特許第6805223号(P6805223)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6805223車両用表示装置、車両用表示方法、およびプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6805223
(24)【登録日】2020年12月7日
(45)【発行日】2020年12月23日
(54)【発明の名称】車両用表示装置、車両用表示方法、およびプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/0482 20130101AFI20201214BHJP
   B60K 35/00 20060101ALI20201214BHJP
   G09G 5/00 20060101ALI20201214BHJP
   B60R 16/02 20060101ALI20201214BHJP
   B60R 11/02 20060101ALI20201214BHJP
【FI】
   G06F3/0482
   B60K35/00 Z
   G09G5/00 510A
   G09G5/00 510H
   G09G5/00 550C
   B60R16/02 630L
   B60R11/02 C
【請求項の数】11
【全頁数】25
(21)【出願番号】特願2018-219175(P2018-219175)
(22)【出願日】2018年11月22日
(65)【公開番号】特開2020-86829(P2020-86829A)
(43)【公開日】2020年6月4日
【審査請求日】2019年7月26日
(73)【特許権者】
【識別番号】000005326
【氏名又は名称】本田技研工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100165179
【弁理士】
【氏名又は名称】田▲崎▼ 聡
(74)【代理人】
【識別番号】100126664
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 慎吾
(74)【代理人】
【識別番号】100154852
【弁理士】
【氏名又は名称】酒井 太一
(74)【代理人】
【識別番号】100194087
【弁理士】
【氏名又は名称】渡辺 伸一
(72)【発明者】
【氏名】真鍋 倫久
(72)【発明者】
【氏名】安藝 未来
(72)【発明者】
【氏名】青木 大
(72)【発明者】
【氏名】樋口 皓太朗
【審査官】 ▲高▼瀬 健太郎
(56)【参考文献】
【文献】 特開2009−198523(JP,A)
【文献】 国際公開第2007/141941(WO,A1)
【文献】 特開平08−095708(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/0482
B60K 35/00
B60R 11/02
B60R 16/02
G09G 5/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車室内における運転者が視認可能な位置に設けられ、少なくとも一部にタッチパネル機能を有する第1表示部と、
車幅方向に関して前記第1表示部よりも助手席に近い位置に設けられ、少なくとも一部にタッチパネル機能を有する第2表示部と、
助手席に乗員が存在する場合、運転席に乗員が存在するか否かに関わらず、第1コンテンツと第2コンテンツとによって1つの内容を形成する所定のコンテンツを前記運転席の乗員または前記助手席の乗員が視認可能なように、前記第1コンテンツを前記第1表示部に表示させ、前記第2コンテンツを前記第2表示部に表示させ、前記第1表示部に入力操作を受け付ける一以上の第1操作ボタンを前記第1表示部の車幅方向に関して前記助手席から遠い側に偏して設定し、更に、前記第2表示部に入力操作を受け付ける一以上の第2操作ボタンを前記第2表示部の車幅方向に関して前記運転席から遠い側に偏して設定し、
助手席に乗員が存在しない場合、前記運転席に乗員が存在するか否かに関わらず、前記所定のコンテンツを前記運転者が視認可能なように、前記第1コンテンツを前記第1表示部に表示させ、前記第2コンテンツを前記第2表示部に表示させ、前記第1表示部に前記一以上の第1操作ボタンを前記第1表示部の車幅方向に関して前記助手席から遠い側に偏して設定し、更に、前記第2表示部に前記一以上の第2操作ボタンを設定しない、制御部と、
備える車両用表示装置。
【請求項2】
車室内における運転者および助手席に着座する乗員が視認可能な位置に設けられ、視野角に関わらず前記運転者および前記助手席に着座する乗員が視認可能な画像を表示し、更に少なくとも一部にタッチパネル機能を有する第1表示部と、
車幅方向に関して前記第1表示部よりも助手席に近い位置であり前記運転者および前記助手席の乗員が視認可能な位置に設けられ、視野角に関わらず前記運転者および前記助手席に着座する乗員が視認可能な画像を表示し、更に少なくとも一部にタッチパネル機能を有する第2表示部と、
車両の電源をオン状態にする操作がされたとき、前記助手席に乗員が存在する場合、運転席に乗員が存在するか否かに関わらず、前記第1表示部に入力操作を受け付ける一以上の第1操作ボタンを前記第1表示部の車幅方向に関して前記助手席から遠い側に偏して設定し、前記第2表示部に入力操作を受け付ける一以上の第2操作ボタンを前記第2表示部の車幅方向に関して前記運転席から遠い側に偏して設定し、
前記車両の電源をオン状態にする操作がされたとき、前記助手席に乗員が存在しない場合、前記運転席に乗員が存在するか否かに関わらず、前記第1表示部に入力操作を受け付ける一以上の第1操作ボタンを前記第1表示部の車幅方向に関して前記助手席から遠い側に偏して設定し、前記第2表示部に前記第2操作ボタンを設定しない、制御部と、
を備える車両用表示装置。
【請求項3】
前記制御部は、
第1コンテンツと第2コンテンツとによって1つの内容を形成する所定のコンテンツを前記運転者または乗員が視認可能なように、前記第1コンテンツを前記第1表示部に表示させ、前記第2コンテンツを前記第2表示部に表示させる、
請求項2に記載の車両用表示装置。
【請求項4】
前記第1表示部は、前記車室内の前記運転席の前方方向のインストルメントパネルに設けられ、
前記第2表示部は、前記助手席の前方方向のインストルメントパネルであって、前記第1表示部に隣接して設けられる、
請求項1から3のうちいずれか1項に記載の車両用表示装置。
【請求項5】
前記第1操作ボタンは、運転に関する機能を操作するためのボタン、車載機器を操作するためのボタン、および連携機器を操作するためのボタンを含み、
前記第2操作ボタンは、前記運転に関する機能を操作するためのボタンを含まず、前記車載機器を操作するためのボタンおよび前記連携機器を操作するためのボタンを含む、
請求項1から4のうちいずれか1項に記載の車両用表示装置。
【請求項6】
前記制御部は、
前記助手席に乗員が存在する場合、所定のコンテンツを前記第2表示部に表示させ、更に前記第2操作ボタンを、前記第2表示部に表示されている前記所定のコンテンツに重畳させて表示させ、
前記助手席に乗員が存在しない場合、前記第2操作ボタンを前記第2表示部に表示させずに、前記所定のコンテンツを前記第2表示部に表示させる、
請求項1から5のうちいずれか1項に記載の車両用表示装置。
【請求項7】
前記制御部は、前記運転席の乗員の存在の有無に依らずに、前記第1表示部に特定プログラムにより実行される機能の操作を受け付ける一以上の第3操作ボタンを設定し、
前記助手席に乗員が存在する場合であっても、前記第2表示部に前記第3操作ボタンを設定させない、
請求項1から6のうちいずれかの1項に記載の車両用表示装置。
【請求項8】
車室内における運転者が視認可能な位置に設けられ、複数の第1表示部を含み、少なくとも一部にタッチパネル機能を有する一以上の第1表示部を含む第1表示部群と、
車幅方向に関して前記第1表示部群よりも助手席に近い位置に設けられ、複数の第2表示部を含み、少なくとも一部にタッチパネル機能を有する一以上の第2表示部を含む第2表示部群と、
助手席に乗員が存在する場合、運転席に乗員が存在するか否かに関わらず、第1コンテンツと第2コンテンツとによって1つの内容を形成する所定のコンテンツを前記運転席の乗員または前記助手席の乗員が視認可能なように、前記第1コンテンツを前記第1表示部群に表示させ、前記第2コンテンツを前記第2表示部群に表示させ、前記第1表示部群のうち車幅方向に関して前記助手席から遠い側に偏して配置されている前記第1表示部に入力操作を受け付ける一以上の第1操作ボタンを設定し、更に、前記第2表示部群のうち車幅方向に関して前記運転席から遠い側に偏して配置されている前記第2表示部に入力操作を受け付ける一以上の第2操作ボタンを設定し、
