維形成、肝硬変、及び線維性皮膚病、例えば過形成性瘢痕、ケロイド及びデュピュイトラン拘縮を含む。したがって、そのような治療を必要とする対象において、HDACによって媒介された線維疾患を治療する方法であって、対象へ、治療有効量の本明細書に記載の少なくとも1種の化合物又はその薬学的に許容される塩を投与することを含む、方法も提供される。
【0119】
一部の実施形態では、HDACによって媒介される状態又は障害は、精神障害、例えばうつ病、双極性疾患及び認知症を含む。一部の実施形態では、HDACによって媒介される状態又は障害は、うつ病を含む。したがって、そのような治療を必要とする対象において、HDACによって媒介されたうつ病等の精神障害を治療する方法であって、該対象へ、治療有効量の本明細書に記載の少なくとも1種の化合物又はその薬学的に許容される塩を投与することを含む、方法も提供される。一部の実施形態では、うつ病は、大うつ病性障害及び双極性障害から選択される。
【0120】
一部の実施形態では、HDACによって媒介される状態又は障害は、不安症を含む。したがって、そのような治療を必要とする対象において、HDACによって媒介された不安症を治療する方法であって、該対象へ、治療有効量の本明細書に記載の少なくとも1種の化合物又はその薬学的に許容される塩を投与することを含む、方法も提供される。
【0121】
一部の実施形態では、HDACによって媒介される状態又は障害は、統合失調症を含む。したがって、そのような治療を必要とする対象において、HDACによって媒介された統合失調症を治療する方法であって、該対象へ、治療有効量の本明細書に記載の少なくとも1種の化合物又はその薬学的に許容される塩を投与することを含む、方法も提供される。
【0122】
一部の実施形態では、HDACによって媒介される状態又は障害は、運動ニューロン疾患、筋萎縮症/筋肉消耗障害又は筋萎縮性側索硬化症(ALS)を含む。したがって、そのような治療を必要とする対象において、HDACによって媒介された運動ニューロン疾患、筋萎縮症/筋肉消耗障害又は筋萎縮性側索硬化症(ALS)を治療する方法であって、該対象へ、治療有効量の本明細書に記載の少なくとも1種の化合物又はその薬学的に許容される塩を投与することを含む、方法も提供される。
【0123】
一部の実施形態では、HDACによって媒介される状態又は障害は、心血管の状態を含む。したがって、そのような治療を必要とする対象において、HDACによって媒介された心血管の状態を治療する方法であって、該対象へ、治療有効量の本明細書に記載の少なくとも1種の化合物又はその薬学的に許容される塩を投与することを含む、方法も提供される。一部の実施形態では、心血管の状態は、心筋症、心肥大、心筋虚血、心不全、心臓再狭窄及び動脈硬化から選択される。
【0124】
一部の実施形態では、HDACによって媒介される状態又は障害は、がんを含む。したがって、そのような治療を必要とする対象において、HDACによって媒介されたがんを治療する方法であって、対象へ、治療有効量の本明細書に記載の少なくとも1種の化合物又はその薬学的に許容される塩を投与することを含む、方法も提供される。一部の実施形態では、がんは、リンパ腫、膵がん、結腸直腸がん、肝細胞癌腫、ワルデンシュトレーム型マクログロブリン血症、前立腺のホルモン不応性がん、及び白血病、乳がん、肺がん、卵巣がん、前立腺がん、頭部及び頚部がん、腎臓がん、胃がん、脳がん、B細胞リンパ腫、末梢T細胞性リンパ腫、及び皮膚T細胞性リンパ腫から選択される。更なる一部の実施形態では、がんは、以下のがんのタイプから選択される。心臓:肉腫(血管肉腫、線維肉腫、横紋筋肉腫、脂肪肉腫)、粘液腫、横紋筋腫、線維腫、脂肪腫及び奇形腫;肺:気管支癌腫(鱗状細胞、未分化の小細胞、未分化の大細胞、腺癌腫)、肺胞(細気管支)癌腫、気管支腺腫、肉腫、リンパ腫、軟骨性腫瘍、中皮腫;胃腸の腺腫:食道(扁平上皮がん、腺がん、平滑筋肉腫、リンパ腫)、胃(癌腫、リンパ腫、平滑筋肉腫)、膵臓(管腺癌腫、インスリノーマ、グルカゴノーマ、ガストリノーマ、カルチノイド腫瘍、ビポーマ)、小腸(腺癌腫、リンパ腫、カルチノイド腫瘍、カポジ肉腫、平滑筋腫、血管腫、脂肪腫、神経線維腫、線維腫)、大腸(腺癌腫、腺管状腺腫、絨毛腺腫、過誤腫、平滑筋腫);尿生殖路:腎臓(腺がん、ウィルムの腫瘍[腎芽腫]、リンパ腫、白血病)、膀胱及び尿道(扁平上皮癌腫、移行上皮癌腫、腺癌腫)、前立腺(腺癌腫、肉腫)、精巣(セミノーマ、奇形腫、胎児性癌腫、奇形癌腫、絨毛癌腫、肉腫、間細胞癌腫、線維腫、線維腺腫、類腺腫瘍、脂肪腫);肝臓:肝がん、胆管癌腫、肝芽細胞腫、血管肉腫、肝細胞性腺腫、血管腫;骨:骨原性肉腫(骨肉腫)、線維肉腫、悪性線維性組織球腫、軟骨肉腫、ユーイング肉腫、悪性リンパ腫(細網肉腫)、多発性骨髄腫、悪性巨細胞腫脊索腫、オステオクロンフローマ(骨軟骨性外骨症)、良性軟骨腫、軟骨芽細胞腫、軟骨粘液線維腫、類骨骨腫及び巨細胞腫;神経系:頭骨(骨腫、血管腫、肉芽腫、黄色腫、変形性骨炎)、髄膜(髄膜腫、髄膜肉腫、神経膠腫症)、脳(星状細胞腫、髄芽細胞腫、グリオーマ、上衣腫、胚細胞腫{松果体腫}、多形性神経膠芽腫、乏突起膠細胞腫、シュワン細胞腫、網膜芽細胞腫、先天性腫瘍)、脊髄神経線維腫、髄膜腫、神経膠腫、肉腫);婦人科:子宮(子宮内膜癌腫)、頸部(子宮頸癌腫、前腫瘍子宮頸部異形成)、卵巣(卵巣癌腫[漿液性嚢胞腺癌腫、粘液性嚢胞腺癌腫、未分類の癌腫]、顆粒膜包膜細胞腫瘍、セルトリ・ライディッヒ細胞腫、未分化胚細胞腫、悪性奇形腫)、外陰部(扁平上皮癌腫、上皮内癌腫、腺癌腫、線維肉腫、黒色腫)、膣(明細胞癌腫、扁平上皮がん、ブドウ状肉腫(胎児性横紋筋肉腫)、卵管(癌腫);血液学的ながん:血液(骨髄性白血病[急性及び慢性]、急性リンパ性白血病、慢性リンパ性白血病、骨髄増殖性疾患、多発性骨髄腫、骨髄異形成症候群)、ホジキン病、非ホジキンリンパ腫[悪性リンパ腫];皮膚:悪性黒色腫、基底細胞癌腫、扁平上皮癌腫、カポジ肉腫、母斑異形成母斑、脂肪腫、血管腫、皮膚線維腫、ケロイド、乾癬;並びに副腎:神経芽細胞腫。また、癌を治療するための腫瘍の照射前、照射中又は照射後、本開示に従って化合物を投与することによる、放射線治療への腫瘍の感作の方法が提供される。
【0125】
一部の実施形態では、HDACによって媒介される状態又は障害は、免疫モジュレーションによって治療可能な状態又は障害を含む。したがって、そのような治療を必要とする対象において、HDACによって媒介された、免疫モジュレーションによって治療可能な状態又は障害を治療する方法であって、該対象へ、治療有効量の本明細書に記載の少なくとも1種の化合物又はその薬学的に許容される塩を投与することを含む、方法も提供される。一部の実施形態では、免疫モジュレーションによって治療可能な状態又は障害は、喘息、過敏性腸症候群、クローン病、潰瘍性大腸炎、腸運動性障害、高血圧、関節リウマチ、骨関節炎、若年性慢性関節炎、移植片対宿主病、乾癬、脊椎関節症、炎症性大腸疾患、アルコール性肝炎、シェーグレン症候群、強直性脊椎炎、膜質糸球体症、椎間板由来の痛み、全身性エリテマトーデス、アレルギー性腸疾患、セリアック病、気管支炎、嚢胞性線維症、リウマチ性脊椎炎、骨関節炎、ブドウ膜炎、虹彩炎及び結膜炎、虚血性腸疾患、乾癬、湿疹、皮膚炎、敗血症性関節炎、痛風、偽性痛風、若年性関節炎、スティル病、ヘノッホ・シェーンライン紫斑病、乾癬性関節炎、筋痛、反応関節炎(ライター症候群)、ヘモクロマトーシス、ヴェゲナー肉芽腫症、家族性地中海熱(FMF)、HBDS(グロブリン過剰血症D及び周期性熱症候群)、TRAPS(TNF-アルファ受容体に関連した周期熱症候群)、慢性閉塞性肺疾患、新生児期発症多臓器性炎症性疾患(NOMID)、クリオピリンに伴う周期性症候群(CAPS)及び家族性感冒自己炎症性症候群(FCAS)から選択される。
【0126】
一部の実施形態では、HDACによって媒介される状態又は障害は、アレルギー性疾患を含む。したがって、そのような治療を必要とする対象において、HDACによって媒介されたアレルギー性疾患を治療する方法であって、該対象へ、治療有効量の本明細書に記載の少なくとも1種の化合物又はその薬学的に許容される塩を投与することを含む、方法も提供される。アレルギー性疾患としては、呼吸アレルギー性疾患、例えばアレルギー性鼻炎、過敏性肺疾患、過敏性肺炎、好酸球性肺炎、レフレル症候群、慢性好酸球性肺炎、遅延型過敏反応、間質性肺疾患(ILD)、特発性肺線維症、多発筋炎、皮膚筋炎、全身性アナフィラキシー、薬物アレルギー(例えば、ペニシリン又はセファロスポリンへの)及び昆虫刺傷アレルギーが挙げられるがこれらに限定されない。
【0127】
一部の実施形態では、HDACによって媒介される状態又は障害は、感染症、例えば真菌感染症、細菌感染症、ウイルス感染症及び原虫感染症、例えば、マラリア、ジアルジア症、リーシュマニア症、シャーガス病、赤痢、トキソプラズマ症及びコクシジウム症を含む。一部の実施形態では、HDACによって媒介される状態又は障害は、マラリアを含む。したがって、そのような治療を必要とする対象において、HDACによって媒介された感染症、例えばマラリアを治療する方法であって、該対象へ、治療有効量の本明細書に記載の少なくとも1種の化合物又はその薬学的に許容される塩を投与することを含む、方法も提供される。
【0128】
一部の実施形態では、HDACによって媒介される状態又は障害は、自閉症又はレット症候群を含む。したがって、そのような治療を必要とする対象において、HDACによって媒介された自閉症又はレット症候群を治療する方法であって、該対象へ、治療有効量の本明細書に記載の少なくとも1種の化合物又はその薬学的に許容される塩を投与することを含む、方法も提供される。
【0129】
一部の実施形態では、HDACによって媒介される状態又は障害は、血液障害、例えば地中海貧血症、貧血及び鎌状赤血球性貧血を含む。したがって、そのような治療を必要とする対象において、HDACによって媒介された血液障害を治療する方法であって、該対象へ、治療有効量の本明細書に記載の少なくとも1種の化合物又はその薬学的に許容される塩を投与することを含む、方法も提供される。
【0130】
一部の実施形態では、HDACによって媒介される状態又は障害は、代謝疾患、例えば糖尿病前症又は糖尿病(I型若しくはII型)を含む。したがって、そのような治療を必要とする対象において、HDACによって媒介された代謝疾患、例えば糖尿病前症又は糖尿病(I型若しくはII型)を治療する方法であって、該対象へ、治療有効量の本明細書に記載の少なくとも1種の化合物又はその薬学的に許容される塩を投与することを含む、方法も提供される。
【0131】
一部の実施形態では、HDACによって媒介される状態又は障害は、前駆細胞/幹細胞ベースの療法によっても治療されてよい障害を含み、例えば、糖尿病に関連した障害(臓器不全、肝硬変及び肝炎);脳の前駆細胞の調節不全に伴う中枢神経系(CNS)障害(例えば心的外傷後ストレス障害(PTSD));腫瘍(例えば網膜芽細胞腫);乏突起膠細胞の前駆細胞に影響を及ぼす障害(例えば星状細胞腫及び上皮細胞腫瘍);多発性硬化症;白質ジストロフィー等の脱髄疾患;白質欠損を伴う神経障害;並びに運動失調等の小脳障害;並びに嗅覚の前駆体障害(例えば無嗅覚の状態)である。したがって、そのような治療を必要とする対象において、HDACによって媒介された障害を治療する方法であって、該対象へ、治療有効量の本明細書に記載の少なくとも1種の化合物又はその薬学的に許容される塩を、前駆細胞/幹細胞ベースの療法での治療の前、その間又は後のいずれかに投与することを含む、方法も提供される。
【0132】
一部の実施形態では、HDACによって媒介される状態又は障害は、上皮細胞及び間葉系細胞の増殖に関連した障害(例えば腫瘍、傷の回復及び外科手術)を含む。したがって、そのような治療を必要とする対象において、HDACによって媒介された、上皮細胞及び間葉系細胞の増殖に関連した障害を治療する方法であって、該対象へ、治療有効量の本明細書に記載の少なくとも1種の化合物又はその薬学的に許容される塩を投与することを含む、方法も提供される。
【0133】
一部の実施形態では、HDACによって媒介される状態又は障害は、骨の前駆体(例えば骨芽細胞及び破骨細胞)の増殖に関連した障害、毛髪及び上皮の前駆体に関連した障害(例えば脱毛、皮膚性腫瘍、皮膚再生、熱傷及び美容外科手術)に関連した障害、並びに閉経期の間の骨の減損に関連した障害を含み;したがって、そのような治療を必要とする対象において、HDACによって媒介された、骨の前駆体の増殖に関連した障害、毛髪及び上皮の前駆体に関連した障害、又は骨の減損に関連した障害を治療する方法であって、該対象へ、治療有効量の本明細書に記載の少なくとも1種の化合物又はその薬学的に許容される塩を投与することを含む、方法も提供される。
【0134】
一部の実施形態では、HDACによって媒介される状態又は障害は、そのためにHDAC阻害後に血液細胞が他の治療に敏感になるウイルス性障害であり、これに続き、該対象へ、治療有効量の本明細書に記載の少なくとも1種の化合物又はその薬学的に許容される塩を投与する。したがって、治療有効量の、本明細書に記載した少なくとも1種の化合物又はその薬学的に許容される塩を、対象に投与するステップを含む、そのような治療を必要とする対象において、HDACによって媒介されるウイルス性障害を治療する(血液細胞は、HDAC阻害後他の治療に感作させる)方法も提供される。
【0135】
一部の実施形態では、HDACによって媒介される状態又は障害は、免疫障害であり、これは、該対象へ、治療有効量の本明細書に記載の少なくとも1種の化合物又はその薬学的に許容される塩を投与する際に、TNFα又は他の免疫モジュレーターで共治療されてもよい。したがって、TNFα又は他の免疫モジュレーターによる治療前、治療中又は治療後、治療有効量の本明細書に記載した少なくとも1種の化合物又はその薬学的に許容される塩を、対象に投与するステップを含む、そのような治療を必要とする対象において、HDACによって媒介される免疫不全を治療する方法も提供される。
【0136】
一部の実施形態では、HDACによって媒介される状態又は障害は、移植片拒絶又は移植拒絶を含む。したがって、そのような治療を必要とする対象において、HDACによって媒介された移植片拒絶又は移植拒絶に関連した障害を治療する方法であって、該対象へ、治療有効量の本明細書に記載の少なくとも1種の化合物又はその薬学的に許容される塩を投与することを含む、方法も提供される。
【0137】
一部の実施形態では、HDACによって媒介される状態又は障害は、一酸化窒素(NO)の調節に関連した血圧障害を含む(例えば高血圧、勃起障害、喘息、及び緑内障である眼性障害)。したがって、そのような治療を必要とする対象において、HDACによって媒介された、一酸化窒素(NO)の調節に関連した血圧障害を治療する方法であって、該対象へ、治療有効量の本明細書に記載の少なくとも1種の化合物又はその薬学的に許容される塩を投与することを含む、方法も提供される。一部の実施形態では、状態又は障害は、心臓肥大性障害である。したがって、そのような治療を必要とする対象において、HDACによって媒介された心臓肥大性障害を治療する方法であって、該対象へ、治療有効量の本明細書に記載の少なくとも1種の化合物又はその薬学的に許容される塩を投与することを含む、方法も提供される。
【0138】
ここで本明細書に記載の少なくとも1種の化合物又はその薬学的に許容される塩が、該対象へ付与される唯一の活性薬剤である治療方法、及びここで本明細書に記載の少なくとも1種の化合物又はその薬学的に許容される塩が、該対象へ、1種以上の追加の活性薬剤と併用で付与される治療方法も提供される。
【0139】
一般に、本明細書に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩は、類似の有用性に役立つ薬剤のための、許容される投与方法のうちの任意のものによって、治療有効量において投与されることになる。化合物、即ち有効成分の実際の量は、数多くの要因によることになり、例えば治療されることになる疾患の重症度、対象の年齢及び相対的な健康、使用される化合物の有効性、投与の経路及び形態、及び当業者に周知の他の要因である。薬物は、少なくとも1日1回、例えば1日に1回又は2回、投与されうる。
【0140】
一部の実施形態では、本明細書に記載の化合物又はその塩は、医薬組成物として投与される。したがって、担体、アジュバント及び賦形剤から選択される少なくとも1種の薬学的に許容されるビヒクルと共に、本明細書に記載の少なくとも1つの化合物又はその薬学的に許容される塩を含む医薬組成物が提供される。本開示の化合物は、当業者に周知の技法を使用して医薬組成物に製剤化することができる。
【0141】
薬学的に許容されるビヒクルは、それらを、治療される動物への投与に好適なものとするために、純度が十分に高く、毒性が十分に低いものでなければならない。ビヒクルは、不活性とすることができ、又はそれは医薬上の有益性を有することができる。化合物又はその薬学的に許容される塩と併せて利用されるビヒクルの量は、化合物又はその薬学的に許容される塩の単位投与当たりの投与のための、材料の実用的な量を付与するのに十分である。
【0142】
例示できる薬学的に許容されるその担体又は成分は、糖、例えばラクトース、グルコース及びスクロース;デンプン、例えばコーンスターチ及びジャガイモデンプン;セルロース及びその誘導体、例えばカルボキシメチルセルロースナトリウム、エチルセルロース及びメチルセルロース;粉末化トラガント;モルト;ゼラチン;タルク;固体潤滑油、例えばステアリン酸及びステアリン酸マグネシウム;硫酸カルシウム;合成油;植物油、例えばピーナツ油、綿実油、ゴマ油、オリーブオイル及びトウモロコシ油;ポリオール、例えばプロピレングリコール、グリセリン、ソルビトール、マンニトール及びポリエチレングリコール;アルギン酸;リン酸バッファ溶液;乳化剤、例えばTWEEN(登録商標);湿潤剤、例えば硫酸ラウリルナトリウム;着色剤;芳香剤;錠剤化剤;安定剤;抗酸化剤;保存剤;ピロゲンを含まない水;等張性食塩水;並びにリン酸バッファ溶液である。
【0143】
任意選択の活性薬剤が、医薬組成物中に含まれてもよく、これは、本明細書に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩の活性を実質的に妨げない。
【0144】
有効な濃度の、本明細書に記載の少なくとも1種の化合物又はその薬学的に許容される塩が、好適な、薬学的に許容されるビヒクルと混合される。ここで化合物又はその薬学的に許容される塩が不十分な溶解性を呈する例では、化合物を溶解させる方法が使用されてもよい。そのような方法は、当業者に公知であり、ジメチルスルホキシド(DMSO)等の共溶媒を使用すること、TWEEN(登録商標)等の界面活性剤を使用すること、又は水性の重炭酸ナトリウム中での溶解を含むがこれらに限定されない。
【0145】
本明細書に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩の混合又は添加の際に、得られた混合物は、溶液、サスペンション、エマルション等であってもよい。得られた混合物の形態は、意図された投与方法、及び選択されたビヒクル中での化合物又はその薬学的に許容される塩の溶解性を含む幾つかの要因による。治療される疾病の徴候を寛解させるのに十分有効な濃度は、経験的に決定されてもよい。
【0146】
本明細書に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩は、経口的に、局所的に、非経口的に、静脈内に、筋肉内注射によって、吸入又は噴霧で、舌下で、経皮で、口腔投与を経て、直腸で、点眼溶液として、又は用量単位製剤における他の手段によって投与されてもよい。
【0147】
医薬組成物は、経口使用、例えば錠剤、トローチ、ロゼンジ、水性又は油性のサスペンション、分散可能な粉末又は顆粒、エマルション、硬カプセル若しくは軟カプセル、又はシロップ若しくはエリキシルのために製剤化されてもよい。経口使用が意図された医薬組成物は、医薬組成物の製造のための、当業者に公知の任意の方法に従って調製されてもよく、そのような組成物は、医薬として簡潔であり味のよい製品を提供するために、1種以上の薬剤、例えば甘味剤、芳香剤、着色剤及び保存剤を含有してもよい。一部の実施形態では、経口の医薬組成物は、0.1〜99%の、本明細書に記載の少なくとも1種の化合物又はその薬学的に許容される塩を含有する。一部の実施形態では、経口の医薬組成物は、少なくとも5%(重量%)の、本明細書に記載の少なくとも1種の化合物又はその薬学的に許容される塩を含有する。一部の実施形態では、25〜50%の、又は5〜75%の、本明細書に記載の少なくとも1種の化合物又はその薬学的に許容される塩を含有する。
【0148】
経口で投与される医薬組成物としてはまた、液体溶液、エマルション、サスペンション、粉末、顆粒、エリキシル、チンキ、シロップ等も挙げられる。そのような組成物の調製に好適な薬学的に許容される担体は、当技術分野で周知である。経口の医薬組成物は、保存剤、芳香剤、スクロース又はサッカリン等の甘味剤、味覚マスキング剤及び着色剤を含有してもよい。
【0149】
シロップ、エリキシル、エマルション及びサスペンションのための担体の典型的な成分としては、エタノール、グリセロール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、液体スクロース、ソルビトール及び水が挙げられる。シロップ及びエリキシルは、甘味剤、例えばグリセロール、プロピレングリコール、ソルビトール又はスクロースで製剤化されてもよい。そのような医薬組成物はまた、緩和薬も含有してもよい。
【0150】
本明細書に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩は、水性又は油性のサスペンション、溶液、エマルション、シロップ又はエリキシル等の経口の液体製品中へ組み込まれうる。さらに、本明細書に記載した化合物又はその薬学的に許容される塩を含有する医薬組成物は、使用前に、水又は他の好適なビヒクルとの構成物のための乾燥製品として提示されうる。そのような液体製品は、従来技術の添加剤、例えば懸濁剤(例えばソルビトールシロップ、メチルセルロース、グルコース/糖、シロップ、ゼラチン、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ステアリン酸アルミニウムのゲル及び水素化された食用の脂肪)、乳化剤(例えば、レシチン、モノオレイン酸ソルビタン又はアカシア)、非水性のビヒクルを含有することができ、これらは、食用油(例えばアーモンド油、分画されたココナツ油、シリルエステル、プロピレングリコール及びエチルアルコール)、並びに保存剤(例えばメチル又はプロピルp-ヒドロキシ安息香酸及びソルビン酸)である。
【0151】
サスペンションのために、典型的な懸濁剤としては、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、Avicel(登録商標)RC-591、トラガカント及びアルギン酸ナトリウムが挙げられ、典型的な湿潤剤としては、レシチン及びポリソルベート80が挙げられ、且つ典型的な保存剤としては、メチルパラベン及び安息香酸ナトリウムが挙げられる。
【0152】
水性サスペンションは、活性材料を、水性サスペンションの製造に好適な賦形剤との添加混合物において含有する。そのような賦形剤は、懸濁剤、例えばカルボキシメチルセルロースナトリウム、メチルセルロース、ヒドロプロピルメチルセルロース、アルギン酸ナトリウム、ポリビニルピロリドン、トラガカントゴム及びアカシアゴムであり、分散剤又は湿潤剤は、天然に出現するホスファチド、例えばレシチンであってもよく、又はアルキレンオキシドの、脂肪酸との縮合製品、例えばステアリン酸ポリオキシエチレン、又はエチレンオキシドの、長鎖脂肪族アルコールとの縮合製品、例えばヘプタデカエチレンオキシセタノール、又はエチレンオキシドの、脂肪酸及びヘキシトール、例えばポリエチレンソルビトール置換体から誘導された部分エステルとの縮合製品、又はエチレンオキシドの、脂肪酸及びヘキシトール無水物、例えばポリエチレンソルビタン置換体から誘導された部分エステルとの縮合製品であってもよい。水性サスペンションはまた、1種以上の保存剤、例えばエチル、又はp-ヒドロキシ安息香酸n-プロピルも含有してもよい。
【0153】
油性サスペンションは、有効成分を、植物油中で、例えばピーナツ油、オリーブオイル、ゴマ油又はココナツ油中で、又は流動パラフィン等の鉱油中で、懸濁させることによって製剤化されてもよい。油性サスペンションは、増粘剤、例えばビーズワックス、硬パラフィン又はセチルアルコールを含有してもよい。上に明らかにしたもの等の甘味剤、及び芳香剤が、味の良い経口製品を提供するために加えられてもよい。これらの医薬組成物は、アスコルビン酸等の抗酸化剤を加えることによって保存されてもよい。
【0154】
