(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0055】
<第1実施例>
図1はこの発明の第1実施例である台座型機器(クレードル)10の正面を斜め上方から見た斜視図である。また、
図2(A)は台座型機器10を正面から見た正面図であり、
図2(B)は台座型機器10を右側面から見た右側面図である。
【0056】
図1、
図2(A)および
図2(B)を参照して、台座型機器10は本体12および接続部14を含む。
図2(B)から良く分かるように、本体12は、右側面から見た場合に、J字状に形成され、電子機器100(
図5(A)および
図5(B)参照)を載置(装着)するとともに電子機器100の背面を支持する第1台座部材120、電子機器100の一部を前面から支持する前面支持部材122および第1台座部材120の背面側に設けられる収容部材124によって構成される。たとえば、本体12(第1台座部材120、前面支持部材122、収容部材124)は、プラスチックなどの樹脂で形成される。
【0057】
第1台座部材120は、載置部120aおよび背面支持部120bを含み、載置部120aに上記の接続部14が設けられる。背面支持部120bは、板状に形成され、載置部120aの背面側において、この載置部120aの上面から上方に延びるように、この載置部120aに一体的に設けられる。この背面支持部120bには、前面側の下端部において、前面側に突出する凸部1200が設けられる。
【0058】
前面支持部材122は、第1台座部材120の前面側に設けられる板状の部材であり、上端部の一部が欠落される。したがって、前面支持部材122では、長手方向の両端部において、上方に突出する突出部1220を有している。
【0059】
収容部材124は、台座型機器10の各種の電子部品を収納するハウジングであり、台座型機器10の前面側が開口する直方体形状に形成される。収容部材124(ハウジング
)の開口は、載置部120aの背面および背面支持部120bで覆われる。
【0060】
図示および詳細な説明は省略するが、たとえば、各種の電子部品としては、台座型機器10の全体的な制御を行うための制御回路、商用電源のような所定の電源を用いて電子機器100のバッテリを充電するための充電回路、電子機器100と通信するための通信回路、および電子機器100から受信した映像信号および音声信号をテレビジョン受像機のような出力装置に出力するためのAV(audio and visual(video))回路などが該当する。
つまり、台座型機器10は、充電機能を有する充電器であり、この第1実施例では、充電機能のみならず、通信機能を有している。ただし、通信機能は有しなくてもよい。
【0061】
接続部14は、電子機器100のメス型の接続端子(コネクタ)106に接続されるオス型の接続端子(接続プラグ)140およびこの接続プラグ140の周囲を囲むカバー142を含む。
図2(A)および
図2(B)からも分かるように、接続部14は、本体12(載置部120a)の中央であり、電子機器100が載置されていない場合には、接続部14の一部が載置部120aの上面から突出するように、本体12(載置部120a)に設けられる。
【0062】
図3は、接続部14およびこの接続部14の取付構造200の正面を斜め上方から見た斜視図である。
図4は
図2(B)におけるIV-IV断面図である。
【0063】
図3に示すように、取付構造200は、接続部14すなわち接続プラグ140およびカバー142を支持する第2台座部材202を含む。第2台座部材202の支持部202aには、左右の端部に、4つの円筒部材202bが設けられる。これらの円筒部材202bは、第2台座部材202を載置部120aの内部において、本体12(載置部120a)に固定するために設けられる。ただし、第2台座部材202(取付構造200)は、載置部120aの底のうち、他の部分と比較して厚みを多くされた部分に載置される。
【0064】
図示は省略するが、円筒部材202bの内部には、螺旋状の溝が形成され、載置部120aの下面からねじで固定される。ただし、円筒部材202bが設けられる位置では、支持部202aも貫通されており、円筒部材202bの孔は第2台座部材202の下面まで通じている。また、載置部120aでは、円筒部材202bが設けられる位置に対応する位置の底が貫通される。
【0065】
なお、第2台座部材202は、支持部202aの内部の底に固定されるようにしてあるが、支持部202aの天井から下方に延びるねじ孔を設けて、天井側に固定するようにしてもよい。
【0066】
また、支持部202aには、2つの第1取付部202cが設けられる。第1取付部202cの各々は、円筒部材202bの周辺であり、当該円筒部材202bよりも支持部202aの中央寄りに配置される。この第1取付部202cには、カバー142を支持するための第1ばね204が取り付けられる。
【0067】
カバー142は、横長のドーム状に形成され、その上面に2つの第1突起142aが設けられる。たとえば、カバー142も、本体12と同様に、プラスチックなどの樹脂で形成される。また、2つの第1突起142aは、所定の間隔を有して、カバー142の長手方向の端部に設けられる。この第1実施例では、第1突起142aは、円錐台形状に近い形状に形成されるが、円錐形状または半球形状に形成されてもよい。また、第1突起142aは、台座型機器10の前面、背面、左側面および右側面に斜面(テーパ面)を有する、四角錐台形状または四角錐形状に形成されてもよい。ただし、第1突起142aは、底面が三角形または五角形(正五角形)以上の多角形の角錐台形状または角錐形状に形成さ
れてもよい。
【0068】
2つの第1突起142aの間であり、カバー142の中央には、当該カバー142の長手方向に延びる横幅を有する第1孔142bが形成される。接続プラグ140は、この第1孔142bの内部に配置される。また、カバー142の上面の中央であり、第1孔142bの背面側には、切欠き142cが設けられる。この切欠き142cは、カバー142が凸部1200に当たるのを防止するために設けられる。