助手席に乗員が存在しない場合、前記運転席に乗員が存在するか否かに関わらず、前記所定のコンテンツを前記運転者が視認可能なように、前記第1コンテンツを前記第1表示部群に表示させ、前記第2コンテンツを前記第2表示部群に表示させ、前記第1表示部群のうち車幅方向に関して前記助手席から遠い側に偏して配置されている前記第1表示部に前記一以上の第1操作ボタンを設定し、更に、前記第2表示部群に前記一以上の第2操作ボタンを設定しない、制御部と、
を備える車両用表示装置。
【請求項9】
車室内における運転者および助手席の乗員が視認可能な位置に設けられ、少なくとも一部にタッチパネル機能を有する表示部と、
助手席に乗員が存在する場合、運転席に乗員が存在するか否かに関わらず、第1コンテンツと第2コンテンツとによって1つの内容を形成する所定のコンテンツを前記運転席の乗員または前記助手席の乗員が視認可能なように、前記第1コンテンツを前記表示部の第1特定領域に表示させ、前記第2コンテンツを前記表示部の車幅方向に関して前記第1特定領域よりも前記助手席に近い領域である第2特定領域に表示させ、前記第1特定領域に入力操作を受け付ける一以上の第1操作ボタンを前記第1特定領域の車幅方向に関して前記助手席から遠い側に偏して設定し、更に、前記第2特定領域に入力操作を受け付ける一以上の第2操作ボタンを前記第2特定領域の車幅方向に関して前記運転席から遠い側に偏して設定し、
助手席に乗員が存在しない場合、前記運転席に乗員が存在するか否かに関わらず、前記所定のコンテンツを前記運転者が視認可能なように、前記第1コンテンツを前記第1特定領域に表示させ、前記第2コンテンツを前記第2特定領域に表示させ、前記第1特定領域に前記一以上の第1操作ボタンを前記第1特定領域の車幅方向に関して前記助手席から遠い側に偏して設定し、更に、前記第2特定領域に前記一以上の第2操作ボタンを設定しない、制御部と、
を備える車両用表示装置。
【請求項10】
車両に設けられるコンピュータが、
助手席に乗員が存在する場合、運転席に乗員が存在するか否かに関わらず、第1コンテンツと第2コンテンツとによって1つの内容を形成する所定のコンテンツを前記運転席の乗員または前記助手席の乗員が視認可能なように、前記第1コンテンツを、車室内における運転者が視認可能な位置に設けられ、少なくとも一部にタッチパネル機能を有する第1表示部に表示させ、前記第2コンテンツを、車幅方向に関して前記第1表示部よりも助手席に近い位置に設けられ、少なくとも一部にタッチパネル機能を有する第2表示部に表示させ、前記第1表示部に入力操作を受け付ける一以上の第1操作ボタンを前記第1表示部の車幅方向に関して前記助手席から遠い側に偏して設定し、更に、前記第2表示部に入力操作を受け付ける一以上の第2操作ボタンを前記第2表示部の車幅方向に関して前記運転席から遠い側に偏して設定し、
助手席に乗員が存在しない場合、前記運転席に乗員が存在するか否かに関わらず、前記所定のコンテンツを前記運転者が視認可能なように、前記第1コンテンツを前記第1表示部に表示させ、前記第2コンテンツを前記第2表示部に表示させ、前記第1表示部に前記一以上の第1操作ボタンを前記第1表示部の車幅方向に関して前記助手席から遠い側に偏して設定し、更に、前記第2表示部に前記一以上の第2操作ボタンを設定しない、
車両用表示方法。
【請求項11】
車両に設けられるコンピュータに、
助手席に乗員が存在する場合、運転席に乗員が存在するか否かに関わらず、第1コンテンツと第2コンテンツとによって1つの内容を形成する所定のコンテンツを前記運転席の乗員または前記助手席の乗員が視認可能なように、前記第1コンテンツを、車室内における運転者が視認可能な位置に設けられ、少なくとも一部にタッチパネル機能を有する第1表示部に表示させ、前記第2コンテンツを、車幅方向に関して前記第1表示部よりも助手席に近い位置に設けられ、少なくとも一部にタッチパネル機能を有する第2表示部に表示させ、前記第1表示部に入力操作を受け付ける一以上の第1操作ボタンを前記第1表示部の車幅方向に関して前記助手席から遠い側に偏して設定し、更に、前記第2表示部に入力操作を受け付ける一以上の第2操作ボタンを前記第2表示部の車幅方向に関して前記運転席から遠い側に偏して設定する処理と、
助手席に乗員が存在しない場合、前記運転席に乗員が存在するか否かに関わらず、前記所定のコンテンツを前記運転者が視認可能なように、前記第1コンテンツを前記第1表示部に表示させ、前記第2コンテンツを前記第2表示部に表示させ、前記第1表示部に前記一以上の第1操作ボタンを前記第1表示部の車幅方向に関して前記助手席から遠い側に偏して設定し、更に、前記第2表示部に前記一以上の第2操作ボタンを設定しない処理と、
を実行させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両用表示装置、車両用表示方法、およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、車両のドアを開けるための開扉信号を受け付けたときに、表示部に画面の表示を行わない状態である低消費電力の待機状態にし、運転者の搭乗を検出したときに待機状態から画面の表示を行う通常状態に移行させる制御装置が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−179212号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記の装置では、運転者の搭乗のみを考慮していて、他の乗員については考慮されていない場合があった。
【0005】
本発明は、このような事情を考慮してなされたものであり、操作性と視認性とを両立させることができる車両用表示装置、車両用表示方法、およびプログラムを提供することを目的の一つとする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明に係る車両用表示装置、車両用表示方法、およびプログラムは、以下の構成を採用した。
(1):この発明の一態様に係る車両用表示装置は、車室内における運転者が視認可能な位置に設けられ、少なくとも一部にタッチパネル機能を有する第1表示部と、車幅方向に関して前記第1表示部よりも助手席に近い位置に設けられ、少なくとも一部にタッチパネル機能を有する第2表示部と、運転席の乗員の存在の有無に依らずに、前記第1表示部に入力操作を受け付ける一以上の第1操作ボタンを設定し、助手席の乗員が存在する場合に、前記第2表示部に入力操作を受け付ける一以上の第2操作ボタンを設定し、前記助手席の乗員が存在しない場合に、前記第2表示部に前記第2操作ボタンを設定しない制御部とを備える。
【0007】
(2):上記(1)の態様において、前記制御部は、前記第2表示部に前記第2操作ボタンを設定する場合、前記第2表示部の車幅方向に関して前記運転席から遠い側に偏して前記第2操作ボタンを設定する。
【0008】
(3):上記(1)または(2)の態様において、前記制御部は、前記第1表示部の車幅方向に関して前記助手席から遠い側に偏して前記第1操作ボタンを設定する。
【0009】
(4):上記(1)から(3)のいずれかの態様において、前記制御部は、更に、前記運転席の乗員の存在の有無に依らずに、前記第1表示部に一以上の第1コンテンツを表示させる。
【0010】
(5):上記(1)から(4)のいずれかの態様において、前記制御部は、更に、前記助手席に乗員が存在する場合、前記第2表示部に一以上の第2コンテンツを表示にさせる。
【0011】
(6):上記(1)から(5)のいずれかの態様において、前記制御部は、前記助手席に乗員が存在しない場合、前記第2表示部に前記第2操作ボタンを設定せずに第2コンテンツを表示させる。
【0012】
(7):上記(1)から(6)のいずれかの態様において、前記制御部は、前記運転席の乗員の存在の有無に依らずに、前記第1表示部に特定プログラムにより実行される機能の操作を受け付ける一以上の第3操作ボタンを設定し、前記助手席に乗員が存在する場合であっても、前記第2表示部に前記第3操作ボタンを設定させない。
【0013】
