(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6805310
(24)【登録日】2020年12月7日
(45)【発行日】2020年12月23日
(54)【発明の名称】三脚台
(51)【国際特許分類】
G03B 17/56 20060101AFI20201214BHJP
F16M 11/24 20060101ALI20201214BHJP
【FI】
G03B17/56 B
F16M11/24 B
【請求項の数】10
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2019-172741(P2019-172741)
(22)【出願日】2019年9月24日
(65)【公開番号】特開2020-204758(P2020-204758A)
(43)【公開日】2020年12月24日
【審査請求日】2019年9月24日
(31)【優先権主張番号】201910526938.X
(32)【優先日】2019年6月18日
(33)【優先権主張国】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】519344811
【氏名又は名称】深▲せん▼市馬小路科技有限公司
【氏名又は名称原語表記】Shenzhen Maxiaolu Technology Co.,Ltd.
(74)【代理人】
【識別番号】110002262
【氏名又は名称】TRY国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】陸 ▲うぇい▼
【審査官】
三宅 克馬
(56)【参考文献】
【文献】
中国特許出願公開第101691902(CN,A)
【文献】
特表2009−509180(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03B 17/56
F16M 11/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
三脚台であって、
前記三脚台は、中心軸、取付台および支持足を備え、
前記中心軸は、前記取付台を貫通して前記取付台に可動的に接続され、前記中心軸は、前記取付台に対して摺動可能であり、前記支持足は、前記取付台に可動的に接続され、前記支持足は、前記取付台に対して回動することで展開または収納可能であり、前記中心軸には、収納溝が設けられ、前記支持足を収納するときには、前記支持足を回動させることで前記支持足を前記収納溝内に収容することを特徴とする三脚台。
【請求項2】
前記取付台は、締め付け輪を更に備え、前記取付台には、取付溝が更に設けられ、前記締め付け輪は、前記取付溝内に収容され、前記中心軸は、前記締め付け輪を貫通し、前記締め付け輪は、前記中心軸の外側に嵌合されていることを特徴とする請求項1に記載の三脚台。
【請求項3】
前記取付台には、前記取付溝に連通する位置制限孔が更に設けられ、前記中心軸は、前記位置制限孔と前記取付溝とを順次貫通することで前記取付台を貫通し、前記位置制限孔は、前記中心軸の回動を規制することを特徴とする請求項2に記載の三脚台。
【請求項4】
前記取付台には、前記取付溝に連通する位置決め孔が更に設けられ、前記取付台は、位置制限柱を更に備え、前記位置制限柱は、前記位置決め孔内に部分的に収容され、
前記位置制限柱を回転させることで前記位置制限柱を前記取付溝内まで延在させ、その際前記位置制限柱が前記締め付け輪を押圧することにより、前記締め付け輪が前記中心軸を締め付けて前記中心軸をロックさせることを特徴とする請求項2に記載の三脚台。
【請求項5】
前記取付台は、取付柱とねじり部とを更に備え、前記取付柱は、前記位置決め孔内に固定取付され、前記位置制限柱は、前記取付柱を貫通して前記取付柱にネジ接続され、前記位置制限柱は、前記締め付け輪の一端から離間して前記ねじり部に固定接続されていることを特徴とする請求項4に記載の三脚台。
【請求項6】
前記取付台は、位置制限板を更に備え、前記位置制限板は、前記取付台に固定取付され、前記中心軸は、前記位置制限板を貫通することを特徴とする請求項1に記載の三脚台。
【請求項7】
前記中心軸は、接続台を更に備え、前記接続台の一端には、位置決め柱が設けられ、前記位置決め柱は、前記中心軸内に収容されて前記中心軸に固定接続され、前記接続台には、ネジと取付穴とが更に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の三脚台。
【請求項8】
前記中心軸は、フックと位置決め台とを更に備え、前記位置決め台は、前記中心軸内に部分的に収容されて前記中心軸に固定接続され、前記フックの一端は、前記位置決め台に可動的に接続されていることを特徴とする請求項1に記載の三脚台。
