(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記第1数理パラメータは、フレーム持続時間、サブフレーム持続時間、送信時間間隔(TTI)持続時間、スロット持続時間、シンボル持続時間およびスロットおよびサブフレーム当たりのシンボル数、サブキャリア間隔、サンプリング周波数、高速フーリエ変換(FFT)サイズ、リソースブロック(RB)当たりのサブキャリア数、帯域幅内のRBの数、およびサイクリックプレフィックス長のうちのひとつ以上を含む請求項21から24のいずれか一項に記載の方法。
前記処理回路(46)はさらに、前記レシーバ(58)の前記適合された少なくともひとつのパラメータを用いて、前記無線デバイス(28)からアップリンク送信を受信するよう構成される請求項26に記載のネットワークノード(44)。
前記第1数理パラメータは、フレーム持続時間、サブフレーム持続時間、送信時間間隔(TTI)持続時間、スロット持続時間、シンボル持続時間およびスロットおよびサブフレーム当たりのシンボル数、サブキャリア間隔、サンプリング周波数、高速フーリエ変換(FFT)サイズ、リソースブロック(RB)当たりのサブキャリア数、帯域幅内のRBの数、およびサイクリックプレフィックス長のうちのひとつ以上を含む請求項26から29のいずれか一項に記載のネットワークノード(44)。
【背景技術】
【0003】
無線通信ネットワークは典型的には、無線通信信号を適切に受信し、復号することができる受信機の能力を保証するために、時間整列に依存する。
図1は、この概念の理解を助けるのに有用な無線デバイス12および基地局14を有する通信システム10のブロック図である。システム10におけるアップリンク(UL)における直交性を維持するために、複数の無線デバイス12a〜12n(以下、無線12)からのUL送信は、進化型ノードB 14(eノードB14)において時間整列される必要がある。
図1に示すように、無線デバイス12はeノードB14から異なる距離に位置しうるので、無線デバイス12は、異なる時刻にそれらのUL送信を開始する必要がある。
【0004】
時間整列
eノードBから遠い無線デバイス12は、eノードB14に近い無線デバイス12よりも早く送信を開始する必要がある。これは、例えば、無線デバイス12が受信したDL信号のタイミングによって与えられる公称時刻の前に無線デバイス12がそのUL送信を開始するように、UL送信のタイミングアドバンスによって処理することができる。この概念はeノードB14までの距離に応じたUL送信のタイミングアドバンスを示す
図2に示されている(下向きの矢印はダウンリンク送信を示し、上向きの矢印はアップリンク送信を示す)。無線デバイス12の送信タイミングは、ネットワークから受信された、または無線デバイス12によって自律的に受信された(メディアアクセスコントロール(MAC)メッセージ内の)タイミングアドバンス(TA)コマンドに基づいて調整されてもよい。タイミング調整は特定の精度要件を満たさなければならず、典型的には所定のサイズのステップで行われる。
【0005】
無線デバイス12の、DL受信タイミングに基づく自律タイミング調整
ULタイミングアドバンスは、無線デバイス12からのUL送信に関する測定に基づいて、その無線デバイス12へのタイミング整列またはタイミングアドバンス(TA)コマンドを介して、eノードB14によって維持される。これは、ネットワーク制御またはeNB 14制御無線デバイス12送信タイミングとも呼ばれる。タイミング整列コマンドによって、無線デバイスは、そのUL送信をより早くまたはより遅く開始するように命令される。
【0006】
同じ無線デバイスによって使用される異なるサービングセルは、異なるタイミングアドバンスを有することができる。同じ無線デバイスに対して(例えば、展開に依存して)同じTA値を共有するサービングセルは、eNBによって、いわゆるTAグループ(TAG)に属するように構成され得る。TAグループの少なくとも1つのサービングセルが時間整列される場合、同じグループに属するすべてのサービングセルは、このTA値を使用することができる。
【0007】
第3世代パートナーシッププロジェクト(3GPP)の現在の要件によれば、無線デバイスは、TSが時間単位である場合、先行するアップリンク送信のタイミングと比較して、シグナリングされたタイミングアドバンス値に対して、±4*TS以内と等しいかそれよりも良い相対精度で、その送信のタイミングを調整しなければならない。タイミングアドバンスコマンドは、16*TSの倍数で表され、現在のアップリンクタイミングに対するものである。
【0008】
UL送信タイミングのタイミングアドバンス(TA)ベースの調整に加えて、eノードB 14送信タイミング、すなわち、サービングセルであるDL基準セルにおけるドリフトに応答して、そのULタイミングを自律的に調整するための所定の要件も無線デバイス12に課される。より具体的には、無線デバイス12がDL基準セル、たとえば、サービングセルのフレーム送信タイミングの変化に追従し、それに対応して、送信ごとに送信タイミングを調整することが必要とされる。無線デバイス12は通常、何らかの種類の基準信号、たとえば、共通基準信号、同期信号などを使用して、サービングセルのダウンリンクタイミングを追跡する。
【0009】
無線デバイス12が有効なタイミングアドバンス調整コマンドを有さない場合に、自律タイミング調整はアップリンク信号を送信するために無線デバイス12によって適用される。無線デバイス12はまた、信号の初期送信、例えば、ランダムアクセス送信のために、自律タイミング調整を適用する。無線デバイス12はまた、DRXにおける信号の最初の送信のために、または、例えば、時間整列タイマ(TAT)が満了してTAコマンドを無効にするような長い非活性の後に、自律タイミング調整を適用する。無線デバイスアップリンクタイミングに対して行われるすべての自律タイミング調整は、いくつかのルールに従う。例えば:
● 1回の調整におけるタイミング変化の大きさの最大量はTq秒である。
● 最小集約調整レートは、毎秒7*Tsである。
● 最大集約調整レートは、200ms当たりTqである。
ここで、Ts=32.55ナノ秒(ns)であり、Tqは、DL基準セルの帯域幅に依存する。Tqの例は、10MHz以上のDL BWに対して3.5Tsである。
【0010】
サービングセルタイミングは、例えば、無線状態の変化、クロックの不完全性、メンテナンス活動、タイミングを変更するためのネットワークによる意図的な試みなどの様々な理由のために変化し得る。加えて、無線デバイス12は、そのタイミングを一定のレートで変更(増減)する必要がある。これは、無線デバイス12がタイミングをあまり速く変更しないことを確実にするためである。この要件は、無線デバイス12がサブフレームからサブフレームへと数マイクロ秒(μs)のオーダでそのタイミングを変更する場合、基地局レシーバが受信信号に対処することができない可能性があるという事実に由来する。この結果、無線デバイス12によって送信される信号の復調が劣化する。
【0011】
数理
ロングタームエボリューション(LTE)について、「数理(numerology)」という用語は、例えば以下の要素すなわちパラメータ:フレーム持続時間、サブフレーム持続時間、送信時間間隔(TTI)持続時間、スロット持続時間、シンボル持続時間およびスロットおよびサブフレーム当たりのシンボル数、サブキャリア間隔、サンプリング周波数、高速フーリエ変換(FFT)サイズ、リソースブロック(RB)当たりのサブキャリア数、前記帯域幅内のRBの数、およびサイクリックプレフィックス長、を含んでもよい。異なる数理は、同じ帯域幅内で異なる数のRBをもたらし得ることに留意されたい。
【0012】
異なる無線アクセス技術における数理要素の正確な値は、典型的には性能目標によって駆動される。一例として、性能要件は、使用可能なサブキャリア間隔サイズに制約を課す。別の例として、最大許容可能位相ノイズおよびスペクトルの低速減衰(フィルタリングの複雑さおよびガードバンドサイズに影響を与える)は所与のキャリア周波数についての最小サブキャリア帯域幅を設定し、必要とされるサイクリックプレフィックスは、所与のキャリア周波数について最大サブキャリア帯域幅を設定する。
【0013】
しかしながら、既存の無線アクセス技術(RAT)においてこれまで使用されてきた数理はむしろ静的であり、典型的には、例えば、RAT、周波数帯域、サービスタイプ(例えば、マルチメディア報知マルチキャストサービス(MBMS))などへの1対1のマッピングによって、無線デバイス12によって自明に導出することができる。
【0014】
直交周波数分割多重(OFDM)ベースであるLTEダウンリンクでは、サブキャリア間隔は通常のサイクリックプレフィックス(CP)については15kHzであり、拡張CPについては15kHzおよび7.5kHz(すなわち、低減されたキャリア間隔)であり、後者はMBMS専用キャリアについてのみ許可される。複数の数理のサポートは新しい無線(NR)について合意されており、複数の数理は、同じまたは異なる無線デバイスについて周波数および/または時間ドメインで多重化され得る。
【0015】
直交周波数分割多重(OFDM)に基づくことになる新しい無線(NR)では、一般的な動作のために複数の数理がサポートされる。NRのサブキャリア間隔候補を導出するために、スケーリング手法(スケーリングファクタ2
nに基づく、n=1、2、...)が考慮される:15kHz、30kHz、60kHzなど。現在、960kHzまでのサブキャリア間隔(ミリ波ベースの技術に対応する議論されているなかでの最高値)がNRについて検討されている。さらに、同じNRキャリア帯域幅内で異なる数理を多重化することがサポートされるべきであり、周波数分割多重化(FDM)および/または時分割多重化(TDM)を考慮することができる。さらに、異なる数理を使用する複数の周波数/時間部分は同期信号を共有すべきであり、同期信号は、信号自体と、その同期信号を送信するために使用される時間−周波数リソースと、を指す。また、非常に高いキャリア周波数では非常に低いサブキャリア間隔は使用されないと仮定されているが、周波数帯域とは無関係に使用される数理を選択することができる。
図3は、各種セルサイズ16および各種周波数18を伴うNRのための例示的なサブキャリア間隔候補構成を示す。
【0016】
NRアーキテクチャ
NR(5Gまたは次世代としても知られている)アーキテクチャは3GPPで議論されており、現在の概念が
図4に示されている。
図4において、eNBはLTE eノードB14を示し、gNBはNR基地局(BS)20を示し(1つのNR BS20が1つ以上の送信/受信ポイントに対応し得る)、ノード間の線は第3世代パートナーシッププロジェクト(3GPP)において議論されている対応するインタフェースを示す。さらに、
図5および
図6は、3GPPで論じられているNR BS20を用いた展開シナリオを示す。
【発明を実施するための形態】
【0033】
本開示は、有利には様々な数理の下での自律タイミング調整を提供する。したがって、本明細書の記載に触れた当業者には自明な詳細で開示を不明瞭にしないよう、本発明の実施の形態の理解に関係する具体的な詳細のみを示しつつ、適宜、図面において通常のシンボルで方法、無線デバイス、ノードおよびシステム部材を表した。
【0034】
本明細書で用いられる場合、「第1」および「第2」や「上」および「底」などの相対的な用語は、エンティティや要素の間のいかなる物理的関係、物理的順序、論理的関係、論理的順序を要求したり暗示したりすることなく、あるエンティティまたは要素を他のエンティティまたは要素から区別するためだけに用いられてもよい。
【0035】
そうでないと定義されない限り、本明細書で用いられる全ての用語(技術用語および専門用語を含む)は、本開示が属する技術分野の当業者によって普通に理解されるような意味と同じ意味を有する。本明細書で用いられる用語は本明細書および関連技術のコンテキストにおける意味と整合する意味を有するものとして解釈されるべきであり、本明細書で明示的にそうであると定義されない限り、理想的なまたは過度に形式的な意味で解釈されるはずもないこともまた理解されるべきである。
