(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6805247
(24)【登録日】2020年12月7日
(45)【発行日】2020年12月23日
(54)【発明の名称】成形機および操作盤
(51)【国際特許分類】
B29C 45/76 20060101AFI20201214BHJP
B22D 17/32 20060101ALI20201214BHJP
【FI】
B29C45/76
B22D17/32 Z
【請求項の数】4
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2018-520945(P2018-520945)
(86)(22)【出願日】2017年5月31日
(86)【国際出願番号】JP2017020193
(87)【国際公開番号】WO2017209163
(87)【国際公開日】20171207
【審査請求日】2019年3月28日
(31)【優先権主張番号】特願2016-109127(P2016-109127)
(32)【優先日】2016年5月31日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000222587
【氏名又は名称】東洋機械金属株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002608
【氏名又は名称】特許業務法人オーパス国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】樽家 宏治
(72)【発明者】
【氏名】林 由祐
【審査官】
河口 展明
(56)【参考文献】
【文献】
特開2008−272872(JP,A)
【文献】
特開2010−061108(JP,A)
【文献】
特開2004−100819(JP,A)
【文献】
特開平06−008299(JP,A)
【文献】
特開平07−232363(JP,A)
【文献】
特開2003−231030(JP,A)
【文献】
実開平02−106316(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B29C 45/00−45/24
B29C 45/46−45/63
B29C 45/70−45/72
B29C 45/74−45/84
B22D 15/00−17/32
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
概略直方体形状の機台上に型開閉機構と射出機構を備え、前記機台上の成形機の正面側の概略中央部分に開閉可能な扉を備え、前記型開閉機構に隣接して前記機台の正面側に表示パネルから成る表示部と操作部が一体となった操作盤が配置された成形機であって、
前記操作盤は、垂直方向に短辺を配置し、水平方向に長辺を配置した概略直方形状であり、一方の長辺側の枢軸部の周りで立設姿勢を保ちながら水平方向に回転可能に配置され、
前記操作盤は全体的には概略薄箱形状を呈しており、該概略薄箱形状は、隣接した前箱部と後箱部とから成っており、
前記前箱部と前記後箱部の水平方向の寸法は実質的に同一寸法であり、該前箱部と後箱部の垂直方向の寸法は前箱部の寸法が後箱部の寸法よりも大きく、上部では揃えられ、下部では前箱部が後箱部よりも伸び出した状態で隣接することにより、前記操作盤の下端部に段部が形成され、
前記前箱部の前面の下端部に操作スイッチとしての複数の動作選択ハードスイッチが設けられ、
前記後箱部の下端が、前記複数の動作選択ハードスイッチより下方に配置され、
前記操作盤は、前記前箱部の裏面における前記前箱部の下端と前記後箱部の下端との間の箇所に片手の親指以外の4本の指が収まり、当該箇所に片手の親指以外の4本の指をかけた状態で当該片手の親指で前記複数の動作選択ハードスイッチを操作可能なように構成されていることを特徴とする成形機。
【請求項2】
前記操作盤の下端部に段部を形成することにより、操作盤を下方から親指と他の4本の指によって挟んで操作することを容易にしたことを特徴とする請求項1記載の成形機。
【請求項3】
前記操作盤の前記表示パネルは、前記一方の長辺の枢軸部側と短辺の上端部側に寄せて配置され、夫々の反対側には長辺側枠体部及び短辺側枠体部が設けられ、前記長辺側枠体部には、複数の装置動作表示部、複数のモード選択ボタン及び選択動作指示ボタンが設けられ、前記短辺側枠体部には、ページ表示ライト及び複数の動作選択ハードスイッチが設けられたことを特徴とする請求項2記載の成形機。
