(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記流入口が形成される壁面には、前記対向側壁部と前記ファン側壁部との間であって、前記流れ方向側壁部と前記蓋体の前記第3側面との間に、前記壁面から外方に突出し、側面視で前記蓋体と重なる中間壁部が形成されている、請求項2記載の熱処理炉。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ここで、熱処理室に流入する循環ガスの流速分布が不均一となると、ワークの冷却を均一に行えないため、特許文献4に示されるように、熱処理室の流入口に循環ガスを整流する整流用の格子が設けられるが、熱処理工程において、格子自体の加熱、冷却を行うことになり、熱効率が低下するという課題が存在する。
【0005】
そこで本発明では、整流部材を設けることなく、循環ガスの流速分布を均一にすることができる熱処理炉を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、
ワークを熱処理する熱処理炉であって、
熱処理されるワークが配置される熱処理室と、
ワークを冷却する循環ガスを炉内で循環させる冷却ファンと、
前記熱処理室の壁面に形成され、循環ガスが流入する流入口と、
前記流入口を開閉可能な蓋体と、を備えており、
循環ガスが前記流入口から前記熱処理室に流入する冷却状態において、前記蓋体と前記流入口との間の第1距離は、炉体内壁と前記流入口との間の第2距離の半分以下となっている。
【0007】
前記構成によれば、第1距離を第2距離の半分以下とすることによって、循環ガスが蓋体と熱処理室の壁面との間の空間及び蓋体と熱処理炉の炉体内壁との間の空間の両方に流れることとなり、その結果、冷却ファン側の蓋体の壁部と熱処理室との間の隙間と冷却ファンと反対側の蓋体の壁部と熱処理室との間の隙間の両方から、循環ガスが流入口に流入し、流入口において、循環ガスを整流することができる。したがって、整流部材を設けることなく、循環ガスの流速分布を均一にすることができる。
【0008】
本発明は、さらに、次のような構成を備えるのが好ましい。
【0009】
(1)前記蓋体は、矩形状を有しており、前記冷却ファンと対向する第1側面と、前記第1側面と対向する第2側面と、前記第1側面及び前記第2側面と連続し、循環ガスの流れ方向に延びる2つの第3側面と、を有しており、
前記流入口が形成される壁面には、前記第2側面を覆う対向側壁部と、2つの前記第3側面を覆う流れ方向側壁部とが形成されている。
【0010】
(2)前記構成(1)において、前記流入口が形成される壁面には、前記蓋体の前記第1側面を覆うファン側壁部が形成されている。
【0011】
(3)前記構成(2)において、前記流入口が形成される壁面には、前記対向側壁部と前記ファン側壁部との間であって、前記流れ方向側壁部と前記蓋体の前記第3側面との間に、前記壁面から外方に突出し、側面視で前記蓋体と重なる中間壁部が形成されている。
【0012】
前記構成(1)によれば、対向側壁部と流れ方向側壁部とを設けることによって、流入口に入る循環ガスの流路空間を狭くし、流入口における流体圧力を増加させることができるので、循環ガスの流速分布をより均一にすることができる。
【0013】
前記構成(2)によれば、ファン側壁部を設けることによって、蓋体より循環ガスの流れ方向上流側の流路空間を狭くし、循環ガスが冷却ファン側へ後戻りしにくくすることにより、流入口における流体圧力を増加させることができるので、循環ガスの流速分布をより均一にすることができる。
【0014】
前記構成(3)によれば、中間壁部を設けることによって、流入口の循環ガスの流れ方向上流側の空間の流体圧力を増加させ、流入口の循環ガスの流れ方向下流側の空間の流体圧力に近づけることができるので、流入口における循環ガスの流速差が小さくなり、循環ガスの流速分布をより均一にすることができる。
