特許第6805503号(P6805503)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6805503情報処理装置、情報処理方法、及び、プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6805503
(24)【登録日】2020年12月8日
(45)【発行日】2020年12月23日
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法、及び、プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/16 20060101AFI20201214BHJP
   G07G 1/00 20060101ALI20201214BHJP
   G07G 1/12 20060101ALI20201214BHJP
   G10L 15/10 20060101ALI20201214BHJP
   G10L 15/00 20130101ALI20201214BHJP
【FI】
   G06F3/16 650
   G07G1/00 311Z
   G07G1/12 301E
   G10L15/10 200W
   G10L15/00 200Z
【請求項の数】11
【全頁数】20
(21)【出願番号】特願2016-32797(P2016-32797)
(22)【出願日】2016年2月24日
(65)【公開番号】特開2017-151665(P2017-151665A)
(43)【公開日】2017年8月31日
【審査請求日】2019年1月8日
(73)【特許権者】
【識別番号】000004237
【氏名又は名称】日本電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100110928
【弁理士】
【氏名又は名称】速水 進治
(72)【発明者】
【氏名】大井 敦雄
(72)【発明者】
【氏名】藤坂 秀樹
(72)【発明者】
【氏名】名木 貴宏
【審査官】 木内 康裕
(56)【参考文献】
【文献】 特開2008−197826(JP,A)
【文献】 特開平10−055196(JP,A)
【文献】 特開2004−326479(JP,A)
【文献】 特開2008−287517(JP,A)
【文献】 特開2003−219038(JP,A)
【文献】 特開平11−352985(JP,A)
【文献】 特開2012−189829(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/16
G07G 1/00
G07G 1/12
G10L 15/00
G10L 15/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
音声データに対する音声認識処理で得られたテキストデータから商品名及び個数の発言部分を特定し、商品名の発言部分の中の所定の文字と個数の発言部分の中の所定の文字との間の文字数が所定の文字数以内である商品名と個数のペアを抽出する抽出手段と、
前記抽出手段により抽出された前記ペアの商品名と個数とを対応付けて商品登録する登録手段と、
を有し、
前記抽出手段は、商品名及び個数の発言部分の後に予め定義された文字列が存在するペアを抽出しない情報処理装置。
【請求項2】
音声データに対する音声認識処理で得られたテキストデータから商品名及び個数の発言部分を特定し、商品名の発言部分の所定タイミングと個数の発言部分の所定タイミングとの間の時間が所定の時間以内である商品名と個数のペアを抽出する抽出手段と、
前記抽出手段により抽出された前記ペアの商品名と個数とを対応付けて商品登録する登録手段と、
を有し、
前記抽出手段は、商品名及び個数の発言部分の後に予め定義された文字列が存在するペアを抽出しない情報処理装置。
【請求項3】
請求項1に記載の情報処理装置において、
前記抽出手段は、所定の文字数以内で発言され、かつ、発言順が商品名、個数の順番を満たす前記ペアを抽出する情報処理装置。
【請求項4】
請求項2に記載の情報処理装置において、
前記抽出手段は、所定の時間以内又は所定の文字数以内で発言され、かつ、発言順が商品名、個数の順番を満たす前記ペアを抽出する情報処理装置。
【請求項5】
請求項1から4のいずれか1項に記載の情報処理装置において、
前記抽出手段は、他の文字を挟まずに、又は、予め登録されている不要語のみを挟んで連続的に発言された商品名と個数の前記ペアを抽出する情報処理装置。
【請求項6】
請求項1から5のいずれか1項に記載の情報処理装置において、
前記抽出手段は、他者の発話を挟んで連続的に発言された商品名と個数の前記ペアを抽出する情報処理装置。
【請求項7】
請求項1から6のいずれか1項に記載の情報処理装置において、
音声データに対して音声認識処理を行い、テキストデータを生成する音声認識手段をさらに有する情報処理装置。
【請求項8】
コンピュータが、
音声データに対する音声認識処理で得られたテキストデータから商品名及び個数の発言部分を特定し、商品名の発言部分の中の所定の文字と個数の発言部分の中の所定の文字との間の文字数が所定の文字数以内である商品名と個数のペアを出する抽出工程と、
前記抽出工程で抽出された前記ペアの商品名と個数とを対応付けて商品登録する登録工程と、
を実行し、
前記抽出工程では、商品名及び個数の発言部分の後に予め定義された文字列が存在するペアを抽出しない情報処理方法。
【請求項9】
コンピュータを、
音声データに対する音声認識処理で得られたテキストデータから商品名及び個数の発言部分を特定し、商品名の発言部分の中の所定の文字と個数の発言部分の中の所定の文字との間の文字数が所定の文字数以内である商品名と個数のペアを抽出する抽出手段、
前記抽出手段により抽出された前記ペアの商品名と個数とを対応付けて商品登録する登録手段、
として機能させ、
前記抽出手段は、商品名及び個数の発言部分の後に予め定義された文字列が存在するペアを抽出しないプログラム。
【請求項10】
コンピュータが、
音声データに対する音声認識処理で得られたテキストデータから商品名及び個数の発言部分を特定し、商品名の発言部分の所定タイミングと個数の発言部分の所定タイミングとの間の時間が所定の時間以内である商品名と個数のペアを抽出する抽出工程と、
前記抽出工程で抽出された前記ペアの商品名と個数とを対応付けて商品登録する登録工程と、
を実行し、
前記抽出工程では、商品名及び個数の発言部分の後に予め定義された文字列が存在するペアを抽出しない情報処理方法。
【請求項11】
コンピュータを、
音声データに対する音声認識処理で得られたテキストデータから商品名及び個数の発言部分を特定し、商品名の発言部分の所定タイミングと個数の発言部分の所定タイミングとの間の時間が所定の時間以内である商品名と個数のペアを抽出する抽出手段、
前記抽出手段により抽出された前記ペアの商品名と個数とを対応付けて商品登録する登録手段、