【請求項9】
前記中心軸は、位置決めブロックと接続柱とを更に備え、前記位置決めブロックは、前記位置決め台にネジ接続され、前記位置決めブロックには、位置制限溝が設けられ、前記接続柱は、前記位置制限溝内に収容されて前記位置制限溝に係合され、前記接続柱は、前記位置決め台の一端から離間して前記フックに固定接続されていることを特徴とする請求項8に記載の三脚台。
【請求項10】
前記支持足は、締め付け部材を更に備え、前記締め付け部材は、前記支持足を貫通した後で前記取付台内まで延在し、前記締め付け部材は、前記取付台に固定接続されていることを特徴とする請求項1に記載の三脚台。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、撮影機材分野に関し、特に三脚台に関する。
【背景技術】
【0002】
中心軸を有する従来の三脚台は、以下の幾つかの欠点を有する。第1に、中心軸が三脚台の取付台を貫通するため、取付台は、十分な強度が保証されるように、相対的に大きく設計されていることが一般的である。これは、中心軸を有する三脚台の体積の増大に繋がり、収納及び持ち運びが不便になる。第2に、三脚台の支持足が収納される際に中心軸に当接するため、支持足が収納された後でも非常に大きな空間を占める。これは、更に、中心軸を有する三脚台の体積の増大に繋がり、収納及び持ち運びが不便になる。第3に、中心軸に設けられるフックが回転不可能であるため、異なる方向の懸架使用の需要を満たすことができない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上記問題を解決すべく、本発明は、異形中心軸を有する三脚台を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は、以下の解決手段によって実現される。
【0005】
本発明は、三脚台を提供する。前記三脚台は、中心軸、取付台および支持足を備え、前記中心軸は、前記取付台を貫通して前記取付台に可動的に接続され、前記中心軸は、前記取付台に対して摺動可能であり、前記支持足は、前記取付台に可動的に接続され、前記支持足は、前記取付台に対して回動することで展開または収納可能であり、前記中心軸には、収納溝が設けられ、前記支持足を収納するときには、前記支持足を回動させることで前記支持足を前記収納溝内に収容する。
【0006】
更に、前記取付台は、締め付け輪を更に備え、前記取付台には、取付溝が更に設けられ、前記締め付け輪は、前記取付溝内に収容され、前記中心軸は、前記締め付け輪を貫通し、前記締め付け輪は、前記中心軸の外側に嵌合されている。
【0007】
更に、前記取付台には、前記取付溝に連通する位置制限孔が更に設けられ、前記中心軸は、前記位置制限孔と前記収納溝とを順次貫通することで前記取付台を貫通し、前記位置制限孔は、前記中心軸の回動を規制する。
【0008】
更に、前記取付台には、前記取付溝に連通する位置決め孔が更に設けられ、前記取付台は、位置制限柱を更に備え、前記位置制限柱は、前記位置決め孔内に部分的に収容され、前記位置制限柱を回転させることで前記位置制限柱を前記取付溝内まで延在させ、その際前記位置制限柱が前記締め付け輪を押圧することにより、前記締め付け輪が前記中心軸を締め付けて前記中心軸をロックさせる。
【0009】
更に、前記取付台は、取付柱とねじり部とを更に備え、前記取付柱は、前記位置決め孔内に固定取付され、前記位置制限柱は、前記取付柱を貫通して前記取付柱にネジ接続され、前記位置制限柱は、前記締め付け輪の一端から離間して前記ねじり部に固定接続されている。
【0010】
更に、前記取付台は、位置制限板を更に備え、前記位置制限板は、前記取付台に固定取付され、前記中心軸は、前記位置制限板を貫通する。
【0011】
更に、前記中心軸は、接続台を更に備え、前記接続台の一端には、位置決め柱が設けられ、前記位置決め柱は、前記中心軸内に収容されて前記中心軸に固定接続され、前記接続台には、ネジと取付穴とが更に設けられている。
【0012】
更に、前記中心軸は、フックと位置決め台とを更に備え、前記位置決め台は、前記中心軸内に部分的に収容されて前記中心軸に固定接続され、前記フックの一端は、前記位置決め台に可動的に接続されている。
【0013】
更に、前記中心軸は、位置決めブロックと接続柱とを更に備え、前記位置決めブロックは、前記位置決め台にネジ接続され、前記位置決めブロックには、位置制限溝が設けられ、前記接続柱は、前記位置制限溝内に収容されて前記位置制限溝に係合され、前記接続柱は、前記位置決め台の一端から離間して前記フックに固定接続されている。