【0069】
また、カバー142の上面の裏側の面(天井)には、2つの第2取付部142dが設けられる。第2取付部142dは、第1突起142aと一直線上の位置に配置される。この第2取付部142dには、第1ばね204が取り付けられる。つまり、第1ばね204の一方端は第2取付部142dに取り付けられ、上述したように、第1ばね204の他方端は第1取付部202cに取り付けられる。したがって、カバー142は、第1ばね204によって下方から支持される。
【0070】
さらに、カバー142には、その側面の下端部において、水平方向であり、かつカバー142の外方に突出する第2突起142eが設けられる。つまり、第2突起142eは、上面視でトラック(長円)形状に形成される。この第2突起142eは、
図4に示すように、載置部120aの上面の裏側の面(天井)に係止し、カバー142の上方への移動を規制するために設けられる。
【0071】
また、後述するように、電子機器100が載置部120aの正しい位置に載置される場合に、カバー142は、その上面が載置部120aの上面よりも少し上方に位置するように下方に押下げられる。つまり、カバー142が最大限押下げられる前に、接続プラグ140が電子機器100に設けられるコネクタ106の奥まで挿し込まれる(
図7(C)参照)。このようにするのは、組み立てによる誤差、部品誤差などにより、接続プラグ140がコネクタ106の奥まで挿し込まれないことによる接続不良を回避するためである。また、接続プラグ140がコネクタ106の奥まで挿し込まれた状態で、さらに、カバー142が押下げられた場合であっても、後述するように、接続プラグ140は第2ばね206で支持されるため、下方へ移動可能である。したがって、接続プラグ140およびコネクタ106が破損するのを防止することができる。このように、カバー142の高さは、接続プラグ140とコネクタ106が正しく接合(嵌合)するように設定される。ただし、正しく接合(嵌合)されるとは、接続プラグ140の電極とコネクタ106の電極とが少なくとも有効嵌合長の長さで接触することを意味する。
【0072】
また、カバー142の側面が、載置部120aの上面に形成される第2孔1202の外周に当たることにより、カバー142の水平方向への移動が規制される。つまり、水平方向への移動範囲は、第2孔1202とカバー142の間の隙間で決定される。
【0073】
このように、カバー142は、第1ばね204および第2孔1202によって、台座型機器10を正面から見た場合の上下方向、前後方向および左右方向の移動範囲を決定される。
【0074】
また、支持部202aには、第3台座部材208を上下方向に移動可能に収容(保持)する2つの収容部202dが設けられる。収容部202dは、第1取付部202cに隣接し、当該第1取付部202cよりも、支持部202aの長手方向における中央寄りに設けられる。2つの収容部202dは、その開口が互いに対向するように配置され、第3台座部材208の両端部に延びる棒状の支持部を収容する。また、
図4からも良く分かるように、収容部202dは、断面がL字状に形成される。
【0075】
さらに、支持部202aの中央には、第1凹部202eが設けられる。第1凹部202eには、第2ばね206の一方端が嵌められる(保持される)。第2ばね206の他方端は、第3台座部材208の下面に設けられた第3取付部208a(
図7(A)−
図7(C)参照)に取り付けられる。第3台座部材208の上面には、基板210が取り付けられる。後述するように、この基板210の上面に、接続プラグ140が実装される。したがって、第2ばね206によって、基板210(接続プラグ140)は少なくとも上下方向に移動可能に支持される。ただし、第2ばね206は伸縮するのみならず、曲げることも可能であるため、基板210は水平方向にも移動可能である。
【0076】
基板210には、接続プラグ140が実装される。
図3からも分かるように、基板210の面に対して、接続プラグ140の着脱方向が直交するように、接続プラグ140は基板210に電気的に接続される。基板210には、図示しない信号ケーブルの一方端が接続される。信号ケーブルは、載置部120aと収容部材124を連通する第3孔1204を通して収容部材124の内部まで延びる。そして、信号ケーブルの他方端は、収容部材124に収納される電子部品(制御回路)に電気的に接続される。
【0077】
たとえば、接続プラグ140は、USB Type-Cのプラグである。したがって、この接続プラグ140には、USB 3.0以降の信号線が2系統設けられるとともに、USB 2.0の信号線が1系統設けられる。また、オルタネートモードと呼ばれる動作モードでは、USBと切り替
えて、Thunderbolt(登録商標) 3のデータ、DisplayPortおよびMHL(Mobile High-definition Link)の映像データなど、他の形式のデータを伝送することもできる。ただし、接続プラグ140の種類(規格ないし形式)は、電子機器100に設けられるコネクタ106(
図7(A)−
図7(C)参照)の種類およびデータ通信の形成に応じて適宜変更することもできる。
【0078】
上述したように、第3台座部材208は第2ばね206で支持され、両端の支持部は収容部202dに収容される。このため、基板210は、2つの収容部202dの間において、上下に移動可能である。ただし、収容部202dは上端部が解放されていないため、第3台座部材208は収容部202dの上端部で係止されることにより、上方への移動を規制される。したがって、収容部202dの上端部によって、基板210および基板210に実装される接続プラグ140の上方への移動も規制される。
【0079】