【発明の効果】
【0015】
本発明によると、整流部材を設けることなく、循環ガスの流速分布を均一にすることができる熱処理炉を提供できる。
【発明を実施するための形態】
【0017】
図1は、本発明の実施形態に係る熱処理炉の概略図である。
図1に示されるように、熱処理炉10は、単室型真空熱処理炉であり、熱処理炉10を構成する炉体1内には、熱処理されるワークが配置される、熱処理室2が配置されている。熱処理室2の上壁21及び下壁22には、熱処理室2内の循環ガス(冷却ガス)を循環させるために、それぞれ開口部21a、22aが形成されており、開口部21aは上下移動可能な上蓋体21bによって開閉可能となっており、開口部22aは上下移動可能な下蓋体22bによって開閉可能となっている。上蓋体21bは、アクチュエータ61によって上下移動するようになっており、下蓋体22bは、アクチュエータ62によって上下移動するようになっている。開口部21aと開口部22aとは、上下方向に対向するように設けられている。
【0018】
冷却ガスは、例えば不活性ガスであり、窒素ガス、アルゴンガス、ヘリウムガス等、あるいは、これらのガスの混合ガスが用いられる。なお、冷却ガスは、当然空気であってもよい。
【0019】
熱処理室2の側方の一方側には、循環ガスを炉内で循環させる冷却ファン3が設けられている。冷却ファン3は、遠心式ファンであり、駆動モータ31に連結されている。冷却ファン3は、駆動モータ31の駆動によって回転して、循環ガスを冷却ファン3の軸方向に吸引し、周方向に排出するようになっている。
【0020】
炉体1の内部であって、熱処理室2の外部には、循環ガスの冷却流れを変更する開閉ダンパ4、5が設けられている。開閉ダンパ4は、一端部が炉体1の内壁に設けられた支持部11に支持され、開放位置4aと閉止位置4bとの間で、支持部11を中心として回動可能に設けられている。ここで、開放位置4aとは、冷却ファン3の吸引部が設けられる吸引空間3aを開放する開閉ダンパ4の位置であり、閉止位置4bとは、吸引空間3aを閉止する開閉ダンパ4の位置である。
【0021】
また、開閉ダンパ5は、一端部が炉体1の内壁に設けられた支持部12に支持され、開放位置5aと閉止位置5bとの間で、支持部12を中心として回動可能に設けられている。ここで、開放位置5aとは、吸引空間3aを開放する開閉ダンパ5の位置であり、閉止位置5bとは、吸引空間3aを閉止する開閉ダンパ5の位置である。
【0022】
このように、開閉ダンパ4、5の開閉状態を変更することによって、すなわち、開閉ダンパ4を閉止位置4bとし、開閉ダンパ5を開放位置5aとすることによって、循環ガスは開口部21aから熱処理室2に流入し、開口部22aから排出され、開閉ダンパ4を開放位置4aとし、開閉ダンパ5を閉止位置5bとすることによって、循環ガスは開口部22aから熱処理室2に流入し、開口部21aから排出される。したがって、開口部21a、22aのいずれも循環ガスが流入する流入口となるが、両方が同時に流入口となることはなく、いずれか一方が流入口となるときは、もう一方は流出口となる。
【0023】
以下、開口部21aが流入口となる場合について説明するが、開口部22aが流入口となる場合も同様である。
【0024】
循環ガスが開口部21aから熱処理室2に流入する冷却状態において、上蓋体21bは、開口部21aに対して半開状態となっており、上蓋体21bと開口部21aとの間の第1距離D1は、炉体内壁1aと開口部21aとの間の第2距離D2の半分以下となっている。なお、このとき、開口部22aは循環ガスが熱処理室2から流出する流出口となり、下蓋体22bは、開口部22aに対して全開状態となっており、下蓋体22bと開口部22aとの間の第3距離D3は、炉体内壁1aと開口部22aとの間の第4距離D4の半分を超えている。通常、全開状態のとき、第3距離D3は、第4距離D4の60〜70%である。