【0014】
更に、前記支持足は、締め付け部材を更に備え、前記締め付け部材は、前記支持足を貫通した後で前記取付台内まで延在し、前記締め付け部材は、前記取付台に固定接続されている。
【発明の効果】
【0015】
本発明は、以下の有利な作用効果を有する。
1.本発明に係る三脚台の支持足が収納時に収納溝内に収容可能であるため、三脚台の体積が大きく減少され、収納および持ち運びが便利になる。
2.本発明に係る三脚台の中心軸が「凸」字型を呈し、中心軸の外形により、取付台の体積が減少され、三脚台の体積が大きく減少され、収納および持ち運びが便利になる。
3.本発明に係る三脚台のフックは、自由に回動可能であり、異なる方向の懸架使用需要を満たすことができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図4】本発明の三脚台の中心軸の局所分解図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明の解決手段をより明瞭で完全に説明するために、以下では、図面を組み合わせて本発明を更に説明する。
【0018】
図1から
図6を参照すると、本発明は、三脚台を提供する。前記三脚台は、中心軸10、取付台20及び支持足30を備える。前記中心軸10は、前記取付台20を貫通して前記取付台20に可動的に接続され、前記中心軸10は、前記取付台20に対して摺動可能であり、前記支持足30は、前記取付台20に可動的に接続され、前記支持足30は、前記取付台20に対して回動することで展開または収納可能であり、前記中心軸10には、収納溝11が設けられ、前記支持足30を収納するときには、前記支持足30を回動させることにより、前記支持足30を前記収納溝11内に収容する。
【0019】
本実施形態では、前記収納溝11が前記中心軸10を貫通し、前記収納溝11の数と前記支持足30の数とが一致する。前記中心軸10は、前記取付台20を貫通して前記取付台20に可動的に接続され、前記中心軸10は、前記取付台20に対して上下に摺動可能であり、実際の使用需要に応じて、前記中心軸10の前記取付台20に対する高さを調整可能である。前記三脚台の収納または持ち運びを必要とするときには、前記支持足30が前記収納溝11内に部分的に収容されるまで、前記支持足30を回動させる。前記支持足30が前記収納溝11内に部分的に収容されたため、前記三脚台の体積が大きく減少され、前記三脚台が収納された後で占める空間が従来の三脚台に対して一層少なくなり、収納および持ち運びが非常に便利になる。前記中心軸10は、「凸」字型を呈し、「凸」字型の前記中心軸10は、前記取付台20を貫通する。前記中心軸10が前記取付台20を占める空間がより少なくなることにより、前記取付台20の体積は、更に減少される。これにより、前記三脚台の体積が減少され、前記三脚台の収納および持ち運びが非常に便利になる。
【0020】
更に、前記取付台20は、締め付け輪21を更に備え、前記取付台20には、取付溝22が更に設けられ、前記締め付け輪21は、前記取付溝22内に収容され、前記中心軸10は、前記締め付け輪21を貫通し、前記締め付け輪21は、前記中心軸10外側に嵌合される。
【0021】
本実施形態では、前記締め付け輪21は、前記取付溝22内に収容され、前記締め付け輪21が前記取付溝22を完全に占める。こうして、前記中心軸10は、前記取付台20に対して上下に摺動するときに、揺れることはない。
【0022】
更に、前記取付台20には、前記取付溝22に連通する位置制限孔23が更に設けられ、前記中心軸10は、前記位置制限孔23と前記収納溝11とを順次貫通することで前記取付台20を貫通し、前記位置制限孔23は、前記中心軸10の回動を規制する。
【0023】
本実施形態では、前記位置制限孔23の形状と前記中心軸10の形状とが一致し、前記中心軸10が前記位置制限孔23と前記収納溝11とを順次貫通することで前記取付台20を貫通し、前記位置制限孔23が前記中心軸10の回動を規制する。
【0024】
更に、前記取付台20には、前記取付溝22に連通する位置決め孔24が更に設けられ、前記取付台20は、位置制限柱25を更に備え、前記位置制限柱25は、前記位置決め孔24内に部分的に収容され、前記位置制限柱25を回転させることで前記位置制限柱25を前記取付溝22内まで延在させ、その際前記位置制限柱25が前記締め付け輪21を押圧することにより、前記締め付け輪21が前記中心軸10を締め付けて前記中心軸10をロックさせる。
【0025】