また、第3台座部材208は、収容部202dによって水平方向の移動も規制される。つまり、第3台座部材208の水平方向への移動範囲は、収容部202dと第3台座部材208の間の隙間で決定される。ただし、第3台座部材208の水平方向うち、前後方向の移動範囲については、収容部202dと第3台座部材208の支持部の間の隙間で決定される。これらのことは、基板210および接続プラグ140の水平方向への移動範囲についても同様である。ただし、接続プラグ140は、カバー142の上面に設けられた第1孔142bの内部に配置されるため、カバー142の水平方向の移動に従って水平方向に移動さる。
【0080】
図5(A)はこの第1実施例の電子機器100の外観構成の正面を斜め上方から見た斜視図である。
図5(B)はこの第1実施例の電子機器100の外観構成の背面を斜め下方から見た斜視図である。
【0081】
たとえば、電子機器100は、電子手帳、電子辞書、携帯音楽プレイヤ、タブレットPC、フィーチャーホン、スマートフォン、ゲーム機またはデジタルカメラなどの情報処理装置ないし情報処理端末である。電子機器100は、直方体形状に形成される筐体102の正面にLCDのようなディスプレイ104が設けられる。ただし、ディスプレイ104としては、LCDに代えて、EL(Electronic Luminescence)ディスプレイやプラズマデ
ィスプレイが用いられてもよい。また、たとえば、ディスプレイ104の上面には、タッチパネルが設けられる。ただし、ディスプレイ104に代えて、ディスプレイ104とタッチパネルが一体的に形成されたタッチディスプレイが設けられてもよい。
【0082】
なお、図示は省略するが、電子機器100には、筐体102のうち、ディスプレイ104が設けられていない部分には、電源ボタン、メニューボタンなどのハードウェアキーが設けられてもよい。
【0083】
また、電子機器100の筐体102は直方体形状に限定される必要はない。たとえば、筐体102を構成する面は直交する必要はなく、一部の面は隣接する面に対して直角から少しずれていても良い。また、電子機器100の筐体102の側面は平面ではなく、外方に湾曲する局面で形成されてもよい。さらに、電子機器100の筐体102の各面が接合される接合部は丸みを帯びた形状(R形状)にされてもよい。
【0084】
たとえば、電子機器100は、正面から見た場合の大きさが、台座型機器10を正面から見た場合の背面支持部120bの大きさとほぼ同じ大きさである。また、電子機器100の厚み(奥行き方向の長さ)は、前面支持部材122と背面支持部120bの距離とほぼ同じ長さである。ただし、これは一例であり、限定されるべきでない。
【0085】
詳細な説明は省略するが、このような電子機器100では、機器専用のアプリケーションまたは任意のアプリケーションが実行され、たとえば、ディスプレイ104にアイコンまたは/およびボタンが表示される。ユーザは、アイコンまたは/およびボタンをタッチ操作することにより、アプリケーションの処理を進行等させる。また、アプリケーションの実行画面もディスプレイ104に表示される。さらに、図示しないスピーカからアプリケーションの実行に伴う音(音楽)が出力される。ただし、音は出力されないこともある。
【0086】
また、図示は省略するが、電子機器100には、ハードウェアの操作入力装置を接続するとともに、この操作入力装置を用いて操作することもできる。
図5(A)および
図5(B)では、操作入力装置を接続する接続端子(コネクタ)等も省略してある。ただし、上記のハードウェアキーを用いることもできる。
【0087】
図5(B)に示すように、電子機器100の筐体102の背面には、下端部中央に、第2凹部102aが設けられる。第2凹部102aは、筐体102の内部に向けて凹むとともに、筐体102の下面側において開放される。
【0088】
第2凹部102aの横幅(電子機器100の長手方向における幅)は、凸部1200の横幅(台座型機器10の長手方向における幅)よりも若干大きく設定される。この第2凹部102aの横幅と凸部1200の横幅との差(絶対値)は、第1突起142aの底面の直径とこの第1突起142aが嵌る第3凹部102c(
図7(A)−
図7(C)参照)の開口の直径との差(絶対値)よりも大きく設定される。ただし、第3凹部102cの開口部分は、この第3凹部102cの形状である円錐台の底面に相当する。また、第3凹部102cの開口の直径は、第1突起142aの底面の直径よりも大きい。
【0089】
また、第2凹部102aのうち、下面側において開放される部分の幅を凸部1200よりも大きく設定し、開放される部分以外の幅を凸部1200の幅と同じに設定するようにしてもよい。このようにすれば、凸部1200を第2凹部102aに導入し易い。
【0090】
第2凹部102aの縦幅(電子機器100の短手方向の長さ)は、凸部1200が第2凹部102aに嵌った状態で、電子機器100の下面が載置部120aの上面と接触する
長さに設定される。
【0091】
また、筐体102の下面には、中央に、孔102bが形成される。孔102bの形成される位置であり、筐体102の内部に、接続プラグ140を接続可能なコネクタ106(
図7(A)−
図7(C)参照)が設けられる。詳細な説明および図示は省略するが、コネクタ106は、電子機器100の内部に設けられ、各種のプロセッサおよびメモリなどの電子部品を実装する基板に実装され、プロセッサ等と電気的に接続される。なお、電子機器100の機能または/および用途に応じて、実装される電子部品は異なる。
【0092】
また、孔102bを挟むように、2つの第3凹部102cが設けられる。2つの第3凹部102cの各々は、カバー142の上面に形成された第1突起142aの形状と同じまたはほぼ同じ形状の凹部(穴)である(
図7(A)−
図7(C)参照)。つまり、第2凹