医薬組成物はまた、水中油エマルションの形態にあってもよい。油性相は、植物油、例えばオリーブオイル若しくはピーナツ油、又は鉱油、例えば流動パラフィン、又はこれらの混合物であってもよい。好適な懸濁剤は、天然に出現するゴム、例えばアカシアゴム又はトラガカントゴム、天然に出現するホスファチド、例えばダイズ、レシチン、及び脂肪酸及びヘキシトールから誘導されるエステル又は部分エステル、無水物、例えばモノオレイン酸ソルビタン、並びに前記部分エステルの、エチレンオキシドとの縮合製品、例えばモノオレイン酸ソルビタンポリエチレンであってもよい。
【0155】
水の添加による水性サスペンションの調製に好適な分散可能な粉末及び顆粒は、有効成分を、分散剤又は湿潤剤、懸濁剤、及び1種以上の保存剤との添加混合物において提供する。好適な分散剤又は湿潤剤及び懸濁剤は、上に既に挙げたものによって例証される。
【0156】
錠剤は、不活性希釈剤として、従来技術の薬学的に許容されるアジュバント、例えば炭酸カルシウム、炭酸ナトリウム、マンニトール、ラクトース及びセルロース;結着剤、例えばデンプン、ゼラチン及びスクロース;崩壊剤、例えばデンプン、アルギン酸及びクロスカーメロース;潤滑剤、例えばステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸及びタルクを、典型的に含む。滑剤、例えば二酸化ケイ素が、粉末混合物の流れ特性を改善させるために使用されうる。着色剤、例えばFD&C染料が、外見のために添加されうる。甘味剤及び芳香剤、例えばアスパルテーム、サッカリン、メントール、ペパーミント及び果物の芳香が、咀嚼可能な錠剤のための有用なアジュバントでありうる。カプセル(時間放出性製剤及び徐放性製剤を含む)は、上で開示されている1種以上の固体希釈剤を典型的に含む。担体成分の選択は、味覚、コスト及び貯蔵安定性のような二次的な検討事項によることが多い。
【0157】
そのような医薬組成物はまた、従来技術の方法によってコーティングされてもよく、典型的にはpH又は時間依存性コーティングで、例えば化合物又はその薬学的に許容される塩が、所望の局所適用の近くで、又は所望の作用を延長するように様々な時間において、消化管で放出されるようにコーティングされてもよい。そのような剤形は、1種以上のフタル酸セルロース酢酸、フタル酸ポリビニル酢酸、フタル酸ヒドロキシプロピルメチルセルロース、エチルセルロース、オイドラギット(登録商標)コーティング、ワックス及びシェラックを典型的に含むがこれらに限定されない。
【0158】
経口使用のための医薬組成物はまた、硬ゼラチンカプセルとして提示されてもよく、ここで有効成分は、不活性な固体希釈剤、例えば炭酸カルシウム、リン酸カルシウム若しくはカオリンと混合され、又は軟ゼラチンカプセルとして提示されてもよく、ここで有効成分は、水、又は油の媒質、例えばピーナツ油、流動パラフィン若しくはオリーブオイルと混合される。
【0159】
医薬組成物は、無菌の、注射可能な、水性又は油性サスペンションの形態にあってもよい。このサスペンションは、上に挙げられた、これらの好適な分散剤又は湿潤剤及び懸濁剤を使用する公知の技術に従って製剤化されてもよい。無菌の注射可能な製品はまた、非毒性の、非経口的に許容されるビヒクル中の無菌の注射可能な溶液又はサスペンション、例えば1,3-ブタンジオール中の溶液であってもよい。利用されてもよい、許容されるビヒクルの中では、水、リンガー溶液、及び等張性の塩化ナトリウム溶液がある。加えて、無菌の、不揮発性油が、溶媒又は懸濁性媒質として従来技術で利用されている。この目的では、合成のモノ及びジグリセリドを含む、任意の非刺激性の不揮発性油が利用されてもよい。加えて、オレイン酸等の脂肪酸が、注射可能物の調製において有用でありうる。
【0160】
本明細書に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩は、無菌の媒質中で非経口的に投与されてもよい。非経口投与としては、皮下注射、静脈内、筋肉内、髄腔内の注射又は注入技法が挙げられる。本明細書に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩は、使用されるビヒクル又は濃度に応じて、ビヒクル中に懸濁されうる又は溶解されうる、のいずれかである。有利には、局部麻酔薬、保存剤及び緩衝剤等のアジュバントが、ビヒクル中に溶解されることができる。非経口投与のための多くの医薬組成物では、担体は、組成物の総計の少なくとも90重量%を占める。一部の実施形態では、非経口投与のための担体は、プロピレングリコール、オレイン酸エチル、ピロリドン、エタノール及びゴマ油から選択される。
【0161】
本明細書に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩はまた、薬物の直腸投与のために坐薬の形態でも投与されてよい。これらの医薬組成物は、薬物を、常温では固体であるが直腸温では液体である好適な非刺激性の賦形剤と混合することによって調製されることが可能であり、したがって、直腸中で溶融して薬物を放出するすることになる。そのような材料としては、カカオバター及びポリエチレングリコールが挙げられる。
【0162】
本明細書に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩は、局部又は局所の投与のために、例えば皮膚、及び眼の中等の粘膜のための局所投与のために、ゲル、クリーム及びローション、並びに眼への投与用の形態で製剤化されてもよい。局所用の医薬組成物は、例えば溶液、クリーム、軟膏、ゲル、ローション、乳液、クレンザー、モイスチャライザー、スプレー、スキンパッチ等を含む任意の形態にあってもよい。
【0163】
そのような溶液は、0.01%〜10%の等張液、pH5〜7で、適当な塩で製剤化されてもよい。本明細書に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩は、経皮パッチとして経皮投与のためにも製剤化されうる。
【0164】
本明細書に記載の少なくとも1種の化合物又はその薬学的に許容される塩を含む局所用の医薬組成物は、当技術分野で周知の種々の担体材料、例えば水、アルコール、アロエベラゲル、アラントイン、グリセリン、ビタミンA及びE油、鉱油、プロピレングリコール、PPG-2プロピオン酸ミリスチル等と混合されうる。
【0165】
局所用の担体中での使用に好適な他の材料としては、例えば軟化剤、溶媒、湿潤剤、増粘剤及び粉末が挙げられる。単独で、又は1種以上の材料との混合物として使用されうるこれらのタイプの材料のそれぞれの例は、以下の通りである。
【0166】
代表的な軟化剤としては、ステアリルアルコール、モノリシノール酸グリセリル、モノステアリン酸グリセリル、プロパン-1,2-ジオール、ブタン-1,3-ジオール、ミンク油、セチルアルコール、イソステアリン酸イソプロピル、ステアリン酸、パルミチン酸イソブチル、ステアリン酸イソセチル、オレイルアルコール、ラウリン酸イソプロピル、ラウリン酸ヘキシル、オレイン酸デシル、オクタデカン-2-オール、イソセチルアルコール、パルミチン酸セチル、ジメチルポリシロキサン、セバシン酸ジ-n-ブチル、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、ステアリン酸イソプロピル、ステアリン酸ブチル、ポリエチレングリコール、トリエチレングリコール、ラノリン、ゴマ油、ココナツ油、ラッカセイ油、ヒマシ油、アセチル化ラノリンアルコール、石油、鉱油、ミリスチン酸ブチル、イソステアリン酸、パルミチン酸、リノール酸イソプロピル、乳酸ラウリル、乳酸ミリスチル、オレイン酸デシル及びミリスチン酸ミリスチル;噴霧剤、例えばプロパン、ブタン、イソブタン、ジメチルエーテル、二酸化炭素及び亜酸化窒素;溶媒、例えばエチルアルコール、塩化メチレン、イソプロパノール、ヒマシ油、エチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン;湿潤剤、例えばグリセリン、ソルビトール、ナトリウム2-ピロリドン-5-カルボキシレート、可溶性コラーゲン、フタル酸ジブチル及びゼラチン;並びに粉末、例えばチョーク、タルク、フラー土、カオリン、デンプン、ゴム、コロイド状の二酸化ケイ素、ポリアクリル酸ナトリウム、テトラアルキルアンモニウムスメクタイト、トリアルキルアリールアンモニウムスメクタイト、化学修飾ケイ酸アルミニウムマグネシウム、有機修飾モンモリロナイトのクレイ、水和されたケイ酸アルミニウム、フュームドシリカ、カルボキシビニルポリマー、カルボキシメチルセルロースナトリウム及びモノステアリン酸エチレングリコールが挙げられる。
【0167】
本明細書に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩はまた、リポソーム送達系の形態、例えば小型単層ベシクル、大型単層ベシクル、及び多層ベシクルにおいて局所的に投与されてもよい。リポソームは、種々のリン脂質、例えばコレステロール、ステアリルアミン又はホスファチジルコリンから形成されうる。
【0168】
化合物の全身送達を達成するのに有用な他の医薬組成物又はその薬学的に許容される塩としては、舌下の、頬の及び鼻の剤形が挙げられる。そのような医薬組成物は、可溶性フィラー物質、例えばスクロース、ソルビトール及びマンニトール、並びに結着剤、例えばアカシア、微結晶セルロース、カルボキシメチルセルロース及びヒドロキシプロピルメチルセルロースのうちの1種以上を典型的に含む。上に開示された滑剤、潤滑油、甘味剤、着色剤、抗酸化剤及び芳香剤がまた、含まれてもよい。
【0169】
吸入のため医薬組成物は、溶液、サスペンション又はエマルションの形態において典型的に提供されることができ、それは、乾燥粉末として又は従来技術の噴霧剤(例えばジクロロジフルオロメタン若しくはトリクロロフルオロメタン)を使用するエアロゾルの形態において投与されうる。
【0170】
医薬組成物はまた、賦活剤を、任意選択で含んでもよい。賦活剤は、本明細書に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩の治療効果を、異なる方法で促進するよう機能する、又はそれから独立している、広範な種類の分子から選択されうる。賦活剤の特定のクラスとしては、皮膚浸透促進剤及び吸収促進剤が挙げられる。
【0171】
医薬組成物はまた、本明細書に記載の少なくとも1種の化合物又はその薬学的に許容される塩の治療効果を異なる方法で促進するよう機能することができる広範な種類の分子から選択されうる付加的な活性薬剤も含有してもよい。これらの任意選択の他の活性薬剤は、存在するとき、医薬組成物中に、0.01%〜15%の範囲のレベルで典型的に利用される。一部の実施形態では、組成物の0.1重量%〜10重量%を占める。他の実施形態では、組成物の0.5重量%〜5重量%を占める。
【0172】
また包装された医薬組成物も提供される。そのような包装された組成物としては、本明細書に記載の少なくとも1種の化合物又はその薬学的に許容される塩を含む医薬組成物、及び対象(典型的にはヒトの患者)を治療するために該組成物を使用するための指示書を含む。一部の実施形態では、指示書は、HDACによって媒介された状態又は障害に罹っている対象を治療するために、医薬組成物を使用するためのものである。包装された医薬組成物は、例えば患者又はヘルスケア提供者へ、又は包装された医薬組成物中の標識として、処方情報を提供することを含むことができる。処方情報は、例えば、医薬組成物に関係した、有効性、用量及び投与法、禁忌及び有害反応情報を含んでもよい。
【0173】
前述の全てにおいて、化合物又はその薬学的に許容される塩は、単独で、混合物として、又は他の活性薬剤との併用において投与されうる。
【0174】
本明細書に記載の方法は、ハンチントン病を治療する方法を含み、これはハンチントン病に伴う記憶及び/又は認知の障害を治療することを含み、該方法は、対象へ、同時に又は連続的に、本明細書に記載の少なくとも1種の化合物又はその薬学的に許容される塩、並びにアミトリプチリン、イミプラミン、デシプラミン、ノルトリプチリン、パロキセチン、フルオキセチン、セルトラリン、テトラベナジン、ハロペリドール、クロルプロマジン、チオリダジン、スルプリド、ケチアピン、クロザピン及びリスペリドンであるがこれらに限定されない、ハンチントン病の治療において使用される1種以上の付加的な薬剤を投与することを含む。同時投与を使用する方法では、該薬剤は、併用組成物中に存在することができ、又は別々に投与されることができる。結果として、本明細書に記載の少なくとも1種の化合物又はその薬学的に許容される塩、並びにアミトリプチリン、イミプラミン、デシプラミン、ノルトリプチリン、パロキセチン、フルオキセチン、セトラリン、テラベナジン、ハロペリドール、クロルプロマジン、チオリダジン、スルプリド、ケチアピン、クロザピン及びリスペリドンであるがこれらに限定されない、ハンチントン病の治療において使用される1種以上の付加的な医薬品を含む、医薬組成物も提供される。同様に、本明細書に記載の少なくとも1種の化合物又はその薬学的に許容される塩、並びにアミトリプチリン、イミプラミン、デシプラミン、ノルトリプチリン、パロキセチン、フルオキセチン、セトラリン、テラベナジン、ハロペリドール、クロルプロマジン、チオリダジン、スルプリド、ケチアピン、クロザピン及びリスペリドンであるがこれらに限定されない、ハンチントン病の治療において使用される1種以上の付加的な医薬品を含む別の組成物を含む医薬組成物を含有する、包装された医薬組成物も提供される。
【0175】
また、アルツハイマー病のための治療方法であって、これはアルツハイマー病に伴う記憶及び/又は認知の障害を治療することを含み、該方法は、対象へ、同時に又は連続的に、本明細書に記載の少なくとも1種の化合物又はその薬学的に許容される塩、並びにレミニル(登録商標)、コグネクス(登録商標)、アリセプト(登録商標)、エクセロン(登録商標)、アカチノール(登録商標)、ネオトロピン(商標)、エルデプリル(登録商標)、エストロゲン及びクリオキノールであるがこれらに限定されない、アルツハイマー病の治療において使用される1種以上の付加的な薬剤を投与することを含む、方法も提供される。同時投与を使用する方法では、該薬剤は、併用組成物中に存在することができ、又は別々に投与されることができる。また、本明細書に記載の少なくとも1種の化合物又はその薬学的に許容される塩、並びにレミニル(登録商標)、コグネクス(登録商標)、アリセプト(登録商標)、エクセロン(登録商標)、アカチノール(登録商標)、ネオトロピン(商標)、エルデプリル(登録商標)、エストロゲン及びクリオキノールであるがこれらに限定されない、アルツハイマー病の治療において使用される1種以上の付加的な医薬品を含む医薬組成物も提供される。同様に、本明細書に記載の少なくとも1種の化合物又はその薬学的に許容される塩、並びにレミニル(登録商標)、コグネクス(登録商標)、アリセプト(登録商標)、エクセロン(登録商標)、アカチノール(登録商標)、ネオトロピン(商標)、エルデプリル(登録商標)、エストロゲン及びクリオキノールであるがこれらに限定されない、アルツハイマー病の治療において使用される1種以上の付加的な医薬品を含む別の組成物を含む医薬組成物を含有する、包装された医薬組成物も提供される。
【0176】
また、がんを治療する方法であって、対象へ、同時に又は連続的に、本明細書に記載の少なくとも1種の化合物又はその薬学的に許容される塩、並びに以下の、抗腫瘍剤のカテゴリーであるがこれらに限定されない、がんの治療において使用される1種以上の付加的な薬剤を投与することを含む、方法も提供される:
(i)他の細胞周期阻害剤、本明細書で定義したものと同じ又は異なる機序によって作用するもの、例えばサイクリン依存キナーゼ(CDK)阻害薬、特定するとCDK2阻害薬
(ii)細胞分裂阻害剤、例えば抗エストロゲン(例えばタモキシフェン、トレミフェン、ラロキシフェン、ドロロキシフェン、イドキシフェン)、プロゲストゲン(例えば酢酸メゲストロール)、アロマターゼ阻害薬(例えばアナストロゾール、レトラゾール、ボラゾール、エクセメスタン)、抗プロゲストゲン、抗アンドロゲン(例えばフルタミド、ニルタミド、ビカルタミド、酢酸シプロテロン)、LHRHアゴニスト及びアンタゴニスト(例えば酢酸ゴセレリン、ルプロリド)、テストステロン5α-ジヒドロレダクターゼの阻害薬(例えばフィナステリド)、抗浸潤剤(例えばマリマスタットのようなメタロプロテイナーゼ阻害薬、及びウロキナーゼプラスミノーゲンアクチベーター受容体機能の阻害薬)、並びに成長因子機能の阻害薬(そのような成長因子には、例えば血管内皮増殖因子、上皮成長因子、血小板由来成長因子及び肝細胞成長因子が挙げられ、そのような阻害薬には、成長因子抗体、成長因子レセプター抗体、チロシンキナーゼ阻害薬及びセリン/スレオニンキナーゼ阻害薬が挙げられる)
(iii)抗増殖薬/抗悪性腫瘍薬及びそれらの併用薬、医学腫瘍学において使用されるもの、例えば代謝拮抗薬(例えば、メトトレキセートの様な葉酸代謝拮抗薬、5-フルオロウラシル、プリン及びアデノシン類似体、シトシンアラビノシドのようなフルオロピリミジン)、抗腫瘍抗生物質(例えばドキソルビシン、ダウノマイシン、エピルビシン及びイダルビシン、マイトマイシンC、ダクチノマイシン、ミトラマイシンのようなアントラサイクリン);プラチナ誘導体(例えばシスプラチン、カルボプラチン);アルキル化剤(例えばナイトロジェンマスタード、メルファラン、クロラムブシル、ブスルファン、シクロホスファミド、イホスファミド、ニトロソ尿素、チオテパ);有糸分裂阻害薬(例えばビンクリスチンのようなビンカアルカロイド、及びタキソール、タキソテレのようなタキソイド);トポイソメラーゼ阻害薬(例えばエトポシド及びテニポシド、アムサクリン、トポテカンのようなエピポドフィロトキシン)
(iv)抗血管新生剤、本明細書で前に記載したものとは異なる機序によって作用するもの(例えばTie-2のような受容体チロシンキナーゼ、インテグリンαvβ3機能の阻害薬、アンジオスタチン、ラゾキシン、サリドマイド)、且つ血管ターゲッティング薬剤を含むもの、並びに
(v)分化剤(例えばレチノイン酸及びビタミンD)。
【0177】
同時投与を使用する方法では、薬剤は、併用組成物中に存在することができ、又は別々に投与されることができる。また、本明細書に記載の少なくとも1種の化合物又はその薬学的に許容される塩、及び本明細書に記載の1種以上の抗腫瘍剤を含む医薬組成物も提供される。同様に、本明細書に記載の少なくとも1種の化合物又はその薬学的に許容される塩を含む医薬組成物、及び本明細書に記載の1種以上の抗腫瘍剤を含む別の組成物を含有する、包装された医薬組成物も提供される。1種以上の付加的な医薬品と併用して使用されるとき、本明細書に記載の化合物は、付加的な医薬品を投与する前に、それと同時に、又はそれに続いて投与されてもよい。
【0178】
一部の実施形態では、本明細書に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩は、外科手術又は放射線療法と併せて投与され、任意選択で、がんの治療において使用される1種以上の付加的な薬剤との併用で投与される。
【0179】
本明細書に記載の化合物の用量は、他の検討事項の中で、治療されることになる特定の症候群、症状の重症度、投与の経路、投与間隔の頻度、利用される特定の化合物、有効性、毒物学プロファイル、化合物の薬物動態学的プロファイル、及び任意の有害な副作用の存在を含む、多様な要因による。
【0180】
本明細書に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩は、HDAC阻害薬に通例の投与レベル及び方法で典型的に投与される。例えば、化合物又はその薬学的に許容される塩は、単回又は複数回の用量において、一般に0.001〜100mg/kg/日、例えば0.01〜100mg/kg/日、例えば0.1〜70mg/kg/日、例えば、0.5〜10mg/kg/日の用量レベルにある経口投与によって投与されうる。単位剤形は、一般に0.01〜1000mgの、本明細書に記載の少なくとも1種の化合物又はその薬学的に許容される塩を含有することができ、例えば0.1〜50mgの、本明細書に記載の少なくとも1種の化合物又はその薬学的に許容される塩を含有することができる。静脈内投与では、該化合物は、単回又は複数回の用量において、例えば、0.001〜50mg/kg/日、例えば0.001〜10mg/kg/日、例えば、0.01〜1mg/kg/日の用量レベルで投与されうる。単位剤形は、例えば0.1〜10mgの、本明細書に記載の少なくとも1種の化合物又はその薬学的に許容される塩を含有することができる。
【0181】
本明細書に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩の標識された形態は、本明細書に記載されている、HDCAの活性をモジュレートする機能を有する化合物を同定する及び/又は得るための診断物として使用されうる。本明細書に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩は、さらに、バイオアッセイを検証し、最適化し、標準化するために使用されてもよい。
【0182】
本明細書では、「標識される」は、化合物が直接的又は間接的のいずれかで検出可能なシグナル、例えばラジオアイソトープ、蛍光タグ、酵素、抗体、磁気粒子等の粒子、化学発光タグ又は特異的な結合分子等を付与する標識で標識化されることを意味する。特異的な結合分子としては、ビオチンとストレプトアビジン、ジゴキシンと抗ジゴキシン等の対が挙げられる。特異的な結合メンバーでは、補完的なメンバーは、上で概説されているように、通常は、公知の手順に従って、検出を付与する分子で標識化されている。標識は、直接的又は間接的に、検出可能なシグナルを付与することができる。
【0183】
本開示は、本明細書に記載した、化合物及び薬学的に許容されるそれらの塩において生じる原子の全ての同位体を含む。同位体には、原子番号が同じであるが、質量数が異なる原子が含まれる。本開示はまた、原子番号が同じであるが、質量数が異なる原子で置き換えられる、本明細書に記載した化合物及び薬学的に許容されるそれらの塩における1個以上の原子のあらゆる組み合わせが含まれる。そのような一例としては、最も天然に豊富に存在する同位体、例えば、1H又は12Cである原子を、最も天然に豊富に存在する同位体ではない異なる原子、例えば、2H又は3H(1Hの置き換え)、又は11C、13C、若しくは12C(12Cの置き換え)で置き換えた、本明細書に記載した、化合物及び薬学的に許容されるそれらの塩の1つにおいて見出される。このような置き換えが行われている化合物は、同位体によって標識されていると一般に称される。本明細書に記載した、化合物及び薬学的に許容されるそれらの塩の同位体標識は、当業者に公知の様々な異なる合成方法のいずれか1つを使用して達成することができ、これらは、そのような同位体標識を行うために必要な合成方法及び利用可能な試薬が理解されるものと容易に考えられる。一般的な例として、及びそれだけには限らないが、水素の同位体には、2H(重水素)及び3H(トリチウム)が含まれる。炭素の同位体には、11C、13C、及び14Cが含まれる。窒素の同位体には、13N及び15Nが含まれる。酸素の同位体には、15O、17O、及び18Oが含まれる。フッ素の同位体には、18Fが含まれる。硫黄の同位体には、35Sが含まれる。塩素の同位体には、36Clが含まれる。臭素の同位体には、75Br、76Br、77Br、及び82Brが含まれる。ヨウ素の同位体には、123I、124I、125I、及び131Iが含まれる。また、本明細書に記載した化合物又はその薬学的に許容される塩を含む医薬組成物が提供され、医薬組成物における同位体の天然に存在する分布は撹乱される。また、最も天然に豊富に存在する同位体を除く同位体を有する1つ以上の位置で強化された、本明細書に記載した化合物又はその薬学的に許容される塩を含む医薬組成物が提供される。方法は、そのような同位体の撹乱又は強化を測定するために容易に利用可能であり、例えば、質量分析であり、放射性同位体である同位体の場合、追加の方法が利用可能であり、例えば、HPLC又はガスクロマトグラフィー(GC)に接続して使用される電波検出器である。本明細書に記載した、いくつかの同位体によって標識された化合物及び薬学的に許容されるそれらの塩は、化合物及び/又は基質組織分布アッセイに有用である。いくつかの実施形態では、放射性核種3H及び/又は14C同位体は、これらの試験に有用である。さらに、より重い同位体、例えば、重水素(即ち、2H)による置換は、より優れた代謝の安定性から生じるいくつかの治療上の利点(例えば、in vivo半減期の増加又は投与量の所要量の減少)をもたらすことができ、したがって、いくつかの状況下で好ましいことがある。本明細書に記載した、同位体によって標識された化合物及び薬学的に許容されるそれらの塩は、同位体によって標識された試薬を、同位体によって標識されていない試薬に置き換えることにより、以下の実施例において開示されるものと類似の以下の手順によって一般に調製することができる。さらに、本明細書に記載した、化合物及び薬学的に許容されるそれらの塩に示される原子の全ては、そのような原子の最も普通に存在する同位体又は希少な放射性同位体又は非放射性同位体となりうることが理解されるべきである。