(8):この発明の他の一態様に係る車両用表示装置は、車室内における運転者が視認可能な位置に設けられ、複数の第1表示部を含み、少なくとも一部にタッチパネル機能を有する一以上の第1表示部を含む第1表示部群と、車幅方向に関して前記第1表示部群よりも助手席に近い位置に設けられ、複数の第2表示部を含み、少なくとも一部にタッチパネル機能を有する一以上の第2表示部を含む第2表示部群と、運転席の乗員の存在の有無に依らずに、前記第1表示部群のうち一以上の前記第1表示部に入力操作を受け付ける一以上の第1操作ボタンを設定し、助手席の乗員の存在する場合に、前記第2表示部群の一以上の前記第2表示部に入力操作を受け付ける一以上の第2操作ボタンを設定し、前記助手席の乗員が存在しない場合に、前記第2表示部群の前記一以上の前記第2表示部に前記第2操作ボタンを設定しない、制御部と、を備える。
【0014】
(9):この発明の他の一態様に係る車両用表示装置は、車室内における運転者および助手席の乗員が視認可能な位置に設けられ、少なくとも一部にタッチパネル機能を有する表示部と、運転席の乗員の存在の有無に依らずに、前記表示部の第1特定領域に一以上の入力操作を受け付ける第1操作ボタンを設定し、前記助手席の乗員が存在する場合に、車幅方向に関して前記第1特定領域よりも前記助手席に近い領域である第2特定領域に入力操作を受け付ける一以上の第2操作ボタンを設定し、前記助手席の乗員が存在しない場合に、前記第2特定領域に前記一以上の第2操作ボタンを設定しない制御部と、を備える。
【0015】
(10):この発明の一態様に係る車両用表示方法は、車両に設けられるコンピュータが、運転席の乗員の存在の有無に依らずに、車室内における運転者が視認可能な位置に設けられ、少なくとも一部にタッチパネル機能を有する第1表示部に入力操作を受け付ける一以上の第1操作ボタンを設定し、助手席の乗員が存在する場合に、車幅方向に関して前記第1表示部よりも助手席に近い位置に設けられ、少なくとも一部にタッチパネル機能を有する第2表示部に入力操作を受け付ける一以上の第2操作ボタンを設定し、前記助手席の乗員が存在しない場合に、前記第2表示部に前記第2操作ボタンを設定しない車両用表示方法である。
【0016】
(11):この発明の一態様に係るプログラムは、車両に設けられるコンピュータに、運転席の乗員の存在の有無に依らずに、車室内における運転者が視認可能な位置に設けられ、少なくとも一部にタッチパネル機能を有する第1表示部に入力操作を受け付ける一以上の第1操作ボタンを設定させ、助手席の乗員が存在する場合に、車幅方向に関して前記第1表示部よりも助手席に近い位置に設けられ、少なくとも一部にタッチパネル機能を有する第2表示部に入力操作を受け付ける一以上の第2操作ボタンを設定させ、前記助手席の乗員が存在しない場合に、前記第2表示部に前記第2操作ボタンを設定させないプログラムである。
【発明の効果】
【0017】
(1)〜(11)によれば、視認性と操作性とを両立させることができる。助手席に乗員が存在しない場合、例えば、運転者にとって不要な情報が表示されないため、運転者にとっての快適性や視認性が向上する。また、助手席に乗員が存在しない場合、例えば、コンテンツを大きく表示させれば、運転者にとっての視認性が向上する。また、助手席に乗員が存在する場合、例えば、第2操作ボタンが設定され、乗員は第2操作ボタンを操作して、所望の制御を行ったり、所望のコンテンツを表示部に表示させたりすることができるので、乗員にとっても操作性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】車両に搭載される表示システム1の構成の一例を示す図である。
図2】車室内に設けられた表示ユニット70および車両情報表示部100の一例を示す図である。
図3】第1タッチパネル80および第2タッチパネル90に表示される画像の一例を示す図である。
図4】表示対応情報54の内容の一例を示す図である。
図5】表示制御装置30により実行される処理の概要について説明するための図である。
図6】パターン(2)における表示態様の変化の一例を示す図である。
図7】パターン(3)における表示態様の変化の一例を示す図である。
図8】表示制御装置30により実行される処理の流れを示すフローチャートである。
図9】第2実施形態の表示制御部36の処理の概要について説明するための図である。
図10】無効状態の処理の流れを示すシーケンス図である。
図11】無効状態の他の処理の流れを示すシーケンス図である。
図12】第3実施形態の表示システム1Aの機能構成の一例を示す図である。
図13】操作ボタンが表示または非表示に制御される際の状態の一例を示す図である。
図14】第5実施形態の第1タッチパネル80および第2タッチパネル90に表示される操作ボタンの一例を示す図である。
図15】第6実施形態のタッチパネル80#の一例を示す図である。
図16】第7実施形態の表示ユニット70に含まれる表示部の一例を示す図である。
図17】実施形態の表示制御装置30のハードウェア構成の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、図面を参照し、本発明の車両用表示装置、車両用表示方法、およびプログラムの実施形態について説明する。車両用表示装置を含む表示システムは、例えば、不図示の車両に設けられる。この車両の駆動源は、例えば、電動機、ディーゼルエンジンやガソリンエンジン等の内燃機関、或いはこれらの組み合わせである。電動機は、二次電池や燃料電池の放電電力或いは内燃機関に連結された発電機による発電電力を使用して動作する。
【0020】
以下の説明において適宜、XYZ座標系を用いて位置関係等を説明する。X方向は、車体の中心軸方向(進行方向)であり、Y方向は、車両の幅方向すなわち水平面内でX方向に直交する方向である。Z方向は、X方向およびY方向に直交する方向である。
【0021】
<第1実施形態>
図1は、車両に搭載される表示システム1の構成の一例を示す図である。表示システム1は、車両制御装置2と、車載機器制御装置4と、連携制御装置6と、起動ボタン10と、着座センサ12と、表示制御装置30と、表示ユニット70と、車両情報表示部100とを備える。
【0022】
車両制御装置2は、車両の駆動や制動、操舵等に関する特定制御機器を制御する制御装置である。運転者の操作や特定制御機器による制御によって、車両が車線内を走行したり、停止したりする。車両制御装置2は、乗員が表示ユニット70に対して行った操作に応じて、対象の特定制御機器を制御する。
【0023】
車載機器制御装置4は、車両に搭載された車載機器(例えば、空調装置やカーナビゲーションシステム、オーディオ等)を制御する制御装置である。車載機器制御装置4は、乗員が表示ユニット70に対して行った操作に応じて、対象の車載機器を制御する。
【0024】
連携制御装置6は、USBポートなどの接続インタフェースに接続された有線ケーブルを介して通信可能な外部の連携機器との通信を制御したり、短距離無線通信を用いてペアリングが行われた連携機器との通信を制御したりする。外部機器と通信が成立している状態において、連携制御装置6は、乗員が表示ユニット70に対して行った操作に応じて、連携機器を制御したり、連携機器にインストールされたアプリケーションプログラム(アプリ)を起動させたり、アプリの機能を実行させたりする。
【0025】
起動ボタン10は、例えば、車両の電源をオン状態に制御するためのボタンである。起動ボタン10が、乗員によって操作されると、不図示のECU(Electronic Control Unit)が車両の電源をオン状態に制御する。また、起動ボタン10が、操作されると電源オン信号が表示制御装置30に出力される。表示制御装置30は、電源オン信号に基づいて、表示ユニット70および車両情報表示部100の電源をオン状態に制御する。
【0026】
なお、表示制御装置30は、電源オン信号に代えて、アクセサリをオン状態(ACCオン状態)に制御するためのアクセサリオン信号を取得した場合に、表示ユニット70および車両情報表示部100の電源をオン状態に制御してもよい。この場合、起動ボタン10は、乗員の操作に基づいてアクセサリオン信号を出力する。
【0027】
着座センサ12は、例えば、車両の座席のうち少なくとも助手席に設けられる。着座センサ12は、一以上の圧力検出素子を備え、一以上の圧力検出素子のそれぞれの検出結果を表示制御装置30に出力する。
【0028】
[表示制御装置]