部102aが設けられる背面に直交(厳密に90度である必要はない。)する下面に、2つの第3凹部102cが設けられる。したがって、電子機器100が台座型機器10の載置部120aの正しい位置に載せられた場合に、第1突起142aが第3凹部102cに嵌る。
【0093】
このように、2つの第1突起142aおよび2つの第3凹部102cをそれぞれ設けるのは、後述するように、電子機器100を台座型機器10の載置部120aに載せる場合に、接続プラグ140とコネクタ106が一直線上に並ぶように位置決めするだけでなく、電子機器100が水平方向に回動したとしても、接続プラグ140の先端面とコネクタ106の先端面を正対させるためである。したがって、第1突起142aは2つ設けられていれば良く、接続プラグ140を挟むように配置される必要はない。また、この第1実施例では、2つの第1突起142aおよび接続プラグ140を一直線上(一列)に並べて配置してあるが、これに限定される必要はない。たとえば、接続プラグ140は、2つの第1突起142aを通る直線を避けて配置するようにしてもよい。ただし、いずれの場合にも、接続プラグ140がコネクタ106に挿し込まれるように、接続プラグ140の配置とコネクタ106の配置を合わせるとともに、2つの第1突起142aの配置と2つの第3凹部102cの配置を合わせる必要がある。
【0094】
図6は電子機器100を台座型機器10に載せる場合に電子機器100を移動させる方向を説明するための図解図である。
図7(A)は電子機器100を台座型機器10に載せる場合に、電子機器100の下面がカバー142に接触する直前の状態の一部断面を示す断面図である。
図7(B)は電子機器100を台座型機器10に載せる場合に、電子機器100の下面がカバー142に接触した状態の一部断面を示す断面図である。
図7(C)は電子機器100を台座型機器10に載せる場合に、電子機器100の下面がカバー142を押し下げた状態の一部断面を示す断面図である。
【0095】
たとえば、電子機器100を充電する場合には、電子機器100を台座型機器10の載置部120aに載置するために、
図6に示すように、電子機器100は第1台座部材120に向けて移動される。
図6では、電子機器100の移動方向(挿し込み方向)が矢印で示され、たとえば、下向きである。ただし、移動方向は、電子機器100を載置部120aに載せる方向と言うこともできる。電子機器100がさらに移動されると、電子機器100の筐体102の下端部に設けられた第2凹部102aに、台座型機器10の背面支持部120bの下端部に設けた凸部1200が嵌る。つまり、台座型機器10に対して電子機器100を載置するべき位置が決定される。したがって、第2凹部102aおよび凸部1200は、それぞれ、台座型機器10に対する電子機器100の位置を決定するための位置決め部材と言うことができる。
【0096】
第2凹部102aに凸部1200が嵌り始めるとき、
図7(A)に示すように、電子機
器100の下面に形成された孔102bが接続プラグ140に対向するとともに、2つの第3凹部102cの各々が2つの第1突起142aの各々に対向する。
【0097】
図7(A)に示す状態から電子機器100をさらに下方に移動させると、
図7(B)に示すように、2つの第1突起142aの各々が対向する孔102bに嵌り、電子機器100の下面がカバー142の上面に接触する。
【0098】
図7(B)に示す状態から電子機器100をさらに下方に移動させると、
図7(C)に示すように、電子機器100によってカバー142が押し下げられる。2つの第1突起142aは、カバー142と連動して下方に移動される。つまり、第2凹部102aに凸部1200が嵌った状態で、傾斜面を有する第3凹部102cに、傾斜面を有する第1突起142aが嵌まることにより、カバー142は移動可能な範囲内で水平方向に移動され、第1突起142aと第3凹部102cのずれが吸収(補正)される。
【0099】
したがって、電子機器100のコネクタ106と台座型機器10の接続プラグ140が位置決めされ、電子機器100とともにカバー142が押し下げられ、コネクタ106と接続プラグ140は接続される。ただし、カバー142が押し下げられることにより、これに連動して、接続プラグ140は次第に露出される。また、第3凹部102cおよび第1突起142aは、それぞれ、接続プラグ140に対するコネクタ106の位置決め部材と言うことができる。
【0100】
このように、電子機器100は、筐体102に設けられる第2凹部102aと台座型機器10の背面支持部120bに設けられる凸部1200によって台座型機器10に対して載置されるべき位置を決定され、続いて、電子機器100の下面に設けられた2つの第3凹部102cとカバー142の上面に設けられた2つの第1突起142aによって接続プラグ140に対するコネクタ106の位置が決定される。つまり、第2凹部102aと凸部1200とで接続プラグ140に対するコネクタ106の位置が大まかに決定され、続いて、第3凹部102cと第1突起142aとで接続プラグ140に対するコネクタ106の位置が細かく(正確に)決定されるのである。このように、精度の低い位置決めに続いて精度の高い位置決めを行うので、接続プラグ140に対するコネクタ106の位置が簡単で正確に決定される。
【0101】
このため、
図7(C)からも分かるように、第2凹部102aに凸部1200が嵌るように、電子機器100が台座型機器10の載置部120aの正しい位置に載せられた場合には、接続プラグ140はコネクタ106の奥まで挿し込まれる。つまり、接続プラグ140とコネクタ106が嵌合(接合)される。したがって、接続プラグ140およびコネクタ106の有効嵌合長が比較的短くても、台座型機器10と電子機器100が電気的に確実に接続される。
【0102】