として機能させ、
前記抽出手段は、商品名及び個数の発言部分の後に予め定義された文字列が存在するペアを抽出しないプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報処理方法、及び、プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に、棚卸対象の棚番号や商品の在庫数の音声入力を受付ける手段と、音声データに対して音声認識処理を行い、入力された棚番号や商品の在庫数を認識する手段と、を有する店舗業務支援装置が開示されている。
【0003】
特許文献2に、買上商品のデータを音声入力できる音声認識装置が開示されている。当該音声認識装置は、例えば、発声者が、買上商品の製造元名、商品名及び買上点数をこの順で発声すると、その音声データに対して音声認識処理を行い、各項目に対応する語句をこの順で認識する。そして、当該音声認識装置は、認識した語句各々に対応するコードを認識した順に並べてまとめた音声認識データを生成する。その後、当該音声認識装置は、当該音声認識データに基づき、所定の項目に対応する値が重複して含まれていないか判断し、含まれていないと判断した場合、登録処理を行う。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2005−352551号公報
【特許文献2】特開2000−20585号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献2に開示されている買上商品のデータを音声入力する技術には、以下のような問題がある。
【0006】
オペレータは、商品登録以外の目的で、買上商品の製造元名、商品名及び買上点数等を発言し得る。結果、誤った登録処理がなされる。
【0007】
例えば、客からの質問に対して、「こちらの商品は、A社(製造元名)のものです。」と発言する場合がある。また、「商品B(商品名)は如何ですか?」と、客に所定の商品を勧める場合がある。さらに、他の店員からの所定商品の在庫数の問い合わせに対して、「3個です。」と発言する場合がある。
【0008】
特許文献2に記載の技術の場合、たまたまこれらの発言がこの順でなされた場合、製造元名、商品名及び買上点数がこの順に発言されたものとして、登録処理がなされ得る。特許文献1及び2いずれも、当該不都合を軽減する手段を開示していない。
【0009】
本発明は、音声認識技術を用いた商品登録処理における誤登録を軽減する技術を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明によれば、
音声データに対する音声認識処理で得られたテキストデータから商品名及び個数の発言部分を特定し、商品名の発言部分の中の所定の文字と個数の発言部分の中の所定の文字との間の文字数が所定の文字数以内である商品名と個数のペアを抽出する抽出手段と、
前記抽出手段により抽出された前記ペアの商品名と個数とを対応付けて商品登録する登録手段と、
を有し、
前記抽出手段は、商品名及び個数の発言部分の後に予め定義された文字列が存在するペアを抽出しない情報処理装置が提供される。
【0011】
また、本発明によれば、
コンピュータが、
音声データに対する音声認識処理で得られたテキストデータから商品名及び個数の発言部分を特定し、商品名の発言部分の中の所定の文字と個数の発言部分の中の所定の文字との間の文字数が所定の文字数以内である商品名と個数のペアを出する抽出工程と、
前記抽出工程で抽出された前記ペアの商品名と個数とを対応付けて商品登録する登録工程と、
を実行し、
前記抽出工程では、商品名及び個数の発言部分の後に予め定義された文字列が存在するペアを抽出しない情報処理方法が提供される。
【0012】
また、本発明によれば、
コンピュータを、
音声データに対する音声認識処理で得られたテキストデータから商品名及び個数の発言部分を特定し、商品名の発言部分の中の所定の文字と個数の発言部分の中の所定の文字との間の文字数が所定の文字数以内である商品名と個数のペアを抽出する抽出手段、
前記抽出手段により抽出された前記ペアの商品名と個数とを対応付けて商品登録する登録手段、
として機能させ、
前記抽出手段は、商品名及び個数の発言部分の後に予め定義された文字列が存在するペアを抽出しないプログラムが提供される。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、声認識技術を用いた商品登録処理における誤登録を軽減する技術が実現される。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本実施形態の登録装置のハードウエア構成の一例を概念的に示す図である。
図2】本実施形態の登録装置の機能ブロック図の一例である。
図3】本実施形態の登録装置が利用する商品名辞書の一例を模式的に示す図である。
図4】本実施形態の登録装置が利用する個数辞書の一例を模式的に示す図である。
図5】本実施形態の登録装置による商品登録に応じて表示される画面の一例を模式的に示す図である。
図6】本実施形態の登録装置の処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図7】本実施形態の登録装置が利用する不要語辞書の一例を模式的に示す図である。
図8】本実施形態の登録装置の機能ブロック図の一例である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本実施形態(第1乃至第5の実施形態)の登録装置(情報処理装置)は、店舗等での会計処理時に利用される。登録装置は、POS(Point Of Sale)端末であってもよい。登録装置は、店員に操作されることを想定した構成となっていてもよいし、客自身に操作されることを想定した構成(いわゆる、「セルフPOS端末」、「セルフレジスター」)となっていてもよい。
【0016】
まず、本実施形態の登録装置のハードウエア構成の一例について説明する。登録装置の各機能構成部は、各機能構成部を実現するハードウエア(例:ハードワイヤードされた電子回路など)で実現されてもよいし、ハードウエアとソフトウエアとの組み合わせ(例:電子回路とそれを制御するプログラムの組み合わせなど)で実現されてもよい。
【0017】
図1は、本実施形態の登録装置のハードウエア構成を例示する図である。当該ハードウエア構成は、登録装置用に設計された専用装置で実現されてもよいし、PC(Personal Computer)や携帯端末などの汎用装置で実現されてもよい。
【0018】