表示制御装置30は、例えば、情報処理部32と、乗員判定部34と、表示制御部36と、指示解釈部38と、記憶部50とを備える。情報処理部32、乗員判定部34、表示制御部36、および指示解釈部38は、例えば、CPU(Central Processing Unit)等のコンピュータプロセッサが表示プログラム(ソフトウェア)52を実行することにより実現される。また、これらの構成要素のうち一部または全部は、LSI(Large Scale Integration)やASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field-Programmable Gate Array)、GPU(Graphics Processing Unit)等のハードウェア(回路部;circuitryを含む)によって実現されてもよいし、ソフトウェアとハードウェアの協働によって実現されてもよい。表示プログラム52は、図示するように予め表示制御装置30の記憶部50に格納されていてもよいし、DVDやCD−ROM等の着脱可能な記憶媒体(非一過性の記憶媒体)に格納されており、記憶媒体がドライブ装置に装着されることで記憶部50にインストールされてもよい。なお、上記の機能部のうち、所定の機能部は他の機能部と統合されてもよいし、他の機能部により実行される処理は、上記の他の機能部とは異なる機能部により行われてもよい。
【0029】
記憶部50は、例えば、HDD、フラッシュメモリ、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)、ROM(Read Only Memory)などの非一過性の記憶媒体を備える記憶装置、またはRAM(Random Access Memory)等により実現される。記憶部50は、例えば、プロセッサによって読み出されて実行されるプログラム等を格納する。記憶部50には、上述したように表示プログラム52、および後述する表示対応情報54が記憶されている。
【0030】
情報処理部32は、車両制御装置2や、車載機器制御装置4、連携制御装置6、起動ボタン10、着座センサ12等により出力された情報を取得し、取得した情報を管理する。また、情報処理部32は、表示制御装置30の処理結果を車両制御装置2や、車載機器制御装置4、連携制御装置6等に提供する。
【0031】
乗員判定部34は、着座センサ12により提供された情報に基づいて乗員が着座しているか否かを判定する。乗員判定部34は、例えば、着座センサ12から取得した圧力値が所定値以上である場合、乗員が着座していると判定する。乗員判定部34は、例えば、着座センサ12に含まれる複数の圧力検出素子により検出されたすべての圧力値またはあらかじめ規定された割合以上の圧力検出素子の圧力値が所定値以上である場合、乗員が着座していると判定してもよい。
【0032】
また、乗員判定部34は、例えば、着座センサ12により出力された座席に掛かる圧力の分布を示す情報が、予め記憶部50に記憶された着座時の分布を示す情報に合致する場合、乗員は助手席に着座していると判定してもよい。この場合、ユーザの判別まで可能であるため、「特定のユーザが着座した場合にのみ第2操作スイッチを設定する」といった制御も可能となる。合致とは、完全一致に限らず、所定の度合合致していることを含む。
【0033】
表示制御部36は、運転席の乗員の存在の有無に依らずに、表示ユニット70の第1表示部(例えば第1タッチパネル80)に入力操作を受け付ける一以上の第1操作ボタンを設定する。すなわち、表示制御部36は、車両の電源状態や表示モードなどが基準を満たす場合、自動的に第1操作ボタンを表示する。
【0034】
表示制御部36は、助手席の乗員が存在する場合に、第2表示部(例えば第2タッチパネル90)に入力操作を受け付ける一以上の第2操作ボタンを設定し、助手席の乗員が存在しない場合に、第2表示部(例えば第2タッチパネル90)に第2操作ボタンを設定しない。すなわち、表示制御部36は、助手席の乗員の存在の有無に基づいて、表示ユニット70の第2タッチパネル90に一以上の第2操作ボタンを表示にさせたり、させなかったりする。第1操作ボタンと第2操作ボタンとを区別しない場合、単に「操作ボタン」と称する場合がある。
【0035】
「設定」とは、例えば、乗員が操作ボタンを操作した場合、表示制御部36が、その操作を受け付ける状態(操作が反映される状態)で操作ボタンが表示されることである。設定された操作ボタンが操作された場合、操作に応じて、操作に対応する機器が制御されたり、操作に対応する機能が実行されたりする。これらの処理の詳細については後述する。なお、第1実施形態において、「表示」と記載した場合、「設定」を意味するものとする。
【0036】
指示解釈部38は、第1操作ボタンまたは第2操作ボタンに対応する位置にタッチ操作がなされたことを検知した場合、その操作に関する情報(操作情報)を、予め設定された規定に従って解釈し、解釈後の解釈後情報を操作に応じた装置に出力する。解釈後情報は、操作に対応する機器を制御するための情報、または操作に対応する機能を実行させるための情報である。操作に応じた装置である、車両制御装置2、車載機器制御装置4、または連携制御装置6は、解釈後情報に基づいて、操作に応じた対象の機器を制御したり、機能を実行させたりする。
【0037】
[表示ユニット]
表示ユニット70は、例えば、第1タッチパネル80と、第2タッチパネル90とを備える。タッチパネルとは、情報を表示する表示部と、表示部に指示体が接触する操作の入力を受け付ける機構とが一体化された装置である。図1および図2を参照して、表示ユニット70について説明する。
【0038】
図2は、車室内に設けられた表示ユニット70および車両情報表示部100の一例を示す図である。第1タッチパネル80は、運転者のための表示部であり、運転者が視認しやすい位置(視認可能な位置)に配置され、第2タッチパネル90は、運転者または他の乗員(助手席に着座した乗員)のための表示部であり、運転者または乗員が視認可能な位置に配置される。
【0039】
第1タッチパネル80は、車内のインストルメントパネルにおいて運転席の前方方向(X方向)に設けられる。第1タッチパネル80は、例えば、車内のインストルメントパネルの運転席側または中央付近に配置される。
【0040】
第2タッチパネル90は、第1表示部に対して車幅方向(Y方向)の位置であって、第1タッチパネル80よりも助手席に近い位置(マイナスY方向側の位置)に設けられる。例えば、第2タッチパネル90は、第1タッチパネル80に隣接して設けられる。例えば、第1タッチパネル80の表示面と、第2タッチパネル90の表示面とは、前方方向に関して(X方向に関して)、略同一面を形成するように並置される。第1タッチパネル80および第2タッチパネル90に表示される情報については後述する図3で説明する。
【0041】
第1タッチパネル80は、例えば、表示部82と、第1操作検出部84と、制御部86とを備えるタッチパネル式の表示部である。表示部82は、LCD(Liquid Crystal Display)や有機EL(Electro Luminescence)表示装置等である。
【0042】
第1操作検出部84は、表示部82の表示面に対して行われた操作を検出し、検出結果を表示制御装置30に出力する。検出結果とは、例えば、画像の表示面のどの位置がどの程度の度合でタッチされたかを示す情報や操作された時間などの操作態様を示す操作情報である。例えば、第1操作検出部84は、表示面の静電容量の基準値に対する変化度合を検出し、検出結果に基づいて操作の態様を示す操作情報を導出し、導出した操作情報を表示制御装置30に出力する。なお、第1操作検出部84は、抵抗膜方式や、外線走査方式などの手法に基づいて、操作情報を導出してもよい。
【0043】
制御部86は、表示制御装置30の指示に基づいて、第1タッチパネル80をオン状態またはオフ状態に制御したり、表示ユニット70の表示部に所望の画像を表示させたりする。また、制御部86は、第1操作検出部84の検出結果を、表示制御装置30に送信する。
【0044】
第2タッチパネル90は、例えば、表示部92と、第2操作検出部94と、制御部96とを備える。表示部92の機能と、表示部82の機能とは同様であり、第2操作検出部94の機能と、第1操作検出部84の機能とは同様である。また、制御部96の機能と、制御部86の機能とは同様である。ただし、制御部96の制御対象は、表示部92である。また、制御部96は、第2操作検出部94の検出結果を、表示制御装置30に送信する。
【0045】