台座型機器10と電子機器100が電気的に接続されると、電子機器100に内蔵されるバッテリの充電が開始される。ただし、バッテリ残量が100%である場合には、充電は実行されない、または充電は終了される。このように、台座型機器10と電子機器100が電気的に接続可能に構成される。したがって、台座型機器10と電子機器100とによって、充電システムが形成される。
【0103】
なお、
図7(A)−
図7(C)では、孔102bの中心と接続プラグ140の中心が一直線上に並び、第3凹部102cの中心と第1突起142aの中心が一直線上に並ぶ場合について示してあるが、凸部1200の幅よりも、第2凹部102aの幅の方が若干大きくされるため、孔102bの中心と接続プラグ140の中心が若干ずれるとともに、第3凹部102cの中心と第1突起142aの中心が若干ずれることもある。かかる場合にも
、水平方向の移動可能な範囲内で、カバー142の移動に従って接続プラグ140が水平方向に移動し、傾斜面を有する第3凹部102cに、傾斜面を有する第1突起142aが嵌まる。したがって、凸部1200が第2凹部102aに嵌る場合には、第1突起142aは第3凹部102cに嵌り、接続プラグ140とコネクタ106が接合される。
【0104】
図示は省略するが、第2凹部102aと凸部1200の位置がずれており、第2凹部102aに凸部1200が嵌らない場合には、電子機器100が台座型機器10の載置部120aの正しい位置に載せられないため、電子機器100の下面はカバー142に接触しない。また、電子機器100の下面がカバー142に接触したとしても、カバー142はほとんど押し下げられない。これは、
図1、
図2(A)、
図2(B)および
図6からも分かるように、凸部1200は第1突起142a(カバー142)よりも上方に配置されるためである。
【0105】
このように、電子機器100の下面がカバー142に接触しない場合には、接続プラグ140は、その先端部を除いて、カバー142に覆われたままの状態である。つまり、カバー142で接続プラグ140は保護される。ただし、電子機器100の下面がカバー142に接触し、カバー142が少し押し下げられた場合には、電子機器100の下面が接続プラグ140に当たることがある。この場合、接続プラグ140は、第2ばね206で支持されるため、下方に移動する。したがって、接続プラグ140が基板210との接合部で折れてしまうなどの不具合が発生するのを防止することができる。
【0106】
ただし、上述したように、電子機器100が台座型機器10の載置部120aの正しい位置に載せられた場合には、接続プラグ140はコネクタ106に挿入される必要があるため、第2ばね206(押しばね)のばね荷重はコネクタ106の最大挿入力(たとえば、7(N))よりも大きい値に設定される。
【0107】
また、台座型機器10と電子機器100は、接続プラグ140およびコネクタ106によって通信可能に接続されるため、たとえば、電子機器100で描画(再生)された画像または映像を台座型機器10に送信することができる。上述したように、台座型機器10はテレビジョン受像機に接続可能であるため、電子機器100で再生された画像または映像を、台座型機器10を介してテレビジョン受像機に出力することができる。また、電子機器100で再生された音声も台座型機器10に送信することができる。
【0108】
図示は省略するが、台座型機器10は、テレビジョン受像機と、DisplayPort、HDMI(
登録商標)DVIおよびD-SUB等の形式のインターフェイスおよびケーブルを用いて接続される。
【0109】
したがって、電子機器100がゲーム機である場合には、充電しながら、テレビジョン受像機のモニタにゲーム画面を表示し、テレビジョン受像機のスピーカから音声を出力して、ゲームをプレイすることができる。また、電子機器100がタブレットPCである場合には、充電しながら、当該タブレットPCで実行可能なアプリケーションを実行し、その実行画面をテレビジョン受像機のモニタに表示するとともに、必要に応じて、アプリケーションの実行に伴う音をスピーカから出力することができる。説明は省略するが、他の電子機器100についての同様である。
【0110】
また、電子機器100に内蔵されたバッテリの充電を終了したことなどに応じて、電子機器100を台座型機器10から取り外す(離脱させる)場合には、たとえば、ユーザは電子機器100を持ち上げる。このとき、台座型機器10は、テレビ台または机等の所定の場所に載置された状態であり、接続プラグ140がコネクタ106から離脱(抜去)されるためには、電子機器100が持ち上げられてもそれに追従するべきでない。
【0111】
したがって、この第1実施例では、電子機器100が持ち上げられても、台座型機器10が電子機器100に追従せずに、接続プラグ140をコネクタ106から離脱させるようにするために、第1ばね204(
押しばね)のばね荷重の下限が数1に従って決定される。ただし、ばね荷重をF(N)とし、台座型機器10の重量をM(kg)とし、コネクタ106の最大抜去力をf(N)とし、重力加速度をg(m/s2)する。たとえば、最大抜去力fは3(N)であり、重力加速度gは9.8(m/s2)である。また、各物理量はSI単位系で示してある。
【0112】
[数1]
F>f−Mg
ただし、ばね荷重F(N)を大きくし過ぎると、第1ばね204の復元力により、電子機器100を持ち上げてしまい、接続プラグ140とコネクタ106の嵌合状態(接合状態)が解除されてしまうことがある。このような不都合を回避するために、第1ばね204のばね荷重F(N)の上限が数2に従って決定される。ただし、電子機器100の重量をm(kg)としてある。
【0113】
[数2]
F<mg+f
このように、数1および数2に従って決定される上限および下限の範囲内で、ばね荷重F(N)が設定される。このため、電子機器100が台座型機器10の載置部120aに載せられた場合には、接続プラグ140とコネクタ106の嵌合状態が維持され、電子機器100を台座型機器10から取り外す(持ち上げる)場合には、台座型機器10を押さえることなく、接続プラグ140をコネクタ106から確実に離脱させることができる。