計算機200は、バス202、プロセッサ204、メモリ206、ストレージ208、入出力インタフェース210、及びネットワークインタフェース212を有する。バス202は、プロセッサ204、メモリ206、ストレージ208、入出力インタフェース210、及びネットワークインタフェース212が、相互にデータを送受信するためのデータ伝送路である。ただし、プロセッサ204などを互いに接続する方法は、バス接続に限定されない。プロセッサ204は、CPU(Central Processing Unit)やGPU(Graphics Processing Unit)などの演算処理装置である。メモリ206は、RAM(Random Access Memory)やROM(Read Only Memory)などのメモリである。ストレージ208は、ハードディスク、SSD(Solid State Drive)、又はメモリカードなどの記憶装置である。また、ストレージ208は、RAMやROMなどのメモリであってもよい。
【0019】
入出力インタフェース210は、計算機200と入出力デバイスとを接続するためのインタフェースである。例えば入出力インタフェース210には、タッチパネルディスプレイ装置214、ドロア216、釣り銭機218、プリンタ220及びマイク230などが接続される。タッチパネルディスプレイ装置214は、例えば商品の金額等を手動で入力するために利用される。また、タッチパネルディスプレイ装置214は、精算対象として登録された商品に関する情報など、種々の情報を表示する。ドロア216は硬貨や紙幣を格納する。釣り銭機218は、代金を投入するための投入口と、釣り銭を排出するための排出口を有する。プリンタ220はレシート等の発行を行う。マイク230は検出した音を電気信号に変換する。なお計算機200には、キーボードなど、その他の入力インタフェースが接続されていてもよい。
【0020】
ネットワークインタフェース212は、計算機200を外部の装置と通信可能に接続するためのインタフェースである。ネットワークインタフェース212は、有線回線と接続するためのネットワークインタフェースでもよいし、無線回線と接続するためのネットワークインタフェースでもよい。例えば登録装置を実現する計算機200は、ネットワークを介して、店舗に設置された種々の装置を管理する店舗サーバなどと接続されている。
【0021】
ストレージ208は登録装置の各機能(各機能部)を実現するプログラムモジュールを記憶している。プロセッサ204は、これら各プログラムモジュールを実行することで、そのプログラムモジュールに対応する各機能を実現する。ここでプロセッサ204は、上記各モジュールを実行する際、これらのモジュールをメモリ206上に読み出してから実行してもよいし、メモリ206上に読み出さずに実行してもよい。
【0022】
登録装置のハードウエア構成は図1に示した構成に限定されない。例えば、各プログラムモジュールはメモリ206に格納されてもよい。この場合、計算機200は、ストレージ208を備えていなくてもよい。また計算機200は、必ずしもネットワークを介して他の装置と通信可能に接続される必要はない。よって計算機200はネットワークインタフェース212を有さなくてもよい。また、登録装置が代金の支払いの処理に利用されない場合、登録装置はドロア216、釣り銭機218、及びプリンタ220を有さなくてもよい。
【0023】
また、登録装置はマイク230を有さなくてもよい。この場合、登録装置は、登録装置と論理的に分離した他の装置(マイクや所定のデータを記憶する装置等)から、オペレータの発言内容に関する音声データや、当該音声データに対して音声認識処理を行うことで生成されたテキストデータの入力を受付ける。
【0024】
以下、本実施の形態について説明する。なお、以下の実施形態の説明において利用する機能ブロック図は、ハードウエア単位の構成ではなく、機能単位のブロックを示している。これらの図においては、各装置は1つの機器により実現されるよう記載されているが、その実現手段はこれに限定されない。すなわち、物理的に分かれた構成であっても、論理的に分かれた構成であっても構わない。なお、同一の構成要素には同一の符号を付し、適宜説明を省略する。
【0025】
<第1の実施形態>
まず、本実施形態の登録装置の概要について説明する。本実施形態の登録装置は、オペレータの発言内容を記録した音声データに対して音声認識処理を行うことで得られたテキストデータから、「所定の時間以内」に発言された商品名と個数のペアを抽出する。そして、登録装置は、抽出したペアの商品名と個数とを対応付けて商品登録する。本実施形態の登録装置は、このような特徴により、誤登録を軽減する。以下、詳細に説明する。
【0026】
図2に、本実施形態の登録装置10の機能ブロック図の一例を示す。図示するように、登録装置10は、抽出部11と、登録部12と、音声認識部13とを有する。
【0027】
音声認識部13は、入力された音声データに対して音声認識処理を行い、テキストデータを生成する。音声認識部13は従来のあらゆる音声認識技術を用いて、音声認識処理を行うことができる。
【0028】
本実施形態では、登録装置を操作するオペレータの声を検出できる位置にマイクが設置される。当該マイクから出力された音声データ(電気信号)が、音声認識部13に入力される。例えば、マイクは、登録装置10の所定位置に取り付けられてもよいし、登録装置10の近傍に設置されてもよい。その他、可搬型のマイクがオペレータ自身に装着されてもよい。マイクと登録装置10との通信手段は設計的事項である。このようなマイクから出力された音声データに対して音声認識処理を行うことで、オペレータの発言内容を記録したテキストデータが生成されることになる。
【0029】
音声認識部13が生成するテキストデータは、認識した音及び認識した順を特定できればよく、形態素解析、構文解析、文脈解析、意味解析等の解析は必須でない。音声認識部13に生成されるテキストデータは、認識した音を認識した順に並べたデータであってもよい。なお、音声認識部13に生成されるテキストデータは、上述のような解析を行うことで生成されたテキストデータであってもよい。
【0030】
音声認識部13に入力される音声データにはタイム情報が付される。例えば、所定タイミングからの経過時間を示すタイムコードや、各時点の時刻情報等が付される。そして、当該タイム情報に基づき、音声認識部13が生成したテキストデータにもタイム情報が付される。例えば、テキストデータに含まれる複数の文字(音)各々に対応付けて、上記タイム情報が付されてもよい。このタイム情報により、テキストデータに含まれる複数の文字(音)各々が発せられたタイミング(所定タイミングからの経過時間)や、各々が発せられた時刻等を特定可能になる。
【0031】
抽出部11は、音声データに対する音声認識処理で得られたテキストデータから商品名及び個数の発言部分を特定し、商品名の発言部分の所定タイミングと個数の発言部分の所定タイミングとの間の時間が所定の時間以内である商品名と個数のペア(以下、「所定の時間以内で発言された商品名と個数のペア」という場合がある)を抽出する。抽出部11は、商品名辞書及び個数辞書を利用して上記処理を行う。
【0032】