【0184】
本明細書に記載の方法の手順を実行するにあたり、当然ながら、特定のバッファ、媒質、試薬、細胞、培養条件等への言及が限定的であることを意図してはおらず、ここでその検討事項が提示されている特定の文脈において当業者が興味のあるもの又は価値のあるものと認識するであろう全ての関連した材料を含むと解釈されると理解されるものとする。例えば1種のバッファ系又は培地を別のものと置換してもなお同一ではないにしても類似の結果を達成することが可能であることが多い。当業者であれば、本明細書で開示されている方法及び手順を使用して、過度の実験なしに、当業者の目的に最適に役立つことになるような置き換えを行えるように、そのような系及び方法論の十分な知識を有することになる。
【0185】
[実施例]
本明細書に記載されている化合物又はその薬学的に許容される塩、組成物及び方法を以下の非限定実施例によりさらに説明する。
【0186】
本明細書で使用される場合、以下の略語は以下の意味を有する。略語が定義されていない場合、その略語は、その一般に認められている意味を有する。
【0187】
略語
AcOH 酢酸
Bn:ベンジル
BOC又はBoc:tert-ブチルオキシカルボニル
cPr:シクロプロピル
DCM:ジクロロメタン
DIPE:ジイソプロピルエーテル
DIPEA:ジイソプロピルエチルアミン
DMAP: ジメチルアミノピリジン
DMF:ジメチルホルムアミド
DMSO:ジメチルスルホキシド
EDC:1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド
eqs:当量
ES+:エレクトロスプレー陽イオン化
Et2O:ジエチルエーテル
EtOAc:酢酸エチル
EtOH:エタノール
FBS ウシ胎児血清
h:時間
HATU:(1-[ビス(ジメチルアミノ)メチレン]-1H-1,2,3-トリアゾロ[4,5-b]ピリジニウム3-オキシドヘキサフルオロホスフェート)
HBTU:N,N,N',N'-テトラメチル-O-(1H-ベンゾトリアゾール-1-イル)ウロニウムヘキサフルオロホスフェート
HOPO:2-ヒドロキシピリジン-N-オキシド
HPLC: 高速液体クロマトグラフィー
i-hex: iso-ヘキサン
IPA: iso-プロピルアルコール
LCMS: 液体クロマトグラフィー質量分析法
M: 質量
Me:メチル
MeCN: アセトニトリル
MeOH: メタノール
min: 分
Ms:メシル
NMR:核磁気共鳴
Pd/C:炭素担持パラジウム
Ph:フェニル
RT: 保持時間
r.t.: 室温
SFC: 超臨界液体クロマトグラフィー
SCX:強力な陽イオン交換
TFA:トリフルオロ酢酸
TFAA:トリフルオロ酢酸無水物
THF:テトラヒドロフラン
v/v又はV/V:体積対体積
【0188】
化合物は、Cambridgesoft Chemistry Cartridge(v.9.0.0.182)ソフトウェアを用いて命名した。
【0189】
空気又は湿気に不安定な試薬を含む全ての反応は、乾燥溶媒及びガラス器具を用い窒素雰囲気下で行った。
分析条件
【0190】
【表1】
【0191】
一般的な合成方法
【0192】
【化9】
【0193】
方法A(アミドカップリング)
室温でカルボン酸(1.50mmol)のDCM(10mL)溶液に、EDC(351mg、1.83mmol)及びHOPO(203mg、1.83mmol)を加えた。混合物を、30分間撹拌して、完全な溶液を得、次いで、アミン(遊離塩基又は塩酸塩)(1.65mmol)及びDIPEA(1.3mL、7.5mmol)を加え、混合物を、室温で18h撹拌した。混合物を、水で洗浄し、相分離カートリッジに通し、濃縮した。
【0194】
方法B(アミド還元)
-15℃で窒素下のアミド(1.30mmol)のジエチルエーテル(50mL)溶液に、20分間にわたって水素化アルミニウムリチウム(1.30mL、2.6mmol、THF中の2.0M)を滴加した。反応物を、-10℃で1.5h維持し、次いで、水(1.5mL)、2N NaOH(1mL)、さらに水(2mL)でクエンチした。反応物を、r.tまで加温し、30分間撹拌し、次いで、MgSO4を加え、反応物をセライトで濾過し、EtOAcで十分に洗浄した。ろ液を濃縮し、残留物を、SCXカートリッジ(5g)に通し、DCM中の0〜10% 7Mメタノールアンモニアで溶出することにより、精製した。
【0195】
方法C(Boc除去)
0℃で窒素下のBoc-によって保護されたアミン(0.76mmol)のDCM(5mL)溶液に、ジオキサン(0.8mL、3.0mmol)中の4N HClを滴加した。溶液を、室温まで加温し、1h撹拌し、次いで、濃縮した。
【0196】
【化10】
ステップ1:(R)-2-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)プロピルメタンスルホネート(中間体1)
メタンスルホニルクロリド(7.29mL、94.2mmol)の乾燥DCM(140mL)溶液を、(R)-tert-ブチル(1-ヒドロキシプロパン-2-イル)カルバメート(15g、85.6mmol)及びトリエチルアミン(17.9mL、128.4mmol)のDCM(300mL)溶液に、0℃で1.5hにわたって滴加した。反応物を、0℃で30分間撹拌し、次いでr.tで1h撹拌し、その後、水(300mL)、NaHCO3(300mL)及び食塩水(200mL)で洗浄した。有機物を、相分離器に通し、減圧下で濃縮して、標題化合物をサーモンピンク色固体として得た(21.5g、99%)。
【0197】
方法D
アミン(7.12mmol)を、DMF(8mL)中で中間体1(900mg、3.56mmol)及び炭酸セシウム(3.48g、10.7mmol)に加え、混合物を、65℃で24h撹拌した。反応混合物を、室温まで冷却し、セライトで濾過し、MeOHで洗浄した。ろ液を濃縮し、残留物を、SCXカートリッジ(5g)に通し、DCM中の0〜10% 7Mメタノールアンモニアで溶出することにより精製した。
(R)-1-((S)-2-メチルピロリジン-1-イル)プロパン-2-アミンジヒドロクロリド(中間体2)
【0198】
【化11】
ステップ1:tert-ブチル((R)-1-((S)-2-メチルピロリジン-1-イル)-1-オキソプロパン-2-イル)カルバメート
(R)-2-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)プロパン酸(1.14g、6.04mmol)及び(S)-2-メチルピロリジン(565mg、6.65mmol)から方法Aに従って、標題化合物を黄色油状物として得、これを、未精製物として次のステップに進行させた。
【0199】
ステップ2:tert-ブチル((R)-1-((S)-2-メチルピロリジン-1-イル)プロパン-2-イル)カルバメート
tert-ブチル((R)-1-((S)-2-メチルピロリジン-1-イル)-1-オキソプロパン-2-イル)カルバメート(1.55g、6.04mmol)から方法Bに従って、標題化合物を無色油状物として得た(1.43g、97%)。
【0200】
ステップ3:(R)-1-((S)-2-メチルピロリジン-1-イル)プロパン-2-アミンジヒドロクロリド(中間体2)
tert-ブチル((R)-1-((S)-2-メチルピロリジン-1-イル)プロパン-2-イル)カルバメート(1.43g、5.88mmol)から方法Cに従って、標題化合物を無色油状物として得た(850mg、81%)。
【0201】
[実施例1]
(2S)-2-メチル-1-((R)-2-(3-メチル-4-(5-(トリフルオロメチル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル)ベンズアミド)プロピル)ピロリジン-1-イウムホルメート
【0202】
【化12】
ステップ1:(Z)-4-(N'-ヒドロキシカルバムイミドイル)-3-メチル安息香酸
4-シアノ-3-メチル安息香酸(1.00g、6.21mmol)のEtOH(30mL)撹拌溶液に、NH2OH.HCl(604mg、8.70mmol)及びKOH(1.04g、18.6mmol)を加えた。混合物を、室温で17h撹拌し、次いで、1M HCl(aq)で中和し、EtOAc(3×25mL)中で抽出した。合わせた有機物を、乾燥し(MgSO4)、濃縮して、標題化合物を黄色固体として得た(1.3g、108%)。
【0203】
ステップ2:3-メチル-4-(5-(トリフルオロメチル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル)安息香酸
(Z)-4-(N'-ヒドロキシカルバムイミドイル)-3-メチル安息香酸(1.2g、6.21mmol)のTHF(30mL)撹拌溶液に、TFAA(1.29mL、9.32mmol)を加えた。混合物を、3h撹拌し、その期間の後、TFAA5eqsをさらに加えた。さらに2h撹拌した後、LCMSによって、反応が終了したことが示された。混合物を、氷-水に注ぎ、1M HCl(aq)でpH4まで酸性にし、その後EtOAc(3×30mL)中で抽出した。合わせた有機物を、乾燥(MgSO4)し、濃縮した。フラッシュカラムクロマトグラフィー(勾配溶出i-hex[+3%AcOH]からi-hex:EtOAc[+3% AcOH]4:1)による精製によって、標題化合物をオフホワイト色固体として得た。LCMS(ES+)は、標的(M+H)+と整合している。
【0204】
ステップ3:(2S)-2-メチル-1-((R)-2-(3-メチル-4-(5-(トリフルオロメチル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル)ベンズアミド)プロピル)ピロリジン-1-イウムホルメート
3-メチル-4-(5-(トリフルオロメチル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル)安息香酸(490mg、1.80mmol)及び中間体2(386mg、2.70mmol)から方法Aに従う。逆相クロマトグラフィーによる精製によって、標題化合物を橙色ゴム状物として得た(65mg、9%)。LCMS (ES+) 397 (M+H)+, RT 2.85分 (分析方法1). 1H NMR δ (ppm) (400 MHz, DMSO-d6) 8.40 (1H, d, J = 8.3 Hz), 8.17 (1H, s), 8.04 (1H, d, J = 8.2 Hz), 7.92 (1H, s), 7.88 - 7.85 (1H, m), 4.19 - 4.10 (1H, m), 3.16 - 3.10 (1H, m), 2.78 - 2.67 (1H, m), 2.65 (3H, s), 2.42 - 2.33 (1H, m), 2.29 - 2.15 (2H, m), 1.93 - 1.83 (1H, m), 1.72 - 1.62 (2H, m), 1.36 - 1.25 (1H, m), 1.19 (3H, d, J = 6.7 Hz), 1.05 (3H, d, J = 6.0 Hz). NH+は認められず.
【0205】
[実施例2]
N-(2-(3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル)エチル)-4-(5-(トリフルオロメチル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル)ベンズアミド
【0206】
【化13】
ステップ1:N-(2-ヒドロキシエチル)-4-(5-(トリフルオロメチル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル)ベンズアミド
4-(5-(トリフルオロメチル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル)安息香酸(1.5g、5.8mmol)及び2-アミノエタノール(420μL、6.96mmol)から方法Aに従って、標題化合物を白色固体として得た(938mg、54%)。LCMS(ES+)は、標的(M+H)+と整合している。
【0207】
ステップ2:N-(2-オキソエチル)-4-(5-(トリフルオロメチル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル)ベンズアミド
N-(2-ヒドロキシエチル)-4-(5-(トリフルオロメチル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル)ベンズアミド(938mg、3.11mmol)のDCM(50mL)懸濁液に、デス-マーチンペリオジナン(1.98g、4.67mmol)を加えた。反応混合物を、室温で66h撹拌し、次いで、MeOH(15mL)でクエンチした。混合物を、15分間撹拌し、次いで、シリカにおいて濃縮した。カラムクロマトグラフィー(i-hex対EtOAc/i-hex(1:1))による精製によって、標題化合物を得た(450mg、48%)。
【0208】
ステップ3:N-(2-((1R,5S)-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル)エチル)-4-(5-(トリフルオロメチル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル)ベンズアミド
N-(2-オキソエチル)-4-(5-(トリフルオロメチル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル)ベンズアミド(87mg、0.4mmol)のDCM:AcOH(10:1、4mL)撹拌溶液に、3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン(70mg、0.48mmol)及びPS-シアノ水素化ホウ素トリエチルアンモニウム(triethylammonium cyanoborohydride)(200mg、0.8mmol)を加えた。反応物を、4h振盪し、その後減圧下で濾過し濃縮した。分取-HPLCによる精製によって、標題化合物を得た。LCMS (ES+) 395 (M+H)+, RT 2.75分 (分析方法1); 1H NMR δ (ppm) (400 MHz, DMSO-d6) 8.55-8.50 (1H, m,), 8.17 (2H, d, J = 8.5 Hz), 8.04 (2H, d, J = 8.5 Hz), 3.40-3.35 (2H, m), 2.72 - 2.66 (2H, m), 2.46 (2H, dd, J = 6.8, 6.8 Hz), 2.09 - 2.03 (4H, m), 1.60 - 1.51 (2H, m), 1.50 - 1.38 (3H, m), 1.31 (1H, d, J = 10.7 Hz).
【0209】
[実施例3]
(R)-N-(1-(イソインドリン-2-イル)プロパン-2-イル)-4-(5-(トリフルオロメチル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル)ベンズアミド
【0210】
【化14】
ステップ1:(R)-tert-ブチル(1-(イソインドリン-2-イル)-1-オキソプロパン-2-イル)カルバメート
(R)-2-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)プロパン酸(3.78mmol)及びイソインドリン(4.16mmol)から方法Aに従う。カラムクロマトグラフィー(勾配溶出、i-hex中の0〜100%EtOAc)による精製によって、標題化合物を淡黄色ゴム状物として得(1.01g、87%、60%純粋)、これをさらには精製せずに使用した。
【0211】
ステップ2:(R)-tert-ブチル(1-(イソインドリン-2-イル)プロパン-2-イル)カルバメート
(R)-tert-ブチル(1-(イソインドリン-2-イル)-1-オキソプロパン-2-イル)カルバメート(3.78mmol)から方法Bに従う。標題化合物を黄色ゴム状物として得た(0.84g、80%)。
【0212】
ステップ3:(R)-1-(イソインドリン-2-イル)プロパン-2-アミンジヒドロクロリド
(R)-tert-ブチル(1-(イソインドリン-2-イル)プロパン-2-イル)カルバメート(3.04mmol)から方法Cに従う。標題化合物を暗緑色フォームとして得た(655mg、86%)。
【0213】
ステップ4:(R)-N-(1-(イソインドリン-2-イル)プロパン-2-イル)-4-(5-(トリフルオロメチル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル)ベンズアミド
(R)-1-(イソインドリン-2-イル)プロパン-2-アミンジヒドロクロリド(2.53mmol)及び4-(5-(トリフルオロメチル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル)安息香酸(2.78mmol)から方法Aに従う。分取HPLCによる精製によって、標題化合物を微褐色固体として得た(60mg、6%)。LCMS (ES+) 417 (M+H)+, RT 9.72分 (分析方法3); 1H NMR δ (ppm) (400 MHz, DMSO-d6) 8.50 (1H, d, J = 8.2 Hz), 8.17 (2H, d, J = 8.5 Hz), 8.08 (2H, d, J = 8.5 Hz), 7.25 - 7.16 (4H, m), 4.33 - 4.24 (1H, m), 3.98 - 3.88 (4H, m), 2.89 (1H, dd, J = 7.8, 11.9 Hz), 2.73 (1H, dd, J = 6.4, 11.9 Hz), 1.23 (3H, d, J = 6.7 Hz).
【0214】
[実施例4]
N-((2R)-1-(3-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン-3-イル)プロパン-2-イル)-4-(5-(トリフルオロメチル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル)ベンズアミド
【0215】
【化15】
ステップ1:3-ベンジル-3-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン
3-ベンジル-3-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン-2,4-ジオン(1.95g、9.69mmol、CAS番号73799-63-0)を、THF(11mL)に懸濁し、窒素雰囲気下で0℃まで冷却した。LiAlH4(THF中の2M、19.5mL、39.0mmol)を、撹拌しながら数分間にわたって加えた。反応物を加熱還流し、放置して18h撹拌した。次いで、反応物を、水(3mL)、2N NaOH(4mL)、さらに水(8mL)をゆっくり加えながらクエンチした。MgSO4を加え、混合物を30分間撹拌し、その後セライトで濾過し、EtOAcで洗浄した。溶媒を減圧下で除去して、標題化合物を油性黄色固体として生成した(1.38g、82%)。化合物は、さらには精製せずに次のステップに使用した。
【0216】
ステップ2:3-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン塩酸塩
3-ベンジル-3-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン(1.1g、6.35mmol)を、メタノール(40mL)に溶解し、10%Pd/C(300mg、0.282mmol)を加えた。混合物を、室温で18h水素ガス雰囲気下(2バール)で振盪した。次いで、反応混合物をセライトで濾過し、ジオキサン(2.38mL、9.53mmol)中の4N HClで酸性にし、濃縮して、褐色固体の標題化合物を生成し(680mg、90%)、これを、さらには精製せずに次のステップに使用した。
【0217】
ステップ3:tert-ブチル((2R)-1-(3-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン-3-イル)-1-オキソプロパン-2-イル)カルバメート
3-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン塩酸塩(670mg、5.6mmol)をDMF(15mL)に溶解し、HATU(2.55g、6.70mmol)及びBoc-D-アラニン(1.06g、5.60mmol)を加え、混合物を、室温で10分間撹拌した。次いで、DIPEA(2.92mL、16.8mmol)を加え、混合物を室温で18h放置して撹拌し、その後EtOAc(20mL)で希釈し、1M HCl(15mL)、飽和NaHCO3(15mL)及び食塩水(15mL)で洗浄した。有機層を、MgSO4で脱水し、濾過し、ろ液を濃縮して、黄色油状物を生成した。カラムクロマトグラフィー(勾配溶出、i-hex対i-hex中の60%EtOAc)によって精製して、標題化合物を澄明の油状物として生成した(380mg、27%)。
【0218】
ステップ4:tert-ブチル((2R)-1-(3-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン-3-イル)プロパン-2-イル)カルバメート
tert-ブチル((2R)-1-(3-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン-3-イル)-1-オキソプロパン-2-イル)カルバメート(380mg、1.50mmol)から方法Bに従って、標題化合物を黄色油状物として生成した(290mg、80%)。化合物を、さらには精製せずに次のステップに使用した。
【0219】
ステップ5:(2R)-1-(3-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン-3-イル)プロパン-2-アミン
tert-ブチル((2R)-1-(3-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン-3-イル)プロパン-2-イル)カルバメート(290mg、1.20mmol)から方法Cに従う。次いで、反応混合物を、濃縮して、褐色油状物を生成し、これを、SCXカートリッジにより精製し、MeOH/DCM(1:1)、次いで、MeOH中の0.5N NH3で溶出し、標題化合物を黄色油状物として生成し(110mg、65%)、これを、さらには精製せずに次のステップに使用した。
【0220】
ステップ6:N-((2R)-1-(3-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン-3-イル)プロパン-2-イル)-4-(5-(トリフルオロメチル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル)ベンズアミド
(2R)-1-(3-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン-3-イル)プロパン-2-アミン(83mg、0.59mmol)及び4-(5-(トリフルオロメチル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル)安息香酸(153mg、0.59mmol)から方法Aに従う。分取-HPLCによる精製によって、標題化合物をオフホワイト色固体として得た。LCMS (ES+) 381 (M+H)+, RT 2.61分 (分析方法1); 1H NMR δ (ppm) (400 MHz, CDCl3) 8.19 (2H, td, J = 1.8, 8.4 Hz), 7.92 (2H, td, J = 1.8, 8.5 Hz), 6.97 (1H, br s), 4.08 (1H, br s), 3.10 (1H, d, J = 8.8 Hz), 3.03 (1H, d, J = 8.8 Hz), 2.74 (1H, t, J = 10.3 Hz), 2.58 (1H, d, J = 8.4 Hz), 2.52 (1H, dd, J = 5.2, 12.3 Hz), 2.41 (1H, d, J = 8.1 Hz), 1.42 - 1.39 (2H, m), 1.31 (3H, d, J = 6.4 Hz), 0.65 (1H, dd, J = 3.9, 8.0 Hz), 0.40 (1H, dt, J = 4.3, 7.7 Hz).