【0114】
この第1実施例によれば、電子機器は、背面に設けられる第2凹部と台座型機器の背面支持部に設けられる凸部によって台座型機器に対する位置を決定され、下面に設けられた2つの第3凹部とカバーの上面に設けられた2つの第1突起によって接続プラグに対するコネクタの位置が決定されるので、接続プラグとコネクタの接合部が見えなくても、第2凹部に凸部が嵌るように電子機器の位置をずらせば、台座型機器の台座部の正しい位置に電子機器を載せることができる。つまり、接続プラグとコネクタの接合部が見えなくても、接続プラグをコネクタに確実に挿入することができる。
【0115】
また、この第1実施例によれば、電子機器が台座型機器の台座部の正しい位置に載せられた場合には、接続プラグはコネクタの奥まで挿し込まれるため、接続プラグおよびコネクタの有効嵌合長が比較的短くても、台座型機器と電子機器が電気的に確実に接続される。
【0116】
さらに、この第1実施例によれば、接続プラグをばねで支持するので、接続プラグは垂直方向に移動可能であり、また、カバーの水平方向の移動に従って水平方向にも移動可能である。したがって、接続プラグは、コネクタが接続プラグの先端に当たった場合に、下方に移動し、また、コネクタに接続する場合に、カバーの水平方向の移動に追従するので、電子機器を台座型機器の台座部に載せる場合に、衝突によるダメージを出来る限り低減することができるとともに、電子機器の動きに追従することができる。
【0117】
さらにまた、この第1実施例によれば、カバーをばねで支持するので、電子機器が台座型機器の台座部に載せられる場合に、電子機器の位置に応じてカバーを水平方向に移動させることができる。また、カバーを支持するばねのばね荷重を適切な値に設定することにより、電子機器を台座型機器の台座部に載せている場合には、接続プラグとコネクタの嵌合状態を解除させることが無く、電子機器を台座型機器から持ち上げるときに、台座型機
器が追従せずに、接続プラグをコネクタから離脱することができる。
【0118】
なお、第1実施例では、凸部を台座型機器の背面支持部の下端部の中央に設け、第2凹部を電子機器の背面の下端部の中央に設けたが、接続プラグをコネクタに挿し込むことができるのであれば、これらの位置は中央以外の位置に設けられてもよい。また、凸部と第2凹部の個数は、それぞれ2つ以上であってもよい。さらに、凸部を電子機器側に設けて、第2凹部を台座型機器側に設けるようにしてもよい。ただし、電子機器と背面支持部との間の隙間が無いまたはほとんど無い場合には、第2凹部を背面支持部の下端から上端まで形成する必要がある。
【0119】
<第2実施例>
第2実施例の台座型機器10は、電子機器100を正面と背面を逆にしても載置できるようにした以外は、第1実施例の台座型機器10と同じであるため、重複した説明は省略する、または、簡単に説明することにする。また、図面では、第1実施例と同じものには、同じ参照符号を付してある。
【0120】
第1実施例で示した接続プラグ140は、表と裏のどちらでも使用可能である。つまり、接続プラグ140の表と裏を気にせずにコネクタ106に挿し込むことができる。上述したように、第2実施例では、台座型機器10は、電子機器100を正面と背面を逆にしても載置できるようにするため、第1実施例で示した電子機器100の背面に設けられる第2凹部102aを無くすとともに、第1実施例で示した台座型機器10に設けられる凸部1200を無くす。この変更に伴い、第1実施例のカバー142の一部の形状およびその取付構造200が変更される。
【0121】
図8は第2実施例における台座型機器10の断面を正面から見た断面図である。
図9は第2実施例におけるカバー342の取付構造300の正面を斜め上方から見た斜視図である。
【0122】
図8および
図9に示すように、取付構造300は、第4台座部材302を含む。第4台座部材302は、2つの支持部302aおよび2つの第4取付部302bによって構成される。支持部302aの断面を正面から見ると、凹部に形成された部分を有し、凹部の底に第4取付部302bが設けられる。
【0123】
支持部302aは、凹部の一方の上端部において、凹部の外方に突出し、第5台座部材308の上方向の移動を規制する係止部を有している。また、支持部302aは、凹部の他方の上端部において、凹部の外方であり、水平方向に延びる板状部を有している。
【0124】
図示は省略するが、第4取付部302bは、内部に螺旋状の溝が形成されたねじ孔を有する。ただし、第4取付部302bが設けられる位置では、支持部302aも貫通されており、第4取付部302bのねじ孔は第4台座部材302の下面まで通じている。また、載置部120aでは、第4取付部302bが設けられる位置に対応する位置の底が貫通される。したがって、第4台座部材302は、載置部120aの下面からねじで固定される。
【0125】
また、第4取付部302bには、第3ばね304の一方端が取り付けられる。第3ばね304の他方端は、第1ロック部材310の下面に設けられる第5取付部310bに取り付けられる。つまり、第1ロック部材310は、第3ばね304によって下方から支持され、上下方向に変位可能である。
【0126】
ただし、第5台座部材308は、第1実施例で示した第3台座部材208から両端の支
持部を取り除いたものに相当する。したがって、第2実施例では、第5台座部材308は、2つの支持部302aで挟持される。また、第2実施例では、第1実施例と同様に、基板210は第5台座部材308に取り付けられ、さらに、基板210の上面に接続プラグ140が実装される。
【0127】