図3に商品名辞書の一例を模式的に示す。商品名辞書は、複数の商品名各々に対応付けて、1つ又は複数のよみ仮名を登録した辞書である。商品名辞書は、商品名辞書記憶部(図2において不図示)に記憶される。登録装置10が商品名辞書記憶部を有してもよいし、登録装置10と通信可能に構成された外部装置が商品名辞書記憶部を有してもよい。予め、上述のような商品名辞書が作成され、商品名辞書記憶部に登録される。
【0033】
図4に個数辞書の一例を模式的に示す。個数辞書は、複数の個数各々に対応付けて、1つ又は複数のよみ仮名を登録した辞書である。個数辞書は、個数辞書記憶部(図2において不図示)に記憶される。登録装置10が個数辞書記憶部を有してもよいし、登録装置10と通信可能に構成された外部装置が個数辞書記憶部を有してもよい。予め、上述のような個数辞書が作成され、個数辞書記憶部に登録される。
【0034】
抽出部11は、商品名辞書及び個数辞書に登録されているよみ仮名をキーとして音声認識部13が生成したテキストデータを検索し、テキストデータに含まれる商品名及び個数の文字列を特定する。
【0035】
そして、抽出部11は、上記タイム情報を用いて、商品名の発言部分の所定タイミングと個数の発言部分の所定タイミングとの間の時間が所定の時間以内である商品名と個数のペアを抽出する。例えば、抽出部11は、商品名及び個数各々が含む1つ又は複数の文字(音)の中の所定の文字(設計的事項。例えば、冒頭の文字。最後の文字。)を発言したタイミングを代表タイミングとして特定する。そして、抽出部11は、代表タイミング間の時間間隔が所定の時間以内である商品名及び個数のペアを抽出する。
【0036】
一例として、抽出部11は、「りんごをいっこ」というテキストデータの中から、「りんご」という商品名と、「いっこ」という個数を特定した場合、「り」という文字と「こ」という文字の間の時間間隔が所定の時間以内であるペアを抽出してもよい。これは、先に現れる文字列(商品名又は個数)の最初の文字と、後に現れる文字列(個数又は商品名)の最後の文字との間の文字数が、所定の文字数以内のペアを抽出する例である。
【0037】
他の例として、抽出部11は、「りんごをいっこ」というテキストデータの中から、「りんご」という商品名と、「いっこ」という個数を特定した場合、「ご」という文字と「い」という文字の間の時間間隔が所定の時間以内であるペアを抽出してもよい。これは、先に現れる文字列(商品名又は個数)の最後の文字と、後に現れる文字列(個数又は商品名)の最初の文字との間の時間間隔が、所定の時間以内のペアを抽出する例である。なお、これらの例示は一例であり、これらに限定されない。
【0038】
所定の時間は設計的事項である。30秒、10秒、5秒など、秒単位が想定されるが、これらに限定されない。
【0039】
図2に戻り、登録部12は、抽出部11により抽出されたペアの商品名と個数とを対応付けて商品登録する。すなわち、販売対象(購入対象)として、その商品及び個数が登録される。
【0040】
例えば、登録装置10が、図5に示すような商品登録の内容を示す画面をディスプレイ装置に表示するよう構成されている場合、登録部12の商品登録に応じて、登録された商品及び個数が図5に示すような画面上に追加されていくことになる。
【0041】
登録部12は、複数の商品各々の詳細(単価等)を示す商品情報(商品マスタ)を検索することで、抽出部11に抽出された商品名に対応する詳細な情報(単価等)を取得することができる。そして、取得した詳細な情報を用いて、商品登録を行うことができる。
【0042】
次に、図6のフローチャートを用いて、本実施形態の登録装置10の処理の流れの一例を説明する。ここでは、注文と会計処理とを同じタイミングで行う場合を例にとり説明する。
【0043】
まず、客は、登録装置10が設置されたカウンターに行き、購入を希望する商品を注文する。例えば、客は、カウンター付近のディスプレイに陳列されている複数の商品や、カウンター付近に配置されているメニューを見ながら、購入を希望する商品及び個数を店員に伝える。
【0044】
店員は、注文を受けると、「商品Aを2個」、「商品Bを3個」等のように復唱し、発言内容を客に伝えることで、注文内容に間違いがないか確認作業を行う。そして、この確認作業時の発言内容がリアルタイムに音声認識部13に入力される。
【0045】
音声認識部13は、入力された音声データに対して音声認識処理を行い、テキストデータを生成する(S10)。生成されたテキストデータは、リアルタイムに抽出部11に入力される。
【0046】
抽出部11は、商品名辞書(図3参照)、個数辞書(図4参照)、テキストデータに付されたタイム情報を用いて、S10で生成されたテキストデータから、所定の時間以内に発言された商品名と個数のペアを抽出する(S11)。抽出されたペアを示す情報は、リアルタイムに登録部12に入力される。
【0047】
登録部12は、S11で抽出されたペアの商品名と個数とを対応付けて商品登録する(S12)。結果、例えば図5に示すように、商品登録された商品名及び個数が所定の画面に表示される。
【0048】
以上、説明した本実施形態の登録装置10は、商品名と個数とが所定の時間以内に発言された場合に、その商品と個数を対応付けて商品登録することができる。換言すれば、商品名及び個数が所定の時間以内に発言されていない場合、その商品と個数とを対応付けた商品登録を行わない。
【0049】
例えば、「本日、商品B(商品名)がお勧めとなっています。」と、客に所定の商品を勧めてから所定時間以上(例:5分)経過した後に、他の店員からの所定商品の在庫数の問い合わせに対して、「3個です。」と発言する場合がある。この場合、音声データから単に商品名及び個数を検出し、出現順が前後する商品名及び個数でペアを作成し、商品登録するよう構成されていると、商品Bと3個とが対応付けて商品登録されてしまう。ペア抽出時に「所定の時間以内に発言された商品名及び個数のペアを抽出」という条件を付す本実施形態の登録装置10によれば、このような誤登録を軽減できる。
【0050】
なお、商品登録作業時に、販売対象(購入対象)の商品名とその個数とを長い時間間隔を置いて発言しなければいけない状況は稀であり、起こりにくい。このため、商品名及び個数が所定の時間以内に発言されていない場合、その商品と個数とを対応付けた商品登録を行わないように構成しても、特段不都合はない。
【0051】
さらに、商品登録作業のマニュアル等において、「「商品名」と「個数」とを所定の時間以内に発言する」ことを定め、オペレータに周知させておくことで、上述のような誤登録を軽減しつつ、有効的に登録装置10を利用することができる。
【0052】
<第2の実施形態>
まず、本実施形態の登録装置の概要について説明する。本実施形態の登録装置は、オペレータの発言内容を記録した音声データに対して音声認識処理を行うことで得られたテキストデータから、「所定の文字数以内(音以内)」に発言された商品名と個数のペアを抽出する。そして、登録装置は、抽出したペアの商品名と個数とを対応付けて商品登録する。本実施形態の登録装置は、このような特徴により、誤登録を軽減する。以下、詳細に説明する。