【0025】
図2は、
図1の熱処理炉10の一部上面概略図である。
図2に示されるように、上蓋体21bは、上面視で、矩形状を有しており、冷却ファン3と対向する第1側面211と、第1側面211と対向する第2側面212と、第1側面211及び第2側面212と連続し、循環ガスの流れ方向に延びる2つの第3側面213と、を有しており、開口部21aが形成される上壁21には、熱処理炉10の側面視で、第2側面212を覆う対向側壁部91と、2つの第3側面を覆う流れ方向側壁部92とが形成されている。
【0026】
図3は、
図1の熱処理炉10の一部側面概略図であり、
図4は
図1の熱処理炉10の循環ガスの流れ方向から見た一部正面概略図である。
図3及び
図4に示されるように、対向側壁部91は、上壁21から外方(上方)に向かって炉体内壁1aまで延びており、流れ方向側壁部92は、上壁21から外方(上方)に向かって炉体内壁1aまで延びている。
【0027】
開口部21aが形成される上壁21には、熱処理炉10の側面視で上蓋体21bの第1側面211を覆うファン側壁部93が形成されている。ファン側壁部93は、開口部21aが半開状態において、上壁21から外方(上方)に向かって上蓋体21bの高さ以上延びている。
【0028】
開口部21aが形成される上壁21には、対向側壁部91とファン側壁部93との間であって、流れ方向側壁部92と上蓋体21bの第3側面213との間に、上壁21から外方(上方)に突出し、側面視で上蓋体21bと重なる中間壁部94が上蓋体21bの側方に一対として形成されている。中間壁部94は、循環ガスの流れ方向において、開口部21aの中心よりも冷却ファン3側に位置している。中間壁部94は、開口部21aが半開状態において、上壁21から上方に向かって上蓋体21bの高さ以上延びており、中間壁部94の上端は、ファン側壁部93の上端より低くなっている。また、中間壁部94は、流れ方向側壁部92に連結されている。
【0029】
上述したように、本実施形態では、開閉ダンパ4、5の開閉状態を変更することによって、開口部22aも開口部21aと同様流入口となるので、開口部21a近傍の上述の構成が、開口部22a近傍にも適用される。具体的には、以下のとおりである。
【0030】
循環ガスが開口部22aから熱処理室2に流入する冷却状態において、下蓋体22bは、開口部22aに対して半開状態となっており、下蓋体22bと開口部22aとの間の第3距離D3は、炉体内壁と開口部22aとの間の第4距離D4の半分以下となっている。なお、このとき、開口部21aは循環ガスが熱処理室2から流出する流出口となり、上蓋体21bは、開口部21aに対して全開状態となっており、上蓋体21bと開口部21aとの間の第1距離D1は、炉体内壁と開口部21aとの間の第2距離D2の半分を超えている。通常、全開状態のとき、第1距離D1は、第2距離D2の60〜70%である。
【0031】
下蓋体22bは、上面視で、矩形状を有しており、冷却ファン3と対向する第1側面と、第1側面と対向する第2側面と、第1側面及び第2側面と連続し、循環ガスの流れ方向に延びる2つの第3側面と、を有しており、開口部22aが形成される下壁22には、第2側面を覆う対向側壁部と、2つの第3側面を覆う流れ方向側壁部とが形成されている。
【0032】
対向側壁部は、下壁22から外方(下方)に向かって炉体内壁1aまで延びており、流れ方向側壁部は、下壁22から外方(下方)に向かって炉体内壁1aまで延びている。
【0033】
開口部22aが形成される下壁22には、下蓋体22bの第1側面を覆うファン側壁部が形成されている。ファン側壁部は、開口部22aが半開状態において、下壁22から外方(下方)に向かって下蓋体22bの位置以上延びている。