【0036】
本明細書で説明される実施の形態では、「と通信する」という結合用語は、例えば、物理的接触、誘導、電磁放射、無線シグナリング、赤外線シグナリング、または光シグナリングによって達成され得る、電気通信またはデータ通信を示すために使用され得る。当業者は、複数の構成要素に互換性があり、電気通信およびデータ通信を達成するための修正および変形が可能であることを理解するであろう。
【0037】
本開示で説明される任意の2つ以上の実施の形態は、任意の方法で互いに組み合わせることができる。説明される実施の形態はNRに限定されず、他のRAT、例えば、LTE、ユニバーサルテレストリアルラジオアクセス(UTRA)、LTE−Advanced、5G、NB−インターネットオブシング(IoT)、Wi−Fi、ブルートゥース、または柔軟な数理を使用可能な任意の新たな無線システムにおいて適合可能である。本明細書で説明する実施の形態は、例えば、汎用シングルキャリアまたはマルチキャリア/キャリアアグリゲーション(CA)/デュアルコネクティビティ/マルチコネクティビティなどの展開に適用することができる。
【0038】
本明細書の無線デバイスは、無線信号を介してネットワークノードまたは別の無線デバイスと通信することができるユーザ機器(UE)などの、任意のタイプの無線デバイスとすることができる。無線デバイスはまた、無線通信デバイス、ターゲットデバイス、デバイスツーデバイス(D2D)無線デバイス、マシンタイプ無線デバイスまたはマシンツーマシン通信(M2M)が可能な無線デバイス、無線デバイスに備えられたセンサ、iPAD、タブレット、モバイル端末、スマートフォン、ラップトップ組み込み装置(LEE)、ラップトップ取り付け装置(LME)、ユニバーサルシリアルバス(USB)ドングル、カスタマプレミス装置(CPE)などであってもよい。
【0039】
本明細書で使用される「ネットワークノード」という用語は、無線ネットワークノードまたは別のネットワークノード、例えば、コアネットワークノード、MSC、MME、O&M、OSS、SON、測位ノード(例えば、E−SMLC)、MDTノードなどを指すことができる。
【0040】
本明細書で使用される「ネットワークノード」または「無線ネットワークノード」という用語は、無線ネットワークに含まれる任意の種類のネットワークノードであってもよく、そのような無線ネットワークはさらに、基地局(BS)、無線基地局、トランシーバ基地局(BTS)、基地局コントローラ(BSC)、無線ネットワークコントローラ(RNC)、gノードB(gNB)、進化型ノードB(eNBまたはeノードB)、ノードB、MSR BSなどのマルチスタンダード無線(MSR)無線ノード、マルチセル/マルチキャスト協調エンティティ(MCE)、リレーノード、ドナーノード制御リレー、無線アクセスポイント(AP)、伝送ポイント、伝送ノード、遠隔無線ユニット(RRU)遠隔無線ヘッド(RRH)、コアネットワークノード(例えば、モバイル管理エンティティ(MME)、自己組織化ネットワーク(SON)ノード、協調ノード、測位ノード、MDTノードなど)、外部ノード(例えば、第三者ノード、現在のネットワークの外部のノード)、分散アンテナシステム(DAS)内のノード、などを含んでもよい。ネットワークノードはまた、試験装置を備えてもよい。本明細書で使用される「無線ノード」という用語は、UEなどの無線デバイスまたは無線ネットワークノードを示すためにも使用され得る。
【0041】
さらに、無線デバイスまたはネットワークノードによって実行されるものとして本明細書で説明される機能は、複数の無線デバイスおよび/またはネットワークノードにわたって分散され得ることに留意されたい。言い換えれば、本明細書で説明されるネットワークノードおよび無線デバイスの機能は単一の物理デバイスによる実行に限定されず、実際、いくつかの物理デバイスの間で分散され得ることが企図される。
【0042】
実施の形態は、単一キャリアに適用可能であると共に、無線デバイスが複数のサービングセルとデータを送受信することができる無線デバイスのマルチキャリアまたはキャリアアグリゲーション(CA)動作に適用可能である。キャリアアグリゲーション(CA)という用語は、「マルチキャリアシステム」、「マルチセル動作」、「マルチキャリア動作」、「マルチキャリア」送信および/または受信とも呼ばれる(例えば、互換的に呼ばれる)。CAでは、コンポーネントキャリア(CC)のうちの1つはプライマリコンポーネントキャリア(PCC)または単にプライマリキャリア、さらにはアンカーキャリアである。残りのキャリアはセカンダリコンポーネントキャリア(SCC)あるいは単にセカンダリキャリア、あるいは補助キャリアとも呼ばれる。サービングセルは、プライマリセル(PCell)またはプライマリサービングセル(PSC)と互換的に呼ばれる。同様に、セカンダリサービングセルは、セカンダリセル(SCell)またはセカンダリサービングセル(SSC)と互換的に呼ばれる。
【0043】
二重接続(DC)動作では、無線デバイスはマスタeNB(MeNB)およびセカンダリeNB(SeNB)と呼ばれる少なくとも2つのノードによって担当されうる。より一般的には、複数接続性(マルチ接続性とも呼ばれる)動作では、無線デバイスは2つ以上のノード、例えば、MeNB、SeNB1、SeNB2など、によって担当されうる。無線デバイスは、MeNBおよびSeNBの両方からのPCCで構成される。MeNBおよびSeNBからのPCellは、それぞれPCellおよびPSCellと呼ばれる。PCellおよびPSCellは、典型的には無線デバイスをそれぞれ独立して動作させる。無線デバイスはまた、MeNBおよびSeNBのそれぞれからの1つまたは複数のSCCで構成される。MeNBおよびSeNBによって担当される対応するセカンダリサービングセルは、SCellと呼ばれる。DC中の無線デバイスは、典型的にはMeNBとの接続およびSeNBとの接続のそれぞれについて別々のTX/RXを有する。これにより、MeNBおよびSeNBは、それぞれのPCellおよびPSCell上で、1つまたは複数の手順、たとえば、無線リンク監視(RLM)、DRXサイクルなど、を用いて、無線デバイスを独立して構成することが可能になる。方法および実施の形態は、CA、DC、およびマルチ接続性(MC)のいずれにも適用可能である。
【0044】
本明細書で使用される「シグナリング」という用語は(例えば、無線リソース制御、RRCなどを介した)上位レイヤシグナリング、(例えば、物理制御チャネルまたは報知チャネルを介した)下位レイヤシグナリング、またはそれらの組合せのいずれかを含むことができる。シグナリングは、暗黙的であっても明示的であってもよい。シグナリングはさらに、ユニキャスト、マルチキャスト、または報知であってもよい。シグナリングはまた、別のノードに直接的に、または第3のノードを介して行われてもよい。
【0045】
本明細書で使用される「時間リソース」という用語は、時間の長さで表される任意のタイプの物理リソースまたは無線リソースに対応してもよい。時間リソースの例は、シンボル、タイムスロット、サブフレーム、無線フレーム、TTI、インタリーブ時間などである。
【0046】
本明細書で使用される「柔軟な数理」という用語は、例えば、サブキャリア間隔、RB当たりのサブキャリアの数、帯域幅内のRBの数などのうちの任意のひとつ以上を指すことができ、これらは、動的または半静的に変化するなど、柔軟な方法で設定可能である。例えば、ひとつのセルは、異なるリソース上で2つの数理を使用することができる。別の例では、ネットワークが異なる数理、例えば、ひとつの同一または異なるキャリア周波数、を使用するセルを含み、セルの数理は、例えば測定を実行する無線デバイスに自明に知られるということはない。
【0047】
本明細書で使用される「無線測定」という用語は、無線信号に対して実行される任意の測定を指すことができる。無線測定は、絶対的であっても相対的であってもよい。無線測定は例えば、周波数内、周波数間、CA等であり得る。無線測定は一方向(例えば、DLまたはUL)または双方向(例えば、往復時間、RTT、Rx−Txなど)であり得る。無線測定のいくつかの例:タイミング測定(例えば、到着時間(TOA)、タイミングアドバンス、往復時間(RTT)、RSTD、SSTD、Rx−Tx、伝搬遅延など)、角度測定(例えば、到着角度)、電力ベースの測定(例えば、受信信号電力、RSRP、受信信号品質、RSRQ、信号対干渉プラスノイズ、SINR、信号対ノイズ比、SNR、チャネル状態情報、CSI、チャネル品質インデクス、CQI、PMI、干渉電力、総干渉プラスノイズ、受信信号強度インジケータ、RSSI、ノイズ電力など)、セル検出または特定、ビーム検出または特定、システム情報読み取り(例えば、管理情報ベース、MIB、および/またはひとつ以上のSIBの取得など)、セルグローバルID(CGI)の取得、RLM。
【0048】
いくつかの実施の形態では、無線デバイスによって適用される送信タイミング調整の量は、少なくとも無線デバイスによって送信されるアップリンク信号の数理に依存し、例えば、その調整は時間単位Tsの倍数に等しく、倍数は数理に依存する。いくつかの実施の形態では、異なる量のタイミング調整は、少なくとも、数理に依存する異なる時間単位を適用することによって達成される。
【0049】
タイミング調整の量の決定方法
本明細書で使用される「タイミング調整の量」という用語は、1つまたは複数のステップでの(例えば、ある時間にわたる)タイミング調整の量を指す。後者において、各ステップにおける調整は、対応する時間にわたるステップの数に依存し得る。
【0050】
いくつかの実施の形態では、タイミング調整は、無線デバイスによって送信されるアップリンク信号の送信時間に対して、無線デバイスによって適用される。タイミング調整は、別のノードから受信された要求に基づく、例えば、ネットワークノードから受信されたTAコマンドを適用することに基づく、調整に基づいて、無線デバイスによって適用されてもよい。
【0051】
同じ時間単位の倍数での可変タイミング調整
タイミング調整を設定することができる1つの方法は、調整が行われる時間単位の数を調整することによるものである。例えば、より大きなタイミング調整が行われる場合、タイミング調整は時間単位のより大きな倍数N1であり、より小さなタイミング調整が行われる場合、タイミング調整は、時間単位のより小さな倍数N2である。タイミング調整の量はN1*デルタTとすることができ、ここで、デルタTは時間単位である。デルタTの例は32.55×10−9秒またはTs(すなわち、32.55ns)である。デルタTの別のより一般化された例は、デルタT=フレーム長(時間単位)/Hであり、ここで、Hは一定値である。別の一般的な例では、デルタTは、フレーム長、サブフレーム長、スロット長などのうちの1つまたは複数の関数とすることができる。
【0052】
より一般的には、タイミング調整の量(Tai)は、キャリア周波数(Ni)、デルタT、およびマージン(αi)のうちの少なくとも1つの数理に関連付けられた少なくとも1つのパラメータの関数とすることができる:
Tai=f(Ni,デルタT,αi) (1)
【0053】
パラメータTaiは、調整ステップ、調整サイズ、最小調整値などとも呼ばれる。一例では、N1は第1数理に関連付けられ、N2は第2数理に関連付けられる。第1数理は15kHzであってもよく、第2数理は60kHz以上であってもよい。この例は、Ni(i>2)へと拡張することができる。特別な場合として、αを無視することができる。
【0054】
特定の例では、数理#1および数理#2のそれぞれについてのTa1およびTa2は、以下の(2)および(3)によって表すことができる:
Ta1=N1*デルタT*α1 (2)
Ta2=N2*デルタT*α2 (3)
【0055】
さらに、N1およびN2は、それぞれ15KHzおよび60KHzのサブキャリア間隔に関連すると仮定する。この場合、一例として、N1およびN2はそれぞれ16および4であり、α1=α2=1である。