【請求項4】
成形機に用いられる操作盤であって、
正面視で縦長の長方形状を有し、高さ方向および幅方向の寸法より奥行き方向の寸法が小さい薄箱形状の前箱部と、高さ方向の寸法が実質的に前記前箱部より小さくかつ幅方向の寸法が実質的に前記前箱部と同一寸法で前記前箱部の後側に隣接された薄箱形状の後箱部とを有しており、
前記前箱部と前記後箱部は、上部では揃えられかつ下部では前記前箱部が前記後箱部よりも下方に伸び出した状態で隣接することにより下端部に段部が形成され、
前記前箱部の前面の下端部に操作スイッチとしての複数の動作選択ハードスイッチが設けられ、
前記後箱部の下端が、前記複数の動作選択ハードスイッチより下方に配置され、
前記操作盤は、前記前箱部の裏面における前記前箱部の下端と前記後箱部の下端との間の箇所に片手の親指以外の4本の指が収まり、当該箇所に片手の親指以外の4本の指をかけた状態で当該片手の親指で前記複数の動作選択ハードスイッチを操作可能なように構成されていることを特徴とする操作盤。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、大型の操作盤を備えた射出成形機やダイカストマシンなどの成形機に係り、特に、大型の表示パネルに表示されるソフトスイッチと操作盤に設けられたハードスイッチとの協働により操作性の良い操作盤を備えた射出成形機やダイカストマシンなどの成形機および操作盤を提供するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の射出成形機やダイカストマシンなどの成形機において、成形機の動作を制御し、成形機の動作を表示する操作盤を設けることは知られている。近年の成形機は、全ての動作がコンピュータにより制御されており、その操作盤の使い勝手は重要な問題となっている。
【0003】
特許文献1(特開2002−154135号公報)には、表示部と操作部とが一体となった表示・操作ユニットをマシンの正面中央に立設させて、表示・操作ユニットの使い勝手を向上させると共に、射出メカニズム系の射出ユニットを手前側に旋回させるときに、表示・操作ユニットを待避位置へ回動させることを可能とし、さらに、表示・操作ユニットのマシンへの取り付け構造を簡易なものとし、多数の機種にわたって表示・操作ユニットの取り付けを共通化できるようにすることを課題として、ベース盤部材の上面手前側における型開閉メカニズム系の右隣に、表示部と操作部とが一体となった略薄箱状の表示・操作ユニットを、この表示・操作ユニットが立設姿勢を保ちながら水平方向に回転可能であるように配置する成形機が開示されている。
【0004】
また、特許文献2(特開2001−191381号公報)には、設定表示器の高さや水平角度を調整でき、操作性の向上を図るようにした射出成形機が開示されている。
特許文献2では、固定盤に固定した操作ボックスの側面に、レールに沿って垂直方向に移動するスライダを有する直線案内機構が取り付けられ、スライダには、設定表示器を水平面内で旋回するように支持する旋回支持部を設けた保持部材が固定されている。設定表示器の保持部材に対する旋回支持部には、設定表示器を複数の旋回角度位置で停止させるロック機構が設けられている。作業者は、設定表示器ボックスに設けた取手を掴んで設定表示器を上下動させ、または水平旋回させて、設定表示部が自分の見やすい高さと角度になるように調整し、または、保守点検の邪魔にならない位置へ設定表示器を移動させる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2002−154135号公報
【特許文献2】特開2001−191381号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1に開示された成形機は、表示部と操作部とが一体となった表示・操作ユニットをマシンの略正面中央に立設させているので、表示・操作ユニットの使い勝手を向上させることができるものであるが、より操作性を向上させる必要がある。
【0007】