【0053】
図2に、本実施形態の登録装置10の機能ブロック図の一例を示す。図示するように、登録装置10は、抽出部11と、登録部12と、音声認識部13とを有する。
【0054】
音声認識部13は、入力された音声データに対して音声認識処理を行い、テキストデータを生成する。音声認識部13の構成や、音声認識部13に音声データを入力するマイクの構成は、第1の実施形態と同様である。
【0055】
なお、本実施形態の音声データにはタイム情報が付されていなくてもよい。そして、音声認識部13が生成したテキストデータにもタイム情報が付されていなくてもよい。
【0056】
抽出部11は、音声データに対する音声認識処理で得られたテキストデータから商品名及び個数の発言部分を特定し、商品名の中の所定の文字と個数の中の所定の文字との間の文字数が所定の文字数以内である商品名と個数のペア(以下、「所定の文字数以内で発言された商品名と個数のペア」という場合がある)を抽出する。抽出部11は、商品名辞書(図3参照)及び個数辞書(図4参照)を利用して上記抽出処理を行う。商品名辞書及び個数辞書の構成は、第1の実施形態と同様である。
【0057】
抽出部11は、商品名辞書及び個数辞書に登録されているよみ仮名をキーとして音声認識部13が生成したテキストデータを検索し、テキストデータに含まれる商品名及び個数の文字列を特定する。
【0058】
そして、抽出部11は、商品名の中の所定の文字と個数の中の所定の文字との間の文字数が所定の文字数以内である商品名と個数のペアを抽出する。例えば、抽出部11は、商品名及び個数各々が含む1つ又は複数の文字(音)の中の所定の文字(設計的事項。例えば、冒頭の文字。最後の文字。)を代表文字として特定する。そして、抽出部11は、代表文字間の文字数が所定の文字数以内である商品名及び個数のペアを抽出する。
【0059】
一例として、抽出部11は、「りんごをいっこ」というテキストデータの中から、「りんご」という商品名と、「いっこ」という個数を特定した場合、「り」という文字と「こ」という文字の間の文字数(この例の場合、「5」)が所定の文字数以内であるペアを抽出してもよい。これは、先に現れる文字列(商品名又は個数)の最初の文字と、後に現れる文字列(個数又は商品名)の最後の文字との間の文字数が、所定の文字数以内のペアを抽出する例である。
【0060】
他の例として、抽出部11は、「りんごをいっこ」というテキストデータの中から、「りんご」という商品名と、「いっこ」という個数を特定した場合、「ご」という文字と「い」という文字の間の文字数(この例の場合、「1」)が所定の文字数以内であるペアを抽出してもよい。これは、先に現れる文字列(商品名又は個数)の最後の文字と、後に現れる文字列(個数又は商品名)の最初の文字との間の文字数が、所定の文字数以内のペアを抽出する例である。なお、これらの例示は一例であり、これらに限定されない。
【0061】
所定の文字数は設計的事項である。10文字、5文字程度が想定されるが、これらに限定されない。
【0062】
図2に戻り、登録部12は、抽出部11により抽出されたペアの商品名と個数とを対応付けて商品登録する。すなわち、販売対象(購入対象)として、その商品及び個数が登録される。登録部12の構成は、第1の実施形態と同様である。
【0063】
本実施形態の登録装置10の処理の流れの一例は、第1の実施形態と同様である。
【0064】
以上、説明した本実施形態の登録装置10は、商品名と個数とが所定の文字数以内に発言された場合に、その商品と個数を対応付けて商品登録することができる。換言すれば、商品名及び個数が所定の文字数以内に発言されていない場合、その商品と個数とを対応付けた商品登録を行わない。
【0065】
例えば、「本日、商品B(商品名)がお勧めとなっています。」と、客に所定の商品を勧めてから所定時間以上(例:5分)経過した後に、他の店員からの所定商品の在庫数の問い合わせに対して、「3個です。」と発言する場合がある。この場合、音声データから単に商品名及び個数を検出し、出現順が前後する商品名及び個数でペアを作成し、商品登録するよう構成されていると、商品Bと3個とが対応付けて商品登録されてしまう。ペア抽出時に「所定の文字数以内に発言された商品名及び個数のペアを抽出」という条件を付す本実施形態の登録装置10によれば、このような誤登録を軽減できる。
【0066】
なお、商品登録作業時に、販売対象(購入対象)の商品名とその個数とを、その他の会話を挟んで発言しなければいけない状況は稀であり、起こりにくい。このため、商品名及び個数が所定の文字数以内に発言されていない場合、その商品と個数とを対応付けた商品登録を行わないように構成しても、特段不都合はない。
【0067】
さらに、商品登録作業のマニュアル等において、「「商品名」と「個数」とを所定の文字数以内に発言する」ことを定め、オペレータに周知させておくことで、上述のような誤登録を軽減しつつ、有効的に登録装置10を利用することができる。
【0068】
<第3の実施形態>
本実施形態の登録装置10は、所定の時間以内又は所定の文字数以内で発言され、かつ、発言順が商品名、個数の順番を満たすペアを抽出した場合に、その商品と個数とを対応付けて商品登録するよう構成される。
【0069】
なお、本実施形態の登録装置10は、所定の時間以内又は所定の文字数以内で発言され、発言順が商品名、個数の順番を満たし、かつ、他の商品名及び/又は他の個数を挟まずに連続的に発言された商品名と個数のペアを抽出した場合に、その商品と個数とを対応付けて商品登録するよう構成されてもよい。
【0070】
図2に、本実施形態の登録装置10の機能ブロック図の一例を示す。図示するように、登録装置10は、抽出部11と、登録部12と、音声認識部13とを有する。登録部12及び音声認識部13の構成は、第1又は第2の実施形態と同様である。
【0071】
抽出部11は、所定の時間以内で発言され、かつ、発言順が商品名、個数の順番を満たすペアを抽出してもよい。
【0072】
その他、抽出部11は、所定の時間以内で発言され、発言順が商品名、個数の順番を満たし、かつ、他の商品名及び/又は他の個数を挟まずに連続的に発言された商品名と個数のペアを抽出してもよい。この場合、抽出される商品名と個数のペアの間に、他の商品名及び他の個数以外の発言が含まれてもよい。
【0073】
その他、抽出部11は、所定の文字数以内で発言され、かつ、発言順が商品名、個数の順番を満たすペアを抽出してもよい。
【0074】
その他、抽出部11は、所定の文字数以内で発言され、発言順が商品名、個数の順番を満たし、かつ、他の商品名及び/又は他の個数を挟まずに連続的に発言された商品名と個数のペアを抽出してもよい。この場合、抽出される商品名と個数のペアの間に、他の商品名及び他の個数以外の発言が含まれてもよい。
【0075】