【0056】
同じ時間単位をN1およびN2と共に使用することができる。時間単位はすべての数理について同じの固定された所定の値であってもよく、設定可能であってもよく、所定のルールに基づいて決定されてもよく、または参照数理に基づいて決定されてもよい(例えば、複数の数理がDLおよびULにおいて同じ無線デバイスによって使用される場合、および/または複数の数理のうちの1つが参照として選択されてもよい同一または異なるキャリア周波数上)。
【0057】
タイミング調整ステップサイズはミニマムのまたは最小のタイミング調整ステップ、例えば、最小TA調整値、と呼ばれることもある。タイミング調整パラメータは、正または負の値、例えば±Y Tsを有することができる。
【0058】
サブキャリア間隔の機能としてのタイミングアドバンス(TA)ステップサイズの大きさの例を表1に示す。
【表1】
【0059】
さらに別の例では、数理のグループ(例えば、サブキャリア間隔)の機能としてのタイミングアドバンス(TA)ステップサイズも定義することができる。例えば、あるマージン内(例えば、30KHz内)のサブキャリア間隔は、同じTA調整ステップサイズに関連付けられうる。サブキャリアのグループについてのTA調整ステップサイズは、ルールまたは関数に基づいて定義されうる。そのようなルールの一例は、1つの固定された所定の値を定義することである。関数の例は、最小、最大、平均などである。例えば、グループ内のステップサイズは、そのグループ内の各サブキャリアに関連付けられたステップサイズの大きさの最小値に対応してもよい。これは表2に示される。
【表2】
【0060】
Taiの値は、以下のパラメータまたは条件のうちの1つまたは複数にさらに依存してもよい:
● 基準セルのDL信号の帯域幅、例えば、より大きなBW条件に対するより小さな調整ステップ(S1)、およびより小さなBWに対するより大きなステップ(S2)であり、ここで、S2>S1である;
● 無線条件、例えば、静的条件におけるより小さい調整ステップ(S1)、およびマルチパスフェージングの場合におけるより大きいステップ(S2)であり、ここで、S2>S1である。
【0061】
倍数Niの選択
倍数(Ni)は、例えば、以下のうちの1つ以上に基づいて取得可能である:
● 事前に定義されたルールまたは関数;
● テーブルに基づくマッピング、テーブルは、事前に定義されたものであってもよいし、ネットワークノードによって設定されてもよい;
● 別のノード(例えば、サービングBSから受信する無線デバイス、別のネットワークノードから受信するネットワークノード、無線デバイスから受信するネットワークノードなど)から受信されるメッセージまたは指示;
● 参照値に基づいて導出される(例えば、N1は参照番号NrefまたはN2などの別のNiに基づいて導出され、例えば、N1=2*Nref)。
【0062】
ある実施の形態では、倍数Niはマッピングに基づいて選択され、該マッピングは、各数理に対して適用可能な値Niが定義される仕様において定義される。あるいはまた、数理またはTTIまたはサブフレーム長の関数として値Niをどのように計算するかを決定する公式を定義することができ、例えば、Ni=16*TTI−持続時間(15kHzのキャリア間隔ではTTI=1[ms]、30KHzのサブキャリア間隔ではTTI=0.5ms、60KHzではTTI=0.25msなど)である。
【0063】
一例では、無線デバイスおよびネットワークの両方が同じ値/マッピング/関数/ルールなどを適用することができる場合、Niの明示的なシグナリングは必要とされないので、Niを決定するために、所定の値、マッピング、関数、ルールなどを使用することは効率的なシグナリングを可能にし得る。
【0064】
別の例では、決定されたNiまたはNiを決定するために使用されるうるパラメータまたは所定の値/マッピング/関数/ルールは、別のノードにシグナリングされ得る。
【0065】
別の例では、無線デバイスが適用することができる倍数Niは、ネットワークからのシグナリングに基づいて決定される。これにより、ネットワークは、どの倍数Niを適用するかを決定することができる。これは、ネットワークノードのいくつか(例えば、gNB)がTA値の大きな誤差に対処することができ、したがって、倍数Niが大きくなり得るので、有用であり得る。次いで、ネットワークノード(例えば、gNB)が、単一のTAコマンドを使用して、大きなステップでTA値を変更することができるので、これは有益であり得る。これは、各TAコマンドについて、ネットワークノード(例えば、gNB)が無線デバイスのTA値を大きなステップで変更することができるからである。しかしながら、別のネットワークノード(例えば、gNB)の場合(または別のシナリオの場合)、TA値への小さな誤差だけが許容されることになり、したがって、TA値のより細かい制御を可能にするので、小さな倍数Niが適用されるべきである。
【0066】
倍数Niの選択がネットワークからのシグナリングに基づく場合、ネットワークノード(例えば、gNB)は、例えば無線リソース制御(RRC)シグナリングを用いて無線デバイスにこれをシグナリングすることであってもよい。RRC信号はRRC再送によって保護され、したがって、損失のリスクが小さいので、RRC信号を使用することはロバスト性を提供する。しかしながら、RRC信号のオーバヘッドは大きい可能性がある。
【0067】
さらに別の例では、ネットワークノード(例えば、gNB)は、例えばMAC制御要素におけるものなどの、メディアアクセス制御(MAC)シグナリングによって、無線デバイスがどの倍数Niを適用可能かを示す。MACシグナリングは、Niのより動的な調整を可能にするRRCシグナリングよりも迅速であり得る。これは、タイミング調整がいくつかの数理についてより頻繁に実行される必要があるために、数理が迅速におよび/または頻繁に変わる場合に有益であり得る。
【0068】
時間単位持続時間に基づくタイミング調整サイズ
タイミング調整の量を変更する別の方法は、タイミング調整が行われる時間単位サイズを調整することである。したがって、小さな調整が行われるべきである場合、調整量はより小さな時間単位を使用して行われてもよく、一方、大きな調整が必要とされる場合、調整量はより大きな時間単位を使用して行われてもよい。時間単位のサイズは、数理に依存し得る。例えば、より小さい単位はより大きいキャリア間隔に関連付けられてもよく、より大きい単位のサイズはより小さいキャリア間隔に関連付けられてもよい。
【0069】
例えば、より大きな量だけタイミングを調整するために、無線デバイスはN*T1の調整を適用することができ、T1は時間単位であり、一方、無線デバイスがより小さな量だけタイミングを調整する必要がある場合、無線デバイスは、単位T2に基づいてN*T2の調整を適用することができ、T2はT1よりも小さい。
【0070】
より一般的には、タイミング調整の量は以下の関数とすることができる:
f(デルタTi),
ここで、関数fは、他のタイミング調整パラメータにさらに依存し得る。一例では、fはまた、すべての数理に共通であり得る倍数(スケーリング係数)Nに依存し得る。また、この代替例では、タイミング調整が時間単位の倍数であってもよいことを理解されたい。例えば、タイミング調整は16*Tsであってもよく、ここで、Tsは所望のタイミング調整サイズのサイズに依存する可変時間単位である。したがって、このタイミング調整は16*Tsであってもよく、Tsはタイミング調整のサイズを変更するように調整され、一方、代替例として、時間単位Tsはタイミング調整サイズにかかわらず同じである。
【0071】
数理依存パラメータに基づくタイミング調整
この実施の形態では、より一般的に、タイミング調整の量は数理に依存する少なくとも1つのパラメータに依存することができ、例えば、Pが数理依存パラメータである場合、関数f(P)によって記述される。(上記の実施の形態で説明した)倍数またはスケーリング係数Nを使用することは、パラメータPの1つの特定の例であるが、一般に、fはPについて線形にスケーリングしてもよいし、しなくてもよい。
【0072】
さらに別の実施の形態では、タイミング調整の量は、パラメータPと、数理に依存し得る時間単位のサイズと、に依存し得る。例えば、数理iまたは数理のグループiについて:
f(P,デルタTi)
【0073】
数理に依存する可変最大TA値
無線デバイスとgNBとの間の最大距離は、無線デバイスによって適用される最大TA値に依存する。サポートされる最大TA値が小さい場合、無線デバイスとeNBとの間のサポート距離は、サポートされる最大TA値と比較して小さい。
【0074】
ある実施の形態では、無線デバイスが適用する最大TA値は数理に依存する。各TAステップのタイミング調整が小さい場合であっても、無線デバイスとgNBとの間の大きな距離をサポートすることができるようにするために、代わりに、より多くのTAステップが適用されてもよい。例えば、ロングタームエボリューション(LTE)では、TAステップの最大数は2
11である。そして、各TAステップは、無線デバイスからeNBまでの伝播距離のおおよそ75メートルを補償する。上述の実施の形態が適用される場合、各TAステップはより小さくてもよく、したがって、無線デバイスからgNB/eNBまでの最大サポート距離は低減される。しかしながら、この実施の形態では、たとえ数理が各TAステップをより小さくしたとしても、無線デバイスとgNB/eNBとの間の長い距離をサポートすることが可能である。
【0075】
これは、数理に応じて適用可能なTAステップの最大数を変更することによって実現することができる。例えば、TAステップサイズが小さい場合、TAステップの最大数はより短い伝播距離を補償するために増加されてもよく、一方、TAステップサイズが大きい場合、TAステップの最大数は減少されてもよい。
【0076】
数理(および関連するサブキャリア間隔)とTAステップの最大数との間の例示的な関係が、以下の表3に提供される。
【表3】
【0077】
数理に依存する可変TAタイマ処理
無線デバイスによって適用される各TA値について、無線デバイスは、TA値が有効であるか否かを決定するTAタイマ(TAT)を有する。TAタイマが動作している場合、無線デバイスはTA値を有効とみなし、タイマが動作していない場合、無線デバイスはTA値を有効でないとみなす。無線デバイスは、無線デバイスがeNBから更新されたTA値を取得するたびに、TAタイマを再開する。無線デバイスが所定の期間、更新されたTA値を受信しなかった場合、TATは満了し、これはTA値を無効にする。そのような実施の形態では、送信に関連付けられたTA値が有効である場合にのみ、無線デバイスは送信を行うことを許可されてもよい。
【0078】
TA値は、eNBと無線デバイスとの間の伝搬遅延を補償するために使用される。TA値は、無線デバイスのアップリンク送信が「レシーバウインドウ」で受信されることを保証すべきである。TA値が有効であるとみなされるべきか否かは、アップリンク送信がその「レシーバウインドウ」で到着するか否かに依存し、したがって、TA値が無線デバイスおよびeNBからの実際の伝搬距離とマッチするか否かに依存する。無線デバイスとeNBとの間の伝播遅延は、無線デバイスがeNBに近づく/から遠ざかるにつれて変化する。したがって、TATの持続時間(TA値が更新された後にどのくらいの期間有効であるとみなされるべきかを指示する)は無線デバイスの速度に依存し、高速で移動する無線デバイスのTAT値は一般に、低速で移動する無線デバイスのTAT値よりも短くなければならない。
【0079】
ある実施の形態では、TAタイマの持続時間は数理に応じて調整される。大きなサブキャリア間隔を伴う数理の場合、無線デバイスはより短いTAT持続時間を適用し、一方、より小さなサブキャリア間隔を有する場合、無線デバイスはより長いTATを適用することがあり得る。これの利点は、サブキャリア間隔が大きい数理ではTA値の誤差が小さいことがより望ましく、一方、サブキャリア間隔が小さい数理ではTA値の確度に対する要件を緩和することができることである。