また、特許文献2に開示された射出成形機は、射出成形機に固定された操作ボックスの側面に、位置の調整が可能な設定表示装置を設けることにより、作業者は、設定表示器を自分の身長に合った高さ位置と見やすい向きに調整することができるものであるが、これにおいても操作性をより向上させる必要がある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の成形機は、概略直方体形状の機台上に型開閉機構と射出機構を備え、前記機台上の成形機の正面側の概略中央部分に開閉可能な扉を備え、前記型開閉機構に隣接して前記機台の正面側に表示パネルから成る表示部と操作部が一体となった操作盤が配置された成形機であって、
前記操作盤は、垂直方向に短辺を配置し、水平方向に長辺を配置した概略直方形状であり、一方の長辺側の枢軸部の周りで立設姿勢を保ちながら水平方向に回転可能に配置され、
前記操作盤は全体的には概略薄箱形状を呈しており、該概略薄箱形状は、隣接した前箱部と後箱部とから成っており、
前記前箱部と前記後箱部の水平方向の寸法は実質的に同一寸法であり、該前箱部と後箱部の垂直方向の寸法は前箱部の寸法が後箱部の寸法よりも大きく、上部では揃えられ、下部では前箱部が後箱部よりも伸び出した状態で隣接することにより、前記操作盤の下端部に段部が形成され、
前記前箱部の前面の下端部に操作スイッチとしての複数の動作選択ハードスイッチが設けられ、
前記後箱部の下端が、前記複数の動作選択ハードスイッチより下方に配置され
、
前記操作盤は、前記前箱部の裏面における前記前箱部の下端と前記後箱部の下端との間の箇所に片手の親指以外の4本の指が収まり、当該箇所に片手の親指以外の4本の指をかけた状態で当該片手の親指で前記複数の動作選択ハードスイッチを操作可能なように構成されていることを特徴とする。
【0009】
さらに、本発明の成形機は、前記操作盤の下端部に段部を形成することにより、操作盤を下方から親指と他の4本の指によって挟んで操作することを容易にしたことを特徴とする。
【0010】
さらに、本発明の成形機は、前記操作盤の前記表示パネルは、前記一方の長辺の枢軸部側と短辺の上端部側に寄せて配置され、夫々の反対側には長辺側枠体部及び短辺側枠体部が設けられ、前記長辺側枠体部には、複数の装置動作表示部、複数のモード選択ボタン及び選択動作指示ボタンが設けられ、前記短辺側枠体部には、ページ表示ライト及び複数の動作選択ハードスイッチが設けられたことを特徴とする。
【0011】
本発明の操作盤は、成形機に用いられる操作盤であって、
正面視で縦長の長方形状を有し、高さ方向および幅方向の寸法より奥行き方向の寸法が小さい薄箱形状の前箱部と、高さ方向の寸法が実質的に前記前箱部より小さくかつ幅方向の寸法が実質的に前記前箱部と同一寸法で前記前箱部の後側に隣接された薄箱形状の後箱部とを有しており、
前記前箱部と前記後箱部は、上部では揃えられかつ下部では前記前箱部が前記後箱部よりも下方に伸び出した状態で隣接することにより下端部に段部が形成され、
前記前箱部の前面の下端部に操作スイッチとしての複数の動作選択ハードスイッチが設けられ、
前記後箱部の下端が、前記複数の動作選択ハードスイッチより下方に配置され
、
前記操作盤は、前記前箱部の裏面における前記前箱部の下端と前記後箱部の下端との間の箇所に片手の親指以外の4本の指が収まり、当該箇所に片手の親指以外の4本の指をかけた状態で当該片手の親指で前記複数の動作選択ハードスイッチを操作可能なように構成されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明の成形機は、前箱部と後箱部の水平方向の寸法は実質的に同一寸法とし、前箱部と後箱部の垂直方向の寸法は前箱部の寸法が後箱部の寸法よりも大きく、上部では揃えられ、下部では前箱部が後箱部よりも伸び出した状態で隣接させることにより、操作盤の下端部に段部を形成して、操作盤を下方から親指と他の4本の指によって挟んで操作することを容易にして、操作盤の操作性を向上させたものである。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】本発明の一実施例である射出成形機の正面図である。
【
図2】本発明の一実施例である射出成形機の鳥瞰斜視図である。
【
図3】本発明の一実施例である射出成形機に取付ける操作盤の全体斜視図である。
【
図5】
図3に示した操作盤の回動状態を実線と点線で示した動作説明図である。
【
図6】
図3に示した操作盤の内部の基盤等の配置関係を示した説明図である。
【
図7】
図3に示した操作盤の下端部を親指と他の4本の指の間に挟んでスイッチを操作する状態を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明を実施するための最良の形態の実施例として図面を参照して説明する。