【0221】
[実施例5]
(S)-N-(1-シクロプロピル-2-(ピロリジン-1-イル)エチル)-4-(5-(トリフルオロメチル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル)ベンズアミド
【0222】
【化16】
ステップ1:(S)-tert-ブチル(1-シクロプロピル-2-オキソ-2-(ピロリジン-1-イル)エチル)カルバメート
(S)-2-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-2-シクロプロピル酢酸(1.0g、4.65mmol)及びピロリジン(0.58mL、6.98mmol)から方法Aに従って、標題化合物を無色油状物として得、これを、さらには精製せずに次のステップに進行させた。
【0223】
ステップ2:(S)-tert-ブチル(1-シクロプロピル-2-(ピロリジン-1-イル)エチル)カルバメート
(S)-tert-ブチル(1-シクロプロピル-2-オキソ-2-(ピロリジン-1-イル)エチル)カルバメート(1.53g、5.7mmol)から方法Bに従って、標題化合物を得、これをさらには精製せずに使用した。
【0224】
ステップ3:(S)-1-シクロプロピル-2-(ピロリジン-1-イル)エタンアミン
(S)-tert-ブチル(1-シクロプロピル-2-(ピロリジン-1-イル)エチル)カルバメート(920mg、3.62mmol)から方法Cに従う。遊離アミンを、DCM/MeOH(1:1、5mL)中で水性後処理の後に得られた残留物に溶解し、SCXカートリッジ(DCM:MeOH:MeOH中の7M NH3(1:1:0.05)で溶出)に通すことにより、単離した。標題化合物を橙色油状物として得た(390mg、70%)。
【0225】
ステップ4:(S)-N-(1-シクロプロピル-2-(ピロリジン-1-イル)エチル)-4-(5-(トリフルオロメチル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル)ベンズアミド
(S)-1-シクロプロピル-2-(ピロリジン-1-イル)エタンアミン(134mg、0.87mmol)及び4-(5-(トリフルオロメチル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル)安息香酸(150mg、0.58mmol)から方法Aに従う。LCMS (ES+) 395 (M+H)+, RT 2.67分 (分析方法1). 1H NMR δ (ppm) (400 MHz, DMSO-d6) 8.42 (1H, d, J = 8.7 Hz), 8.15 (2H, d, J = 8.4 Hz), 8.05 (2H, d, J = 8.5 Hz), 3.71 - 3.63 (1H, m), 2.80 (1H, dd, J = 9.1, 12.1 Hz), 2.52 - 2.49 (3H, m), 2.48-2.40 (2H,m), 1.62 (4H, s), 1.02 - 0.93 (1H, m), 0.50 - 0.43 (1H, m), 0.36 - 0.29 (2H, m), 0.24 - 0.17 (1H, m).
【0226】
[実施例6]
(R)-N-(1-シクロプロピル-2-(ピロリジン-1-イル)エチル)-4-(5-(トリフルオロメチル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル)ベンズアミド
【0227】
【化17】
ステップ1:(R)-tert-ブチル(1-シクロプロピル-2-オキソ-2-(ピロリジン-1-イル)エチル)カルバメート
(R)-2-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-2-シクロプロピル酢酸(1.64g、7.62mmol)及びピロリジン(0.95mL、11.4mmol)から方法Aに従って、標題化合物を無色油状物として得、これを、さらには精製せずに次のステップに進行させた。
【0228】
ステップ2:(R)-tert-ブチル(1-シクロプロピル-2-(ピロリジン-1-イル)エチル)カルバメート
(R)-tert-ブチル(1-シクロプロピル-2-オキソ-2-(ピロリジン-1-イル)エチル)カルバメート(1.02g、3.81mmol)から方法Bに従って、標題化合物を得、これをさらには精製せずに使用した。
【0229】
ステップ3:(R)-1-シクロプロピル-2-(ピロリジン-1-イル)エタンアミン
(R)-tert-ブチル(1-シクロプロピル-2-(ピロリジン-1-イル)エチル)カルバメート(860mg、3.39mmol)から方法Cに従う。DCM/MeOH(1:1、5mL)中で水性後処理の後に得られた残留物に溶解し、SCXカートリッジ(DCM:MeOH:MeOH中の7M NH3(1:1:0.05)で溶出)に通すことにより、遊離アミンを単離した。標題化合物を橙色油状物として得た(190mg、36%)。
【0230】
ステップ4:(R)-N-(1-シクロプロピル-2-(ピロリジン-1-イル)エチル)-4-(5-(トリフルオロメチル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル)ベンズアミド
(R)-1-シクロプロピル-2-(ピロリジン-1-イル)エタンアミン(190mg、1.23mmol)及び4-(5-(トリフルオロメチル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル)安息香酸(212mg、0.82mmol)から方法Aに従う。LCMS (ES+) 395 (M+H)+, RT 2.69分 (分析方法1). 1H NMR δ (ppm) (400 MHz, DMSO-d6) 8.42 (1H, d, J = 8.7 Hz), 8.15 (2H, d, J = 8.4 Hz), 8.05 (2H, d, J = 8.5 Hz), 3.71 - 3.63 (1H, m), 2.80 (1H, dd, J = 9.1, 12.1 Hz), 2.52 - 2.49 (3H, m), 2.48-2.40 (2H, m), 1.62 (4H, s), 1.02 - 0.93 (1H, m), 0.50 - 0.43 (1H, m), 0.36 - 0.29 (2H, m), 0.24 - 0.17 (1H, m).
【0231】
[実施例7]
(R)-N-(1-(3,4-ジヒドロイソキノリン-2(1H)-イル)プロパン-2-イル)-4-(5-(トリフルオロメチル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル)ベンズアミド
【0232】
【化18】
ステップ1:(R)-tert-ブチル(1-(3,4-ジヒドロイソキノリン-2(1H)-イル)-1-オキソプロパン-2-イル)カルバメート
(R)-2-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)プロパン酸(720mg、3.78mmol)及び1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリン(0.52mL、4.016mmol)から方法Aに従う。カラムクロマトグラフィー(勾配溶出、i-hex中の0〜100%EtOAc)による精製によって、標題化合物を淡黄色ゴム状物として得た(1.01g、87%)。
【0233】
ステップ2:(R)-tert-ブチル(1-(3,4-ジヒドロイソキノリン-2(1H)-イル)プロパン-2-イル)カルバメート
(1-(3,4-ジヒドロイソキノリン-2(1H)-イル)-1-オキソプロパン-2-イル)カルバメート(1.01g、3.31mmol)から方法Bに従って、標題化合物を淡黄色ゴム状物として得た(0.86mg、89%)。
【0234】
ステップ3:(R)-1-(3,4-ジヒドロイソキノリン-2(1H)-イル)プロパン-2-アミンジヒドロクロリド
(R)-tert-ブチル(1-(3,4-ジヒドロイソキノリン-2(1H)-イル)プロパン-2-イル)カルバメート(860mg、2.96mmol)から方法Cに従って、標題化合物を微橙色ガラス状物として得た(788mg、>99%)。これを、さらには精製せずに次のステップに使用した。
【0235】
ステップ4:(R)-N-(1-(3,4-ジヒドロイソキノリン-2(1H)-イル)プロパン-2-イル)-4-(5-(トリフルオロメチル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル)ベンズアミド
4-(5-(トリフルオロメチル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル)安息香酸(636mg、2.46mmol)から方法Aに従い、(R)-1-(3,4-ジヒドロイソキノリン-2(1H)-イル)プロパン-2-アミンジヒドロクロリド(778mg、2.96mmol)及びDIPEA(2.2mL、12.3mmol)を加え、混合物を18h撹拌した。混合物を、水で洗浄し、相分離カートリッジに通し、濃縮して、粗生成物を生成した。この残留物を分取-HPLCによって精製し、次いで、キラルSFCによってさらに精製して、標題化合物を白色固体として得た。LCMS (ES+) 431 (M+H)+, RT 2.80分 (分析方法1); 1H NMR δ (ppm) (400 MHz, DMSO-d6) 8.47 (1H, d, J = 8.2 Hz), 8.16 (2H, d, J = 8.5 Hz), 8.06 (2H, d, J = 8.7 Hz), 7.12 - 7.04 (4H, m), 4.40 - 4.32 (1H, m), 3.63 (2H, s), 2.82 - 2.62 (6H, m), 1.22 (3H, d, J = 6.5 Hz).
【0236】
[実施例8]
(R)-N-(1-(3-フェニルアゼチジン-1-イル)プロパン-2-イル)-4-(5-(トリフルオロメチル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル)ベンズアミド
【0237】
【化19】
ステップ1:(R)-tert-ブチル(1-オキソ-1-(3-フェニルアゼチジン-1-イル)プロパン-2-イル)カルバメート
(R)-2-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)プロパン酸(649mg、3.41mmol)及び3-フェニルアゼチジン(0.5g、3.75mmol)から方法Aに従う。カラムクロマトグラフィー(勾配溶出、0〜100%EtOAc/i-hex)による精製によって、標題化合物を無色ゴム状物として得た(0.87g、83%)。
【0238】
ステップ2:(R)-tert-ブチル(1-(3-フェニルアゼチジン-1-イル)プロパン-2-イル)カルバメート
(R)-tert-ブチル(1-オキソ-1-(3-フェニルアゼチジン-1-イル)プロパン-2-イル)カルバメート(0.87g、2.86mmol)から方法Bに従う。カラムクロマトグラフィー(勾配溶出、0〜100%EtOAc/i-hex)による精製によって、標題化合物を無色油状物として得た(370mg、44%)。
【0239】
ステップ3:(R)-1-(3-フェニルアゼチジン-1-イル)プロパン-2-アミンジヒドロクロリド
(R)-tert-ブチル(1-(3-フェニルアゼチジン-1-イル)プロパン-2-イル)カルバメート(370mg、1.27mmol)から方法Cに従って、標題化合物をオフホワイト色固体として得た(337mg、>99%)。この材料を、さらには精製せずに次のステップに進行させた。
【0240】
ステップ4:(R)-N-(1-(3-フェニルアゼチジン-1-イル)プロパン-2-イル)-4-(5-(トリフルオロメチル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル)ベンズアミド
4-(5-(トリフルオロメチル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル)安息香酸(252mg、0.98mmol)及び(R)-1-(3-フェニルアゼチジン-1-イル)プロパン-2-アミンジヒドロクロリド(348mg、1.07mmol)から方法Aに従う。後処理の後、粗物質を、ジイソプロピルエーテルから3回再結晶化させて、標題化合物を白色固体として得た(71mg、16%)。LCMS (ES+) 431 (M+H)+, RT 2.83分 (分析方法1); 1H NMR δ (ppm) (400 MHz, DMSO-d6) 8.42 (1H, d, J = 8.0 Hz), 8.17 (2H, d, J = 8.4 Hz), 8.07 (2H, d, J = 8.5 Hz), 7.35 - 7.28 (4H, m), 7.23 - 7.18 (1H, m), 4.11 - 4.00 (1H, m), 3.75 - 3.57 (3H, m), 3.20 - 3.07 (2H, m), 2.68 - 2.57 (1H, m), 1.18 (3H, d, J = 6.8 Hz). 1つのプロトンはDMSOピークで隠されていた.
【0241】
[実施例9及び実施例10]
D1:N-((R)-1-((abs)-3-(ジフルオロメトキシ)ピペリジン-1-イル)プロパン-2-イル)-4-(5-(トリフルオロメチル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル)ベンズアミド;及びD2:N-((R)-1-((abs)-3-(ジフルオロメトキシ)ピペリジン-1-イル)プロパン-2-イル)-4-(5-(トリフルオロメチル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル)ベンズアミド
【0242】
【化20】
ステップ1:tert-ブチル((2R)-1-(3-(ジフルオロメトキシ)ピペリジン-1-イル)-1-オキソプロパン-2-イル)カルバメート
(R)-2-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)プロパン酸(284mg、1.50mmol)及び(±)-3-(ジフルオロメトキシ)ピペリジン(250mg、1.65mmol)から方法Aに従う。標題化合物を黄色ゴム状物として得(424mg、87%)、さらには精製せずに次のステップに使用した。
【0243】
ステップ2:tert-ブチル((2R)-1-(3-(ジフルオロメトキシ)ピペリジン-1-イル)プロパン-2-イル)カルバメート
tert-ブチル((2R)-1-(3-(ジフルオロメトキシ)ピペリジン-1-イル)-1-オキソプロパン-2-イル)カルバメート(420mg、1.30mmol)から方法Bに従う。標題化合物を淡黄色ゴム状物として得た(234mg、58%)。
【0244】
ステップ3:(2R)-1-(3-(ジフルオロメトキシ)ピペリジン-1-イル)プロパン-2-アミンジヒドロクロリド
tert-ブチル((2R)-1-(3-(ジフルオロメトキシ)ピペリジン-1-イル)プロパン-2-イル)カルバメート(234mg、0.76mmol)から方法Cに従う。標題化合物を、淡黄色フォームとして得た(210mg、98%)。
【0245】
ステップ4:D1:N-((R)-1-((abs)-3-(ジフルオロメトキシ)ピペリジン-1-イル)プロパン-2-イル)-4-(5-(トリフルオロメチル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル)ベンズアミド;及びD2:N-((R)-1-((abs)-3-(ジフルオロメトキシ)ピペリジン-1-イル)プロパン-2-イル)-4-(5-(トリフルオロメチル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル)ベンズアミド。
4-(5-(トリフルオロメチル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル)安息香酸(178mg、0.69mmol)及び(2R)-1-(3-(ジフルオロメトキシ)ピペリジン-1-イル)プロパン-2-アミンジヒドロクロリド(210mg、0.76mmol)から方法Aに従う。粗物質を、分取HPLC及びキラル分取SFC(LUX Cellulose-4、5/95 IPA/CO2、5.0ml/分、120バール、40℃により精製して、標題化合物を白色固体として得た。D1:N-((R)-1-((abs)-3-(ジフルオロメトキシ)ピペリジン-1-イル)プロパン-2-イル)-4-(5-(トリフルオロメチル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル)ベンズアミド(50mg、16%):LCMS (ES+) 449 (M+H)+, RT 2.74分 (分析方法1); SFC RT 4.48分; 1H NMR δ (ppm) (400 MHz, DMSO-d6) 8.40 (1H, d, J = 8.3 Hz), 8.17 (2H, d, J = 8.5 Hz), 8.05 (2H, d, J = 8.5 Hz), 6.72 (1H, t, J = 76.3 Hz), 4.27 - 4.16 (1H, m), 4.10 - 4.01 (1H, m), 2.91 (1H, dd, J = 3.0, 10.4 Hz), 2.68 - 2.60 (1H, m), 2.35 (1H, dd, J = 7.0, 12.4 Hz), 2.19 - 2.05 (2H, m), 1.91 - 1.82 (1H, m), 1.71 - 1.63 (1H, m), 1.47 - 1.27 (2H, m), 1.16 (3H, d, J = 6.5 Hz). 1つのプロトンはDMSOピークで隠されていた. D2: N-((R)-1-((abs)-3-(ジフルオロメトキシ)ピペリジン-1-イル)プロパン-2-イル)-4-(5-(トリフルオロメチル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル)ベンズアミド (53g, 17%): LCMS (ES+)449 (M+H)+, RT 2.72分 (分析方法1); SFC RT 7.49分; 1H NMR δ (ppm) (400 MHz, DMSO-d6) 8.40 (1H, d, J = 8.2 Hz), 8.17 (2H, d, J = 8.5 Hz), 8.05 (2H, d, J = 8.5 Hz), 6.73 (1H, t, J = 76.4 Hz), 4.27 - 4.16 (1H, m), 4.11 - 4.02 (1H, m), 2.92 (1H, dd, J = 3.3, 10.6 Hz), 2.72 - 2.67 (1H, m), 2.35 (1H, dd, J = 6.7, 12.5 Hz), 2.15 - 2.02 (2H, m), 1.92 - 1.83 (1H, m), 1.70 - 1.62 (1H, m), 1.46 - 1.25 (2H, m), 1.16 (3H, d, J = 6.7 Hz). 1つのプロトンはDMSOピークで隠されていた.
【0246】
[実施例11]
(R)-N-(1-(5-アザスピロ[2.5]オクタン-5-イル)プロパン-2-イル)-4-(5-(トリフルオロメチル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル)ベンズアミド
【0247】
【化21】
ステップ1:(R)-tert-ブチル(1-オキソ-1-(5-アザスピロ[2.5]オクタン-5-イル)プロパン-2-イル)カルバメート
(R)-2-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)プロパン酸(648mg、3.43mmol)のDMF(10mL)撹拌溶液に、HBTU(1.43g、3.73mmol)、5-アザスピロ[2.5]オクタン塩酸塩(500mg、3.43mmol)及びDIPEA(3.16mL、17.1mmol)を加えた。混合物を、室温で終夜撹拌した。混合物を、水で洗浄し、相分離カートリッジに通し、濃縮して、標題化合物を得(1.01g)、これを、さらには精製せずに次のステップに使用した。
【0248】
ステップ2:(R)-tert-ブチル(1-(5-アザスピロ[2.5]オクタン-5-イル)プロパン-2-イル)カルバメート
(R)-tert-ブチル(1-オキソ-1-(5-アザスピロ[2.5]オクタン-5-イル)プロパン-2-イル)カルバメート(1.01g、3.58mmol)から方法Bに従うことによって、標題化合物を得、これを、さらには精製せずに次のステップに使用した。
【0249】
ステップ3:(R)-1-(5-アザスピロ[2.5]オクタン-5-イル)プロパン-2-アミンジヒドロクロリド
(R)-tert-ブチル(1-(5-アザスピロ[2.5]オクタン-5-イル)プロパン-2-イル)カルバメート(866mg、2.29mmol)から方法Cに従うことよって、標題化合物を得、これを、さらには精製せずに次のステップに使用した。
【0250】
ステップ4:(R)-N-(1-(5-アザスピロ[2.5]オクタン-5-イル)プロパン-2-イル)-4-(5-(トリフルオロメチル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル)ベンズアミド
4-(5-(トリフルオロメチル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル)安息香酸(590mg、2.29mmol)及び(R)-1-(5-アザスピロ[2.5]オクタン-5-イル)プロパン-2-アミンジヒドロクロリド(770mg、2.29mmol)からステップ1と同じ方法を使用。標題化合物を白色固体として得た。LCMS (ES+) 409 (M+H)+, RT 3.58分 (分析方法2); 1H NMR δ (ppm) (400 MHz, DMSO-d6) 8.38 (1H, d, J = 8.2 Hz), 8.19 (2H, d, J = 8.5 Hz), 8.07 (2H, d, J = 8.5 Hz), 4.24 - 4.16 (1H, m), 2.49 - 2.41 (2H, m), 2.29 (1H, dd, J = 7.2, 12.2 Hz), 2.18 (2H, dd, J = 11.8, 17.5 Hz), 1.63 - 1.57 (2H, m), 1.32 - 1.22 (3H, m), 1.17 (3H, d, J = 6.5 Hz), 0.31 - 0.22 (4H, m).