【0080】
したがって、いくつかの実施の形態は、数理が小さいサブキャリア間隔を有する場合、無線デバイスがより長い期間にわたってTA値を正当であると見なすことを可能にする。この場合、そのTA値は、大きなサブキャリア間隔を有する数理のために必要とされるほど頻繁に更新される必要はない。
【0081】
この実施の形態は、eNBが第1数理の送信のために使用されるTA値に関連付けられたTAT用に第1持続時間を設定し、第2数理の送信のために使用されるTA値に関連付けられたTAT用に第2持続時間を設定することにより実現可能であり、例えば、大きなサブキャリア間隔を伴う数理用により短い持続時間を、小さなサブキャリア間隔を伴う数理用により長い持続時間を、設定することにより実現可能である。
【0082】
この実施の形態の別の可能な実装は、無線デバイスが数理に依存してTAT持続時間をスケーリングすることである。次いで、gNB/eNBは1つのTAT持続時間を無線デバイスに送信してもよく、無線デバイスは、無線デバイスが異なる数理のために使用する実際のタイミング持続時間を決定する。これは、eNBが異なるTA値に対する異なるTAT持続時間をシグナリングする場合と比較して、シグナリングを節約する。
【0083】
数理(および関連するサブキャリア間隔)とTAT持続時間との間の例示的な関係が、以下の表4に提供される。
【表4】
【0084】
ある実施の形態では、無線デバイスのすべてのTAT、すなわち、各TA値に関連付けられたTAT、に対して、同じ持続時間が適用される。次いで、持続時間は、無線デバイスによって使用されるすべての数理を考慮して決定されてもよい。TAT持続時間は最も厳格な数理(すなわち、最短のTAT持続時間を必要とする数理)を考慮して設定されてもよい。例えば、表3の例示的なマッピングを使用して、無線デバイスがサブキャリア間隔15および45の両方を使用している場合、TAT持続時間はこれらの数理に対する最小TAT持続時間、すなわち、この場合、500/3に設定されてもよい。
【0085】
同様の指示子が同様の要素を指す図面に戻り、
図7には、本開示の原理にしたがう種々の数理の下での自律タイミング調整のための例示的システムが示され、それは総じて「22」で示される。システム22は、1つまたは複数の通信プロトコルを使用して1つまたは複数の通信ネットワークを介して互いに通信する、1つまたは複数のネットワークノード24および1つまたは複数の無線デバイス26a〜26n(無線デバイス26と総称する)を含み、無線デバイス26および/またはネットワークノード26は、本明細書で説明するプロセスを実行するように構成される。
【0086】
図8は、本開示による、例示的な無線デバイス28のブロック図である。無線デバイス28は処理回路30を含む。処理回路30は、メモリ32およびプロセッサ34を含む。従来のプロセッサおよびメモリに加えて、処理回路30は、処理および/または制御のための集積回路、例えば、1つまたは複数のプロセッサおよび/またはプロセッサコアおよび/またはFPGA(フィールドプログラマブルゲートアレイ)および/またはASIC(特定用途向け集積回路)、を備えてもよい。プロセッサ34は、任意の種類の揮発性および/または不揮発性メモリ、例えば、キャッシュおよび/またはバッファメモリおよび/またはRAM(ランダムアクセスメモリ)および/またはROM(読取専用メモリ)および/または光学メモリおよび/またはEPROM(消去可能プログラマブル読取専用メモリ)を含んでもよいメモリ32にアクセスする(例えば、そこに書き込むおよび/またはそこから読み出す)ように構成されてもよい。そのようなメモリ32は、プロセッサ34によって実行可能なコードおよび/または他のデータ、例えば、通信に関するデータ、例えば、ノードの構成および/または宛先データなど、を保持するように構成されてもよい。
【0087】
処理回路30は、本明細書で説明される方法および/またはプロセスのいずれかを制御するように、および/または、そのような方法および/またはプロセスを、例えば、無線デバイス28によって実行させるように構成されてもよい。プロセッサ34は、本明細書で説明される無線デバイス28の機能を実行するための1つまたは複数のプロセッサに対応する。無線デバイス28は、データ、プログラムソフトウエアコード、および/または本明細書で説明される他の情報を保持するように構成されるメモリ32を含む。1つまたは複数の実施の形態では、メモリ32は、プロセッサ34によって実行されると、プロセッサに、無線デバイスによって送信されるアップリンク信号の数理に関連付けられた少なくとも第1数理数学パラメータ、Pn1、を取得させる数理決定コード36を保持するように構成される。メモリ32はさらに、プロセッサ34に、アップリンク信号、Pt1、を送信するために無線デバイス28によって適用されるべきトランジットタイミング調整の量に関連する少なくとも第1タイミング調整パラメータ、Pt1、を決定させるタイミング調整パラメータ決定コード38を含み、Pt1はPn1に関連付けられる。メモリ32はさらに、プロセッサ34に、決定されたPt1を適用することにより、無線デバイス28によって送信されるべきアップリンク信号のアップリンク送信タイミングを調整させるタイミング調整コード40を含む。メモリ32はまた、Pt1およびPn1を保持するように構成される。トランシーバ42は処理回路30と通信し、無線デバイス28から通信信号を送信し、無線デバイス28に送信された通信信号を受信するように構成される。トランシーバ42は、単一のユニットとして示されているが、実装はそのような構成だけに限定されないことを理解されたい。別個の物理的レシーバおよび送信機を使用することができることが想定されている。ある実施の形態では。トランシーバ42は、Pn1を受信するように構成される。
【0088】
代替的な実施の形態では、タイミング調整パラメータ決定コード38は、少なくとも第1数理パラメータに基づいて少なくとも第1タイミング調整パラメータを決定するよう構成される。ある実施の形態では、後述の通り、第1タイミング調整パラメータは無線デバイス28によって自律的に決定される。タイミング調整コード40は、第1タイミング調整パラメータに基づいてアップリンク送信のタイミングを調整するよう構成される。
【0089】
図9は、Pt1およびPn1を保持するように構成されたメモリモジュール33を含む、無線デバイス28の代替的な実施の形態のブロック図である。無線デバイス28はまた、無線デバイスによって送信されるアップリンク信号の数理に関連付けられた少なくとも第1数理パラメータ、Pn1、を取得するように構成された数理決定モジュール37を含んでもよい。無線デバイス28はまた、アップリンク信号、Pt1、を送信するために無線デバイスによって適用されるべきトランジットタイミング調整の量に関連する少なくとも第1タイミング調整パラメータ、Pt1、を決定するよう構成されたタイミング調整決定モジュール39を含み、Pt1はPn1に関連付けられる。無線デバイス28はまた、決定されたPt1を適用することにより、無線デバイスによって送信されるべきアップリンク信号のアップリンク送信タイミングを調整するよう構成されたタイミング調整モジュール41を含む。無線デバイス28はまた、調整された送信タイミングに従ってアップリンク信号を送信するように構成されたトランシーバモジュール43を含む。
【0090】
ある実施の形態では、タイミング調整パラメータ決定モジュール39は、少なくとも第1数理パラメータに基づいて少なくとも第1タイミング調整パラメータを決定するよう構成される。タイミング調整モジュール41は、第1タイミング調整パラメータに基づいてアップリンク送信のタイミングを調整するよう構成される。ある実施の形態では、第1タイミング調整パラメータは無線デバイス28によって自律的に決定される。
【0091】
図10は、無線デバイス28における送信のタイミングを調整する例示的なプロセスのフローチャートである。このプロセスは、処理回路30またはモジュール37、39、41および43によって実行可能であり、無線デバイス28によって送信されたアップリンク信号の数理に関連付けられた少なくとも第1数理パラメータ、Pn1、を取得することを含む(ブロックS100)。このプロセスはまた、アップリンク信号、Pt1、を送信するために無線デバイス28によって適用されるべきトランジットタイミング調整の量に関連する少なくとも第1タイミング調整パラメータ、Pt1、を決定することを含み、Pt1はPn1に関連付けられる(ブロックS102)。このプロセスはまた、決定されたPt1を適用することにより、無線デバイスによって送信されるべきアップリンク信号のアップリンク送信タイミングを調整することを含む(ブロックS104)。
【0092】
図11は、無線デバイス28における送信のタイミングを調整する代替的なプロセスのフローチャートである。このプロセスは、処理回路30またはモジュール37、39、41および43によって実行可能であり、第1数理および第2数理にそれぞれ関連付けられた少なくとも第1タイミング調整パラメータ、Pt11、および第2タイミング調整パラメータ、Pt12、を取得することを含む。プロセスはまた、アップリンク信号を送信するために無線デバイス28によって用いられる数理を決定することを含む(ブロックS108)。このプロセスはまた、アップリンク信号を送信するために無線デバイスによって用いられる決定された数理に基づいて、タイミング調整パラメータ、Pt11またはPt12を選択することを含む(ブロックS110)。このプロセスはまた、無線デバイス28によって送信されるべきアップリンク信号のアップリンク送信タイミングを調整するために、選択されたタイミング調整パラメータを適用することを含む(ブロックS112)。
【0093】
図12は、例示的なネットワークノード44のブロック図である。ネットワークノード44は処理回路46を含む。処理回路46は、メモリ48およびプロセッサ50を含む。従来のプロセッサおよびメモリに加えて、処理回路46は、処理および/または制御のための集積回路、例えば、1つまたは複数のプロセッサおよび/またはプロセッサコアおよび/またはFPGA(フィールドプログラマブルゲートアレイ)および/またはASIC(特定用途向け集積回路)、を備えてもよい。プロセッサ50は、任意の種類の揮発性および/または不揮発性メモリ、例えば、キャッシュおよび/またはバッファメモリおよび/またはRAM(ランダムアクセスメモリ)および/またはROM(読取専用メモリ)および/または光学メモリおよび/またはEPROM(消去可能プログラマブル読取専用メモリ)を含んでもよいメモリ48にアクセスする(例えば、そこに書き込むおよび/またはそこから読み出す)ように構成されてもよい。そのようなメモリ48は、プロセッサ50によって実行可能なコードおよび/または他のデータ、例えば、通信に関するデータ、例えば、ノードの構成および/または宛先データなど、を保持するように構成されてもよい。
【0094】
処理回路46は、本明細書で説明される方法および/またはプロセスのいずれかを制御するように、および/または、そのような方法および/またはプロセスを、例えば、ネットワークノード44によって実行させるように構成されてもよい。プロセッサ50は、本明細書で説明されるネットワークノード44の機能を実行するための1つまたは複数のプロセッサに対応する。ネットワークノード44は、データ、プログラムソフトウエアコード、および/または本明細書で説明される他の情報を保持するように構成されるメモリ48を含む。1つまたは複数の実施の形態では、数理決定コード52は、プロセッサ50によって実行されると、プロセッサに、アップリンク信号を送信するために無線デバイスによって使用される数理を決定させる。タイミング調整パラメータ決定コード54は、プロセッサに、信号を送信するために使用される決定された数理に関連付けられた少なくとも第1タイミング調整パラメータ(Pt1)を取得させる。レシーバパラメータ適合コード56は、決定された少なくとも1つの第1タイミング調整パラメータに基づいて、プロセッサに、ネットワークノードのレシーバの少なくとも1つのパラメータに適合させる。トランシーバ58は、決定されたPt1の値を無線デバイス20に送信するよう構成された送信機を含む。トランシーバ58は処理回路46と通信し、ネットワークノード44から通信信号を送信し、ネットワークノード44に送信された通信信号を受信するように構成される。トランシーバ56は、単一のユニットとして示されているが、実装はそのような構成だけに限定されないことを理解されたい。別個の物理的レシーバおよび送信機を使用することができることが想定されている。