【0015】
本発明の成形機100は、概略直方体形状の機台10上に型開閉機構20と射出機構を備え、前記機台10上の成形機100の正面側(
図1の前面側)の概略中央部分に開閉可能な扉21を備え、前記型開閉機構20に隣接して前記機台10の正面側に表示パネル60から成る表示部と操作部が一体となった操作盤50が配置された成形機100であって、
前記操作盤50は、垂直方向(
図1の上下方向)に対向するように短辺を配置し、水平方向(
図1の左右方向)に対向するように長辺を配置した概略直方形状であり、一方の長辺側(
図3の左側)の枢軸部75の周りで立設姿勢を保ちながら水平方向に回転可能に配置され、
前記操作盤50は全体的には概略薄箱形状を呈しており、該概略薄箱形状は、隣接した前箱部51と後箱部52とから成っており、
前記前箱部51と前記後箱部52の水平方向(幅方向)の寸法は実質的に同一寸法であり、該前箱部51と後箱部52の垂直方向(高さ方向)の寸法は前箱部51の寸法が後箱部52の寸法よりも大きく、上部では揃えられ、下部では前箱部51が後箱部52よりも伸び出した状態で隣接することにより、前記操作盤50の下端部に段部53を形成したことを特徴とする。ここでは、前箱部51と後箱部52の水平方向の寸法は実質的に同一寸法であるとしているが、これは
図5にも示すように全く同一寸法で構成する必要はなく、段部を設けて積極的に寸法を相違させるものではないとした意味である。
【0016】
さらに、本発明の成形機100は、前記操作盤50の下端部(
図3の下側)に段部53を形成することにより、操作盤を下方から親指と他の4本の指によって挟んで操作することを容易にしたことを特徴とする。
【0017】
さらに、本発明の成形機100は、前記操作盤50の前記表示パネル60は、前記一方の長辺の枢軸部側と短辺の上端部側に寄せて配置され、夫々の反対側には長辺側枠体部61及び短辺側枠体部62が設けられ、前記長辺側枠体部61には、複数の装置動作表示部63a,63b、複数のモード選択ボタン64a〜64e及び選択動作指示ボタン66が設けられ、前記短辺側枠体部62には、ページ表示ライト67及び複数の動作選択ハードスイッチ68(68a,68b〜68i,68j)が設けられたことを特徴とする。
【0018】
図1は、本発明の実施例である射出成形機の正面図であり、
図2は、その鳥瞰斜視図である。
図3乃至
図7は、本発明の実施例である射出成形機に取付けられた操作盤の詳細を示す図である。
【0019】
以下、本発明の実施例としての成形機100としては、射出成形機を例として説明するがダイカストマシンにおいても同様である。本発明の実施例としての射出成形機100は、プラスチックなどを金型(図示せず)内に射出して成形加工するものであり、この射出成形機100の機台10上には、型開閉機構20及び射出ユニット30が設けられている。型開閉機構20は、相互に開閉される固定金型(図示せず)と可動金型(図示せず)を備えており、従来のトグル機構(図示せず)などの型開閉手段によって、固定金型に対し可動金型を進退させ、型閉じ(型締め)及び型開き動作を行う。
図1においては、機台10、型開閉機構20及び射出ユニット30はカバーによって覆われており、内部機構の詳細構成は描かれていないが、これらは射出成形機では周知の構成であり、本発明の本質的な特徴部分でもないので図示していない。
【0020】
射出成形機100において製品を成形する場合には、射出ユニット30によって、固定金型及び可動金型の型締め時に形成されるキャビティ内に、ホッパ40から投入される粒状の樹脂ペレットを溶融樹脂として供給する。この射出ユニット30には、加熱シリンダ31が配されており、加熱シリンダ31内に図示しない樹脂混練スクリューが設けられている。加熱シリンダ31の先端部には組み付けられた射出ノズル(図示せず)が備えられている。加熱シリンダ31内のスクリューを、モータ(図示せず)などの駆動力を駆動源として、回転させることで溶融樹脂を溶融しながら搬送させ、溶融樹脂を射出ノズルの先端から固定金型及び可動金型により形成されるキャビティに射出する。これらの射出機構においても、射出成形機としては周知の構成であり、本発明の本質的な特徴部分でもないので図示していない。
【0021】
本発明の特徴的部分である操作盤は、その詳細が
図3乃至
図7において符号50で示されており、その操作盤50が射出ノズルの先端の近傍に配置されたものである。