【0034】
開口部22aが形成される下壁22には、対向側壁部とファン側壁部との間であって、流れ方向側壁部と下蓋体22bの第3側面との間に、下壁22から外方(下方)に突出し、側面視で下蓋体22bと重なる中間壁部が下蓋体22bの側方に一対として形成されている。中間壁部は、循環ガスの流れ方向において、開口部22aの中心よりも冷却ファン3側に位置しており、開口部22aの半開状態において、下壁22から下方に向かって下蓋体22bの位置以上延びており、中間壁部の下端は、ファン側壁部の下端より高くなっている。また、中間壁部は、流れ方向側壁部に連結されている。
【0035】
熱処理炉10は、次のように作動するようになっている。
【0036】
熱処理室2内にワークが配置されると、熱処理室2の上壁21の開口部21aが上蓋体21bによって閉止され、下壁22の開口部22aが下蓋体22bによって閉止される。そして、熱処理室2内のワークが電気ヒータ7によって加熱処理される。
【0037】
ワークの加熱処理が終了すると、上蓋体21bが上方に移動し、上壁21の開口部21aが開放される。また、下蓋体22bが下方に移動し、下壁22の開口部22aが開放される。ここで、開口部21aは、第1距離D1が第2距離D2の半分以下となる半開状態で開放されており、開口部22aは、第3距離D3が第4距離D4の半分を超える全開状態で開放されている。
【0038】
そして、
図5に示されるように、開閉ダンパ4を閉止位置4bに位置させ、開閉ダンパ5を開放位置5aに位置させて、冷却ファン3を起動する。その結果、冷却ファン3から排出された循環ガスは、クーラ8を通過して冷却され、上壁21の開口部21aから熱処理室2に流入する。ここで、クーラ8は、気体が流通可能な、例えば水冷パイプ等(図示せず)である。そして、熱処理室2内でワークを冷却した循環ガスは、下壁22の開口部22aから熱処理室2外に流出し、開放位置5aに位置する開閉ダンパ5に沿って流れ、冷却ファン3に吸い込まれる。
【0039】
ここで、開口部21aが半開状態であること、及び、対向側壁部91、流れ方向側壁部92、ファン側壁部93によって、上蓋体21bを回り込み、対向側壁部91側から熱処理室2へ流入する循環ガスの量が増加し、中間壁部94によって、対向側壁部91側から熱処理室2へ流入する循環ガスとファン側壁部93側から熱処理室2へ流入する循環ガスとの衝突が緩和されて、整流された状態で熱処理室2へ流入する。
【0040】
一定時間が経過すると、
図6に示されるように、上蓋体21bが上方に移動し、下蓋体22bが上方に移動し、開口部21aは、第1距離D1が第2距離D2の半分を超える全開状態で開放され、開口部22aは、第3距離D3が第4距離D4の半分以下となる半開状態で開放される。
【0041】
そして、開閉ダンパ4を開放位置4aに位置させ、開閉ダンパ5を閉止位置5bに位置させる。その結果、冷却ファン3から排出された循環ガスは、クーラ8を通過して冷却され、下壁22の開口部22aから熱処理室2に流入する。そして、熱処理室2内でワークを冷却した循環ガスは、上壁21の開口部21aから熱処理室2外に流出し、開放位置4aに位置する開閉ダンパ4に沿って流れ、冷却ファン3に吸い込まれる。
【0042】
ここで、開口部22aが半開状態であること、及び、対向側壁部、流れ方向側壁部、ファン側壁部によって、下蓋体22bを回り込み、対向側壁部側から熱処理室2へ流入する循環ガスの量が増加し、中間壁部によって、対向側壁部側から熱処理室2へ流入する循環ガスとファン側壁部側から熱処理室2へ流入する循環ガスとの衝突が緩和されて、整流された状態で熱処理室2へ流入する。
【0043】
このように、上蓋体21b、下蓋体22bを上下に移動させ、開閉ダンパ4、5を交互に開放位置、閉止位置に位置させることによって、熱処理室2内での循環ガスの流れを上下方向に交互に切り換え、熱処理室内2に配置されたワークを冷却する。