本実施形態の登録装置10の処理の流れの一例は、第1及び第2の実施形態と同様である。
【0076】
以上、説明した本実施形態の登録装置10によれば、第1及び第2の実施形態と同様な作用効果を実現できる。
【0077】
また、本実施形態の登録装置10は、所定の時間以内又は所定の文字数以内で発言され、かつ、発言順が商品名、個数の順番を満たすペアを抽出し、商品登録できる。
【0078】
抽出部11によるペア抽出の条件となる「所定の時間」や「所定の文字数」の設定の仕方や、オペレータによる発言の仕方によっては、ある商品名や個数が、複数のペアとして抽出される事態が生じ得る。例えば、オペレータが、「商品A、2個」、「商品B、3個」という発言を連続的にした場合、「商品A」と「2個」との間のみならず、「2個」と「商品B」との間でも上記条件を満たす状況が発生し得る。かかる場合、誤登録が発生し得る。
【0079】
本実施形態の登録装置10のように、「商品名」−「個数」の順に発言されたペアを抽出し、商品登録を行うことで、オペレータの意図通りの商品登録を実現し、上述のような誤登録を軽減できる。
【0080】
なお、商品登録作業のマニュアル等において、「「商品名」−「個数」をこの順に発言する」ことを定め、オペレータに周知させておくことで、上述のような誤登録を軽減しつつ、有効的に登録装置10を利用することができる。
【0081】
その他、本実施形態の登録装置10は、所定の時間以内又は所定の文字数以内で発言され、発言順が商品名、個数の順番を満たし、かつ、他の商品名及び/又は他の個数を挟まずに連続的に発言された商品名と個数のペアを抽出し、商品登録できる。
【0082】
抽出部11によるペア抽出の条件となる「所定の時間」や「所定の文字数」の設定の仕方や、オペレータによる発言の仕方によっては、ある商品名や個数が、複数のペアとして抽出される事態が生じ得る。例えば、オペレータが、「商品A、2個」、「商品B、3個」という発言を連続的にした場合、「商品A」と「2個」との間のみならず、「商品A」と「3個」との間でも上記条件を満たす状況が発生し得る。かかる場合、誤登録が発生し得る。ペア抽出時に「他の商品名や他の個数を挟まずに連続的に発言された商品名と個数のペアを抽出」という条件を付すことができる本実施形態の登録装置10によれば、このような誤登録を軽減できる。
【0083】
なお、本実施形態で、「他の商品名及び/又は他の個数を挟まずに連続的に発言された商品名と個数のペアを抽出」という条件のもと、商品名と個数のペアを抽出する例を示した。これの変形例として、抽出部11は、「他の商品名及び/又は他の個数を挟まずに連続的に発言された商品名と個数のペアを抽出。ただし、他者(オペレータ以外の者。例えば、客。)が発言した商品名及び/又は個数は挟んでもよい。」という条件のもと、商品名と個数のペアを抽出してもよい。すなわち、抽出部11は、他者の発話を挟んで連続的に発言された商品名と個数のペアを抽出することができる。
【0084】
例えば、抽出部11は、所定の時間以内で発言され、発言順が商品名、個数の順番を満たし、かつ、他の商品名及び/又は他の個数を挟まずに連続的に発言された商品名と個数のペア(ただし、他者が発言した商品名及び/又は個数は挟んでもよい)を抽出してもよい。この場合、抽出される商品名と個数のペアの間に、他者(オペレータ以外の者。)が発言した商品名及び/又は個数を含んでもよい。
【0085】
その他、抽出部11は、所定の文字数以内で発言され、発言順が商品名、個数の順番を満たし、かつ、他の商品名及び/又は他の個数を挟まずに連続的に発言された商品名と個数のペア(ただし、他者が発言した商品名及び/又は個数は挟んでもよい)を抽出してもよい。この場合、抽出される商品名と個数のペアの間に、他者(オペレータ以外の者。)が発言した商品名及び/又は個数を含んでもよい。
【0086】
抽出部11は、音声データを解析して発話者を特定するあらゆる技術を用いて、テキストデータから特定した商品名や個数の発話者が、オペレータであるか他者であるかを判断することができる。例えば、予め、オペレータが発話した音声データから抽出された特徴量が、当該オペレータに対応付けて抽出部11に登録されていてもよい。そして、抽出部11は、当該特徴量を用いて発話者が登録されているオペレータであるか否かを判断してもよい。
【0087】
<第4の実施形態>
本実施形態の登録装置10は、所定の時間以内又は所定の文字数以内で発言され、かつ、他の文字を挟まずに、又は、予め登録されている不要語のみを挟んで連続的に発言された商品名と個数のペアを抽出した場合に、その商品と個数とを対応付けて商品登録するよう構成される。
【0088】
なお、本実施形態の登録装置10は、所定の時間以内又は所定の文字数以内で発言され、発言順が商品名、個数の順番を満たし、かつ、他の文字を挟まずに、又は、予め登録されている不要語のみを挟んで連続的に発言された商品名と個数のペアを抽出した場合に、その商品と個数とを対応付けて商品登録するよう構成されてもよい。
【0089】
ここでの「他の文字」は、商品名、個数等を表す文字に限定されず、これらに関係ない発言内容(例:「次のお客様どうぞ」)を表す文字をも含む概念である。
【0090】
図2に、本実施形態の登録装置10の機能ブロック図の一例を示す。図示するように、登録装置10は、抽出部11と、登録部12と、音声認識部13とを有する。登録部12及び音声認識部13の構成は、第1、第2又は第3の実施形態と同様である。
【0091】
抽出部11は、所定の時間以内で発言され、かつ、他の文字を挟まずに、又は、予め登録されている不要語のみを挟んで連続的に発言された商品名と個数のペアを抽出してもよい。
【0092】
その他、抽出部11は、所定の時間以内で発言され、発言順が商品名、個数の順番を満たし、かつ、他の文字を挟まずに、又は、予め登録されている不要語のみを挟んで連続的に発言された商品名と個数のペアを抽出してもよい。
【0093】
その他、抽出部11は、所定の文字数以内で発言され、かつ、他の文字を挟まずに、又は、予め登録されている不要語のみを挟んで連続的に発言された商品名と個数のペアを抽出してもよい。
【0094】
その他、抽出部11は、所定の文字数以内で発言され、発言順が商品名、個数の順番を満たし、かつ、他の文字を挟まずに、又は、予め登録されている不要語のみを挟んで連続的に発言された商品名と個数のペアを抽出してもよい。
【0095】
抽出部11は、不要語辞書を用いて、上記抽出を行う。すなわち、抽出部11は、予め不要語辞書に登録されている文字や文字列を、不要語として扱う。なお、抽出部11により抽出されるペアの商品名と個数の間には、1つの不要語のみならず、複数の不要語が挟まれてもよい。
【0096】