車両情報表示部100は、例えば、LCDや有機EL表示装置等である。車両情報表示部100は、運転席の前方方向であって、第1タッチパネル80のプラスY方向側に設けられる。車両情報表示部100は、車両の車速や、駆動源の状態(例えば電動機の動作状態またはエンジン回転数)などの運転者が車両の運転において認識すべき情報が表示される。
【0046】
なお、図2の例では、右ハンドルの車両における第1タッチパネル80と第2タッチパネル90との配置を示しているが、左ハンドルの車両の場合、車両情報表示部100、第1タッチパネル80、第2タッチパネル90は、この順でマイナスY方向側から配置される。
【0047】
[第1表示部および第2表示部に表示される内容]
図3は、第1タッチパネル80および第2タッチパネル90に表示される画像の一例を示す図である。第1タッチパネル80は、領域80ARを含む。領域80ARは、表示制御装置30の制御に基づいて、所定の情報や操作ボタンなどの画像を表示する表示領域である。操作ボタンは、GUI(Graphical User Interface)スイッチである。
【0048】
領域80ARは、例えば、第1表示領域80AR−1と、第2表示領域80AR−2とを含む。第1表示領域80AR−1は、第1タッチパネル80のプラスY方向側の領域である。第2表示領域80AR−2は、第1タッチパネル80のマイナスY方向側の領域である。第1タッチパネル80において、第1表示領域80AR−1は、第2表示領域80AR−2よりも運転席に近い側(助手席から遠い側)の領域である。例えば、第1表示領域80AR−1は、第2表示領域80AR−2のよりも小さい領域である。第1表示領域80AR−1のY方向の長さと第2表示領域80AR−2のY方向の長さとの比は、例えば、1:3や1:2など所定の比である。
【0049】
図3の例では、第1表示領域80AR−1には、例えば、所定のコンテンツ画像に重畳されて第1操作ボタンB1が表示されている。第1操作ボタンB1は、例えば、第1タッチパネル80の表示部82の車幅方向に関して助手席から遠い側に偏して設定される。例えば、第1操作ボタンB1は、表示部82のプラスY方向の端部または端部付近に設定される。例えば、第1操作ボタンB1は、表示部82のY方向に関して領域を三分割または四分割した場合において、最も外側(プラスY方向)の分割領域に設定される。また、第2表示領域80AR−2は、例えば、所定のコンテンツ画像が表示されている。なお、第1表示領域80AR−1には、例えば、所定のコンテンツ画像は表示されず、第1操作ボタンB1のみが表示されてもよい。
【0050】
第2タッチパネル90は、領域90ARを含む。領域90ARは、表示制御装置30の制御に基づいて、所定の情報や第2操作ボタンB2などの画像を表示する表示領域である。第2操作ボタンB2とは、GUIスイッチである。領域90ARは、例えば、第3表示領域90AR−1と、第4表示領域90AR−2とを含む。第3表示領域90AR−1は、第2タッチパネル90のマイナスY方向側の領域である。第4表示領域90AR−2は、第2タッチパネル90のプラスY方向側の領域である。第2タッチパネル90において、第3表示領域90AR−1は、第4表示領域90AR−2よりも助手席に近い側(運転席に遠い側)の領域である。例えば、第3表示領域90AR−1は、第4表示領域90AR−2のよりも小さい領域である。第3表示領域90AR−1のY方向の長さと第4表示領域90AR−2のY方向の長さとの比は、例えば、1:3や1:2など所定の比である。
【0051】
図3の例では、第3表示領域90AR−1には、例えば、所定のコンテンツ画像に重畳されて第2操作ボタンB2が表示されている。第2操作ボタンB2は、例えば、第2タッチパネル90の表示部92の車幅方向に関して運転席から遠い側に偏して設定される。例えば、第2操作ボタンB2は、表示部92のマイナスY方向の端部または端部付近に設定される。例えば、第2操作ボタンB2は、表示部92のY方向に関して領域を三分割または四分割した場合において、最も外側(マイナスY方向)の領域に設定される。また、第4表示領域90AR−2には、例えば、所定のコンテンツ画像が表示されている。なお、第3表示領域90AR−1には、例えば、所定のコンテンツ画像は表示されず、助手席の乗員が存在する場合、第2操作ボタンB2が表示されてもよい。
【0052】
例えば、第2操作ボタンB2を表示させる第3表示領域90AR−1と、所定のコンテンツ(例えば第2コンテンツ)を表示させる第4表示領域90AR−2とは、完全に異なるように表示領域が設定されてもよい。例えば、第3表示領域90AR−1は、第2操作ボタンB2が表示される専用の領域であり、第4表示領域90AR−2は、所定のコンテンツが表示される専用の領域であってもよい。また、第2操作ボタンB2を表示させる第3表示領域90AR−1の少なくとも一部の背景に、第4表示領域90AR−2に表示されている所定のコンテンツが表示されるように表示領域が設定されてもよい。
【0053】
[表示領域に表示される内容]
図4は、表示対応情報54の内容の一例を示す図である。表示対応情報54は、第1タッチパネル80および第2タッチパネル90に表示される情報の一覧である。第1タッチパネル80の第1表示領域80AR−1には、例えば、「運転に関する機能」、「車載機器」、「連携機器」に関する一以上の第1操作ボタンB1が表示される。「機能に関する第1操作ボタンB1」とは、機能を動作させたり、機能により提供されるサービスを利用したりするためのボタンである。「機器に関する第1操作ボタンB1」とは、機器を動作させたり、機器を制御したりするためのボタンである。第2表示領域に80AR−2には、予め定められた画像や、第1操作ボタンB1の操作に応じたコンテンツが表示される。
【0054】
「運転に関する機能」とは、例えば、運転支援機能や、駐車場の位置を検索する機能、充電施設の位置を検索する機能である。運転支援機能とは、例えば、ACC(Adaptive Cruise Control)や、LKAS(Lane Keep Assist System)、CMBS(Collision Mitigation Brake System)等である。運転支援機能に対応する第1操作ボタンB1(「第3操作ボタン」の一例)が操作されると、運転支援機能が起動したり、運転支援機能が実行されたりする。この場合、例えば、第2表示領域80AR−2には、起動または実行されている運転支援機能の支援態様などの情報が表示される。
【0055】
「車載機器」とは、例えば、空調装置や、カーナビゲーションシステム、オーディオ、電話等の車内に搭載された機器である。車載機器に対応する第1操作ボタンB1が操作されると、対象の車載機器の電源が起動したり、車載機器の機能が実行されたりする。この場合、例えば、第2表示領域80AR−2には、起動または実行されている車載機器の動作や制御状態などの情報が表示される。
【0056】
「連携機器」とは、連携制御装置6と通信している機器である。例えば、連携機器に関する情報とは、スマートフォンなどの連携機器(携帯端末装置)にインストールされたアプリが提供するサービスに関する情報である。連携機器に対応する第1操作ボタンB1が操作されると、連携機器にインストールされているアプリが起動したり、アプリが実行可能な機能が実行されたりする。この場合、例えば、第2表示領域80AR−2には、起動または実行されているアプリの情報やアプリが提供するサービスの情報が表示される。
【0057】
第2タッチパネル90の第3表示領域90AR−1には、例えば、「車載機器」、「連携機器」に関する一以上の第2操作ボタンB2が表示される。例えば、第1表示領域80AR−1にのみ表示され、第3表示領域90AR−1には表示されない操作ボタンがある。第3表示領域90AR−1には、運転に関する機能を制御するためのボタンは表示されない。運転支援機能の操作ボタンは、運転者のみが操作するように第1表示領域80AR−1にのみ表示される。第4表示領域90AR−2には、予め設定された画像や、第2操作ボタンB2の操作に応じたコンテンツが表示される。
【0058】
例えば、前述した図3の例では、第1表示領域80AR−1または第3表示領域90AR−1に表示されたカーナビゲーションに対応する第1操作ボタンB1または第2操作ボタンB2が操作され、第2表示領域80AR−2または第4表示領域90AR−2に地図情報が表示されている。
【0059】
なお、第1表示領域80AR−1には表示されない操作ボタンがあってもよいし、乗員により第1表示領域80AR−1にのみ表示される操作ボタン、または第3表示領域90AR−1にのみ表示される操作ボタンが設定されてもよい。