また、第2実施例では、第5台座部材308の下面に第6取付部308aが形成され、第4ばね306の一方端が取り付けられる。第4ばね306の他方端は、載置部120aの内部の底面に形成された第4凹部1222に嵌められる(保持される)。したがって、第5台座部材308は、第4ばね306によって、少なくとも上下方向に移動可能に支持される。ただし、第4ばね306は伸縮するのみならず、曲げることも可能であるため、第5台座部材308は、水平方向にも移動可能である。したがって、基板210および接続プラグ140も、上下方向および水平方向に移動可能である。
【0128】
また、第1ロック部材310の上面であり、第5取付部310bの上方には、四角柱形状の押下げ部310aが設けられる。この押下げ部310aは、カバー342の上面に形成された第3突起342aと接続プラグ140を通す第4孔342bとの間であり、第3突起342aに隣接して設けられる第5孔342cの内部に配置される。また、この押下げ部310aは、電子機器100が載置部120aに載置される前において、第3突起342aと同じまたは第3突起342aより低い高さに設定される。
【0129】
さらに、第1ロック部材310には、断面がL字状に形成された係止部310cが設けられる。係止部310cは、カバー342側に突出し、突出した部分において、カバー342に係止(当接)する上端面とは反対側の下端面がカバー342側の側面に向かうに従って上昇するように傾斜される。つまり、係止部310cの下面(側面)には、傾斜面が形成される。
【0130】
載置部120aの天井と支持部302aの板状部の間には、第2ロック部材312および第5ばね314が設けられる。第2ロック部材312は、棒状に形成される。この第2実施例では、第2ロック部材312の一方端部は、カバー342の左(または右)の下端部に形成された切欠き342dの部分に嵌り、カバー342の下方への移動を規制する。つまり、カバー342がロックされる。また、第2ロック部材312の他方端部は、一方端部よりも細く形成され、第5ばね314の一方端が取り付けられる。第5ばね314の他方端は、載置部120aの天井から下方に延びる壁1206に当接する。したがって、第2ロック部材312は、その長手方向(左右方向)に移動可能に設けられる。
【0131】
また、カバー342には、その側面の下端部であり、切欠き342dが設けられない部分において、水平方向であり、かつカバー342の外方に突出する第4突起342eが設けられる。この第4突起342eは、載置部120aの上面の裏側の面(天井)に係止し、カバー342の上方への移動を規制するために設けられる。
【0132】
図10(A)は電子機器100を台座型機器10に載せる場合に、電子機器100の下面が第1ロック部材310の押下げ部310aに接触した状態の一部断面を示す断面図である。
図10(B)は電子機器100を台座型機器10に載せる場合に、電子機器100の下面がカバー342に接触した状態の一部断面を示す断面図である。
図10(C)は電子機器100を台座型機器10に載せる場合に、電子機器100の下面がカバー342を押し下げた状態の一部断面を示す断面図である。
【0133】
第2実施例においても、
図6に示したように、電子機器100が移動方向に移動され、台座型機器10に対する電子機器100の位置が正しい場合に、
図10(A)に示すように、電子機器100の下面が第1ロック部材310の押下げ部310aの上面に接触(当
接)する。このとき、
図10(A)に示すように、電子機器100の下面に形成された孔102bが接続プラグ140に対向するとともに、2つの第3凹部102cの各々がカバー342の上面に形成された2つの第3突起342aの各々に対向する。
【0134】
図10(A)に示す状態から電子機器100をさらに下方に移動させると、
図10(B)に示すように、第1ロック部材310は下方に押下げられる。すると、第1ロック部材310の斜面によって、第2ロック部材312が台座型機器10の中央から離れるように左または右の端部に向けて移動される。このため、カバー342のロックが解除される。したがって、2つの第3突起342aの各々が対向する孔102bに嵌り、電子機器100の下面がカバー342の上面に接触する。第2実施例においては、ロックが解除されると、2つの第3突起342aの各々が対向する孔102bに嵌る。
【0135】
図10(B)に示す状態から電子機器100をさらに下方に移動させると、
図10(C)に示すように、電子機器100によってカバー342が押し下げられる。第1実施例と同様に、2つの第3突起342aは、カバー342と連動して下方に移動される。つまり、第3凹部102cに第3突起342aが嵌まることにより、電子機器100のコネクタ106と台座型機器10の接続プラグ140が位置決めされ、電子機器100とともにカバー342が押し下げられる。したがって、接続プラグ140はコネクタ106と接合される。ただし、第2実施例においても、第1実施例と同様に、カバー342が押し下げられることにより、これに連動して、接続プラグ140は次第に露出される。
【0136】
このように、第2実施例においては、電子機器100は、ロックを解除可能な位置に合わせることによって台座型機器10に対する位置を決定され、下面に設けられた2つの第3凹部102cとカバー342の上面に設けられた2つの第3突起342aによって接続プラグ140に対するコネクタ106の位置が決定される。このため、
図10(C)からも分かるように、電子機器100が台座型機器10の載置部120aの正しい位置に載せられた場合には、接続プラグ140はコネクタ106の奥まで挿し込まれる。
【0137】
図示は省略するが、ロックを解除可能な位置からずれている場合には、電子機器100が台座型機器10の載置部120aの正しい位置に載せられないため、電子機器100の下面はカバー342および第1ロック部材310の押下げ部310aに接触しない。または、電子機器100の下面が第1ロック部材310に接触したとしても、第1ロック部材310はほとんど押し下げられない。
【0138】