図7に不要語辞書の一例を模式的に示す。不要語辞書には、商品登録作業において特に意味をなさない言語のよみ仮名が登録されている。例えば、助詞、あいづち、間を埋めるための発言等が考えらえるが、これらに限定されない。不要語辞書は、不要語辞書記憶部(図2において不図示)に記憶される。登録装置10が不要語辞書記憶部を有してもよいし、登録装置10と通信可能に構成された外部装置が不要語辞書記憶部を有してもよい。予め、上述のような不要語辞書が作成され、不要語辞書記憶部に登録される。
【0097】
他の文字を挟まずに連続的に発言された商品名と個数のペアは、例えば、「商品A、2個」、「商品B、3個」等が該当する。不要語のみを挟んで連続的に発言された商品名と個数のペアは、例えば、「商品Aを2個」(1つの不要語「を」)、「商品Bを、えっと3個」(2つの不要語、「を」、「えっと」)等が該当する。
【0098】
本実施形態の登録装置10の処理の流れの一例は、第1乃至第3の実施形態と同様である。
【0099】
以上、説明した本実施形態の登録装置10によれば、第1乃至第3の実施形態と同様な作用効果を実現できる。
【0100】
また、本実施形態の登録装置10は、所定の時間以内又は所定の文字数以内で発言され、かつ、他の文字を挟まずに、又は、予め登録されている不要語のみを挟んで連続的に発言された商品名と個数のペアを抽出し、商品登録できる。
【0101】
抽出部11によるペア抽出の条件となる「所定の時間」や「所定の文字数」の設定の仕方や、オペレータによる発言の仕方によっては、ある商品名や個数が、複数のペアとして抽出される事態が生じ得る。例えば、オペレータが、「商品A、2個」、「商品B、3個」という発言を連続的にした場合、「商品A」と「2個」との間のみならず、「商品A」と「3個」との間でも上記条件を満たし得る。結果、誤登録が発生し得る。ペア抽出時に「他の文字を挟まずに、又は、予め登録されている不要語のみを挟んで連続的に発言された商品名と個数のペアを抽出」という条件を付すことができる本実施形態の登録装置10によれば、このような誤登録を軽減できる。
【0102】
また、商品登録作業時に発言され得る商品登録作業に関係ない不要語を考慮して、連続的に発言された商品名及び個数のペアを抽出するように構成することで、オペレータによる発言の自由度が増し好ましい(「えー」、「えっと」等の発言が許される)。
【0103】
なお、本実施形態で、「他の文字を挟まずに、又は、予め登録されている不要語のみを挟んで連続的に発言された商品名と個数のペアを抽出」という条件のもと、商品名と個数のペアを抽出する例を示した。これの変形例として、抽出部11は、「他の文字を挟まずに、又は、予め登録されている不要語のみを挟んで連続的に発言された商品名と個数のペアを抽出。ただし、他者(オペレータ以外の者。例えば、客。)の発言内容を示す他の文字は挟んでもよい。」という条件のもと、商品名と個数のペアを抽出してもよい。すなわち、抽出部11は、他者の発話を挟んで連続的に発言された商品名と個数のペアを抽出することができる。
【0104】
例えば、抽出部11は、所定の時間以内で発言され、かつ、他の文字を挟まずに、又は、予め登録されている不要語のみを挟んで連続的に発言された商品名と個数のペア(ただし、他者(オペレータ以外の者。)の発言内容を示す他の文字は挟んでもよい。)を抽出してもよい。この場合、抽出される商品名と個数のペアの間に、他者(オペレータ以外の者。例えば、客。)が発言した文字を含んでもよい。
【0105】
その他、抽出部11は、所定の時間以内で発言され、発言順が商品名、個数の順番を満たし、かつ、他の文字を挟まずに、又は、予め登録されている不要語のみを挟んで連続的に発言された商品名と個数のペア(ただし、他者(オペレータ以外の者。)の発言内容を示す他の文字は挟んでもよい。)を抽出してもよい。この場合、抽出される商品名と個数のペアの間に、他者(オペレータ以外の者。例えば、客。)が発言した文字を含んでもよい。
【0106】
その他、抽出部11は、所定の文字数以内で発言され、かつ、他の文字を挟まずに、又は、予め登録されている不要語のみを挟んで連続的に発言された商品名と個数のペア(ただし、他者(オペレータ以外の者。)の発言内容を示す他の文字は挟んでもよい。)を抽出してもよい。この場合、抽出される商品名と個数のペアの間に、他者(オペレータ以外の者。例えば、客。)が発言した文字を含んでもよい。
【0107】
その他、抽出部11は、所定の文字数以内で発言され、発言順が商品名、個数の順番を満たし、かつ、他の文字を挟まずに、又は、予め登録されている不要語のみを挟んで連続的に発言された商品名と個数のペア(ただし、他者(オペレータ以外の者。)の発言内容を示す他の文字は挟んでもよい。)を抽出してもよい。この場合、抽出される商品名と個数のペアの間に、他者(オペレータ以外の者。例えば、客。)が発言した文字を含んでもよい。
【0108】
抽出部11は、音声データを解析して発話者を特定するあらゆる技術を用いて、テキストデータに含まれる発言の発話者が、オペレータであるか他者であるかを判断することができる。例えば、予め、オペレータが発話した音声データから抽出された特徴量が、当該オペレータに対応付けて抽出部11に登録されていてもよい。そして、抽出部11は、当該特徴量を用いて発話者が登録されているオペレータであるか否かを判断してもよい。
【0109】
<第5の実施形態>
本実施形態の登録装置10は、抽出部11の構成が第1乃至第4の実施形態と異なる。抽出部11は、第1乃至第4の実施形態で説明した抽出条件を満たす商品名と個数のペアであってもよい、以下の条件を満たす場合、そのペアを抽出しない。
【0110】
具体的には、第1乃至第4の実施形態で説明した抽出条件を満たす商品名と個数のペアの後に、「はいかがですか?」、「がお勧めとなっています。」等のように、商品登録とは異なる内容を示す所定の発言がなされている場合、抽出部11はそのペアを抽出しない。予め、このような文字列(以下、「抽出中止文字列」)がデータベースに登録されている。そして、抽出部11は、第1乃至第4の実施形態で説明した抽出条件を満たす商品名と個数のペアの後に、当該データベースに登録されている抽出中止文字列が存在するか否かを判断する。存在する場合、抽出部11はそのペアを抽出しない。
【0111】
なお、抽出部11は、商品名と個数のペアの発言部分の所定タイミングと、抽出中止文字列の発言部分の所定タイミングとの間の時間が所定の時間以内である場合、ペアの後に抽出中止文字列が存在すると判断してもよい。例えば、抽出部11は、商品名及び個数のペアが含む1つ又は複数の文字(音)の中の所定の文字(設計的事項。例:最後の文字。)を発言したタイミングと、抽出中止文字列が含む1つ又は複数の文字(音)の中の所定の文字(設計的事項。例:最初の文字。)を発言したタイミングとの間の時間が所定の時間以内であるか否かを判断してもよい。
【0112】
その他、抽出部11は、商品名と個数のペアと、抽出中止文字列との間の文字数が所定の文字数以内である場合、ペアの後に抽出中止文字列が存在すると判断してもよい。例えば、抽出部11は、商品名及び個数のペアが含む1つ又は複数の文字(音)の中の所定の文字(設計的事項。例:最後の文字。)と、抽出中止文字列が含む1つ又は複数の文字(音)の中の所定の文字(設計的事項。例:最初の文字。)との間の文字数が所定の文字数以内であるか否かを判断してもよい。