【0060】
また、各実施形態では、表示ユニット70は、タッチパネルを含み、タッチパネルの表示部に画像が表示されるものとして説明するが、第1操作ボタンB1または第2操作ボタンB2が表示される表示領域(例えば、第1表示領域80AR−1、第3表示領域90AR−1)とは異なる領域はタッチパネルでなくてもよい。すなわち、第1操作ボタンB1および第2操作ボタンB2が表示されない表示領域(例えば、第2表示領域80AR−2、第4表示領域90AR−2)は、表示部に指示体が接触する操作の入力を受け付ける機構を有さない単なるディスプレイであってもよい。
【0061】
[処理の概要]
図5は、表示制御装置30により実行される処理の概要について説明するための図である。パターン(1)は、起動ボタン10が操作されていない状態である。この場合、表示制御装置30は、第1タッチパネル80および第2タッチパネル90をオフ状態に制御(オフ状態を維持)する。
【0062】
図5のパターン(2)は、起動ボタン10が操作され、且つ助手席に乗員が着座していない状態である。表示制御装置30は、第1タッチパネル80をオン状態に制御し、第1タッチパネル80の第1表示領域80AR−1に第1操作ボタンB1を表示させ、第2表示領域80AR−2に所定のコンテンツを表示させる。「オン状態」とは、電源がオン状態であることである。また、表示制御装置30は、第2タッチパネル90をオン状態に制御し、第2タッチパネル90の第2表示領域80AR−2に所定のコンテンツを表示させる。図6は、パターン(2)における表示態様の変化の一例を示す図である。なお、第2表示領域80AR−2および第4表示領域90AR−2における所定のコンテンツの表示は、図6に示すように省略されてよい。
【0063】
図5のパターン(3)は、起動ボタン10が操作され、且つ助手席に乗員が着座している状態である。第1タッチパネル80の表示態様は、パターン(2)と同様である。表示制御装置30は、第2タッチパネル90をオン状態に制御し、第2タッチパネル90の第3表示領域90AR−1に第2操作ボタンB2を表示させ、第2表示領域80AR−2に所定のコンテンツを表示させる。図7は、パターン(3)における表示態様の変化の一例を示す図である。なお、第2表示領域80AR−2および第4表示領域90AR−2における所定のコンテンツの表示は、図7に示すように省略されてよい。
【0064】
[フローチャート]
図8は、表示制御装置30により実行される処理の流れを示すフローチャートである。なお、本処理では、第2表示領域80AR−2および第4表示領域90AR−2の表示態様の制御については考慮しないものとする。
【0065】
まず、表示制御部36は、起動ボタン10が操作されて、車両の電源がオン状態になったか否かを判定する(ステップS100)。電源がオン状態であると判定した場合、表示制御部36は、第1タッチパネル80に第1操作ボタンB1を表示させる(ステップS102)。次に、乗員判定部34が、助手席に乗員が着座したか否かを判定する(ステップS104)。助手席に乗員が着座していない場合、ステップS108の処理に進む。
【0066】
助手席に乗員が着座した場合、表示制御部36は、第2タッチパネル90に第2操作ボタンB2を表示させる(ステップS106)。次に、表示制御部36は、第1操作ボタンB1または第2操作ボタンB2が操作されたか否かを判定する(ステップS108)。第1操作ボタンB1および第2操作ボタンB2が表示されている場合は、いずれかの操作ボタンが操作されたか否かが判定される。第1操作ボタンB1が表示されている場合は、第1操作ボタンB1が操作されたか否かが判定される。操作ボタンが操作されていない場合、ステップS114の処理に進む。
【0067】
操作ボタンが操作された場合、表示制御部36は、操作情報を取得し(ステップS110)、取得した操作情報に応じた画像に関する情報を対応する表示部(第1タッチパネル80または第2タッチパネル90)に表示させる(ステップS112)。また、この場合、指示解釈部38が、操作情報を解釈後情報に変換し、変化した解釈後情報を対象の機器に出力する。
【0068】
次に、表示制御部36は、所定の終了条件を満たすか否かを判定する(ステップS114)。所定の終了条件を満たさない場合、ステップS100の処理に戻る。所定の終了条件とは、例えば、車両の電源がオフ状態にされたことや、表示ユニット70の電源がオフ状態にされたこと、乗員によって表示ユニット70に操作ボタンを表示させない操作が行われたことなどである。所定の終了条件を満たす場合、本フローチャートの1ルーチンの処理は終了する。
【0069】
上述したように、表示制御部36が、運転席に運転者が存在するかに関わらず、第1タッチパネル80の第1表示領域80AR−1に第1操作ボタンB1を表示させ、助手席に乗員が存在する場合に、第2タッチパネル90の第3表示領域90AR−1に第2操作ボタンB2を表示させるため、乗員にとっての視認性と操作性とを向上させることができる。
【0070】
例えば、第2タッチパネル90に第2操作ボタンB2が表示されても、運転者は操作しにくかったり、その第2操作ボタンB2の情報は不要な情報であったりする場合がある。このため、助手席に乗員が存在しない場合、第2操作ボタンB2が表示されないことにより、運転者にとっての煩わしさが軽減されたり、コンテンツの表示に関する視認性が向上したりする。また、助手席に乗員が存在する場合、第2タッチパネル90に第2操作ボタンB2が表示されるため、助手席の乗員は、自発的または運転者の依頼に応じて、第2操作ボタンB2を操作することができる。このため、助手席の乗員のとっての操作性または運転者にとっての利便性が向上する。
【0071】
また、例えば、助手席の乗員が存在しない場合、第3表示領域90AR−1に対する操作を検出しないように第1操作検出部84の状態が制御されてもよいし、第1操作検出部84は操作を検出するが、それ以降の処理が行われないように各部が制御されてもよい(例えば制御部86が検出結果を表示制御装置30に出力しないように制御されてもよい)。
【0072】
以上説明した第1実施形態によれば、表示制御装置30が、助手席の乗員が存在する場合に、第2タッチパネル90に入力操作を受け付ける一以上の第2操作ボタンB2を設定し、助手席の乗員が存在しない場合に、第2タッチパネル90に前記第2操作ボタンを設定しないことにより、視認性と操作性とを両立させることができる。
【0073】
<第2実施形態>
以下、第2実施形態について説明する。第2実施形態では、助手席の乗員が存在しない場合における表示制御装置30および第2表示部80の処理の詳細について説明する。以下、第1実施形態との相違点を中心について説明する。
【0074】
図9は、第2実施形態の表示制御部36の処理の概要について説明するための図である。図5の内容と相違する点を中心に説明する。パターン(1#)は、起動ボタン10が操作されていない状態である。この場合、表示制御部36は、第1タッチパネル80および第2タッチパネル90をオフ状態に制御する。
【0075】
パターン(2#)は、起動ボタン10が操作され、且つ助手席に乗員が着座していない状態である。第2タッチパネル90は、表示部92をオン状態に制御し、第3表示領域90AR−1の検出状態を無効状態に制御する。無効状態とは、第3表示領域90AR−1に対する操作がされても操作自体を検出しない状態、または操作は検出しているが検出結果を示す情報を表示制御部36に送信する処理を停止していることである。第1タッチパネル80は、第1表示部82をオン状態に制御し、第1表示領域80AR−1の検出状態を有効状態に制御する。有効状態とは、第1表示領域80AR−1に対する操作がされた場合に操作を検出する状態である。有効状態の場合、その操作の内容が対象の機器の制御や機能の実行に反映される。
【0076】
パターン(3#)は、起動ボタン10が操作され、且つ助手席に乗員が着座している状態である。表示制御部36は、第1表示領域80AR−1に有効状態で第1操作ボタンB1を表示させ、第3表示領域90AR−1に有効状態で第2操作ボタンB2を表示させる。
【0077】
[無効状態の処理]
図10は、無効状態の処理の流れを示すシーケンス図である。まず、起動ボタン10が操作されると、表示制御部36は、第2タッチパネル90の電源をオン状態に制御する指示を第2タッチパネル90に行う(ステップS200)。次に、第2タッチパネル90の制御部96が、自装置の電源をオン状態に制御する(ステップS202)。ステップS202の後に、第3表示領域90AR−1に対してタッチ操作がされた場合、制御部96は、無効状態であるため操作情報を生成しない。助手席に乗員が着座すると、表示制御部36は、制御状態を有効状態にする指示を第2タッチパネル90に行う(ステップS204)。