【0095】
ある実施の形態では、タイミング調整パラメータ決定コード54は、プロセッサに、少なくとも第1数理パラメータに基づいて少なくとも第1タイミング調整パラメータを決定させ、第1タイミング調整パラメータは、アップリンク信号を送信するために無線デバイス28によって適用されるべき送信タイミング調整の量に関するものである。レシーバパラメータ適合コード56は、決定された少なくとも1つの第1タイミング調整パラメータに基づいて、プロセッサに、ネットワークノードのレシーバの少なくとも1つのパラメータに適合させる。
【0096】
図13は、メモリモジュール49を含む代替的なネットワークノード44のブロック図である。数理決定モジュール53は、アップリンク信号を送信するために無線デバイスによって使用される数理を決定するように構成される。タイミング調整パラメータ決定モジュール55は、信号を送信するために使用される決定された数理に関連付けられた少なくとも第1タイミング調整パラメータ(Pt1)を取得するよう構成される。レシーバパラメータ適合モジュール57は、決定された少なくとも1つの第1タイミング調整パラメータタイミング調整パラメータに基づいて、プロセッサに、ネットワークノードのレシーバの少なくとも1つのパラメータに適合させる。トランシーバモジュール58は、決定されたPt1の値を無線デバイスに送信するよう構成される。
【0097】
他の実施の形態では、タイミング調整パラメータ決定モジュール55は、少なくとも第1数理パラメータに基づいて少なくとも第1タイミング調整パラメータを決定するよう構成され、第1タイミング調整パラメータは、アップリンク信号を送信するために無線デバイス28によって適用されるべき送信タイミング調整の量に関するものである。レシーバパラメータ適合モジュール57は、決定された少なくともひとつの第1タイミング調整パラメータに基づいて、ネットワークノード44のレシーバの少なくともひとつのパラメータを適合させるよう構成される。
【0098】
図14は、ネットワークノードにおける、無線デバイスのアップリンク送信のタイミングを調整するための例示的なプロセスのフローチャートである。プロセスは、アップリンク信号を送信するために無線デバイスによって用いられる数理を決定すること(ブロックS114)を含む。プロセスはまた、信号を送信するために使用される決定された数理に関連付けられた少なくとも第1タイミング調整パラメータ、Pt1、を取得すること(ブロックS116)を含む。プロセスはまた、決定されたPt1の値を無線デバイスに送信すること(ブロックS118)を含む。
【0099】
図15は、本開示の原理にしたがう、例示的な無線デバイス58のブロック図である。無線デバイス58は、システム22内の1つまたは複数の他の無線デバイス58、ネットワークノード44、および/または他の要素と通信するための1つまたは複数の通信インタフェース60を含む。1つまたは複数の実施の形態では、通信インタフェース60は、1つまたは複数の送信機および/または1つまたは複数のレシーバを含む。無線デバイス58は処理回路62を含む。処理回路62は、メモリ64およびプロセッサ66を含む。従来のプロセッサおよびメモリに加えて、処理回路62は、処理および/または制御のための集積回路、例えば、1つまたは複数のプロセッサおよび/またはプロセッサコアおよび/またはFPGA(フィールドプログラマブルゲートアレイ)および/またはASIC(特定用途向け集積回路)、を備えてもよい。プロセッサ66は、任意の種類の揮発性および/または不揮発性メモリ、例えば、キャッシュおよび/またはバッファメモリおよび/またはRAM(ランダムアクセスメモリ)および/またはROM(読取専用メモリ)および/または光学メモリおよび/またはEPROM(消去可能プログラマブル読取専用メモリ)を含んでもよいメモリ64にアクセスする(例えば、そこに書き込むおよび/またはそこから読み出す)ように構成されてもよい。そのようなメモリ64は、プロセッサ66によって実行可能なコードおよび/または他のデータ、例えば、通信に関するデータ、例えば、ノードの構成および/または宛先データなど、を保持するように構成されてもよい。
【0100】
処理回路62は、本明細書で説明される方法および/またはプロセスのいずれかを制御するように、および/または、そのような方法および/またはプロセスを、例えば、無線デバイス58によって実行させるように構成されてもよい。プロセッサ66は、本明細書で説明される無線デバイス58の機能を実行するための1つまたは複数のプロセッサに対応する。無線デバイス58は、データ、プログラムソフトウエアコード、および/または本明細書で説明される他の情報を保持するように構成されるメモリ64を含む。
【0101】
1つまたは複数の実施の形態では、メモリ64は、自律タイミング調整コード68を保持するように構成される。例えば、自律タイミング調整コード68は、プロセッサ66によって実行されると、プロセッサ66に、
図16および
図17、ならびに本明細書で説明される実施の形態に関して詳細に説明されるプロセスを実行させるインストラクションを含む。
【0102】
図16は、本開示の原理にしたがう、例示的な自律タイミング調整プロセスのフロー図である。処理回路62は、無線デバイス58によって送信されるアップリンク、UL、信号の数理に関連付けられた少なくとも1つの数理パラメータに基づいて、少なくとも1つの自律タイミング調整パラメータを決定する(ブロックS120)。少なくとも1つの数理パラメータは後述される。処理回路62は、少なくとも1つの自律タイミング調整パラメータを使用してUL信号を送信する(ブロックS122)。
【0103】
図17は、本開示の原理にしたがう、他の例示的な自律タイミング調整プロセスのフロー図である。処理回路62は、無線デバイス58によって送信されるアップリンク信号の数理に関連付けられた少なくとも第1数理パラメータ(Pn1)を取得する(ブロックS124)。処理回路62は、アップリンク信号を送信するために無線デバイス58によって適用されるべき自律送信タイミング調整の量に関する自律タイミング調整パラメータ(Pt1)の少なくとも第1の集合を決定または導出する(ブロックS126)。処理回路62は、無線デバイス58によって送信されるべきアップリンク信号のアップリンク送信タイミングを自律的に調整するために、決定されたPt1を適用する(ブロックS128)。処理回路62は、自律的に調整された送信タイミングでUL信号を送信する(ブロックS130)。
【0104】
1つまたは複数の実施の形態では、無線デバイス58は、キャリア上で使用される数理に依存して、アップリンク送信のためのタイミング調整の量を決定する。したがって、無線デバイス58は、第1数理の第1タイミング調整と、第2数理の第2タイミング調整と、を適用することができる。TTI持続時間が短い場合には無線デバイス58がより小さいタイミング調整を適用し、TTI持続時間が長い場合には無線デバイス58がより大きいタイミング調整を適用するようにしてもよい。
【0105】
自律送信タイミング調整を調整するための1つ以上の方法
ここでは、無線デバイス58が数理に基づいて、自律アップリンク送信タイミングメカニズムをどのように調整するかについて説明する。メカニズムの以下の例示的な態様は、数理に基づいて調整することができる:
(1)1つの調整ステップの最大調整量。
(2)タイミング調整ステップの頻度。
(3)最小集約調整レート。
(4)最大集約調整レート。
(5)タイミングエラー限界。
【0106】
最大自律調整ステップサイズ(1)
1つの調整ステップの最大量の大きさは、少なくとも、アップリンク信号を送信するために無線デバイス58によって使用される数理に依存し得る。第1数理の場合、無線デバイス58は第1調整ステップサイズTs1を適用することができ、一方、別の数理の場合、無線デバイス58は第2ステップサイズTs2を適用することができる。例えば、より大きいサブキャリア間隔に対する1つの調整ステップの最大量の大きさは、より小さいサブキャリア間隔に対するものと比較して、より小さいものとなりうる。
【0107】
これは、無線デバイス58が数理に対して大きすぎる/小さすぎるタイミング調整ステップサイズを適用しないことを確実にする。無線デバイス26によって使用されるステップサイズが大きすぎる場合、無線デバイス58からのアップリンク送信がネットワークノード(例えば、gNB)によって正しく復号されない可能性があり、および/または干渉が生成される可能性があるので、無線ネットワークノード(例えば、gNB)におけるレシーバ性能が低下する可能性がある。しかしながら、ステップサイズが小さすぎると、無線デバイス26は正確なアップリンク送信タイミングを保証するために、多くの調整ステップを実行する必要があり得る。無線デバイス58におけるより多くの数の調整は、そのバッテリを消耗させ、そしてまた、より複雑でより頻繁な処理を必要とする。
【0108】
数理を考慮したタイミング調整の頻度(2)
自律送信タイミング調整は、無線デバイス58が送信タイミングを更新する頻度を調整することによって変更されてもよい。例えば、無線デバイス58がアップリンク送信タイミングを調整する頻度を適用することによって、タイミング調整の頻度または周期は、無線デバイス58によって信号が送信されるキャリア周波数の数理に依存し得、例えば、第1数理(または数理のグループ)についてはより頻繁であり、第2数理(または数理のグループ)についてはあまり頻繁ではないことがある。加えて、それはさらにタイミング調整ステップサイズに依存してもよく、タイミング調整ステップサイズは次に、無線デバイス58によって信号が送信されるキャリアの数理に依存する。
最大/最小集約調整レート(3)/(4)
無線デバイス58によって適用される集約調整レートは、無線デバイス58がアップリンク送信タイミングを更新するレートを指示する。これは、ある期間中に無線デバイス58がタイミングをどのくらいの量だけ調整し得るかとして表現され得る。これは、より大きなサブキャリア間隔を伴う数理の場合に無線デバイス58がより大きな調整レートを適用し、より小さなサブキャリア間隔の場合に無線デバイス58がより小さな調整レートを適用するように、数理に依存し得る。より小さい最大調整レートは、無線デバイス58がアップリンク送信タイミングをあまりにも速く変更しないことを保証するのであって、これは、無線ネットワークノード(例えば、gNB)が無線デバイス58のアップリンク送信を追跡することができないという結果になり得るからであり、一方、最小調整レートに対する制限は、無線デバイス58のアップリンク送信タイミングが無線ネットワークノード(例えば、gNB)において非同期にならないことを保証する。無線デバイス58のアップリンク信号がその中で受信される必要がある無線ネットワークノード(例えば、gNB)における時間ウインドウが数理に依存し得るので、最大/最小集約調整レートが数理に基づいて調整される場合、有益である。
【0109】
数理を考慮したタイミングエラー限界(5)
無線デバイス58は、送信に関連付けられた数理に依存して、異なる送信タイミングエラー限界を適用することができる。次いで、無線デバイス58は、数理1(NUM1)に対する1つの関連タイミングエラー限界(TEL1)と、数理2(NUM2)に関連付けられた別のタイミングエラー限界(TEL2)と、を有することができる。タイミングエラー限界は、送信について、許容可能/許可されたタイミングエラーがどれだけあるかを指示してもよい。タイミングエラー限界が満たされない場合、無線デバイス58は、上述のように、自律UL送信タイミング調整を実行することを要求され得る。