このような場合には、カバー342のロックが解除されないため、第1実施例と同様に、接続プラグ140は、その先端部を除いて、カバー342に覆われたままの状態である。ただし、カバー342のロックが解除され、カバー342が少し押下げられた場合には、電子機器100の下面が接続プラグ140に当たることがある。この場合、接続プラグ140は、第4ばね306で支持されるため、下方に移動する。したがって、接続プラグ140が基板210との接合部で折れてしまうなどの不具合が発生するのを防止することができる。
【0139】
また、詳細な説明は省略するが、第2実施例においても、第1実施例と同様に、第3ばね304のばね荷重Fは数1および数2に従って適切に設定される。また、第4ばね306(押しばね)のばね荷重も、第1実施例と同様に、コネクタ106の最大挿入力(たとえば、7(N))よりも大きい値に設定される。
【0140】
さらに、第2実施例では、電子機器100を台座型機器10から取り外す(持ち上げる)場合に、電子機器100の上方への移動に従って第1ロック部材310およびカバー342も上方へ移動される。
図10(A)〜
図10(C)に示すように、第2ロック部材3
12では、第1ロック部材310側の端部において、下端面が第1ロック部材310側の側面に向かうに従って上昇するように傾斜される。つまり、第2ロック部材312の下面(側面)には、傾斜面が形成される。したがって、第1ロック部材310が上昇するとき、係止部310cの上端部は第2ロック部材312の傾斜面に沿って移動するため、係止部310cは第2ロック部材312に引っ掛かることはない。このため、電子機器100を台座型機器10から取り外すと、第1ロック部材310および第2ロック部材312は、カバー342とともに元の位置に戻る。
【0141】
第2実施例によれば、カバーをロックするためのロック機構を取付構造に設けるので、第1実施例で示した凸部1200および第2凹部102aを設けなくても、このロック機構によって、凸部1200および第2凹部102aによって台座型機器10に対する電子機器100の位置決めを行う場合と同様の効果を得ることができる。したがって、第2実施例においても、第1実施例と同様の効果を有する。
【0142】
なお、第2実施例では、電子機器100の正面と背面を逆にしても、電子機器100を台座型機器10の載置部120aに載置できるようにするため、背面支持部120bに凸部1200を設けず、電子機器100の背面に第2凹部102aを設けないようにしたが、第1実施例と同様に、凸部1200と第2凹部102aを設けて、電子機器100を一方向に向けた状態でのみ台座型機器10に載置できるようにしてもよい。この場合には、凸部1200と第2凹部102aとによって、ロックを解除可能な位置に電子機器の位置を容易に導くことができると考えられる。
【0143】
また、上述の各実施例では、電子機器の正面の大きさが台座型機器の背面支持部の正面の大きさとほぼ同じである場合について説明したが、これに限定される必要はない。たとえば、電子機器の正面の大きさは、台座型機器の背面支持部の正面の大きさより小さくてもよい。また、上述の実施例の台座型機器では、正面から見た場合に、第1台座部材の左右の側面および上面は開放されるため、電子機器の正面の大きさは、背面支持部の正面の大きさより大きくてもよい。ただし、いずれの場合にも、電子機器は、台座型機器の背面支持部に設けた凸部が嵌る第2凹部を有するとともに、台座型機器のカバーに設けた突起が嵌る第3凹部とその間にコネクタが配置される孔を、第2凹部が設けられる面と隣接し、当該面に直交する面または実質的に直交する面を有する必要がある。したがって、実施例の台座型機器では、同じ種類でディスプレイ(本体)の大きさが異なる電子機器を充電するとともに、データ通信することができる。また、第2凹部および第3凹部の位置によっては、電子機器は、上記の実施例のような横置きでは無く、縦置きにすることもできる。
【0144】
さらに、上述の各実施例では、カバーおよび接続プラグの各々を弾性体の一例であるばねを用いて支持するようにしたが、カバーおよび接続プラグの少なくとも一方を、ゴムを用いて支持するようにしてもよい。
【0145】
さらにまた、上述の各実施例では、電子機器の正面(前面)すなわち電子機器のディスプレイを視認可能にするとともに、電子機器を前面から支持するために、前面支持部材の突出部以外は、カバーの上面(突起を除く)と同程度の高さに設定される。したがって、接続プラグとコネクタの接合部を見ながら電子機器を台座型機器の台座部に載置することも可能である。ただし、これは一例であり、
図11に示すように、前面支持部材は、その上端が背面支持部(収容部材)の上面と同じ高さまたはほぼ同じ高さになるように矩形の平板状に形成されてもよい。または、前面支持部材の前面に、台座型機器を正面から見た場合の平面形状を有する平板状のカバーを装着可能にしてもよい。
【0146】
このようにした場合には、接続プラグとコネクタの接合部を見ることができない、また
は、見るのが非常に困難である。しかし、第1実施例においては、台座型機器の背面支持部の凸部が電子機器の背面の第2凹部に嵌れば、台座型機器のカバーの2つの第3突起が電子機器の下面の2つの第3凹部に嵌まり、接続プラグをコネクタに挿し込むことができる。また、第2実施例においては、ロックを解除可能な位置に電子機器の位置を合わせば、台座型機器のカバーの2つの第3突起が電子機器の下面の2つの第3凹部に嵌まりながら、カバーのロックが解除され、接続プラグをコネクタに挿し込むことができる。つまり、接合部が見えなくても、台座型機器に対して電子機器を位置決めして、簡単に接続プラグをコネクタに挿し込むことができる。また、台座型機器に対して電子機器を位置決めする前においては、接続プラグはカバーで保護されるとともに、垂直方向に移動可能であるため、接続プラグが基板との接合部で折れてしまうなどの不具合が生じることもない。