操作盤50は、正面視で縦長の直方形状(概略直方形状を含む)であり、短辺同士が垂直方向に対向しかつ長辺同士が水平方向に対向するように配置されている。
この操作盤50は、射出成形機100の動作条件や動作状況などを表示する大型の表示パネル60を備えている。表示パネル60は、例えば、液晶表示パネルであり、本実施例では縦長に配置されている。縦長配置の表示パネル60の他方の長辺側(
図3の右側、図示では右辺側)及び下端の短辺側(図示では下辺側)の各枠体部(長辺側枠体部61,短辺側枠体部62)には、操作者による操作を行うための後述する表示部及び操作キー群(複数の操作スイッチ)が設けられている。
【0022】
縦長配置の表示パネル60の他方側の長辺側枠体部61には、LEDの点滅表示による複数の装置動作表示部63(図示は2個で、モータ駆動表示LED63a及びヒータ稼働表示LED63b)及び操作スイッチとしての複数のモード選択ボタン64(図示は5個で、上から射出成形機のオフモード選択ボタン64a,金型交換モード選択ボタン64b,手動モード選択ボタン64c,半自動モード選択ボタン64d,全自動モード選択ボタン64e)が設けられている。さらに、表示パネル60の他方側の長辺側枠体部61の下端位置には、操作スイッチとしての選択動作指示ボタン66が設けられている。この選択動作指示ボタン66は、複数のモード選択ボタン64(64a〜64e)により選択された射出成形機の動作モードによって、表示パネル60内に表示される個別の動作スイッチ(ソフトスイッチ)との協働により射出成形機の動作が選択実行される。
【0023】
縦長配置の表示パネル60の下側の短辺側枠体部62には、ページ表示ライト67(LED)及び操作スイッチとしての複数の動作選択ハードスイッチ68a,b;68c,d;68e,f;68g,h;68i,j(図示は2個一対の5対で、左から型開・型閉スイッチ68a,b,エジェクト後退・前進スイッチ68c,d,射出・可塑化スイッチ68e,f,ノズルタッチ・バックスイッチ68g,h,型厚後退・前進スイッチ68i,j)が設けられている。これらの動作選択ハードスイッチ68a,b〜68i,jは、表示パネル60の下端部に表示されるソフトスイッチ(図示なし)と対応して、どのような動作を指示するものかが決められるものであり、上記の種類の動作に限られるものではない。
【0024】
ページ表示ライト67は、表示パネル60が表示状態にある場合には、LEDを点灯させておくことにより表示パネル60のバックライトが消えても表示状態であることを操作者に知らしめるものである。また、複数の動作選択ハードスイッチ(68a,b〜68i,j)は、表示パネル60の下端部に表示される複数のソフトスイッチ(図示せず)に対応したものである。
【0025】
この表示パネル60に表示されるソフトスイッチの表示・配置及び動作選択ハードスイッチとの関係、及び動作については本願発明の解決課題ではないので詳細な説明はしない。
【0026】
操作盤50は、射出成形機100に対して操作盤50を支持する支持ブラケット70により、水平方向に少なくとも90°回動自在(
図5)に支持されている。操作盤50の支持ブラケット70は、操作盤50を上下から挟み込むように支持する支持ステム71を備えており、支持ステム71は、操作盤50を上方から支える上部支持杆72、及び下方で支える下部支持部材73により回転自在に支持している。支持ステム71は、取付け部材74を介して射出成形機100のフレームに取付けられている。
【0027】
操作盤50の側面形状及び内部基板配置構造を
図6に示す。操作盤50は、前箱部51と後箱部52とから構成されている。この前箱部51と後箱部52とはプレス加工により一体的に構成しても良いし、夫々を別体で形成して接合しても良い。その際は、溶接による接合若しくは機械的接合でも良い。
【0028】
操作盤50は、前面にカバーガラス54を設け、その下面にタッチパネル55を配置し、さらにその下面に液晶表示ユニット56を設け、適宜の図表、ソフトスイッチ等を適宜位置に表示している。図表、ソフトスイッチ等を表示する液晶表示ユニット56に隣接して、表示を制御するPCボード57、及び表示された入力手段としてのソフトスイッチからの入力信号、及び操作盤50の長辺側枠体部61及び短辺側枠体部62に設けられたハードスイッチからの入力信号等を取り込むインターフェースボード58を配置している。前箱部51の液晶表示ユニット56の下方には、選択動作指示ボタン66、複数の動作選択ハードスイッチ68a,b〜68i,jに対応したスイッチボード59が配置されている。