【0110】
数理に依存するタイミングエラー限界を有する利点は、例えば、いくつかの数理についてはある(比較的大きい)タイミングエラーが存在することが許容され、したがって、無線デバイス58は自律送信タイミング調整を非常に頻繁に実行する必要がなく、したがって、無線デバイス58は電力を節約することができることである。しかしながら、いくつかの他の数理では、小さいタイミングエラーを有することがより重要でありうるのであって、したがって、無線デバイス58はエラーがより小さく保たれるように、自律送信タイミング調整を適用する。
【0111】
一般に、タイミングエラー限界は、数理の関数とすることができる:
タイミングエラー限界=f(NUM)
【0112】
無線デバイス58は、この送信がどの数理に関連付けられているかを決定し、この決定に基づいて、どのタイミングエラー限界がこの送信に関連付けられているかを決定する。
【0113】
また、無線デバイス58は、タイミングエラー限界を決定するときに、送信に関連付けられた帯域幅および数理の両方を考慮するようにしてもよい。無線デバイス58は、上記において、ダウンリンク帯域幅のみおよび/またはアップリンク帯域幅のみを考慮するようにしてもよい。換言すれば、タイミングエラー限界は、数理および帯域幅の両方の関数である:
タイミングエラー限界=f(NUM,帯域幅)
【0114】
無線デバイス58は、(同じ数理が与えられると)帯域幅の集合に対して同じタイミングエラー限界を適用してもよく、例えば、3MHzより上の全ての帯域幅に対して、無線デバイス58は、同じタイミングエラー限界を適用してもよいことに留意されたい。
【0115】
UL数理とDL数理とが異なる場合の自律調整
任意の1つまたは複数の自律タイミング調整パラメータ(例えば、1つの調整ステップの最大量の大きさ、最小および最大調整レートなど)は、さらに、無線デバイス58によって送信されるアップリンク信号の数理に加えて、無線デバイス58によってネットワークノードから受信されるダウンリンク信号の数理に依存してもよい。これは、受信信号のダウンリンク受信タイミングに基づくアップリンクタイミング調整の確度が、ダウンリンク信号受信の確度の影響を受ける可能性があるためである。自律タイミング調整パラメータのうちの任意の1つまたは複数は、例えば、無線デバイス58において、ネットワークノードによって事前に定義されたかまたは設定されていてもよい以下の例示的な原理のうちの任意の1つまたは複数に基づいて決定されてもよい:
● 一例では、自律タイミング調整パラメータの集合がDL数理およびUL数理の集合について定義されてもよい。これは、例えば、自律タイミング調整パラメータの集合と、セル内の無線デバイス58によって使用されるUL数理およびDL数理と、の間の事前に定義されたマッピングに関して表すことができる。
● 別の例では、自律タイミング調整パラメータの集合は、DL数理とUL数理と間の関係に依存して、DL数理に基づくか、またはUL数理に基づいてもよい。例えば、ULサブキャリア間隔がダウンリンクよりも大きい場合、パラメータの1つまたは複数の集合はUL数理(例えば、ULサブキャリア間隔)に基づく。そうでなければ、無線デバイス58は、UL数理またはDL数理のいずれかに基づくパラメータの1つまたは複数の集合を使用することができる。
● さらに別の例では、1つの調整ステップの最大量の大きさは、DL数理およびUL数理に関連付けられた1つまたは複数のパラメータの関数として定義することができる。関数の例は、最大、最大、平均などである。例えば、最小の機能を仮定すると、無線デバイス58は、UL数理およびDL数理に対応する調整ステップサイズの最小値を使用してもよい。例えば、セルにおいて使用されるULおよびDLサブキャリア間隔がそれぞれ15KHzおよび30KHzである場合、最小機能に基づいて、無線デバイス58は、30KHzのサブキャリア間隔に対応する調整ステップ、すなわち3.5/2Tsを適用してもよい。
【0116】
例:
無線デバイス58によって適用される送信タイミングの無線デバイス58自律調整の一例を、以下の表5に示す。
【表5】
表5:同じセルBWに対する数理(例えば、サブキャリア間隔)の関数としてのUL送信タイミングの自律調整の大きさ
【0117】
自律調整は、DL受信タイミングに基づいており、関連するパラメータ(例えば、自律タイミング調整ステップサイズの大きさの最大量、最小集約タイミング調整レート、最大集約タイミング調整レート、タイミングエラー限界など)によって制限される。
【0118】
数理に関連付けられた自律調整パラメータに基づく、ネットワークノードにおけるレシーバの適応
図18は、本開示の原理にしたがう、例示的なネットワークノード70のブロック図である。ネットワークノード70は、システム22内の1つまたは複数の他のネットワークノード70、無線デバイス58、および/または他の要素と通信するための1つまたは複数の通信インタフェース72を含む。1つまたは複数の実施の形態では、通信インタフェース72は、1つまたは複数の送信機および/または1つまたは複数のレシーバを含む。ネットワークノード70は処理回路74を含む。処理回路74は、メモリ76およびプロセッサ78を含む。従来のプロセッサおよびメモリに加えて、処理回路74は、処理および/または制御のための集積回路、例えば、1つまたは複数のプロセッサおよび/またはプロセッサコアおよび/またはFPGA(フィールドプログラマブルゲートアレイ)および/またはASIC(特定用途向け集積回路)、を備えてもよい。プロセッサ78は、任意の種類の揮発性および/または不揮発性メモリ、例えば、キャッシュおよび/またはバッファメモリおよび/またはRAM(ランダムアクセスメモリ)および/またはROM(読取専用メモリ)および/または光学メモリおよび/またはEPROM(消去可能プログラマブル読取専用メモリ)を含んでもよいメモリ76にアクセスする(例えば、そこに書き込むおよび/またはそこから読み出す)ように構成されてもよい。そのようなメモリ76は、プロセッサ78によって実行可能なコードおよび/または他のデータ、例えば、通信に関するデータ、例えば、ノードの構成および/または宛先データなど、を保持するように構成されてもよい。
【0119】
処理回路74は、本明細書で説明される方法および/またはプロセスのいずれかを制御するように、および/または、そのような方法および/またはプロセスを、例えば、ネットワークノード70によって実行させるように構成されてもよい。プロセッサ78は、本明細書で説明されるネットワークノード70の機能を実行するための1つまたは複数のプロセッサに対応する。ネットワークノード70は、データ、プログラムソフトウエアコード、および/または本明細書で説明される他の情報を保持するように構成されるメモリ76を含む。1つまたは複数の実施の形態では、メモリ76は、レシーバコード80を保持するように構成される。例えば、レシーバコード80は、プロセッサ78によって実行されると、プロセッサ78に、
図12および本明細書で説明される実施の形態に関して詳細に説明されるプロセスを実行させるインストラクションを含む。
【0120】
図19は、ネットワークノード70のレシーバまたは通信インタフェース72のための例示的なパラメータ調整プロセスのフロー図である。処理回路74は、少なくとも1つの自律タイミング調整を有するアップリンク信号に基づいて、少なくとも1つのレシーバパラメータを調整する(ブロックS132)。1つまたは複数の他の実施の形態によれば、無線デバイス58から信号を受信するネットワークノードはまた、ブロックS132に関して上述したように、無線デバイス58から信号を受信するために、そのレシーバに関連付けられた1つまたは複数のパラメータに適応してもよい。レシーバの適応は信号を送信するために無線デバイス58によって使用される少なくとも自律タイミング調整パラメータの集合に基づいてもよく、アップリンクにおいて使用される少なくとも数理に基づいて無線デバイス58によって導出される。適応され得るレシーバパラメータの例は、処理リソース、メモリリソース、ULチャネル推定のための時間ウインドウ、IFFTのサイズ、RFフィルタ特性(例えば、受信信号が増幅され得る程度など)などである。例えば、自律調整サイズがより小さい場合(例えば、ULにおけるより大きなサブキャリア間隔のため)、ネットワークノードは、より短い期間にわたってチャネルを推定してもよく、無線デバイス58からのUL受信信号を復号するために、より少ない後処理リソースを必要としてもよい。
【0121】
図20は、本開示の原理にしたがう、他の例示的な無線デバイス58のブロック図である。無線デバイス58は、
図16−17および本明細書で説明される他の例および実施の形態に関してなど、本明細書で説明される自律タイミング調整プロセスを実行するように構成される自律調整処理モジュール69を含む。
【0122】
図21は、送信のタイミングを調整する無線デバイスにおける例示的なプロセスのフローチャートである。このプロセスは、無線デバイスのタイミング調整パラメータ決定コード38を介して、少なくとも第1数理パラメータに基づいて少なくとも第1タイミング調整パラメータを決定すること(ブロックS134)を含み、これは、タイミング調整パラメータを決定するために上述された実施の形態に少なくとも基づく
図8および
図9を少なくとも参照して上述したものである。方法はまた、タイミング調整コード40を介して、第1タイミング調整パラメータに基づいてアップリンク送信のタイミングを調整すること(ブロックS136)を含む。
【0123】
図22は、受信信号のタイミングを調整するための、ネットワークノードにおける例示的なプロセスのフローチャートである。プロセスは、ネットワークノードのタイミング調整パラメータ決定コード54を介して、少なくとも第1数理パラメータに基づいて少なくとも第1タイミング調整パラメータを決定することであって、第1タイミング調整パラメータは、アップリンク信号を送信するために無線デバイスによって適用されるべき送信タイミング調整の量に関するものである、決定すること(ブロックS138)を含む。プロセスはまた、レシーバパラメータ適合コード56を介して、決定された少なくともひとつの第1タイミング調整パラメータに基づいて、ネットワークノードのレシーバの少なくともひとつのパラメータを適合させること(ブロックS140)を含む。
【0124】
いくつかの実施の形態では、無線デバイス28において送信のタイミングを調整する方法が提供される。方法は、少なくとも第1数理パラメータに基づいて少なくとも第1タイミング調整パラメータを決定することS134を含む。方法はまた、第1タイミング調整パラメータに基づいてアップリンク送信のタイミングを調整することS136を含む。
【0125】