【0251】
[実施例12]
(R)-N-(1-(6-アザスピロ[2.5]オクタン-6-イル)プロパン-2-イル)-4-(5-(トリフルオロメチル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル)ベンズアミド
【0252】
【化22】
ステップ1:(R)-tert-ブチル(1-オキソ-1-(6-アザスピロ[2.5]オクタン-6-イル)プロパン-2-イル)カルバメート
フラスコに、(R)-2-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)プロパン酸(250mg、1.32mmol)、6-アザスピロ[2.5]オクタン(150mg、1.32mmol)、HATU(602mg、1.60mmol)及び無水DMF(5mL)を充てんした。反応混合物を、淡黄色の溶液が形成されるまで撹拌し、次いで、DIPEA(350μL、2.0mmol)を加え、混合物を終夜撹拌した。反応混合物を、EtOAc(25mL)で希釈し、1M HCl(15mL)、飽和NaHCO3(15mL)、次いで、食塩水(15mL)で洗浄した。有機物を、(MgSO4)で乾燥し、濾過し、濃縮した。カラムクロマトグラフィー(勾配溶出、i-hex中の0〜66%EtOAc)による精製によって、標題化合物を無色油状物として得(339mg、91%)、これを放置するとき凝固する。
【0253】
ステップ2:(R)-tert-ブチル(1-(6-アザスピロ[2.5]オクタン-6-イル)プロパン-2-イル)カルバメート
(R)-tert-ブチル(1-オキソ-1-(6-アザスピロ[2.5]オクタン-6-イル)プロパン-2-イル)カルバメート(320mg、1.13mmol)から方法B(Et2Oの代わりにTHFを使用)に従って、標題化合物を淡黄色油状物として得た(260mg、86%)。
【0254】
ステップ3:(R)-1-(6-アザスピロ[2.5]オクタン-6-イル)プロパン-2-アミン
(R)-tert-ブチル(1-(6-アザスピロ[2.5]オクタン-6-イル)プロパン-2-イル)カルバメート(220mg、0.82mmol)の無水DCM(10mL)溶液に、TFA(1.5mL)を加えた。反応混合物を室温で48h撹拌した。混合物を減圧下で濃縮し、SCXカートリッジ(MeOH:MeOH中の7M NH3(4:1)で溶出)に通した。塩基性画分を、濃縮して、標題化合物を褐色油状物として得た(120mg、85%)。
【0255】
ステップ4:(R)-N-(1-(6-アザスピロ[2.5]オクタン-6-イル)プロパン-2-イル)-4-(5-(トリフルオロメチル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル)ベンズアミド
4-(5-(トリフルオロメチル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル)安息香酸(124mg、0.48mmol)及び(R)-1-(6-アザスピロ[2.5]オクタン-6-イル)プロパン-2-アミン(80mg、0.48mmol)からステップ1の場合と同じ方法に従う。分取HPLCによる精製によって、標題化合物を無色固体として得た。LCMS (ES+) 409 (M+H)+, RT 2.77分 (分析方法1); 1H NMR δ (ppm) (400 MHz, DMSO-d6) 8.16 (1 H, d, J = 8.1 Hz), 7.96-7.90 (2 H, m), 7.82 (2 H, d, J = 8.3 Hz), 4.00 (1 H, t, J = 7.2 Hz), 3.10 (4 H, br s), 2.2.30-2.20 (5 H, s), 2.14-2.08 (1 H, m), 1.08 (4 H, s), 0.93 (3 H, t, J = 6.6 Hz).
【0256】
[実施例13]
(R)-N-(1-(アゼパン-1-イル)プロパン-2-イル)-4-(5-(トリフルオロメチル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル)ベンズアミド
【0257】
【化23】
ステップ1:(R)-tert-ブチル(1-(アゼパン-1-イル)プロパン-2-イル)カルバメート
中間体1(1.0g、3.95mmol)及びアゼパン(890μL、7.91mmol)から方法Dに従って、標題化合物を黄色油状物として得た(489mg、48%)。
【0258】
ステップ2:(R)-1-(アゼパン-1-イル)プロパン-2-アミン
(R)-tert-ブチル(1-(アゼパン-1-イル)プロパン-2-イル)カルバメート(489mg、1.91mmol)の無水DCM(40mL)溶液に、TFA(0.8mL)を得た。反応混合物を、室温で2h撹拌した。混合物を減圧下で濃縮し、SCXカートリッジ(MeOH:MeOH中の7M NH3(4:1)で溶出)に通した。塩基性画分を、濃縮して、標題化合物を黄色油状物として得た(310mg、>99%)。
【0259】
ステップ3:(R)-N-(1-(アゼパン-1-イル)プロパン-2-イル)-4-(5-(トリフルオロメチル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル)ベンズアミド
4-(5-(トリフルオロメチル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル)安息香酸(427mg、1.65mmol)及び(R)-1-(アゼパン-1-イル)プロパン-2-アミン(310mg、1.91mmol)による方法Aに従う。分取-HPLC及びSFCによる精製によって、標題化合物を白色固体として得た(45mg)。LCMS (ES+) 397 (M+H)+, RT 2.70分 (分析方法1); 1H NMR δ (ppm) (400 MHz, DMSO-d6) 8.35 (1H, d, J = 8.2 Hz), 8.17 (2H, d, J = 8.7 Hz), 8.05 (2H, d, J = 8.5 Hz), 4.17 - 4.09 (1H, m), 2.68 - 2.59 (5H, m), 2.45 (1H, dd, J = 7.0, 12.4 Hz), 1.58 - 1.51 (8H, m), 1.16 (3H, d, J = 6.7 Hz).
【0260】
[実施例14]
(R)-N-(1-(1-アザスピロ[3.3]ヘプタン-1-イル)プロパン-2-イル)-4-(5-(トリフルオロメチル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル)ベンズアミド
【0261】
【化24】
ステップ1:(R)-tert-ブチル(1-(1-アザスピロ[3.3]ヘプタン-1-イル)プロパン-2-イル)カルバメート
中間体1(326mg、1.29mmol)及び1-アザスピロ[3.3]ヘプタン(250mg、2.53mmol)から方法Dに従って、標題化合物(250mg)を得、これを、さらには精製せずに次のステップに使用した。
【0262】
ステップ2:1-((R)-2-アミノプロピル)-1-アザスピロ[3.3]ヘプタン-1-イウム2,2,2-トリフルオロアセテート
(R)-tert-ブチル(1-(1-アザスピロ[3.3]ヘプタン-1-イル)プロパン-2-イル)カルバメート(0.25mg、1.00mmol)の無水DCM(2mL)溶液に、TFA(1mL)を加えた。反応混合物を、室温で3h撹拌した。混合物を減圧下で濃縮して、標題化合物(268mg)を得、これを、さらには精製せずに次のステップに使用した。
【0263】
ステップ3:(R)-N-(1-(1-アザスピロ[3.3]ヘプタン-1-イル)プロパン-2-イル)-4-(5-(トリフルオロメチル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル)ベンズアミド
フラスコに、(R)-2-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)プロパン酸(260mg、1.00mmol)、1-((R)-2-アミノプロピル)-1-アザスピロ[3.3]ヘプタン-1-イウム2,2,2-トリフルオロ酢酸塩(268mg、1.00mmol)、HATU(690mg、1.5mmol)、DMAP(30mg)及び無水DMF(5mL)に充てんした。反応混合物を、淡黄色の溶液が形成されるまで撹拌し、次いで、DIPEA(1.5mL、72.0mmol)を加え、混合物を終夜撹拌した。反応混合物を、DCMで希釈し、水で洗浄し、相分離器に通し、濾過し、濃縮した。分取-HPLC及びSFCによる精製によって、標題化合物を白色固体として得た(12mg)。LCMS (ES+) 395 (M+H)+, RT 2.65分 (分析方法1); 1H NMR δ (ppm) (400 MHz, DMSO-d6) 8.42 (1H, d, J = 8.1 Hz), 8.21 (2H, d, J = 8.6 Hz), 8.11 (2H, d, J = 8.6 Hz), 4.11 - 4.02 (1H, m), 3.15 - 3.08 (2H, m), 2.63 (1H, dd, J = 6.4, 11.7 Hz), 2.49 (1H, dd, J = 7.1, 11.9 Hz), 2.27 - 2.09 (4H, m), 1.90 (2H, m), 1.64 - 1.56 (2H, m), 1.21 (3H, d, J = 6.8 Hz).
【0264】
[実施例15]
(R)-N-(1-(5-アザスピロ[2.4]ヘプタン-5-イル)プロパン-2-イル)-4-(5-(トリフルオロメチル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル)ベンズアミド
【0265】
【化25】
ステップ1:(R)-tert-ブチル(1-(5-アザスピロ[2.4]ヘプタン-5-イル)プロパン-2-イル)カルバメート
中間体1(237mg、0.90mmol)及び5-アザスピロ[2.4]ヘプタン-5-イウムクロリド(250mg、1.80mmol)から方法Dに従って、標題化合物(100mg)を得、これを、さらには精製せずに次のステップに使用した。
【0266】
ステップ2:5-((R)-2-アミノプロピル)-5-アザスピロ[2.4]ヘプタン-5-イウム2,2,2-トリフルオロアセテート
(R)-tert-ブチル(1-(1-アザスピロ[3.3]ヘプタン-1-イル)プロパン-2-イル)カルバメート(0.25mg、1.00mmol)の無水DCM(2mL)の溶液に、TFA(1mL)を加えた。反応混合物を、室温で3h撹拌した。混合物を減圧下で濃縮して、標題化合物(268mg)を得、これを、さらには精製せずに次のステップに使用した。
【0267】
ステップ3:(R)-N-(1-(1-アザスピロ[3.3]ヘプタン-1-イル)プロパン-2-イル)-4-(5-(トリフルオロメチル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル)ベンズアミド
フラスコに、(R)-2-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)プロパン酸(260mg、1.00mmol)、(R)-1-(1-アザスピロ[3.3]ヘプタン-1-イル)プロパン-2-アミン(268mg、1.00mmol)、HATU(690mg、1.5mmol)、DMAP(30mg)及び無水DMF(5mL)を充てんした。反応混合物を、淡黄色の溶液が形成されるまで撹拌し、次いで、DIPEA(1.5mL、72.0mmol)を加え、混合物を終夜撹拌した。反応混合物を、DCMで希釈し、水で洗浄し、相分離器に通し、濾過し、濃縮した。分取-HPLC及びSFCによる精製によって、標題化合物を白色固体として得た(12mg)。LCMS (ES+) 395 (M+H)+, RT 2.65分 (分析方法1); 1H NMR δ (ppm) (400 MHz, DMSO-d6) 8.48 (1H, d, J = 8.1 Hz), 8.22 (2H, d, J = 8.6 Hz), 8.12 (2H, d, J = 8.3 Hz), 4.24 - 4.16 (1H, m), 2.73 (2H, dd, J = 6.9, 6.9 Hz), 2.62 (2H, dd, J = 7.3, 11.6 Hz), 2.52 - 2.48 (2H, m), 1.79 - 1.74 (2H, m), 1.23 (3H, d, J = 6.6 Hz), 0.54 (4H, dd, J = 7.6, 18.9 Hz).
【0268】
[実施例16]
N-((2R)-1-(3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル)プロパン-2-イル)-4-(5-(トリフルオロメチル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル)ベンズアミド
【0269】
【化26】
ステップ1:tert-ブチル((R)-1-((1R,5S)-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル)プロパン-2-イル)カルバメート
中間体1(736mg、2.90mmol)及び(1R,5S)-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン(730mg、4.94mmol)から方法Dに従って、標題化合物(186mg、21%)を得、これを、さらには精製せずに次のステップに使用した。
【0270】
ステップ2:(R)-1-((1R,5S)-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル)プロパン-2-アミン
tert-ブチル((R)-1-((1R,5S)-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル)プロパン-2-イル)カルバメート(186mg、0.62mmol)の無水DCM(2.5mL)溶液に、TFA(0.5mL)を加えた。反応混合物を、室温で3h撹拌した。混合物を減圧下で濃縮し、SCXカートリッジ(MeOH:MeOH中の7M NH3(4:1)で溶出)に通した。塩基性画分を濃縮して、標題化合物(80mg)を得、これを、さらには精製せずに次のステップに使用した。
【0271】
ステップ3:N-((R)-1-((1R,5S)-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル)プロパン-2-イル)-4-(5-(トリフルオロメチル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル)ベンズアミド
4-(5-(トリフルオロメチル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル)安息香酸(122mg、0.47mmol)及び(R)-1-(3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル)プロパン-2-アミン(80mg、0.47mmol)から方法Aに従う。分取-HPLC及びSFCによる精製によって、標題化合物を白色固体として得た(33mg)。LCMS (ES+) 409 (M+H)+, RT 2.81分 (分析方法1); 1H NMR δ (ppm) (400 MHz, DMSO-d6) 8.31 (1H, d, J = 8.3 Hz), 8.17 (2H, d, J = 8.7 Hz), 8.05 (2H, d, J = 8.5 Hz), 4.24 - 4.16 (1H, m), 2.73 - 2.61 (2H, m), 2.41 (1H, dd, J = 8.3, 12.2 Hz), 2.26 (1H, dd, J = 6.7, 12.2 Hz), 2.11 - 1.99 (4H, m), 1.55 - 1.36 (5H, m), 1.29 (1H, d, J = 10.4 Hz), 1.15 (3H, d, J = 6.5 Hz).
【0272】
[実施例17]
2-((R)-2-(4-(5-(トリフルオロメチル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル)ベンズアミド)プロピル)オクタヒドロシクロペンタ[c]ピロール-2-イウムホルメート
【0273】
【化27】
ステップ1:tert-ブチル((2R)-1-(ヘキサヒドロシクロペンタ[c]ピロール-2(1H)-イル)-1-オキソプロパン-2-イル)カルバメート
(R)-2-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)プロパン酸(0.77g、4.09mmol)及びオクタヒドロシクロペンタ[c]ピロール(0.50g、4.5mmol)から方法Aに従って、標題化合物を黄色ゴム状物として得た(1.08g、93%)。化合物は、不純であったが、さらには精製せずに次のステップに使用した。
【0274】
ステップ2:tert-ブチル((2R)-1-(ヘキサヒドロシクロペンタ[c]ピロール-2(1H)-イル)-1-オキソプロパン-2-イル)カルバメート
tert-ブチル((2R)-1-(ヘキサヒドロシクロペンタ[c]ピロール-2(1H)-イル)-1-オキソプロパン-2-イル)カルバメート(1.08g、3.82mmol)から方法Bに従って、標題化合物を淡黄色ゴム状物として得た(0.61g、59%)。化合物は、不純であったが、さらには精製せずに次のステップに使用した。
【0275】
ステップ3:(2R)-1-(ヘキサヒドロシクロペンタ[c]ピロール-2(1H)-イル)プロパン-2-アミン塩酸塩
tert-ブチル((2R)-1-(ヘキサヒドロシクロペンタ[c]ピロール-2(1H)-イル)-1-オキソプロパン-2-イル)カルバメート(0.61g、2.27mmol)から方法Cに従って、標題化合物を淡黄色フォームとして得た(274mg、>100%)。これを、さらには精製せずに次のステップに使用した。
【0276】
ステップ4:2-((R)-2-(4-(5-(トリフルオロメチル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル)ベンズアミド)プロピル)オクタヒドロシクロペンタ[c]ピロール-2-イウムホルメート
4-(5-(トリフルオロメチル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル)安息香酸(0.48g、1.89mmol)から方法Aに従う。DCM中の0〜20%メタノールの勾配溶出を使用したカラムクロマトグラフィーによる精製によって、微橙色固体を得た(700mg)。これを、分取HPLCによってさらに精製して、標題化合物を微橙色ガラス状物として得た(142mg)。LCMS (ES+) 409 (M+H)+, RT 2.74分 (分析方法1); 1H NMR δ (ppm) (400 MHz, DMSO-d6) 8.40 (1H, d, J = 8.2 Hz), 8.19 - 8.15 (3H, m), 8.05 (2H, d, J = 8.5 Hz), 4.23 - 4.11 (1H, m), 2.60 (2H, q, J = 7.5 Hz), 2.49 - 2.43 (3H, m), 2.43 - 2.38 (1H, m), 2.25 (2H, ddd, J = 3.9, 8.4, 12.0 Hz), 1.59 - 1.52 (3H, m), 1.41 - 1.29 (3H, m), 1.17 (3H, d, J = 6.7 Hz).
【0277】
[実施例18]
(R)-N-(1-(3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-2(1H)-イル)プロパン-2-イル)-4-(5-(トリフルオロメチル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル)ベンズアミド
【0278】
【化28】
ステップ1:(R)-tert-ブチル(1-(3,4-ジヒドロ-2,6-ナフチリジン-2(1H)-イル)-1-オキソプロパン-2-イル)カルバメート
(R)-2-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)プロパン酸(1.28g、6.78mmol)及び1,2,3,4-テトラヒドロ-2,6-ナフチリジン(1.0g、7.45mmol)から方法Aに従う。標題化合物を淡黄色ゴム状物として得た(2.43g、>100%)。これによって、未精製物を次のステップに使用した。
【0279】
ステップ2:(R)-tert-ブチル(1-(3,4-ジヒドロ-2,6-ナフチリジン-2(1H)-イル)プロパン-2-イル)カルバメート
(R)-tert-ブチル(1-(3,4-ジヒドロ-2,6-ナフチリジン-2(1H)-イル)-1-オキソプロパン-2-イル)カルバメート(2.43g、7.96mmol)から方法Bに従う。混合物を、SCXカートリッジ(MeOH:MeOH中の7M NH3(9:1)で溶出)で通すことにより、精製した。これを、標題化合物を淡黄色ゴム状物として得た(810mg、34%)。生成物は、さらには精製せずに次のステップに使用した。
【0280】
ステップ3:(R)-1-(3,4-ジヒドロ-2,6-ナフチリジン-2(1H)-イル)プロパン-2-アミントリヒドロクロリド
(R)-tert-ブチル(1-(3,4-ジヒドロ-2,6-ナフチリジン-2(1H)-イル)プロパン-2-イル)カルバメート(810mg、2.78mmol)から方法Cに従って、標題化合物を微橙色ガラス状物として得た(0.98mg、>100%)。これを、さらには精製せずに次のステップに使用した。
【0281】
ステップ4:(R)-N-(1-(3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-2(1H)-イル)プロパン-2-イル)-4-(5-(トリフルオロメチル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル)ベンズアミド
4-(5-(トリフルオロメチル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル)安息香酸(650mg、2.5mmol)から方法Aに従い、(R)-1-(3,4-ジヒドロ-2,6-ナフチリジン-2(1H)-イル)プロパン-2-アミントリヒドロクロリド(980mg、2.78mmol)及びDIPEA(2.2mL、12.5mmol)を加え、混合物を18h撹拌した。混合物を、水で洗浄し、相分離カートリッジに通し、濃縮して、粗生成物を生成した。分取-HPLCによる精製によって、標題化合物をオフホワイト色固体として得た(162mg)。LCMS (ES+) 432 (M+H)+, RT 2.41分 (分析方法1); 1H NMR δ (ppm) (400 MHz, DMSO-d6) 8.48 (1H, d, J = 8.2 Hz), 8.29 (1H, s), 8.26 (1H, d, J = 5.0 Hz), 8.16 (3H, d, J = 7.8 Hz), 8.06 (2H, d, J = 8.5 Hz), 7.11 (1H, d, J = 5.1 Hz), 4.42 - 4.30 (1H, m), 3.66 (2H, s), 2.81 - 2.64 (6H, m), 1.22 (3H, d, J = 6.5 Hz).
【0282】
[実施例19]
N-((2R)-1-(3-アザビシクロ[3.2.0]ヘプタン-3-イル)プロパン-2-イル)-4-(5-(トリフルオロメチル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル)ベンズアミド
【0283】
【化29】
ステップ1:3-(4-メトキシベンジル)-3-アザビシクロ[3.2.0]ヘプタン-2,4-ジオン
4-メトキシベンジルアミン(1.04mL、7.93mmol)を、0℃で、3-オキサビシクロ[3.2.0]ヘプタン-2,4-ジオン(1.0g、7.93mmol)のTHF(3mL)溶液に滴加した。半固形の混合物を、90℃まで加温して、THFを除去し、混合物としてゆっくりと融解した固体を、2h180℃まで加温した。溶液を60℃まで冷却し、氷冷したDIPE中に注いで、標題化合物を白色固体として生成し(1.77g、91%)、これを濾過により収集した。
【0284】
ステップ2:3-(4-メトキシベンジル)-3-アザビシクロ[3.2.0]ヘプタン
3-(4-メトキシベンジル)-3-アザビシクロ[3.2.0]ヘプタン-2,4-ジオン(1.0g、4.1mmol)から方法Bに従う。反応物を2h還流し、その後ワークアップした。これによって、標題化合物を淡黄色ゴム状物として得た(1.0g)。生成物は、さらには精製せずに次のステップに使用した。
【0285】
ステップ3:3-アザビシクロ[3.2.0]ヘプタン塩酸塩
3-(4-メトキシベンジル)-3-アザビシクロ[3.2.0]ヘプタン(870mg、4.0mmol)を、MeOH(100mL)に溶解し、10% Pd/C(870mg)を加えた。混合物を、水素ガス雰囲気下で(2バール)室温で18h振盪した。次いで、反応混合物を、セライトで濾過し、ジオキサン(5mL)中で4N HClで酸性にし、濃縮して、標題化合物をオフホワイト色ガラス状物(590mg)として生成し、これを、さらには精製せずに次のステップに使用した。
【0286】
ステップ4:tert-ブチル((2R)-1-(3-アザビシクロ[3.2.0]ヘプタン-3-イル)-1-オキソプロパン-2-イル)カルバメート
(R)-2-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)プロパン酸(630mg、3.33mmol)及び3-アザビシクロ[3.2.0]ヘプタン塩酸塩(590mg、4.0mmol)から方法Aに従う。標題化合物を淡黄色ゴム状物として得た(490mg、55%)。これによって、未精製物を次のステップに使用した。
【0287】
ステップ5:tert-ブチル((2R)-1-(3-アザビシクロ[3.2.0]ヘプタン-3-イル)プロパン-2-イル)カルバメート
tert-ブチル((2R)-1-(3-アザビシクロ[3.2.0]ヘプタン-3-イル)-1-オキソプロパン-2-イル)カルバメート(0.49g、1.80mmol)から方法Bに従う。混合物を、SCXカートリッジ(MeOH:MeOH中の7M NH3(9:1)で溶出)に通すことにより精製した。これによって、標題化合物を淡黄色ゴム状物として得た(229mg、49%)。
【0288】
ステップ6:(2R)-1-(3-アザビシクロ[3.2.0]ヘプタン-3-イル)プロパン-2-アミン塩酸塩
tert-ブチル((2R)-1-(3-アザビシクロ[3.2.0]ヘプタン-3-イル)プロパン-2-イル)カルバメート(490mg、0.90mmol)から方法Cに従って、標題化合物を淡黄色固体として得た(254mg、>100%)。これを、さらには精製せずに次のステップに使用した。
【0289】
ステップ7:N-((2R)-1-(3-アザビシクロ[3.2.0]ヘプタン-3-イル)プロパン-2-イル)-4-(5-(トリフルオロメチル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル)ベンズアミド
4-(5-(トリフルオロメチル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル)安息香酸(211mg、0.82mmol)から方法Aに従って、(2R)-1-(3-アザビシクロ[3.2.0]ヘプタン-3-イル)プロパン-2-アミン塩酸塩(254mg、0.90mmol)及びDIPEA(0.73mL、4.09mmol)を加え、混合物を18h撹拌した。混合物を、水で洗浄し、相分離カートリッジに通し、濃縮して、粗生成物を生成した。この残留物を分取-HPLCによって精製し、次いで、キラルSFCによってさらに精製して、標題化合物を白色固体として得た(65mg)。LCMS (ES+) 395 (M+H)+, RT 2.71分 (分析方法1); 1H NMR δ (ppm) (400 MHz, DMSO-d6) 8.44 (1H, d, J = 8.3 Hz), 8.17 (2H, d, J = 8.5 Hz), 8.06 (2H, d, J = 8.7 Hz), 4.31 - 4.22 (1H, m), 2.83 (2H, dd, J = 9.0, 29.3 Hz), 2.75 - 2.66 (2H, m), 2.61 (1H, dd, J = 7.7, 11.6 Hz), 2.53-2.50 (1H, m, DMSOで隠されていた), 2.06 - 1.98 (4H, m), 1.61 - 1.56 (2H, m), 1.25 (3H, d, J = 6.5 Hz).