【0044】
前記構成の熱処理炉10によれば、次のような効果を発揮できる。
【0045】
(1)第1距離D1を第2距離D2の半分以下とすることによって、循環ガスが上蓋体21bと熱処理室2の上壁21との間の空間及び上蓋体21bと熱処理炉10の炉体内壁1aとの間の空間の両方に流れることとなり、その結果、冷却ファン3側の上蓋体21bの壁部(第1側面211)と熱処理室2との間の隙間と冷却ファン3と反対側の上蓋体21bの壁部(第2側面212)と熱処理室2との間の隙間の両方から、循環ガスが開口部21aに流入し、開口部21aにおいて、循環ガスを整流することができる。したがって、整流部材を設けることなく、循環ガスの流速分布を均一にすることができる。
【0046】
(2)第3距離D3を第4距離D4の半分以下とすることによって、循環ガスが下蓋体22bと熱処理室2の下壁22との間の空間及び下蓋体22bと熱処理炉10の炉体内壁1aとの間の空間の両方に流れることとなり、その結果、冷却ファン3側の下蓋体22bの壁部(第1側面)と熱処理室2との間の隙間と冷却ファン3と反対側の下蓋体22bの壁部(第2側面)と熱処理室2との間の隙間の両方から、循環ガスが開口部22aに流入し、開口部22aにおいて、循環ガスを整流することができる。したがって、整流部材を設けることなく、循環ガスの流速分布を均一にすることができる。
【0047】
(3)対向側壁部91と流れ方向側壁部92とを設けることによって、開口部21a(開口部22a)に入る循環ガスの流路空間を狭くし、開口部21a(開口部22a)における流体圧力を増加させることができるので、循環ガスの流速分布をより均一にすることができる。
【0048】
(4)ファン側壁部93を設けることによって、上蓋体21b(下蓋体22b)より循環ガスの流れ方向上流側の流路空間を狭くし、循環ガスが冷却ファン3側へ後戻りしにくくすることにより、開口部21a(開口部22a)における流体圧力を増加させることができるので、循環ガスの流速分布をより均一にすることができる。
【0049】
(5)中間壁部94を設けることによって、開口部21a(開口部22a)の循環ガスの流れ方向上流側の空間の流体圧力を増加させ、開口部21a(開口部22a)の循環ガスの流れ方向下流側の空間の流体圧力に近づける(冷却ファン3の近傍の流れ方向上流側の空間の流れをせき止めることにより、冷却ファン3から遠方側の流れ方向下流側の空間へ流れやすくする)ことができるので、開口部21a(開口部22a)における循環ガスの流速差が小さくなり、循環ガスの流速分布をより均一にすることができる。
【0050】
本実施形態では、開閉ダンパ4、5の開閉状態の変更によって、開口部21a、22aのいずれも流入口となり得るが、開口部21a、22aのいずれか一方のみが流入口となる熱処理炉にも適用できる。その場合、蓋体の開放状態や各壁部の配置は、開口部21a、22aのいずれか一方のみ適用される。
【0051】
本実施形態では、熱処理炉10は、熱処理室2を1つ有する単室型熱処理炉であるが、本発明は、熱処理室を複数有する複室型熱処理炉にも適用できる。
【0052】
特許請求の範囲に記載された本発明の精神及び範囲から逸脱することなく、各種変形及び変更を行うことも可能である。
【解決手段】ワークを熱処理する熱処理炉であって、熱処理されるワークが配置される熱処理室2と、ワークを冷却する循環ガスを炉内で循環させる冷却ファン3と、熱処理室2の壁面に形成され、循環ガスが流入する流入口21aと、流入口21aを開閉可能な蓋体21bと、を備えており、循環ガスが流入口21aから熱処理室2に流入する冷却状態において、蓋体21bと流入口21aとの間の第1距離D1は、炉体内壁1aと流入口21aとの間の第2距離D2の半分以下となっている。