ある実施の形態では、方法はさらに、調整されたアップリンク送信タイミングにしたがってアップリンク信号を送信することを含む。ある実施の形態では、アップリンク送信タイミング調整は、アップリンク信号の特性、ダウンリンク信号の特性および数理パラメータのうちの少なくともひとつに基づく。ある実施の形態では、第1数理パラメータは、サブキャリア間隔に基づくひとつの調整ステップの最大調整量である。ある実施の形態では、第1数理パラメータは、アップリンク送信のキャリア周波数に基づくタイミング調整の周波数である。ある実施の形態では、第1数理パラメータは、無線デバイス28がアップリンク送信タイミングを集約調整レートで更新する際のその集約調整レートであり、集約調整レートはサブキャリア間隔に基づく。ある実施の形態では、方法はさらに、第2数理パラメータに基づいて第2タイミング調整パラメータを決定することと、無線デバイス28がアップリンク送信用に用いるべき数理を決定することと、決定された数理に基づいて、第1タイミング調整パラメータおよび第2タイミング調整パラメータのうちのひとつを選択することと、第1および第2タイミング調整パラメータのうちの選択されたひとつを適用することで、アップリンク送信のタイミングを調整することと、を含む。ある実施の形態では、第1タイミング調整パラメータは決定されたアップリンク数理に基づき、第2タイミング調整パラメータは決定されたダウンリンク数理に基づく。ある実施の形態では、第1タイミング調整パラメータは無線デバイス28によって自律的に決定される。ある実施の形態では、第1タイミング調整パラメータは、ネットワークノード44から受信されたルールおよび所定の値のうちのひとつに基づいて決定される。ある実施の形態では、第1タイミング調整パラメータは、さらに、アップリンク帯域幅およびダウンリンク帯域幅のうちのひとつに基づいて決定される。ある実施の形態では、第1タイミング調整パラメータはネットワークノードから受信されたタイミングアドバンスコマンドである。ある実施の形態では、第1および/または第2数理パラメータは、フレーム持続時間、サブフレーム持続時間、送信時間間隔(TTI)持続時間、スロット持続時間、シンボル持続時間およびスロットおよびサブフレーム当たりのシンボル数、サブキャリア間隔、サンプリング周波数、高速フーリエ変換(FFT)サイズ、リソースブロック(RB)当たりのサブキャリア数、前記帯域幅内のRBの数、およびサイクリックプレフィックス長のうちのひとつ以上を含む。
【0126】
ある実施の形態では、送信のタイミングを調整するよう構成された無線デバイス28が提供される。無線デバイス28は、少なくとも第1数理パラメータに基づいて少なくとも第1タイミング調整パラメータを決定し、第1タイミング調整パラメータに基づいてアップリンク送信のタイミングを調整するよう構成された処理回路30を含む。
【0127】
ある実施の形態では、処理回路30はさらに、調整されたアップリンク送信タイミングにしたがってアップリンク信号を送信するよう構成される。ある実施の形態では、アップリンク送信タイミング調整は、アップリンク信号の特性、ダウンリンク信号の特性および数理パラメータのうちの少なくともひとつに基づく。ある実施の形態では、第1数理パラメータは、サブキャリア間隔に基づくひとつの調整ステップの最大調整量である。ある実施の形態では、第1数理パラメータは、アップリンク送信のキャリア周波数に基づくタイミング調整の周波数である。ある実施の形態では、第1数理パラメータは、無線デバイス28がアップリンク送信タイミングを集約調整レートで更新する際のその集約調整レートであり、集約調整レートはサブキャリア間隔に基づく。ある実施の形態では、処理回路はさらに、第2数理パラメータに基づいて第2タイミング調整パラメータを決定することと、無線デバイス28がアップリンク送信用に用いるべき数理を決定することと、決定された数理に基づいて、第1タイミング調整パラメータおよび第2タイミング調整パラメータのうちのひとつを選択することと、第1および第2タイミング調整パラメータのうちの選択されたひとつを適用することで、アップリンク送信のタイミングを調整することと、を行うよう構成される。ある実施の形態では、第1タイミング調整パラメータは決定されたアップリンク数理に基づき、第2タイミング調整パラメータは決定されたダウンリンク数理に基づく。ある実施の形態では、第1タイミング調整パラメータは無線デバイス28によって自律的に決定される。
【0128】
ある実施の形態では、第1タイミング調整パラメータは、ネットワークノード44から受信されたルールおよび所定の値のうちのひとつに基づいて決定される。ある実施の形態では、第1タイミング調整パラメータは、さらに、アップリンク帯域幅およびダウンリンク帯域幅のうちのひとつに基づいて決定される。ある実施の形態では、第1タイミング調整パラメータはネットワークノードから受信されたタイミングアドバンスコマンドである。ある実施の形態では、第1および/または第2数理パラメータは、フレーム持続時間、サブフレーム持続時間、送信時間間隔(TTI)持続時間、スロット持続時間、シンボル持続時間およびスロットおよびサブフレーム当たりのシンボル数、サブキャリア間隔、サンプリング周波数、高速フーリエ変換(FFT)サイズ、リソースブロック(RB)当たりのサブキャリア数、前記帯域幅内のRBの数、およびサイクリックプレフィックス長のうちのひとつ以上を含む。
【0129】
ある実施の形態では、送信のタイミングを調整するよう構成された無線デバイス28が提供される。無線デバイス28は、少なくとも第1数理パラメータに基づいて少なくとも第1タイミング調整パラメータを決定するよう構成されたタイミング調整パラメータ決定モジュール37を含む。無線デバイス28はさらに、第1タイミング調整パラメータに基づいてアップリンク送信のタイミングを調整するよう構成されたタイミング調整モジュール41を含む。
【0130】
ある実施の形態では、ネットワークノード44において、受信信号のタイミングを調整するための方法である。方法は、少なくとも第1数理パラメータに基づいて少なくとも第1タイミング調整パラメータを決定することであって、第1タイミング調整パラメータは、アップリンク信号を送信するために無線デバイス28によって適用されるべき送信タイミング調整の量に関するものである、決定することを含む。方法はまた、決定された少なくともひとつの第1タイミング調整パラメータに基づいて、ネットワークノード44のレシーバの少なくともひとつのパラメータを適合させることを含む。
【0131】
ある実施の形態では、方法は、レシーバの適合された少なくともひとつのパラメータを用いて、無線デバイス28からアップリンク送信を受信することをさらに含む。ある実施の形態では、方法は、少なくとも第1数理に基づいて第1タイミング調整パラメータを決定するためのルールを、無線デバイス28に送信することをさらに含む。ある実施の形態では、方法は、少なくとも第1数理に基づいて第1タイミング調整パラメータを決定するための所定の値を、無線デバイス28に送信することをさらに含む。ある実施の形態では、方法は、少なくとも第1数理に基づく第1タイミング調整パラメータを、無線デバイスに送信することをさらに含む。ある実施の形態では、第1タイミング調整パラメータはタイミングアドバンスコマンドである。ある実施の形態では、第1数理パラメータは、フレーム持続時間、サブフレーム持続時間、送信時間間隔(TTI)持続時間、スロット持続時間、シンボル持続時間およびスロットおよびサブフレーム当たりのシンボル数、サブキャリア間隔、サンプリング周波数、高速フーリエ変換(FFT)サイズ、リソースブロック(RB)当たりのサブキャリア数、前記帯域幅内のRBの数、およびサイクリックプレフィックス長のうちのひとつ以上を含む。
【0132】
ある実施の形態では、受信信号のタイミングを調整するネットワークノード44である。ネットワークノード44は、少なくとも第1数理パラメータに基づいて少なくとも第1タイミング調整パラメータを決定することであって、第1タイミング調整パラメータは、アップリンク信号を送信するために無線デバイス28によって適用されるべき送信タイミング調整の量に関するものである、決定することを行うよう構成された処理回路46を含む。処理回路46はさらに、決定された少なくともひとつの第1タイミング調整パラメータに基づいて、ネットワークノード44のレシーバ58の少なくともひとつのパラメータを適合させるよう構成される。
【0133】
ある実施の形態では、処理回路46はさらに、レシーバ58の適合された少なくともひとつのパラメータを用いて、無線デバイス28からアップリンク送信を受信するよう構成される。ある実施の形態では、処理回路46はさらに、少なくとも第1数理に基づいて第1タイミング調整パラメータを決定するためのルールを、無線デバイス28に送信するよう構成される。ある実施の形態では、処理回路46はさらに、少なくとも第1数理に基づいて第1タイミング調整パラメータを決定するための所定の値を、無線デバイス28に送信するよう構成される。ある実施の形態では、処理回路はさらに、少なくとも第1数理に基づく第1タイミング調整パラメータを、無線デバイスに送信するよう構成される。ある実施の形態では、第1タイミング調整パラメータはタイミングアドバンスコマンドである。ある実施の形態では、第1数理パラメータは、フレーム持続時間、サブフレーム持続時間、送信時間間隔(TTI)持続時間、スロット持続時間、シンボル持続時間およびスロットおよびサブフレーム当たりのシンボル数、サブキャリア間隔、サンプリング周波数、高速フーリエ変換(FFT)サイズ、リソースブロック(RB)当たりのサブキャリア数、前記帯域幅内のRBの数、およびサイクリックプレフィックス長のうちのひとつ以上を含む。
ある実施の形態では、受信信号のタイミングを調整するネットワークノード44が提供される。ネットワークノード44は、少なくとも第1数理パラメータに基づいて少なくとも第1タイミング調整パラメータを決定することであって、第1タイミング調整パラメータは、アップリンク信号を送信するために無線デバイス28によって適用されるべき送信タイミング調整の量に関するものである、決定することを行うよう構成されたタイミング調整パラメータ決定モジュール55を含む。ネットワークノード44はさらに、決定された少なくともひとつの第1タイミング調整パラメータに基づいて、ネットワークノード44のレシーバ58の少なくともひとつのパラメータを適合させるよう構成されたレシーバパラメータ適合モジュール57を含む。
【0134】
いくつかの実施の形態は以下を含む:
実施の形態1
無線デバイスにおいて送信のタイミングを調整する方法であって、
無線デバイスによって送信されるアップリンク信号の数理に関連付けられた少なくとも第1数理パラメータ、Pn1、を取得することと、
アップリンク信号、Pt1、を送信するために無線デバイスによって適用されるべきトランジットタイミング調整の量に関連する少なくとも第1タイミング調整パラメータ、Pt1、を決定することであって、Pt1はPn1に関連付けられる、決定することと、
決定されたPt1を適用することにより、無線デバイスによって送信されるべきアップリンク信号のアップリンク送信タイミングを調整することと、を含む方法。
実施の形態2
前記調整されたアップリンク送信タイミングにしたがって前記アップリンク信号を送信することをさらに含む実施の形態1に記載の方法。
実施の形態3
前記アップリンク送信タイミング調整は、アップリンク信号の特性、ダウンリンク信号の特性および数理パラメータのうちの少なくともひとつに基づく実施の形態1に記載の方法。
実施の形態4
無線デバイスにおいて送信のタイミングを調整する方法であって、
第1数理および第2数理にそれぞれ関連付けられた少なくとも第1タイミング調整パラメータ、Pt11、および第2タイミング調整パラメータ、Pt12、を取得することと、
無線デバイスによってアップリンク信号の送信用に用いられる数理を決定することと、
アップリンク信号を送信するために無線デバイスによって用いられる決定された数理に基づいて、タイミング調整パラメータ、Pt11またはPt12を選択することと、
無線デバイスによって送信されるべきアップリンク信号のアップリンク送信タイミングを調整するために、選択されたタイミング調整パラメータを適用することと、を含む方法。
実施の形態5
前記調整されたアップリンク送信タイミングにしたがって前記アップリンク信号を送信することをさらに含む実施の形態3に記載の方法。
実施の形態6
無線デバイスの送信のタイミングを調整するよう構成された無線デバイスであって、メモリおよびプロセッサを含む処理回路を備え、
メモリは第1数理パラメータ、Pn1、および第1タイミング調整パラメータ、Pt1、を保持するように構成され、
プロセッサは、
無線デバイスによって送信されるアップリンク信号の数理に関連付けられた少なくとも第1数理パラメータ、Pn1、を取得することと、
アップリンク信号、Pt1、を送信するために無線デバイスによって適用されるべきトランジットタイミング調整の量に関連する少なくとも第1タイミング調整パラメータ、Pt1、を決定することであって、Pt1はPn1に関連付けられる、決定することと、