【0290】
[実施例20及び21]
D1:N-((R)-1-((abs-1,5-cis)-6-アザビシクロ[3.2.0]ヘプタン-6-イル)プロパン-2-イル)-4-(5-(トリフルオロメチル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル)ベンズアミド;及びD2:N-((R)-1-((abs-1,5-cis)-6-アザビシクロ[3.2.0]ヘプタン-6-イル)プロパン-2-イル)-4-(5-(トリフルオロメチル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル)ベンズアミド
【0291】
【化30】
ステップ1:6-アザビシクロ[3.2.0]ヘプタン塩酸塩
アザビシクロ[3.2.0]ヘプタン-7-オン(500mg、4.49mmol)のジエチルエーテル(9mL)溶液を、LiAlH4(5.6mL、11.2mmol)のジエチルエーテル(36mL)還流溶液に0.5hにわたって滴加した。反応混合物を24h還流し、0℃まで冷却し、次いで、水(3mL)、2N NaOH溶液(4mL)及び水(8mL)を、順次加えた。反応物を、室温まで加温し、30分間撹拌し、次いで、MgSO4を加え、反応物をセライトで濾過し、EtOAcで十分に洗浄した。ろ液を、ジオキサン(5mL)中で4N HClで酸性にし、濃縮して、標題化合物を不透明なゴム状物として得た(270mg、45%)。粗物質を、さらには精製せずに次のステップに利用した。
【0292】
ステップ2:tert-ブチル((2R)-1-(6-アザビシクロ[3.2.0]ヘプタン-6-イル)-1-オキソプロパン-2-イル)カルバメート
(R)-2-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)プロパン酸(1.28mg、6.78mmol)及び6-アザビシクロ[3.2.0]ヘプタン塩酸塩(270mg、2.78mmol)から方法Aに従う。標題化合物を淡黄色ゴム状物として得た(0.61mg、89%)。これによって、未精製物を次のステップに使用した。
【0293】
ステップ3:tert-ブチル((2R)-1-(ビシクロ[3.2.0]ヘプタン-6-イル)プロパン-2-イル)カルバメート(2つのジアステレオマー)
tert-ブチル((2R)-1-(6-アザビシクロ[3.2.0]ヘプタン-6-イル)-1-オキソプロパン-2-イル)カルバメート(0.61g、2.27mmol)から方法Bに従う。混合物を、SCXカートリッジ(MeOH:MeOH中の7M NH3(9:1)で溶出)で通すことにより精製した。これによって、標題化合物の2つのジアステレオマーの混合物を淡黄色ゴム状物(250mg、43%)として得た。
【0294】
ステップ4:(2R)-1-(6-アザビシクロ[3.2.0]ヘプタン-6-イル)プロパン-2-アミンジヒドロクロリド(2つのジアステレオマー)
tert-ブチル((2R)-1-(ビシクロ[3.2.0]ヘプタン-6-イル)プロパン-2-イル)カルバメート(250mg、0.97mmol)から方法Cに従って、標題化合物の2つのジアステレオマーの混合物を淡黄色固体(257mg)として得た。これを、さらには精製せずに次のステップに使用した。
【0295】
ステップ5:D1:N-((R)-1-((abs-1,5-cis)-6-アザビシクロ[3.2.0]ヘプタン-6-イル)プロパン-2-イル)-4-(5-(トリフルオロメチル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル)ベンズアミド;及びD2:N-((R)-1-((abs-1,5-cis)-6-アザビシクロ[3.2.0]ヘプタン-6-イル)プロパン-2-イル)-4-(5-(トリフルオロメチル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル)ベンズアミド
4-(5-(トリフルオロメチル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル)安息香酸(228mg、0.88mmol)から方法Aに従って、(2R)-1-(6-アザビシクロ[3.2.0]ヘプタン-6-イル)プロパン-2-アミンジヒドロクロリド(257mg、0.98mmol)及びDIPEA(0.79mL、4.43mmol)を加え、混合物を18h撹拌した。混合物を、水で洗浄し、相分離カートリッジに通し、濃縮して、粗生成物を生成した。この残留物を分取-HPLCによって精製し、次いで、キラル分取SFC(LUX CELLUOSE-4 10/90 MeOH(0.1%DEA)/CO2、5.0ml/分、120バール、40℃)によりさらに精製して、標題化合物を白色固体として得た。D1:N-((R)-1-((abs-1,5-cis)-6-アザビシクロ[3.2.0]ヘプタン-6-イル)プロパン-2-イル)-4-(5-(トリフルオロメチル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル)ベンズアミド(8mg)。LCMS (ES+) 395 (M+H)+, RT 3.67分 (分析方法2); 1H NMR δ (ppm) (400 MHz, DMSO-d6) 8.34 (1H, br s), 8.17 (2H, d, J = 8.3 Hz), 8.05 (2H, d, J = 8.4 Hz), 3.93 (1H, br s), 3.73 (1H, br s), 3.14 (1H, br s), 2.98 (1H, br s), 2.76 (1H, br s), 2.63 (1H, br s), 2.47 (1H, br s), 2.02 - 1.90 (1H, m), 1.78 - 1.60 (3H, m), 1.46 - 1.35 (1H, m), 1.13 (4H, d, J = 6.5 Hz).D2: N-((R)-1-((abs-1,5-cis)-6-アザビシクロ[3.2.0]ヘプタン-6-イル)プロパン-2-イル)-4-(5-(トリフルオロメチル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル)ベンズアミド(4mg). LCMS (ES+) 395 (M+H)+, RT 3.67分 (分析方法2); 1H NMR (400 MHz, DMSO) 8.31 (1H, d, J = 8.2 Hz), 8.17 (2H, d, J = 8.5 Hz), 8.04 (2H, d, J = 8.5 Hz), 3.94 - 3.86 (1H, m), 3.65 (1H, dd, J = 4.7, 6.0 Hz), 3.18 (1H, dd, J = 7.9, 7.9 Hz), 2.93 (1H, dd, J = 3.3, 7.5 Hz), 2.78 - 2.72 (1H, m), 2.61 (1H, dd, J = 8.1, 11.3 Hz), 2.46 (1H, dd, J = 5.9, 11.9 Hz), 1.99 - 1.90 (1H, m), 1.73 - 1.56 (3H, m), 1.45 - 1.34 (1H, m), 1.17 - 1.13 (1H, m), 1.10 (3H, d, J = 6.7 Hz).
【0296】
[実施例22]
N-((2R)-1-(6,6-ジメチル-3-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン-3-イル)プロパン-2-イル)-4-(5-(トリフルオロメチル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル)ベンズアミド
【0297】
【化31】
ステップ1:3-(2,4-ジメトキシベンジル)-6,6-ジメチル-3-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン-2,4-ジオン
2,4-ジメトキシベンジルアミン(1.45g、8.67mmol)を、6,6-ジメチル-3-オキサビシクロ[3.1.0]ヘキサン-2,4-ジオン(1.21g、8.67mmol)のTHF(5mL)溶液に0℃で滴加した。半固形の混合物を90℃まで加温して、THFを除去し、混合物としてゆっくりと融解した固体を、2h180℃まで加温した。溶液を、-60℃まで冷却し、氷冷したDIPEに注ぎ、ゴム状物を形成させた。これを、分離し、蒸発させて、標題化合物を橙色ゴム状物として生成した(1.49g、59%)。
【0298】
ステップ2:3-(2,4-ジメトキシベンジル)-6,6-ジメチル-3-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン
3-(2,4-ジメトキシベンジル)-3-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン-2,4-ジオン(1.49g、5.15mmol)から方法Bに従う。反応物を、2h還流し、通常の方法で後処理した。これによって、標題化合物を淡黄色ゴム状物として得た(1.31g)。生成物は、さらには精製せずに次のステップに使用した。
【0299】
ステップ3:6,6-ジメチル-3-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン塩酸塩
3-(2,4-ジメトキシベンジル)-6,6-ジメチル-3-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン(1.0g、3.83mmol)を、メタノール(50mL)及び酢酸(5mL)に溶解し、次いで、10%Pd/C(1.0g)を加えた。混合物を、水素ガス雰囲気下で(5バール)室温で18h振盪した。次いで、反応混合物を、セライトで濾過し、ジオキサン(5mL)中で4N HClで酸性にし、濃縮して、標題化合物を薄桃色(pale pink)固体(1.0g)として生成し、これを、さらには精製せずに次のステップに使用した。
【0300】
ステップ4:tert-ブチル((2R)-1-(6,6-ジメチル-3-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン-3-イル)-1-オキソプロパン-2-イル)カルバメート
(R)-2-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)プロパン酸(659mg、3.48mmol)及び6,6-ジメチル-3-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン塩酸塩(1.0g、3.83mmol)から方法Aに従う。標題化合物を淡黄色ゴム状物として得た(837mg、84%)。生成物は、さらには精製せずに次のステップに使用した。
【0301】
ステップ5:tert-ブチル((2R)-1-(6,6-ジメチル-3-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン-3-イル)プロパン-2-イル)カルバメート
tert-ブチル((2R)-1-(6,6-ジメチル-3-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン-3-イル)-1-オキソプロパン-2-イル)カルバメート(837mg、2.96mmol)から方法Bに従う。混合物を、SCXカートリッジ(MeOH:MeOH中の7M NH3(9:1)で溶出)に通すことにより精製した。これによって、標題化合物を淡黄色ゴム状物として得た(525mg、66%)。
【0302】
ステップ6:(2R)-1-(6,6-ジメチル-3-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン-3-イル)プロパン-2-アミン塩酸塩
tert-ブチル((2R)-1-(6,6-ジメチル-3-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン-3-イル)プロパン-2-イル)カルバメート(525mg、1.96mmol)から方法Cに従って、標題化合物を橙色固体として得た(900mg、>100%)。これを、さらには精製せずに次のステップに使用した。
【0303】
ステップ7:N-((2R)-1-(6,6-ジメチル-3-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン-3-イル)プロパン-2-イル)-4-(5-(トリフルオロメチル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル)ベンズアミド
4-(5-(トリフルオロメチル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル)安息香酸(459mg、1.78mmol)から方法Aに従って、(2R)-1-(6,6-ジメチル-3-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン-3-イル)プロパン-2-アミン塩酸塩(900mg、1.95mmol)及びDIPEA(1.6mL、8.91mmol)を加え、混合物を18h撹拌した。混合物を、水で洗浄し、相分離カートリッジに通し、濃縮して、粗生成物を生成した。この残留物を分取-HPLCによって精製して、標題化合物をオフホワイト色固体として生成した(138mg)。LCMS (ES+) 409 (M+H)+, RT 4.53分 (分析方法1); 1H NMR δ (ppm) (400 MHz, DMSO-d6) 8.33 (1H, d, J = 8.3 Hz), 8.15 (2H, d, J = 8.7 Hz), 8.03 (2H, d, J = 8.7 Hz), 4.13 - 4.04 (1H, m), 2.88 (2H, dd, J = 9.2, 24.6 Hz), 2.63 - 2.54 (3H, m), 2.40 (1H, dd, J = 7.0, 11.7 Hz), 1.14 - 1.10 (8H, m), 0.92 (3H, s).
【0304】
[実施例23]
(2S)-1-((R)-2-(3-フルオロ-4-(5-(トリフルオロメチル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル)ベンズアミド)プロピル)-2-メチルピロリジン-1-イウムホルメート
【0305】
【化32】
ステップ1:(Z)-3-フルオロ-4-(N'-ヒドロキシカルバムイミドイル)安息香酸
4-シアノ-3-フルオロ安息香酸(2.00g、12.1mmol)のEtOH(30mL)撹拌溶液に、NH2OH.HCl(1.18g、17.0mmol)及びKOH(2.03g、36.3mmol)を加えた。混合物を、室温で17h撹拌し、次いで、1M HCl(aq)で中和し、EtOAc(3×25mL)中で抽出した。合わせた有機物を、乾燥し(MgSO4)、濃縮して、標題化合物を黄色油状物として得、これをさらには精製せずに進行させた。
【0306】
ステップ2:3-フルオロ-4-(5-(トリフルオロメチル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル)安息香酸
(Z)-3-フルオロ-4-(N'-ヒドロキシカルバムイミドイル)安息香酸(12.1mmol)のTHF(30mL)撹拌溶液に、TFAA(2.50mL、18.2mmol)を加えた。混合物を、3h撹拌し、次いで1M HCl(aq)でpH4まで酸性にし、その後、氷-水に注ぎ、EtOAc(3×30mL)中に抽出した。合わせた有機物を、乾燥し(MgSO4)、濃縮した。フラッシュカラムクロマトグラフィー(勾配溶出i-hex[+3% AcOH]からi-hex:EtOAc[+3% AcOH]4:1)による精製によって、標題化合物をオフホワイト色固体として得た(150mg、4%(2ステップ))。LCMS(ES+)277(M+H)+
【0307】
ステップ3:(2S)-1-((R)-2-(3-フルオロ-4-(5-(トリフルオロメチル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル)ベンズアミド)プロピル)-2-メチルピロリジン-1-イウムホルメート
3-フルオロ-4-(5-(トリフルオロメチル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル)安息香酸(75mg、0.27mmol)及び中間体2(59mg、0.41mmol)から方法Aに従う。分取-HPLCによる精製によって、標題化合物を黄色固体として得た(39mg、32%)。LCMS (ES+) 447 (M+H)+, RT 2.74分 (分析方法1). 1H NMR δ (ppm) (400 MHz, DMSO-d6) 8.55 (1H, d, J = 8.2 Hz), 8.21 - 8.17 (2H, m), 7.95 - 7.91 (2H, m), 4.19 - 4.09 (1H, m), 3.13 (1H, ddd, J = 4.1, 7.2, 8.9 Hz), 2.74 (1H, dd, J = 9.3, 11.7 Hz), 2.42 - 2.34 (1H, m), 2.28 (1H, dd, J = 5.7, 11.3 Hz), 2.20 (1H, q, J = 8.7 Hz), 1.93 - 1.83 (1H, m), 1.73 - 1.63 (2H, m), 1.39 - 1.25 (1H, m), 1.19 (3H, d, J = 6.7 Hz), 1.05 (3H, d, J = 6.0 Hz).
【0308】
[実施例24]
N-((R)-1-((S)-2-メチルピロリジン-1-イル)プロパン-2-イル)-5-(5-(トリフルオロメチル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル)ピコリンアミド
【0309】
【化33】
ステップ1:(Z)-5-(N'-ヒドロキシカルバムイミドイル)ピコリン酸
5-シアノピコリン酸(1.51g、10.2mmol)のEtOH(30mL)撹拌溶液に、NH2OH.HCl(999mg、14.3mmol)及びKOH(1.71g、30.6mmol)を加えた。混合物を、室温で72h撹拌し、次いで、1M HCl(aq)で中和した。得られた沈殿物を、真空濾過により収集し、H2O及びEtOHで洗浄し、減圧下で乾燥して、標題化合物を白色固体として得た(1.21g、63%)。
【0310】
ステップ2:5-(5-(トリフルオロメチル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル)ピコリン酸
(Z)-5-(N'-ヒドロキシカルバムイミドイル)ピコリン酸(1.21g、6.47mmol)のTHF(20mL)撹拌溶液に、TFAA(1.35mL、9.71mmol)を加えた。混合物を室温で17h撹拌し、次いで、氷-水に注ぎ、1M HCl(aq)でpH4まで酸性にし、その後EtOAc(3×30mL)中に抽出した。合わせた有機物を、乾燥し(MgSO4)、濃縮した。残留物を、DCM/MeOH(10mL、1:1)に溶解し、不溶性固体を、真空濾過により収集して、標題化合物をオフホワイト色固体として得た(593mg、35%)。LCMS(ES+)260(M+H)+.
【0311】
ステップ3:N-((R)-1-((S)-2-メチルピロリジン-1-イル)プロパン-2-イル)-5-(5-(トリフルオロメチル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル)ピコリンアミド
5-(5-(トリフルオロメチル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル)ピコリン酸(200mg、0.77mmol)及び中間体2(166mg、1.16mmol)から方法Aに従う。逆相クロマトグラフィー(勾配溶出、0.1%ギ酸中の5〜95%MeCN)によって精製し、次いで、SCXカートリッジ(MeOH:MeOH中の7M NH3(9:1)で溶出)に通すことによって、標題化合物を橙色ゴム状物として得た(72mg、24%)。LCMS (ES+) 384 (M+H)+, RT 3.92分 (分析方法2). 1H NMR δ (ppm) (400 MHz, DMSO-d6) 9.25 (1H, d, J = 1.8 Hz), 8.73 (1H, d, J = 8.7 Hz), 8.64 (1H, dd, J = 2.1, 8.2 Hz), 8.26 (1H, d, J = 8.2 Hz), 4.19 - 4.09 (1H, m), 3.15 - 3.07 (1H, m), 2.82 (1H, dd, J = 9.0, 11.8 Hz), 2.37 - 2.28 (1H, m), 2.23 (1H, dd, J = 5.1, 10.9 Hz), 2.16 (1H, q, J = 8.7 Hz), 1.91 - 1.80 (1H, m), 1.71 - 1.61 (2H, m), 1.34 - 1.23 (1H, m), 1.21 (3H, d, J = 6.5 Hz), 1.02 (3H, d, J = 6.0 Hz).