【0113】
他の例として、抽出部11には、音声データに対して音声認識処理を行い、さらに、構文解析を行ったテキストデータが入力されてもよい。そして、抽出部11は、第1乃至第4の実施形態で説明した抽出条件を満たす商品名と個数のペアであっても、そのペアを含む一文が、構文解析により、商品を勧める一文と解釈されている場合、そのペアを抽出しなくてもよい。その他、上記ペアを含む一文の抑揚を解析し、その一文が商品を勧める一文であるか否かを判断してもよい。例えば、一文の末尾の抑揚が上がっている場合、商品を勧める一文と解釈してもよい。
【0114】
本実施形態によれば、第1乃至第4の実施形態と同様な作用効果を実現できる。また、商品を勧めている場合など、商品登録と関係発言内容に基づき商品登録される誤登録を軽減できる。
【0115】
<第6実施形態>
図8に、本実施形態の登録装置10の機能ブロック図の一例を示す。図示するように、本実施形態の登録装置10は、抽出部11及び登録部12を有し、音声認識部13を有さない。
【0116】
本実施形態の場合、登録装置10と論理的に分かれ、登録装置10と通信可能に構成された外部装置が、音声認識部13を有する。本実施形態の場合、外部装置に音声データが入力され、外部装置の音声認識部13が音声認識処理を行う。そして、音声認識の結果が登録装置10の抽出部11に入力される。抽出部11、登録部12及び音声認識部13の構成は、第1乃至第4の実施形態と同様である。
【0117】
以上説明した本実施形態によれば、第1乃至第5の実施形態と同様な作用効果を実現できる。
【0118】
以下、参考形態の例を付記する。
1. 音声データに対する音声認識処理で得られたテキストデータから商品名及び個数の発言部分を特定し、商品名の発言部分の所定タイミングと個数の発言部分の所定タイミングとの間の時間が所定の時間以内である商品名と個数のペア、又は、商品名の中の所定の文字と個数の中の所定の文字との間の文字数が所定の文字数以内である商品名と個数のペアを抽出する抽出手段と、
前記抽出手段により抽出された前記ペアの商品名と個数とを対応付けて商品登録する登録手段と、
を有する情報処理装置。
2. 1に記載の情報処理装置において、
前記抽出手段は、所定の時間以内又は所定の文字数以内で発言され、かつ、発言順が商品名、個数の順番を満たす前記ペアを抽出する情報処理装置。
3. 1又は2に記載の情報処理装置において、
前記抽出手段は、他の文字を挟まずに、又は、予め登録されている不要語のみを挟んで連続的に発言された商品名と個数の前記ペアを抽出する情報処理装置。
4. 1から3のいずれかに記載の情報処理装置において、
前記抽出手段は、他の商品名及び/又は他の個数を挟まずに連続的に発言された商品名と個数の前記ペアを抽出する情報処理装置。
5. 1から4のいずれかに記載の情報処理装置において、
前記抽出手段は、他者の発話を挟んで連続的に発言された商品名と個数の前記ペアを抽出する情報処理装置。
6. 1から5のいずれかに記載の情報処理装置において、
音声データに対して音声認識処理を行い、テキストデータを生成する音声認識手段をさらに有する情報処理装置。
7. コンピュータが、
音声データに対する音声認識処理で得られたテキストデータから商品名及び個数の発言部分を特定し、商品名の発言部分の所定タイミングと個数の発言部分の所定タイミングとの間の時間が所定の時間以内である商品名と個数のペア、又は、商品名の中の所定の文字と個数の中の所定の文字との間の文字数が所定の文字数以内である商品名と個数のペアを抽出する抽出工程と、
前記抽出工程で抽出された前記ペアの商品名と個数とを対応付けて商品登録する登録工程と、
を実行する情報処理方法。
7−2. 7に記載の情報処理方法において、
前記抽出工程では、所定の時間以内又は所定の文字数以内で発言され、かつ、発言順が商品名、個数の順番を満たす前記ペアを抽出する情報処理方法。
7−3. 7又は7−2に記載の情報処理方法において、
前記抽出工程では、他の文字を挟まずに、又は、予め登録されている不要語のみを挟んで連続的に発言された商品名と個数の前記ペアを抽出する情報処理方法。
7−4. 7から7−3のいずれかに記載の情報処理方法において、
前記抽出工程では、他の商品名及び/又は他の個数を挟まずに連続的に発言された商品名と個数の前記ペアを抽出する情報処理方法。
7−5. 7から7−4のいずれかに記載の情報処理方法において、
前記抽出工程では、他者の発話を挟んで連続的に発言された商品名と個数の前記ペアを抽出する情報処理方法。
7−6. 7から7−5のいずれかに記載の情報処理方法において、
前記コンピュータが、音声データに対して音声認識処理を行い、テキストデータを生成する音声認識工程をさらに実行する情報処理方法。
8. コンピュータを、
音声データに対する音声認識処理で得られたテキストデータから商品名及び個数の発言部分を特定し、商品名の発言部分の所定タイミングと個数の発言部分の所定タイミングとの間の時間が所定の時間以内である商品名と個数のペア、又は、商品名の中の所定の文字と個数の中の所定の文字との間の文字数が所定の文字数以内である商品名と個数のペアを抽出する抽出手段、
前記抽出手段により抽出された前記ペアの商品名と個数とを対応付けて商品登録する登録手段、
として機能させるプログラム。
8−2. 8に記載のプログラムにおいて、
前記抽出手段は、所定の時間以内又は所定の文字数以内で発言され、かつ、発言順が商品名、個数の順番を満たす前記ペアを抽出するプログラム。
8−3. 8又は8−2に記載のプログラムにおいて、
前記抽出手段は、他の文字を挟まずに、又は、予め登録されている不要語のみを挟んで連続的に発言された商品名と個数の前記ペアを抽出するプログラム。
8−4. 8から8−3のいずれかに記載のプログラムにおいて、
前記抽出手段は、他の商品名及び/又は他の個数を挟まずに連続的に発言された商品名と個数の前記ペアを抽出するプログラム。
8−5. 8から8−4のいずれかに記載のプログラムにおいて、
前記抽出手段は、他者の発話を挟んで連続的に発言された商品名と個数の前記ペアを抽出するプログラム。
8−6. 8から8−5のいずれかに記載のプログラムにおいて、
音声データに対して音声認識処理を行い、テキストデータを生成する音声認識手段をさらに有するプログラム。
【符号の説明】
【0119】
10 登録装置
11 抽出部
12 登録部
13 音声認識部
200 計算機
202 バス
204 プロセッサ
206 メモリ
208 ストレージ
210 入出力I/F
214 タッチパネルディスプレイ装置
216 ドロア
218 釣り銭機
220 プリンタ
230 マイク
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8