【0078】
第2タッチパネル90の制御部96は、ステップS204の指示に基づいて、有効状態で第2操作ボタンB2を表示させる(ステップS206)。有効状態において、第2操作ボタンB2に対してタッチ操作がされると、制御部96は、タッチ位置等に基づいて操作情報を生成し(ステップS208)、生成した操作情報を表示制御部36に送信する(ステップS210)。
【0079】
次に、表示制御部36は、操作情報を解釈後情報に変換して(ステップS212)、変換した解釈後情報を制御対象に送信する(ステップS214)。これにより、例えば、制御対象の車載機器が操作に応じて動作したり、対象のアプリの機能が実行されたりする。
【0080】
このように、第2タッチパネル90は、助手席の乗員が存在しない場合、タッチ操作がされた位置を検出する機能をオフ状態に制御する。なお、第2タッチパネル90は、助手席の乗員が存在しない場合、タッチ操作がされた位置を検出するが、検出後の処理(操作情報を生成する処理や、操作情報を送信する処理)を停止してもよい。
【0081】
[無効状態の他の一例]
また、無効状態は、表示制御部36が、第2タッチパネル90から操作に対する検出結果を示す情報を取得するが、取得した情報の処理を行わないことであってもよい。
【0082】
図11は、無効状態の他の処理の流れを示すシーケンス図である。図10のシーケンスとの相違点を中心に説明する。図11のステップS200、S202、およびステップS208〜S214の処理は、図10の各処理と同様のである。
【0083】
ステップS202の処理後に、第3表示領域90AR−1に対するタッチ操作がされた場合、制御部96は、タッチ位置等に基づいて操作情報を生成し(ステップS205A)、生成した操作情報を表示制御部36に送信する(ステップS205B)。表示制御部36は、ステップS205Bで送信された操作情報を取得する(ステップS205C)。この場合、表示制御部36は、無効状態であるため、操作情報を取得しても、次の処理は行わない。
【0084】
助手席に乗員が着座すると、表示制御部36は、制御状態を有効状態に制御する(ステップS207)。第2タッチパネル90に対してタッチ操作がされると、制御部96は、タッチ位置等に基づいて操作情報を生成し(ステップS208)、生成した操作情報を表示制御部36に送信する(ステップS210)。有効状態において、表示制御部36が、操作情報を取得すると、取得した情報に基づいて解釈後情報を生成して(ステップS212)、生成した解釈後情報を制御対象に送信する(ステップS214)。
【0085】
以上説明した第2実施形態によれば、表示システム1が、助手席の乗員が存在しない場合、第3表示領域90AR−1に対する操作が行われても、操作を無効状態にするため、電力消費や不要な処理を抑制することができる。
【0086】
<第3実施形態>
以下、第3実施形態について説明する。第1実施形態では、表示制御装置30は、着座センサ12の検出結果に基づいて、助手席に乗員が着座しているか否かを判定するものとした。これに対して、第3実施形態では、表示制御装置30は、車室内カメラにより撮像された画像や、ドアセンサの検出結果、シートベルトセンサの検出結果に基づいて、助手席に乗員が着座しているか否かを判定する。以下、第1実施形態との相違点について説明する。
【0087】
図12は、第3実施形態の表示システム1Aの機能構成の一例を示す図である。表示システム1Aは、第1実施形態の表示システム1の機能構成に加え、更に車室内カメラ14、ドアセンサ16、シートベルトセンサ18を備える。
【0088】
車室内カメラ14は、例えば、CCD(Charge Coupled Device)やCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)等の固体撮像素子を利用したデジタルカメラである。車室内カメラ14は、助手席に着座した乗員を撮像する。ドアセンサ16は、助手席のドアが開状態であるか、閉状態であるか否かを検出する。シートベルトセンサ18は、助手席の乗員がシートベルトを装着しているか否かを検出する。
【0089】
また、表示システム1Aは、表示制御装置30に代えて、表示制御装置30Aを更に備える。表示制御装置30Aは、第1実施形態の表示制御装置30の機能構成に加え、更に、画像処理部33を備える。画像処理部33は、車室内カメラ14により撮像された画像を解析して、助手席に乗員が着座しているか否かを判定し、判定結果を乗員判定部34に出力する。画像処理部33は、例えば、車室内カメラ14により撮像された画像から特徴量を導出する。画像処理部33は、予め記憶部50に記憶された乗員を示す特徴量の分布が、前記導出した特徴量の分布に合致する場合、助手席に乗員が着座していると判定する。
【0090】
例えば、乗員判定部34は、画像処理部33の判定結果、ドアセンサ16の検出結果、および、シートベルトセンサ18の検出結果のうち一以上の検出結果に基づいて、助手席に乗員が着座しているか否かを判定する。例えば、乗員判定部34は、(a)ドアセンサ16によりドアが開状態にされた後、(b)ドアが閉状態にされたことが検出され、(c)画像処理部33により助手席に乗員が着座したと判定され、更に(d)シートベトセンサ18によりシートベルトがされたことが検出された場合、乗員が助手席に着座したと判定してもよい。また、乗員判定部34は、上記の(a)および(d)の条件を満たす場合、乗員が助手席に着座したと判定してもよい。
【0091】
以上説明した第3実施形態によれば、表示制御装置30は、着座センサ12以外の情報も用いて、助手席に乗員が存在するか否かを判定することができるため、より精度よく助手席の乗員の有無を判定することができる。
【0092】
<第4実施形態>
以下、第4実施形態について説明する。第4実施形態では、操作ボタンが非表示から表示、または表示から非表示にされる場合、操作ボタンがスライドするように表示領域に表示される。以下、第1実施形態との相違点について説明する。
【0093】
図13は、操作ボタンが表示または非表示に制御される際の状態の一例を示す図である。表示制御部36は、第2操作ボタンB2を第3表示領域90AR−1に表示させる場合、図13の上図に示すように、第2操作ボタンB2がマイナスY方向からプラスY方向にスライドしながら表示されるように表示態様を制御する。この場合、第3表示領域90AR−1に表示された第2操作ボタンB2に対応する機能(アプリ)が起動していない場合、第2操作ボタンB2の表示に応じて、起動していなかったアプリが起動状態に制御されてもよいし、第2操作ボタンB2に対する操作に応じて起動状態に制御されてもよい。
【0094】
そして、表示制御部36は、図13の中図に示すように第2操作ボタンB2を第3表示領域90AR−1に表示させた後、第2操作ボタンB2を第3表示領域90AR−1において非表示にさせる場合、図13の下図に示すように、第2操作ボタンB2がプラスY方向からマイナスY方向にスライドしながら非表示になるように表示態様を制御する。この場合、第3表示領域90AR−1に表示されていた第2操作ボタンB2に対応する機能(アプリ)は起動状態が維持されてもよい。また、第3表示領域90AR−1に表示されていなかった第2操作ボタンB2の操作に対応する機能(アプリ)が起動状態であったならば、その機能は終了するように制御されてもよい。ただし、第1操作ボタンB1に対応するアプリの機能は終了させる対象から除外されてもよい。
【0095】
以上説明した第4実施形態によれは、表示制御部36が、操作ボタンがスライドするように表示させたり、非表示にさせたりするため、乗員の感受性が向上するような演出を行うことができる。
【0096】
<第5実施形態>
以下、第5実施形態について説明する。第5実施形態では、第2タッチパネル90において第3表示領域90AR−1および第4表示領域90AR−2の位置が、第1実施形態の位置と異なる。
【0097】