実施例の表
【0312】
【表2】
【0313】
[実施例25]
クラスIIaヒストンデアセチラーゼ(HDAC)阻害薬によるHDAC4の阻害の分析。
クラスIIaヒストンデアセチラーゼ(HDAC)阻害薬の効力を、蛍光発生基質、Boc-Lys(TFA)-AMCを使用したヒストンデアセチラーゼ4(HDAC4)触媒ドメイン酵素活性を測定することによりを定量化した。基質を、HDAC4によりBoc-Lys-AMCに脱アセチル化した。トリプシンによって切断されると、脱アセチル化基質からフルオロフォアAMCを放出させる。サンプルの蛍光を、サンプル中でヒストンデアセチラーゼ活性に直接関連させた。
【0314】
HDAC阻害薬化合物を連続的に希釈する。HDAC阻害薬及び対照の参照化合物(1-(5-(3-((4-(1,3,4-オキサジアゾール-2-イル)フェノキシ)メチル)-1,2,4-オキサジアゾール-5-イル)チオフェン-2-イル)-2,2,2-トリフルオロエタノン)の段階希釈物を、最初に凍結乾燥した化合物を100%ジメチルスルホキシド(DMSO)中、最終濃度10mMへ再懸濁させることによって作製した。DMSO中10mMの化合物の60μLアリコットのストックを調製し、-20℃にて貯蔵した。試験されることになる各化合物、及び参照化合物の1ストックアリコットから、16ポイントの段階希釈物を、16-点連続希釈を、表1に従って、125μLの16チャネルのMatrix multi-channel pipette(Matrix Technologies Ltd)を使用して調製した。
【0315】
【表3】
【0316】
希釈した各溶液及び各対照(完全活性:100%DMSO単独又は完全な阻害1mM)のうちの2μL(200×)を、V型底のポリプロピレン384ウェルの化合物プレート中へ、Bravo(Agilent製の384ウェルのヘッド)又は12.5μLの16チャネルのMatrix Multichannel Pipette(Matrix Technologies Ltd.)のいずれかを使用してスタンプした。200×の化合物溶液を有する各ウェルを、38μLのアッセイバッファ+DMSO(pH8.0にあり且つ室温へ平衡化した、10.5%のDMSO、45mMのトリス-HCl、123mMのNaCl、2.4mMのKCl及び0.9mMのMgCl2)を加えることによって、1:20へ希釈した。
【0317】
HDAC4触媒ドメイン酵素(0.2μg/mL)を調製する。HDAC4触媒ドメイン酵素は、BioFocusが製造する、C末端の6×ヒスチジンタグを有するヒト触媒ドメインHDAC4タンパク質(アミノ酸648-1032)であった。酵素の希釈標準溶液を、酵素をアッセイへ加える直前に、アッセイバッファ(pH8にあり且つ室温へ平衡化した、50mMのトリス-HCl、137mMのNaCl、2.7mMのKCl及び1mMのMgCl2)で0.2μg/mLへ希釈した、HDAC4触媒ドメインの500μg/mLのストックアリコット(氷上で解凍した)から調製した。
【0318】
5×の(50μM)Boc-Lys(TFA)-AMC基質を調製する。5×の(50μM)基質を、アッセイへ加える直前に調製した。1mMの基質ストックを、100mMのBoc-Lys(Tfa)-AMCのDMSO中溶液をそれを滴下でアッセイバッファ(室温へ平衡化した)へ加えてその間沈殿を阻止するために緩速でボルテックスして1:100へ希釈することによって、作製した。5×基質を、1mM基質溶液をこれを滴下でアッセイバッファ(室温へ平衡化した)に加えて、その間沈澱を防止するために緩速でボルテックスして1:20へ希釈することによって、調製した。
【0319】
3×の(30μM)展開剤/停止溶液を調製する。3×の(30μM)展開剤/停止溶液を、プレートへ加える直前に、室温へ平衡化した10mMの参照化合物の25mg/mLのトリプシン中溶液(PAA Laboratories Ltd.)のストックを1:333へ希釈することによって、調製した。
【0320】
アッセイ。上記からの、1:20へ希釈した化合物の各溶液の5μLを、底が透明で、黒色の、384ウェルのアッセイプレートへ、Bravo又はJanus(Perkin Elmer製の384ウェルのMDTヘッド)を使用して移した。16チャネルのMatrix Multichannel Pipetteを使用して、HDAC4触媒ドメイン酵素(アッセイバッファ中0.2μg/mL)の希釈標準溶液のうちの35μLを、アッセイプレートへ移した。次いで、アッセイを、5×の(50μM)基質のうちの10μLをアッセイプレートへBravo、Janus又は16チャネルのMatrix Multichannel Pipetteのいずれかを使用して加えることによって、開始した。次いでアッセイプレートを、軌道振盪機上900rpm(1分当たりの回転数)にて2分間振盪した。次にプレートを、37℃にて15分間インキュベートした。3×の(30μM)展開剤/停止溶液のうちの25μLをアッセイプレートへBravo、Janus又は16チャネルのMatrix Multichannel Pipetteのいずれかを使用して加えることによって、反応を止めた。次いでアッセイプレートを、軌道振盪機上1200rpmにて5分間振盪した。次に、アッセイプレートを、組織培養インキュベータ中、37℃にて1時間インキュベートした。最後に、蛍光を、PerkinElmer EnVisionを使用してトップ読取りモード(励起:355nm、発光:460nm)において測定した。
【0321】
[実施例26]
クラスIIaヒストンデアセチラーゼ(HDAC)阻害薬によるHDAC5の阻害の分析。
クラスIIaヒストンデアセチラーゼ(HDAC)阻害薬の有効性を、ヒストンデアセチラーゼ5(HDAC5)酵素活性を蛍光発生基質Boc-Lys(TFA)-AMCを使用して測定することによって定量化する。基質を、HDAC5によってBoc-Lys-AMCへ脱アセチル化する。トリプシンによる開裂は、脱アセチル化した基質からのフルオロフォアAMCの遊離という結果をもたらす。試料の蛍光は、試料中のヒストンデアセチラーゼ活性に直接関与する。
【0322】
HDAC阻害薬化合物を段階的に希釈する。HDAC阻害薬及び対照の参照化合物(1-(5-(3-((4-(1,3,4-オキサジアゾール-2-イル)フェノキシ)メチル)-1,2,4-オキサジアゾール-5-イル)チオフェン-2-イル)-2,2,2-トリフルオロエタノン)の段階希釈物を、最初に、凍結乾燥した化合物を100%のDMSO中、最終濃度10mMへ再懸濁させることによって、作製する。DMSO中10mMの化合物のうちの60μLアリコットのストックを調製し、-20℃にて貯蔵する。試験されることになる各化合物、及び参照化合物の1ストックアリコットから、16ポイントの段階希釈物を、表1に従って、125μLの16チャネルのMatrix Multichannel Pipetteを使用して調製する。
【0323】
希釈した各溶液及び各対照(完全活性:100%DMSO単独又は完全な阻害1mM)のうちの2μL(200×)を、V型底のポリプロピレン384ウェルの化合物プレート中へ、Bravo、Janus又は12.5μLの16チャネルのMatrix Multichannel Pipetteのいずれかを使用してスタンプする。200×の、スタンプした化合物溶液のうちの2μLを有する各ウェルを、38μLのアッセイバッファ+DMSO(pH8.0にあり且つ37℃へ平衡化した、10.5%のDMSO、45mMのトリス-HCl、123mMのNaCl、2.4mMのKCl及び0.9mMのMgCl2l)を加えることによって1:20へ希釈する。
【0324】
HDAC5触媒ドメイン酵素(0.57μg/mL)を調製する。HDAC5触媒ドメイン酵素は、C末端Hisタグを有するヒトHDAC5触媒ドメイン(GenBank受託番号NM_001015053)アミノ酸657-1123であり、BPS BioScienceから得ることができる。タンパク質は、51kDaであり、バキュロウイルス発現系において発現する。酵素の希釈標準溶液を、アッセイバッファ(pH8にあり且つ37℃へ平衡化した、50mMのトリス-HCl、137mMのNaCl、2.7mMのKCl及び1mMのMgCl2)で0.57μg/mLへ希釈した、HDAC5触媒ドメインの1.65mg/mLのストックアリコット(氷上で解凍した)から、酵素をアッセイへ加える直前に調製する。
【0325】
5×の(40μM)Boc-Lys(TFA)-AMC基質を調製する。5×の(40μM)基質を、アッセイへ加える直前に調製する。5×の基質を、100mMのBoc-Lys(TFA)-AMCのDMSO中溶液をそれを滴下でアッセイバッファ(37℃へ平衡化した)へ加えてその間沈殿を阻止するために緩速でボルテックスして1:2500へ希釈することによって調製する。
【0326】
3×の(30μM)展開剤/停止溶液を調製する。3×の(30μM)展開剤/停止溶液を、プレートへ加える直前に、37℃へ平衡化した10mMの参照化合物の25mg/mLのトリプシン中溶液のストックを1:333へ希釈することによって、調製する。
【0327】
アッセイ。上記からの、1:20へ希釈した阻害薬化合物及び対照の各溶液の5μLを、底が透明で、黒色の、384ウェルのアッセイプレートへ、Bravo又はJanusを使用して移す。16チャネルのMatrix Multichannel Pipetteを使用して、HDAC5触媒ドメイン酵素(アッセイバッファ中0.57μg/mL)の希釈標準溶液のうちの35μLをアッセイプレートへ移す。次いで、アッセイを、5×の(40μM)基質のうちの10μLをアッセイプレートへBravo、Janus又は16チャネルのMatrix Multichannel Pipetteのいずれかを使用して加えることによって開始する。次いでアッセイプレートを軌道振盪機上900rpmにて1分間振盪する。次にプレートを、37℃にて15分間インキュベートする。3×の(30μM)展開剤/停止溶液のうちの25μLをアッセイプレートへBravo、Janus又は16チャネルのMatrix Multichannel Pipetteのいずれかを使用して加えることによって反応を止める。次いでアッセイプレートを、軌道振盪機上900rpmにて2分間振盪する。次に、アッセイプレートを、組織培養インキュベータ中、37℃にて1時間インキュベートし、続いて軌道振盪機上、最大rpmで1分間振盪し、その後、EnVision上で読取りを行う。最後に、蛍光を、PerkinElmer EnVisionを使用してトップ読取りモード(励起:355nm、発光:460nm)において測定する。
【0328】
[実施例27]
クラスIIaヒストンデアチラーゼ(HDAC)阻害薬によるHDAC7の阻害の分析
クラスIIaヒストンデアチラーゼ(HDAC)阻害薬の有効性を、ヒストンデアセチラーゼ7(HDAC7)酵素活性を蛍光発生基質Boc-Lys(TFA)-AMCを使用して測定することによって数量化する。基質を、HDAC7によってBoc-Lys-AMCへ脱アセチル化する。トリプシンによる開裂は、脱アセチル化した基質からのフルオロフォアAMCの遊離という結果をもたらす。試料の蛍光は、試料中のヒストンデアセチラーゼ活性に直接関与する。
【0329】
HDAC阻害薬化合物を段階的に希釈する。HDAC阻害薬、及び対照の参照化合物(1-(5-(3-((4-(1,3,4-オキサジアゾール-2-イル)フェノキシ)メチル)-1,2,4-オキサジアゾール-5-イル)チオフェン-2-イル)-2,2,2-トリフルオロエタノン)の段階希釈物を、最初に、凍結乾燥した化合物を100%のDMSO中、最終濃度10mMへ再懸濁させることによって作製する。DMSO中10mMの化合物のうちの60μLアリコットのストックを調製し、-20℃にて貯蔵する。試験されることになる各化合物、及び参照化合物の1ストックアリコットから、16ポイントの段階希釈物を、表1に従って、125μLの16チャネルのMatrix Multichannel Pipetteを使用して調製する。
【0330】
希釈した各溶液及び各対照(完全活性:100%DMSO単独又は完全な阻害1mM)のうちの2μL(200×)を、V型底のポリプロピレン384ウェルの化合物プレート中へ、Bravo、Janus又は12.5μLの16チャネルのMatrix Multichannel Pipetterのいずれかを使用してスタンプする。200×の化合物溶液を有する各ウェルを、38μLのアッセイバッファ+DMSO(pH8.0にあり且つ37℃へ平衡化した、10.5%のDMSO、45mMのトリス-HCl、123mMのNaCl、2.4mMのKCl及び0.9mMのMgCl2)を加えることによって、1:20へ希釈する。
【0331】
HDAC7酵素(71ng/mL)を調製する。HDAC7酵素は、N-末端グルタチオンS-トランスファーゼ(GST)タグを有するヒトHDAC7(GenBank受託番号AY302468)アミノ酸518末端であり、BPS BioScienceから得ることができる。タンパク質は、78kDaであり、バキュロウイルス発現系中で発現される。酵素の希釈標準溶液を、アッセイバッファ(pH8にあり且つ37℃へ平衡化した、50mMのトリス-HCl、137mMのNaCl、2.7mMのKCl及び1mMのMgCl2)で71ng/mLへ希釈した、HDAC7の0.5mg/mLのストックアリコット(氷上で解凍した)から、酵素をアッセイへ加える直前に調製する。
【0332】
5×の(50μM)Boc-Lys(TFA)-AMC基質を調製する。5×の(50μM)基質を、アッセイへ加える直前に調製する。5×の基質を、100mMのBoc-Lys(TFA)-AMCのDMSO中溶液をそれを滴下でアッセイバッファ(37℃へ平衡化した)へ加えてその間沈殿を阻止するために緩速でボルテックスして1:2000へ希釈することによって、調製する。
【0333】
3×の(30μM)展開剤/停止溶液を調製する。3×の(30μM)展開剤/停止溶液を、プレートへ加える直前に、37℃へ平衡化した10mMの参照化合物の25mg/mLのトリプシン中溶液のストックを1:333へ希釈することによって、調製する。
【0334】
アッセイ。上記からの、1:20へ希釈した化合物の各溶液の5μLを、底が透明で、黒色の、384ウェルのアッセイプレートへ、Bravo又はJanusを使用して移す。16チャネルのMatrix Multichannel Pipetteを使用して、HDAC7酵素(アッセイバッファ中71ng/mL)の希釈標準溶液のうちの35μLを、アッセイプレートへ移す。次いで、アッセイを、5×の(50μM)基質のうちの10μLをアッセイプレートへBravo、Janus又は16チャネルのMatrix Multichannel Pipetteのいずれかを使用して加えることによって、開始する。次いでアッセイプレートを、軌道振盪機上900rpmにて1分間振盪する。次に、プレートを、37℃にて15分間インキュベートする。3×の(30μM)展開剤/停止溶液のうちの25μLをアッセイプレートへBravo、Janus又は16チャネルのMatrix Multichannel Pipetteのいずれかを使用して加えることによって、反応を止める。次いでアッセイプレートを、軌道振盪機上900rpmにて2分間振盪する。次に、アッセイプレートを、組織培養インキュベータ中、37℃にて1時間インキュベートし、続いて軌道振盪機上、最大rpmで1分間振盪する。最後に、蛍光を、PerkinElmer EnVisionを使用してトップ読取りモード(励起:355nm、発光:460nm)において測定する。
【0335】
[実施例28]
クラスIIaヒストンデアチラーゼ(HDAC)阻害薬によるHDAC9の阻害の分析
クラスIIaヒストンデアチラーゼ(HDAC)阻害薬の有効性を、ヒストンデアセチラーゼ9(HDAC9)酵素活性を蛍光発生基質Boc-Lys(TFA-AMCを使用して測定することによって、数量化する。基質を、HDAC9によってBoc-Lys-AMCへ脱アセチル化する。トリプシンによる開裂は、脱アセチル化した基質からのフルオロフォアAMCの遊離という結果をもたらす。試料の蛍光は、試料中のヒストンデアセチラーゼ活性に、直接、関与する。
【0336】
HDAC阻害薬化合物を段階的に希釈する。HDAC阻害薬化合物及び対照の参照化合物(1-(5-(3-((4-(1,3,4-オキサジアゾール-2-イル)フェノキシ)メチル)-1,2,4-オキサジアゾール-5-イル)チオフェン-2-イル)-2,2,2-トリフルオロエタノン)の段階希釈物を、最初に、凍結乾燥した化合物を100%のDMSO中、最終濃度10mMへ再懸濁させることによって、作製する。DMSO中10mMの化合物のうちの60μLアリコットのストックを調製し、-20℃にて貯蔵する。試験されることになる各化合物、及び参照化合物の1ストックアリコットから、16ポイントの段階希釈物を、表1に従って、125μLの16チャネルのMatrix Multichannel Pipetteを使用して調製する。
【0337】
希釈した各溶液及び各対照(完全活性:100%DMSO単独又は完全な阻害1mM)のうちの2μL(200×)を、V型底のポリプロピレン384ウェルの化合物プレート中へ、Bravo、Janus又は12.5μLの16チャネルのMatrix Multichannel Pipetteのいずれかを使用してスタンプする。スタンプした200×の化合物溶液を有する各ウェルを、38μLのアッセイバッファ+DMSO(pH8.0にあり且つ37℃へ平衡化した、10.5%のDMSO、45mMのトリス-HCl、123mMのNaCl、2.4mMのKCl及び0.9mMのMgCl2)を加えることによって、1:20へ希釈する。
【0338】
HDAC9酵素(0.57μg/mL)を調製する。HDAC9酵素は、C末端Hisタグを有するヒトHDAC9(GenBank受託番号NM_178423)アミノ酸604-1066であり、BPS BioScienceから得ることができる。タンパク質は、50.7kDaであり、バキュロウイルス発現系において発現する。酵素の希釈標準溶液を、アッセイバッファ(pH8にあり且つ37℃へ平衡化した、50mMのトリス-HCl、137mMのNaCl、2.7mMのKCl及び1mMのMgCl2)で0.57μg/mLへ希釈した、HDAC9の0.5mg/mLのストックアリコット(氷上で解凍した)から、酵素をアッセイへ加える直前に調製する。
【0339】
5×の(125μM)Boc-Lys(TFA)-AMC基質を調製する。5×の(125μM)基質を、アッセイへ加える直前に調製する。5×の基質を、100mMのBoc-Lys(Tfa)-AMCのDMSO中溶液をそれを滴下でアッセイバッファ(37℃へ平衡化した)へ加えてその間沈殿を阻止するために緩速でボルテックスして1:800へ希釈することによって、調製する。
【0340】
3×の(30μM)展開剤/停止溶液を調製する。3×の(30μM)展開剤/停止溶液を、プレートへ加える直前に、37℃へ平衡化した10mMの参照化合物の25mg/mLのトリプシン中溶液のストックを1:333へ希釈することによって、調製する。
【0341】
アッセイ。上記からの、1:20へ希釈した化合物の各溶液の5μLを、底が透明で、黒色の、384ウェルのアッセイプレートへ、Bravo又はJanusを使用して移す。16チャネルのMatrix Multichannel Pipetteを使用して、HDAC9酵素(アッセイバッファ中0.57μg/mL)の希釈標準溶液のうちの35μLを、アッセイプレートへ移す。次いで、アッセイを、5×の(125μM)基質のうちの10μLをアッセイプレートへBravo、Janus又は16チャネルのMatrix Multichannel Pipetteのいずれかを使用して加えることによって、開始する。次いでアッセイプレートを、軌道振盪機上900rpmにて1分間振盪する。次に、プレートを、37℃にて15分間インキュベートする。3×の(30μM)展開剤/停止溶液のうちの25μLをアッセイプレートへBravo、Janus又は16チャネルのMatrix Multichannel Pipetteのいずれかを使用して加えることによって、反応を止める。次いでアッセイプレートを、軌道振盪機上900rpmにて2分間振盪する。次に、アッセイプレートを、組織培養インキュベータ中、37℃にて1時間インキュベートし、続いて軌道振盪機上、最大rpmで1分間振盪し、その後、EnVision上で読取りを行う。最後に、蛍光を、PerkinElmer EnVisionを使用してトップ読取りモード(励起:355nm、発光:460nm)において測定する。
【0342】
[実施例29]
クラスIIaヒストンデアセチラーゼ(HDAC)阻害薬による細胞クラスIIa HDAC活性の阻害の分析;細胞(Lys-TFA)基質。
クラスIIaヒストンデアセチラーゼ(HDAC)阻害薬の有効性を、細胞のヒストンデアセチラーゼの酵素活性を蛍光発生基質Boc-Lys(TFA)-AMCを使用して測定することによって定量化した。Jurkat E6-1細胞中への浸透後、基質を、Boc-Lys-AMCへ脱アセチル化した。細胞溶解及びトリプシンによる開裂の後、フルオロフォアAMCは、脱アセチル化した基質からのみ遊離した。試料の蛍光は、試料中のヒストンデアセチラーゼ活性に、直接、関与した。
【0343】
Jurkat E6.1細胞の培養及びプレーティング。Jurkat E6.1細胞を、Jurkat E6.1増殖媒質(フェノールレッドなしのRPMI、10%のFBS、10mMのHEPES及び1mMのピルビン酸ナトリウム)における標準の細胞培養プロトコールに従って培養した。Jurkat E6.1細胞を、Coulter Counterを使用して数え、Jurkat E6.1増殖媒質中、35μL当たり細胞75,000個の濃度にて再懸濁させた。35μL又は75,000個の細胞を、Greinerマイクロタイターのアッセイプレート中に播いた。次いでプレートを、他のアッセイ成分を調製している間に、37℃及び5%のCO2にてインキュベートした。
【0344】
HDAC阻害薬化合物を段階的に希釈する。HDAC阻害薬及び対照の参照化合物(1-(5-(3-((4-(1,3,4-オキサジアゾール-2-イル)フェノキシ)メチル)-1,2,4-オキサジアゾール-5-イル)チオフェン-2-イル)-2,2,2-トリフルオロエタノン)の段階希釈物を、最初に、凍結乾燥した化合物を100%のDMSO中、最終濃度10mMへ再懸濁させることによって、作製した。DMSO中10mMの化合物のうちの70μLアリコットのストックを調製し、-20℃にて貯蔵した。試験された各化合物及び参照化合物の1ストックアリコットから、16ポイントの段階希釈物を、表1に従って、125μLの16チャネルのMatrix Multichannel Pipetteを使用して調製した。
【0345】
希釈した各溶液及び各対照(完全活性:100%DMSO単独又は完全な阻害1mM)のうちの2μL(200×)を、V型底のポリプロピレン384ウェルの化合物プレート中へ、Bravo、Janus又は12.5μLの16チャネルのMatrix Multichannel Pipetteのいずれかを使用してスタンプした。200×の化合物溶液を有する各ウェルを、38μLのJurkatアッセイバッファ+DMSO(室温へ平衡化した、9.5%のDMSO、フェノールレッドなしのRPMI、0.09%のFBS、9mMのHEPES及び0.9mMのピルビン酸ナトリウム)を加えることによって、1:20へ希釈した。
【0346】
5×の(500μM)Boc-Lys(TFA)-AMC基質を調製する。5×の(500μM)基質を、アッセイへ加える直前に調製した。5×の基質を、100mMのBoc-Lys(TFA)-AMCのDMSO中溶液をそれを滴下でJurkatアッセイ媒質(37℃へ平衡化した、フェノールレッドなしのRPMI、0.1%のFBS、10mMのHEPES及び1mMのピルビン酸ナトリウム)へ加えてその間沈殿を阻止するために緩速でボルテックスして1:200へ希釈することによって、調製した。
【0347】
3×の溶解バッファを調製する。3×の溶解バッファ10mLを、3×のストック溶解バッファ(室温へ平衡化した、50mMのTris-HCl、pH8.0、137mMのNaCl、2.7mMのKCl、1mMのMgCl2、1%のNonidet P40 Substitute)のうちの8.8ml、及び室温へ平衡化した3mg/mLのトリプシンのうちの1.2mLで調製した。
アッセイ。上記からの1:20へ希釈した各溶液のうちの5μLを、1ウェル当たり細胞75,000個を有するGreinerマイクロタイターのアッセイプレートへ、Bravoを使用して移した。次いで細胞を、37℃及び5%のCO2にて2時間インキュベートした。次いでアッセイを、5×の(500μM)基質のうちの10μLをアッセイプレートへBravo又は16チャネルのMatrix Multichannel Pipetteのいずれかを使用して加えることによって開始した。次いで細胞を、37℃及び5%のCO2にて3時間インキュベートした。次に、3×の溶解バッファのうちの25μLを、各ウェルへ、125μLの16チャネルピペット又はBravoのいずれかを使用して加えた。次いでアッセイプレートを、37℃及び5%のCO2にて一晩(15〜16時間)インキュベートした。翌日、プレートを、軌道振盪機上900rpmで1分間振盪した。最後に、トップ読取り蛍光(励起:355nm、発光:460nm)を、PerkinElmer EnVisionを使用して測定した。
【0348】
[実施例30]
クラスIIaヒストンデアセチラーゼ(HDAC)阻害薬による細胞クラスIのHDAC活性の阻害の分析;細胞(Lys-Ac)基質。
クラスIIaヒストンデアセチラーゼ(HDAC)阻害薬のクラスI HDAC活性を、細胞のヒストンデアセチラーゼの酵素活性を蛍光発生基質Boc-Lys(Ac)-AMCを使用して測定することによって定量化した。これを、Boc-Lys(TFA)-AMCの代わりにBoc-Lys(Ac)-AMC基質を使用して、実施例29における手順に従って行った。
【0349】
前述のものと類似の合成方法及び前述のアッセイプロトコールを使用して、以下の化合物を合成し、試験した。以下の表中の実施例1、17、及び23を、ギ酸塩として示すが、遊離塩基は、アッセイにおいて、相当する方式で行われることが考えられる。
【0350】
【表4】
参照文献:
1)Bioorganic & Medicinal Chemistry Letters 17巻(2007年)6476〜6480
【0351】
一部の実施形態が示されて記載されてはいるが、種々の修正及び置き換えが、本開示の精神及び範囲から逸脱することなく、そこへなされてもよい。例えば、請求項の範囲を構成する目的では、これ以降明らかにされる請求項の範囲は、それらの文字通りの言語よりも狭い任意の方法において解釈され、そのため、本明細書からの例示的な実施形態が請求項の範囲へと読み込まれることは意図されていない。したがって、本開示は、例証を介して記載されているのであって請求項の範囲については範囲の制限がないことが、理解されるべきである。
(付記)
(付記1)
式I
【化34】
[式中、
Wは、N又はCR5であり;Xは、N又はCR6であり;Yは、N又はCR7であり;Zは、N又はCR8であり;ただし、W、X、Y、及びZのうち2個以下は、Nであり;
R1は、H及びC1〜C3アルキルから選択され;
R2は、C1〜C2ハロアルキル又は3若しくは4員のシクロアルキルで任意選択で置換されているC2〜C3アルキレンであり;
R3及びR4は、これらが結合している窒素原子と一緒になって、
4、5、6、若しくは7員の複素単環式基、又は
6、7、8、9、若しくは10員の複素二環式基を形成し、
それらのそれぞれは、C1〜C3アルコキシ、C1〜C3アルキル、C1〜C3ハロアルコキシ、C1〜C3ハロアルキル、3又は4員のシクロアルコキシ、3又は4員のシクロアルキル、3又は4員のヘテロシクロアルキル、カルボキシ、アリール、シアノ、ハロ、及びヘテロアリールからそれぞれ独立に選択される1〜5つの置換基で任意選択で置換され、ここでアリール及びヘテロアリールは、C1〜C3アルキル、C1〜C3ハロアルキル、及びハロからそれぞれ独立に選択される1〜5つの置換基で任意選択でさらに置換され、
ただし、R3及びR4が、これらが結合している窒素原子と一緒になって、5又は6員の複素単環式基を形成する場合、
i)R2は、C1〜C2ハロアルキル又は3若しくは4員のシクロアルキルで置換されているC2〜C3アルキレンである、又は
ii)R8は、ハロ若しくはC1〜C3アルキルである、又は
iii)5若しくは6員の複素単環式基は、C1〜C3アルコキシ、C1〜C3アルキル、C1〜C3ハロアルコキシ、C1〜C3ハロアルキル、3若しくは4員のシクロアルコキシ、3若しくは4員のシクロアルキル、3若しくは4員のヘテロシクロアルキル、カルボキシ、アリール、シアノ、ハロ、及びヘテロアリールからそれぞれ独立に選択される1〜5つの置換基で置換され、ここでアリール及びヘテロアリールは、C1〜C3アルキル、C1〜C3ハロアルキル、及びハロからそれぞれ独立に選択される1〜5つの置換基で任意選択でさらに置換され;
R5、R6、R7及びR8は、H、C1〜C4アルキル、C1〜C4ハロアルキル、及びハロからそれぞれ独立に選択される]
の化合物又はその薬学的に許容される塩、光学異性体若しくは光学異性体の混合物。
(付記2)
式Iの化合物が、式II
【化35】
の化合物である、付記1に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
(付記3)
R2が、3又は4員のシクロアルキルで任意選択で置換されているC2〜C3アルキレンである、付記1又は2に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
(付記4)