【0029】
操作盤50を構成する前箱部51と後箱部52は、前箱部51が後箱部52よりも垂直方向に長く構成されており、それによって、操作盤50の下端部側に段部53が形成される。これが本願発明の特徴的事項である。
【0030】
前述したとおり、本発明の成形機100は、操作盤50の表示パネル60は、枢軸部がある一方の長辺側と上端部側に寄せて配置され、夫々の反対側には長辺側枠体部61及び短辺側枠体部62が設けられ、長辺側枠体部61には、複数の装置動作表示部63a,63b、複数のモード選択ボタン64a〜64e及び選択動作指示ボタン66が設けられ、短辺側枠体部62には、ページ表示ライト67及び複数の動作選択ハードスイッチ68a,68b〜68i,68jが設けられている。
【0031】
その際の操作盤50の前箱部51には、カバーガラス54、タッチパネル55、液晶表示ユニット56及びスイッチボード59が配置されている。また、後箱部52には、PCボード57、インターフェースボード58が配置されており、前箱部51の垂直方向の寸法が後箱部の垂直方向の寸法よりも大きく構成されており、操作盤50の下端部に段部53が形成される。
【0032】
つまり、前箱部51及び後箱部52から構成される操作盤50は、前箱部51と後箱部52の水平方向の寸法は実質的に同一寸法であり、前箱部51と後箱部52の垂直方向の寸法は前箱部51の寸法が後箱部52の寸法よりも大きく、上部では揃えられ、下部では前箱部51が後箱部52よりも伸び出した状態で隣接することにより、操作盤50の下端部に段部53を形成している。
【0033】
本発明においては、このように操作盤50の下端部に段部53を形成することにより、
図7に示すように、親指81と他の4本の指82(図面の簡略化のために全ての指は表示していない)により、操作盤50の下方から挟み込んで操作盤50を操作する。それにより、操作盤50の下方に設けた短辺側枠体部62に配置されたページ表示ライト67、動作選択ハードスイッチ68a,68b〜68i,68j、及び操作盤50の側方に設けた長辺側枠体部61の下端部に配置された選択動作指示ボタン66を操作盤50の下方から親指81によって押して操作することが容易である。
【0034】
操作盤50の前面から親指81で押し、その力Fを他の4本の指82で段部53によって受けることにより、継続して動作選択ハードスイッチ68a,68b〜68i,68jを押すことも容易であり、操作盤50の下端部を親指81と他の4本の指82で挟んで開閉動作をすることも容易である。親指81以外の他の4本の指82は、第1、第2関節を折り曲げて段部53の後方から親指81の力Fを受ける。
【0035】
動作選択ハードスイッチ68a,68b〜68i,68j等を操作盤50の前面から他の4本の指82(例えば人差し指)で操作することも可能であるが、その際は操作盤の後方から操作力を押さえる指が存在しないために、操作盤50の枢軸部75の回動抵抗力で押さえる必要があり、その力を腕で押し続ける必要がある。そのため、下端部を指で挟むように操作することにより、より容易に操作することができる。
【0036】
上記に本発明の実施例を説明したが、本発明はこれらの例に限定されるものではない。前述の実施例に対して、当業者が適宜、構成要素の追加、削除、設計変更を行ったものや、実施形態の特徴を適宜組み合わせたものも、本発明の要旨を備えている限り、本発明の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0037】
100・・・成形機(射出成形機)
10・・・機台
20・・・型開閉機構
21・・・開閉扉
30・・・射出ユニット
31・・・加熱シリンダ
40・・・ホッパ
50・・・操作盤
51・・・前箱部
52・・・後箱部
53・・・段部
54・・・カバーガラス
55・・・タッチパネル
56・・・液晶表示ユニット
57・・・PCボード
58・・・インターフェースボード
59・・・スイッチボード
60・・・表示パネル
61・・・長辺側枠体部
62・・・短辺側枠体部
63・・・装置動作表示部
64・・・モード選択ボタン
66・・・選択動作指示ボタン
67・・・ページ表示ライト
68a,68b〜68i,68j・・・動作選択ハードスイッチ
75・・・長辺側の枢軸部
F・・・・操作力