図14は、第5実施形態の第1タッチパネル80および第2タッチパネル90に表示される操作ボタンの一例を示す図である。例えば、第2タッチパネル90は、領域90AR#を含む。領域90AR#は、例えば、第3表示領域90AR−1#と、第4表示領域90AR−2#とを含む。第3表示領域90AR−1#は、第2タッチパネル90のプラスY方向側の領域である。第4表示領域90AR−2#は、第2タッチパネル90のマイナスY方向側の領域である。第3表示領域90AR−1#は、第2タッチパネル90において、第4表示領域90AR−2#よりも運転席に近い側の領域である。例えば、第3表示領域90AR−1#は、第4表示領域90AR−2#のよりも小さい領域である。第3表示領域90AR−1#のY方向の長さと第4表示領域90AR−2#のY方向の長さとの比は、例えば、1:3や1:2など所定の比である。
【0098】
なお、第1タッチパネル80において第1表示領域80AR−1および第4表示領域90AR−2の位置が、第1実施形態の位置と異なっていてもよい。
【0099】
以上説明した第5実施形態によれば、第1実施形態と同様の効果を奏することができる。
【0100】
<第6実施形態>
以下、第6実施形態について説明する。第6実施形態では、1つの表示部において、第1表示領域(「第1特定領域」の一例)80AR−1、第2表示領域80AR−2、第3表示領域(「第2特定領域」の一例)90AR−1、および第4表示領域90AR−2が設けられる。
【0101】
図15は、第6実施形態のタッチパネル80#の一例を示す図である。図15の状態DC1は、車両の電源がオフ状態である際のタッチパネル80#の状態の一例を示している。第1表示領域80AR−1は、タッチパネル80#のプラスY方向側の領域である。第3表示領域90AR−1は、タッチパネル80#のマイナスY方向側の領域である。第2表示領域80AR−2および第4表示領域90AR−2は、Y方向に関して第1表示領域80AR−1と第3表示領域90AR−1とに挟まれた領域である。
【0102】
図15の状態DC2は、車両の電源がオン状態である際のタッチパネル80#に表示される画像の一例を示している。車両の電源がオン状態にされると、タッチパネル80#の第1表示領域80AR−1に第1操作ボタンB1が表示される。
【0103】
図15の状態DC3は、状態DC2の状態において、助手席に乗員が着座した場合にタッチパネル80#に表示される画像の一例を示している。この場合、タッチパネル80#の第1表示領域80AR−1には第1操作ボタンB1が表示され、第3表示領域90AR−1には第2操作ボタンB2が表示される。
【0104】
以上説明した第6実施形態によれば、第1実施形態と同様の効果を奏することができる。
【0105】
<第7実施形態>
以下、第7実施形態について説明する。第7実施形態では、表示ユニット70は、3つ以上の表示部を備える。
【0106】
図16は、第7実施形態の表示ユニット70に含まれる表示部の一例を示す図である。
表示ユニット70は、第Aタッチパネル80A、第Bタッチパネル80B、第Cタッチパネル80C、および第Dタッチパネル80Dを備える。第Aタッチパネル80Aと第Bタッチパネル80Bとを合わせたものは、「第1表示部群」の一例であり、第Cタッチパネル80Cと、第Dタッチパネル80Dとを合わせたものは、「第2表示部群」の一例である。
【0107】
第Aタッチパネル80Aは、車内のインストルメントパネルにおいて運転席の前方方向(X方向)に設けられる。第Bタッチパネル80Bは、第Aタッチパネル80Aに対して車幅方向(Y方向)の位置であって、第Aタッチパネル80Aよりも助手席に近い位置(マイナスY方向側の位置)に設けられる。第Cタッチパネル80Cは、第Bタッチパネル80Bに対して車幅方向の位置であって、第Bタッチパネル80Bよりも助手席に近い位置に設けられる。第Dタッチパネル80Dは、第Cタッチパネル80Cに対して車幅方向の位置であって、第Cタッチパネル80Cよりも助手席に近い位置に設けられる。例えば、第Aタッチパネル80Aと第Dタッチパネル80Dとの大きさは第1の大きさであり、第Bタッチパネル80Bと第Cタッチパネル80Cとの大きさとは第2の大きさである。第2の大きさと第1の大きさの比は、例えば、1:3や1:2など所定の比である。
【0108】
なお、図示は省略するが、第Aタッチパネル80Aから第Dタッチパネル80Dのそれぞれは、第1タッチパネル80または第2タッチパネル90が備える表示部や操作検出部、制御部等を備える。
【0109】
図16の状態DC4は、車両の電源がオフ状態である際のタッチパネル80の状態の一例を示している。図16の状態DC5は、車両の電源がオン状態である際の第Aタッチパネル80A〜第D80部Dに表示される画像の一例を示している。車両の電源がオン状態にされると、第Aタッチパネル80Aに第1操作ボタンB1が表示される。図16の状態DC6は、状態DC5の状態において、助手席に乗員が着座した場合に第Dタッチパネル80Dに表示される画像の一例を示している。この場合、第Aタッチパネル80Aと第Dタッチパネル80Dに第2操作ボタンB2が表示される。
【0110】
以上説明した第7実施形態によれば、第1実施形態と同様の効果を奏することができる。
【0111】
上述した第1実施形態〜第7実施形態の内容は適宜組み合わされて実施されてもよい。また、上述した各実施形態では、起動ボタン10が操作された場合に、表示制御部36が、第1操作ボタンB1を設定(表示)し、助手席の乗員の存在の有無に基づいて、第2タッチパネル90に第2操作ボタンB2を設定(表示)するか否かを決定するものとしたが、これに代えて、所定の条件を満たした場合に、上記処理を行ってもよい。所定の条件とは、例えば、車両のドアが開状態に制御されたことや、スマートキー(携帯機器、FOBキー)が操作されてスマートキーにより出力された所定の情報を車両が受信したこと、車両が停止していること、利用者により所定の設定がされていること等である。
【0112】
[ハードウェア構成]
図17は、実施形態の表示制御装置30のハードウェア構成の一例を示す図である。図示するように、表示制御装置30は、通信コントローラ30−1、CPU30−2、ワーキングメモリとして使用されるRAM(Random Access Memory)30−3、ブートプログラムなどを格納するROM(Read Only Memory)30−4、フラッシュメモリやHDD(Hard Disk Drive)などの記憶装置30−5、ドライブ装置30−6などが、内部バスあるいは専用通信線によって相互に接続された構成となっている。通信コントローラ30−1は、表示制御装置30以外の構成要素との通信を行う。記憶装置30−5には、CPU30−2が実行するプログラム30−5aが格納されている。このプログラムは、DMA(Direct Memory Access)コントローラ(不図示)などによってRAM30−3に展開されて、CPU30−2によって実行される。これによって、情報処理部32、乗員判定部34、表示制御部36、および指示解釈部38のうち一部または全部が実現される。
【0113】
上記説明した実施形態は、以下のように表現することができる。
車室内における運転者が視認可能な位置に設けられ、少なくとも一部にタッチパネル機能を有する第1表示部と、
車幅方向に関して前記第1表示部よりも助手席に近い位置に設けられ、少なくとも一部にタッチパネル機能を有する第2表示部と、
プログラムを記憶した記憶装置と、
ハードウェアプロセッサと、を備え、
前記ハードウェアプロセッサは、前記記憶装置に記憶されたプログラムを実行することにより、
運転席の乗員の存在の有無に依らずに、前記第1表示部に入力操作を受け付ける一以上の第1操作ボタンを設定し、
助手席の乗員が存在する場合に、前記第2表示部に入力操作を受け付ける一以上の第2操作ボタンを設定し、前記助手席の乗員が存在しない場合に、前記第2表示部に前記第2操作ボタンを設定しない、
ように構成されている、車両用表示装置。
【0114】
以上、本発明を実施するための形態について実施形態を用いて説明したが、本発明はこうした実施形態に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の変形及び置換を加えることができる。
【符号の説明】
【0115】
1、1A‥表示システム、30‥表示制御装置、32‥情報処理部、33‥画像処理部、34‥着座判定部、34‥乗員判定部、36‥表示制御部、38‥指示解釈部、50‥記憶部、70‥表示ユニット、80‥第1タッチパネル、80AR−1‥第1表示領域、80AR−2‥第2表示領域、90‥第2タッチパネル、90AR−1‥第3表示領域、90AR−2‥第4表示領域
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