決定されたPt1を適用することにより、無線デバイスによって送信されるべきアップリンク信号のアップリンク送信タイミングを調整することと、を行うよう構成される無線デバイス。
実施の形態7
前記調整されたアップリンク送信タイミングにしたがって前記アップリンク信号を送信するよう構成された送信機をさらに備える実施の形態6に記載の無線デバイス。
実施の形態8
前記アップリンク送信タイミング調整は、アップリンク信号の特性、ダウンリンク信号の特性および数理パラメータのうちの少なくともひとつに基づく実施の形態6に記載の無線デバイス。
実施の形態9
ネットワークノードにおいて、無線デバイスのアップリンク送信のタイミングを調整するための方法であって、
無線デバイスによってアップリンク信号の送信用に用いられる数理を決定することと、
信号を送信するために使用される決定された数理に関連付けられた少なくとも第1タイミング調整パラメータ、Pt1、を取得することと、
決定されたPt1の値を無線デバイスに送信することと、を含む方法。
実施の形態10
Pt1に基づく無線デバイスの送信タイミングに従って無線デバイスからアップリンク信号を受信することをさらに含む実施の形態9に記載の方法。
実施の形態11
無線デバイスのアップリンク送信のタイミングを調整するためのネットワークノードであって、メモリおよびプロセッサを含む処理回路を備え、
メモリは、第1タイミング調整パラメータ、Pt1、を保持するように構成され、
プロセッサは、
無線デバイスによってアップリンク信号の送信用に用いられる数理を決定することと、
信号を送信するために使用される決定された数理に関連付けられた少なくとも第1タイミング調整パラメータ、Pt1、を取得することと、
決定されたPt1の値を無線デバイスに送信するよう構成された送信機と、を行うよう構成されるネットワークノード。
実施の形態12
Pt1に基づく無線デバイスの送信タイミングに従って無線デバイスからアップリンク信号を受信するように構成されたレシーバをさらに備える、実施の形態11に記載のネットワークノード。
実施の形態13
無線デバイスの送信のタイミングを調整するよう構成された無線デバイスであって、
無線デバイスによって送信されるアップリンク信号の数理に関連付けられた少なくとも第1数理パラメータ、Pn1、を取得するよう構成された数理決定モジュールと、
アップリンク信号、Pt1、を送信するために無線デバイスによって適用されるべきトランジットタイミング調整の量に関連する少なくとも第1タイミング調整パラメータ、Pt1、を決定することであって、Pt1はPn1に関連付けられる、決定することを行うよう構成されたタイミング調整決定モジュールと、
決定されたPt1を適用することにより、無線デバイスによって送信されるべきアップリンク信号のアップリンク送信タイミングを調整するよう構成されたタイミング調整モジュールと、を備える無線デバイス。
実施の形態14
無線デバイスのアップリンク送信のタイミングを調整するためのネットワークノードであって、
第1タイミング調整パラメータ、Pt1、を保持するように構成されたメモリモジュールと、
アップリンク信号を送信するために無線デバイスによって使用される数理を決定するように構成された数理決定モジュールと、
信号を送信するために使用される決定された数理に関連付けられた少なくとも第1タイミング調整パラメータ(Pt1)を取得するよう構成されたタイミング調整パラメータ決定モジュールと、
決定されたPt1の値を無線デバイスに送信するよう構成された送信モジュールと、を備えるネットワークノード。
【0135】
いくつかのさらなる実施の形態は以下を含む:
実施の形態15
少なくとも第1数理パラメータに基づいて少なくともひとつの自律タイミング調整パラメータを決定することと、
少なくとも1つの自律タイミング調整パラメータを使用して信号を送信することと、を行うよう構成された処理回路を備える無線デバイス。
実施の形態16
少なくとも1つの数理パラメータは、1つの調整ステップの最大調整量である実施の形態15に記載の無線デバイス。
実施の形態17
ひとつの調整ステップの最大調整量がサブキャリア間隔に基づく実施の形態16に記載の無線デバイス。
実施の形態18
少なくとも1つの数理パラメータは、タイミング調整の頻度である実施の形態15に記載の無線デバイス。
実施の形態19
タイミング調整の頻度がUL信号のキャリア周波数に基づく実施の形態18に記載の無線デバイス。
実施の形態20
少なくとも1つの数理パラメータは、無線デバイスがアップリンク送信タイミングを更新する集約調整レートである実施の形態15に記載の無線デバイス。
実施の形態21
集約調整レートはサブキャリア間隔に基づく実施の形態20に記載の無線デバイス。
実施の形態22
少なくとも1つの数理パラメータはタイミングエラー限界である実施の形態15に記載の無線デバイス。
実施の形態23
タイミングエラー限界は数理に基づく実施の形態22に記載の無線デバイス。
実施の形態24
タイミングエラー限界はアップリンク帯域幅に基づく実施の形態22に記載の無線デバイス。
実施の形態25
少なくとも1つの数理パラメータは、無線デバイスによって受信された少なくとも1つのダウンリンク信号の数理に基づく実施の形態15に記載の無線デバイス。
実施の形態26
少なくとも1つの数理パラメータは、DLサブキャリア間隔およびULサブキャリア間隔に基づく実施の形態25に記載の無線デバイス。
実施の形態27
少なくとも1つの数理パラメータは、アップリンク信号、ダウンリンク信号、および異なる数理に関連付けられた複数の異なる数理パラメータのうちの少なくとも1つの関数である実施の形態15に記載の無線デバイス。
実施の形態28
少なくとも第1数理パラメータに基づいて少なくともひとつの自律タイミング調整パラメータを決定することと、
少なくとも1つの自律タイミング調整パラメータを使用して信号を送信することと、を含む方法。
実施の形態29
少なくとも1つの数理パラメータは、1つの調整ステップの最大調整量である実施の形態28に記載の方法。
実施の形態30
ひとつの調整ステップの最大調整量がサブキャリア間隔に基づく実施の形態29に記載の方法。
実施の形態31
少なくとも1つの数理パラメータは、タイミング調整の頻度である実施の形態28に記載の方法。
実施の形態32
タイミング調整の頻度がUL信号のキャリア周波数に基づく実施の形態31に記載の方法。
実施の形態33
少なくとも1つの数理パラメータは、無線デバイスがアップリンク送信タイミングを更新する集約調整レートである実施の形態28に記載の方法。
実施の形態34
集約調整レートはサブキャリア間隔に基づく実施の形態33に記載の方法。
実施の形態35
少なくとも1つの数理パラメータはタイミングエラー限界である実施の形態28に記載の方法。
実施の形態36
タイミングエラー限界は数理に基づく実施の形態35に記載の方法。
実施の形態37
タイミングエラー限界はアップリンク帯域幅に基づく実施の形態35に記載の方法。
実施の形態38
少なくとも1つの数理パラメータは、無線デバイスによって受信された少なくとも1つのダウンリンク信号の数理に基づく実施の形態28に記載の方法。
実施の形態39
少なくとも1つの数理パラメータは、DLサブキャリア間隔およびULサブキャリア間隔に基づく実施の形態38に記載の方法。
実施の形態40
少なくとも1つの数理パラメータは、アップリンク信号、ダウンリンク信号、および異なる数理に関連付けられた複数の異なる数理パラメータのうちの少なくとも1つの関数である実施の形態28に記載の無線デバイス。
実施の形態41
少なくとも第1数理パラメータに基づいて少なくともひとつの自律タイミング調整パラメータを決定することと、
少なくとも1つの自律タイミング調整パラメータを使用して信号を送信することと、を行うよう構成された処理モジュールを備える無線デバイス。
【0136】
当業者により理解されるように、ここで説明される概念は方法、データ処理システム、および/又はコンピュータプログラム製品として具体化されてもよい。したがって、ここに説明される概念は、全てハードウェアに具体化されたもの、全てソフトウェアに具体化されたもの、ソフトウェアとここで一般に回路又はモジュールと呼ばれる態様のハードウェアとを組み合わせて具体化されたものの形態をとることができる。さらに、本開示は、コンピュータによって実行可能な媒体に具体化されたコンピュータプログラムコードを有する有形のコンピュータ利用可能な記憶媒体上のコンピュータプログラム製品の形態をとることができる。ハードディスク、CD−ROM、電子記憶装置、光記憶装置、または磁気記憶装置を含む任意の適切な有形のコンピュータ可読媒体が利用できる。
【0137】
いくつかの実施の形態は、フローチャート図および/又は方法、システム及びコンピュータプログラム製品のブロック図を参照して説明される。フローチャート図および/又はブロック図およびフローチャート図のブロックおよび/又はブロック図の組み合わせの各ブロックはコンピュータプログラムインストラクションにより実施できることは理解されるだろう。これらのコンピュータプログラムインストラクションは、汎用コンピュータのプロセッサ、専用コンピュータ、または他の機械を製造するためのプログラマブルデータ処理装置に提供され、そのようなインストラクションは、コンピュータのプロセッサまたは他のプログラマブルデータ処理装置により実行され、フローチャートおよび/又はブロック図に指定される機能や動作を実施するための手段を作成する。
【0138】
これらのコンピュータプログラムインストラクションは、コンピュータ可読メモリに記憶されたインストラクションが、フローチャートおよび/又はブロック図のブロックに指定された機能・動作を実施する指示手段を含む製品を生成するように、特定の方法でコンピュータ又は他のプログラマブルデータ処理装置を機能させる、コンピュータ可読メモリ又は記憶媒体に記憶される。
【0139】
コンピュータプログラムインストラクションは、コンピュータ又は他のプログラマブルデータ処理装置にロードされて、コンピュータ又は他のプログラマブル装置で一連の動作ステップを実行させ、コンピュータ又は他のプログラマブルな装置で実行して、フローチャートおよび/又はブロック図のブロックに指定された機能/動作を実行するためのステップを提供するコンピュータ実行プロセスを生成する。
【0140】
ブロックに記された機能又は動作は動作図に記された順番から外れることがあることを理解されたい。例えば、連続して示される2つのブロックは、実際、実質的に同時に実行されてよく、又は関係する機能/動作に応じて逆順で実行されてもよい。図のいくつかは通信の主な方向を示すための通信経路上の矢印を含むが、通信は示された矢印と逆方向に生じてもよいことを理解されたい。
【0141】
ここに説明された概念の動作を実行するためのコンピュータプログラムコードは、Java(登録商標)又はC++などのオブジェクト指向プログラム言語で記述されてもよい。しかしながら、この開示の動作を実行するためのコンピュータプログラムコードはさらに、Cプログラム言語などの従来の手続き型プログラミング言語で記述されてもよい。プログラムコードは、ユーザのコンピュータ上で全て、ユーザのコンピュータ上で部分的に、スタンドアローンのソフトウエアパッケージとして、部分的にはユーザのコンピュータ上と部分的にはリモートコンピュータ上で、又は全てリモートコンピュータ上で実行されてもよい。後者のシナリオではリモートコンピュータはユーザのコンピュータと、ローカルエリアネットワーク(LAN)又は広域ネットワーク(WAN)又は外部コンピュータへ作成された接続(例えばインターネットサービスプロバイダを使うインターネットを通じて)を通じて接続される。
【0142】
当業者はここに記載の実施の形態は、上記に特に示され、説明されたものに限定されないことが理解されよう。さらに、上に言及されていない限り、添付の図面の全ては縮尺どおりではないことに留意されたい。上記の教示に照らして様々な変更および変形が可能であり、それらは特許請求の範囲によってのみ限定される。