本実施形態では、前記中心軸10の前記取付台20に対する位置(高さ)を調整する必要があるときに、前記位置制限柱25を回転させることで前記位置制限柱25を前記位置決め孔24内に収容する。その際、前記位置制限柱25が前記締め付け輪21を押圧せず、前記中心軸10が前記取付台20に対して上下に摺動可能であり、前記中心軸10を所定位置まで摺動させた後、前記位置制限柱25を逆方向回転させることで前記位置制限柱25を前記取付溝22内に延在させる。その際、前記位置制限柱25が前記締め付け輪21を押圧することで、前記締め付け輪21が前記中心軸10を締め付けて前記中心軸10をロックさせる。前記中心軸10は、ロックされて前記取付台20に対して上下に摺動できない。
【0026】
更に、前記取付台20は、取付柱26とねじり部27を更に備え、前記取付柱26は、前記位置決め孔24内に固定取付され、前記位置制限柱25は、前記取付柱26を貫通して前記取付柱26にネジ接続され、前記位置制限柱25は、前記締め付け輪21の一端から離間して前記ねじり部27に固定接続される。
【0027】
本実施形態では、前記位置制限柱25は、前記取付柱26を貫通して前記取付柱26にネジ接続される。ネジ接続の採用により、前記位置制限柱25の回転時における抵抗感がより良好になる。前記ねじり部27をねじることにより、前記位置制限柱25の回転を駆動可能であり、使用が非常に便利になる。
【0028】
更に、前記取付台20は、位置制限板28を更に備え、前記位置制限板28は、前記取付台20に固定取付され、前記中心軸10は、前記位置制限板28を貫通する。
【0029】
本実施形態では、前記位置制限板28は、ネジを介して前記取付台20に固定接続され、前記中心軸10は、前記位置制限板28を貫通し、前記位置制限板28は、前記中心軸10の前記取付台20に対する回動を規制し、前記位置制限板28により、前記中心軸10は、前記取付台20に対して上下に摺動するときに揺れることがない。
【0030】
更に、前記中心軸10は、接続台12を更に備え、前記接続台12の一端には、位置決め柱121が設けられ、前記位置決め柱121は、前記中心軸10内に収容されて前記中心軸10に固定接続され、前記接続台12には、ネジ122および取付穴123が更に設けられている。
【0031】
本実施形態では、前記位置決め柱121は、前記接続台12に固定接続され、前記ネジ122は、前記接続台12に固定接続され、前記ネジ122と前記取付穴123は、外部の機器、例えば、雲台、カメラ等を取り付けるために用いられる。
【0032】
更に、前記中心軸10は、フック13と位置決め台14を更に備え、前記位置決め台14は、前記中心軸10内に部分的に収容されて前記中心軸10に固定接続され、前記フック13の一端は、前記位置決め台14に可動的に接続される。
【0033】
本実施形態では、前記フック13の一端は、前記位置決め台14に可動的に接続され、前記フック13は、前記位置決め台14に対して自由回動可能であり、前記フック13は、異なる方向の懸架使用の需要を満たすことができる。
【0034】
更に、前記中心軸10は、位置決めブロック15と接続柱16を更に備え、前記位置決めブロック15は、前記位置決め台14にネジ接続され、前記位置決めブロック15には、位置制限溝151が設けられ、前記接続柱16は、前記位置制限溝151内に収容されて前記位置制限溝151に係合され、前記接続柱16は、前記位置決め台14の一端から離間して前記フック13に固定接続される。
【0035】
本実施形態では、前記位置決めブロック15が前記位置決め台14にネジ接続されたときに、前記位置決め台14が前記位置制限溝151を遮蔽し、前記接続柱16が前記位置制限溝151内に収容されて前記位置制限溝151に係合され、前記接続柱16が前記位置制限溝151内で自由回動可能であり、前記接続柱16が前記位置決め台14の一端から離間して前記フック13に固定接続されることにより、前記フック13が前記位置決め台14に対して自由回動可能である。その際、前記フック13は、前記位置制限溝151内に部分的に収容され、前記フック13は、異なる方向の懸架使用の需要を満たすことができる。
【0036】
更に、前記支持足30は、締め付け部材31を更に備え、前記締め付け部材31は、前記支持足30を貫通した後で前記取付台20内まで延在し、前記締め付け部材31は、前記取付台20に固定接続される。
【0037】
本実施形態では、前記締め付け部材31が前記支持足30に可動的に接続されることにより、前記支持足30と前記取付台20とが可動的な接続を形成し、前記支持足30は、前記取付台20に対して回動することで展開または収納可能である。
【0038】
無論、本発明は、他の複数種の実施形態があり得る。当業者が本実施形態に基づいて如何なる進歩性に値する労働もせずになした他の実施形態は、何れも本発明の保護範囲に含まれる。