式Iの化合物が、式III
【化36】
の化合物である、付記3に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
(付記5)
R6がHである、付記1から4のいずれか一つに記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
(付記6)
式Iの化合物が、式V
【化37】
の化合物である、付記1に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
(付記7)
R2が、3又は4員のシクロアルキルで任意選択で置換されているC2〜C3アルキレンである、付記6に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
(付記8)
式Iの化合物が、式VI
【化38】
の化合物である、付記7に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
(付記9)
R5がHである、付記1から8のいずれか一つに記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
(付記10)
R7がHである、付記1から9のいずれか一つに記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
(付記11)
R8が、H、ハロ、及びメチルから選択される、付記1から10のいずれか一つに記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
(付記12)
R1が、H及びメチルから選択される、付記1から11のいずれか一つに記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
(付記13)
R1がHである、付記12に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
(付記14)
R3及びR4が、これらが結合している窒素原子と一緒になって、C1〜C3アルコキシ、C1〜C3アルキル、C1〜C3ハロアルコキシ、C1〜C3ハロアルキル、3又は4員のシクロアルコキシ、3又は4員のシクロアルキル、3又は4員のヘテロシクロアルキル、カルボキシ、アリール、シアノ、ハロ、及びヘテロアリールからそれぞれ独立に選択される1〜5つの置換基で任意選択で置換されている4又は7員の複素単環式基を形成し、ここでアリール及びヘテロアリールが、C1〜C3アルキル、C1〜C3ハロアルキル、及びハロからそれぞれ独立に選択される1〜5つの置換基で任意選択でさらに置換されている、付記1から13のいずれか一つに記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
(付記15)
R3及びR4が、これらが結合している窒素原子と一緒になって、
3-フェニルアゼチジン-1-イル、及び
アゼパン-1-イル
から選択される4又は7員の複素単環式基を形成する、付記14に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
(付記16)
R3及びR4が、これらが結合している窒素原子と一緒になって、C1〜C3アルコキシ、C1〜C3アルキル、C1〜C3ハロアルコキシ、C1〜C3ハロアルキル、3又は4員のシクロアルコキシ、3又は4員のシクロアルキル、3又は4員のヘテロシクロアルキル、カルボキシ、アリール、シアノ、ハロ、及びヘテロアリールからそれぞれ独立に選択される1〜5つの置換基で任意選択で置換されている5又は6員の複素単環式基を形成し、ここでアリール及びヘテロアリールが、C1〜C3アルキル、C1〜C3ハロアルキル、及びハロからそれぞれ独立に選択される1〜5つの置換基で任意選択でさらに置換され、
R2が、C1〜C2ハロアルキル又は3若しくは4員のシクロアルキルで置換されているC2〜C3アルキレンである、付記1から13のいずれか一つに記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
(付記17)
R3及びR4が、これらが結合している窒素原子と一緒になって、C1〜C3アルコキシ、C1〜C3アルキル、C1〜C3ハロアルコキシ、C1〜C3ハロアルキル、3又は4員のシクロアルコキシ、3又は4員のシクロアルキル、3又は4員のヘテロシクロアルキル、アリール、及びヘテロアリールからそれぞれ独立に選択される1〜5つの置換基で任意選択で置換されている5又は6員の複素単環式基を形成し、ここでアリール及びヘテロアリールが、C1〜C3アルキル、C1〜C3ハロアルキル、及びハロからそれぞれ独立に選択される1〜5つの置換基で任意選択でさらに置換されている、付記16に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
(付記18)
R3及びR4が、これらが結合している窒素原子と一緒になって、C1〜C3アルキル、C1〜C3ハロアルコキシ、及びアリールからそれぞれ独立に選択される1〜5つの置換基で任意選択で置換されている5又は6員の複素単環式基を形成し、ここでアリールが、C1〜C3アルキル、C1〜C3ハロアルキル、及びハロからそれぞれ独立に選択される1〜5つの置換基で任意選択でさらに置換されている、付記17に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
(付記19)
R3及びR4が、これらが結合している窒素原子と一緒になって、C1〜C3アルキル、C1〜C3ハロアルコキシ、及びフェニルからそれぞれ独立に選択される1〜5つの置換基で任意選択で置換されている5又は6員の複素単環式基を形成し、ここでフェニルが、C1〜C3アルキル、C1〜C3ハロアルキル、及びハロからそれぞれ独立に選択される1〜5つの置換基で任意選択でさらに置換されている、付記18に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
(付記20)
R3及びR4が、これらが結合している窒素原子と一緒になって、メチル、ジフルオロメトキシ、及びフェニルからそれぞれ独立に選択される1〜5つの置換基で任意選択で置換されている5又は6員の複素単環式基を形成する、付記19に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
(付記21)
R3及びR4が、これらが結合している窒素原子と一緒になって、ピロリジン-1-イル、及びピペリジン-1-イルから選択される5又は6員の複素単環式基を形成し、そのそれぞれが、メチル、ジフルオロメトキシ、及びフェニルから選択される1つの置換基で任意選択で置換されている、付記20に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
(付記22)
R3及びR4が、これらが結合している窒素原子と一緒になって、
ピロリジン-1-イル、
2-メチル-ピロリジン-1-イル、及び
3-(ジフルオロメトキシ)ピペリジン-1-イル
から選択される5又は6員の複素単環式基を形成する、付記21に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
(付記23)
R3及びR4が、これらが結合している窒素原子と一緒になって、C1〜C3アルコキシ、C1〜C3アルキル、C1〜C3ハロアルコキシ、C1〜C3ハロアルキル、3又は4員のシクロアルコキシ、3又は4員のシクロアルキル、3又は4員のヘテロシクロアルキル、カルボキシ、アリール、シアノ、ハロ、及びヘテロアリールからそれぞれ独立に選択される1〜5つの置換基で任意選択で置換されている5又は6員の複素単環式基を形成し、ここでアリール及びヘテロアリールが、C1〜C3アルキル、C1〜C3ハロアルキル、及びハロからそれぞれ独立に選択される1〜5つの置換基で任意選択でさらに置換され、
R8が、ハロ又はC1〜C3アルキルである、付記1から13のいずれか一つに記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
(付記24)
R3及びR4が、これらが結合している窒素原子と一緒になって、C1〜C3アルコキシ、C1〜C3アルキル、C1〜C3ハロアルコキシ、C1〜C3ハロアルキル、3又は4員のシクロアルコキシ、3又は4員のシクロアルキル、3又は4員のヘテロシクロアルキル、アリール、及びヘテロアリールからそれぞれ独立に選択される1〜5つの置換基で任意選択で置換されている5又は6員の複素単環式基を形成し、ここでアリール及びヘテロアリールが、C1〜C3アルキル、C1〜C3ハロアルキル、及びハロからそれぞれ独立に選択される1〜5つの置換基で任意選択でさらに置換されている、付記23に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
(付記25)
R3及びR4が、これらが結合している窒素原子と一緒になって、C1〜C3アルキル、C1〜C3ハロアルコキシ、及びアリールからそれぞれ独立に選択される1〜5つの置換基で任意選択で置換されている5又は6員の複素単環式基を形成し、ここでアリールが、C1〜C3アルキル、C1〜C3ハロアルキル、及びハロからそれぞれ独立に選択される1〜5つの置換基で任意選択でさらに置換されている、付記24に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
(付記26)
R3及びR4が、これらが結合している窒素原子と一緒になって、C1〜C3アルキル、C1〜C3ハロアルコキシ、及びフェニルからそれぞれ独立に選択される1〜5つの置換基で任意選択で置換されている5又は6員の複素単環式基を形成し、ここでフェニルが、C1〜C3アルキル、C1〜C3ハロアルキル、及びハロからそれぞれ独立に選択される1〜5つの置換基で任意選択でさらに置換されている、付記25に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
(付記27)
R3及びR4が、これらが結合している窒素原子と一緒になって、メチル、ジフルオロメトキシ、及びフェニルからそれぞれ独立に選択される1〜5つの置換基で任意選択で置換されている5又は6員の複素単環式基を形成する、付記26に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
(付記28)
R3及びR4が、これらが結合している窒素原子と一緒になって、ピロリジン-1-イル、及びピペリジン-1-イルから選択される5又は6員の複素単環式基を形成し、そのそれぞれが、メチル、ジフルオロメトキシ、及びフェニルから選択される1つの置換基で任意選択で置換されている、付記27に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
(付記29)
R3及びR4が、これらが結合している窒素原子と一緒になって、
ピロリジン-1-イル、
2-メチル-ピロリジン-1-イル、及び
3-(ジフルオロメトキシ)ピペリジン-1-イル
から選択される、5又は6員の複素単環式基を形成する、付記28に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
(付記30)
R3及びR4が、これらが結合している窒素原子と一緒になって、C1〜C3アルコキシ、C1〜C3アルキル、C1〜C3ハロアルコキシ、C1〜C3ハロアルキル、3又は4員のシクロアルコキシ、3又は4員のシクロアルキル、3又は4員のヘテロシクロアルキル、カルボキシ、アリール、シアノ、ハロ、及びヘテロアリールからそれぞれ独立に選択される1〜5つの置換基で置換されている5又は6員の複素単環式基を形成し、ここでアリール及びヘテロアリールが、C1〜C3アルキル、C1〜C3ハロアルキル、及びハロからそれぞれ独立に選択される1〜5つの置換基で任意選択でさらに置換されている、付記1から13のいずれか一つに記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
(付記31)
R3及びR4が、これらが結合している窒素原子と一緒になって、C1〜C3アルキル、C1〜C3ハロアルコキシ、及びアリールからそれぞれ独立に選択される1〜5つの置換基で置換されている5又は6員の複素単環式基を形成し、ここでアリールが、C1〜C3アルキル、C1〜C3ハロアルキル、及びハロからそれぞれ独立に選択される1〜5つの置換基で任意選択でさらに置換されている、付記30に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
(付記32)
R3及びR4が、これらが結合している窒素原子と一緒になって、C1〜C3アルキル、C1〜C3ハロアルコキシ、及びフェニルからそれぞれ独立に選択される1〜5つの置換基で置換されている5又は6員の複素単環式基を形成し、ここでフェニルが、C1〜C3アルキル、C1〜C3ハロアルキル、及びハロからそれぞれ独立に選択される1〜5つの置換基で任意選択でさらに置換されている、付記31に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
(付記33)
R3及びR4が、これらが結合している窒素原子と一緒になって、メチル、ジフルオロメトキシ、及びフェニルからそれぞれ独立に選択される1〜5つの置換基で置換されている5又は6員の複素単環式基を形成する、付記32に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
(付記34)
R3及びR4が、これらが結合している窒素原子と一緒になって、ピロリジン-1-イル、及びピペリジン-1-イルから選択される5又は6員の複素単環式基を形成し、そのそれぞれが、メチル、ジフルオロメトキシ、及びフェニルから選択される1つの置換基で置換されている、付記33に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
(付記35)
R3及びR4が、これらが結合している窒素原子と一緒になって、
2-メチル-ピロリジン-1-イル、及び
3-(ジフルオロメトキシ)ピペリジン-1-イル
から選択される、5又は6員の複素単環式基を形成する、付記34に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
(付記36)
R3及びR4が、これらが結合している窒素原子と一緒になって、(2S)-メチル-ピロリジン-1-イルを形成する、付記1から13のいずれか一つに記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
(付記37)
R3及びR4が、これらが結合している窒素原子と一緒になって、6、7、8、9、又は10員の複素二環式基を形成し、複素二環式基は、C1〜C3アルコキシ、C1〜C3アルキル、C1〜C3ハロアルコキシ、C1〜C3ハロアルキル、3又は4員のシクロアルコキシ、3又は4員のシクロアルキル、3又は4員のヘテロシクロアルキル、カルボキシ、アリール、シアノ、ハロ、及びヘテロアリールからそれぞれ独立に選択される1〜5つの置換基で任意選択で置換され、ここでアリール及びヘテロアリールが、C1〜C3アルキル、C1〜C3ハロアルキル、及びハロからそれぞれ独立に選択される1〜5つの置換基で任意選択でさらに置換されている、付記1から13のいずれか一つに記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
(付記38)
R3及びR4が、これらが結合している窒素原子と一緒になって、
1-アザスピロ[3.3]ヘプタン-1-イル、
3-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン-3-イル、
3-アザビシクロ[3.2.0]ヘプタン-3-イル、
3-アザビシクロ[3.2.1]ヘプタン-3-イル、
3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル、
3,4-ジヒドロイソキノリン-2(1H)-イル、
3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-2(1H)-イル、
5-アザスピロ[2.4]ヘプタン-5-イル、
5-アザスピロ[2.5]オクタン-5-イル、
6-アザスピロ[2.5]オクタン-6-イル、
1-アザスピロ[3.3]ヘプタン-1-イル、
6-アザビシクロ[3.2.0]ヘプタン-6-イル、
イソインドリン-2-イル、及び
オクタヒドロシクロペンタ[c]ピロール-2-イル
から選択される6、7、8、9、又は10員の複素二環式基を形成し、
そのそれぞれが、C1〜C3アルコキシ、C1〜C3アルキル、C1〜C3ハロアルコキシ、C1〜C3ハロアルキル、3又は4員のシクロアルコキシ、3又は4員のシクロアルキル、3又は4員のヘテロシクロアルキル、カルボキシ、アリール、シアノ、ハロ、及びヘテロアリールからそれぞれ独立に選択される1〜5つの置換基で任意選択で置換され、ここでアリール及びヘテロアリールが、C1〜C3アルキル、C1〜C3ハロアルキル、及びハロからそれぞれ独立に選択される1〜5つの置換基で任意選択でさらに置換されている、付記1から13のいずれか一つに記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
(付記39)
R3及びR4が、これらが結合している窒素原子と一緒になって、
1-アザスピロ[3.3]ヘプタン-1-イル、
3-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン-3-イル、
3-アザビシクロ[3.2.0]ヘプタン-3-イル、
3-アザビシクロ[3.2.1]ヘプタン-3-イル、
3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル、
3,4-ジヒドロイソキノリン-2(1H)-イル、
3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-2(1H)-イル、
5-アザスピロ[2.4]ヘプタン-5-イル、
5-アザスピロ[2.5]オクタン-5-イル、
6-アザスピロ[2.5]オクタン-6-イル、
1-アザスピロ[3.3]ヘプタン-1-イル、
6-アザビシクロ[3.2.0]ヘプタン-6-イル、
イソインドリン-2-イル、及び
オクタヒドロシクロペンタ[c]ピロール-2-イル
から選択される6、7、8、9、又は10員の複素二環式基を形成し、
そのそれぞれが、C1〜C3アルコキシ、C1〜C3アルキル、C1〜C3ハロアルコキシ、C1〜C3ハロアルキル、及びカルボキシからそれぞれ独立に選択される1つ又は2つの置換基で任意選択で置換されている、付記1から13のいずれか一つに記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
(付記40)
R3及びR4が、これらが結合している窒素原子と一緒になって、
1-アザスピロ[3.3]ヘプタン-1-イル、
3-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン-3-イル、
3-アザビシクロ[3.2.0]ヘプタン-3-イル、
3-アザビシクロ[3.2.1]ヘプタン-3-イル、
3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル、
3,4-ジヒドロイソキノリン-2(1H)-イル、
3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-2(1H)-イル、
5-アザスピロ[2.4]ヘプタン-5-イル、
5-アザスピロ[2.5]オクタン-5-イル、
6-アザスピロ[2.5]オクタン-6-イル、
1-アザスピロ[3.3]ヘプタン-1-イル、
6-アザビシクロ[3.2.0]ヘプタン-6-イル、
イソインドリン-2-イル、及び
オクタヒドロシクロペンタ[c]ピロール-2-イル
から選択される6、7、8、9、又は10員の複素二環式基を形成し、
そのそれぞれが、C1〜C3アルキルからそれぞれ独立に選択される1つ又は2つの置換基で任意選択で置換されている、付記1から13のいずれか一つに記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
(付記41)
(2S)-2-メチル-1-((R)-2-(3-メチル-4-(5-(トリフルオロメチル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル)ベンズアミド)プロピル)ピロリジン-1-イウムホルメート;
N-(2-(3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル)エチル)-4-(5-(トリフルオロメチル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル)ベンズアミド;
(R)-N-(1-(イソインドリン-2-イル)プロパン-2-イル)-4-(5-(トリフルオロメチル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル)ベンズアミド;
N-((2R)-1-(3-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン-3-イル)プロパン-2-イル)-4-(5-(トリフルオロメチル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル)ベンズアミド;
(S)-N-(1-シクロプロピル-2-(ピロリジン-1-イル)エチル)-4-(5-(トリフルオロメチル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル)ベンズアミド;
(R)-N-(1-シクロプロピル-2-(ピロリジン-1-イル)エチル)-4-(5-(トリフルオロメチル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル)ベンズアミド;
(R)-N-(1-(3,4-ジヒドロイソキノリン-2(1H)-イル)プロパン-2-イル)-4-(5-(トリフルオロメチル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル)ベンズアミド;
(R)-N-(1-(3-フェニルアゼチジン-1-イル)プロパン-2-イル)-4-(5-(トリフルオロメチル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル)ベンズアミド;
D1: N-((R)-1-((abs)-3-(ジフルオロメトキシ)ピペリジン-1-イル)プロパン-2-イル)-4-(5-(トリフルオロメチル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル)ベンズアミド;
D2: N-((R)-1-((abs)-3-(ジフルオロメトキシ)ピペリジン-1-イル)プロパン-2-イル)-4-(5-(トリフルオロメチル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル)ベンズアミド;
(R)-N-(1-(5-アザスピロ[2.5]オクタン-5-イル)プロパン-2-イル)-4-(5-(トリフルオロメチル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル)ベンズアミド;
(R)-N-(1-(6-アザスピロ[2.5]オクタン-6-イル)プロパン-2-イル)-4-(5-(トリフルオロメチル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル)ベンズアミド;
(R)-N-(1-(アゼパン-1-イル)プロパン-2-イル)-4-(5-(トリフルオロメチル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル)ベンズアミド;
(R)-N-(1-(1-アザスピロ[3.3]ヘプタン-1-イル)プロパン-2-イル)-4-(5-(トリフルオロメチル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル)ベンズアミド;
(R)-N-(1-(5-アザスピロ[2.4]ヘプタン-5-イル)プロパン-2-イル)-4-(5-(トリフルオロメチル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル)ベンズアミド;
N-((R)-1-(3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル)プロパン-2-イル)-4-(5-(トリフルオロメチル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル)ベンズアミド;
2-((R)-2-(4-(5-(トリフルオロメチル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル)ベンズアミド)プロピル)オクタヒドロシクロペンタ[c]ピロール-2-イウムホルメート;
(R)-N-(1-(3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-2(1H)-イル)プロパン-2-イル)-4-(5-(トリフルオロメチル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル)ベンズアミド;
N-((2R)-1-(3-アザビシクロ[3.2.0]ヘプタン-3-イル)プロパン-2-イル)-4-(5-(トリフルオロメチル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル)ベンズアミド;
D1: N-((R)-1-((abs-1,5-cis)-6-アザビシクロ[3.2.0]ヘプタン-6-イル)プロパン-2-イル)-4-(5-(トリフルオロメチル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル)ベンズアミド;
D2: N-((R)-1-((abs-1,5-cis)-6-アザビシクロ[3.2.0]ヘプタン-6-イル)プロパン-2-イル)-4-(5-(トリフルオロメチル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル)ベンズアミド;
N-((2R)-1-(6,6-ジメチル-3-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン-3-イル)プロパン-2-イル)-4-(5-(トリフルオロメチル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル)ベンズアミド;
(2S)-1-((R)-2-(3-フルオロ-4-(5-(トリフルオロメチル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル)ベンズアミド)プロピル)-2-メチルピロリジン-1-イウムホルメート;
N-((R)-1-((S)-2-メチルピロリジン-1-イル)プロパン-2-イル)-5-(5-(トリフルオロメチル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル)ピコリンアミド;
3-メチル-N-((R)-1-((S)-2-メチルピロリジン-1-イル)プロパン-2-イル)-4-(5-(トリフルオロメチル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル)ベンズアミド;
N-((2R)-1-(ヘキサヒドロシクロペンタ[c]ピロール-2(1H)-イル)プロパン-2-イル)-4-(5-(トリフルオロメチル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル)ベンズアミド;
3-フルオロ-N-((R)-1-((S)-2-メチルピロリジン-1-イル)プロパン-2-イル)-4-(5-(トリフルオロメチル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル)ベンズアミド
又はその薬学的に許容される塩から選択される、付記1に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
(付記42)
付記1〜41のいずれか一つに記載の化合物又はその薬学的に許容される塩、及び薬学的に許容される担体を含む、医薬組成物。
(付記43)
医薬組成物を製造する方法であって、付記1〜41のいずれか一つに記載の化合物又はその薬学的に許容される塩、及び薬学的に許容される担体を混合することを含む、前記方法。
(付記44)
それを必要とする患者において、少なくとも1種のヒストンデアセチラーゼによって媒介される状態又は障害を治療する方法であって、前記患者へ、付記1〜41のいずれか一つに記載の治療有効量の化合物又はその薬学的に許容される塩を投与することを含む、前記方法。
(付記45)
それを必要とする患者において、少なくとも1種のヒストンデアセチラーゼの阻害に反応性がある状態又は障害を治療する方法であって、前記患者へ、付記1〜41のいずれか一つに記載の治療有効量の化合物又はその薬学的に許容される塩を投与することを含む、方法。
(付記46)
前記少なくとも1種のヒストンデアセチラーゼが、HDAC-4である、付記44又は45に記載の方法。
(付記47)
前記状態又は障害が、神経変性の病態を含む、付記44又は45に記載の方法。
(付記48)
前記状態又は障害が、ハンチントン病である、付記44又は45に記載の方法。